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【Pancrase337】住村竜市朗戦へ、藤田大─02─「ウェルターで戦う理由? アイスと竜田揚げが大好きなので」

【写真】押忍マン洸太戦で勝利を決めた直後の藤田。表情豊かな選手だ (C)MMAPLANET

24日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase337「30周年記念大会」で、住村竜市朗と対戦する藤田大のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

インタビューを進めていくと、自信のない発言も出て来る藤田。しかしそれは、彼が自分の気持ちに素直な証拠だ。臆病な気持ちを隠さないからこそ、強くなれる――はず。周囲の声や協力を得て成長していく藤田の姿が明らかになる。

<藤田大インタビューPart.01はコチラから>


昨年9月のグラジでデビュー。前日計量の際から、特異な存在感があった

――柔道と柔術の試合に出ながら、いつ頃からMMAをやることを意識し始めたのですか。

「もともとMMAをやる気は全然なかったです。柔道を諦めてからは柔術とグラップリングを頑張っていこうと思っていました。でもある日、鶴屋さんから『大阪にグラジエイターというMMA大会があって、出てみるか』と言われたんですよ。対戦相手の写真を見たらタトゥーがいっぱいだし、自分はMMAの練習はしたことがないし……もうガタガタ震えていました。その話が来てから打撃を練習し始めて」

――デビュー戦が決まるまでMMAの練習はしていなかったのですか!

「はい。中学生の頃に何回か練習したことがありますけど、打撃が痛くてすぐに辞めました(笑)。それでもデビュー戦が決まったのでMMAの練習をどうしようかと考えていたら、ジムの先輩の山本琢也さんが『練習相手になるよ』と言ってくれて。まず山本琢也さんが打撃を出して、僕がブロックしながら組みつく練習から始めたんです。組んで壁に押し付けてから倒すという」

――自分が打撃を身につける前に、まず打撃を防御しながら得意分野に持ち込むことを選んだわけですね。

近藤魁星にRNCで一本勝ち、デビュー戦を白星で飾った

「だって、いきなり打撃を身につけるのは無理っスよ。でもデビュー戦で勝てて本当に嬉しかったです。デビュー戦の自分と対戦してくれて、対戦相手の方にも感謝しています。その次は負けてしまいましたけど……」

――デビュー2戦目となったスティーブン・ギレスピ戦はバギーチョークを極められてしまいましたが、それまでの展開は藤田選手がリードしていたと思います。

バギーチョーク云々の以前に、試合前にそのような気持ちになっていたとは……

「テイクダウンからバック、RNCまで取りかけて、9-1でほぼ勝っていましたよね。

でも最後に気持ちがガタガタになってしまったんです。僕は本戦が終わったあとの1試合目で、本戦のメインは中川皓貴選手がボディへの攻撃でKO負けしていたじゃないですか。その中川選手がお腹を抑えながら運ばれていくのを見たら、もう怖くて心もギュッと苦しくなっちゃって。

それで自分は試合が始まったら『すぐ倒そう。すぐ極めよう』としすぎて、緊張もあって疲れてしまいました。息が上がった状態で肩固めを極めようとしたところに、相手が足を掛けてきて、バギーチョークを極められたという流れですね。あの負けは結構ハートに突き刺さりました。でも親父も一緒に泣いてくれて。『ずっと落ち込んでいても仕方ないから、とにかく大阪から千葉に戻ってすぐ練習しよう』と。

対戦相手のギレスピ選手には感謝しています。あの負けがあったから『もっと寝技で強くならないといけない』っていう気持ちを持つことができたし、今も世界中の寝技の技術を調べ続けていますから。あの敗北が僕を強くしてくれて、パンクラスで押忍マン洸太選手に勝つことができました。いつかギレスピ選手と対戦したいです。次は負けない自信がありますよ」

実はプロデビュー戦の翌月にEXFIGHTでアマの試合も経験し、ここもRNCで一本勝ちしている

――寝技で強くなろうという気持ちは分かります。しかしMMAである以上、打撃を強くしようとは考えていないのですか。

「打撃はディフェンスできれば良いか、と考えているぐらいです。ウェルター級は相手もデカいし、パワーがありますからね。組みに行った時にカウンターで一発もらうと、それでKOされる可能性があるので。下手に自分からパンチを打っても、ガラ空きになったところに打ち込まれるだけですからね」

――体格面でいえば、藤田選手の身長だとライト級やフェザー級に落とそうとは考えなかったのでしょうか。

「落とそうかなと思ったことはあります。でも如何せん、筋肉が付きすぎて体重を落としづらいんですよ。あと階級を落として勝つというのは――なんだか苦手です。あとはアイスと竜田揚げが大好きなので(笑)」

――アイスと竜田揚げを食べるために、ウェルター級で戦うということですか。

「そういうことです!」

――いや、そういうことではないでしょう(笑)。

「アハハハ。自分の適性階級は自分や練習仲間しか分からないと思うんですよ。周りが『お前はこの階級のほうが動きは良い』と言ってくれたりとか。パンクラスのウェルター級王者になった林源平選手もミドル級やライト級でも戦った結果、ウェルター級が適正だということに辿り着いたわけじゃないですか。自分もやってみないと分からないです。あとギレスピ戦で負けてから階級を下げたら、ウェルター級から逃げたように思われるのが嫌で」

――次の対戦相手である住村選手は、国内ウェルター級の中でも屈指の体躯を誇ります。

「住村さんは怖いっす。あの人に勝てる気がしないんですよね」

――えっ!?

「だって住村さんは戦績も凄いじゃないですか。柔術ではオープンクラスで大きな相手と対戦してきたけど、MMAでは初めてですね。次の試合はMMAをやっていくうえで大事な試合だと思っています。でも……いやぁ、自信ないっス」

――試合前に、そこまで弱気になるのは……。

「僕は、はっきり言って試合前はチキンなんですよ。メチャクチャ緊張します。柔術の試合でもガチガチに硬い状態で試合をしたことが何度もありました。気持ちが弱いから、打撃があっても相手に立ち向かっていけるようにMMAを始めたという理由もあって。

自分は今ランキング2位ですけど、まだタイトルマッチまでも遠いと思っています。住村さんに勝っても、まだ次がタイトルマッチじゃないと考えていて。住村さんに勝ってランキングをキープして、自分の中で気持ちを固めて――さらに打撃も鍛えてからベルトに挑みたいです」

――分かりました。では最後に、次の試合への意気込みを……弱気にならずに。

「はい! 押忍マン洸太選手に勝ったあと、会場でいろんな方に声をかけていただいたんですよ。『良い試合だったね』、『強かったね』とか。自分なんて、まだまだの存在ですけど、そういう声が凄く嬉しかったです。頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします!」


■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分3R>
亀井晨佑(日本)
新居すぐる(日本)

<ストロー級/5分3R>
八田 亮(日本)
黒澤 亮平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
住村竜市朗(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
遠藤来生(日本)

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
河村泰博(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
葛西和希(日本)

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太(日本)
川中 孝浩(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
高本千代(日本)

<ライト級/5分3R>
余勇利(日本)
神谷大智(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(日本)
渡邉 ショーン(日本)

<フライ級/5分3R>
梅原規祥(日本)
饒平名知靖(日本)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
安藤武尊(日本)

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【Pancrase337】住村竜市朗戦へ、異端児=藤田大─01─「古賀稔彦先生に『日本一の寝技師になれ』と」

【写真】既に自らの城を持つ藤田大。醸し出す空気感が異質であることは間違いない (C)SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase337「30周年記念大会」で藤田大が住村竜市朗と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

藤田は昨年のJBJJF全日本オープンで茶帯ミドル級とオープンクラスを制し、10月にグラジエーターでプロデビュー。圧倒的な組みの強さで一本勝ちしたものの、続く今年1月はスティーブン・ギレスピにバギーチョークで敗れていた。しかしパンクラス初参戦となった6月の押忍マン洸太を下し、いきなりランキング入りして今回の住村戦を迎える。試合以外のところでも、そのキャラが注目され始めている藤田に初インタビューを試みたところ、単なるキャラではなく全てがリアルな格闘家だった。


――本日はリモート取材ですが、背景に映っているのは……パラエストラ柏ではないですよね。どちらにいらっしゃるのですか。

「父と一緒に建てた道場です。1年ぐらい前に創って、まだ会員さんを募集しているわけではないんですけど。自分の練習場であったり、誰か一緒に練習したいと言われたら受け入れるような感じで」

――その年齢とキャリアで自分の城を持つことは凄いです。

「いえ、自分は全然で――父が格闘技に理解を示してくれて、応援してくれるので感謝しかないです。一般的には、子供であっても『道場を創るなら自分で金を稼げ』って言うと思うんですよ。でも父が自分に対して、それだけ金と時間を掛けてくれて、凄くありがたいです」

――藤井選手が格闘技をやることに理解を示してくれている。ということは、お父さんの影響で藤井選手が格闘技を始めたのではないのですか。

「はい、5歳の時に柔道を始めました。当時は暴れん坊将軍で……」

――暴れん坊でなく、暴れん坊将軍ですか?

「いろんなところを走り回るような、ヤンチャな男の子でした(笑)。それで一度大きな怪我をした時に、診てくれたのが柔道をやっている方で。自分に『柔道をやってみたらどうか』と薦めてくれて、僕も近くにあった町道場へ通うようになりました。きっと親も僕に手を焼いていたでしょうし、『やらせてみようか』と考えたと思うんですよね」

――アハハハ。5歳から始めた柔道の実績を教えてください。

「柔道の実績は……言えるようなものは無いです。高校生の頃まで柔道をやっていましたが、ちょうど高校に入ってからコロナ禍があったりして。自分の中では、柔道は『やり切れずに終わった』という気持ちが強いです。柔道が楽しかったのは間違いないんですよ。でも柔術もやっていましたし」

――柔術を始めたのは何歳の時ですか。

「柔術は小学4年生の時からパラエストラCNWに通っていました。部活だけでなく町道場に通っている頃でも、柔術をやっていることに関して、あまり良い顔はされなかったですね。柔術に対してというより、寝技ばかりやることに対して。なぜ寝技をやるようになって柔術も始めたかというと、僕は背が小さいじゃないですか。体格で劣っていると、立ち技では勝てないんですよ。体格で負けているうえ、技術もない、スタミナもない」

――……。

「基本的な柔道の投げ技もできなかったんです。そこで見つけたのが寝技でした。始めてみると寝技が楽しくて、柔術のことも知ってパラエストラCNWにも通うようにもなりました。ただ、周りからは『お前は寝技ばかりやっていて――』というようなことも言われたりして。さらに柔道が、どんどん立ち技中心のルールになっていきましたよね。そこで自分の心も折れてしまったんです」

――そのような事情があったのですね。一方で小学4年生から柔術を習い始めるのは、同世代の中で早いほうではなかったですか。

「いえいえ、全然! パラエストラCNWだと、小4で始めるのは遅いほうでした。僕が入った頃、周りはすでに何年も柔術をやっている子たちばかりでしたよ。それを見て、『自分ももっと早く始めていれば良かった』と思いました。あっ! ちょっと自慢話みたいになっちゃうんですけど、良いですか」

―はい(笑)。ぜひお願いします。

「小学5年生の時に、柔道の大会で古賀稔彦先生に『君は日本一の寝技師になれ』と言ってもらえたんです」

――えっ! それは嬉しいですね。

「ちょうど柔術を始めた後で。大会中に僕が古賀先生に『握手してください!』と寄っていったんです。そうしたら古賀先生が僕の試合を見てくれていて、『君は寝技が強い。もっと寝技を伸ばしていったほうが良い』と言われました。それが嬉しくて、自分は柔術も柔道の寝技も頑張ろうと誓ったんですよ」

――なるほど。柔道部に所属しながら柔術の大会に出ることも認められていたのですね。

「いや、あの、うん……」

――聞かないほうが良いですか(笑)。

「大丈夫です! 一応、部に許可をもらって柔術の大会に出ていました。あまり良い顔はされませんでしたが(苦笑)」

――結果、柔道ではなく柔術を続けることを選んだ理由は何だったのですか。

「寝技でやってきたい、という気持ちが強かったです。実は大学からも誘いはあったんですよ。でも勉強が得意ではなく――中学の時なんて5教科中、4教科で0点を取っていたぐらいでした。国語なんかテストの解答欄に下ネタを書きまくり、あとで職員室に呼び出されました。『お前、勉強する気あるのか!?』って(笑)」

――アハハハ! これ以上訊くと危険そうなので、止めておきます。柔道の練習と柔術の練習を並行するのは大変ではなかったのでしょうか。1日のスケジュールは……。

「まず7時から8時まで柔道部の朝練があります。授業が終わって15時か16時ぐらいから、また柔道部の練習が始まって。部活が終わると家に帰ってから、すぐ柔術の練習に向かっていました。だいたい22時ぐらいまで練習していましたね。柔術のほうは小6ぐらいになると、キッズクラスだけでは物足りなくなっていたんですよ。だから大人のクラスにも参加していました。大人のクラスではボッコボコにされましたけど、楽しかったですね。

自分が柔術で強くなれたのも、その時に大人のクラスに参加できていたからだと思います。どうしても子供だと力は弱いじゃないですか。力が強い大人と練習することで自分も力の使い方とか、いろんなことを覚えることができました」

<この項、続く>



■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分3R>
亀井晨佑(日本)
新居すぐる(日本)

<ストロー級/5分3R>
八田 亮(日本)
黒澤 亮平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
住村竜市朗(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
遠藤来生(日本)

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
河村泰博(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
葛西和希(日本)

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太(日本)
川中 孝浩(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
高本千代(日本)

<ライト級/5分3R>
余勇利(日本)
神谷大智(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(日本)
渡邉 ショーン(日本)

<フライ級/5分3R>
梅原規祥(日本)
饒平名知靖(日本)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
安藤武尊(日本)

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【Pancrase337】プロ初陣=安藤武尊戦、山口怜臣「お父さんがSNSで相手の発言も全てチェックしています」

【写真】春日井たけしとの寒天ミットのために、HEAT24中村も練習場所になっている山口 (C)MMAPLANET

24日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase337「30周年記念大会」にて、山口怜臣がプロデビュー=安藤武尊戦を迎える。
Text by Takumi Nakamura

山口はIMMAF(International MMA Federation)世界選手権制覇からプロを目指し、タイガームエタイとALIVEを拠点に活動。今年2月の世界大会では怪我の影響もあり、1回戦を突破するものの、2回戦を棄権するという結果に終わった。この大会を終えて、山口はパンクラス30周年記念大会でのプロデビューを果たす。J-MMA界で唯一無二のアマチュア経験を積んできた山口にプロデビューを決意した理由、そして今後のMMAファイターとしてのキャリア設計について聞いた。


――24日のPancrase337=30周年記念大会でプロデビュー戦を控える山口怜臣選手です。デビュー戦に向けた今の練習状況から聞かせてください。

「前回の試合は2月のIMMAF世界大会になるんですけど、大会前のキャンプで怪我をしていて、3月いっぱいは治療の時間に充てていました。それから7月末までプーケットのタイガ―ムエタイでトレーニングして、そこでは各分野、ボクシング、ムエタイ、レスリングなどパーツのトレーニングをしっかりして、技術を分厚くしてきたイメージです。

8月からはALIVEに帰ってきて、昔からよく知っている仲間たちとスパーリングしつつ、鈴木社長にはグラフを作ってもらいつつ体重管理や体調管理もしてもらっています。ここまでコンディションを大きく崩すこともなく順調にきていますね」

――山口選手はタイガームエタイとALIVEが練習場所になっていますが、どのぐらいのバランスで練習の比率を考えているのですか。

「基本的な考え方として、普段はタイで技術を磨いて、試合前に日本で調整するという形です。タイにいたまま試合に出たこともあるのですが、タイガームエタイは選手が多いので、どうしてもコーチの指導が分散してしまう部分があるんです。日本のように細かい部分にまで気にかけてもらって、試合まで持っていくことはどうしても難しいです」

――ALIVEの鈴木陽一代表がやっているようなコンディション管理ができない部分はありますよね。

「現にタイで調整していて怪我や感染症でコンディションを作れないときがあったので。今は慣れ親しんだ、気心がしれた仲間たちと対人練習をして、昔から僕を見てくれている(鈴木)社長やコーチ陣に仕上げてもらうのがしっくり来ていますね」

――2月のIMMAF世界大会は1回戦を突破したものの、2回戦を怪我で棄権という結果に終わりました。どういう状況だったのですか。

「大会の3週間前に怪我をしてしまい、かなり練習も制限された状況で試合をしたんです。初日(1回戦)は何とか勝てたのですが、2日目は厳しいと判断して棄権することにしました」

――そのタイミングでプロデビューを決めた理由は?

「ずっとIMMAFにはこだわってきやってきたのですが、今後のキャリアを考えた時に僕はUFCでチャンピオンになることが一つの目標で。そこから逆算したとき、僕ももう23歳なので、しっかりプロでレコードを重ねていく段階だなと思いました。また、タイガームエタイの仲間、それこそUFCやONEで活躍している選手と接していると、しっかりファイトマネーやスポンサーで資金を潤沢にしたうえでいいコーチを雇ったり、身体のケアに費やしたり…そういうことをやっているんですね。

僕もそうした本当の意味でのプロフェッショナルな生活をしたいと思い、ここからはファイトマネーで稼いでいきたいと思いました」

――では2023年にプロデビューするというのはもともとプランにあったことなのですね。

「はい。ある程度この時期にプロデビューしようと思っていました」

――アマチュアはトーナメント制で、大会前に対戦相手が分からないまま、時に1日で複数回、IMMAFでは連日のように試合を戦わなければいけないということもあります。逆にプロは事前に対戦相手が決まっていて、試合当日は1試合戦うだけです。同じMMAでもプロとアマチュアでは違うものですか。

「本当に別物だと思います。アマチュアは金メダル以外はすべて負け。5回戦って5勝して初めて勝ち、4勝1敗だったら負けなんです。しかも試合するために海外で10日間ほど拘束されるし、ある程度慣れていたとはいえナーバスでした。IMMAFにおいて日本人は発展途上で、最小限のチーム編成で試合をしなければいけない。それこそコロナ禍で試合したときは両親と僕だけで試合したこともあるし、そういう環境で戦うことには緊張感がありました。

あとプロとアマの大きな違いとしては対戦相手の部分ですね。プロは対戦相手の情報が事前に分かるし、相手に似たタイプの選手を練習相手に選ぶこともできる。相手の特徴を考えて練習できることは大きいです」

――アマチュア時代は対戦相手の対策ができないなか、どのようなことを意識して練習していたのですか。

「日頃から自分の穴をなくすための練習ですね。もし相手がストライカーなら寝かせなければいけないし、下からのアタックが強い相手だったら寝技の対処ができないと極められる。それは試合まで分からないので、そういう部分での地力の底上げはアマチュアキャリアが長いからこそできたことだと思います、今回に関していえば、タイガームエタイでぶ厚くした技術でどう相手をハメるのかを考えています」

――アマチュアで長くキャリアを積んできた強みはMMAにおける地力や対応力になるのですか。

「一番はそこですね。トーナメントで勝つためにどんな相手が来てもいいように総合力を上げる。その部分への意識は高まりました」

――間違いなくプロとは違う経験値を積むことができているようですね。

「プロでも色々なことはあると思うんですけど、10日間海外にいて、60カ国以上の国の選手が一箇所に集まるMMAの大会はIMMAF以外でなかなかないじゃないですか。そういう国際感覚はIMMAFで身についたと思います。僕もタイでは英語を使うんですけど、IMMAFが英語を学ぶきっかけになったし、格闘技以外の感覚的な部分は大きな学びになりました」

――それだけ違う国の選手が集まると文化背景も違いますし、細かいトラブルや事件は起きなかったですか。

「……おおらかさが大事だなと思いました(笑)」

――MMAでは色々なキャリアの積み方があると思います。山口選手はUFCでチャンピオンになるための近道や方法論がアマチュア=IMMAFだったのですか。

「そうですね。でも僕がMMAを始めた頃から考えていたことではなくて、マーシャルワールド杯2017JMMAFトーナメントで準優勝して、優勝者が外国籍の選手だったので、僕が繰り上げで豪州の大会(2018年のIMMAFオセアニア・オープン選手権大会)に出る切符を掴んだんです。社長も『経験だから行ってみよう!』と背中を押してくれて、結果的に金メダルを獲ることができました。それが自信になれた部分もありますし、そこで初めてUFCを意識したことは覚えています」

――ジュニア時代にIMMAFの世界大会で対戦したムハマド・モカエフがUFCで活躍しています。彼の活躍はどう捉えていますか。

「妬ましい気持ちがないと言ったら嘘になりますけど、各々選手は人生設計ややりたいことが違うと思うんです。最終的なゴールがUFCだとしても。だから一概に自分と(モカエフを)比較しても意味がないと思います。ファンのみなさんがそこを比較して面白く見てもらう分には構わないですが、僕は少なくとも10年以上はこの競技をやっていくつもりですし、誰と比較して、ではなく自分を高めていく方向に集中しています」

――ファイターとしての人生設計という部分で、プロデビュー後はどのようなキャリアを積んでいきたいと思っていますか。

「僕が考えるMMAファイターは、まずしっかりファイトマネーで生活できること。あとはシンプルに僕はMMAが好きで、格闘技歴でいえば5歳から空手をやっているので、自分がやってきたものをどこまで追求していけるのか。それが毎日楽しいです。後付けになりますけど家族、社長、地元の仲間、コーチ……本当に僕は恵まれた環境で格闘技をやっているので、そういう人たちにも喜んでもらいたいと思います」

――山口選手はもともと極真会館出身なんですよね。極真を始めたきっかけは何だったのですか。

「お父さんが格闘技の大ファンで、小さい頃からテレビでUFCやDREAMを見ていたんです、具体的なキッカケは覚えてないですけど、自然な流れで空手を始めました。そんなお父さんですけど、そこまでガツガツしたタイプじゃなくて『やるならとことんやれよ!』と応援してくれるタイプですね」

――ALIVEに入会したのもお父さんの影響ですか。

「そうですね。通いやすさで言えば、もっと近いところにジムもあったんですけど、お父さんが日沖さんの活躍を知っていて『MMAをやるならALIVEだろ』ということでALIVEを勧められました」

――対戦相手の安藤武尊選手はレスリングベース、山口選手と同じく今回がプロデビュー戦の選手です。

「それこそ僕の場合はお父さんが対戦相手のことをものすごく調べてくれて。こんなこというとドキッとするかもしれないですが、相手のSNSの発言も全てチェックしています(笑)。僕は動いている動画はもちろんSNSの投稿一つとっても選手の性格がにじみ出ていて、それは試合にも影響すると思うので、僕はそういう感覚は大事にしています」

――他の選手とは違うキャリアを積んできたという部分で「山口怜臣、どんなもんだ?」という見方もされると思います。

「試合内容で言うと、全局面で技術の差があると、相手は段々とやることがなくなっていくじゃないですか。アマチュアと違って試合時間が5分3Rあるんで、その時間を使って技術の分厚さを見せたいですね。自分はアマチュアを通じて総合力を磨いてきたので、5分3Rあった方が技術の差を出せると思うんですよ。5分3Rの自分が楽しみです」

――注目のプロデビュー戦、どのような試合を見せたいですか。

「僕は『アマチュアでやってきた部分がどうなんだ?』という見方をされると思いますが、僕自身それ以上にUFCやもっと大きなゴールを見てやっています。逆にそこを見て欲しいというか。『この先コイツは伸びるぞ』とか、MMAファイターとしての将来性を見せられたらと思います」

■Pancrase337対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分3R>
亀井晨佑(日本)
新居すぐる(南アフリカ)

<ストロー級/5分3R>
八田 亮(日本)
黒澤 亮平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
住村竜市朗(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
遠藤来生(日本)

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
河村泰博(南アフリカ)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
葛西和希(日本)

<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太(日本)
川中 孝浩(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
高本千代(日本)

<ライト級/5分3R>
余勇利(日本)
神谷大智(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(日本)
渡邉 ショーン(日本)

<フライ級/5分3R>
梅原規祥(日本)
饒平名知靖(日本)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
安藤武尊(日本)

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MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase334 パンクラス 伊藤盛一郎 海外 秋葉太樹 鶴屋怜

【Pancrase334】ノンストップ・アタック! 伊藤が腕関節→パウンド→RNCで秋葉を仕留める

【写真】伊藤のパウンドが強烈で、的確。一瞬にして秋葉の表情が変わっていた (C)MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
伊藤盛一郎(日本)
Def.1R4分39秒 by RNC
秋葉太樹(日本)

体勢を低く構えた秋葉に、伊藤がダブルレッグで飛び込んだ。立ち上がる秋葉を、伊藤がボディロックからケージに押し込む。ヒザを突き上げながらグラウンドに持ち込もうとする伊藤は、離れて立ち上がった秋葉を再びケージに押し込んでいく。左腕を差し上げていた伊藤だが、ここで離れた。右スピニングバックフィストから距離を詰めた伊藤が組みつく。しかし秋葉がトップを奪った。

伊藤が下から右カカトを叩きつける。さらに下から伊藤が仕掛けようとしたところで秋葉が立ち上がった。足を捌いてパスを狙うも、伊藤が下からパンチを叩きつける。さらに秋葉のパスに合わせて腕十字を狙い、外したもののトップに回った。秋葉の左腕を抑えながら右腕を抱え、アームロックを狙った伊藤。秋葉は腕を抜き、伊藤の左足へヒールフックを仕掛ける。

これを凌いだ伊藤がマウントを奪取し、パウンドを連打する。秋葉はスクランブルに持ち込むも、スプロールした伊藤がパンチを連打しながらRNCに移行してタップを奪った。

伊藤はこれでパンクラス参戦後、2戦ともRNCで勝利を収めた。「しっかりランキング1位の実力を見せようと思いました。パンクラスに来たからにはチャンピオンを目指して頑張っています。今チャンピオン(鶴屋怜)は海外で頑張っていますけど、僕も年内にベルトを狙いたいです」とアピールした。


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11日(火・現地時間)、UFCよりRoad to UFC2023の全陣容が発表された。

5月27日(土・同)&28日(日・同)の両日には中国は上海のUFC PIにおいてワンマッチ&1階級ごと4試合✖4大会というフォーマットで実施されるRoad to UFC2023の1回戦を実施する。

ここでは鶴屋怜が出場するフライ級から、鶴屋の対戦相手と注目選手を紹介したい。


鶴屋の対戦相手ロナル・シアハーンはインドネシアのONE PRIDE MMAでキャリアを積んできた7勝0敗のファイター。フィジカルが強く、馬力に任せたスクランブルやブジッジ返し、そしてクリンチでのヒザを得意とする。レスリング力では圧倒的に鶴屋だが、初の国際戦ということもあり、その力任せのファイトに如何に対応するかが重要になってくるだろう。

この他、フィリピン系米国人選手のマーク・クリマコは、AKA所属でフィジカル、スピードを兼ね備えている──が、LFAでは堀内佑馬に敗れている。そのクリマコの対戦相手イ・ジョンヒョンは、より注目したい。

コロナ禍のK-MMAが生んだ超新星は3分3Rで寝技は30秒のARCからRoad FCにステップアップし山本聖悟、秋葉太樹を下している。レスリング力は未知数だが、そのKOパワーは絶対的に侮れない。

同じ韓国からは前回大会の準優勝、コリアンゾンビの愛弟子チェ・スングクが連続出場を果たす。この実績こそ、他の選手が目標設定としてくるだけに、昨年以上に厳しい戦いが待ち受けているか。

(C)ONE

未知のインド勢とインドネシア勢、そして中国勢がどのような力を持っているかは本当に分からない。

そのなかでワンマッチ出場の昨年ベスト4のトップノイ・キウラム、Gladiatorで恐るべきKO劇を見せたナムジャルガル・トゥメンデムベレエル、ONE FFでポテンシャルの高さを見せたピーター・ダナソー、BRAVE CF韓国大会で勝利しているシンガポールのシャン・シンカイらはトーナメント出場選手以上の能力を秘めている可能性もある。それだけに、補欠戦の意味合いもあるワンマッチに注目したい。

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『ROAD TO UFC』シーズン2に鶴屋玲が出場/フライ級は鶴屋を含め8名中7名が判明

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『ROAD TO UFC』シーズン2開催が決定、1回戦は5.27&28/4階級で出場選手募集中/シーズン1で中村倫也に敗れた風間敏臣もUFCと契約(2023年02月28日)

 こちらの続報。


 MMA Ecosystemのクリス・プレスネル記者が5月27&28日に1回戦を行う『ROAD TO UFC』シーズン2への出場が確認された選手を発表。日本からはフライ級で鶴屋玲が出場します。現在判明しているのは15名。記者によると「おそらく」出場すると思われる選手があと6~7名いるので、確認でき次第発表するとのこと。4階級×8選手なので合計32名ですが、フライ級は鶴屋を含めてすでに7名判明しています。


 この件について鶴屋はこんなコメントをしています。

Rei Tsuruya(Sherdog)

Rei Tsuruya 鶴屋 怜 パラエストラ松戸(PANCRASE)

 鶴屋玲は現在20歳でMMA戦績6勝0敗。第8代フライ級キング・オブ・パンクラシスト。昨年12月25日の『PANCRASE 330』で猿飛流の王座に挑戦し2Rリアネイキッドチョークで勝利し新王者になっています。

Jiniushiyue(Tapology)

Sumit Kumar(Tapology)

Jung Hyun Lee(Tapology)

Billy Pasulatan(Tapology)

Ronal Siahaan(Tapology)

Mark Climaco(Tapology)

 その他のフライ級出場選手は上記を参照。6人中3人が無敗で、最も多く敗れている中国のジニウシエも11勝2敗です。韓国のイ・ジョンヒョンは昨年5月の『ROAD FC 60』で山本聖悟に、昨年7月の『ROAD FC 61』で秋葉太樹に勝利しています。アメリカのマーク・クリマコは唯一の敗戦が2021年11月の『LFA 117 : Dias vs. Tanaka』で行われた堀内佑馬戦です。続きを読む・・・
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ABEMA DEEP KAREN MMA MMAPLANET NØRI o ONE PANCRASE Pancrase332 Pancrase333 アキラ エジナ・トラキナス コルトン・キエルバサ ソルト ヌルジャノフ・ルスタムベック パンクラス パン・ジェヒョク 中島太一 久米鷹介 亀井晨佑 井村塁 修斗 岡野裕城 平田直樹 有川直毅 松岡嵩志 松本光史 海外 田島椋 石井逸人 秋葉太樹 端貴代 粕谷優介 葛西和希 藤沢彰博 藤野恵実 谷村泰嘉 透暉鷹

【Pancrase333】平田直樹が初出場、続々とガチガチ&ゴリゴリのカードの発表続く

【写真】平田の試合のリリースには、プレリミ出場と明記されている。この真意は──(C)MMAPLANET

4月30日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333で4階級のタイトルマッチに続くカードが、次々とアナウンスされている。

バンタム級王座統一戦=中島太一×田島椋戦、ライト級王座統一戦=久米鷹介✖アキラ、ストロー級クイーン・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ=王者KAREN×挑戦者ソルト、フライ級クイーン・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ=チャンピオン端貴代✖チャレンジャーNØRI──以外にこの9日間で10試合が明らかとなっている。

最新、本日18日(土)のリリースでは平田直樹のパンクラス初出場と渡辺譲明戦が発表されたばかりだ。


それ以前には10日(金)にフェザー級の亀井晨佑✖パン・ジェヒョク、11日(土)にライト級の松岡嵩志✖岡野裕城、12日(日)に同じくライト級の粕谷優介✖葛西和希、13日(月)にはフライ級の秋葉太樹✖谷村泰嘉、14日(火)にはバンタム級で石井逸人✖井村塁、15日(水)はライト級の松本光史✖ヌルジャノフ・ルスタムベックと女子ストロー級=藤野恵実✖エジナ・トラキナス、16日(木)にフライ級の有川直毅✖コルトン・キエルバサ、17日(金)は女子ストロー級の高本千代✖重田ホノカ、そして本日の平田✖渡辺が正式発表となった。

DEEPでデビューした平田は所属ジムと活動拠点を変え、米国MMA界の登竜門CFFCに挑むも敗北──。キャリアの仕切り直しはフェザー級に戻し、パンクラスに新天地を求めた。

藤野✖エジナは3月26日のPancrase332で組まれていたが、エジナの負傷でスライドされ、立川大会のカードに……結果的に厚みを加えることとなった。

亀井は一時期ONE FF出場の話も聞かれたが、日本とアジアを行き来するキャリアアップは困難だったのか。それでも暫定フェザー級KOP透暉鷹を相手に、しっかりと力を見せつけたパン・ジェヒョクとの対戦は確実にタフな戦いが予想され、実のあるマッチアップといえよう。

そのONE FFで藤沢彰博をRNCで一蹴したキエルバサが来日し、有川と戦うというのも興味深い。さらには海外勢では、中央アジア=キルギスから、松本と戦うルスタムベックに要注目だ。

加えてクリスマス大会からの仕切り直しの粕谷✖葛西戦、そのPanrcrase321で葛西の代役を買って出た岡野は松岡との試合が決まった。

さらに修斗で環太平洋を取り、世界を取り逃した石井のパンクラス再参戦=井村との顔合わせもトピックな一番だ。

高本✖重田のティーンエイジャー女子デビュー戦、高本&井村の出場は何気に立川色も加えておりながら、決して数合わせでない。そんなカードが並ぶPancrase333──MMAPLANET調べでは、『えっ、ここに来たのか』となるファイターの出場も決まっており正式発表が待たれる。

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【Pancrase330】12・25を読む 鶴屋怜の挑戦を受ける猿飛流─01─「正直、『嫌だ。やりたくねぇなぁ』」

【写真】調印式でも緊張しているという猿飛流──確かにそのような表情だ (C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330。同大会のメインでフライ級キング・オブ・パンクラシストの猿飛流が、鶴屋怜の挑戦を受ける。

超新星、UFCしか見ていない。パンクラスのベルトは、そのために必要なアイテム。対戦相手のことは意に介さない。いつものように初回で勝つ──そんな空気を醸し出し続けている鶴屋に対し、王者は素直に「大物。ここは眼中にないと伝わってきた」とその強さを認めている。

それでも猿飛流の中にも、会見では言葉にすることはなかった熱い想いが存在している。パンクラスの2022年フィナーレ、横浜武道館大会――12・25を読む。第5弾は猿飛流インタビュー前編をお届けしたい。


──人生2度目の調印式が終わりました。

「そうですね、3月の小川(徹)さんとのタイトル戦に続いて、2回目です」

──調印式が終わると、いよいよタイトルマッチだという感覚になるものなのでしょうか。

「やっぱり、なりますね。緊張感が高まります。調印式自体に、僕の場合は緊張してしまうので(苦笑)」

──ぶっちゃけて、鶴屋怜選手から『そこを見ているわけではない。相手にしていない』という空気が伝わってきました。

「やっぱり大物ですよね。なんか、調印式でも微動だにしないというか。本当に自信があふれ出ていて、『やるべきことをやるだけ』という感じでした」

──この野郎という気持ちには?

「生意気だとか、そんなことは全く思わないです。本当に世界を見据えているんだなって。この先を見ている。ここは眼中じゃないんだなって伝わってきました」

──そのような怜選手の様子を見て、燃える材料になるのでしょうか。

「う~ん、そんなに気にしていないです。僕がここで勝って、世界に行くのを止めてやるという気持ちでなく、ただ怜君と最高の試合をして……僕が勝つ。そこに集中している感じですかね」

──今年の6月ですか。ゴン格でインタビューをさせていただいた時に、シンガポールでUFCのPPV大会を観戦して「やはりUFCに行きたい」ということを言われていました。

「それは……あります。さっき言ったように、怜君が世界に出ていくのを止めたいという気持ちなくて。ただし、自分が世界に行きたいという気持ちは相当に高まりました。佐須(SASUKE)君と一緒にRoad to UFCに行って、『やっぱりここだな』って思いました。佐須君とはシンガポールに残って、UFCのチケットを買ってPPV大会を観に行きました。あれは……本当に行って良かったです。

正直、年齢も年齢ですから、30歳を過ぎればUFCは諦めていました。パンクラスでベルトも取れたから、最後はRIZINに出て名前を残すことが一番だろうとジムの代表とも話をして。それがあの時に佐須君とシンガポールでUFCを観て、本当に気持ちが変わりました」

──それでも会見でも一度たりとも「鶴屋怜を倒して、自分がUFCに行く」という発言は聞かれなかったです。

「なんか……UFCには行きたいと思っているんですが……正直、思っています。『俺が行くぞ』って。ただ、それを言えるのは勝ってから。だからケージの中で言おうと思っていました」

──スミマセン。先に言わせてしまって……。

「いえ、それは全然構わないです。調印式では言えなかった本心を引き出してもらって。ただ勝ってから言えることだと自分は思っていて。UFCというのは、こうやってインタビューで引っ張り出して貰わないと言葉にできなくて……。いや、これまでのインタビューでも、その発言はできなかったです。

UFCがとんでもない所だと分かっているので、怜君に勝って初めて口にすることができる団体だと思っています」

──いやぁ、重ねてスミマセン……。

「大丈夫です(笑)」

──私自身DEEP時代に久保健太選手に圧勝してなお、実力未知数という風に怜選手のことを見ていました。ただし、パンクラスに来て秋葉太樹選手、さらには上田将竜選手まで初回で下すとなると、もう疑いようがない。特に上田戦ですね。我々のように年を重ねていると、努力し続けてきた選手への信用度が高くなります。上田選手はそこに加えて地方で頑張っているという要素も加わり、根性……怜選手の攻撃を気持ちで凌いで慌てさせることがあるのではないか。ドロドロの展開に持ち込むことも可能かと思っていました。

「自分も思っていました(笑)」

──ただし、初回フィニッシュ記録が伸びる結果になりました。試合を重ねれば重ねるほど、鶴屋怜という物体が底知れなく感じるようになっています。

「本物だという想いは、絶対に増していますね」

──なら上田戦がある前に戦っていた方が精神的に、信じられるモノが多かったのではないかと。猿飛流選手は上田選手とはせめぎ合いがあってのスプリット判定勝ちだっただけに。

「正直、あの試合を会場で見ていて……『これは強いな』と。率直に思いました、『嫌だ。やりたくねぇなぁ』って。佐須君から『猿飛流さん、落ち込んでいると思っていました』と連絡があって(笑)」

──図星だったわけですね。

「まぁ、自分はいつもそんな感じなので。競った相手の上田さんが、ああいう風にやられてしまった。今回も下馬評では怜君が強いと言われていますが、自分はどれだけ強いと言われている相手にも……どれだけ実力差があろうと、誰とでも競った試合がデキると思っています。ハイ。それを今回もできるんじゃないかという自信があります」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
12月25日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

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【Pancrase329】世界の九州男児──鶴屋怜戦へ。上田将竜─02─「バケモノみたい。逃げることはできない」

【写真】全ての想いを鶴屋怜というバケモノのような強い相手にぶつける(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で、鶴屋怜と対戦する上田将竜のインタビュー後編。

昨年2連敗を喫したあと、上田はケージに戻ってきた。そして、国内フライ級が盛り上がるなか、鶴屋怜との対決を選んだ。これまで貫いてきたMMAの人生を後悔しないために--プロデビューから10年、上田がその決意を語る。

<上田将竜インタビューPart.01はコチラから>


――今年4月、有川直毅選手を判定で下し、再起を果たしました。復帰戦の出来はいかがでしたか。

「練習では良い感じで仕上がったんですが、試合では堅くなりすぎたところがありました。最後まで気持ちも切れませんでした。でも、試合が終わって『今日は満足できたばい!』と感じた経験がないんですよね。10年MMAをやってきても。たとえば、試合中に気持ちが折れたとしても、自分にしか分からない部分ってあるじゃないですか。

『良い試合だったよ』って言われても、自分としては『あの時、もういいかな……と思ってしまったんよね』と考えることがあって。それは他の選手と話をしても、同じようなことがあるみたいなんです。前回の試合は、勝てたことは嬉しいです。でも当然ですが反省点もあるので、すぐに練習を再開しました」

――昨年10月の小川徹戦から有川戦までの間に、DEEPフライ級GPの開催が公表されました。同じ階級で戦うファイターとして、DEEPフライ級GPはどのように映っていたのでしょうか。

「正直、興味はありました。練習仲間の本田(良介)選手も出場することになりましたから。でも4月のパンクラスで僕が有川選手に勝ったあと、鶴屋怜選手が秋葉太樹選手に一本勝ちした試合を見て、次は絶対に鶴屋戦だなと思ったんですよね。

そのあとDEEPフライ級GPの出場メンバーが発表されて、興味はありました。でも自分は今パンクラスで戦っていて、しかもバケモノみたいな強い選手が出て来た。その相手から逃げるわけにはいかない、そう思ったんです」

――バケモノみたいな強さ、確かにインパクトは大きいですね。

「彼とは去年の10月に一度、手合わせしたことがあるんです。パラエストラ柏へ出稽古に行った時に鶴屋浩先生から紹介されて――初めて同階級の選手に練習でボコボコにされました。

まだ彼がDEEPに出ている頃で、その時は対戦することもないだろうと思いながら、呑気に『日本MMAの未来は明るいなぁ』とか言っていたんです(笑)。本人にも『応援するけん、頑張ってね!』と言って。その裏では、自分に対して自信を失くしていました。

それで鶴屋先生に聞いたら、他の選手も同じようにやられているそうです。『そうですよね、彼は強くなりますよね』って鶴屋先生とも話をしていたんです。しかし数カ月経って、鶴屋怜選手がパンクラスに来た時点で、覚悟はしていました。お互い勝ち上がっていけば、いつか対戦することになるだろうと」

――練習で鶴屋選手にボコボコにされた経験は、精神的な面でマイナスに働きませんか。

「いや、これは自分にとって大きなプラスになります。あの時ボコボコにされていなかったら、今回の試合も1Rで仕留められていると思いますから(笑)。

でなければ、また自分の思い描いていた鶴屋選手と実際の試合は違っていて、彼の得意なところで勝負に行って負けていると思います。でも彼と対峙したことによって、その強さが分かっています。だから、彼の強い部分では勝負に行かず、相手の嫌なことをし続けますよ」

――なるほど。今回の鶴屋戦の先も含めて、上田選手の現在の目標は何なのでしょうか。

「こんなことを言うと、ベルトを目指して戦っている選手に失礼かもしれないけど……。今の自分のモチベーションは、地元の福岡で試合をすることなんです。その目標を実現するためには、勝たないといけない。

地方では他の人とは違うことをやっていると、白い目で見られることもあるんですよ。そんな中でも家族や、自分のために時間を割いて練習してくれる仲間、応援してくれる地元の友人たちがいます。その人たちに恩返しをするために、福岡で試合をしたいです」

――パンクラスでは2015年12月に北九州大会が開催されました。上田選手も出場し、宮城友一選手に判定勝ちを収めています。あれから約7年、再び福岡で大会を行うには、ベルトが必要になってくるでしょう。

「そうなんですよね。鶴屋選手に勝ったら、次は地元でパンクラスのベルトに挑戦したいと思っています。それが今の自分にとって、一番大きな目標です」

――ではその目標に向けて重要な試合となる、鶴屋戦への意気込みをお願いします。

「怖さやドキドキというより、自分の中でも久々に楽しみな試合です。どうしても自分より下馬評が低い選手と戦ったら、自分のほうが堅くなってしまう。勝ちたいという気持ちより、負けたくないという気持ちのほうが上回ります。でも間違いなく、鶴屋選手は強い。だから楽しみなんです。

鶴屋戦のオファーが来た時は、シビれました。強い相手との試合のオファーが来た時、予定が合わないとか嘘をついて避けることもできます。この試合に関してもメリットとデメリットを考えたら、鶴屋選手とは戦わないという選択肢もあったと思いますよ。自分から断ったことを公表しなければ、誰にもバレないですし。でも、それをやってしまうと自分自身を裏切ってしまうような気がして」

――それこそ一生後悔し続けるかもしれないですね。

「はい。オレは何のためにMMAをやっているのか。これまで恥をかきながらも続けてきたMMAなのに、鶴屋戦を断ったら全てを失ってしまうんじゃないかと思いました。だからオファーが来た時、二つ返事でした。『やります』って。

その答えは日曜日に出ます。ランキングは自分のほうが上ですけど、突撃していきますよ。しっかりと調整して、当日は盛り上がる試合をしますので、よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC61 イ・ジョンヒョン 秋葉太樹

【Road FC61】好勝負。自然なスイッチ、近い距離を自分の間としたイ・ジョンヒョンが秋葉太樹に競り勝つ

【写真】ここが完全にイ・ジョンヒョンの間になっていたか。精神的に窮屈な状況から組むことが秋葉は多かった(C)ROAD FC

<フライ級/5分3R>
イ・ジョンヒョン(韓国)
Def.3-0
秋葉太樹(日本)

左前蹴りを見せ、構えを変える秋葉に対し、イ・ジョンヒョンがカーフを蹴る。イ・ジョンヒョンは上下の蹴りを繰り出し、右を軽く伸ばす。左ジャブを受けた秋葉が前に出るが、左をカウンターで受ける。右ハイをキャッチされた秋葉は、そのまま跳びつき三角を狙う動きを見せたが、落とされ足関節へ。察知して離れたイ・ジョンヒョン、秋葉は左ジャブを伸ばす。秋葉の右に左を合わせたイ・ジョンヒョンは、今成ロールにも反応する。

イ・ジョンヒョンのワンツーをかわした秋葉は、右ロー。イ・ジョンヒョンが左ミドルを返し、構えを変えつつ距離をつめる。ダブルレッグを切られた秋葉は、ジャブから右ローを蹴られシングルレッグは決まらない。ジャブに右を合わせ、前に出るイ・ジョンヒョンに秋葉もワンツー、ローを蹴り、左ジャブを入れる。

奥手を振って前に出て、構えを変えるイ・ジョンヒョンのレンジにならないよう戦う秋葉は、足を止めての打ち合いにも応じる。しかし、Road FCは手数、そして前に出る姿勢を有効とみなす傾向があり、初回はイ・ジョンヒョンがリードした。

2R、打撃で張り合っている秋葉、だからこそクリーンテイクダウンかキャッチ級のサブミッションが欲しい。スイッチする秋葉はオーソでヒザ蹴り、テイクダウン狙いはここもスプロールされる。と、ケージを背負った秋葉はジャブを打たせて右オーバーハンドへ。これを見たイ・ジョンヒョンは、左ジャブ、右フックを振るうとヒザ蹴りを見せてスイッチする。基本、オーソで左ジャブが軸となっているイ・ジョンヒョン。秋葉はヒザ蹴りから右フックを伸ばす。右カーフをチェックした秋葉が右を振って前に出るが、イ・ジョンヒョンが右ミドルを蹴り込む。

秋葉も右ストレート、ジャブを打ち返してスピニングバックフィスト、そしてテイクダウン狙いも切られる。ジャブを伸ばした秋葉に、イ・ジョンヒョンがカーフを蹴る。続いて右ボディを入れたイ・ジョンヒョン、近い距離で秋葉も顔を狙って拳を振るう。と、左からの右オーバーハンドをヒットさせたイ・ジョンヒョンがワンツー、ワンツーというリズムで圧を掛ける。この辺り、イ・ジョンヒョンの間になっており、秋葉のテイクダウン狙いは窮屈で、良く見られてしまっている。

クリンチの攻防でボディを連打して離れたイ・ジョンヒョンに対し、秋葉はカーフをチェックして右オーバーハンド、左ジャブを繰り出す。秋葉の左ローが急所に入ったとイ・ジョンヒョンがブレイクを要求し、試合が中断する。

再開後、ワンツーフックで詰めてきたイ・ジョンヒョンに対し、秋葉がワンツーを逆に決める。さらに前に出てジャブ、時間になると両者が笑顔で手を合わせた。

最終回、ハグから戦闘再開。ローにジャブを秋葉が合わせ、前蹴りを見せた秋葉は左ミドルを蹴られても前に出る。ヒザ蹴り、左ジャブと精度で上回る秋葉が、カーフをカットする。イ・ジョンヒョンは踏み込みの勢いがやや落ちたか。それでもカウンターの右を当てたイ・ジョンヒョンが、左ミドルから組みつくと秋葉が姿勢を乱して尻もちをつく。一瞬のガードから、すぐに立ち上がった秋葉にイ・ジョンヒョンがスイッチしてカーフを左右から蹴る。やや間合いが広がったところでイ・ジョンヒョンはオーソで前に出ると、一、下がってスイッチ、直後の左ハイが秋葉のテンプルを捕らえる。

ここからパンチをまとめにいくイ・ジョンヒョンだが、秋葉も劣勢ながら打ち返すとダブルレッグから引き込む。ニーシールド&足関を仕掛けた秋葉だが、イ・ジョンヒョンが体を反転させて足を抜く。ここで組めなかった秋葉は、立ち上がりながら距離を取るがケージを背負ってしまった。即イ・ジョンヒョンは左ボディフックを入れ、右ストレート。ダメージか疲れたか、動きが落ちた秋葉を見て後ろ手に組み挑発する。

軸が乱れつつ、パンチを振るう秋葉。これをかわしたイ・ジョンヒョンが体をふって、ここも挑発。残り1分、下を見ろという仕草から左ジャブを入れたイ・ジョンヒョン。鼻につくこざかしい動きは、彼も疲れている表れだ。

秋葉がレンジに入った時に攻撃するイ・ジョンヒョンは、30秒を切ると再び前に出るや秋葉の左にテイクダウンを合わせてトップを奪取。寝技に付き合わず、立ったイ・ジョンヒョンに何やらレフェリーから注意が入ると、再会と同時にタイムアップに。あのタイミングで、間に入る必要はないと思われるが、勝負は判定にもつれ込みイ・ジョンヒョンに軍配が上がった。

近い距離を自身の間として戦えるイ・ジョンヒョン、それ故に秋葉は良い形で組めなかった。

そして綻びが見え始めた3Rに左ハイを効かせたあたりは、やはり非凡なモノを感じさせるイ・ジョンヒョンの判定勝ちだった。一方、結果が伴わないことには納得はできないであろう秋葉だが、相手のホームで胸を張れる勝負を見せてくれたことは間違いない。


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