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【ZFN01】韓国でキム・サンウクと対戦、佐々木信治「6年前のことがあるからこそ、後悔のないように」

【写真】元UFCファイタでーZFNプロモーターのコリアンゾンビと、今年4月Ring Championship会場にて (C)SHINJI SASAKI

29日(土・現地時間)、韓国はソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で「Z-Fight Night01」が開催される。コリアンゾンビことジョン・チャンソンがプロモートするこの大会で、佐々木信治がキム・サンウクと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

佐々木が韓国で戦うのは、2017年7月のアマチュシン・フーヘンフウ戦以来7年振り。翌2018年5月、北京でバオ・インカンと戦った佐々木は大怪我を追い、長期ブランクを余儀なくされる。そして2021年2月にグラジエイターで復帰した佐々木は「やり残したこと」としてTORAOとRIZINに出場し、最後の一つ——再び韓国で戦う機会を実現させた。佐々木が韓国での戦いにこだわる理由と、キム・サンウク戦について語る。


もう一回、韓国で応援してくれる人たちの前に戻りたい

――ZFNでキム・サンウクと対戦することが発表された時、驚きとともに「そうだったのか……」という想いもありました。佐々木選手の中では再び韓国で戦うということに、ずっとこだわっていたのですか。

「そうですね。Road FCで怪我をしてから……正確に言うと怪我をしたのはRoad FCの北京大会ですけど。ただ、そこで怪我をしたから、ということではなくて。Road FCで自分の格闘技キャリアが変わったというか、ステップアップできた気がするんです。何より韓国の人たちが僕のことを応援してくれていて。

最後が韓国で試合をしたわけではない。北京で大怪我して、韓国に戻ることもなく格闘技のキャリアがそこで一度ステップしてしまいました。もう一回、韓国で応援してくれる人たちの前に戻りたいという気持ちは、ずっと持っていました」

――韓国で応援してくれる人たちというのは、たとえばSNSのDMなども来たりするのですか。

「メッチャ来るんですよ。インスタライブをやったりすると韓国の方が入ってきてくれて、日本語と英語と韓国語が入り混じって大変なことになっています(笑)。その中で『また韓国で試合をしてほしい』と言われることも多くて」

――DEEPからBlack Combatで戦う大原樹理選手も同じような状況であると聞きます。

「あぁ、大原選手も韓国で人気が高いみたいですね」

――ZFN01の会場となる高麗大学校のファジョン体育館は、今年1月のBlack Combatで大原選手が戦った会場です。現地で取材しましたが、大原選手が入場してくると大声援が起こっていました。ちなみに佐々木選手は、ハングルを読むことができるのですか。

「それが全然読めないんですよ……。翻訳アプリを利用して回答したりしていました」

――2021年にグラジエイターで復帰して以降、ずっとRoad FCをはじめ韓国のプロモーションと交渉していたのでしょうか。

「復帰した時点では交渉していなかったです。というより、本格的な交渉は今までずっとしていなくて。まず復帰した時は、自分がどこまでできるか分からなかったですし。でも韓国で試合をしたいという気持ちが消えずに残っていたので、SNSとかでアピールしていました。すると韓国の団体からもお話が来るようになって。

あくまで自分が韓国で試合したいというだけで、できるかどうかは分からなかったです。あくまで韓国のプロモーターが僕を呼んでくれるかどうかで。そんな中で少しだけ『もう韓国で試合はできないかもしれないなぁ……』とは思っていました。RIZINでも負けてしまいましたしね。ただ、その後も練習し続けていたので良かったです」

――試合の話が来たのは、Road FCに限らず?

「はい。Road FCからも話はもらっていましたけど、なかなか話がまとまらなくて。そうしたら今回、ジョン・チャンソンの大会から話をもらい、第1回大会ということで出させてもらおうかと決めました」

――SNSでアピールしていたら韓国にも届く、とは凄いお話です。

「アハハハ、確かに。Road FCは関係者の連絡先を知っていたので、やり取りは続けていたんですよ。Road FCは『佐々木選手の引退試合を組みたい』と言ってくれて。嬉しいけど、まだ引退は――」

――ということは、このキム・サンウク戦も最後ではない、と。

「それは、どうなんですかね……」

――もちろん怪我もあり、体がもつかどうかの問題はあります。本人の気持ちとしては、いかがですか。

「気持ちですか。それは正直……、……、怪我をした時にベッドの上で『自分が格闘技でやり残したこと』を挙げていました。その時に挙げていたことの中で残っているのは、韓国で試合をすることだけです。だから、今回の試合が終わってみないと何とも言えなくて」

――MMAを続けられるものなら続けたい、気持ちはあるのですね。

「ファイターなら、その気持ちは誰もが持っているんじゃないですかね。だから今も長く続けている選手がいて、自分も復帰して……。だけど、どこかで最後を決めないといけないという気持ちもあります。『最後なんて決めなくていいよ』という意見もあるとは思いますよ。だけど自分の場合は他の選手と少し違っていて」

――というと?

「僕は格闘技を始めた時から道場長だったじゃないですか」

――はい。当時でいうところの格闘技サークルから始めて、本格的に練習していくために自身でBURSTを立ち上げました。

「でも現役の間は道場生の練習も見ながら、どうしても自分の練習がメインになってくるじゃないですか。試合前は特にそうなりますよね。でも最近はウチの若い選手たちも頑張って、結果を出してきている。だから自分の練習よりも彼らの練習に比重を置いたほうが良いのかな、っていう気持ちも芽生えてきています」

――ご自身だけでなく、國頭武選手や古賀愛蘭選手も韓国で試合に出場しています。

「そうなんです。もう自分のやりたいことが終わるのであれば、ずっと僕を支えてきてくれた教え子の試合に力を入れてあげたいとも思っています。RING Championshipのトーナメントも8月ぐらいに準決勝を開催したい、という話もありますし」

相手が殴ってくるなら、殴り合ってブッ倒してやる

――今年4月に國頭選手と古賀選手の試合に同行した際も、現地でファンから声をかけられたりしたのですか。

「ありましたね。ジョン・チャンソンも控え室まで会いに来てくれて。一緒に写真を撮って、今回の試合について話をしました。その時はキ・ウォンビンも来てくれて――今回の試合、最初はキ・ウォンビンと対戦する予定だったんですよ」

――えっ!? そうだったのですか。

「Road FCで何度か同じ大会に出ていたこともあって、キ・ウォンビンは昔から知り合いだったんです。4月の会場では『今回は敵になっちゃうね』なんて話をしていて。でもその後にキ・ウォンビンがRoad to UFCのワンマッチに出ることが決まり、今回はキム・サンウク選手と対戦することになりました」

――その前に昨年12月のグラジエイターで田中有選手がグスタボ・ショーマン・ウーリッツァーに勝利し、佐々木選手の持つ同ライト級王座に挑戦するという流れもありました。

「実はその頃にちょうどRoad FCとコンタクトを取っていていたんですよ。櫻井(雄一郎グラジエイター会長)さんには、自分が韓国で試合をしたい理由も説明して――櫻井さんもRoad FCを優先させてくれました。結局Road FCは決まらず、今回のZFNで戦うことになりましたけど、韓国で勝ってもう一度ベルトの防衛戦について話をしたいです」

――話を戻すと、韓国での試合が発表されると現地のファンからも反応はありましたか。

「驚いた、という感じのメッセージが来ましたね。バオ・インカン戦は北京で、韓国で試合をしたのは2017年だからもう7年前で、改めて『そんなに経っていたんだな』と実感がわきました。何より『7年も自分のことを待ってくれていたんだ』と思って」

――愛されていますね。

「本当に嬉しいです。7年間も韓国で試合をしていない自分のインスタライブに参加してくれる人がいて。しかも日本語が分かるわけでもないのに」

――しかし今回も敵地で強豪と対戦する。6年前の大怪我のことは頭をよぎりませんか。

「それはね、ありますよ。今回だけでなく復帰してから毎試合……。敵地で試合となったら『また同じことになるかも』と思ったりもします。この試合が決まって、周りからも『頑張って勝ってきてね』とは言われることは少なくて、ほとんどの人が『無事に帰ってきて』と」

――……。

「もちろん自分も不安はあります。でも僕の中では、その不安よりも『韓国で試合ができる』という嬉しさのほうが若干上回っていて」

――周りから心配されるのは、キム・サンウク戦が決まったあとにSNSで「これで悔いなく死ねる」とか書くからでしょう。6年前のことがあるのに。

「あぁ、それは……(苦笑)。6年前のことがあるからこそ、自分も後悔のないように生きたいと思って。今はただただ、周りの人の優しさが身に染みています」

――なるほど。では対戦するキム・サンウクの印象を教えてください。

「ウェルター級で戦っていた時期も勝っているし、去年はライト級でRoad to UFCに出て、準決勝で優勝したロン・チュウに判定負けで。打撃を食らっても諦めずに向かっていく気持ちの強さが見える。良い選手だと思います。今は30歳で、絶好調でしょう。

韓国ではテレビ番組か何かで、キム・サンウク選手が『今回は打撃で行く』とか言っているらしいんですよ。それは寝技で分が悪いと思っているのか、僕は打撃が弱いと思っているのか……。どちらにしても、自分はありがたいですけどね」

――そこで打ち合う気はない?

「いや、あります」

――打ち合うつもりなのですか。

「アハハハ。試合映像を視るかぎり、自分がグラウンドでやられることはないと思っています。テイクダウンされることはあってもパウンドアウトや、極められることはない。一方で相手も、それほど打撃が巧いという感じでもなくて。それで向こうから打ち合ってきてくれるなら――自分のパンチも当たったら倒れると思っています。KO負けが怖い、という気持ちはないです。相手が殴ってくるなら、殴り合ってブッ倒してやりますよ」

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45 AB Gladiator Gladiator027 MMA MMAPLANET o ONE Progress Road to UFC UFC   アドニス・セビジェーノ エンフオルギル・バートルフー ダギースレン・チャグナードルジ チハヤフル・ズッキーニョス チョ・ソンビン バットオチル・バットサイハン 中川晧貴 松嶋こよみ 櫻井雄一郎 水野翔 河名マスト 海外 石田拓穂

【Gladiator027】フェザー級王座決定戦準々決勝──ズッキーニョス×中川、ダギースレン×セビジェーノ決定!!

【写真】ここにきて国際戦ではなく、意地でも負けられない国内対決が組まれた(C)MMAPLANET

20日(水)、GLADIATORより、7月7日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR027でフェザー級挑戦者決定トーナメント準々決勝=チハヤフル・ズッキーニョス×中川晧貴、ダギースレン・チャグナードルジ×アドニス・セビジェーノが対戦することが発表されている。
Text by Manabu Takashima

現GLADIATORフェザー級チャンピオンの河名マストはご存知のように現在Road to UFCでUFCとの契約を目指し戦っており、初戦を突破した状態にある。

5月5日大会時に同トーナメントを実施され、松嶋こよみが参戦することは明らかになっていた。Road to UFCで河名が優勝すれば同王座は返上され、契約を勝ち取れないとグラジに戻って来るというのが現状だろう。

この間、フェザー級戦線の停滞を避ける目的もあり、次期挑戦者決定トーナメントが実施されるという。つまりは河名マストが晴れてUFCファイターとなれば、このトーナメントで優勝したファイターがGLADIATORフェザー級チャンピオンになる可能性が高いとみるべきだろう。

今大会で組まれたのは上記にあるように2試合、残りは2試合はPROGRESS実行委員会主催で7月12日に開催が決まったGLADIATOR CHALLENGER SERIES内で組まれることも同リリース内で触れられており、準決勝は10月のGLADIATOR028で組まれるとのことだ。


発表されたカードは日本人対決とモンゴル×フィリピンという海外勢同士となっている。ズッキーニョスとダギースレンは昨年の王座決定Tの準決勝で対戦し、ダギースレンが接心を制している。また中川は昨年1月に王座決定戦でチョ・ソンビンに完敗を喫し、再起戦でもモンゴルのバットオチル・バットサイハンに判定負け──3月大会で水野翔に競り勝って再起した際に、ズッキーニョス戦をアピールしていた。

というのも中川が所属するreliableのハンセン怜雄&石田拓穂という先輩2人がズッキーニョスに敗れており、ジムとしてのリベンジを果たしたいという気持ちが強いからだ。

ズッキーニョスはズッキーニョスでダギースレンとの再戦を熱望していたが、ここ中川の対戦要求をクリアすること必要となった。同リリースは櫻井雄一郎グラジ代表の「それぞれの選手がタイトル挑戦権を獲得するまでに、色々な想いをもって挑むトーナメント開幕戦。ぜひともご期待ください」という言葉が添えられているが、海外勢対決となったセビジェーノとチーム・ラカイとしても、ダギースレン戦には想うところがあるはずだ。

セビジェーノはONEと契約していた昨年4月にモンゴルのエンフオルギル・バートルフーに判定負けを喫している。そのエンフオルギルこそ、ダギースレンの兄弟子に当たりジャダンバ・ナラントガラグ率いるシャンダスMMAファイターだ。セビジェーノも本来は5月に試合が流れたズッキーニョスとの対戦を熱望をしていたようだが、気持ちを切り替えラカイの名に懸けてシャンダスに連敗は許されないという心境で来日を果たす。

以下、リリースにあったトーナメント準々決勝出場4選手の意気込だ。

チハヤフル・ズッキーニョス
「私が彼の先輩方2人を討ち取り、後がない状況であえて対戦要求してきたその心意気にしっかり答えたいと思います!
中川君は判定決着が多いですが、今回は判定まで行きません。
それはもちろん私が華麗にフィニッシュするからです!!

そしてベルトに王手をかけ、今度こそ手に入れます。フェザー級トーナメント第二幕、主役は私です!!!」

中川晧貴
「今回の試合はやっとスタートラインに戻れたと思っています! 敗北が続いていて水野選手と戦い、どうにか勝利を掴み取る事ができて3連敗を逃れました。

今回は望んでいたチハヤフル選手と戦えて感謝しています。チハヤフル選手と戦うってなったら、絶対に見ている人からは負けると思われると思います。でも、そんな事はないです。俺も強いんで! 今回、熱い試合をして勝ってやり返したろうと思っています。7月に向けて気合い入れ直して、しっかりと追い込んでいきます! 楽しみにしていてください!!
俺が勝ちます!!! また応援の程よろしくお願いします!!!」

ダギースレン・チャグナードルジ
「フェザー級挑戦者決定トーナメントに参戦することになり、とても嬉しく思います。Gladiator関係者の皆様に感謝しています。戦いたくてウズウズしている時のオファーでしたので練習にも力が入っています。試合の最初から最後まで、自分の持っている力を十分に発揮して、素晴らしい戦いを見せた上で勝つ自信があります。

フィリピンには好戦的な選手が多いので、選手としてリスペクトできます。アドニス選手、お客さんが沸く試合をしましょう!」

アドニス・セビジェーノ
「ハロー、フィリピンからGLADIATORで戦うアドニス・セビジェーノだ。5月5日のファイトはキャンセルになったけど、次の機会が巡って来ることを信じて、ジムでずっとハードに練習を続けてきた。

そしてこの機会を得ることができた。全ての想いを集約させて、この試合に勝つつもりだ。そして対戦相手のダギースレンとともに会場を訪れたファンに楽しんでもらえる戦いをしたいと思う。この素晴らしい機会を与えてくれたGLADIATOR関係者の皆には安心していてほしい。自分はただ試合に出るだけでなく、インパクト残る試合をして勝利を手にするので」

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45 AB Brave CF K-1 LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC UFC ESPN57 UFC ESPN58   アス・アルマバエフ アダム・ヒューギット アレクサンダー・グスタフソン アレックス・ペレス イリル・ラティフィ ウェスティン・ウィルソン カムザット・チマエフ カーリー・ジュディシー ガブリエラ・フェルナンジス キック ギャレット・アームフィールド シャイラン・ヌルダンベク ジェカ・サラギ ジミー・フリック ジュリア・ポラストリ ジョシュア・ヴァン ジョシュ・クィンラン ソ・イェダム タジル・ウランベコフ ネイサン・メネス ブレディ・ヒースタンド ボクシング ヨセフィン・ヌットソン ライカ ルーカス・アルメイダ 平良達郎

【UFC ESPN58】日本のK-1からオクタゴンへ、ヨセフィン・ヌットソン「K-1を生かしたMMA」

【写真】日本格闘技LOVEのヌットソン(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN58「Perez vs Taira」でヨセフィン・ヌットソンが、ジュリア・ポラストリとオクタゴン2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima

K-1、Krushと4度に渡って日本で試合経験があるヌットソンは、所属ジムで練習するMMAファイターを見て「いつの日かMMAを戦ってみたい」という想いを抱いていた。そしてコロナ・パンデミックが起こり、ファイトがなくなった日常にあった彼女はアマチュアMMAを戦う機会に跳びついた。

その2年後、コンテンダーシリーズで勝利も契約を逃した彼女だったが1カ月に世界の最高峰に辿り着いた。打撃に関しては既にトップレベル──そんなヌットソンはMMAにフィットしたファイトIQの持ち主だった。


――UFCでの2試合目を今週末に控えています。今の気持ちを教えていただけますか。

「土曜日のUFC第2戦目に向けて、凄くワクワクしているわ。長い期間、今回の戦いの準備をしてきたので。もう、ずっとジムに缶詰め状態で、ようやく外に出ることができたから(笑)。やっと、自分のやりたいことができる。そんな気分ね」

──押忍。ヨセフィンは日本で4度キックの試合をしています。K-1で3試合、Krushで1試合を戦っています。日本にはどのような印象を持っていますか。

「いつも言っているけど、本当に日本のことが大好きで。K-1のような大きな舞台で戦ってきて、日本に行くのはいつも試合の時だったけど、いつもファンが温かく接してくれたことが忘れようはない思い出ね。どこにでもあることでなく──本当にファンがファイターに優しくて、日本のファンの前で試合をすることが大好きだった。日本では人生で最高の日々を送ることができたわ。

今の私の夢はUFC日本大会が開かれ、今度はUFCファイターとして日本のファンに再会することなの」

──この言葉が嬉しい限りです。ところで2019年12月にK-1でKANA選手と対戦したのを最後にキックボクシングの試合を戦っていません。いつ頃からMMAに転向しようと考えていたのですか。

「K-1で戦っている頃から、所属するジムに練習に行くと横でMMAのトレーニングが行われていて。アレクサンダー・グスタフソン、カムザット・チマエフ、イリル・ラティフィ達がMMAの打撃練習をしていたの。彼らのトレーニングする姿を見ていて、いつかMMAに挑戦したいなって思うようになって。

そんな時にコロナ・パンデミックが始まり、試合機会が全くのゼロになったでしょ? そうしたらBRAVE CFからMMAファイト、アマチュアマッチのオファーがあって。もう何も考えることなく、そのチャンスに跳びついたわ。MMAとかキックとかでなく、ファイトの機会を逃したくなかったから」

2020年にBrave CFでアマチュアMMAを経験し、翌年プロデビュー (C)BRAVE CF

──BRAVE CFはUFC、Titan FC、KSW、LFAや日本のプロモーションと並び、いち早く活動を再開。2020年の8月にはストックホルムで4週連続のイベントを開催しました。ロックダウンが世界中であったなか、MMAを戦う準備はできていたのですか。

「あの時は大変だったわ。ただ、ファイティングチームで屋外に出て。1日に3時間、もしくはそれ以上のトレーニングをしていたの。1度の練習にテクニックからコンディショニングまで詰め込むから、その練習時間が長くて。

でも、それが許されたのもスウェーデン政府が緩和策をしていたからだと思う。それでも全てのジムは閉鎖されていたし、ジムで練習しようものならポリスに止められていたはず。ただ、外で練習することはそれほど問題視はされていなかったわ。正直、K-1でまた戦いたいと思っていたけど、パンデミックはアジアを直撃していたし、その機会が訪れることはなかったの」

──2022年6月にはRoad to UFCのワンマッチに出場しました。あの時はもうMMAを戦おうと決めていたのですか。

「そうね、シンガポールで試合をした時はもうMMAで戦っていくことを決めていた。UFCファイターになるって。だからRoad to UFCでの試合は、その一歩だしチャンスを掴むために全てを出し尽くそうと思って戦ったわ」

RTUのワンマッチでは、韓国のソ・イェダムを判定で下した(C)MMAPLANET

──実はBRAVE CFのアマチュア戦は配信で、Road to UFCシンガポール大会は現場で取材もしていました。ただ私はMMAの記者でキックボクシングのことを全然知らなくて、ヨセフィンが日本のK-1で戦っていることも実は知らなかったです。

「アハハハハ、全然大丈夫よ」

──ただ昨年8月のコンテンダーシリーズの時にK-1プロデューサーから、メディアの仕事に戻ってきた中村拓己氏からヨセフィンに注目してほしいと教えてもらったのです。

「なんて素敵な話なの。その話を今回の試合前に聞けて、本当に嬉しい。ハッピーな気持ちになったわ」

──コンテンダーシリーズから約1カ月後にUFCデビュー。当然のように立ち技では既にアドバンテージを持っていますが、グラウンドでも見事にBJJの技術を駆使していました。

「ありがとう!! グラップリングの練習には相当に時間を使ってきたわ。未知の領域だったから。レスリングもそうね。壁レスも。MMAでやって行こうと決めた時、特に怖いとは思わなかった。でも覚悟は必要だったわ。本当に多くの知らない技術を吸収する必要があるし、練習時間はいくらあっても足らないって感じていたから。

何より、再び自分がビギナーになることを受け入れないといけなかった。それってちょっと、気持ちが落ちるんだけど。キックの実績でMMAを戦っていくことはできない。だから懸命にレスリングとグラップリングに取り組んだの。もちろん、MMAの打撃もね」

──そこです。打撃もK-1とMMAでは距離もリズムも違います

「その通りね。別モノだった。K-1ファイターは前へのプレッシャーの強さが必要で、テクニックにも厚みを持たせないといけない。私は可能な限り、その技の厚みをMMAでも生かしたいと考えていて。MMAでもK-1ほどじゃないけど、近い距離でパンチ、キック、ヒザ、そしてエルボーを使う局面がある。あの小さなMMAグローブで、そこを戦うわけで。でも近い距離は絶対に私の世界だから。

MMAにはいくらでも戦いのバリエーションがある。なら、私だから可能になるK-1を生かしたMMAも存在しているはずで。同時にもっと距離を取った戦い方があって、その位置取りは限りなく存在しているわ」

──それでもヨセフィンの立ち技でのアドバンテージは絶対かと。レスリングにはまだ課題があっても、首相撲をよく使っていますね。

「逆にコーチから首相撲を使い過ぎるなって怒られるの。私自身がクリンチが好きだから、すぐに組んでしまう……それも必要のないところで。打撃をもっと使えるのにとか、色々と考えるわ。それにレスリングが強い相手に、首相撲を使う時間は最小限にしないといけないし。やっぱり、近づきたい相手を自分から迎え入れるのは良くない。打撃で突き放さないと。

結局のところ、どういう選手と向き合っているのか。それでやることが大きく違ってくる。それがMMAだと思う。それでも、ムエタイから使っている首相撲は私の武器になるのは絶対ね」

──ヨセフィンのファイトIQの高さは、絶対的にMMAにフィットしていますね。最高のキックボクサーでも、その考えがないと打撃は無力化してしまいます。

「ありがとう(笑)。凄く嬉しいわ。私はいつだってK-1とムエタイ、私のルーツをオクタゴンで見せたいと思っているから。それは、誰と戦った時も変わらないわ」

──つまりは次戦、ジュリア・ポラストリの戦いでも?

「彼女はグラップリングもデキる、ストライカー。でも打撃を使いたがる傾向にある。ブラジルの選手は本当に寝技が強いけど、彼女はストライカーだわ。打撃戦を好んでいる。その立ち技もあまりフットワークを使わないで、上半身は動いているけど、下半身はフラット。ボクシングね。それは良い面もあるし、悪い面もあるわ」

──前足が目の前にありますね。

「そこが狙いだから、これ以上は聞かないで(笑)」

──ハハハハ。では、どのようなファイトをしたいと考えていますか。

「ファンの皆が喜んでくれるK-1スタイルを見せるには、最適の相手。結果、彼女はテイクダウンを仕掛けてくる。その瞬間、きっと驚くことになるわ。グラウンドだって十分に対応できるけど、できるだけ立って戦う。皆に喜んでもらうファイトを見せたいから」

──では最後に日本のMMAファン、そしてキックボクシングファンに一言お願いします。

「今の私の戦いをフォローしてくれている全てのK-1ファンの皆、心から感謝している。日本でUFCが開催された際には、皆に会場で応援してほしい。また、皆に日本で会いたい。その日が来ることを願っているわ」

■放送予定
6月16日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC Fight Pass
午前7時45分~U-NEXT

■UFC ESPN57対戦カード

<フライ級/5分5R>
アレックス・ペレス(米国)
平良達郎(日本)

<フェザー級/5分3R>
ルーカス・アルメイダ(ブラジル)
ティモシー・クアンバ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マイルス・ジョンズ(米国)
ドゥグラス・アンドレージ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ(カザフスタン)
ホゼ・ジョンソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アダム・ヒューギット(米国)
ジョシュ・クィンラン(米国)

<フライ級/5分3R>
タジル・ウランベコフ(ロシア)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
ジミー・フリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
ギャレット・アームフィールド(米国)
ブレディ・ヒースタンド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
カーリー・ジュディシー(米国)
ガブリエラ・フェルナンジス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジェカ・サラギ(インドネシア)
ウェスティン・ウィルソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャイラン・ヌルダンベク(中国)
メルキザエル・コスタ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジュリア・ポラストリ(ブラジル)
ヨセフィン・ヌットソン(スウェーデン)

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【Gladiator027】竹竹決戦of MMA。竹本啓哉に竹中大地が挑戦。漢気=和田教良は、オトゴンバートルと

【写真】これは──燃えているのは、竹本だろう(C)MMAPLANET

11日(火)、GLADIATORより7月7日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で、竹中大地が竹本啓哉の持つGladiatorバンタム級王座に挑戦する選手権試合とオトゴンバートル・ボルドバートル×和田教良のフライ級戦が組まれることを発表した。

竹中大地は2018年に修斗からONEに戦いの舞台を移し、アジアを舞台に戦ってきたが、昨年よりRIZINを目指し日本で戦うようになっていた。7月に修斗で藤井伸樹に勝利し、12月にグラジに初参戦し前バンタム級王者テムーレン・アルギルマーと対戦すると、左ミドルを効かせてから組みついて──1R4分27秒にRNCで一本勝ちしている。


試合後にケージのなかで宣言していたようにRIZINとの交渉を続けていたが、3月のLandmark=神戸大会で正式発表こそなかったが、ジャパン・メジャーでの試合が決まっていたものの対戦相手の負傷で幻のRIZIN参戦となっていた。その後、RIZINが東京でビッグショーが続き、試合機会は巡ってこないという判断をした竹中陣営はグラジ再出場を決め、バンタム級王座に挑むこととなった。

チャンピオン竹本は昨年9月にテムーレンとの接戦を制し、自らの減量失敗で手放したベルトを2年振りに奪回。今年の2月にはGladiator Challenger Series01で竹内稔との竹竹対決でProgressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦を戦うもアナコンダチョークで一本負けを喫していた。

前回の5月大会でタイのデッチプールを横三角絞めで仕留めた竹本は、「RIZINや海外大会へのステップアップ」を宣言していた。この言葉こそ、竹本が強い選手との対戦を求めている表れとリリースに記されていたが、関係者に確認を取るとまさに二つ返事で、MMAのベルトを賭けた竹竹決戦を了承したという。

10年以上前のデビューから間もないころにパンクラス出場があったが、その後はGrandslam~HEAT~TTF Challenge~GLADIATOR~NEXUS~GRACHANで戦ってきた竹本にとって、修斗・パンクラス・DEEPでベルトを巻いた選手との対戦こそ、自らの存在を証明するために求めてきた一戦に違いない。また竹中としても、ポスト超RIZINというべき秋からのRIZIN参戦に向け、ベルトを巻く以上に勝ち方でインパクトを残す必要性がある──勝負論と強者論が掛ったタイトル戦となる。

また5月大会から今大会に延期されていたGLADIATORフライ級王座決定トーナメント決勝=フライ級王座決定戦はNavEのヒザの負傷の経過が予定通りでなく、さらに延期されることが決まった。

グラジではオトコンバートルが2大会連続で試合機会を失うことを阻止すべき、ノンタイル戦での対戦相手を探し各方面に打診をしていたところ、和田が参戦を決めたという。和田はオトコンバートルやNavEと共に同トーナメントにエントリーしていたが、2月にチェ・ドンフンに三日月蹴りからパウンドアウトされ初戦敗退していた。その後チェ・ドンフンはRoad to UFCと契約し、1回戦で前回大会の準優勝であるチーニョーシーユエに勝利。オトゴンバートルは3月の準々決勝で久保健太を破った一戦で、そのチェ・ドンフンと共に同トーナメントで本命視されるようになっていた。

和田はチェ・ドンフンに続き、アジアを代表する若き実力者との対戦に向け、一度は「気持ちを創れない」と対戦を断ったという話も実は伝わっている。しかし、翌日には「断ったことを後悔しています。オトコンバートル選手の相手が確定していないようでしたら、対戦させて頂きたいです」と申し入れしたという。

和田の気持ちが揺らぐのは十分に理解できる。そんな自分を恥じるかのような決意こそ、下馬評を覆す要因になるだけでなく、その結果に如何なく彼の人生を構築していく決断となるだろう。そんな「負ける覚悟を持って勝ちに行く」和田の覚悟の言葉を含め、上記2試合に出場する選手がプレスリリースの寄せた言葉は、以下の通りだ。

竹本啓哉
「いつも応援・協力してくださる皆様、試合を組んでくださるGLADIATOR関係者の皆様、そして、竹中選手ありがとうございます。誇張抜きで今までで最高の対戦相手です。自分史上最高の状態で臨めるよう備えていきます」

竹中大地
「今凄く格闘技が楽しくてしょうがないです。心も体も調子が良いので、試合当日は最高のパフォーマンスができると思います。7月7日楽しみにしていてください」

オトゴンバートル・ボルドバートル
「3月大会が終わった直後から次の試合に向けて練習を重ねてきていますが、決勝戦が10月大会まで延期されたことは残念に思っています。しかし、GLADIATORが7月大会でワンマッチを組んでくれたのでとても感謝しています。また和田選手も試合を受けてくれてありがとうございます。7月7日は良い試合になるよう頑張ります」

和田教良
「かなり強い相手。下馬評を覆せるよう負ける覚悟を持って勝ちに行きます!! 応援よろしくお願いします!」

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【Level-G】6/16大会、平田×ダニーロ・ハマザキ、吉永×コーヘンが中止。大嶋聡承が濱岸正幸と再起戦

【写真】J-Grappling界のワンダーボーイ、もう負けられない(C)MMAPLANET

6月16日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるKROSS X OVRER-CAGE03─で実施されるLevel-Gの対戦カードの変更及び追加カードが発表されている。
Text by Manabu Takashima

4月の半ばに今成正和×須藤拓真の一戦と同様に明らかとされていたダニーロ・ハマザキ×平田直樹及び吉永力×マルセロ・コーヘンが中止に。5月25日に行われる予定だったパンクラスで挑戦者決定戦=Ryo戦が6月30日に延期された平田直樹だが、Level-Gでの試合が中止になったのはダニーロの負傷欠場が要因となっている。また吉永×コーヘンが流れたのは、一身上の都合でコーヘンが来日不可能となったためということだ。


残念な試合中止と入れ替わるように新たなに組まれたのは92キロ以下で大嶋聡承×濱岸正幸戦、52キロ以下で富松恵美×坂本和子戦、そして56キロ契約の柳仙香×井上智子など女子2試合、キッズ1試合を含む全5試合だ。

日本組み技界のワンダーボーイ、オーシマイキーこと大嶋は11日のADCCアジア&オセアニア予選では2試合目で敗退。2月のGLADIATOR CHALLENGE SERIES01ではグラント・ボクダノフに一本負けを喫しており、しっかりとした勝利が欲しい濱岸戦となる。

柳仙香はALLIANCE 所属で2021年と2022年に1試合ずつプロ修斗でMMAを経験しており、2022年7月には現ストロー級QOPのソルトを腕十字で破っている。MMAデビュー以前にはQuintetにも出場経験がある選手だ。

小崎連のRoad to UFC出場、そして将来性を感じさせるパフォーマンスを魅せたことで注目度が上がったといっても過言でないROSS X OVRER内でのグラップリング=Level-G、MMAとグラップリングの協調が、どのような相乗効果を両者にもたらすのか楽しみだ。

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45 AB DEEP DEEP JEWELS DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2024#03 DEEP119 MMA MMAPLANET o ROAD FC Road to UFC UFC YouTube   キム・スーチョル 元谷友貴 原口央 平松翔 海外 石司晃一 福田龍彌

【DEEP Tokyo Impact2024#03】スーチョル戦を経てーー原口央、石司晃一戦は「サクッと勝ちます」

【写真】愛犬のはらみちゃんと(C)MMAPLANET

26日(日)に東京都港区のニューピアホールで行われるDEEP Tokyo Impact2024#03で原口央が石司晃一と戦う。
Text by Manabu Takashima

石司は当初、平松翔と同大会で対戦することが決まっていたが、3日のDEEP119でバンタム級王座を掛けて元谷友貴と戦う予定だった福田龍彌の欠場により、平松が元谷と戦うことに。

席が空いた石司の相手に、原口が収まった形だ。昨年5月にDEEPでバンタム級転向初戦を戦い、Road FCのグローバルTをステッピングボードとした原口は、韓国での戦い──キム・スーチョル戦を経て、如何に力を伸ばしたのか。

そして石司を実力者と認めながら、「サクッと勝つ」と言い放った自信の要因とは。


──今週末、石司選手と戦う央選手ですが、福田龍彌選手の負傷欠場からドミノ倒しのように対戦カードの変更が起こりました。いつ頃、この試合のオファーがあったのでしょうか。

「福田選手がケガをして、元谷(友貴)選手とできるかも──という話を宮田(和幸)先生から聞いて……最初に」

──おおっ!! 5月3日のメインの代役として声が掛ったのですね。

「ハイ。もちろん、何人かの1人だったと思うのですが、元谷選手と戦えるなんて本来はありえないことで、本当に戦いたかったです。ただ試合の10日前で、契約体重が64キロにしても落とすことは無理でした。僕の場合、バンタム級で戦うのに2カ月の時間を要します。なので、1カ月あっても63キロまでが限界で。

それに元谷選手と試合ができるなら、自分のベストで挑みたいという気持ちがあったというのもあります。

そういう話をしていたら、次の日……いや数時間後に石司選手という話があったのですが、ここも『63キロなら』という風に返答をさせてもらいました。きっと平松(翔)選手が元谷選手と戦うことになって、すぐに僕が彼に代わってということになったんだと思います」

──今年もRoad FCのトーナメントに出場するということを念頭に置いていましたが……。

「声が掛れば出ます。ただ、その後の連絡がないままで。なら僕は大会も団体も問わないので、頂いたオファーのなかで戦いたい相手と戦うまでです。逆をいえばトーナメントが決まっていれば、今回の試合は受けられなかったかもしれないです」

──ところで3月のグラチャン×Braveファイトを欠場した負傷の方は?

「3月の負傷に関しては1カ月安静だったので、4月になってから徐々に体を動かして、半ばからスパーリングにも戻りました」

──では負傷明けのタイミングで、石司選手と戦うというのは?

「石司選手はメチャクチャ強いです。この機会が巡ってきたことは、凄くラッキーで。石司選手はもうDEEPの誰とやっても勝てるだろうし、僕が戦うのが相応しいから声が掛ったと思っています。

戦績も綺麗で、強い選手にしっかりと勝ってきています。練習をしたことがある選手も皆、『強い』と言っています。でも普段の練習通り戦えば、全然勝てるんじゃないかと思います」

──おお、断言しましたね。その自信を持てる要因とは?

「キム・スーチョル選手と戦ったので。あの選手と戦えば、大概の日本人選手は怖くない。あんなに殺気があふれた選手はいないと思います」

──あの試合では、打撃戦を繰り広げることができた。そこはどう生きていますか。

「あれは正直、プランにはなくて……出たとこ勝負になってしまいました。でも、出たとこ勝負でスーチョル選手の土俵で戦えた。今は練習の大半を打撃に費やしているぐらいです。組みなら勝てると思っているので」

──打撃の練習というのは?

「BRAVEでやっています。南(友之輔)だったり木村(柊也)だったり、打撃の強い選手が集まっています。野村(駿太)もいて。どこかにいって打撃を強化することなく、BRAVEでやっていけます。タイ人のネーム・バス・コーチとのミット打ちでムエタイの技術も教わっていますし。引き出しも増え、普通に……今回の試合でも、打撃勝負もやります」

──組み技の方は?

「ロータスに行かせてもらっていたのですが、最近はケガで行くことができていなかったです。ロータスでの練習は全く手を抜く暇がなくて。ないからこそ、体重差がない時は休むことなくスパーを続けるようにしています。連続でスパーをすることで、試合のラストの厳しい時に頑張ることができると思うので。

でも青木(真也)さんも、ずっと入っていて。凄いです。青木さん、上久保(周哉)さん、和田(竜光)さん、そこに八隅(孝平)さんが時折り入って回していると、もう本当にキツイです。宇野(薫)さんにもボッコボコにされます」

──ロータスで積んだことをBraveで試す形でしょうか。

「そうですね、上久保さんや和田さんには、知らない技ばかりかけられて……。でも、すぐに答えを求めて尋ねるのですはなくて、何度も仕掛けられて掴んで。それを持ち帰るような形です。そうやって練習をしていると、寝技だったら絶対に勝てるという自信がつきました」

──キム・スーチョル戦からさらに積んできたものもあり、今回の試合で新しい原口央を見せる自信は?

「やることは、実際は変わらないです。寝かせて、ドロドロにする。ただ、そこに行くまでに出す技なんかは以前と違うことを準備もしています。基本の姿勢は崩さないけど、そういう風に戦えるかと思います。それとスーチョル選手との試合で想定外の部分でも戦えたので、もうやりたいことをやりまくろうと思っています」

──石司戦をクリアした後のことを考えることはありますか。

「今後に関してはDEEPで戦わせてもらえるなら戦いますし、以前と同じように海外に行きたい気持ちでいます。伸がRoad to UFCに出ているので、そこでワンマッチとかあるなら戦いたいですし……やっぱり、MMAをやっている以上はRoad to UFCのトーナメントにも出てみたいです。

伸や河名(マスト)さんとか身近な選手が出ている舞台だし、憧れはあります。結局、UFCの人に自分のことを見たいと思ってもらえないことがあるのですが……そのためにも、自分のやりたいことをやって勝ちます。石司選手は強くて、僕より経験もある選手なので、そう上手くはいかないことは覚悟しています。

でも……そういう強い選手に勝たないと、世界とかないと思っているので。サクっと超えないといけない相手です」

──石司選手に対して、サクっと……ですか。

「上で戦うようになるには、それぐらいでないと絶対に無理だと思っています。難しいけど、サクッと勝ちます。判定になっても、誰が見ても僕が勝ったと思われる試合。30-27で勝たないとダメです。余力を残すわけではないですけど、ギリギリにはならない。10回やっても10回勝てると思われるぐらいの差をつけないといけないと思っています」

■DEEP Tokyo Impact2024#03視聴方法(予定)
5月26日(日)
午後0時~U-NEXT
午後0時20分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

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45 MMA MMAPLANET o PRIDE Road to UFC Road to UFC2024 UAEW UFC   アンガド・ビシュト シー・ミン チィルイイースー・バールガン チェ・ドンフン チュウ・カンチエ ドン・フアシャン フン・シャオカン ユ・スヨン リー・ユンフン 上久保周也 原口伸 本野美樹 河名マスト 透暉鷹

【Road to UFC2024Ep04】透暉鷹の相手はバールガンに。日=4、韓=2、印=2、比=1、中国は7人が準決へ

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
チィルイイースー・バールガン(中国)
Def.2R4分28秒by RNC
リー・ユンフン(中国)

昨年の初戦で上久保周也に敗れたバールガンは、UAEWとAlash PRIDEという厳しい戦場で勝利しRoad to UFCに戻ってきた。サウスポーのリーに対し、バールガンが左ロー。ダブルレッグで飛び込むが、リーが切る。そのリーは左インローを蹴る。慎重な立ち上がりとなり、両者揃って手数が少ない。半分を過ぎ、バールガンが2度目のダブルレッグも、イーがここも切って離れる。3度目のアテンプトでテイクダウンを決めたバールガンは、三角狙いを防いで左足を抜いてハーフへ。バールガンは枕で圧を掛け、エルボーを落とす。クルスフィックスから肩固めを狙ったバールガンだが、リーが察知する。それでも枕で抑え、パスの圧からエルボーを落としたバールガンが初回を取った。

2R、右フックを当てたバールガンがテイクダウンのフェイクを見せる。リーは後ろ回し蹴りの直後にシングルレッグでテイクダウンを許し、ギロチンも封じられる。パス狙いのバールガンは、リーのオクトパスガードを潰して左のパンチを落とす。さらに足を畳んでパスを決めると、そのままバックへ。両足をフックしたバールガンがパンチを入れて背中を伸ばしに掛かる。立ち上がろうとして潰されたリーは、ついに背中が伸びパンチを落とされる。一旦上を向き、殴られて背中を見せたリーだがRNCのセットアップは許さない。

残り90秒、襷から絞めを狙うバールガンがRNCを組み、背中を反らせるとリーを落として準決勝進出=透暉鷹と戦うことになった。

Road to UFC2024年開幕戦を終え、日本勢はバンタム級の透暉鷹、フェザー級の原口伸&河名マスト、女子ストロー級の本野美樹がセミファイナルに歩を進めることになった。韓国勢はフライ級のチェ・ドンフンとバンタム級のユ・スヨン、インドからはアンガド・ビシュトと英国籍のキル・シン・サホタの2選手、フィリピンはルエル・パニャーレス、そして中国勢はバンタム級でバールガンとダールミス・チャウパスウィ、フェザー級はシェ・ビン&チュウ・カンチエ、 女子ストロー級はシー・ミン、ドン・フアシャン、フン・シャオカンと7名が残っている。


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【Road to UFC2024Ep04】シュアイは倒すも抑え込めず。ヒジを振るったサホタがスプリットで準決勝進出

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
キル・シン・サホタ(英国)
Def.2-1:29-28.29-28.27-30.
イン・シュアイ(中国)

シュアイが距離を詰めて左ジャブを突くと、シュアイが左インローを合わせた。大きな音が響くもローブローにはならない。右カーフを当てたシュアイが左フックを放つと、サホタは左足に引っかかりマットに手を着く。すぐに立ち上がったサホタがシュアイをケージに押し込む左腕を差し上げ、右に倒していく。耐えるシュアイの左足を踏んで削るサホタ。シュアイは右ヒザを差し込み、ウィザーから右腕を差し入れた。サホタが離れて打撃に。互いのパンチが顔面を捉えるなか、サホタが右ヒジを見せると、シュアイの右ストレートもクリーンヒットする。

シュアイはダブルレッグで飛び込み、大きくすくい上げてサホタに背中を着かせた。サホタは下からシュアイの脳天に右ヒジを突き刺す。右足で腰骨を蹴り、足を上げて来るサホタを潰したシュアイはボディロックでケージに押し込んでいく。サホタがケージに背中を着けて立ち上がった。シュアイが離れ際に右ヒジを打ち込む。サホタは跳びヒザからヒジを打ち込むも、シュアイの左フックがヒットした。

2R、サホタがジグザグに距離を詰めていく。シュアイは左右のパンチで応戦し、右カーフキックを当てる。シュアイが飛び込もうとしたところに、サホタの右好きニングバックキックがカウンターでヒットした。一瞬動きが止まったシュアイをケージに押し込むサホタ。しかしシュアイが右腕を差し上げ、体勢を入れ替えた。サホタに切り返されるも、シュアイはピースサインを見せる。左右に揺さぶったシュアイがボディロックでサホタに尻もちを着かせる。ケージ際の差し合いから、サホタが首相撲でヒザを突き上げる。再びケージ際の展開になると、シャイがダブルレッグに切り替えてグラウンドに持ち込んだ。すぐに立ち上がるサホタ。互いに首相撲からヒザを打ち込み、離れるとサホタが左右の縦ヒジを繰り出す。組みついたシュアイがドライブするも、サホタが切り返した。

最終回、シュアイが右ローを打ち込む。サホタの左ジャブを食らいながらダブルレッグで組み、尻もちを着かせた。立ち上がり、右オーバーフックを効かせながら、サホタがヒザを突き上げて離れる。サウスポーにスイッチしたシュアイの左ストレートがサホタの顔面をかすめた。サホタの左ミドルがヒット。一瞬効いたかに見えたが、シュアイは組みつく。ここはテイクダウンできずも、今度はニータップでグラウンドへ。しかしトップをキープすることはできない。サホタの右オーバーフックが強く、倒されてもすぐにケージ際へ。しかしシュアイも渾身のテイクダウンで、しっかりとサホタに背中を着かせた。サホタは下からヒジを突き刺す。ハーフガードのサホタに対し、シュアイは右手を枕にガッチリと抑え込む。ガードに戻したサホタにパンチを落とす。サホタが足を上げてくると立ち上がったシュアイ。サホタはスクランブルからテイクダウンし、試合終了のホーンを聞いた。

終了直後、シャイがバク転を連発する。ジャッジは完全に割れ、1人はシャオイにフルマークを付けたが、残り2人が29-28でサホタの勝ちとした。サホタが準決勝に進み、松井斗輝の計量オーバーで不戦勝となったルエル・パナレスと対戦する。


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【RTU3】雑賀“ヤン坊”達也がキ・ウォンビンにKO負け 野瀬翔平が判定負け 小崎連が判定負け 透暉鷹が判定勝利

163: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/05/19(日) 16:26:09.50 ID:NZLoAE2M0
野瀬が普通にRTU通過したら太田が俺だったら優勝とかツイートしそう


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【Road to UFC2024Ep03】透暉鷹、キム・キュソンを完封。唯一、日本人でバンタム級準決勝進出も笑顔なし

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
透暉鷹(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
キム・キュソン(韓国)

跳ねるようなステップを踏むキム・キュソンに対し、透暉鷹はスイッチして左ミドルを蹴る。右ローからスピニングバックフィストを見せた透暉鷹は、距離の詰め方を試しているか。待ちの姿勢でアッパーを繰り出すフェイクから、ジャブを伸ばすキム・キュソンに対してワンツーフックの透暉鷹が、じりじりと前に出る。キム・キュソンも前に出るようになり、透暉鷹の左フックをかわす。カーフを入れる透暉鷹、キム・キュソンも返してカウンターの右を放つ。残り70秒、一気にダブルレッグでテイクダウンを決めた透暉鷹が、クローズドガードの中からパンチを落とす。

オープンガードになったキム・キュソンが透暉鷹に続き、スタンドに戻り距離を詰める。首を固めて背負いで投げた透暉鷹だがトップは取れず、初回が終わった。

2R、すぐに距離を詰めて左ローの透暉鷹だが、キム・キュソンが右を当てる。飛び込んで左を入れた透暉鷹はローをかわして、スイッチのキム・キュソンとの距離を詰める。ワンツーで前に出てダブルレッグを決めた透暉鷹が、ハーフで抑える。バタフライに戻させない透暉鷹は、足を右のパンチを落としてトップをキープする。二重絡みから特に何を仕掛けるわけでもないキム・キュソンは、下のまま過ごす。

残り90秒、鉄槌の透暉鷹はバタフライに戻されるが、パスを仕掛ける。立ち上がった透暉鷹が飛び込むがパンチは当たらず。それでも左足を抜いて、トップのままで2Rも戦い終えてリードを広げた。

最終回、スピニングバックフィストに組まれた透暉鷹が、バックを許す。直後に胸を合わせ、ダブルレッグを決めるとスクランブルでバックへ。透暉鷹はボディトライアングルに捕え、喉を守るキム・キュソンを殴っていく。クロスフェイスで圧を掛けられ、動きを封じされたキム・キュソンは絞めの防御に専念するしかない。

勝利が近づく透暉鷹は、時間を使って──キム・キュソンが宣言していた華のある試合を一切させない。このまま時間が過ぎ、残り30秒を切る。このままバッククラブでタイムアップを迎えた透暉鷹が、なぜかジャッジ1人が29-28をつけたが──判定勝ちを収めバンタム級の日本人で唯一準決勝に残った。

「色々シチュエーションを想定していたのですが、自分が思った通りの試合ができなくて、凄く悔しいです。対峙して打撃でいけるかと思ったけど、上手くいかなかったです。自分の練習してきたところを全然出せなくて、絶対に落とせないトーナメント戦というのが大きかったのですが、プロとして失格です。2回戦、絶対にUFCに行けるという試合を必ずします。中国人がUFCに行けるトーナメントだと思っていますが、バンタム級は自分しか残っていなくて。日本を背負って、パンクラスの名の恥じないようUFCと契約できる試合を。勝ち取るだけでなく、内容もしっかり次の試合まで出直してきます」と透暉鷹は全く笑みがなかった。


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