カテゴリー
Interview Special 、マリアン・マリアノ ガドウィン・ランバヤン ジェロイド・アルバレス トロイ・レガスピ ブログ マーク・ストリーグル ロディアン・メンチャベス

【Special】フィリピンMMAを知る。マーク・ストリーグル─02─「できれば日本、アジアで戦いたい」

【写真】 マーク・ストリーグルがUFCとの契約を解除されたため、現在はフィリピン人UFCファイターは存在しない(C)MMAPLANET

フィリピンMMA界の今──をプロモーター&マネージャー、ファイター、そして指導者の目を通して伝えたい。同企画の第2弾、マーク・ストリーグル・インタビュー後編。

日本でレスリングとMMAに出会ったストリーグルは、現在コンバットサンボのフィリピン代表でSEAゲームス2019では74キロ級で優勝をしている。UFCでは望んだような結果を残せなかったストリーグルは、現在コンバットサンボで戦うことを念頭に、MMA復帰を虎視眈々と狙っている。

そんな打撃系でないピノイMMAファイターのマークにラカイを頂点とするフィリピンMMA界の現状と自らが率いるラウンドワンMMAの精鋭たちについて話しを訊いた。

<マーク・ストリーグル・インタビューPart.01はコチラから>


──レジェンドファイターがジェイク・ポールとボクシングを戦った方が、現状の力でMMAを戦うよりもマネーになる現実がありますね。

「ただジェイク・ポールはメチャクチャ練習していると思うよ。最初の頃はそうでもなかったけど、今は鍛錬を積んでいる。ファイターとしてね。そしてビッグファイトを戦うようになったんだ」

──なるほど。ではフィリピンのMMAの現状に関してですが、過去10年間、この国のMMAをリードし続けてきたのはチーム・ラカイです。

「その通りだね」

──フィリピンMMAの今、他のMMAチームの力についてマークはどのように捉えていますか。

「今では小さなチームも数多く存在しているよ。僕らのラウンドワンMMAを含めてね。ラウンドワンにもこれからが期待できる選手が在籍しているしね。僕らはサンボのナショナルチームの一員でもあるから、サンビストも多いよ。

ラウンドワン以外にもレネ・カタランのカタラン・チームも強い。ラカイのように散打のバックグラウンドがあるチームだ。チームTレックスもザンボアンガ兄妹以外に、ローカル団体のWFPでチャンピオンを輩出しているね。多くの小さなチームに所属していのファイターも、ローカルショーではチャンピオンになっている。

とはいってチーム・ラカイがナンバーワン、チャンピオンの数もそうだし、最強チームは彼らだよ」

──他のチームの選手も、チーム・ラカイに移籍してチャンスを得ようという傾向もあります。

「う~ん、でもマニラに住んでいる選手がチャンスを得るためにバギオに移り住むことは難しいよ。例えばONEと契約してから、ライフスタイルを変えるためにバギオに行くことはあっても。そういう契約か、大きなスポンサーのサポートがないとそれは無理な話だからね」

──ではマーク自身MMAファイターとして、UFC後のキャリアをどのように積んでいこうと考えていますか。

「今はサンボを戦う準備をしている。SEAゲームス(東南アジア競技大会)にまた参加したいし、インドア・エイジアンゲームスでも戦うよ。フィリピン代表選手でいることは楽しいしね。それにコンバットサンボはMMAにとても似ているから。ただ、頭突きが認められているけどね(笑)」

──しかも1日に3試合、4試合と戦う必要があります。タフすぎます(笑)。

「だからこそ、ロシア人ファイターはあんなにMMAで活躍できているんだよ。あれだけ、ソックリなファイトで経験を積んでいるんだから。しかもヘッドバット有りでね(笑)。僕自身コンバットサンボを楽しんで戦っているけど、もちろんMMAにも戻るつもりだ。

正直を言えば、UFCとの契約期間中はケガだらけだった。前回の試合は本当にシリアスな状況だったんだ。爪先の筋を切断していて。UFC後は体を休めることが必要だった。でも2023年はMMAで戦う。できれば日本、そしてアジアのどこかで戦いたい。今はフリーランスだし、良いオファーがあればトラベルを楽しみたいと思っている」

──ぜひとも、日本でマークの試合が見てみたいです。それとチームメイトの試合も。

「ラウンドワンには力のある、これからの選手が多いからね。

左からランバヤン、メンチャベス、マリアノ

まずロディアン・メンチャベス。

ONEでユン・チャンミンに負けたけど、あの試合はショートノーティスだったからね。今はフリーエージェントだし、どこででも戦えるよ。

そしてジェイロードこと、ジェロイド・アルバレスは期待のフライ級ファイターだ。プロ戦績は10勝3敗、1週間前にWFPでライアン・ボイルスという選手に勝ったばかりだ。

女子ファイターだと、マリアン・マリアノ。彼女は本当に良い選手だよ。北京五輪のデモ競技だった散打で銅メダルを獲得しているオリンピアンで、サンボのフィリピン代表なんだ」

──サンボと武術(ウシュウ)散打のフィリピン代表なわけですね!!

「コンバットサンボで活躍して、WFPでは女子フライ級チャンピオンだよ。ヘッドバッド有りで戦うビーストさ(笑)。MMAはプロでは2勝0敗だけど、チーム最強の女子戦士だ。

そうそうガドウィン・ランバヤンも忘れちゃいけない。元チーム・ラカイで、レコードは5勝0敗。彼もWFPでバンタム級チャンピオンになっている。先週のWFPでラウンドワンは、ジェイロード、マリアン、ガドウィンの3人が出場して3勝を挙げたんだよ。

左からトロイ・レガスピ、ジェイロード、ジェリー・レガスピ

それにラウンドワンで一緒に指導しているジェリー・レガスピ(柔術黒帯)の息子のトロイはまだアマチュアだけど優れたグラップラーだよ。

柔術は紫帯で、フィリピンの最高の柔道チームに属している。まだ20歳のアマだけど、ハイレベルの柔道グラップラーなんだ」

──ラウンドワンの武器は柔術もそうですが、マークがしっかりとレスリングを指導していることだと感じました。

「僕は日本に住んでいた時にレスリングを始めて、そこがバックグラウンドになっているからね。そして和術慧舟會で学んだことをラウンドワンの皆とシェアしているよ。慧舟會で教えてもらった技術とレスリングを皆にしっかりと伝えて、チームがこれからも強くなって、試合で勝ち続けられることを願っているよ」

The post 【Special】フィリピンMMAを知る。マーク・ストリーグル─02─「できれば日本、アジアで戦いたい」 first appeared on MMAPLANET.