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【Shooto2022#02】2021年デビュー組、齋藤奨司「趣味の延長でチャンピオンにはなれない」

【写真】2021年のJ-MMA界デビューの当たり年。初戦を落としても、齋藤の期待値は高い(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催される『プロフェッショナル修斗公式戦2022 Vol.2』で、格闘DREAMERSにも参加した齋藤奨司がLyo’oを相手にプロ3戦目を行う。
Text by Shojiro Kameike

アマチュアボクシングから始まり、キックボクシングを経てMMAファイターとしての人生をスタートさせた齋藤。格闘DREAMERSに参加したことで彼の知名度は高まったに違いない。一方で、結果を残せていない自身との戦いがあった。そこで齋藤がたどり着いた自分自身のスタイルとは――。


――プロMMA3戦目を5日後に控えている齋藤奨司選手です(※取材は3月16日に行われた)。まずプロフィールからお聞きしたいのですが、最初に始めた格闘技はボクシングなのですよね。

「はい、ボクシングですね。中2の時にボクシングジムへ通い始めて、高校から部活に入り、大学を卒業するまでやっていました」

――当時はプロボクサーを目指していたのでしょうか。

「いえ、プロになろうという気持ちは全然なかったです。中学生の頃、ちゃらんぽらんな生活を送っていたんですよ。それでボクシングをやっていた従兄弟から『やることがないなら一緒にボクシングをやろうぜ』っていう感じで誘われました」

――ちゃらんぽらんな生活というのは、どのようなものだったのですか。

「別にヤンチャだったわけじゃないですよ(苦笑)。中学校の頃は部活もやっていないし、特にやりたいこともなくて。サッカー部に入ったこともあるんですけど、団体競技が合わないなと思って辞めました。そのまま学校にも行かなくなって――でもボクシングジムには行っていました。

そのジムに、習志野高校ボクシング部の監督が来ていて、僕を見て『ウチ(習志野高校)に来るか?』と誘ってくれたんです。習志野高校は千葉県でもボクシングの名門校で、自分も行こうと決めました。ただ、最初は中学校の先生から『お前、高校に行けると思っているのか?』と言われて……」

――出席日数の問題で高校に進めないというのは、よほど学校に行っていなかったのですね。

「はい……中2から中3は学校に行っていなかったです(苦笑)。とにかく高校の監督が『ちゃんと学校に行け』と。それと中学校の先生もすごく協力的だったおかげで、習志野高校に入ることができました。今は本当に感謝していますね。高校では、高3の時に国体で優勝して、東洋大学に進学しています」

――アマチュアボクシングを続けるうえで、オリンピック出場が目標だったのでしょうか。

「正直、その頃はオリンピックを狙えるようなポジションでもなかったです。まずは大学日本一を目標に向けて取り組んでいました。寮生活で同じ釜の飯を食っている仲間と一緒に大学1位を目指して。僕の時代は、大学リーグで3位が最高位でした」

――では、大学卒業後は……。

「大学卒業後にボクシングを続けるつもりはなかったです。ただ、それまでボクシングだけに集中していたから、部活が終わった瞬間に突然パッと頭の中が変わるんですよね。あぁ、卒業した後はどうしようかなって。でもプロボクサーになるつもりはなくて。これまでずっとボクシングで頑張ってきたので、これからは社会に出て頑張ってみたいなっていう気持ちが生まれて、大手の不動産会社に就職しました」

――何年ほど会社員を?

「1年ちょっと、ですね。その頃、部活の仲間でプロになっている選手が多かったんですよ。僕が仕事をしている間に、そういう選手がプロで実績を残したり、チャンピオンになったりして。仲間だから応援に行くじゃないですか。でも試合を見ながら内心、『オレのほうが強かったのにな……』と思うことがあったんです。それで自分は今、何をやっているんだろう、って」

――……。

「もちろん仕事は仕事として面白かったです。でも年齢を考えたら、格闘技をやるのは今しかない。今やらなかったら一生後悔するなって。よく『若いうちにコレやっておけば良かった』って後悔している人がいるじゃないですか。『オレ、昔は強かったんだよな』とか。自分はそうなりたくない、だったら今やろうと思いました。それが23、24歳の時ですね」

――そこからMMAの前にキックボクシングを3戦経験していますよね。キックボクシングを始めた時は、会社を退職していたのですか。

「会社は辞めています。会社に勤めながらでも格闘技はできる、とは言われました。でも僕は、高校から大学までボクシングしかやっていなかったじゃないですか。毎日ボクシング漬けでやっていたのに、大学では日本一になれなくて。そういう世界を知っているからこそ、別の仕事をしながら格闘技でチャンピオンになれるわけがないと思ったんです。そんなに甘い世界じゃない、趣味の延長でチャンピオンにはなれない、って」

――ただ、キックボクシングで3試合を行ってMMAを始めるというのは、急な方向転換だったのではないですか。

「かなり急でしたね(笑)。キックボクシングをやっていた頃からMMAのクラスには参加していましたけど、最初はMMAをやるつもりがなかったので。MMAをやろうと思ったのは……すごく単純な理由なんです。最初は強さを感じてボクシングを始めました。それがMMAのジムでMMAの選手と練習していて、組み技のクラスにも参加したらコテンパンにされて。こんなに強いんだ――と思ってから、MMAに興味を持ち始めました」

<この項、続く

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【Shooto2022#02】岩本健汰✖飯田健夫。宮城友一&Lyo,o=砂辺系沖縄シューターが後楽園に

【写真】グラップリングではスキンヘッドでなかった飯田。今回は? (C)MMAPLANET

14(月)、3月21日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#02の追加カードが発表されている。

修斗世界バンタム級選手権試合=チャンピオン岡田遼×チャレンジャー安藤達也、同じくバンタム級で石井逸人×石橋佳大、後藤丈治×ダイキライトイヤー戦、そして修斗世界ライト級王者の西川大和✖山田崇太郎と戦うウェルター級戦に続き5試合が決まった。


まず注目はMMA4戦目となる岩本健汰が、飯田健夫と対戦するフェザー級戦だ。ケージレスリング及び極めの部分で既に日本トップクラスという声もある岩本に対し、飯田は1月のGladiatorで組まれたサブオンリーマッチにスクランブル出場し、黒帯柔術家の伊藤元喜をギロチンで下している。

今回の試合、ずばり見どころは飯田が岩本にバックを許さず、上の取り合いに持ち込めるか否か。飯田が伊藤と対戦した同じ日に石渡引退記念興行・漢塾~継承~で、笹川JPにアゴの上からRNCを極めた岩本は、一度だけ下になっている。

リング使用大会でロープの外=エプロンでマウントを取った岩本だが、フリーズからリング中央で再開直後に背中を預けた笹川が立ち上がり、前方に落とされている。

ここで笹川は立ってローという手段にでたことで岩本はパウンドを受けていないが、飯田とすればトップとはいわず組みの中で打撃を織り交ぜたい。クリンチ&打撃、グラウンド&パンチがあるなかで岩本がどのようなグラップリングを見せられるのか、そのような展開があるのか楽しみだ。

またフライ級では宮城友一が、修斗公式戦では初めての東京での試合で関口佑冬と対戦。

また宮城とクロスラインでの練習仲間である当真佳直を沖縄大会で下した内田タケルは、佐々木駿友と。髙谷組元DREAMERSの齋藤奨司がクロスライン所属のLyo,oと戦う。

2人の沖縄勢──しかもtheパラエストラ沖縄ではなく、パンクラシスト砂辺光久系のファイターが聖地の修斗出場というのも興味深い。

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Fight&Life Interview J-CAGE ブログ 高木オーディン祥多 髙谷裕之 齋藤奨司

【Fight&Life】格闘DREAMERS/髙谷裕之「目標はUFCに追いつき、追い越せというイベントを創ること」

【写真】厳しさと優しさをオーディション参加者に見せる髙谷。これぞ彼のMMAへの想いの深さと感じた(C)MMAPLANET

明後日23日(金)発売のFight&Life#84にLDH格闘家育成プロジェクトをスタートさせ、その一端として現在ABEMAで配信中の格闘DREAMERSでLDH martial arts所属選手のオーディションを行っている髙谷裕之のインタビューが掲載されている。

MMA人気を根づかせるために、格闘技の本質を曲げない。何より人生育成が欠かせないという髙谷。格闘DREAMERSは、国内でUFCに負けないイベントを再び行うために彼らが練る、10年~20年越しの計画の第一歩だ。

本誌で掲載しきれなかったオーディション合否の背景について語った髙谷の言葉をここでお届けしたい。


──LDH martial artsの格闘家育成プロジェクト。その一端として始まった「格闘DREAMERS」のオーディションには200人の応募があり、書類選考で52名までしぼりました。その判断基準はどういうものだったのですか。

「本当はたくさんの人に集まってもらってオーディションをしたかったのですが、コロナでそれはできなくなったので書類選考という形を採らざるをえなかったです。重視したのは世界を獲れるような可能性を感じさせるスポーツの実績や熱意です。世界で闘える選手を発掘するオーディションなので、そのような基準で選手を選びました」

──書類選考で落とされ、実際に見て判断してほしいと言ってきた応募者はいましたか。

「1人、2人はいたかもしれないですけど、そういうことは僕の耳には入って来なかったです。逆に来てほしかったですけどね」

──第一次オーディションで52人から一気に19人まで篩に掛けられました。

「人数の上限を決めていたわけではないです。打撃とグラップリングのスパーを見て、動きの良かった人間だけ選ぶと19人という数になりました」

──そこで落とされた人から、泣きの一回を実施してほしいというような要求は?

「1人もいなかったですね。僕自身は何か言ってくる奴とかいるだろうなって思って……ガチンコ・ファイトクラブみたいに『お前が相手しろよ』みたいな奴がなかには含まれているのかと。そこそこの準備はしていたんですけど(笑)」

──アハハハハ。売られた喧嘩を買うつもりでオーディションに向かっていたということですね。ガチすぎます。

「結果、格闘技をやっている人間なんで──落とされた自分と受かった人間の違いが分かったのでしょうね」

──合格者のなかでも2選手が辞退しました。

「合宿を行ったので仕事の都合が合わなかったのか。1人はスパーリングでダウンを喫したことで自信がなくなったのかもしれないですね。もう1人の選手も、所属ジムの兼ね合いや『歌やファッションも好きだし、格闘技一本じゃない』と言っていたので、空気が違うと捉えたのかもしれないです。僕らはフルタイム・ファイターを求めているので」

──第2次オーディションのための合宿は、いつ行われたのですか。

「12月ですね。番組では割愛された部分も相当にあって(笑)。本当に厳しかったと思います」

──輪になってスクワット。慧舟會の補強を思い出しました。

「久保さんの合宿は腕立て伏せ2010回とかだったので(笑)。あれと比較するとインターバルの時間もありますし、回復の時間も測ってスケジュールを組んでいたので、非科学的に見えても多少は科学的にやっていました。

生き物として強いヤツしか生き残れない。そういう合宿になったと思います」

──打撃の上手い選手が多いです。

「そうですね。僕が選ぶということが影響したのが、参加した選手の8割ぐらいは打撃系でしたね」

──そんななか落選した選手に、山本歩夢選手が含まれていました。

「う~ん、彼は話せば分かる部分はあるかと思いますが、格闘技もこのオーディションもビジネスにつなげることに重点を置いていたように感じました。自分で会社も経営しているみたいですしね。

僕たちが必要なのは格闘技一本でやっていこうという人間です。格闘技だけでなく他のことと一緒にやりたい人もいるし、『僕の人生は格闘技だけじゃない』という選手もいるでしょう。それぞれ生き方という部分では正解も間違いのないのですが、僕らが欲しい選手は格闘技一本でやっていくという気持ちの選手なんです。

同じように会社を興した人間がいます。高木オーディン祥多の場合は格闘技をやるため──自分の練習時間を確保するために経営者になっています。

格闘技のために荷揚げなのか、運送会社をやっています。彼の場合は僕らが欲しいと思う向き合い方だったんです。

ただし、凄いなと思う反面、そこが精神的な甘さに通じることもあるとも思います。

齋藤奨司なんかは会社を辞めて退路を完全に断っている。弱いところを見せようがないと思いますね、彼に関しては」

※23日発売のFight & Life#84は、オーディション最終選考となる実戦の2週間前にパウンド有りのアマ大会を開き、選手たちに試合をさせて理由、オーディション終了後のLDH自主興行や契約選手の育成方法などが掲載されています。

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