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【Bellator295】衝撃の左ヒザ! ミックスがスタッツを72秒でKOし、暫定王座とGP優勝賞金100万ドルを獲得

<Bellator暫定世界バンタム級選手権試合&バンタム級ワールドGP決勝/5分5R>
パッチー・ミックス(米国)
Def.1R1分12秒 by KO
ラフェオン・スタッツ(米国)

ともにサウスポー。スタッツが距離を詰めてローを放つ。ミックスがパンチからダブルレッグを狙うも、ここはスタッツが下がった。ケージ中央に戻ると、スタッツがローで攻める。対するミックスはパンチから前蹴りで距離を詰めていく。スタッツは右に回りながら右ボディを当てた。ここでスタッツが組みつく体勢に入ると、ミックスが左ヒザ一閃! この一撃で意識が飛んだスタッツに、ミックスが左ストレートをフォローする。スタッツは背中から倒れ、そのまま試合終了となった。

「ヒザ蹴りを練習していた」というミックスが暫定バンタム級王座と、GP優勝賞金100万ドルを獲得した。6月16日のシカゴ大会ではバンタム級正規王者セルジオ・ペティスがフェザー級王者パトリシオ・ピッチブルを挑戦者に防衛戦を行うが、試合後のインタビューで「どちらと戦いたいか?」と聞かれたミックスは「どちらでも問題ない」と答えた。


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【Bellator295】スタッツ✖ミックス展望 Part.02。バックテイクとギロチン、カギを握る2つの攻防

【写真】(C)BELLATOR

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニール・S・ブレイズデル・アリーナにて、Bellator 2daysの後半戦=Bellator295「Stots vs Mix」が開催され、メインでバンタム級ワールドGP決勝戦にして暫定バンタム級選手権試合=暫定王者ラフェオン・スタッツ✖挑戦者パッチー・ミックスがマッチアップされている。
Text by Isamu Horiuchi

スタッツ✖ミックス、考察。後編はミックスが自分を貫くファイトを心掛けるのに対し、スタッツはミックス対策を練るという両陣営の違いを予想される2つの局面から紐解いていきたい。

バックテイクとギロチン、攻めるミックスと守るスタッツ。その前段階があるとして、鍵となる攻防へ両者はどのように取り組んでいるのか。

<ラフェオン・スタッツ✖パトリック・ミックス考察Part.01はコチラから>


ちなみにミックスは、筆者に自分の戦い方を説明する際「(誰が相手でも)細かいゲームプランは考えずに、ただ舞台に上がって相手を追いかけて捕まえるんだ。“let the chips fall”しながら、ね」と語ってくれた。

辞書には「結果がどうなろうとも」「人がなんと言おうと」等と載っているこの表現だが、もう少し深く調べると「木こりは木を切り倒すことに専念すればよく、その際に舞い落ちる小さなかけら(chips)は気にすべきではない」という教えが由来となっているようだ。

多少の打撃をもらうこと等は気にせず、自分の決めた戦い方を貫き──前に出て、相手を捕まえて極めにいく。堀口戦でもマゴメドフ戦でも功を奏したこの戦法を貫くつもりのミックスと、ミックスという相手への特別な対策を準備するスタッツという対照も面白い。

仮に試合が寝技に持ち込まれたならば、主にバックコントロールからの極めを狙うミックスに対し、エスケープを図るスタッツという攻防となる可能性が高い。ミックスは「サバテーロ戦を見る限り、奴は寝技の攻防でいくつもミスを犯していた。僕ならフィニッシュできると思う場面が20回はあった」と語る。

事実、ミックスはバックテイクで堀口恭司を下している(C)BELLATOR

具体的にスタッツの寝技の弱点について尋ねると「簡単にバックを許すし、自分が背中を付けた時に亀の如く何もできない」と答えてくれた。

実際スタッツは、サバテーロ戦で何度も背中を見せて立ち上がる場面を見せていた。同時にそこから前転を多用してのスクランブルを駆使し、完全コントロールは一度も許さずに試合を終えている。

だが寝技師ミックスは、この種のエスケープを試みる相手を抑え込む練習を普段から何万回と繰り返していることだろう。実際ミックスは、1階級下のフライ級とはいえMMA屈指のスクランブラーであるティム・エリオットとグラップリング戦を戦った際、エリオットの前転に完全対応して上をキープしてサイドポジションを取り、フィニッシュにつなげている。

バックコントロールに絶対の自信を持つミックスに対して、前述のようにライアン・ホールら一流柔術家の門を叩いてミックス対策をするスタッツの「アメイジング・ゲームプラン」とはどのようなものなのだろうか。

ミックスは「奴がサバテーロ戦からわずか数ヶ月で弱点を補強できるとは思えない」と語るが、スタッツはどのようにこの予想を超えるつもりなのか。

両者のグラウンド戦でもう一つ鍵となるのが、ミックス得意のギロチンチョークをめぐる攻防であることは間違いない。

2019年大晦日の元谷友貴戦において、トランジションの最中に瞬時にギロチンに入り仕留めたのは日本のファンにも印象深いところだ。堀口戦やマゴメドフ戦では下から体勢をひっくり返す強力なスイープとしてこの技を使ったミックスは、前述のエリオットとのグラップリング戦では、上から仕掛けてマウントの体勢から絞め上げて極めている。

下、上、スクランブルと文字通りどんな体勢でも極めることのできる、まさに必殺技だ。そんなミックスでも、ラスベガスで一緒に練習するUFCライト級王者イスラム・マカチェフ、バンタム級で無敗を誇るウマル・ヌルマゴメドフといった超弩級のダゲスタン・レスラーたちの圧倒的な押さえ込みの前にはギロチンを極められないと語る。

一昨年の夏、やはりダゲスタン出身のマゴメド・マゴメドフと大スクランブル戦を制して「アメリカン・レスリングは常にダゲスタンに勝るぜ!」と大見栄を切ったスタッツが、寝技でミックスの必殺技を封じるほどのトップからの圧力を発揮できるかどうかもこの試合の着目点だ。

ちなみに両者は、GP1回戦前にミックスが所属するエクストリーム・クートゥアの同じマットで顔を合わせることもあったとのこと。

この時のエピソードとしてスタッツは「あいつが俺のことを睨みつけているように思えたんで、こっちから話しかけたことがあったんだよ。『なあ、俺についてなんか気に入らないことがあんのかい? だったら今この場で解決しようじゃないか』ってね。そうしたらパッチーは『いやいや兄弟、俺は睨んでなんかいないぜ』って感じだった。後から考えると、パッチーは普段からそういう目つきをしているだけなんだろうね(笑)」と語っている。

すでに対戦の可能性があったことで一緒に練習をすることは控えたが、お互いにリスペクトの念を持っているようだ。それだけに準決勝のスタッツ✖サバテーロのような事前の派手なトラッシュトーク合戦こそ見られないが、強豪揃いのGPを勝ち上がってきた両者による──サークルケージ内バンタム級最高峰の戦いであることに変わりはない。

ちなみに両者と対戦経験のあるアルチュレタは、ミックスに勝利しスタッツにはKOされたにもかかわらず「パッチーが極めるよ、間違いない」と予想している。

この試合の勝者はGP優勝のベルト、暫定王者のベルトとともに賞金100万ドルを手にする。さらに6月に予定されている正規王者セルジオ・ペティスとフェザー級から階級を下げて3階級制覇を狙うパトリシオ・ピットブルとのタイトルマッチの勝者とのバンタム級王座統一戦が待っているだろう。

壮大なストーリーラインを制して、真のベラトールバンタム級王者となった者には、現在RIZINにおいて朝倉海、元谷友貴、アルチュレタ、井上直樹の四選手の間で争われているバンタム級王座に就いた者との王者同士のスーパーファイトの道が見えてくる。

実際ミックスは「次の二試合でGPベルト、暫定ベルト、正規ベルトの3本を取った後、日本でRIZIN王者と戦う」ことを今後の目標と語ってくれた。日本のファンにも大注目の、バンタム級GP決勝戦だ。

■視聴方法(予定)
4月23日(日)
午前8時30分~ U-NEXT

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BELLATOR Bellator295 MMA MMAPLANET o イルマレイ・マクファーレン セルジオ・ペティス ダニー・サバテーロ パッチー・ミックス フアン・アルチュレタ マゴメド・マゴメドフ ライアン・ホール ラフェオン・スタッツ 堀口恭司 渡辺華奈 菊入正行

【Bellator295】壮大なバンタム級タイトル戦線絵巻、GP決勝戦スタッツ✖ミックス展望 Part.01!!

【写真】テイクダウンかギロチンか。スクランブルかバックテイクか。いよいよ!!(C)BELLATOR

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニール・S・ブレイズデル・アリーナにて、Bellator 2daysの後半戦=Bellator295「Stots vs Mix」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

日本から堀口恭司がレイ・ボーグ、渡辺華奈がイルマレイ・マクファーレン、そしてBellator初陣となる菊入正行がアレクセイ・シュルケヴィッチと戦う同大会。メインはバンタム級ワールドGP決勝戦にして暫定バンタム級選手権試合=暫定王者ラフェオン・スタッツ✖挑戦者パッチー・ミックスがマッチアップされている。


昨年4月のGP一回戦、スタッツは当初ルーファスポーツ同門の正規王者セルジオ・ペティスに挑戦する予定だった。が、ペティスの負傷により対戦相手はフアン・アルチュレタに。

ここでスタッツは3Rに左ハイでダウンを奪い、ヒジを連打してKO勝利し暫定王座に就いた。続く12月の準決勝の相手は、堀口恭司のチームメイトであるダニー・サバテーロ。試合前のトラッシュトーク合戦で大いに盛り上がったこの試合では、サバテーロに再三テイクダウンを奪われるもスクランブルして凌ぎ続けたスタッツが、スタンドの打撃で攻勢点を取って5R判定2-1で辛勝し、決勝に駒を進めている。

対する寝技師ミックスは、昨年4月のGP初戦で堀口恭司と対戦。強烈な打撃をかいくぐって組みついてのバックコントロールで1Rと3Rを制し、迎えた5Rにもテイクダウンからバックを取ることに成功した。

その後堀口に正対されてしまうも、すぐに下からのギロチンを仕掛けて上を取り返し、値千金の判定勝利を挙げたのだった。続く準決勝のマゴメド・マゴメドフ戦でも、テイクダウンをことごとくギロチンで切り返して試合を支配。

2Rにはそこから両掌を合わせて締めるマッケンジー・チンに移行し、圧巻の一本勝ちを収めている。

ここまでの両者の勝ち上がり方を見る限り、寝技に持ち込み極めを狙いたいミックスと、持ち前のレスリング力を活かしたスクランブルでこれを凌ぎ、スタンド勝負を挑みたいスタッツという、いわゆるクラシカルMMA=寝技✖打撃の構図が浮かび上がる。

実際にスタッツはこのような展開を想定しているようだ。現在地元テキサスでイーヴス・エドワーズのコーチングの元で調整を進めるスタッツは、黒帯柔術家たちと練習を積んでミックスの寝技への対策にも余念がないとのこと。

コーリー・サンドハーゲンと一緒にライアン・ホールの道場に出稽古に行ったとも語っている。

「奴の勝利への道は分かっている。テイクダウンからバックを奪ってチョークを狙ってくるはずだ。だがこっちはそれに対してアメイジング・ゲームプランを用意している。プレッシャーをかけ続けてフィニッシュするか、奴がボロボロに擦り切れるまで5R圧倒してやるよ」と語るスタッツは、さらにルックスを関してトラッシュトークを展開。

「パッチーよ、お前の戦い方自体にはあまり穴はないかもしれないけどな、その口の真ん中にはでっかい穴が開いているじゃないか。そこに俺の拳をブチ込んでやるからな!」と、ミックスの前歯の隙間を揶揄する軽い口撃も繰り出すスタッツは、打撃勝負に自信を覗かせている。

対するミックスは自分の武器は寝技だけではないと強調する。GP前からエクストリーム・クートゥアのネイト・ペティットを打撃コーチに迎え、パッドワークを積んできたことで打撃の制度が飛躍的に向上したとのことだ。

実際にGP初戦では堀口の打撃に圧倒されることもなく5R渡り合い、さらに準決勝でもマゴメドフと立ち技でも互角以上の戦いをみせた。

「僕はグラップリングと同じくらい打撃もできる」と語るミックスは、3月にインタビューした筆者の「あなたのギロチンの切れ味を考えると、スタッツはテイクダウンを仕掛けてこないのではないか」との質問に、はっきりと「ノー」と答え「僕がスタンドで打撃を当ててダメージを与えるから、おそらく奴はテイクダウンを狙わざるを得なくなるだろう」と予告している。

実際に試合がスタンドから開始される以上、まず打撃の攻防でどちらが主導権を握るかが注目点なのは間違いないことだ。寝技の攻防を恐れないミックスはいつものように前進し、上背の利も生かして圧力をかけてゆくことだろう。

対するスタッツはサバテーロ戦で多用した右ジャブやフットワークを用いて距離を保つことができるのか。それともミックスが距離を詰めて組みつくことに成功するのか。またミックスが予告したように、スタッツが自らテイクダウンを仕掛ける場面は来るのだろうか。お互いサウスポーであることがどう影響するかも興味深い。

<この項続く>

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BELLATOR MMA o   コーリー・アンダーソン セルジオ・ペティス ヨエル・ロメロ ワジム・ネムコフ

6.16『Bellator 297: Nemkov vs. Romero』でコーリー・アンダーソンとフィル・デイビスが対戦

6.16『Bellator 297』でワジム・ネムコフ vs. ヨエル・ロメロ、セルジオ・ペティス vs. パトリシオ・ピットブルの2大タイトルマッチ/ピットブル弟は3階級制覇を目指す(2023年03月28日)

 こちらの続報。


 Bellator MMAが6月16日にイリノイ州シカゴで開催する『Bellator 297: Nemkov vs. Romero』でコーリー・アンダーソン vs. フィル・デイビスのライトヘビー級マッチを行うことを発表。

 アンダーソンは昨年11月の『Bellator 288: Nemkov vs. Anderson 2』で行われたライトヘビー級ワールドグランプリ決勝&ライトヘビー級タイトルマッチでワジム・ネムコフに判定負けして以来の試合。現在Bellatorライトヘビー級ランキング1位。

 デイビスは昨年3月の『Bellator 276: Borics vs. Burnell』でジュリアス・アングリッカスに判定勝ちして以来の試合で2連勝中。現在Bellatorライトヘビー級ランキング2位。続きを読む・・・
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BELLATOR MMA o ONE RENA RIZIN Special   クレベル・コイケ コーリー・アンダーソン セルジオ・ペティス メルヴィン・マヌーフ ヨエル・ロメロ ワジム・ネムコフ 堀口恭司

6.16『Bellator 297』でワジム・ネムコフ vs. ヨエル・ロメロ、セルジオ・ペティス vs. パトリシオ・ピットブルの2大タイトルマッチ/ピットブル弟は3階級制覇を目指す

BELLATOR MMA ワールドチャンピオンレプリカベルト 大人用サイズ


 Bellator MMAが6月16日にイリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナで『Bellator 297』を開催することと、ワジム・ネムコフ vs. ヨエル・ロメロのライトヘビー級タイトルマッチとセルジオ・ペティス vs. パトリシオ・“ピットブル”・フレイレのバンタム級タイトルマッチを行うことを発表。

 ネムコフは昨年11月の『Bellator 288: Nemkov vs. Anderson 2』で行われた王座防衛戦&ライトヘビー級ワールドグランプリ決勝でコーリー・アンダーソンに判定勝ちし3度目の王座防衛に成功&賞金100万ドルを獲得して以来の試合でひとつの無効試合を挟んで10連勝中(Bellator戦績8勝0敗1無効試合)。

 ロメロは昨年9月の『Bellator 285: Henderson vs. Queally』でメルヴィン・マヌーフに3R KO勝ちして以来の試合で2連勝中。現在Bellatorライトヘビー級ランキング3位。

 ペティスは2021年12月の『Bellator 272: Pettis vs. Horiguchi』で堀口恭司に4R KO勝ちし初防衛に成功して以来1年6ヶ月ぶりの試合で5連勝中(Bellator戦績4勝0敗)。昨年4月の『Bellator 279: Cyborg vs. Blencowe 2』でラウフェオン・ストッツを相手に王座防衛戦&バンタム級ワールドグランプリ1回戦を行う予定でしたが負傷欠場していました。

 フレイレは昨年12月の『RIZIN.40』で行われたBellator vs. RIZIN全面対抗戦でクレベル・コイケに判定勝ちして以来の試合。現Bellatorフェザー級チャンピオン&元ライト級チャンピオン。今回ペティスのバンタム級王座に挑戦することで3階級制覇を目指します。続きを読む・・・
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BELLATOR MMA o RIZIN UFC   セルジオ・ペティス ブラック ボクシング 堀口恭司 扇久保博正

ジョン・ドッドソン「2023年はBKFCの王座を獲得してRIZINで堀口恭司を倒したい」

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 2月17日の『BKFC: Knuckle Mania 3』でジャロッド・グラントと対戦するジョン・ドッドソンが以下のコメント。

「この3試合契約により僕はベアナックルファイターになることができたし、早急にタイトルマッチを行わない理由はない。BKFCの対戦相手はジャロッド・グラントだが、考えてみれば(BKFCデビュー戦だった)ライアン・ベノワの方が確立されたファイターだった。彼はUFCに出場しているし、ノックアウト・パワーもあるし、Bellator王者のセルジオ・ペティスにも決定的な勝利をしてるしね」

「僕としては、タイトルを獲得してベストファイターと戦い続けたい。 彼らは、ボクシング、MMA、ムエタイ、どの打撃種目であっても、僕を超えられると思えば、誰にでも挑戦させることができる。どのような挑戦も歓迎する」

「ジョニー・ベッドフォードが早期引退を決めた理由は、僕のBKFCデビュー戦を見て、このペースと動きに付いていくことができないと思ったからだと思う。彼が引退したと聞いて、もう一度ノックアウトしたいと思ったよ」

「堀口恭司の最近の試合(『RIZIN.40』の扇久保博正戦)を見たけど、彼には僕の動きは速すぎると思う。前にも言ったけど、グラウンドでもレスリングでも打撃でも、ゲームのあらゆる面で僕は彼より優れていると思う。楽しい戦いになるだろう」

「僕は最高のフライ級ファイターの一人だと思う。デメトリアス・ジョンソンとは1勝1敗だと思っているが、記録上は彼の2勝なので、彼が1位、僕が2位だと思う。その観点から、僕と彼はプロモーションや団体に関係なく、最高のフライ級ファイターの2人だ」

「この試合に勝って、グランプリで戦って、RIZINで勝って、戻ってきてBKFCのタイトルを獲得したい。2つの異なるファイトスタイルでタイトルを獲得し、その分野でコントロールできるという事実から、今年は自分にとって重要な機会になる思ってる」

「僕がより支配的であることを示すだけでなく、デメトリアス・ジョンソンがロッタン・ジットムアンノンとの試合でMMAとムエタイの二刀流を見せたけど、僕はベアナックルとMMAで頑張りたい」
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BELLATOR MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN40 エンリケ・バルゾラ キック キム・スーチョル セルジオ・ペティス フアン・アルチュレタ ベラトール ラフェオン・スタッツ

【Bellator&RIZIN40】キム・スーチョルと対戦、熱血風ファイター=フアン・アルチュレタの真実「賢明さ」

【写真】スペイン系とメキシコ系という紹介が多いが、自身はネイティブアメリカンの血にも重きを置いており、チチカカ(ネイティブアメリカンの刺繍)が施された衣装を会見でも身にまとっていた (C)MMAPLANET

26日(水)、東京都港区の六本木ヒルズアリーナで大晦日12月31日(土)に開催されるRIZIN40の会見が行われ、RIZIN×Bellatorの対抗戦に出場するチーム・ベラトールの一員としてBellator元世界バンタム級王者フアン・アルチュレタが来日。キム・スーチョルと戦うことが発表された。

アルチュレタといえば、全力ファイト。そして最後まで攻撃を続けるアグレッシブなスタイルという印象が強い。会見前にアルチュレタに話を聞くと、熱い言葉でその信条を以下のような言葉で語った。

「勝敗は時の運、どっちに転ぶかは分からない。だから、僕は自分のパフォーマンスを一番に考えている。全力を尽くす、そこが一番重要なんだ。ただし、セルジオ・ペティスと戦った時は足と右の拳を試合の序盤に負傷してしまった。ラフェオン・スタッツとのGP戦は御覧の通り、確実に勝利に向かって戦えていた。けど左ハイでKO負けした。

人生で100万回キックと向き合ってきて、あのタイミングでヒザが顔面に当たるなんてなかった。なぜ、あのキックが顔面を捕らえたのか──何か理由があるはずだ。今なら分かる。あの一発で、僕はGPで上位進出できなくなった。そして、日本で戦う機会を得た。100万回に1度しか起こりえない状況でのKO負けは、僕を日本に向かわせるためだったんだよ。

あの試合で、あのまま勝っていたら日本で戦う機会を得ることはできなかったからね。スタッツに敗れ、エンリケ・バルゾラ戦を戦うことになった。そして、あの試合のパフォーマンスを認められ、夢だった日本で戦うことが実現したんだ」

アルチュレタの言葉を字面で見ると、まさに熱血漢そのもの。それは一見、彼のファイトスタイルに通じるモノがあるかもしれない。ただし、その言葉は非常に冷静な口調で話されており、決して彼が感情に引っ張られる性格の持ち主でないことが理解できた。この点こそ、フアン・アルチュレタというファイターの真実であり、その点について尋ねてみた。


──とにかく死力を尽くして、全力で戦う。今の言葉を額面通りに受け取ると、フアンは常に伸るか反るか、乾坤一擲のファイトを心掛けているように皆が思いがちです。

「フフフフ。その通りだね」

──それでいてフアンの試合をしっかりと見ると、実に距離のコントロールとタイミングを測るのが絶妙です。ステップを踏み、ダブルレッグのフェイクから右を伸ばし、または右ストレートのフェイクからダブルレッグに入る。相手をおびき出してのカウンターショットも実は一発目でなく、続く2発目や3発目をヒットさせるように打っているように見受けられます。決して、当たって砕けろという戦いでなく計算されつくした動きかと。

「ファイトに欠かせないのは、アジャストする能力はなんだ。戦っている現状に対し、適切に変化させ、今ある状況に適した動きをしなければならない。それは賢明さという表現ができるかもしれないね。MMAに必要な知恵、戦いのなかで必要な分別という領域で如何に相手の知恵や分別を打ち破ることができるのか。

それがあって初めて、自分をコントロールできるんだよ。時には自分の戦いに綻びが見られることがある。そういう状況も相手に見せることになるのがMMAだ。そんな時、綻びやガタつきを追い払わなければいけない。それって、もうほとんどマジックだよ。そこを乗り越えてウォリアーは勝利を手にする。

その踏ん張りは……両親の支え、コーチの支えがあって可能になる。戦いとは決して、強さと強さのぶつかり合いではないんだよ。真っ直ぐ戦い過ぎても、自分の攻撃よりも被弾することが多くなる場合は往々にしてあるよね」

──その通りだと思います。

「Art of Warだよ。だからこそ今、君が指摘したようにダブルレッグのフェイクや、パンチと見せて組みつくこと。1発目でなく、2発目、3発目で顔面を打ち抜くんだよ。ファイトのスピード、リズムを変えること。それがあってこそ、攻撃は成り立つんだ。ぶっちゃけ、視線だってそうだよ。視線の先を攻撃しない。拳は違うところを狙う。それこそが、自由な攻撃になるんじゃないだろうか。攻撃するという観念から放たれた攻撃だよ」

──参りました(笑)。きっとファンだけでなく、過去の対戦相手もフアンのことを見誤っていたと思います。

「その通りだ。ファンも対戦相手も僕を誤解してきたんだ。それが僕の戦いだ。それが僕の愛するマーシャルアーツなんだよ。僕は口では戦わない。その必要はない。お喋りには自信がない。ファンに僕の話を聞いてもらうことがMMAじゃない。ケージの中の動きをファンに見てもらうことが、僕のMMAだ。本当にマーシャルアーツが好きなファン、マーシャルアーチストなら僕の戦いを理解してくれるだろう。皆に戦いの科学を楽しんでもらいたくて戦っている。それがマーシャルアーツだから」

※日本への憧れ、RIZINという場でキム・スーチョルと戦うこと、そして今後の日米でのキャリアップなどをフアン・アルチュレタが存分に話してくれたインタビューは、11月22日(火)発売のGONG格闘技#323に掲載されます。

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ABEMA BELLATOR MMA MMAPLANET o UFC アンソニー・ペティス キック セルジオ・ペティス ラフェオン・スタッツ 北野一声 海外 田上こゆる

【ABEMA】武者修行プロジェクトから帰国、田上こゆる─01─「気持ちに自信がつきました」

【写真】ルーファスポートで得た自信が発揮される次戦は、いつになるのか(C)MMAPLANET

ABEMA海外部者修行プロジェクト第2期生、田上こゆる。北野一声と共に行ったウィスコンシン州ミルウォーキーにあるルーファスポートでの出稽古を終え、帰国した。

その田上を帰国後直後に所属するBLOWSでインタビュー。米国での練習の成果と、これからについて尋ねた。


──ルーファスポートでの武者修行プログラムを終えた田上選手です(※取材は9月23日に行われた)。自分は最初の3日間ほど一緒にいさせてもらったのですが、あれ以降は宿泊先なども変更されたそうですね。最初の宿泊先はジムまで相当な距離があったので、そこは実は気になっていました。

「そうですね、歩いて30分は掛からないところに移って。でも、途中から自転車とスケートボードがあったので、僕が自転車に乗ってスケボーの北野(一声)君を引っ張るような感じで通うようになっていました(笑)。それにルームメイトが車に乗せてくれることもありました」

――ルームメイトは何人いたのですか。

「4人ですね。プロ間近のトップアマという感じの選手が2人、プロが2人でした」

――ところで今回、BLOWSには戎橋から宗右衛門町を歩いてきたのですが、田上選手のような年頃の若い子たちが楽しい気にたくさん歩いていました。ミルウォーキーの郊外を自転車とスケボーでジムに通うとはえらい違いですね。

「アハハハ。僕がそっちにあまり興味ないというのもありますけど、遊ぶとしたら同じように見えると思いますよ。まぁ、こことは別世界ですよね(笑)」

――誘惑に負けることはないですか。

「う~んなんも感じないです。朝から仕事して、夜はここで練習するのが日常なので。とにかく練習を終えたら飯食って、寝て、体を休めようとしか考えていないので」

――なるほど。では、よりMMAに集中していたミルウォーキーの生活に関して教えてください。さぞかし充実の日々だったと思います。

「そうですね。月曜日から木曜日は午前中に2時間の選手クラスがあって、夜は普通に会員さんのクラスに出て。金曜日は午前中が一般クラスのグラップリング、夜は自主練習。それか車でサウナに行って、リラックスしたり。土曜日はレスリングの技術とスパーリングをガッツリやる。そういう練習を続けていました。途中でデューク(ルーファス代表)さんが風邪をひいてしまって、思っていたよりマンツーマンのミット打ちの数が少なかったので、そこはもっとやり込みたかったです。

そうですね、やっぱりグラップリングが凄く勉強になりました。技術もそうですが、ガンガン行けるっていう気持ちを創れたんかなって。日本に戻ってきて練習をしたら、そう思えました。ルーファスポートに行くまでのプロ練習では入っていけなかったところでも、自分からテイクダウンをしかけることができるようになっていました。そういう風に動くことができる自信をつけることができたかなって思います」

――1カ月の武者修行で組みに自信がついた、と。

「ハイ。気持ちに自信がつきました」

――気持ちに自信がつくというのは?

「一番自信につながったのは、向こうに行って外国人選手とやるとテクニック的にもボコられると思っていたのが、それほどでなくて。一本を取ることができたり。日本でやってきたことに関して、向こうでも通じたから自信になったということですかね。向こうで体感できたから、気持ちにつながって自信を持てました。

理由は分からないんですけど、あっちでは自分から組みにいくことができたんです。結果、組みの攻防ができた。組みから逃げるんじゃなくて、組んで戦うことができたので自信になったんやと思います」

──自分の滞在中にはビッグネームは夏休み中でしたが、UFCやBellatorファイターと交流はできましたか。

「いえ、ファイト前でなかったのかラフェオン・スタッツはジムに来なかったです。セルジオ・ペティスは帰国する2週間前から、ジムには来るようになっていました。ただ、ヒザのケガがあるからスパーリングはせずにミットとかやっていましたね。正直、セルジオとかアンソニー・ペティスとかに本気で打撃でぶつかったらどうなるのかというのは、楽しみしていたので。そこがデキなかったことは、少し心残りですね」

――なるほど。では強くなったという反応は帰国後にありましたか。

「中蔵(隆志BLOWS代表)さんから、直接は言われていないです(笑)。ただBLOWSには三角(みかど)さやかさんという関西大学の大学院に在学中で、健康学の修士を取得し、健康運動指導士の方がいまして。フィジカル……食事を中心に健康面というのか、体のことを見てくれるコーチなのですが、その女性から落ち着いて動くようになったと言ってもらえました。以前は場面、場面で焦っていたところが落ち着いて対処できていると。

今回、ABEMAのおかげであんな経験ができたので、今練習で感じているように試合でも結果として、その成果を出したいです。結果……ただ勝つだけでなく、一本を取るとか成長の跡を見せられるような内容を伴った結果を残したいと思っています」

──また海外での練習をしたいという気持ちは?

「行きたいです。行きたい気持ちはあります。ルーファスポートにも行きたいですし、他のジムをことは知らないのですが、経験したいというのはあります」

──他のジムのことを知ってから行く方が良くないですか。こういうジムで、こういう軽量級の選手がいて、こういう練習がしたいと自分で想えるようになってからの方が効果的かと。

「あぁ……確かに、そうですね。……」

──まるで歯が立たなかった。そういう経験をしてみたいという想いも海外武者修行のなかにはなかったでしょうか。どれだけできるか試してみたいという気持ちの裏側には。

「あっ、そうですね。キックをずっとやってきて、『この人には敵わない』って直感で思うことってありました。そういう経験がMMAではあまりなくて、そういう経験がしたいという気持ちがあって米国に行ったというのもあります。今回は、そこまで感じるものがなかったので、やっぱり経験してみたいですね」

<この項、続く>

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ABEMA GLORY K-1 MMA MMAPLANET o ONE PRIDE RIZIN Special UFC アンソニー・ペティス イスラエル・アデサニャ キック セルジオ・ペティス デューク・ルーファス ボクシング ラフェオン・スタッツ

【Special】名将デューク・ルーファスに訊く、米国キックボクシング事情「練習はキック。視るのはUFC」

【写真】現役キックボクサー、MMAコーチとして成功しているだけにキックとMMAの現状を語らせても抜群の説得力だ(C)MMAPLANET

アンソニー・ペティス、セルジオ・ペティス、ラフェオン・スタッツらが所属するミルウォーキーの名門ジム=ルーファスポーツ。ヘッドコーチであり経営者のジェフ・ルーク・デューファスは米国を代表するキックボクサーから、MMAの指導者となった。

今から9年前、2013年8月にルーファスをインタビューした際、GLORYのSpikeでの中継が始まることで、米国でキックボクシング人気が高まることに興奮を隠せず、期待している彼がいた。

現在、GLORYは米国でのイベント開催から撤退し、ヨーロッパに戻った。同時にコロナにより、MMAはさらに家庭で視るスポーツ・エンターテインメントとして発展した。なぜ米国にキックボクシングは根付かず、またMMAのさらなる発展には何が必要かとルーファスに尋ねた。


――9年前にデュークにインタビューをさせてもらった際、GLORYがSpikeでの中継が始まる直前でした。そしてコメンテイターになることが決まっていたデュークは、SpikeがTUFを中継した時のようにキックボクシング人気が全米規模で高まるという期待をしていました。が、GLORYは2019年に米国から撤退しました。これだけMMAではストライキングが歓迎されているのに、キックはなぜ米国に根付かなかったのでしょうか。

「今、UFCを見てもイスラエル・アデサニャを代表するように、キックボクシングで活躍した選手がトップファイターになっており、ジムにキックボクシングの練習をするために入会する人々は決して少なくない。でも本当に奇妙なモノで、視て楽しむという部分では、アメリカ合衆国の文化は、どうしても手を使ったスポーツになるんだと思う。インターナショナルフットボール……サッカーじゃなくて、アメリカンフットボールだろう? 皆が楽しむのは。バスケットボールもそう、ベースボールだってそうだ。

それにこの国では誰かを殴る行為は容認されていても、蹴る行為は忌み嫌われる。MMA、ケージの中は殴って、蹴って、レスリングもできるタフガイの戦場だ。きっとキックボクシングは、この国においてはMMAとボクシングの間になる中途半端なモノに感じられているんだろう。

私は独特のBGMが流れ、タイを代表するカルチャーであるムエタイのことも大好きだ。でも、ムエタイが米国でタイのような人気を誇ることは永遠にないだろうね。日本でも、それにONEチャンピオンシップですら、ムエタイをタイで行っているままのフォーマットでは実施していない。ONEのムエタイとして試合を組んでいる。

キックボクシングをリングではなくて、ケージで行うのは素晴らしいアイデアだよ。MMAグローブでムエタイを行うことも、そう。あの変則的なキックやムエタイなら、新しいモノとして受け入れられるかもしれない」

──日本ではMMAが好きなファンは、普通にキックやK-1を見て楽しめる人が多いと思います。「あの距離の殴り合いは苦手だ」とか「組みがあったらああはいかない」という方が少数派で。何よりMMAファンでキックを見ない人よりも、キックファンでMMAに興味がないファンの方が多いかと思います。

「う~ん、米国のファンにとってMMAの打撃戦はワイルドに映るんだろうね。ボクシングはよりテクニカルで、パワーレス。MMAはよりパワフルでアグレッシブという感覚で、対局にあると思って打撃戦を楽しんでいる。

対してキックボクシングは、よりテクニカルに思われているのか。GLORYはKOも多く、見ても楽しめるスポーツだった。そうだね……結局はビジネスだし、この国ではマーケティングが何よりも重要になる。コカ・コーラは一番美味しいソーダではなく、最もマーケティングが成功した飲み物なんだ。マクドナルドが一番のハンバーガーなのも、そういうことだ。味が一番なわけじゃない(笑)。

だからUFCなんて珍しい例だよ。ワールドトップファイトで、マーケティングも一番。で、他のプロモーションはUFCのコピーをしている。階級からルールからUFCの後追いだ。何か違うことで勝負し、マーケティングでUFCを凌駕するということはない。だから、全てのプロモーションはUFCの後塵を拝している。

PRIDEやRIZINは違うフォーマットで、マーケティングも違う方向でいるよね。ONEも米国のファンからするとUFCとは違うスポーツに見えるはずだ。MMAもユニファイド・ルールではなく、グラウンドでのヒザ蹴りが認められている。正直ね、ああいうルールの違いは練習状況を難しくしている。サッカーボールキックが許された日本のルールもそうだ。

僕は好きだけど、同じジムで違うルールの試合に出る選手が同時に練習するのは簡単ではない」

──ではMMAでムエタイの技術や蹴りが見られることで、キックやムエタイを知らない人々には、蹴りやヒザ蹴りのある競技を知る入口になることはないでしょうか。ホイス・グレイシーにより、皆が柔術を知ったように。

「UFCは本当にマーシャルアーツ市場を食えるモノにしてくれた。素晴らしい仕事をやってのけたんだ。でも、この国は本当に多くのプロフェッショナル・スポーツが存在している。カレッジですらフットボール、バスケットボール、ベースボールの人気の高さは凄まじいよ。もちろんNFLやNBA、MLBにNHLにいうは及ばずレーシング、テニス、ゴルフもある。TVではとてつもない数のスポーツ中継がされている。とんでもない状況なんだ。

キックボクシングは私のジムでも、一番人気だ。これはずっと変わらない。ルーファスポーツには素晴らしい柔術のプログラムもある。でも一般会員の人気が高いのはキックボクシングだ。普通の人はMMAの練習はハードルが高過ぎる。MMAは見て楽しむもので、キックボクシングはやって楽しむもの

この国の感覚は『トレーニングはキックボクシング、視るのはUFC』ってことなんだろうね」

──キックはDoスポーツなのですね。

「その通りだね。ムエタイもそうだよ。アマチュア・トーナメントは盛んに行われている。でも、プロのムエタイはない。そういう意味では柔術と近いかもしれないね。柔術のトーナメントはこれだけあっても、PPVで視ようとは思わない。やはり見る人間に、戦いを理解するだけの知識が必要だからね」

──MMAとボクシングも、実はそうで。でも、そのように深い造詣がなくても楽しめてしまうというのが、他のコンバットスポーツとの違いなのでしょうか。

「MMAはこれからももっと人気が出るだろう。そして、さらにこの人気を伸ばし、定着するためにはさきほど言った練習する人間の少なさ、ハードルの高さを考えていかなければならない。その解決策は五輪スポーツにすることだよ。GAMMAが、IOCに働きかけている」

──……。

「五輪競技になるということは、政府の後ろ盾を得るようなものだからね。USAボクシング、USAレスリング、USAテコンドー、USA柔道という連盟があることで、保険など色々な面で優遇措置がある。MMAが五輪競技になれば、このスポーツを大いに発展させられるだろう」

──そうなると3分✖2R、ポイント制だとか色々とMMAの本質が変わることはないでしょうか。

「あくまでもアマスポーツだよ。3分✖3R、ヒザ蹴りやエルボーは禁止。アマチュアMMAグローブにシンガードの装着は必要になるだろうね。そこで結果を残して、プロにステップアップすれば良い。今、米国のアマチュアMMAは州のアスレチック・コミッションが掌握していている。でも五輪スポーツになれば、もっと開催が簡単になるだろう。

アンソニー・ペティスFCでもエルボー無し、少し大きめのグローブを使ったアマチュアMMAの試合も組んでいるけど、今後は今言ったようによりアマチュア、プロルールとは差別化された五輪ルールといえるアマMMAの試合を組んでいくことになるだろうね。

そうすれば、もっと細かくルールを規制して、安全に戦える防具を装着したキッズMMAが普及する。もちろん安全第一でしっかり休息をとるなど、そういうレギュレーション面でも整備がなされた時、底辺から頂点までMMAのヒエラルキーが完成し、永遠に発展し続けるよ。

6歳からこのスポーツを楽しめるようになった時、MMAは変わる。ただし、キッズにハードなことを強要してダメだ。セルジオ(ペティス)も子供の頃から、ジムに通っていたけど一番大切なことは楽しむことだった。18歳、プロになってからしか追い込み練習はしていない。そしてアマチュアに過度な減量はさせないこと。本当に危険だからね」

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【RIZIN】堀口恭司 フライ級再転向を視野!?


微妙がカードが並ぶ超RIZINに対して後半に開催されるRIZIN.38。こちらは一転して本格的なRIZINナンバーシリーズというべき対戦カードが並びました。楽しみなのはやはり久しぶりに日本に帰還する堀口恭司の試合。RIZINで結果を出していない金太郎をぶつけるマッチメイクには違和感がありますが、見たくないはずがありません。

総合力、実績では堀口が圧倒的に上なのは理解しているものの、どうにもこうにも最近の打たれ弱さが気になります。セルジオ・ペティスの裏拳、朝倉海のカウンター。不意打ちで致命的なダメージをもらっており、一発のある金太郎とのマッチアップは心臓に悪い。勝てばスターダムが約束されている金太郎はモチベーションも高く、血気盛んにKOを狙ってくるでしょう。それに対して堀口はテイクダウンに行くのか打ち合うのか。想像しただけで手に汗をかいてきました。

そんな堀口。個別インタビューで「食べても食べても太らないんですよ」とフライ級に階級を戻す事も視野に入れている事を吐露したそうです。確かにバンタム級では一回り小さいのは明確。フライ級の方が本来の動きを取り戻す可能性はあるでしょう。しかしべラトールにはフライ級がない現実。どう対応するのか。

完全な私見ですが、UFC再上陸という芽はないんですかね。。。堀口がFAでUFCと契約を解除した当時と比べると、現在のUFCフライ級戦線は充実。王者のデイブソン・フィゲイレードにブランドン・モレノ、そしてかつて激戦を繰り広げたマネル・ケイプまでいます。ここで結果を残すのはぶっちゃけ厳しいと思いますが、フライ級の堀口恭司inUFC、ちょっと見てみたい。