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【Road to UFC2024#01】フェザー級で再チャレンジ、原口伸「理想のMMA、シン・シン・ハラグチを」

【写真】予備計量直後の原口伸 (C)KEI MAEDA

明日18日(土・現地時間)に中国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024Ep01で、原口伸がホン・ジュンヨンと対戦する。前回のRoad to UFCではライト級で準優勝、惜しくも契約を逃し──キャリア初黒星も喫した。
Text by Manabu Takashima

その原口、当初はRoad to UFCに出場せずにスキルアップと、本戦契約を狙うという選択をしてきた。階級を下げての連続参戦はないという風な話も聞かれていたが、一転フェザー級での再チャレンジへ。

とはいえ、この短期間で前回の参戦で見えた課題を克服し、MMAファイターとしての完成度は上がったのか。そして、初めてのフェザー級で戦うことで、以前とはどこかが違うのかを計量終了後の原口伸に尋ねた。


──2月にRoad to UFCライト級決勝戦に敗れ、その後に話を伺った時には今回のRoad to UFCには出場せず、本戦契約の機会を待つ。また前回のトーナメントであぶり出された課題を克服してMMAファイターとして完成度を上げることを今後の目標として掲げていました。それが一転、Road to UFCに出場することになったのは?

「絶対的にフェザー級でRoad to UFCに出場できる機会があったことにつきます。フェザーで戦いたい。それなら自分の力でRoad to UFCに再チャレンジして、契約を勝ち取ろうという気持ちになって決めました」

──ではフェザー級、1ポンド・オーバー規約で66.2キロの体は上手く創れましたか。

「そうですね。大学の1年と2年時は前日計量だったので、66キロ級でした。それが当日計量に変わったので70キロに上げただけで。MMAを始めて体は大きくなっているので、しっかりと上手く落とせました。自分が思っている通りの感じで落とせましたね。これまでの経験とタケさんに水抜きのアドバイスを頂いて。

今回1カ月前に決まったので、そのなかで照準を合わせて落とせました。Road to UFC以前に1カ月の準備期間があることはなかったので。ただ、もう少し時間的な猶予があった方がより創りやすいかと思います」

──この間のMMAファイターとして完成度を上げるという練習は一旦置いて、対策練習をしてきたことになるかと思います。

「そうですね、ホン・ジュンヨン対策を主な練習としてきました。ただすぐに成果が出るということではないですが、武田(光司)さんに紹介してもらってBrave世田谷でタケ(大宮司岳彦)さんにムーブメントの指導を受けるようになりました。

(中村)倫也さんとも情報をシェアして、アドバイスを貰ったりするようになったり。そこで得た知識や動きをBraveに持ち帰って、スパーリングで試しています。スパーリングはBraveだけですね。ここで出稽古を増やすと、整理できなくなってしまうので」

──前回大会はレスリング勝負でした。決勝の敗戦から3カ月で、この間採り入れたこともあり、何かファイトとして変わることは出てきますか。

「できることは増えたと思っています。テイクダウンしてからのコントロールも、体の使え方を変えてバリエーションが増えたという感覚でいます。立ちでの体の使い方はタケさんが創ってくれて、組みに関しては……自分は爆発力でなく筋持久力タイプなので、しっかりと時間をかけて倒す。テイクダウンにしても、そんな風に創ってきました」

──筋持久力タイプ……テイクダウンとパウンドの爆発力を考えると瞬発系だとばかり思っていました。

「レスリングの時もパワーや瞬発力でなく、MMAでは余裕がある時に瞬発力を出すという感じです。短距離走より、長距離走の方が全然得意だったので。そういう部分で、自分の強味を見直した時に、爆発力でなく時間をかけてテイクダウン、そしてパウンドという風になっています。

ただ練習でしか分かっていないことが多いので、答え合わせを明日するっていうことですね。自分ではどれぐらいできるのか、客観的に見ることはできないです。やっぱり新たに採り入れて来たことは期間がまだ短いので、やることを2、3と決めてそこを徹底してやります」

──では答え合わせの相手、ホン・ジュンヨンの印象を教えてください。

「典型的な韓国人ファイターですね。

頑丈でタフ、最後まで諦めない」

──どう諦めさせないといけなと考えていますか。

「相手が僕のレスリング力を甘く見ていれば、勝手に折れてくれます。そうでなくても、打撃を織り交ぜて戦えば、削って行けると思っています」

──伸選手のレスリング能力を軽視する相手はいないと思いますが(笑)。

「アハハハ。確かに、そうなりますよね。ただロン・チュウ戦を参考にしてくるようなら、あんな風にはならないです。あれだけテイクダウンを警戒しているなかで、突っ込んで行って僕の方が削られてしまったので。今回は良い意味で焦らす。焦らして相手からすると、『まだ来ないのか』という感じにさせたいですね。

15分を通したファイトを考えられるようになりました。それが昨年の敗北を通して、技術だけでなくMMAの完成度を高める要因になっていると思っています」

──ところで大宮司トレーナーも、倫也選手も同じトーナメントで出ている河名マスト選手の盟友といえる間柄ですが。

「そうですね。まず試合をすることになると、戦略的な指導を受けないことは予め話をしました。だから、そこに関しては深く考えていないです。試合が決まれば、戦う。そして強い方が勝つ。

レスリングでは対戦相手とも練習するものですし。大学3年の時のインカレの決勝の相手は、国士館大の1年後輩でした。同門対決も3度はやっていますね。なので強くなることが大切で、そういうことは気にしないです。戦略だけで勝てるなら、全員が勝つわけですし」

──その通りですね。日本人が潰し合おうが、勝てるだけ勝って日本人選手に契約を勝ち取って欲しいです。ではフェザー級の原口伸、どこがライト級と違うか教えていただけますか。

「今の感覚だと、足を使って自分のやりたいMMAが表現できるように思います。スクランブルをどんどんする。体も軽くなっているので、どんどん動いてスクランブルを創っていきます。シン・シン・ハラグチを見せます」

──なぜ、そこは英語の順番に(笑)。

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT

■Road to UFC2024 Ep02対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イープークールー(中国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
ソ・ユダン(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
プリヤ・シャルマ(インド)
ドン・フアシャン(中国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
パウラ・ルナ(ペルー)

■Road to UFC2024 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
安藤達也(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
原口伸(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
キラン・シン(インド)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
本野美樹(日本)
フォン・フェイアール(中国)

<ウェルター級/5分3R>
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)
キム・ハンソル(韓国)

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【Road to UFC2024Ep01】34歳・安藤達也の挑戦「今までは本気でUFCに挑む覚悟が足りていなかった」

【写真】無事に公式計量をクリア、安藤の挑戦が始まる(C)Zuffa/UFC

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード01で安藤達也が中国のチュウ・カンチエと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年3月のONE Friday Fightsでアリ・モタメドに勝利し、ONE本戦出場のチャンスをうかがっていた安藤。その一方で安藤のもとにはRoad to UFCなどUFCにチャレンジするチャンスも届いていた。最終的にONE本戦出場が叶わず、1年以上のブランクが空くことになったが、安藤はUFC出場を目指してRoad to UFC出場を決意した。公式計量を無事に終え、明日の戦いを待つのみとなった安藤。計量に行ったインタビューをお届けしよう。


――安藤選手にとってRoad to UFC初出場が決まりました。(取材日は5月15日)

「自分は今年もRoad to UFCがあるなら、絶対に(出場が)決まると思って動いていたんで、自分が思った通りに物事が進んでいる感じですね」

――去年もRoad to UFCに出るチャンスがあったとお聞きしています。

「ちょっと話すと長くなるんですけど………もともと自分はコロナの問題が落ちついたぐらいから自分のハイライト映像を作ってUFCサイドに送ったり、イリディウム(・スポーツ)のジェイソンが自分のことを気に入ってくれてたみたいで、ちょこちょこ連絡をくれてたんですよ。それで去年はRoad to UFC以外にもTUFとかダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズの話が来てたんです。でも自分は3月にONE Friday Fightsに出て、ONEで試合する可能性もあったから、そっちで試合することを考えていたんですよ。でもそれがなかなか決まらなくて。自分も年齢とかキャリアを考えたら先は長くないから、今年から正式にイリディウムに試合のマネジメントをお願いして、UFCを目指そうと思いました。

試合をしてなかった時期は絵を描いたり、グッズを売ったりしてお金を貯めていて、タイに合宿に行こうと思ったんです。それでONEの試合後に買ったゴールドのアクセサリーも売って。それは買った時より値段が上がってたんでラッキーだったんですけど(笑)。そうやって合宿資金を用意して、まず2週間くらいタイで合宿して、それからONEの時にサポートしてくれた(川原)波輝くんがいるアルファメールに行ったんですよね。そしたらその直後に正式にRoad to UFCのオファーがあったって感じです。ただ体重のところをちゃんと見てなくて、ずっとバンタム級だと思ってたんですよ。キロ表記じゃなくてポンド表記だったから、145ポンド=バンタム級だと勘違いしちゃって。それであとで調べたら145ポンド=フェザー級だって聞いて『まじ!?』みたいな。そこだけは計算外だったっすね(笑)」

――そんなことがあったんですね………。とはいえイリディウムと契約して、Road to UFCを見据えて海外に合宿にいったことが最終的にいい方向に進んだようですね。

「まじでそうっすね。自分のなかで『そうなるだろう』と思って動いことが全部叶っていく感じがして。これがどんどん続いていく感覚が面白いなって思いますね」

――フェザー級での試合という部分で、減量そのものは楽ですか。

「本格的な練習を始めたときが74kgだったから、8キロくらいですね。水抜きなしでナチュラル体重という感じです。上海についた段階でリミットをアンダーしていたので、普通に元気に飯も食って…みたいな感じで」

――アルファメールの練習で手応えを掴んだ部分はありますか。

「ガチガチにスパーリングをやって、結構全員ドミネートしてぶっ飛ばしてきたんですよ。帰国してからは毎日15㎞くらい走って、それでめっちゃ痩せて動きも速くなって、今の時点でリミットをアンダーするところまでいきました。向こうでいいイメージを作ることができたんで、あとは自分が気持ちよく過ごして、コンディションを整えることに集中してます」

――対戦相手のチュウ・カンチエの試合映像はチェックしていますか。

「一応4試合分ぐらい見たんですけど、自分あんまりちゃんと見ないんですよ、対戦相手の試合を。チラッと何となく見るくらいで。あんまり相手の映像を見すぎると、自分がそっち(相手)に合わせすぎちゃうんで」

――安藤選手としては相手に軸を置かずに、自分に軸を置いて試合をした方がいいパフォーマンスができますか。

「それこそ波輝君のタイトルマッチの時に練習を見ていて、すげえ対策をやっていたんですよ。で、2年ぶりの試合でプレッシャーもあって、試合そのものもユライア(・フェイバー)にお膳立てしてもらったわけじゃないですか。だから結構ピリついちゃってて。俺がなんかアドバイスしようとしても『何も言わないで』とか言われちゃう感じで。それで波輝くんの邪魔をしないように、勝ってくれれば何でもいいやと思って見てたんですけど、対策をやりすぎてて、負けない試合をやっちゃってたんですよ」

――勝つことが目的ではなく、負けないことが目的になっていたと。

「これでKO勝ちするのは難しいよなと思って見ていたら、案の定KOできずに終わって。もちろん求めるものが高過ぎるの良くないし、勝つことがチームとして大事だったのは分かっていたんですけど、俺は正直に『あれは倒せたよ』と言いました。だから自分はあんまり相手に合わせるというよりも自分が倒すことを狙って練習してますね」

――特に安藤選手は気持ちよく試合を迎えて、やりたいように戦う方がいいタイプだと思います。

「そうっすね。特に自分はそういう感覚のタイプなんで。それを重要視してやってきました」

――このトーナメントを勝ち抜けばUFCと契約できるという明確な道が出来ました。安藤選手としてはUFCに行くラストチャンスという気持ちなのか、それともやることをやればUFCに行けるという気持ちなのか。どちらですか。

「最初に話したみたいに俺は何回もUFCに行くチャンスを逃したわけじゃないすか。それでもオファーしてくれるって、結構俺のことを気に入ってくれてると思うんですよ。普通は『何回も(UFCから)オファーを断るってどういうこと?』ってなるじゃないですか。でもこうやってオファーが来たということは『本当にUFCに来たいの?』って試されてるんだなって。今振り返ると俺自身も覚悟が足りてなかったというか。本気でUFCという修羅の道に入る、全てを捧げてそこに挑む覚悟が足りてなかったんです。もしそういう覚悟があったら、今までもらってたチャンスのどこかでチャレンジしてたはず。それがこうやって覚悟を決めたら、改めてチャンスが来たわけだから、やっぱり俺はいるべくして、ここにいるんだなと思います。

適正階級じゃないチャレンジだけど、俺が見てきたヒーローのKID(山本徳郁)さんは体のサイズが違うのにデカいやつらをぶっ倒して、色んなことにチャレンジして。今と昔はレベルが違うし、そこを比べるのもよくないし、その方法が正しいとは思わないけど、俺自身は『他のやつと同じことやってても駄目だぞ』みたいな。本来バンタム級の俺がフェザー級でぶちかましたら、リスクを負った分だけ自分のポジションをゲットできると思います。

アメリカでパッチー・ミックスとかトップ選手と練習やっても通用したし、自分がUFCに通用するレベルにいるってことが分かって。それは勘違いとかじゃなくて、絶対に自分だったらいけるって自信なんです。だからあとはしっかりチャンスをくれた人たちに対して、自分が仕事をして、自分の評価を作っていくことが今の自分に必要なことなのかなって思っています」

――安藤選手のUFCへの挑戦、楽しみにしています。

「やっとここまで近づけたんで、今は目の前のことにしっかり集中して、このチャンスを逃がさないように。そう簡単な道じゃないことは分かっているし、自分が試されてるんだという自覚を持って挑戦します!」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午後7時~UFC Fight Pass
午後6時45分~U-NEXT

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【UAEW50】フライ級王座を賭けてヒベイロと対戦。藤田大和「今はこのベルトに集中しています」

【写真】記者会見場にてベルトをバックに(C)TAKESHI YAMAZAKI

17日(金・同)にUAEはアブダビのADNECマリーナ・ホールで開催されるUAE Warriors50で、新設のフライ級王座を賭けて藤田大和がイアゴ・ヒベイロと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月10月にいずれもギロチンを決めてUAEW2連勝を飾った藤田が、3戦目で砂漠のベルトに挑む。対戦相手するブラジルのヒベイロはMMA戦績12勝3敗で、過去の試合では組んで押し込んでくることが中心のファイターだ。果敢に削ってくるであろうヒベイロを相手に、どのような試合を見せるのか。現地到着後の藤田に意気込みを訊いた。今回も藤田に帯同している山﨑剛Me,We代表から届いた、豊富な現地写真とともにお届けする。


――UAEW出場時は毎回、現地到着後にインタビューをお願いしていますが(※取材は5月15日に行われた)、本日もよろしくお願いします。

「はい、よろしくお願いします!」

――おぉ、過去2戦の時よりもテンションが高いですね。もう現地には慣れましたか。

MMAPLANETのリモートインタビューを受けているところ(C)TAKESHI YAMAZAKI

「アハハハ、そうですね。もう3回目なので場所にも慣れていますし」

――リモート画面の背景を見ると、ホテルも毎回同じだと思われます。まず飛行機での移動と、空港からホテルまでの道のりも慣れたのではないですか。

「それが……前回の試合が去年10月で、7カ月の間に空港のターミナルが新しくなっていたんですよ。増築したのか何なのか。だから空港に着いても『ここはどこなんだろう?』と思いました(笑)」

――アハハハ、アブダビの空港の変化に気づく日本人MMAファイターも藤田選手だけでしょう。

「確かに(笑)。ホテルは同じですし、……初戦のエティハド・アリーナは遠かったんですよね。でも前回と今回は、別会場であってもホテルから近いので良かったです」

――アブダビの街にも慣れましたか。

「いえ。外を歩くことは、ほとんど無いんですよ。メチャクチャ暑いですから。昼間は40℃を超えていますし、夜も30℃より上だとは思います」

ホテルに用意された場所で体を動かす藤田。このスペースにも慣れている(C)TAKESHI YAMAZAKI

――それだけ移動にも現地にも慣れて来ると、初戦よりも減量の不安は軽減されたのではないですか。飛行機で長距離移動したあと、知らない場所で最後の減量を行うとなると、現地の状況が分からず不安を感じる選手もいます。

「まずホテルがどういう状態か分かっているので、安心感はあります。食事は外に行かず日本から持ってきたものを食べたりしていますね。とにかく外には出ません(笑)」

――初戦、2戦目とギロチンで勝利した末に3戦目でベルトを賭けて戦うこととなりました。UAEW内でご自身の評価が上がっていることは実感しますか。

「それは感じますね。もともと前回の対戦相手(サンスハル・アディロフ)が評価の高いファイターだったんですよ。その相手に勝ったあとは、現地の人たちにも評価してもらっているなと感じていました」

――アディロフは藤田選手と対戦時の戦績が11勝1敗1分で、いわば藤田選手のほうが当て馬だったかもしれません。

「あぁ、そう思います。初戦も2戦目も同じように感じました。でも今回は結構早く出場のオファーが来て、そこから対戦相手が決定するまでに少し時間が掛かりましたね。試合の準備は早くから始めることができていて、相手が決まったのは試合の3週間ぐらい前でした」

――ということは、藤田選手の相手を探していた……つまり今回は藤田選手がAサイドということでしょう。

「いやぁ、それはどうなんですかね(苦笑)」

――アディロフに勝利したあとフライ級王座の話をしていて、実際に設置されたのですから、そう考えてもおかしくはないかと。

「アディロフ戦のあとに主催者サイドと、『UAEWで勝ってUFCに繋げていきたい』という話をしていたんですよね。そうしたら新しくフライ級王座をつくるか――みたいな話も出て、今回のタイトルマッチに至ったんだと思います」

砂漠の街にたなびくUAE Warriorsの旗(C)TAKESHI YAMAZAKI

――国内から飛び出し、砂漠の国でベルトを巻く。藤田選手がUAEW王者としてオクタゴンに上がったら、それはそれで素晴らしい浪漫だと思います。

「なるほど(笑)。僕にとっては、ありがたい話です」

――同日には中国でRoad to UFCも開催されます。またDWCSや国内の興行からUFCを目指す選手もいるでしょう。そんななかで現在、海外のフィーダーショーからオクタゴンを目指すケースも少なくなりました。

「まぁ他の選手とは違うことをやっているんだなぁ、とは思いますね。アハハハ。もうUAEW出場も3回目なので、現地のスタッフさんとも顔見知りになっていますし」

――今回はブラジルのイアゴ・ヒベイロとベルトを賭けて対戦します。

「最初アブダビに来て、ブラジル選手と対戦するとは思わなかったですね。でもUAEWにはブラジル人もそうですし、いろんな国から選手が来ていて。自分としては相手が誰でも、どの国の選手でも変わらないです」

――ヒベイロの印象はいかがですか。

記者会見でヒベイロとフェイスオフ(C)TAKESHI YAMAZAKI

「以前と最新の試合映像を見比べると、最新の試合では結構丁寧に戦っていますよね。ジャブ、ローから低くテイクダウンに入ってきて。そのままサイドバックをキープしているので、力はあるんだろうなと思います。昔の試合は振り回している場面もあったので、爆発力もあるんでしょうね。ただ、打撃よりも組みのスタミナのほうが上という印象です。

一番怖いのは振り回してくるパンチを食らうことで。組んでしまえば時間を掛けて考えることもできますけど、打撃の攻防は一瞬で決まりますから。そこは警戒しています」

――そんななか2試合連続でギロチンを極めていると、今回も……と期待されませんか。

「期待はされます(笑)。周りから言われることもありますし」

――ヒベイロもギロチンを取れそうなスタイルでもあります。先ほど言われたとおり今回のタイトルマッチがUFCに至る道の一つであれば、本人としてもUFCへ繋げるためにと意識しますか。

「全然意識していない――と言ったら嘘になりますよね。でも試合が決まれば、今は『このベルトを獲る!』というだけに集中しています。結果としてUAEWのチャンピオンとしてUFCに辿り着いたら嬉しいですけど」

――ベルトを巻いたら、すぐにUFCと契約したいと考えているのでしょうか。

現地時間の朝8時に前日計量が行われた。1度目は100グラムオーバーだったが、20分後に57.15キロ(王座戦だが1ポンドオーバーOK)パスしている(C)TAKESHI YAMAZAKI

「もちろんUFCに行けるなら……年齢を考えたら、早く行けるに越したことはないです。もう今年32歳になるので。でも焦っているわけでもなく、あまり先を考えても良いことはないので、まずは今回の相手に集中します」

――今回はどのような試合になると思いますか。

「自分としては、いつもどおり打撃から組み立てて、あとは相手の反応次第です。組みの展開になると思うので、そこから自分の得意なところに持ち込みたいですね。勝ってチャンピオンになります!」

2024年5月18日(金・現地時間)
アラブ首長国連邦 アブダビ首長国
ADNECマリーナ・ホール
UAE Warriors50

■視聴方法(予定)
5月18日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■対戦カード

<UAEWフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アリ・アルカイシ(ヨルダン)
[挑戦者] サムエル・バーク(スウェーデン)

<UAEWウェルター級王座決定戦/5分5R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
タフィル・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)

<UAEWフライ級王座決定戦/5分5R>
藤田大和(日本)
イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ライトヘビー級/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
ディヤール・ニュルゴウスキ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
イマンシャピ・ムクタロフ(ヨルダン)
アギラン・タニ(マレーシア)

<163ポンド契約/5分3R>
ニカ・クプラヴィシヴィリ(ジョージア)
ウラジスラフ・ルドネフ(ウクライナ)

<194ポンド契約/5分3R>
モハメド・オシイリ(レバノン)
マムルジョン・ハミドフ(ウズベキスタン)

<ライト級/5分3R>
ズバイル・ズバイロフ(ロシア)
アブダラ・ホツハエフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
アリエル・オリヴェロス(フィリピン)
ルーカス・ペレイラ(ブラジル)

<124ポンド契約/5分3R>
エリン・オウバリ(スウェーデン)
アネリア・タクタゴノワ(キルギス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ウユビイ・アミスハノフ(ロシア)
シミク・マフメドフ(キルギス)

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【Road to UFC2024Ep01&Ep02】計量終了 河名マスト、ラストミニッツでパス「明日、ぶちかまします」

【写真】ギリギリのタイミングでパス。すぐにフェイスオフに(C)GINJI ARAI

明日18 日(土・現地時間)に中華人民共和国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024 Ep01&Ep02の計量が17日(金・同)に行われ安藤達也、原口伸、本野美樹、河名マストの日本人4選手は無事クリアした。
Text by Manabu Takashima

敢えて無事と表現したのは仮計量が始まり、次々と出場選手たちが控室のスケールで体重をチェックするなか、河名マストがなかなか姿を見せない──という情報が、本計量開始10分ほど前に現地から伝わってきたからだ。


上海時間の午前9時から11時までの計量時間、河名は10時前に現れ予備計量で1.5ポンド(約680グラム)オーバーに。今回、コーナーに上久保周也を帯同した河名は、本計量開始の1時間前で1キロオーバーの状態だったことが分かった。

1時間で400グラム近く落としていることになるが、このままパスをしないと対戦相手のソン・ヨンジェがキャッチ戦を受け入れるのか、代替選手との対戦になるのか。体重を創れてない女子選手もいたことと相まって(女子ストロー級は代役がいない状態)、計量会場は慌ただしい空気に。

実は河名は2月のGLADIATOR CHALLEGER SERIESでも残りの700グラムが落ちなく計量開始から遅れて計量会場入りしたということがあった。結果、500グラム・オーバー──今回でいえば1ポンド・オーバー規約──のない状態でパスをした河名だったが、人生が懸かった大一番で痛恨の計量ミスとなるのか。

本計量終了時間が迫ってくるなか、河名が控室に再び姿を見せ予備計量台へ。結果は、リミット丁度の146ポンドでパス!! 最後はUFC PI上海のスタッフが計量終了時間の10分前までタオル蒸しなど水抜きのサポートがあり、河名は晴れてUFCとの契約が懸かった戦場に立つ権利を得た。河名からはMMAPLANETに「心配おかけしてすみません。明日、ぶちかましてきます!!」というメッセージが届いている。

なお本野美樹と対戦予定だったフォン・フェイアールは116.7ポンドと計量失敗。本野はキャッチ戦でなく、不戦勝で準決勝進出を決めている。

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT(Ep01から続き)

■Road to UFC2024 Ep02対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イープークールー(中国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
ソ・ユダン(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝勝/5分3R>
プリヤ・シャルマ(インド)
ドン・フアシャン(中国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
パウラ・ルナ(ペルー)

■Road to UFC2024 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
安藤達也(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
原口伸(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
キラン・シン(インド)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
本野美樹(日本)
フォン・フェイアール(中国)

<ウェルター級/5分3R>
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)
キム・ハンソル(韓国)

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【Shooto2024#04】杉本恵とストロー級王座決定戦、藤野恵実「諦めたくないです、色んなことを」

【写真】1980年11月17日生まれ、キャリア30勝まであと一つ(C)TAKUMI NAKAMURA

19日(日)、東京都港区のニューピアホールで昼夜興行として開催されるShooto2024#04では、第1部(昼興行)のメインで藤野恵実が杉本恵と修斗世界女子ストロー級王座を賭けて戦う。
Text by Takumi Nakamura

昨年のインフィニティリーグで優勝を果たし、王座決定戦に駒を進めた藤野。ベルトを争う相手=準優勝者はリーグ戦で唯一引き分けた杉本となった。リーグ戦を戦う中で練習環境がJAPAN TOP TEAMとして整備され、コンスタントに試合をこなすことでMMAファイターとして成長を遂げた。自身2本目のベルトへの想い、そしてMMAファイターとしての夢=UFCへの想いも語ってくれた。


――インフィニティリーグ2023を経て、今大会では杉本恵選手と王座決定戦が決まりました。リーグ最終戦(吉成はるかにKO勝ち)から今回の試合に向けて、どんなことを意識して練習してきましたか。

「基本は変えてないんですけど、JAPAN TOP TEAM(JTT)で体制が徐々に出来上がってきたので、いい練習ができていると思いますね」

――練習環境がJTTになって一番変化したところはどこですか。

「以前はチーム自体、それぞれみんな練習をやっている感じで、私も結構外部に出ることの方が多かったんです。特に女子は選手も少ないので、引き続き外部練習は続けているのですが、チームとして一体感が出てきたと思います」

――専門のトレーナーが増えたイメージですが、その辺りが変わったところですか。

「ヘッドコーチがしっかりいることが大きいです。今までヘッドコーチ不在で外部トレーナーだけだったのですが、エリー(・ケーリッシュ)がヘッドコーチとして来てくれて、きちんと(練習を)締めてくれるという形が出来上がりました。エリーは全体に目を配って、選手ひとりひとりのこともすごく見てくれていて、そういうヘッドコーチのもとで練習できているなっていうのはありますね」

――選手それぞれがやっていることをエリー・コーチがまとめるイメージですか。

「練習そのものというよりも、例えばエリーはスパーリングを全部見ていて、これができていたから次はここが課題だとか、試合が決まったら対戦相手を見て、こうしてこうとか、そういうことを提案してくれますね」

――スパーを見てアドバイスするコーチがいると練習の意識もかなり変わるのではないですか。

「今までは自分でやりながら津田(勝憲)に見てもらう形で、トレーナーが常駐しているわけではなかったので、そういうトレーナーがいることは大きいですね」

――言える範囲で気づいたこと・指摘されたことが何か教えてもらえますか。

「結局言っていることは津田と一緒と言えば一緒なんです。でも同じことを違う人から指摘されるということは、自分の課題が明確で分かりやすい。分かりやすいからこそ、その課題をもっと意識して直していかなきゃいけないんだろうなと思いますね」

――新しいことを取り入れるよりも、引き続き継続して直すべきところに着手している形ですか。

「はい。時期的に新しいことをやるというより、課題を直す形です」

――そういった意味では、リーグ戦に出場して、何が経験・プラスになりましたか。

「リーグ戦が始まった頃はまだJTTの体制が整っていなくて、津田のもとでずっと練習していた形だったんですね。リーグ戦出場を決めた理由が、試合数が多いというところで。今まで強い選手と試合したいと言い続けてきたんですけど、コロナなどの理由で試合間隔がものすごく空いちゃって。キャリア的にも、いつまで試合できるかも分からないなか、できるだけたくさん試合をしたいと思っていました。ちょうどそのときに修斗さんがリーグ戦の話をくれて、2カ月に1試合ペースで試合ができると。なかなかそういう経験はできないので、コンディショニングを含めて自分をどう作っていくか。そう思って参戦させていただきました」

――2023年4月~2024年1月までの約9カ月間で5試合を戦い、過去最多と言ってもいいくらい試合をしていますよね。

「MMAとキックを並行してやっていたときは両方合わせて年間5試合くらいやっていたんですけど、ある程度キャリアを重ねてからは一番やっていますね。周りからも体調的に体が持つのか、最初はちょっと心配もされたんですけど、意外と調子よく上げていけたんで、結果よかったなと」

――スパンが空くよりも試合が続く方が体は作りやすいですか。

「そうですね。基本的に練習をずっと続けているので、だらけずにすぐに気持ちを切り替えやすくて。なんか良かったですね」

――練習環境が変わり、試合をコンスタントにこなすなかで自分の中の変化は何か感じましたか。

「リーグ戦は2R制だったんですけど、最近は2R制の試合をやっていなくて。私は最初のラウンドをなかなか行けなくて様子を見ちゃうことも多くて、2R制だから最初から出し切ることは意識してやるようにしていました。スロースターターだった部分は少しずつ改善できたかなと思います」

――2R制の試合をやったことで戦い方の幅は広がりましたか。

「あとはインフィニティリーグだからというわけじゃないんですけど、より早いフィニッシュをしないと勝っても点数が伸びない・優勝できないかもしれないというのがあったので、そこは意識して早いフィニッシュをしたい、しようと心がけていました」

――藤野選手はMMAで40戦以上キャリアを重ねていますがまだまだ自分が変わるきっかけやポイントはありますか。

「まだできないこととかやるべきことが多いですし、現状維持で良いレベルではないので、どんどんやっていきたいなとは思っています」

――今大会ではリーグ戦で引き分けている杉本選手と5Rのタイトルマッチで対戦します。杉本選手にはどんな印象を持っていますか。

「戦績的に負けが少ない選手なので、手堅い印象がすごくありますね」

――試合をした時も手堅い印象でしたか。

「あのときはドローになっちゃったのですが、自分が1Rを取れたなと思っちゃったのが本当にダメで。それで(2Rは)多分いけたなと思って試合を終わらせてしまって、結果ドローになってしまったんです。そういう慢心じゃないけど、確実にちゃんと仕留めるとか明確なものを作らなければいけないと思いました」

――ジャッジペーパーを見直すと、1Rはジャッジ3名とも10-9で藤野選手を支持。2Rは2名が10-9で杉本選手、1名が10-9で藤野選手と票が割れる形でドローに終わりました。試合直後はどんな心境でしたか。

「私は『えっ!?』となったのですが、津田は2R取られたかもって言っていたんですよ。1Rは明確に取っているけど、2Rはどちらにつくか分からない、と」

――セコンドの判断はそうだったのですね。

「だから津田は2Rの最後に『行け!』と言って怒っていたんです。逆に私はもう大丈夫だと思って、明確な差をつけずに終わらせてしまったことがダメでした」

――次は5Rの王座決定戦で、微妙なラウンドでどちらにポイントが入るかで勝敗が分かれると思います。そのうえで明確にポイントを取る・優勢に見せるところもテーマになってきますか

「パンクラスでやっていた頃はオープンジャッジだったんで、正直やりやすかったんですよね。でもオープンジャッジじゃないと、どちらにポイントが付いたかは本当に判断が難しい。もちろんフィニッシュはしなければいけないんですけど、誰が見ても自分がしっかり取ったと思わせる試合をしないと、前回みたいなことが起こりうる。そう思ってやります」

――今回は修斗のベルトがかかった試合です。タイトルマッチという部分での想いはいかがでしょうか。

「まさかこんなに色々ベルトに挑戦させていただけるとは思ってなかったし、パンクラスでタイトルに絡んだあと、もうベルトに絡むことはないかなと思っていたので。ラッキーと言ったらあれですけど、ありがたい話だなと思いますね」

――今の藤野選手の年齢・キャリアで修斗のベルトを巻くことには、どのような意味があると思いますか。

「何回もタイトルマッチを経験しましたけど、ベルトが取れたのは1回だけなんです。今年でプロデビューして20年経って、私は元々何か格闘技のベースもあるわけでもないし、何かが上手いということもない。最近は若い選手もすごく勢いがあります。でも一生懸命、格闘技を続けていたら、形になるということを自分で証明したいと思います」

――20224年最初の試合ですが、2024年はどのような1年にしたいと思っていますか。

「UFCにいきたい! Road to UFCはなんで年齢制限あるんだよってずっと文句もあるんで(苦笑)。格闘技始めた時からの夢がベルトを取ること、あとはUFCに行くことなんです。それをずっと言い続けているけど、そこには行けないまま来てしまって。だからこれからも現役を続けられる限りは諦めたくないです、色んなことを」

■視聴方法(予定)
5月19日(日)
午後12時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<修斗女子ストロー級王座決定戦/5分5R>
藤野恵実(日本)
杉本恵(日本)

<ストロー級/5分3R>
旭那拳(日本)
田上こゆる(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
石井逸人(日本)

<インフィニティリーグ2024フライ級/5分2R>
ヤックル真吾(日本)
須藤晃大(日本)

<2024年度新人王Tフライ級1回戦/5分2R>
前田壮吉(日本)
シモン・スズキ(日本)

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45 AB ABEMA DREAM FAW2024#03 Gladiator Grachan MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC Special UFC ギレルメ・ナカガワ シャーウス・オリヴェイラ チャンネル トミー矢野 パンクラス ミスター・ホンデ ライカ 中村京一郎 中村倫也 小島勝志 狩野優 鈴木崇矢

【FAW2024#03】代理戦争決勝でトミー矢野と対戦、中村京一郎「彼には柔術という逃げ道がある」

【写真】計量終了直後に見せた表情、どこまでもリラックス。そして余裕が感じられる(C)MMAPLANET

明日、17日(金)に会場未公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-決勝大会で、中村京一郎がトミー矢野と対戦する。格闘DREAMERS出身、デビュー戦は両国国技館のPOUND STROMにおける狩野優戦だった。その敗北から、始まったといっても過言でない中村のMMAファイター人生。
Text by Takumi Nakamura

初戦と準決勝の戦い振りもそうだが、前回の試合と今回の決勝戦について話す中村の言葉の一つ一つから、この2年の間、彼がどれだけMMAと向き合った来ていたかが伝わってきた。


──試合を3日後に控え、やはりリラックスしていますね(※取材は14日に行われた)。

「緊張はしていないです。試合まで、このままです」

──4月のギレルメ・ナカガワ戦は組みを切って、殴る。殴って組ませない。その流れが完全に出来上がってきたところで仕留めに掛かると、打撃で思わぬ反撃を食らいました。

「まぁ、僕の試合が無かったら代理戦争も盛り上がっていなかったと思います。そういう点でも流れが僕に来ている。パンチを被弾したのは……僕の練習相手は綺麗な打撃で、見やすいんですよ。それが久しぶりの喧嘩ファイトというのか、見えなかったです。『うわ、そこから来るのか!!』みたいに。汚い打撃を久々に食らいましたね。でも、あれって練習ではできないことなんですよね。

やっぱりボンサイは打撃に拘っていないからこそ、打撃を当てることができるんだと思いました。クレベルにしても、サトシにしても、ギレルメにしても」

──組み技に秀でていても、喧嘩ができるというか。

「ボディも顔も打って、心が折れるグラップラーも多いのですが……。本人も打撃ができないのが分かっているのに、打撃で来る。根性ありますよね。油断をしているつもりはなかったのですが、どこかで打撃では来ないという想いがあったのだと思います」

──日本のストライカーは組まれると終わりという状態にまだあると思っています。それが北米に行くと、ムンジアル優勝者や世界のトップクラスの柔術家に組ませない。柔術家が如何に勝つかという点に注目がいくのと、真逆の状態が続いています。その点で、中村選手とギレルメの試合は北米の構図になっている試合内容でした。

「シャーウス・オリヴェイラ、ジルベウト・ドリーニョ、ディアス兄弟もそうです。あれだけ寝技ができる柔術家が、打撃がメチャクチャ強い。なんなら寝技をしなくて勝つ。自分はUFCで勝つことを目標にしているので、組まれるのは当然だと思ってやっています。組まれたら、嫌だという思考でなくて。そこで切れずに、打撃戦に戻せないならMMAのストライカーじゃないです。

同時に彼らに組ませたら危ない。その意識を持ち続けています。練習で取られないようになっても、やはり戦う相手本人ではないです。今もトミー対策で、今成(正和)さんのところで解除方法を習っていますが、それが絶対でないという意識でいます」

──関節技と打撃は練習で100ではできないですし。

「打撃に関しては、トミーがそこを分かっているのかなって思っています。本気で殴られたことがない。何発か被弾すると、凄い恐怖を感じるはずです」

──それは足関節やサブミッションにも当てはまりませんか。

「今成さんは際どく攻めてくれるので、有難いです(笑)。それでも100ではないので、ビックリタップには気を付けないといけない。ただ、トミーも本来は上を取りたいはずです。MMAなんで。それが無理なら、足関節に来る。でも、僕は殴れるので」

──真剣の斬り合いのような攻防になりそうです。Kガードからのエントリーなど、殴られる覚悟で仕掛けてくると怖そうです。

「どういう流れになるのか……でも、Kガードを仕掛ける時間があるのか。確かに殴られる覚悟で仕掛けてくると厄介かもしれないですけど、効かさると本来の極めの強さも維持できないですからね。元気な状態の下と、効かされた状態は違うと思っています。トミーに関しては、もう倒すイメージはできています。僕も組みが強い人と練習していますから。

でも、そういう選手と戦えると思っていなかったので、格闘代理戦争に出て本当に良かったです。きっと、普通にMMAの団体で戦っていたらギレルメもトミーも試合ができなかった。いうと初戦のミスター・ホンデも含めて、全て国際戦を経験できているので」

──なるほど。本当にその通りですね。

「今後、世界に出ると道程にあってMMAはそれほどでも、柔術はしっかりとデキる選手と戦うことができた。戦績だけ見ると僕が一番上のようですが、彼らの格闘技歴は僕なんかより、ずっとあって。それだけ戦うことに慣れている。そういう選手と戦うことができて良かったです。3カ月連続で試合をすることもなかったと思いますし」

──なんだか、もう優勝したあとの言葉に感じられますが(笑)。

「そうですね。ここはしっかりと勝たせてもらいます。僕は本気でBMFのベルトが欲しいんです。そのために絶対にUFCに行く……。そのために生きています。でも、トミーってそこまでじゃないだろうって。

インタビューを読んだけど、スターになりたいとか言っている。スターになりたいなら、別にMMAじゃなくて良いだろうと思います。柔術をずってやってきて、ちょっとMMAにヌルッと入り過ぎたんじゃないかと。

MMAでスターになりたいけど、なれなくても柔術が残るんだろうし。僕はMMAしかない。彼には柔術という逃げ道がある。僕には、逃げ道はない。MMAだけで、人生を生きていくんです。お世話になった人に、MMAで恩返しをする。そういう俺と戦って、『お前、大丈夫か?』という気持ちはありますよ。気持ちの問題ですよ、そことは別に技術は存在しているので。ただ俺とは、覚悟が違うだろうって。

接戦になった時、その差は出ます。そういう覚悟がPOUND STORMで狩野(優)選手に負けた時に無かったから、僕には凄く分かるんです。今のように腹が括れていなかったから、ラスト30秒でタップした……」

──POUND STORMにおけるDREAMERS勢で、その覚悟があったのは中村倫也選手だけだったと思います。

「記者会見で……高島さんが狩野選手と岩﨑(大河)選手に『リスクしかない、やる意味のない試合をなぜ、受けたのですか』みたいな質問をしたんですよ」

──中村選手と、ヘンリー(三上大智)選手にとっては失礼極まりない質問ですね(笑)。

「ホント、あの時は『あんた、俺と話したこともないだろう?』ってムカついていたんです」

──スミマセン(苦笑)。

「でも今なら、ああいう風に思われていてもしょうがないと分かります。あの時の僕はヌルッとMMAをやっていた。倫也さんを筆頭に、格闘技で実績がある選手や(鈴木)崇矢みたいにやる気に満ちている連中が周囲にいて。それで自分が強くなっている気でいたんです。同じ電車に乗っているだけで、自分の荷物は違うのに、同じ風景を倫也さんと見ていると勘違いしていました」

──……。

「だから狩野選手に言っていたことは、もうその通りで。そりゃあ、そうだし。あの時の自分は、それだけ分かっていなかったんです。腹の括りようも甘くて、本当にヌルッとしていました」

──……。

「トミーは柔術が本当に強い。尊敬しています。さっきも言ったように試合で競い合って来た歴史も凄く長いし。でも、KIDさんやアーセンがいたからMMAをやっている気分になっている。あの時の自分と同じじゃないかなって。この試合で腹の括り方の違いが出ます。あの時の僕の経験を、今回の試合でトミーにしてもらいます。

逆にこの試合で負ければ柔術も辞める─ぐらいの覚悟だと、怖いですよね。でも、そんなこと思っていないから。そこは今の僕とは違いがあります」

──押忍。では今後に関してですが、どのようなプランを考えていますか。なんといっても、まだ2024年は7カ月も残っています。

「まずトミーと戦うことでKRAZY BEEに行くことができていなかったので、また練習環境を整えたいです。この間、本当にそれは感じました。まだ知らないので、米国で練習もしてみたいですし。

米国に行ったからって、強くなれるとは思ってはいないです。だいたい、言葉も通じない。食べるモノ、水も変わる。よほどの適応能力がないと、食べるって強さの根源ですよ。それが変わって、簡単に強くなれるなんて僕は思っていなくて」

──それは鈴木崇矢選手と、意見がぶつかりますね(笑)。

「アハハハ。だからこそ、行ってみたいんです。僕は行っていないから、分かっていないので。格闘代理戦争の間、試合間隔が短いからスパーリングでバカバカやることを減らして、調整もできました。凄く良い期間になっていて、自分の日本での練習環境は最高です。だから、経験として米国に行く必要があると思います。

実際、崇矢も強くなって帰ってきましたらね。何かあるのだろうし、それは経験したいです。強くなることに正解はないので、何でもトライしたいと思っています」

──では試合に関しては?

「優勝したら超RIZINという話が途中で出てきて……。まぁ、対戦相手にもよるんだけど……。ただ、スーパーアリーナのでっかいバージョンなんですよね。そこは倫也さんから、『そういう大観衆の前で試合をすることは、絶対に今後に生きる。RIZINに関しては好き嫌いはあっても、そこはあるよ。京ちゃんはUFCの雰囲気を知ったけど、試合をするのとセコンドは絶対に違うから』と言われて……。

あれだけMMAに掛けている倫也さんの言葉は、やはり重みが違って。それに、どアウェイ。そこを乗り切る練習になるかなと思っています」

──超RIZIN後も、まだ半年残っています。

「ハイ。来年のRoad to UFCに出るなら、国内のタイトルも必要で。Grachanでフェザー級タイトルを狙うというのもありますけど、チャンピオンの小島勝志さんは僕が山梨でMMAを始めた時のジムの会長なんです……。あとGLADIATORのチャンピオンは(河名)マストさんで練習仲間で。パンクラスは(新居)すぐるさんで、先輩だし(笑)。そうなると、戦う場所もしぼられてくるかなと思っています。

とにかく、僕はMMAファイターとしてまだまだです。だからRoad to UFC云々でなく、UFCで勝つためにBMFのベルトを取るためにグラップリングもレスリングも、打撃だってもっともっと強くなる必要があります。だから、まずは本当に自分がどう強くなれるのかを考えていきたいです」

──いやぁ、代理戦争のキャラ潰しになるかもしれないですが、全然傍若無人の若者でなく、口の聞き方も礼儀作法も心得ていますよね。ケージの中でカメラマンを手で払うとは、思えないです(笑)。

「いや、あれは……レフェリーも、カメラマさんに外に出てって言っているのに、ずっといるから(笑)。レフェリーの声が聞こえていたから、早く外に出てくださいって伝えたんですよ。でも代理戦争はカメラさんが下りてからも長い。そこは何とかしてほしいです(爆)」

──アハハハハ。

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

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2024#02 45 AB BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o PFL RIZIN ROAD FC Road to UFC UFC アレックス・ヴォルカノフスキー ブレント・プリマス マンスール・ベルナウイ 海外 矢地祐介 金原正徳

【Bellator CS2024#02】待望の海外進出=パリでベルナウイ戦、矢地祐介「近い距離の方が安全じゃん」

【写真】終始楽しそうだった矢地。ベルナウイを相手に、見て、殴ることができるか(C)MMAPLANET

17日(金・現地時間)、フランスはパリのアコー・アリーナで開催されるBellator Champions Series 2024#02に矢地祐介が出場し、マンスール・ベルナウイと対戦する。
Text by Manabu Takashima

RIZINで日本中に認知されるファイターとなった矢地だが、PXCからUFCを目指した若き日々があった。前UFC世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーに敗れ、その道を断たれた矢地だが、9年を経てなそ北米の強豪との対戦という想いを持ち続けてきた。

Road to UFCの選考に漏れ、3連敗や2度の連敗もRIZINで経験している矢地は、現在3練習中でベルナウイの地元パリでBellator CSに出場が叶った。33歳、今もMMAが楽しくてしょうがなく、成長過程にある矢地の海外進出、国際戦への拘りと勝利を手にするための悪癖の克服について尋ねた。


──試合まで10日を切りました(※取材は8日に行われた)。まず、このタイミングでPFL傘下のBellator Champions Seriesで戦うことを決めた背景には、どのような想いがあったのでしょうか。

「北米に挑戦にしたいというのはRIZINの方にも、2年ぐらい前から言っていて。RIZINはBellatorと仲が良いからBellatorの選手とRIZINで戦いたい。機会があれば、米国で戦いたいとずっと伝えていました。でも、俺の結果が振るわない時期もあり、なかなかそういうチャンスがなかったんですけど、ここ最近の結果とか色々とタイミングが重なった形でオファーを頂いた時は、もう二つ返事でした」

──今のMMA界の構造にあってRIZINとBellatorと掛け持ち云々という言葉を聞くと、大抵の選手に対しては『そんな立場じゃないだろ』というのが自分の本音でした。Bellatorのビジネスに役立たないとチャンスはないわけで。なら向うでの戦いに専念して名前をあげる気概がないと、勝ち残ることができるかと。

「う~ん(苦笑)」

──ただ矢地選手に関しては、Road to UFCを狙って実現しなかった過去があります。純粋に強さを求めているなかで、パリでマンスール・ベルナウイと戦う。アッパレだと感じます。

「北米メジャーに出たいとずっと思っていました。僕の階級では強いヤツがゴロゴロいるので。最近、自分自身で実力もついてきたと思っているし。本当に良いタイミングだったと思います」

──実力がついてきた。これはもう、矢地選手の試合前のインタビューで恒例となっている言葉のようにも感じられますが(苦笑)。

「アハハハハ。ちょっとぉ……でもケージやリングでは『アレ?』ってなるって、言いたいんですよね(笑)」

──その通りです(笑)。

「絶対にそう言われると思いましたよ。まぁ、そうなんですけどね(笑)」

──2月のLANDMARK佐賀大会では、解説の金原正徳選手がダメだしのオンパレードでした。矢地選手のこと、丸裸にしていましたね。

「ハハハハ。前回の試合で学んだことって大きいです。打撃の面では。皆が知っているように体を傾けて、顔を背けて打つ癖だとか──そこがやっぱり出てしまって。でも、1Rの途中から修正できました。現場のリアルななかで、感覚を得ることができた。それは凄く良かったと思います」

──相手の攻撃が見えるようになった。そこから如何に攻撃に出るのか。相手が見えるようになると、まず身を守る。だから攻撃に出られない。そういうこともMMAではあるかと思います。

「そこはねぇ……。見えて反応ができることで手が出ない。なんて、俺はビビりなんだろうって思った時期もありました。あの白川ダーク陸斗戦でも、そこがあったような無かったような。曖昧な感覚でしたね。前回の試合は自分の反応の良さがあって、そのなかで悪い癖をだしちゃいけないという部分で、『やればできんじゃん』という自信にはなりました。

試合でもちょっと勇気を出して……じゃないけど、頑張ってじっと見つめれば、『パンチって見えるじゃん』みたいな。そこの壁を、ポンと飛び越えることができました。試合というプレッシャーのなかで、特に相手は捨て身でやってくる。パンチに自信がある選手だし、なかなかの圧力でした。でも、そういう選手の攻撃を見ることができた。『できるじゃん』ってなれたのは、デカいです」

──その自信は持続できているのでしょうか。

「それが、この1、2カ月で自分の目の良さがディフェンスとか、打撃の攻防において凄く生きるじゃんって思えるようになったんですよ。それこそ2月の試合の経験が生きて、練習でも落ち着いて対処できるようになったし、何よりも近い距離って安心して良いじゃんって。自分のなかでの常識がひっくり返って『近い距離の方が安全じゃん』ってなりました」

──おぉ。

「それぐらいまで、来ることができているんで。もちろん、あの距離に入ったらパンチを貰うし、危ないです。気を張らないといけない。今までは、その前段階で嫌がって下がり、心地良い距離を保とうとした結果、詰められてバランスを崩す。そして、相手の一番良い距離でパンチを被弾しちゃう。その思い切り受けていたパンチも、ちょっと前に出ると……貰うのは良くないのですが、こんな感じなんだと自分のなかの常識がポーンとひっくり返って。

下がらないで、前に出た方が良い。俺は最近、組みに自信を持っているので、なおさら前に出た方が良いという風に今はなれています」

──それにしても、嬉しそうに話しますね(笑)。

「いや、楽しいです。今は本当にMMAをやっていて楽しい。ゲームをやっている感覚なんです。どんどんアイテムをゲットできている。そんな感覚がずっと続いているから」

──ベルナウイと戦う上で、その感覚がどう生きるのか。どのような印象を持っていますか。

「ある程度トータルファイターで、手足が長い。昔の方がイケイケだったと思います。Road FCで戦っていた時とか。最近は打撃の方は、そんなに勢いがないですよね。でも下からのスイープには自信を持っている。あのジョンウェイン・スイープってやつですね。それでも全体的に粗めかなぁ、組み技も」

──おお。別名ギグラー・スイープの名手も、組み技が粗いと。

「八隅(孝平)さんとも研究しているのですが、そのスイープにしても手札は多くない。そこを封じ込むことができる相手、ブレント・プリマスとかには勝てなかったじゃないですか」

──ハイ。さきほど組みに自信がついたと言われていましたが、テイクダウンを取ると相手の土俵になるかと。

「まぁ、大半の選手が彼のスタイルが分かっていても、あのスイープの餌食になっていますよね。だから触ってみないと分からない。そこに関しては、現場合わせです。手足が長いから、想定以上に包み込まれているのだろうと思います。でも、そこのところは正直分からないです。

だから住村(竜一朗)さん、イゴール(タナベ)とかサイズがベルナウイに近い選手と練習をして。背が高い選手と戦うと、アジャストが必要になります。テイクダウンを狙っても腰の位置が違う。四つの展開でも、肩の位置が違う。その辺りの感覚の違いの擦り合わせはやってきました。

もちろんスイープをされないことは大切ですけど、された時の準備もしているので」

──そういう相手に、どのように戦うつもりでいますか。

「何があろうと、最近の僕の戦いをぶつけるだけです。打撃の攻防をして、テイクダウンして絞める。そういうプランは一応あります」

──では、ベルナウイ戦後の青写真は?

「ここを越えたら、継続参戦をしたいです。やっぱり憧れが強いんで。それにまだ本国、米国の試合じゃない。米国の地で戦いたい。なので、この試合に勝って継続参戦をしたいです。とにかくベルナウイに勝たないと始まらないので」

──勝敗でいえば勝利が絶対。と同時に成長した姿を見せて欲しいです。

「そういう意味では前回ズッコケた分、今回は出したいです。誰よりも僕自身が練習してきたことを出して、成長を試合で見せたい。ホントに。最初の10秒、見逃さないでください。『あっ!!』ってなると思うんで(笑)。そこで『変わったぞ』となるのか、『また始まったぞ』となるのか」

──アハハハ、自分で言っちゃいますか(笑)。

「確実に1ミリずつ成長していますから」

──1ミリで間に合いますか。目標に?

「ホントだ、1センチぐらいは(笑)。でも1ミリの成長を見届けて欲しいです。深夜になっちゃうと思いますけど、ライブで視て欲しい。今回のテーマは根性と魂。そういう部分を見てもらえたら嬉しいです。

あと金原さんに解説をしてもらって、今度はお褒めの言葉を貰えるように戦います」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午前0時30分~U-NEXT

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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC キック ボクシング ルエル・パナレス 松井斗輝

【Road to UFC2024Ep04】敗戦&減量失敗からの巻き返し、松井斗輝「あの経験がなければ……」

【写真】ネガティブな発言から始まりながら、取材中は笑顔を浮かべることも多かった松井。しっかりと気持ちを切り替えてオクタゴンに挑んでほしい(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード04で松井斗輝がフィリピンのルエル・パナレスと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

フライ級に日本から唯一の出場となった松井にとって、2024年のスタートは残念なものとなった。昨年12月、ムハンマド・サロハイディノフに敗れてから、わずか1カ月半で挑もうとした秋葉大樹戦で松井は計量をクリアできなかった。減量中に体調を崩し、病院に搬送されて試合中止となった松井は何を想うのか。取材時の松井は口数も少ない。さらに今回のインタビューでは、まずネガティブとも受け取れる気持ちを吐露している。しかし敗戦と減量失敗を糧に松井が世界の頂点を目指してRTUに参加する、その気持ちを知ってほしい。


――まずはRTU出場が決定した時の気持ちを教えてください。

「秋葉選手との試合で計量失敗して、まず『自分が出て良いのか』という気持ちがありました。それと『しっかりベルトを獲ってから……』という考えもあったので、ベルトを巻いていない自分が出るのは、RTUの順番待ちをしている人たちに対して申し訳ないという気持ちにもなりました」

――いきなりネガティブとも受け取れる言葉が出て驚きました。スケジュールを考えると、昨年末のサドハイディノフ戦の頃からRTU出場は検討していたわけですよね。

「秋葉戦で勝てばRTUも確定するんじゃないか、という話をしていました」

――それだけ重要な秋葉戦の計量で6.8キロオーバーということは、「落とせなかった」のではなく、何かしらの要因で「減量できていなかった」ということですか。

「あの時はずっと体調が悪くて、水抜きで体重を落とした後に病院へ緊急搬送されました。その病院で試合が中止になったと聞いて……。点滴を打ってもらい、水分や食事で体力を回復させてもらったあと、秋葉選手に謝りたいと思って計量会場に行ったんです。その時に自分の体重を測ったら『6.8キロオーバーまで戻っていた』という状態でした」

――なるほど。松井選手としては秋葉戦でしっかり勝ち、その勢いでRTUに臨むという気持ちを持っていたのですね。

「はい。サロハイディノフ戦の負けを取り返したいと思って、1カ月と3週間後の試合でもオファーを受けました。でも、そのためにコンディションをつくれなかったことは事実です」

――松井選手はフライ級でもフレームが大きいほうだと思います。コンディション調整と計量失敗を経て、RTUでもフライ級で戦うことに不安はありませんでしたか。

「……正直、不安はありました。でもサロハイディノフ戦の時、時間をかけて減量したら、すごくコンディションは良かったんです。試合は負けてしまいましたけど、それだけ時間をかけたら体重も落とせて、コンディションも良い状態で試合ができるとは思っていました。それとバンタム級ではRTUに僕が出られる枠はない。だから――自分が起こしてしまったことから学んで、しっかりフライ級で戦おうと決めました」

――そのとおりですね。松井選手は、いつ頃からUFCを意識して、オクタゴンを目指そうと考えていたのでしょうか。

「プロデビューした時からです。ずっと『日本の代表として世界で戦いたい』と思っていて、世界一の大会であるUFCを目指すと考えていました」

――同時にチームメイトの鶴屋怜選手がRTUを勝ち抜き、UFCと契約したことも影響していますか。

「特に怜は同じ階級なので、メチャクチャ刺激を受けています。あの時はとにかくチームメイトの応援でしたけど、改めて同じ階級で自分もUFCを目指していることを考えると……。あれだけ強い怜でも、決して楽なトーナメントじゃなかったですよね。去年のトーナメントを見ていて『自分も絶対に勝てないわけじゃない。でも、やらないといけないことは多い』と気づくことはできました」

――ではサロハイディノフ戦の敗北から改めてRTU出場を考える際に、改めて取り組まなければいけない点はありましたか。

「やっぱり組みと寝技ですね。その部分はまだ3年半しかやっていなくて――寝技は経験によるものだと言われているので、今は組みと寝技をひたすら練習しています」

――組みと寝技という面でも、あれだけしつこく組んでくるサロハイディノフと対戦した経験も生かされるのではないでしょうか。

「そうなんです。本当に組みがしつこくて……(苦笑)。あれだけ組んでくる選手は、日本でもいないですし。国内でサロハイディノフ選手と対戦できたことは、経験として本当に大きいと思います」

――秋葉戦の前に体調を崩し、RTU確定までにコンディションは戻っていたのですか。

「RTU確定の連絡が来たのは、ちょうど練習を休んでいた時期でした。秋葉戦の計量失敗から1カ月ぐらい休もうと思っていて。でも確定の連絡が来て、すぐに練習を始めました。相手も決まっていて、『もうやるしかない』と気持ちはすぐに切り替わったんです。ただ体は、やっぱり1週間は思うようには戻らなかったですね。

でもサロハイディノフ戦のあとも少し休んでから練習を再開した時、やっぱり1週間ぐらいは体が動かなくて。それが練習を再開してから2週間ぐらいしたら動きも戻ってきたので、安心はしていたんです。同じように今回も2週間後ぐらいから戻ってきました」

――敗戦にしろ計量失敗にしろ、起きてしまったことは仕方ありません。ただ、サロハイディノフ戦から秋葉戦まで1カ月半の間に起きたことは、松井選手にとって本当に大きな糧となったのですね。

「あの経験がなければ、今回も焦りが出ていたかもしれないです。でも今は良い意味での危機感を持つことができています」

――それは良かったです。では対戦するルエル・パナレスの印象から教えてください。

「探してみるとパナレスの試合映像も、すぐに出てきて助かりました。ストライカーで――フィリピンのストライカーは結構振ってくるイメージがあったんですけど、パナレスは綺麗に戦うイメージですね」

――同じフィリピンのMMAファイターでもラカイの選手は大きく振ってくることもありますが、パナレスは違いますね。

「ラカイの選手と比べると、綺麗すぎる戦いなのかなっていう印象はあります。あと公式プロフィールでは身長差が3セほどしかないけど、試合映像を視ると明らかに小さいですよね。160センチ台の前半なのかな、って思います」

――身長が低い相手はやりやすいですか。

「やりやすいです。それだけリーチも短いと思うので」

――パナレスはサウスポーに構えていますが、松井選手のスタイルを考えるとサウスポーは苦にしていないという印象があります。左ジャブ、右ストレート、さらに左ボディを主体にしていると……。

「そうですね。アマチュアボクシングの時はトーナメントだから、試合直前まで相手がどちらの構えなのか分からないことが多かったんです。でもサウスポーは苦手ではなかったし、もともとサウスポーの選手が多かったので、スパーリングもたくさんやっていました。だからパナレスは、やりやすい相手だと思います。

気をつけるとすれば左ハイキックですね。意外と足が高く上がってきますし、喧嘩四つで僕がインサイドを取った時に左ハイを合わされるのは注意したいです。あとはパナレスは普通のキレイな打撃なので、自分も特別はことはせず、いつもどおり戦います。できればKOしたほうがインパクトは大きいと思いますけど、トーナメントを勝ち抜けばUFCと契約ですから、まずは目の前の試合で勝っていくことを考えます」

■視聴方法(予定)
5月19日(土)
午後9時~UFC Fight Pass
午後8時45分~U-NEXT

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【Road to UFC2024Ep01】打倒、中国MMA。本野美樹「タイでは打撃より組みを学んできました」

【写真】締まって見える。その通りの本野、シャオカンとの対戦から確かな自信を持っているように感じた(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード01で本野美樹が中国のフォン・フェイアールと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

本野は一時ストロー級からアトム級へ転向を考えていたが、ABEMA TVの海外武者修行プロジェクトを経てUFCを目指すことを決意する。そんな本野に大きなチャンスが訪れた。RTUで女子ストロー級トーナメントを開催――日本人からただ一人のエントリーとなった本野が、昨年11月に敗れているフン・シャオカンへのリベンジとともに、オクタゴンを目指す決意を語る。


――試合まで1週間のインタビューとなりますが、すでに体も絞れているようですね。アトム級で試合をした時よりも絞れているような印象を受けます。

「え、そうですか。その時よりも体重は上ですね。でも最近、周りからも『以前より絞れたね』と言われることが多くて」

――筋肉の質が変わったのでしょうか。

「実はABEMA TVさんの企画で海外修行に行かせていただいたあと、パーソナルでウェイトトレーニングの指導を受けるようになりました。筋量を測ったことはないけど、フィジカルづくりの成果が出ているのであれば嬉しいです」

――なるほど。ABEMA TVの海外武者修行プロジェクトに参加したあと、本野選手はUFC出場を目標に掲げました。同時期にRoad to UFCがスタートするなか、女子でも行われると思っていましたか。

「過去2大会は女子がなくて、それでも『女子も開催する』という噂だけは聞いていたので一応、準備だけはしておきました。自分でエントリーして、あと今はイリディウムと契約しているので、イリディウム側からもUFCにアクションはあったんだと思います」

――昨年も女子ストロー級が開催されていれば、エントリーしたかったですか。

「はい。去年も4月ぐらいまで『女子のトーナメントが行われる』という話があったので、ギリギリのオファーでもRTUに出られるのなら――と国内のオファーを断っていました。そうして待っていたら女子の開催はなく、試合間隔も空いてしまったんです」

――そんななか、昨年11月には中国のハッピー・エレファントMMAチャンピオンズ・リーグという大会で、同女子ストロー級王者のフン・シャオカンとのタイトルマッチに臨んでいます。

「RTUがなくても海外で試合をしたくて、いろいろ相談している中で中国での試合の話が来ました。しかも相手はチャンピオンで――ということで試合をやらせてもらったんです。もちろん負けてしまったことは悔しいけど、反省点や自分が成長できていることや、やるべきことも見えた試合だったと思います。だから気持ちもそこまで落ちることはなくて」

――シャオカン戦では1R、2Rと本野選手がテイクダウンを奪い続けていましたが、3Rにグラウンドへ持ち込んだ直後に下から三角絞めから腕十字を極められました。

「2R終盤にパンチを効かされてしまって、3Rに入った時すぐ組みに行ったんです。その組み方、倒し方が良くなくて相手の三角に入ってしまいました。アウェイの大会だから取り切らないといけない、という気持ちのほうが強くて。判定になったら負けることもあるし、と思ってとり急いでこともありました。そこは自分のミスですね」

――今回のRTUにはシャオカンも出場します。シャオカンは女子ストロー級の中でも体格が大きいでしょう。本野選手としてはアトム級転向を考えていたなかで、UFCを目指すために改めてストロー級で戦うことを選択しました。そのなかで体格差は気になりますか。

「次の相手(フェイアール)もプロフィール上は体格が大きいですよね。でも自分としては減量の面も含めて、ストロー級がベストだと思っています。だから体格差は気にしていません。

シャオカン戦も身長差があるなかで、私のほうから組みに行くこともできました。それほど入りづらく感じることもなかったし、次回の相手は前回よりも体格が大きいわけではないので、それほど気にしなくて良いかなと思っています。その点では、中国の試合を経験しておいて良かったですね」

――そのシャオカンが同じRTUに出場することは、自身のRTUが確定する時に知っていましたか。

「最初は自分の対戦相手だけ聞かされていて、そのあとにシャオカンも出場するという話を耳にしました」

――目の前の対戦相手であるフェイアールのことはもちろん、その向こうにいるシャオカンのことは考えませんでしたか。

「最初に聞いた時は『あぁ、いるのか……』と思いました。でも今は対戦相手が違うので。多少は意識してしまうけど、そこは何も考えず次の相手の対策だけを考えています」

――フェイアール過去にシャオカンに敗れています(本野戦の前がフェイアール戦で、2ラウンドTKO勝ち)。開催地も含めてRTUは中国勢が中心になっている印象があり、そのなかでもカードの組み方を考えると、女子ストロー級はシャオカン中心なのかと……。

「アハハハ。私としては、そういう考えをしていなくて。逆に優勝候補と対戦経験があって、しかも次やれば勝てると思っています。もし準決勝でも決勝でもシャオカンに勝てば、リベンジできて、さらに一気にUFCへ近づくことができるという気持ちでいます」

――それでこそプロのファイターだと思います。普通なら、イライラしても仕方ない状況が揃っているにも関わらず。

「あの試合でシャオカンにボコボコにされていたら、また気持ちも違うとは思うんですよ。でも対戦しているからこそ、次はしっかりやれば勝てる相手なので」

――なるほど。RTU初戦では、そのシャオカンに敗れているフェイアールと対戦します。勝敗が示すとおり、シャオカンよりもレベルは劣る相手だと思いますか。

「試合映像を視る限りは、距離感はシャオカンのほうが巧いなって思います。でも今回の相手は今回の相手で、ガンガン前に攻めてきます。あとは体が強そうで、どれだけ自分が組んでみてフィジカルの強さを感じるか。油断はできないですし、前回とは違う戦い方をしないといけないなと思っています。

今回はトーナメントだから、どんな勝ち方でもとにかく勝ちに徹することが一番ですよね。逆に、この3試合をしっかり勝ち切ってこそUFC本戦に挑めるというか。RTUで勝ち切れないと、たとえUFCと契約しても厳しいと思います。そのためにもトーナメント3試合はしっかりと勝ち切らないといけないですね」

(C)MIKI MOTONO

――今年2月にはRENA選手とともに、プーケットのタイガームエタイで練習していますね。これはRTU出場を意識したものだったのでしょうか。

「いえ、以前からタイで打撃の練習をしてみたかったんですよ。たまたまRENAさんのタイ修行があって、タイミング良く一緒に行くことができました。

米国修行の翌年には、『また海外で修行できたらなぁ』と思っていました。でも米国はかなり費用が掛かるので……タイだったら頑張って行けるかな、と(笑)。実際に行ってみると打撃の技術以上に、テイクダウンしたあとのコントロールやレスリングの技術のほうを教えてもらって。正直、タイでは打撃より組みのほうが学んできました」

(C)MIKI MOTONO

――本野選手の場合、米国修行で打撃面は大きく変化したと思います。その上にタイガームエタイで積み上げてきたものは何なのだろうと思っていました。

「米国修行のあと――去年のシャオカン戦の前から、日本でバンゲリングベイの白川裕規さんにミットを持ってもらっているんですよ」

――白川トレーナーですか。キックボクサーはもちろん、MMAファイターの指導経験も豊富ですね。

「はい。白川さんの場合はスパー風のミットというか。そのなかでカウンターの取り方もそうだし、打撃戦の中で自分がテイクダウンに入るタイミングとか――打撃の距離感も身についてきたと思います」

――次のフェイアール戦で、その成果が見られることを期待しています。

「女子ストロー級は日本人が私一人なので、せっかく頂いたチャンスをしっかり掴みたいです。そしてトーナメントを勝ち抜き、UFCと契約して新たなスタートを切ります。たくさんの方にその戦いを視ていただきたいので、よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午後7時~UFC Fight Pass
午後6時45分~U-NEXT

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【Road to UFC2024Ep04】キム・キュソン戦=透暉鷹「UFCのトップで面白くない試合をする選手はいない」

【写真】キム・キュソンの日本人との対戦歴を見ると、ここは安パイと思いたくなるものだが全く楽観視していない透暉鷹だった(C)TAKUMI NAKAMURA

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード04で透暉鷹が韓国のキム・キュソンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

透暉鷹は2022年12月に河村泰博に一本勝ちし、フェザー級に続いてバンタム級キング・オブ・パンクラスを獲得。年始のMMAPLANETでのインタビューではRoad to UFCへの出場を希望しており、それが叶った形となる。パンクラスでの2階級制覇も、バンタム級転向も、すべてはUFC参戦のため――。いよいよ透暉鷹がUFCへの道を歩み出す。


――上海入りしたあとのインタビューありがとうございます(※取材は14日に行われた)。本格的なファイトウィークがスタートしたところだと思いますが、どのような感じですか。

「UFCの施設や環境がものすごく整っていることが一番衝撃ですね」

――海外遠征ではありますが、そこまで苦労はないですか。

「そうですね。明日から食事も支給されますし、練習場所まで近くてバスも出ているので、移動も楽なんです。試合以外の作業もなく、ストレスがフリーなので、すごくいいですね」

――透暉鷹選手はパンクラスでの戦いを経て、Road to UFCへの出場が決まりました。実際に決まったときの心境はいかがでしたか。

「もともと僕は世界で戦うためにパンクラスを選んで、ずっとRoad to UFCには出たいと思っていました。ただ実際に出られるかどうか分からない状況で、色んな角度・色んな方面からアプローチしてもらっていたんです。そこはもう出られるように祈るしかなかったんですけど、こうしてチャンスが来て本当に嬉しかったですね」

――今までの試合とは違って、正式に出場決定を待つ状況だったと思いますが、どのような心境で過ごしていましたか。

「チャンスが来ることを信じて練習していましたね」

――昨年12月の河村泰博戦からバンタム級に階級を落とす形でしたが、それも×世界やRoad to UFCを見据えてのものだったのですか。

「そうですね。海外挑戦が見えてきたくらいから、階級を落とすことを視野に入れて体を作り直してっていう感じでやっていました」

――計画的に体重を落としていたのですね。

「もちろんフェザー級よりきついはきついです、最後の水抜きとか。でもそこは海外の選手とやるには必要なところなんで。色々なことも経験していきながら、バンタム級まで落とせるように普段から節制しています」

――透暉鷹選手としては実績やキャリアを積んでRoad to UFCにチャレンジするというよりも、明確にRoad to UFCにチャレンジするという目標があって、そこから逆算してやってきたわけですね。

「はい。元々そこを目指してやってきたので。だからいよいよ自分が望んでいた戦いがここから本格的に始まる、という心境です」

――河村戦以降はどのようなことを意識して練習してきましたか。

「自分の課題というか、ずっと取り組んでいる技術的なところがあって、それは試合で経験しないといけない、練習では身についていかない部分でもあるんですね。だから試合と練習を重ねながら、しっかり取り組んでやってきました」

――実際に試合にならないと分からない部分もあると思いますが、練習での変化・手応えは感じていますか。

「自分ではそこまで分からないのですが、練習仲間や周りのコーチ陣には、スピードが上がったねと言われます。スピードが上がれば打撃のキレも上がって威力も変わってくるし、階級を落としたほうが普段の練習の質が上がって、良い練習ができてますね」

――節制してグッドシェイプになったことで、練習全体の質が上がっているようですね。

「そうですね。技術的にもちゃんと練習できるみたいな」

――技術面ではどういったことを意識してきたのですか。

「自分の得意なところは組みだったり、フィジカルや瞬発系の動きを生かすことで、そのうえで例えば組みだったら、自分が力を使っていても、ちゃんと相手に力が伝わっていなかったら意味がない。そこでテクニック的にしっかり力を使うというか、しっかり力が伝わるように、ですね。練習でも試合の中でやっていることをイメージしながらやらないと、ちょっと感覚が違ってきたりするんです。それは打撃の部分も同じで、自分がテイクダウンして極めたりとか、パウンドアウトするための総合的なストライキングの距離感やシュートボックスの距離感をずっと取り組んでいます」

――対戦相手のキム・キュソン選手にはどんな印象を持っていますか。

「結構日本人とも試合をしている選手なので、日本人とやることにも慣れているのかなと思います。僕もフェザー級では長身の選手とやることが多くて、オーソドックスで亀井(晨佑)選手とか。だから(身長が184センチの)キュソン選手のイメージはしやすいのかなと思います。

ただ技術的には今までやってきた相手よりも、もっと上だと思っていて。グラウンドで寝かされてから立つ動きとか、柔術的な感じの動きとかも多分全然レベルが上がってくると思うんで、そこをしっかりイメージして練習してますね」

――キュソン選手はデータも多い選手なので作戦も立てやすそうですね。

「練習仲間にも180センチぐらいの選手がいて、それこそ日沖(発)さんは身長も体型も似ているので、練習はしっかりやってくることができました」

――Road to UFCはUFCと契約することがゴールで、一戦一戦結果が大事な戦いです。どんな戦いを見せたいですか。

「僕は普段の練習からプロとして面白い試合をやれるように…というか、技術的にUFCのトップにいる選手で面白くない試合をする選手っていないじゃないですか。ちゃんとそこを普段の練習からやっていて、それを試合に出していけば、自然にいい試合ができると思うんですよ。格闘技は相手あってのものだし、そこが噛み合うかどうか分からないですけど、自分の中では練習でしっかりフィニッシュを狙って戦う。

練習で漬けたり、判定を狙う動きばっかりしていると僕は絶対に勝てないと思っているんで。普段からフィニッシュを狙って練習して、その練習通りにやれば結果も出るし、いい試合ができると思います」

――純粋に強い選手の試合は面白いですし、強いからこそフィニッシュを狙えるのも確かです。

「そのくらい強い選手しか集まってこないから、UFCは人気があるんだと思います。たまに選手の気持ちが折れたように見える試合もあると思うんですけど、あれは気持ちが折れてるわけじゃなくて技術・フィジカル的に負けているからだと思うんですよ。

そこは気持ちでどうにかなるものじゃないから。ちゃんと練習から技術とフィジカルを作って、それを試合で出すことが出来れば気持ちは折れない。僕はそういうものだと思っているから、ちゃんと練習・試合でやれてないと駄目だなと思います」

――技術・フィジカルで競っているからこそ最後は気持ちの勝負になるわけですからね。それでは最後に日本のファンにメッセージをいただけますか。

「正直試合が決まった直後は日本のファンに対する想いみたいなものを考えたことがなかったんですね。でも試合が近づくに連れて、色んな人から声をかけてもらうようになって。僕自身、UFCに向けて試合をやってきて、今までとやってきたことは変わらないんですけど、海外で試合する=日本のみんなが応援してくれるんだなということを日に日に実感しています。

今まではあまり気負う感じではないんですけど、しっかり周りの声や応援もプラスに変えて、今までやってきたことをしっかり出すことに集中していきたいなと思います」

■視聴方法(予定)
5月19日(日)
午後9時~UFC Fight Pass
午後6時45分~U-NEXT(※Ep03から引き続き)

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