カテゴリー
F1 MMA o ONE UFC UFC Fight Night   アレクサ・グラッソ クリス・カーティス ケルヴィン・ガステラム ジェフ・ニール

9.16『UFC Fight Night: Grasso vs. Shevchenko 2』のセミファイナルはシャフカット・ラフモノフ vs. ケルヴィン・ガステラム/Fight NightシリーズなのにT-モバイル・アリーナ開催の異例の大会に

るるぶラスベガス'24


9.16 UFCラスベガス大会のメインイベントはアレクサ・グラッソ vs. ヴァレンティーナ・シェフチェンコのダイレクトリマッチ(2023年06月23日)

 こちらの続報。


 UFCが9月16日に開催する『UFC Fight Night: Grasso vs. Shevchenko 2』のセミファイナルでシャフカット・ラフモノフ vs. ケルヴィン・ガステラムのウェルター級マッチを行うことを発表。

 ラフモノフは3月の『UFC 285: Jones vs. Gane』でジェフ・ニールに3Rリアネイキッドチョークで勝利して以来の試合でプロデビュー以来17連勝中(UFC戦績5勝0敗)。現在UFCウェルター級ランキング6位。

 ガステラムは4月の『UFC 287: Pereira vs. Adesanya 2』でクリス・カーティスに判定勝ちして以来の試合。現在UFCウェルター級ランキング12位。


 また、会場はネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナになることが正式決定。Fight Nightシリーズとしては異例の大会となります。続きを読む・・・
カテゴリー
F1 MMA o ONE UFC   アレクサ・グラッソ

9.16 UFCラスベガス大会のメインイベントはアレクサ・グラッソ vs. ヴァレンティーナ・シェフチェンコのダイレクトリマッチ

UFCレガシーチャンピオンシップレプリカベルト


 UFCが9月16日に開催する大会のメインイベントがアレクサ・グラッソ vs. ヴァレンティーナ・シェフチェンコの女子フライ級タイトルマッチになることをMMAJunkieが確認したとのこと。ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催すると見られていますが、前週はオーストラリア・シドニーで『UFC 293』を開催することからFight Nightシリーズになると見られています。

 両者は3月の『UFC 285: Jones vs. Gane』で対戦しており、この時はグラッソが4Rフェイスロックで勝利し王座戴冠。今回は6ヶ月ぶりのダイレクトリマッチになります。シェフチェンコはその前まで9連勝しておりフライ級では負けなしでした。続きを読む・・・
カテゴリー
MMA MMAPLANET o RENA UFC uFC289 アイリーン・アルダナ アマンダ・ヌネス アレクサ・グラッソ キック ケイラ・ハリソン ケトレン・ヴィエイラ シャーウス・オリヴェイラ ジュリアナ・ペニャ ベニール・ダリューシュ ボクシング メイシー・シェエソン ヤナ・クニツカヤ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC289】UFC世界女子バンタム級選手権試合、聖域得た王者ヌネス✖「I’m Mexican」挑戦者アルダナ

【写真】そりゃあ下馬評は圧倒的にヌネス。ただし、シェフチェンコ✖グラッソ戦でもメキシコ女子は下馬評を覆した (C)Zuffa/UFC

10日(土・現地時間)カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーにあるロジャース・アリーナにてUFC 289「Nunes vs Aldana」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

元UFC世界ライト級王者のシャーウス・オリヴェイラとベニール・ダリューシュの注目の一戦をコメインとする今大会のメインは、バンタム&フェザーの女子2二階級王座を同時に保持するアマンダ・ヌネスが、ランキング5位のアイリーン・アルダナを挑戦者に迎える女子バンタム級タイトルマッチだ。


ヌネスは、誰もが認める女子MMAにおけるGOAT(Greatest of all time)。2016年にバンタム級王座を、2018年にフェザー級王座を獲得して以降、3年に渡って2階級を行き来して両王座を防衛し続ける離れ業を見せていた。一昨年12月、ジュリアナ・ペニャにまさかの2R一本負けを喫してバンタム級王座を失ったものの、昨年7月の雪辱戦では5R全てを圧倒して勝利、健在を見せつけている。

今大会は当初ヌネスとペニャの第3戦が予定されていたが、ペニャが練習中に肋骨を負傷。代わりに挑戦者として抜擢されたのが、現在2連勝中のアイリーン・アルダナだ。ヌネスと同じ88年生まれのアルダナは、ヌネスが初戴冠をした2016年にUFCデビュー。ファイト・オブ・ザ・ナイトとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを2度ずつ受賞する激闘を重ねながらランキングを上げてきた選手だ。

前戦では、体格上の(計量オーバーした)メイシー・シェエソンと対戦。仰向けの体勢からのアップキックをレバーに突き刺すという前代未聞のフィニッシュを決めており、試合後のインタビューでは「いつも練習しているグレイシー・クラシカル・テクニックよ!」という卓越したコメントを残している。

とまれ、実績&知名度ともに大きな差がある両者だけに、下馬評では王者が圧倒的に有利となっている。

ペニャとの初戦ではヒザの怪我も響いて不覚を取り「引退も考えた」と語るヌネス。「他の選手ならともかく、アイツにタイトルを渡したまま去るわけにはいかない」という個人的な思いも込めて臨んだ再戦では、サウスポー中心の戦いを初披露。ペニャが前に来るたびに右フックを合わせ、最初の2Rで実に5度もダウンを奪ってみせた。さらに後半はテイクダウンを何度も決めて上を取り、ペニャの下からの攻撃を遮断。全局面での強さを見せつけての復活劇だった。

DALLAS, TEXAS – JULY 30: in their women’s bantamweight title fight during UFC 277 at American Airlines Center on July 30, 2022 in Dallas, Texas. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC)

破壊的な威力の右オーバーハンドで世界を制圧した王者が、新たにサウスポーからの精度の高いカウンターを武器に加え、さらに強力なテイクダウンまで織り交ぜてくるのだから、対戦相手からすればこれほどの脅威はないだろう。世界の頂点に君臨しなお進化し続けるヌネスの戦いを通して、我々は今この瞬間における世界女子MMAの最高到達点を見ることができる。

この見事な復活劇の最大の要因は、練習環境を変えたことにあるという。長年拠点としてきたATTに、UFC女子フェザー級への転出が囁かれていたケイラ・ハリソンらが加入したことに「身の安全を脅かされる気がした」というほど気分を害していたというヌネス。

ペニャとの再戦に臨む際に、フロリダ州内に自らのプライベートジム「ライオネス・スタジオ」を設立し、移籍した。

「私と同階級の女子選手が、私の所属ジムに来て私のコーチと練習するような環境は好ましくなかった。このライオネス・スタジオに出入りできるのは私の親しい友人とコーチだけ。このジムで私が失っていたスピリットを取り戻すことができたし、サウスポーで戦うという発想も思いついたのよ」と語るヌネス。

「私の聖域」と呼ぶ専用スペースを手に入れ、私生活でもパートナーのニーナ・アンサロフ(※現在はヌネス姓)が二人目の子供をお腹に宿している。公私ともに充実した最強王者の牙城を崩すのはきわめて難しそうだ。

さて、大会前の記者会見。「あなたが偉大な王者にもたらすことのできる最大の脅威はどこにありますか?」との質問を受けた挑戦者アルダナは、微笑みながら一言だけ返した。

「I’m Mexican」。この言葉には、単に国の誇りといった精神的なものだけでなく、技術的な含意も込められていそうだ。実際、別の場でアルダナは「メキシカン・テクニックには特別なものがある。私はそんなメキシカンスタイルをオクタゴンに持ち込みたい」と語っている。

LAS VEGAS, NEVADA – JULY 10: in their women’s bantamweight bout during UFC 264 at T-Mobile Arena on July 10, 2021 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)

アルダナの言うメキシカンスタイルとは、主に彼女の最大の武器であるボクシングのことだろう。20歳を過ぎてから運動のためMMAをはじめたというアルダナだが、所属先のロボジムのヘッドコーチにして、元プロボクサーのフランシスコ・グラッソ氏に仕込まれたボクシング技術の洗練度は女子MMAファイターの中でトップクラスだ。

メキシカンボクシングの特徴と言われる、腰を柔らかく使った滑らかな動きや踏み込んでの伸びるジャブ、距離の長いストレートを見事に使いこなすアルダナ。さらに上下の打ち分けやアッパーを交えたコンビネーションも多彩で、ケトレン・ヴィエイラやヤナ・クニツカヤを一撃で倒した威力抜群のカウンターの左フックも持っている。

またヌネスがあまり使わないスムーズな左右へのフットワークにも長けており、常にガードを上げ固いブロッキングとヘッドムーブメントを駆使する等、パンチのディフェンスも優れている。多少の被弾はあれど常に致命打は回避し、抜群のコンディショニングと不屈の闘志をもって相手に打ち勝ってきたアルダナは、桁外れの破壊力を誇るヌネスの打撃をもってしても、簡単に倒せる相手ではない。女子MMA最高レベルの拳の応酬こそ、この試合最大の見所だ。

ただし王者ヌネスには、前戦でも猛威を奮った強力なテイクダウンという武器もある。打撃での制圧が困難と見るや、ヌネスがテイクダウンを仕掛けてくることは容易に想像できる。柔術黒帯を持つ王者のテイクダウン&トップコントロールをアルダナがいかに凌ぐかも、この試合の大きな鍵となりそうだ。

総合的な不利は否めないアルダナだが、所属先のロボジムは、今年の3月にアレクサ・グラッソがヴァレンチーナ・シェフチェンコから4RにRNCを極める大番狂わせを起こし、メキシコ人初のUFC女子王者を輩出したばかり。

王者が不用意なスピンキックを放ったが故に起きた奇跡、と解釈されがちなフィニッシュだが、ロボジム側から言わせると決して偶然ではない。

シェフチェンコの試合映像を寝る暇も惜しまず研究したフランシスコ・グラッソ氏(※アレクサの叔父でもある)が、シェフチェンコがスピンキックを放つ癖があることに気づき、それを避けてバックを奪いチョークを極めるシークエンスをチームで練り上げ、無数の反復練習を重ねてきた成果だったとのこと。

わずか3ヶ月前に世界を揺るがせた名伯楽の目には、もう一人の女子絶対王者のいかなる死角が見えているのだろうか。

アルダナは以前から──ヌネスが名を挙げた(そして離れた)メガジムATTとは対照的に──祖国の小さなチームにて、結束の固い仲間たちと共にあることにこそ自分の優位点があると語っている。

自分の入門初日からの練習パートナーであり、苦楽を共にしてきた盟友アレクサに続いて、2人目のメキシコ人女子王者を目指す気持ちの強さは、全てを成し遂げた王者の防衛への意志に決して劣らないだろう。

「この試合はブラジリアン・ライオネスとメキシカン・ジャガーの戦いなのよ!」と話すアルダナ。そのしなやかな牙が百獣の王の首に食い込み、多くの予想を裏切る大死闘となることを期待したい。

■視聴方法(予定)
6月11日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

The post 【UFC289】UFC世界女子バンタム級選手権試合、聖域得た王者ヌネス✖「I’m Mexican」挑戦者アルダナ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o UFC UFC285 アレクサ・グラッソ キック タイラ・サントス ボクシング ライカ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。グラッソ✖シェフチェンコ「居着く、2種」

【写真】ストライカーが、テイクダウンで攻めてはいけないのか……。MMAとは……。武術とは……。戦いとは…… (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たアレクサ・グラッソ✖ヴァレンチーナ・シェフチェンコとは。


──無敵のシェフチェンコが、まさかの一本負けでタイトルを失いました。

「居着いているとは何か。居着くという言葉自体は有名ですが、武術空手である剛毅會流では……車でいえばエンジンを切ってしまっている状態をいいます」

──相手の攻撃をまず考え、相手に合わせて自分の戦いができていない状態をではなく?

「その通りです。それで受けに回っている状態も居着くといいます。それとエンジンが切れた状態です。この試合でなくても質量が高いのに、居着いてしまって相手に中に入られるということはあります。この試合でも立って構えていると、質量が高いのはシェフチェンコです。でも中が止まってしまっている。グラッソは何から何まで、全部間違っているのに居着いていない。そういうことに関係なく、勢いがあって動いている。居着いて、中身が止まっているときに回転力のある攻撃をされると本当に危ないです」

──組みでも優勢ではあったのですが、打撃より組みが目立ったシェフチェンコでした。

「打撃は劣化します。同様にレスリングの強い選手が、MMAに転向するとレスリングだけの部分は劣化する。それはどうしようもないことです」

──去年の6月の防衛戦でタイラ・サントスの組みに苦戦し、打撃から組みに切り替えてスプリット判定勝ちという試合がありました。あそこで何か、シェフチェンコは変わったのか。

「そこなんです。そういう試合をしているのに、試合前に日本に来ていた。なぜ、なんだと思いませんでしたか」

──シェフチェンコはパラエストラ柏の練習で本当に強かったですよ。

「それは日本だからですよ。自分が最強の状態で練習していると、劣化してしまいます。ここがMMAの難しさですね。打撃でなく、組みで攻めると打撃は劣化しますぜって話です。ボクシングならボクシング、キックならキックでもこれしかできないというところが劣化する。そして、MMAはその劣化を防ぐ方法論が見当たらないです。

シェフチェンコの場合は素晴らしい打撃の使い手ですが、そうでない選手も組みがあるから打撃が上手にならない。なので打撃をやるMMAと、MMAをやるMMAはここからスパッと分かれていくような気がします。私は今、打撃の人間を指導していますが『MMAをやるな。打撃をやりなさい』としかいえなくて、そこをフィーチャーしたことをやっています。打撃が劣化して、組みにいってもどうなるのか──ということです」

──シェフチェンコに関しては組みで試合を優勢に進めていたと思います。

「でも結果的に負けているじゃないですか」

──それはあそこでスピニングバックキックを出して、バックを取られたからではないでしょうか。結果論ですが、組みだけでいけば後ろを見せることもなかったかと。

「だったら組みの練習をしっかりとやるべきです。そこにしても、居着いているので銅像と同じですよ。グラッソは手を出せば当たるのだから、そんな状態で組みに行ってもそれも居着いていると思いますよ」

──相手の攻撃有りきで組んでいたので。

「ハイ。居着いていないレスリングと、居着いてよっこいしょで動くレスリングは違いますし。だいたいガードワークが上手いグラッソにテイクダウンをすることが、戦術的にどうだかってことですよね。とはいっても、それはMMA的には間違っていない」

──その通りで3Rまでのスコアは29-28で取っている。なら間違いではないかと。

「打撃が上手く行かない。なら組みだというのは全然間違っていない。その一方で打撃がダメなことをどのように考えるのか。どの試合でも、MMAは離れた状態から始まります。胸を合わせてとか、相手が下なってという状況からは始まりません。

打撃がダメということは、先を取られていることが十分に考えられます。後手に回ったテイクダウン……でもMMAとしては間違っていない。いやぁ難しいですよ。もちろん、ストライカーも組みの練習は必要で、死ぬほどやらないといけないでしょう。でも、それを試合でわざわざ使う必要はない。

戦いとMMAは違うなぁと、改めて思います。右足前、左手で殴るのが一番の武器の選手が、それだけとシングルレッグに入られる。だから、左足前で戦った。テイクダウンされないよう戦うのも選択肢の一つです。ただし結局はテイクダウンされた。それは先が取れていないから。自分の得意な攻撃を優先すると、先を取れてテイクダウンされなかったかもしれない。勿論そうならない時もある。MMAでは前者を選択することも間違っていない」

──それでいて、MMAもルールがある戦いです。

「そう。だから難しい。いずれにしてもシェフチェンコは相手の選手がやられて嫌なことを考えないと。グラッソはパンチ、蹴りが嫌だった。それなのにシェフチェンコは構えたまま止まっていました。回転が掛かっていない。打撃で良い練習ができていなかったのでしょう。行かないと殺されると思えば、自分から行くはずです。

でも、自分より格下の選手との練習は受けて返すということができてしまう。この出来てしまっているという感覚が稽古に体に染みつくことは厄介です。やられて、どうすれば良いのか考える稽古の方が、良い稽古で」

──う~ん、稽古と練習の違いでしょうか。やられてばかりで、攻めるイメージができていないと試合には向かないとも考えられます。

「もちろん、そこも必要です。ただし、練習であっても最悪な状況を想定しないと。居着いた状態で受けて何かしようとすると、後手に回るので。受けて何をするのか、スポーツ……格闘競技は受け返しが成立するようになります。本来は相手を動かファイトのチェフチェンコが、組んで倒したとしてもグラッソに動かされていた試合になってしまいます。それが居着いているということです。

動かしているのと、動かされているのでは、同じ技を出しても違います。正直、立った状態では大した取り柄のない相手選手にシェフチェンコは動かされていた。普通に殴って、蹴ればグラッソは嫌だったはずなのに。ただし、グラッソには回転力とスピードがあった。そこと攻防する打撃の練習ができていなかったのではないかと思います。

と同時にね、どれだけ強い選手──シェフチェンコのような選手も、どこまで自分を律し続けることができるのか。チャレンジャーだった時と、今は違ってきて然りです。彼女が今より良くなりたいと思っているのか。そういう意味では、1階級上のバンタム級王座に挑みたいという気持ちがあるなら、その時はまた違ったシェフチェンコが見られるのではないかと思います。

私は正直、女子のMMAは余り見ていなかったのですが、シェフチェンコの試合はチェックしてきたんです。それだけ素晴らしい選手なのに、今回は銅像のように見えてしまいました」

The post 【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。グラッソ✖シェフチェンコ「居着く、2種」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA o ONE UFC UFC285   アレクサ・グラッソ

『UFC 285』ヴァレンティーナ・シェフチェンコ vs. アレクサ・グラッソを見たファイター・関係者の反応

MYSTERIO COMPANY UFC レガシーチャンピオンシップベルト レプリカ


 『UFC 285: Jones vs. Gane』ヴァレンティーナ・シェフチェンコ vs. アレクサ・グラッソを見たファイター・関係者のツイッターでの反応。続きを読む・・・
カテゴリー
o ONE UFC UFC285   アレクサ・グラッソ ジェフ・ニール ジョン・ジョーンズ

『UFC 285: Jones vs. Gane』パフォーマンスボーナス



 UFCが『UFC 285: Jones vs. Gane』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・シャフカット・ラフモノフ vs. ジェフ・ニール

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・ジョン・ジョーンズ、アレクサ・グラッソ、ボー・ニッカル


 5選手には各5万ドルのボーナス。続きを読む・・・
カテゴリー
MMA MMAPLANET o UFC UFC285 アレクサ・グラッソ キック ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC285】シェフチェンコ、スピニングバックキックに背中を取られ……グラッソがRNCで新王者に

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
Def.4R4分34秒by RNC
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)

右ローをまず蹴ったシェフチェンコが、前蹴りを見せる。グラッソは左ロー、右を伸ばす。そこに右を合わせて行ったシェフチェンコが、左ストレートからスピニングバックフィスト、直後に左ミドルを決める。後ろ回し蹴りを見せたシェフチェンコは、右ローを蹴り合うとグラッソの左をかわして、右ジャブを当てる。

グラッソもステップインから左をヒットさせたが、直後にシェフチェンコが左を打ち返す。右ジャブを当てたシェフチェンコが、グラッソの右フックにもジャブを入れる。グラッソは左からフォローの右を当てシェフチェンコが一瞬、動きを止める。さらにワンツーで前に出るグラッソは、シェフチェンコのワンツー、ハイキックに距離を取る。ワンツーに組んだシェフチェンコが左エルボーを狙う。

左オーバーハンド、前蹴りのシェフチェンコがスピニングバックフィストからミドルというコンビをもう一度見せる。直後にグラッソがダブルレッグでテイクダウンを奪い、スクランブルでパンチを重ねた。シェフチェンコは払い腰、グラッソが耐えて同体で腹ばいになった両者──時間となった。

2R、ジャブから左ストレートを伸ばしたグラッソ。続くジャブに、シェフチェンコがダブルレッグを合わせテイクダウン、背中をマットにつけさせる。クローズド&閂のグラッソは続いて頭を抱えに行くが、スクランブルには持ち込めない。シェフチェンコは足を一本抜き、即パスへ。ブリッジを潰してクルスフィックスのシェフチェンコが殴りに掛かる。グラッソは腕を抜き、ケージを蹴って正対するとレッスルアップからスタンドに戻る。

残り2分、シェフチェンコはワンツーをかわし、構えを変えるグラッソのローに右を合わせる。前に出るグラッソは後ろ回し蹴りから右を伸ばすが、距離が遠い。シェフチェンコはケージに詰まりそうにながらも、ダブルレッグでテイクダウンを決めてトップで時間を迎えた。

3R、距離を詰めていくグラッソに対し、シェフチェンコはハイをかわして右ジャブを入れる。グラッソも右を返しスイッチを返しつつ前へ。シェフチェンコは変わらずジャブからロー、ワンツーからスリーとパンチを纏める。テイクダウン狙いは反応したグラッソがロングの左を当てるも、直後に右ハイを受けそうになる。さらにチャンピオンは左ストレートを入れ、パーフェクトなタイミングでダブルレッグテイクダウンを決めた。

背中をつける時間が増えてきたグラッソは、下から細かいパンチを入れるがホールド気味のガードワークだ。頭をつけた状態から、時折り上体を上げて殴るシェフチェンコはブレイクを命じられた直後に殴ってしまう。

謝罪したシェフチェンコが、スタンドに戻るとすぐにダブルレッグを決める。ここでグラウンド状態にもかかわらず顔面を蹴りに行ったグラッソをレフェリーは流す。グラッソがギロチンも、すぐに時間となった。

4R、鋭い左を見せて前に出るグラッソ、シェフチェンコはここもダブルレッグへ。切ったグラッソは、スーパーマンジャンプに反応するが、なかなか手が出ない。シェフチェンコもグラッソの動きを見てのファイトとなり、静かな展開に。シェフチェンコは右ジャブを続け、グラッソがテイクダウン狙いからケージに押し込んでいく。ボディロックに取ったグラッソが倒せず、右で殴っていく。

残り80秒で離れた両者、シェフチェンコがジャブを当てスピニングバックキックへ。グラッソはここでバックに回り両足をフックして、一気にグラウンドに持ち込む。RNCに入ったグラッソ。仰向けにされたシェフチェンコは、アゴの上からの絞めヒジを押し上げて耐えようとしたが──観念、タップした。

まさかの一本負け、8度目の防衛に失敗したシェフチェンコは呆然とし、メキシコ人女子初のUFCチャンピオンになったグラッソは「長い間、この時が来るのを待ちわびていたの。この形の練習をしてきた毎日、毎日。こんなにハードに練習したことは、これまでなかった」と新世界女子フライ級王者は語った。

一方、「どれだけ試合を支配しても、一つのバカげたミスで全てがひっくり返る。これがMMA。アレクサ、おめでとう。私の方が強くても、スピニングキックで全てが変わった。皆がハードに練習してきて、やるべきことを試合でもやっているわ。こういうこともある。タイトルをすぐに取り戻したい」としっかりと話した。


<175ポンド契約/5分

The post 【UFC285】シェフチェンコ、スピニングバックキックに背中を取られ……グラッソがRNCで新王者に first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA Cage Warriors MMA MMAPLANET o ONE PFL UFC UFC285   アマンダ・ヒーバス アレクサ・グラッソ イアン・ギャリー キャメロン・サーイマン シャクハト・ラクモノフ シリル・ガンヌ ジェイミー・ピケット ジェイリン・ターナー ジェシカ・ペネ ジュリアン・マルケス ジョン・ジョーンズ タバタ・ヒッチ ダン・フッカー デレック・ブルンゾン トレヴィン・ジョーンズ ドリキュス・デュプレッシー ファリド・バシャラット ブラック ベニール・ダリューシュ ボー・ニコル マテウス・ガムロ マナ・マルチネス マフクアンドレ・バリユー ヴァレンチーナ・シェフチェンコ ヴィヴィアニ・アロージョ 中村倫也 風間敏臣

【UFC285】計量終了 お腹ポッコリ、ジョン・ジョーンズが3年振りの実戦でヘビー級王座挑戦

【写真】この腹は驚き。これでも強い──と期待してしまうのが、JJの凄まじさだ (C)Zuffa/UFC

4日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 285「Jones vs Gane」の計量が3日(金・同)に行われている。

メインはフランシスコ・ガヌーの王座返上とUFC離脱を受けて行われるUFC世界ヘビー級王座決定戦、ジョン・ジョーンズが3年振りのファイトでヘビー級王座に初挑戦。元暫定王者のシリル・ガンヌと戦う。

JJはライトヘビー級時代には2メートル15センチというリーチの長さを打撃とレスリングで最大限に生かし続けてきた。今回の248ポンドと計量結果は明らかに過去最大だが、206センチのリーチを誇るシリル・ガンヌを相手にライトヘビー級時代の圧を掛けることができるのかが最大の見どころだ。

セレモニアル計量で大ブーイングを浴びたガンヌと、対照的に大声援を受けたJJは輪郭から体のフォルムとライトヘビー級時代とはまるで違う容姿でスケールへ。

フェイスオフでは下腹ポッコリ、0.5ポンド軽いガンヌの方がグッドシェイプに見えた。そのガンヌは「この試合はビッグボーナス。この機会を手にできてハッピーだ。明日、勝てばベルトが手に入る。そしてこの惑星で一番のバッドアスに勝てるという2つ目のボーナスもある。ここにいられて、とても幸せだ」と話した。

対してJJは、「ただただ素晴らしい想いだ。皆のこと、もの凄く愛している。ここに来てくれてありがとう。皆の前で戦えることを光栄に思う。この贈り物を手にすることができて、本当に恵まれているよ。今も変わらずいえる。明日も楽しもうってね」と笑顔を見せ続けた。


コメインはUFC世界女子フライ級王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコが、8度目の防衛戦でアレクサ・グラッソを迎え撃つ。今回のキャンプをパラエストラ柏で行うという前代美音の行動に出たシェフチェンコは、千葉滞在中に練習に対する向き合い方と人間性で、練習仲間の全てを魅了し絶賛された。

「みんな、ありがとう。皆の前で素晴らしい試合をすることが待ち切れない。この試合はウォーになる」と話したグラッソに続き、「明日は強敵と戦う。でも、どれだけ彼女が強くても私の方がより強い。2倍強いから。明日はそういうアクションを皆に披露する夜になるわ」とシェフチェンコは断言した。

2階級の世界戦が組まれた今大会。メインカードであ注目のウェルター級でジェフ・ニールが 175ポンドと計量オーバー、16連勝中のシャクハト・ラクモノフとの一戦の前にミソをつけてしまったのは残念だ。

ダン・フッカーの代役ながら、昨年10月にベニール・ダリューシュ戦の敗北から再起を賭けるマテウス・ガムロがジェイリン・ターナーと戦う。

さらに噂のボー・ニコルのオクタゴン・デビュー戦=ジェイミー・ピケット戦が組まれたメインカードは当然として、プレリミから世界最高峰らしい凄まじいカードが並んでいる。

オープニングマッチでニコルと同様にUFC初陣を迎えるロイック・ラジャポフはPFL2021シーズンのライト級準優勝者だ。

第2試合もUFCデビュー戦となる選手=ファリド・バシャラットが登場。

デモン・ブラックシアー戦で、兄ジャビッドの1年遅れで世界最高峰に到達した。兄はキャリア14連勝、弟はここで勝てば10連勝と、兄弟無敗記録を24に伸ばせるか。

女子ではSEI☆ZA出身タバタ・ヒッチ、元ストロー級クィーン・オブ・パンクラシストのヴィヴィことヴィヴィアニ・アロージョという日本からの支持率が高い両者が出場する。

タバタは昨年10月に戦う予定だったジェシカ・ペネ戦が再度組まれた。

前回はペネの体調不良で流れた一戦、元タイトルこんだーを相手にタバタはオクタゴン3勝目を狙う。

ヴィヴィは世界王座に挑むグラッソに敗れてからの再起戦、対戦相手のアマンダ・ヒーバスと同様にタイトル戦線に留まるためのサバイバルマッチに臨む。

さらにウェルター級ではアイルランドからキャリア10連勝中、Cage Warriors時代のようにエンターテイメント性が高い試合でなく、しっかりと勝つ試合を続けているイアン・ギャリーが、中国のソン・ケナンとの一戦も組まれた。

既にオクタゴンで3連勝のギャリー、上と戦う権利を得るためのパフォーマンス&フィニッシュを期待されているといっても過言でない。

復活を賭して、背水の陣のコディ・ガーブラントとトレヴィン・ジョーンズとの対戦。

さらに1ポンド・オーバーだったマナ・マルチネスとキャメロン・サーイマンの一戦など、中村倫也&風間敏臣の対戦相手になるやもしれないバンタム級ファイターの顔合わせも日本のファンにとっては見逃せない。

他プロモーションならタイトル戦もしくはメインカード、UFNならヘッドライナーというカードが連続しているてんこ盛りのPPVイベント、UFCの底力が見える大会だ。

■視聴方法(予定)
3月5日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■UFC285計量結果

<UFC世界ヘビー級王座決定戦/5分5R>
ジョン・ジョーンズ: 248ポンド(112.49キロ)
シリル・ガンヌ: 247.5ポンド(112.26キロ)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)
[挑戦者]アレクサ・グラッソ(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール: 175ポンド(79.37キロ)
シャクハト・ラクモノフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ: 156ポンド(70.76キロ)
ジェイリン・ターナー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェイミー・ピケット: 186ポンド(84.37キロ)
ボー・ニコル: 185.5ポンド(84.14キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ガーブラント: 136ポンド(61.69キロ)
トレヴィン・ジョーンズ: 135ポンド(61.24キロ)

<ミドル級/5分3R>
デレック・ブルンゾン: 185.5ポンド(84.14キロ)
ドリキュス・デュプレッシー: 185ポンド(83.91キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴィヴィアニ・アロージョ: 126ポンド(57.15キロ)
アマンダ・ヒーバス: 126ポンド(57.15キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジュリアン・マルケス: 186ポンド(84.37キロ)
マフクアンドレ・バリユー: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 171ポンド(77.56キロ)
ソン・ケナン: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
マナ・マルチネス: 137ポンド(62.14キロ)
キャメロン・サーイマン: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・ペネ: 116ポンド(52.62キロ)
タバサ・ヒッチ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット: 136ポンド(61.69キロ)
デモン・ブラックシアー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ロイック・ラジャポフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
エステバン・リビヴィクス: 156ポンド(70.76キロ)

The post 【UFC285】計量終了 お腹ポッコリ、ジョン・ジョーンズが3年振りの実戦でヘビー級王座挑戦 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA K-1 MMA MMAPLANET o ONE UFC UFC285   アマンダ・ヌネス アレクサ・グラッソ キック ボクシング ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC285】グラッソ戦前の格闘聖女ヴァレンチーナ・シェフチェンコ─02─「私は戦いに疲れることはない」

【写真】パラエストラ柏の皆が、彼女を尊敬し心酔しきっていたのは何も強さだけでないことがハッキリと分かった (C)MMAPLANET

4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC285「Jones vs Gane」のコメインでアレクサ・グラッソを相手に8度目の防衛戦に臨むUFC女子世界フライ級王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコ・インタビュー後編。

パラエストラ柏で、3週間のキャンプを終えた彼女が話してくれた、数々のMMA論。MMAは強ければ、正義。そのうえで、人間として尊敬できればもっと格好良い。そんな世界最強のMMAファイターの言葉──あの舞台で勝ち続けることができる人間が話す言葉は、才能に満ち溢れた王者の論理だろう。だが、同時にどのような人間でも持ち続けることができる姿勢、思考を彼女は教えてくれた。

<ヴァレンチーナ・シェフチェンコ・インタビューPart.01はコチラから>


──なるほどぉ。ところでヴァレンチーナはただ様々な競技で戦ってきただけでなく、成功を収めてきています。テコンドー、ムエタイ、キックボクシング、柔道、ボクシング、そしてMMAと、まるで違うルール、よく似たルール、ともに結果を残せる理由をどのように考えていますか。

「それは私がマーシャルアーツを30年間やってきた経験があるから。私は5歳から格闘技を始めたわ。それに家族の皆がマーシャルアーチストだった。母はテコンドー三段で、母の影響で私も姉のアントニーナもマーシャルアーツを始めることになった。アントニーナはUFCファイターになった一方で、パイロットの仕事も続けていて。その都合で彼女はプエルトリコにいて、このあとラスベガスで合流することになっているの」

──パイロットですか、本当に多才なのですね。

「そうね(笑)。全ては経験よ。コーチのパベル・フェドートフはいつも私に『ヴァレンチーナ、ユニバーサル(普遍的な)ファイターであれよ』と言っているの。『本当のファイターは違うスタイルや違うルールでの戦いを恐れることはない』って。立ち技でも寝技でも、必要な戦いに応じるだけ。違ったルール、違った戦いに必要なことをするだけよ。

テコンドー、散打、空手、キックボクシング、K-1、本当に多くのムエタイの試合、全ては自分の経験で戦うだけ。もっと練習して、もっと理解して、もっと成功への道を探ること」

──ただし、戦い方としてはアジャストが必要だと思います。そのなかで、変わることのない軸のようなモノを持たれていますか。

「そうねぇ……全般的に見て理解力かな。どのように戦えば良いのか、どのように試合に向けて練習すれば良いのかという思考を確立させ、その考えを練習中や試合が始まってから曲げないことを。それを変えるようなことがあれば、自分の戦いの全てがガタガタと音を立てて崩れ落ちてしまうから。

どれだけ成功したのか。どれだけ高見を目指し、どれだけ自分の立ち位置が変わったのか。そんなことは一切関係ない。私はずっと同じファイターであり、同じ人間。勝利に対して謙虚であり続け、ハングリーであり続ける。それを何度も繰り返すだけ。それが成功の鍵だと思う。

テクニックもスタイルも変えて構わない。でも、自分の内面は立場によって変えてはダメ。マーシャルアーツを戦い始めた時と同じ内面を持ち続け、その内面から放出されるエネルギーを大切にすること。自分への自信、自身の平穏さを立場や状況で変えないこと。そこが一番大切な部分よ。チャンピオンになり、チャンピオンであり続けるには」

──なるほどぉ。真っ新な時のエネルギーと、素の自分を大切にするということですね。ところで世界戦の前のキャンプだというのに、対策練習をしているような風には見えなかったです。

「普段からそうよ。誰だって対戦相手の試合を見て、研究して、練習をしているはず。私もアレクサの試合を見て特に危険な攻撃が何かはしっかりと頭にいれているわ。だから、皆と同じことをやっているはずよ。いかにその展開を避けるのか、しっかりと頭に入っている」

──とはいえアレクサ・グラッソと同じような体形の選手もいないし、構えも皆がそれぞれのスタンスで戦っていましたが……。

「もちろん、彼女と同じ体形で同じようなスタイルのトレーニング・パートナーがいてくれると、最適ね。でも、そうじゃない場合はどうするの? パラエストラ柏の練習仲間は、アレクサの真似をするのではなくて、本来の自分の力を出してくれた。とてもシリアスで強度の高いトレーニングよ。私がミスをすれば、顔面を殴られる。そんな緊張感のある練習をここで3週間やってきたわ。彼らが本来の自分の戦いをすることで、本当に危険で緊張感のある練習ができたの。彼らがアレクサの真似をしても、そんな練習にはならない。

それよりもスタイルの違う、色々な強い選手と練習できるほうがずっと試合に役立つわ。今回の防衛戦だけでなく、これから私が戦う全ての試合においてね」

──いやぁ、自分の浅薄な考え方が恥ずかしい限りです。では、そのように準備してきたアレクサ・グラッソはどのようなファイターだと考えていますか。

「彼女は強い。寝技もできてボクシングも強い、コンプリートファイターよ。このレベルで、チャレンジャーになるにはどの状況でも正しく戦えて当然で。だから、私も何も変わりなく、全ての面で戦えるように2週間前までに最高の状態に整えてきたわ。練習を続けて、戦う。そして、今回も勝利を手にするだけよ」

──アレクサもヴァレンチーナも、距離のコントロールに長けていると思います。ただ、ヴァレンチーナの距離のコントロールは攻めるためで。対して、アレクサは防御のためにように感じます。

「う~ん……そうかしら。攻める時は攻めるし。さっきも言ったようにハイレベルなファイターは、どんな状況でも戦えないといけないから。良いスタイルマッチアップだと思うけど。皆が見て、楽しめる試合になるはずよ」

──ではその距離の取り方ですが。前手、前足で距離を測り、後ろの手足の攻撃に繋げるケースが多いと想うのですが、ヴァレンチーナは後ろ足で距離を取って移動することも間々あるように見受けられます。

「それは状況によって変わってくると思う。手の時もあるし、足の時もある。ファイトはファイトで、誰もこうなる、こうだって予測はできない。そんな話した通りのことがオクタゴンの中で起こるなら、誰も苦労はしないわ(笑)。だから、自分ができる限りの努力をして試合に臨むの。そして試合中は自分の体の動きに、身を委ねることね。

私は前手で距離をとることもあるし、前足でタイミングを測り、後ろ足で移動もする。何も一つの方法論に拘る必要はないから。もちろん、距離のコントロールは戦う上で本当に大切なことで。正しい距離が、良い結果を生むことは確かよ。そして、正しいタイミングが、勝敗を決するといっても過言でないわ。

そのために正しい技術を学び、トレーニングを続けること。オクタゴンに入って、ホーンがなれば考えている時間なんてない。次に何をしようかなんて思っている時間の猶予はないから。でも、次の動きをしないといけない。結局、自分の本能で戦うしかないのよ」

──それはもう才能の固まりであるヴァレンチーナだから言えることで、UFCファイターでもその域にはなかなか達せないのではないでしょうか。

「ウフフフフフフ」

──でも、ここまで成功を収めてやり切った感はないですか。どのようにして、この激しいスポーツに向き合い続けることができるのですか。

「マーシャルアーツは私の人生だから。今、ここにいるのもそう。私は好きなことをやっているだけで。好きなことをする、それが私にとって最大のモチベーションになっているわ。私は戦いに疲れることはない。自分が好きなことが、ここで戦うことであるなら、そのための必要な努力を続けるだけで。

私はそこに没頭できないで……自分のやるべきことを止めて、人々から評価されたり、尊敬されたい──そんな自己承認欲を満たしたいと思うようなことは一切ないわ。特に今の若い世代は、そういう傾向が強いけど、彼らは評価や人生観を大切にしようとしているだけで、その本当の意味がまだ理解できていないから(笑)。

インスタグラムでは20歳や19歳の子たちが、分かり切ったようなこと言っているじゃない。ホント、頑張れって感じね(笑)。好きなことに没頭していれば、あんなことに費やす時間はないはず。私は自分が何をしたいのか、どうなりたいのか。そんなことは考えずに、必要なことをやっているだけ。

こうなりたいとか、ベルトが欲しいとか、それはゴールじゃない。私のゴールは戦って人生を豊かに、幸せにすることだから」

──いやぁ、参りました。自己承認欲がなく、幸せになるためのファイトですが、もう1本のベルトを目指すつもりはないですか。今も……特に2度目のファイトですが、ヴァレンチーナがアマンダ・ヌネスに負けたとは思えないです。

「そうね、私は負けていない。私が勝っていたわ(微笑)。そして、その試合はきっと実現するわ。正しいタイミング、正しい場所でね」

──おっと、距離の取り方と攻め時と同じですね(笑)。

「フフフフ。その通りだわ」

──ヴァレンチーナ、今日は本当にありがとうございました。では、3週間過ごした日本のファンにメッセージをお願いします。

「私は本当に、この素晴らしい国を愛している。また日本に来たいと既に思っているわ。絶対に戻って来る。その時は試合前じゃなくて、もっと色々なところに行って、色々なモノを食べるの。絶対に(笑)」

■視聴方法(予定)
3月5日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

The post 【UFC285】グラッソ戦前の格闘聖女ヴァレンチーナ・シェフチェンコ─02─「私は戦いに疲れることはない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA o UFC アレクサ・グラッソ キャメロン・サーイマン タイラ・サントス タバタ・ヒッチ ブラック ボクシング ヴィヴィアニ・アロージョ

UFC285:オッズ/予想と展望

ジョン・ジョーンズ 1.65
シリル・ガーン 2.35
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ 1.16
アレクサ・グラッソ 5.60
ジェフ・ニール 4.90
シャフカト・ラフモノフ 1.20
マテウス・ガムロット 1.47
ジェイリン・ターナー 2.85
ボー・ニッカル 1.07
ジェイミー・ピケット 10.00
コーディ・ガーブラント 1.59
トレヴィン・ジョーンズ 2.45
デレク・ブランソン 2.90
ドリカス・デュ・プレシ 1.44
ヴィヴィアニ・アロージョ 1.95
アマンダ・ヒバス 1.87
ジュリアン・マルケス 2.30
マルク・アンドレ・バリオー 1.67
イアン・マシャド・ギャリー 1.15
ソン・ケナン 1.50
マーナ・マルティネス 3.55
キャメロン・サーイマン 1.33
ジェシカ・ペネ 3.30
タバタ・ヒッチ 1.36
ダモン・ブラックシア 4.90
ファリド・バシャラート 1.20
エステバン・リボビクス 3.20
ロイック・ラジャポフ 1.38

メインは怪物ジョン・ジョーンズの復帰戦にしてヘビー級転向初戦。いきなりガヌーが返上したヘビー級タイトルの王座決定戦に出場する。

ジョーンズが史上最年少でライトヘビー級のタイトルを獲得したのは12年前の3月。そこから何度も王座獲得→タイトル剥奪・出場停止を繰り返し、最後に試合をしたのは3年前の2月。9年間タイトル戦を戦って、その後3年休んでまだ35歳。

ジョーンズは過去にも何度も長期の出場停止(事件を起こしたり、禁止薬物の使用が発覚したり)期間があったが、ここまで開いたことはなかった。さらに、階級を上げての初戦となる。十分な期間があったので、完全なヘビー級の体格になっているが、増量・ブランク・加齢でどこまで動けるかは、実際に試合が始まってみないとわからない。最後の試合となったドミニク・レイエス戦もかなり僅差に詰められていたし、直近の数戦はリスクを避けた安全策の試合で、以前のように圧倒して勝つ内容ではなかった。

最初にオッズが発表された時は、JJが14年ぶりにアンダードッグとなっていたが、現在はフェイバリットに。相手のガーンがガヌーとの王座統一戦で、何度もテイクダウンを奪われ為す術がなかったことが不安視されているのか。

それを考慮に入れたとしても、普通に考えたらJJが楽に勝つとは思えない。勝つとしたら、テイクダウンからのパウンドでのTKO。しかし、ここ数戦、フィニッシュするだけの爆発力がなくなっている。長期戦になった時の消耗度も、ブランクと増量の影響でJJの方が大きいはずだ。

序盤はJJがテイクダウンで攻めるも、中盤失速して、ガーンが打撃でKOと予想。

セミはフライ級タイトルマッチ。相手はランキング6位グラッソ。グラッソはフライ級に上げてから4連勝だが、先月、ブランチフィールドが3位のアンドラージに勝ったことで、さらにランキングが下がっている。最後の相手は下位ランカーのヴィヴィアニ・アロージョで、これまでランキング5位以内の相手とは戦っていない。正直、挑戦者は現在1位のマノン・フィオロになると思っていた。

シェフチェンコも前回のタイラ・サントスにはかなり追い込まれたが、サントスに苦戦したのは四つの体勢からテイクダウンを奪われる展開となったためで、ボクシング主体のグラッソとの対戦にはその不安がない。

シェフチェンコが危なげなく判定勝ちと予想。

メインカード第1試合では、ボー・ンカルがUFCデビューする。レスリングで大学時代3度のNCAA D-1優勝、U-23世界選手権、全米選手権でも優勝し、東京五輪への出場も有力視されていたが、デビッド・テイラーに敗れて五輪出場はならず(後に、テイラーは東京五輪で金メダルを獲得している)。当時より将来的なMMA転向を考えており、トレーニングを行っていたが、オリンピック予選敗退後にアマチュアMMAデビュー。昨年6月にプロデビューすると1RKO勝ち。8月のコンテンダーシリーズでも1分少々でチョークで一本勝ち。キャリアが浅すぎるということで翌月もコンテンダーシリーズに出場し、三角絞めで勝利してUFCとの契約を決めている。

当初は昨年12月に、キャリアわずか半年でのUFCデビューが予定されていたが、負傷により今回に延期となった。相手はUFC2勝4敗、キャリア13勝8敗のピケット。試合経験は7倍もの差があるが、オッズはピケットの勝利に10倍がつくほどの大差となっている。

第1試合開始は5日7時半から。速報します。