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Bu et Sports de combat グレゴリー・ホドリゲス パク・ジュンヨン ブログ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。ホドリゲス✖パク・ジュンヨン「自己否定」

【写真】乱打戦になった幾重もの要因を突き詰めていく──と (C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たグレゴリー・ホドリゲス✖パク・ジュンヨンとは?!


──ホドリゲスはLFAからUFCと当企画で追ってきた選手です。LFAのミドル級選手権試合ではジョシュ・フレムドを「UFCへ行く」という高い意識を持って戦い右ストレートでKO。2週間後のUFCデビュー戦ではドゥスコ・トドロビッチからマネージメント力で判定勝ちを収めました。

「ホドリゲスはスタートの段階で、ペースを完全に創っていてパクが完全に吞まれています。その一方でホドリゲスは構えが良くなかったです。試合前のインタビューで『攻め過ぎてパンチを被弾するようなミスはもうしない』と慎重に戦うようなことを口にしていましたが、効かせた後に攻めたことが悪いのか──攻め方が悪かったのではないかと、この試合を見て思いました。

正しい攻めをしていれば、逆転されることはなかったでしょうし、そこも良い・悪いよりも、自分の攻めがどうだっかをしっかりと検証できているかどうか。一番大切な部分だと思います」

──しかも、慎重に行くと言っていた割には途中でパンチを被弾して、危ないシーンもありました。

「ハイ。落ち着いてペースを握って、試合をドミネイトしていく気概にパクは下がっているんです。

ただし、パクはこういうホドリゲスのようなブラジル人選手ともまた打ち合おうと前に出ることできました。ただし、そのケースで結果がどうなってきたかはもう過去の試合を振り返るまでもないです。

欧米人の100パーセントに対し、アジア人が自分の100パーセントでぶつかっても勝てない。だから相手の100パーセントを90パーセント、80パーセント、70パーセントと下げさせる工夫が必要です。自分の100で相手の100には対抗できない。あの勇敢さは素晴らしいですが、勝てないという結果が残ります」

──と同時にプロモーターが望む試合になっています。

「そこはもう私の関与できるところではないので(苦笑)。私の役目は弟子を勝たせることですから、そういう見方はできないです。ただ、そういうプロモーターに歓迎される試合になるのも、韓国人選手は相手の100に対して、自分の100をぶつけることができるからでしょうね。

これが日本人選手の場合は、相手の100が強大だと自身の100が90、80パーセントと自分から落ちて行ってしまうケースが多かったです。日本人同士の殴り合いで勝てた選手が、外国人選手と戦うと打撃戦にならない。自分の拳が強いのではなく、相手の質量が低いところで勝ってきただけなんです。

だから外国人選手と向き合うと、自分の100パーセントを出せない。これは少し話が飛躍しますが、KO負けのトラウマから、攻めることができなくなるケースがMMAでもあるじゃないですか」

──ハイ。イップスですね。

「それを弟子と話していて。どうすりゃ、イップスから逃れることができるか……他のスポーツは分からないけど、殴り合いにはその解決方法があるっていう話をしていたんですよ」

──どのような解決策が存在しているのですか。

「両手に石ころを持つんです」

──へっ?

「両手で石ころを持った時点で、イップスは直ります」

──……。

「もちろん、試合でやると反則です。イップスの選手は練習でも、当てることはできなくなっているかと思います。それに実際に石ころを掴む必要はないです。そのイメージを持つ、それだけで変わるんです」

──そうでないと、試合で石ころを握るわけにはいかないですし。

「つまり石ころを握っている──そういうイメージでいると、質量を下げないで戦えるということなんです」

──ただし韓国人選手の多くは、その必要がなく殴ることができると。

「その通りです。もともとが欧米人の満点が100点だとして、満点で90点しかないパンチを日本人選手は60点まで自分で下げてしまう。でも韓国人選手は90点のまま戦えます」

──ただし相手が100点の場合は、90点では勝てない。

「ハイ。だから面白いモノです。彼らが相手の100を90、80と下げる戦いをして、自分の90の力でいけば結果も残ると私は考えています。相手のパンチを90を落とす工夫があれば。

石ころを一つ握って殴るイメージを創る。そのためには選手も、指導者も今まで通りでないということを踏まえ、考えて稽古をしないといけないです。拳の握りから、パンチの打ち方、ミットの受け方。石を一つ握るだけで、握らないパンチとは違うわけですから。

イップスだと思われている選手が、これまでと同じ練習をしていても直らないように、外国人選手と殴り合うには、考えて練習、そして指導をしていかなければならない。それにはまず自分のやっていることを疑うこと。この自己否定が、あまりないですね。

自己否定しないと、伸びないです。強くなるには自己否定と自己破壊は欠かせない。つまりは、今の状態はどうだろうって考えることなんです。

なんだか安心するための練習が多いように感じます。それで良い人もいます。と同時に、UFCだ、海外だっていうなら練習は自己否定、自己破壊。MMAって他のスポーツと比較にならないぐらい残酷な格闘技をやっていて、気持ちの良い練習や安心するための練習では絶対に欧米人に勝てない。今のままで良いわけじゃない。そういう練習ができない臆病者がオクタゴンで戦えるとは思えないです」

──……。

「そういう部分も踏まえて、このホドリゲスとパクの試合を見なおしてほしいです。2Rにパクがパンチを振るってテイクダウンへ行く。もうケージ際でガードも、何もない打ち合いをしてホドリゲスが組みに行った。ここでダブルレッグをパクは切って、がぶります。

あそこでギロチンなんか仕掛けない方が良かったですよね。ホドリゲスの方が寝技は強いのは1Rで明らかった。あれだけ見事に攻められていたのに、テイクダウンを切ってスタンドに戻らなかったのはパクの失敗です。加えて、なぜかホドリゲスもバックグラブに入ったのに自らフックを解いて試合はスタンドに戻りました。

で、また殴り合いから先に組んだホドリゲスが、見事に払い腰を決めた。ここでもホドリゲスはバックに回りながら、寝技に固執しない。立ち上がって胸を合わせたパクが打ち合いにいきます。

ホドリゲスはパンチは重いです。本当に重い。だけど打ち方も悪く、相手とのやり取りの中でぶん殴り合いが良くない。ぶん殴ることは悪くないが、ぶん殴り方が悪い。結果的にパンチの重さで、倒しましたが危ない試合でした。

ホドリゲスは押すパンチになっていましたね。組み技の選手に多い打ち方ですね。拳銃なんかも打った勢いで、弾は貫通します。当たってから力を入れるのではなく。そういう押す打ち方をイチ・ニ、イチ・ニというリズムで打っているだけで、連打という回転運動にもなっていない。だからパンチを被弾してしまう。パンチの打ち方が悪いのに、パンチを打っている。パンチを打つことは悪くないですが、パンチの打ち方が悪い。

それでも前腕に力があり、パンチが重いです。本来は前腕に力のある人は、力んで威力のあるパンチが打てなくなります。それがホドリゲスは良い具合に疲れていて、力が入らなかった。結果的に力が抜けたリラックスした状態でパンチを当てることができました。打撃の質でいえば、どちらが勝ったか分からない試合でしたが、アレは食らえば重いです。

今後、ホドリゲスにしても、この試合で勝ったことでより上の相手と戦うことになるでしょう。そうなると彼のパンチが当たっても倒れない選手も出てくるでしょう。しっかりと打ち方を見直した方が良いと私は思います。これじゃ相手は倒れない。そういう自己否定が必要です。勝った試合直後だけに。

選手にとって一番大切なのは目の前の試合に勝つことです。そこをクリアしたからこそ、ここで自己否定──自分を見直す向上心があれば、この選手はもっともっと強くなれる、もっと怖い選手になれるはずです」

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MMA UFC   グレゴリー・ホドリゲス パク・ジュンヨン マーヴィン・ヴェットーリ

『UFC Fight Night 196: Costa vs. Vettori』パフォーマンスボーナス



 UFCが『UFC Fight Night 196: Costa vs. Vettori』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・グレゴリー・ホドリゲス vs. パク・ジュンヨン

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・アレックス・カセレス、マーヴィン・ヴェットーリ

 4選手には各5万ドルのボーナス。続きを読む・・・
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MMA UFN196 オンラ・ンサン グレゴリー・ホドリゲス パク・ジュンヨン

【UFN196】見事な柔術を披露のホドリゲス。殴り合いでピンチも右ストレートがアッパーでKO勝ち

<ミドル級/5分3R>
グレゴリー・ホドリゲス(ブラジル)
Def.2R3分13秒by KO
パク・ジュンヨン(韓国)

ゆっくり上半身を揺らすホドリゲスに対し、パクが右ローを蹴る。ジャブを見せあうなか、パクが再びローを蹴るもホドリゲスがチェックする。踏み込んで右ボディを入れたホドリゲスが左フックから右を入れる。パクも右を返し、ホドリゲスはジャブから右を打っていく。と組んだホドリゲスがケージに押し込み、エルボーを狙う。パクはワンツーを放ち、打ち合い上等ファイトへ。ホドリゲスは右ボディを入れ、シングルレッグから軸を払ってテイクダウン。サイドからマウント狙いにパクがシングルへ。

この動きに反応してバックに回ったホドリゲスは、四の字フックに。さらにマウントに移行する仕草を見せながらバックグラブを維持する。亀のパクにパンチを入れ、仰向けになったホドリゲスは四の字ロックのままマウントにこうして左右の連打を落とし初回を終えた。

2R、ホドリゲスが右ボディストレート、パクは右フックを振る。ワンツーを返したホドリゲスは左フックを被弾して足が泳ぐ。アゴを殴られたホドリゲスはケージを背負って足を止めての打ち合いに。危ない流れのなかでクリンチからヒザを入れ、間合いを取り直したホドリゲスがテイクダウン狙いじぇパクがしっかりとがぶってアームインギロチンへ、前転から頭を抜いたホドリゲスはバックに回り両足をフックする。

足のフックを緩かったホドリゲスに対し、スクランブルから立ち上がったパクが左右のパンチで打ち合いに持ち込む。ホドリゲスは組んで見事な払い腰を決める。パクはスクランブルから向き合って打撃戦に持ち込むと、ホドリゲスはガードを忘れたような打ち合いのなかで右を当てる。ワンツーを続けるパクに右を入れたホドリゲスは、足が泳いだ相手に右を2発入れる。ケージまで下がったパクに右アッパーを決めレフェリーが試合を止めた。

「本当にタフな相手で、強いアゴの持ち主だった。いくつかパンチを貰ったけど、ペースを守ることを考え、自分の距離からパンチを入れた」と危ない場面がなかったかのように振り返りコーナーのオンラ・ンサンと抱き合って勝利を喜んだ。


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MMA UFC UFN196 アレックス・カサレス イケ・ビジャヌエバ グレゴリー・ホドリゲス ジェイ・ハーバート ジョン・チャンソン ズヴァイアド・ラジシュビリ タバタ・ヒッチ チェ・スンウ パウロ・コスタ パク・ジュンヨン ボクシング マーヴィン・ヴェットーリ

【UFN196】カサレス戦で4連勝なるか。シン韓国MMAの担い手チェ・スンウ「正しい防御、正しい攻撃」

【写真】水抜きも成功、145.5ポンドで計量を終えたチェ・スンウ (C)Zuffa/UFC

23日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN196:UFN on ESPN+54「Costa vs Vettori」が開催される現在オクタゴン3連勝中、UFC戦績3勝2敗のチェ・スンウがアレックス・カサレスと戦う。

長身、自身のサイズを有効に使った打撃は、精度が高く、相手の攻撃を被弾せずに自身攻撃を当てるという韓国バチバチスタイルとは一線を画している。

それでそれでいて倒すファイトを展開するチェ・スンウの水抜き前に初インタビューを行った。


──土曜日にオクタゴン4連勝を掛けてアレックス・カサレスと戦います。今の気持ちを教えてください。

「これから計量までバスルームに籠るので気は重いです。ただ仕上がりは問題ないですし、水抜きを除けば精神的も全く問題ありません。

アレックス・カサレスは動きの速い選手です。パンチもそうだし、移動もですね。彼のその良さを出させないで戦えるよう準備をしてきました」

──今、試合前のベガスに来てUFC PIで挑戦する選手もいますが、チェ・スンウ選手の場合は?

「自分はソウルで準備して来ました。ソウルにはたくさんのジムがありますし、ボクシング、レスリング、MMAと今回の試合に必要な技術を身につけてきました」

──TOP FCフェザー級王者からUFCにステップアップし最初の2試合で敗れ、そこから3連勝中です。技術なのか、気構えなのか連敗後に何か変化があったのでしょうか。

「全ての瞬間が、モチベーションに関係してきます。連敗後、もし次も負けていればUFCは自分を追い出していたでしょう。絶対に信頼を取り戻す必要がありました。とにかくポジティブにモノゴトを捉えるようにし、素早い行動をとるよう心掛けました」

──その後、3連勝を果たしました。チェ・ドゥホなどは、真っ向勝負で日本人をKOしてきた戦いが、UFCではファンが絶賛する試合にこそなりますが、結果に結びついていません。対してチェ・スンウ選手は韓国MMAの真正面、近距離で殴り合いという試合でなく、レンジを取って無暗に被弾しないファイトをします。

「何か特別ファイト哲学があって戦っているわけではありません。ただ、クリアなディフェンスとクリアなオフェンスを考えて戦っています。肉弾戦を恐れているわけではないです。ただし、正しい防御と正しい攻撃ということを常に考えています」

──だから精度の高い攻撃が可能なのですね。

「この考えがあると、効果的な攻撃ができると思っています」

──チェ・スンウ選手のようなレンジに立つ場合、MMAファイターのなかには手打ちのパンチを繰り返すことも少なくないです。この場合でもチェ・スンウ選手はしっかりと踏み込んで、パンチを打ち抜いていますね。

「う~ん、それは対戦相手によると思います。まず対戦相手によってアゴの位置、ボディの位置関係が違ってきます。そして狙いも変わってきます。だから、踏み込んでパンチを打ち抜くことを意図するするのも、対戦相手によって変わってきます。

何よりもノーリスク、ノーリターンという考えでいます。テイクダウンされるリスクを冒さないと、KOパンチを打ち込むことはできないです」

──アレックス・カサレス戦でも、そのようなファイトを心掛けるということですね。

「彼は基本的に何でもできます。なので、常にプレッシャーを与えて彼の動きをさせないよう戦います。それが作戦ですね」

──韓国のフェザー級といえばジョン・チャンソン、そしてチェ・ドゥホという2人が日本では常にビッグネームです。チェ・スンウという新しいファイターの存在を日本のファンにアピールしてもらえないでしょうか。

「とにかくベストを尽くします(苦笑)。そして、見てくれるファンが楽しめる動きを多く試合で使いたいと思っています。日本のファンの人達も、自分のアクションの多い試合を楽しみにしてください」

■視聴方法(予定)
10月24日(日・日本時間)
午前2時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN196計量結果

<ライトヘビー級/5分5R>
マーヴィン・ヴェットーリ: 204ポンド(92.53キロ)
パウロ・コスタ: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ライト級/5分3R>
グラント・ドーソン: 156ポンド(70.76キロ)
リック・グレン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ホセリン・エドワルツ: 134.5ポンド(61.0キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス: 146ポンド(66.22キロ)
チェ・スンウ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドワイト・グラント: 170ポンド(77.11キロ)
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニック・ネグメレアフヌ: 204.5ポンド(92.76キロ)
イケ・ビジャヌエバ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)
デヴィッド・オナマ: 153.5ポンド(69.62キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
タバタ・ヒッチ: 115ポンド(52.16キロ)
マリア・オリヴェイラ: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロウレアノ・スタルポリ: 184.5ポンド(83.68キロ)
ジェイミー・ピケット: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
カーマ・ワーシー: 155ポンド(70.31キロ)
ジェイ・ハーバート: 155ポンド(70.31キロ)

<フライ級/5分3R>
ジェフ・モリーナ: 125ポンド(56.7キロ)
ダニエル・ラセルダ: 125ポンド(56.7キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヘナタ・リヴィアナ・ソウザ: 115ポンド(52.16キロ)
ランダ・マルコス: 115ポンド(52.16キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス: 135ポンド(61.24キロ)
ズヴァイアド・ラジシュビリ: 135ポンド(61.24キロ)

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【UFN196】パク・ジュンヨンと対戦、グレゴリー・ホドリゲス─02─「メンタルゲームを制すること」

【写真】当然、フェイスオフでもフレンドリーだ (C)Zuffa/UFC

23日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでが開催されるUFN196:UFN on ESPN+54「Costa vs Vettori」で、パク・ジュンヨンと対戦するグレゴリー・ホドリゲス・インタビュー後編。

コンテンダーシリーズの敗退から掴んだUFCとの契約。愛する柔術、柔術家の顔を押し殺してMMAで戦う。KOパワーはあっても、心掛けるのは正確な攻撃と正しい位置取り。インタビューの受け答えだけでも、良い人ぶりが伝わってくるホドリゲス──その根底にあるファイト・フィロソフィーは「メンタルゲーム制する、我慢」だった。

<グレゴリー・ホドリゲス・インタビューPart.01はコチラから>


──デビュー戦はその2014年の9月で、ジャングルファイトでした。

「そうヴァリッジ・イズマイウがプロモーターのね。その試合で負けて、2試合目は勝てたけど3戦目でまた負けた。距離の序盤は本当に厳しい状況だったよ。ベースの柔術を使って戦っていたけど上手く機能しなかった。

2016年かな、ヴィトー・ベウフォートのサポートするために米国に来て、ラシャド・エヴァンスやリョート・マチダらとトレーニングをした。その時、柔術とMMAは別モノだって目が覚めたんだ。柔術ができるからって、MMAを戦えるわけじゃない。

MMAはグラップリング、打撃、レスリング、全てがエクセレントじゃないと戦えない。それから何年も徹底してボクシングの練習をしてきたよ。そして今、ヘンリー・フーフトとダニエル・メンデスの下でムエタイ、キックボクシングの修得に励んでいる。

でも柔術をずっとしてきた僕は、道着を握るために腕の力が強くてKOできる力があった。ジャカレもそうだったよ。ジャカレには何千発と良いパンチを貰って来たからね(笑)」

──道着をグリップすることで、パンチ力が増すモノなのですか。

「そうだよ。柔術をしてきた人間は前腕が強いからね。そうやって打撃を徹底して練習して、今のスタイルを構築してきたんだ」

──グレゴリーはKOパンチを持っています。ただし、その使い道を知っているというか距離とタイミングをしっかりと計って戦っていますね。そしてフィニッシュすることを急がない。

「僕はケージに向かう時、5分✖3Rを戦い切るつもりでいる。15分間、自分の戦いをすること。15分間戦う前に勝てたとすれば、それはボーナスだよ。もちろんフィニッシュしようと思っている。でも、ラッシュすることはない。急ぐ必要はないんだ。試合時間は15分ある。常に正しいポジションを取り、一つ一つ正確な攻撃をする。

相手を倒して、一気呵成にフィニッシュを狙い、その結果攻撃が粗くなってカウンターを被弾して逆転負けしたことがあるんだ。2度とあんな過ちは犯さない。アンデウソン・シウバとX-gymとブラックハウスで練習をしていたんだけど、彼は絶対にカウンターパンチなんて貰わないよね。アンデウソンから試合中の気の持ち方を習ったんだ。

勿論、アンデウソンは次元の違うファイターだよ。でも、つねにリラックスして戦うことは僕もできる。それが僕に戦い方だよ。

いつの日か、僕にタイトル戦を戦う機会が巡ってきたら、また違う戦い方をする。それまでは自分をしっかりとコントロールして戦うよ。いかにこのメンタルゲームを制することができるのか。それが成長の鍵を握っていると思う」

──では、そのメンタルを持って土曜日はどのような試合をしたいと思っていますか。

「サンフォードMMAでトレーニングしてきたこと、その全てを駆使して戦いたい。コーチ、チームの皆が僕を勝たせるために協力してくれた。その成果を試合で見せたいんだ。さっきも言ったようにパク・ジュンヨンはタフな対戦相手だ。彼は僕をテイクダウンしようと、その機会を伺い組みついてくるだろう。でも、パンチを当てる隙を見つけてプレッシャーを掛ける」

──例えテイクダウンをされても、グレゴリーは柔術で戦えますね。

「ゲームプランはテイクダウンを切ることだけど、仮に寝技になっても問題ない。グラウンドは僕の庭だから。寝技に自信があるから、テイクダウンされることは怖くない。だから、自分の打撃が伸びたと思っている。ボトムでも、トップでも寝技になれば僕のモノだ。

本音を言えば、もっと僕の柔術を見せたいという気持ちもあるんだ。どれだけ僕がグラウンドで戦るのかを知ってもらいたいんだよね」

──そこはやはり柔術の横顔が出てしまいそうになるのも、抑えて戦っているわけですね(笑)。グレゴリー、今日はありがとうございました。凄く貴重な話を聞かせてもらいました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「僕には最高の日本人の友がいる。タカシ・サトーから、多くのことを学んでいる。一番は忍耐力だ。彼から我慢すること教えてもらっている。本当に心が強くないと、我慢はできないことをサトーを見て分かったんだ。そしてリョートと彼の父ヨシゾーさんからも日本人の心を教えてもらった。ヨシゾーさんは偉大な人間だよ。

いつの日か日本に行って、もっと日本のことを知りたいと思っている。日本のファンの応援をエネルギーに変えて戦いたい。ありがとう。土曜日の試合を見逃さないでほしい。皆に喜んでもらえる試合をするよ」

──ぜひチーム・メイトのオンラ・ンサンのセコンドで、日本に来てください。

「おお、オンラのことを知っているのかい?」

──はい、ONEで何度も取材をさせてもらっています。

「おお、そうなのかい!! オンラは今回の試合もセコンドに就いてくれるんだ。そうなんだっ!! ちょっと待って、スクショを撮らせてくれ。君の写真を見せて、インタビュー受けたってオンラに伝えるから(笑)」

■視聴方法(予定)
10月24日(日・日本時間)
午前2時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN196計量結果

<ライトヘビー級/5分5R>
マーヴィン・ヴェットーリ: 204ポンド(92.53キロ)
パウロ・コスタ: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ライト級/5分3R>
グラント・ドーソン: 156ポンド(70.76キロ)
リック・グレン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ホセリン・エドワルツ: 134.5ポンド(61.0キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス: 146ポンド(66.22キロ)
チェ・スンウ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドワイト・グラント: 170ポンド(77.11キロ)
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニック・ネグメレアフヌ: 204.5ポンド(92.76キロ)
イケ・ビジャヌエバ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)
デヴィッド・オナマ: 153.5ポンド(69.62キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
タバタ・ヒッチ: 115ポンド(52.16キロ)
マリア・オリヴェイラ: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロウレアノ・スタルポリ: 184.5ポンド(83.68キロ)
ジェイミー・ピケット: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
カーマ・ワーシー: 155ポンド(70.31キロ)
ジェイ・ハーバート: 155ポンド(70.31キロ)

<フライ級/5分3R>
ジェフ・モリーナ: 125ポンド(56.7キロ)
ダニエル・ラセルダ: 125ポンド(56.7キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヘナタ・リヴィアナ・ソウザ: 115ポンド(52.16キロ)
ランダ・マルコス: 115ポンド(52.16キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス: 135ポンド(61.24キロ)
ズヴァイアド・ラジシュビリ: 135ポンド(61.24キロ)

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【UFN196】計量終了 路上で見いだされ、修士号2つのLFA王者。ジョージアの傑物、ラジシュビリに要注目

【写真】別にMMAで強くなくても良いだろう……こんな多才なファイターがいるのか……ラジシュビリ(C)Zuffa/UFC

22日(金・現地時間)、23日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN196:UFN on ESPN+54「Costa vs Vettori」の計量が行われた。

メインのマーヴィン・ヴェットーリ✖パウロ・コスタは当初はミドル級で組まれていたが、コスタが体重が落ちないということでキャッチウェイト、さらにライトヘビー級に変更され実施されることとなった。


そんなコスタの我がままが通った今大会、韓国から3連勝中のチェ・スンウがアレックス・カサレス、パク・ジュンヨンがグレゴリー・ホドリゲスと戦うメイン&プレリミカードは、まず外せない。

この他、2度目のUFCで初勝利を目指すタバタ・ヒッチにも注目だ。

ストロー級のヒッチは6月のマノン・フィオフォ戦をショートノーティスで受け、フライ級でも大きな相手に打撃で圧倒されて完敗──。ストロー級で戦う今回のマリア・オリヴェイラ戦がある意味、本当の意味でのUFCキャリアのスタートとなる。

日本のSEI☆ZAで活躍し、滞在中には小見川道大から講道館黒帯を巻かれたヒッチの持ち味は、なんといっても組みにある。紫帯でノーギワールズを制し、マッケンジー・ダーンの練習相手として力をつけたヒッチにとって今後のキャリアを左右する大一番だ。

そのヒッチはスクランブル発進でUFCと契約したため、LFAではタイトル戦に絡んでいないが、プレリミ第1試合に出場するズヴァイアド・ラジシュビリはLFAバンタム級王者として、オクタゴンに初参戦となる。

ギガ・チカゼ、マラブ・デヴァリシビリと小さな旋風をUFCで巻き起こすジョージア人ファイターのラジシュビリは、19歳の時にストリートファイトの強さを名将コバ・ケシュラシビリに見いだされ、大学に通いならMMAのトレーニングを始めたという変わり種だ。

2011年にプロMMAにデビューし、4年間で10連勝を達成──現地のコンバットリーグ・ワールドチャンピオンシップではフェザー級王座に就き、同団体のライト級のグラップリングチャンピオンにも輝いている。

母国の大学で経営管理学で学士となったラジシュビリは、米国の大学へのスカラシップを得て渡米、修士号を習得している。ジョージア時代からその知識を生かしたビジネスを展開し、ロシアでは会社経営をしていたという才覚もある。

米国でMMAへの想いを抑えれず、LFAで復帰すると2戦目でリッキー・スティールを破りバンタム級王座を獲得した一方で、UFCで戦うチャンスを得た現状でもデータ解析の修士号を習得中でジョージア時代に職歴のある市場調査会社を持つという目標を持っている。

ストリートファイトの強さを見初められ、ジョージアのMMA王者から北米MMAの登竜門であるLFAでもベルト奪取、その上で2つの修士号を得て米国をビジネス拠点にするというプランを持つ──文武両道どころか商才まであるラジシュビリ──傑物と称しても過言でないだろう。

今後、ラジシュビリはMMA一本で人生を賭けているファイターの夢を潰していくことになるのか。要・要・要注目のUFCデビュー戦だ。

■視聴方法(予定)
10月24日(日・日本時間)
午前2時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN196計量結果

<ライトヘビー級/5分5R>
マーヴィン・ヴェットーリ: 204ポンド(92.53キロ)
パウロ・コスタ: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ライト級/5分3R>
グラント・ドーソン: 156ポンド(70.76キロ)
リック・グレン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ホセリン・エドワルツ: 134.5ポンド(61.0キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス: 146ポンド(66.22キロ)
チェ・スンウ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドワイト・グラント: 170ポンド(77.11キロ)
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニック・ネグメレアフヌ: 204.5ポンド(92.76キロ)
イケ・ビジャヌエバ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)
デヴィッド・オナマ: 153.5ポンド(69.62キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
タバタ・ヒッチ: 115ポンド(52.16キロ)
マリア・オリヴェイラ: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロウレアノ・スタルポリ: 184.5ポンド(83.68キロ)
ジェイミー・ピケット: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
カーマ・ワーシー: 155ポンド(70.31キロ)
ジェイ・ハーバート: 155ポンド(70.31キロ)

<フライ級/5分3R>
ジェフ・モリーナ: 125ポンド(56.7キロ)
ダニエル・ラセルダ: 125ポンド(56.7キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヘナタ・リヴィアナ・ソウザ: 115ポンド(52.16キロ)
ランダ・マルコス: 115ポンド(52.16キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス: 135ポンド(61.24キロ)
ズヴァイアド・ラジシュビリ: 135ポンド(61.24キロ)

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Interview UFC UFN ESPN+54 UFN196 グレゴリー・ホドリゲス パク・ジュンヨン ブログ

【UFN196】3連勝中のパク・ジュンヨンと対戦、グレゴリー・ホドリゲス─01─長い旅路の末の第一歩

【写真】諦めない限り夢は叶うというが、諦めかけたところでも叶う。こんな話を訊くと、肩入れしてしまうだろうって…… (C)Zuffa/UFC

23日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN196:UFN on ESPN+54「Costa vs Vettori」が開催される。

同大会には韓国からチェ・スンウ、パク・ジュンヨンというUFCで3連勝中の2人が出場する。そしてパク・ジュンヨンと戦うのが、LFAミドル級王座奪取から2週間でUFCデビューを戦ったグレゴリー・ホドリゲスだ。

この2週間のショートノーティスでUFCとサインしたホドリゲスには、このコールを受けるまで長いストーリーが存在した。サンフォードMMAの好漢がUFCを想い続けた物語とは──。


──グレゴリー、インタビューの機会を頂きありがとうございます。実は昨夜、サンフォードMMAのチームメイトである佐藤天選手と連絡を取っていて。グレゴリーのことを「とてもスマートで右ストレートが強く、いつ使うべきかを心得ている選手」と言っていました。

「オォ、マイ・ブラザー、嬉しいよ。トレーニングパートナーのサトーにそういってもらえるなんてハッピーだ。僕は彼の試合を視るのが大好きで、『いつ、試合があるんだ』っていつも尋ねているんだ。サトーは本当にナイスガイで、気持ちの良いヤツだよ。僕はオンラ・ンサン、サトーという素晴らしいアジアの練習仲間に恵まれているんだ」

──そのアジアからUFCに挑戦している韓国人ファイターのパク・ジュンヨンと土曜日に試合をします。

「凄く楽しみだよ。UFCと契約したファイターは全員が、すでに大きな夢を実現させたといえる。パク・ジュンヨンもその1人だ。彼は凄くタフな相手になることは間違いない。なんせオクタゴンで今、3連勝中だからね。でも僕は自分が何者で、何をしないといけないかは分かっている。このビッグファイトは僕にとって、次の進むための試合さ。レッツゴー!! 準備はできているよ」

──そのUFCと契約を果たした時の話ですが、グレゴリーは昨年5月21日にジョシュア・フレムドを初回KOで下しLFAミドル級王者に。そして6月6日にドゥスコ・トドロビッチを相手にUFCデビュー戦を戦いました。この間、わずか2週間強という日数しかありませんでした。この時の心境はどのようなモノだったのでしょうか。

「そうだね、長い話になってしまうけど……去年の9月にコンテンダーシリーズでジョーダン・ウィリアムスに負けて、全てを見直した。トレーニングだけでなく、試合をするうえでの心の持ち方も含めてね。僕はUFCと契約するためにブラジルを離れ米国にやってきた。

まずはLFAで戦い、そこからUFCを目指そうと思っていた。そうしたらコロナ・パンデミックが起こり、僕のLFAデビュー大会はキャンセルされた。

(C)Zuffa/UFC

でも、そのおかげでかコンテンダーシリーズで戦うチャンスを得たんだ。

対戦相手が直前に代わったり、色々とあったけどチャンスを掴んだ。そして……KO負けした」

──ジョーダン・ウィリアムスとメインで戦い、右ストレートを入れ首相撲に捕えた時に左から連打を受け、打ち返そうとした時に左をカウンターで受け逆転KO負けでした。

「そう……その通りだ。もう、あの時点でMMAは辞めようかと考えた。ジムでも開いて、指導して食っていった方が良いかなって。僕は柔術の黒帯だし……。当時はカリフォルニアにいたけど、数カ月後にフロリダに友人の練習を手伝うためにやってきたんだ。

ヘンリー・フーフトのことは知っていたけど、初めて話して……すぐにLFAのミドル級王座決定トーナメントの話が決まったんだ」

──MMAから退き、ジムをオープンしようと思っていたタイミングで?

「サンフォードMMAでヘンリーと話し、続けようと思った。でも、そのためには金が必要だった(笑)。だからLFAのオファーに応じたんだ。カリフォルニアを引き払って、フロリダで生活する資金が必要だったから。アパートの賃貸料も払わないといけないしね。

あの試合はUFCと契約するとか、そういう気持ちもなかった。そうしたら凄くリラックスできたんだ。楽しもうと思えたんだよね。これは神様が与えてくれたチャンスなんだから、楽しもうって。そして、UFCで契約するために戦うというプレッシャーから解放された。

僕はUFCと契約して、成功するために家族をブラジルにおいてカリフォルニアにやってきた。絶対、契約しないといけないというプレッシャーが常にあった。でも、この時から、そんな焦燥感はなく、『MMAのことが好きで始めたんじゃないか。なら、もっと楽しもう』と思えるようになったんだ。MMAで戦えることは光栄だし、既に人生に与えてもらった大きな贈り物じゃないかってね。好きだからMMAを戦う。

(C)LFA

そういう気持ちでLFAで戦って1試合目で勝ち、トーナメント決勝でもKO勝ちしてベルトを巻くことができた」

──勝利後のインタビューでは「ビッグマッチだけど、凄くリラックスして戦えた。自信をくれたジーザスに感謝している。ハッピー・バースデー、ヘンリー・フーフト。オンラ・ンサン。これは皆のベルトだよ」と話し、LFAのケージでは恒例の『ダナ・ワホイト、ショーン・シェルビー、ミック・メイナード、オファーをくれ』というマイクではなかったです。

「あの勝利でUFCと契約できるという考えなんてなかった。だってコンテンダーシリーズでダナ・ホワイトの目の前でKO負けしたんだから。どうやってUFCと契約なんてできるだっていう気持ちだったから。で試合の翌日、友人がタイトル奪取を祝ってくれていた時、マネージャーから電話あったんだ」

──「UFCからオファーがあった。2週間後に戦えるか?」と。

「2週間なんて必要なかったよ。次の日でも戦ったさ(笑)。LFAでベルトを獲り、UFCからコールがあった。こんなに幸せなことはなかったよ。それからの出来事には、全て感謝している。でも、まだ始まったばかりだよ。僕は凄く成長できている。UFCで戦い続け、一歩一歩上へ進み、自分がやれるっていうことを証明していきたい。

そのためにもベストな相手と戦いたくて、この時点で3連勝中のパク・ジュンヨンと戦えることは凄く嬉しい。彼との試合はタフになる。そして、僕を強くしてくれるファイトになるからね」

──グレゴリーのLFAでの試合を見ていると、柔術の黒帯というよりも優れたキックボクサーのように思っていました。ただレコードを見るとKOだけでなく腕十字などで一本勝ちが4試合ありました。

「MMAを始めたのはリオデジャネイロだけど、マナウスで生まれ育った僕は5歳の時に父と一緒にカポエイラを習い始めた。

ホドリゲスの原点、マナウスのASLE

そして8歳の時に、エンヒッキ・マシャードの下で柔術を習うようになった」

──エンヒッキ・マシャードということは、ASLEですか!?

2005年8月これだけの子供たちがASLEで柔術を学んでいた

「そう、ジャカレ・ソウザと同じアカデミーだよ。僕が柔術を始めた時、彼は紫帯だった」

──おお、実は2005年の夏に訪れた時があります。ひょっとしたら13歳の時のグレゴリー少年と会っていたかもしれないですね。センセイ・マシャードは平気で教え子の頬をビンタで張ったり、軍隊のように規律を重んじていたのを思い出します。

確証は持てないが、右から2番目の少年──グレゴリー・ホドリゲスの面影がかなりあるような……

「アハハハハ。そうやって精神を鍛えるんだ(笑)。センセイ・エンヒッキは子供たちに無償で柔術を指導する素晴らしい人だったよ。

本当に厳しい人だったけど、センセイ・エンヒッキのおかげで今の僕があるんだ。ジャカレだってそうだ。セイセイがいなければ、ファイターとして成功した彼はいない。彼のおかげで、やっていけるようになった柔術家やファイターは数知れないよ。実際は僕はセンセイ・エンヒッキの黒帯だからね。

僕は8度ブラジレイロで優勝し、紫帯では世界王者になったよ。

決して豊かではなかったけど、両親は僕の柔術キャリアを常にサポートしてくれていた。でも、生活をしていくために何かを始めないといけないと思った。2014年だったと思う──ジャカレに連絡を取ると、『サポートするから、リオに来い』と言ってくれた。そしてリオデジャネイロへ行き、ジャカレが所属しているX-GYMでMMAキャリアをスタートさせたんだ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
10月24日(日・日本時間)
午前2時00分~UFC FIGHT PASS

■ UFN196対戦カード

<ミドル級/5分5R>
マーヴィン・ヴェットーリ(イタリア)
ヴェットーリ(イタリア)

<ライト級/5分3R>
グラント・ドーソン(米国)
リック・グレン(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク(豪州)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
ドワイト・グラント(米国)
フランシスコ・トリナルド(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニック・ネグメレアフヌ(ルーマニア)
イケ・ビジャヌエバ(米国)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン(韓国)
グレゴリー・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
メイソン・ジョーンズ(英国)
デヴィッド・オナマ(ウガンダ)

<女子ストロー級/5分3R>
タバタ・ヒッチ(ブラジル)
マリア・オリヴェイラ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ロウレアノ・スタルポリ(アルゼンチン)
ジェイミー・ピケット(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
カーマ・ワーシー(米国)
ジェイ・ハーバート(英国)

<フライ級/5分3R>
ジェフ・モリーナ(米国)
ダニエル・ラセルダ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ヘナタ・リヴィアナ・ソウザ(ブラジル)
ランダ・マルコス(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
ズヴァイアド・ラジシュビリ(ジョージア)

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Bu et Sports de combat MMA UFC グレゴリー・ホドリゲス サンチン ジュリアン・エロサ チェ・スンウ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。チェ・スンウ✖エロサ「前足の足の裏」

【写真】確かに『ぶん殴る』という意志が伝わってくるようなチェ・スンウ(C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たチェ・スンウ✖ジュリアン・エロサとは?!


──今回の試合は私どもから解説をお願いした形ではなく、岩﨑さんからチェ・スンウを取り上げたいという話でした。

「はい。この試合もチェ・スンウとエロサでは、質量に差がありました。ただし、日本人選手にあの試合ができるのかということなんです。日本人と韓国人、フィジカルもそこまで違わないのに、なぜ彼らはアレができてUFCと何人も契約しているのか」

──契約選手の数の差は市場の差もあるかと思います。一昨年12月のプサン大会はプサンの観光局がバックアップしていました。UFCを韓国が受け入れている状況が、契約選手との違いでもあるかと思います。もちろん、UFC好みのストライカーが多いのもあると思いますが……。

「その戦い方において違いの一つが、チェ・スンウの試合から見て取れることができました」

──違いというのは?

「それは足の裏なんです」

──……。足の裏ですか?

「はい。特に前足の足の裏です。日本人選手の多くが前足が、パタパタと動く。なぜ、そんな風に動くのか。それは足を止めないため。足が止まると、パンチを被弾するからという発想ですね。もう、この時点で防御の発想になっています。チェ・スンウはそんなに前足を動かしていないです。それは最初からぶん殴ろうという気持ちでいるからで。足の裏もパタパタと浮くことがないです」

──前提として、エロサという相手がそれを許しているという見方ができるかと思います。

「はい、相手は力不足です。そしてチェ・スンウはフィニッシャーです。前回のグレゴリー・ホドリゲスとの違いですね。だから、これもホドリゲスと同じように相手のレベルが上がり、さらにフィニッシャーの欧米人、ブラジル人を相手にしたときにできるのか──それは分からないです。しかし、エロサにはできています。

エロサは石原夜叉坊に敗れている選手ですが、それでも日本人でUFCという場でああいう風に戦えることができるのか……そこを考える必要があります。体格的にも骨格的にも、筋肉的にもそこまで差のない韓国人選手ができていることを、すぐにできる選手がどれだけいるのか」

──できない要因というのは、どう考えておられますか。

「韓国という国土は、常に大陸からの侵略に備えていたと思います。同じアジアでも中央アジア、あの地域の選手たちは土地を奪いあい、国家を形成してきた。そういう血生臭い歴史……今もロシアとウクライナの間でクリミア半島を取り合っています。取らないと取られる。そういう意識が根付いている。結果、やられる前にやってしまえという風潮が、日本人は彼らより欠けてしまっているのです。

日本では侵略されるかもしれないという背景を持っていたのは、沖縄だけだったかもしれないです。大和から侵略されるかもしれない。中国から侵略されるかもしれない。そこで空手が生まれたのは、偶然とは思えないです。少なくとも日本人と韓国人は、日本人とブラジル人や米国、ロシア人より近いです。だけども韓国人ファイターは臆さない。基本的に攻撃のことを考えている。

防御を第一に考える場合と攻撃のことを考えている場合では、質量は圧倒的に変わります。向かい合っているとエロサは、チェ・スンウのパンチのほうが強いことが分かっている。チェ・スンウも自分のパンチのほうが強いことが分かっている」

──フィニッシュの左フック。エロサも左を打って当たっているにも関わらず、チェ・スンウはガードをせずに打ち込んでKOしています。

「ようは韓国の選手とはDNAが違う。だから韓国人選手と同じことをしても、ダメなんです。チェ・スンウもロシア人にこれができるか。やって勝てるかといえば、また違ってきます。ただし、差があるのは筋力でないんです。それは呼吸です。これは断言できます」

──息を吸う、吐くの呼吸でない……阿吽の呼吸などの呼吸ですね。

サンチンで追及している呼吸ですね。日本のプロ野球とMLBも、この呼吸が違います。バットの振り方も違う。それは呼吸の違いなんです。だから、真似をしないで結果を残す選手が野球には存在しています。彼らのやっていることをやるのではなく、日本人には日本人のやり方があります。日本人のやりかたは、多くの欧米人は分からないはずです。彼らのやることを無視するのではなく、研究をしてどこを取り入れて、どこを取り入れないか。なんでも真似をしていてはいけないと思っています」

──つまりチェ・スンウは左フックでKOしましたが、見るべき点、真似るべき点は左フックではないと。

「左フックに着眼して、それを真似ても真似ることはできていないと思います。彼は前足をパタパタと動かしていないです。つまり、チェ・スンウは打つ重心です。前足を500グラムでも重くする。それだけで変わってくることは、多いです。見違えるほどです。ただし、その500グラムを置くことができない」

──それは?

「怖いからです。被弾したくない。ただし、その500グラムがあれば相手も無暗に出てこられなくなります。だから攻撃は最大の防御という言葉が生まれたんです。パタパタと動く、防御のため防御は却って危険です。間も相手になってしまいます。

空手でもMMAでも、どこを見るのか──左フックでKOしたことではなくて、なぜそうなったのかを見る。そのシーンから、動画を巻き戻してもらえると要因が見てくるはずです。結果でなくてプロセスを把握すると、自ずと理解できることは増えてきます。日本人選手は肉体的に近い韓国人選手ができていることを理解し、生かしていくべきだと思います」

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【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。ホドリゲス✖トドロビッチ「近未来のMMA」

【写真】誰を相手にしても、このマネージメント・ファイトをホドリゲスは展開できるのか(C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たグレゴリー・ホドリゲス✖ドゥスコ・トドロビッチとは?!


──グレゴリー・ホドリゲスは前回、ジョシュア・フレムドに勝利した試合で解説していただいた選手なのですが、フレムド戦の2週間後にUFCに出てドゥスコ・トドロビッチと対戦しました。『LFAでできていたことが、UFCでもできるのか』という疑問が、早くも検証できることになりました。

「そういう面でいえば、今回もホドリゲスは質量が高く、最後まで動きも良かったです。質量の差もありすぎました。ただし、対戦相手のトドロビッチは私が前回の彼の試合で言及した『UFCではどうなるか?』という点において、そのUFCレベルにはない選手でした。はっきり言って、弱かったです」

──確かにその通りかもしれないです。

「なのでマネージャーかフィニッシャーかということが、この試合の語るうえでの焦点になります。極端にいえば選手は、この2つのタイプに分かれると思います。フィニッシャーは一本、KOで勝つ選手。マネージャーは5分✖3Rをマネージメントして、ジャッジの裁定で勝つ選手です。

そしてマネージャーのほうが勝率は高いと思います。私は空手をやっていてフィニッシャーという感覚しかなかったです。フィニッシュできるかどうか、できなければ負けという考えだったので選手としては全然良くなかったと思います。勝率も悪いです。試合において一番必要なことは勝つこと。どれだけ僅差でも、反則だろうと──KOしなくても、一本取らなくても別に勝てば良い。選手というのは、そういう気持ちで戦いに臨んだほうが良いと思います。

マネージャーがどれだけ素晴らしい打撃、寝技、テイクダウンやスクランブルを持っていても、勝つための手段でしかないです。でも、それを使って勝とうとする。良い技を習うと、それで勝てると錯覚します。それはあり得ないことなのです」

──ホドリゲスはマネージメントに徹し、良い技を習ってもその技術で勝とうとしないといことでしょうか。

「これだけ力の差がある相手だし、ホドリゲスはフィニッシュしようと思えばいつでもできたはずです。彼は良いモノを本当に持っています。組みだって、この試合では負けていなかった。でも初回も2Rも終わらせようなんてしていない。壁につめてテイクダウンし、コントロールからパンチだってできたでしょう。でも、しない。ひたすらワンツー、ワンツー・スリー・フォーを打つ。そのパンチも非常に的確です。ダメージも与えていました。当然のように質量もずっと上です。

だから倒しに行かなくても、相手が倒れることもあるでしょう。それでも彼はいかなくて、しっかりとポイントを取る。3Rになると、逆転には一本、KOしかないトドロビッチは前に出ます」

──そうなると、倒すチャンスが増えます。

「でも、ホドリゲスはそうはしない。距離を取って、もう戦わないです。それしかできないから、こう戦っているわけではなくて。とはいえ今回の試合に関しては、実力差のある相手だから、ああいう風に戦えたという見方もできます」

──はい、その通りだと思います。

「では接戦になった時、ホドリゲスはどうなるのか。互角、相手のほうが強くなってきたとき、ホドリゲスのあのマネージメント感覚は本当に大切になってきます。持っている良いパンチが当たらないとき、彼はいったいどうするのか。それでもマネージメントしてくるのではないかと思うんです。

練習で『良いパンチだ』って褒めてもらえると、気持ちも乗るでしょう。でも試合で使えるとは限らない。だからこそ、こんなんもんは通用するわけはないという気持ちで練習しないといけない。そういう点から考えると、ホドリゲスの戦い方はありです。

いかないけどスコアを取っている戦いが、ギリギリの勝負でできるのか。1R、2Rをそうやって取って、3Rはビッグラウンドにならないように落とす。それは今のUFC、北米MMAの裁定基準で全然ありなんです。ホドリゲスは徹底して、そういう試合をしたのであればMMAの近未来を見たような気がします」

──日本ではTV格闘技など、「1Rと2R取っているのだから、3Rはフィニッシュを狙って」という見方が存在していました。自分は全く解せないままだったんです。なぜ勝っているのに、リスクは冒さないといけないのかと。

「それは選手の考え方ですね。それと興行主は違いますから。私も指導者だから、逃げろ──です(笑)。そういう点においても、ホドリゲスには底知れぬ深さがありました。能力という点での可能性でなくて、あのマネージメント力を誰を相手にも発揮できるのではないか……そうカマル・ウスマンにもコレができるんじゃないかと」

──おお、ならばホドリゲスは「武術的な観点で見るMMA」で常に追っていきたいですね。

「ハハハハ。試合はね、面白くないですよ。でも面白いか、面白くないかじゃない。どこを見ているのか。紙一重で勝つ奴が勝負事では、一番偉いんですよ。ホドリゲスがの相手がこれからフィニッシュしてくる選手ならば、よりマネージメントの効果を発揮するのか。見ていきましょう。

それと武術的な観点でいえば、打たないパンチにビビっている相手もいます。その場合は打たなくて良いです。これを内面の技といいます。打つ、蹴るという動作はやられるリスクも上がります。だから内面で攻撃して、外面ではしない。それを武術的には追及できます。ただし、ジャッジは裁定できない。それがMMAと武術の違いですね。内面で効果があっても、それは審判には分からない。MMAを戦う限り、そこも踏まえて戦う必要が出てきます」

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【UFN189】プエレスと対戦、ジョーダン・ラヴィット─02─「プランBが必要になるかは相手次第」

【写真】もう3時間後には、ジョーダンがオクタゴンに足を踏み入れる(C)Zuffa/UFC

5日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスの開催されるUFC APEXでUFN189:UFN on ESPN+47「Rozenstruik vs Sakai」のオープニングバウトで、クラウジオ・プエレスと対戦するジョーダン・ラヴィット・インタビュー後編。

下になることを厭わない。フィニッシュすることを念頭において戦うラヴィットは、打撃を駆使して戦うプランBが必要になるファイトを待ち望んでいた。

<ジョーダン・ラヴィット・インタビューPart.01はコチラから>


──ロクサンとの関係もそれ以来、ずっと続いているということですね。

「僕とロキシーは一緒にキッズに柔術を指導しているしね。もう5年になるよ。僕にとって、ロキシーは最も影響力がある人物なんだ。ロキシーは30代半ばで、常に進歩していてキャリアの最高の状態を更新し続けている。

僕はファイターとして、シャイな方だったけど……ロキシーが凄く自信を与えてくれたんだ。ロキシーの後を僕は追っているつもりだよ」

──素晴らしい言葉です。同時にジョーダンの人柄も伝わってきます。

「おお、ありがとう。ファイトって何百、何千っていう勝ち方があるんだ。でもね、自分が実際に戦うことができる相手は非常に限られている。だから、その機会を無駄にしないよう成長し続けたいんだ。

これまで運よく勝ち続けてくることができたけど、僕のなかでは常にハードファイトを選んできた。ハードファイトを経験して成長したい。1試合での経験値を可能な限り高いモノにしたいと思って戦ってきた。

でもファイターってレコードを気にして、連勝とかに拘ることがあるだろう?」

──ハイ、オーガニゼーションもそこを重視する向きもありますし。

「でもファイターとして、勝って当たり前の試合に出て勝ち星を重ねるって、本当に下らないことだと思うよ。おかしな言い方かもしれないけど、僕はどこかで敗北を望んでいるかもしれない。そんな試合に向かっていき、痛みを乗り越えたいと思っている」

──だからこそ、あのナスティな極めがあるのですね。

「アハハハハ。でもね、心の中では『頼むから、折れないでくれ』って願っているんだよ。何度かポップして、音が聞こえたり、感覚として伝わってきたことがあるんだ!! 頼むから、タップしてくれよって本当に思っていたよ」

──ジョーダンのファイトスタイルは、MMAの王道ではありません。これまで一本勝ちも多いですが、UFCファイターの防御力は過去の対戦相手と変わって来るかと思います。このスタイルを続けることが可能だと考えていますか。

「もちろん。僕自身、ディフェンス能力には自信を持っている。それと……そんな風に見えないかもしれないけど、パワーもあるんだ。何より対戦相手は僕が優れたグラップラーだと思って戦うよね?」

──ハイ。その通りだと思います。

「だから、彼らは僕をテイクダウンしようとしない。それってスタンドで僕の時間が多くあるってことなんだ。それに、僕のテイクダウン狙いをスプロールできる相手に出会ったら、その時は打撃を披露するよ。打撃だってできる。これまで、打撃で戦うというプランBが必要にならなかっただけなんだ。

プランBが必要になれば、僕がどれだけ打撃で戦えるのか見てもらえるだろう。テイクダウンして、サブミッションできない時が訪れるなら、プランBを遂行するよ。そんな日が来ることを願っているよ」

──ではタフファイトになり、スコアリングで勝たないといけなくなると、どうしますか。

「う~ん、僕は試合中もその一瞬、一瞬で勝てるよう戦っている。判定になることは想定していないんだ。テイクダウンして、コントロールが必要な試合もある。でも、判定勝ちを想定することはない。

ケージの中では自分の力を信じて、乗り越えていくしかないんだ。ジャッジの裁定を気にして戦っていると、そんな自分にガッカリする日が来ると思う。

だから試合中は常にフィニッシュするつもりでいるし、結果的に判定にもつれ込んでも、この姿勢があるとジャッジの支持を得ることになる。実際、僕はまだ1Rも落としたことがないんだ。おかしな判定がないってことは、ラッキーだなって思うよ」

──では、クラウジオ・プエレス戦も一瞬、一瞬でフィニッシュを狙う。その繰り返しのファイトを?

「そうだね。僕はグラップリングの専門家じゃない。例え周囲がそう思っていても、ジムで打撃の指導もしている。まだ見せていない、僕のスキルを見てほしい。ボクシング、キックボクシング、ムエタイだって使える。僕はコンプリート・ミックスマーシャルアーチトだ。

それを証明できるぐらい、プエレス戦がハードな試合になることを期待しているよ。最後はテイクダウンしてサブミットするけど、それまでの過程で僕が何でもできることを見せたい」

■視聴方法(予定)
6月6日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

■UFN189計量結果

<ヘビー級/5分5R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 254ポンド(115.21キロ)
アウグスト・サカイ: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ウォルト・ハリス: 264 ポンド(119.74キロ)
マルチン・ティブラ: 251ポンド(113.85キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・デリツ: 186ポンド(84.37キロ)
ロウレアノ・スタルポリ: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ミゲール・バエサ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
ドゥスコ・トドロビッチ: 186ポンド(84.37キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 186ポンド(84.37キロ)

<ミドル級/5分3R>
トム・ブリーズ: 186ポンド(84.37キロ)
アントニオ・アローヨ: 186ポンド(84.37キロ)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ: 146ポンド(66.22キロ)
カムエラ・カーク: 146ポンド(66.22キロ)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ: 126ポンド(57.15キロ)
アリアニ・リプスキ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー: 242ポンド(109.77キロ)
イリル・ラティフィ: 240ポンド(108.86キロ)

<ウェルター級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)
ムスリム・サルコフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
アラン・パトリック: 154.5ポンド(70.08キロ)
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マノン・フィオホ: 125.5ポンド(56.92キロ)
タバタ・ヒッチ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル: 146ポンド(66.22キロ)
ショーン・ウッドソン: 145ポンド(65.77キロ)

<ライト級/5分3R>
クラウジオ・プエレス: 155ポンド(70.31キロ)
ジョーダン・ラヴィット: 156

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