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【WNO06】組技界のMr.パーフェクト=ゴードン・ライアンがヒメネスに一本勝ちし、ガルバォンに張り手!!

2月26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベントが開催された。ノーポイント&サブオンリー&判定有りにして、世界超一流の組技師がズラリと顔を揃えたこのグラップリング大会から、サブオンリー界一の強豪ゴードン・ライアン✖ポイント柔術を称してサブオンリーに挑むロベルト・ヒメネスの戦をレポートしたい
Text by Isamu Horiuchi

<ノーギ・30分1R>
ゴードン・ライアン(米国)
Def. 10分53秒by 腕十字
ロベルト・ヒメネス(米国)

試合開始後座ったライアンは、下から無造作にヒメネスの首を抱えて横に崩すと、当時にバタフライフックで跳ね上げてのスイープへ。なんとかこらえたヒメネスだが、次にライアンはヒメネスの右足を外側から腕でフックして引き出すと、自分の右足を外からヒメネスの左足に絡めて三角ロックを完成。そこからヒールを狙うかと思いきや、ディフェンスに入ったヒメネスの上を取ってみせた。

立ち上がってニースライスを狙うライアン。が、ヒメネスも足を利かせて対処し、ライアンの右足にデラヒーバで絡む。ライアンはその足を押し下げてのパスを狙うが、ヒメネスも足を効かせて守る。するとライアンは淀みない動きでヒメネスの足を捌いて左右に動き、そのまま低く体重をかけてゆく。ヒメネスがどれだけ巧みに守ろうとも、ライアンはその巨体から多彩なパスを静かで隙のない動きで次々と繰り出してくる。恐るべしだ。

そんなライアンの上半身の侵攻を、左のニーシールドでなんとか止めるヒメネス 。が、ライアンはゆっくり隙間を潰してプレッシャーをかけ、ハーフで胸を合わせることに成功。さらにライアンは巨大な肩でヒメネスの首を圧迫し、ワキを差す。理詰めにして隙のない動きでヒメネスの上半身の動きを完全に止めたライアンは、足を抜いてサイドを取ってみせた。

あいかわらずヒメネスの首を殺しているライアンは、全く隙間を与えず低くプレッシャーをかけたまま、ニーインザベリーからマウントに。差している左ワキをこじ開けにかかるが、ヒメネスはブリッジで跳ね上げてなんとか回避。さらにヒメネスはバンプして隙を作ってエビで逃げようとするが、ライアンのマウントは崩れない。

やがて再び体勢を低くしたライアンは、ヒメネスの両ワキを差し、静かにゆっくりとこじ開けて両腕を上げさせてゆく。やがてワキが完全に開いたとみるや、ライアンはそこに自らの右脚を捻じ込みいわゆるSマウントを完成。そのまま孤立させたヒメネスの右腕をがっちり掴み、腕十字で伸ばしにかかる。きわめてタイトな仕掛けだったが、ライアンが極めるために倒れ込んだ瞬間、ほんの少しできた隙間を突いて体を起こすヒメネス 。さらにヒメネスは動き続け、完全に右腕を伸ばされながらも腕十字から脱出。上のポジションを奪い返してみせたのだった。

が、下も得意のライアンは、慌てず騒がずヒメネスの右足に両足を絡ませる。さらにライアンが左足に手を伸ばしたところで、ヒメネスが上からダイブしてバック狙いへ。が、すぐに反応して距離を取ったライアンが上になる。と、ヒメネスはすかさずクローズドガードを取ってみせた。

すぐに立ったライアンに対して、ヒメネスはガードを開いてインヴァーテッドの形に。ここでライアンはヒメネスの内側に両腕をこじ入れて体重をかけると、すかさず左側にパス。これを嫌がって背中を向けたヒメネスは、すぐに前転してスクランブルから上を狙うが、ライアンも反応してそれをがぶる。ライアンの多彩かつきわめて完成度の高いパス攻撃に、ヒメネスが持てる力を振り絞って対抗する素晴らしい攻防だ。

さらにヒメネスの背後を狙うライアン。が、ヒメネスも反応して正対。立ち上がったライアンは、ヒメネスの両足首を掴んで捌くと、寸分も無駄のない動きで左足をステップ。ヒメネスの鼠蹊部を超えてニーオンザベリーに入ると、そのままマウントを取ってみせた。一言、圧巻の動きだ。

胸を合わせたゴードンは、再びヒメネスの両ワキを差して開けさせる。一度目はだいぶ抵抗できたヒメネスだが、今回はあっさりとワキを開けさせられてしまう。またしてもSマウントを作ったライアンは、先ほどとほぼ同じ形で右腕を伸ばしての腕十字へ。今回もなんとか体を起こしてエスケープを試みたヒメネスだが、ライアンが強烈に極めるとタップアウト。試合開始から、約11分ほどのことだった。マットに倒れたまましばし右腕を抑えていたヒメネスだが、やがて立ち上がりライアンと健闘を称え合った。

まさに世界最強のノーギ・グラップラーの名にふさわしい強さを見せつけたゴードン・ライアン。足関節技が脚光を浴びがちだが、パスガードの多彩さと動きの無駄のなさ、その後フィニッシュに至るまでの動きの一つ一つの隙のなさ、完成度の高さが群を抜いている。

芸術的なまでの強さを見せつけたライアンだが、試合後のインタビューでは、来月のWNOにおける相手が因縁のあるヴァグネウ・ホシャに決定したという発表を受け「あんな奴、好きなだけ一方的にいたぶって、飽きたらフィニッシュしてやるよ」とトラッシュトーク。さらに試合後の舞台裏では、(次回のADCC世界大会のスーパーファイトで対戦予定の)アトス総帥のアンドレ・ガルバォンと罵り合あった挙句に張り手一発。乱闘寸前の騒ぎまで引き起こしてみせた。

圧倒的な技術的完成度と、人間的な未完成さ。良い意味でも悪い意味でも、ゴードン・ライアンが現在のグラップリング界の主役であることは間違いない。


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JJ Globo Preview WNO06 ギャビ・ガルシア ゴードン・ライアン ナチアリ・ディ・ジェスス ブログ ロベルト・ヒメネス

【WNO06】クレイグ・ジョーンズ、ゴードン・ライアン──そしてギャビ・ガルシアの競演!!

【写真】男女世界最強の競演が実現する。なんなら、対戦しても良いかと (C)MMAPLANET

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベント=WNO06が無観客で開かれる。

ノーポイント&サブオンリー&判定有りグラップリング大会、まずは195ポンド(※88.45キロ)契約/15分✖1Rでクレイグ・ジョーンズとホナウド・ジュニオールがメインで組まれた今大会から、この他の注目カードをプレビューしたい。


<ノーギ・30分1R>
ゴードン・ライアン(米国)
ロベルト・ヒメネス(米国)

当初出場予定だったニッキー・ライアンの負傷を受け、代打出場に名乗りを挙げたのが兄のゴードン・ライアン。17年のADCC世界大会の88キロ以下級を制し、2年後の世界大会では99キロ以下級と無差別級を完全制覇。特に無差別級決勝では、ブシェシャことマーカス・アウメイダに勝利。現在自他共に認める世界最強のノーギ・グラップラーだ。

巨大な筋肉の鎧を纏う大男のゴードンだが、その戦い方はきわめて落ち着き払った理詰めなもの。強固極まりないニーシールドやバタフライガードを駆使して相手を崩してバックを奪い、または必殺のインサイドサンカクの形を作って足関節で仕留める。

18年にヴィニー・マガリャエスにレフェリー判定負けして以来、超一流選手たちと40試合近くのグラップリングマッチを戦い全勝。一本勝ち率の高さも際立っている。師匠ジョン・ダナハーが育成を目指しているという、全局面に強い究極の「スーパーグラップラー」に最も近い存在だ。

対するヒメネスは、昨年黒帯を取得するとともに、瞬く間に世界のトップグラップラーの仲間入りをした20歳。今月のBJJ Stars 5ではイザッキ・バイエンスに0-4で敗れたものの、迅速の内回りでバックを取りかける等、見せ場を作ってみせた。

体格的にも実績的にも不利は否めないヒメネスだが、今回のルールは、先日のバイエンス戦とは異なりサブミッション・オンリー。ポイント計算などせず、世界最強のゴードン相手に自分の潜在能力の全てをぶつける絶好の機会だろう。

最後に、この試合に向けたゴードン本人のコメントを紹介しよう。

「(自分とヒメネスのように)お互いフィニッシュを狙う二人の選手同士の試合ほど面白いものはないよね。普段の僕の試合は、ひたすら膠着してこようとする相手にいかに対処するか、いかに奴らを下にして柔術で戦わせるかに基づいたものになってしまう。ロベルトが相手なら、そこを気にかける必要がないんだ。彼はクレイグ(ジョーンズ)のような危険な相手にすら、ひたすらフィニッシュを狙って攻め込むような選手だからね。この試合には本当にワクワクしているよ」

<ノーギ>
ギャビ・ガルシア(ブラジル)
ナチアリ・ディ・ジェスス(ブラジル)

ガルシアは、2010から2013年にかけて世界柔術女子最重量級と無差別級の両方を制した元絶対女王(13年は薬物検査で陽性が出たため後にタイトル剥奪)。188センチの長身に巨大な筋肉を纏い、女子柔術の世界では群を抜いた体格の持ち主だ。その強さはノーギでも遺憾無く発揮されており、ADCC世界大会では 2011、2013、2017、そして2019と最重量級を制している。

対する現在25歳のディ・ジェススは、2017年から2019年の柔術世界王者。ラッソーガードを得意とし、17年はミディアムヘビー級で。18年と19年はヘビー級を制し、さらに無差別級決勝ではで世界5連覇のビア・メスキータと頂上決戦。前半にラッソーガードから取ったスイープのポイントを守り切って勝利した。

この両者はこれまで道着着用ルールで2度対戦。一度目のパン大会無差別級決勝では、ガルシアがディ・ジェススのラッソーを圧力で潰して背中に付きかけてアドバンテージを奪って勝利した。

が、両者は同年のF2Wで再戦。この時はディ・ジェススがオープンガードからガルシアの腰を蹴って前に崩し、さらに足関節合戦でも優位に立ち、最後は下から三角絞めを仕掛けて腕固めの体勢まで作って見せて判定3-0で完勝、文字通りのジャイアント・キリングを達成して会場を興奮の坩堝に叩き込んだ。これがガルシアのここ5年間における唯一の敗戦だ。

1勝1敗の両者の対戦は、初のノーギマッチ。手首を掴めず得意のラッソーガードを使えない状態で、ディ・ジェススがどのようにガルシアの圧力をかわしてゆくのかが焦点となるだろう。

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BJJ STARS05 JJ Globo Report イザッキ・バイエンス ブログ ロベルト・ヒメネス

【BJJ STARS05】大会ベストバウト、ノンストップ・ノーギ柔術はバイエンスがヒメネスを破るも──

【写真】防御方法が場外逃避に通じるヒールの攻防、防御しないわけにはいかないがどのような着地点を見せるのだろうか(C)CALOR HABER/BJJ STARS

6日(土・現地時間)、ブラジル・サンパウロでプロ柔術大会BJJ Stars05が開催された。道着とヒール解禁IBJJFノーギルールが用いられたスーパーファイトと、道着の8人制ワンデー・トーナメントが組まれた今大会。ここでは大会ベストバウトながら、ヒールの防御と場外逃避ということで今後の課題も見えたIBJJFノーギルールのスーパーファイト=イザッキ・バイエンス✖ロベルト・ヒメネスの一戦の模様をお届けしたい。

<ノーギ/10分1R>
イザッキ・バイエンス(ブラジル)
Def. by 4-0
ロベルト・ヒメネス(米国)

柔術世界王者バイエンスと、新星ヒメネスの注目のノーギマッチ。ヒールフック等が解禁された、IBJJFノーギ新ルールで行われるという点でも注目だ。

まずはスタンドで頭を付けて積極的にテイクダウンを仕掛け合う両者。1分過ぎ、ヒメネスが飛びついてクローズドガードに。すぐに立ち上がったバイエンスは中腰の姿勢をとる。

ここでヒメネスは、ガードを開くと同時にバイエンスの両かかとを掴んでのスイープ狙い。が、強靭なベースでこらえたバイエンスは、ヒメネスの右足首をワキに抱える。そのまま外掛けをしながら倒れ込んだバイエンスは、ヒメネスの左足の方向に捻っての足関節を狙う。ヒメネスも同方向に回転し、両者は場外へ。これが場外逃避とみなされてバイエンスに2点が与えられた。

「外掛け」と「捉えていない方の相手の足側へのプレッシャー」。今回の新ルールで解禁された二つの攻撃を駆使して、バイエンスが先制点を奪ってみせた。

スタンドから再開。お互い積極的にいなし合い仕掛け合う両者。シングルを狙ったヒメネスに対して、バイエンスはギロチンで切り返して立ち上がる。その後逆にバイエンスがダブルを仕掛けるが、ここは場外際のブレイクで終わる。

スタンドで崩すのは難しいと見たヒメネスは、再び飛びつきガードを試みるが、バイエンスは距離を作って付き合わず。

残り5分。ヒメネスがダブルを狙うが、バイエンスはがぶって体重をかける。そこから逆にバイエンスが右足にシングルを仕掛けると、ヒメネスがすかさずギロチンでカウンター。ハーフ下を取った後、ガードを開けてバイエンスの体を跳ね上げにかかるヒメネス。が、バイエンスは空中で体を捻ってヒザから着地して上をキープ。テイクダウンが成立してバイエンスが2点を追加した。

残り3分半。ヒメネスは再びクローズドガードへ。バイエンスが立ち上がると、ガードを開いたヒメネスは、再びバイエンスの両かかとを掴んで崩しに。これでバイエンスの足が開いたところで、ヒメネスは迅速の内回りへ。体勢が崩れたバイエンスの背中にあっという間に回ってみせたヒメネスだが、ここで両者の体が状態に出てしまい、ブレイク。アドバンテージ1つを得るに終わってしまった。

残り時間が少なくなるなか、ヒメネスはテイクダウンを狙い、また引き込んでの仕掛けを試みるがバイエンスは距離をとって回避。先ほどバイエンスを崩したクローズドガードからのスイープも狙うヒメネスだが、バイエンスは同じ手はもらわずすぐに距離を取る。

最終盤、下からの仕掛けを試みるヒメネスに対して、バイエンスは側転を3度繰り返してその攻撃を遮断。4点のリードを守って勝利を挙げた。

世界王者バイエンスが、新ルールを活かした攻撃と決して下を許さない天下一品のスクランブルの強さを用いて快勝。しかし、そのバイエンスの一瞬の隙をついてあっという間に崩してバックを奪いかけたヒメネスも、その恐るべき潜在能力を十分に見せつけた試合だった。

ところで、バイエンスが先制点を奪った外掛けからの極めに関する新ルール運用において、一つ気になる点があった。あの攻撃を仕掛けられた側としては、ヒメネスのように同方向に回転しながら対処するのが自然だろう。

その結果場外に出てしまうのを逃避とみなされて、今回のように攻撃側に2点が入るとするならば、この攻撃は、仕掛ける側にとっては絶好の「ハメ技」となり得るのではないか。場外やや近くで外掛けからの極めを仕掛けてしまえば、相手は2点を失ってでも回転するしかなくなるからだ。

それを回避したければ、仕掛けられた側は1回転以内で足を抜くしかない。逆に攻撃側が、極めることよりも相手を逃避に誘うことを目的とした仕掛け方を発達させてゆくこともあり得る。

今後ルールの運用が変わるのか、それともルールに合わせて競技者が技術を変化、あるいは進化させてゆくのか。新ルールがもたらす変化にも注目したい。


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BJJ STARS05 JJ Globo Preview イサッキ・バイエンス ブログ マリオ・ヘイス ミウトン・ヴィエイラ レアンドロ・ロ ロベルト・ヒメネス

【BJJR STARS05】レアンドロ・ロが元弟子バティスタと決着戦。アナコンダの祖ミウトン・ヴィエイラ出場

【写真】怪物ロが、元弟子に意地を見せることができるか (C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、ブラジルのサンパウロにてプロ柔術大会BJJ Stars05が開催される。2019年から開催されているこの大会は、世界のトップ選手を多数集めるビッグイベントだ。2021年初大会となる今回も、世界最高峰に位置する8人によるヘビー級GPに加えて、スーパーファイトが6試合ラインナップされた超豪華なものとなっている。

Flo Grapplingで視聴可能なこの大会のプレビュー1回目は、スーパーファイトの注目試合の見どころをお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<道着/10分1R>
レアンドロ・ロ (ブラジル)
グスタヴォ・バティスタ(ブラジル)

ロは言わずと知れた中重量級柔術界の第一人者。 ライト、ミドル、ミディアムヘビー級に続いて、2019年には(決勝戦で親友のブシェシャことマーカス・アウメイダに勝利を譲ってもらうという形ではあったものの)ついに無差別級制覇も達成している。

世界がコロナ禍に見舞われた昨年はあまり活動していなかったが、11月のBJJ Stars 04大会の86キロ級GPでは、クラウジオ・カラザンス、イザッキ・バイエンスといった超一流を下して優勝──健在ぶりを見せつけている。

今回の対戦相手バティスタは、ロから紫帯、茶帯、そして17年10月に黒帯を授与された元愛弟子だ。翌年ロのもとを離れてアトスに移籍した後、チームメイトのルーカス・バルボーザとクローズアウトという形でミディアムヘビー級の世界王者に輝いている。

袂を分かったロとバティスタの元師弟は、19年に2度対戦することになる。まずは3月のパン大会の準決勝。この時は、再三引き込んでのスイープを狙っていったロが、終盤ついに50/50を作ってバティスタの重いベースを崩し、上を取ることに成功。2-0で勝利を収めている。

2度目の対戦は10月のBJJ Stars02のヘビー級GP準決勝。この時は序盤のロのスイープ狙いを耐えたバディスタが、中盤に逆に引き込み。ロの片足を引き出して肩で抱えて立ち上がる形で、場外逃避を誘ってアドバンテージを獲得、元師匠越えを果たしている。

そして今回3度目の対戦を迎える両者。前回は元愛弟子にしてやられてしまったロは、今回その強力なベースを崩す手立てを繰り出すことができるのか。あるいはバティスタが、今後は元師匠からスイープやパス等の明確なポイントを奪うことはできるのか。元師弟対決にして、中重量級世界頂上決戦だ。

<ノーギ/10分1R>
イザッキ・バイエンス(ブラジル)
ホベルト・ヒメネス(米国)

バイエンスは18年のミディアムヘビー級世界王者。昨年11月のBJJ Stars 04のGPでは決勝でロに惜敗したものの、1回戦はバディスタに競り勝ち、準決勝ではオターヴィオ・ソウザにチョークで一本勝ちし、世界最高峰の実力を見せつけている。

これまで、道着着用ルールを中心に世界最高峰の戦いを繰り広げてきたバイエンスだが、極めて高い瞬発力とスクランブル力を生かし、決して抑え込ませることを許さない戦いぶりは、いかにもノーギ向き。その点でも今回は楽しみだ。

対するヒメネズは、現在20歳のエクアドル系アメリカ人。ムエタイファイターでありつつ、柔術に惚れ込んだ父ハウルの元で4才から柔術をはじめ、昨年黒帯取得したばかりだ。特筆すべきは、昇段後初戦となったWho’s Number One大会。ここで米国が誇る技師キーナン・コーネリアスと対戦したヒメネズは、見事なベリンボロからのスイープを何度も決めて6-4で競り勝ち、驚愕の黒帯デビューを飾ったのだった。

その後もフィリッピ・アンドリューからチョークで一本勝ちを収める等、あっという間に世界トップの柔術家の仲間入りを果たしたヒメネズは、ノーギでも力を発揮。特に四つ組みやクローズドガードからあっという間に相手のバックに付いてしまう能力は圧巻で、ジョン・コムズやルオトロ兄弟のバックも制して勝利している。

この驚異の若者のバック取りが、天下一品のスクランブル力を誇るバイエンスにどこまで通用するのか。大注目のノーギマッチだ。なおヒメネスは26日(金・同)のWNOでニッキー・ライアン戦も決まっている。

この日は他にも注目試合がいくつも組まれている。5年連続世界王者に輝いている最強女王ベア・メスキータは、前回大会に続いて再び19年茶帯世界王者タマラ・フェレイラの挑戦を受ける(前回はメスキータが4-0で勝利)。

(C)MARCELO ALONSO

またPRIDEやDEEP、そしてUFCでも活躍し、アナコンダチョークを開発してノゲイラ兄弟に伝えた男──としても知られる42歳のミウトン・ヴィエイラも登場。

今も世界のトップ戦線で活躍している34歳のヴェテラン、ガブリエル・ロロとノーギマッチで対峙する。

さらに2004年のフェザー級世界王者、今年マリオ・ヘイスも6年振りの大舞台に登場。レオン・アマニシオと対戦する。

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JJ Globo News WNO05 カイナン・デュアルチ グレース・ガンドラム ケネディ・マシエル ジオ・マルチネス タイ・ルオトロ ダンテ・リオン ブログ ホドウフォ・ヴィエイラ マイサ・バストス ロベルト・ヒメネス ヴァグネウ・ホシャ

【WNO05 】対戦カード Who’s Number ONE グラップリング・ワンマッチ大会、2020年ベストショー

【写真】グラップリング・オールスター戦、コ・メインはジオ・マルチネス✖ケネディ・マシエル──10th Planet✖IBJJF柔術だ(C)SATOSHI NARITA

2020年12月11日(土・現地時間)
WNO05

■視聴方法(予定)
12月12日(土・日本時間)
午前10時00分~Flo Grappling

■ 対戦カード

<ヘビー級/15分1R>
カイナン・デュアルチ(ブラジル)
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)

<150ポンド契約/15分1R>
ジオ・マルチネス(ブラジル)
ケネディ・マシエル(ブラジル)

<女子ストロー級/15分1R>
グレース・ガンドラム(米国)
マイサ・バストス(ジョージア)

<ミドル級/15分1R>
ダンテ・レオン(ブラジル)
ロベルト・ヒメネス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヴァグネウタイ・ホシャ(ブラジル)
ジョン・ブランク(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
タイ・ルオトロ(米国)
コディ・スティール(米国)

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JJ Globo Report SUG15 ブログ メイソン・ファウラー ロベルト・ヒメネス

【SUG15】ヒメネスにファウラーのOT狙いの壁。7月12日大会はジョーンズ✖ファウラーに……残念

<10Kトーナメント決勝/5分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
Def.OT1R
ロベルト・ヒメネス(米国)

ジャンピングガードから背中をつけ、草刈スイープを狙ったヒメネス。一目散に背中を向け、ファウラーが走るように離れる。ファウラーは寝技に付き合わず、OT狙いか。立ちあがったヒメネスが足払い、倒れなかったファウラーはジャンピングガ―ドに入られるとすぐさまステップバックを始める。

シッティングを続けたヒメネスが立ち上がり、ダブルレッグへ。ファウラーは切ってギロチンから背中をマットにつける。同時に頭を抜いたヒメネスが、がぶるとファウラーは立ち上がって後ろに下がり──離れる。続く組み合いでファウラーは、ヒメネスをいなしてがぶり片ヒザをマットにつける。しかし、ヒメネスが尻もちをついて頭を抜きかかると、離れてスタンドに戻る。

ジャンピンガードから座ったヒメネス、肩を押し、足首を捌く風のファウラーだが、寝技に行く意志を持っていないのは明らかだ。動いて時間の経過を待つファウラーに対し、ヒメネスが立ち上がりダブルレッグへ。切ったヒメネスはがぶってギロチンへ。ヒメネスは頭を抜くと、もう残り時間を考え体力の消耗を控え──タイムアップに。

OTに持ち込んでファウラーは勝機があるのか。OT1R、ヒメネスがバックを選択するとファウラーは7秒でエスケープに成功する。そしてバックを取ると、立ち上がって逃げようとしたヒメネスに対しRNCを極め、1万ドルと7月12日大会でのクレイグ・ジョーンズ戦を手にした。

完全にオーバータイム狙いのファウラー、その選択にケチをつけることはフェアーではないが、クレイグ・ジョーンズ戦でも彼のやるべきことは見えている。ジョーンズ✖ファウラーよりも、ジョーンズ✖ヒメネスが見たかったと書き記したい。


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JJ Globo Report SUG15 ブログ ロベルト・ヒメネス

【SUG15】ノーポイントも体格差もヒメネスに関係なし、コルヴィンにスラムされても三角で一本勝ち

<10Kトーナメント準決勝/5分1R>
ロベルト・ヒメネス(米国)
Def.0分51秒by 三角絞め
ハンター・コルヴィン(米国)

座ったコルヴィンがクローズドガード、持ち上げられるとハーフを取り、絡んでないほうの足を取りに行く。この動きを利用してトラックポジションに入ったヒメネスは、バックから肩に乗るようにマウント、三角絞めへ。コルヴィンは持ち上げてスラムで叩きつけるが、そのままヒメネスはタップを奪った。80キロ以下で、ヘビー級や無差別級で結果を残すヒメネスにはノーポイントも体格差も関係なかった。


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JJ Globo Report SUG15 ネイト・オーチャード ブログ ロベルト・ヒメネス

【SUG15】IBJJF柔術の申し子ロベルト・ヒメネスが、10th Planetのオーチャードに圧勝──三角絞め極める

<10Kトーナメント1回戦/5分1R>
ロベルト・ヒメネス(米国)
Def.3分36秒by 三角絞め
ネイト・オーチャード(米国)

米国生まれのエクアドル人柔術家ヒメネスは、ジュベニウ時代から2018年の紫帯=ダブルゴールドまで3度ムンジアルを制している。父ラウルはジャカレ・ホメロ・カバウカンチの黒帯で、その父から柔術の手解きを受けてきたIBJJF柔術の申し子──20歳になったばかりの新鋭と10th planetのオーチャードと顔合わせは1回戦一番の注目ファイトだ。

ノーギワールドでも昨年、茶帯無差別を制しているヒメネスはジャンピングガ―ドからクローズドを取り、左腕を差してスイープからマウントへ。ハーフに戻したオーチャードに対し、ヒメネスは前転してトーホールドからバックを伺う。オーチャードは正対して立ち上がるが、ヒメネスはシングルレッグからニンジャを防いでボディロック、横に崩しつつバックを伺いトラックポジションへ。ロールして逃れようとしたオーチャードだが、ヒメネスはレッグドラッグからパス、マウントを取る。

ケージを蹴って逃げようとしたオーチャードに三角絞めを仕掛けるヒメネスは、サイドに戻ると直接三角に入るよう上を取る。さらにマウントから三角に入ったヒメネスはロールしたオーチャードの右足を引き寄せて、タップを奪った。