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【DEEP111】フライ級GP初戦は準々決勝で本田良介と対戦、松場貴志─01─「1回戦の計量後は歌い損」

【写真】最終回どころか、松場のDEEPフライ級GPはここから始まる(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP111 Impactで実施されるDEEPフライ級GP準々決勝で、松場貴志が本田良介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

Grachan&GRANDフライ級王者としてDEEPに参戦した松場。しかしGP1回戦は、対戦相手の駒杵嵩大が減量に失敗して病院に搬送された結果、試合がなくなるという事態に。それを知らないまま、計量後に替え歌を熱唱する松場だったが――。仕切り直しとなる準々決勝は、初戦で越智晴雄を下した本田良介との対戦に。改めて1回戦の中止や本田戦への意気込みを訊くと、少し真面目で、それでも相変わらずな松場だった。


――松場選手は以前、愛知県名古屋市のALIVEに所属していました。現在のパラエストラ加古川に移籍したのは、いつ頃なのでしょうか。

「もう2年前ですね。ALIVEでは日沖発さんや久米鷹介さんがいて、技術も最先端で、という良さがありました。今のパラエストラ加古川の皆さんもMMAを研究しているし、良いところを吸収できていると思います」

――2021年に2連敗を喫したあと、今年に入ってDEEPフライ級GPの開催が発表されました。そのGP出場が決定した時は、どのような気持ちを持っていましたか。

「それはもうメチャクチャ嬉しいです。出たいですってSNSでアピールしていたので、呼んでいただけたのかと思うんですけど……。このGPに出場できてなかったら、ずっと試合もなかったので。僕なんかを呼んでくれて、ありがたいです」

――他のGP出場メンバーを見た時の印象を教えてください。

「まぁ、いつもDEEPに出ている選手に宇田悠斗君が加わった、という感じですよね」

――1回戦の相手は、松場選手から駒杵嵩大選手を選ぶ形となりました。駒杵選手を選んだ理由は何かあったのですか。

「いえ、もうオーソドックスの選手と対戦したいなぁ、と思っていたぐらいで」

――スタンスで選んだということでしょうか。

「それも、おぼろげに『駒杵選手ってオーソドックスだったよなぁ』と思って選びました(笑)。でも決まったあとに駒杵選手のことを調べたら、これはヤバい相手だなと。だいぶ警戒していましたよ。実際に対戦していたら、何度も抑えられていたんじゃないですかね」

――駒杵選手は柔道がベースで勢いもあったので、その可能性は否定できません。

「絶対的な強さはあるなぁ、と。自分が選んでおいて、これは貧乏クジを引いたなって思いました」

――その駒杵選手が計量をクリアできない、ということを聞いたのは、いつだったのですか。

「歌を歌ったあとですよ。こんなの歌い損じゃん、と思って。佐伯さんにも『相手が計量をクリアできないと知っていたら、歌わなかった。次の試合の時に歌っていましたよ』と言いました」

――……試合が行われるかどうかではなく、歌うかどうかが問題だったのですか。

「アハッハァ。やっぱりね、そこに懸けているので。計量の直前で、一番苦しい時に歌を考えて。これは面白いのかどうか、自分では判断がつかないぐらいの状態の時につくりました。それでも、自分らしくいこうと」

――……。

「それで歌ったあとに計量クリアできなかったと聞いて、ショックでした。自分でも驚きましたね。試合がなくなったことでショックを受ける、そんな自分がいたのかと初めて知りました」

――プロデビューから9年を経て、初めてファイターの気持ちが分かった、と。

「いや、ファイターなんですかね? う~ん……」

――ファイターでなければ何なのですか(笑)。

「まぁ3日間ぐらいは、ポカーンとしていました。でも、自分が出るはずだった大会を観ながら、これはポカーンとしている場合じゃないなと思いましたね。そんな暇ないなって。気になる試合があったので」

――気になる試合とは、どの試合だったのでしょうか。

「福田龍彌選手と杉山廣平選手の試合ですかね。あの試合だけです。他は何も思いませんでした。あの試合は何が凄いっていうわけではなく、2人とも基本性能が高いなって」

――1回戦全体の印象はいかがでしたか。

「う~ん、やりやすい人もいて、やりづらい人もいて……。2回戦で試合したいなぁ、と思う人もいたんですけど、それはコーチから止められました。やめておけ、と。だから抽選会でも選ばなかったというか、組まれなかったというか」

――その選手が誰だったか気になるところですが、抽選会の結果、本田選手との対戦が決まりました。これは松場選手としては希望どおりだったのですか。それも偶然の結果だったのでしょうか。

「う~ん、どうなんですかね。あれは流れに任せるしかないですから。うん、まぁ、良かったんじゃないですかね。アハッハァ」

<この項、続く>

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【DEEP111】フライ級GP準々決勝への自信、安谷屋智弘「福田龍彌選手が嫌がるところは小川選手と同じ」

【写真】安谷屋の試合はもちろん、曹竜也がお店で提供するかき氷も気になる(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP111 Impactでは、フライ級GPの準々決勝が実施される。そのひとつが、安谷屋智弘×福田龍彌だ。
Text by Shojiro Kameike

安谷屋は今年8月のGP1回戦では、前フライ級キング・オブ・パンクラシスの小川徹と対戦し、キムラで固めてレフェリーストップを呼び込んだ。サブミッションによるレフェリーストップは物議を醸したが、安谷屋が小川を相手に自分の形に持ち込んだことは確かだろう。そして次に迎える対戦相手は、GP優勝候補の一人である福田だ。今回のダークホース安谷屋が、福田戦への意気込みを語る。


――安谷屋選手の所属は現在、「氷ヲ刻メ/池田道場」になっています。もともと所属していたジム、闘心が活動を停止したあとはフリーランスとして試合に出場していました。改めて新しい所属ジムについて教えていただけますでしょうか。

「新しいジムの所属になったのは、去年の11月ですね。闘心の先輩である曹竜也が新しいジムを立ち上げたんです。そこで曹さんのお店の名前と、打撃を教えてくださっている池田浩二先生の名前をとって、氷ヲ刻メ/池田道場という名前になりました」

――曹選手のお店の名前とは……。

「北谷町でやっている、かき氷屋さんです。ジムは普天間にあります。かき氷はフワフワで、独自のシロップがかけられていて――想像を絶する美味さですから、ぜひ一度お店に行ってみてください。あっ、もちろん普天間のジムにも(笑)」

――宣伝ありがとうございます(笑)。新しいジムは、どのような経緯で設立されたのでしょうか。

「闘心がなくなったあとは知り合いのジムで練習させてもらったりしていたのですが、去年11月に、僕も曹さんもRIZIN沖縄大会の出場が決まりまして。そこで自分たちのジムを持たないといけない、っていう話になって曹さんがジムを立ち上げ、お店の名前をつけました」

――氷ヲ刻メという店名は、藤原大地選手が経営する「ラーメン荘 歴史を刻め」と何か関係はあるのでしょうか。

「僕はよく知らないのですが、曹さんが藤原さんと仲が良かったみたいで、その影響はあるかもしれないです」

――なるほど。では新しいジムが出来て、ご自身の練習環境も落ち着きましたか。

「はい、落ち着きました。それまではシマジリアンズや公共の体育館を借りて練習したりとか……」

――これだけ日本でもMMAを練習する環境が整ってきたなかで、プロの選手が公共の体育館で練習しているケースは少なくなりました。

「いつも曹さんと池田さんが僕の練習を見てくれて、しんどいとか感じたことはないです。でも自分たちのジムがあることで気持ちが落ち着きましたし、いつでも好きな時に好きなだけ練習できる。それが嬉しいです。今は選手練習のみですけど、いずれ会員さんの募集も考えていこうかな、というところですね」

――新しくジムが立ち上がったあと、DEEPフライ級GPへの出場が決定しました。

「佐伯(繁DEEP代表)さんとお会いした時に、フライ級GPに出たいと直接お願いしました。最初は、ちょっと待ってほしいと。どうやら自分が出場ラインのギリギリだったそうで……。出場は微妙かなぁ、と思っていたら連絡を頂けたので嬉しかったです」

――その時点でDEEPの伊藤裕樹戦、RIZINの宮城友一戦と2連敗を喫していましたからね。

「そうなんです。まずSNSでDEEPフライ級GPが開催されるという情報を見て。これは自分からアピールしないと、って思いました。さらに、今年の2月に、練習仲間のセコンドで東京へ行くことがあったんです佐伯さんに直接『お願いします』と(苦笑)」

――安谷屋選手にとってDEEPフライ級GP出場は、どのような意味を持っていたのでしょうか。

「自分も年齢を重ねて、いつまで現役を続けられるか分からない。だから、とにかくタイトルに近づきたいという気持ちがあるんです。このGPで優勝すればタイトルマッチに近づける――その一心でアピールしました」

――安谷屋選手がGP出場メンバーを知ったのは、1回戦の抽選会の時かと思います。GP出場者の中でも、前パンクラス王者の小川徹選手が出場することは最大のサプライズでした。抽選会では小川選手が安谷屋選手を対戦相手に選びましたが、まず小川選手の出場について考えるところはありましたか。

「いえ、そこまでは……。他のプロモーションから強い選手が出て来るだろうし、それ以上に弱い選手はいないだろうなと思っていたので」

――その小川選手との1回戦は、安谷屋選手がキムラで絞り上げたところでレフェリーが試合をストップしました。あの内容とストップについては、どのように考えていますか。

「ストップは妥当だと思っています。あの形になったら、まず逃げられないし、僕としてはタップしないなら折るつもりだったので」

――安谷屋選手がキムラの形に入ったあと、レフェリーに何かをアピールしていました。

「あの時、結構バキバキ鳴っていたんですよ。これ以上やったら折れるよ、ってアピールしました。小川選手は、まだやれるっていう感じでしたけど――あそこでレフェリーが止めなければ、僕は完全に小川選手の腕を折っていました。

ただ、ストップされた後に小川選手が声を荒げていたのは、気持ちは分かります。自分が小川選手の立場だったら、同じような感じになっていたでしょうし。それだけお互いに懸けていた試合だったと思います」

――安谷屋選手にとっては、2連敗から前パンクラス王者を下すという結果となりました。

「下馬評では、相手が勝つと言われていたので。それを覆すことができたのは、メチャクチャ嬉しかったです。試合を見ていると、小川選手はこういうことをやられたら嫌だろうな、というのが分かって。それをずっと練習していました。それがガッチリとハマりました」

――小川選手が嫌なこと……具体的には、どんなことだったのでしょうか。

「それは言えないです(笑)。次の対戦相手も同じところがあるので」

――えっ、小川選手と福田選手の攻略法には同じ部分があるのですか。

「はい。試合を楽しみにしていてください」

<この項、続く

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【DEEP111】フライ級GP準々決勝宇田悠斗戦──直前に出稽古。村元友太郎「宇田の底が知れる試合に」

【写真】月曜朝10半からの武術空手稽古。平本丈と前夜に修斗世世界女子アトム級王者になったばかりの澤田千優も稽古に参加していた (C)SHOJIRO KAMEIKE

12月11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP111 Impactではフライ級GPの準々決勝が実施される。ビョン・ジェウン✖伊藤裕樹、本田良介✖松場貴志、福田龍彌✖安谷屋智弘とともに村元友太郎が宇田悠斗と対戦する。

修斗からの刺客といっても過言でない宇田は、初戦で島袋チカラにケージに押し込まれた状態でエルボーを連打し失神に追い込むという衝撃的な勝利を手にした。対して村元は試合前に新スクランブル宣言をしたものの、初回にダウンを喫するという厳しい戦いを持ち味であるスクランブル戦で競り勝った。

宇田戦を直前に控えた状況で、村元は東京で出稽古を敢行──午前中は剛毅會空手、午後は田牧ボクシングの指導を受けている。そんな村元を練習の合間に取材すると、直前の出稽古の是非、宇田の評価を尋ねると元気いっぱい、いつも通り自信に満ちた答が返ってきた。


──13日後にDEEPフライ級GP準々決勝、宇田悠斗選手との試合を控えている(※取材は11月28日に行われた)状況で、東京まで来て出稽古を行った村元選手です。午前中に剛毅會の岩﨑達也氏に指導を受け、午後はGENで田牧一寿トレーナーのボクシング指導があるということですか、東京入りは昨夜だったのですか。

「いえ、朝にやってきました。昨日は石川で太田翔一郎さんに伝統派空手の指導を受けていたので。田牧トレーナーとの練習が終わったら名古屋に戻ります」

──田牧トレーナーや太田さんとの稽古はこれまで続けていていたことなので、そこは時間と距離との兼ね合いなのでしょうが、このタイミングで岩﨑さんに武術空手を習う。それはどういう理由からなのでしょうか。

「今回が稽古は2度目なのですが、11月の最初に岩﨑さんがRIZIN LANDMARKで平本(蓮)選手のセコンドで名古屋に来ていた時に、ハセケン(長谷川賢)さんから誘いがあって一緒に食事をさせてもらったんです。

その時に『東京に来た時に練習に参加しても構わないよ』と言っていただいて。僕も田牧さんとの練習もあり、東京に来ることがあるので実際に教え欲しいと思いました」

──平本選手の試合を見て、そうしようと思ったのではないですか(笑)。

「それもあったのですが、ホントに試合前日に食事をしている時に岩﨑さんの打撃論を伺って興味深かったのと、合点のいくことがありました。いくら平本選手の試合を見ていても、その時の話が納得できるものじゃなかったら指導を受けたいとは思わないです。フィーリングも合ったというか……そもそも岩﨑さんのことを、それまで知らなかったのですが……」

──ハハハハハ。重ねてお伺いしますが、だからといって試合まで1カ月を切って2度指導を受けただけの技術や動きが試合に生きるのですか。

「生きます。指導をお願いした際に、『次の試合のためだから』ということで相手の映像と、僕の映像を見せてほしいと岩﨑さんに言っていただきました。自分が技術的に問題点として捉えていたことに対して、LINEと電話でまず相談をしました。それから実際に動きを見てもらったので。

1度目の練習のあと、名古屋に戻ってALIVEのスパーリングで試した動きを動画に撮って岩﨑さんに送りました。そこでまた修正箇所を指摘してもらって、そうしていくことでスパーリングのなかで課題だったというか……欠点が、解消されていったんです。

同時にそれが全てでなく、自分がこれまでやってきたこととの兼ね合いでどういう風に生かすかを自分でも考えています。いずれせよ、分からないことはどんどん尋ねていますし。全てを理解できないことも分かって、試合直前であってもこうやって指導を受けに来ています」

──そこまでの気持ちでいるのかと感心させられた一方で、その志をもってなお試合前の理想と試合のパフォーマンスのギャップが……。

「アハハハハ。前の試合もそうでしたね。進歩したところを試合に出そうと思ったら、結局これまでと同じで(笑)。風我選手がイメージと違っていて、凄く強くなっていました」

──初回にピンチがあり、試合前に言っていた「極めに繋げるコントロール、これまでと違うスクランブル」という動きはできなかったです。それでも、これまで通りのスクランブル戦になると勝ち切れる。やはりそこが村元友太郎の強味でもあるかと。

「でも、それでは先に進むと勝てなくなります。このままではいけないので、今日の稽古もそうですが色々と足を運んで模索しています。今のままでは危うい感じなので、明確に倒し切ったり極め切れるようにならないといけないです」

──同時にああなった時は、気持ちで負けないという想いは?

「そこは誰とやっても負けないっていう気持ちはあります」

──では宇田戦で向けて。抽選では、結構選手が会話をして対戦が決まった感がありました。

「そうですね。福田(龍彌)と宇田が残っていて。僕はどっちでも良かったです。決勝に進めば、どちらかと当たると思っていた2人だったので、どっちでも良かった。で、最後に残っている安谷屋(智弘)さんに尋ねたんです。『僕はどっちでも良いから、どっちとやりたいですか』って。そうしたら安谷屋さんは前に福田に勝っているから、福田が良いって(笑)。福田も『安谷屋とやりたいです』って言って2人が盛り上がっているから、『なら宇田で良いです』という感じで」

──宇田選手は置いてけぼりじゃないですか(笑)。

「『あっ、ハイ。お願いします』みたいな感じでした(笑)」

──アハハハ。では、その宇田選手の印象を教えてください。

「修斗の1位でしたね。う~ん、フィジカル的にはパワーとかスピードが速い雰囲気はありますけど……まぁ、見せかけかなって思っています」

──おぉっ!!

「打撃の質とかも、パンチもパッと見は踏込みも早くて威力もヤバいのかと思うかもしれないですけど、完璧で倒している試合もないし。なんか……質は低いんじゃないかと。僕は貰わないですし、貰っても前に出て根性で……ここまでやってきたことも違うし、気迫も含めて全てで圧倒したいと思っています」

──島袋チカラ選手との試合では、ケージに押し込まれた状態でヒジ打ちの連打でTKO勝ちを収めました。あのような予想外、あるいは想像の範囲を越えた何かを持っているかもしれないという警戒心は?

「ないです。あれはあそこで止まっているからもらうだけで。僕はあんなにのんびりしていなくて動き続けます。ポテンシャルとか、底がまだ余り見えていない選手だと思いますけど、宇田悠斗の底が知れる試合になりますよ」

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DEEP】フライ級GP2回戦対戦カード決定!

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現在DEEPで絶賛開催中のDEEPフライ級GP。2回戦の組み合わせ抽選会が行われ、以下の対戦カードが決定しました。どの組み合わせも実力伯仲。見応え充分。これは完全に当たり企画だわ。


【DEEP フライ級GP 二回戦 】

ビョン・ジェウン(フリー)

伊藤裕樹(ネックス)
1回戦で渋谷カズキを押し潰して極めたジェウンとイケイケのストライカー伊藤のマッチアップ。1回戦で思わぬ苦戦を強いられた優勝候補の伊藤はスカ勝ちしてRIZIN常連の意地を地力を見せる事が出来るか。それとも勢いに乗るジェウンが飲み込むか。

【DEEP フライ級GP 二回戦 】

宇田悠斗(総合格闘技道場 HOPE)

村元友太郎(ALIVE)
衝撃の肘乱射で1回戦を勝ち上がった宇田と若手のホープ風我に競り勝った村元。修斗とDEEPの実力派同士の潰し合いが2回戦で実現するとは。。。GPの豪華さを象徴する一戦。

【DEEP フライ級GP 二回戦 】

本田良介(CAVE)

松場貴志(パラエストラ加古川)
越智晴雄との激戦を制した本田とGRACHANを主戦場に裏街道を突き進んできた感のある松場。互いに立っても寝ても試合が出来る巧者だけに全局面でハイレベルな試合になる予感。

【DEEP フライ級GP 二回戦 】

福田龍彌(MIBURO)

安谷屋智弘(氷ヲ刻メ/池田道場)
小気味いいボクシングテクニックでKOを量産している福田。今回も優勢かと思いきや、2019年に一度対戦した時には安谷屋が判定勝ちしているじゃないですか。1回戦ではパンクラスからの刺客・小川徹をアームロックでよもやの一本勝ち。勢いに乗って番狂わせなるか。


GP 2回戦は12月11日に竹芝のニューピアホールで開催されるDEEP 111 IMPACTで行われるとの事。今年の師走も格闘技は熱い。
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【Gladiator019】有川直毅戦へ、フライ級王者NavE─02─「パンクラスでソコソコやっていた選手」

【写真】この計量台での写真は、1月大会でプログレス・ルールに出場した時にもの。60キロ契約と、フライ級リミットは約4キロの違いがあり、NavEはまずそこが最初のヤマとなる(C)MMAPLANET

25日(日)、大阪豊中市の176BOXで開催されるGladiator019で、有川直毅とノンタイトル戦で対戦するフライ級王者、NavEのインタビュー後編。

関西圏で活動するグラジエイターに継続参戦しているファイターは、このプロモーションへの愛が強い。その筆頭がNavEだろう。グラジエイターのため、そして地元・名張市のために戦う王者の熱い気持ちをお伝えしたい。


――NavE選手はプロデビュー戦が前体制のグラジエイターで、さらにパンクラスを経て新体制のグラジエイターで戦い続け、ベルトも巻いています。

「有川選手はずっとパンクラスで戦ってきて、ベルトを狙ってグラジエイターに来たのかもしれないです。それでも1回勝ってベルトに挑戦というのはズルいなと思って。僕はMMAを始める前、ずっとパンクラスのファンやったんです。実際パンクラスにも出ていました。でも、たとえば僕が今パンクラスで1回勝って、いきなりベルトに挑戦するのは違う話じゃないですか。

愛とファンであることは違いますからね。今回のノンタイトルマッチで有川選手が僕に勝ったら、再戦でタイトルを賭けるのは良いと思いますよ。ただ、僕はここでしっかり勝ちます」

――今パンクラスの話が出ましたが、DEEPでは現在フライ級GPが行われています。グラジエイターのフライ級王者として、DEEPフライ級GPはどう見ているのでしょうか。

「あれはまさに日本のフライ級のトップを決めるトーナメントだと思いますけど、そこに自分を混ぜろっていう気持ちはないですね。自分の中で決めているのは、他に出るとしたらパンクラスと、グラジエイターのチャンピオンとしてRIZINには出たいです。いろんなご縁があって、グラジエイターの櫻井会長にチャンスを頂いてベルトを巻くことができました。ずっと櫻井会長にはお世話になっているので、RIZINで勝つことで関係者の皆さんに恩返しがしたい、喜んでもらいたいと思っています」

――なるほど。話を次の試合に戻します。ノンタイトル戦とはいえ、グラジエイター1勝の選手が現役チャンピオンと対戦することについても思うところはありますか。

「それはあります。グラジエイターって継続参戦している選手が多いプロモーションやと思うんですよ。たとえば宮城さんとの試合(2021年9月、宮城友一に判定勝ちして王座防衛)は、宮城さんってグラジエイター初期から出ていたじゃないですか。だから僕はリスペクトを持って、やったろうという気持ちで戦いました。

でも今回は、パンクラスでソコソコやっていた選手が、ベルト欲しいなと思ってグラジエイターに来て、1回勝ってチャンピオンと試合をする。そういう感じやと思うんですけど、そんなオイシイ話にはさせへんぞって」

――有川選手がどう考えているかは分かりませんが、NavE選手としては順番が違うぞ、ということですね。では有川選手について、ファイターとしての印象はいかがですか。

「うまく勝ち切るファイターっていう感じですね。福田(龍彌)選手のように一発で仕留める力はない、うまく打撃と組み技を織り交ぜて判定勝ちを狙うという印象です。だからフィニッシュ力はないかなと思います」

――有川選手が足を使い、要所で打撃を入れて来るのはケージに特化したスタイルだと思います。その有川選手を、いかにして捕まえるか。

「それは僕のほうからドンドン圧をかけて、プッシュしていきます。宮城さんとの試合でも、自分から出ていくっていう気持ちで戦っていました。今回の相手は足を使って、ペチペチのヒットアンドアウェイやと思います。でもそのヒットアンドアウェイに付き合うと、5分2Rズルズルと持っていかれてしまうから、僕から前に出ていきますよ。そのほうが試合もオモロイと思うし」

――対してNavE選手は練習環境が整ってきたなかで、最も進化しているのはどの部分だと思いますか。

「ココっていう練習はしていなくて、やっぱり繋ぎの部分じゃないですかね。MMAとして戦えるように意識しています。打撃の練習、組みの練習、それを繋ぎ合わせたMMAの練習を継続して行える。今までは練習環境もないし、練習相手もおらんかったのが、今は週5でMMAの練習ができていますから。まず練習量が過去最高です」

――地元で対人練習ができたら運が良いという状態だったのでしょうか。

「ホンマにそうです。今は毎日、対人練習ができているので。自分自身が作った環境といえども、人も集まってきてくれて。実はキックボクシングの元チャンピオンも来てくれて、打撃の練習もレベルが高くなっています。

30歳超えて、ようやく――なんで自分のジムを作ったかといえば、30歳を目前にしてジムがない。このままやと、自分が引退すると地元に格闘技をやる場所が無くなってしまう。そう考えると寂しくて。だから勢いでジムを作ってしまいました」

――勢いで(笑)。もう一つ、現在のジムでケージレスリングの練習は出来ているのでしょうか。MMAにおけるケージレスリングの重要性が増すばかりです。

「ケージはないですけど、壁を使って練習できています。レスリングや柔道出身の強い選手がいて、しっかり組んでやっていますね。有川選手はケージ際の動きが上手い選手じゃないですか。だから今日、まさにその対策をやっていました」

――次の試合に向けて準備万端ということですね。最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「ただの田舎者のサラリーマンやった僕が、格闘技のおかげで人生が変わりました。このジムも、格闘技で繋がった人たちのおかげで成り立っています。グラジエイターにも出ている今村豊さんが、わざわざ大阪から来て塗装をやってくれたりとか。そんな僕のように格闘技で人生が変わる子が、この名張市から生まれてきたら嬉しいです。今回はRIZINで負けてからの復帰戦になりますが、ここで勝って、応援してくれる人にまた大きな舞台に立つ姿を見せられるように頑張ります」

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【Pancrase329】世界の九州男児──鶴屋怜戦へ。上田将竜─02─「バケモノみたい。逃げることはできない」

【写真】全ての想いを鶴屋怜というバケモノのような強い相手にぶつける(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で、鶴屋怜と対戦する上田将竜のインタビュー後編。

昨年2連敗を喫したあと、上田はケージに戻ってきた。そして、国内フライ級が盛り上がるなか、鶴屋怜との対決を選んだ。これまで貫いてきたMMAの人生を後悔しないために--プロデビューから10年、上田がその決意を語る。

<上田将竜インタビューPart.01はコチラから>


――今年4月、有川直毅選手を判定で下し、再起を果たしました。復帰戦の出来はいかがでしたか。

「練習では良い感じで仕上がったんですが、試合では堅くなりすぎたところがありました。最後まで気持ちも切れませんでした。でも、試合が終わって『今日は満足できたばい!』と感じた経験がないんですよね。10年MMAをやってきても。たとえば、試合中に気持ちが折れたとしても、自分にしか分からない部分ってあるじゃないですか。

『良い試合だったよ』って言われても、自分としては『あの時、もういいかな……と思ってしまったんよね』と考えることがあって。それは他の選手と話をしても、同じようなことがあるみたいなんです。前回の試合は、勝てたことは嬉しいです。でも当然ですが反省点もあるので、すぐに練習を再開しました」

――昨年10月の小川徹戦から有川戦までの間に、DEEPフライ級GPの開催が公表されました。同じ階級で戦うファイターとして、DEEPフライ級GPはどのように映っていたのでしょうか。

「正直、興味はありました。練習仲間の本田(良介)選手も出場することになりましたから。でも4月のパンクラスで僕が有川選手に勝ったあと、鶴屋怜選手が秋葉太樹選手に一本勝ちした試合を見て、次は絶対に鶴屋戦だなと思ったんですよね。

そのあとDEEPフライ級GPの出場メンバーが発表されて、興味はありました。でも自分は今パンクラスで戦っていて、しかもバケモノみたいな強い選手が出て来た。その相手から逃げるわけにはいかない、そう思ったんです」

――バケモノみたいな強さ、確かにインパクトは大きいですね。

「彼とは去年の10月に一度、手合わせしたことがあるんです。パラエストラ柏へ出稽古に行った時に鶴屋浩先生から紹介されて――初めて同階級の選手に練習でボコボコにされました。

まだ彼がDEEPに出ている頃で、その時は対戦することもないだろうと思いながら、呑気に『日本MMAの未来は明るいなぁ』とか言っていたんです(笑)。本人にも『応援するけん、頑張ってね!』と言って。その裏では、自分に対して自信を失くしていました。

それで鶴屋先生に聞いたら、他の選手も同じようにやられているそうです。『そうですよね、彼は強くなりますよね』って鶴屋先生とも話をしていたんです。しかし数カ月経って、鶴屋怜選手がパンクラスに来た時点で、覚悟はしていました。お互い勝ち上がっていけば、いつか対戦することになるだろうと」

――練習で鶴屋選手にボコボコにされた経験は、精神的な面でマイナスに働きませんか。

「いや、これは自分にとって大きなプラスになります。あの時ボコボコにされていなかったら、今回の試合も1Rで仕留められていると思いますから(笑)。

でなければ、また自分の思い描いていた鶴屋選手と実際の試合は違っていて、彼の得意なところで勝負に行って負けていると思います。でも彼と対峙したことによって、その強さが分かっています。だから、彼の強い部分では勝負に行かず、相手の嫌なことをし続けますよ」

――なるほど。今回の鶴屋戦の先も含めて、上田選手の現在の目標は何なのでしょうか。

「こんなことを言うと、ベルトを目指して戦っている選手に失礼かもしれないけど……。今の自分のモチベーションは、地元の福岡で試合をすることなんです。その目標を実現するためには、勝たないといけない。

地方では他の人とは違うことをやっていると、白い目で見られることもあるんですよ。そんな中でも家族や、自分のために時間を割いて練習してくれる仲間、応援してくれる地元の友人たちがいます。その人たちに恩返しをするために、福岡で試合をしたいです」

――パンクラスでは2015年12月に北九州大会が開催されました。上田選手も出場し、宮城友一選手に判定勝ちを収めています。あれから約7年、再び福岡で大会を行うには、ベルトが必要になってくるでしょう。

「そうなんですよね。鶴屋選手に勝ったら、次は地元でパンクラスのベルトに挑戦したいと思っています。それが今の自分にとって、一番大きな目標です」

――ではその目標に向けて重要な試合となる、鶴屋戦への意気込みをお願いします。

「怖さやドキドキというより、自分の中でも久々に楽しみな試合です。どうしても自分より下馬評が低い選手と戦ったら、自分のほうが堅くなってしまう。勝ちたいという気持ちより、負けたくないという気持ちのほうが上回ります。でも間違いなく、鶴屋選手は強い。だから楽しみなんです。

鶴屋戦のオファーが来た時は、シビれました。強い相手との試合のオファーが来た時、予定が合わないとか嘘をついて避けることもできます。この試合に関してもメリットとデメリットを考えたら、鶴屋選手とは戦わないという選択肢もあったと思いますよ。自分から断ったことを公表しなければ、誰にもバレないですし。でも、それをやってしまうと自分自身を裏切ってしまうような気がして」

――それこそ一生後悔し続けるかもしれないですね。

「はい。オレは何のためにMMAをやっているのか。これまで恥をかきながらも続けてきたMMAなのに、鶴屋戦を断ったら全てを失ってしまうんじゃないかと思いました。だからオファーが来た時、二つ返事でした。『やります』って。

その答えは日曜日に出ます。ランキングは自分のほうが上ですけど、突撃していきますよ。しっかりと調整して、当日は盛り上がる試合をしますので、よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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【Pancrase329】鶴屋怜と対戦、上田将竜─01─「やってきたこと全てが無になってしまうことが怖くなった」

【写真】責任感のある仕事があって、愛する家族がいて、助けてくれる仲間がいる。そして、これだけ好きなMMAを続けている。上田選手こそ「皆さん、羨ましいでしょう」と言える人生を歩んでいる (C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で上田将竜が鶴屋怜と対戦する。
Text by Shojro Kameike

昨年はフライ級トーナメントとタイトルマッチで2連敗を喫した上田。今年4月に有川直毅を破り再起を果たしたものの、ベルトを巻くことができず、一度は引退も考えたという。なぜ引退を考えたのか。そして復帰を決めた理由とは――上田に真意を尋ねた。


――上田選手は消防士として勤務されているそうですが、今日(※取材は9月6日、夜に行われた)大型の台風11号が九州に接近していました。現地の状況はいかがでしたか。

「昨日から24時間勤務のあと、急きょ『台風が来ているから出てきてくれ』と言われて、今日の昼まで待機になっていたんですよ。思ったよりも被害は少なくて、早く帰ることができました。全国的にも被害が少なかったようで、良かったです」

――今回のような形で急遽要請の勤務があり、練習スケジュールがずれたりすることもあるのでしょうか。

「そうですね。消防士として24時間勤務があるので、MMAを専業としてやっている選手に比べると……。休みの自由はききやすいのですが、24時間勤務→非番→24時間勤務→非番というスケジュールの中で、どうしても週3日しか非番の日がありません。

そのなかで、MMAを専業でやっている選手と戦うためには、24時間勤務を終えた次の日の朝から練習して、昼に家で休んでから夜にまた練習――非番の日に2部練をして、練習時間を確保しているような感じですね」

――練習時間や練習時間を確保することはできても、24時間の勤務直後の朝に、練習に集中できるものなのですか。

「言うたら自分たちは、消防車も救急車も出動要請があれば全部乗るんですよ。夜中に出動することもあるし、そのあと報告書を打って仮眠して。勤務が終わったら練習に行きます。でも東京や大阪と比べたら、ジムに行ってもプロが集まって朝練を行うような環境ではなくて。

そこは個人的に、福岡でお世話になっている原田惟紘さん(柔術&MMAアカデミー G-face代表)や、DEEPフライ級GPにも出ている本田良介選手と連絡を取って練習をお願いしています。あるいは田中半蔵選手に連絡して、一緒にラントレをしてもらったりとか。そうやって午前中に練習相手を見つけて、工夫しています」

――なるほど。ただ、消防士という立場上、コロナ禍では行動が制限されないのでしょうか。できるだけ人が集まる場所には行かないなど……。

「そういうお話も聞きます。こういう言い方も変なのですが、ウチは都市部と比べたら規模も大きくはないんですよ。自分がMMAをやっていて、パンクラスで試合をしているのも職場は把握して、認めてくれています。試合する時も、トップの消防長に『試合決まりました。頑張ってきます!』と報告しますし。

実は、コンボイ翔兵選手とのタイトルマッチ(2019年7月、暫定フライ級KOPTでTKO負け)まで、MMAをやっていることは職場にも秘密にしていたんです。でも、それがバレて。さすがにタイトルマッチとなると、大きく扱われるもんで(苦笑)。

職場には隠していたことをお詫びして、上の人と話をすることになりました。自分はもう30歳になって、子供も生まれていました。職場から『格闘技をやってはいけない』と言われたら、どちらを選ぶか。でも自分から格闘技がなくなったら、何が残るのかなと思ったんですよね。何を生き甲斐にして生活していくのか」

――……。

「だから、格闘技を選ぼうと思ったんです。それで上と話をした時も『僕は消防にしがみつくつもりはありません。格闘技がダメだって言われたら、迷惑が掛からない形で消防士を辞めます』と伝えたんですよ(笑)。

でも上の人が『お前は悪いことをしよるわけじゃない。30歳を過ぎても熱いものを見つけて頑張りよるんやけん。仕事も頑張らないけんけど、自分が満足するまで格闘技も頑張れ』と言ってくれて」

――おぉ、熱い方々ですね!

「これが都市部だと違うかもしれないですけど、そうやって認めてもらい、今もMMAを続けています。ただ、トシを取ったせいですかね? もう頑張らなくてもいいのかな、そう考えることは増えました。タイトルマッチも2度負けて」

――そこで、どうしても上田選手にお聞きしたかったことがあります。昨年10月、小川徹選手とのタイトルマッチで、なぜ終盤に攻めることができなかったのか。あれだけ手が出なくなってしまったのか。

「……試合が終わったあとに『こんな試合をしているようじゃ選手を続けていちゃいけないな』と思いました。試合中の心境を言えば、ここで勝負に行ったら今まで積み重ねてきたものを失うような気がしたんです」

――というと?

「チームとしては、5分5R中でやることを決めていました。まず、そのプランが上手くいかなったんです。すると自分もテンパってきて……相手も自分が想定していたものとは違うファイトスタイルで来たこともあったので。

3Rが終わった時点で、セコンドの原田さんや本田君からも『上田さん、行かな勝ち目ないよ!』と言われて。それは自分も分かっている。でも攻めていってカウンターをもらったら、今までやってきたことが全て無になってしまうことが怖くなったというか」

――そこで失うことが怖くなった「全て」とは、何を指すのでしょうか。

「試合をする以上は、勝つために、ベルトを獲るために戦います。でもそこでKO負けしてしまったら、もうベルトにも手が届かなくなる。年齢的にも、これが最後のチャンスだろうなと思ってしまいました。そうなると、メンタル的にも守りに入ってしまって。

気持ちの上がり下がりというんですかね。たとえば杉山選手と戦った時(2020年12月、杉山廣平に判定勝ち)は、ドロドロになっても意地でも勝ちたいっていう気持ちが強かったです。でも小川選手とのタイトルマッチは、もう3度目の対戦で相手の強さも怖さも知っているし、反対にモロい部分も知っている。だから初めて対峙するような緊張感がなかったことが、悪い方向に働いてしまったような気がしますよね」

――消防にしがみつくつもりのなかった上田選手が、どこか格闘技にしがみついてしまっていたのか……。

「自分も辞めようと思いました。でも周りの人が『進退について自分たちには何も言えない。でもこのまま終わったんじゃ、格闘技を嫌いになって辞めてしまうぞ』と言われて。嫁からも『あの終わり方じゃ、一生後悔すると思うよ』と言われました。

だから一度休んで、家族と一緒に過ごしてリフレッシュしてから考えることにしました。でも試合に出ない間、何をするかといったら──ジムに行って練習することしかなかったんですよ(笑)やっぱり格闘技しかねぇなぁ。そう思ってもう一度、試合をすることに決めました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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【DEEP TOKYO IMPACT2022#05】パラ千葉のフライ級ファイター達─02 ─杉山廣平「優勝するかしないか」

【写真】U23のパレ千葉系フライ級ファイターのなかで、杉山は11月で27歳になる少しお兄さんだ (C)MMAPLANET

11日(日)、東京都港区のニューピアホールでDEEP TOKYO IMPACT 2022 5th ROUNDが開催され、フライ級GP1回戦後半4試合が実施される。

7月の抽選会で、下馬評で最強と見られる福田龍彌を対戦相手に選択した杉山廣平の心の内とは。鶴屋浩門下のフライ級の精鋭集中インタビュー、2人目は男・杉山廣平の出番だ。


──8月21日にDEEPフライ級GP1回戦、最初の4試合が行われました。率直にどのような感想を持たれましたか。

「PPVで視聴したんですけど、なんか……あまり盛り上がっていなかったですね。全体的にモヤッとしていたというか。伊藤裕樹が接戦で、本田(良介)君も接戦でした。小川(徹)選手の試合も微妙な感じになってしまって」

──原虎徹選手が頑張ったという見方もできますし、やはりトーナメントの初戦ですから冒険はできず、しっかりと勝たないといけないという心理があったかと。

「結果、周囲が盛り上がることもなかったですし。SNSでも話題になっていない。だから僕は……この16人の中で、どれだけの位置にいるのか分からないですけど、自分が主役になれるような、『コイツが優勝するんじゃないの』と思われる試合をしたいですね」

──その1回戦の相手ですが、福田龍彌選手を杉山選手が選んだ形でした。正直、神龍誠選手と藤田大和選手が参加していないなか、現状のDEEPフライ級戦線で最強の選手といっても過言でないかと思います。

「ハイ、そう思っています。福田選手が宇田(悠斗)選手かなって。この2人ですよね、トーナメントに出ている選手で一番強いのは」

──抽選会の時点では宇田選手はXで9月11日と8月21日、9月枠から埋まっていく形で抽選は進みました。9月大会はX、駒杵嵩大選手、風我選手、そして福田選手の横が空いている状況で、まず島袋選手がXの隣に収まり、村元友太郎選手が風我戦を選択。伊藤選手は9月の相手を選ばす、8月で決定を待つ形に。続く松場貴志選手が駒杵選手、そして8番目の杉山選手が颯爽と福田選手の横に自身の写真を置いた時には、抽選会場に明らかに緊張感が走りました。

「1回戦から一番強い人と戦いたい。その気持ちしかなかったです。

初っ端から一番強い相手とやると決めていました。だから本当にラッキーでした。7月に試合が終わったばかりだったので、僕のなかにも9月に戦いたいというのがまずありました。

だから9月に福田選手、伊藤選手、小川選手がいれば良いなと思っていました。結果9月に4枠があってX、風我選手、駒杵選手が入り、そこから島袋選手、友太郎君、伊藤裕樹、松場選手、そして自分という順番で選ぶ……どうなるのかなって。

僕とすれば絶対に福田選手に残って欲しかった。駒杵選手は去年戦って勝っているし、風我選手は申し訳ないけど、トーナメントに出ているメンバーのなかでは名前も実力も下の方だったのでできれば戦いたくなかった。でも、友太郎君がなんか凄く迷っていたんですよね(笑)」

──アハハハハ。

「『なんで、こんなに迷ってんの』って思って(笑)」

──日沖発と久米鷹介を尊敬し、鈴木陽一に育てられた。実利と男らしさ、その狭間に常にいるのが村元友太郎です(笑)。

「アハハハハ。僕としては友太郎君が福田選手を選んだら、もう8月に行くしかないなっていう感じで、どうなるのか見ていたら──。友太郎君が風我選手を選んだので『よっしゃぁ』って(爆)」

──いやぁトーナメント戦ですし、如何に優勝できるかということを村元選手が考えるのも理にかなっているかと。でも、そんな風に言われるともう村元選手がこのインタビューを読むとどのような気持ちになるのか……。自分は凄く楽しみです。

「……。僕としてはトーナメントって優勝するかしないか、その2つだと思っています。徐々に強い人とやって、優勝するというやり方もあるかもしれないですけど、他の選手に負けるリスクを考えると、最初から強い人と戦う。それで自分が優勝できるかどうか、最初にハッキリさせたい。勝てばそこで勢いがつきますしね。

だから友太郎君がどういう想いだったのかは分からないですけど、強い人と戦うのが格闘家だと思うんで。そういうなかで弱い人を選ぶっていうのは僕の中にはないことです。僕はいつだって強い選手と戦いたいので」

──杉山選手は正直に胸の内を言葉にしてくれていますが、これは風我選手のターゲットになったことも間違いないですね。

「風我選手が嫌や気持ちになると悪いなとは思いますけど、これは実績を見ての話なんで……。だから、あそこで風我選手にいくというのは本当に性格が出ますね。自分としては9月でも駒杵選手は他に選択肢があるなかで選ぶというのは絶対になかったので、本当に『やったぁ』という気持ちになりまいた」

──そして松場選手が駒杵選手をゴチャゴチャ言いながら選んだ。

「もう、何も考えることなく福田選手と戦わせてもらうことを選びました。何も当たって砕けろという気持ちではないです。勝てると思うから、戦います」

──その福田選手の印象を教えてもらえますか。

「試合をアレだけしたがるので、ファイトジャンキーですよね。お父さんにタイでムエタイの道場に置き去りにされて格闘技を始めたっていうのも、凄く面白いエピソードですし。実際、実績もありますし繰り返しになりますけど、今回のメンバーで一番強いと思っています。

DEEPに来てから福田選手のことを知ったのですが、パンチの精度が高い。しっかりとテイクダウンも切れて、サブミッションのディフェンスもできる。一番気を付けるのはパンチですね」

<この項、続く>

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『DEEP 109 IMPACT』試合結果


第10試合 DEEPフライ級GP一回戦(5ジャッジ制) 5分3R
○伊藤裕樹(ネックスイチムエ/元THE OUTSIDER 50-55kg級王者)
×原 虎徹(CAVE/DEEPフューチャーキングトーナメント2019バンタム級優勝)
判定4-1 (田澤29-28/植松28-29/橋本29-28/柴田30-27/内田30-27)

第9試合 DEEPフライ級GP一回戦(5ジャッジ制) 5分3R
○安谷屋智弘(氷ヲ刻メ/池田道場)
×小川 徹(TRIBE TOKYO MMA/パンクラス・フライ級2位、元王者)
1R アームロック

第8試合 DEEPフライ級GP一回戦(5ジャッジ制) 5分3R
○本田良介(CAVE)
×越智晴雄(パラエストラ愛媛/元DEEPストロー級王者)
判定4-1 (植松29-28/橋本29-28/柴田28-29/田澤29-28/内田29-28)

第7試合 DEEPフライ級GP一回戦(5ジャッジ制) 5分3R
×渋谷カズキ(高本道場)
○ビョン・ジェウン(韓国/フリー)
1R 4’33” フロントチョーク

第6試合 フェザー級 5分3R
×今成正和(今成柔術/元DEEPフェザー級&バンタム級王者、元Cage Rageフェザー級王者)
○芦田崇宏(BRAVE/元DEEPフェザー級王者)
判定0-3 (福田28-29/柴田28-29/内田28-29)

第5試合 ウェルター級 5分3R
×住村竜市朗(TEAM ONE/元DEEP王者)
○鈴木槙吾(Mil gracias/元パンクラス王者)
1R TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)

第4試合 バンタム級 5分3R
○石司晃一(フリー)
×山本聖悟(チーム・クラウド)※フリーから所属変更
2R TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)

第3試合 メガトン級(無差別級) 5分2R
○誠悟(AACC)
×トーマス(米国/Y&K MMA ACADEMY)
1R 3’53” 袈裟固め

第2試合 ストロー級 5分2R
○林 豊(パラエストラ柏)
×中村真人(レンジャージム)
判定3-0 (福田19-17/植松19-17/柴田19-17)
※中村が計量1.8kgオーバーで減点2。林が勝った場合のみ公式記録とする。

第1試合 フェザー級 5分2R
○五明宏人(トライフォース赤坂)
×デオ・レバナ(コンゴ民主共和国/K-Clann)
1R 0’42” TKO (レフェリーストップ:左ストレートでダウン後)

オープニングファイト バンタム級 5分2R
○KENTA(K-Clann)
×岩見 凌(KIBAマーシャルアーツクラブ)
1R 0’58” 裸絞め

 8月21日に後楽園ホールで開催された『DEEP 109 IMPACT』の試合結果。今大会はフライ級グランプリ1回戦8試合のうち4試合が行われ、伊藤裕樹、安谷屋智弘、本田良介、ビョン・ジェウンが勝利し2回戦に進出。ワンマッチは芦田崇宏が今成正和に判定勝ち、鈴木槙吾が住村竜市朗に1R TKO勝ちしています。続きを読む・・・
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【DEEP109】元KOP小川徹がDEEPフライ級GP参戦「長南亮の弟子としてDEEP初戦は落とせない」

【写真】元フライ級KOP小川徹の参戦。誰と対戦しても楽しみななか、1回戦の相手に安谷屋智弘を選んだ(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109では、DEEPフライ級GP1回戦として元KOPの小川徹が安谷屋智弘と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今回のDEEPフライ級GP最大のサプライズは、元フライ級KOP小川の参戦だった。長年TRIBEからのDEEP参戦がないなかでの、小川の出場。今年3月、猿飛流に敗れてパンクラスのベルトを失ってから抽選会場への登場までの経緯と、GPへの意気込みを訊いた。


――今日はよろしくお願いいたします。小川徹選手のDEEPフライ級GP参戦には驚かされました。

「えっ、本当ですか。そう言ってもらえると嬉しいです」

――まず今回の参戦経緯から教えていただけますか。

「今年の4月ぐらいに、DEEPの公式SNSで『トーナメントを開催します。出場選手を募集しています』といった内容の投稿がありまして。それを見た時に、面白そうだなと思いました。ただ、TRIBEからは7年ぐらいDEEP参戦がなかったじゃないですか。確か中西さんの試合(2016年8月、長谷川賢戦)が最後だったかな? それで、ここは踏み込んでいいところなのかどうか分からずに、スルーしていたんです(苦笑)。

そうしたら長南さん(長南亮TRIBE TOKYO M.M.A代表)から『DEEPフライ級GP、面白そうじゃない?』と言われて。僕も『面白そうなので出たいです』と答えたら、長南さんが調整してくださったんですよ。だから僕は出たいと思ったし、そんな僕の背中を長南さんが押してくださったという形です」

――ちょうどお二人の気持ちが合致したのですね。その前に小川選手から、DEEPフライ級GPに出たいというような素振りを見せていたのではないですか(笑)。

「アハハハ。3月の試合のあとは、すぐ練習を再開していて、試合ができる準備も進めていました。でもタイトルマッチで負けて、またパンクラスでリベンジするかどうか気持ちがフワフワしていたところはあったんです。自分としては、そんな素振りは見せていなかったつもりですが、やっぱり分かっていたのかもしれないですね(笑)」

――もちろん元パンクラス王者のDEEPフライ級GP参戦というのも驚きでしたが、もう一つは久々にTRIBE勢がDEEPに出場するというのも意外なところはありました。

「前田吉朗さんのジムオープンの日に、長南さんが佐伯(繁DEEP代表)とお話されたそうで。そこから長南さんが『DEEPにも誰か出られるチャンスがあれば……』ということを、チラっと仰っていたんですよ。そういった経緯もありました」

――小川選手がDEEPに参戦することになり、周囲の反応はいかがですか。

「TRIBEの会員さんは、喜んでくれる方が多いですね。TRIBEが出来た頃からの会員さんは、長南さんがDEEPのベルトを巻いている姿を知っていますから。特にラストマッチはDEEPで勝ってベルトを巻いていて」

――ダン・ホーンバックルを相手に、最後はアンデウソン・シウバをタップさせたフライング・ヒールフックまで見せて勝利した、あの伝説的なラストマッチですね。

「それですよ(笑)。皆さん、その長南さんが残したイメージがあると思うんですよね。だから長南亮の弟子としてDEEP初戦は落とせないですし、そのイメージを裏切らない盛り上がる試合をしたいです」

――なるほど。3月にパンクラスで猿飛流選手に敗れてベルトを失いました。そこでリベンジするかどうか気持ちがフワフワしていたというのは……。

「試合直後は、今までの敗戦では味わったことのない気持ちがありました。ポッカリと心に穴が開いてしまったというか。今後どうしようかと。引退するかどうかではなく……まずあの結果を想像していなかったんです。だから自分の気持ちの落としどころが分からなくて」

――それはベルトを失ったことに対して、ですか。それとも試合内容に関してでしょうか。

「ベルトを失ってしまったことです。試合内容についても、後悔している部分はあります。自分の中で出し切れなかったところがあって。特に4R目と5R目で守りに入ってしまい、自分のパフォーマンスを100パーセント出し切れなかった悔しさもありますね」

――パンクラスはラウンド終了時に採点を公開しています。猿飛流戦では4Rが終わった時点でイーブンになっており、5Rを取ったほうが勝つという状況でした。そこで5R目に自分の力を出し切れなかった要因は何だったのでしょうか。

「それが実は……1R、2R、3Rは自分が取っていると思ったんです。2Rは猿飛流選手についていることを認識できていなくて。それで4Rは、ダウンもあったから相手に取られている。そこで自分がベルトを守るために、KOされたり一本を取られなければいいという考えを持ってしまいました。判定でも5Rで10-8がつかなければ勝てる、と。そういう意識で5R目がスタートしました。それぐらい自分の中で冷静さを失っていたんですね」

――それは5R開始前に、セコンドから『5Rを取ったほうが勝ち』という指示はなかったのですか。

「採点だけでなく、長南さんをはじめチームからは的確なゲームプランとアドバイスがありました。ただ、そこで行くか行かないかの戦略は、自分で判断して5Rを戦わないといけません。結果として、そこは自分の判断ミスだったなと思います。

これが海外の試合だったら、アナウンスも全て日本語ではないし、もっと分かりづらい部分はありますよね。でも、そんななかでも状況を把握して、冷静に判断して戦わないといけない。前回の試合は場所が日本だったというだけで、どこでどう戦おうと冷静に戦わないといけないし、まだ自分に足りない部分があると感じました」

――結果、ベルトを失って開いた心の穴が埋まったのは、DEEPフライ級GP参戦が決まってからなのでしょうか。

「いえ、その前に練習も再開していましたし、気持ちは切り替わっていました。ただ引き続きパンクラスに出るのか、あるいは他のプロモーションも面白そうだな……っていう、自分の方向性は定まっていなかったです。だからGP参戦が決まるまで、まだ本腰は入っていなかったな、という感じですね」

――そこでDEEPフライ級GP参戦が決まり、出場メンバーを聞いた時の印象はいかがでしたか。

「出場メンバーは、抽選会の時に初めて知りました(笑)」

――えっ、会場に誰がいるかも分からずに抽選会場へ行ったのですか。しかもご自身の参戦がサプライズで。

「はい(笑)。抽選会場で他の選手を見た時、やっぱり面白そうだと思いました。トーナメントに出るかぎりは、誰が相手でも優勝したいです。でも強い選手に勝って優勝しないと、自分の地位も上がっていかないので。今回のフライ級GPは、この中で優勝したら面白いな、って思えるメンバーが集まっています」

――抽選会場で出場メンバーを見てから、1回戦では誰と対戦したいと思いましたか。

「正直、誰と対戦したいという気持ちはなかったです。でも初戦から知り合いと試合したくはないなぁ、と思っていました(苦笑)」

――知り合い、というと?

「村元友太郎選手と福田龍彌選手ですね。福田選手はTRIBEで一緒に練習したこともあるので。越智(晴雄)さんも以前、一緒にトレーニングしたこともありました」

――抽選では小川選手が安谷屋選手を相手に選び、最後に越智選手と本田良介選手の盟友対決が決定しました。

「……アレ、僕のせいですよね」

――アハハハ、誰を相手に選ぶかは選手側の権利ですし、決して小川選手のせいではないでしょう。

「アレは狙っていたでしょう、って記者の方に言われました(苦笑)。でも本当に狙ってはいなくて、安谷屋選手の隣が空いていたのを見た時に、チームメイトの秋葉尉頼のことが頭をよぎったんです。2016年に亡くなった秋葉にとって、最後の対戦相手が安谷屋選手でしたから」

<この項、続く

■視聴方法
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

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