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【UFC281】アレックス・ポアタン、キックに続きアデサニャを倒しUFC4戦目で世界ミドル級王者に

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
Def.5R2分01秒by TKO
イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)

キャリア8戦目、UFCでは4戦目の世界王座挑戦──キック時代にアデサニャを2度下しているポアタンが、跳び前蹴りを繰り出す。かわしたアデサニャは左インロー、構えを変えてジャブから右ローを蹴っていく。スイッチを繰り返すチャンピンに、ポアタンが右ローを蹴る。さらに左ミドルを蹴った挑戦者が右カーフを3連続で蹴る。左ジャブを返したアデサニャは、ミドルの蹴り合いから左ハイを狙う。

続いて左ジャブから右ストレートを当てると、ポアタンは姿勢を一瞬乱す。ポアタンはミドルのフェイクに大きく反応するが、左リードフックから右ミドルを決める。左ミドルハイはガードされると、少し高めの蹴りを続いて狙うアデサニャ。ポアタンも左ハイを返し、カーフの蹴り合いからアデサニャが左ミドル。直後に距離を詰めたポアタンもミドルを入れる。右三角蹴りを効かせたポアタンが、左ジャブに左ヒザを合わせようとする。残り30秒でクリンチの攻防になると、ボディロックのアデサニャに対し、ポアタンがボディショット、ヒザを突き刺した。と、終了間際に左ジャブから右ストレートをアデサニャが打ち抜く。

完全に腰が落ちたポアタンは、ホーン後に左フックまで被弾してしまった。

2R、前に出る挑戦者。足を使って回るチャンピオンが左ジャブを当てる。左ボディフックを返したポアタンが、鋭い右後ろ回し蹴りを繰り出す。詰めるポアタン、外すアデサニャ。チャレンジャーはジャブを当て、チャンピオンが左ストレートを返す。左ハイから右を入れたアデサニャだが、ポアタンが左を打ち返す。さらに左ジャブを当てるポアタンは詰めてヒザを見せる。アデサニャがケージに押し込み返すと、シングルレッグへ。一瞬体が浮いたポアタンだが、着地して左ヒジを入れる。

アデサニャが右をヒットさせ、ジャブを頭を振ってかわす。それでも左を2発当て、左から右を打ち込むポアタン。アデサニャがこれだけパンチを被弾したことは、過去になかったはずだ。さらに左からヒザを入れたポアタンは、左ワキを差されてケージを背負う。ボディロックに取るが離れたアデサニャが、左ハイを蹴られて下がる。ワンツーの右をかわしたポアタンが、シングルレッグからもう一方の足も払ってテイクダウンを決めラウンドを取り返した。

3R、両者ジャブを見せ、間合いの測り合いのなかでアデサニャが左ハイ。ポアタンが右ハイを見せる。ワンツーの右、さらに左を入れたアデサニャがボディストレート、前に出るポアタンはヒザ蹴りからボディを殴る。クリンチの攻防でテイクダウンを決めたアデサニャがバックコントロールからパウンドを打ち下ろす。真っ直ぐ立ち上がろうとして、左足フックされたポアタンは、再び両ヒザをつく。フックを解いてバックコントロールのアデサニャが後方からパンチを続け、再び左足をフックする。外して前方に崩していくアデサニャは、自ら尻もちをついてバックグラブを狙う。

ポアタンは足関節を狙うが、潰したアデサニャがトップを取りエルボーを打っていく。手首を掴んで防御の挑戦者は左のパンチを打たれる。立ち上がったアデサニャは、足を払いつつパンチの機会を伺う。アデサニャがカカト落としのボディに蹴り下ろすと、たまらずポアタンが背中を見せ時間に。

4R、左ジャブを伸ばすアデサニャに対し、ポアタンが左ローを蹴る。前のラウンドの寝技で消耗したか、ポアタンは動きが少なくなっている。アデサニャが左ジャブから右ストレート、ポアタンは前に出るが手数が少ない。アデサニャは左ミドルを入れ、ついにはポアタンがケージを背負う場面も。左ジャブを2発被弾したポアタンはダブルレッグのフェイクに掛かり、ボディロックを許す。押し込んで細かいパンチを繰り出すアデサニャに対し、ポアタンは手刀のような動きを見せる。素早いパンチを見せて離れたアデサニャは、ケージを背負いジャブを打たれる。左をかわして組んだアデサニャはヒザを貰いながら、崩しを狙う。

ここからケージにポアタンを押し込んだアデサニャだが、テイクダウンは奪えずエルボーを見せて離れる。ポアタンが左フックから右を狙ったところでラウンド終了となった。

最終回、このためにポアタンは4Rに休んでいたのか、それとも疲れて動けなかったのかが明らかになる最後の5分間。右カーフから左ミドルのアデサニャ、前に出たポアタンが右から左ボディフックを入れる。ヒザ蹴りのアデサニャは離れたポアタンの右を受ける。ボディロックのアデサニャは、離れて右カーフもチェックされて後方に崩れる。すぐに立ち上がったアデサニャは、右カーフを続けるがスネはどうなっているのか。

右ローから前に出て右フック、さらに左を決めたポアタンはふらつくアデサニャをケージにつめて左右のパンチを打ちこむ。左フック、右アッパー、左フックから一旦崩れ、立ち上がったチャンピオンに左右のパンチをポアタンが続け、右フックをモロに被弾した直後にレフェリーが割って入った。

オクタゴン4戦目で頂点に立ったポアタンは、「この日のために人生をかけてトレーニングしてきた。凄くハードな試合だった。グローバーの試合のようにね。次の準備はできている。サポートしてくれた皆に感謝している」と勝利者インタビューで話した。


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【UFC281】ラストファイトへ、フランキー・エドガー「有終の美を飾って、夕日に向かって立ち去る」

【写真】さすがに年輪が顔に如実に感じられるようになったフランキー(C)MMAPLANET

12日(土・現地時間)、ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンでUFC 281「Adesanya vs Pereira」が開催される。今大会でフランキー・エドガーが、現役ラストファイトをクリス・グティエレスと戦う。

史上最少、史上最速、最も偉大なUFC世界ライト級王者がケージを去ることを決めた。MMAを進化させた──ある意味、歴史を変えた不世出のファイターは最後の試合もいつも通り勝つことしか考えていなかった。


──1年振りの試合で、クリス・グティエレスと対戦します。この試合がラストファイトと公言しましたが、この間にそのまま現役生活を終えようとは考えたことはなかったですか。

「あのまま引退することは考えたことがなかったよ。前回の試合後に手術をしたので少し時間を置いたけど、それからはずっとジムで練習を続けてきた。体調は本当に良くて。しっかりとトレーニングができているから、今回の試合を戦うことを決めたんだ」

──日本のMMA選手たちと一緒にフランキーやマーク・ヘンリー、ヒカルド・アルメイダの下を訪れ10年が経ち、あの時ニュージャージーを訪れた選手6人のうち今もMMAを戦っているのは2選手だけになっています。引退したなかの1人、水垣偉弥さんはボディよりも反応が遅れるようになった。それが引退を決めた要因だと言っていました。

「ジムでの練習でも、僕の反応が悪くなったと感じることはない。もちろん、前回の試合は自分が思っていたように最高に素晴らしい動きはできなかった。結果も敗れた。でも勝利が近いという戦いはできていた。あの結果(前蹴りでKO負け)は誰も予測できなかったに違いないしね。タイトル戦線にある選手とそういう戦いができたことでも、僕は自分に戦闘能力があると思っている。そして世界のベストにまだ勝てると信じているよ」

──ドミニク・クルーズとフランキー・エドガーのステップが、MMAを進化させたと信じている日本のMMAファンは多いです。とはいえドミニクもフランキーも厳しい結果が増えてきました。ダメージの蓄積も心配でした。

「そう思われることは致し方ない。でも自然なことだからね。だからこそ、この試合が最後だと決めたんだ。もう1試合、全力で戦う。力強い姿で有終の美を飾りたい。そして夕日に向かって立ち去る」

──では最後の試合の対戦相手、グティエレスの印象を教えてください。決してパフォーマンスは良くないような試合で、結果を出し続けているようなイメージがあります。

「凄くアンオーソドックスだよ。勝ち方を知っているというのか。でも若い選手は試合を重ねる度に成長しているからね。前回の彼よりも、より強くなって僕の前に立って欲しい。それでも僕の経験と、全局面で戦える能力は十分に有効だと思っている」

──多くの局面でケージを背負ってサークリング、パンチを被弾するのを嫌がっているのではなく恐れているように見えることすらあります。

「確かにパンチを恐れて、下がる時がある。あれだけケージを背負っていると、ジェネラルシップはこっちが握ることができるはずだ。前に出てきたら、そこに対応する。嫌がるなら、それに適した動きをする。

でもチョット予測できないところがあるんだよね。あんな風に逃げていて、スピニングバックフィストを急に打って来るとか。何か大きなことをやるんだ。でも僕は少しでも速く、彼をキャッチすることを心掛ける。実際、どの局面でも僕が上回っているから掌の上で、クリスを踊らせたいと思う」

──フランキーはフットワークとフェイクで相手を惑わせ、テイクダウンを奪うという鉄板のスタイルを構築しました。しかし、近年はスクランブル能力が飛躍的に進歩し、労力の割にはすぐに立ち上がれるようになりました。その辺りをどのように考えて戦ってきましたか。

「今の選手たちはよりウェルランディッドになっている。でも、まだ僕の方が上だ。知識的にも少しアドバンテージがあるだろう。何より、そういう選手をスタミナ切れに追い込める。そこが一番重要だよ。テイクダウンを狙う。テイクダウンのフェイクを見せる。殴ると見せかける。そして殴る。そこからテイクダウンする。この繰り返しで、相手を疲れさせるんだ。迷わせ、ストレスを当て続けてガスアウトに追い込む」

──ラストマッチまで、しんどい試合をするということですね。そのような試合展開の場合、攻めているフランキーの方が削られる恐れもありますが、そこは気にならないですか。 

「間違いなくハイペースで動き続けることができる。それにスタミナはプレッシャーとも大きく関係している。今回のイベントは、クリスにとって過去に経験したことがないようなビッグショーだ。でも、僕にとっては10年以上戦ってきたノーマルな状況でしかないからね」

──ある意味、フランキーがスタミナ切れを起こすシーンを見るようなことがあれば、ノックアウトやサブミットされるのよりもショックかもしれないです。

「大丈夫だ。そんなことには絶対にならないから。そんなことにならないよう、厳しいトレーニングを課し続けてきた。2021年に2度手術を行った。この2回の手術によって、僕の体は回復した。バンタム級で戦うようになって、体調は今回がベストだろう」

──ボディとともにメンタルはどうでしょうか。ここまでのことをやり遂げてきて、まだ最後に戦う選択をしたこと。そのモチベーションがあるというのは、凄まじいことだと思います。

「僕は自分が進むべき道……一方通行にしか進めないんだ。他のやり方は、分からない。何もね。だからこそ、今回を最後にしようと思った。永遠にMMAを戦い続けることなんてできない。家族を第一に考えた人生を送る時を迎えたんだよ。本当は試合前から引退するなんて言わずに、身を引きたかった。でも、そうしないと引退できない。ずっと戦おうとするって思ったんだ」

2007年2月3日。フランキーのUFCデビュー戦。対戦相手のタイソン・グリフィンに注目していたら、なんだかまるで力みのない普通の人のような選手が、いつの間にか勝っていた

──今回もマーク・ヘンリー、ヒカルド・アルメイダと練習を?

「そうだよ。MMAを始めた時、タイトルを獲った時と同じ。彼らと最後まで戦う。今は練習パートナーも世代交代したよ。インディアナからコーリー・アンダーソンが若い選手を引き連れてやってきた。これまで見たことが無い顔とも練習をしてきたから、常に新鮮な気持ちでトレーニングすることができたよ」

──フランキー、最後の試合前にインタビューの機会を与えていただき感謝しています。最後にあなたのことを永遠に尊敬してやまない日本のMMAファンに一言お願いします。

「2012年に日本のファンの皆の前で戦ったことは、忘れることができない思い出だよ。最後にもう1試合、皆に喜んでもらえるよう戦うよ」

■視聴方法(予定)
11月13日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWライブ

■UFC281対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)
[挑戦者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] カーラ・エスパルザ(米国)
[挑戦者]ジャン・ウェイリ(中国)

<ライト級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国)
マイケル・チャンドラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
フランキー・エドガー(米国)
クリス・グティエレス(米国)

<ライト級/5分3R>
ダン・フッカー(ニュージーランド)
クラウジオ・プエレス(ペルー)

<ライト級/5分3R>
ヘナト・モイカノ(ブラジル)
ブラッド・リデル(ニュージーランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
ドミニク・レイエス(米国)
ライアン・スパーン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
モリー・マッキャン(英国)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキ(米国)
ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
オットマン・アザイタル(ドイツ)
マット・フレヴォラ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケヴィッチ(ポーランド)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)

<フェザー級/5分3R>
マイク・トリザノ(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
フリオ・アルセ(米国)
モンテル・ジャクソン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
ニック・ネグメレアフヌ(ルーマニア)

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MMA MMAPLANET o UFC UFC276 アレックス・ポアタン・ペレイラ イスラエル・アデサニャ ショーン・ストリックランド

【UFC276】精度&威力、タイミング。MMAを越えたパンチ。ペレイラがストリックランドを完全KO

<ミドル級/5分3R>
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
Def.1R2分36秒by KO
ショーン・ストリックランド(米国)

ペレイラがローからジャブを伸ばす。前に出るストリックランドにローを蹴り、引き続きジャブを放つペレイラは左ミドルを蹴って右ストレートを伸ばす。ストリックランドもジャブ、前蹴りで前に出る。顔面、腹、足へとペレイラが攻撃を散らす。さらに右ストレートを当て、ボディを伸ばす。ストリックランドは、そのまま圧を掛けるかのように前進を続けたが、ペレイラは左フック一発でダウンを奪い、起き上ってきたところに右ストレートを続ける。2発とも、完璧にアゴを打ち抜いた正確無比なパンチでペレイラが、秒でストリックランドを倒した。

「彼が試合前に何を言おうが、僕と戦ってくれたことに敬意を持っている。僕らには完璧な作戦があった。カーフからボディと狙っていくね。多くの人が僕がイスラエル・アデサニャに勝ったのはMMAじゃないというけど、今日ランク4位を倒したからね。皆、今夜はアデサニャを応援してくれ」とペレイラは勝利者インタビューで話した。


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Cage Warriors MMA MMAPLANET o ONE UFC UFC276 アレックス・ポアタン・ペレイラ アレックス・ヴォルカノフスキー アンドレ・ムニス イアン・ギャリー イスラエル・アデサニャ ゲイブ・グリーン コナー・マクレガー ショーン・オマリー ジェイリン・ターナー ジム・ミラー ジャレッド・キャノニア ジョー・ローゾン ドナルド・セラーニ ドリキュス・デュプレシー ブライアン・バルベレナ ブラッド・タヴァレス ブラッド・リデル ペドロ・ムニョス ボクシング ボビー・グリーン マックス・ホロウェイ メイシー・バーバー ユライア・ホール ロビー・ローラー

【UFC276】極め男ムニス。セラーニ✖ミラーの最多勝争い。可能性は無限大、イアン・ギャリーに要注目!!

【写真】まだまだ成長過程、それでいてUFC2連勝中のギャリーが荒くてパワフルなグリーンを相手にどのように戦うのか (C)Zuffa/UFC

2日(土・現地時間)にネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 276「Adesanya vs Cannonier」。PPVカードの濃厚さに加え、プレリミでもFight Night大会ならメイン級のカードがズラリと並んでいる。

そのプレリミでまず気になるのが、ジャカレ・ソウザに引導を渡した極め技師アンドレ・ムニスだ。今回はユライア・ホールの遠い距離からの打撃をいかに封じ込めて、組みの展開から極めという流れに持ち込むことができるか、見ものだ。

また2週間前の大会でジョー・ローゾンが計量後にヒザの負傷で欠場となり、ついに3度目の正直もならなかったドナルド・セラーニが、ジム・ミラーと戦う試合も見逃せない。

勝てば、単独でUFC最多の24勝目となる両者の対戦。もともと今大会でボビー・グリーンと対戦予定あったミラーが1週間前にグリーンの負傷欠場を経て、実に14年9カ月振りとなるウェルター級で対戦を了承した。ライト級でも背が高い方でないミラーだけに、長身のセラーニに対して如何に踏み込めるか。

それでもフィジカル的にダメージの蓄積は、セラーニよりも抑えることができているミラーが、オクタゴン最多勝ファイターになる確率の方が高い、か。


セラーニとミラー、この対戦がファンの思い入れの強い顔合わせなら、将来性という部分で期待の存在がイアン・ギャリーだ。

今回がUFCで3戦目となるギャリーは、アイルランドはダブリン出身、コナー・マクレガーに憧れ大学を中退しMMAの世界に飛び込んだ24歳のファイターだ。アマボクシングで300戦以上、柔道でもティーン時代に活躍。その後18歳でMMAに転じ19歳でアマデビュー、21歳でプロになると7 戦目でCage Warriorsウェルター級のベルトを巻いている。

ちなみにマクレガーが同プロモーションのフェザー級のベルを巻いたのはプロ13戦目(※それまでの戦績は10勝2敗)で、2戦後にUFCと契約を果たしている。対してギャリーは8戦目でオクタゴン初陣を飾り、ここまで9連勝中だ。

4つのKO勝ちを誇る打撃は、非常に柔らかく基本に忠実だ。右ストレート、リードの左フックも強く、前足の蹴りも長けている。何より相手を誘ってパンチ入れる迎撃型の攻撃ができることが、ギャリーに天賦の才が感じられる部分だ。

レスリングはまだ成長過程にあるが、グラップリングでも積極的でフィニッシュ重視の戦いを好むギャリーの課題は、多岐に渡る技術が勝つために絞り込むことができていない点にある。良くいえば臨機応援、ともすればノープランとも取れるが、サンフォードMMAの名匠たちがしっかりと導くことができれば、今回のゲイブ・グリーン戦はデモンストレーションファイトにできるだけのポテンシャルを持っている。

その一方で、グリーンの粗さにクリーンな打撃が圧されることがあると、サウスポーの構えから振り回してくる右ボディや右フックの標的になる可能性もあるだろう。が、パワーファイターを正確な距離、間合いとコンビネーションで翻弄することができれば、ギャリーにとっては一段階ステップアップできるファイトとなる。

■視聴方法(予定)
7月3日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC276計量結果

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ: 183.5ポンド(83.23キロ)
[挑戦者]ジャレッド・キャノニア―: 184.5ポンド(83.68キロ)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー: 144.5ポンド(65.54キロ)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ: 144.5ポンド(65.54キロ)

<ミドル級/5分3R>
ショーン・スティックランド: 185.5ポンド(84.14キロ)
アレックス・ポアタン・ペレイラ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ロビー・ローラー: 171ポンド(77.56キロ)
ブライアン・バルベレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス: 135.5ポンド(61.46キロ)
ショーン・オマリー: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分3R>
ブラッド・リデル: 155.5ポンド(70.53キロ)
ジェイリン・ターナー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジム・ミラー: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 171ポンド(77.56キロ)
ゲイブ・グリーン: 170ポンド(77.11キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ドリキュス・デュプレシー: 185ポンド(83.91キロ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ムニス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ユライア・ホール: 186ポンド(84.37キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・アイ: 126ポンド(57.15キロ)
メイシー・バーバー: 126ポンド(57.15キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ユリア・ストレアレンコ: 136ポンド(61.69キロ)

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【UFC276】計量終了 ダブル世界戦は当然、組みの局面はあるのか──オマリー✖ムニョスが見逃せない

【写真】タイトル戦に負けず、興味深いムニョス✖オマリー(C)Zuffa/UFC

1日(金・現地時間)、2日(土・現地時間)にネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 276「Adesanya vs Cannonier」の計量が行われた。

2階級の世界戦が組まれた今大会、メインのUFC世界ミドル級選手権試合=王者イスラエル・アデサニャ✖挑戦者ジャレッド・キャノニア、コメインでUFC世界フェザー級選手権試合=王者アレックス・ヴォルカノフスキー✖マックス・ホロウェイに出場する4選手を始め、12試合=24人の出場選手が計量を問題なくパスしている。

5度の王座防衛戦となるアデサニャ、ミドル級で5分✖5Rを戦わせると最も安定感を持って勝利できるチャンピオン故に、キャノニアが慌てさせる場面を創ることができるか。


右が当たれば、そんな局面も到来するかもしれないが、アデサニャがそのような距離や間を挑戦者に与えることがあるのか──。

そんな世界戦に向け、セレモニアル計量とフェイスオフを終えたチャレンジャーは「チャレンジも最終局面? そんなことはない。ただの直近の挑戦だ。戦う準備、やり合う準備、ベルトを持って家に帰る準備はできている」とジョー・ローガンのインタビューで答えた。

対してとアデサニャはクールに「今年最大のショーだ。簡単に勝つ。キングコングが俺を捕まえることなんでできねぇ」と断言した。

そして3度目の対戦となるヴォルカノフスキーとホロウェイ。

2019年12月の第1戦は左右のローで3Rまでにリードを築いたヴォルカノフスキーがマネージメントは完了したとばかり、試合をコントロールしてベルトを奪取。

2020年7月の再戦では初回にハイ、2Rに右アッパーでダウンを奪ったホロウェイがリベンジを果たしたかと思える内容ながら、スプリット判定に泣いた。

今や世界最高峰でも抜けた感のあるチャンピオンが、唯一苦戦が予想されるホロウェイとの3度目の対戦。セレモニアル計量で王座返り咲きを狙うホロウェイは、大観衆を煽り大声援に迎え入れられ、

王者ヴォルカノフスキーは大きなブーイングが送られた。フェイスオフでも激しく言葉を交わした両者、ホロウェイはエキサイトした様子で「明日は燃えろとか言ってきたけど、笑っちゃうぜ。俺は絶好調だって教えてやるよ。今、ここで教えやる」とチャンピオンを挑発し続ける。

そして「3R以降はない。やろうぜ」と言うと、ホロウェイはベルトを巻くポーズを取りステージを下りた。一方、ヴォルカノフスキーは観客を指さして、「このエネルギーがヤツを助けられることはない。オーストラリア、愛する皆の元にベルトを持って戻る」と話し、最後に「楽しんでくれ」とベガスのファンに伝えた。

この他、このファイトウィークでキャラが爆発しまくったショーン・スティックランドとアレックス・ポアタン・ペレイラのミドル級戦。バンタム級のペドロ・ムニョス✖ショーン・オマリーなど身の詰まり方が半端ないPPVカード。後者はムニョスが打撃の差をグラップリングで埋めようと組み技の展開に持ち込めたとして、そこでのオマリーの能力の高さも見てみたい一戦だ。

■視聴方法(予定)
7月3日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC276計量結果

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ: 183.5ポンド(83.23キロ)
[挑戦者]ジャレッド・キャノニア: 184.5ポンド(83.68キロ)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー: 144.5ポンド(65.54キロ)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ: 144.5ポンド(65.54キロ)

<ミドル級/5分3R>
ショーン・スティックランド: 185.5ポンド(84.14キロ)
アレックス・ポアタン・ペレイラ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ロビー・ローラー: 171ポンド(77.56キロ)
ブライアン・バルベレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス: 135.5ポンド(61.46キロ)
ショーン・オマリー: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分3R>
ブラッド・リデル: 155.5ポンド(70.53キロ)
ジェイリン・ターナー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジム・ミラー: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 171ポンド(77.56キロ)
ゲイブ・グリーン: 170ポンド(77.11キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ドリキュス・デュプレシー: 185ポンド(83.91キロ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ムニス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ユライア・ホール: 186ポンド(84.37キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・アイ: 126ポンド(57.15キロ)
メイシー・バーバー: 126ポンド(57.15キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ユリア・ストレアレンコ: 136ポンド(61.69キロ)

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JP・ベイス K-1 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship UFC UFC276   アレックス・ポアタン・ペレイラ アレックス・ヴォルカノフスキー アンドレ・ムニス イアン・ギャリー イスラエル・アデサニャ キック クリス・カーティス ケルヴィン・ガステラム ショーン・オマリー ジェイリン・ターナー ジム・ミラー ジャック・デラ・マダレナ ジャレッド・キャノニア ドナルド・セラーニ ドリキュス・デュプレシー ブライアン・バルベレナ ブラッド・タヴァレス ブラッド・リデル ペドロ・ムニョス ボクシング マックス・ホロウェイ メイシー・バーバー ロビー・ローラー 海外

【UFC276】南ア発KSW経由、UFCの頂点へ。ドリキュス・デュプレシー「3試合以内に王座に挑戦する力が」

【写真】非常にソフトかつ、丁寧にインタビューの受け答えをしてくれたデュプレシー(C)MMAPLANET

2日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでUFC 276「Adesanya vs Cannonier」が開催され、南アフリカ人ファイターのドリキュス・デュプレシーがブラッド・タヴァレスとプレリミで対戦する。

UFCに在籍する南アフリカ人ファイターは2人、そのうちの1人のデュプレシーは母国EFC Worldwideでウェルター級&ミドル級、ポーランドのKSWでウェルター級王座を獲得してきた。UFCでは2勝0敗、今回の試合をプレリミ卒業戦と宣言するデュプレシーに話を訊いた。


──土曜日にブラッド・タヴァレスと戦います。今の調子を教えてください。

「凄く良い感じだよ。UFCで戦うようになって、毎試合良くなっている。UFCデビュー戦では凄く緊張してしまって、2試合目はポイエー✖マクレガーなんていうビッグショーだったから、またナーバスになっていた。今回はUFCにも慣れてきたなかで、ランク12位の相手と戦えるのは絶好の機会だよ。

精神的には4月の試合がキャンセルになって、ファイトに飢えている。肉体的には凄くシェイプされていて、僕がこれから頂点に昇りつめる力を持っていることを証明したい」

──今回はPPVイベントといっても、UFCインターナショナル・ファイトウィーク中に開催され特別な感じもします。

「僕に選択権はないけど、Fight Nightのメインカードだったら、PPVのプレリミで戦いたい。ポイエー✖マクレガーというビッグショーでTKO勝ちできたから、このチャンスが巡ってきたと思っている。だから、今回もしっかりとフィニッシュしたい。そしてプレリミで戦う最後の試合にしたいね」

──私はドリキュスの試合はKSW時代に初めてチェックするようになったのですが、それが2018年だったのに対し、MMAデビューは2013年ともうキャリアは9年になるのですね。そもそもドリキュスがMMAを始めるようになったきっかけは何だったのでしょうか。

「TVでMMAを視て、やってみたいと思った。15歳の時だった。それ以来、MMAしか見えない生活を送ってきたよ。プロとしてMMAで生きていくために懸命に努力を続けたんだ」

──MMAを始める以前に格闘技の経験は?

「5歳で柔道を始めた。5年間やって、一緒に練習していた兄弟と揃って南アフリカのチャンピオンになっているよ。それから2年ほどレスリングの練習をして、14歳の時かK-1キックボクシングに転じたんだ。18歳の時にWAKO K-1ルールのジュニア世界チャンピオンになり、そこからMMAを始めた」

──ではMMAを始める前に、必要となる組みも打撃も経験していたのですね。

「そうだね。グラップリングも16歳か17歳でやり始めていたし、レスリングも含めてトライしたいことにトライし、MMAに行き着いたんだ」

──当時、南アフリカでのMMAの認知度はどのようなモノだったのですか。

「僕が始めた頃は、まだまだ歴史も浅くて本当に新しいスポーツだったよ。きっと僕は南アフリカで初めてフルタイムでMMAファイターになった1人のはずだ。それからの南アフリカにおけるMMAの普及は凄く速かった。今やUFCはアフリカ中、どこにいてもケーブルTVで視ることができる。4、5年後は南アフリカから国際的な舞台で戦う選手はもっと増えるだろう」

──南アフリカのUFCファイターではJP・ベイスのように米国を拠点に置くようになった選手もいます。

「僕も可能な限りサンフォードMMAでトレーニングをしているよ。ただし、試合が決まると調整は南アフリカのチームで行うようにしている。6週間ほどのキャンプを1人のコーチの下、一つのチームで調整する。皆、しっかりと経験を積んできているし南アフリカでも十分な練習環境が整っているよ」

──KSWではロベルト・ソルディッチを初戦で破り、ウェルター級王者に。しかし、ダイレクトリマッチで敗れ陥落。そこから1度、ミドル級で戦った後にKSWを離れました。

「19歳の時にEFC Worldwideでプロデビューし、ウェルター級のチャンピオンになった。そしてKSWからオファーをあり、ポーランドと英国で戦った。海外で新たな挑戦がしたかったからだよ。ただしウェルター級は減量が厳しくて、もうやるべきことは全てやったと感じたから、KSWの最後の1試合はミドル級で戦ったんだ。

MMAを始めて以来、最高の決断だったと思っている。全く体の動きや調子がウェルター級の時とは違っていたからね。そしてEFCでミドル級のベルトを手にした時、UFCから声が懸かった。確かにソルディッチにKOで敗れたけど、ウェルター級はもう僕の階級ではなかった。と同時にソルディッチはウェルター級で世界のベストの1人だと今も思っている」

──UFCでの動きは、確かにKSW時代より良くなっていると感じました。

「そうだろう? 100パーセント、その通りだよ。動きもフィーリングも変った。何よりUFCと契約し、世界のトップと戦っていくことなるという気持ちが、凄く良い方向に動いたと思う。普段の生活から練習と、よりモチベーションが高くなったんだ。世界のベスト、UFCの世界チャンピオンを目指すことで、トレーニングの質も良い意味で変わったよ」

──4月はタイトルコンテンダーのケルヴィン・ガステラム戦が流れました。キャリア最大の試合がなくなり、今回の試合を迎えたことに関してどのように感じていますか。

「あの時は3人も対戦相手が代わり、最終的に試合自体が流れた。ガステラム以前にアンソニー・ヘルナンデス、クリス・カーティス戦がなくなった。僕は誰とでも戦うけど、あの時はUFCにトップ10と戦いたいと伝えた。誰も恐れることはない。だからガステラムとの対戦が決まった時は嬉しかったけど、結局試合はなくなり世界の誰とでも戦えることを証明する機会を失ってしまったんだ。

ブラッド・タヴァレスは僕のデビュー前からUFCで戦っている素晴らしいファイターだ。打撃ができ、テイクダウンを防げ、テイクダウンをしてパウンドや極めもある。UFCで21試合も戦っているのだから、強くて当たり前だよ。ただし、今はそれほどでもない。彼の武器である打撃にしても、MMAの進化に以前のような威力はなくなった。僕の方が今のMMAで戦う術を持っている。その違いを試合で見せようと思う。

この試合に勝って、3試合以内に王座に挑戦する力があることを見せつけるつもりだよ」

──ドリキュス、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のMMAは凄いよ。僕はONE Championshipの大ファンだから、ほとんどの大会をチェックしている。それにK-1ではヤン・ノルキヤが南アフリカを代表して戦っていた。ミルコ・クロコップのK-1 GPでの活躍を見て、キックを始めたんだ。僕のことをアジアのファンがサポートをしてくれたら、本当に素晴らしいことだよ。いつの日か、日本で戦いたいと思っているので、応援してほしい」

■視聴方法(予定)
7月3日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC276対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)
[挑戦者]ジャレッド・キャノニア―(米国)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ショーン・スティックランド(米国)
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ロビー・ローラー(米国)
ブライアン・バルベレナ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ラマザン・エミエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス(ブラジル)
ショーン・オマリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ブラッド・リデル(ニュージーランド)
ジェイリン・ターナー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
ジム・ミラー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
ゲイブ・グリーン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス(米国)
ドリキュス・デュプレシー(南アフリカ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ムニス(米国)
ユライア・ホール(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・アイ(米国)
メイシー・バーバー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク(豪州)
ユリア・ストレアレンコ(リトアニア)

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【UFC276】コメイン前のミドル級戦。ストリックランド✖ペレイラは派手さの伴った高MMA IQの打撃戦に?!

【写真】ポアタンの一撃、ストリックランドのTD→パウンドアウトorRNCも十分にあり得るなかで、最後は戦術をかなぐり捨てた魂の殴り合いに発展する可能性もあるか(C)Zuffa/UFC

2日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでUFC 276「Adesanya vs Cannonier」が開催される。

UFCインターナショナル・ファイトウィークのメインといえる夏のPPVビッグショーのヘッドラインはUFC世界ミドル級選手権試合=王者イスラエル・アデサニャ✖挑戦者ジャレッド・キャノニア―、そしてコメインでUFC世界フェザー級選手権試合=王者アレックス・ヴォルカノフスキー✖マックス・ホロウェイがマッチアップされている。

そんなPPV大会のコメイン前で組まれたのが、ショーン・ストリックランド✖アレックス・ポアタン・ペレイラのミドル級戦だ。

ドナルド・セラーニ✖ジム・ミラーのUFC勤続12年(WEC時代を含めると15年)のセラーニ、そして13年9カ月オクタゴンで戦ってきたミラーの対戦をプレリミに追いやり、この位置で戦うペレイラはUFC在籍8カ月、3戦目のファイターだ。


キックで33勝7敗(21 KO)の記録を持ち、格闘家としてのキャリアは12年になるペレイラだが、MMAはまだ5勝1敗でしかない。ただし、以前の本職ではGLORYで世界ミドル級とライトヘビー級を制し、ミドル級王座は5度の防衛に成功している。

ピュア・キックボクシングでいえばオクタゴン随一の能力の持ち主は、そのキック時代にはイスラエル・アデサニャから2勝を挙げている。

UFCでは初戦のアンドレア・メケイリディスを二段ヒザでKO、2戦目のブルーノ・シウバ戦はフルマークの判定勝ちをペレイラは収めている。

左ミドル、左フック、右ストレートに左右のアッパー、そしてヒザ蹴りと痛みが見る者に伝わってくる打撃、その速さと切れは抜群のモノがある。とはいえ、ペレイラが見せてきた打撃は、拳が届く距離での拳と足の交換だ。この距離で打撃だけで戦えば、ペレイラは今すぐにでもベルトを巻く力があるだろう。

当然、MMAではそういうわけにはいかない。テイクダウンもあり、打撃の距離も違う。当然返しのようにペレイラも、倒されてスクランブル、それ以前のスプロールを見せてきた。倒されずに殴り勝つ戦いを今回も見せることができれば、ペレイラはすぐにでもタイトル戦線に絡んでもおかしくない。が、果たして16歳の時からMMAを戦い、積み重ねてきたキャリアは25勝3敗というストリックランドがそれを許すか。

上に書いたように中間距離の打撃単体では絶対にペレイラだが、スティックランドの打撃は前蹴りで突き放し、ジャブで進行を阻むというモノ。彼自身が「打撃での武器?  パンチを顔面に打たれない動き」と言い切っている。

MMAの距離での打撃が抜群に上手く、倒さないで疲弊させる術にもストリックランドは長じている。またテイクダウンは頭の位置を低くするモノでなく、胸を合わせたクリンチからボディロック&小外という柔術的な倒し方が多い。

寝技の印象はそれほどないが、グラウンドに持ち込めばしっかりと拳やエルボーで削りながら、相手をコントロールできる。何より仕留めに掛かった時のダーティボクシングの威力は、顔面を殴られない動き以上に彼のストロングポイントともいえる。

そんなペレイラとストリックランドの一戦、鍵はペレイラに追い足とMMAの距離から中に入る踏み込みと外に出る前後の動きがあるのか。またテイクダウンをされた時の耐久力が、盟友グローバー・テイシェイラとの練習でどれだけついているのか。

同時に殴らせないことが信条のストリックランドが、殴らせないで戦うことをどこまで徹底し、さらに殴られた時の次のリアクションはどうなるのか。一瞬の決着、同時に序盤は様子が多いこともあり得るが、派手さを伴ったMMA IQの高いスタンドの攻防が見れれるであろうストリックランド✖ペレイラの一戦、要・注目だ。

■視聴方法(予定)
7月3日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC276対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)
[挑戦者]ジャレッド・キャノニア―(米国)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ショーン・スティックランド(米国)
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ロビー・ローラー(米国)
ブライアン・バルベレナ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ラマザン・エミエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス(ブラジル)
ショーン・オマリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ブラッド・リデル(ニュージーランド)
ジェイリン・ターナー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
ジム・ミラー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
ゲイブ・グリーン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス(米国)
ドリキュス・デュプレシー(南アフリカ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ムニス(米国)
ユライア・ホール(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・アイ(米国)
メイシー・バーバー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク(豪州)
ユリア・ストレアレンコ(リトアニア)

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GLORY MMA MMAPLANET o UFC UFN203 アレックス・ポアタン・ペレイラ ブルーノ・シウバ

【UFN203】元GLORY2階級王者ペレイラがTDディフェンス&スクランブルからシウバに打ち勝つ

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

シウバが軽い左ミドルから強い右ミドルハイ。サウスポーのシウバが距離を詰めるが、ペレイラが右ストレートからケージ際を脱する。シウバの左右ストレートをかわし、前に出るペレイラ。右ストレート、右の前蹴りを繰り出すが、シウバもディフェンスして距離を詰めていく。ペレイラが首相撲からヒザを狙うと、シウバは左右のフックで引きはがした。距離を取ってコントロールするペレイラだが、シウバがインサイドから右フックをクリーンヒットした。

組み合いになり、ペレイラのボディにヒザを突き刺すシウバ。ペレイラは離れて右の三日月蹴りを当てる。しかしシウバは顔面へパンチを集めてローまでつなげる。オーソドックスにスイッチしたシウバに左ジャブを突くペレイラだが、パンチをかいくぐってシウバがダブルレッグでテイクダウンを奪った。ケージ際で起き上がるペレイラを、シウバはボディロックで抑え込みにかかる。相手の立ち上がり際にパンチとヒザを叩き込むシウバ。しかしペレイラが離れる。シウバは左右フック、ペレイラが右ストレートを当てるとシウバの動きが止まった。シウバは連打をもらいながらケージ際から脱して初回を終えた。

2R、サウスポーのシウバがペレイラの右ストレートをかわしてパンチで攻める。ペレイラは左ボディストレート、シウバが前に出て来ると下がってからパンチを上下に打ち分ける。しかしシウバも距離が近くなれば首相撲からヒザ蹴り。ペレイラが前に出て来る相手に右クロスを当て、さらにボディへ左アッパーを突き上げる。ペレイラの左フックから右クロス、そして左ボディ。ややシウバの動きが落ちたか。と思われた瞬間にシウバがパンチで距離を詰めて、ダブルレッグでペレイラに背中を着かせた。

起き上がるシウバのバックに回るペレイラ。さらに右腕を差し入れてシウバをケージに押し込む。ペレイラは右スピニングエルボーを見せるも、シウバにケージ際から逃げられてしまう。長いリーチからシウバのパンチがクリーンヒット、左アッパーを上下に打ち分ける。パンチをもらいながらも距離を詰めていくペレイラ。シウバは右の打ち下ろしがヒット、ペレイラが前に出て来ると下がり、体勢を戻してパンチを当てていく。足を滑らせたペレイラ、シウバはガードインしたところでラウンド終了のホーンが鳴った。

最終回、ペレイラが右ストレートを伸ばす。シウバはパンチの連打、左ローからシングルレッグにつなげたが、ペレイラがスプロールした。スタンドに戻り、打撃で押していくシウバ。さらにケージへ押しこんでいく。ペレイラもヒザ蹴りを打ち返し、体勢を入れ替えた。左腕を差し上げてボディにヒザ蹴りを突き刺すペレイラ。しかしシウバも返してペレイラをケージに押し込みながら、テイクダウンを狙う。ペレイラは左のオーバーフック、離れて右ストレートを上下に打ち分ける。

ケージを背負いながらもパンチを効かせるペレイラ、グラついたシウバにパンチの連打を浴びせていく。シウバは組み付いたが、ペレイラがケージに押し込んでアッパーとヒジを打ち込む。左ボディからヒザ、さらにパンチの連打で追い込むペレイラに、ダブルレッグを狙ったシウバ。これをスプロールしたペレイラが、スタンドに戻ると左右フックを叩き込む。残り1分で相手をケージに押し込んだペレイラ、体勢を入れ替えたシウバは両腕を差し上げてバックを狙う。テイクダウンこそを奪えなかったが、最後の力を振り絞ってパンチで攻め立てるシウバだが、ペレイラのアッパーが当たると再びグラついた。しかしダウンを拒否、試合終了までシウバが耐え抜いた。

判定はジャッジ3者ともペレイラにフルマークでつけ、元GLORY2階級王者がMMA5連勝、UFCでは2勝目を得た。


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Bu et Sports de combat GLORY K-1 LFA MMA UFC アレックス・ポアタン・ペレイラ アンドレアス・メケイリディス イスラエル・アデサニャ キック ギガ・チカゼ ジョゼ・アルド ボクシング 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的観点で見るMMA。ポアタン✖メケイリディス「二段跳びヒザは当たる」

【写真】右から左の跳び二段ヒザ蹴り、見事なKO勝ちを収めたペレイラ (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たアレックス・ポアタン・ペレイラ✖アンドレアス・メケイリディスとは?!


──アレックス・ポアタン・ペレイラ✖アンドレアス・メケイリディス。ペレイラはGLORYで世界ライトヘビー級とミドル級の2階級を制した正真正銘、世界の頂点に立ったキックボクサーからMMAへ転向を果たした選手です。キックの道を究めた人にとって、MMAはなかなか難しいと思うのですが、この試合を見てその辺りを武術的に探っていただきたいと思います。

「GLORYの重量級で世界チャンピオンということは、本当に世界のトップですね。MMAはいつからやっていますか?」

──もともとは2015年や2016年に3試合戦い、2勝1敗でした。その後はキックに専念して、イスラエル・アデサニャにも勝っています。GLORYの了解を得て、世界王者でありながら昨年11月にLFAでMMAを戦い、今年の3月にライトヘビー級王座を失いました。そしてUFCにデビューしています。

「ペレイラのキック時代の映像を見たことがないので、なんとも言えないのですが、立ち技格闘家は倒す……効かすタイプとマネージメントするタイプに分かれます。魔裟斗選手とか、RENA選手はマネージメントタイプです。ムエタイも5Rを通して戦うマネージャーで、古くはK-1だとピーター・アーツがマネージャーでした。アーネスト・ホースとはどっちでも戦えます」

──さすがミスター・パーフェクトです。

「ハイ。そしてミルコ・クロコップはマネージメントが下手でした。だからMMAにミルコを送り込んだ石井館長は素晴らしいです。当時、MMAの打撃系の選手のなかで、立ち技競技で成功していたのは……モーリス・スミスを例外にいなかったです。

まぁ15年や20年も前の話ですし、今ではMMAの情報が氾濫していて、技術体系も整っているので無防備にMMAを戦うことはないですから、ギガ・チカゼのような選手もいますよね。しかし、ペレイラに関してはブラジルですし、ブラジルのキックがテクニカルだとか、強いというイメージはなかったですね。

いずれにせよ、ペレイラは試合開始早々から先を取っていました。メケイリディスは物凄くペレイラの蹴りをビビっていたからです。重心も後ろに下がってしまって。もうMMAというより、異種格闘技戦になっていました」

──メケイリディスは組んで倒して勝つ、それしかなかったと思います。

「ところがメケイリディスは、1Rはテイクダウンからバックコントロールして終えたのに、2Rになるとキックボクシングを始めてしまうんです。なぜ、1Rと同じようにしないのか。初回に組んでコントロールして、疲れてしまったんでしょうね。それでガムシャラにテイクダウンに行けなくなり、タイミングを見てなんて思い……キックをした。

しかし……なぜ、相手の嫌なことをしないのか。MMAだからって、キックの世界王者に対して打撃をする必要はないです。MMAの前に、まずは闘争であれ。つまり、相手の嫌がることをするわけですよ。そこをちょっと見落としているんじゃないかなって感じます。メケイリディスは打撃が苦手だから論外ですけど、自分の得意技で勝負するといっても相手が平気だったら、そこで勝負して勝つ確率は上がるのかということです。

ペレイラからすると、メケイリディスが組んでも背中をつけずにバックを譲る形で凌いだ。そして、2Rにチャンスが到来して倒しきった。大したものです。フィニッシュは二段跳びヒザ蹴りでしたが、普通のヒザ蹴りと違い時間差攻撃になるので、とても受けづらいです」

──WEC時代のジョゼ・アルドのカブ・スワンソン戦が思い出されます。あの時、ジョゼ・アルドは左から右と両方を当ててKOしました。

「二段蹴りは本当にMMA向きのヒザ蹴りです。でも、それは決して最初の足がフェイントになって、後ろが当たるということではないんです」

──そうなのですかっ!!

「ハイ。左で誘って右で蹴るということではなくて、両足で蹴ることができる。まさにジョゼ・アルドが決めたモノですね。左足で蹴るとなると、右足を軸にして左で蹴ります。ということは、右足は居着いてしまっているんです」

──なるほどぉ!!

「それが左、右と蹴ると両足で蹴ることになるので、居着いていない。つまり体の連動が止まらないんです。空手には夫婦手という原理原則がありますが、そこと同じです。特にMMAにおいては、遠間から蹴るイメージがありますが、短い距離でも十分に使えます。左足で蹴っても、右足が居着いていたら──そこに残っていて、キャッチされ倒されやすいです」

──一見、両足だと空中で姿勢を変えることができず危なそうなのですが、違うのですね。

「二段のヒザ蹴りをしている選手のことは、実はキャッチできないです。そして、不思議なことに二段蹴りは距離が合いやすい。軸足を作って片足で蹴る場合は距離が合わないと、パンチを合わされたり、組み倒されたりします。絶対とは言えないですが、ほぼほぼ二段蹴りは相手が反応します。つまり受けに回っているので、距離が合うんです。

なぜか……それは明確には分からないです。ただし、二段蹴りの先を取ることが大変なんだとは思います。二段蹴りが始まった時点で、先を取られています。1本目を抑えていないと、先は取れない。これが左ミドルであれば初動、起こりが分かりますよね。

ただし二段蹴りの1本目は、なかなか先が取れない。そういう意味では時間差攻撃としても二段蹴りは有効で、跳ばなくてもレパートリーにしておきたい技です。当たらなくても、反撃を食らう可能性は一つのヒザ蹴りよりも少ないですから」

──いやぁ、興味深いです。

「攻撃には内面の攻撃と外面の攻撃があります。例えばこの試合でも、ペレイラは蹴りを出していないけど、蹴りを出している。メケイリディスは出ていない蹴りに反応していまいた。それは無防備と同じことなんです。もう受けに回っているので、ペレイラからすれば何でもできます。

だからペレイラがUFCという途轍もない世界で今後も活躍できるのかといえば、今回はあまり見せなかったパンチがどうなのか……ですね。キックボクサーがボクシンググローブで培ってきたパンチを、MMAグローブの攻防にアジャストするのは時間が掛かる場合があります。MMAグローブは既に近いので。それをペレイラが、いかに埋めてくるのか。

加えてペレイラが組みに対応しても、それは対応した時点で相手が先をとっていることになるので、自分の戦いをするには組ませないことです。MMAの選手は、現時点では蹴りにまだハマりやすいですし、これからペレイラがどうなるのか。打撃でなく、組みに対するストライカーの戦い方をどうモノにするのか。そこは見ものです」

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GLORY MMA UFC UFC268 アレックス・ポアタン・ペレイラ キック

【UFC268】元GLORY冠、正真正銘のトップキックボクサー=ペレイラが跳びヒザで衝撃オクタゴン初勝利

<ミドル級/5分3R>
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
Def.2R0分18秒by TKO
アンドレアス・メケイリディス(ギリシャ)

入場時から弓矢を射るパフォーマンスを見せたペレイラ。正真正銘のワールドトップ・キックボクサーがUFC初陣を戦う。Glory世界ミドル級とライトヘビー級を制したMMA4戦目のペレイラに対し、メケイリディスが右ローを蹴る。かわしたペレイラが右ローを返す。メケイリディスはシングルから組みついてケージへ、テイクダウンを決めスクランブルでバックを伺う。

キムラのペレイラは片ヒザをつき、ワンフックを許す。ほぼパンチを出さず固めるメケイリディス。ペレイラは立ち上がった胸を合わせる。こうなるとブレイクもある展開で、メケイリディスは右腕を差し、ペレイラは小外掛けをケージを利して耐える。残り70秒、レフェリーがブレイクを命じ、ペレイラが右ストレートを伸ばす。そこに組みついてケージに押し込むメケイリディスにMSGのファンがブーイングを送る。残り30秒、ヒザをボディに入れたペレイラは初回を失った。

2R、ペレイラが右ハイ。ローを空振りしたメケイリディスに、ペレイラが跳びヒザを放つ。左ヒザがモロにアゴを打ち抜き、メケイリディスが腰から崩れ落ち大の字に。2つパウンドを入れたペレイラが、衝撃的なUFC初勝利を挙げた。

組みがあるなかで、テイクダウンが強いファイターを相手に打撃で勝利──「凄く嬉しい。皆が応援してくれて、対戦相手が受けてくれて試合ができた。感謝している。彼は力が入り過ぎている。僕は力を使わなかった。2Rになると勝機が増えると思っていたから。彼がカムバックしても、終らせるだけだった」とクールにペレイラは話した。


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