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【Shooto2024#01】17歳、根井博登─02─「高校生のうちにベルトを獲る。修斗の最年少記録を更新したい」

【写真】プロデビュー戦は沖縄大会。「新井丈とやりたい」という勝利後の発言は、鶴屋先生に言わされたそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2024#01-1で、ストロー級新人王決定トーナメント決勝で麻生Leg Lock祐弘と対戦する根井博登のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

数々のアマチュアMMAタイトルを制し、プロデビュー後は2勝1分で新人王決勝に進んだ根井。アマ時代からの実績から考えれば、決して満足のいく結果ではない。しかし、自身に足りないものを理解できている17歳は、すでに新人王の先を見据えている。


――パウンド無しのアマチュア修斗への出場と並行して、プロの試合に向けてパウンドの練習もしていたのですか。

「練習でパウンドを当てることはなかったですが、ポジションを取ってパウンドを打つ形の練習はしていました。しっかりとパウンドを当てたのは試合が初めてです」

――2023年のDEEPフューチャーキングトーナメント決勝も、根井選手のスタイルをよく表しているかと思います。対戦相手の氏原魁星選手が声を挙げながら脱出しようとしているのに対し、根井選手が無表情で削り続けるという。

「いやぁ、どうなんでしょう……(苦笑)。表情を変えないようにしていますが、実は試合中に焦ることもあります。アマ修斗全日本の1回戦目でトップを奪われたり、準決勝ではバックに回られて焦りました」

――その焦りが表情に全く表れませんね。これまで最も焦った瞬間は、どのシーンでしたか。

「プロデビュー戦です。開始早々に相手の右ストレートを避けたつもりが、鼻に直撃してメチャクチャ痛かったです(苦笑)。あの試合はずっと焦ったまま試合をしていました。なかなか自分に有利な体勢にも持っていけなくて」

――とはいえ、グラウンドに持ちこむとすぐにRNCを極めて勝利しました。これまでプロで3戦を経験し、2勝1分という戦績です。ご自身としては試合内容について、納得いっていますか。

「プロデビュー戦以外は、なかなか自分が有利な体勢に持ち込めていないです。2戦目は倒してもすぐ立ち上がられました。3戦目なんて自分がテイクダウンされ、下になったままだったので最悪の展開です」

――これだけアマ時代に実績がありながら、プロでは苦戦することもある。アマとプロで何か違いは感じましたか。

「う~ん、それが自分では分からなくて難しいです。ただ、プロの試合だけでいうと、2戦目は相手がストライカーでした。自分としては絶対に極めようと思っていたけど、極められずに……。自分はテイクダウンはできても、抑え込むのが下手だったと思います。

3戦目はグラップラーを相手に、打撃で攻めて判定勝ちしようと考えていたら、うまく行きませんでした。相手がテイクダウンに来ることは分かっているのに、自分は高く構えて、そのまま倒されたり。やっぱりアマチュアの時と比べたら、プロの試合では相手も立ち上がるのが巧いし、力も違いました」

――根井選手は16歳で仕方ないところかもしれませんが、まだ線が細いところはあるものの、体型がガッシリしていますよね。

「はい、筋肉は付きやすいほうだと思います。あと、父は高校2年生から5~6センチ伸びたらしくて、自分ももっと伸びたら良いなぁと考えています。これは変な考えかもしれないのですが、将来的にストロー級ではなくもっと重い階級で戦っていきたいです」

――別に変な考えではないでしょう(笑)。重い階級とは、どのあたりまで考えていますか。

「フライ級……できればバンタム級まで上げたいです」

――中学時代は鶴屋怜選手からレスリングを教わっていたそうですね。ご自身が指導を受け、フライ級でRoad to UFC決勝に進んでいる鶴屋選手の存在は大きいですか。

「存在は大きいです。でも強すぎて……自分は片腕でやられてしまうぐらい、レベルが違いすぎます。『今回も勝ったんだなぁ』と嬉しい気持ちになありますが、今のところ『自分もUFCに出たい』と考えられるようなレベルではないです」

――では現時点で、MMAを戦ううえでの目標を教えてください。

「RIZINに出て――お金が欲しいです」

――正直で良いと思います! ちなみに同年代の中で、RIZINをはじめMMAの認知度は高いのでしょうか。

「朝倉未来選手の人気が高く、その影響でRIZINを知っている人は多いです」

――周囲の同級生は、根井選手がMMAをやっていることは知っているのでしょうか。

「何人かは知っています。ただ、僕は人とコミュニケーションが取れなくて……友達がいなません(苦笑)。それでも『次の試合はいつ?』とか声を掛けてくれる人はいます」

――コミュニケーションの点も今後に期待しましょう! 次の対戦相手、麻生選手について印象を聞かせてください。

「印象——足関節ですね。最近は一つの技だけを突き詰めようとしている選手は少ないと思うんです。そういうタイプの選手と対戦できるのは貴重な経験なので、試合を楽しみにしています。面白いことをやってくる選手ですし、自分も対抗できるような面白い技を準備しています」

――新人王トーナメントで優勝した次のことは考えていますか。

「プロデビューしてから、西川大和選手が最年少でベルトを巻いたと知りました(※西川は18歳9カ月で修斗世界ライト級王座を獲得している)。僕の目標は高校生のうちにベルトを獲ることで、修斗の最年少記録を更新したいです」

■視聴方法(予定)
1月28日(日)
第1部 午後12時30分~ ABEMA格闘チャンネル
第2部 午後17時30分~ ABEMA格闘チャンネル             

■第2部対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]藤井伸樹(日本)
[挑戦者]須藤拓真(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
吉成はるか(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
杉本恵(日本)

<バンタム級/5分2R>
人見礼王(日本)
榎本明(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊集龍皇(日本)
藤田ムネノリ(日本)

<ストロー級/5分3R>
黒部和沙(日本)
大田ノヒロ(日本)

<フェザー級/5分2R>
岡田逹磨(日本)
椿馨(日本)

<フェザー級/5分2R>
加藤裕彦(日本)
歩生(日本)

■第1部対戦カード

<フェザー級/5分3R>
TOMA(日本)
齋藤翼(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
ヤックル真吾(日本)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
鈴木崇矢(日本)

<バンタム級/5分2R>
永井奏多(日本)
HAMMER KATU(日本)

<2023年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
根井博登(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)

<2023年度新人王Tフライ級決勝/5分2R>
亮我(日本)
永留惇平(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
JAM(日本)
磯城嶋一真(日本)

<2023年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
ネイン・ディネッシュ(日本)

<2023年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
グ・ジユン(日本)
嵯峨“ゴーレム”健史(日本)

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【Black Combat10】日本勢1勝4敗。しかめっ面の裏にある佐伯さんの本音「プロモーターとして僕の勝ち」

【写真】インタビュー開始直後の表情と、終了時の違い。これぞプロモーター!!(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)に韓国はソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)でBlack Combat10「Night in Seoul」が開催された。
Text by Manabu Takashima

K-MMA界で日の出の勢いを見せるBlack Combatの2024年スタートの一戦は、会場を訪れたファンは20代と10代が占め、明らかに他のK-MMAイベントは違う空気のなかで実施された。日本人選手に対しても、ブラックダイヤモンド=須田萌里、アイアンスパイダー=大原樹理などBlack Combat特有のリングネームをファンは叫び、イベントを彩る一人のキャストとして完全に認識している。

1年間の交流で対抗戦を名乗る必要がないほど、協力体制が整ったDEEPとBlack Combatだが日韓対決になると、圧倒的に日本勢の分が悪い。今大会も5試合が組まれた日韓戦は1勝4敗という散々な結果に終わった。とはいえ、この数字には表れない課題がBlack Combatにも感じられるのも事実──。

ケージの中とケージの外。同大会の閉会式が行われている最中、視察に訪れていたDEEP佐伯繁代表に話を訊いた。

■Black Combat10における、日韓対決結果

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>キム・ソンウン(韓国)Def.1R1分31秒 by KO駒杵嵩大(日本)

<ライト級/5分3R>ファン・ドユン(韓国)Def.1R2分03秒 by KO大原樹理(日本)

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>パク・シユン(韓国)Def.3-0:30-26.30-27.29-28須田萌里(日本)

<フェザー級/5分3R>パク・チャンス(韓国)Def.3-0:29-27.29-28.29-28中村大介(日本)

<バンタム級/5分3R>山本聖悟(日本)Def.3-0:29-27.29-28.29-28.イ・ソンウォン(韓国)


──対抗戦ではないですけど、事実上DEEP勢の惨敗という形に終わってしまった感があるのですが……。

「頭が痛いねぇ(苦笑)。Xでも色々と書かれていますけど、言われたように今回は対抗戦ではないです。もうBlack Combatの興行の一部として、DEEPの選手が出場しています。だから自分の意識としては、DEEPの負けとかっていうことは余りないんです。でも、まぁそういう風に思われますよね」

──佐伯さん的には今回の日本勢の星取りはどのように予想していましたか。

「う~ん……駒杵(嵩大)選手はぶっちゃけて言うと、普通に勝つと思っていました。大原(樹理)選手もまぁ大丈夫。中村(大介)選手は厳しい。対して須田(萌里)選手は五分五分、山本(聖悟)は勝つと思っていたので、まぁ悪くても3勝2敗は行けるかと」

──結果的に駒杵選手は相手の体重オーバーがありましたが、変則タイトルマッチでありながら敗北した時にはノーコンテストとはならないというルールでTKO負け。日本人選手の勝利は山本選手だけでした。

「ただ須田選手と大原選手に関しては、現状は物言いがついている状況です。須田選手の試合はグローブ掴みの反則。大原選手の試合はストップが早いというところで。

大原選手は、そこまでは良い流れでしたし。ここで1勝4敗になるのか、Black Combatの主催者がどういう判断をするのか──ですね」

──K-MMA界で破竹の勢いがあると見られていたBlack Combatですが、競技運営面という部分で思わぬ落とし穴がありました。メインが3Rで決着がつかず、延長ラウンドに突入して急所蹴りでノーコンテスト。力技が裏目に出たような気もしました。

「まだ2年ですしね。ウチも活動開始当初は、ホントに色々とありましたから。今ではJ-MOCさんがいるけど、ここに来るまでルールを変えたりして。今日も僕だったら『こうするな』というのは持っていても、彼らもまだ経験がないから。

僕は選手を送り出している反面、自分が主催者でもあるから、その側面も見てしまうんですよ。抗議をしましたが、それは選手のためであって。同時に競技運営陣が残念だったという話になると、その残念な状況の団体に選手を出している自分の責任になります」

──そこまで、責任を感じますか。

「まぁ、実際はそうなっちゃう。経験が信用を生むのは絶対で。まだ2年のBlack Combatでこんなことが起こると、アウェイだからっていう話になってしまう。でも、僕らがやっていても外国人選手がアウェイ判定で負けたというけど、J-MOCさんとやっていて、そんなことは絶対にないですからね」

──MMAは判定が割れる競技ですが、近年の日本のMMA大会で力技のホーム判定など皆無です。

「アウェイ判定で負けたというのは、失礼な話ですよ。そういうことができない競技運営陣とやっていますからね。だから、彼らがそういうつもりがなくても経験不足で、このようなことが起こると、韓国ではホーム&アウェイがあって一本で勝たないとダメだとかっていう風になってしまうんですよ」

──そこは避けたいです。

「だからこそBlack Combatも今日のようなことを経験して、成長していってもらわないと。日本人選手の試合でこのようなことを起こった時、『分かっていて、出ているだろう』なんて言われてしまうじゃないですか」

──そうなってしまいますね。なら、出るなという空気ができると本当に台無しで、勿体ないですし。

「そういうことなんですよ」

──と同時に日本勢が挑戦する立場になる流れは止められないのかという気もしました。

「それはですね……僕らも今日、負けるつもりで選手は出していない。ただDEEPのトップはご存知のようにRIZINに行っているので。ファイトマネーに合わせて、選手を出している。それはDEEPもBlack Combatも同じで。団体のトップ全てが出ているわけじゃない。

牛久(絢太郎)選手、元谷(友貴)選手、武田(光司)選手にRIZIN級のファイトマネーを支払うことができれば、皆、出しますよ。でも、それはできない。RIZINとかメジャー団体とは予算が違うから。Black Combat側がどう思っているのかは知らないですけど、僕はやれる範囲でやっているという認識でいます」

──とはいえ、予算内の人選でも勝てるという認識でいたことはなかったですか。

「そういう部分でいえばBlack Combatの方がハングリーな選手が多いですね。それと対抗戦に向けて予選まで開いていて、そこから上がってきた選手は強いです。加えて、韓国の選手は自分の国で戦うとさらに強くなる。日本で戦う時とは違っていますね。

だから僕の意識は協力して、色々なモノが創れているのかなっていうことで。大体、Black CombatにDEEPのチャンピオンが3人いるわけで。今回の大会にもDEEPに出たことがある選手が何人もいて、どっちがどっちというのはなくなって来ていますよね、もう。

3月9日のDEEPでイ・ソンハに江藤(公洋)選手が挑戦して、24日のDEEP JEWELSではパク・シユンで伊澤(星花)選手が挑戦するじゃないですか」

──ハイ。

「今の伊澤選手に勝つようなことがあったら、パク・シユンが世界一ですよ。それは大変なことですよ。

Black Combatでなくても、シン・ユリがRIZINに出る。韓国の皆だって出たいと思っているし、その架け橋になれれば良いですね。韓国の良い選手をRIZINに繋げるというのも。とはいってもBlack Combatも独特な世界観を持っているので」

──それが価値観でもあって。

「そこです。僕らはRIZINがあって、自分らがいるって弁えているじゃないですか。それがRoad FCにしてもBlack Combatにしても自分達がナンバーワンというメンタルでいるから(笑)。そういう時には、彼らは僕らのようにできるのか。

例えば福田(龍彌)選手が3月大会に出場するけど、その次はRIZINかもしれない。色々なところから声が掛かるでしょうし、Road to UFCに出たい選手だっている。だから僕はRoad to UFCを目指す選手は、3月大会に出るのはやめた方が良いという言い方もしています。Road to UFCに出られないなら、5月大会でオファーを出すからと」

──その柔軟性がBlack Combatにあるのか、ということですね。と同時にBlack Combatと今の関係が続くと、日本では難しくてもここで輝く選手が生まれる可能性もあります。

「だからこそ、一緒にやっているわけです。ビジネス面だけでいえば、別に僕に儲けはない。選手として、海外で試合経験を積めるのは良い経験だし、ウチとしても選手を多く抱えているので、こっちでチャンスを得ることができる選手が生まれるのは良いことです。それが僕にとっての利点ですよね。

Black Combatも育成大会を増やしてくプランがあるようで、そこに日本から経験の少ない選手なんかを送り込むことができるよう話しています。ファイトマネーもBlack Combatの予算に合わせて。海外で経験を積みたい選手が、2時間や3時間で来ることができる韓国で試合をすることは凄く良いことだから。そこが僕にとってのメリットですね。だから自腹でここまでくるわけです(笑)。

ぶっちゃけて言うと、ここでまた『DEEPが負けたぁ』とファンが思ってくれるのは、プロモーターとして僕の勝ちなんです。そうやって一つのムーブメントを創っている。9月の対抗戦の負けも、僕からすると『しめしめ』でした(笑)」

──押忍(笑)。大会視察終了直後にありがとうございました。

「これから須田選手と大原選手の件で、色々と話し合わないといけないので。ここからも本番です」

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45 DWCS MMA MMAPLANET o PFL Road to UFC Special UFC YouTube パンクラス 中島太一 久米鷹介 井村塁 国内MMA 河村泰博 海外 田嶋涼 透暉鷹 鶴屋怜

【Special】J-MMA2023─2024、透暉鷹─02─「UFCでベルトを巻く」「海外の元UFCファイターと戦いたい」

【写真】この大きなベルトを巻いたことが、どのように海外につながっていくのか(C)MATSUNAO KOKUBO & SHOJIRO KAMAIKE

J-MMA 2023-2024、第十一弾・透暉鷹インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

パンクラス2階級制覇を果たした河村泰博戦について振り返ってもらった前編に続き、後編は気になる今後について訊いた。UFCとの契約を目指す透暉鷹が希望するのは、海外での試合あるいは海外の強豪との対戦——何よりUFCへと直結するRoad to UFCやDWCS出場だった。

<透暉鷹インタビューPart.01はコチラから>


――国内MMAではフライ級とバンタム級の層が厚いと言われています。そのなかで、「バンタム級の自分は強い!」と思いましたか。

「いやいや、まだそれは言えないですよ(苦笑)」

――しかしバンタム級で戦っていける自信はついたかと。

「それはありますね」

――となると、気になるのは今後です。海外で戦うためにバンタム級転向を選択した透暉鷹選手が、今後パンクラスで防衛戦を続けるのか。あるいはすぐに海外を目指すのか。

「まず前回のインタビューでも言ったとおり、バンタム級初戦がタイトルマッチになるとは思っていなかったんですよ。そこでパンクラスさんが僕の実績を考慮してくれて、暫定王座決定戦になった。そして正規王者の中島太一選手がベルトを返上して、僕と河村選手の試合が正規王者決定戦になって」

――はい。

「じゃあ次はどうするかというと、一番良いのは、今年もRoad to UFCが開催されるなら出たいです。RTUで3回勝てばUFCと契約できる、という目標が明確じゃないですか。しかもトーナメントだからコンスタントに試合ができる。もちろん自分のことを客観的に見ると、まだUFCのランカーやトップ選手たちと比べたら足りないところは多いです。今から、さらに実力を付けていかないといけないですよね。

そんななかで、『PFLという選択肢もあるよ』と言ってくださる人もいました。ただ、PFLはフェザー級以上でバンタム級がない。バンタム級に転向することも含めて自分自身の状況を冷静に見つめると、RTUからチャレンジしていきたいと思いました」

――パンクラスのベルトを獲得した場合は、防衛戦も含めて何か新しい契約事項が発生するのでしょうか。

「契約というより、まだ今後についてパンクラスさんとは細かい話し合いをしていなくて。チャンピオンはベルトを獲得してから1年以内に防衛戦ができなければ、王座返上——という規約は変わらないです。他のところで試合をすることは、話し合い次第だとは思いますけど、RTUの場合はどうなるのか……」

――現フライ級KOPの鶴屋怜選手がRTU出場中で、昨年クリスマスイブに暫定王座が制定されました。その例からいうと、RTU出場については特に規制はないのでしょう。ただし、まだ開催されるかどうか、開催されたとしてもスタート時期も明確になっていません。もしRTU開催まで期間が空いた場合、どのような試合をやっていきたいですか。

「そうですよね……。正直、格闘家ってそんなに長く続けられるものでもない。そして自分が目指しているのは、世界の強い選手と戦うことです。だから、どんどん強い選手と対戦していきたいですね」

――次の試合がパンクラスKOPの防衛戦という選択肢はない、と。

「難しいところですよね。今のバンタム級ランキングを見渡しても、お客さんが面白いと思ってくれるカードが組めるかどうか。日本国内の興行であれば、プロモーターもそういう目線になるじゃないですか。

たとえばランキング3位の井村塁選手がベルトに挑戦したがっている。そういう話も聞きます。でも井村選手は河村選手に負けていて、その河村選手に勝っている僕に挑戦するのは違う――という感はあります」

――その点では昨年4月、中島選手に敗れている現ランキング1位の田嶋涼選手にも同じことが言えますよね。パンクラス内のことでいえば、もう少し次の挑戦者を決める戦いが必要かもしれません。

「いずれにしても春ぐらいには試合がしたいです。やっぱりコンスタントに出たいので、前回が12月だから次は4月か5月か。去年は手術とかあって試合には出られなかったじゃないですか。二十代で試合がやれるうちに、年2~3回はやりたいですね」

――今年もRTUが開催されるとしても、エントリーして出場できるかどうかは、過去の実績も関わってくると言われます。確実にRTU出場を勝ち取ることができるような対戦相手が必要になってくるでしょう。

「はい。それに僕の目標はRTUに出場することではないので。RTUで勝ってUFCと契約し、UFCのベルトを巻くことです。そのための試合がしたい。勝ち星をつけるための試合とか、そういうものは望んでいません。できれば海外の元UFCファイターと試合をしてみたいですね」

――UFCを目指すうえで、RTUができたことでアジア勢の出場が途絶えたDWCS……。いや、UFCは難しいです。ただし、RTUがなければコンテンダーシリーズも選択肢に含まれてきそうですね。

「RTUが開催されないのであれば、DWCSも考えます。今は日本人選手がUFCと契約するためには、RTUやDWCSにチャレンジするしかないかなと思っていて。もし出られるならDWCSにも出たいです」

――RTUは3回勝てばUFCと契約できるのに対し、DWCSは試合内容によっては契約できない場合もあります。ある意味、一発勝負のオーディションですよね。そのRTUとDWCSの性質の違いについては考えますか。

「いや、そういうことは考えないです。DWCSだとフィニッシュする試合を求められるかもしれない。でも僕は、普段の練習から『漬ける』というようなことはやっていないので。DWCSでも自分の実力を出して、その試合を見せることができればUFCと契約できる自信はあります」


本文とは関係ないが、タイトル奪取後のバック宙はヒザをついて失敗した透暉鷹


今もstArtで修得に励んでいる──のではなく、コーディネーション・トレの一環


ちなみに久米鷹介は全日本バック宙選手権シャバーニの部出場に向けて猛特訓中だ


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45 AB Gladiator Gladiator022 KTT LFA MMA MMAPLANET o Progress Road to UFC UFC YouTube エド・ソアレス ダギースレン・チャグナードルジ チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル ハ・ドンシン パン・ジェヒョク ユン・ダウォン 櫻井雄一郎 河名マスト 竹内稔 竹本啓哉 長谷川賢

【Gladiator CS01】グラジがLFAへ選手派遣。新イベント=バンに挑戦、河名マスト「NO UFC, NO MMA!!」

【写真】どちらが勝っていてもおかしくなかった前回の試合から7カ月、次はどうなる?(C)MMAPLANET

25日(水)、PROGRESS実行委員会より2月16日(金)に会場非公開でGladiator Challenger Series=Gladiator CS01「Bang vs KAWANA 2」を開催することが発表された。
Text by Manabu Takashima

同大会はウィークンドの夜に職場、帰路、居酒屋、ジム、自宅でMMAとグラップリングの試合を携帯、PC、タブレットで楽しむという趣旨の下、無観客&配信に特化したイベントになるという。

つまりライブの臨場感ではなく、忙しい平日の夜にルーティンの行動のなかで格闘技を楽しむという試みだ。プロモートはPROGRESSが行い、GLADIATORが協力と大阪のナンバーシリーズとは立場を入れ替えての大会となる。

そんなGLADIATOR CS──記念すべき第1回大会のメインは大会名にあるようにGladiatorフェザー級王者パン・ジェヒョクが、河名マストの挑戦を受けるタイトル戦が組まれ、Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦=竹内稔✖竹本啓哉戦も決まった。


パン・ジェヒョクと河名は昨年6月のGladiator022で組まれたフェザー級王座決定トーナメント準決勝で対戦し、パンがスプリット判定勝ちしている。その後9月の023大会でダギースレン・チャグナードルジの計量失敗による、決勝不戦勝でパンはベルトを巻いた(※ダギースレンとはキャッチウェイトのノンタイトルで対戦し判定勝ち)。

一方、河名は9月にユン・ダォン、12月にチハヤフル・ズッキーニョスを下してリベンジと挑戦権を手にした。前回の試合ではテイクダウンに手間取った河名が、バンのパンチを被弾してポインドを失った形となったが、最終回には打撃戦で優勢に立つなど長所と短所が入れ替わったような接戦だった。

王者バンもKTTのハ・ドンシン代表から「上に行くなら、もっと自分から前に出ろ」と強い叱責を受けることもあり、この再戦は手の内を見せあったなかで、どれだけ相手の想定を上回る攻撃力を見せることができるのかが勝負となる。

竹内と竹本のフォークスタイルグラップリング王座決定戦は、ずばり如何に竹内がアナコンダに持ち込むか。

昨年11月のADCCアジア&オセアニア予選66キロ級で準優勝の竹内はトーナメントで挙げた5勝のうちアナコンダが4つ、残りの1試合はRNCでタップを奪っている。

誰もが仕掛けてくることが分かっている技で勝つ。まさにアナコンダチョークという必殺技を持つ竹内に対し、Gladiatorバンタム級王者の竹本は自らの勝ち筋、勝利の方程式がしっかりと見えている選手で、その実行力も高い。

勝利を手にするためなら膠着、掛け逃げ、何でもござれの組み技師が、竹内に正面から首を取られずに如何にバックに回る手段を考え、実行するのか──非常に興味深い顔合わせだ。

また今回のリリースではアジアのフィーダーショーを目指して活動しているGladiatorが、その枠を一歩広げLFAに春から選手を送り出すことが決まったという説明もあった。

同リリースではLFAのエド・ソアレス代表の「日本のファンの皆さん、LFAでは今春よりGladiatorで活躍したファイターをMMA界のNCAAである我々のプロモーションで戦う機会を与えることが可能となり、心より嬉しく思っています。この機会に世界中から世界のトップステージを目指し、ファイターが集まってくるLFAが日本のファンに認知されることを願っています。改めて、このような関係を結ぶことができGladiatorの櫻井雄一郎代表、PROGRESS実行委員会の長谷川賢氏に感謝します」というコメントも添えられている。

Road to UFCに出場する目標を持つ日本人ファイターにとって、新たなUFCへの道が開拓されるのか非常に興味深い発表だ。なお、今大会は全5~6試合が予定され、他カードの後日明らかにされるとのこと。そして、タイトル戦出場が決まった4選手のコメントは以下の通りだ。

パン・ジェヒョク
「皆さん。明けましておめでとうございます。Gladiatorフェザー級チャンピオンのパン・ジェヒョクです。防衛戦を用意して下さった関係者の皆さん、いつもありがとうございます。初防衛戦でもあり、いつも以上に抜かりないようしっかり準備します。一度拳を交えた相手ですが自分の防衛戦ですし、今回こそしっかりとフィニッシュ、仕留めるようにします。

マスト選手は優れているレスラーですが、最近は打撃も自信を持っています。自分としは注意する局面が増えましたが、チャンピオンらしく打撃、レスリンク、寝技の全てで圧倒できるようハードトレーニングを積んでいますので、期待して下さい。

今年も勝ち続けるように頑張りますので、宜しくお願い致します」

河名マスト
「フェザー級王座決定トーナメントの敗北で、ROAD to Road to UFCという道は絶たれたと思っていたところから、もう一度ベルトを巻くチャンスに巡り合えた自分は持っていると思います。

ユン・ダウォン戦、チハヤフル戦で試合の中で自分自身の中にある恐怖との向き合い方、乗り越えることができました。今回の試合では変わった自分、変わらない自分の両方を見せられると思います。

パン選手は人間性も、ファイトスタイルも気持ちの良い選手だと思います。だからこそ、2人で良いものを創るのではなく、自分の強みをぶつけ続け、嫌がらせを続けることができればと思います。やりたいことをやって、フィニッシュして、ベルトを巻き、Road to UFCへ。

No UFC、No MMA!!僕のROAD to Road to UFCは、まだ終わっていないです!!」

竹本啓哉
「MMAファイターとしてGLADIATORのベルトを巻いた僕と、昨年グラップリングで大活躍されていた竹内選手とが試合する舞台として、MMAとグラップリングの交差点であるPROGRESSの王座決定戦は相応しいと思います。

今年の僕の目標は、GLADIATORのベルトの価値を周知することなのですが、この王座決定戦はグラップリング界隈にも周知するのにうってつけの試合だと思います。しっかり備えていきます。ご期待下さい!」

竹内稔
「今回、初出場でProgressフェザー王座決定戦でGLADIATOR王者の竹本選手と戦えることを光栄に思います。国内ではグラップリングのタイトルを制定している団体は他にはなく、初めての経験なので王座を賭けて試合をできることが楽しみです。
判定ではなく、一本勝ちで王座を獲得したいと思います」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

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45 BELLATOR DEEP MMA MMAPLANET o ONE ONE FN06 PFL RIZIN RIZIN LANDMARK06 RIZIN46 Road to UFC Special UFC   キック キム・スーチョル フアン・アルチュレタ ライカ 井上直樹 佐藤将光 太田忍 朝倉海 海外 金太郎

【Special】J-MMA2023─2024、佐藤将光「ミュージックステーションにはアイドルも出れば、B’zも出る」

【写真】耳を傾ける者が、イメージで映像化できるようなクリアな言葉を佐藤将光はいつも発している(C)TAKUMI NAKAMURA

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Takumi Nakamura

J-MMA2023-2024、第十五弾はONEでの戦いにピリオドを打ち、新天地としてRIZINの舞台を選んだ佐藤将光に話を訊いた。

2023年は1月のONE Fight Night 6でキム・ジェウォンに勝利して、幸先のいいスタートを切った佐藤だったが、その後ONEから試合オファーが届くことはなく、自らリリースを希望してONEを離れる道を選んだ。様々な可能性があるなか、佐藤はRIZINに参戦して太田忍に勝利。2024年も継続してRIZINで戦うことを決め、3月のRIZIN神戸大会で井上直樹との一戦が発表されている。「RIZINは自分とは別世界の出来事」と思っていた佐藤がなぜRIZINでの戦いを選んだのか。

■2023年佐藤将光戦績

1月14日 ONE FN06
○3-0 キム・ジェウォン(韓国)

10月1日 RIZIN LANDMARK06
○2-1 太田忍(日本)


――佐藤選手にとって2023年はONEを離れ、RIZINに参戦するという大きな変化がある一年だったと思います。

「まさに戦う舞台が変わった一年でしたね。ONEを離れてから急きょRIZINに参戦して。2試合しかやっていないんですけど、どちらも勝つことが出来て。特に大事なRIZINのデビュー戦でしっかり勝って、期待外れにならなかったのはよかったなと思います」

――2023年の年始にはこんな1年になることは予想していなかったと思いますし、ONEを離れる選択は大きな決断だったと思います。

「僕はずっとONEで戦うつもりでしたからね。実際に1月の試合にも勝っていたので、次も試合があると思っていたら、なかなかオファーがなくて。ONE全体の流れとしてキックとムエタイが増えて、MMAの試合が少なくなる中で、そこで試合の枠をもらう評価はされていなかったんだなと思います。最終的にはしばらく試合はないということだったので、こちらからリリースをお願いして契約に区切りをつける形になりました」

――ONEを離れてRIZINで戦うことを選んだわけですが、契約がフリーになった時点で他のイベントも候補には上がっていたのですか。

「ONEからフリーになった時は、次もまた海外のイベントに出るにしても、国内で一試合やってからにしようと思っていたんです。それで色んな国内団体も考えていたなかで、大会直前でしたけどRIZINからオファーがきて、そういう出方も面白いなと思ってRIZIN参戦を決めました」

――そのRIZINデビュー戦では太田忍選手に判定勝利。試合後のインタビューではRIZINへの継続参戦とPFLを含む海外イベントへの参戦を示唆していました。最終的にRIZINへの継続参戦を選んだのはなぜですか。

「PFLはBellatorの買収もあって、バンタム級が今後どうなるかは分からない、と。Road to UFCは仮に開催されても自分が出られる保証がない。そういう状況で定期的に試合が組まれる可能性があって、ちゃんと団体側とコミュニケーションをとれるのがRIZINでした。しかも井上直樹選手という最高の相手を用意してくれたので、またRIZINで試合をしようと思いました。

あとは試合後にも話したことですが、実際に10月に試合をしてみてRIZINというイベントの魅力や良さを感じたんです。僕は実力派と言われるカードといわゆる数字を持っている選手のカードが一緒に行われることに抵抗がない。例えばミュージックステーションにはアイドルも出れば、B’zも出るわけじゃないですか。そうやってより多くの人に番組を見てもらうために出演アーティスト決めるわけだから、僕はそういうマッチメイクに否定的な意見はないです」

――僕も一記者としてRIZINを取材するようになり、ちゃんとMMAの試合を見る・楽しんでいるファンも多いことに驚きました。

「RIZINをちゃんと見ている“RIZINファン”がいますよね。その層でUFCまで追っている人もいるだろうけど、RIZINというイベントを好きなお客さんがいる。試合の前後でSNSのフォロワー数が激増して、反響の大きさも今までと違いました」

――実力派の選手と数字を持っている選手、どちらも受け入れられていますよね。

「どちらか一方ではイベントが成り立たないわけで、プロモーター目線で考えたらそういうイベント構成にするのは間違いじゃないと思いますね」

――まさに先ほどのRIZIN=Mステ理論ですね。

「ロックシンガーとアイドルのファンが共存することは難しいけど、アイドルファンがロックシンガーの曲を聞く機会にはなるわけじゃないですか。それきっかけでロックシンガーに興味を持ってくれる人も一部はいるだろうから、それでもいいと思います」

――そして2024年最初の試合が3月23日のRIZIN46神戸大会、対戦相手は井上直樹選手に決まりました。先ほど井上選手=最高の相手という言葉もありました。なぜそう思ったのでしょうか。

「彼はDEEPでデビューして、それからUFC→RIZINというキャリアだったので、僕とは全く接点がなかったんですよね。というよりも僕はONEでキャリアを終えるつもりだったから、井上選手に限らずRIZINに出る選手とは絡むことがないと思っていたんです。だから2021年にRIZINでバンタム級JAPANグランプリが行われていた時も自分とは別世界の出来事というか。その選手たちと交わる時が来るのかと思うと不思議ですよね。井上選手自体は小さい頃から空手をやっていて、10代でプロデビューして、UFCと契約して…というまさに格闘エリートですよね」

――対戦相手としての印象はいかがでしょうか。

「穴がないですね。もともとストライカーのイメージがありましたけど、試合映像を見るとRNCでフィニッシュしていることが多くて、バックを取ってからが上手いですよね。実は5年以上前に同じ柔術の大会に出ていたことがあって、彼が青帯で僕が紫帯だったのかな。『あっ、井上選手だ』と思って見ていたら、やっぱり明らかに動きが違いましたね」

――フィニッシュ力に打撃を上乗せしているタイプですね。

「ジャブもうっとおしいし、リーチも長い。ずっと映像を見て穴を探しているんですけど………穴がないんだよなぁ(苦笑)。これを攻略するのは難しいぞと思っています。それでも攻略法を見つけなきゃいけないんですけど、簡単な攻略方法はないです」

――それこそ井上選手は2021年のバンタム級GPではベスト4になっていますが、その通りの位置にいる選手だと思いますか。

「僕はRIZINのバンタム級で朝倉海、フアン・アルチュレタ、井上直樹、キム・スーチョル。この4人が抜けていると思っているから、本当に強敵ですよね。ただ今回は試合が決まって3カ月あるから、攻略とか対策を考える時間はあるんですよ。だから今まで以上にじっくり考えます」

――準備期間があるのは井上選手も一緒なので、今回は戦略・作戦も含めた総力戦になりそうですね。

「はい。ただ井上選手は比較的相手に付き合いますよね。アルチュレタ相手に組みでいったり、金太郎選手と打撃でやり合ったり。僕は相手の弱いところを探して、そこを突いていく戦い方なんですけど、井上選手は相手の強いところで勝負して勝とうとしますよね。それで勝てちゃうからすごいんですけど」

――発想そのものがエリート的なのかもしれないですね。

「僕からすると不思議なので、試合が終わったらどういうメンタリティでやっているのか聞いてみたいです(笑)」

――大晦日は朝倉海選手がアルチュレタに勝ってRIZINバンタム級の新王者になりました。今後は朝倉選手のベルトを狙うことになると思いますが、あの試合を見た感想はいかがですか。

「強かったですよね。朝倉海はこの階級で攻撃力が頭二つ抜けていると思います。ただ朝倉海とアルチュレタに関しては、これからどういう路線で試合をしていくかにもよると思うので、今は井上選手に勝つことに集中したいです。井上選手に勝たないことには始まらないので。僕は今回も…というか今回勝って初めて実力を認められると思うし、井上選手に勝てば一気に(上に)出られるし、負けたらそこまでの選手だと見られると思うので」

――RIZINでも一戦一戦意味のある試合を戦っていきたいですか。

「そうですね。そういうヒリヒリしたものを求めて試合をしているし、年を取るにつれて勝ち負けにこだわることよりも、自分がやってきたことや実力を試合で出し切りたいって気持ちが強くなっていますね。昔は勝てばなんでもよかったというか。もちろん実力を出し切って勝てれば嬉しいですが、ラッキーパンチで秒殺しても、それはそれで良かったんですよ。でも今は自分がやってきたことをすべてリングに置いていきたい。その方が勝ち負けよりも大事になってきていますね。それをたくさんの人たちに見てもらえるのはうれしいことです。次の試合でも自分を出し切ったうえで勝ちにいきます」


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45 AB Black Combat Black Combat10 DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC Road to UFC UFC キム・ミンウ ユ・スヨン 中村大介

【Black Combat10】ノンタイトルのK-MMA最強決戦に挑む、キム・ミンウ「フェザー級も減量を厳しい」

【写真】バンタム級の時ほどではない。バキバキ度は上がっているキム・ミンウだった (C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10のメインでユ・スヨンと対戦するキム・ミンウ。
Text by Manabu Takashima

Road FCバンタム級王座を返上し、一昨年にはRoad to UFCに挑んだが、準決勝の計量失敗で世界最高峰への道が閉ざされた。この後、キム・ミンウはフェザー級への階級変更とBlack Combat参戦を決断した。以来、昨年2月にはDEEPとの対抗戦で中村大介を破り、今回はユ・シヨンの戦うことになった。

NAIZA FCバンタム級王座を12月に失ったが今もBlack CombatとDEEPバンタム級王座を持つユ・シヨンとフェザー級非タイトル戦のK-MMA最強決戦に向け、計量直後のキム・ミンウに話を訊いた。


──韓国人最強といっても過言でないキム・ミンウ選手ですが、一昨年のRoad to UFCバンタム級準決勝で計量失敗。世界最高峰への道を断たれてからBlack Combatを主戦場としました。

「Black Combatは今、韓国で一番期待されているプロモーションで選手の待遇も良いです。だからここで戦うことを決めたのですが、期待通りに良い選手と試合をさせてもらって満足しています」

――これからは母国を主戦場にしていく予定なのですか。

「マネージャーとも話しているのですが、この試合で良い結果を残すことができれば良いチャンスが巡ってくると思っています」

――同じ階級のタイトルマッチを差し置いて、メインで戦うことについてどのように思っていますか。

「タイトル戦を戦う2人も良い選手たちです。ただし、自分とユ・スヨンが韓国でナンバーワンなので我々の試合がメインになるのは当然です」

――バンタム級から階級を上げて、どのような変化を感じていますか。

「中村大介選手と戦った時は、それほどでなかったのですが、今回はあれから体を大きくして筋肉量も増えたので……フェザー級になっても減量を厳しいということでした(苦笑)。パフォーマンス的にはまだハッキリ分からないです。これから試合を積んでいくことで分かってくるかと思います。ただ。現時点でもしっかりと力が入るということ。これは確かです」

――ユ・スヨン選手はMMAの寝技は韓国MMA界トップだと思います。そんな選手を相手に、どのような試合をしたいと思っていますか。

「自分のグラップリングが、ユ・スヨンに劣っているとは思っていないです。全ての局面を準備して練習してきたので、明日、それを見てください」


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45 AB MMA MMAPLANET o Road to UFC RYO TOP BRIGHTS TOP BRIGHTS01 UFC カルシャガ・ダウトベック キック サンチン ブラック ボクシング マイケル・チャンドラー マモル マーチン・ウェン 剛毅會 平本蓮 松嶋こよみ 武術空手

【TOP BRIGHTS01】石の左拳=ダウトベック戦へ、松嶋こよみ「自分のMMAは成長している」

【写真】Team Akatsukiの良太郎代表と。いかに松嶋のMMAは変化、そして進化しているか (C)MMAPLANET

21日(日)に群馬県太田市のオープンハウスアリーナ太田で開催されるTOP BRIGHTS01でカルシャガ・ダウトベックと対戦する松嶋こよみ。
Text by Manabu Takashima

平本蓮らが稽古することで、何かと話題の剛毅會を一昨年限りで離れ、新たな環境に身を置き世界を狙い続ける松嶋は、今、千葉県鎌ケ谷のTeam Akatsukiで打撃のトレーニングを行っている。NOCK OUTブラック・ウェルター級を制した良太郎を指南役とした松嶋の今――ダウトベック直前の状態を尋ねた。


──ダウトベック戦を約2週間後に控えた松嶋こよみ選手です(※取材は6日に行われた)。年末年始の過ごし方は?

「31日は日曜日だったので、普通の日曜日のように休んでいました。練習は普通に変わらず、1日の朝からありました。ロータスでいつも通りの練習があって15、16人が集まっていました。さすがにいつもより少なくなるかと思っていたのですが、逆に多かったですね(笑)。それからもカルペの練習も普通にあって、本当にいつもと変わりなく正月を過ごしていました」

――このTeam Akatsukiで練習をするようになったきっかけというのは?

「僕自身が大塚(隆史)さんのミットを持っていた良太郎さんに、ミットを持ってもらうようになった形です。去年の途中からで、まだ1年も経っていません。土曜日の練習スケジュールを変えようと思った時に、良太郎さんに相談したら『ウチに来れば?』と誘ってもらって。大塚さんとのミットを見たこともあって、その時に話して技術的にも精神的にも共感できるモノがあったのでミットを持ってもらおうと思いました」

――どのようなところに共感できたのでしょうか。

「僕が考えているところに対して、欲しい答えが返ってくる。『それは〇〇選手の動きだよね』っていう風に名前が出てきて。MMAでもキックでも。分かりやすい例でいえばマイケル・チャンドラーのワンツーから、スイッチしてのストレートって伝えると、すぐにミットで受けてくれるような感じで。試合を視ていて、知っている。キックだけでなくて、MMAも見ているからそこを踏まえて実際にミットとして動いてくれます。結果、使いやすい形として残すことができるんです。

試合のことだけでなく、普通に話していても馬が合う。だから、格闘技のことも相談してミットを持ってもらうようになりました。キックのスパーリング、あとは良太郎さんはNOCK OUTのヒジありのチャンピオンだったので、マモルさんに教わっていたモノを細かく練習している感じです」

――松嶋選手の課題は、共に強力な打撃とテイクダウンの融合という部分かと思うのですが、首相撲が加わると大きな武器になりそうです。

「ハイ。良太郎さんに教わっている首相撲をグラップリングでもやるようになって。首相撲ってグラップラーやレスラーが割と対応できなくて、そういう部分では混ぜることができつつあるのかと思います」

――足を取りに来る相手にも、首相撲で対応できるのですか。

「首相撲の動きで、切れます。首相撲でテイクダウンを防いで、首相撲で自分の攻撃を出すことができます。打撃と組みの接点にもなるし、その状態でも崩すこともできます。あとは柔道の足払いを応用したり、そこから首投げだってやります」

――首投げだけでなく、一本背負いなど普通はMMAで見ない投げを松嶋選手は使うことがあります。

「そこは気分でやっちゃってしまう(笑)」

――MMAは疲れないよう無駄を省く作業が必要である一方で、疲れてもやる必要がある動きがある。それが折り重なっているように感じます。

「力を使って強引にやる発想って、MMAでは持てない人が多い。他と違う発想を捨てるのは勿体ないです。それで勝てなくなると元も子もないんですけど、色々な発想を形にした上で使えるものを使っていかないといけない。僕のなかでレスリングとムエタイをやっていれば、MMAは最強じゃねぇかっていうのが昔からあったんです。そこがあって空手もやった。空手をやっていた自分がいて、今の自分になっている流れなんじゃないかと」

――剛毅會を離れましたが、型や基本稽古をやる発想は他にない。だから、その発想を捨てる必要はなかったと。剛毅會でやってきたことは、今も生きているのでしょうか。

「もちろん、生きています。それこそ僕がやってきたことは、空手で培ってきたモノがいっぱいあって。それが僕の武器でもある。今も変わらず自分でサンチンもやるし、突きもやって站椿もやっています。空手は僕のなかでやらないといけないモノです。それが僕の軸ではあるんで。僕が最初に出会った格闘技は極真だし、剛毅會も極真のエッセンスが残っていて宇城(憲治)先生だったり、色々な武術を採り入れてできたモノ。それが剛毅會の武術空手だと思います」

――そういう風に剛毅會空手の説明をさせれば、一番なのが松嶋選手だったような気がします。

「もしかしたら、先生よりそうかもしれないですね(笑)。僕のパンチは、空手の突きです。そこを含めて、良太郎さんにミットを持ってもらっています。そういえばこの間、青木さんとも話していたんですが、武術は延々とやり続けるもの。ただMMAという競技は違う。ずっとはやっちゃいけない。選手としてやることが前提にあるからこそ、延々とやれる武術が生きるんです。そのエッセンスが。武術の場に格闘技を持ち込んではいけない。格闘技の試合で、武術をやってはいけない。陰と陽じゃないですけど、上手くバランスをとる必要がある。そこの調和を上手く、やっていきたいですね」

――良太郎選手と取り組んできた発展形が、どういうモノになっているのか興味深いです。

「柔軟になったというのが、一つあるかと思います。先生が言っていた『やっちゃいけない』をやることがある。武術的に下がるところで、下がると勝てないことがある。打てと言われる場所で、カウンターを被弾することもある。武術の正解が、MMAでは正解でない場合もある。その行ってはいけない、打ってはダメなことを理解したうえで、行くときは行くという風に整理をして、スパーリングや試合に臨もうと思っています。

それができるのも武術と格闘技を別にしているから。武術の在り方が分かっていないと、そうはできない。それはMMAのなかでボクシングを使うのと同じで、武術を使うとはそういうことなんです。良太郎さんとの練習で発想が広がったところはあります。人がやらないことをやる、それも僕の良さではあると思っています。形に捕らわれないで取り組んで、良太郎さんのアドバイスもあって自分のなかで形にする。ここが、それを整える場所になっていて。自分のMMAは成長していると思います」

――そして迎えるダウトベック戦です。誰をも倒せる左の持ち主です。

「もう分かっている。武器を公表してくれているようなモノなので、僕の見えない武器の方が向こうは試合中に嫌だと思います。だから、その左にビビらない気持ちを創って当日を迎えることができるか。そこだけだと思います。ただ、当たる気はしないんです。

僕は試合でクリーンヒットされたのは、マルロン・サンドロ戦が最後だと思います。だからマーチン・ウェン戦の時に負けたのか。年末にヘンリー・ホーフトのセミナーに出て、ヘンリーに『それだけレスリングと打撃ができて、なぜ負けるんだ。気持ちのコントロールと試合の組み立て。そこだけだ』と言われて。凄く腑に落ちました。そう言ってもらって凄く良い時間になりました。多分、あそこに来ていた皆より大分良い時間になったと思います。

言葉が、凄く響きました。セミナーで教わった技術はパンチや距離だったり、当たり前のことでした。でも、その合間に話してくれる言葉が凄く響いて。『あぁ、お金を払ってきて良かったなぁ』と。彼自身が戦ってきた人で、これだけ選手を見てきて、今も見続けている。だからこその言葉だったと思います」

――気持ちという部分で、ヘンリーがそのようなことを言ってくれた。荒々しい動きを修正しないといけないと思われた時期があった松嶋選手ですが、その荒々しさが今は必要という風に見られることもあります。

「荒々しさって別に力じゃない。だからやるべきことを正確にやることが大切で。でも、そこに熱がなければ力を出し切れない。その部分を踏まえて、自分の戦いをしないといけない。相手を見るより、自分をちゃんと見て。そのバランスを保ちながら、やるべきことをやりたい。それが今の気持ちです」

――Road to UFCなのか、その先のUFCなのか。いずれにしても、UFC首脳に『マツシマを使いたい』と思わせないといけない。その辺りに関して、この試合で何を見せたいですか。

「フィニッシュですね。この相手にしっかりとフィニッシュして勝つのが、今回の大前提として戦いたい。そのうえで打撃だけでなく組みに関しても、ここまで自分が練習してきたものを出せるのか。散々、練習してきたことをしっかりと出してちゃんと戦いたいと思います」


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45 AB Black Combat DEEP DEEP JEWELS MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC UFC   イ・ソンハ シン・スンミン パク・シユン ユ・スヨン 五明宏人 大原樹理 川名TENCHO雄生 平松翔 江藤公洋 牛久絢太郎 神田コウヤ 酒井リョウ 青井人 魚井フルスイング

【DEEP118】来たッ!! 神田コウヤ✖青井人=フェザー級タイトル戦。江藤はベルトを日本に取り戻せるか

【写真】一昨年5月の対戦では神田が青井に競り勝ったが、今回はさらに激しい戦いが繰り広げられそうだ(C)MATSUNAO KOKUBO

11日(木)、DEEPより3月9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 Impactの対戦カード──タイトルマッチ3試合を含む──7試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

タイトル戦はメガトン王座統一戦としてロッキー・マルチスネス✖酒井リョウ、フェザー級選手権試合は牛久絢太郎の階級変更&返上により暫定から正規王者となった神田コウヤが、青木人を挑戦者に迎える。さらに昨年9月のDEEP vs Black Combatの対抗戦でDEEPライト級王座を韓国に持ち帰ったイ・ソンハが初防衛戦で、江藤公洋の挑戦を受けることが決まった。


この他、2回戦ではライト級で川名TENCHO雄生✖倉本大悟、フェザー級で五明宏人✖木下カラテ、バンタム級では平松翔✖魚井フルスイングの3試合。加えてオープニングのアマMMA=信原空✖菅涼星戦が明らかとなった。

Black Combat勢の手に渡ったDEEP JEWELS女子アトム級とDEEPバンタム級王座は、パク・シユンとユ・スヨンの両チャンピオンが20日のBlack Combatで防衛戦とスーパーファイトが控えているため、同大会に来日できるのかは20日の試合結果次第だろう。

そのBlack Combatとの対抗戦では、腕十字で敗れた暫定王者の酒井がRIZIN & UFC帰りのマルチネスと4年振りの再戦でリベンジなるか。フェザー級選手権試合はRoad to UFC準決勝敗退の悔しさを胸にDEEP王者としてケージに戻ってくる神田。対するはBlack Combatフェザー級シン・スンミンに完勝し、いよいよその持ちうるポテンシャルが全開し始めた青井。青井にとっては、昨年5月の雪辱を果たすタイトル戦ともなる。

大原樹理をスロエフストレッチで破ったライト級王者のイ・ソンハは長いリーチを生かし、遠い間合いで戦える選手だ。

あの長い距離で立ち、江藤のテイクダウンダウンをどれだけ牽制できるのか。

イ・ソンハは自分の形で組んで場合、その長い手足を生かして肢体に絡みつく強さは大原戦で十分に披露している。

それでも下になった時に、江藤のコントロール&ドミネイトに対し、柔術的な極めやスクランブルで有効な反撃態勢に入れるのか──非常に興味深い、マッチアップといえる。

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45 AB KAREN MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Road to UFC Road to UFC2023 Special UFC イ・チャンホ スムダーチー チーニョーシーユエ マーク・クリマコ ムハマド・モカエフ ライカ 修斗 太田忍 平良達郎 松井斗輝 根井博登 神龍誠 秋元強真 鶴屋怜

【Special】J-MMA2023─2024、鶴屋怜─02─「達郎君だけでなくライバルに『負けろ』という気持ちはある」

【写真】準決勝、マーク・クリマコ戦の鶴屋怜。完全にZONEに入っている (C)MMAPLANET

J-MMA 2023-2024、第五弾・鶴屋怜、後編。
Text by Manabu Takashima

2月4日、ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるRoad to UFC2023Finalでフライ級決勝に挑む鶴屋怜だが、チーニョーシーユエとの決勝の勝利はデフォルトで既にUFCでどのように戦っていくのか青写真を描いていた。

<鶴屋怜インタビューPart.01はコチラから>


──Road to UFCは自分の動きができれば、負けることはない。一貫して、その想いを持続できているようですね。

「そうですね。マーク・クリマコは自分と似ている部分もあるので、ちょっと警戒していました。それ以外はストライカーが多くて、普通にやれば一本勝ちできるかと思っています」

──UFCとの契約はデフォルトという怜選手ですが、もう契約後のことも青写真を描いているのでしょうか。

「自分、1戦目からランカーとやりたいぐらいの勢いではいます。例えば中国のスムダーチーとか、UFCがやらせてくれるのかは分からないですけど。あの選手もストライカーで寝技もそんなにできない。UFCで最初に戦うには良い相手かなって思っています。どうなるのか分からないですけど、15位とかそこぐらいのランカーと一発目から戦いたいです」

──子供の頃から「日本人初のUFC世界王者」を目標に格闘技に取り組んできました。そのなかで、UFCフライ級戦線では平良達郎選手が、5戦5勝で世界が注目する存在となっています。その辺り、どのように感じていますか。

「今、UFCフライ級ではムハマド・モカエフも5連勝していても、タイトルマッチに届いていないです。達郎君もここから2年は掛かると思います。僕は年齢も2歳下でデビューも2年半遅い分、現時点で達郎君が先を行っているのは当然です。でも、この2年の間に自分が一気に近づく、追い越すぐらい勝って行けばと思います。でも、焦っているということはないです」

──いじわるな質問ですが、自分が先にUFC世界王者になることを考えると、平良選手の試合を見ていて「負けろ」と思うこともありますか。

「それは達郎君だけでなく、チャンピオンになる力に持っていそうな選手……ライバルになる選手が試合をする時は『コイツ、負けろ』という気持ちはあります。同じ階級で同門以外の選手は、負けた方が良いというのは──。それは達郎君に限ったことじゃないです」

──なるほど、これだけ近しいパラエストラ千葉ネットワークとザ・パラエストラ沖縄であっても同門ではないと。

「ハイ。毎日、一緒に練習している選手が僕にとって同門──チームメイトです。達郎君は他のジムの選手ということでもなくて、なんていうのか……家族ではなくて、親戚のような感じですね」

──ではタイトル戦でなくても、対戦相手の一人として戦うことができる?

「UFCならしょうがないです。日本の団体とかで達郎君と戦えと言われると違うかなって思うけど、UFCなら一発目で平良戦が組まれても……。別にランカーが相手になるわけだし、それはそれで自分的にはオイシイんで、やって勝ちたいです」

──平良選手が勝ち星を重ねる間にも、UFCフライ級はブラジルや中央アジアから続々とポテンシャルの高い選手が集まってきています。

「そうっすね。自分、まだ21歳でMMA的には全然完成していなくて。自分がUFCで2年ぐらい経験を積めば、今の自分とは全然違うようになっていると思います。今、こういうことを言っても信じてもらえないだろうけど、2年間UFCと絡めば中央アジアとかのヤツにも負ける気はしないです」

──日本でもフライ級は層が厚く、その日本のトップとの対戦がないことで怜選手の能力に関して、懐疑的な目が向けられることもあります。そのような意見に対して、また日本のフライ級戦線に関してどのように思っていますか。

「う~ん、これから何が起こるのかは分からないですけど……交わることは、今のところはない。そう思っています。別に神龍にライバル心はないし、そっちに行ったんだなって思っていますし」

──日本のフライ級の話題になると、対象はいきなり神龍誠選手ですか(笑)。

「神龍はUFCに行きたいって言っていて、CFFCとかで試合までしたけどUFCと契約できなかったわけじゃないですか。UFCで戦いたいなら、なぜ面倒くさがらずRoad to UFCに出なかったのか。そこに出ないで、僕からすると近道を選んで契約はできなかったからRIZINで戦っている。もう同じ道を歩いているとは思っていないです。

もちろん堀口選手は日本のトップで、世界のトップです。僕自身、堀口選手を越えないといけないことは分かっています。ただ、今の僕には堀口選手を越えるために日本で戦うという道にはいないです。だから、日本で戦うことを選ぶ選手と交わることは──今はないと思っています。

『鶴屋怜、日本で誰と戦ったんだ?』という声があっても、僕はUFCに行って、UFCでチャンピオンを目指します。UFCでチャンピオンになれば、誰も文句は言えなくなる。誰も、何も言えなくなる。僕が目指すのは、そこなんです。だから『日本で強い選手と戦っていない』と言われれば、そうです。そこを見ていないので」

──押忍。あと一点、怜選手はチームメイトのセコンドに就くことが多いですね。週末には連日で、また1日で会場を変えても怜選手が会場にいてセコンドをしているということがありました。

「なんか、頼まれるんですよ(笑)。太田忍さんとかも、毎試合のように『怜、就いてもらえる?』って感じで。KAREN、松井斗輝君、秋元強真もそうですね。チームメイトのセコンドに就くと、勝って欲しいから本当に緊張します。自分の試合であんな風になることがないのに、セコンドだとメチャクチャします。

将来的に自分の試合でも、そんな感じで緊張することもあるだろうし。皆、そこは乗り越えるしかない。そんなときに、セコンドをしていて凄く緊張し、乗り越えた経験は生きてくるのかもしれないです。とにかく、あの感覚は何とも言えない嫌な感じなので。

ただ、それはあくまでも付随してくるもので、チームメイトに勝って欲しいからセコンドをやっています。一緒に練習している仲間だし。それに圧勝とかすると、俺もこの勢いで行くぞって思えますし。ただ負けた時は……これが勝負なんだと、気分が落ちないように自分に言い聞かせています」

──そういえば1月28日に修斗新人王トーナメントのストロー級決勝で、麻生Leg Lock祐弘選手と戦う根井博登選手のセコンドにも就いていますね。

「あぁ、根井は中学の頃からレスリングを習いにきていて。自分がコーチをしていたんです(笑)。それで高校でレスリングをやるとかでなく、MMAをやるようになって」

──2006年6月生まれ。まだ17歳の根井選手ですから、そういうこともあるのでしょうね。既に次世代が育ってきている怜選手ですが、2月4日のRoad to UFC決勝に向けて、一言お願いします。

「一発目、しっかりとインパクトを残す勝ち方をして、自分はUFCでも通用するんだと思われるような試合をします。正直、4階級とも中国人選手が決勝戦で出てきます。フェザー級は2人とも中国人で、凄い勢いになっています。だから俺が中国人選手を止めないと。」

──バンタム級決勝で戦う韓国のイ・チャンホも、韓国と日本がしのぎを削り合って成長し中国に負けないようにしないといけないということを言っていました。

「ハイ。そのインタビューは自分も読みました。ここで中国を止めないと、これからどうなってしまうのかという危機感もあるし。バンタム級は韓国の選手も頑張ってもらう。ライト級で原口(伸)選手にも勝ってもらって──フライ級は絶対に俺が勝ちます」


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45 AB LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC Special UFC チェ・スングク チーニョーシーユエ パク・ヒョンソン ボクシング マーク・クリマコ ライカ 鶴屋怜

【Special】J-MMA2023─2024、鶴屋怜─01─「ラスベガスになったことで気持ちは楽になりました」

【写真】デビュー当時の幼さがすっかりと影を潜めてきた鶴屋怜。この2年の経験が、顔つきをよりシャープにした (C)MMAPLANET

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Manabu Takashima

J-MMA 2023-2024、第五弾はRoad to UFCフライ級決勝戦を控える鶴屋怜に話を訊いた。キャリア6勝で迎えたUFCへの道、その最終関門は日程変更などでゴタゴタもあった。そして右ヒザの負傷もあった昨年をまず振り返ってもらった。


――12月9日に上海で予定されていたRoad to UFCフライ級ファイナル=チーニョーシーユエ戦が2月4日のラスベガスのAPEXに変更されるなど、少しごたつきました。あの時はどのような心境だったのでしょうか。

「僕らの試合がなくなったことすら、全然連絡がなかったです。でも上海の大会がなくなったのは事実で、代わりの大会では僕らの試合は組まれなくて。試合がいつになるのかも分からないから、体重を戻すこともできなかったです。1週間後のラスベガス大会になるとうい話もあったので。そこで食べたりしたら、調整が大変になるから食べるのも我慢していたら、代わりの大会の1週間ぐらい前に決勝戦はそこでは行われないという発表がありました」

──結果、2月にラスベガスに戦うことが決まった時の気持ちは?

「まず中国でなくなったのは、良かったと思いました。相手も中国人で、効かない攻撃でもファンが声を挙げてジャッジが影響を受けるかもしれないので」

──逆に怜選手の有効な攻撃も会場はシーンとしてしまって。

「ハイ。向うの攻めは空振りでもわくでしょうし。まぁ一本、フィニッシュすれば関係ないという風には考えていたのですが、やっぱりラスベガスになったことで気持ちは楽になりました。アウェイ感は嫌だったので、これで僕も彼もイーブン。ハンデはなくなりました。それとラスベガスは1カ月滞在したことで気候とかも分かるし、何を持って行けば良いのかとか準備する面でも気持ちが楽です。APEXでUFCを観戦したことがあるので、その空気感も分かるし、自分に有利な方向に進んでいるような気がします。

いつもは試合が決まると無我夢中になっていて、気がつけば試合の日になっているような感じなんです。今回も普通に勝たないといけない試合で、勝つんですけど──ベガスになって不安要素がなくなったというか。やっぱり少しでも不利なことは減らしたいし、相手が飛行機に乗らないだけでも減量などを考えると有利なわけじゃないですか。中国で戦うということだけで、パフォーマンス的にも相手の方が力を発揮しやすい。それでも負ける気はなかったですけど、ベガスでやる方が気持ち的に楽になりました。

あと2カ月、時間ができたことで時々痛みを感じていたヒザの調子が以前と同じところまで戻せたのも大きいです。12月だと90パーセントだったのが、2月になったので100パーセントで戦えます」

──左ヒザの負傷で、準決勝は組み技や寝技の練習ができない状態で挑みましたが、そこも12月の時点で90パーセントまで回復できていたのですね。

「朝、起きた時にちょっと痛みが出てきそうだって感じることがあって。そういう日は練習内容を変えていたのですが、今はほぼなくなりました。ラントレもグラップリングも、十分に取り組むことができています。

準決勝前は組み技の練習はできなかったです。テイクダウンにしても踏ん張るとヒザが痛かったので、ぶっつけ本番でした。結果、初回から腕がパンパンに張ってしまいました。それまで、あんな風になったことはなくて。足を使うことが、やっぱり怖くて腕に頼ってしまいましたね。それでも試合になると意外と動ける……一方で、怖かったです」

──そのような状況で準決勝を乗り切れたことによって、何を得ることができましたか。

「マーク・クリマコはLFAとかで試合をやってきた選手で、全て判定勝ちというしっかりと勝ちに来る相手でした。そういう選手とあの状況で戦って、自分の力を出せることが分かりました。万全の状況だったら、圧勝できたと思えるし。あの状況を乗り越えることは大きかったです」

──準決勝が終わった時点で、恐らく次は12月の上海だろうという話になっていたのですが、ヒザの復調具合はいかがでしたか。

「試合後、少し違和感がありました。日本に戻って来て、2日後にはボクシングの練習を再開しましたけど、2週間ほどはヒザを使わないトレーニングだけをしていました。それから様子を見つつ、動かせるようになれば少しずつ組み技の練習をやるようにして。正直、痛みが出たりもして……でも試合が決まっていたので無理をした部分もありました。そのなかで、強度を徐々に高くしていきました」

──では、改めてチーニョーシーユエの印象を教えてください。

「ストライカーなんですけど、KOでなくポイントで勝って来る選手ですね。KO勝ちできるタイプではないと思います。ただワイドスタンスでこれまで戦ったことがない構えなので、ちょっと戦いづらいかもしれないです」

──サウスポーで奥手、奥足を使うイメージがあります。しかも、変則的に。

「たまにオーソドックスにもなるのですけど、ほぼサウスポーですよね。負ける気はしないんですけど、やりにくい……やりにくそうだなっていうのはあります。テイクダウンを切られたら、ちょっとやりにくいかもしれないですけど、試合で入りにくいと思ったことがないので。

あの選手に準決勝で負けた韓国のチェ・スングクも、正直あまり強くない。あの選手に判定勝ちだったので、大したことはないかなって。う~ん、まぁ、どうなんですかね」

──Road to UFCに出ているフライ級ファイターは、眼中にないですか。

「チェ・スングクが前回のRoad to UFC決勝で負けた相手、パク・ヒョンソンは戦績が自分と同じで。スタイルも似ていました。あの選手が3RにRNCで一本勝ちしているんですけど、それと同じようになるんじゃないかと。

普通にテイクダウンからコントロールして、一本を取れれば良いかなって。1Rで一本勝ちできるかもしれないですけど、時間を使って3Rにフィニッシュするのが理想的な勝ち方です」

<この項、続く>


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