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Interview ROAD FC Road to ONE03 ブログ 内藤のび太 猿田洋祐

【Road to ONE03】大願成就、内藤のび太戦へ。猿田洋祐「何が必要? あの戦いから逃げないこと」

【写真】コロナも日本の格闘技界も関係ない。勝てば官軍の一騎打ちだ (C)MMAPLANET

9月10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されるROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHT。同大会で猿田洋祐が内藤のび太と戦うことが、17日(月)に行われた記者会見で発表された。

猿田、のび太ともに修斗世界ストロー級王者から、ONE世界ストロー級チャンピオンとなり、現在は無冠だ。何より猿田にとっては、長年熱望してきた戦いが実現することとなった。

なぜ、猿田はのび太の背中を追い続け、戦うことを望み続けてきたのか──会見終了後の個別取材で尋ねた。


──ケージに入る前、あるいは試合が決まる前から戦いが始まっているかと思います。そういう風に考えると、のび太戦の準備は猿田選手の方がずっとできているのではないかと。

「やっぱり戦いたいと思っていた期間が長いですからね。2015年の年末にフライ級挑戦者決定戦で扇久保選手に負けて、また一から積み上げてタイトルを目指すのか、それとも違う団体にいくのか。色々と考えた時に……やっぱり修斗が好きで。そのなかで、誰と戦いたいのかと考えた時に1階級下に無敗ののび太選手がいて。

一気に駆け上がってきた選手なので、今から考えると自分と真逆で羨ましくて……彼のような選手になりたかったんでしょうね」

──のび太選手は社会性に乏しく、実社会で大丈夫なのかなって思われている人じゃないですか?

「そんな風に言われていますけど、試合になると負けない。そのギャップに憧れていた部分はあったと思います。限界を超えて相手に食らいつく……戦略を立てて綺麗に戦うとかでなく。自分はのび太選手のように、試合で出し切れているのかって思っていました」

──のび太選手は逆に猿田選手のような運動神経の良い選手に憧れていると思います。ところで修斗でもONEでもチャンピオンになり、そしてONEではベルトを失った者同士です。どこかのび太選手に勝ってベルトに挑戦したいという気持ちはありましたか。

「修斗でのび太選手が返上したベルトを僕が取って、そこからONEで一緒になったので、やるんだったらタイトルマッチでという気持ちが強かったです。僕の目標はベルト奪回とのび太選手に勝つこと。ONEだと日本人対決は難しい。なら僕がベルトを獲って、日本大会でのび太選手を指名させてもらうつもりだったんです。そういう気持ちでやってきました」

──そこまでの想いだったのですね。最高の相手で、もう試合に集中するだけという状況かと思います。

「本当にその通りです。我がままを聞いてもらったというか……自分も格闘技界全体のこととか考えないといけないんですけど、青木さんのおかげで好き勝手やらせてもらっています。そこを青木さんに任せてしまって申し訳ない気持ちもあります。ただ、この試合はゴールに向かって、そこだけを考えたいです」

──今、この大会でのび太選手と戦う。引き合いに出されて迷惑かと思いますが、箕輪ひろば選手が相手だと気持ちは違いますか。

「試合を断ることはないです。与えられた仕事をするのは変わり有りません。試合に向けて、気持ちの入れ方も変わらないはずです。でも……楽しめないですね。パシオに挑戦するために戦う試合になります」

──とはいえ、のび太選手と戦いたいではなく、勝ちたいということですよね。

「もちろんです。自信もあります。勝つことで自分のやってきたことを証明できる。そうですね、ずっとのび太選手と戦いたかったのは、勝つことで救われるということだったんだと思います。この試合は本当に自分のための試合です。人に喜んでもらうとか、良い勝ち方とかでなく、自分のためにのび太選手を倒したいです」

──4年間、想ってきた試合でどういう自分が必要でしょうか。

「あの戦いから逃げないこと……じゃないでしょうか。皆、のび太選手と試合をすると、シングルを取らせないため距離を取ってカウンターを合わせようとする。そういう試合をします。

自分は入ってきてもらって構わない。そこで違いを見せるつもりです」

──3Rだと5Rより分が良いというのは?

「のび太選手は5Rの選手ですから、若干ですけど3Rの方が有利です」

──カウンターになってしまうのですが、猿田選手は5R動き続けるフィジカルも心肺機能もあります。それでも3Rの方が有利になると思う部分、それこそが彼の一番強いところではないですか。

「気持ちですね。3Rが終わったぐらいから元気になるんですよね(笑)。そこに行くまで終わせる……、多少は僕に優位に働きます」

──終わらせるということだと、昨年10月の北方大地選手との試合で良いイメージを創ることができたのではないでしょうか。

「アレは巧く行き過ぎたと捉えています。自分の実力、北方選手との力の差とは思っていないです。たまたまのタイミングで、運が自分に向いただけで」

──世界同時中継ということは、ジョシュア・パシオがバギオで視聴するかと思います。

「彼が視ることで、プレッシャーを感じるような試合をしたいです。パシオ選手がのび太選手と戦った時のように逃げずに、自分はこう戦ってフィニッシュするんだと見せることで強さをアピールし、プレッシャーを与えることができると思うので……そういう試合にしたいです」

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Angel's Fighting14 ARC02 Double G FC04 News other MMA ROAD FC ブログ

【ARC02、Double GCF04、Angel’s Fighting14】韓国MMA界、再開後の動き。Double Gで注目マッチ!?

【写真】ケビン・パク✖キ・ウォンビン戦、実現するのか(C)ARZALET

5月23日(土・現地時間)にAfreeca TV Road Fighting Championship=ARC01の開催により活動を再開したK-MMA界で、その後の動きは明らかになってきた。

ARCは第2回大会を今月27日(土・同)、第3回大会を7月25日(土・同)に予定していたが、6月大会はキャンセルとなり、ARC02が7月18日(土・同)にソウル・ソンパ区のHOT6アフリカ・コロシアムで開かれることとなった。
Text by Choi Woo-Suk


対戦カードはまだ明らかとなっていないが、ARC03が予定されていた25日の前日──24日(金・同)にソウル・カンソ区にあるKBSアリーナでDouble GFCが変わりなくイベントを行う。メインでコリアンゾンビことジョン・チャンソンの教え子でTOP FCで戦っていたホン・ジュンヨンと、KTTのキム・サンウォンのマッチアップが決まっている。

同大会では正式発表はまだされていないが、Arzaletのエース=ケビン・パクが、日本でも実力者で通っているキ・ウォンビンと74キロ契約で戦うマニア垂涎の1戦や、元HEATライト級王者オク・レユンが、かつてAngel’s Fightで苦杯を喫したブレンゾリグ・バットムンクとの再戦などが、実現に向けて動き始めているそうで、この2試合が実現すればDoubel GFCの存在感が一気に増す大会になるやもしれない。

さらに8月17日(月・同)にはパジュ市のAngel’s Fightingオフィシャルジムで、AFC14の開催が予定通り決まり、メインはAFC暫定ミドル級王者決定戦としてキム・ジェヨン✖チャ・インホ戦が組まれた。同級の正規王者は香港人ファイターのサーシャ・パラトニコフで、入国が現状では難しく、暫定王座を設けることとなった。

ここに挙げたARC、Double GCF、そしてAFCのイベントは、いずれも現時点では無観客で開催予定だ。

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ARC001 News other MMA ROAD FC ブログ ベ・ドンヒョン

【ARC001】韓国でもMMAがリスタート。アフリカTVで無観客も、かなり日常的な新構想大会スタート

【写真】e-sportsの会場だけに大きなスクリーンが完備された会場。メインで勝利したベ・ドンヒョンとロードのジョン・ムンホン会長とキム・デファン社長──そして日本ではまだ見られていないリングガールの姿も。マスク姿であるが記念撮影も行われている 。特にイベント開催にネガティブな反応はなく、かなり日本とは違う日常が韓国にあるようだ(C)ARC

韓国MMA界で、新型コロナウィルス感染拡大後、初めてイベントが開催されている。23日(土・現地時間)、ソウルのソンパ区チャムシルのHOT6アフリカ・コロシアムでARC=Afreeca TV ROAD (FIGHTING) CHAMPIONSHIP 001が行われた。

同大会はその名の通り、韓国のネットTV局=アフリカTVとRoad FCがタッグを組んで行われたイベントだ。


アフリカTVは2005年5月にWデータサービスとして活動を始め、2006年3月に現在の名称に変更された。事業内容はTV番組の再放送、e-sportsのライブ配信や個人の日常をアップするなど、日本でいえばABEMAとYoutubeが合体したようなストリーミング、動画供給サービスといえる。

視聴者はビョルブンソン(星風船)という有料アイテムを利用することで、ブロードキャストジョッキーと呼ばれる配信者に投げ銭できるシステムも存在している──無料サイトだ。またアフリカTVでは自らのe-sportsチームを所有しており、e-sports大会のスポンサーも務めてきた。

そのアフリカTVでは以前から格闘技に興味を示しており、過去には日本のアフリカTVがロードFCの配信を行っていたこともある。また個人放送のホストとして、格闘技イベントを開いたこともあった。

今大会が実現する以前からAZALET KOREAのイ・ジェホ代表とスタジオ・フォーマットでイベント開催&中継を交渉中であったが、これは諸事情があり実現せずイ代表と親しいロードFCのキム・デファン社長がバトンタッチを受け、今大会は実現を迎えた。

いってみれば資金はアフリカTVが持ち、ロードFCが運営するという形がとられており、コロナの時期に開催されたのは、タイミング的なモノであり特にこの世情を反映してものではないというのが現地での見方だ。

試合は3分✖3Rで、寝技は30秒制限。今回は受賞者がでなかったが、試合開始から30秒以内で勝利した選手にはボーナスが与えられるなど、MMAを寄り格闘エンターテイメントに寄せたルールを採用し、『魅せる』大会となっている。

今回会場として使用されたHOT6アフリカ・コロシアムは、元々はe-sportの会場で、当日にはARC開始前にロードFCセントラル=アマチュア大会も行われていた。コロナの終息に向けて、日本や米国より進んでいる韓国ということもあり、会場に入場する前はサーモグラフィによる検温こそ実施されているが、写真で見る限り会場にいる人数も多く感じられる。

ちなみに明日の修斗無観客大会はRoad to ONEと同様に撮影はオフィシャルのみという形がとられ、記者は2階席にソーシャルディスタンスを取っても受けられる。対して、ARCは記者席が15席用意され、ケージサイドでのメディアの撮影も許されていた。

セコンドは3名で、かなり日本とは意識が違うようだ(C)ARC

試合内容としては寝技30秒という制限があるために飛びつき十字など、一足飛びの技を大胆に使う傾向もみられた。

ロードFCのトップファイターの出場は見られないが、それでもアルゼルト・コリア期待のヘビー級ファイター=ベ・ドンヒョンが、ロードFCの人気者ホ・ジェヒョクをメインでは3R1分03秒でKO。

セミではコロナ騒動の初期段階でモンゴルFCでのオトゴンバートル・ネルギ戦がキャンセルされたムングントスズ・ナンディンエルデンが、同じロードで活躍するキム・セヨンを僅か50秒でKOしている。

またセミ前ではロードFCの新リアリティTV=マッチャンイシン(タイマンの神)で優勝した──散打の世界大会で2度準優勝という肩書のパス・スンモと、高校生ながら準優勝したシン・ユンソが今大会でプロデビューを迎えている。

パク・スンモはキャリア2勝9敗のイ・ソンスにスプリット判定勝ち。

シン・ユンソはキム・サンに判定勝ちと、大きなインパクトを残すことはできなかったが白星デビューを揃って飾っている。

そんなARCだが、まだ第2回大会の開催は明らかとなっておらず、ロードFCを始め、韓国MMA界も屋内競技は観客を入れて行うことは現時点で──少なくとも7月いっぱいは許されないような状況だ。既に無観客ながらプロ野球やサッカーのKリーグが再開している韓国におけるコロナの時代のMMAは、どのような歩を進めるのか気になるところだ。

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ABEMA Fighter's Diary Interview J-CAGE ROAD FC ブログ 上迫博仁

【Fighter’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる上迫博仁の声 on 2016年9月17日

Hiroto-Uesako【写真】フェザー級への減量、その過酷さが感じられる当時の上迫 (C)ABEMA&MMAPLANET

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.03が25日(土)より、アップされている。

完結編=第3弾でクローズアップされた格闘家は那須川天心、山本美憂、松嶋こよみ、和田竜光、大沢ケンジ&上迫博之、藤野恵実の7人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送されている。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第17回は2016年9月20日公開、9月17日に取材した── Road FC33でのホン・ヨンギとの対戦 を控えた──上迫博仁のあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

──すでにかなり頬もこけていますね。

「ハイ、体重はあと4キロか5キロぐらいなので見えています。あとは調整って感じですね」

──この時点で(※取材は9月17日)残りそれだけということは、あまりドライアウトはしない方ですか。

「半身浴やサウナで落とすことはなく、動いて落とします。なので計量前夜にソウルに行くので、ほぼほぼ落とした感じで行って、あとは代謝で落ちるぐらいにしておきます」

──水抜きは水抜きで大変ですが、それでも前日に現地入りして計量会場はホテル内。対して、日本で体重を落としていくとそれでも計量前日に6、7時間ぐらいの移動があります。

「そういう経験がなかったのですが、いつも通りの感じであまり気にしないようにしています。計量の日に移動するわけでもないですし。大丈夫だと軽く考えています。フェザー級に落として最初の方はライト級の感覚でやっていて辛かったですけど、最近はカレンダーに目標値を入れて、その通りに落ちるようになっていますし。いつも通りという感覚になっています」

──水抜きをしないのは?

「やっぱり2年前の10月の高橋(憲次郎)戦で計量をミスした時のことがあります。あの時に半身浴で落としていたんですけど、もう呼吸もできないような感じで動けなくなってしまって。あれから水抜きでなく、体を動かして落とすことにしました。それ以来、試合の時も体が軽く感じられて、よく動けるようになりましたね」

──水抜きなしだとリカバリーはどれくらいですか。

「10キロぐらいですね」

──そんなに戻るものなのですか。

「ハハハハ。僕は戻ります。体を動かして、筋肉から水分を取る。バスタブでやっていることを動いてやっているようなものですし。もうお風呂とかサウナは怖くて入ることができなくなりました」

──追い込みのピーク後も動き続けているということなのですね。

「計量の前日は代謝で落とすので、2日前までは普通に動いています。自分と向き合うというイメージでは、動いて落とす方が好きです。計量オーバーで色々な人に迷惑をかけてしまいましたし、大沢(ケンジ)さんにも心配を掛けるなら、体重でなくて技術面や試合の組み立て方で心配してもらう。そうでないと申し訳ないので」

──では開催日時、開催国も代わっていよいよ試合を迎えます。

「実はロードFCのことは何も知らないんです。全階級、チャンピオンが誰かも分かっていなくて。いや、福田(力)選手がチャンピオンなのは知っています」

──そう自信満々に言われても、福田選手は1月に王座陥落しウェルター級王者はチャ・ジョンファンですよ(笑)。

「アッ、そうだったんですか(苦笑)。そんなぐらいしかロードのことはイメージがなくて。ただ、韓国自体は今MMAが盛り上がっていること、選手が強くなっていることは伝わってきています。

そこで戦えることがまず、嬉しいです。日本を出て、お隣の韓国で試合をするのも良い経験だと思っています。いずれ僕は海外で勝負をしたいと思っているので、まずは隣の国から攻めてやろうと(笑)」

──では対戦相手のホン・ヨンギについては、どのような印象を持っていますか。

「映像を見ていると、ホン・ヨンギ選手は何か人気がありますよね。凄い応援を受けていますし。日本の全盛期の雰囲気も伝わってきます。色々と煽りもしているようだし、そういうロードFCに出られることは本当に良かったと試合前でも思っています」