【写真】ヘルナンデスの防御力の高さは、鶴屋怜戦でも証明されている。果たして…… (C)MMAPLANET
23日(土・現地時間)、マカオはコタイにあるギャラクシー・アリーナでUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」が開催されニャムジャルガル・トゥメンデムベレエがオクタゴン初陣をカーロス・ヘルナンデスと戦う。
Text by Manabu Takashima
ニャムジャルガルは2023年3月にGladiatorフライ級王者となり、Road to UFCと契約。ワンマッチで2連勝し、UFCと契約を果たした2人目もモンゴル人ファイターとなった。
一度は今年の6月にヘルナンデスとの対戦が決まっていたが、流れていた。1年3カ月振りのファイト、UFCデビュー戦に挑むニャムジャルガルに話を訊いた。
――ニャム、ついにUFCデビューを迎えます。今の気持ちを教えてください。
「随分と時間がかかりましたが、ようやくUFCでデビューできることになり凄く嬉しいです」
――頬もこけて随分と精悍さが感じられます。と同時に減量の方が心配にもなってしまいますが。
「試合の前はいつもこうなります。減量があることで、試合に向かう気持ちも強くなり、勇敢に戦うことができるようになるので、減量は自分が戦うために必要なプロセスだと思います。減量を経て、野生も戻れるという感覚です。結果、よりパワフルで強いファイトができます」
――1度は6月にカーロス・ヘルナンデスと戦うことが決まりましたが、実現しませんでした。あの時はどのような気持ちでしたか。
「ビザが間に合わずに試合ができなかったのですが、例え自分のビザが取れても(ジャダンバ・ナラントンガラグ先生のビザが取れなくて、米国のビザを持っているダナー・バットゲレルさん(元トンガーのチームメイトで、元UFCファイター)がコーナーに就くことになっていました。
今となっては、あの時は自分にもチームにとってもベストタイミングではなかったと思います。あの時よりも、今の方が全ての状況が整っています。あれから3カ月分練習もできましたし、今回こそがUFCデビューに向けてパーフェクトタイムだと思っています」
――ところで去年の8月のRoad to UFCワンマッチ出場から、1年3カ月。シャンダスMMAのチームメイトは、日本やONEで試合を重ねるなか焦りはなかったですか。
「確かに長い間待ち続けてしましたが、焦りはなかったです。家族との時間も持てましたし(ニャムジャルガルの両親は、今も遊牧民)、しっかりとトレーニングをすることもできました」
――シャンダスにはオトゴンバートル、シネバートルなど日本で活躍するようになった後輩もできました。
「シャンダスはモンゴルのMMA界でベストチームです。最高の先生と戦術、そしてチームメイトが存在しています。一時期、通う時間が掛かるので違う場所で練習をすることもあったのですが、もともとはシャンダスでもやっていました。日本のGladiatorでチャンピオンになった後、またシャンダスに戻り自分の戦いはずっと良くなったと思います。特にシャンダスに戻り、長い距離での戦いが成長しました。
結果、もともと接近戦には自信があったので自分のゲームは穴がなくなったはずです。最近では言われたように新しいファイターも成長しており、これ以上の環境はモンゴルではないと思います」
――ではカーロス・ヘルナンデスの印象を教えてもらえますか。
「それは、戦いで見せます」
――本当にモンゴルの選手たちは、寡黙で……(苦笑)。
「ハハハ。言葉でなく、拳で見せます」
――ヘルナンデスより、上回っている部分はどこだと思っていますか。
「彼はレスリングや打撃を得意としているようですが、どちらも自分の方が上です。恐れることは何もありません」
――日本の平良達郎選手、鶴屋怜選手が既に彼に勝っています。日本のファンからすると、直接の比較対象になる相手です。
「日本の人たちが、そういう風に見ていることは理解できます。でも自分はモンゴル人で、日本の選手とは違う特徴があるので。そういうところを期待してもらえれば……と思います」
――2024年唯一のアジアでのUFCですが、残念ながら日本人選手の出場がありません。そのなかでグラジでチャンピオンになったニャムを応援するファンも日本にいるはずです。
「そういう風に言ってもらえることが光栄です。日本のファンは本当に尊敬すべき存在です。同じアジアの人間として、日本のファンに自分の勝利を共有してほしいと思っています。自分のことを応援してくれる皆のために戦います」
――ところでチームメイトのオトゴンバートルが、ニャムが巻いていたタイトルを賭けて戦う日も近いかと思います。「オトゴンバートルがGladiatorのベルトを巻ける日がくるのを願っています。モンゴル人はMMAで戦うのに適した民族です。これからもっと世界を舞台に戦う選手が出てくると思います。そのためにもオトゴンバートルには、自分が巻いていたベルトを手にしてほしいです」
■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午後5 時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時45分~U-NEXT
■UFN248対戦カード
<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン(中国)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン(中国)
ムスリム・サリコフ(ロシア)
<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ガブリエラ・フェルナンジス(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア(スイス)
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
<ライトヘビー級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
チャン・ミンヤン(中国)
<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
ユ・スヨン(韓国))
チィルイイースー・バールガン(中国)
<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ(英国)
<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
フン・シャオカン(中国)
<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)
<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ(英国)
ホセ・オチョア(ペルー)
<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(米国)
クァン・リー(ベトナム)
<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ(中国)
ニコラス・モッタ(ブラジル)