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【Bellator297】ポストGPの主役候補、アーチー・コルガン「リスクを冒さないなら普通の仕事をやる」

【写真】自宅の壁にはハルクのカバーが飾らている。「俺はハルクが大好きなんだ。でも、去年配信されたシーハルクはグラフィックが最悪だった。あのデアデビルの描き方も……何やってんだって思ったよ」辛口の印象を述べていた(笑)(C)MMAPLANET

16日(金・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナで開催されるBellator297「Nemkov vs Romero」で、アーチー・コルガンがエマニュエル・サンチェスと戦う。

(C)BELLATOR

メインでBellator世界ライトヘビー級選手権試合=ワジム・ネムコフ✖ヨエル・ロメロ。

コメインでBellator世界バンタム級選手権試合=セルジオ・ペティス✖パトリシオ・フレイレが組まれた今大会。2つの世界戦、特に後者は日本のMMA界とも関係し、またパトリシオの過激な階級変更も話題になっている。

そんな頂点を争うカードがメインカードで組まれた今大会はプレリミで要注目のライト級戦が組まれている。いまだ準々決勝が終了していないライト級ワールドGPだが、ベラトールではGP後を睨んでライト級のアップカミング・ファイターに対し、実力査定マッチを用意した。ONEから転じたピーター・バウシュトがRIZINとの対抗戦で勝利したガジ・ラバダノフと戦う一戦、そしてコルガン✖サンチェスがそれに当てはまる。

アマ3連勝、プロでは7連勝中のコルガンは強力なテイクダウン能力を持つレスラーだが殴り合い上等、「リスクを冒さないなら、普通の仕事やっている」と言い放つ豪快なファイターだった。


──アーチー、約2週間後にエマニュエル・サンチェスと戦います(※インタビューは6月1日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「またファイトウィークがやってくるだけでも、嬉しいよ。8週間、トップギアでハードワークをこなしてきたからね。残りの2週間も、この調子でいきたい」

──今回の試合に向けて、準備はホームタウンでしてきたのでしょうか。

「そうだよ、コロラド州デンバーのジェネシス・トレーニングアカデミーで練習し、スパーはエレベーション・ファイトチームでもやってきた。確かにエレベーションにはフライ級の日本人が来ていたよ。体格が違うから、一緒に練習することはなかったけどね」

──きっと平良達郎選手ですね。ところで無敗の新鋭アーチーについて、まだ我々は分かっていないことが多いです。格闘技との出会いは?

「レスリングを始めたのは4歳の時だ。兄が地域のレスリングクラブに通っていて、『一緒にやろう』と誘われたのがきっかけだよ。大学の時にワイオミングで5年間、D-1レスリングを戦ってきた以外は、ずっとデンバーに住んできた。カレッジでの戦績はあまり詳しく覚えていないけど140勝で30敗ぐらいだと思う」

──マイルハイシティに住んでいると、大学時代もスタミナ面でアドバンテージがあったのではないでしょうか。

「それがね、ワイオミングで僕が住んでいた時はデンバーよりも高いところだったんだ(笑)」

──OMG!!

「デンバーより、600メートルほど標高が高くて。2200メートルほどあった」

──そこでレスリングをやっていたとなると、アーチーはスタミナ・モンスターですね。

「アハハハハ。きっと慣れていない人は、あそこで運動をすると頭痛がして高山病になってしまったと思うよ」

──MMAファイターになろうと思ったのは?

「レスリングを辞めた時、もう自分は戦うことはない。終わったと思っていたんだ。それが普通のウェイトトレで、今のヘッドコーチに出会って。気がつけば、MMAを始めてアマチュアも含め10連勝していた(笑)」

──レスラー時代にMMAに興味はあったのでしょうか。

「子供の頃、PRIDEのファンだった。ランペイジが好きで、RIZINにはヴァンダレイ・シウバ、アンデウソン・シウバ、チャック・リデルも出ていた。凄く興味深かったよ。UFC? UFCがPRIDEを買収して、PRIDEが終ってから視るようになったよ。いや、その前から視ていたかな。とにかくランペイジの大ファンでPRIDEを見ていたんだ。それでPRIDEが好きなった。PRIDEルールはクレイジーだよ。ショーグンの試合を視るのが面白かった。もちろん、俺はユニファイドルールで戦っているけど、RIZINとのコラボショーに出れば4点ヒザを思い切り蹴り込むよ。とにかく、子供の頃から日本で戦うのは夢だった。マウント・フジを見て、スジを食べたい。そんなこともガキの頃に夢見ていた。あのスシがベルトの乗って回ってくるのを、食べたくてしょうがなかったんだ(笑)」

──RIZINとBellatorの対抗戦に出場するために手っ取り早いのはライト級のトップになることです。ただし今、ライト級ワールドGPが行われています。その裏でポスト・ワールドGPを睨んだ試合が組まれている。アーチーの次の試合もそういう戦いだと思います。

「エマニュエルは30戦近くキャリアのある、経験豊かなファイターだ。だから、最高の状態でケージに上がってきてほしい。そういう相手に勝ちたい。そのために自分のやるべきことをやる。ただトップになることに関しては、急いでいない。もちろん世界ライト級王座がゴールだ。でも、今じゃない。トーナメントが終ってから、現実的になってくるだろう。つまりはそれまでに3試合か4試合戦って、連勝を伸ばすことができる。

トーナメントが終わる頃には、俺がタイトルに挑戦する力があることを誰もが認めるようになっているだろう。まぁ、今回の試合で勝てばGPの準々決勝で負けた選手と戦いたいと思っている。マネージャーともそういう話をしているよ」

──なるほど。ところでアーチーはレスリングがベースですが、打撃を使うことが多い。そのために相手のパンチを被弾することもありますね。

「レスリングをやろうと思えば、いつでもできる。15分間、レスリングでコントロールすることも容易い。ただ、打撃戦だって恐れていない。多くのレスラーがMMAでもレスリングだけで戦うだろう? きっと怖いんだよ。でも、俺は怖くない。殴られることを恐れることはないんだ。ファイトがしたい。そして、MMAを戦ううえでレスリングだけでなく、コンプリートファイターだと皆に認められたいから。

レスラーやグラップラーは打撃戦が嫌なわけじゃなくて、殴られるのが怖いんだ。ちゃんとトレーニングの時から殴られておけって(笑)。俺だって、最初は少しは恐れていた。でも練習で殴られるから、怖くなくなったんだ。今は全く怖くない。殴り合いも大歓迎だ。

殴り合いはリスキーさ。でも、リスクを冒さない試合をするぐらいなら普通の仕事をやっている。俺はファイトするためにMMAを戦っているんだ。何より自分がやってきたトレーニングを信じている。試合が始まれば、ただ戦うだけ。試合前にどれだけ綿密に作戦を立てようが、その作戦を実行するには逃げのファイトをしちゃいけないんだ」

──では金曜日の夜、今後はさらに上の相手と戦うチャンスを得るためにも、どのようなファイトを皆に見せたいと思っていますか。

「ファン、プロモーターの皆に、自分よりずっと経験豊かな相手に勝ち、俺はチャンピオンになる器なんだと見せつけたい。俺はその他大勢のファイターじゃない」

■視聴方法(予定)
6月17日(土)
午前6時30分~ U-NEXT

■ BELLATOR297計量結果

<Bellator世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ワジム・ネムコフ: 203.8ポンド(92.44キロ)
[挑戦者]ヨエル・ロメロ: 205ポンド(92.99キロ)

<Bellator世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]セルジオ・ペティス: 134ポンド(60.78キロ): 133.8ポンド(60.69キロ
[挑戦者]パトリシオ・フレイレ: 134.2ポンド(60.87キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
コーリー・アンダーソン: 205ポンド(92.99キロ)
フィル・デイヴィス: 206ポンド(93.44キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ダニエル・ジェイムス: 265 ポンド(120.2キロ)
ゴカン・サリカム: 246ポンド(111.58キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ヴラジミール・ゴウベア: 264 ポンド(119.74キロ)
ゲイブリエル・サヤッグ: 261ポンド(118.38キロ)

<ウェルター級/5分3R>
カイル・クラッチマー: 171ポンド(77.56キロ)
ボビー・ナッシュ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
ピーター・バウシュト: 156ポンド(70.76キロ)
ガジ・ラバダノフ: 156ポンド(70.76キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャリール・ウィリス: 171ポンド(77.56キロ)
ラマザン・クラマゴメドフ: 170ポンド(77.11キロ)

<ライト級/5分3R>
マイク・ハメル: 155ポンド(70.31キロ)
シャミル・ニカエフ: 156ポンド(70.76キロ)

<ミドル級/5分3R>
ノルベルト・ノヴェニーJr: 185ポンド(83.91キロ)
カミル・オニシュチョク: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
アーチー・コーガン: 155ポンド(70.31キロ)
エマニュエル・サンチェス: 155ポンド(70.31キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
カール・ムーア: 205ポンド(92.99キロ)
アレックス・ポリッジ: 204ポンド(92.53キロ)

<フェザー級/5分3R>
チムール・カイズリエフ: 145ポンド(65.77キロ)
リッチー・スマーレン: 145ポンド(65.77キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン: 186ポンド(84.37キロ)
マシュー・ペリー: 184ポンド(83.46キロ)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ロー: 145ポンド(65.77キロ)
エドウィン・チャベス: 146ポンド(66.22キロ)

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BELLATOR Bellator297 MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC UFC セルジオ・ペティス パトリシオ・フレイレ ムン・ジェフン 元谷友貴 朝倉海

【Fight&Life & RIZIN & Bellator297】朝倉海のペティス✖フレイレ予想「パトリシオのコンディション次第」

【写真】MMAPLANETで朝倉海の言葉が掲載されるのは、今から7年前──ムン・ジェフンに敗れた直後のインタビュー以来、5度目です (C)MMAPLANET

今月 22日(木)発売予定のFight&Life#97で7月30日にRIZINバンタム級王座決定戦でフアン・アルチュレラタと対戦する朝倉海の巻頭インタビューが掲載される。

自身のタイトル戦、右の拳の負傷の前後──ラスベガスでの練習で何が変わったのか。今後のMMAファイター人生の進路などを朝倉が語ったインタビュー。ここではその番外編として、朝倉の進路に大いに関係してくるであろう一戦。同誌発売前に決着を見るセルジオ・ペティス✖パトリシオ・フレイレのBellator世界バンタム級戦の行方について彼の予想をお届けしたい。


──ROAD TO UFC のバンタム級トーナメント、海選手から見てどのように思いましたか。

「あんまり見ていないですね(笑)。誰が出ているのか ……上久保(周哉)選手とかですよね。上久保選手の試合は、少しチェックしました」

──なるほど。では 16 日に行われる Bellator バンタム級選手権試合ですが、セルジオ・ペティスかパトリシオ・フレイレか。どちら勝つと踏んでいますか。

「いやぁ……パトリシオのコンディション次第だと思います。バンタム級に落として、どれぐらいのパフォーマンスが発揮できるのか。パワー が落ちないのか。スタミナの消耗度合がどうなるのか。どこまでフェザー級の時のように動けるのか。そこ次第じゃないでしょうか。

減量でめっちゃ弱くなってしまう人っているじゃないですか ? そういうのが無ければパトリシオなのかと思います。フェザー級と同じように動ければ、 パトリシオですね。でも体重を無理に落とすと、弱くなる人もいるので ──それ次第、ピットブルのコンディション次第です」

※瀧澤謙太戦と元谷友貴戦のステップ、重心の違い。エリー・ケーリッシュ・コーチ、そして自らのタイトル戦について朝倉海が語ったインタビューが掲載されるFight&Life#97は6月22日(木)に発売です。

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BELLATOR Bellator297 MIKE MMA o ONE YouTube   コーリー・アンダーソン セルジオ・ペティス ヨエル・ロメロ ワジム・ネムコフ

『Bellator 297: Nemkov vs. Romero』前日計量動画

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MAIN CARD (Showtime (9 p.m. ET)

・Champ Vadim Nemkov (203.8) vs. Yoel Romero (205) – for light heavyweight title
・Champ Sergio Pettis (134) vs. Patricio Freire (134.2) – for bantamweight title
・Corey Anderson (205) vs. Phil Davis (206)
・Daniel James (265) vs. Gokhan Saricam (246)

PRELIMINARY CARD (MMA Junkie, 6 p.m. ET)

・Wladmir Gouvea (264) vs. Gabriel Sayeg (261)
・Kyle Crutchmer (171) vs. Bobby Nash (171)
・Pieter Buist (156) vs. Gadzhi Rabadanov (156)
・Ramazan Kuramagomedov (170) vs. Jaleel Willis (171)
・Mike Hamel (155) vs. Shamil Nikaev (156)
・Norbert Novenyi Jr. (185) vs. Kamil Oniszczuk (186)
・Archie Colgan (155) vs. Emmanuel Sanchez (155)
・Karl Moore (205) vs. Alex Polizzi (204)
・Timur Khizriev (145) vs. Richie Smullen (145)
・Jordan Newman (186) vs. Matthew Perry (184)
・Edwin Chavez (146) vs. Cody Law (145)

 『Bellator 297: Nemkov vs. Romero』前日計量結果。全員パスしています。




 前日計量動画。


 MMAJunkieスタッフによるメインカード勝敗予想。

・ワジム・ネムコフ vs. ヨエル・ロメロはネムコフ支持10人、ロメロ支持1人。

・セルジオ・ペティス vs. パトリシオ・“ピットブル”・フレイレはペティス支持1人、フレイレ支持10人。

・コーリー・アンダーソン vs. フィル・デイビスはアンダーソン支持9人、デイビス支持2人。

・ダニエル・ジェームス vs. グーカン・サリカムはジェームス支持10人、サリカム支持1人。続きを読む・・・
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【Bellator297】パトリシオ・フレイレ戦へ、セルジオ・ペティス「$100万を手にする機会を逸した代償」

【写真】昨年8月、バリに自分探しの旅に行っていたというセルジオ(C)MMAPLANET

16日(金・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナで開催されるBellator297「Nemkov vs Romero」のコメインでBellator世界バンタム級正規王者セルジオ・ペティスが、2021年12月以来の実戦の舞台に立つ。

対戦相手はベラトール史上最高のファイター、3度のフェザー級王者でライト級も制したパトリシオ・フレイレだ。昨年4月にヒザを負傷し、長いリハビリ期間が必要だったセルジオの復帰を前にインタビュー(※取材は2日に行われた)。

試合のない間に再発見したMMAへの想い。後世に語り継がれる試合を前に、セルジオは「マネーより、レガシーを追い求める」と言い切った。


──セルジオ、1年7カ月振りの実戦復帰が迫ってきました。ACLの再建が上手く行って良かったです。

「去年の4月にラフェオン・スタッツと戦う前……3週間半前に、レスリングの練習中に不慮の事故だったんだけど、蹴られてぶつけるような形でヒザをやってしまった。それでGPという最高の舞台で戦う機会を逃すことになり、100万ドルを手にする機会も指を噛んで眺めているしかなかった。

でも1年半のブレイクが、僕をリフレッシュさせてくれたよ。ヒザは全く問題ない。100パーセントの状態で、パトリシオ戦を迎えるよ」

──ACLの手術後、あのGSPでさえパフォーマンスが落ちました。

「ACLのケガからカムバックして、以前と変わりないパフォーマンスを見せることができているアスリートは、他の競技でもいくらでもいるから──そこは全く心配していないよ。逆にこのタイムオフがあったことで、僕はより成長できたしね。ケガで練習ができなくても、ジムに行ってチームメイトのミットを持ったり、練習を眺めていると如何に自分の人生にマーシャルアーツが欠かせないものなのか。MMAを愛しているのかが、再認識できた。失ったモノもあったけど、より大切なモノを手にすることができたよ。

ケージのなかで戦いを繰り返していると、このことを忘れてしまうこともあった。僕にとってマーシャルアーツはビジネスではなくて、ライフスタイルだ。5歳の時から、好きでコレをやり続けてきたのだから。プロファイターとして戦い続けていると、ネガティブなことを経験し自分を見失うこともある。でも、この静養期間で、僕はマーシャルアーツに対してすっかりポジティブになることができた。このケガがあって僕のキャリア、人生は変われたと思う。そのために、僕はヒザをケガしたんだよ。そう信じている」

──100万ドルのトーナメントを戦う機会を逸して、そのような気持ちになれるのも素晴らしいことですね。

「最初は落ち込んだよ。でも行きつくところは、僕はマネーでなくレガシーを追い求めている。試合から離れて、自分の人生を見つめ直した。ケージの外にも幸せはある。でも、やっぱりあそこで戦っていたい。そして、パトリシオという3度のフェザー級チャンピオンで、ライト級も制した男と戦える機会が巡ってきた。これは100万ドル・トーナメントより、僕の求めている戦いだよ」

──ではワールドGPを制したパッチー・ミックスが、暫定王者になったことはどのように思っていますか。

「僕が一歩下がっている間に、多くの悲喜こもごもが見られた。ラフェオンは最初に暫定王者になり、MMA界のスターになった。そして、最後に持っていったのがパッチーだ。パッチーもGPでホリグチに勝った、それも一方的にね。そして、マゴメド・マゴメドフをRNCで破り、最後はラフェオンをヒザ蹴りで下した。僕とパッチーは同世代、2日だけ彼が年上で(笑)。僕と彼はこれからがピーク。絶対にパッチーと僕の試合は、実現するだろう。パトシリオとの試合を終えてからね」

──ところで試合用の練習を行えるようになったのはいつ頃からですか。

「本格的に練習ができるようになったのは、1月になってからだ。それまではやれる範囲でやるという感じだったけど、今年に入ってファイトゲームを実行するための練習に戻ることができた」

──それにしても、カムバック戦がキャリア最大の戦いといっても過言でない試合となりました。

「これが100万ドルを手にする機会を無くした、代償だと思っている。GPチャンピオンになれなかったし、ミリオンダラーも手にできなかった。でもベラトールで最高のファイターと戦うチャンスが手にできた。素晴しい機会だ。後世に語り継がれる戦いになる」

──ライト級でマイケル・チャンドラーをKOしているファイターが、自分の前に立ち塞がる日が来ると思っていましたか。

(C)BELLATOR/JACK DOMBRO

「クレイジーだよ。

マイケル・チャンドラーだけでなく、ベンソン・ヘンダーソンとも戦っている。彼はこのスポーツのレジェンドだ。パトリシオとケージで向き合えることを光栄に思う。彼はMMAファイターとして、全ての局面において強さを持っている。何よりもスマートだ。パトリシオはレンジを理解し、いつ力を入れるのか──そのタイミングも分かっている。寝技での防御力も秀逸だ。彼こそ、何でもできるファイターだろう。

ワイルドだし、KOパワーもある。でも、しっかりとゲームプランを実行できる。パトリシオと戦うことが決まって、正直、悪夢で目が覚めることがあった。でも、そういう戦いを求めて僕はMMAをやっている。怖いよ──でも、そこを乗り越える。絶対に僕が勝つ」

──この25分間、どのように戦いたいと思っていますか。

「20分以上、戦うことになるだろうね。この試合に向けて、自分の戦い、考え方、動きを見つめなおした。新しいセルジオ・ペティスを見せることができるだろう。フィニッシュできる機会が訪れるなら、当然そうする。でも5Rを戦う準備もしているよ。

何より今回の試合に関しては、パトシリオがバンタム級に落としてくることも勝負の行方に大いに関係してくる。いつもより、余分に10ポンドの減量が必要だ。僕がフライ級で戦っていた時、自分の動きに自信が持てなかった。体重を落とすことに頭が行き過ぎて、戦いにフォーカスできなかったからね。今、まさにパトリシオがそういう状況にあるはずだ。ゲームプランより、135ポンドに体重を落とすことに頭がいっているに違いない

18カ月前と比べて、僕はファイターとして、何より人間として成長した。MMAファイター人生に終わりはない。常に最高のセルジオ・ペティスを求めている。それでいて、人として自分の好きなことにここまでのめり込めるなんて、凄く幸せだと実感している。去年のケガは、僕をファイターだけでなく、世の中を行く抜く上でスマートにしてくれたんだ」

──ところでベラトールはフライ級王座を設けます。さきほど、フライ級での戦いの苦しさを話してくれましたが、セルジオが2階級制覇を目指すことはあり得ますか。

「しっかりと、自分と見つめ合って答えを出さないといけない。ただし、ホリグチがチャンピオンになるようだと、絶対的にペティス✖ホリグチ02は行わるべき戦いだよね」

──セルジオは堀口選手がチャンピオンになってほしい?

「僕は彼のファンだから。いつだって日本最強のファイターを、その技術をリスペクトしているよ」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「皆、応援ありがとう。今年こそ、大晦日にRIZINとの対抗戦で皆の前で試合をしたいと思っている」

■視聴方法(予定)
6月17日(土)
午前6時30分~ U-NEXT

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【Bellator297】充実=ワジム・ネムコフ✖不可解な言動多発=ヨエル・ロメロ。世界LH級選手権試合展望

【写真】ロメロは試合内容は不安。試合後、どのようなぶっ飛んだことを話すのか──は楽しみ (C)BELLATOR

16日(金・現地時間)、シカゴのウィントラスト・アリーナにてベラトール 297「Nemkov vs Romero」が行われる。
Text by Isamu Horiuchi

バンタム級正規王者のセルジオ・ペティスに、現フェザー級王者にして元ライト級王者でもあるパトリシオ・ピットブルが挑戦し3 階級制覇に挑む試合をコメインとするこの大会のメインイベントは、長期政権を築く王者ワジム・ネムコフに46歳のヨエル・ロメロが挑戦するライトヘビー級タイトルマッチだ。

チーム・ヒョードルのメンバーとして日本のファンにも知られているネムコフは、2013年に祖国ロシアでMMAデビュー。2015年からRIZINに参戦し、同年大晦日のイリー・プロハースカとの大激闘(※1R10分終了時にネムコフが試合続行不可能となりTKO負け)等の記憶に残る戦いを見せた。

その後2017年にベラトールに移籍し、2020年8月にライアン・ベイダーを右ハイからのパウンドでTKOに下しライトヘビー級王座に輝くと、2021年~2022年には王者として参戦したライトヘビー級GPも制覇。防衛回数を3に伸ばすとともに、ベラトールでの戦績を9戦無敗(1NC)としている。


前述のベイターのほかに、フィル・デイヴィスやコーリー・アンダーソンといった元UFCのライトヘビー級上位ランカーをことごとく倒してサークルケージの頂点に君臨するネムコフ。UFCの同階級に突出した王者が存在していないこともあり、現在ライトヘビー級世界最強の座にもっとも近い場所にいるとされる選手の1人だ。

ちなみにプロMMAと並行してコンバット・サンボの大会でも活躍し、2014年に成田で行われた世界大会の100キロ以下級優勝を皮切りに、2019年の韓国・清州での世界大会まで合計4度世界王者に輝いている。

対するロメロも、フリースタイルレスリング85キロ以下級キューバ代表として1999年世界大会優勝、2000年のシドニー五輪で銀メダルを獲得したスーパーアスリートだ。2009年にMMAデビューし、Strikeforce参戦を経て2013年に36歳でUFCデビューを果たした。ミドル級で大活躍を見せたものの、2度にわたる計量失敗もありタイトルとは縁がなく、2020年7月に王者イスラエル・アデサニャに挑戦して敗れた後にUFCをリリースされてベラトールに移籍。

以降ライトヘビー級で戦い、初戦こそフィル・デイヴィスに敗れたものの、その後2連勝を飾り今回のタイトル挑戦にこぎつけた。

両者の現在の立場と年齢差を考えたらミスマッチとも取れるこのカードが、軽量級スーパーファイトを差し置いてメインとして組まれた大きな理由は、UFCで派手な活躍を見せてきたロメロの知名度にある。

その年齢からは通常あり得ないようなしなやかで若々しい身体を保ち続け、テイクダウンに加えて凄まじい爆発力の打撃をもってリョート・マチダ、クリス・ワイドマン、ルーク・ロックホールドといった歴代王者たちから圧巻のKO勝利を奪ってきた。

さらに当時ATTで一緒に練習していたホルヘ・マスヴィダルが、既に30代後半だったロメロは器具を使わず、もっぱら腕立て、懸垂、ジャンピングスクワットといった自重トレーニングを繰り返してその身体を保っていたと証言。常識では計れないロメロの肉体の神話をさらに強めることになった。

そんな驚異のロメロだが、極度に慎重な戦いぶりを見せることもしばしばだ。上述のアデサニャ戦では5R通してほぼ動かずに待ちに徹し、やはり警戒しながら戦った王者のローを被弾し判定負け。試合後のインタビューでは一転して──試合中には決して見せなかった──凄まじいテンションを発揮し「こんな試合は誰も望んでいない! ファンは一生懸命働いて俺たちの試合にお金を払ってくれているんだぞ!」と、自身の戦い方を棚に上げて激昂。

そんな理解困難な言動もまた、ロメロの謎めいた魅力を増している。階級をライトヘビーに上げたベラトールでの試合でも、以前ほどの軽やかさは見られないものの、予測困難な戦いと言動は相変わらずだ。

移籍後初戦のデイヴィス戦は、またも積極性を欠く戦いの末に2、3Rにローを効かされてテイクダウンを許し完敗。が、試合終了後に大声で「3Rで終わりなのかよ! (=5Rだと思っていたのに) Fxxk!」と叫ぶ意外すぎるリアクションを見せ、さらに2&3Rは誰が見てもデイヴィス優勢だったにもかかわらず、ジャッジの一人がロメロ勝利とする謎スコアまで発生したのだった。

期待を裏切る試合ぶりに限界説が囁かれたロメロだが、45歳で迎えた次のアレックス・ポリジィ戦では、天賦の反射神経を用いたカウンターと爆発的な飛び込み打撃で何度もダウンを奪う驚愕のワンマンショーで大勝した。

続く3戦目のメルヴィン・マヌーフ戦ではまた慎重な戦いを見せたが、3Rにケージに追い詰めてテイクダウンで上を奪取すると、凄まじい威力のパウンドとヒジで仕留めた。圧倒的な瞬発力、そして──通常加齢とともに真っ先に衰えるはずの──反応速度をいまだに保持しているロメロ。これほど”freak of nature”(自然の気まぐれから生まれた異常種)という形容が相応しい人間もいない。

しかし王者ネムコフは、そんなロメロに「彼は人気やUFCでの実績が評価されてタイトル挑戦権を掴んだと思う。実力的にはデイヴィス、アンダーソン、ベイダーに次いでランキング4位ではないか」と厳しい評価を下す。さらに「年齢的に彼にはレスリングの攻防は重荷となるのではないか。だからロメロは自分と打撃で戦おうとすると思う。自分もそこで勝負してフィニッシュしたい」と自信を覗かせている。

並いる強豪たちを相手に、常に打撃で主導権を握り長期政権を築いてきた王者。長く鋭いジャブを起点に積極的に仕掛けつつ出入りに長けており、ロメロのカウンターが届く危険な距離に留まることはないだろう。遠い距離からの右のカーフキックも得意としており、かつてアデサニャやデイヴィスにローで削られたロメロにとっては、厳しい戦いになることが予想される。

ネムコフはデイヴィスやアンダーソンとの初戦ではテイクダウンを許し、防戦一方に追い込まれた過去がある。もしロメロが王者の予想を裏切ってテイクダウンに成功すれば、勝ち筋は大きく開けてくるだろう。

が、ネムコフは両者との再戦ではいずれも見事な修正を行ない、テイクダウン封じに成功して快勝した。2戦目で敗れたアンダーソンは「ネムコフは前回よりジャブの踏み込みを少し浅くし、そのぶん肩を伸ばしてこちらがテイクダウンしにくいようにしてきた」と王者のアジャストメントを称えている。

レスラー上がりの元UFCトップランカーをことごとく打ち破ってきた機動力に優れた王者──現在30歳で身体的にも絶頂期を迎えつつある──を、加齢と共に階級を上げたロメロが倒して押さえ込むのは容易ではあるまい。

が、かくも不利な状況であっても、人智を超えた能力の爆発を期待させるのがロメロだ。かつて日本で名前を挙げ──当時死闘を繰り広げたイリー・プロハースカとともに──今やライトヘビー級世界最強の一角を占める王者ネムコフと、世界で最も驚くべき身体の持ち主ロメロの激突。何か途轍もないことが起こるのか、それとも起こらないのかも含めて楽しみにしたい。

■視聴方法(予定)
6月17日(土)
午前6時30分~ U-NEXT

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【Bellator297】「弟が1000%勝つ」。AJ戦決定のパトリッキー、パトリシオ✖セルジオ・ペティス戦を語る

【写真】この2時間ほど前に、実弟パトリッキーについて激熱トークを繰り広げたパトリッキー (C)MMAPLANET

7月30日(日)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZINとBELLATORのコラボイベント。同大会のBellatorの部でパトリッキー・フレイレが、ライト級ワールドGP準々決勝でAJ・マッキーと戦うことが27日(土)に発表されている。

東京都新宿区の東急歌舞伎町タワー正面でRIZINとBellatorによる同イベント開催記者会見が行われる2時間前に、パトリッキーをインタビュー。他方、6月16日(金)にイリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナで開かれるBellator297で実弟パトリシオが、3階級制覇を目指しセルジオ・ペティスの持つBellator世界バンタム級王座に挑戦する。

ここでは実弟パトリシオの大一番に向けて、パトリッキーが話したことを切り取ってお届けしたい。


──7月30日、AJ・マッキーとのライト級ワールドGP準々決勝を日本で戦う。この2時間後に、その試合が会見で発表されるパトリッキーですが、2週間後には実弟パトリシオが大一番を迎えます。

「その通りだ。セルジオ・ペティスと戦う。パトリシオはもの凄い集中力で練習しているよ」

──それにしてもフェザー級とライト級を制し、今度はバンタム級のベルトを狙うとは。パトリシオのボディはどうなっているのでしょうか。

「とにかく信じられないぐらい、強いよ。もう10年近く前からパトリシオはベラトールに対して、ジョー・ウォーレンの持つバンタム級王座に挑戦したいと伝えていた。ジョー・ウォーレンはパトリシオが初黒星を喫した相手だからね。(※2010年6月24日にフェザー級T決勝でスプリット判定負け。その後フェザー級王者になったウォーレンは、階級を落としバンタム級Tを制し、2014年5月にハファエル・シウバを下し暫定王者に。10月にドゥドゥ・ダンタスを破ってBellator世界バンタム級正規王者となった)。

『ジョー・ウォーレンを倒したい。ベラトールで初めて2階級制覇を成し遂げた男をぶちのめしたい』と何度も訴えていた。それからもしばらくの間、バンタム級チャンピオンと戦いたいということをベラトールにアピールし続けていた。今ではパトリシオもフェザー級とライト級の2階級を制しており、ベラトールで初の3階級制覇を狙う立場になったんだけどね」

──とはいってもパトリシオは2010年にベラトールで戦うようになって以来、主にフェザー級で戦っており体もライト級で王者になるほど大きくなっています。ここにきてバンタム級の体を創れることが驚きです。

パトリッキーがエアドロしてくれた親子のスリーショット

「この写真を見てくれ。すっかり出来上がってきているよ。

シャープな練習を常にしてきたからね。100パーセント、問題ないよ。動きを見る限り、フェザー級の時よりも良くなっている。ホント、信じられないぐらいにね。

いや、僕もパトリシオのバンタム級での試合が楽しみでならないんだ。あれだけの動きを練習で見せているのだから、どれだけの戦いのやってのけるのか。ボディは強度を増し、スピードもある。バンタム級のパトリシオは完璧だよ」

──セルジオは1年半振りの実戦復帰です。その辺りを踏まえて、パトリッキーのセルジオの印象を教えてください。

「タフだよ。強いファイターだ。とてもスマートだしね。弟とも良い試合をするだろう。2人ともしっかりとゲームプランを実行できる。ただし、マイ・ブラザーが勝つ。1000パーセント勝つと断言しよう。パトリシオは野獣と化している。何よりもメンタルが、異様に強い。異次元にあると言っても良いよ。誰もパトリシオのことをまだ分かっていない。特に弟の気持ちの強さ、あの精神力の強さを皆は分かったつもりでいるだけさ。

パトリシオの強さをどのように言い表して良いのか、僕にも分からないぐらいだ。近い表現を使うと、クレイジーだ。ただクレイジーでは、十分じゃない。ファイターだし、ウォリアーだよ。とはいっても、そういうファイターはいくらでもいる。弟は違うんだ、そういうモノじゃない。あの殺傷能力というか、それが闘争本能が違う。とにかくパトリシオはセルジオをイージーにドミネイトするだろう。

僕はそう信じている。皆は『そんなわけがない』と思うはずだ。でも、僕はずっとパトリシオを見続けてきたから。パトリシオはセルジオに勝つ。そしてパトリッキーはAJに勝つ。100パーセント、そうなる」

──パトリッキー、パトリシオがセルジオ・ペティスに勝てるという自信と、パトリッキー自身がAJに勝てるという自信、どちらが強いですか。

「アハハハハハ。面白いことを聞くなぁ(笑)。どうなんだろう……僕はパトリシオのことは、自分のことよりも信じている。アハハハ。どうかしているって思われるかもしれないけど、本当に弟はアニマルなんだ」

※日本への想い、AJ戦について語ったパトリッキー・フレイレ・インタビューは6月22日発売のFight&Life誌に掲載されます。

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BELLATOR Bellator295 MMA MMAPLANET o セルジオ・ペティス パッチー・ミックス ラフェオン・スタッツ

【Bellator295】衝撃の左ヒザ! ミックスがスタッツを72秒でKOし、暫定王座とGP優勝賞金100万ドルを獲得

<Bellator暫定世界バンタム級選手権試合&バンタム級ワールドGP決勝/5分5R>
パッチー・ミックス(米国)
Def.1R1分12秒 by KO
ラフェオン・スタッツ(米国)

ともにサウスポー。スタッツが距離を詰めてローを放つ。ミックスがパンチからダブルレッグを狙うも、ここはスタッツが下がった。ケージ中央に戻ると、スタッツがローで攻める。対するミックスはパンチから前蹴りで距離を詰めていく。スタッツは右に回りながら右ボディを当てた。ここでスタッツが組みつく体勢に入ると、ミックスが左ヒザ一閃! この一撃で意識が飛んだスタッツに、ミックスが左ストレートをフォローする。スタッツは背中から倒れ、そのまま試合終了となった。

「ヒザ蹴りを練習していた」というミックスが暫定バンタム級王座と、GP優勝賞金100万ドルを獲得した。6月16日のシカゴ大会ではバンタム級正規王者セルジオ・ペティスがフェザー級王者パトリシオ・ピッチブルを挑戦者に防衛戦を行うが、試合後のインタビューで「どちらと戦いたいか?」と聞かれたミックスは「どちらでも問題ない」と答えた。


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【Bellator295】スタッツ✖ミックス展望 Part.02。バックテイクとギロチン、カギを握る2つの攻防

【写真】(C)BELLATOR

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニール・S・ブレイズデル・アリーナにて、Bellator 2daysの後半戦=Bellator295「Stots vs Mix」が開催され、メインでバンタム級ワールドGP決勝戦にして暫定バンタム級選手権試合=暫定王者ラフェオン・スタッツ✖挑戦者パッチー・ミックスがマッチアップされている。
Text by Isamu Horiuchi

スタッツ✖ミックス、考察。後編はミックスが自分を貫くファイトを心掛けるのに対し、スタッツはミックス対策を練るという両陣営の違いを予想される2つの局面から紐解いていきたい。

バックテイクとギロチン、攻めるミックスと守るスタッツ。その前段階があるとして、鍵となる攻防へ両者はどのように取り組んでいるのか。

<ラフェオン・スタッツ✖パトリック・ミックス考察Part.01はコチラから>


ちなみにミックスは、筆者に自分の戦い方を説明する際「(誰が相手でも)細かいゲームプランは考えずに、ただ舞台に上がって相手を追いかけて捕まえるんだ。“let the chips fall”しながら、ね」と語ってくれた。

辞書には「結果がどうなろうとも」「人がなんと言おうと」等と載っているこの表現だが、もう少し深く調べると「木こりは木を切り倒すことに専念すればよく、その際に舞い落ちる小さなかけら(chips)は気にすべきではない」という教えが由来となっているようだ。

多少の打撃をもらうこと等は気にせず、自分の決めた戦い方を貫き──前に出て、相手を捕まえて極めにいく。堀口戦でもマゴメドフ戦でも功を奏したこの戦法を貫くつもりのミックスと、ミックスという相手への特別な対策を準備するスタッツという対照も面白い。

仮に試合が寝技に持ち込まれたならば、主にバックコントロールからの極めを狙うミックスに対し、エスケープを図るスタッツという攻防となる可能性が高い。ミックスは「サバテーロ戦を見る限り、奴は寝技の攻防でいくつもミスを犯していた。僕ならフィニッシュできると思う場面が20回はあった」と語る。

事実、ミックスはバックテイクで堀口恭司を下している(C)BELLATOR

具体的にスタッツの寝技の弱点について尋ねると「簡単にバックを許すし、自分が背中を付けた時に亀の如く何もできない」と答えてくれた。

実際スタッツは、サバテーロ戦で何度も背中を見せて立ち上がる場面を見せていた。同時にそこから前転を多用してのスクランブルを駆使し、完全コントロールは一度も許さずに試合を終えている。

だが寝技師ミックスは、この種のエスケープを試みる相手を抑え込む練習を普段から何万回と繰り返していることだろう。実際ミックスは、1階級下のフライ級とはいえMMA屈指のスクランブラーであるティム・エリオットとグラップリング戦を戦った際、エリオットの前転に完全対応して上をキープしてサイドポジションを取り、フィニッシュにつなげている。

バックコントロールに絶対の自信を持つミックスに対して、前述のようにライアン・ホールら一流柔術家の門を叩いてミックス対策をするスタッツの「アメイジング・ゲームプラン」とはどのようなものなのだろうか。

ミックスは「奴がサバテーロ戦からわずか数ヶ月で弱点を補強できるとは思えない」と語るが、スタッツはどのようにこの予想を超えるつもりなのか。

両者のグラウンド戦でもう一つ鍵となるのが、ミックス得意のギロチンチョークをめぐる攻防であることは間違いない。

2019年大晦日の元谷友貴戦において、トランジションの最中に瞬時にギロチンに入り仕留めたのは日本のファンにも印象深いところだ。堀口戦やマゴメドフ戦では下から体勢をひっくり返す強力なスイープとしてこの技を使ったミックスは、前述のエリオットとのグラップリング戦では、上から仕掛けてマウントの体勢から絞め上げて極めている。

下、上、スクランブルと文字通りどんな体勢でも極めることのできる、まさに必殺技だ。そんなミックスでも、ラスベガスで一緒に練習するUFCライト級王者イスラム・マカチェフ、バンタム級で無敗を誇るウマル・ヌルマゴメドフといった超弩級のダゲスタン・レスラーたちの圧倒的な押さえ込みの前にはギロチンを極められないと語る。

一昨年の夏、やはりダゲスタン出身のマゴメド・マゴメドフと大スクランブル戦を制して「アメリカン・レスリングは常にダゲスタンに勝るぜ!」と大見栄を切ったスタッツが、寝技でミックスの必殺技を封じるほどのトップからの圧力を発揮できるかどうかもこの試合の着目点だ。

ちなみに両者は、GP1回戦前にミックスが所属するエクストリーム・クートゥアの同じマットで顔を合わせることもあったとのこと。

この時のエピソードとしてスタッツは「あいつが俺のことを睨みつけているように思えたんで、こっちから話しかけたことがあったんだよ。『なあ、俺についてなんか気に入らないことがあんのかい? だったら今この場で解決しようじゃないか』ってね。そうしたらパッチーは『いやいや兄弟、俺は睨んでなんかいないぜ』って感じだった。後から考えると、パッチーは普段からそういう目つきをしているだけなんだろうね(笑)」と語っている。

すでに対戦の可能性があったことで一緒に練習をすることは控えたが、お互いにリスペクトの念を持っているようだ。それだけに準決勝のスタッツ✖サバテーロのような事前の派手なトラッシュトーク合戦こそ見られないが、強豪揃いのGPを勝ち上がってきた両者による──サークルケージ内バンタム級最高峰の戦いであることに変わりはない。

ちなみに両者と対戦経験のあるアルチュレタは、ミックスに勝利しスタッツにはKOされたにもかかわらず「パッチーが極めるよ、間違いない」と予想している。

この試合の勝者はGP優勝のベルト、暫定王者のベルトとともに賞金100万ドルを手にする。さらに6月に予定されている正規王者セルジオ・ペティスとフェザー級から階級を下げて3階級制覇を狙うパトリシオ・ピットブルとのタイトルマッチの勝者とのバンタム級王座統一戦が待っているだろう。

壮大なストーリーラインを制して、真のベラトールバンタム級王者となった者には、現在RIZINにおいて朝倉海、元谷友貴、アルチュレタ、井上直樹の四選手の間で争われているバンタム級王座に就いた者との王者同士のスーパーファイトの道が見えてくる。

実際ミックスは「次の二試合でGPベルト、暫定ベルト、正規ベルトの3本を取った後、日本でRIZIN王者と戦う」ことを今後の目標と語ってくれた。日本のファンにも大注目の、バンタム級GP決勝戦だ。

■視聴方法(予定)
4月23日(日)
午前8時30分~ U-NEXT

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BELLATOR Bellator295 MMA MMAPLANET o イルマレイ・マクファーレン セルジオ・ペティス ダニー・サバテーロ パッチー・ミックス フアン・アルチュレタ マゴメド・マゴメドフ ライアン・ホール ラフェオン・スタッツ 堀口恭司 渡辺華奈 菊入正行

【Bellator295】壮大なバンタム級タイトル戦線絵巻、GP決勝戦スタッツ✖ミックス展望 Part.01!!

【写真】テイクダウンかギロチンか。スクランブルかバックテイクか。いよいよ!!(C)BELLATOR

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニール・S・ブレイズデル・アリーナにて、Bellator 2daysの後半戦=Bellator295「Stots vs Mix」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

日本から堀口恭司がレイ・ボーグ、渡辺華奈がイルマレイ・マクファーレン、そしてBellator初陣となる菊入正行がアレクセイ・シュルケヴィッチと戦う同大会。メインはバンタム級ワールドGP決勝戦にして暫定バンタム級選手権試合=暫定王者ラフェオン・スタッツ✖挑戦者パッチー・ミックスがマッチアップされている。


昨年4月のGP一回戦、スタッツは当初ルーファスポーツ同門の正規王者セルジオ・ペティスに挑戦する予定だった。が、ペティスの負傷により対戦相手はフアン・アルチュレタに。

ここでスタッツは3Rに左ハイでダウンを奪い、ヒジを連打してKO勝利し暫定王座に就いた。続く12月の準決勝の相手は、堀口恭司のチームメイトであるダニー・サバテーロ。試合前のトラッシュトーク合戦で大いに盛り上がったこの試合では、サバテーロに再三テイクダウンを奪われるもスクランブルして凌ぎ続けたスタッツが、スタンドの打撃で攻勢点を取って5R判定2-1で辛勝し、決勝に駒を進めている。

対する寝技師ミックスは、昨年4月のGP初戦で堀口恭司と対戦。強烈な打撃をかいくぐって組みついてのバックコントロールで1Rと3Rを制し、迎えた5Rにもテイクダウンからバックを取ることに成功した。

その後堀口に正対されてしまうも、すぐに下からのギロチンを仕掛けて上を取り返し、値千金の判定勝利を挙げたのだった。続く準決勝のマゴメド・マゴメドフ戦でも、テイクダウンをことごとくギロチンで切り返して試合を支配。

2Rにはそこから両掌を合わせて締めるマッケンジー・チンに移行し、圧巻の一本勝ちを収めている。

ここまでの両者の勝ち上がり方を見る限り、寝技に持ち込み極めを狙いたいミックスと、持ち前のレスリング力を活かしたスクランブルでこれを凌ぎ、スタンド勝負を挑みたいスタッツという、いわゆるクラシカルMMA=寝技✖打撃の構図が浮かび上がる。

実際にスタッツはこのような展開を想定しているようだ。現在地元テキサスでイーヴス・エドワーズのコーチングの元で調整を進めるスタッツは、黒帯柔術家たちと練習を積んでミックスの寝技への対策にも余念がないとのこと。

コーリー・サンドハーゲンと一緒にライアン・ホールの道場に出稽古に行ったとも語っている。

「奴の勝利への道は分かっている。テイクダウンからバックを奪ってチョークを狙ってくるはずだ。だがこっちはそれに対してアメイジング・ゲームプランを用意している。プレッシャーをかけ続けてフィニッシュするか、奴がボロボロに擦り切れるまで5R圧倒してやるよ」と語るスタッツは、さらにルックスを関してトラッシュトークを展開。

「パッチーよ、お前の戦い方自体にはあまり穴はないかもしれないけどな、その口の真ん中にはでっかい穴が開いているじゃないか。そこに俺の拳をブチ込んでやるからな!」と、ミックスの前歯の隙間を揶揄する軽い口撃も繰り出すスタッツは、打撃勝負に自信を覗かせている。

対するミックスは自分の武器は寝技だけではないと強調する。GP前からエクストリーム・クートゥアのネイト・ペティットを打撃コーチに迎え、パッドワークを積んできたことで打撃の制度が飛躍的に向上したとのことだ。

実際にGP初戦では堀口の打撃に圧倒されることもなく5R渡り合い、さらに準決勝でもマゴメドフと立ち技でも互角以上の戦いをみせた。

「僕はグラップリングと同じくらい打撃もできる」と語るミックスは、3月にインタビューした筆者の「あなたのギロチンの切れ味を考えると、スタッツはテイクダウンを仕掛けてこないのではないか」との質問に、はっきりと「ノー」と答え「僕がスタンドで打撃を当ててダメージを与えるから、おそらく奴はテイクダウンを狙わざるを得なくなるだろう」と予告している。

実際に試合がスタンドから開始される以上、まず打撃の攻防でどちらが主導権を握るかが注目点なのは間違いないことだ。寝技の攻防を恐れないミックスはいつものように前進し、上背の利も生かして圧力をかけてゆくことだろう。

対するスタッツはサバテーロ戦で多用した右ジャブやフットワークを用いて距離を保つことができるのか。それともミックスが距離を詰めて組みつくことに成功するのか。またミックスが予告したように、スタッツが自らテイクダウンを仕掛ける場面は来るのだろうか。お互いサウスポーであることがどう影響するかも興味深い。

<この項続く>

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BELLATOR MMA o   コーリー・アンダーソン セルジオ・ペティス ヨエル・ロメロ ワジム・ネムコフ

6.16『Bellator 297: Nemkov vs. Romero』でコーリー・アンダーソンとフィル・デイビスが対戦

6.16『Bellator 297』でワジム・ネムコフ vs. ヨエル・ロメロ、セルジオ・ペティス vs. パトリシオ・ピットブルの2大タイトルマッチ/ピットブル弟は3階級制覇を目指す(2023年03月28日)

 こちらの続報。


 Bellator MMAが6月16日にイリノイ州シカゴで開催する『Bellator 297: Nemkov vs. Romero』でコーリー・アンダーソン vs. フィル・デイビスのライトヘビー級マッチを行うことを発表。

 アンダーソンは昨年11月の『Bellator 288: Nemkov vs. Anderson 2』で行われたライトヘビー級ワールドグランプリ決勝&ライトヘビー級タイトルマッチでワジム・ネムコフに判定負けして以来の試合。現在Bellatorライトヘビー級ランキング1位。

 デイビスは昨年3月の『Bellator 276: Borics vs. Burnell』でジュリアス・アングリッカスに判定勝ちして以来の試合で2連勝中。現在Bellatorライトヘビー級ランキング2位。続きを読む・・・