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【DEEP107】神龍誠とフライ級王座統一戦、藤田大和「休む前のほうが強かった。以前のほうが速かった」

【写真】世界を目指すことができるチャンピオン同士の対戦を前に藤田が何を語ったか (C)SHOJIRO KAMEIKE

8日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP107でフライ級正規チャンピオン神龍誠と暫定チャンピオン藤田大和が王座統一戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

この試合は当初、2月26日に行われる予定であったが、神龍が新型コロナウィルスに感染し、体調不良のため今大会へ延期されていた。これまで自身の王座に暫定の2文字がついていたことに不満を述べていた藤田は、この延期と今回の試合について、どのように考えているのか。対戦相手である神龍の復帰戦と現在、そして自身の成長まで語ってくれた。


――試合を4日後に控えてのインタビューとなります。すでに顔も引き締まってきています。

「練習は終えて、あとは打ち込みで動きを確認するぐらいの状態ですね。体重もしっかり落ちてきています」

――もともと今回の王座統一戦は今年2月26日に行われると、昨年11月末には発表されていました。それが2月上旬に、神龍選手が新型コロナウィルスに感染したため5月8日大会にスライドされることが決定したという経緯があります。藤田選手が試合の延期を聞いたのは、いつ頃のことだったのでしょうか。

「正式決定を聞いたのは、発表される直前だったと思います。ただ、選手間の噂レベルでは(神龍が)コロナに感染したという話が聞こえてきていました。その時点では、まだ試合が延期になるかどうかは分からなくて。僕としては、試合はやるんだろうなと思っていましたけど……」

――その結果、試合の延期が正式決定された時は……。

「やっぱりか、というぐらいの気持ちでした。噂レベルで聞いた時から、もしかしたら試合がなくなるかもしれないという覚悟はあったので。主催者からも事前に聞くことはできていましたし。そもそもコロナ禍のなかでは仕方ないことですしね。ただ、自分としては試合をやりたかったなという気持ちは大きかったです」

――特に藤田選手が待ち望んでいた王座統一戦でした。

「そうですね。延期になっても練習は休まずにやっていましたけど、正式決定を聞いてから1~2日ぐらいは気持ちが入らなかったです。でもすぐに立ち直ることはできました」

――その時点で通常の練習も一度落ち着くものなのでしょうか。

「いえ、僕というかMe,Weは普段から試合前のような練習が多いんですよ。だから試合が延期されても練習量が減ることはないですね。あとは体重と気持ちの調整ぐらいで」

――同じMe,We所属の倉本一真選手からお聞きしましたが、1週間ぐらいのスパンで練習メニューが組まれ、毎週末が試合のような練習スケジュールをこなしているそうですね。

「アハハハ、そうなんです。めちゃくちゃキツいんですよ……(苦笑)」

――では改めて、神龍選手の印象についてお聞かせください。昨年10月に行われ、判定勝ちを収めた福田龍彌選手との復帰戦は、どのような感想を持っていますか。

「途中までは福田選手が勝つのかなと思っていましたけど、最終回にダウンを取って、これは判定勝ちだなと。でも採点を見ると、フルマークもあったじゃないですか」

――採点はジャッジ3者がそれぞれ30-26、30-27、29-28とつけていました。

「アグレッシブに攻めていたのは、誠君だったと思います。それでもフルマークは不思議な気もして――彼が苦戦したことは間違いないですよね。それも復帰戦だから仕方ないのかな、とは思いましたけど。それでも最後に明確なダウンを取ったのは、さすがでした」

――あの試合の流れで最後にパンチを当ててダウンを奪えるのが、神龍選手の強さなのだろうと思います。一方、あの試合を点ではなく線として捉えた場合……以前の試合と比較すると、印象は違いますか。

「それは……休む前のほうが強かったですよね。特にスピードに関しては、以前のほうが速かったと思います」

――それは藤田選手の中で想像していた範囲でしたか。それとも想定外のことだったのでしょうか。

「あの試合については、福田選手が勝つんじゃないかと予想していました。復帰戦で、こんなに強い相手を当てて大丈夫なのかなって。福田選手はキャリアもあるし、平良(達郎)選手に負けたとはいえ、平良選手が強いチャンピオンでしたからね。それだけ強い選手と、いきなり復帰戦で対戦するのは、危ない橋を渡るなぁと思いました。でも、その福田選手に勝ったのは、さすがです」

――ということは、神龍選手に勝利した福田選手と対戦する可能性もあると考えていましたか。

「それはあると思っていましたね。複雑な気持ちでした(苦笑)」

――結果は神龍選手が福田選手に勝利し、そのまま王座統一戦という流れになりました。ちなみに神龍選手に取材オファーを出したところ、今回は試合に集中したいとのことで、辞退の返答がありました。これについては、どう思いますか。

「あまり喋りたくないんですかね……。どうなんだろう? 僕としては特に気にならないです」

――まず福田選手との試合の内容を見て、神龍選手に勝つ道筋も見えたのでしょうか。

「そうですね……見えたものもあるし、以前よりも強くなっている部分もありました。ただ、あの試合だけでは分からないですよね。誠君も試合までに仕上げてくるでしょうし。そこは彼がどうこうではなく、自分次第でもあるので」

――では福田選手との試合前から、つまり休む前の神龍選手に対しては、どのような印象を持っていましたか。

「グラップラーですよね。動きが速いし、止まらない。試合では常に動いている印象でした。でも対戦したら……という感じでは見ていなくて、具体的に考え始めたのは僕が暫定王座を獲得してからです。

彼もそんなに試合をしていなかったですし。中村優作さん(2019年12月、神龍が判定勝ち)や伊藤盛一郎君との試合(2020年8月、神龍がギロチンで勝利)は、そういう意識では見ていなかったですね。だから意識して見たのは、前回の福田選手との試合ぐらいです」

<この項、続く

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DEEP MMA MMAPLANET o 修斗 岩崎正寛 柴田MONKEY有哉 海外 渋谷カズキ 神龍誠 福田龍彌 藤田大和 越智晴雄

【DEEP CAGE IMPACT in OSAKA 】2年10カ月振り、柴田MONKEY─01─「生活面や練習環境を整えて」

【写真】この間、如何に自分自身を整えてきたのか──は後編で(C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催されるDEEP CAGE IMPACT IN OSAKA 2022のメインイベントで、柴田MONKEY有哉が渋谷カズキと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2019年6月、神龍誠とのDEEPフライ級暫定王者決定戦に敗れて以来、2年10カ月ぶりの試合を行うこととなった柴田。正規王者・神龍の復帰、暫定王者・藤田大和の台頭、そして元修斗王者である福田龍彌の参戦で層が厚くなったDEEPフライ級戦線にまた1人、トップファイターが加わることになる。

そんな柴田が2年10カ月もの間、試合を行っていなかった理由とは? 長いブランクを経て、柴田がファイターとして得たものとは何かを話してくれた。


――2年10カ月ぶりのMMAを戦う柴田選手です。まずは、このタイミングで試合を行うことになった経緯から教えていただけますか。

「2年10カ月……それだけ試合間隔が空いたのは、ずっと自分の練習面や生活面を整えたいという気持ちがあったんです。所属していたBLOWSを離れて、米国に行ってアルファメールで練習したり、イヴォルブのトライアウトに参加したりしながら、チームKIZUNAというジムを立ち上げて」

――そうだったのですか。神龍戦前のインタビューで「負けたら終わり」と発言されていたので、てっきり……。

「あぁ、確かにそう受け取られても仕方ないですね(苦笑)。もちろん、あの試合で負けたら終わりやと思っていました。でもその終わりは引退っていう意味じゃなくて、一旦線引きせなアカンっていうことやったんです。結果は負けて、今のやり方じゃダメなんやなって思ったんですよ」

――なるほど。

「……その前から薄々は感じていたんですけどね。今の練習環境、今の生活環境じゃ良くないなって。理想と現実の違い、そういうものを感じていたんですよ。

神龍戦は、自分の中でも悔いなく挑めました。できることも全部やったんで。でも環境面と生活面で見直せるところはあるなって気づけたので。だから、一旦終わりやなっていう気持ちでした」

――では、この2年10カ月の間どう過ごされてきたのでしょうか。

「まずジムについては、もともと子供だけのチームやったんですよ。それが一般の方も受け付けるようになって、ジム経営にも力を入れたいと思ったんです。

だいたい子供は学校が終わって、夕方から練習に来るじゃないですか。僕は子供が好きやったし、子供の指導を仕事にすることで生活していければ、練習にあてられる時間も増えるかなと思っていて。すると通ってくれる子供の親御さんから『私にも格闘技を教えてほしい』という声が増えてきたんです。これなら大人のクラスもあったらいいなと考えて始めたら、さらに増えていったんですよ。

そうすると、ジムを経営するうえで学ばないといけないことがあるなと思って、基本は毎日強さを維持するために動きながら、いろんな経営の勉強会に参加していました」

――自分のジムを立ち上げたばかりの頃は、練習や試合との両立は難しくなりますよね。

「それでジム創りと同じように、自分の練習環境も整えないといけないなと思って。休む前に海外へ行って、日本の練習環境では足りないものも知ることができました。日本でも自分の練習について、もっとこうしたほうが良いんじゃないかなとか考えて……。そのジム創りと練習環境創りに、だいたい3年ぐらい掛かると思いました。だから3年ぐらいは試合を休んで、しっかり整えていきたいなと考えて今に至ります」

――柴田選手は今年30歳になります。選手として、20代最後の3年間も試合を行わないことに、不安はなかったですか。

「年齢のことは気にしていなかったですね。それよりは今、自分の生活面や練習環境を整えていったほうが後々、自分が強くなることに繋がると思ったので」

――それで神龍戦の後に、試合は休もうと決めたのですね。

「そうですね。でもさっき言ったように、前から理想と現実の違いは感じていたからなんです。違和感というか……1度フライ級からストロー級に落として、越智戦(2018年4月、DEEPストロー級タイトルマッチの越智晴雄戦)で負けたあとにBLOWSを離れたんですよ。そこから3試合したんですけど、3試合の初戦から違和感がありました。

それで1試合目は勝って(2018年10月、鮎田直人にTKO勝ち)、2試合目も勝って(2109年4月、坂巻魁斗に判定勝ち)、3試合目……」

――3試合目が、神龍誠選手の持つDEEPフライ級王座に挑んだ試合でした。

「あの時に勝っていたら、そのまま続けていたかもしれないです。まぁ分からないですけどね、“たられば”になっちゃうので」

――神龍戦は、DEEP王座への3度目のチャレンジでした。以前から柴田選手はDEEPのベルトを獲得することにこだわりを見せていましたが、3度目のチャレンジに失敗したことは、どのように捉えていたのでしょうか。

「う~ん……今思うと、たまたまベルトを賭けた試合の経験が多かっただけで、3回目とかっていうのは気にしていなかったです。ただ、3回とも強い選手に負けた。次はもっとしっかりやらなアカン。強くなるために引っかかっている部分を取り除きたい、という気持ちのほうが強かったので、休むことにしたんですよね」

――この3年間で生活環境と練習環境を整えながら、選手として大きく変わった点はありますか。

「柔術を重点的にやるようになりました。MMAに必要な寝技を学びたいなと思って、カルペディエム芦屋で岩崎正寛さんに教わっています」

<この項、続く>

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DEEP DEEP JEWELS37 DEEP106 DEEP107 MMA MMAPLANET o RIZIN Te-a 中井りん 修斗 平田直樹 木下尚祐 本田良介 杉山しずか 杉山廣平 栗山葵 牛久絢太郎 神田コウヤ 神龍誠 福田龍彌 藤田大和 越智晴雄 関原翔 青井人 駒杵嵩大 高橋遼伍

【DEEP107&DEEP JEWELS37】5月8日後楽園ホールで神田コウヤ×青井人、伊藤×関原、長野×ロータス

【写真】この試合は見逃せない! (C)MMAPLANET

17日(木)、DEEPより5月8日(土)に東京都文京区後楽園ホールで開催されるDEEP107 IMPACT とDEEP JEWELS37の追加カードが発表された。

既出の通り、JEWLES37ではDEEP JEWELS フライ級GPの準決勝~決勝戦が中井りん、杉山しずか、栗山葵、Te-aの間で行われ、またDEEP107では106大会のメインからスライドしたDEEPフライ級王座統一戦=正規王者・神龍誠×暫定王者・藤田大和の一戦が決まっている。


今日の発表では昼の部のJEWELS37で女子ストロー級マッチ=長野美香×ケイト・ロータスの2回戦。夜の部のDEEP 107でフェザー級=神田コウヤ×青井人、フライ級で伊東裕樹×関原翔の3回戦が明らかとなった。

神田✖青井は超見ものだ。青井は修斗でのデビュー時から世界を狙える器と目されながら、高橋遼伍の持つ修斗環太平洋フェザー級王座に挑戦した試合で腓骨を骨折、長期離脱後は攻めを凌がれて逆転負けという悪循環に陥っていた。

その青井、RIZIN参戦を経て今年の2月にDEEPに初参戦を果たすと木下尚祐戦ではその爆発力をコントロールし、メリハリのついたファイトを──殺気を帯びたまま展開するという成長ぶりを見せていた。

対する神田コウヤや平田直樹との接戦を制し、昨年12月に牛久絢太郎の持つDEEPフライ級王座に挑戦も惜敗、MMAとしてイニチアチブを取られることもなく微差で敗れた。

ベースはレスリングだが、長身&長いリーチを生かしてアウトの打撃、インのレスリングを駆使する神田とスピード&爆発力の青人の対戦は、ともにここをクリアすることで更なる成長が望める生き残りを賭けた査定試合となる。

他方フライ級の一戦は2月大会で福田龍彌にKO負けを喫した伊藤が、同大会で元ストロー級王者の越智晴雄に勝利した関原とのマッチアップとなった。DEEP106後に「フライ級はRIZINがトーナメントをやることになるかもしれないけど、DEEPでもGPができるだけ層を厚い」と佐伯繁代表が話していたようにロースターが揃っている。

王者対決に挑む両者、伊藤と関原、RIZIN参戦の福田以外に杉山廣平、駒杵嵩大、本田良介と粒揃いのフライ級戦線は1大会ごとに勢力分布が変わるやもしれない注目の階級だ。そして2020年、2021年と5月の後楽園大会は中止&延期となってきたため、今年こそはという力の入ったカードが揃いそうだ。

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ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase326 VTJ キック 上田将竜 伊藤裕樹 修斗 小川徹 平良達郎 猿飛流 神龍誠 福田龍彌 藤田大和

【Pancrase326】猿飛流を相手に2度目の防衛戦、小川徹―02―「しぶとい相手を降参させたい」

【写真】笑顔あふれるトークとは一転、ベルトを持ってスイッチが入るとこの表情……これぞベルトを獲った者の顔だ (C)MMAPLANET

21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、猿飛流を相手にベルトの防衛戦を行う、フライ級キング・オブ・パンクラシストの小川徹インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

空手→自衛隊→デザイン会社経営というキャリアを経ながら、たどり着いたMMAの世界。しかし、MMAファイターとしてのキャリアは、決して順風満帆なものではなかった。上田将竜に喫した2敗、ライリー・ドュトロ戦のKO負け――敗戦を経験し、いかにして小川はパンクラスのベルトを巻いたのか。そして次の猿飛流では、どんな小川徹を見せてくれるのか?

<小川徹インタビューPart.01はコチラから>


――自衛隊を離れたあと、すぐにTRIBEへ入ったのですか。

「RJWの高田浩也さんの紹介で別のジムに入ったんですけど、そのジムも活動休止になってTRIBEに入りました。それが8年前ですね」

――なぜTRIBEに?

「当時はパンクラスのアマチュアに出ていて、僕はスーパーフライ級だったんですよ。プロではその階級のチャンピオンが清水(清隆)さんで、漆谷(康宏)さんも練習していたりと、本当に日本の軽量級のトップ選手がいたので。トップの人と練習すれば、一番早くトップへ行けるのかなと思いました。ただ、皆さん強すぎて何をどうしていいのか分からなかったです。どうすれば、ここまで強くなれるんだろう? でも、やるしかない。そう思って、ひたすら練習についていく毎日でした」

――その中で、MMAファイターとしての手応えを感じ始めたのは、いつ頃なのでしょうか。

「手応え……2015年にネオブラッド・トーナメントのスーパーフライ級で優勝した時ですかね。その頃に自分のスタイルとか、やりたいことが見えてきたんです。もともと空手がベースなんですけど、それまでは打撃もちゃんと使えていなくて。空手とMMAでは距離も違うじゃないですか。自分の中で、そこまで落としきれていませんでした。ずっと『ハマらない、ハマらない』と思いながら、かといって寝技も全然できずに」

――ベルトを獲得する前の試合では、2019年5月のマモル戦が印象に残っています。相手が仕掛けてくる前に小川選手がローで先手を取り、自分のペースに持ち込んでいました。

「マモルさんに勝てたのは自分にとって大きかったです。それまでは勢いで試合している感じだったんですよ。何だかんだで自分が競り勝つことができる、っていう気持ちで試合をしていました(苦笑)。でもマモルさんとの試合では、そういう勝負をしても勝てないですし、とにかく自分がやるべきことを徹底して。自分で試合をつくることができたというのが大きかったですね」

――なるほど。

「あの試合では、自分のマインド、感情を制御できるようになったかなと思います。2回目の上田戦は、自分の中で『行かないと、行かないと』と思って行ったら、ハイキックで負けてしまったんです。マモル戦の次――ライリー・ドゥトロ戦も、自分が行こうと思った時にパンチをもらってしまって。
行こうと思った時に行ける、それがトップファイターだとは思っています。でも一方で、試合の中でしっかり正しい判断ができることも必要なんですよね。行ける時には行ける、行かないほうが良い時には行かない、という」

――その判断は、上田選手との3度目の試合で実践できたのではないですか。フルラウンドに渡って、小川選手がコントロールしていました。

「この間の試合は僕がコントロールしたというか、セコンドの青木(真也)さんにコントロールしてもらっていたんですよね……」

――青木選手にコントロールしてもらった……というのは、どういうことでしょうか。

「青木さんから試合中はずっと、『行くな! 行かなくていい!!』と言われていました。僕が1、2Rを取ったあと、青木さんからは『相手は3R目から絶対に出て来るから、絶対に出て行かずに待て』と言われていて。それで僕は3、4R目も行かなかったんです。でも5R目も相手が来なかった時に、僕が少しイラッとしてしまったんですよ。こんな試合は面白くないと思って。そうしたら青木さんから『行くな!』と……。あぁ、ここで行ったらダメなんだと思いました(苦笑)」

――小川選手陣営では、そのようなやり取りがあったのですね。昨年秋は修斗で平良達郎選手がVTJに出場し、DEEPでも藤田大和×伊藤裕樹、神龍誠×福田龍彌といったフライ級の注目カードが続いていました。現在の国内フライ級の状況について、どのように思っていますか。

「神龍君は一緒に練習させてもらっているんですけど、やっぱり強いですよね。その中で自分は、まだ国内でトップ選手だとは言えないかなと思っています。でもパンクラスのベルトを獲ってから、トップに行ける自信はついてきています。そこで胸を張って、パンクラスのフライ級が一番強い、と言えるようになりたいですね」

――そんななか、2度目の防衛戦を迎えます。

「猿飛流選手は本当なら、トーナメントの決勝で対戦するはずでした。でも決勝が中止になって、僕がベルトを巻いて……もう心の中で引っかかるものしかなかったです。やっぱり試合で勝ってベルトを巻きたかったですよね。だから長南(亮TRIBE代表)にも、上田選手との防衛戦で勝って、みんなの前でベルトを巻かせてくださいと言っていました」

――猿飛流選手の印象を教えてください。

「寝技もスクランブルも強くて、根性もあるし、しぶといなっていう印象があります。仮に僕が上田戦のように、何もやらせないように封じ込んでいたとしても、絶対に突破口を開いてスクランブルに持ち込んでくると思うんです。そこでもう降参させる試合をしたいですね。組んでも打撃でもお手上げ、みたいな」

――最後に、小川選手にとって今後の目標を教えていただけますか。

「正直、どこに出たいというのはないです。まず目の前の強い選手に勝ちたい、それが一番ですね。今回のオファーを受けたのも、試合で自分のMMAをやりたいと思ったからなので」

――自分のMMAとは、どんなものなのでしょうか。

「……自分の中ではまだ、その答えは出ていないです。だから今回は、その答えを出すための試合じゃないかな、って思っています」

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ACA DEEP MMA o RIZIN   クレベル・コイケ 中村大介 伊藤裕樹 修斗 小見川道大 川名TENCHO雄生 木下尚祐 石塚雄馬 神龍誠 福田龍彌 藤田大和 越智晴雄 青井人

『DEEP 106 IMPACT』試合結果


第6試合 メインイベント 小見川道大引退試合 フェザー級 5分3R
○中村大介(夕月堂本舗/元DEEPライト級王者)
×小見川道大(NEO JUDO ACADEMY)
3R 0’51” 腕ひしぎ十字固め

第5試合 セミファイナル フライ級 5分3R
×伊藤裕樹(ネックスイチムエ)
○福田龍彌[りゅうや](MIBURO/元修斗世界フライ級王者)
2R 0’35” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第4試合 ライト級 5分3R
×川名TENCHO雄生(Y&K MMA ACADEMY/北海しゃぶしゃぶ湘南藤沢店/修斗ライト級世界3位・元王者)
○石塚雄馬(AACC)
2R 2’19” TKO (レフェリーストップ:右ストレートでダウン後)

第3試合 フライ級 5分3R
×越智晴雄(パラエストラ愛媛/元DEEPストロー級王者)
○関原 翔(K-PLACE)
判定0-3 (柴田28-29/福田28-29/松宮28-29)

第2試合 フェザー級 5分3R
○青井 人(BLOWS/修斗フェザー級世界10位)
×木下尚祐[しょうすけ](和術慧舟會GODS)
2R 1’36” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)

第1試合 フライ級 5分2R
×ヒロヤ(トライフォース赤坂)
○風我(フリー)
判定0-3 (豊永19-19○/松宮19-19○/福田18-19)

オープニングファイト バンタム級 5分2R
×岩見 凌(KIBAマーシャルクラブ)
○山本有人(リバーサルジム東京スタンドアウト)
判定0-3 (松宮16-20/豊永17-20/福田17-20)

 2月26日に後楽園ホールで開催された『DEEP 106 IMPACT』の試合結果。当初予定されていた神龍誠 vs. 藤田大和のフライ級王座統一戦が神龍の新型コロナウイルス感染により延期されましたが、それでも好カードの揃った大会でした。

 メインイベントの小見川道大引退試合は中村大介が小見川道大に3Rアームバーで勝利。

 小見川は「最初は負けが続きましたが、いろんな舞台に上がらせてもらい 最高の経験をさせていただきました。格闘技最高。こうして死なずに格闘技ができたのも長年やった柔道のおかげです。これからは色んな人を柔道で幸せにしたいです。柔道最高、格闘技最高でした。本当に今までありがとうございました」と話し、10カウントゴングを聞いた。

 勝った中村はバックステージでのインタビューで「小見川選手、最後まで気を抜けなかったです。強かったです」と話し「3Rの戦い方が20年やってようやくわかってきました」と、3Rでのフィニッシュを振り返った。今後については「フェザー級の面白い選手がたくさんいるのでその辺と絡みたい。変な色物枠じゃなく」「1回勝っている牛久選手がRIZINのトップに立っているので自信になります。(再戦も)負けてないと思うので」と話し、同じグラップラータイプのクレベル・コイケに関しても「やってみたいですね。同門のサトシ選手と(QUINTETで)やった時はそこ(=フィニッシュ)まで行けなかったですけど、MMAは違うんで」と対応に自信を示した。

 セミファイナルは福田龍彌が伊藤裕樹に2R TKO勝ち。石塚雄馬は川名TENCHO雄生に2R TKO勝ちしています。続きを読む・・・
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【DEEP CAGE IMPACT in OSAKA & Yoshiro Maeda Retirement Memorial】4月10日、前田吉朗引退興行

【写真】第一部のメインは渋谷と復活・柴田モンキーのフライ級タイトル戦線生き残りマッチとなる (C)MMAPLANET & KEISUKE TAKAZawa

24日(木)、DEEP、PANCARSE OSAKA & DEEP OSAKA実行委員会より4月10日(日)に大阪市北区の梅田ステラホールでDEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022と「前田吉朗引退興行」が二部制で開催されることが発表されている。

DEEPとパンクラスのケージ大会が大阪で開かれるのは2019年11月17日の天王寺・大阪国際交流センター大会以来、コロナ禍では初めてとなる。

そして13時開始のDEEP、17時開始の前田吉朗引退興行──2つイベントが行われる会場が、前田がプロ3戦目を戦うなど90年代終盤からパンクラス大阪大会のホームといえる梅田ステラホールだ。


そんな2部制大会、1部のDEEPでは柴田MONKEY有哉が渋谷カズキと対戦するフライ級がメインで組まれた。柴田は2019年6月に神龍誠との暫定王座決定戦に敗れて以来の実戦復帰となる。対戦相手の渋谷も昨年2月に藤田大和と暫定王座決定戦を戦っており、今やDEEPで最も層が厚いといっても過言でないフライ級戦線で生き残りを賭けた一戦となる。

そんな柴田だが、練習仲間の川原波輝によると「めちゃくちゃ、グラップリングが強くなっている」とのこと。岩崎正寛率いるカルペディエム芦屋のグラップリング練習会に参加し、組み力が圧倒的に上がっているという柴田が、フィジカル&バランス・グラップリングの渋谷とどのような戦いを見せるか──ポスト神龍誠×藤田大和のDEEPフライ級戦線を占う上でも楽しみな一番だ。

同大会では3月のDEEP JEWELS出場予定だったが、コロナ感染の影響で欠場となったパク・シウが出場し、同大会で対戦が決まっていた古賀愛蘭とのマッチアップが改めて決まった。

さらにムエタイ国内3冠王からMMAデビューも連敗中の雅駿介と中本龍平のバンタム級戦まで3回戦で組まれている。またメインで前田が後輩・北方大地と引退エキシビションで合いまみえる夜の部はDEEP公式戦が3試合、パンクラス公式戦が3試合で構成されている。

結果、潤鎮魂歌×木戸脇広樹のストロー級戦は5分3Rのサッカーボールキック有り=DEEP公式戦。木村俊也×林RICE陽太のライト級戦=5分✖3Rはパンクラス公式戦でサッカーボールキック禁止、1月にWARDOGでMMA復帰を果たした藤原大地とMG眞介と延命そら×フェルナンドのDEEP公式戦2試合は5分✖2R、中村晃司×堂園悠、山﨑鼓大×上田祐起のパンクラス公式戦は3分✖3Rと、様々ルールセットが見られるイベントとなる。

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【DEEP106】伊藤裕樹戦へ、福田龍彌─02─「誰よりも僕が一番、この試合を楽しみにしているから」

【写真】響く発言が多すぎて、タイトルにどの言葉を持って来るのか悩む──そんなインタビューです(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106で、伊藤裕樹と対戦する福田龍彌のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

神龍誠×藤田大和のフライ級王座統一戦は延期となってしまったが、今大会ではDEEPフライ級トップ選手の試合が多くマッチアップされていた。なかでも、福田は伊藤との対戦を心から喜んでいる。その理由に、福田の格闘技観が表れていた。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――今大会は福田選手が伊藤選手と対戦するほかに、神龍誠×藤田大和、越智晴雄×関原翔というDEEPフライ級トップ選手の試合が組まれました。神龍×藤田の王座統一戦は延期となってしまいましたが、前回のインタビューで福田選手が希望していたトーナメント1回戦の様相を呈しています。

「良いっすね。トーナメントは無かったけど、このまま総当たり戦でやってほしいです。全員と対戦できる、総当たり戦が最高じゃないですか」

――トーナメントよりも総当たり戦ですか。

「タイトルマッチで次に勝ったほうと戦いたい、とかは思っていないので。できれば藤田君と試合したいですね。対戦したことないから、そのほうが楽しいです」

――では神龍選手に勝利して正規王者となった藤田選手と対戦したい、ということではないのでしょうか。

「……だから、複雑なんですよ」

――……複雑、とは?

「タイトルマッチとか大々的に、かしこまった形で試合をするのは、あんまり求めていないんです。藤田君が負けてくれたほうが、ノンタイトルマッチで気楽に戦えます。でも選手に対して負けることを望むなんて、ありえないから複雑なんですよ」

――それは複雑すぎます(笑)。

「アハハハ。あと、神龍君は僕との試合のあと『練習環境が変わって、練習不足だった』とコメントしていたらしいんですよね。それなら練習環境が整ってから、万全の状態になった神龍君と戦いたいです。……神龍君が藤田君に勝っても、ノンタイトルマッチで(笑)」

――次の対戦相手である伊藤選手は、前回の暫定王座決定戦で藤田選手と戦っています。いわばトップコンテンダーで、福田選手との試合は次期挑戦者決定戦かもしれませんが……。

「まぁ次がタイトルマッチかどうかは置いておいて、DEEP初戦で負けちゃったから、次はもっと下の選手を当てられるんちゃうかな、と思っていたんですよ。それが伊藤戦って、前回負けちゃったのに良いんですか? という感じで。今は幸せに溢れています。一番やりたかった相手ですね」

――DEEPフライ級の中では、伊藤選手が最も噛み合う対戦相手ではないかと思います。

「やっぱりそう思いますか? 僕も、もうたまらなくて(笑)。すごく良い選手、彼の戦い方が好きなんですよ。試合が決まってから、ずっとワクワクしています。誰よりも僕が一番、この試合を楽しみにしているから」

――伊藤選手の戦い方で、どのようなところが好きなのですか。

「自分というものを持っているじゃないですか。試合でギリギリの駆け引きができる。危ない位置から狙ってくることができる選手で。そういう選手と試合は、ピリピリした感じがあって好きですね。もしかしたら自分が怪我するかも……そんな雰囲気があると、僕のほうも気持ちが引き締まるので」

――なるほど。伊藤選手はピンチになっても、ハッキリと気持ちを整えて切り替えることができる、そんな気持ちの強さが試合にも現れています。福田選手と同じく、これまで多くの修羅場を潜ってきたのだろうなと。

「格闘技って、戦い方に選手の生き方が出ますよね。ファイトスタイルって自己表現の一つやから」

――福田選手は、どのようなファイトスタイルを目指しているのでしょうか。

「僕、UFCのラファエル・フィジエフが好きなんですよ。もともとムエタイの選手で、強い。ちゃんと格闘技が強い。ムエタイだけでなくボクシングをやっても、レスリングをやっても強いから」

――福田選手のベースは、やはりムエタイにあるのでしょうか。

「技術的なベースがあるかどうかは分からないですけど、何ていうか……僕がタイで見ていたのは、戦うことを生業にしている人だったんですよ。すごい田舎から出てきたような子が、試合でKO勝ちして、直後にプロモーターから『来週試合できるか?』と聞かれて。日本だと来週って言われたら悩む人が多いと思います。でもタイの選手は『いいんですか? できます』と答える。それがファイターという生業なんやな、って思いました」

――もし神龍戦の直後、佐伯代表から『1、2週間後に藤田か伊藤と……』というオファーがあったら受けていましたか。

「ダウンしてへんかったら、受けていたと思います。普段のオフモードで言われるのと、試合直後のまだオンモードにある状態で言われるのでは、違ってくるんですよね。オンモードの時に言われて、もし神龍戦でノーダメージやったら、オファーに飛びついていますよ」

――そう聞いて、福田選手の格闘技観が理解できてきました。

「それが戦うことを生業にしている、ということやと思うんですよ。僕は別に、タレントになりたいわけじゃない。名声が欲しいわけでもない。ただ純粋に競技が好きというか。飲食店なら、僕の店に行列はできなくていいです。食べログやミシュランで有名な店ではなく、その地域の人たちから愛されている店でいたい」

――伊藤戦は、まさにそういう試合だと思います。

「伊藤君との試合は、ギリギリの駆け引きを楽しみたいです。お互い危ないことをしながら、やりたいことをやって……最後は伊藤君に焦ってほしいな(笑)」

■視聴方法(予定)
2月26日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
小見川道大(日本)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
福田龍彌(日本)

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生(日本)
石塚雄馬(日本)

<フライ級/5分3R>
越智晴雄(日本)
関原翔(日本)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
ヒロヤ(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
山本有人(日本)

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【DEEP106】伊藤裕樹戦へ、福田龍彌─01─「持っていないんだから、運に任せてはいけない」

【写真】福田は言葉を持っている。そういう選手です(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106で、元修斗世界フライ級王者の福田龍彌が伊藤裕樹と対戦する。

昨年7月に修斗のベルトを失った福田が、次の戦う舞台として選んだのはDEEPのケージだった。しかも初戦でDEEP王者の神龍誠と対戦、判定負けを喫したものの、現役チャンピオンに肉薄する実力を見せつけた。
そんな神龍戦から4カ月――DEEP2戦目となる伊藤戦を控えた福田が、神龍戦と現在の自分自身について語る。


――伊藤裕樹戦を1週間後に控えてのインタビューとなります(※取材は2月18日に行われた)。

「はい、よろしくお願いします!」

――まず次の試合の前に、前回の神龍誠選手との試合について振り返っていただきたいと思います。神龍戦の内容と結果については、どのように捉えていますか。

「負けちゃったかぁ、という感じです。ただ、自分のやりたいことはできていました」

――試合全体を通して見ると、神龍選手よりも福田選手のほうが、自身のやりたいことをやり通していたように思います。3R、あの右ストレートを受けるまでは……。

「そうですね。あのパンチをもらった以外は、練習どおりに動けていました。僕って、ずっと器用貧乏やったんですよ」

――器用貧乏とは、何でもできる一方で特に秀でたものがなかったということでしょうか。

「何でもやっているなかで、何を武器に戦えばいいのか分からなかったところがあったんです。でも神龍君との試合で、自分の武器が分かったというか。前回の試合は、内容も結果も含めて良い経験になりました」

――試合に向けて練習しているなかで、自分の武器に気づいたのでしょうか。あるいは、試合の中で気づいたものですか。

「試合中に分かった感じです。MMAって難しいじゃないですか、やることが多くて。でもそのなかで、『あぁコレコレ、なるほど』って感じるものがあったんです」

――どのような点に気づいたのか、具体的に教えてもらうのは……。

「それはできないっすね(笑)。でも神龍君との試合で気づいてから今まで、その部分で勝負できるように取り組んできました。おかげで今も日々、格闘技を楽しめているんですよ。もう次の試合が楽しみで仕方ないです」

――神龍戦を通じて分かったことというのは、福田選手が今まで持っていたものだったのですか? それとも新しく身につけたものでしょうか。

「新しいものではないです。今まで経験を積み重ねてきた結果なんじゃないでしょうか。僕も場数を踏んできましたからね」

――福田選手は2011年にプロデビュー、プロキャリアは10年を超えました。

「今までの試合と、神龍戦で気づいた部分が繋がったんですよ。キャリアを振り返った時、あぁこういうところで負けていたな、と思う部分があって。それが明確になりました」

――では3R、ダウンを喫した神龍選手の右ストレートについては、どのように考えていますか。

「パンチをもらった時は一瞬、意識が飛んでしまっていて。あのダウンがあったから負けた、それだけです。でも次に対戦することがあったら、もっと一方的な試合にできる。次の試合で同じパンチを食らうことはないです」

――なぜ、前回の試合ではあのパンチをもらってしまったのでしょうか。

「自分が絶好調な状態では避けられんパンチでした。タイミングもグチャグチャで、しかも見えないパンチで。イヤイヤの状態で出してきたけど、芯がある一発でしたね。今は、ああいう事故パンチをもらわんために、いろいろ考えながら練習しています。あんなパンチが飛んできても対処できるように」

――ジャッジ2人が神龍戦にフルマークをつけていました。

「アハハハ」

――福田選手が相手のテイクダウンをスプロールしながら、ボディブローを効かせ、神龍選手の動きを止める場面もありましたが……。

「分かります。まぁ……DEEPでは安谷屋戦も、そんな感じで負けたところもあったんで(2019年4月、安谷屋智弘に判定負け)。僕は今、戦績にはそんなにこだわっていないんです。いかに自分が、試合で良い動きができるかどうか。結果は気にしていなかった。それなのに、いざ負けると採点について考えている自分が情けないですね」

――……。

「結果については、やっぱり悔しいですよ。悔しいけど、あのパンチをもらったことで、今は純粋に格闘技を楽しめているので。神龍君と対戦させてくれたDEEPにも感謝しています。おかげで現役生活のモチベーションは高いです(笑)」

――なるほど。

「神龍戦については、彼が持っている、としか言いようがないですね。僕は持っていなかった。持っていないんだから、運に任せてはいけない。10回戦ったら、10回勝てるようにしていかないと」

――10回戦って10回勝てるようにする……、相当に困難です。

「KOや一本を取るまでの段取りを飛ばしてはいけないと思います。たとえば建物とか、基礎がしっかりしていないと、地震や災害に耐えられないじゃないですか。格闘技でも、練習や試合で手抜き工事はしないように……。次の伊藤君との試合は、もっと良い質の試合をお見せしますよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月26日(土)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

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【パンクラス】サラブレッド鶴屋怜 PANCRASE327参戦決定!

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4月29日に立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE 327に鶴屋怜(パラエストラ松戸)が初参戦する事が発表されました。対戦相手は後日発表されるとの事。

パラエストラ千葉ネットワーク代表・鶴屋浩の次男というサラブレッド。レスリングをバックボーンにしてDEEPでプロデビューすると無傷の4連勝。立って良し寝て良しの19歳のオールラウンダー。台頭しつつある日本格闘技のZ世代を代表する1人と言っていいでしょう。

このままDEEPで試合を重ねて神龍誠や藤田大和、伊藤裕樹など群雄割拠のDEEPフライ級戦線に割って入るかと思いきや、まさかのパンクラス参戦。元々同じジムだった神龍とのマッチメイクを避けた形か?同門の仙三が返還したパンクラスフライ級のベルトを奪還しに来たのか。理由はどうあれサラブレッドの参戦でパンクラスフライ級が一気に活気付いてきました。
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【DEEP】神龍誠コロナ感染 藤田大和とのフライ級王座統一戦は延期!

2月26日に後楽園ホールで開催されるDEEP 106 IMPACTで行われる予定だった神龍誠(神龍ワールドジム)×藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)のDEEPフライ級王座統一戦。神龍が新型コロナウイルス感染による体調不良で欠場する事が発表されました。これにより王座統一戦は5月のDEEP 107 IMPACTに延期する事も決定しています。

猛威を振るうオミクロン株。感染者数増加のピークアウトの兆しが見えない状況は格闘技界も同じ。ここ最近でもパク・シウ、猿田洋祐、ジョン・リネカー、そしてショートボクシングやRISEでも出場選手が陽性となって試合が中止や延期になっています。第5波までは出場選手が感染して試合が流れたケースはほとんど記憶になく、改めてオミクロン株の感染力の強さを思い知らされました。

これにより、DEEP 106 IMPACTは全6試合(+オープニングファイト1試合)というこじんまりしたラインナップに。全対戦カードも合わせて発表されています。
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それでも小見川道大の引退試合の相手も中村大介が務め、伊藤裕樹×福田龍彌という次期フライ級王座挑戦者決定戦と言っても過言でない試合が並ぶなど見どころ十分。観戦マストでいきましょう。