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【Black Combat10】パク・シユン×須田萌里& 駒杵もフライ級王座挑戦。キム・ミンウ×ユ・スヨン決行!!

【写真】パク・シユンの二冠が続くのか、DEEP×Black Combatがさらなる混迷に向かうのか――要注目だ(C)MMAPLANET & DEEP

1日(月・現地時間)、Black CombatがオフィシャルYouTubeチャンネルで20日(土・同)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10の対戦カードを発表した。
Text by Manabu Takashima

昨年2月の韓国における対抗戦、9月の東京での対抗戦を経て通常興行でもDEEPとの交流が続くBlack Combatだが、今大会では日本から山本聖悟、中村大介、大原樹理、そして須田萌里と駒杵嵩大が出場し、須田と駒杵はタイトル挑戦となる。


(C)DEEP

駒杵は9月の対抗戦で対戦したキム・ソンウンに挑戦することとなった。

キム・ソンウンは11月大会でイ・カンナムとの王座決定戦で勝利しベルトを巻いたが、9月の一戦を見る限り両者の間には力の差が感じられた。とはいえ母国で8000人の観客が入る舞台での初防衛戦だ。キム・ソンウンがあの時と同じファイターとは捉えない方が良いかもしれない。

一方、須田は対抗戦で大島沙緒理を破りBlack CombatとDEEPの二冠王となったパク・シユンの持つBlack Combat女子アトム級王座にチャレンジする。MMAPLANETのインタビューでパク・シユン……というよりも指導者のパク・テヒョク氏が伊澤星花に対して絶対の自信を持っていたが、今回はホームで須田の挑戦を受けることに。

関節技にずば抜けた強さを見せる大島に対し、直接対決という部分でなく――×パク・シユン戦を念頭に比較すると、須田は打撃の成長が顕著で、よりウェルラウンダーとして戦える。寝技にしても思考、動きともにフレキシブルな須田だけに、パク・テヒョク氏が言うところの戦略に振り幅が持てる。

日本人選手がBlack Combatのベルトを手にし、韓国人選手がDEEPのベルトを腰に巻くという逆転現象も起こるかもしれないBlack Combat女子アトム級選手権試合だ。

今やDEEPよりもBlack Combatを主戦場にしようかという熱の大原は公言通り11月に続き、連続出場を果たす。対戦相手もイ・ファンスン戦での勝利後、ケージの中で挑発してきたキム・ジュンギュンでなく希望通りパク・ジョンホンと相対する――予定だったが、ヒザの負傷で欠場しファン・ドユンと戦うことが決まった。。

本来ランキング1位の大原と2位のパク・ジョンホンのマッチアップは事実上の次期挑戦者決定戦と思われたが、リアリティ番組で注目されているとはいえファン・ドユンは格下の相手だ。今回の試合結果いかんで大原は、対抗戦で完敗を喫したイ・ソンハの持つBlack Combatライト級王座に大きく近づくことができるのか――。

山本はバンタム級でイ・ソンウォンと、中村はフェザー級でパク・チャンスとの対戦も決まった。この2カード、注目は中村の相手パク・チャンスだ。4月のフェザー級王座決定戦で、パク・チャンスは姿勢を乱して倒れたところにシン・スンミンのサッカーボールキックからパウンドアウトで敗れた。

しかしDouble GFC暫定フェザー級王座決定戦で現Gladiatorフェザー級王者パン・ジェヒョクに勝っているパク・チャンスは、MMAの王道的なスタイルを貫けばシン・スンミンを上回る実力者とも考えられる。

中村×パク・チャンスなど、タイトル戦線で鍵を握る選手が日本勢の相手を務める、完全ガチのマッチメイクはBlack CombatではDEEP勢はワンオフでなく、レギュラーという認識があるようだ。そのフェザー級戦線、同大会ではたシン・スンミンはソン・ユチャンとの初防衛戦が控えている。キム・ソンウンと同様に対抗戦で青井人に遅れを取り、DEEP勢に2つ目の白星を献上しているだけに再起戦でチャンピオンの意地を見せたいところだろう。

そんなフェザー級選手権試合を第7試合に追いやり、キム・ミンウ×ユ・スヨンのフェザー級戦がメインで組まれている。元Road FCバンタム級王者で韓国一の猛者と目されながらRoad to UFCでは計量失敗で敗退。階級を上げてBlack Combatで戦うキム・ミンウと、Black Combatでライト級&フェザー級、さらにバンタム級と3階級を制したユ・スヨンの一戦は、PPV級のスーパーファイトといえる。

(C)DEEP

気になるのはユ・スヨンのコンディションだ。

ユ・スヨンは昨年12月21日のNAIZA FC56でダスタン・アマンゲルジにTKO負けを喫してから、インターバルは僅か1カ月でキム・ミンウという実力差と対峙することになる。ボディを効かされての負けではあったが、メンタル面と肉体の消耗度を考えるとキム・ミンウ有利と見るのが妥当か。

いずれにせよ、アジアを代表するファイター同士の対戦はDEEP勢が絡まなくても日本のMMAファンにとっても必見といえる。

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MMA MMAPLANET o Road to UFC Special UFC UFC295 UFN UFN231 ケヴィン・ボルハス ザルガス・ズマグロフ ジャイルトン・アルメイダ ジョシュア・ヴァン デリック・ルイス ボクシング ムハマド・モカエフ ライカ 大沢ケンジ 平良達郎 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:11月 ヴァン×ボルハス「MMA歴3年のミャンマー人選手が……」

【写真】ジョシュア・ヴァン、2024年の要注目のフライ級ファイターだ(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2023年11月の一番──11月11日に行われたUFC295のジョシュア・ヴァン×ケヴィン・ボルハス戦について語らおう。


――11月の一番として、水垣さんにはUFC295でのジョシュア・ヴァン×ケヴィン・ボルハスを選んでいただきました。

「僕はこのジョシュア・ヴァンという選手にすごく注目していて、ヴァンは22歳と若い選手なのですが、本格的にトレーニングを始めたのが19歳らしいんですね。しかも彼はミャンマー人で、どのタイミングでアメリカに来て練習しているかは定かではないのですが、MMA歴3年のミャンマー人選手がこのレベルのMMAを出来てしまうのかと驚きました。そういう部分でとても気になっている選手です」

――ヴァンはFury FCでフライ級王者となり、今年6月からUFCに参戦して、ボルハス戦がUFC2戦目でした。

「UFCデビュー戦でザルガス・ズマグロフと対戦して、ズマグロフが負けが続いている状態ではあったんですけど、その相手にも勝っていますし、とにかく彼にはセンスを感じますね。世代・キャリア的には平良達郎選手と同じだと思うので、これからのフライ級を面白くしてくれる新しい選手としても期待しています」

――僕も改めて試合映像を見直して、格闘技を始めて数年の選手なのかと思いました。特にセンスを感じたのは打撃の部分です。構え方、ステップ、動きのキレ、力の抜け具合など。

「ボルハス戦はほぼ打撃の展開でしたが、僕も打撃には非凡なものを感じました。ボディブローを交えたパンチのコンビネーションや余裕を持った試合運びなど、格闘技歴数年のレベルじゃないです」

――所属ジムの4oz. Fight Clubもトップ選手が多数存在するジムではないんですよね。

「そうなんですよ。もちろん誰と練習しているかが強さにつながるわけではないですが、名門ジムの所属ではないからこそ、どんな練習をしているんだろうという興味もあります。僕はどうしても打撃と比べると組み技・寝技の習得には時間がかかると思っていて、この試合でも打撃とテイクダウンのタイミングの良さは見てとれたのですが、打撃からの流れでテイクダウンを取っている=打撃のスキルを活かしてテイクダウンしている印象だったんですね。改めて打撃はセンスがあると一気に伸びるもので、それに比べると組み技・寝技は時間がかかるんだなと思いました」

――もちろん組み技・寝技にもセンスはあると思いますが、練習を始めて数年で飛躍的に伸びることはないような感覚はあります。

「例えば打撃を何年もやっている選手と格闘技歴は浅いけど打撃のセンスがある選手がスパーリングしたら、後者が有利になることもあるのが打撃じゃないですか。寝技でそれと同じことはなかなかないと思うんですよね」

――統計的をとっていないので一概には言えませんが、そういうイメージはありますね。

「もちろんボクシングで世界チャンピオンを目指すとなれば、子供の頃からボクシングをやるに越したことはないと思いますが、MMAという意味では組み技・寝技を先に始めておく方がいいのかなと思いますね」

――あとはMMAのセンスという部分では3Rにパンチからテイクダウンをとった場面など「ここでテイクダウンにいけるのか!」と思いました。

「タイミングが抜群でしたし、あの流れでテイクダウンにいけるのは試合の組み立てに余裕を持っていますよね。1Rにダウンを奪われて、2Rに打撃で盛り返して、3Rの序盤にテイクダウンにいくのはMMA的な頭の良さを感じました」

――逆に3Rにトップキープできるタイミングで足関節を狙って失敗するなど、まだ寝技にそのものには慣れていないのかなと。

「僕もそう思います。ああいう純粋な寝技の攻防になると、まだ格闘技を始めて3年の選手だなと思いますよね。だからMMAをやるにあたって、早い時期に組み技・寝技をやることは大事だと思うし、相手をコントロールするバランス感覚や重心の移動などは、早い時期に時間をかけて覚えておくことがいいのかなと思いましたね。ヴァンのように打撃はセンスがあれば2~3年でここまでのことが出来るようになるわけで、なおさら組み技・寝技は早くやっておくべきだと思います」

――これもお伺いしたかったのですが、ヴァン選手はスタンドでの立ち位置とプレッシャーのかけ方が絶妙だと思いました。常にボルハスに対して何かアクションをかけられる位置で戦っていたと思います。

「僕もそうだったんですけど、プレッシャーをかけていくと、どうしても(距離を)詰めすぎちゃうんですよね。だから自分が一番得意なオイシイ距離をキープするというのは実は難しくて、距離をキープすることに集中すると自分のプレッシャーが弱まってしまう。僕の場合は自分の得意な距離になったらそこで打撃をまとめて、そのままプレッシャーをかけてクリンチになっても構わないと思ってやっていました。でもヴァンは相手のレベルがあったにせよ、自分のオイシイ距離に長くいることが出来ていて、距離感のセンスも感じましたね」

――またこういったポテンシャルを持った選手がミャンマー人であるということも驚きです。

「Road to UFCでもインドネシアやインドなど、今まであまり見ることがなかったら国から選手が出てきて、まだまだ粗削りではあるんですけど、みんな試合をする度にどんどん強くなっているじゃないですか。一つきっかけがあればその国のMMA人口は増えると思うし、ヴァンのようにUFCで活躍する若いニューヒーローが出てくると、彼に憧れてMMAを始めるミャンマーの選手も増えるでしょうね」

――しかも一攫千金を目指して早くから米国に住んで練習する選手も出てくることもありそうです。UFCのフライ級はトップグループのメンバーがある程度固まっているので、ヴァン選手のような新しい世代の選手たちが出てくることで階級が活性化しそうです。

「ムハマド・モカエフも愚痴っていましたよね、『ランキングの上のヤツらが試合をやってくれない』って。まだヴァンはモカエフや平良選手に比べると荒さはありますが、その分、化ける可能性があると思うので、数年後どう成長しているかが楽しみですね。本当に僕はこの選手はセンスに溢れていると思うので、インタビューして細かいことをたくさん聞いてみたいです。

もしかしたらMMAの練習は3年だけど、ミャンマー時代に親戚のおじさんがボクシングをやっていて、子供の頃から教わっていた…とか、そういうエピソードがありそうな気もするんですよね(笑)」

――そうじゃないと辻褄が合わないんじゃないか、と(笑)。

「はい(笑)。でもそう勘ぐってしまうぐらい、打撃のセンスや技術はピカイチだと思います。もうちょっと強い相手とやれば穴も見つかると思うのですが、彼のセンスやポテンシャルの高さには注目したいです」

――そして番外編としてUFN231でのジャイルトン・アルメイダ×デリック・ルイス戦についても聞かせてください。この試合は5分5Rのうち、アルメイダが合計13回マウントポジションをとっていたにも関わらず、フィニッシュまで至らず判定決着になるという不思議な試合でした。

「UFNとはいえ、UFCという名がつく大会のメインイベントで、こんな試合があるのか、と。試合前からルイスがテイクダウンされたらキツイとは思っていて、アルメイダが1Rにテイクダウンしてマウントまでいったんで、このまま早いタイミングでフィニッシュするだろうなと思って見ていたんです。そうしたらルイスが粘るというか、アルメイダが攻めあぐねるというか。何とも言えない展開が続きましたよね。3Rまではアルメイダがフィニッシュするかも?と思っていましたが、4・5Rはアルメイダがマウントをとってもフィニッシュできなそうだな…と思うようになっていました」

――グラップリングでマウントやバックをとられて一本取られたくないからディフェンスに徹して、そのまま終わるという試合もありますが、MMAの試合であれだけ簡単にマウントをとらせる選手もいないですし、あれだけマウントをとっても攻めきれない選手も珍しいですよね。

「ストライカーに一切ポジショニングの概念がない。グレイシー一族だけがポジショニングを知っている。初期UFCを見ているような錯覚に陥りました。色んな選手や試合を見ることができるUFCですが、2023年にこういう試合を見たのは逆に新鮮でした」

――今回もありがとうございました。2024年もよろしくお願いします!

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AB Black Combat DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Road to UFC Special UFC イ・チャンホ キム・スーチョル シャオ・ロン 上久保周哉 原口央

【Special】K-MMA、2023年・秋。RTUバンタム級決勝進出、イ・チャンホ「上久保選手の仇を取る」

【写真】試合の時の印象とは違い、常に優し気な表情でシャイな受け答えだったイ・チャンホ (C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第六弾はRoad to UFCバンタム級決勝戦でシャオ・ロンと対戦するイ・チャンホに話を訊いた。

準決勝のダールミス・チャウパスウゥイ戦では初回と2Rは劣勢だったが、勝負を諦めることなく粘ってポジションを挽回。最終回に逆転のTKO勝ちを収めたイ・チャンホは──上久保周哉に勝利したシャオ・ロン戦に絶対の自信を持っていた。


──チームメイトの応援に駆け付けた大会後に、取材を受けていただきありがとうございます。

「いえ、こちらこそインタビューをして頂きありがとうございます」

──同じバンタム級でK-MMAをリードしてきたキム・スーチョル選手が、日本の原口央選手から衝撃的なKO勝ちを収めグローバル63キロ級トーナメントで優勝したばかりです。あの試合を見て、どのような印象を持ちましたか。

イ・チャンホと入れ替わりにやってきたキム・スーチョルと

「今日の試合を見ていると、キム・スーチョル選手がアジア圏のバンタム級ではナンバーワンでないかと思います。

体力もあって力強い、動きも本当に良かったです。凄く感銘を受けました」

──UFCを目指すイ・チャンホ選手にとって、キム・スーチョルとはどのような存在なのでしょうか。

「キム・スーチョル選手は憧れです。同時に越えなければならない、目標です。何よりキム・スーチョル選手の試合での動きを見ると、凄く勉強になります。原口選手のあのレスリングでのプレッシャーを受けると、普通の選手だとスタミナをロスして厳しい戦いになるはずです。でも、キム・スーチョル選手はその面でも強かったです。原口選手も頑張っていましたが──」

──その原口選手の頑張りに負けない、いやそれ以上の頑張りをイ・チャンホ選手も8月のダールミス・チャウパスウゥイ戦で見せていました。2Rまでの劣勢を跳ね返し、最終回に逆転TKO勝ち。Road to UFCバンタム級決勝戦進出を果たしました。

「ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。もともと最終回に勝負を懸けようというのが作戦でした。なので1Rと2Rはどれだけテイクダウンを奪われても構わないという風に考えていました。攻められているように見えたかと思いますが、自分としてはずっと冷静に戦うことができていたんです。いえば最初の2Rは向うに動かせて疲れさせようというぐらいの気持ちで。スクランブルに関しては、一番自身のある部分なので問題ありませんでした」

──12月9日に予定されている決勝戦(※その後、2月4日に変更された)で戦うシャオ・ロンは、組み技の強さで定評のある上久保周哉選手を準決勝で破りました。彼の印象を教えてください。

「シャオ・ロンに関して、特に印象の残る選手ではないです。一応、何でもこなすウェルラウンダーですね。でも、スタミナ、スクナブル、柔術的なポジショニングと自分が彼を上回るところはいくらでもあります。試合がどのような状況になろうが、気にすることないですね。トーナメントに参加する選手は全員がそう思っているはずですが、絶対に優勝するつもりでRoad to UFCに出たので、優勝するのは絶対に自分です」

──昨年は韓国と日本勢の争いになると思われるなかでフライ級は韓国人対決、バンタム級は日本人対決。フェザー級は中韓決戦。そしてライト級はまさかのインド✖インドネシアという決勝戦でした。それが今年は決勝戦8試合中、日中対決が2試合。中国人対決が1試合、そしてシャオ・ロンとイ・チャンホ選手の中国✖韓国が1試合。実に決勝進出8選手中5人が中国人ファイターになりました。

「5月の準々決勝では上海にあるUFC PIの施設で練習や試合をしたのですが、MMAに必要な設備が全て揃っていました。練習システムにしても同じで、体のケアまで含め至れり尽くせりでMMAに没頭できます。あの環境がある中国人選手は、これからもっともっと強くなると思います。PIの決して大きくない会場に集まった中国人ファンの声援も凄かったです」

──今回はメルセデスベンツ・アリーナ、あの10倍以上の中国人サポーターが駆けつけるはずで、全ては中国人選手が勝てるよう舵取りがされている感がプンプンします。

「ただ自分の1人だけ生き残った韓国人MMAファイターとして、中国人サポーターが言葉を失う試合をします。十分にその自信を持っています。任せてください。自分は決勝では上久保選手と、思い切りやりあえると思っていました。残念ながら、自分のなかでも一番期待していた試合は戦えなくなりましたが、決勝戦では上久保選手の仇を打つので日本のファンの皆さんも期待してください」

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AB K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC Road to UFC UFC イ・ジョンヒョン キック キム・スーチョル クォン・アソル ボクシング マーク・クリマコ

【Road FC67】イ・ジョンヒョンの再起戦は100秒キックの前座に。K-MMA界の老舗は、どこへ向かう

【写真】どのような気持ちで、ケージに足を踏み入れるのだろうか(C) Zuffa/UFC

明日16日(土・現地時間)、韓国はソウルのスイスグランドホテル・エメラルドホールにてRoad FC67が開催される。
Text by Manabu Takashima

10月大会で2階級のグローバルトーナメントが終幕、キム・スーチョル✖原口央の激闘は今も記憶に新しい。あれから1カ月半、Road FC2023年最後の大会は韓国版Breakingdownというべきファイター100ルールが適応された2試合がメインとコメインに組まれている。


ファイター100ルールとは元Road FCライト級王者クォン・アソルが主導する100秒(延長100秒)のキックボクシングマッチだ。最終試合は80キロ契約で韓国からユン・ヒョンビン、その1試合前にはクォン・アソルが95キロ契約マッチに出場し、日本から遠征する醤油ニキ、かずややねんけどと戦う。

残り6試合はMMA、注目は第4試合に組まれたイ・ジョンヒョンの再起戦だ。Road FCフライ級の超新星はRoad to UFCに出場も5月の上海大会にマーク・クリマコの前に、フルマークの判定負けを喫しMMAとしてのトータル的な強さが不足していることを露わにした。

あれから半年、ケージに戻ってくるイ・ジョンヒョンの相手となるイ・ギルスはMMA戦績1勝1敗ながら、全国大統領杯を制するなど著名なアマボクサーだった選手だ。

もちろんMMAとボクシングは違う。そして、イ・ジョンヒョンがキャリアの序盤に戦っていたARCの3分3R&寝技30秒ルールもあくまでもモディファイドMMAでしかない。クリマコ戦の敗北の要因がARC出身というのは暴論だが、テイクダウンを打撃と融合させた北米MMAファイターを相手に打撃を使いこなせなかったのも事実だ。

そんな超新星を生んだRoad FCが、自らのイベントのなかでファイター100ルールを組む。K-MMA界の老舗は、どこに向かっているのだろうか。

■視聴方法(予定)
12月16日(土・日本時間)
午後4時~ KAKAO TV、AFREECA TV

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AB MMA News o ONE Road to UFC UFC UFC Fight Night   イ・チャンホ シャオ・ロン リー・カイウェン 原口伸 鶴屋怜

中止になっていた『ROAD TO UFC』シーズン2決勝戦が2月4日に行われることが決定

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ROAD TO UFC シーズン2決勝戦は2024年2月にラスベガスで実施(UFC JAPAN)
 世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体であるUFC〓(Ultimate Fighting Championship)は本日、日本時間2024年2月4日(日)に、『UFCファイトナイト:ドリーゼ vs. イマボフ』に続いて『ROAD TO UFC シーズン2』決勝戦を開催することを発表いたします。

● フライ級(56.7kg以下)決勝:鶴屋怜(日本) vs. ジー・ニウシュイエ(中国)
● バンタム級(61.2kg以下)決勝:シャオ・ロン(中国) vs. イ・チャンホ(韓国)
● フェザー級(65.8kg以下)決勝:イー・ジャー(中国) vs. リー・カイウェン(中国)
● ライト級(70.3kg以下)決勝:原口伸(日本) vs. ロン・チュー(中国)

 UFCが『ROAD TO UFC』シーズン2の決勝戦を2月4日に行うことを発表。元々決勝戦は12月10日(日本時間)の『UFC Fight Night 233: Song vs. Gutierrez』で行われる予定でしたが、会場が中国・上海からラスベガスに変更されたことで中止になっていました。

 現地時間の2月3日にラスベガスのUFC APEXで『UFC Fight Night 235: Dolidze vs. Imavov』が開催されますが、その大会の中ではなく後に行われるようです。続きを読む・・・
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AB Black Combat DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Road to UFC Special UFC YouTube イ・ジンセ ブログ ユ・スヨン 石司晃一

【Special】K-MMA、2023年・秋。DEEPバンタム級王者ユ・スヨン「勝ち続ければ自ずとUFCと契約できる」

【写真】もう10日もすれば、NAIZA FCでタイトル防衛戦が控えている。現地の関係者が明言するジュースフリーで、どのような戦いを見せることができるか (C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第五弾はDEEP✖BLAC COMBAT対抗戦で、恐るべき強さを見せつけたユ・スヨンをソウル郊外プチョンのBlack Combatジムに訪れた。

石司晃一をワンテイク、コントロールからTKOで下したZEUS FCフェザー級、Black Combatライト&フェザー級、NAIZA FCバンタム級、そしてDEEPバンタム級チャンピオン──韓国柔術界最年少で黒帯を巻いたユ・スヨンはMMAにおける柔術の重要性と、UFCへの道について話した。


──このジムはBlack Combatのオフィシャルジムなのでしょうか。

「ハイ、Black Combatの本館です。この間デジョンにもジムができて、今ブラック代表はソウルにもジムを創ろうと計画しているようです」

──昼過ぎのこの時間で、ここで練習しているのはどういう人達なのですか。

「Black Combatチームの選手で、プロだけでなくアマやセミプロの選手たちもいます。彼らは他のジムに所属しているのではなく、ここだけで練習しています。午後2時からは選手練習で、他の時間帯は一般の人が通うジムなんです。指導もBlack Combatのファイターがやっています」

──ではユ・スヨン選手はどういった関わり方を、このBlack Combat本館としているのでしょうか。

「もともと所属しているボン柔術の監督が、ここの館長になったので自分もチームメイトと一緒に選手練習に参加している形です。他のチームの選手も自由に参加できるクラスになっています」

──プロモーションが所有するジムで、自由に練習できる。対戦する可能性がある選手とも顔を合わせるのでしょうか。

「そのケースはこれまでなかったですね。過去の対戦相手は所属するジムで練習をしていました。自分はここで練習だけでなく、パーソナルで指導をしていますMMAの練習は殆どここでやっている状態ですね。夜も練習していて、ボン柔術でトレーニングをするのは週に1度ぐらいになっています」

──いうともうBlack Combatの専属で、給料が出るような契約形態なのですか。

「給料はありませんが、パーソナル・レッスンの指導料は貰っています。ファイトマネーと指導料ですね。マネージャーも別にいますし、自分の試合のことも自分達で決めています」

──それは良かったです。

「もちろんブラック代表とも相談はしますが、自分は他の団体にも自由に出ることができます」

──とはいっても韓国国内において、Black Combat以上に勢いのあるプロモーションはないですよね。

「自分はUFCが目標ですし、Black Combat以外の国内の大会に出ることはないと思います」

──押忍。では、改めて9月の石司戦について尋ねさせてください。あの石司選手を一方的な展開でTKOした衝撃的な試合でしたが、どのようなゲームプランを立てていたのでしょうか。

「石司選手は強いと聞いていたので、自分のグラップリングがどれだけ通用するのかを確認しようと思っていました。初回に組みを試して無理なら他の手段で戦う予定でしたが、グラップリングでいけたのでそのまま戦いました」

──グラップリングの展開に持ち込む。狙い通り、最初のトライでテイクダウンを奪うことができました。

「石司選手は序盤から自分の動きができるというよりも、粘って最終的に判定をモノにするファイターだと理解していました。スタンスが広くて、ステップを多用することはない。なのでパンチのフェイントで距離を詰めることができれば、テイクダウンができる自信はありました。テイクダウン後もコントロールできる。その通りの試合展開になりました」

──昨年の大晦日、Black Combatでのイ・ジンセ戦でケージレスリングの強さは十分に見せてもらっていたのですが、日本ではケージを使うことなくシングルレッグを決めきりました。

「ハイ。倒せないとケージを使うつもりでした。実際、シングルレッグに入る時まで打撃の鋭さは伝わって来ていて。だからこそ、クリンチに持ち込んでもテイクダウンしないといけないと思って戦いました。

半面、テイクダウンに成功してから寝技の展開になると、石塚選手にはそれほどでもない。だからプレッシャーをかけて、テイクダウンを奪うことができればポジションをキープできるという考えでした。実際、倒して上を取ると『予想通りだ』と勝利を確信できました」

──テイクダウン以上に、寝技のコントロールに驚かされました。パウンドがあるなかで、あの頭の位置でコントロールできる選手はそうはいない。頭を押し付けるわけでなく、上体を起こして殴るでもない。その中間の動きで、パウンドのある柔術をしていたので。

「もともと自分は柔術を使って、MMAを戦っていました。でもMMAにはレスリングが欠かせないので練習に取り入れ、去年まではレスリングが7割で、柔術には3割程度しか時間を割かなくなっていました。ただし、レスリングが上達することでMMAにおける柔術の重要性に気付いたんです。

やはり柔術には力をセーブして、相手を抑え込める技術が多いです。だから最近では柔術が6割、レスリングが4割というバランスで練習するようになっていました。柔術の本来の目的はパスをして、相手を仕留めることです。

ただし、そこに拘り過ぎると自分の方が削られます。なので相手の動きに合わせて殴れるスペースができれば殴り、必要になれば力を使ってレスリングの技術で抑える。パウンドとレスリングの間で柔術を使う。あるいは柔術の技術で、パウンドとレスリングをサンドウィッチするような感じです」

──なるほどぉ!!石司選手が足を効かせよう、腰を切ろうという方向とは別の方にあっさりと回り抑えていたのも見事でした。

「実際に、頭をつけてコントロールする方が多いです。でも、以前にあの頭の位置でも上手くコントロールできたことがあり、9月の試合でも石司選手の反応に合わせて、頭をあそこに置いて戦うことができたということもあります。相手の動きを読むことができるのは、これまで柔術をやってきた成果だと思います」

──キックボクシング+レスリング。柔術の時間になかなか練習を避けない。日本のMMAは、そのような状況が長かったです。

「柔術をすることは、絶対的にアドバンテージになります。スクランブルの対処にしても、柔術を理解している方が有利になれます。組み技のなかでカウンターのカウンターという攻撃も可能になるので。そこが自分のMMAでも、長所になっています」

──今も道着の練習をしているのですか。

「ハイ。ボン柔術でIBJJFのスタイルで練習している一般の人たちと、やっています。今、柔術はリバースデラヒーバからのバック狙いなど、MMAとして使うことが難しい技術も多いです。ただし柔術の強いベース、レッグドラッグやトレアンドパスという風にしっかりと手順を踏んで、圧力をかけてパスをする──MMAに絶対に生かせる動きも残っています。一気に動くのではなく、じわじわと動くことができる柔術は自分のMMAに欠かせないですね。

MMAですから、どのスタイルでもMMAに生きない技術はないと思います。実際、自分もMMAに集中し過ぎて柔術をやらなかった時期がありました。その間、グラップリングがどんどん大雑把になってしまったんです。結果、動きの多い選手を抑えきれないことが増えました。そこで柔術に回帰できました」

──押忍。その上であの試合があるので、説得力抜群でした。ところで先ほど目標はUFCだと言われていましたが、そこに向けて今後のキャリアの積み方をどのように考えていますか。

「12月21日にNAIZA FCでバンタム級王座の防衛戦があります。来年はBLACK COMBATフェザー級のタイトル防衛戦、そして日本でDEEPバンタム級の王座防衛戦も戦うことになります。Road to UFCも視野に入れていましたが、ダイレクトにUFCと契約する道もあるとはずです。今、自分を必要としてくれるプロモーションで試合をして勝ち続けると、自ずとUFCと契約できるはずです」


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AB F1 o Road to UFC Road to UFC2023 UFC エッガー キック シャノン・ロス ステファニー・エッガー ソン・ケナン ティム・エリオット パク・ジョンヨン パク・ヒョンソン リッキー・シモン ルアナ・サントス 平良達郎

UFC on ESPN+91:オッズ/予想と展望

ソン・ヤドン 1.25
クリス・グティエレス 4.10
アンソニー・スミス 2.90
カリル・ラウントリーJr. 1.43
ナスラット・ハクパラスト 1.49
ジェイミー・ムラーキー 2.70
ティム・エリオット 1.69
ス・ムダルジ 2.24
パク・ジョンヨン 1.57
アンドレ・ムニス 2.45
ソン・ケナン 2.24
ケビン・ジュセ 1.68
パク・ヒョンソン 1.17
シャノン・ロス 5.25
ティーブ・ガルシア 3.20
メルキザエル・コスタ 1.37
ルアナ・サントス 1.65
ステファニー・エッガー 2.30
平良達郎 1.18
カルロス・ヘルナンデス 5.10
ハヤネ・アマンダ 1.60
タリタ・アレンカー 2.40

本来は上海大会の予定だったが、突然説明なくAPEX大会に変更。関係者からの情報も流れてくることなく、なぜ開催地が変わったのか理由は不明なままとなっている(完全な憶測だが、中国当局から開催許可が折りなかったのでは)。合わせて、同大会で行われる予定だったRoad To UFC2023決勝戦についてもアナウンスが無く、来月行われる2大会のカードもほぼ出揃っているため、最速でも2月以降になると見られる。

それに合わせてビザの問題などでカードが次々と変更。さらにRoad To UFC決勝が予定されていた分の試合を急遽詰め込んだりと、直前になってもまだ試合の変更が続いている。

メインは当初から中国大会のトリを飾る予定だった、中国No.1プロスペクト・ソン・ヤドンとランキング15位グティエレスの対戦。ヤドンは明らかにプッシュされたマッチメイクだったが、テイクダウンの対処に穴があり、連勝がストップ。しかしそこから弱点を克服して再浮上。飛び級で組まれたサンドヘイゲン戦では打撃で打ち負けてTKO負けしたが、前戦では苦手とするレスラーのリッキー・シモンのテイクダウンを凌いで打撃で仕留めての勝利。今月2日に26歳になったばかりで、ランカー最年少。

グティエレスはランキングこそ15位だが、UFCでは8勝2敗1分け。ヤドンと比べて、なかなかチャンスが与えられないだけに、数少ないチャンスをモノにしたいはず。ストライカーでカーフキックの名手。

オッズは意外なほどの大差でヤドン優勢。予想はヤドンのKO勝ちだが、グティエレスも打撃が強く、打撃勝負になったとしてもヤドンが楽に勝てるとは限らない。

平良は10月に組まれていた試合が相手の都合により流れたが、なんとか年内にUFC5戦目に臨むことができた。ここまでは対戦時点での相手のUFC戦績は0勝1敗、1勝1敗、0勝0敗×2と、ド前座の相手としか戦うことができなかったが、今回もUFC2勝1敗の相手。ランカークラスとの対戦に拘ると年内に試合をすることが難しかっただろうから、致し方ない。ヘルナンデスは距離を取っての打撃でポイントアウトするスタイルで、アマチュアのキック・ムエタイのキャリアはあるが、プロでのKO勝利はゼロ。怖さはない。オッズは平良が圧倒的フェイバリット。今年もトラブル続きだったが、最後はきっちりとフィニッシュ勝利して来年に繋げたい。

その平良以上にオッズで優勢になっているのは、昨年のRoad To UFCフライ級ウィナーのパク・ヒョンソン。しかしヒョンソンが評価されているというより、相手のロスがコンテンダーシリーズでは負けたが盲腸炎を押しての出場ということで根性が認められてのUFC契約であり、UFC本戦では2試合続けて1分持たずにKOされているレベルのため。逆にこの相手に苦戦するようだと、Road To UFCのレベルが疑われる。

第1試合開始は10日朝9時半から。速報します。

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【Gladiator024】上久保周哉、グラジ参戦。その意図とこれから「僕のRoad to UFC。ずっとRoad to UFC」

【写真】リアリスト。誇張も悲観もなく。それだけに言葉が突き刺さる(C)MMAPLANET

9日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024に上久保周哉が出場し、韓国のシン・ジェヨンと戦う。
Text by Manabu Takashima

8月のRoad to UFCバンタム級準決勝でまさかの敗退となった上久保は、再起の場にグラジエイターを選んだ理由と、変わりないUFCへの想いを訊いた。


――8月のRoad to UFC、シャオ・ロン戦の敗北は大ショックでした。スポットライトが当たっているとはいえない、同時に『これがMMAなんだ』と上久保選手の征く道を見てきたファンも、そうだったと思います。

「ハイ……。僕も同じ気持ちでした(苦笑)」

──組んで勝つ。触れば五分五分という上久保選手のMMAが、UFCではなくRoad to UFCで崩れた点が一番ショックでした。ただ1Rはあれだけ出来ていたのに、なぜ2Rから思うように戦えなくなったのでしょうか。

「実は2Rにテイクダウンを狙った時に、左ヒザが内側に捩じれてしまって。元々、半月板が悪かったのでロッキングしてしまっていたんです。でも、試合中はアドレナリンが出ているから痛みを感じなくて。それでも、踏ん張れる感がなくて。マットを蹴っても力が入っていないし、変だなと思いながら戦っていました。

普段はロッキングをしたら痛みや緩さで気付くのですが、試合中だったからそこが気付かなくて。足が疲れたのかなとか、勝手に思っていたんです。気付いていれば、インターバルにロックしたのを直すことはできたので、それをやっていれば3Rは普通に動けたのになぁという気持ちは結構あります……。足が疲れたと自分で片づけてしまって、セコンドに言わなかったので磯野(元)さんも濱村(健)さんも、急に動きが悪くなったと感じていたと思います」

──そのようなことが起こっていたのですね。

「……ハイ。あの試合に関しては、途中から試合になっていなかったです」

──逆にケガをしたということで、ホッとしました。上久保周哉の組み技がアジアで跳ね返されたわけではないので。

「まぁ、負けた言い訳はできますからね(笑)」

──そこですか(笑)。

「1Rが本来の実力だったと思って欲しいです。切られることが前提で組んでいたので、そんなに深追いもしなかったし、切るなら切るで用意していたので。1Rは思いのほか、自分の展開になったので逆に拍子抜けした感はありました。むしろ2Rの方が『こうなるよね』という展開ではありました。ただ、あの途中から……ですね。でも、結果が全てですから」

──一旦はUFCとの契約という目標が潰えたことは、どのように感じていましたか。

「悔しかったけど、それは実力を出し切れなかったことが大きくて。だから引退するとかっていうへこみ方ではなかったです。改善点や修正しないといけない点があったけど、初回の展開は思い通りにいっていたので通用する部分は通用する。だから100回やったら、100回勝てない相手とやるまでは辞められないと思いました。準決勝の相手は100回やって100回勝てない相手ではないので、辞められないです。会場からホテルに戻るまでも、全然まだやれる。こんなんじゃ辞められないという気持ちでした」

──目指すところも変わらない?

「変わらないというか、それを目指し続けないと自分が求める相手がいない。他のどっか……国内でも出てくるかもしれないけど、そういうところを目指していないと自分のレベルも上げることができない。自分が強くなっていく過程のなかで、何回やっても絶対に勝てない相手と戦わないと意味がない。強い相手と戦っていないと弱くなります。自分が弱くなると意味がないです。だから目指すところは変わりようがないです」

──そうなると、またRoad to UFCを目指すことになりますが、Gladiator出場が決まるまで、再起の道はどのように考えていましたか。

「準決勝が終わって、まずは諸々のケガを直す時間に当てて。でもRoad toUFC決勝戦が12月9日にあるから、その時にどこかで試合をしたいと思っていました(※その後、Road to UFC決勝は延期となっている)。決勝戦のリザーバーとかの話もあったのですが、それだと試合はないだろうし。海外も考えていましたが、時間もなかったので……」

──えっ、だから12月9日のGladiator参戦なのですか!!

「もともとグラジと〇〇〇〇〇はRoad to UFCの前から声を掛けてくれていました。日本で試合をするなら、そのどっちかになると思っていたんです。で、グラジエイターは日程がRoad to UFC決勝と同じだったので『良いじゃん』と思って。この日に戦うのは禊です。自分のせいで負けたので、自分でケツを拭かないと。

やるなら強い人とやりたい。それには外国人選手と肌を合わさないと本当のところはどうだと分からないので。そういう意味で最初に名前が出た候補とか、グラジエイターは色々と考えて用意してくれていました」

──結果的にその候補がまとまらなかったわけですね。そこでシン・ジェヨンという選手と戦うことになりました。

「スパンが短かったこともあるし、自分も直近は負けているので相手にとって美味しくない。強い人に断られてしまうのはしょうがないです」

──話を伺う限り、12月に1試合を戦ってRoad to UFCから声が掛るのを待つということでしょうか。

「Road to UFCしか選択肢がないなら、Road to UFCですよね。そのRoad to UFCが5月スタートなら、その前にもう1試合する形かと。だから12月の早めに試合を戦いたかったんです。1月になると、次の試合をするとなると時間が欲しくなりますし。2月にも試合の話があって。そのタイミングで試合をする方が、何もしないで待っているより良いと思います。負けて、そのままで声が掛るほど甘くはないので」

──モンゴル勢や竹中大地選手もいるグラジですが、ベルトを狙ったり継続参戦というのは? 練習仲間の狩野優選手などは『国内で日本人選手と戦えば、どれだけ上久保選手が強いかを知ってもらえる』と言っていましたが。

「う~ん、何というですかね。もう一つの団体からは日本選手でオファーをくれました。でも、さっきいった最初の候補に〇〇・〇〇〇〇が入っていたんです。あの名前を見た時に『いいじゃん。やりたい』って。あの名前を見た時に感じた想いが、日本人選手の対戦候補には起きなかったです。やっぱりテンションの上がり方が違って。ONEでトロイ・ウォーセンとやった時も『やりたい』って最初に感じて。それが、グラジエイターが最初に出してくれた候補……複数の候補にはめっちゃあったんです。

国内の選手云々でなくて、僕が日本の選手にそういうことを感じなくなってしまっているだけかもしれないです(笑)。知らない強いヤツ、誰もが強いと思っているヤツとやりたい。そこで最初の候補は日本人との対戦もあって、ほとんど勝っている選手だったので。ときめくか、どうか。そこはありますね。あの候補を見て、グラジエイターは自分のやりたいことに乗ってくれているのを感じました。

だから日本人対決に関しては、期待してくれるのは嬉しいですけど……。竹中選手にしても、ONEに出始めた時に自分が竹中選手と並び立つなんて思っていなかったので。並ぶだけで良いと勝手に思っています。当時、竹中選手は無敗の修斗のチャンピオンだったので。そもそも、僕のなかで特定の誰かと戦いたいとかは全然なくて。理想はここで勝って、Road to UFC。あるいはUFCに通じるとこから引っ掛かるのか。UFCを目指さないと、何のために強くなろうとしているのか分からないから」

──6年2カ月振りに日本でMMAを戦うことは?

「意外と何もないです。それに大阪なので、遠征している感覚だし。海外は試合のことだけを考えていれば良いのですが、大阪でも国内の試合なのでアレコレとやらないとはいけないですけど。ただ国内で外国人と戦うので、珍しくホームになるので……ある意味、楽なところはありますね」

──負傷があったとはいえ、8月の敗北を経て練習内容など変えた部分はありましたか。

「体の負荷を減らさないといけなかったので、MMAの練習量を減らしました。そこで色々考えて、ただ練習の中身を変えたのは負けたことよりも、吉野(光)選手のセコンドでUAEWについて行ったことの方が大きいです」

──10月17日のUAEW45、リネット・ハバロフに2RでTKO負けを喫した試合ですね。そこで何を感じたのですか。

「大会全体もあるし、吉野君の相手が同階級で7勝0敗。ヌルマゴのジムに所属していた選手で。吉野君とは肌を合わせていて、強い部分を出していけば勝負どころを創れるという作戦を色々と立てていました。ただ思っていた以上に、通用しなかった。吉野君は『自分の実力不足です』とは言っていたけど、それ以上に何かちょっとこう……これまでやってきたことは間違いじゃなかったのかと結構ショックだったんです。

正直、自分が負けた時よりも……。今までやってきたことが間違っていたかもって、凄く考えました。他の試合も見て、ヌルマゴのチームと戦い、通用している選手や勝っている選手もいました。キルギス人選手とか勝っていて、彼らの試合を見て『何かを変えないとダメだろう』って思いました。

あまり良い言い方じゃないですけど、日本のMMAのレベルの話をした時に韓国、中国の次という風にいわれるようになったじゃないですか」

──はい、アジアにおいて。

「それにフィリピンも強くなっていて、正直──世界的に見ると下から数えた方が早いんじゃないかって。個々の力で突破できることはあっても──藤田大和選手が、カザフスタンの戦績の良い選手に勝ったように。そういう選手が時折り出てくるかもしれないけど、全体的な総数を見た時に日本人はどれぐらい強いのかと考えると、インドネシアの次ぐらいじゃないかって……。このままじゃ、日本人でヌルマゴのチームと10対10で試合をしましょうってなると、0勝10敗になる。そんな風に思うぐらい、ショックでした。

日本だけで練習していると、う~ん、日本人のなかでは強くなれるかもしれないけど、UFCのチャンピオンになれない。海外に練習に行くのもそうだし、根本的に練習への向き合い方、考え方から変えない限り──敵わない。ジムの設備とかあるのかもしれないけど、変えられる部分から変えていかないといけないと考えるようになりました。もう年齢的にも焦って、直ぐに変えないといけないと思った部分はあります」

──この国のMMA業界は世界的な強さを手にするという方向に向いていません。必要なのはLFAでありContender Seriesであって、KSWではない。でも、業界を変えることは一選手ではできないです。

「MMAを練って考えていたものが、UAEWで打ち砕かれて……。今、やれることはまずは自分を変えること。自分が練習で思っているテーマを変えました。本当は大人数で同じ考えでないといけないのですが、まずは身近の人たちから、と。監獄の人たちは考え方も似ているので、そこから変えて行こうかと。

だたし、自分達が今やっていることが正しいとは限らないです。正しいと思った方向に進んでいれば、変えようという考えが広がっていく。別に日本を強くしようなんて考えはないけど、自分の練習環境を良くするために回りに強くなってもらいたいという感じです」

──監獄グルグルの2分のスパーリングでは、あの速いペースで戦えるものなのかと驚かされました。

「ペースはだいぶ上げました。これまでは2分という限られたなかで丁寧に一つの山を創ろうという形だったのですが、ミスをしても良いからとにかくペースを上げること。山場を2分の間にいくつも創るのが、今のテーマです。

やっぱりリズムの違いっていうのは、大きいし。如何に早く自分の流れにもっていけるのかを大事にする。それが今、意識していることです」

──リカバリーも早くなっていないですか。練習のなかで矢継ぎ早に動くので、バックを取り切れないで落とされることも出てきた。そこからのディープハーフからスクランブルなど立て直しが目を見張る速さでした。

「本当ですか……」

──ロータス世田谷でのグラップリングとは明らかに目的が違うことも伝わってきました。

「ロータスでは5分のグラップリングを回していて。5分を2分、2分、1分と考えて、2分を2回取れば絶対にラウンドを取ることになります。なので最初の2分を如何に取れるのか。そこのアプローチを変えて……手数、種類を増やし、今までやっていなかったことを試す。当然、失敗します。でも練習で失敗するのは全然構わないので。これまでミスを少なくするためにアタックが少なかったと思います。そこも大事なのですが、練習でやっていると失敗が少ないから、自分のなかの色々な判断材料も少なくなってしまうのかなって考えて。情報収集もかねて、色々とやっています」

──新たな技術を手にすることも考えていますか。

「ハイ。色々やりたい技もあるし、体のケガも多いから同じことを今までのようにできなくなる。なら武器を増やすことが必要になってきています」

──12月の試合でも、そのペースという部分を試すことはあるのでしょうか。

「う~ん、今やっているペースを出す……ことが間に合えば良いですね。UAEW後から取り組み始めたことなので、間に合えば良いなぁ……と。ただ間に合わなくても、この間に取り組んできたことは絶対に無駄にならないので。やっているペースなり、アタックの部分とかは出せるようにしたいと思います」

──全てはUFCに辿り着くために?

「これが僕のRoad to UFC──ずっとRoad to UFCです」

■【Flash】上久保周哉の対戦相手が、ペ・ジョンウに変更

6日(水)、Gladiatorより9日(土)、豊中市176BOXで開催されるGladiator024で上久保周哉と対戦予定だったシン・ジェヨンが、練習中に負傷しエキストリーム・コンバットの同門ペ・ジョンウが代役出場すること発表された。

ペ・ジョンウは1995年12月31日生まれの27歳。テコンドーとボクシングの経験があり、ブラジリアン柔術は青帯で韓国軍士官服務時代にはテコンドーとボクシングの教官を務めていたというが、今回がMMAデビュー戦となる。

同ジム所属でRoad to UFCバンタム級決勝戦を控えるイ・チャンホのトレーニングパートナーであるペ・ジョンウは、スクランブル発進&初陣にも関わらず──さらには上久保の承諾の知らせを聞く前から、自ら航空券を抑え今回の試合出場に尋常でないやる気を見せていたという。そんなペ・ジョンウのこの試合に向けた意気込みは以下の通りだ。

ペ・ジョンウ
「昨日までにもイ・チャンホのRTU決勝戦準備を一緒にしたので、4日前のオファーでも問題ないです。このところ、トレーニングキャンプで毎日のようにハードトレーニングをしてきたので、今はもう減量に集中するだけで、むしろ楽な状態です。

上久保選手のような強いファイターと試合ができることになって光栄です。上久保選手には楽しい試合をしようとお願いしたいです。本当にお願いします」

■視聴方法(予定)
12月9日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator024対戦カード

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
宮川日向(日本)

<フェザー級/5分2R>
袖裂雄貴(日本)
福山佳祐(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
今村滉(日本)

<GLADIATORライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
田中有(日本)
グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分3R>
竹中大地(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
上久保周哉(日本)
ペ・ジョンウ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
中川皓貴(日本)
バットオチル・バットサイハン(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
じゅん(日本)
高橋孝徳(日本)

<フライ級/5分3R>
澤田政輝(日本)
イ・スンチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
和田教良(日本)
シン・ジェヒョク(韓国)

<バンタム級/5分3R>
南友之輔(日本)
健太エスペランサ(日本)

<バンタム級/5分3R>
吉田開威(日本)
フェルナンド(ブラジル)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
スモーキー(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
木村柊也(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
伊藤琥太郎(日本)
辻本涼太(日本)

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【ONE FN16】三浦彩佳。2年半振りの勝利とこれから─02─「日本人から見ても変だから、海外のほうが」

【写真】勝利後の涙までが、三浦の試合(C)ONE

11月4日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されたONE Fight Night16で、モン・ボーに勝利した三浦彩佳のインタビュー後編。
text by Shojiro Kameike

モン・ボー戦で手にした2年8カ月振りの勝利は、同時に三浦にとってはONEストロー級タイトル戦線へ復帰する切符でもあっただろう。ONE日本大会の開催も決まった2024年、三浦が自身の歩むべき道を語る。

<三浦彩佳インタビューPart.01はコチラから>


――ボトムから相手の首に左腕を回し、袈裟固めに持ち込みました。最後に腕をアメリカーナの形で極めるアヤカ・ロックばかりが注目されがちですが、袈裟固めの抑え込み方も……エグいですよね(苦笑)。この時点ですでに腕だけで相手の喉仏を圧迫しています。

「はい。袈裟固めの時もなるべく密着するようにしているので、あの形になっただけで苦しいと思います。おそらく一般の方ならタップしますね」

――なるほど。勝利したあとは長南さんに抱き着き、号泣しながらの三浦彩佳劇場が展開されていました。久しぶりの勝利ですし、やはり平常心は失うものですか。

「アハハハ。試合が終わった瞬間は、『やっと勝てた!』と思っていたぐらいでした。でも横を向いたら、長南さんがダッシュで私のところに来ていて――それが嬉しかったんですよね。あとで聞いたら、私はコンディションも良くて試合前日も爆睡していたのに、長南さんは試合の前日に寝られなかったらしくて。私が長南さんにMMAを教わり始めてから10年の歴史が凝縮されたよう試合でした。勝つことができて、本当に一安心しています」

――試合前は『勝ったら全て言いたい』と仰っていましたが、なぜかあの試合内容と結果で中継では三浦選手のインタビューがありませんでした。試合前に言いたかったことは、試合後に全て言えたのでしょうか。

「それなんですよ! 勝ってインタビューがないのは初めてで(苦笑)。たぶんチャトリさんは怒っていたんじゃないですか?」

――なぜチャトリ代表が怒るのですか。

「チャトリさんとしては、モン・ボー選手に勝ってほしかったんじゃないかと……」

――それは本人に聞いてみないと分かりませんが、有り得るかと。同時にチャトリ代表個人の感情で勝利者インタビューが中止にはならないでしょう。ただ今までもそうですし、今回の試合についても、自分の勝利を望まれていないという意識はありましたか。

「ONEの人たちがどう考えているかは分からないです。でも今のMMAは、世界中で中国人ファイターの勢いが凄いじゃないですか。しかもモン・ボー選手が所属しているのは中国で一番評価されているチームの一つで。中国からの応援団もすごくて、タイで試合をしているのにアウェイ感が強かったです。シンガポールで試合をした時も、中国人選手の応援がすごかったからアウェイ感があって――」

――つまり、三浦選手としては「自分はモン・ボーに対する噛ませ犬ではないか」という気持ちもあったわけですね。

「だから今回ばかりは、本当に集中できていました。いつもはニコニコしていますけど、今回はずっと相手のことを見ていて」

――先ほど三浦選手が仰ったとおり、今のMMAワールドでは中国勢の強さが目立ってきています。ONEだけでなく、昨年と今年のRoad to UFCも中国勢のためのトーナメントかと思わされるほどです。

「ONEのスタッフさんも観客の皆さんも、ずっとフレンドリーであることは変わりないです。でも会場の雰囲気は、ONEに出始めた頃はもっと日本人選手に温かかったかなって印象はありますね。でも、その場所で戦うしかない。私も慣れてきましたし、ずっとONEで試合をしてきたからファンの方も応援してくれているのかなって感じることもありますね。それは私にとって、すごく恵まれた環境ではあると思います」

――今回、モン・ボーに勝った直後はいかがでしょうか。

「皆さん、すごく温かったですね。すごい拍手をくれて、会場でも控室でも皆さんから『おめでとう』と声を掛けてもらったり」

――それは良かったです。今回の勝利で、ONEストロー級戦線で生き残ることができました。目標であるシィオン・ヂィンナン戦まで、どれだけ近づいたと思いますか。

「モン・ボー選手に勝ったことで、彼女がいたポジションをもらったと思います。だから、いつ再戦の話が来てもおかしくはないと考えていて。すぐにシィオン・ヂィンナンとの再戦でなくても、去年の4月に私が肩を脱臼して負けたダヤニ・ソウザとのリベンジマッチとか。あるいは今年7月にワンダーガール(ナット・ジャルーンサック)に勝ったリサ・キリアコウも、対戦候補として挙がってくると思うんですよね。

もちろん他の選手との試合もあるでしょうし、とにかく今のONEで試合をするには『いつ試合の話が来ても良いように準備しておく』ことも必要かもしれないですね。それにダメージもないし、追い込み練習の疲労も抜けているので、すぐに次の試合に向けた練習にも取り組むことができます」

――中国勢の応援が強いなかで、モン・ボーに勝利した。ではシィオン・ヂィンナンと中国で戦っても大丈夫ではないかというぐらい、ハートも強くなったのではないですか。

「もしONEが中国で大会を開催するなら、再戦が中国になる可能性もありますよね」

――一方で、年明けに開催が噂される日本大会には出場したいですか(取材後、2024年1月28日のONE日本大会が発表された)。

「日本大会についてはモン・ボー戦が終わったあと、いろんな人に聞かれるんですよね。でも正式には聞いていないし……。日本大会が行われるなら、もちろん出たいです。でも日本大会に限らず、どんどん試合をしていきたいです。いつお話が来ても、パッと出られるように準備もしておくので。

特にシィオン・ヂィンナンと再戦できるなら、日本大会にはこだわりません。これは長南さんに言われたんですけど――海外に行くと日本とは違う文化があって、日本人からすると変だと思うこともありますよね。でも私は日本人から見ても変だから、海外のほうが合っているんじゃないかって(笑)」

――アハハハ。海外で戦おうとしている三浦選手に対して、長南さんらしいエールの送り方ではないですか。

「今は海外でも一人でショッピングモールに行けるし、試合ができるなら何処でも良いですね。『ここで試合がしたい』なんて思いすぎていると、違う場所になったら残念な気持ちになっちゃいますし。それより『いつでも試合できますよ~』というほうが、気持ちも楽で。

むしろ生活を変えないほうが、体への負担も少ないんですよ。だから常に試合ができる状態にしておいて、その生活を変えずに『2週間後に試合? やります!』と言えるぐらいの身体と精神になってきていますね。それだけどんどん試合をしていきたいです」

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【修斗】プロフェッショナル修斗2023 Vol.8“FIGHT&MOSH”

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お昼のCOLORS Produce by SHOOTO Vol.2 “FIGHT&MOSH”に続いて豊洲PITで開催されたプロフェッショナル修斗2023 Vol.8“FIGHT&MOSH”。こちらもメインでは世界フェザー級チャンピオンシップが配置され、さらにはレジェンド岡見勇信の修斗初参戦。そして修斗で初めて2階級制覇を達成したマモルの引退エキシビションマッチなどバリエーション豊かな大会になりました。


【第2試合 フライ級】
×内藤頌貴(パラエストラ松戸)
(2R 三角絞め)
○石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)
前進してパンチをでプレスを掛けていた内藤。しかし逆に石井のパンチを被弾するとテイクダウンを許して形勢逆転。2Rに内藤の飛び膝をかわした石井がまたもテイクダウン。バックに周ってチョーク、下になりながら腕十字と仕掛けて最後は三角絞め。これで内藤は失神して石井が鮮やかな一本勝ち。まさかここまで差が出るとは。。。フライ級に戻して石井は凄味を増している。試合後にはフライ級王者の新井丈に宣戦布告。落ち着いたかに見えた修斗フライ級がまた荒れてきた。


【第3試合 フライ級】
〇猿丸ジュンジ(修斗ジム東京)
(1R TKO)
×安芸柊斗(MMAZジム)
予想外の短時間決着。勢いと若さで安芸が圧倒するかと思いきや、開始直後に猿丸のパンチがヒット。安芸がバランスを崩したところを上になってあっと言う間にパウンドアウト。現在進行形で現役バリバリの安芸に勝って引退なんてもったいないけど、かっこよすぎる。試合後の「修斗がずっと続きますように」というマイクも痺れました。


【第4試合 68kg契約】
〇リオン武(RISING SUN)
(2R TKO)
×内藤太尊(ROOTS)
4年半ぶりに復帰したリオンですが見えない右ストレートは今だ錆び付かず。じわじわと前に出てくる内藤に対して距離を取ってカウンターの右ストレート一閃。パンチが効いて背中を向けた内藤に右のパンチで追撃してTKO勝利。継続して試合をするかは別にして定期的に試合をするとなれば、バンタム級、フェザー級の台風の目になる可能性も。。。


【第5試合 マモル引退エキシビションマッチ】
マモル
(勝敗なし)
漆谷康宏&清水清隆& 佐藤ルミナ
Xとなっていた対戦相手の最後の1枠はまさかのルミナ。何とも心憎い演出。令和のRIZIN世代にはピンと来ないかもしれませんが、マモルはMMA冬の時代の軽量級戦線を支えてきた立役者。修斗で2階級を制覇したばかりか、パンクラスでも王座を戴冠した戦績はレジェンドと言うに相応しいでしょう。引退セレモニーもシンプルかつアットホームで非常によい雰囲気。マモルが指導した選手が修斗で活躍してくれる事に期待。お疲れ様でした!


【セミファイナル 第6試合 ミドル級】
〇岡見勇信(EXFIGHT)
(判定2-1)
×キム・ジェヨン(NOVA MMA)
岡見の試合をまた日本で、しかも修斗で見る事になるとは。。。どこか非現実感のある対戦カード。UFCで活躍していた全盛期の圧倒的な攻撃力はありませんでしたが、最後まで泥臭く組み付いてパンチ打っていく姿もまたMMA。アスリートとしてピークを越えてもなお現役に拘る岡見に最敬礼。


【メインイベント 第7試合 修斗世界フェザー級チャンピオンシップ】
〇SASUKE(マスタージャパン東京)
(3R TKO)
×田中半蔵(FUN'S)
2年連続でROAD TO UFCに出場してUFC参戦を目指したものの成就しなかったSASUKE。心機一転しての修斗参戦。絶対に負けられない試合でしたが、やっぱり修斗での安定感は抜群。3Rには膝蹴りを効かせてダウン気味にタックルにきたのを潰してパウンドアウト。王座防衛に成功しました。修斗では抜きん出た存在だけにやはりUFC参戦に拘りを見せるかのか。個人的には群雄割拠のRIZINフェザー級に打って出ると俄然面白くなると思いますが。。。2024年のSASUKEに注目が集まります。