カテゴリー
45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE165 アレックス・シウバ キック クレイグ・ジョーンズ グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン シッティチャイ・シッソンピーノン ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ セイジ・ノースカット ダニー・キンガド チャンネル トミー・ランガカー ボカン・マスンヤネ ボクシング マラット・グレゴリアン マーチン・ウェン 三浦彩佳 山北渓人 平田樹 武尊 海外 秋山成勲 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【ONE165】オクトパスガードでボカン越えへ──山北渓人「ブルックスに挑むために良い流れが来ている」

【写真】仕掛けと反応のチェスマッチ。ここは見逃せない(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「Superlek vs Takeru」で山北渓人が待望のボカン・マスンヤネ戦を迎える。
Text by Shojiro Kameike

昨年3月にONE初戦でアレックス・シウバを下して以来となるマスンヤネ戦だが、シウバ戦の経験が今回の試合にも生きてくるという。「ここまで言って試合は大丈夫なのか?」と、こちらが心配するほど明かしてくれた山北の得意技とは?


――今回は共に約10カ月振りの試合となりました。

「ONEではストロー級の試合自体が頻繁に組まれていないですよね。ただ、僕の場合は何度かオファーを頂いているんです。まず前回の試合が終わったあと、6月ぐらいにオファーが来ました。でもリングの試合で――できれば自分はケージでやりたいから、その時はお断りして。さらにオファーが来た時も、怪我があって試合ができない状態でした。

自分としては可能であれば年2~3試合はやりたいです。今回の試合まで約10カ月という長い期間が空きましたが、その間にしっかりスキルアップできました。さらにビッグイベントに出られるので嬉しいですね」

――それだけONEからオファーが届くのは、シウバ戦の試合結果と内容が評価されているのでしょう。ご自身としてはシウバ戦で、ONEで戦う手応えは得ていたのですか。

「自分を試しているようなマッチメイクでした。シウバは元王者だけど、ランカーとノーランカーの間にいるようなポジションで。かつ日本人選手との対戦経験も多くて。そのシウバを相手にちゃんと勝つことができて、僕としても良い試合ができたと思っています。

周りの評価も高くて、チャトリCEOも取材の中で僕の名前を出していたり、直接『良い試合だったよ』と言ってくれました」

――シウバ戦はお互いにトップあるいはバックを取り合うハードな試合内容でした。そのなかで不安になる要素はなかったですか。

「僕はバックを取るのが好きなんです。シウバ戦でも取れそうな場面はありましたけど、やはりシウバも強くて、完全にバックを取るのは難しかったですね。そうなると、しっかりとトップをキープしないといけないのに、シウバに凌がれて僕が下になるシーンもありました。そのおかげで逆に動きが多くて、面白い試合になったんじゃないかとも思っています」

――それまで日本国内で経験してきた試合との違いは感じましたか。

「日本で対戦した中でも、強い選手はたくさんいました。でもシウバは、さらに巧さがあって。特に腰が強いとか、パワーが凄いとかは感じなかったです。でも僕に決定的なポジションを奪わせてくれない。シウバも柔術黒帯で、MMAでもベテランだから巧かったです」

――結果、まさに流れるような試合展開になりました。

「僕も練習では止まらないことを意識しています。面白い試合するため、というよりは動くほうが楽なんですよ。力を使わないので。トップから固めているほうが疲れますね」

――それは山北選手のベースが、とにかく動き続ける競技のレスリングであることは関係しているのでしょうか。

「確かに長くやってきたレスリングがMMAに生きている部分はあります。特にグラウンドでポジションをキープする時とか。でも動き続けるということに関しては、柔術をやっていることのほうが大きいと思います」

――アレックス・シウバ戦の中で「柔術をやっていて良かった!」と思ったシーンはありましたか。

「あります、あります。それこそ初っ端でありました。最近は柔術のオクトパスガードという、潜る系の動きが結構ハマッていて。シウバ戦でも最初にオクトパスガードから綺麗にスイープすることができたんですよ。あれだけ強い相手にも自分の技が通用するんだって自信になりました」

――1R2分を過ぎたあたりで、ハーフガードから返した技ですね。

「本来はバックも取れる技なんですが、相手がバックを取らせないようにしてきたらスイープするようにしています。最近はこの技にハマッていて、練習でもこの技を掘り続けています」

――オクトパスガードからバックテイクする際、途中にトラックポジションのようになるのでレスリングにも似た形になるような気がします。

「そうなんですよ。今はMMAで、レスリングよりも柔術的な動きをしたいと思っています。でも知らず知らず、というか――あらゆる動きの中でレスリングをやっていたことが生きているんだな、と実感しています」

――ちなみに、相手がこのオクトパスガードからのスイープを仕掛けてきた場合は、どのように対処するのでしょうか。

「MMAではしっかりと抑え込む。柔術だとカウンターでバックテイクを狙う時もあります。表裏一体みたいなポジションで――」

――バックテイクのための技で、そこにカウンターでバックテイクを狙いに行くと……。

「お互いにグルグルと、バックテイクで回り続けることがあります(笑)。柔術が強い相手だと、その展開は結構あって。練習で動き続けるというのも、この展開が含まれていますね」

――アハハハ。

「このポジションの良さは、相手がパウンドを打てないという点です。僕の場合、練習でも階級が上の選手と練習することが多いんですよ。すると下からワキを差しても返すことができず、MMAならパウンドを受けてしまいますよね。僕も殴られたくないので、殴られない方向に体を入れていくというのが、このオクトパスガードです。

もともとこういうガードがあることは知りませんでした。でも練習で自然に、この動きにハマッっていって。あとで、これがオクトパスガードというものがと知ったんです。あえて習おうとするより、いつもの動きから自然と身についた技のほうが自分自身にハマりますね」

――このオクトパスガードにハマり始めたのは、いつ頃からですか。

「シウバ戦の前には、身につけていました。クレイグ・ジョーンズも、このオクトパスガードをやっていて。シウバ戦後もジョーンズの試合を視ながら、『こういうやり方もあるんだ』って深堀りしています。おかげで今は、シウバ戦の前よりもオクトパスガードからスイープできるようになっています」

――今回対戦するマスンヤネもテイクダウンファイターなので、オクトパスガードが大きなポイントになりそうですね。

「はい。相手がやりたいことはバッククリンチというか、バックに回っても足を入れずに、クラッチしたままキープすることだと思います。だからスクランブルの展開で、僕のほうがバックテイクするか、しっかりと上のポジションを取ってパウンドを打ち込みたいです」

――山北選手と同様、マスンヤネも最初から攻め込んでくるファイターです。

「実は僕も、すぐテイクダウンに入ろうとは思っていないんですよ。しっかりと打撃の攻防をしてから組みに行く。そのために『今日は打撃をやろう』と思ってはいるものの、スタンドでテイクダウンに入れそうな隙を見つけたら、自然に組んでしまいます(苦笑)」

――自然にできるというのは、良いことではないですか。

「そういう時は、すごく良いテイクダウンができていますね。シウバ戦も相手は寝技が強いので、もっと打撃を出していこうと考えていました。でも右を出したら入れそうな様子だったのでテイクダウンに行ったんですよ。今までその戦い方で勝ってきたので、それで良いと思っています」

――一方、マスンヤネは中間距離から蹴りを散らしてくるタイプです。テイクダウンすることを考えると、その蹴りは厄介ではないでしょうか。

「そういうタイプのほうが僕はやりやすいですね。立ち技のスクランブル――マスンヤネは蹴ってガチャガチャの展開にしてから組んでくるじゃないですか。そうなってくれたほうが、逆に僕も組みやすいです」

――マスンヤネにとって唯一の敗戦は2022年4月のジャレッド・ブルックス戦で、ブルックスのほうから組んで仕留めました。

「投げの打ち合いでブルックスが勝って、最後はRNCを極めましたよね。まずマスンヤネが前に出て、自分自身が慌てて攻めているところで組まれているイメージがあります。箕輪ひろば選手との試合も、全く引かない箕輪選手に苦戦していましたし。勢いがあるから、やりにくいと感じる選手もいるとは思うんですよ。でも僕は見合うより、勢いで来るタイプのほうがやりやすいです」

――マスンヤネは現在ストロー級2位。この試合に勝てば一気にベルト挑戦が近づきます。

「3月1日にブルックスが、ランキング1位のジョシュア・パシオと防衛戦をやります。ここで僕がマスンヤネに勝って、ブルックス×パシオの勝者に挑戦したいです。3月の勝者に挑むとなったら6月か7月——1月の試合から間は開くかもしれませんが、それでも良いです。もう1試合挟むことなく、そのままタイトルマッチをやりたいですね」

――なるほど。ブルックス×パシオは、どちらが勝つと予想しますか。

「いつもの展開でブルックスが勝つんじゃないかと思います。やっぱり強いんですよね。いつも試合展開は同じだけど、その展開に持ち込む強さがありますから。ブルックスに挑むためにも、僕にとっては良い流れが来ていると感じています。

ファンの皆さんは海外の中継を視る時、知っている選手のほうを応援するじゃないですか。今回は日本で行われるビッグマッチで、僕のことを印象づけるチャンスだと思っています。実はシウバ戦が、レスリング時代も含めて初の海外試合で。だけど普段よりも緊張せずに戦いやすかったんです。だから今回は日本のビッグマッチで皆さんに僕のことを知ってもらい、海外でベルトに挑戦します」

■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

The post 【ONE165】オクトパスガードでボカン越えへ──山北渓人「ブルックスに挑むために良い流れが来ている」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN07 ONE FN16 ONE165 Special   キック グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン シッティチャイ・シッソンピーノン セイジ・ノースカット ダニエル・ケリー ダニー・キンガド チャンネル トミー・ランガカー ハム・ソヒ ボカン・マスンヤネ ボクシング マラット・グレゴリアン マーチン・ウェン モン・ボー 三浦彩佳 山北渓人 山本アーセン 平田樹 武尊 秋山成勲 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【Special】J-MMA2023─2024、三浦彩佳「国内にはもっと強い女子ファイターがたくさんいますから」

【写真】三浦にここまで言わせる──やはり、凄まじいマッチアップだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第十三弾は28日のONE日本大会で平田樹戦に臨む三浦彩佳に話を訊いた。昨年4月のモン・ボー戦で2年6カ月振りとなる勝利を挙げた三浦は、その2カ月後にONEアトム級で平田と対戦することに。「山本アーセンの元カノ&今カノ対決」という煽り、ONEストロー級で戦い続けてきた三浦がアトム級で戦う現実——複雑な気持ちを吐露した。それでも三浦は、前を向いて戦う。シャオ・ヂィンナンとの再戦を目指して。

■2023年三浦彩佳戦績

2月25日 ONE FN07
●0-3 ダニエル・ケリー(米国)※サブミッショングラップリング戦

11月3日 ONE FN16
○1R2分09秒 by スカーフホールド・アメリカーナ モン・ボー(中国)


――改めて2023年は、三浦選手にとってどのような1年でしたか。少なくとも2023年より、2024年は良い気持ちで迎えることができたのではないでしょうか。

「う~ん……」

――えっ、意外と暗いトーンですね。

「ギリギリですね。ギリギリ良い気持ちで2024年を迎えられたとは思います。MMAを1試合戦って、勝ててホッとしました」

――平田戦のオファーが届いたのは、モン・ボー戦の直後だったのですか。

「あの時はまだ『話があった』というぐらいで、私としてはシャオ・ヂィンナン戦があると思っていました。シャオ・ヂィンナン戦と平田戦っていうお話があり、正式なオファーは平田戦だったので『何でかなぁ?』と……」

――その部分で複雑な気持ちのまま新年を迎えたのですね。

「そうですね。1月末が試合なので、年末年始も落ち着いて休むことはできませんし」

――三浦選手にとっても予想外すぎたマッチメイクだったのでしょうか。

「一番意外だったのは、アトム級での試合という点です。以前から言っていたとおり、私はストロー級でシャオ・ヂィンナンと再戦するのが目標で。それが平田選手とアトム級で対戦する、というのは……ビックリしました」

――そのオファーを断るという選択肢はなかったのですか。

「……ここで断ると、いつ次の試合があるか分からないので」

――どちらかといえば平田選手との対戦よりも、アトム級でのオファーに対して合点がいかないということですか。

「私はONEストロー級の選手なのに、なぜアトム級のオファーが来るんだろうって……。自分としてはストロー級でもアトム級でも戦えます。ダニエル・ケリー戦は119ポンド契約で、期間もあったので落とすことはできました。それが1月28日にアトム級というのは――」

――前回のインタビューでもONEストロー級が自分に合っていると仰っていました。おかげで調子が出て来た、と。しかしアトム級で平田戦というのは、つまり平田選手を軸に組まれた試合ということです。

「はい。『こう来るんだぁ……』という気持ちはあります。とにかく胃が痛いですね(苦笑)」

――公式トレーラーで、三浦選手は「私がやってきたことはエンタメではない」と発言していました。山本アーセン選手の元カノ&今カノ対決という煽りも含めて、エンタメといいますか……。そこで今の三浦選手の言葉を聞いていると、この試合に対するモチベーションはどこにあるのかと気になります。

「ひとつは、すぐにONEが試合を組んでくれたことは嬉しいです。たとえ前回はモン・ボーありき、今回は平田選手ありき――であったとしても。試合は試合として、私は勝つと信じています。だからまず試合が組まれたことには感謝しています。

それとポジティブに考えるなら、『私はストロー級とアトム級、どちらでも戦えるぞ』とアピールする機会だと思うんですね。減量に関しても、アトム級というお話があった時にトレーナーさんに相談したら『絶対にアトム級の体をつくることができる。安心しろ』と言われて。その言葉を信じて、この試合は『私はいつでも何処でも戦える』とアピールできるチャンスだと考えることができるようになりました」

――ということは平田戦に向けて減量も順調なのですね。

「すごく順調に落とすことができています」

――なるほど。この試合で平田選手に勝利し、ストロー級でもアトム級でも戦えるとアピールした先に何があると思いますか。

「ストロー級でヂィンナンと再戦したいです。でも今は、とにかく与えられたことをやっていこうと考えていますね。それと平田選手は注目度が高いし、私が勝ってちゃんと……」

――ちゃんと?

「いや、ちゃんと――ではないですね。SNSで注目を集めるということが、よく分からないんですよ。TRIBEにはSNSをやっている人が少なくて(笑)」

――アハハハ。

「TRIBEには強いのに認知度が低い選手が、たくさんいると思うんです。だから私が注目度の高い平田選手に勝つことで、もっとTRIBEが認知されて、ONEという大会が日本でも注目されたら――と思っています。

私って、『没頭する力』は人より高いとトレーナーさんにも言ってもらえていて。そういうポジティブな言葉を信じて、今は試合に向けて練習しています」

――ポジティブな気持ちを持っていても、インタビュー映像で泣くのはデフォルトになっているのですか。

「アハハハ! あれって確か、カットと言われたあとに泣いているんですよ。だから『撮っているんかい!』と思って(笑)」

――三浦選手が泣くのを待っていたのかもしれません。

「そうなんでしょうねぇ(笑)」

――試合の話に戻すと……もともと階級も違いましたし、この試合のオファーが来るまで平田選手は視野に入っていなかったのですよね。

「視野には入っていなかったです。正直、平田選手にはファイターというイメージを持っていなくて。ファッションやSNSとか『今時の子』という印象でした。今回、煽り映像のインタビューでも『日本の女子MMAナンバーワンを決める』みたいなことを訊かれたんですよ。私は、全然そんなことは思っていなかったです。国内にはもっと強い女子ファイターがたくさんいますから」

――……。

「だから――何とも言えないところはあります。今回は自分自身への挑戦だと思っていて。かといって相手のことをナメているとか、そういう気持ちは一切ありません。ちゃんと集中して試合に臨む。それは今までの試合と変わらないし、これからもずっと同じです」

――対戦が決まるまで、平田選手の試合は視ていましたか。

「全部ではないけど、視ている試合もあります。でもハム・ソヒ戦は何がしたいのか分からなかったし、他の試合も――与えられている環境はすごく良いし、素質もある選手なのに『アレッ?』という感じで。いつも綺麗に戦おうとしすぎているというか。そこが皆さんも『う~ん……』と思う要因なのかもしれないですけど」

――確かに今は、デビュー当時ほどの爆発力は感じられなくなっています。

「指導者が固まっていなかったという理由もあると思うんですよ。私もいろんなところへ出稽古に行きますけど、最後は長南(亮TRIBE代表)さんが締めてくれるので。周りに厳しく言ってくれる人が多くて、ありがたい環境だなって実感しています」

――体重を落とすことはできたとしても、アトム級でもストロー級と同じ出力で戦えるかどうかという不安はありませんか。

「今もパワーは落ちていなくて、練習で男子選手を極めることがあります。だから、その点で不安はないですね。むしろ今までやってきたこと――体の使い方とか繋がってきたものもあるので。堀江(登志幸)トレーナーが、トレーニングの年間スケジュールを立ててくれているんですよ。ここまでに、これができるようになる。次は……って。階級は別として、そうやって繋がってきたものを次の試合で見せることはできるんじゃないかと思います。反対に『平田選手のほうがアトム級まで落とせるのかな?』って、よく言われますね(苦笑)」

――では対戦相手として、ファイターとしての平田選手の印象を教えてください。

「私よりも柔道の素質はあると思います。でも、どうなんですかねぇ……。勝ちにこだわる執念は、絶対に私のほうが上だと思います。私は勝てれば良い。綺麗に戦おうとは思っていないので。もし1Rでグチャグチャした展開になっても、2Rでスクランブルになったら私のほうが強いんじゃないかと考えていますね。

先ほども言いましたけど、油断はしていません。『もしかしたら、すごい武器を持っているんじゃないか』という最悪のケースまで想定して、一切の油断なく仕上げていますから」

――平田選手にとっては10カ月振りの試合になります。この10カ月の間に新しい武器を身につけている可能性はあります。

「彼女がMMAに対して本気で向き合っていた10カ月間であれば、その可能性はありますよね。本気で向き合っていたとしたら――ですよ。ただ、MMAを知っている方は分かってくれると信じています。とにかく1月の試合が無事に終わってほしい(苦笑)。いろんなことがありすぎるので、私も勝って少しゆっくりしたいです」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

The post 【Special】J-MMA2023─2024、三浦彩佳「国内にはもっと強い女子ファイターがたくさんいますから」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB K-1 MMA o ONE キック ケイド・ルオトロ トミー・ランガカー ボクシング 三浦彩佳 山本アーセン 平田樹 武尊 秋山成勲 青木真也

【ONE】スーパーレック×武尊がメイン!日本大会試合順決定!

IMG_6854
ロッタン欠場、K-1とのいざこざなどアゲンストの風が吹くONE。そんな中、1月28日に有明アリーナで開催されるONE 165の全11試合の試合順が発表されました。

メインは当然ながら王者スーパーレック・キャットムーカオ×武尊(team VASILEUS)のONEフライ級(-61.2kg)キックボクシングタイトルマッチ。ロッタンから入れ替わったとはいえ、この試合以外にメインはあり得ません。

そしてコーメインは何とケイド・ルオトロ×挑戦者トミー・ランガカーのサブミッショングラップリングライト級タイトルマッチ。セミにグラップリングマッチを持ってくるのは意外と言うか、ONEらしいと言うか。何とも不思議な編成です。

そして後半のPPVパートは平田樹(フリー)×三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA)の山本アーセンを取り巻く因縁マッチで幕を開け、秋山成勲、青木真也へと続く、ONEの日本人オールスターラインナップ。なんだかんだ問題はありますが、ONE久しぶりの日本でのビッグマッチは今から楽しみです。
カテゴリー
45 AB ABEMA ADCC2022 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE165 RIZIN ウアリ・クルジェフ キック グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン ダニー・キンガド トミー・ランガカー ボカン・マスンヤネ マイキー・ムスメシ マテウス・ガブリエル マーチン・ウェン 三浦彩佳 山北渓人 岩本健汰 平田樹 武尊 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【ONE165】ONE日本大会にグラップリング世界の頂点=ケイド・ルオトロが登場。ランガカーとリマッチ

【写真】ケイドをこの目で見られるだけで、嬉しい限りだ(C)RIZIN FF

4日(金・現地時間)、ONE Championshipが28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催されるONE 165「Rodtang vs Takeru」でONEサブミッショングラップリング世界ライト級選手権試合=王者ケイド・ルオトロ✖挑戦者トミー・ランガカーの一戦を組むことを発表している。
Text by Manabu Takashima

タイトル名にあるようにロッタン・ジットムアンノン✖武尊のキックを筆頭に青木真也✖セージ・ノースカット、ゲイリー・トノン✖マーチン・ウェン、さらに日本大会らしくダニー・キンガド×若松佑弥、ボカン・マスンヤネ×山北渓人、箕輪ひろば×グスタボ・バラルト、平田樹×三浦彩佳が行荒れる同大会で、組み技の世界戦が実現する。


ADCC2022で77キロを制し、ONEではライト級世界王者に君臨するケイドは双子の実兄でウェルター級王者タイ、そしてタフライ級王者マイキー・ムスメシと共に、ステロイドフリーのADCCという頂点を持つグラップリング界にあって、ナチュラル化のために動く──組み技ワールド新世代のリーダーだ。

そんなケイドはADCC世界大会の1カ月後、2022年10月にウアリ・クルジェフをヒールで下し同王座を獲得すると、12月にはマテウス・ガブリエルを相手に初防衛に成功。そして今年の6月に行われた2度目のタイトルディフェンディングマッチでは、ランガカーを判定で下している

一本決着でなかったにせよ、ここでダイレクトリマッチになった理由は何なのか。事実、今大会ではケイドでなく兄のタイがウェルター級世界王座を賭けて戦うという話もあった。一方、ケイドは日本大会が正式発表となる前からONE側では岩本健汰に声を掛けていた模様だ。

ただし岩本はADCC世界大会でのシード権獲得のために中堅に確実に勝つという2024年序盤に向けて明白なプランを持っており、ONEとの契約に縛られるとそのプランを実行できなくなることを危惧し、このオファーを固辞していた。

もちろん岩本✖ケイドは楽しみだが、岩本には全力でADCC世界大会に向かって行って欲しい。またケイドの試合は、対戦相手云々以上にケイドの動きを実際にこの目で見ることが一番の収穫となる。世界の頂点にあるグラップラーの登場は、4年振りのONE日本大会に一際、華を添えることになるだろう。

The post 【ONE165】ONE日本大会にグラップリング世界の頂点=ケイド・ルオトロが登場。ランガカーとリマッチ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o YouTube ウィリアム・タケット オリバー・タザ ジョセフ・チェン トミー・ランガカー 岩本健汰

【ADCC2024 European Trial01】ジョセフ・チェンが77キロ級を制し、初の世界大会出場を決める!!

【写真】危なげないといっても過言でない戦い振りで、世界大会出場を決めたジョセフ・チェン。11月25日にはオセアニア・アジア予選が実施される (C) FLO GRAPPLING

16日(土・現地時間)、ポーランドのワルシャワにあるアレナ・ウルシヌフ・ホールで第一次ADCCヨーロピアン予選が行われ77キロ級でジョセフ・チェンが優勝を果たしている。
Text by Takashima Manabu

台湾人の父と南アフリカ系ドイツ人の母を持つジョセフは、ドイツのパスポートを保有しており、中東及びアフリカ諸国のグラップラーも出場できるヨーロピアン・トライアルに出場した。


ジョセフは1回戦で昨年のADCC世界大会でウィリアム・タケットをストレートフットロックで破ったマテウス・シュゼシンスキと対戦し、序盤から代名詞といえる上攻めを続ける。シュゼシンスキに足関節をセットさせなかったが、本戦7分で足を越すこともできず試合は3分間の延長戦へ。

ジョセフは小内刈りからダブルレッグで尻もちをつかせ、バックへ。フックをさせなかったシュゼシンスキが、引き込んだことでポイントは獲得ならなかったがレフェリー判定をモノにし準決勝に駒を進めた。

セミファイナルの相手は欧州柔術界、北欧グラップリング界の雄トミー・ランガカーだ。まずランガカーが座り、ジョセフのパスのプレッシャーに負けじと足関節、スイープのセットをする。そんなランガカーに対し、ジョセフはポイント獲得時間になるとまずハーフから足を抜いてマウント奪取で、3 Pを奪取。足を戻され、もう一度抜いてマウントで3Pを追加したジョゼフは、バックマウントも奪い9-0でランガカーに快勝した。

続いて10分&延長4分となる決勝でオリバー・タザと相対したジョセフは、支えつり込み足をシングルレッグで切り返してトップを取ると、過去2試合以上に強いパスの圧をかける。

タザもスクランブルに持ち込み、トップを取れずとも50/50 に入れるなど下からコントロールをはかり、両者譲らず試合は延長へ。ジョセフはテイクダウン狙いの際に、バランスを崩して場外でタザにバックを譲ると、足をフックさせていない状態&仰向けでマット中央で試合が再開される。

その刹那、ジョセフは一気に胸を合わせてバックを狙う。前方に落とされながら、ジョセフは両ワキを抱えた状態で頭を支点に、後転するようにタザのバックを制し両足をフックしてみせる。これで3Pを手にすると、タザの反撃を遮断して昨年は、オセアニア&アジア予選で岩本健汰に阻まれた世界大会出場の切符を19歳&茶帯で成し遂げた。

この他の階級で最速世界選手権出場を決めたのはジョセフ以外の選手は──66キロ級で英国のオーウェン・ジョーンズ。88キロ級はフィンランドのサンテリ・リリウス、99キロ級は南アフリカ国籍のルーク・グリフィン、そして+99キロ級もフィンランドのヘイキ・ユシラと北欧勢が2つの枠を獲得している。

女子は新設された55キロ級でノルウェーのヨセフィーナ・ムーテ、65キロ級はフィンランドのサニ・ブランフォルス、65キロ超級でノルウェーのアーネ・スヴェンソンが世界大会出場を決めた。オーウェンとブランフォルスが紫帯、グフィリスとムーデがジョセフと同様に茶帯で欧州予選を制している。

The post 【ADCC2024 European Trial01】ジョセフ・チェンが77キロ級を制し、初の世界大会出場を決める!! first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o ONE ONE FN11 ケイド・ルオトロ トミー・ランガカー

【ONE FN11】ランガカーの足関節は届かず。上からアタックし続けたルオトロが判定でSG世界王座を防衛

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)王座決定戦/10分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def.3-0
トミー・ランガカー(ノルウェー)

ルオトロの頭を触りに行くランガカー、ルオトロが突き放す。ルオトロのシングルレッグを切ったランガカーと、ルオトロが組み手争いに。ランガカーが首を触りに来たところでルオトロが崩してグラウンドへ。下になったランガカーがルオトロの右足に外ヒールを仕掛けた。足を抜いたルオトロがランガカーの右足に絡みながらトップに回る。

ハーフガードのランガカーの顔を押してパスを狙うルオトロは、ランガカーが足首を触りに来ると立ち上がる。しばしランガカーの足を捌きながらパスを狙ったルオトロだが、再びガードイン。するとランガカーがルオトロの左足を取る。すぐに足を抜いたルオトロも、ランガカーの右足に外ヒールを仕掛けた。これもランガカーはディフェンスし、ハーフガードで潜る。

右腕を差し上げてプレッシャーをかけるルオトロだが、再び離れてパスを狙う。右足を狙うランガカーに対し、ルオトロは相手の右足を踏んで動きを止める。しかしパスを仕掛けたところで、またもランガカーが右足を取りにきた。ストレートフットロックを潰したルオトロが担ぎパスを仕掛けるも、越えることができない。またもランガカーがハーフガードで守る。

ルオトロの右足首を掴んだランガカー、ルオトロはニースライドパスを狙うも阻まれてしまう。ハーフガード&足関節でペースを握るランガカーに対し、ルオトロは上からアンクルを取りにいくも失敗。すかさずランガカーがヒザ十字からスイープへ。両者の足が絡み合うなか、ランガカーがバックテイクを狙ったとことでルオトロが立ち上がる。しかし動くとランガカーがカウンターで足を取りに来る。

残り1分、ランガカーは背中を着けて足を利かせ続ける。強引にパスからランガカーの左腕を取りに行ったルオトロだが、全てランガカーに阻まれてしまった。

ルオトロのアタックに対して全てといっていいほど足関節のカウンターを合わせていったランガカーと、パスを仕掛け続けたルオトロという構図に。裁定はジャッジ3者がルオトロの勝利を支持し、ルオトロがSG世界王座の2度目の防衛に成功した。


The post 【ONE FN11】ランガカーの足関節は届かず。上からアタックし続けたルオトロが判定でSG世界王座を防衛 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN11 イリャ・フレイマノフ ウ・ソンフン キック クォン・ウォンイル ケイド・ルオトロ ジャレミー・ミアド チャンネル トミー・ランガカー フー・ヤン マテウス・ガブリエル ルンピニー

【ONE FN11】ランガカー戦、ケイド・ルオトロ「ムエタイのメッカで柔術を披露するなんてワクワクするね」

【写真】柔術を競技者のモノだけでない競技にする。それが若き世界王者の使命だ (C)MMAPLANET

これから3時間後、10日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで大会がスタートを切るONE Fight Night11。同大会でONEサブミッショングラップリング世界ライト級王者ケイド・ルオトロがトミー・ランガカーの挑戦を受ける。

柔術を誰が見ても楽しめるスポーツに引き上げ、五輪スポーツに昇華することをミッションとする若き世界チャンピオンは、自らの防衛戦の1週間前に行われたムンジアルで、兄タイに同行――ばかりか、最後の2週間を道着の練習にあてていたという。


――ムンジアルでタイと一緒にいたようですが、バンコクに入ったのはいつですか。

「昨日の朝だよ(※インタビューは7日に行われた)。タイがワールドに出ていたから、日曜日にトーナメントが終わり、その日の夜に飛行機に乗ったんだ」

――次の週に自らの防衛戦が控えていても、タイに同行しないという選択はなかったのですね。

「もっと早くバンコクに来たいという気持ちはあったよ。時差ボケを解消し、リラックスできる時間を持ちたかった。でも僕らはずっと一緒に戦ってきたから、タイのコーナーに就かないという選択はなかった。僕が戦う時は、タイがいてくれる。タイが戦う時は僕が傍にいる。ノーチョイスだよ」

――タイの銅メダル獲得という結果は、どのように捉えていますか。

「パフォーマンスが悪いわけではなかったけど、満足はしていない。接戦で世界王者のジャンセン・ゴミスに遅れを取り、ジャンセンのトーナメントになった。でもタイは勝てていた。戦略的にしてやられたんだ。技術的にシリアスな敗北じゃない。僕らは絶対に来年、道着でも世界チャンピオンになる」

――IBJJFのポイント柔術は、緻密な計算と正確な判断力が求められ、相当に高度な駆け引きが存在すると思います。

「常にマインドゲームになるね。準決勝でタイは負けたけど、ポイントを失った後はずっとダブルカラーグリップでホールドに徹された。あんな動きのない試合を見ていると、自分のために勝負にこだわるんじゃなくて、もっとアクディブさを求め、皆が喜ぶ試合をしないとって思ってしまう……けど、それは僕の考え方であって、皆がそういうわけじゃないことは理解しているよ。

タイはそれを言い訳にしないけど、去年のワールドからトータルで5、6回しか道着の練習をしていなかったんだ。逆を言えばほとんど準備なしで、あれだけできるんだから大したものだよ。ちょっとしたケガもあったからスパーリングでなく、技術練習が主だった。それ以外は心肺機能系のトレーニングをしたぐらいで。だから、来年は1カ月半は準備期間を取り、絶対にワールドでポディウムの頂点に立つつもりだ」

――サブミッショングラップリングの王座防衛戦前に、道着の練習に付き合うことに関してメリットを見つけ出すことはできますか。

「なんか、昔を思い出すような感覚だった。僕らは3歳から柔術を始めて14、15歳まで、道着しかやってこなかったからね。レッグロックすら、やってこなかった。16歳でプロになり、ノーギで戦う機会が増えたから、道着に専念した時代を思い出すことができた。そしてあの日々で身に着けたモノは、何一つ失っていなことが分かった。そうやって考えると、こういうブレイクが時々あることは良いんじゃないかな。でも、タイトル戦の前じゃない方が良いのは事実だよ(笑)。

もっと防衛戦に集中したキャンプがあった方が良いし。それでも、毎日のように自分がこの大切な舞台に立つことを想う浮かべ、しっかりと集中することはできた」

――ではトミー・ランガカーの印象を教えてください。

「とてもタフで、フレキシブルだ。マテウス・ガブリエルに似たところもあるけど、フィジカルは彼より強い。ONEでの試合のなかで、一番タフな一戦になるだろうね。トミーは道着柔術をしっかりとやり込んできた選手らしく、背中をマットにつけて仕掛けてくるに違いない。それがレッグロックなら、レッグロックに付き合う。スクランブル戦をしてくるようだと、スクランブルに応じる。トミーも去年のADCC以降、ノーギに力をいれていて僕のベルトが欲しいんだろうけど、それは無理な話だよ」

――トミーがスクランブルゲームをしてくるとは、想像しがたいです。トミーのガードからの仕掛けと、ケイドのトップゲームの真っ向勝負。そんなノーギ柔術が見られるのではないかと期待しています。

「そうなるだろうね。彼のガードは柔軟で、パスガードからサブミッションという流れを創るのは、なかなか厄介だ。ただ、どれだけ仕掛けてくるか……だね」

――B-TEAMで10日ほど練習してきたようですが、そこは気になりますか。

「いや、気にしないよ。B-TEAMにいたのは、フィニッシュ能力を高めようということだろう。きっと対策練習もしっかりとやってきているはずだ。でも、まぁそれが通じるのかお手並み拝見だよ」

――今回はケージでなく、リングが使用されます。ロープの外、エプロンの存在などまたケージとは違った環境で戦うことになります。そしてレフェリーの介入も増えるでしょう。

「ムエタイのメッカで、柔術を披露するなんてワクワクしちゃうね。数多くの伝説が生まれたルンピニースタジアムで、サブミッショングラップリングのタイトル戦を戦うことは歴史の1ページを刻むことになる。とても光栄に思っているし、責任も感じている。リングで試合をすることも、凄く興味深いよ。

僕は人生でたったの一度もリングで試合をしたことがない。実際、リングで戦うことで何が起こるのか、僕はまだ分かっていない。とにかく、リングを自分の庭ように戦いたいね(笑)。そして、皆が納得する試合がしたい」

――ケイドなら面白い試合をする。そんな風な期待がプレッシャーになることはないですか。

「勝つか、負けるか。そういうことでナーバスになることも、期待されることがプレッシャーになることもないよ。僕が目指しているのは家族や友人だけでなく、誰もがエキサイトできる柔術にすることだから。どの状況でも、積極的に動いて極める。それが僕のやるべきことだからね」

■放送予定
6月10日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONEムエタイ世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)王座決定戦/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
イリャ・フレイマノフ(ロシア)
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)

<キック・フェザー級選手権試合/3分3R>
スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
タイフン・オズカン(オランダ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジャレミー・ミアド(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<キック・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
アリアン・サディコビッチ(ドイツ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アルテム・ビュラク(ロシア)
クォン・ウォンイル(韓国)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
アンバー・キッチン(英国
マルティニ・ミケレット(イタリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
フー・ヤン(中国)
ウ・ソンフン(韓国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
グト・イノセンチ(ブラジル)

The post 【ONE FN11】ランガカー戦、ケイド・ルオトロ「ムエタイのメッカで柔術を披露するなんてワクワクするね」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN11   イゴール・タナベ イリャ・フレイマノフ ウ・ソンフン エスペン・マティエセン キック クォン・ウォンイル ケイド・ルオトロ ジャレミー・ミアド チャンネル トミー・ランガカー フー・ヤン ルンピニー

【ONE FN11】ケイド・ルオトロに挑戦、バイキング柔術Gen.2代表トミー・ランガカー「二重の喜び」

【写真】 LA、車の中からインタビューに応対してくれたランガカー──感謝です(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night11でONEサブミッショングラップリング世界ライト級王者ケイド・ルオトロにトミー・ランガカーが挑戦する。

北欧ノルウェーから世界を舞台に戦う柔術家ランガカーは、IBJJF柔術の最高峰ムンジアルに挑み続けてきたが、今年は王座挑戦の1週間前ということで回避した。メダル獲得、世界最強の誉れを目指し出場料、遠征費を自ら捻出して戦う競技柔術の最高峰と、プロとしてファイトマネーを手にする戦いに臨む際、彼の内面にはどのような変化があるのか。

ケイド戦を前にアマ柔術とプロ柔術の立ち位置の違いをランガカーは、非常に丁寧に話し、北欧柔術界及びMMA界のレジェンドの今に言及した。


――トミー、ONEサブミッショングラップリング世界王座挑戦を1週間後に控え、今LAにいるということですが──ムンジアルには出場していないですよね(※取材は6月3日に行われた)。

「生徒やガールフレンドがムンジアルに出場していて、僕もLA近辺の柔術アカデミーでトレーニングを続けているんだ。LAの前には10日間、テキサス州オースチンのB-Teamで練習してきたよ」

──ムンジアルは柔術家にとって最大のトーナメントです。トミーも常にピラミッドで戦ってきました。ただし、今回はONEの世界戦を優先したということでしょうか。

「その通りだよ。黒帯になってから、ずっとムンジアルで戦ってきた。今回はONEから世界戦のオファーがあって、最初は両方で戦えないかと考えた。でも、ベルト奪取の機会を優先してムンジアル優勝は来年狙うことにしたんだ」

──ONEのベルトはムンジアル参加を見送る価値があるモノなのでしょうか。

「そういうことじゃないよ。ムンジアル優勝もONEのベルト奪取も、凄く意味のある事だ。ムンジアルで勝つことは、柔術を始めてからずっと僕の夢だった。と同時に、その夢は来年でも達成できる自信があるからね。ここはONE述べるとを獲りに行こうと決めたんだ」

──柔術家がプロアスリートとしてファイトマネーを手にして戦うステージが得られるようになった今、メダルの獲得を目指して戦う場合と、お客さんを納得させるパフォーマンスが必要なプロ興行で試合に挑む時と心持ちの違いはありますか。

「ONEは柔術をプロステージに引き上げようとしてくれている。その場に、最初の世代として出場するのはとても光栄なことだよ。ピュア柔術がプロショーで組まれる機会は、とても重要だ。もちろん、試合に出て収入を得られるようになったことを含めてね。競技者として試合に出て、生活できる環境が柔術家にはなかったから。こういう機会が増えれば、柔術家も自分のトレーニングに集中できるようになる」

──ところでトミーは過去1年、道着柔術、ADCCのポイントのノーギ、さらにONEのサブオンリーの試合に出ています。普段のトレーニングでコアとなるのは、どのルールを想定しての練習になるのでしょうか。

「そこが少し難しい点ではあるけど、柔術家として重きを置いているのはしっかりとポジションをとってサブミッションを狙うこと。ただし、出場する試合のルールに合わせた練習は当然のように必要になってくる。そして、常にルールに対応できているかといえば、ここが簡単なことじゃない。

だから、ルールに合わせて頭も整理して戦う必要があるんだけど、それもこれも柔術は競技としての歴史は決して長くないことが要因になっているからだよね。エキサイティングさと公平さをどの大会運営陣が求めていることには、違いないと理解している。その結果として、競技が進化することは大歓迎だよ」

──ノーギ柔術も柔術という考えもありましたが、今やIBJJF柔術とノーギ&サブオンリーはもう別モノにしか思えないです。トミーはどのように考えていますか。

「ノーギもまだ柔術の一部だという想いは、僕にはある。IBJJFはスコア柔術を追求してきた。それはポジションを奪ってドミネイトすることを重視しているからだ。テイクダウンポイントがあるのも、その表れだろう。ただし、ポイントがあることでゲームに徹する競技者がいることは絶対的に否定できない。

だから技術的に最高の柔術家が、最高のゲームプランを忠実に実行した柔術家に敗れることもある。それでも、根っこの部分で柔術とグラップリングは繋がっているし、ここもまだ競技の歴史が少ないからハッキリしないんじゃないかな」

──IBJJF柔術がコンバットスポーツとして画期的だったのは、ポイントはなくともディフェンス能力の高さを評価していることかと。その一方でONEのサブミッショングラップリングはレフェリーがアクションを求め、試合に介入することが非常に多いです。

「柔術はアート・オブ・マーシャルアーツ。サバイブすることが、主目的にある。ただ、プロスポーツとして試合が組まれるなら、試合を見ている人のことを考えないといけない。そういう人たちはアクション、アタック、何かしらの動き、そしてスピーディーさを求めている。皆が柔術の練習をしているわけじゃないからね。柔術の奥深さ、ディティールを理解していない人が興味を持つ試合をプロのステージで求められるのも、当然だしね。だからハイペースで、ハイリスクな試合を提供しようとする。護身を基本としたトラディショナルな柔術競技と、プロフェッショナル柔術はそれだけ大きな違いがあるんだよ」

──下からの仕掛けが、柔術のダイナミズムでもあるのに。すぐに立たせると立ちレスの時間が増えてしまって……「どうなの?」と正直思います。

「対戦相手に触らないでガードを取ることは認められない。すぐにアクションを起こさないと、ブレイクが掛かる。実は僕も前の試合で、そういうことがあった。ガードをとっても、相手がグラウンドに応じないとスタンドに戻ることになる。

正直、もう少しガードワークを創る余裕を与えてほしいとは思うよ。レスリングじゃないという意見も分かるよ。と同時にテイクダウンのダイナミズムも求めているんだろうね。まぁ、これからどうなっていくのか。今は試行錯誤の時期でもあるはずだ。そういう疑問の声が聞かれることが、ONEのサブミッショングラップリングの成長に繋がるに違いない」

──素晴らしくポジティブな意見、ありがとうございます。とはいえ今回の世界戦。ケイドとトミーの試合は寝技で勝負できる者同士、どちらが上になろうがブレイク無用かと。

「凄く楽しみだよ。ケイドと僕のマッチアップは、凄く手が合うだろう。何より、世界一の選手と戦うのだからワクワクしている。ケイドはONEの世界王者というだけでなく、ADCCウィナーだからね。77キロの世界最強の選手がケイドで、しかも僕は彼のスタイルが大好きなんだ。だから二重の喜びだよ。僕らの試合は思い切りぶつかり合う、真っ向勝負でファンにも喜んでもらえるはずだ」

──ケイドはスクランブルが多いですね。彼の動きに付き合うのか、自分のペースで戦うのか。

「確かにケイドは爆発力があって、アクションが多い。それは彼が相手のリアクションを確かめているからでもあるんだ。そして相手が待って戦うようだと、より動きが増えてフィニッシュに近づく。そんなケイドと戦うと、僕の経験が大きくモノをいうだろう。この世界のベストファイターと戦い続けてきたことで、僕にはレジメが存在する。

彼はこれまでになく我慢を強いられることになる。そんな彼を仕留めるんだ。ケイドとの試合で、僕はノルウェーの柔術の強さを示したい。北の果てには、僕らが磨いてきた柔術が存在する。そしてベルトをノルウェーに持ち帰るよ」

──日本では柔術界の人々よりも、MMA界の人間はノルウェーといえばユノラフ・エイネモ、ヨアキム・ハンセンを思い浮かべることが多いと思います。ですからIBJJFのシーンでトミーとエスペン・マティエセンが台頭してきた時には我々の世代はワクワクしました。

「おお、日本のファンにとってもそうなんだ!! 2人はレジェンドだよ。僕の柔術キャリアは、彼らを追いかけることから始まった。ノルウェーの柔術界のロールモデルだよ」

──よりストリートファイターでしたが……(笑)。

「アハハハハ。ヨアキムはそうでもないけど、ユノラフはノルウェーの柔術界と繋がりも持っていた。でも、2年前に漁船を購入してオスロから北の街に引っ越してしまったんだ」

──えぇ!! ユノラフは漁師になったのですか。

「そうなんだ(笑)。でも、それまで釣りもしたことがなかったはずだよ(笑)。ユノラフとは時々、話すことがあったけど──レジェンドなのに、本当に面白い人で(笑)。今は毎日、魚を獲って相当に儲けているって聞くよ。ヨアキムとは会ったことはないけど、あの2人は僕らのヒーローだった。僕やエスペンはヨアキムやユノラフのようになりたくて、努力してきたんだ。でも、日本の人から2人の名前が聞かれるなんて、凄くファンタスティックなことだよ」

──こちらこそ、ユノラフの近況が聞けて嬉しかったです。では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「何だろう……。そうだ、日本の柔術家の皆にノルウェーに来て練習をしてほしい。いつだって大歓迎するよ。そして日本にいつか行ってみたい。イゴール・タナベにPolarisで負けたリベンジをしないといけないしね(笑)」

■放送予定
6月10日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONEムエタイ世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)王座決定戦/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
イリャ・フレイマノフ(ロシア)
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)

<キック・フェザー級選手権試合/3分3R>
スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
タイフン・オズカン(オランダ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジャレミー・ミアド(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<キック・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
アリアン・サディコビッチ(ドイツ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アルテム・ビュラク(ロシア)
クォン・ウォンイル(韓国)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
アンバー・キッチン(英国
マルティニ・ミケレット(イタリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
フー・ヤン(中国)
ウ・ソンフン(韓国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
グト・イノセンチ(ブラジル)

The post 【ONE FN11】ケイド・ルオトロに挑戦、バイキング柔術Gen.2代表トミー・ランガカー「二重の喜び」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN10   アドリアーノ・モライシュ アリス・アンダーソン オク・レユン オンラ・ンサン カイラット・アクメトフ コンバット柔術 スタンプ・フェアテックス ゼバスチャン・カデスタム タイ・ルオトロ タミー・ムスメシ チャンネル デメトリウス・ジョンソン トミー・ランガカー ファン・ロン マイキー・ムスメシ マテウス・ガブリエル ライニア・デリダー リース・マクラーレン ロッタン・シットムアンノン ロベルト・ソルディッチ ローウェン・タイナネス

【ONE FN10】MMA王者デリダー組み技戦、タイ・ルオトロ─02─「コンバット柔術ルール? 悪くない」

【写真】ナチュラルでも、こうなれる (C)ONE

既にイベントが開始されているONE FN10「Johnson vs Moraes 3」でONE世界ミドル級王者ライニア・デリターと対戦するタイ・ルオトロ・インタビュー後編。

若年層にも蔓延しつつあるステロイド使用に警鐘を鳴らしたタイ&ケイドのルオトロ兄弟がアグレッシブなグラップリングに関して熱弁を振るった。

<タイ・ルオトロ・インタビューPart.01はコチラから>


──と同時に参加型のグラップリングや柔術ですら、勝利を手にするために禁止薬物に手を染めるなか、タイやケイドたちはグラップリングがプロスポーツとしてよりメジャーになり、競技生活によって得るモノを増やそうと努力をしている。そして、そのような世界が実現するとより禁止薬物を使用する選手が増えることも容易に想像できます。

「だから、僕らのようなナチュラルな選手がジューサーを破ることで、子供達の手本になりたい。僕らが子供のとき、いつだって好きな選手はディアス兄弟だった。彼らは爆発力がもっともある選手じゃなかった。でも、ストロイドを打っている選手を相手に最高のパフォーマンスを見せていたから」

ケイド 今の柔術界はジュベニウでもステロイドを使用しているティーンがいる。僕らはステロイドを使わず、自分の力でもやれることを彼らに見せたいと思っている。

──ところで柔術家同士の対戦は両者が防御力に優れ、重厚な攻防になる一方で取られないことを第一に考える選手が多い。そのためにONEでは柔術家とMMAファイターやサンビストとの対戦を増やしているようにも見受けられます。柔術家同士の対戦が、一般受けするようなエキサイティングな試合になることは難しいでしょうか。

セレモニアル・フェイスオフでシングルレッグを仕掛けて、大笑いしたタイ。楽しんでいる

「柔術は退屈な試合にいくらでもある。

それは今言ったように守り重視だからだ。対してMMAファイターはより攻めてくる。今回の試合でもライニアは絶対に攻めてくるだろう。だから僕は彼をコールアウトしたんだ。観客の皆にとって、良い試合ができる相手だから。彼の攻めのプレッシャーのなかで、僕はベストを尽くして戦う」

──ケイド、6月にはトミー・ランガカーを相手にライト級王座の防衛戦が控えています。ランガカーもサンビストやMMAファイターと戦う時はアグレッシブに攻めるかと思います。その一方で、ケイドを相手になるとそのリスクを背負ってくるのか。

ケイド 僕らはいつだってフィニッシュして、エキサイティングな試合をしたいと心掛けている。だから、そこがいつも問題になってくるんだ。トミーは柔軟で強いガードファイターだ。マテウス・ガブリエル戦と似てくることも十分にある。でも、僕が一本勝ちを狙うことは間違いないよ。

──高い防御力を生かして攻める。それが一番の理想かと思いますが、前回のタミー・ムスメシとビア・バシリオ戦ではレフェリーが一瞬のスクートにブレイクを掛けるシーンが続きました。あれはあれでレフェリーが試合に介入し過ぎで、見ていて気持ちの良いモノではなかったです。

「座っている選手を立たせるのは、悪いことじゃないと思っている。僕らはアルティメット・スク―ティング・チャンピオンシップを戦っているわけじゃないから(笑)」

──アハハハ。

ケイド そうでしょ?(笑)。座って、何も起こらないモノを見たがる人はいない。

「確かにガードワークからは素晴らしい技が繰り出される。そこからアタックする場合はね。そういう美しい動きが見られるのは楽しいよ。でも、何をしないのならレフェリーが立たせることは問題ないと思う。なぜ、皆がガードを取るか。それはパスガードが難しいから。安全に戦いたいんだ」

ケイド だからガードって呼ばれているんだよ。

「多くの選手がガードを駆使し、時間とにらめっこという退屈極まりない試合をしようとする。テイクダウンでなく、座った選手を立たせるのは悪くない。ただし、そこに至るまでにレフェリーももう少し展開を見ても良いんじゃないかと思う」

──ハーフを取って足に触れているのに、ブレイクを命じたこともありました。そうやって立たされ続けるということは注意が入っているのと同じで。でも勝ったのはタミーだった。これはもう見ている人が戸惑うばかりです。なぜ、評価された動きをしているのにブレイクが入るのかと。

「それはそうだね。ガードから攻撃も柔術の醍醐味だから」

ケイド 攻めようとガードを一方が取り、また上の選手も攻めようとすることで攻防が生まれる。そうでない展開なら、ブレイクを命じるべきだよね。攻める気がないなら、立たせれば良い。

──ADCCでは逆にスクートした選手から、上の選手が3歩以上離れるとペナルティが与えられています。

「そうペナルティだ。MMAだと下になった選手が、ただ柔軟性を生かして防御に徹するなら──上の選手はパンチを落とせるよね。柔術はそれが許されない。だからさ、コンバット柔術のように下の選手が何もしないなら、掌底をバンバン入れてやれば良いんだよ(笑)。そうすれば、上の選手はもっと攻めやすくなる。僕らはエキサイティングな試合がしたいから、防御に徹せられるとイライラすることは確かだからね」

──ルオトロ兄弟はコンバット柔術の実現をチャトリに提言しますか(笑)。

「それは悪いアイデアじゃないよ(笑)」

ケイド ライニア・デリダーとコンバット柔術で戦えば良いんだよ(笑)。

──タイ、ケイド、いつもありがとうございます。最後に日本のファンに一言お願いします。

「モシモシ。アリガト。いつも、応援ありがとう」

ケイド アリガト。サヨナラ!!

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN10対戦カード

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者] アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] エドガル・タバレス(メキシコ)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] オサマ・アルマルワイ(イエメン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アリス・アンダーソン(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)

<<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ファン・ロン(中国)

<サブミッショングラップリング・ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/10分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
タイ・ルオトロ(米国)

<ムエタイ131ポンド契約/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ディアンドラ・マーティン(豪州)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ローウェン・タイナネス(米国)
オク・レユン(韓国)

The post 【ONE FN10】MMA王者デリダー組み技戦、タイ・ルオトロ─02─「コンバット柔術ルール? 悪くない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o ONE ONE FN07 ウアリ・クルジェフ トミー・ランガカー

【ONE FN07】トミー・ランガカー、クルジェフに内ヒール返しで一本勝ち&5万ドル獲得

<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
トミー・ランガカー(ノルウェー)
Def.2分58秒by ヒールフック
ウアリ・クルジェフ(ロシア)

立ちレスでツーオンワンのクルジェフ。放したランガカーがダブルレッグを切られて、跳びつき三角を狙う。外されガードのランガカーに、レフェリーはブレイクを命じて立たせる。立ちレスの展開からランガカーが引き込んで足関節狙い。内ヒールに体を反転して立ち上がったランガカーがリバーサルを決める。

自らクルジェフの両足を取ってロープ際からリング中央に戻ったランガカーはリバーサルを許すと、足を取りにいく。内ヒールを立ち上がって防いだクルジェフが、内ヒールを取りに行く。逆に内ヒールに取ったランガカーが、ロープに詰まりロールできないクルジェフからタップを奪い5万ドルのボーナスも獲得した。


The post 【ONE FN07】トミー・ランガカー、クルジェフに内ヒール返しで一本勝ち&5万ドル獲得 first appeared on MMAPLANET.