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Interview J-CAGE Shooto2021#03 ブログ 大尊伸光 西川大和

【Shooto2021#03】下から大尊を削って、三角絞め。西川大和「KOできるパンチは、力でなく技術」

【写真】動画サイト=ザ・ワンTVからMVPと副賞の10万円を獲得した西川。同サイトのインタビュアー=江川紗理奈さんとパチリ。唇の傷は試合ではなく、柔術の練習でカットしたモノだそうだ(C)MMAPLANET

16日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2021#03のメインで西川大和が大尊伸光を2R終了間際に三角絞めで破った

組んでテイクダウンではなく、引き込み。しかも下からのパンチやエルボーという攻撃を見せた西川。現代MMAの主流とは明らかに違うファイトスタイルに、18歳とは思えない成熟したMMA頭脳が見られた。


──大尊選手に三角絞めで一本勝ち、今の気持ちを教えてください。

「満足しています。僕はドランカーになりたくないので、殴り合って試合を盛り上げようとかっていうのは一切ないですから。それで負けると海外の大会からのリストから外されてしまうので。

誰と戦っても、勝つ試合をしたいと思っています。正直、打撃で倒すなら3R、寝技で勝つなら2Rだと考えていました。そして寝技に方にハマりました」

──MMAとは自由な発想ができる戦いだと、改めて思うことができました。

「今日の試合も大尊選手にジャブとストレートが4発は入っていて、少しふらついていたように見えました。普通はここから打撃で倒しに行くはずです」

──そこで組んで、しかもテイクダウンではなくて引き込みました。

「若者らしくない戦い方です(笑)」

──とはいえ、リスキーな選択です。相当数の鉄槌をかわしていましたが、ジャッジの位置からすれば肩に当たっている鉄槌も、頭に当たっているように見えるケースもあるかと思います。

「それはあると思います。

ただスタンドも組む前のフックを1発被弾しただけだし、グラウンドで下になってももらっていません。大尊選手は首の辺りに血管が浮き出てきていたので、トップから鉄槌を振っていても疲れてスタミナをロスしていたに違いないです。アレが見えると、スタミナが切れてきたサインなんです」

──そうなのですか!!

「でも、僕も手首を抑えていたから腕がパンパンになって3Rに打撃戦はしたくない、2Rで極めようと思いました。ここで極め切れないと、終わりだというつもりで」

──その2Rの三角絞めは、タップ前にかなりヒジを下からいれていました。

「ガツガツ入れることができました。

逆にあそこでじっとしていたら効いていないのでしょうが、あんな風に鉄槌を打って来るということは苦しいから手を動かしているわけですし。極まってきているからタップがなくても、落としてしまえば良いと思って戦っていました」

──下を厭わないからこそ、下の戦いが知れるわけですね。

「だってUFCとかに出ている選手、絶対に普段は下からの攻撃を練習しているし、使えると思います。今日、マイケル・チャンドラーに勝ったシャーウス・オリヴェイラなんて寝技でも立ち技でもOK、あんな風になると怖いモノなしですよね。そういう風になりたいです」

──下攻めをして、フィジカル差も感じさせなかったです。

「僕、MMAはフィジカルじゃないと思っています。テクニックで負けている人間が、いくら体が強くても通じない。いくら強いパンチが打てても、当たらないと何もならない。KOできるパンチは、力でなく技術です」

──つまりこのままライト級で戦い続けるということですね。

「はい。海外にいってもライト級で戦います。マイケル・チャンドラーは173センチで、僕とあんまり変わりません。それに大きくしている選手は骨と内臓が弱まっています。僕はそういうことはしないのでチャンスはあると思っています」

──次に関しては川名雄生選手の名前を挙げ、修斗世界ライト級王座挑戦をアピールしました。

「ハイ。それ以外の選手は興味ないです」

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J-CAGE Report Shooto2021#03 ブログ 大尊伸光 西川大和

【Shooto2021#03】驚異の18歳! 西川大和がランク1位の大尊伸光を三角絞めで下す。次は世界王座挑戦か!?

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
Def.2R4分53秒 by 三角絞め
大尊伸光(日本)

前に出た西川に対し、距離を取る大尊。西川が右ローを放つと、大尊は右カーフを2発当て、西川は効いたかスイッチする。西川が前に出てくると、大尊はショートのパンチを当てる。突進してくる西川、組み付いてケージに押し込みながら大尊を引き込んだ。トップからパンチを落とす大尊。西川はパンチを交わしながら、下から三角を狙う。大尊の両腕を掴みディフェンスする西川だが、大尊は体勢をキープして、グリップを切ってはパウンドを落とす。

西川の下からの仕掛けを警戒してか、頭を相手の体につけてからパウンドを落とし始めた大尊。上下に強烈なパンチを放っていく。足を上げていく西川。それを振りほどいた大尊は、左腕を掴まれながら右を落とす。西川はスイープを狙うが失敗。大尊はトップをキープしながら、パウンドを打ち続けて1Rを終えた。

2R、ガードを固めて前に出る西川。距離が近くなるとサウスポーにスイッチする。西川が前蹴りで距離を詰めたところに、大尊が右ストレートをカウンターで合わせるが、西川はパンチを食らうも回ってテイクダウンに成功。バックマウントまで奪う。さらにマウントに移行し、大尊が体勢を入れ替えようとしたところで、西川が三角で捕らえる。大尊は体を起こしてディフェンスするが、西川も大尊の頭にパンチを落とす。

三角を固めながら、左ヒジも打っていく西川。大尊の頭を抱えて締め付けを強くし、大尊が体を起こすと腕を伸ばしにかかる。そうして三角の状態をキープしながら、パンチやヒジを当てていく。大尊も相手が見えないなかで左のパンチを放つ。ラウンド残り10秒のところで、極めに行った西川が、大尊からタップを奪った。

一本勝ちを収めた西川は「修斗に参戦させていただいて1年、環太平洋のベルトはいらないです。世界チャンピオンの川名(雄生)選手、僕と対戦してください!」と雄たけびをあげた。


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J-CAGE News Shooto2021#03 ブログ 内藤太尊 大尊伸光 宇田悠斗 宇野薫 小野島恒太 清水清隆 石井逸人 西川大和 野尻定由

【Shooto2021#03】計量終了 14カ月振りに全試合で正式階級&前日計量が実施され──全選手パス

【写真】セレモニアルでもなく、当日の1階級上でもない引き締まった空気感のある前日計量(C) THE 1

明日16日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03 の計量が、本日15日(土)に品川区の修斗ジム東京で行われた。

昨年3月のFight & Mosh以来、初めて全試合が従来の階級&前日計量が──非公開ながら実施された。トライアルルール戦も含め、全11試合。一人も体重オーバーはなく、明日の試合に臨むことになった。

全選手の計量結果は以下の通りだ。

<ライト級/5分3R>
大尊伸光:70.3キロ
西川大和:69.7キロ

<フェザー級/5分3R>
内藤太尊:65.8キロ
宇野薫:65.7キロ

<フライ級/5分3R>
清水清隆:56.7キロ
宇田悠斗:56.7キロ

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ:61.2キロ
坂巻魁斗:60.8キロ

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人:61.2キロ
野尻定由:61.1キロ

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太:61.1キロ
一條貴洋:61.2キロ

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
村山大介:65.5キロ
平沼ヤマト:65.7キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵:49.9キロ
檜山美樹子:50.0キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来:49.9キロ
北野きゅう:49.9キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀:50.0キロ
澤田千優:49.3キロ

<女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花:51.8キロ
柳仙香:51.9キロ

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Interview J-CAGE Shooto2021#03 ブログ 大尊伸光 西川大和

【Shooto2021#03】西川大和。大尊伸光戦へ─02─「勝って当たり前でなく、絶対に勝たないといけない試合」

【写真】MMA版、青年の主張(C)MMAPLANET

16日(日)、東京・文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03で、大尊伸光と対戦する西川大和インタビュー後編。

UFCを目指すと公言している西川が、今回の大尊戦と修斗で戦う意味について。そして目標であるUFCについて語ってくれた。
Text by shojiro Kameike

<西川大和インタビューPart.01はコチラから>


――2019年から意識が変わり、MMAで7連勝。そのうち修斗で4連勝し、次の大尊伸光戦に臨むこととなりました。

「7連勝できたというのも、自分を支えてくださっている皆さんのおかげです。僕が結果を出せているのは、周りの方が僕のために時間を犠牲にし、その時間を費やしてくれているおかげですから。でも、そこで天狗にならずに、しっかりと自分というものを持っていくことが今後のテーマですね」

――なるほど……今は修斗が主戦場となっていますが、もともと修斗については、どのような印象を持っていましたか。

「僕というよりも、父親は佐山聡さんに教えていただいていた人間ですから、僕が修斗で試合をしていることは、父も心の中では嬉しいんじゃないかな、と思います」

――心の中では? 西川選手が修斗で戦っていることについてどう思うか、お父さんに聞いてみたことはないのですか。

「ないですね。僕の父は頑固というか……いま国内の試合で勝っても、それほどワーッと喜んだりしないんです。……ゴング格闘技が今の形ではなく、ホッチキスで止められていた時代があったじゃないですか」

――はい、中綴じの時代ですね。

「当時、UFC日本大会でベン・ヘンダーソンがベルトを獲った大会(UFC144、2012年2月26日)の記事を読んだんです。その時の記事だと思うんですが、読んで『UFCは凄いんだ』ということが分かって。米国ではUFCが、メジャーリーグと同じぐらいの位置で見られている。今までUFCでチャンピオンになった日本人選手はいない。もし僕が日本人初のUFCチャンピオンになったら……」

――ゴング格闘技の記事を読んで、UFCを目指そうと思ったのですか。

「もともと父親がUFC、UFCと言っていたんですけど、僕には何のことを言っているのか分かりませんでした。でも実際にUFCを見て、記事を読んで、やっぱり凄い舞台なんだなと。だから僕は、UFCを目指そうと思いました」

――格闘技メディアに携わる人間として、そういう声を聞けると嬉しい限りです。では、次の大尊戦についてお聞きしたいのですが、以前MMAPLANETのインタビューで、修斗ライト級で戦いたい選手として大尊選手を挙げていました。その理由は何だったのでしょう。

「すみません、相手の方には失礼になるかもしれないんですけど……。僕は自分自身が強くなって、一つひとつ試合に勝っていきたい、という気持ちが強いんですね。それで修斗のベルトに一番近い存在は誰かと思ってランキングを見た時、1位に大尊選手の名前があって。それで『次は大尊選手と対戦したい』と言ったんです」

――大尊選手と対戦するのは、修斗のベルトを獲得するためということですね。

「はい。今年は必ず修斗のベルトを獲ります」

――大尊選手の試合をチェックしたうえでの発言ですよね?

「見ました。他の人からも『強い相手だからヤバいよ』『ローキックがヤバい』という声を聞きます。でも僕は『え、何がヤバいの?』としか思っていません。だって、この試合に勝たないと世界へ行けないんですから」

――決して大尊選手を過小評価しているわけではなく?

「はい。僕は勝って当たり前という言葉も好きではなくて。これは勝って当たり前の試合ではなく、絶対に勝たないといけない試合だと思っています。今後、UFCやONEなど海外のプロモーションと契約したいのであれば。

大尊選手は、国内でトップの選手です。僕のような若い世代が勝ち進んでいけば、そういうトップ選手の壁に必ずブチ当たると思います。今回は、自分がその壁を突破するための試合だと考えています」

――その壁とは、修斗の世界ライト級王者・川名雄生選手に対しても同じように考えていますか。

「はい。今回の試合に勝つことができて、次に世界チャンピオンシップで戦うことになっても、僕の中でワーッと盛り上がることはないです。世界チャンピオンシップも、僕の中では絶対に勝たないといけない試合だと思っています」

――目標のUFCへたどり着くために。

「そうですね。よく『今は若いから焦るな』と言われることがあるんです。でも他のスポーツでは、同じ年代で何千万円、何億円と稼いでいたり、すごく有名になっている選手がいるじゃないですか。それと比べると、僕は置いていかれているなって想いもあるので」

――なるほど。その目標のためにも修斗のベルト獲得を目指すわけですが、年内……18歳で戴冠というのは、修斗では最年少記録になりますね。

「え、本当ですか。それはもう、必ず次の試合に勝って、さらにベルトを獲らせていただきます!」

■視聴方法(予定)
5月16日(日)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Shooto2021#03対戦カード
             
<フェザー級/5分3R>
内藤太尊(日本)
宇野薫(日本)

<ライト級/5分3R>
大尊伸光(日本)
西川大和(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
宇田悠斗(日本)

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ(日本)
坂巻魁斗(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人(日本)
野尻定由(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太(日本)
一條貴洋(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵(日本)
檜山美樹子(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来(日本)
北野きゅう(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀(日本)
澤田千優(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
村山大介(日本)
柳仙香(日本)

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
宝珠山桃花(日本)
平沼ヤマト(日本)

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Interview J-CAGE Shooto2021#03 ブログ 大尊伸光 西川大和

【Shooto2021#03】18歳、西川大和。世界1位・大尊伸光戦へ─01─「親のスネをかじる生活はしたくない」

【写真】引き込み上等。この独自のスタイルで突き進む(C)MMAPLANET

16日(土)、東京都文京区の後楽園ホールでShooto2021#03が開催される。

昨年、コロナ禍でブレークスルーを果たした西川大和が、待望だったライト級1位の大尊伸光と対戦する。現在18歳、MMA7連勝中の西川に、これまでの練習環境やMMAの取り組み方を聞くと、18歳とは思えない──驚くと同時に、納得の練習方法を話してくれた。
Text by shojiro Kameike


――西川大和選手といえば、幼少期から父・武彦さんと一緒に行っていたトレーニングがテレビで紹介されたりしていました。現在18歳、プロのMMAファイターとなった今は、どのような環境で練習しているのでしょうか。

「出稽古三昧ですね。北海道という地域は格闘技ジムが少なくて、それほど練習環境が整っているわけではないので、あちこちで出稽古として参加させていただき、自分を強くしているという感じです」

――どのようなところへ出稽古を?

「ブラジリアン柔術のジムや、プロのファイターと時間を合わせて体育館で練習したり、国体に出場したボクシング選手の方と一緒に練習したりとか。あとはフィジカルトレーニングをやって、MMAをやっている人とMMAの動きを少しやって……という感じで1週間を回しています」

――現在は格闘技一本の生活なのですよね。

「はい。今は修斗でもタイトルが見えるぐらいの位置に来ているので、そこに集中したいと思って格闘技一本でやっています」

――そうして出稽古で積み上げてきたものを、お父さんが統括的に見る形なのですか。

「いえ、今はフィジカルトレーニングを見てもらっているぐらいです。僕はもう中学校の頃から自分ひとりで出稽古に行ったりしていました。父親からは『戦うのはオマエなんだから、自分自身でちゃんとコンディショニングや対策を組み立てることができないと、これから勝ち上がっていくのは無理。そのへんは考えて、しっかりやれ』と言われているので」

――えっ、今はフィジカルトレーニング以外、すべての練習メニューやスケジュールを、西川選手自身が組み立てているのですか。

「フィジカル以外の出稽古は全部、自分で管理しています」

――それは中学校を卒業してから?

「もう中学校の後半ぐらいから、ほとんどそんな感じでした。ずっと『自分で責任を持て』と言われているので」

――14、15歳でそれができるって、凄いですね……。

「あ~、そうですね。いろんな職業の方や年配の方とお会いすると、『その歳で凄いね!』とは言われます。出稽古先でも『え、何歳!?』とか(笑)」

――そうした練習内容やスケジュールの管理は、14、15歳ぐらいから完全にできていたのですか。

「そのやり方は、父親と一緒に回っていた時に身に付きました。父親と練習に行っていた時、『こういう時は、こうお願いすればいいんだ』『こういうふうに答えたら、相手も嫌に思わないのかな』って。

そもそもMMAって子供ではなく大人がやっている競技じゃないですか。大人にしか聞くことができない。そうやって大人と関り、大人から教えてもらう方法が身に付いていったんだと思います」

――……私にも高校生の子供がいるのですが、18歳の選手と話しているとは思えないです。そうして幼い頃から大人の社会で生き、学ぶものがあった。一方、出稽古で学んだことを、どうやってMMAとして組み立てていったのでしょうか。

「僕はMMAの練習というよりも、“1個1個の練習”のほうが多いかもしれないです。MMAのスパーは2週間に1回、ヘタすると1回もやらずに試合に出る時もあります。東京のジムだったら怒られるかもしれないですが……」

――それは怒られることというより、人それぞれのMMAに対する考え方や、または練習環境の違いではないのでしょうか。

「そうですね……前にMMAPLANETのインタビューでもお話したのですが、海外のMMAはボクシング&レスリングだって言いますけど、みんな下からも攻めることができるじゃないですか。みんな寝技のレベルが高いからスタンドで勝負に行く。でも日本のMMAは、とにかく立つことが正義みたいになっちゃっている。でも、下から極められるなら、無理して立たなくてもいいわけですよね」

――はい、それはもちろんです。

「だからスタンドはボクシングで勝負して、寝技は柔術やグラップリングで勝負する。その時にパウンドを付け加えればいいのかな、って僕は思っています。だから僕の場合は、MMAの練習というよりも、その1個1個の練習のほうが多いのかもしれないですね」

――なるほど。そうして2017年にデビューしてから2018年までの戦績は2勝2敗1分でした。それが2019年以降は修斗の4試合も含めて7連勝中です。そこで何か変わるキッカケなどはあったのでしょうか。

「まずMMAで世界を目指すうえで、負けている数が多かった。その戦績を見た時に『これはマズイんじゃないか』と思って、僕の中でエンジンが掛かったんです。『どうしてもここから勝っていかないと』って。これだけ小さい頃から格闘技をやっているのに、これっぽっちの結果しか出せていない。自分はこれだけしか頑張れない人間なのか……と。でもずっとでもずっと『世界一になりたい』『UFCでやりたい』と言っていて、こんなところで止まっているわけにはいかないので」

――それが2019年のことですよね。2019年といえば、西川選手はまだ16歳で……。

「それと、いつまでも親のスネをかじる生活はしたくなかったんです。親は僕のために、これだけのことをしてくれている。なのに自分が、こんなところで終わるわけにはいかない。格闘技の世界で上に行って、自分が親のために何かしてあげたいと思ったのが、2019年ぐらいです」

<この項、続く>

■ Shooto2021#03対戦カード
             
<フェザー級/5分3R>
内藤太尊(日本)
宇野薫(日本)

<ライト級/5分3R>
大尊伸光(日本)
西川大和(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
宇田悠斗(日本)

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ(日本)
坂巻魁斗(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人(日本)
野尻定由(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太(日本)
一條貴洋(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵(日本)
檜山美樹子(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来(日本)
北野きゅう(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀(日本)
澤田千優(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
村山大介(日本)
柳仙香(日本)

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
宝珠山桃花(日本)
平沼ヤマト(日本)

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J-CAGE News Shooto2021#03 ブログ 大尊伸光 宇田悠斗 清水清隆 西川大和

【Shooto2021#03】修斗内Young Guns=西川大和✖大尊伸光、宇田悠斗✖清水清隆。インフィニティの行方は

【写真】平良に続くか──と書き記すのは、あまりにも容易いことだが……(C)MMAPLANET

24日(水)、20日の後楽園ホール大会中に発表された──5月16日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03の対戦カードが改めてリリースされた。

8試合決定しているカードは男子4試合と女子4試合。3回戦は現状ではライト級の大尊伸光×西川大和と、フライ級の清水清隆✖宇田悠斗の2試合だ。

2020年J-MMAの一番のブレークスルーファイターといっても過言でない18歳の西川は、1月のマックス・ザ・ボディ戦まで8カ月で4連勝、いよいよ上位陣との対戦となり元環太平洋ライト級王者の大尊に挑むこととなった。

フライ級の1戦は突き抜けてきた平良達郎に続けとばかり、2019年の新人王で愛媛県は宇和島産プロシューター=宇田が、平良に敗れてからの再起戦となる清水と戦う。宇田は昨年12月に高松の闘裸男✖Force大会で、Gladiatorスーパーフライ級チャンピオンの宮城友一を下し、キャリア3勝1分とした23歳だ。

とはいえ清水は宇田にとって過去最強相手であることは間違いなく──過去の例をみても、このようなマッチアップで若い世代が上を越えたのは平良が特例であって、ことごとくベテランが意地を見せてきたが──果たして。

なお今大会かはコロナ禍以前のクラスに戻し、前日計量が行われる


女子は3試合がスーパーアトム級で杉本恵✖檜山美樹子、中村未来✖北野きゅう、小生由紀✖澤田千優、そして宝珠山桃花✖柳仙香のストロー級が1試合組まれた。

女王・黒部三奈、黒船・SARAMIの名前がなく、育成段階にあることを改めて印象付ける修斗の女子だが、Road to ONE04の平田樹戦を経た中村など以前とは注目度が違ってくるのは確かだろう。

中村にとって、北野戦は結果を残すことが不可欠の試合となる。

そんな女子戦のなかで、澤田千優がプロデビューは果たす。青学レスリング部出身、兄は「MMA転向に反対している」──ONEで活躍中、シンガポール在住の澤田龍人だ。澤田千優は去年のアマ修斗関東選手権で優勝した際には、AACC所属時代の兄のような構えからテイクダウン、徹底したボディへのパウンド攻撃で優勝しプロ昇格が認められた。

澤田千優がパウンド有りで強さをより発揮するのか。アップライトのストライカーで蹴りも使いこなす小生は、テイクダウンをされても一瞬で腰を切って腕十字という武器もあり、テイクダウン後も気が抜けないはずだ。

また今大会ではインフィニティリーグ2020バンタム級の最終対戦が2試合組まれている。現在勝ち点7、前回のよしずみ戦で勝利後に中指を立てる行為で厳重注意を受けた石井が、禊の一戦で野尻定由と対戦する。

野尻は20日の一条貴洋戦で、根性の一本勝ちより勝ち点を4とし優勝への望みをつないだ。

同じく勝ち点4の小野島は一条戦で逆転を賭ける。この2試合、石井が勝利すれば勝ち点を9とし、4点のままの野尻、小野島が初回でフィニッシュし4点を加点しても優勝が決まる。

他方、野尻が初回で勝利し、小野島が初回で勝ちきれない場合は野尻の逆転優勝を手にする。逆に小野島が初回でフィニッシュし、野尻が2Rでフィニッシュした場合は、小野島が8P、野尻が7P、石井も7Pで小野島がリーグ戦の頂点に立つ。

優勝の行方が最も不透明になるケースは、野尻と小野島が揃って2Rで一本もしくはKO勝ちした場合だ。この時は石井、野尻、小野島の3人が7点で並ぶ。そして石井は小野島とドロー、小野島と野尻もドロー、野尻が石井に勝利ということで、野尻と小野島の合計試合タイムの短い方が優勝になるのか──。また石井と野尻がドローで、1P加点し、小野島と石井が8点同士でポイントが並んだ場合も直接対決がドローだったたけ、合計タイム争いとなる。

いずれにせよ、石井だけが自力優勝できる状態にあり、この精神面がいかように左右するのか。勝ち方が問われ、試合タイムが鍵というインフィティリーグならでは盛り上がりを見せることは間違いない。

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J-CAGE Report Shooto2021#01 ブログ マックス・ザ・ボディ 西川大和

【Shooto2021#01】18歳の新星・西川大和が逆転のテイクダウンからマックス・ザ・ボディにTKO勝ち

<76.5キロ契約/5分3R>
西川大和(日本)
Def.2R3分23秒 TKO
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

オーソドックス同士、マックスの左ジャブに西川が左ローを合わせる。互いに打撃を繰り出す中、西川のバックスピンキックがマックスの急所を捉えて、試合は一時中断。再開後、西川が蹴りをキャッチされて尻もちをつくも、立ち上がってスイッチしながらローとジャブを放つ。マックスが組み付き、西川をケージに押し込む。西川はクラッチして、外掛けでテイクダウンを狙うも倒すことはできず。引き込むように下になった西川が、下から三角へ。マックスはこれを凌いで、トップをキープする。西川の頭をケージに押し込み、パンチを落とすマックス。そのマックスが離れると立ち上がった西川が、パンチから組み付くもマックスが体勢を入れ替えて、相手をケージに押し込んでいく。ケージ際で差し合いが続くも、お互いに離れて再び打撃の展開へ。マックスのワンツーをかわした西川は、左ローとバックスピンキック。マックスの左フックをかわしながら西川はバランスを崩すも、体勢を整えてローを当てる。さらに西川は組み付いていくが、マックスがバックを奪い、西川が立ち上がったところで右ハイをヒットさせた。

2R、ワンツーから組み付く西川。マックスが体勢を入れ替えて、西川に背中をケージに付かせてからテイクダウンを奪う。下になって足を利かせる西川。マックスは立ち上がってからパンチを落としていく。距離ができると立ち上がる西川。西川の右ローにマックスは右ストレートを合わせるが、西川のローが効いているようにも見える。マックスはパンチを振りながら距離を詰めて組み付くも、テイクダウンに成功したのは西川。ハーフガードを取るマックスに対してヒジと鉄槌を落とす西川。パスに成功し、マウントからバックへ。バックマウントを奪った西川がパンチを連打すると、マックスの動きが止まる。西川が右の拳を当て続けると、レフェリーが試合を止めた。

試合後、西川はUFCライト級を目指すと宣言。次は修斗世界ランカーとの対戦を希望した。

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Interview J-CAGE Shooto2021#01 ブログ マックス・ザ・ボディ 西川大和

【Shooto2021#01】マックス・ザ・ボディ戦へ、西川大和「相手が怖いという感情を持つと、終わりです」

【写真】2020年のブレイクスルーファイターだったことは間違いない西川大和。2021年はどのような1年にしていくのか (C)MMAPLANET

明日31日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催さえるShooto2021#01の第1部に西川大和が出場し、マックス・ザ・ボディと対戦する。

コロナ禍のJ-MMA界で、北海道からチャンスを掴んだ2020年を終え、さらなる飛躍が期待される18歳。マック・ザ・ボディ戦へぼ意気込みを尋ねると、その老成したようにも感じられるMMA観を石川は語った。


──12月20日に大阪で林RICE陽太選手にTKO勝ちし、1カ月と10日のインターバルで今回の試合を迎えます。

「あの試合が終わった時に会場で、『1月に大会あるけど出られるんじゃい?』という言葉を掛けてもらいました。期待してくださっているし、ケガもなくて出たいと思いました。コロナの状態で試合ができない選手も多いなかで、お話をもったとうのもありますし」

──対戦相手はマックス・ザ・ボディです。

「マックス選手が試合をしたがっているけど対戦相手がいないという風な話を訊き、これでクラスAで戦えるということでし、いけると思ったので受けました」

──76.5キロという体重に関しては?

「Grachanに出た時はウェルター級で戦っていますし、別に体重差が全てではないと思っているので、気にすることなくイエスという返事をしました」

──通常体重は何キロぐらいのですか。

「74キロとかですね」

──水抜き減量禁止が前提ですが、普段よりも重い契約体重になるのですね。

「でも、普段から自分より重い柔道の選手と組み技をやってもパワー負けすると感じることもないですし、MMAなので僕の方が引き出しも多いです」

──黒人選手、フィジカルは上だと感じますが。

「特に何も気にしていないです。僕は技術で戦う方ですし、力で組んでくるなら対処法はあります。打撃で振り回してくるんだったら、こっちから寝れば良いです。そして打撃でこないなら、こっちが打撃でいけば良い。怖いとか、思うことは全くないです。

格闘技をやっていて相手が怖いという感情を持つと、終わりです。勢いで飲み込んでやろうと戦う人間が勝つと思っています」

──ところで、マックス・ザ・ボディと同じような体格の練習相手はいますか。

「小さい人から大きい人までいます。僕、何かこうくるだろうって対策を考えて戦うことはないんです。対策練習もしないし。対策を立てて外れたらどうするんだって思います。それなら全般的に練習をして、準備をする。自分を出す、自分から攻撃をして相手をコントロールする。そして、相手の穴をついて戦うことが大切だと思います」

──西川選手は相手の弱い部分を攻めるということを常に言っていますが、真っ向勝負というかバチバチの打ち合いに関してはどのような印象を持っているのでしょうか。

「今後、そういうこともあると思います。凄く大切な試合が控えている時、タイトルマッチの前の試合や、RIZINでここで勝てば次はビッグネームと戦うことができるという話なら、乱打戦も可能になります。

でも、僕はなるべく長く選手生活を送りたいし、技術で勝ちたい気持ちが大きいので無駄な体力、無駄な力、無駄な攻撃を使って勝ちたいとは思わないです。

MMAはミックストマーシャルアーツ、全てが混ざったモノです。UFCに行って『打撃を使って盛り上げろ』と言われてもやらないと思います。打撃で行ける時は打撃、寝技で行ける時は寝技でいきます」

──もう老成しているかのようです。それが西川選手のMMA理論でマックス・ザ・ボディを相手にしても、そういう試合をするということですか。

「何かを狙って戦うということはないです。でも判定になることはないと思っています。大尊選手と同じ戦い方をするわけでもないし、違う技を使うことになると思いますが、それで試合タイムが僕の方が掛かっても、それも気にしてないです。違う試合なので」

──そこでマックスに勝利している大尊伸光選手の名前が出るというのは?

「ハイ。マックス選手に勝てば、大尊選手と戦いたいです」

──今後はライト級で戦っていくという考えなのですね。

「前日計量に戻ったらライト級、70キロでやります。ライト級で戦っていきます」

──そこまで断言できる18歳……やはり昨年の経験は大きかったですか。

「修斗の選手とは戦ったことがなく、どのようなスタイルの選手がいるのかという感じでいたのが、3勝できました。今年はこの経験をもとに、上の舞台に足を踏み入れることができるんじゃないかと楽しみなんです。去年は希望……思いが広がった1年になりました」

──では改めて、マックス・ザ・ボディ戦ではどのようなところを見てほしいですか。

「今のMMAはボクシング&レスリングじゃないよっていうところを見てほしいです。みな、ボクシング&レスリングとか言っているけど、UFCやONEでも下から極める選手も意外と多いです。だから、そこまでスクランブルをする必要はないかと思っています」

■視聴方法(予定)
1月31日(日)
第1部:午後1時~ ABEMA格闘チャンネル
第2部:午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■第2部対戦カード

<環太平洋フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]SASUKE(日本)
[挑戦者]内藤太尊(日本)

<65.8キロ契約/5分2R>
齋藤翼(日本)
新井拓巳(日本)

<61.2キロ契約/5分2R>
鎌田悠介(日本)
関口祐冬(日本)

<61.2キロ契約/5分2R>
佐々木駿友(日本)
寺嶋直人(日本)

<65.8キロ契約/5分3R>
石原夜叉坊(日本)
祖根寿麻(日本)

■第1部対戦カード

<65.8キロ契約/5分3R>
藤井伸樹(日本)
加藤ケンジ(日本)

<83.9キロ契約/5分3R>
山田崇太郎(日本)
グンター・カルンダ(コンゴ民主共和国)

<76.5キロ契約/5分3R>
西川大和(日本)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<インフィニティリーグ2020バンタム級(65.8キロ契約)/5分2R>
よしずみ(日本)
石井逸人(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級(65.8キロ契約)/5分2R>
小野島恒太(日本)
野尻定由(日本)

<70.3キロ契約/5分2R>
木下タケアキ(日本)
大瀬良康平(日本)

<77.1キロ契約/5分2R>
ヨシ・イノウエ(日本)
上原平(日本)

<61.2キロ契約/5分2R>
恐山陸奥太郎(日本)
一杉芳樹(日本)

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【Shooto2021#01】1月31日、ニューピアで北から西川大和、南から野尻定由出場。千尋の谷ファイト

【写真】西川大和、野尻定由──崖から突き落とされないで頂きを目指すことができるか (C)MMAPLANET

28日(月)、Sustainより来年1月31日(日)に東京都港区のニューピア・ホールにて2021年初イベントを開催、ラインアップが数試合発表された。

終わりの見えない新型コロナウィルス感染状況において、同一会場入れ替え制が定着しつつあるなか、修斗の2021年スタートも昼夜2部制となった。


コロナ禍の修斗公式戦はタイトル戦以外は当日計量で1階級上のクラスで戦うことが通例化されているが、今大会よりプレスリリースでは1階級重いクラス名を用いず、1階級上階級のリミットに等しい契約体重戦としてアナウンスされている。

またインフィニティリーグにおいてはバンタム級(65.8キロ)、つまり北米ユニファイドでのフェザー級いう表記の仕方と採られている。

そんななか今回明らかとなったのは6試合。65.8キロでバンタム級の藤井伸樹と加藤ケンジが対戦する。ジャパニーズゾンビこと藤井伸樹は、9月に後藤丈治との激闘を制したが、ここで1年2カ月振りの修斗凱旋──2020年はRIZINで1勝1敗だった加藤を迎え撃つこととなった。

また2020年は修斗で3連勝したスーパー18歳の西川大和が、なんと76.5キロとほぼほぼウェルター級でマックス・ザ・ボディと戦う。修斗に関係するところではマックス・ザ・ボディはグラチャンで飯田建夫に敗れ、グラジエイターでウエタ・ユウに勝利している。修斗公式戦では9月の渋谷O-East大会で大尊伸光にKO負けしているが、一発の強さとフィジカルは西川が経験したことがない相手ともいえる。

とはいえ、北海道時代は無差別級のような状況でも戦ってきた西川だけに、全局面で相手の弱点をつくファイトができるようなら──この試合を経て、ライト級でランカーとの対戦も見えてくる一戦となりそうだ。

さらにここもコロナの影響でリーグ戦の消化が年を跨ぐようになったインフィニティリーグ2020では、現在勝ち点トップのよしずみ✖石井逸人、小野島恒太✖野尻定由の2試合が組まれている。

野尻は昨年のバンタム級新人王で、インフィニティリーグに抜擢されていたが、九州組ということでなかなか試合が組まれなかった。結果、1年1カ月のブランクが空き──環太平洋王座挑戦経験があり、藤井と対戦する加藤に勝利しているベテランと対戦することとなった。

若い才能を崖から突き落とすマッチメイクも、もはや修斗の伝統だ。救いの論理のない、無慈悲な生き残り合戦──若い力も、ベテランも勝つしかない。

この他、70.3キロで木下タケアキ✖大瀬良康平、女子54キロ契約で野尻の同門=宝珠山桃花✖柳仙香の対戦が決まっているが、昼夜どちらの大会に振り分けられるかはこれからの発表となる。

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J-CAGE Report Shooto2020#08 ブログ 林RICE陽太 西川大和

【Shooto2020#08】西川大和、18歳初戦で策士振りと冷静な判断も見せ林RICE陽太をパウンドアウト

【写真】気持ちは絶対に熱くなっているはずだが、体が覚えているのか──ハッとさせられるほど冷静な選択をすることがある西川 (C)MMAPLANET

20日(日)に大阪市淀川区のメルパルクホールOSAKAで、本年度最後のプロ修斗興行=Shooto2020#08が行われた。ここで第2試合、西川大和✖林RICE陽太の一戦をお届けしたい。

2週間前に18歳になったばかりの西川は、4月のRoad to ONEでもムエタイマッチから5月と9月の修斗と2020年を飛躍のきっかけとした。これがきっかけで終わるのか、飛躍の年とするのか、初の大阪での一戦に挑んだ。

<73キロ契約/5分2R>
西川大和(日本)
Def.2R2分35秒by TKO
林RICE陽太(日本)

西川は左ローに続き、右ミドルを蹴るが林の左ストレートをカウンターで受ける。もちろん怯むことなく打撃戦を仕掛けるは右ヒザにも左を被弾しそうになる。

中間距離での打撃戦から林が組んでケージに押し込むと、西川は修斗で禁止されている掌底を繰り出し、レフェリーに注意を受ける。その後、クリンチや首相撲の攻防から西川はワキを潜ってバックに回る。

前方に崩した林がバックを取ったままスタンドに戻る。西川は前転して回避し、スクランブル。今度は逆にワンツーを振るいながら前に出て、シングルレッグを仕掛けて一気にテイクダウンを決める。

蹴り上げを受けた西川は「立ってやろうぜ」と、離れて林が立ち上がるのを待ち受ける。

林は起きがって即跳びヒザを狙い、着地と同時に左ストレートを放つ。と、ここで西川はなんと組みついてボディロック&小外掛けでクリーンテイクダウンを奪う。林はバタフライガードを取り、立ち上がった西川にここでも蹴り上げを放つ。

ローを蹴けり、飛び込んでパスを狙う西川は林の足を捌いてニーインベリーへ。さらに背中を向けてスクランブル狙いに林のバックをとり、両足をフックして絞めへ。直ぐに時間となり、初回は西川のラウンドとなった。

2R、西川は左前蹴り&右サイドキックで話を突き放し、距離が詰まると組んだ林がケージに押し込んでいく。左腕差して体を入れ替えた西川に対し、林も左腕を差してもう一度押し込み返す。

小手投げを耐えた林がケージを背負わされてもヒザを狙う。首相撲からより勢いのあるヒザをボディにヒザを突き上げた西川は、林のヒジ打ちから離れると右フック、続いてストレートを打ち込んでいく。

林が左を差しに来ると、接近戦でも右ハイを狙った西川だが、組まれてケージに押し込まれボディロック・テイクダウンを許す。直ぐに立ち上がった西川は左ロー、林の左の蹴りをキャッチしてテイクダウンを奪う。

一気に足を捌いてパスを決めると、サイドからサイドバックを西川が取る。消耗が激しくなってきた林は、座った状態でケージを背負わされ、懸命のバタフライフックも腕を押されてクラッチを組めず、背中をつかされてしまう。ハーフの状態でエルボーを落とした西川が立ち上がると、すかさず林は蹴り上げを狙う。

ここも頭を下げて飛び込み、西川は一気にパスを決めるとサイドで抑え、一度はバックに回るが林の右手を背中越しに取り、がら空きになった顔面を殴っていく。

しっかりと背中をマットにつけることで、右手を自由にした林だったが、逆に正面からエルボーを打ちつけられ、背中を向けることに。

両足をフックした西川は林が立ち上がると乗りすぎになる。ここでバックにも固執せず、腕十字に移行して下になることリスクも減らし、自ら着地──即バックに回り直す。

後方から殴り、ケージに詰めて正面に回ると西川はエルボー打っていく。回って離れた林もローに左を合わせるが、テイクダウンの仕掛けをスプロールからがぶられバックを許す。ニアバックマウント、サイドバックで容赦なくパンチを打ちつける西川は、座った林の正面に立ちヒザを胸に蹴り込む。

ついには座ったままでパンチを打たれるようになった林はヒジを顔面に受けて、マットに背中をつける。西川が起き上ってパンチを落とすと、ついにレフェリーが試合を止めた。

「立て」と言いながら直後にテイクダウンの策士振り、加えて座った相手の胸にヒザを入れ、背中に乗っても落とされて不利ならないようチョイスできる冷静さと勝負師としてのリスク管理。体力任せのガムシャラさ若さが武器のようでいて、その実──西川は勝負の綾を読み効率的な攻撃を身につけている。2021年こそ本当の意味で飛躍の年とできるか、楽しみだ。


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