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【TORAO30&TORAO COLORS】メインに出場、國頭武&古賀愛蘭─01─「BURSTにいると強くなれる」(國頭)

【写真】闘裸男と闘裸女。2部制興行にBURSTからヘッドライナーとして出場 (C)SHOJIRO KAMEIKE

20日(日)、広島市南区のブルーライブ広島でTORAO昼夜興行が開催される。昼の部は女子修斗興行「TORAO COLORS」、夜の部はナンバーシリーズ「TORAO30」となり、それぞれ福山BURSTから古賀愛蘭と國頭武がメインイベントに出場する。
Text by Shojiro Kameike

古賀は韓国のパク・ソヨンとの国際戦に挑み、國頭は修斗ランカーで前Gladiator王者の神田T-800周一と対戦する今大会。福山市から広島市まで100キロほど離れているとはいえ、同じ広島県内の修斗興行でBURSTの存在は欠かせなくなっている。そこでベテラン國頭と新鋭の古賀に、選手目線からBURSTの過去・現在・未来を語ってもらった。


――國頭選手が1992年9月生まれで、古賀選手は2001年10月生まれ。國頭選手は2011年のプロデビューですがMMAを始めた頃、古賀選手のように20歳の女性がBURSTに入ってくることは想像できましたか。

國頭 メグさん(藤井惠)が来る前と来た後では、環境が全く違いますね(笑)。以前は本当に殺伐としていて。まさに『虎の穴』のような感じでした。

――佐々木信治代表曰く『修羅の国』だった頃ですね。

國頭 アハハハ。その時代を経験できたことは、今となっては良い経験です(笑)。今は一般会員さんも楽しく練習して、試合に出て——「真剣に楽しく」というジムになっています。

――『虎の穴』あるいは『修羅の国』だった時代を知らない古賀選手が、BURSTに入った時の印象を教えてください。

古賀 BURSTに入る前は、MMAの練習ができても2時間ぐらいでした。それがBURSTではもっと長い時間練習ができるし、何よりジムの人たちが仲良いですよね。今までのジムは仲が悪かったわけじゃないけど、BURSTは特に仲が良いなぁって思います。

國頭 愛ちゃんは見た目のとおり元気な子で、誰からも好かれるタイプですよね。僕とは真反対の感じで、羨ましいです。

古賀 真反対なんですか?

國頭 僕は完全に内向的なタイプなので(苦笑)。愛ちゃんは凄いですよ。大阪から福山に一人で来て、格闘技中心の生活を送っているじゃないですか。どこに行っても溶け込めるタイプなんだろうと思います。

古賀 アハハハ、ありがとうございます。確かに國頭さんは、初めて会った時は『普段はあまり喋らない人なのかなぁ』という印象でした。ただ、無口な感じですけど笑顔の印象が強かったですね。ファイターとしては、試合でも練習どおりの動きをしてフィニッシュしているのが凄いと思います。

國頭 ありがとう。笑顔の印象があって嬉しいです(笑)。昔はあまり印象が良くなかったらしくて……。いろいろと佐々木さんから教わりました。

――印象が良くなるために佐々木代表から何か教わったのですか。

國頭 はい。昔は写真を撮影する時でも、笑顔でいることができなかったんです。人前で笑うのが苦手で。すると写真を撮る時にカメラの向こうで、佐々木さんが笑わせてくれたりとか。そういう感じで、笑顔が身についてきたと思います(笑)。

――今もしっかりと笑顔で話をしてくれていますよ(笑)。BURSTではプロ選手の場合、男女一緒に練習するのでしょうか。

古賀 一緒ですね。

國頭 プロだけでなく、一般会員さんでも選手志向の人は男女一緒に練習したりします。愛ちゃんぐらいになると、男子と一緒にガンガン練習していますし。

古賀 ガンガン相手をしてもらっています。もともと大阪時代から男子選手と一緒に練習していたんですよ。道場で女子選手が私一人だったので。どちらかといえば、BURSTに来てから女子選手と一緒に練習していることのほうが大きいです。

――なるほど。では古賀選手にとって、女子選手と一緒に練習するメリットとは何でしょうか。

古賀 男子選手との練習、女子選手との練習には、どちらも良いところがあります。たとえば女子選手には特有の体の柔らかさがあるじゃないですか。MMAだと際の部分でその柔らかさを生かす場面が出て来るんですよね。男子との練習だけだと体格が違うから、その女子選手特有の動きに対する練習ができていなくて。BURSTに来て、そういう練習ができるようになったのは大きいです。あと男子選手と練習したら、何より力がつきますよね。

國頭 まずは女子選手の動きは参考になります。こちらが体格や体重を武器に抑え込んだりすると、男女どちらにとっても良い練習にはならないですね。女子選手の速い動きに対して、男子が先回りして要所要所の動きを確認する。そういった練習を繰り返すことで、自分の動きに関しても大切なポイントが分かるようになってきました。

――國頭選手は2011年にプロデビューし、2016年までは敗戦も多く苦しいキャリアを過ごしてきたと思います。それが2017年ごろから勝ち星が増え、ここ5試合は負けなしです。練習や試合など、何か大きな変化があったのでしょうか。

國頭 MMAを始めた時から『自分が勝てるようになるのは、もっと先だろうな』と思っていました。もともと運動神経も悪いし、頭も良くなくて。愛ちゃんのように昔から格闘技をやっていて、自分の強みがある選手はカッコいいと思います。

古賀 どうなんですかね(苦笑)。私からするとMMAを始めて、寝技のバックボーンがあるほうが強いと思っちゃうんですけど……。

國頭 自分は地元の鳥取で2年間ほどキックボクシングジムに通ったあと、就職で福山に来たんです。BURSTでMMAを始めて10年――何かにつけ覚えるのも時間が掛かるタイプで。最初から自分に対して期待はしていませんでした。でも、BURSTで続けていけば強くなれると信じていました。

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月20日(日)
TORAO COLORS 午後12時10分~ Twit Casting LIVE
TORAO30 午後5時20分~ Twit Casting LIVE

■TORAO COLORS対戦カード

<48キロ契約/5分2R>
古賀愛蘭(日本)
パク・ソヨン(韓国)

<49キロ契約/5分2R>
川西茉夕(日本)
キム・ユジョン(韓国)

<アトム級/5分2R>
新谷琴美(日本)
原田よき(日本)

<アトム級/5分2R>
平田彩音(日本)
檜山美樹子(日本)

<闘裸男寝試合56キロ契約/5分2R>
新谷朋美(日本)
神田麻梨乃(日本)

<闘裸男寝試合ストロー級/5分2R>
高田暖妃(日本)
幸田來弥(日本)

■TORAO30対戦カード

<バンタム級/5分3R>
神田T800周一(日本)
國頭武(日本)

<フライ級/5分2R>
ニシダ☆ショー(日本)
打威致(日本)

<フライ級/5分2R>
わっしょい内田(日本)
蒔田伸吾(日本)

<2023年度新人王決定T2回戦フライ級/5分2R>
若宮龍斗(日本)
高宮諒(日本)

<ライト級/5分2R>
貞永大輔(日本)
嵯峨ゴーレム健史(日本)

<2023年度新人王決定T1回戦フェザー級/5分2R>
ネイン・デイネッシュ(インド)
健太エスペランサ(日本)

<2023年度新人王決定T1回戦ストロー級/5分2R>
高橋佑太(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)

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Colors Gladiator Gladiator022 MMA MMAPLANET o Torao TORAO30   キム・ユジョン テムーレン・アルギルマー ニシダ☆ショー パク・ソヨン 佐々木信治 修斗 冨樫健一郎 原田よき 古賀愛蘭 國頭武 川西茉夕 海外 神田T800周一 竹本啓哉 貞永大輔

【TORAO30】國頭武と西日本バンタム級最強決定戦、神田T800周一「冨樫健一郎と佐々木信治の代理戦争」

【写真】WIZARD MMAは勝たれるMMAファイターを輩出してくれています!!(C)TAKUMI NAKAMURA

20日(日)、広島市南区のBLUELIVE HIROSHIMAで開催されるTORAO30で、神田T800周一が國頭武とメインイベントで対戦する。
Text by Takumi Nakamura

グラジエイターでのテムーレン・アルギルマーとの2連戦を経て、地元・広島でのTORAOに参戦する神田。今回のインタビューではテムーレン戦を振り返りつつ、グラジエイターでのGP消滅とタイトル戦線、そしてTORAOで戦うことへの特別な想いを語ってくれた。


――試合直前のインタビューありがとうございます。現在の仕上がりはいかがですか。

「こちらこそありがとうございます。ここまで順調に来ることができました」

――まず前回6月のGLADIATOR022におけるバンタム級タイトルマッチ=テムーレン・アルギルマーとの一戦について聞かせてください。スプリット判定でタイトルを失う形となりましたが、今振り返ってどんな試合だったと感じていますか。

「組み力やベースの力は向こうに分があったと思いますが、細かいところで攻めたり、キツイところでも集中を切らさずに戦えたことで成長を感じたところはあります」

――テムーレン選手とは3月大会の時にワンマッチで対戦してスラムからの鉄槌でTKO負けを喫し、ダイレクトリマッチでの対戦でした。3月の初対決ではテムーレン選手に未知数の部分もあったと思いますが、一度肌を合わせたことで攻略ポイントがあったなかでの再戦でしたか。

「攻略できそうなポイントということよりも、逆にここは敵わないなというところが最初の対戦で分かって。先ほど話した投げのところや組みの純粋なテイクダウンのところで勝負するのはキツいだろうと。それで寝たところからのひっくり返しなど、そういう展開を考えていました。また初戦が短い時間で終わって、最初から力を使ってくるだろうと思ったんです。長いラウンドを使えばチャンスがあると思って、そういうゲームプランを立てていました。ある程度は実行できたと思うんですけど、あと一歩届かなったですね」

――テムーレン選手はもう少し雑な選手だと思っていたのですが、再戦を見て組み技・グラウンドの細かい部分の技術を持っている選手だと感じました。

「1Rのの後ろ三角(絞め)のセットも早かったし、柔術が穴かなと思っていたら、そうでもなかったですね。ちゃんと柔術的な技術を持っている選手だと思います」

――ダイレクトリマッチはあまり経験することがないと思いますが、それを経験してプラスになったことはありますか。

「今回2戦連続同じ相手とやって、リベンジできなかったですが、一度戦ったことを踏まえての戦略や分析についてはいい経験になったと思います」

――テムーレン戦はタイトルマッチであると同時にバンタム級GPの一回戦という試合形式でした。神田選手からは試合前に「GPはベルトの価値を下げる」というコメントもありましたが、最終的にGPは消滅という形になりました。この状況を率直にどう思いますか。

「正直、グラジエイターが急速な拡張路線でイベントを大きくしてくれた部分があると思うんです。そのなかでGPが思うような形にはならなかっただけで、僕はそれについては特別残念だと思う気持ちはないですね。そもそも僕はGP準々決勝で負けている身なので、何か言う立場ではないと思っています」

――そしてテムーレン選手と神田選手が「腐れ縁」と表現する竹本啓哉選手がタイトルマッチとして行われます。ここも神田選手としては思うところがある一戦だと思います。

「いやぁ~これは悔しいですよ(苦笑)。そして気になります。もし竹本が柔術でテムーレンを攻略したら、僕と竹本の柔術の技術に差があるのかなと思うし。逆にテムーレンが竹本に勝ったら、日本国内のバンタム級ではかなり上位に食い込んでくると思います」

――これから神田選手がグラジエイターで戦う以上、この2人とはまた戦う機会もあるでしょうね。

「2人とも2回ずつ戦っているし、今までやったことがない選手とやりたい気持ちもある反面、この試合がどうなるのか非常に気になります」

――そして今回はTORAOの30回大会に出場することになりました。やはりこの大会には出たいという思いがあったのですか。

「僕はグラジエイターの元チャンピオンではありますけど、TORAOファミリーだと思っていますし、地元・広島でやる大会なので、地元の格闘技人気の力になりたいとも思うんです。これから修斗でやるならどうこう…という部分は置いておいても、TORAOには出なければいけないと思っていますね」

――ここ数年の戦績を見てもグラジエイターとTORAOで戦っていて、イベントとしてTORAOに対する思い入れはありますか。

「はい。地元で試合することでしか得られないものがあると思うし、僕はTORAOで戦うことにやりがいを感じています。特に広島大会には出たかったし、僕がいなかったら興行的に形にならないでしょと思っている部分もあります」

――SNSを拝見すると大会全体の宣伝やラジオ出演など、積極的に広報活動もされていますよね。

「そういうことも含めて自分の大会だと思って取り組んだ方が楽しいんですよ。もちろん東京の大会に呼んでもらうことも光栄なのですが、宣伝活動も含めてローカル大会を大きくしていくことにやりがいを感じています。だから今回はすごく楽しいです」

――対戦相手の國頭選手にはどんな印象を持っていますか。

「同じ地域で活動しているので、何度か練習をしたこともあるんですけど、ホントに強いですよ。試合も連勝していて、格闘技業界での評価以上の強敵で実力者だと思います。広島でやるなら國頭くんだと思っていたので納得の相手です」

――最近の國頭選手は組む・極めるという自分の強みをはっきり出して戦うスタイルが確立しているように見えます。

「やっぱりバックキープと極めの強さですよね。体力があって気持ちが強くてグラウンドの基本的な技術がしっかりしている選手ですよね」

――細かい技術に違いはあれど、BURSTの先生=佐々木信治選手に似ていますよね。

「はい。BURSTは部活みたいな本当にキツイ練習をするジムで、毎日すごくハードにやっているんだろうなというのが試合からも練習からも伝わってきます」

――話せる範囲でどんなゲームプランをイメージしていますか。

「先ほど言った通り、彼はグラップリングがものすごく強いので、僕が打撃でどれだけできるかなというところですね。彼にグラップリングの攻防で勝てば、それはすごいことだと思うんですけど、それが難しいことは分かっているので。距離をきちんと作ることを徹底して、組みつく展開になったらそこでも勝ちにいきますが、そこ(距離)をベースにした戦いを考えています」

――國頭選手は強みがはっきりしている分、神田選手がどんなアプローチをするかで試合展開が変わってくると思います。

「相手の形を作らせず、自分が主導権をとれるように戦います」

――これもぜひ聞きたかったのですが、今回は試合前の冨樫健一郎さんの口数が多いそうですね。

「多いですね(笑)。やっぱり冨樫さんと佐々木さんは同級生で、佐々木さんは修斗のベルトを巻いたけど、富樫さんは巻いてなくて。色々と意識する関係だと思うんですよ。一緒に練習もして仲はいいけど、ライバルというか。お互いどちらかが辞めるまで辞められねえぞと思っているだろうし。パラエストラの選手会長とBURSTの選手会長の一番弟子同士の対決、代理戦争ですからね。気合いが入ります」

――しかもそれがTORAOの30回という節目の興行、しかも広島大会のメインイベントということにストーリーがありますよね。

「そりゃ冨樫さんも口数が多くなります(笑)」

――首都圏以外でも興行を重ねて、そこでテーマがあるカードを組む。本当に意味のある大会だと思います。

「しっかり意味が出てきましたよね。悪く言うと小さくまとまっているのかもしれないけど、逆にいうと同じ場所でイベントが根付いて、そこで煮詰めてきたものを収穫するわけなので、その大会を任された仕事をきっちり果たしたいと思います」

――神田選手一個人としてはこれからどのような目標を持って戦っていきたいですか。

「グラジエイターでもう一回ベルトを取りに行くこともそうですが、モンゴル人と戦ったのが楽しかったので、キャリアも後半になってきたなかで、✖外国人や海外で試合することをやっておきたいなという気持ちがあります。それがどの団体になるのかは分かりませんが、外国人選手とワクワクする試合をしたいです」

――今後の格闘技人生の目標という意味でもテムーレン選手との2連戦は大きかったのですね。

「はい。勝つことはできなかったですけど、すごくやりがいがあったんです。MMAを通じてモンゴルの文化の一部を見ることが出来た気がして。僕は格闘技を通じて人間のリアルさや世界というものを知りたいので、これからはそういった試合をやっていきたいですね。そのためにもインパクトがあるポジションにいないといけないし、國頭くんに勝てば西日本ではトップだと思うし、国内全体でもそれなりの位置にいけると思うので、この試合は絶対に落とせないです」

■視聴方法(予定)
8月20日(日)
TORAO COLORS 午後12時10分~ Twit Casting LIVE
TORAO30 午後5時20分~ Twit Casting LIVE

■TORAO COLORS対戦カード

<48キロ契約/5分2R>
古賀愛蘭(日本)
パク・ソヨン(韓国)

<49キロ契約/5分2R>
川西茉夕(日本)
キム・ユジョン(韓国)

<アトム級/5分2R>
新谷琴美(日本)
原田よき(日本)

<アトム級/5分2R>
平田彩音(日本)
檜山美樹子(日本)

<闘裸男寝試合56キロ契約/5分2R>
新谷朋美(日本)
神田麻梨乃(日本)

<闘裸男寝試合ストロー級/5分2R>
高田暖妃(日本)
幸田來弥(日本)

■TORAO30対戦カード

<バンタム級/5分3R>
神田T800周一(日本)
國頭武(日本)

<フライ級/5分2R>
ニシダ☆ショー(日本)
打威致(日本)

<フライ級/5分2R>
わっしょい内田(日本)
蒔田伸吾(日本)

<2023年度新人王決定T2回戦フライ級/5分2R>
若宮龍斗(日本)
高宮諒(日本)

<ライト級/5分2R>
貞永大輔(日本)
嵯峨ゴーレム健史(日本)

<2023年度新人王決定T1回戦フェザー級/5分2R>
ネイン・デイネッシュ(インド)
健太エスペランサ(日本)

<2023年度新人王決定T1回戦ストロー級/5分2R>
高橋佑太(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)

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MMA MMAPLANET o Torao TORAO29 中村勇太 修斗 加藤正憲

【TORAO29】MMAラストマッチの中村勇太、初回に右カウンターで加藤を沈めて有終の美を飾る

<ウェルター級/5分2R>
中村勇太(日本)
Def.1R2分13秒 by KO
加藤正憲(日本)

これが修斗――TORAO初参戦であり、引退試合となる中村がサウスポーから左インローを当てる。左ジャブから距離を測る加藤が、跳びヒザ気味に近づくとナカムラが組んだ。右腕を差し上げてケージに押し込む中村は、小外刈りを仕掛けるが加藤も倒れない。ここでレフェリーがブレイクをかけた。

再開後、加藤が左ジャブを突く。続く右ストレートに右フックを合わせた中村。さらに前に出て来た加藤のアゴを中村の右フックが打ち抜いた。前のめりに倒れた加藤に追撃のパウンドを浴びせたところで、レフェリーが割って入った。

50戦以上に及ぶMMAキャリアをKO勝ちで締めくくった中村は「勝つと最高ですね。でも、ここで区切りをつけます。今日デビューされた選手も、たくさんいます。自分の意志でなくても現役を続けられない人もいます。だから毎試合、悔いのないように戦ってください」とメッセージを送った。


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MMA MMAPLANET o Torao TORAO29 泰斗 畠山隆称

【TORAO29】テイクダウンの泰斗、グラウンドコントロールの畠山。白熱のホープ対決は痛み分け

<ストロー級/5分2R>
畠山隆称(日本)
Draw.1-0:19-18.19-19.19-19.
泰斗(日本)

ガードを固めて泰斗が右ロー。サークリングする泰斗に畠山がローを当てる。畠山の右ローに合わせてダブルレッグで組みついた泰斗が、ケージへドライブしてからバックをうかがう。バックコントロールからグラウンドに持ち込んだ泰斗に対して、畠山が起き上がると泰斗がスクランブルからボディロックで畠山をケージへ押し込んだ。

畠山はキムラで泰斗のクラッチを切りにかかるも、泰斗がグラウンドに引きづりこんでバックへ。四の字ロックで固める。抱えられていた右リストを外した畠山、泰斗の四の字ロックを外して反転すると、すぐに泰斗もダブルレッグでケージに押し込む。畠山は右オーバーフックでこかしにかかる。耐えた泰斗はケージに押し込みながらハイクロッチで組もうとするが、クラッチできず畠山が潰して泰斗に背中を着かせ、トップから鉄槌とヒジを浴びせた。

最終回、泰斗が左ジャブを当てる。畠山の右ストレートをかわし、ダブルレッグで組みついたが畠山に潰された。ハーフガードの泰斗を、右手を枕にして抑え込む畠山が左腕を差し入れた。頭をマットにつけて泰斗の左側へパスを狙う畠山だが、パスできないとみるとポジションを整え、腰を上げて右ヒジを落とす。

エビを打った泰斗を抑え込む畠山。泰斗は下から畠山を抱え込むも、体勢を入れ替えることができない。畠山が左パウンドを落とした瞬間に体を起こした泰斗だが、リバーサルすることはできず。畠山は右ヒジで削る。パスしてマウントを奪った畠山は、残り30秒で腕十字へ。その瞬間にリバーサルした泰斗の右腕に対し、畠山は下からオモプラッタから腕を狙って試合終了のホーンを聞いた。

1Rは終了間際以外を支配していた泰斗、2Rは完全に畠山のラウンドだろう。裁定はジャッジ1人が19-18で畠山の勝ちとしたが、残り2人が19-19のドローに。結果、マジョリティドローとなった。


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MMA MMAPLANET o Torao TORAO29 その他 パンクラス 中村勇太 修斗 加藤正憲 林源平 泰斗 清水洸志 結城大樹

【TORAO29】最初で最後の闘裸男参戦、加藤正憲戦へ──中村勇太「柔術。自分の総合、死に様、生き様」

【写真】柔術、総合、死に様、生き様──中村勇太の今を見せてください (C)MMAPLANET

28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、中村勇太が加藤正憲とMMA引退マッチに臨む。積み重ねてきたキャリアは50戦以上。地方在住でこれだけの戦績を残しているのは、オファーに「ノー」という選択がなかったから。

それだけに近年、特にコロナ禍に入ってからのファイトは危ないと感じられるだけの代償も積み重ねられていた。昨年9月パンクラスでの林源平戦を区切りと考えていた中村だが、そのの胸の内には地元・福岡でプロ修斗公式戦を開催し続けてきた山本陽一率いる闘裸男の存在と未参戦という事実が引っ掛かっていた。。

最初で最後の修斗、いや闘裸男出場で中村勇太が残し──そして伝えたいものとは。


──ご無沙汰しています。中村選手にインタビューをさせていただくのは、2019年㋅に道場にお邪魔させていただいて以来となります。

「お久しぶりです」

──コロナ禍のパンクラスでは厳しい戦いが続き、地元の福岡で引退試合を戦うことになりました。引退を考えるようになった背景をまずお伺いできますか。正直、そう決断するのも当然といえるKO負けを何度か目にしてしまっていたのですが。

「引退は結構前から考えてはいました。戦績が芳しくなかったというのもあります。コロナ前の2018年にプロモーションはバラバラですが、1年間で4試合して4連勝でした。全てフィニッシュできて。あの頃は気持ちも前向きで、パンクラスさんでランキングに入ることもできました。

ただ、それから1年間ほど試合が組んでもらえず……組まれた試合もミドル級でした。あの時36歳でランカーになれたので上の選手と戦いたいという気持ちでしたが、そこからコロナで流れに流れた試合も相手はライト級で負けて階級を上げてきた菊入(正行)選手、正直モチベーションが高いということはなかったです。

試合はやりたいからできるということでないのは、皆そうなんですけど……気持ちが上がっている時から、随分と時間を置いてしまって……。コロナになり、試合どころじゃない状況からまた戦えることになった菊入選手との試合は、内容的には打ち合えて格闘技を皆さんに見てもらうことはできかとは思いました。

その次はデビュー3戦目の木下(憂朔)選手でした。今となっては凄く強い選手達ですが……木下選手との試合ぐらいから、ランキングに入っても試合間隔が開き、上の選手とは組まれない状況に気持ちは上がらなかったです。次は当初戦う予定の選手との試合が流れ、パンクラスも必死で相手をみつけてくれたのですが、それがデビュー戦の高橋(攻誠)選手でした。そこで勝ち切れない僕が一番悪いんですけど……」

──正直、パンチの貰い方などは怖くなっていました。

「以前は見えているパンチはある程度もらっても大丈夫でした。それが高橋選手や木下選手と戦った時、ちゃんと見えて歯を食いしばって腹を括ってもらっているのに倒れてしまう。これは『いよいよだ』という風に思っていました。格闘技は勿論好きだし、独身だったら続けていたかもしれない。でも娘が2人いて、小学生になるかっていうと──僕も人生で何が大切なモノなのかが変わってきました」

──人生として絶対的に良いことで。そしてファイターとして幕引きの時かと。

「正直、高橋選手に負けた時にそういう気持ちになっていました。ただオファーを貰うとノーということがない格闘家人生だったので(笑)。それでも林(源平)選手との試合は、自分のエゴでやってみたいと思って。あれが最後、試合後には『これで終わります』と周囲にも言っていました。

ただ一つ、心残りだったのが修斗をずっと九州でやってくれている山本(陽一)さんの闘裸男に出ていないことだったんです。やっぱりパンクラスのランカーですし、そこは出ることを控えていた。でも、ウチのジムの選手も出させてもらっていたし……九州っていう関東圏や関西と比べると集客だったり、難しい環境下でコツコツとやってくれて。感謝の気持ちしか闘裸男にはなかったです。

ウチの選手も修斗公式戦に出ていても、1人だけ新人王戦で関東で試合をしましたが、その他の選手は福岡と沖縄でしか試合をしたことがないので。福岡でやってもらっている。修斗というよりも、闘裸男。そこで戦わなかったことだけが心残りでした」

──そして最初で最後の闘裸男出場が決まったと。

「パンクラスさんのランキングから外れたこともあります。それに柔術で全日本マスターに出ようとずっと練習してきたので、まだ体も動く。ならこのタイミングで『闘裸男で最後に』という気持ちになりました。山本さんが頑張ってくれているから、皆が地元や地元で近いところで試合をさせてもらえている。だから僕らも山本さんの役に立ちたいという気持ちは、常に持ってきたので」

──そういうなかで迎えるMMA最終戦。相手が加藤正憲選手というのも、なんだか伝わってくるものがあります。宮崎県延岡市在住、福岡からも十分に遠いところで選手生活を送っている選手です。

「実は引退試合を組んでもらえる……それだけで何も言うことはないのですが、一つだけ条件をださせてもらったんです」

──ハイ。

「死んでいく人間なので、知名度とか関係なく自分より若い選手と戦わせてください。試合結果に関わらず、あとを託せる選手とやりたいと伝えました。そういうなかで加藤選手の名前が挙がって。

近田道場の近田先生が昨年亡くなられて……近田先生は昔から九州の格闘業界におられる方でした。九州に出入りのある修斗関係の人も『宮崎でアマ修斗、興行をやりたいね』と言われていて。山本さんも『近田道場の加藤君の力になってあげたい』と言っていて。『なら、戦いましょう』と。そこで分かったのですが、加藤選手は僕よりも年上だったんです(笑)」

──アハハハ。中村選手、意外とまだ40歳になられたばかりで。

「加藤選手はデビューが遅く、僕はキャリアが長いので。最初は気付かなかったです。ただ近田選手が亡くなれて、近田道場の加藤選手と清水選手が各々の住んでいる地域で道場を始めた。これからがある人です。年齢は年上ですが、選手活動だけでなく今からがある選手なので、次の世代に繋がる。そういう選手なので」

──最後の試合、加藤選手も含め皆に何を魅せたいですか。

「そこは減量しながら1人で走っている時も、悩んでしまうところで(苦笑)。最後にたくさんの人が応援に駆けつけてくれます。もちろん生徒も。だから生業である柔術を見せるのか。自分の総合、死に様、生き様を見せるのか。ずっと考えてきたのですが……当日、決まることかな。

娘は東京での試合を見に来ているのですが、下の子は勝った姿を見たことがないんです。だから、勝った姿を見せてあげたい。もちろん、生徒のために最後はしっかりと勝つ姿を見せたい。見せたいけど、俺は俺でいたい(笑)」

──そこも中村選手らしいです。

「でも……そうですね、勝ちたいですね」

──押忍。では最後に、最後の試合に臨む意気込みをお願いします。

「この試合で区切りをつける中村です。しっかり試合を見に来てくれる人の記憶に……どう残るのかアレですけど、しっかり記憶に残る試合をします」

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

■TORAO29対戦カード

<フェザー級/5分3R>
結城大樹(日本)
TOMA(日本)

<ウェルター級/5分2R>
中村勇太(日本)
加藤正憲(日本)

<ウェルター級/5分2R>
畠山隆称(日本)
泰斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
大関純(日本)
HAMMER KATU(日本)

<ライト級/5分2R>
深見弦汰(日本)
清水洸志(日本)

<2023年度新人王Tフライ1回戦/5分2R>
南優人(日本)
高宮諒(日本)

<2023年度新人王Tフライ級1回戦/5分2R>
下田洋介(日本)
永留惇平(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級1回戦/5分2R>
アサシン秋雄(日本)
磯城嶋一真(日本)

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【TORAO29】福岡大会で畠山隆称戦、泰斗─02─「打撃もグラップリングもやる気満々です」

【写真】本田良介のスタイルで、打撃を織り交ぜることができれば──それはも北米スタイル(C)MMAPLANET

28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、畠山隆称と対戦する泰斗のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

プロデビューから3連勝。順調にキャリアを重ねていたと思われたが、昨年12月、田上こゆるに敗れた泰斗は敗戦から何を感じたのか。畠山との福岡×ルーキー対決、泰斗は「フルラウンド動き続ける」と断言した。

<泰斗インタビューPart.01はコチラから>


――目標である本田選手がDEEPフライ級GPの決勝まで進んだことは、どのように捉えていますか。

「本当に凄かったし、嬉しかったです。決勝は残念な結果に終わって、良介君も少し落ち込んでいました。でも僕も含めて練習仲間の試合が続々と決まっているので、今は前を向いて一緒に練習していますね。良介君だけでなく、僕たち全員が」

――その本田選手と同じようにフルラウンド動き続けることができるようになったのは、レンジャーズジムに入ってどれくらい時間が掛かりましたか。

「まずレンジャーズジムに入って1年で、修斗でプロデビューすることができました。ジムに入る前から、同じ階級の中ではフィジカルが強かったほうだと思います。あとは技術を覚えることを意識していて。その結果、自分の得意な形が見えてきました。自分の得意なところを見つけることができたというのが一番良かったですね」

――現在のスタイルを考えると、ジムにフルケージが設置されている環境も影響したのではないでしょうか。

「僕がジムに入った頃は、まだケージがなくて。プロデビューする頃にはケージが入ったので、それは大きいです。ケージがあることについては皆さんから言われるし、本当に良い環境で練習させてもらっています」

――レンジャーズジムでは田中半蔵選手も練習しているのですよね。

「はい。階級が違うのでスパーとかで絡むことは少ないんですけど、福岡にある宝満山という山で一緒に走ったりしています。結構高い山(※標高約830メートル)で、傾斜もキツイですけど道がしっかりしているので、良いトレーニング場所なんですよ。

そういったトレーニングのおかげで、プロデビューしてからもフィジカルでは相手より上だと感じていました。体つきは、もともと筋肉質だと思いますけど――あまり筋トレをしなくても筋肉が付きやすいですね」

――今回はZOOMのインタビューですが、画面で見える姿が試合時のゴツい体とは違っていて、別人かと思いました(笑)。

「アハハハ、着痩せするタイプなんですよ」

――なるほど。その結果プロデビューから3連勝を収めましたが、昨年12月に田上こゆる戦で初黒星を喫しました。田上戦の感想を教えてください。

「試合が決まった時は嬉しかったです。田上選手はずっと有名で、僕も試合を見ていた選手でしたから。こんなに早いタイミングで試合できるのか、と思いました。正直、自分のスタイルとハマるんじゃないかと考えていて。打撃についても、田上選手とやり合えたら自分にとっても自信になる。ここで勝ったらランキング入りできる。強敵やけど、やるしかない。そう覚悟を決めて挑みました。

でも試合をしてみると、田上選手もフィジカルが強くて。自分の中ではテイクダウンで背中を着けさせるイメージが出来上がっていたんですが、相手も対策ができていて、しっかり倒すことができませんでした。特に、組んでいる時のヒジがポイントだったと思います。相手がヒジを打ってくることを想定していなかったわけじゃないですけど、田上選手の良いところにハマッてしまったと思います。

ただ、良い経験をさせてもらいました。3Rフルで戦えたこと。最後にバックを奪った時も、体力は切れていなくて。しかも、そこまで力を使うこともなかったです。3Rでもスタミナが切れることなく、力を出せたことは良かったですね」

――まさに本田良介スタイルですね。

「それはもう――良介君がバテたところを見たことがないです(笑)」

――アハハハ。そんな田上戦から5カ月、この期間に新しく取り組んだことはありますか。

「何かコレといった、新しいものはないですね。日々、全面的にレベルアップさせていくことが大事だと思っています。もちろん対戦相手が決まったら対策は立てますけど、今回は普段から練習量をアップさせてきました。今後は良介君の真似をするだけじゃなく、どんどん自分の色も出していく。もっと自分なりの打撃を出したりしていきたいです」

――では次の対戦相手、畠山隆称選手の印象を教えてください。

「まだキャリアが浅い選手同士の潰し合いですよね。すごく楽しみです。畠山選手は何でもできるタイプで、際の部分もしっかりしているし、気が抜けない相手だと思います。僕も全面的に戦いたいですね。体格的には畠山選手のほうが大きいと思いますが、僕も大きな選手と試合するのは慣れています。試合でも常に相手のほうが大きいですし。自分にとっても大きな相手のほうが戦いやすいです」

――テイクダウンで動き続ける泰斗選手と、グラウンドで動き続ける畠山選手の対戦は、とてもタフな試合になると思います。そこで組みの展開以外、打撃面はどう考えますか。

「打撃もグラップリングもやる気満々です。畠山選手が相手なら、絶対にどちらの展開もあると思うので。良介君もそうだし、デメトリウス・ジョンソンのようにフルラウンド動き続けるスタイルが理想なんです。それがMMAだと考えています。そうなるためには、もっともっとキツい練習が待っていますけど(苦笑)」

――確かにそうですね。最後に、今後MMAを続けていくうえでの目標を教えてください。

「ベルトを獲りたいし、ONEなど世界で戦いたいです。そして将来は自分のジムを持ちたいと考えています。もともと格闘技でメシを食うつもりはなかったし、趣味でMMAを始めた人間です。でもレンジャーズジムに入って、気持ちが変わりました。『自分には格闘技しかない』と。外で遊ぶよりも練習や指導しているほうが楽しくて、もうMMAこそが自分の人生だと思っていますよ」

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

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【TORAO29】地元・福岡大会称とルーキー対決、泰斗─01─「一番の目標は本田良介君」

【写真】「良介君」という呼び方に、信頼関係の強さがうかがえる(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、地元・福岡レンジャーズジムの泰斗が沖縄の畠山隆称を迎え撃つ。

Text by Shojiro Kameike

2020年に修斗でプロデビューした泰斗は、テイクダウンスタイルを武器に2022年修斗新人王トーナメントのストロー級を制している。これまでMMAは3勝1敗。昨年12月に田上こゆるに初黒星を喫してからの復帰戦は、畠山隆弥との福岡×沖縄ルーキー対決となった。そんな泰斗にMMAのキャリアを訊いたところ、目標として挙げたのが――これぞテイクダウンスタイル、本田良介の名前だった。


――地元の福岡で開催されるTORAOでプロ5戦目を行う泰斗選手です。まずは格闘技のキャリアについて教えてください。

「格闘技を始めたのは16歳の時です。ふわっとキックボクシングをやりたくなって、半年ぐらい週1~2のペースで練習していました。次にサークルみたいな形で、格闘技好きの人たちが集まってスパーリングするような感じの練習を、23歳ぐらいまでやっていました」

――なぜ16歳の時にキックボクシングを始めたのでしょうか。

「男として強くなりたい、っていう理由ですね。子供の頃にK-1とかを見ていて、格闘技に憧れがありました。ずっと格闘技をやりたいと思っていたけど、なかなか始めるキッカケがなくて……。格闘技をやりたいと言っても、小学校や中学校の頃は遊んでばかりいました(苦笑)。それで16歳の時、最初は空手とキックボクシングをやっているジムに入って、そこから知り合いに誘われて格闘技サークルに参加するようになったんです」

――サークルということは、ジムのように指導者がいるものではなかったのですか。

「ずっと格闘技をやっていた方が教えてくれていましたね。30代や40代ぐらいの人たちに、練習の相手をしてもらっていました。当時は格闘技のジムとかもよく知らないなか、アウトサイダーや地下格闘技が流行っていて。プロの世界にも憧れていましたけど、アウトサイダーや地下格闘技のほうもカッコいいなと思って、最初は地下格闘技に出ていました」

――なるほど。地下格闘技は何戦ほど経験しているのでしょうか。

「10戦ぐらいですね。サークルで練習し始めてから1年ぐらいで、地下格闘技に出るようになりました。最初に出たのは18歳の時です。それから地元の福岡や、久留米で開催されていた大会にも出ていて。最後は4~5年前にアウトサイダーに出たあと、プロを目指してレンジャーズジムに入りました」

――サークル活動のままでは、プロになるのは難しいと感じたのですか。

「サークルで一緒に練習していた人たちは、強い人たちばかりでした。ただ、年齢的に上の人たちが多かったんですよね。するとスパーリングでも抑えめになっていて――自分もプロを目指すかぎりは、しっかりとした指導者が教えてくれて、同年代の強い選手がたくさんいる環境で練習したいと思いました」

――地下格闘技に出場している頃から、プロでやりたいと思い始めていたのでしょうか。

「本音を言うと、そこまで深くは考えていなかったです。地下格闘技の頃は、格闘技で食っていこうと考えることはなく、『格闘技を続けていたら何か見つかるやろう』みたいな感じで。そもそも簡単にプロになれるような世界じゃないと思っていましたし。意識が変わったのはレンジャーズジムに入ってからです。本気でMMAをやっていこう、って」

――レンジャーズジムに入る前と入った後では、何が違ったのですか。

「周りの人たちの覚悟が違いました。ジムでは同じ世代の選手が多かったこともモチベーションになっていて。プロを目指している人たちの練習を見て、『これだけ覚悟が違うのか。ここなら自分も本気でMMAに打ち込める』と思ったんですよ。サークルの時は趣味っていう雰囲気で、練習も多くて週2~3回ぐらい。曜日で決まっている練習日に参加できなかったら、週1程度の練習になってしまいます。でもレンジャーズジムは毎日やっていて、それだけの練習相手もいる。もう一つ、自分は23歳の時に入って……やっぱり23歳ぐらいになると、自分自身の将来について考えないといけない。そこで覚悟を決めました」

――同年代でプロを目指している場合、それまでに他の格闘技を経験してからレンジャーズジムでMMAをやっている選手も多かったのではないですか。柔道やレスリング、空手やキックボクシングなど……。

「はい、そうですね」

――「この中でやっていけるかな?」という不安や、劣等感のようなものはなかったですか。

「それはなかったです。ジムに入る前に、闘争本能みたいなものは身についていたと思うんです。あとは、とにかく技術を身につけたいという気持ちが大きくて。それと自分の場合は、体格が小さいじゃないですか。MMAでは一番軽いストロー級で、大きな選手と練習で張り合うだけでも、自分にとっては『負けていない』という自信になりました。そこで簡単にやられていたら、劣等感もあったでしょうし、自信をなくしていたでしょうけど」

――同時に、レンジャーズジムの練習は厳しくはなかったですか。

「代表の屋宮さん(大宮ハント)は、最初にお会いした時は怖かったです。あの風貌だから、第一印象は怖くて――みんなも同じことを言っています(笑)。でも指導は優しくて。『これをやれ、あれをやれ』って強制する人じゃないんですよ。『自由に、やりたいことをやれ』と。だから僕たちも自由に『これを教えてほしい』と聞いて、屋宮さんも何でも教えてくれる。反対に『これが自分に合わないと思ったら、無理してやらなくていいよ』という感じで」

――そうだったのですね。自由なスタイルでは自主性も求められます。そのなかで泰斗選手は、まず何に取り組もうと思ったのでしょうか。

「一番は、本田良介君みたいになりたいと思いました」

――本田良介選手! その一言で、泰斗選手のテイクダウン中心のスタイルが理解できました。

「良介君はずっとレンジャーズジムの練習に来てくれて、僕たちを引っ張ってくれています。良介君についていけば安心できる、そういう人なんです。上田将竜さんもそうですね。試合スタイル、練習への取り組み方、普段の過ごし方まで全て勉強させてもらっています。良介君が一番の目標です」

<この項、続く>

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【Shooto2023#03】オリベイラ・ネイト戦へ、田中半蔵―01―「もう東京で試合をすることはないのかな」

【写真】4月にはロータス世田谷で練習している姿も確認されている田中半蔵 (C)MMAPLANET

21日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2023#03で、田中半蔵がブラジルのロイベ・デ・オリベイラ・ネイトを迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

昨年5月、約6年ぶりのTORAOで結城大樹を下した田中。その1年後に迎える修斗のケージで、今年1月に加藤ケンジをKOしているネイトと対戦することとなった。完全なストライカータイプのネイトとの試合を控えた田中に、まずは結城戦で見せたニュースタイルについて聞いた。


――昨年5月の結城大樹戦以来、1年ぶりの試合を迎えます。この1年間は、どのように過ごされてきたのですか。

「ずっと練習は続けていて、修斗からのオファーを待っていた状態でした。来週(5月28日)に福岡でTORAOが開催されるので、そこに出るのかなぁと思っていたり。このオファーがなければ、もう東京で試合をすることはないのかなと思っていました」

――えっ、そうなのですか。

「東京で修斗の試合に出たのが、もう10年前ですからね(2013年3月、門脇英基にKO勝ち)。そのあとにONE、TORAO北九州大会を経てパンクラスに出るようになって」

――すると、ここで東京大会のオファーが来ることは驚きでしたか。

「いえ、前回の試合で勝ってランキングに入ったので、また東京の大会に出ることはあるかなとは思っていました。今回はニューピアホール大会ですが、やはり試合中継を見たりしていると、また後楽園ホールで試合をしたいと感じることはありますよ」

――田中選手は現在、修斗世界フェザー級5位にランクされており、今後は後楽園ホール大会の出場、ひいては王座挑戦も可能な位置にいます。特に、3月にSASUKE選手がベルトを防衛してRoad to UFCに出場することとなりました。SASUKE選手の動向次第で流れも大きく変わってくるでしょう。

「今モチベーションとして一番大きいのは、やっぱりベルトですね。これからランキングも上げていって、ベルトに絡んでいきたいです。今回の国際戦も、タイトルマッチに向けたマッチメイクだと思っているので、ここはしっかりと勝ちたいです」

――なるほど。そのネイト戦に向けて、1年前にはなりますが前回の試合についてお聞きします。試合前のインタビューで田中選手は、ニュースタイルを出すと仰っていました。そのニュースタイルは試合で見せることができたのでしょうか。

「自分の中では、うまく出せたと思っています。組みの選手を相手に自分からテイクダウンに行くこともできたし、グラウンドで上になってからも相手を立たせない。自分もスタンドに戻るのではなく、寝技でも勝負できた。自分がやりたいことをやれましたね」

――ご自身が目指すニュースタイルの中で、何割ぐらい出せたと思いますか。

「8割、9割ぐらいはできたと思います」

――なるほど。打撃から組んでケージレスリングへ、ケージ際でバックをうかがう動きなどは完全にニュースタイルだったように思います。

「ケージレスリング自体はパンクラスで戦っている頃――カイル・アグォン戦(※2018年10月に判定負け)あたりから、やってはいました。でもテイクダウンするところまでは持って行くことができていなくて。この5年ぐらいで自分でも大きく変わってきましたね」

――すると試合を終えた後の満足感も、過去の試合とは違うものでしたか。

「はい。前は自分から組みに行くことがなかったですからね(苦笑)。寝技でポジションを取られながら、最後はダウンを奪って勝った――みたいな試合だったりとか。アハハハ」

――もう笑ってしまえる過去ということですね(笑)。

「次は寝技で一本を取れるまでに仕上げていきたいですよね。それとテイクダウンを織り交ぜることによって、相手が組みを警戒してくれれば、また自分の打撃も当たるでしょうし」

――結城戦は試合前に、カルペディエム福岡で田村ヒビキ選手と練習していたとのことでした。その練習は大きかったのでしょうか。

「そうですね。今回も試合に向けてカルペディエムに行かせてもらっていますし、博多のレンジャージムでもプロ選手たちとスパーリングしています。レンジャージムには一部というのではなく、フルケージがあるので良い練習ができます」

――そう考えると、今は日本全国でMMAの練習ができる環境も整ってきていますね。

「本当、そう思います。僕がシューティング横浜にいた頃は――ONEに出る時ですよ。初めてケージで戦うことになって、タクミさんのパラエストラ大阪まで行きましたから」

――ケージで練習するために横浜から大阪まで!

「当時は修斗もリングでしたし、東京にもフルのケージを置いているジムがなくて。ケージで戦うってどんな感覚だろうと思って、パラエストラ大阪さんまで出稽古に行かせてもらいました。それ以降はケージが標準になったパンクラスで試合をしていて、ケージでやることが当たり前になっていますけど。当時はそういう状況でした」

――以前は関東から地元に戻るとなると、練習環境の面で一抹の不安はあったかと思います。田中選手が横浜から地元の福岡県へ戻る際、練習環境はいかがでしたか。

「練習環境というより、まずプロ選手がたくさんいました。いろんなジムへ行けば練習はできると思っていましたね。逆に、いろんなジムに出稽古しすぎている感はありますけど(笑)」

――アハハハ。それはキャリアと、やり方次第ではないですか。まだ基本的な部分を強化しないといけない若手ファイターが、強い選手が揃っているジムのプロ練を回っているばかりでは良くないかもしれません。

「フリーランスだと、そこは不安ですよね。いろんなジムへ行ったとしても、どこか一つのところに定まっていないと、意外と基礎練ができていなかったり。逆に基礎練のみで、出稽古なしで強くなる選手もいますし。僕の場合、普段からパラエストラ北九州で練習させてもらうことでクリアしています」

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ABEMA FORCE17 MMA MMAPLANET o Shooto Torao TORAO29 修斗 畠山隆弥

【FORCE17&TORAO29】四国・中国、九州、そして沖縄の新人王Tエントリーが活発化する一方で……

【写真】FORCE、TORAO、THE SHOOTO OKINAWAの継続開催は素晴らしい。その上で、首都圏勢のプロデビューが減少し続けているのは…… (C)MMAPLANET

中国・四国、九州地方でプロ修斗公式戦を行うTORAO NATIAON STATEから4月23日(日)、高松市の高松シンボルタワー展示場で開催されるFORCE17、5月28日(日)に福岡市のアクロス福岡で開かれるTORAO29の大会カードの発表が続いている。

現時点でFORCEが9試合、TORAOが8試合のカードが明らかとなっており前者は2試合、後者は4試合が新人王トーナメントで全試合が2回戦となっている。


また高松大会には若山達也、Pinky、波平コング、福岡大会には畠山隆弥という4人のパラエストラ沖縄所属シューターが戦う。

その沖縄──THEパラエストラ沖縄が主催する沖縄大会=4月16日(日)に沖縄市のミュージックタウン音市場のTHE SHOOTO OKINAW08 には中国地方から2選手が参戦するなど、この3大会が行われている地域の選手に関西勢が加わり、西日本の公式戦で凌ぎが削られている。

と同時に沖縄大会も新人王戦が3試合、他にもデビュー戦に挑む選手も5人を数える。沖縄、九州、中国、関西地域のジムの選手が、修斗をプロMMAのデビューの場としているのが目立つのは、アマ修斗からの選手育成という競技としての修斗がこれらの地域で充実している表れだ。

他方、今年の新人王Tが実施される7階級、42人の出場選手で首都圏のジムに在籍している選手は7名に過ぎない。MMAは日本中に広まった。誰もが首都圏、東京に出てきてファイター人生を送ることができないことは百も承知だ。

と同時に東京、神奈川、千葉、埼玉という僅か4都県の人口は3600万を超え、47都道府県の1/4を占める。単純計算でも修斗でデビューする選手の在首都圏ジム所属数は相当に少ない。修斗は競技という理念の下、目指すモノは存在するだろう。とはいえサッカーや野球、バスケットボールなど多くのスポーツにはほぼ同じルールで競い合う、大元となる競技は存在しない。修斗は修斗であっても、MMAという見方を競技者自身がしているのも事実だ。

闘裸男、FORCE、THEパラエストラ沖縄、新潟のリング使用の越後風神祭りと地方の充実とは別のベクトルで、5年先、10年先の修斗を考える上で新人王トーナメントベースで首都圏のジム所属選手の層の薄さと見つめ合うことは必要ではないだろうか。

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MMA MMAPLANET o Torao Torao28 宮崎清孝 毛利昭彦

【TORAO28】宮崎清孝ラストマッチは、右フックを効かされた毛利が2Rに肩固めで絞め落として勝利

<67キロ契約/5分2R>
毛利昭彦(日本)
Def.2R2分04秒 by 肩固め
宮崎“師範代”清孝(日本)

距離を詰める宮崎に対し、毛利は左ジャブを突く。毛利がシングルレッグで組みつくも、宮崎が離れる。足を使い左右のストレートを突き刺す毛利。笑みを浮かべて前に出る宮崎が組みつくも、毛利がパンチを入れながら下がる。バッティングがあったか、宮崎の頭部から出血が見られる。

頭を振りながら左フックを伸ばす宮崎。さらに宮崎が右ローを繰り出すと、毛利が顔面へ右ヒザを合わせた。毛利の右前蹴りをキャッチして潰した宮崎だが、毛利が足に絡んでくると立ち上がる。スタンドでは宮崎が右ローを当てる。毛利は左ジャブで削りながら右ストレートへ繋げる。宮崎は右ローを効かせて左ボディを突き刺した。

毛利が距離を詰めると、宮崎が離れた。毛利は右前蹴りで宮崎の前進を止める。左右フックを振りながら前に出る宮崎。毛利は左ローを受けながら距離を保ち続けるが、宮崎の右フックがヒットする。グラついた毛利がシングルレッグへ。それを潰した宮崎が鉄槌を連打して初回を終えた。

最終回、宮崎が右ローを見せる。毛利も蹴りを散らしていく。相手の左ジャブをかわした宮崎の左ローで、毛利の体が流れる。しかし毛利の右がクリーンヒットし、宮崎がダウン。立ち上がる宮崎をすぐに毛利が抑え込み、肩固めに移行して絞め落とした。

勝者の毛利は盟友・宮崎へメッセージを送り、会場に詰め掛けた地元ファンに感謝を述べた。
今回がラストマッチとなった宮崎は満面の笑みを浮かべながらマイクを持ち、涙を浮かべながら「32年間武道をやって、格闘技をやって、仲間に恵まれて楽しかったです。これからも武道、格闘技を通じて世界が平和になるように活動していきます。ありがとうございました!」と挨拶。師の有永浩太郎会長と、プロモーター山本陽一氏から花束を受け取った。


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