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【Gladiator024】ベルトを目指す戦い。田中×ウーリッツァー、河名×チハヤフル、中川×モンゴル期待の新鋭

【写真】ライト級王者・佐々木信治への挑戦権を賭けた戦い――田中有×グスタボ・ウーリッツァー(C) MMAPLANET

4日(土)、GLADIATORより12月19日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024の追加カード3試合が発表された。
Text by Manabu Takashima

既に竹中大地×テムーレン・アルギルマーという刺激的なマッチアップが明らかとなっていた同大会。今日の発表ではタイトルマッチに絡む3試合うち国際戦2試合が実施されることとなった。・


その3試合のうち、タイトルにダイレクトとなるのがライト級次期挑戦者決定戦として、田中有×グスタボ・ウーリッツァーだ。プロ修斗で環太平洋王座挑戦経験のある田中有は昨年12月以来の再起戦で、今回がグラジ初参戦でウーリッツァーとの戦いに臨む。

GLADIATORライト級王座は、今年1月にウーリッツァーが正規王者キ・ウォンビンに挑むもTKO負け。ウォンビンがRoad to UFCに出場するためにタイトルを返上し、暫定王者の佐々木信治が正規王者に昇格している。

再起戦に挑む田中はこの試合に向けて、タイでの練習をこなしており――負傷がちだった修斗での戦いから如何にグレードアップしているのか楽しみな参戦となる。

そんな次期王座挑戦者決定戦に対し、タイトル挑戦を睨む査定試合的な意味合いがあるのが、フェザー級の河名マスト×チハヤフル・ズッキーニョス、中川皓貴×バットオチル・バットサイハン戦の2試合だ。

田中と同じreliable神戸所属の中川はGladiator20でチョ・ソンビンとフェザー級王座決定戦に敗れて以来、11カ月ぶりの実戦復帰となる。一時期、引退という声も伝わってきた中川は、王者パン・ジェヒョクの持つベルトを狙い、復活の一歩をモンゴルのバットオチル戦で踏み出す。

バットオチルはテムーレンの同門で、プロMMA戦績は2勝1敗(※確認中)ながら、モンゴルで1度だけ開催されたIMMAFモンゴル大会で優勝し、タイガームエタイでのトレーニングを経験している。

このバットオチル、今年1月に長谷川賢タレントリレーションズ代表がモンゴル視察をした際に戦績に関係なく、いの一番に来日候補を挙げたウェルラウンダーだったが、学業に専念せざるを得なく招聘を諦めたファイターとのこと。それだけ将来性の高さが買われている新鋭との対戦、中川としては絶対に落とせない一戦となる。

もう一つのフェザー級戦はともに6月の王座決定トーナメント準決勝で惜敗を喫し、9月大会で復活Vを挙げた河名とチハヤフルが対峙することとなった。

以下、プレスリリースに挑戦者決定戦出場の2選手とは当然として、ベルトが視界に入って戦う6選手の今大会に向けての意気込みは以下の通りです。

田中有
「今回GLADIATOR初参戦という事ですごくワクワクしています! おもしろい試合してGLADIATORライト級にヤバいやつきたなと思わすような試合をします!

対戦相手のグスダボ選手は実績のある良いファイターでパンチが強そうで勢いがよく、寝技もしっかりしていてバランスのいい選手だなと思いますが、僕が圧倒して勝ち次に繋げます! 最後にブラジルから来てもらい感謝します。熱い闘いやりましょう!

GLADIATORは強い選手や外人選手が沢山増えてきて凄く良い団体だなと思い出場する事を決めました! 一人でも多く僕の事を知ってもらい次期挑戦者として名前上がるような試合をします!」

グスタボ・ウーリッツァー
「このたびチャンスをありがとうございます。しっかり準備をして、相手を倒しに行きます。GLADIATORのベルトは俺のベルトです。残念ながら、 GLADIATORのタイトルを争う最初のチャンスを逃してしまいました……。それ以来、毎日、トレーニングセッションで、私は新たなチャンスを待っていました。

そして、そのチャンスは田中有に勝てばすぐにやってくる!
だから私は彼をとても尊敬していますが、私のベルトを手に入れるためにはできるだけ早く彼を倒す必要があります」

河名マスト
「トーナメントで負けて、改めて伸びしろに気づくことができ、それに向き合いながら前戦に臨むことができました。試合するたびに掴めている感覚があるので、今回も新たな自分を見せようと思います。

チハヤフル選手は、頑丈で粘り強く戦う選手なので、徹底的に自分のフィールドに引き摺り込んで、心が折れる音を聞くのが楽しみです。自分自身のために勝って、大切な人と喜びを分かち合います!」

チハヤフル・ズッキーニョス
「前大会でフェザー級トーナメントが一旦終わりました。死闘を勝ち抜いたパン・ジェヒョク新チャンピオンのことは尊敬しています。が、決勝はダギースレンの計量オーバーでいまいち締まらなかったので、もう一丁盛り上げたいと思っていました。

ここに来ての河名マストとの対戦は必然だと思っています。トーナメント参戦の噂を聞いた時から戦いたいと思っていたので、前回互いに生き残り、ようやくその時が来たという思いです。

河名マストの印象は、タフなエリートアスリート。レスリング時代とLFAでの試合も含め、世界を知っている選手だと思います。そのような選手に触れるのは初めてなので、非常に楽しみです。

対して僕はエリート要素ゼロの、彼から見れば野良犬みたいな存在でしょう。さっさとUFCに行きたい彼にとっては負けられない相手であることは確かです。しかし、GLADIATORには今後も国内外から新たな実力者が参戦してくるでしょうから、僕もここで負けてはいられない。河名マストを誰の目にも分かる形で倒せば、ベルトにも一気に近づくと思っています。

最後に、彼は純粋に結果を求めるアマチュア競技の延長としてMMAをやっているように見えます。一方で自分にとって試合は単純な競い合いではなく、命を燃やす祭です。対照的な僕ら2人、おもしろい化学反応が起きると思います。お見逃しなく!!!」

中川皓貴
「今回の、試合に向けて前の試合から期間が空いてしまって、みんなにも『辞めるん?』とか『辞めたん』ってめっちゃ聞かれたんですが、男は負けたままじゃ終われないです!

きっちりとやり返しに帰ってきました! もう負ける事は出来ないです! 応援して頂いている方に悔しい思いはさせません!

モンゴルの人は力強そうやなとか、どんな試合するんやろとかめっちゃ考えてたんですが、考えていても一緒やって思って。やる事は一つしか無いので、ただきた相手を倒すだけです!

Gladiatorのことを含め、前のタイトル戦で負けてめっちゃ弱気になってた自分がいるんですが、Gladiatorの王座決定トーナメントとか見ていて、やっぱりベルトが欲しくなりました! 海外選手も増えてGladiatorも櫻井さんのお陰で大っきくなって人気があるんですが、Gladiatorのベルトが1番似合うのは自分や思っているので!」

バットオチル・バットサイハン
「初めての海外での試合なので、この試合は私にとって非常に重要です。 チャンピオンへの第一歩なので全力で戦いたいと思っています」


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BELLATOR IMMAF MMA MMAPLANET o ONE ROAD FC Special UFC YouTube   ボクシング 海外 鈴木陽一

【Special】新連載『MMAで世界を目指す』:鈴木陽一ALIVE代表「MMAに必要なフィジカルとは?」─01─

【写真】ALIVE設立前はスポーツクラブ運営委託会社でトレーナーやスポーツクラブの運営に携わっていた鈴木社長。現在はALIVE運営のほか、健康経営事業でも活躍中(C) BICF

UFCをはじめ世界各国でMMAが普及、拡大していくなか、技術だけでなくフィジカル面も重要視されていることは言うまでもない。しかし「MMAに必要なフィジカルとは?」というテーマに対して、なかなか答えを出せない方も多いのではないだろうか。そこでMMAPLANETでは毎月、総合格闘技ALIVEを運営する鈴木社長=鈴木陽一代表が各ジャンルの専門家とともに、MMAとフィジカルについて考えていく連載企画をスタートする。

Text by Shojiro Kameike

鈴木社長はスポーツクラブ運営委託会社勤務、健康運動指導士を経て1998年に名古屋で総合格闘技道場ALIVEを設立。これまでプロ選手を30名輩出し、国内外のMMAイベントに選手を送り出してきた。今回の連載では、格闘家に関する身体組成、運動生理学、分子栄養学、フィジカルトレーニング、減量の知識、脱水の知識などを専門家とともに考えていくことがテーマだ。そんな連載の第1回はまず「フィジカルとは?」について考えたい。


――連載開始にあたり、まずは鈴木社長から経緯と内容についてご説明いただけますか。

鈴木 2023年9月、おかげさまでALIVEが25周年を迎えました。25周年のジムというのは、日本のMMAの中でも長いほうだと思います。そして私自身も58歳になり、会社で取り決められた定年――60歳まであと2年と迫っています。その2年の間に、25年のMMAジム運営で培ってきたものを形にして残したいと思ったんです。

MMAではカナダTKOから、UFC、Bellator、ONE、IMMAFまで29回、柔術の国際大会にも4度セコンドとして帯同している鈴木社長。

では、何をどうやって残していくのか。私はもともとスポーツやフィットネスのトレーナー出身です。そこから総合格闘技道場ALIVEを立ち上げ、選手とともに国内大会から海外へ――UFCやBellator、Road FCといったMMA大会にも行きました。柔術の世界大会ムンジアルにも同行しています。

たとえば日本と米国のMMAジムの違いとして、米国のMMAジムにはしっかりと資金が投入されている。医師、理学療法士、栄養士といった国家資格を持った人たちが、MMAジムのスタッフに加わっています。それだけMMAがスポーツ・ビジネスとして成立しているわけですね。そこで日本の格闘技業界で25年やってきた人間でありながら、スポーツトレーナーとしての観点で日本のMMAについてお話していこうというのが、今回の連載企画の主旨です。よく言われるところですが、MMAにおいて日本は海外と比べて遅れている――遅れているから、何をどうするべきなのか。その点を考えていきたいと思っています。

――同じコンバットスポーツでも、レスリングやボクシング、柔道といった五輪スポーツは日本国内でも施設や育成プログラムが整っています。海外の場合は規模こそ違えど、各MMAジムで同じような施設とプログラムが成立しているわけですよね。

鈴木 私も仕事柄、Jリーグやプロ野球、ラグビー、そのほか五輪スポーツのトレーナーさんとお話することが多いです。多くのプロスポーツは分業制になっていますよね。栄養は栄養士がチェックする、フィジカルはフィジカルトレーナーが就いて、心理相談員もいます。さらに、その全てを管理するコーディネーターさんがいるわけです。日本のMMA界でも、自らギャランティーを支払ってフィジカルトレーナーや管理栄養士さんに付いてもらっている選手もいます。ただ、それらをコーディネートするのは選手本人であることが多いですよね。それが日本と海外、日本のMMAと他のスポーツの違いではないかと思います。

――日本のMMAジムの規模で、その環境をジム側が提供できるかどうか。

鈴木 そこが一番の課題になります。たとえば米国のジムに行くと、会員さんが2000人もいたりします。そのなかでプロ練習に参加しているのは数十人ほどでしょう。1900人以上の一般会員さん、フィットネス会員さんがいる。その売上で各ジャンルの専門家をジム内で雇うことができます。それはマネージャーも含めて、です。日本のジムだと会員さんは、多くても数百人でしょう。するとジムに掛けられるお金も違ってきますよね。日本のMMAジムも、もっと利益を生み出して専門家を雇えるようにならないといけない。

――ただ、日本と米国ではMMAの市場規模が違いすぎますよね。1000人、2000人も会員さんを集められるジムは存在しないのが現状です。場所、スペースの問題もあって、それだけのジムが生まれることはないでしょう。

鈴木 これは今回の企画から離れてしまいますが、ALIVEの現状についてお話します。今はクラスの会員さんが約200名で、プロ選手が指導するパーソナルトレーニングジムの会員さんが50名ほど。プラス道場へのスポンサー料で、年間の売上が約4000万円になります。それぐらいの売上があると、ある程度の出資が可能になりますよね。国内だけでなく海外遠征も楽になる。そうして海外のMMAメガジムを追いかけている形です。

――よく分かりました。少し前置きが長くなってしまいましたが、連載第1回目のテーマ「MMAに必要なフィジカル」についてお話していただきたいと思います。私自身、「フィジカル」という言葉について一つ大きな疑問がありました。それはトレーナーさんによって「フィジカル」の定義が異なることです。

鈴木 そうですよね。そこで今回は、理学療法士でもある納土真幸君に来ていただいています。納土君は元ALIVE会員で、現在は愛知県内で特にスポーツリハビリに強い総合病院に理学療法士として勤務しています。また、高校の部活動や県のスポーツ協会で、トレーナーやメディカルスタッフとして活躍しています。

納戸 今日はよろしくお願いいたします。フィジカルの定義に関するお話の前に、MMAにおける日本の米国の差について一つ例をご紹介します。私も全ての文献をフォローできているわけではありませんが、少なくとも2015年ごろから米国では、成功したアスリートに関する文献にMMAファイターの例も増えてきています。それこそ医学的見地から脱水に関して、ボクシングの場合はこう、MMAの場合はこう――と。

――えっ!? 米国ではMMAが、以前からスポーツ医学の研究対象となっているのですか。

納土 はい。なかでも特に研究の質が高いと言われている『American Journal of Sports Medicine』(米国整形外科スポーツ医学会の公式機関誌)が、2016年にはMMAの文献について取り上げています。つまり、2016年より前から米国ではスポーツ医学の見地からMMAについて研究されているということになります。文献の中では、MMAにおけるフィジカルも研究されています。そこでMMAに必要なフィジカルとして研究されているのは、筋力――筋力と神経の伝達、もうひとつは無酸素性の能力です。

鈴木 我々が学校の体育科で最初に習うのは、「フィジカル」ではなく「体力」という言葉です。まずこの図を見てください。

学校で学ぶ「体力」の要素。これだけでも新しい事実が分かってくる

日本のトレーナーさんの言う「フィジカル」とは、「身体的要素」の中にある「行動体力」の機能だと思います。そもそも体育を専門的に学んだ者からすると、「身体的要素」と「精神的要素」の両方ともが体力=フィジカルなんです。たとえば「精神的ストレスに対する抵抗力」――練習や試合に対するストレスも、体力のいち要素であって。

――「体力」という言葉を聞くと、どうしても「行動体力」の機能しか思い浮かびません。学術的には、精神面も体力のうちに入ってくるのですね。

鈴木 MMAのトレーナーは今後、こうした文献や学術的な視点を持っておかないと、海外で勝てるファイターを育てることはできないと思います。今の僕が、これを実現できているかどうかではありません。ただ、MMAジムを25年続けてきて、所属選手が海外でも戦ってきた結果として感じていることです。

――これまでフィジカルトレーニングとメンタルトレーニングは、分けられるものだったと思います。学問としての「体力」においては同じものなのですか。

鈴木 同じです。最近流行しているボディメイクのトレーナーさんと、五輪競技のトレーナーさんでは「フィジカル」の定義が異なります。さらに学者さんが言う「フィジカル」も違います。本来「フィジカル」には、精神的なケアも含んでいるということなんです。

これはまた別の回で話をしますが、計量前の脱水に関しても「体力」の中では、身体的要素 > 防衛体力 > の温度調節、あるいは形態の発汗能力も含んできます。単に脱水といっても、様々な様子が含まれてきます。

納土 脱水に関しては腎機能に影響を及ぼすことが世界的に知られています。その点までジム単位でチェックできているか。日本のMMAの場合、減量についてはプロ選手と一般の方で認識の差が小さいと思います。しかしトップアスリートとなれば、減量の影響が試合にも大きく影響を及ぼす。減量については、健康上の安全性という観点も含めてチェックしていかないといけないですよね。

<この項、続く>

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IMMAF MMA MMAPLANET o UAEW UFC UFC294 アレックス・ヴォルカノフスキー アンシュル・ジュビリ イクラム・アリスケロフ イスラム・マカチェフ カマル・ウスマン カムザット・チマエフ キック サイド・ヌルマゴメドフ ジャビッド・バシャラット ジョニー・ウォーカー ティム・エリオット トレヴァー・ピーク ナサニエル・ウッド ビクター・ヘンリー ブラジリアン柔術 ブルーノ・シウバ ボクシング マイク・ブリーデン マゴメド・アンカラエフ ムイン・ガフロフ ムハマド・モカエフ モハメド・ヤヒア ヴィクトリア・ダダコワ

【UFC294】初のUAE人UFCファイター誕生=モハメド・ヤヒア「アブダビは世界のファイト・キャピタル」

【写真】天窓から灼熱の後光がヤヒアを照らす(C)MMAPLANET

21日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC 294「Makchachev vs Volkanovski 2」では、史上初のUAE生まれでUAE育ちのMMAファイターが誕生する。
Text by Manabu Takashima

メイン登場の世界ライト級王者イスラム・マカチェフ、コメンで戦うカムザト・チマエフ、ビクター・ヘンリーと注目のバンタム級マッチが控えるジャビッド・バシャラットなど、中東のみならず欧州、ロシアからもムスリム・ファイターが集まる同大会。チマエフが近頃スウェーデンからUAEの国旗の下で戦うことを決めたが、ドバイで生まれ&在住のモハメド・ヤヒアこそが、正真正銘のアラブ首長国連邦産のUFCファイターだ。

ライト級でトレヴァー・ピークと戦うヤヒアは、UFCファイターを目指しカンフージムでキックを始めると、プロMMA初陣から9年目で世界最高峰に辿り着き、母国で初陣を迎えることとなった。そんなヤヒアに初インタビューを試みた。


──モハメド、最初にY A H Y Aという綴りですが、発音はどのようになるのか教えていただけないでしょうか。

「ヤヒアだよ。ヤ・ヒ・ア」

──モハメド・ヤヒアですね。ありがとうございます。アラビア語の発音方法がまるで理解できおらず。そのモハメドですが、UAE初のUFCファイターとして母国大会でトレヴァー・ピークと対戦します。今の気持ちを教えてください。

「とても良い感じだ。国を代表して戦うことを誇りに思う。この国を代表してUFCで戦うことが、ずっと夢だったからね。繰り返すけど、誇りだし幸せなことだ」

──モハメドのプロMMAデビューは、2014年の3月。もう8年半も前になりますが、なぜMMAファイターになろうと思ったのでしょうか。

「14歳の時にTVでUFCを視た。どこか、MMAのトレーニングができる場所はないか探し始めたんだ。最終的に何か格闘技ができる場所として、カンフーのジムを見つけることができた」

──カンフーですかっ!!

「そうだよ(笑)。当時のドバイには、MMAの練習ができる場所はなかった。ブラジリアン柔術のアカデミーは少しあったけど、ほとんどが打撃のジムだったんだ。グラップリングができるところは、本当に少なかった。でも、そのジムではキックボクシングもならうことができて、アマチュアでキックの試合に出るようになった。アマ・キックの戦績は22勝0敗だよ。18 歳……19歳の時かな、MMAの練習に参加するようになった。TK MMAで」

──TK MMAということは、タム・カンの?

「そうだよ。UAEで一番大きなMMAジムだ。今やカムザット・チマエフを世界中からファイターが集まっている」

──打撃出身なので、モハメドのストロングポイントはストライキングと日本のファンに紹介して問題ないですか。

「僕としては、自分はオールラウンド・ファイターだと思っている。ただ、やっぱり立って打撃で戦うことが好きだね。でも、どの局面でも戦うことができるよ。だからこそ、打撃がより生きてくる。結果、UAEWでUAEWアラビア・ライト級チャンピオンになり、UFCと契約できた。そして、週末には国を代表して、世界最大のステージで戦う。凄くハッピーだよ。」

──初のUAEからのUFCファイターになりましたが、今後はこの国のMMAを引っ張る立場にありますね。

「初めてUAEからUFCファイターになったことも、非常に誇りに思っている。UAEでMMAは急激に発展しているんだ。アブダビは世界のファイト・キャピタルになろうかという勢いだ。柔術、キックボクシング、ボクシングで世界最大のイベントが開かれ、UFCでもとても重要な大会開催地になっている。

UAEの子供達が、UFCファイターを目指そうと思った時、自分の国の選手がそこにいるかどうかはとても大切になってくるはずだ。僕はUAE初のUFCファイターになったけど、絶対に最後にはならない。この国では時間を掛けて、MMAへの投資が続いている。IMMAFの世界大会を開くように、アマチュアMMAの発展にもしっかりと力を注いでいる。UAEのMMAには、素晴しい未来が待っている。そんな母国で最初のUFCファイターになれたことは、とても嬉しい」

──では対戦相手のトレヴァー・ピークの印象を教えてください。

「タフな相手だけど、なんら特別なところはない。打撃にしてもそこまで秀でているモノでなく、レスリングもそうだ。どこの局面でも僕が上回っているだろう。自分の力を披露するのに、完璧な相手といえる。全力で殴って、蹴って──UFCにあっても、自分がハイエストレベルのファイターだということを証明したい。何かがオクタゴンのなかで、起こる。そんなファイトを皆に見て欲しい」

■視聴方法(予定)
10月21日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
午後10時30分~U-NEXT
10月22日午前3時~PPV

■UFC294対戦カード

<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラム・マカチェフ(ロシア)
[挑戦者]アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)

<ミドル級/5分3R>
カマル・ウスマン(米国)
カムザット・チマエフ(UAE)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
イクラム・アリスケロフ(ロシア)
ヴァレリー・アウベス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
サイド・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ムイン・ガフロフ(タジキスタン)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(ロシア)
ムハマド・モカエフ(英国)

<ライト級/5分3R>
モハメド・ヤヒア(UAE)
トレヴァー・ピーク(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジャビッド・バシャラット(アフガニスタン)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
アブ・アザイター(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
マイク・ブリーデン米国)

<フェザー級/5分3R>
ナサニエル・ウッド(英国)
ムハンマジョン・ナミモフ(タジキスタン)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユフレイ(米国)
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)

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Brave CF IMMAF MMA MMAPLANET o UFC UFC294   アレックス・ヴォルカノフスキー アンシュル・ジュビリ イクラム・アリスケロフ イスラム・マカチェフ カマル・ウスマン カムザット・チマエフ サイド・ヌルマゴメドフ ジャビッド・バシャラット ジョニー・ウォーカー ジョン・ジョーンズ ティム・エリオット デメトリウス・ジョンソン トレヴァー・ピーク ナサニエル・ウッド ビクター・ヘンリー ブルーノ・シウバ ボクシング マイク・ブリーデン マゴメド・アンカラエフ ムイン・ガフロフ ムハマド・モカエフ ラマザン・ギチノフ ヴィクトリア・ダダコワ 山口怜臣 平良達郎

【UFC294】エリオットと対戦、ムハマド・モカエフ「平良達郎? 彼は彼の道を歩み、僕は僕の道を征く」

【写真】非常にフレンドリー、それが平良の話題になると……(C)MMAPLANET

本日、21日(土・現地時間)にUAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC 294「Makchachev vs Volkanovski 2」に、ムハマド・モカエフが出場しティム・エリオットと対戦する。

IMMAFジュニアで2度の世界大会制覇、23連勝というプロデビューから注目され、バーレーンの王族が所有するKHKジムで金の卵として育てられたモカエフは、同じくバーレーン王国のMMAプロモーション=BRAVE CFでプロデビューを果たすと、キャリア5連勝でUFCと契約を果たした。

2022年3月のオクタゴン初陣から、今年3月まで4連勝を達成したモカエフが、半年ぶりの実戦をホーム同然のアブダビで戦う。元タイトルコンテンダーのエリオットに対し、自身満々のモカエフ。しかし、同い年で同じようにUFC4連勝中の平良達郎の話題になると、なぜかクールな反応に終始した。


――ムハメド、今日はインタビューを受けていただきありがとうございます。

「久しぶりだね。元気でやっているの? トレーニングが長引いて、インタビュー時間がおしてしまって申し訳ない」

──全く大丈夫です。UFCにステップアップしてからは初めてインタビューができて嬉しいです。そのUFCでは現在4連勝のムハメドですが、前回ジャフェウ・フィリョ戦ではRNCで一本勝ちを収めたもののヒザ十字をセットされ、試合後には左足を引きずっていました。

「僕のヒザは最高の状態だよ。デッドリフトで去年は165キロが最高記録だったのが、今は175キロを挙げられるようになったからね。全てにおいて、成長しているよ」

──では、結果的にあのヒザ十字は大したことがなかったのですか。

「いや、結構シリアスだったよ。でも英国のフットボールチームの専門家の下でリハビリをしたから、動きは良くなる一方だ。まだ23歳だし、その辺りは伸びていくだけだよ」

──IMMAFとBRAVE CFで素晴らしい成績を残していたムハメドですが、プロMMAを5試合しか経験せずにUFCと契約をした時は、正直なところやっていけるのか危惧していました。それがオクタゴンで4連勝です。

「1年で4勝、あっという間だった。その結果、フライ級で一番成長が早いファイターになれている。自分が思っていたよりも1年、1年半ぐらい早いよ。ヒザをケガすれば、多くのファイターはもっと休養が必要になる。でも、僕には若さがあって回復も早かった。本当は8月のボストン大会でも戦える状態で、オファーもあったんだ。でも、あの時は対戦相手が見つからなかった。結果、今大会まで待たないといけなくなった。このペースだと、あと1年──再来年には、世界タイトルに挑戦できるだろうね」

──その急成長は思った通りの結果なのでしょうか。それとも、もっとタフな戦いが待ち受けていると思っていましたか。

「タフな戦いが待っていると思って、ずっと準備してきた。それだけ集中してきたんだ。ノーランカーと戦う時のモチベーションは、それほど高くなかったよ。だからこそ、しっかりと戦いにフォーカスして、パフォーマンス的には勝つために戦った。その分、集中力が養われたし、上の選手と戦う時にその経験が生きてくるだろうね」

──今もバーレーンのKHKジムに所属し、エルダル・エルダノフの指導を受けているのですか。

「そうだよ。エルダノフ、ルスタン・ハビロフ、ラマザン・ギチノフらトレーニングしてきた。今回の試合のため、最初のキャンプはダゲスタンの山岳部でレスリングをやり、それからバーレーンに戻って残りのキャンプをやり切り、アブダビにやってきた。自分でも長いキャンプだったと思う。タイからボクシングのコーチも来て、英国のコーチもいるし手厚いサポートを受けている。グレートなチームだよ。それにヒザの負傷中もボクシング、フィジカルの強化を怠らなかったしね。精神的に健康であるためにもトレーニングは欠かさなかったんだ」

──ところで昨年のアブダビ大会を取材した際に、観客は中東とロシアのムスリム連合のような雰囲気で凄まじい熱気がありました。

「僕にとってはまさにホームのような空気だよ。ミドルイーストでは常にフルサポートを受けている。IMMAF、BRAVE CFと10戦以上、中東で戦ってきた。プロだけでもバーレーンで2度、それと去年のUFCアブダビ大会に続き、今回で4度目のミドルイーストでの試合だ。ダゲスタン、チェチェンの人々はビザなしでUAEに入国できるから、凄い数のサポーターもやってくる。それにUAE在住の英国の人たちも、僕を応援してくれる。まさに家にいるようなものだよ(笑)」

──そんなホーム、アブダビで戦うティム・エリオットの印象を教えてください。

「喧嘩屋で、良い対戦相手だ。パンチからレスリング、レスリングからパンチという風にアグレッシブに戦う。でも、まぁ動きは読めるよ。僕はアマチュアの頃から、彼のようなファイターと連日のようにトーナメントで戦ってきた。このアマでの経験が、今の僕に凄く生きている。ティム・エリオットのような36歳になってもハングリーな選手と戦う時には、特にね。

彼がスタンドで戦ってくるなら、受けて立つ。テイクダウンを狙ってくるなら、そこに対応する。自分が望んだタイミングで、いつでもテイクダウンできるから。ティム・エリオットはレスラーと戦った経験が少ない。UFCフライ級にはレスラーがいない。デメトリウス・ジョンソンですら、別にレスラーではなかった。DJは偉大なMMAファイターだ。僕にとってDJは、ジョン・ジョーンズに次ぐP4Pファイターだったけどレスラーではない。ティム・エリオットに対しても、DJはスペースを与え過ぎていた。僕はそうじゃない。しっかりと距離を潰して、テイクダウンする」

──テイクダウン後もスクランブルに持ち込ませず、しっかりとコントロールすることが狙いですか。

「ティム・エリオットは、僕にスクランブル戦を仕掛けることはできない。僕がそれを許さないで戦えば、ね。でも、僕はスクランブルは得意だ。スクランブルに持ち込んで、僕が後手に回ることは絶対にない。彼のスクランブルは、もう古い。同じスクランブルと言っても、僕のソレは次元が違うよ」

──ところで日本人UFCフライ級ファイター、平良達郎選手もムハマドと同じ23歳で、現在UFCで4連勝中です。彼のことを意識することはありますか。

「確かに彼もUFCで勝ち続けているけど、タツロー・タイラはまだ、僕が戦ってきたような相手と競い合ったことがない。彼は若いから、対戦相手を慎重に選んでいるんだろう」

──いや、若いとムハマドが言っても……。

「そう、僕も若い。僕は彼との試合を申し出たことがある。でも、彼は受けなかった。まぁ、タツロー・タイラがこのまま勝ち続けると、いずれ僕らは戦うことになるだろう。でも、僕は彼のことは今は気にしてない。それに彼が僕より先にチャンピオンになっても構わない。僕らの世代から、チャンピオンが生まれることは素晴らしいことだから。彼は凄く良いヤツだって聞くから、そんな彼とすぐに戦って破壊したくないんだ。彼は彼の道を歩み、僕は僕の道を征く。そして、いつか交わることがあれば戦えば良いんだ。交わることがなければ、それはそれで……そういうものなんだ」

──……。う~ん、平良選手が実際にオフィシャルでUFCからオファーを受けたのかどうかも分からないですし……、断ったとしてもどのような事情があったのかも不明なので。でも、そういう想いがムハマドにあるなら平良選手と比べられることに嫌悪感を覚えるということでしょうか。

「それは別に構わないよ。僕らは無敗同士だし、比べられて然りだからね。あと、日本の選手ならレオ(山口怜臣)とは彼の試合前にタイで会ったんだ」

──山口選手はプロデビュー戦で勝ち星を挙げることができなかったです。

「そういうこともある。でも、レオは強い選手だ。チャンピオンになれる器の持ち主だよ」

──ムハマド、今日はインタビューの時間を取っていただきありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「レオとIMMAFで戦ってから、僕のことを応援してくれる日本の人たちがいるんだ。凄く感謝している。いつか日本で戦いたいと思っているよ」

■視聴方法(予定)
10月21日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
午後10時30分~U-NEXT
10月22日午前3時~PPV

■UFC294対戦カード

<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラム・マカチェフ(ロシア)
[挑戦者]アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)

<ミドル級/5分3R>
カマル・ウスマン(米国)
カムザット・チマエフ(UAE)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
イクラム・アリスケロフ(ロシア)
ヴァレリー・アウベス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
サイド・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ムイン・ガフロフ(タジキスタン)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(ロシア)
ムハマド・モカエフ(英国)

<ライト級/5分3R>
モハメド・ヤヒア(UAE)
トレヴァー・ピーク(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジャビッド・バシャラット(アフガニスタン)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
アブ・アザイター(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
マイク・ブリーデン米国)

<フェザー級/5分3R>
ナサニエル・ウッド(英国)
ムハンマジョン・ナミモフ(タジキスタン)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユフレイ(米国)
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)

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Brave CF DWCS IMMAF LFA MMA MMAPLANET o ONE PFL UFC インパ・カサンガネイ ジェイムス・ナカシマ パンクラス ホドルフォ・ベラート マゴメド・ガジヤスロフ ムルタザ・タルハ ライモンド・マゴメダリエフ ヴィクトル・ウゴ・シウバ 亀井晨佑

【DWCS S07Ep09】LFA王者、BRAVE CF&ONEの王者級ファイター、パンクラス出場選手が出場!!

【写真】アリとベラート。BRAVE CF5連勝のロシア人(バーレーン国籍)とLFA暫定王者のブラジル人対決(C) Zuffa/UFC

3日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDana White’s Contender Series第9週が開催される。
Text by Manabu Takashima

先週は史上初となる敗者が2人サインとなったコンテンダーシリーズ。今大会はフライ級でダビ・ビテンコートと対戦予定だったルカス・ホシャが体重オーバーで試合が成立せず、全4試合で実施されることとなった。

しかも米国人ファイターの出場が無く、北米フィーダーショーからの挑戦者は見られない。それでもブラジル、チリ、ボリビア、ロシア、バーレーンからLFA、BRAVE CF、パンクラス、Eagle FCに加えてONEで活躍してきたファイターが集結、間違いなく数年前なら直接UFCで契約できているであろう猛者が集まることとなった。


メインのライトヘビー級で相対するのはホドルフォ・ベラートとムルタザ・タルハ・アリの2人だ。

前者はLFA暫定ライトヘビー級王者のブラジル人で、後者はロシアから帰化したバーレーン人ファイター。2019年のIMMAF世界王者で、バーレーン王族が所有するKHK MMAジムに所属しているアリは、BRAVE CFでは5連勝中、Octagonの1勝と加え全試合でフィニッシュ勝利を挙げており、2Rを戦ったのは1度だけだ。

北米だけでなく今やブラジルでもナンバーワン・フィーダーショーの座にあるLFAのチャンピオンと、世界を股に掛けて活動する独立王国BRAVE CFの箱入り息子の対戦は、両プロモーションの潜在能力を直接比較できるスケールとなる一戦といえる。

コメインのバンタム級マッチはチリ人ファイターのエドゥアルド・マチアス・トレスが、ブラジルのヴィクトル・ウゴ・シウバと戦う。トレスは16勝1敗のキャリアを誇り、シウバは23勝4敗と最近のコンテンダーシリーズ出場選手のなかでも頭抜けた経験値を誇るファイターといえる。

そのシウバ、2019年12月にビクトル・ウゴの名でパンクラスに来日しており、フェザー級で亀井晨佑に判定勝ちを収めている選手だ。

第2試合で、今でも珍しいボリビア人ファイターのホセ・ダニエル・メディーナと戦うマゴメド・ガジヤスロフも、ロシアからバーレーンに帰化し、KHKジムに属している選手だ。

メイン出場のアリと同門──というだけでなく、アリが優勝したIMMAF世界大会でトーナメントを勝ち上がっていたが、決勝戦をキャンセルし、優勝を譲っている形となっている。

Eagle FCやBRAVE CFで戦績を積んできたガジヤスロフの戦績は7勝0敗で、そのBRAVEではタイトルコンテンダーのモハメド・サイド・マーレムを3-0の判定で破っており、1度しか戦っていないがBRAVE CFでベルトを狙う位置にいた。

第1試合のウェルター級マッチは、マウリシオ・ルフィ✖ライモンド・マゴメダリエフのブラジル✖ロシア対決だ。戦績8勝1敗、全ての試合がフィニッシュ勝利のルフィに対し、メゴメダリエフは10勝1敗、唯一の敗北はONEでジェイムス・ナカシマに敗れたもの。ただし、それ以外のONEでの3試合は勝利しており、タイトル挑戦経験のあるテイラー・マクガイアーにも3-0で勝利している。

ばかりかマゴメダリエフは昨年3月にEagle FCでインパ・カサンガネイからスプリットながら勝利を手にしている。カンガネイは11月24日にファイナルが組まれているPFLライトヘビー級で、その決勝戦進出を決めているファイターだ。

つまりはONEやPFLで王座を争う力を有しているファイターが、コンテンダーシリーズで人生を賭けた一戦で潰し合いが必要になっているということ。UFCの頂が、他のMMAプロモーションの山頂から見上げるべき場所にあることが、改めて認識できるマゴメダリエフのコンテンダーシリーズ出場だ。

■視聴方法(予定)
10月3日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■ DWCS S07Ep09対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
ホドルフォ・ベラート(ブラジル)
ムルタザ・タルハ・アリ(バーレーン)

<バンタム級/5分3R>
エドゥアルド・マチアス・トレス(チリ)
ヴィクトル・ウゴ・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・ガジヤスロフ(バーレーン)
ホセ・ダニエル・メディーナ(ボリビア)

<ウェルター級/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
ライモンド・マゴメダリエフ(ロシア)

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IMMAF MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase337 パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 秋葉太樹

【Pancrase337】ノンストップ・アタック! IMMAF世界王者サロハイディノフが秋葉をパウンドアウト

【写真】プロデビュー戦でパンクラスランカーを撃破--強い(C) MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)
Def.2R2分42秒 by TKO
秋葉太樹(日本)

秋葉はグローブタッチを拒否。サロハイディノフは距離を取る秋葉にシングルレッグで組みつき、ケージ際でボディロックからバックを狙う。上下に揺さぶるサロハイディノフに対し、秋葉がビクトル投げからサロハイディノフの右足に外ヒールを仕掛ける。サロハイディノフが潰して鉄槌を落とした。立ち上がる秋葉のバックに回ったサロハイディノフが、秋葉の足技をかわして潰していく。

秋葉に背中を着かせてパンチを落とすサロハイディノフは、バックコントロール&トップコントロールから、秋葉の首を狙う。起き上がる秋葉の顔面に右ヒザを浴びせたサロハイディノフは、秋葉が右スピニングバックエルボーをかわしてダブルレッグで組んだ。秋葉はまたもビクトル投げから外ヒールへ。これは完全に読まれていたか、潰したサロハイディノフがダースチョークへ。極まらずもサロハイディノフがトップでラウンドを終えた。

ジャッジは3者ともサロハイディノフの10-9としている。

2R、サロハイディノフが距離を詰めて左ミドルを繰り出す。秋葉も左ハイを返した。サロハイディノフのダブルレッグをスプロールした秋葉だが、すぐにサロハイディノフが再びダブルレッグで入り尻もちを着かせる。バックコントロール→足を差し入れて殴るサロハイディノフがマウントを奪取した。左のパンチと右ヒジを落とすを受けて背中を見せる秋葉の首を狙うサロハイディノフ。RNCを極めるには至らなかったが、そのままパウンド&ヒジでレフェリーストップを呼び込んだ。

試合後マイクを握ったサロハイディノフはベルト奪取をアピールした。


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IMMAF MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase337 パンクラス 安藤武尊 山口怜臣

【Pancrase337】IMMAFからプロデビューの山口を、アマパンクラス出身の安藤武尊がスプリットで下す

【写真】武尊と書いて「たける」ではなく「ほたか」と読む(C) MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
安藤武尊(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29.
山口怜臣(日本)

※詳細はのちほど


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BELLATOR IMMAF KAREN MMA MMAPLANET NEXUS o PANCRASE Pancrase337 RIZIN UFC V.V mei   ブログ ムハンマド・サロハイディノフ 井村塁 住村竜市朗 八田亮 川中孝浩 平田樹 平田直樹 河村泰博

【Pancrase337】計量終了 カルバン・クライン派は5名。平田直樹のセコンドは平田樹。計量会場よもやま話

【写真】住村竜市朗、八田亮、川中孝浩、河村泰博の共通点は(C) MMAPLANET

23日(土)、明日24日(日)に立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE337の計量が新宿区サンエービル会議室で行われた。
Text by Manabu Takashima

正午に第8試合からメインまで7試合、14名の出場選手。続いて午後12時50分からオープニング~第7試合までの14選手が計量を行った。計28人中3選手が再計量が必要となったが、3人揃って時間内までパスしている。そんな計量会場がきかれたよもやま話をお届けしたい。


■パンクラスの計量は本計量をメディアに公開して行われるもの。セレモニアル計量を用いるプロモーションも存在するが、そのパブリック計量では実際に戦う時に着用するものとは違っても、ファイターはファイトギアを着用することが一般的だ。対して本計量ではUFCのような公式ウェアが無い場合は、少しでも体重を軽くするために私物の下着姿で計量台に乗る選手もまま見られる。

もちろん、写真を撮影されるわけで、普段から文字通り下着として使用しているモノではなく、計量用に下着を購入する選手がほとんどだろう。そんなアンダーウェア派のなかでオシャレ&セレブ感があるのがカルバン・クライン着用の選手だ。今日の計量では、確認できる範囲で上位カード出場選手から4名、前半戦出場選手は1人のカルバン・クラインの下着着用が認められた。

■今やMMAPLANETでその名が見られるのが、兄・平田直樹の計量時限定ともいえる平田樹は、1月の試合復帰に向けて練習環境を整えつつある模様で、「足がアザだらけです」と笑顔を見せていた。その平田樹はロータス世田谷の八隅孝平がRIZINで金原正徳と中島太一のコーナーに就くため、明日は兄・直樹のセコンドに就くという。

その平田兄妹、セコンド業に向けてタオルの投げ方を話し合う――いや、そこじゃないでしょうという――一幕が計量会場で見られた。

■コメインで藤田大と戦う住村竜市朗は、意気込みで「久しぶりの青コーナー」と発言していたが、本人に確かめると2019年12月のBellator Japan、ジョン・タック戦以来3年9カ月ぶりとなるそうだ。

■地元立川大会に連続出場の井村塁。ALMA FIGHT GYM PUGNUS所属として河村泰博と対戦。その井村が計量台に乗った瞬間、明らかに雰囲気が以前と違う。本人か確認してしまうほどの違いは、髪の毛を下ろして額が隠れていたから。新たな気持ちで、ヘアスタイルも変えてNEXUS王者を迎え撃つ――と思いきや、「髪の毛を切る時間が取れなくて、伸びてしまっただけで。これからカットしにいきます」とのことだった。

■秋葉太樹とプロデビュー戦を戦うIMMAF世界王者のムハンマド・サロハイディノフ。明日の試合に向けての抱負を話すと、コーチが英語に訳す。その英語を日本語に通訳をするなど、タジキスタン勢のサポートをしていたのがV.V Meiだった。

■パンクラス30周年記念大会、海外勢はそのサロハイディノフ1人。対して、12月24日の記念大会は外国人ファイターの来日も増える見込みだ。某アジア系のフェザー級強豪がサインをしたという話も伝わってきており、正式発表が待たれる。

■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分5R>
亀井晨佑:65.75キロ
新居すぐる:65.65キロ

<ウェルター級/5分3R>
藤田大:75.5キロ
住村竜市朗:77.55キロ

<ストロー級/5分3R>
八田亮:52.75キロ→52.6キロ
黒澤亮平:52.55キロ

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太:76.65キロ→77.55キロ
川中孝浩:76.95キロ

<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.35キロ
河村泰博:61.65キロ

<フェザー級/5分3R>
平田直樹:66.25キロ
遠藤来生:66.0キロ

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹:57.05キロ
ムハンマド・サロハイディノフ:57.05キロ

<ライト級/5分3R>
余勇利:70.55キロ
神谷大智:70.55キロ

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣:61.6キロ
安藤武尊:61.0キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.15キロ
葛西和希:70.6キロ

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:51.85キロ
高本千代:52.0キロ

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒:61.8キロ→61.65キロ
笹晋久:61.4キロ

<フライ級/5分3R>
梅原規祥:57.05キロ
饒平名知靖:56.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎:77.5キロ
渡邉ショーン:77.0キロ

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Brave CF Cage Warriors DWCS IMMAF MMA MMAPLANET o UFC イゴール・ダ・シウバ グレッグ・ヴェラスコ シャミル・ガジエフ ジョナタ・シウバ ダニエル・ジェイムス ボクシング ムハマド・モカエフ 修斗

【DWCS2023 S07Ep07】砂漠のMMA王国から、UFCに王手=シャミル・ガジエフ。シウバ対決も注目

【写真】ガードの甘さは気になるが、多彩なパンチはKOパワーを有しているガジエフ (C)BRAVE CF

19日(火・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでDWCS S07 Ep07が開催される。
Text by Manabu Takashima

ライト級が2試合、フライ級が1試合、女子ストロー級が1試合組まれた今週のコンテナシリーズのメインは、ヘビー級の試合が組まれ──バーレーン王国が、国家プロジェクトとして取り組むBRAVE CFとKHK MMAジムが2人目のUFCファイターを目指し、シャミル・ガジエフがグレッグ・ヴェラスコと対戦する。


RAVE CFとKHK MMAからUFCで活躍しているムハマド・モカエフが男子では最軽量フライ級なのに対して、ガジエフはヘビー級とサイズはまるで違うがIMMAFというアマのフィールドからプロに転向し、無敗という共通点がある。

とはいえガジエフはIMMAF世界大会を連覇したモカエフと違い、世界では銅メダル獲得に終わっている。BRAVE CFライト級王者でチーム・バーレーンのヘッドコーチであるエルダル・エルダノフに見いだされ、ロシアからバーレーンに国籍を移してKHK所属となったガジエフは、IMMAFではアフリカ、アジア、欧州選手権を制したものの世界大会ではプロ転向せずにアマで戦い続けているガジムラッド・バガウティノフにRNCで敗れた翌年にプロ転向を果たしたガジエフは、2年3カ月10連勝と強烈な勢いで経験を積んできた。

今年の2月には元UFCファイターのダルコ・ストシッチを2分50秒でKOしている。今回はカレッジ・レスリング出身で6勝0敗のヴェラスコと戦うが、そのボディロック&足払い系のテイクダウンに如何に対抗できるか。

ヴェラスコは寝技に持ち込めばヒールや腕十字などヘビー級の選手に余り見られないサブミッションを持つか。あるいは意外とも取れる多彩なボクシング技術で、ヴェラスコの得意の形に入らせない可能性もあるガジエフ、ロシア~中東ラインでUFCと契約を果たせるのか要注目だ。

この他、ブラジル同朋対決でイゴール・ダ・シウバと対戦するジョナタ・シウバも気になるファイターだ。修斗ブラジル・ストロー級王者で、今年の3月に実に2年10カ月のブランクを経てCage Warriorsで勝利して、コンテンダーシリーズで戦う権利を手にしたジョナタ、イゴールとのシウバ対決=フライ級のマッチアップだ。

■視聴方法(予定)
9月20日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

<ヘビー級/5分3R>
シャミル・ガジエフ(バーレーン)
グレッグ・ヴェラスコ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジャコビー・ジョーンズ(米国)
ダニエル・ジェイムス・アレン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
タリタ・アレンカ(ブラジル)
ステファニー・ルシアーノ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
カイナン・クルシュヴィスキー(ブラジル)
ダイラン・モンテーロ(米国)

<フライ級/5分3R>
イゴール・ダ・シウバ(ブラジル)
ジョナタ・シウバ(ブラジル)

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ABEMA IMMAF KAREN MMA MMAPLANET o ONE PANCRASE Pancrase337 UFC パンクラス ボクシング ムハマド・モカエフ ムハンマド・サロハイディノフ ライカ 亀井晨佑 井村塁 住村竜市朗 佐藤生虎 余勇利 安藤武尊 山口怜臣 平田直樹 押忍マン洸太 新居すぐる 松岡嵩志 極真会館 河村泰博 海外 矢澤諒 神谷大智 秋葉太樹 笹晋久 葛西和希 藤田大 遠藤来生 高本千代

【Pancrase337】プロ初陣=安藤武尊戦、山口怜臣「お父さんがSNSで相手の発言も全てチェックしています」

【写真】春日井たけしとの寒天ミットのために、HEAT24中村も練習場所になっている山口 (C)MMAPLANET

24日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase337「30周年記念大会」にて、山口怜臣がプロデビュー=安藤武尊戦を迎える。
Text by Takumi Nakamura

山口はIMMAF(International MMA Federation)世界選手権制覇からプロを目指し、タイガームエタイとALIVEを拠点に活動。今年2月の世界大会では怪我の影響もあり、1回戦を突破するものの、2回戦を棄権するという結果に終わった。この大会を終えて、山口はパンクラス30周年記念大会でのプロデビューを果たす。J-MMA界で唯一無二のアマチュア経験を積んできた山口にプロデビューを決意した理由、そして今後のMMAファイターとしてのキャリア設計について聞いた。


――24日のPancrase337=30周年記念大会でプロデビュー戦を控える山口怜臣選手です。デビュー戦に向けた今の練習状況から聞かせてください。

「前回の試合は2月のIMMAF世界大会になるんですけど、大会前のキャンプで怪我をしていて、3月いっぱいは治療の時間に充てていました。それから7月末までプーケットのタイガ―ムエタイでトレーニングして、そこでは各分野、ボクシング、ムエタイ、レスリングなどパーツのトレーニングをしっかりして、技術を分厚くしてきたイメージです。

8月からはALIVEに帰ってきて、昔からよく知っている仲間たちとスパーリングしつつ、鈴木社長にはグラフを作ってもらいつつ体重管理や体調管理もしてもらっています。ここまでコンディションを大きく崩すこともなく順調にきていますね」

――山口選手はタイガームエタイとALIVEが練習場所になっていますが、どのぐらいのバランスで練習の比率を考えているのですか。

「基本的な考え方として、普段はタイで技術を磨いて、試合前に日本で調整するという形です。タイにいたまま試合に出たこともあるのですが、タイガームエタイは選手が多いので、どうしてもコーチの指導が分散してしまう部分があるんです。日本のように細かい部分にまで気にかけてもらって、試合まで持っていくことはどうしても難しいです」

――ALIVEの鈴木陽一代表がやっているようなコンディション管理ができない部分はありますよね。

「現にタイで調整していて怪我や感染症でコンディションを作れないときがあったので。今は慣れ親しんだ、気心がしれた仲間たちと対人練習をして、昔から僕を見てくれている(鈴木)社長やコーチ陣に仕上げてもらうのがしっくり来ていますね」

――2月のIMMAF世界大会は1回戦を突破したものの、2回戦を怪我で棄権という結果に終わりました。どういう状況だったのですか。

「大会の3週間前に怪我をしてしまい、かなり練習も制限された状況で試合をしたんです。初日(1回戦)は何とか勝てたのですが、2日目は厳しいと判断して棄権することにしました」

――そのタイミングでプロデビューを決めた理由は?

「ずっとIMMAFにはこだわってきやってきたのですが、今後のキャリアを考えた時に僕はUFCでチャンピオンになることが一つの目標で。そこから逆算したとき、僕ももう23歳なので、しっかりプロでレコードを重ねていく段階だなと思いました。また、タイガームエタイの仲間、それこそUFCやONEで活躍している選手と接していると、しっかりファイトマネーやスポンサーで資金を潤沢にしたうえでいいコーチを雇ったり、身体のケアに費やしたり…そういうことをやっているんですね。

僕もそうした本当の意味でのプロフェッショナルな生活をしたいと思い、ここからはファイトマネーで稼いでいきたいと思いました」

――では2023年にプロデビューするというのはもともとプランにあったことなのですね。

「はい。ある程度この時期にプロデビューしようと思っていました」

――アマチュアはトーナメント制で、大会前に対戦相手が分からないまま、時に1日で複数回、IMMAFでは連日のように試合を戦わなければいけないということもあります。逆にプロは事前に対戦相手が決まっていて、試合当日は1試合戦うだけです。同じMMAでもプロとアマチュアでは違うものですか。

「本当に別物だと思います。アマチュアは金メダル以外はすべて負け。5回戦って5勝して初めて勝ち、4勝1敗だったら負けなんです。しかも試合するために海外で10日間ほど拘束されるし、ある程度慣れていたとはいえナーバスでした。IMMAFにおいて日本人は発展途上で、最小限のチーム編成で試合をしなければいけない。それこそコロナ禍で試合したときは両親と僕だけで試合したこともあるし、そういう環境で戦うことには緊張感がありました。

あとプロとアマの大きな違いとしては対戦相手の部分ですね。プロは対戦相手の情報が事前に分かるし、相手に似たタイプの選手を練習相手に選ぶこともできる。相手の特徴を考えて練習できることは大きいです」

――アマチュア時代は対戦相手の対策ができないなか、どのようなことを意識して練習していたのですか。

「日頃から自分の穴をなくすための練習ですね。もし相手がストライカーなら寝かせなければいけないし、下からのアタックが強い相手だったら寝技の対処ができないと極められる。それは試合まで分からないので、そういう部分での地力の底上げはアマチュアキャリアが長いからこそできたことだと思います、今回に関していえば、タイガームエタイでぶ厚くした技術でどう相手をハメるのかを考えています」

――アマチュアで長くキャリアを積んできた強みはMMAにおける地力や対応力になるのですか。

「一番はそこですね。トーナメントで勝つためにどんな相手が来てもいいように総合力を上げる。その部分への意識は高まりました」

――間違いなくプロとは違う経験値を積むことができているようですね。

「プロでも色々なことはあると思うんですけど、10日間海外にいて、60カ国以上の国の選手が一箇所に集まるMMAの大会はIMMAF以外でなかなかないじゃないですか。そういう国際感覚はIMMAFで身についたと思います。僕もタイでは英語を使うんですけど、IMMAFが英語を学ぶきっかけになったし、格闘技以外の感覚的な部分は大きな学びになりました」

――それだけ違う国の選手が集まると文化背景も違いますし、細かいトラブルや事件は起きなかったですか。

「……おおらかさが大事だなと思いました(笑)」

――MMAでは色々なキャリアの積み方があると思います。山口選手はUFCでチャンピオンになるための近道や方法論がアマチュア=IMMAFだったのですか。

「そうですね。でも僕がMMAを始めた頃から考えていたことではなくて、マーシャルワールド杯2017JMMAFトーナメントで準優勝して、優勝者が外国籍の選手だったので、僕が繰り上げで豪州の大会(2018年のIMMAFオセアニア・オープン選手権大会)に出る切符を掴んだんです。社長も『経験だから行ってみよう!』と背中を押してくれて、結果的に金メダルを獲ることができました。それが自信になれた部分もありますし、そこで初めてUFCを意識したことは覚えています」

――ジュニア時代にIMMAFの世界大会で対戦したムハマド・モカエフがUFCで活躍しています。彼の活躍はどう捉えていますか。

「妬ましい気持ちがないと言ったら嘘になりますけど、各々選手は人生設計ややりたいことが違うと思うんです。最終的なゴールがUFCだとしても。だから一概に自分と(モカエフを)比較しても意味がないと思います。ファンのみなさんがそこを比較して面白く見てもらう分には構わないですが、僕は少なくとも10年以上はこの競技をやっていくつもりですし、誰と比較して、ではなく自分を高めていく方向に集中しています」

――ファイターとしての人生設計という部分で、プロデビュー後はどのようなキャリアを積んでいきたいと思っていますか。

「僕が考えるMMAファイターは、まずしっかりファイトマネーで生活できること。あとはシンプルに僕はMMAが好きで、格闘技歴でいえば5歳から空手をやっているので、自分がやってきたものをどこまで追求していけるのか。それが毎日楽しいです。後付けになりますけど家族、社長、地元の仲間、コーチ……本当に僕は恵まれた環境で格闘技をやっているので、そういう人たちにも喜んでもらいたいと思います」

――山口選手はもともと極真会館出身なんですよね。極真を始めたきっかけは何だったのですか。

「お父さんが格闘技の大ファンで、小さい頃からテレビでUFCやDREAMを見ていたんです、具体的なキッカケは覚えてないですけど、自然な流れで空手を始めました。そんなお父さんですけど、そこまでガツガツしたタイプじゃなくて『やるならとことんやれよ!』と応援してくれるタイプですね」

――ALIVEに入会したのもお父さんの影響ですか。

「そうですね。通いやすさで言えば、もっと近いところにジムもあったんですけど、お父さんが日沖さんの活躍を知っていて『MMAをやるならALIVEだろ』ということでALIVEを勧められました」

――対戦相手の安藤武尊選手はレスリングベース、山口選手と同じく今回がプロデビュー戦の選手です。

「それこそ僕の場合はお父さんが対戦相手のことをものすごく調べてくれて。こんなこというとドキッとするかもしれないですが、相手のSNSの発言も全てチェックしています(笑)。僕は動いている動画はもちろんSNSの投稿一つとっても選手の性格がにじみ出ていて、それは試合にも影響すると思うので、僕はそういう感覚は大事にしています」

――他の選手とは違うキャリアを積んできたという部分で「山口怜臣、どんなもんだ?」という見方もされると思います。

「試合内容で言うと、全局面で技術の差があると、相手は段々とやることがなくなっていくじゃないですか。アマチュアと違って試合時間が5分3Rあるんで、その時間を使って技術の分厚さを見せたいですね。自分はアマチュアを通じて総合力を磨いてきたので、5分3Rあった方が技術の差を出せると思うんですよ。5分3Rの自分が楽しみです」

――注目のプロデビュー戦、どのような試合を見せたいですか。

「僕は『アマチュアでやってきた部分がどうなんだ?』という見方をされると思いますが、僕自身それ以上にUFCやもっと大きなゴールを見てやっています。逆にそこを見て欲しいというか。『この先コイツは伸びるぞ』とか、MMAファイターとしての将来性を見せられたらと思います」

■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分3R>
亀井晨佑(日本)
新居すぐる(南アフリカ)

<ストロー級/5分3R>
八田 亮(日本)
黒澤 亮平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
住村竜市朗(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
遠藤来生(日本)

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
河村泰博(南アフリカ)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
葛西和希(日本)

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太(日本)
川中 孝浩(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
高本千代(日本)

<ライト級/5分3R>
余勇利(日本)
神谷大智(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(日本)
渡邉 ショーン(日本)

<フライ級/5分3R>
梅原規祥(日本)
饒平名知靖(日本)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
安藤武尊(日本)

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