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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 Special ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編─ヨッカイカー✖和田竜光「答え合わせができない」なら

【写真】MMAとしてはあり得ないとMMAPLANETでは評した一戦について、青木が深くメスを入れる (C) ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年12月の一番──だが、ここは本来のピックアップされた3試合からではなく、いきなりの番外編から──12月18日に行われたONE 115で行われたヨッカイカー・フェアテックス✖和田竜光戦について語らおう。

青木ならではの視点、全体を俯瞰しつつ、局地的に仰望する興味深い話が聞かれた。


──業界を騒然とさせた和田選手のヨッカイカー・フェアテックス戦の判定負けですが、「青木選手は一本を取らないと。武道は」という感想をツイートしていました。

「ネット上で関係者の人が怒っていたじゃないですか。でも、あの反応はもうこの試合が判定がおかしいからだけでなくて、2020年の状況を色濃く反映していたかのように思います」

──というのは?

「コロナで自粛したり、不条理なことを経験してきて。皆が政府の対応とかに不満を持っている。加えて関係者の人は、今のONEの対応に『なんなんだ』という感情があるから」

──アハハハハ。

「そこに加えて不条理っぽい判定結果になったから、火がついたと思います」

──なるほど。なぜ青木真也の試合が10月に組まれなかったんだ。なぜ、日本人選手の試合は録画枠が多いのか。なんだ、和田の対戦カードの変更は?という感情があるわけですね。

「そうなんです。あの後、試合は2回ぐらい見直したのですが……、おかしいといえばおかしいです。でも平等な範疇ではあります」

──平等ですか?

「平等の範疇です。和田選手も何もしていないといえば、何もしていない」

──1Rにバックマウントを取って殴り、2Rもテイクダウンがあった。

「それを攻勢と採るのかっていう話でいうと微妙ですよ」

──いやヨッカイカーの攻撃との比較論でいえば、バックとパンチはよりフィニッシュにより近いです。ヨッカイカーのローよりも。

「ローを採られてもおかしくないよって話ですよね」

──それはMMAとして見て、ですか。それともONEだから、ですか。

「いや、ONEだからですよ」

──そこなんですよ。ONEだからあり得るという意見が当然になると、じゃぁONEのMMAって何なのっていうことですよね。修斗でチャンピオンになったらONEと契約。でも修斗のチャンピオン、ヨッカイカーの戦い方で勝っていない。なら、あの判定で勝てる選手がONEに行かないと。あくまでもONEのMMAであって、他のMMAとは違ってきます。

「それをいうなら、修斗とONEは同じルールでやらないと。もう、そこからですよ。おかしいのは。この話題とは関係なくありますよね」

──はい。ONEへはユニファイドでなく、ONE判定で勝てる選手が行くべきかと。ONEだと魚井✖田丸は、魚井選手の勝ちです。ならONEへは魚井選手のような選手がいくべきで。

「う~ん、MMAの定義が違いますよね。確かに判定はおかしいですよ。でも、和田さんが文句を言える筋合いじゃない。文句を言っても覆られないんだから。

まぁ勝ちですよ、和田さんの。MMAなら。でも文句をいっても、ジャッジもONEも変わらない。試合をするなら勝つ、そうでないと試合に出ない。出て負けて、文句を言ってもしょうがないから」

──そこで青木選手は極めないといけないというロジックです。

「極めないと負けですよ」

──なら一本、KO決着でなければドローにすべきで。判定決着があるのに、一本、KOでないといけないというのは違うかと思います。判定勝ちがあるなら、判定勝ちをしっかりと裁けるジャッジがいないと。

「そこでいうと判定っていうモノ自体が、決められないモノを決めるという行為で。決着しないモノの勝ち負けを決めている。だから、そもそも判定になった時点で何かされても『仕方ない』ことなんです」

──では青木選手は江藤選手との試合で判定負けになっても納得できる?

「仕方ないです。それも含めて強さ。結局、勝ったヤツが強い。変な話で、あってはいけないけど、ジャッジが非難されるような判定でも勝てば良いわけじゃないですか。

だから判定で負けたということは、相手の方が強かったってことですよ。一本、KOでなくてもヨッカイカーが判定で勝ったということは、あの日はヨッカイカーのほうが強かった」

──う~ん……、MMAとしてONEだからあり得る判定でも──ということですね。

「ハイ。だから競技者として、極めないといけないと思っています。ジャッジをそこまで信用していない。だって分かっていると思えないから。

そしておかしな判定はONEだって、修斗だって、パンクラスだって、UFCだってある。同じです」

──ONEはもともとユニファイドと違う裁定基準ですが、そこをも逸脱した感はぬぐえないです。それ以前の微妙な裁定でなく、あの裁定には理が見えない。

「確かに、理解はできないですよね。内藤のび太✖ジョシュア・パシオの時は内藤がコントールして、パシオは殴っていた。ONE裁定だとパシオだという答え合わせができた。でも、和田✖ヨッカイカーは答え合わせができない」

──答が合わないですからね。だから、ONEならあり得るっていう意見は今回は許容できなかったんです。格闘技って、好きな人間にとって理屈がないと。それがないと、ただ殴った、蹴った、投げたってことで終わりですし。

「ハイ、分かります。理屈があって勝負論が成り立つ。それが、あの試合にはなかった。となると──理屈がないんだから、何されるか分からないって言う気持ちで戦わないと。

それをね、ジャッジを変えろとか、あんな判定あり得ないって選手側が言ってもしょうがないんです。そういうところで戦っているんだから。極めるか、圧倒するしかない。覚悟決めるしかないんです。

アレであり得ないっていっているファイターや関係者はちょっと甘いなって思います。勝負師としてジャッジのせいで負けたとか口にするのは。○○のせいで負けたって言っちゃだめなんです」

──自分は仕事として、そこはやはり納得できないですね。あの判定はありえない。

「いや、それは記者として言い続けてください。報じる立場は好きに言ってください。むしろメディアは自浄作用というか──。浄化する作業が必要だから。そこは重要だと思います。でも、選手は勝敗を他人のせいにしちゃダメです」

<この項、続く>

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ONE ONE Collision Course ONE115 Report ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光がヨッカイカー・フェアテックスにありない判定負け。この裁定はもうMMAじゃない

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)
Def.2-1
和田竜光(日本)

サウスポーのヨッカイカーに真っすぐ組みついた和田が、ケージに押し込む。右腕を差して頭の後ろで組んだ和田が投げを狙い、耐えたヨッカイカーに右アッパーを突き上げる。和田は胸を合わせて押し込むと、技はヒザをボディに入れる。ヨッカイカーが右ヒザを放つも、和田の顔には届かない。

和田はオタツロック、スタンドでバックを制して寝技に持ち込む。胸を合わせてきたヨッカイカーが身動きが取れなくなる。逆を向くミスを犯したヨッカイカーは、必死に胸を合わせようとするが完全に背中を取られる。後方からパンチを頭部に、エルボーを肩に入れる和田は右のパンチ、エルボーを打ち込みタイムアップに。

2R、ヨッカイカーは左フックをかわし、クリンチからボディを殴った和田は距離を取り押す。ヨッカイカーはローからハイと左の蹴りを使うも、パンチは遠く空振りに。と直後の左ローが和田の急所にモロに入る。たまらずキャンバスに倒れ込んだ和田は、立ち上がって準備を整えるが、もう一度正座でしなおす。再開に応じた和田は右ローを空振りしてからクリンチへ。

ヒザを蹴り合い、ケージに押しこむと右を差し上げてテイクダウンを決める。ハーフで抑え、肩固めを伺いつつ足を抜きに行く。ここでヨッカイカーが立ち上がり、逆に和田をケージに押し込んでいく。和田は両ワキを差してヒザを入れ、もう一度右を差し上げて投げを狙う。ここはヨッカイカーが耐え、左ミドルを入れたところでタイムに。

最終回、和田のテイクダウン狙いを切ったヨッカイカーが左ミドルを蹴る。右を当てた和田に、ヨッカイカーが左フックを入れる。首相撲から両ワキを差しにいき、ケージにヨッカイカーを押し込む和田。左は差せないでいると、ここでヨッカイカーのヒザが急所に当たり、和田が渋い表情を浮かべる。リスタートし、ローを蹴られた和田は右を差し、ヨッカイカーが腰に乗せて投げを狙い、さらに崩してバランスを崩される。

離れた和田はローを蹴られながら、右をワキを差し、さらにシングル、もう一度右を差していくがヨッカイカーは倒れず、押し込み返す。今度は和田のヒザが急所に入り、試合は中断。すぐに再開となり、和田が右を当てる。ヨッカイカーもショートのワンツーを返し、試合は残り90秒に。

ヨッカイカーは左を空振り、パンチは組まれるのを嫌がり踏み込まない。和田は組むぞと見せかけるフェイクも、前足を左ローで蹴られる。最後の10秒、ローをかわした和田はそのまま距離をキープし試合を終える。

なんとジャッジの裁定は割れ、和田は判定負け。これはもう、MMAでなく立ち技+効果が認められない組が許されただけの試合だ。


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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光と対戦、ヨッカイカー・フェアテックス─02─「コーチなし。でもマイペンライ」

【写真】コーチなしも、寝技もマイペンライ? (C)ONE

今夜18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、和田竜光と対戦するヨッカイカー・フェアテックス・インタビュー後編。

ムエタイ出身、強烈な打撃の持ち主でありながらスクランブルと柔術を習得し、タイのMMAの進化の象徴であるヨッカイカーは、和田との試合にジムからコーチが派遣されていないという驚きの現状を話した。

<ヨッカイカー・フェアテックス・インタビューPart.01はコチラから>


──ところでヨッカイカーは、なぜムエタイからMMAに転向したのですか。

「それもムエタイを始めた時と同じさ。何か新しいことにチャレンジしたいと思ったからだよ。そしてフェアテックス・ジムのオーナーがMMAに挑戦するのも良いし、まずはムエタイとMMAを並行してやってみるべきだと言ってくれたんだ」

──バンコクでの試合ではパンチでKO、ローキックで対戦相手を戦闘不能に追い込みました。また、打撃だけなく柔術、スクランブルを駆使し、ついにMMAの組みを消化したムエタイMMAファイターがタイから出てきたというインパクトを与えました。

「試合中、打撃で戦うのか、組技を使うのを決めて戦うことはないよ。その場に応じて必要なことをしているだけで。確かに僕はムエタイ出身だ。でもグラップリングもブラジリアン柔術もムエタイと同じように大好きなんだ」

──ではバンコクのタイ国内ショーから、シンガポールで行われるグローバルショーへの出場に関してはどのような気持ちでいますか。

「タイ以外のONEで戦う初めての試合だし、少しナーバスになっている。そうだね、難しさは感じているよ。それが正直なところだ。今回、シンガポールにはコーチなしで1人でやって来たから、そういう面でもね」

──えっ、試合なのにコーチがいないのですか。

「そうなんだ。ただ、心配はしていないよ。マイペンライ、十分に練習をしてきたし」

──それにしても、コーチが来ないというのは?

「もうすぐニューイヤーだというのも影響しているだろうね。何よりもジムの他の選手も試合を控えている。今、シンガポールにやってきてタイに戻ると2週間の隔離措置が取られ、ジムで指導ができなくなってしまうからね。

でも試合の時はロドレック・PKセンチャイジムのコーチがコーナーについてくれるから大丈夫だよ。ワダと戦うことになり、メインカードに変更されたから可能になったんだ」

──……。ところで和田選手からはグラップリングは自分が上で、立ち技だけでも負けていないとい発言がありました。

「彼のグラップリングが僕より上なのは、絶対的に正しいよ。それでも僕もグラップリングやブラジリアン柔術の練習をしてきたからベストを尽くす。ワダを怖がることはない。

そして……打撃でも負けていないと彼が言ったということだけど……驚くしかないね。まぁ、どうなるのか試合で明らかになるだろう。僕も自信はあるよ(笑)」

──では、試合で何を見せたいと思っていますか。

「う~ん、どういえば良いかな。今は特に何を見せたいとかはないかもしれないね。言えることは、自分が何者か僕は知っているということ。ワダの動きを見て、勝つために必要なことは何でもするよ」

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光と対戦、ヨッカイカー・フェアテックス─01─「僕にとってはビッグステップになる」

【写真】 MMAでは和田であることは間違いない。それをヨッカイカーも理解しているからこそ、何がか起こる可能性があり──怖い(C)ONE

いよいよ開催が明日、18日(金・現地時間)に迫ってきたONE115「Collision Course」。シンガポール・インドアスタジアムで開催される同大会で、ヨッカイカー・フェアテックスが和田竜光と対戦する。

ムエタイの経験は100戦以上、MAXムエタイでフライ級チャンピオンとなっているヨッカイカーはMMAでは6勝2敗1分の選手だ。

コロナ過のタイ・ドメスティック2大会でONEと契約し、ジョン・シンクを左ストレート、アレックス・シルドをローキックで撃破し、大きなインパクトを残した。

ガードワーク、スクランブルと現代MMAを駆使するムエタイ戦士──タイMMAの今に初インタビューを試みた。


──金曜日に和田竜光選手と対戦するヨッカイカーです。今の調子を教えてください。

「フィジカル的には、本当にしっかりと準備できている。ワダと戦うの何も問題ないよ。ただし、精神的な面でいえばワダの過去の試合を見て、少し驚いているよ。特にDJとの試合から、彼が如何にタフな対戦相手か理解できた。

でも、この試合に必要なことは、しっかりと準備できているから怖がることはないよ」

──本来、この試合はインドネシアの他のファイターと対戦予定でしたが、急遽キャリア最強の対戦相手に代わりました。

「よく知っているね(笑)。確かに僕は違う相手と金曜日に戦う予定だった。それが先週の木曜日か金曜日にワダと戦うことが決まったんだ。確かにワダとの試合は、最初に予定されていた試合よりも難しいモノになるだろうね。

実際、この変更には驚かされたよ。ただし、僕がキャリアアップするためにも、凄く大きなチャンスが巡ってきたと思っている。僕はまだONEチャンピオンシップでは7月と8月のバンコクでの大会でしか戦っていない。それが3戦目で、チャンピオンと対戦経験のあるワダと戦うことになった。

確かに困難な試合になるよ。そして僕にとってはビッグステップになる。そんな試合が急に決まったことに驚いたんだ」

──日本のMMAのファンも和田選手と戦うことで、ヨッカイカーへの興味が深まりました。さきほど言われたように7月のバンコク大会でONEとサインをしました。契約した時はどのような気分でしたか。

「夢が現実になったような気持ちだったよ。凄く興奮した。ONEと契約したいとずっと思ってきた。そうだね、古くからの友人だったセーマーペッチ・フェアテックスがONEと契約した時から、僕はONEで戦いたいと思ってきたんだ。セーマーペッチと同じ場所で戦いたいってね。

いずれにせよ、このタイミングで契約できたことは幸運だった。Covid19のパンデミックでONEと今年中に契約できることなんてないと諦めていたから。

実際、7月の大会でオファーがあったのはパンデミックの影響で、タイにいる選手しか試合に出ることができなかったからだ。そして、タイ人のMMAファイターは決して多くないから僕が選ばれた。

フェアテックス・ジムのコーチやオーナーも、本来はまだ僕がONEで戦うには経験が必要だと思っていたんだよ。だから、ラッキーだった──このタイミングでONEと契約できたのは。そんな幸運を逃すわけにはいかないから、7月のONEデビュー戦ではしっかりと練習を積んで万全の状態で戦ったよ」

──ヨッカイカーのベースは、当然のようにムエタイです。なぜ、ムエタイを始めたのですか。

「ただ自分の人生で新しいことをしたかった。新しいチャレンジがムエタイだったんだ。それだけよ(笑)。そしてMAXムエタイのフライ級チャンピオンになれたし、ルンピニーやラジャダムナンでも10試合以上戦ったよ」

──ムエタイ時代のスタイルは?

「ムエマッド(パンチャー)だよ」

──フィームー、ムエカオ、ムエマッド、どのスタイルが最もMMAに適していると考えていますか。

「ムエマッド、ムエカオ、フィームー、そのどれかがMMAに適しているとか?  う~ん、そうだね……それは僕がどんな風にタツミツ・ワダと戦うのかを見て判断してもらおうかな。

それに……個人的なことをいえば、MMAを戦うには僕は打撃よりも、グラップリングの方に力を入れて練習しているからね」

<この項、続く>

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】ヨッカイカーと対戦、和田竜光─02─「僕が持っているモノは変わらないので。それを使って」

【写真】月に1度、家族で福島県郡山の田代トレーナ―の下を訪れる和田 (C)TSP

18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、ヨッカイカー・フェアテックスと対戦する和田竜光インタビュー後編。

日本を離れる直前に対戦相手がキム・デファンから変更された和田の離日前の福島での練習をABEMA TVのTHE WONDERが追った。

なぜ福島なのか。そこで何をしているのか。加えて対戦相手変更に動じない和田のMMA観をここでさらに掘っていきたい。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


──橋本選手との試合を経て、まずキム・デフォン戦はいつ頃に決まったのでしょうか。

「11月に入ってからですね。ちょうど角海老宝石ボクシングジムも一般ジム生の練習も通うことできるようになって、同時に福島に行って田代(勝久)さんにミットを持ってもらうようになっていたのでタイミング的にも良かったです」

──福島まで行き、田代トレーナーにミットを持ってもらうというのは?

「田代さんにはずっと持ってもらいたいです。

角海老ジムでは奥村(健太)トレーナーにきっちりと基礎からパンチの打ち方を教えてもらっていて、田代さんのミットは気持ち良く打たせてくれる──そういう違いがあるんです。

一番良いところで受けてくれます。しっかりと打つべきところに打つミットも必要ですし、田代さんのように少しずれてもミートしてくれるリズム・ミットも気持ちをあげてもらえます。

今日、釜谷(真)さんに持ってもらっていたミットは、バシンと打つミット打ちです。田代さんとのミットは種類が違って──阿吽の呼吸のように5分で13Rぐらい持ってもらっています」

──気持ちが良くなるミット……ですね。

「コンビネーションを少しずつ入れてもらって。これがボクシングとして正しいかは分からないです。でも、僕はこれで伸びたんです。

ただしミット打ちでやっているコンビネーションは試合ではないです。MMAですから。でも、何かのタイミングでブロックして返したり、避けて返す。1試合に一つ出れば良いと思ってやっているリズム・ミットです。体に入れたいモノなんです」

──練習の全てが生きるのではなく、何かの拍子で生きるものだと。

「そうなんです。ソレが呼吸するように出れば良いかなって思っています」

──それでも福島、郡山まで行くというのは……それだけ必要なのですね。

「車で家族と日帰りで行っています。大変なんですけど、渋滞もあるので早朝に出て……ぶっ飛ばすと、3時間弱で到着するので──嫁と娘は海鮮丼とか食べて、小旅行の気分です(笑)」

──それは素晴らしいです。ところで対戦相手がヨッカイカー・フェアテックスに代わりました。

「試合の1週間前になる直前に自分も聞いて……。ちょうどPCR検査を提出する日だから、感染したのかなって思っていました。

とかくい試合が飛ばなくて良かったと思って、シンガポールに来たらホテルにキム・デフォンがいるんですよね(笑)。しかも動いた後で、汗をかいていて……で、スタッフに『これ行き違いがあって、俺の相手はキム・デフォンじゃないの?』って聞いたんですよ」

──それはそうなりますよね……。

「そうしたら、キム・デフォンは違う相手と試合があって……君の相手はヨッカイカーだよって」

──意味不明ですよね(苦笑)。

「コロナだから対戦相手が分かったと思っていたら、そいつは違うヤツと戦う。なんなんでしょうね。タイトル戦が飛んで、そこに同じ階級の選手が入るなら分かるんですけどね」

──もう、それはキム・デフォンの相手有りきですよね……きっと。戦える者同士の試合が、このタイミングで崩れるのは。ライブ大会でなくディレイ放送枠は、対戦カードが分からないので確かなことは言えないのですが……。

「契約者もサインしたあとですしね(笑)。まぁ、提示された相手と戦うのは問題ないですけど、それがシステムとしてまかり通るなら、俺も試合を飛ばしてもお咎めなしなのかなって思っちゃいました(笑)」

──おっしゃる通りです(笑)。そしてカード変更の説明は欲しいですよね。ともあれ対戦相手はヨッカイカーになりました。7月と8月のバンコク大会で2連勝した注目株です。

「KOするパンチがあるし、蹴りとかも食らったら痛そうで、気を付けるポイント……武器としてのゲージはキム・デフォンより高いです」

──MMAファイターとして、ガードワークやスクランブルの攻防も見せていました。

「出来ないわけじゃない……寝ても、それなりにできる。ストライカーとしての最低限の動きはまぁできるという感じですね」

──不覚を取ることはできないです。

「そりゃあ負けていらない相手ですけど、DJとランカー達以外は同じです。キム・デフォンもヨッカイカーも弱くはないけど、負けていられてないです。スタイルが違うけど、そういう意味では全員同じです。

僕はもともと対戦相手は誰も良いというスタンスなんで。ランキングの上のヤツと戦いたいですけど、誰とやりたいというのはDJとヘンリー・セフード(笑)以外はないんです。目標はONEのベルト、MMAを戦ううえで目標はそこだけです。ONEで戦うのは、ベルトを獲るためです。それが無理だと思ったら、辞めるでしょうし」

──つまり相手がヨッカイカーに代わっても、自分の試合をするだけということでしょうか。

「勝ちを狙うのはもちろんですが、相手が代わるからといって、そこには変化もないです。対策練習とかしないですから。そういうことをしている選手からすると、プランが変わるのでしょうけど。僕はイメージだけして、何をやるとか決めてケージに入るのではないので。

ヨッカイカーはタイプとして、ローやヒザが痛い。キム・デフォンからスクランブルが多くて頑丈なんだろうなって。そういうことですね。相手の武器によって、こっちのリアクションは変わりますけど、だからって何が変わるわけでじゃないです。戦い方は変わっても、一つの試合なだけです」

──そこで動揺しないのは和田選手の強味ですね。

「僕が持っているモノは変わらないので。それを使って戦うだけですから」

──ただし相性はあります。その部分でヨッカイカーとの試合はどのような戦いになるでしょうか。

「組めば僕の方が強いと思います。打撃だけやっても、負ける気もしない。ただし、勝つ確率の上がる戦いをします」

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】ヨッカイカーと対戦、和田竜光─01─「格闘技をしたことでコロナに感染して死ぬなんて嫌です」

【写真】格闘技が人生のプライオリティでないことが、真剣に格闘技と向き合わないこととはイコールではない (C)MMAPLANET

18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、ヨッカイカー・フェアテックスと対戦する和田竜光をBEMA TVのTHE WONDERが追った。

11カ月ぶりのMMA、コロナの第一波の頃──和田の姿は格闘技道場で見られなくなった。

格闘技は人生を豊かにするもの、格闘技のために死ねないと断言する和田が戦線復帰、試合前の心境と──その格闘技感を迫った。


──12月18日にシンガポールで試合が決まりました。1月のイヴァニウド・デルフィーノ戦以来のMMAとなります。この間、新型コロナウィルス感染問題が世界中で起こりましたが、和田選手は周囲の練習仲間と違い、自粛期間中などの練習をしなかった派の選手でした。

「まず1月の試合は腰痛が酷いなかで、何とか試合ができたというのがあり、その後のダメージの回復を待つ時期がありました。

そういうなかでコロナで米国で何万人が亡くなり、NYでは死体の山が築かれ、欧州はどうだこうだという話だけが伝わってきて、それが日本でも起こるかもしれないという状況でした。

あの頃、子供がまだ1歳にもなっていなくて。子供は重症化し辛いけど、1歳以下の幼児はしやすいという話でした。自分から子供にうつすことも、他の人にうつすことも嫌でした。自分が他の人からうつされて、子供が罹患することも絶対に避けないといけない。

当時はコロナがどれだけのウィルスなのか分かっていなかったですし、練習や試合の優先順位は僕のなかで全く一番ではないのでやらなくて良いということでした。自分でできるトレーニングをして、感染しないように気を付けようと。

腰のこともあって、しっかりと治そうと。ダメージは長引きましたし。ちょうど、良いと思ったところもありましたね」

──仕事の方は?

「続けていました。僕がしている仕事は、他の人と関わることがないので。僕も子供がいなかったり、独身だったら『イイや、やるか』っていうノリだったかもしれないです。祖父や親と同居しているわけではないので、子供の存在が一番大きかったです」

──分かります。自分から子供にうつすかも、その恐怖感はすさまじいモノがありますよね。

「まだ実情が分からなかったですからね」

──あの頃、お前はやらないのか──という風潮があったのも確かです。

「それは人それぞれです。別に格闘技をやって死んでも良いと思っている人はやれば良いと思っていました。よく試合で死んでも良いという人もいるし。僕はハッキリいって、全くそんなことは思わないので。

趣味というほど軽いノリではないですが、格闘技は人生を豊かにするための一つの要素だと思っています。試合中に死にたくないし、ましてや格闘技をしたことでコロナウィルスに感染して死ぬなんて嫌です。それで子供が死ぬのは嫌だと思っていました」

──未知なウィルスから、徐々に実態が分かり、また経済を殺さないために共生していくように6月ごろから変わり、格闘技道場の活動も始まりました。和田選手が練習を再開したのはいつ頃でしたか。

「いつでしたっけね。もう夏になっていたと思います。緊急事態宣言があけてからも、すぐに練習をすることはなかったです。ニュースでやっていないことも、色々とネットでチェックして──大丈夫かと判断し子供も1歳を超えたので、やり始めました」

──練習をする、しないという時期、奥様の反応はいかがでしたか。

「そこは何もなかったです。こっちの考えを伝えて、『分かった』という感じで。嫁も子供がいたから、行ってほしくはなかったとは思いますが、行くなとも行けとも言わなかったです」

──練習を再開した時は、どのような感覚でしたか。その間も練習を続けていた選手と比較して。

「もう全然動けなかったです。でも、それも分かっていたので無理しないで、休みながらやっていました(笑)。トライブ、ロータス世田谷、TRY.Hスタジオでの練習もルーティン通りでなく、休みながらチンタラと」

──大会がなく、試合がないことで焦る選手もいました。和田選手はそういう感覚ではないということですね。

「全然なかったです。それこそ格闘技が一番じゃないっていうのは、口にしていましたし。格闘技しかない、試合がしたいという人がいるなかで、格闘技が一番じゃないっていうヤツに試合が組まれるわけないと思っていたので。それは格闘技に人生を賭けて、今しかないという人から組まれる。

その人たちが試合をしてから、自分の試合になると思っていました。ONEが活動再開しても、試合機会が回ってくるのは最後だろうと。来年、それかスクランブルであるかもしれないという状況で、練習はもう普段通りになっていたので、体重さえ問題なければ試合ができる状態にはしてきました」

──9月にFINISHで橋本知之選手とグラップリングを戦った時と、今の体調はどれほど違いますか。

「今の方が良いですね」

──それは、そうでないと(笑)。

「あの試合があったので、気持ちもだらけずに1カ月ほど過ごせて、コンディションを作ることができました。あの試合があって凄く良かったです」

──あの組技マッチこそ、コロナ現象の一つですよね。

「まぁ、普通だと出ていなかったですね。ホントに良い経験になりました。日本で一番の組み技の人とグラップリングを戦えて。そういう人と触れ合いたいから格闘技をやっているというのはあるので。それこそDJに触ってみたいというのと同じで。本気でそういう人に殴られたり、極めに来て欲しい。橋本選手と触れ合えたのは、この時期だからできた最高の経験でした」

──それが格闘技で人生を豊かにするということの表れですね。

「ホントにその通りです。風のように極めてくれて『スゲェ、強ぇ』って。負けた瞬間だけは結果を引きずりましたけど、爽快感というか、凄く楽しかったです。本当に組んでもらって良かったです」

<この項、続く>

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News ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】MMAでもローで勝てるんです──。和田竜光の相手がヨッカイカー・フェアテックスに変更

【写真】急遽対戦カードが変更も、キム・デフォンはシンガポールにいるという情報も──どうなっている???? (C) MMAPLANET

14日(月・現地時間)、ONE Championshipの公式ホームページで18日(金・同)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」に出場する和田竜光の対戦相手がキム・デフォンがからヨッカイカー・フェアテックスに変更されたことが確認された。

和田にとっては今年1月のマニラ大会のおけるイヴァニウド・デルフィーノ戦以来のONEでの試合は、急遽対戦相手が代わることとなった。


ヨッカイカーはMMA戦績6勝2敗1分で、ONEとは今年7月と8月にバンコク収録シリーズで戦い、ジョン・シンクとアレックス・シールドに連続KO勝ちを収めている。2試合ともテイクダウンをされてもスクランブルで寝技を脱出しており、ガードワークもこなすタイの現代MMAファイター世代といえる。

それでもベースは当然のようにムエタイで、100戦以上経験しMAXスタジアムでは王者にもなっている。デェダムロン・ソーアミュアイシルチョークのMMA転向と王座獲得にインスパイアされMMAに転向し、フェアテックスジムではDJ・ジャクソンに柔術の指導を受けているヨッカイカー。つまりは背中をつけた柔術と同様にレスリング寄りのテイクダウン重視の柔術も伝授されており、スクランブルの強さを身につけたことが予想される。

シールド戦で見せたローでのKOなど、シールドの策と手が足らなかったことはあるとしても、極端なことをいえば一発で和田も足が痛手を負って足を使えなくなることもあり得る。

また急遽の対戦カードの変更も、ヨッカイカーは収録マッチで他の選手と戦うために調整してきたこともあり、コンディションは問題ない。MMAとしてはキム・デフォンの方が穴はないかもしれないが、尖っている部分の鋭利さはヨッカイカーが上──和田としても、より痛みを覚悟のファイトになるだろう。

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Interview ONE ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 大沢ケンジ

【ONE】7&8月度・大沢ケンジの気になるONE MMAアスリート─2人目─ヨッカイカー「日本が5位に……」

【写真】タイが日本をアジア第5位にしてしまうのか。ヨッカイカーのような選手が増えると楽しみだけど、怖い…… (C) ONE

ONE Championship非公認・大沢ケンジ監修非公式ランキングと勝手に月間・三賞から、新しく生まれた連載=「大沢ケンジの気になるONE MMAファイター」!!

7月&8月度の2 人目は、No Surrenderでジョン・シンクをKO、A New Breedでアレックス・シールドをTKOしたヨッカイカー・フェアテックスだ!!


──No Surrenderの3大会とA New Breedの1大会から大沢さんが気になった選手、2人目は?

「ヨッカイカー・フェアテックスですね。あれは強い。ジョン・シンクとアレックス・シールドと1カ月で2回勝ったのですが、シールドとの試合ではバックを取られたり、下になっても寝技で対応できていましたね。

フェアテックスはジムが全体的に寝技が出来てきてきています。スクランブルも良くなっていますし。タイ人がしっかりとMMAをやって来ると怖いですね」

──ムエタイでバリバリやっている選手以上に、ムエタイではトップ中のトップでなくても打撃ができて、本気でMMAをやってくると選手層も厚くなりそうです。

「そうですね、そういう選手はムエタイの打撃フォームを崩せますからね。スタンスを広げて、リズムも軽く跳ねられるぐらいで。それでいて、強い蹴りを出せる。ヨッカイカーがまさにそういう感じです。

ジョン・シンクには投げられけど、スクランブルから左のカウンターを当てて下がったところで右フックとアッパー、最後は左ストレート。2Rに入ってからは1分少しで仕留めました。

それからシールドはバックから逃げると、ローキックでダウンを取りまくって勝った。

シールドは内藤頌貴選手と去年、東京のONE Warrior Seriesで戦ってパンチを打ち合って判定負けした選手ですからね。あれだけ出来た選手を一方的に下した。ちょっと怖いです。

テイクダウンがある戦いで、あの打撃ができる。ヨッカイカーはもうトップ10に入っている感じがしますね」

──フライ級でどこまで上がって来るのか。

「日本人でも佑弥、和田竜光、仙三……はストロー級という話も聞きますが、ちょっと仙三君との試合とか見てみたいですね。ガツガツになりそうで。

ヨッカイカーはこの2つのKO勝ちで、これからも確実に試合のチャンスは与えられるだろうし、また見てみたいですね」

──タイ人が強くなると日本人として厳しいですが、ONEとしては面白くなりますね。

「日本人選手も腹を括らないと、アジアで5番目の国になってしまいますよ。もっとね、日本の若い選手とかアジアで何が起こっているのか、ちゃんと見てないと日本はヤバイです。格闘技は強くなるしかないんだから。

ヨッカイカーとか見ていると、タイがこうなるのかって……。中国、韓国、フィリピン、そしてタイがやってくると、日本はその次になってしまうかもしれないです」

──もう怖いですよ。そういう風に数えていくと。

「ホントにヤバいですよ。UFCとか凄く遠くなっている……でも、さらに下の世代……コロナ禍の影響でMMAが視られています。前まではONEとかUFCを知ってHEARTSに入門してくる若い子っていなかったんです。

知っていてもRIZINまでで。それがコロナ時代になってから、他のジムでも聞きますが、UFCやONEを知っている10代が増えています。ココを鍛えて、タイに負けないようにしないといけない。格闘技の知識がある人間が入ってきて……続くかどうか分からないけど、ちゃんと育ててヨッカイカーに負けない選手を育てますよ」

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【ONE111 A New Breed】止めないレフェリー、仕留めないヨッカイカー。シールドが生き地獄のTKO負け

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)
Def.3R by TKO
アレックス・シールド(米国)

まず左ハイを見せたヨッカイカー。続いてローを蹴る。シールドは右ハイを空振りしてすぐに立ち上がるが、バランスを崩し気味だ。シールドは圧力を受け、シングルレッグも切られる。スクランブルからバックに回ったシールドが、バックを取ってグラウンドに持ち込むと両足をフックする。ワンフックに切り替えたシールドが、再び両足フックへ。

立ち上がったヨッカイカーが前転も、バックを取られる状態が続く。四の字フックのシールドに対し、ヨッカイカーが胸を合わせてトップを取る。腕十字を察したヨッカイカーはスタンドに戻り、左ローを走らせる。ワンツーから組んだヨッカイカーは、離れて左ロー。続く左フックにダブルレッグを狙ったシールドだが、ヨッカイカーはワキを差して倒れない。コーナーにシールドを追い込むと、ヨッカイカーが左を当てダウンを奪い初回をリードした。

2R、左ローから左を伸ばすヨッカイカー。パンチを怖がるようなテイクダウン狙いから引き込んだシールドは、スクランブルからクローズドへ。立ちあがったヨッカイカーは、左ローからワンツーを受けて寝転んだシールド、寝技に付き合わないヨッカイカーを見て、レフェリーが立たせる。倒れても立たされるシールドは、コーナーに詰められ組んで引き込む。

離れたヨッカイカーが左ミドルハイ、左ストレートからローを蹴る。左ロー、左ハイでダウンを奪ったヨッカイカーは、ここもスタンドで待ち受ける。ローで倒れたシールドは、ガードを取るがスタンドに戻される。ローで倒れて、立たされるという地獄のような時が続くシールドは何度倒れても立たされる。MMAのレフェリングになっていないが、ローを蹴られたダウンをしても、立たされ続けるシールドはMMAとしてはあり得ない展開となった。

最終回、ローから左ハイをいれるヨッカイカーは、パンチを見せてローを蹴る。シールドはダブルレッグから引き込んでヒール狙いも、足を抜いたヨッカイカーがスタンドに戻り、ここも左ロー。倒れたシールドに、立ったままローを続けたヨッカイカーを見てようやくレフェリーが止めた。


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【ONE111 A New Breed】最終計量結果 全選手、体重&尿比重問題なし。MMAは視られるか!?

【写真】去年の10月に来日しWarrior Seriesで戦っているシールド。この時は打撃主体だったが基本はグラップラーだ (C)MMAPLANET

28日(金・現地時間)にタイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE111 A New Breedの最終計量及びハイドレーション結果が発表された。

ONEでは水抜き禁止、北米MMAより実質1階級の体重が上限となり、ハイドレーション・テストが試合の2日前と前日に行われている。体重はリミット+500グラム、ハイドレーションは1.0250以下という規定が設けられており、1日でもパスできないと試合当日の朝に再計量が必要になっている。


スーパーシリーズ4試合とMMA3試合の7試合からなる今大会。オープニングマッチに出場するアレックス・シールド✖ヨッカイカー・フェアテックス、ドレックス&デニスのザンボアンガ兄妹の試合は7月のNo Surrenderシリーズで見られたほぼ打撃戦という内容にならないMMAが視られるか。

■ONE No Surrender III計量結果

※赤字の選手の名前をクリックすると、インタビューページに移動します。

<ONE女子ムエタイ・アトム級選手権試合/3分5R>
[王者]スタンプ・フェアテックス:52.2キロ/1.0095
[挑戦者]アリシア・エレン・ホドリゲス:52.2キロ/1.0083

<ムエタイ・バンタム級準決勝/3分3R>
ロドレック・PKセンチャイムエタイジム:65.45キロ/1.0074
クラップタム・ソーチョーピャッウータイ:64.9キロ/1.0009

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
デニス・ザンボアンガ:51.9キロ/1.0095
ワシャピニャ・ガオコー:50.65キロ/1.0124

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ワンダーガール・フェアテックス:56.55キロ/1.0136
KC・カルロス:56.25キロ/1.0070

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ドレックス・ザンボアンガ:60.95キロ/1.0229
ディッチャディン・ソンシリスッパティン:60.9キロ/1.0156

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ファン・ディン:61.05キロ/1.0095
ソク・ティー:61.05キロ/1.0210

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス:61.1キロ/ 1.0120
アレックス・シールド:61.2キロ/1.0210