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【ONE120】5月28日のシンガポール大会は初のオール女子イベントに。GP初戦で平田はアンダーソンと対戦

【写真】トーナメント出場選手のなかでいえば、アンダーソンは怖くはないが不気味な相手だ (C)INVICTA FC & MMAPLANET

12日(金・現地時間)、ONE Championshipが公式SNS上で5月28日(金・同)にシンガポールでONEにとって初の女子だけのイベントONE120「EMPOWER」を開催することを発表した。

メインはONE世界女子ストロー級選手権試合=王者シィォン・ヂィンナン✖ミッシェル・ニコリニで、またこの日から開幕するアトム級女子GPの準々決勝とトーナメント枠も明らかとなっている。


日本から出場の平田樹の相手は、米国のアリス・アンダーソンに決まった。アンダーソンはキャリア5勝1敗、Invicta FCで2勝1敗と勝ち越している。エクストリーム・クートゥアー所属のアンダーソン──シンガポールから米国に戻ったミーシャ・テイトが同所で練習をしており、みっちりと平田対策をこうじてきそうだ。

なお平田と同じ山でモン・ボー✖リトゥ・フォーガットが組まれ、インドMMA界の勝利のエースにキャリア5戦目の試練が与えられた。

(C)ONE

注目のONEデビューを迎えるハム・ソヒは、一度はアンジェラ・リーへの挑戦権を獲得していたデニス・ザンボアンガに。残る1試合はアリョーナ・ラソヒーナとスタンプ・フェアテックスで1月22日大会からのダイレクトリマッチとなる。

当日は女子のみの出場ということで、メインカード扱いであろう上記の試合以外のリードカード等も男子の出場はないのか、気になるところだ。

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE04 アリス・アンダーソン スタンプ ハム・ソヒ ブログ モン・ボー 平田樹

【ONE】After 2/22平田樹─03─「GPの相手だったら、コレで勝てるなら絶対に仕掛けます」&「楽しみ」

【写真】もう2月22日は吹っ切れた、平田樹 (C)MMAPLANET

2月22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されたRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、中村未来にTKO勝ちした平田樹インタビューPart.03。

試合のデキ、アトム級GP出場発表の際の周囲のざわめき──を経て、5月28日に開幕するGP出場に向け、平田樹は2月22日をどのように消化、糧としているのか。

インタビュー最終回、平田はあっけらかんとしているぐらい、これからを見ていた。2月22日が終わっても、ガキには未来しかないようだ。

<平田樹インタビューPart.02はコチラから>


──自分でやりたいことをする。内山高志さんとのボクシング練習もそこがスタートだったのですか。

「内山さんのところは大沢さんから『1回行ってみたら』と言ってもらって。その1回でパンチの打ち方が悪いから肩が痛くなるとか、修正してもらえたんです。その時に凄いって思って練習させてもらうようになりました。

それは、やっぱり自分が求めているものだから通っているわけで。そう思うと、やっぱり自分のやりたいことにトライできるのは今の自分の強味だと思います」

──自信のやりたいことというのは、やる気に通じると思いますが、中村戦を踏まえて何をしていかなければいけないと感じましたか。

「自分的にはレスリングを強化したいです。前回の試合では少しはできていたんですけど、もっとできるはずだし。技ももっと覚えないといけないです。GPを勝ち上がっていくにつれ、どんどん強くなれると思います」

──レスリングで修得したいのはテイクダウンですか、それともコントロール?

「テイクダウンとコントロール、両方やりたいです。あとは柔術、寝技だけもやりたいです。MMAをやることが多いのですが、寝技はやっぱり練習していて楽しいです」

──ところで柔術はどこで練習しているのですか。

「トミー・ヤノさんって柔術の子がいて。イグルー所属らしくてクレイジービーにも来ているので、その子に寝技を教えてもらっています。お兄ちゃんも寝技が好きだし、寝技って次から次とつながるのが面白いですね。極まった時はメチャクチャ嬉しいですし(笑)」

──そこをまたMMAに融合させていたかないといけないということですね。抑える寝技と、殴る寝技はルームが変わってきますしね。

「そうなんですよね。めちゃくちゃ難しいです」

──そんななかGPですが、気になる選手はいますか。

「一番はモン・ボー選手です。右ストレートが男子並みの威力なんじゃないかと思って。ただワンツー、ワンツーでそこだけで。変な投げもしていたけど、グラウンドではパウンドの方が好きなんだなって」

──ONEのアトム級ではずば抜けて大きいような気がします。

「デカかったですね。55キロですもんね、前の試合も。でもあれだけ大きいですし、上がって来るんじゃないかと思います」

──不気味なのがアリス・アンダーソンです。

「映像を見たんですけど、下ばかりやっていないですか?」

──はい。ただし、最後の試合が1年半前です。米国、エクストリーム・クートゥアーの所属で……なんというのか、ONEで戦う女子選手は得意と不得手な部分がハッキリしているケースが多いですが、北米の選手は90点と30点とかでなく、60点で揃えることができる。そういう選手に成長していれば、平田選手にとっては未知の相手ではないかと。

「ONEの人は彼女の今を知っていると思うので、相当なレベルにあるとは思っています。バランスも良いし、気持ちも強い。そういう部分で考えると、中村選手とは骨格も体の強さも違うはずです。クローリン選手も打撃も体も本当に強かったです。小さいのにこんなに強いんだって思いました。

だからアンダーソン選手は身長も高くて、リーチも長いから、どれだけ強いんだろうなって」

──そういう選手を腰に乗せて投げると、どうなるのか。

「背中に乗せても足がマットに着いていて、バックを取られてしまうと思います。今まで自分より小さい選手としか戦ってこなかったので、ああいう背の高い選手が組んでくると、そのまま押し込まれるかなとか考えますね」

──もし、戦うなら……ですね。

「ハイ。アンダーソン選手ともしやるなら」

──正月にハム・ソヒ選手と、将来でなく今戦いたいと言っていたではないですか?

「ハイ」

──そこでハム・ソヒ選手の妹分で、平田選手とも練習しているパク・シウ選手に今の両者の実力を比較してもらいました。そうしたら『問題になりません』と。

「どういうことですか?」

──相手にならないということかと。

「アハハハハハ。私もパクさんに、ハムちゃんってどれぐらい強いのですかって聞いたんです。そうしたら気持ちがメチャクチャ強いって。やっぱりそうなんですよね。技術云々じゃなくて、気持ちが強いから何でも返せるって」

──技術もあって、気持ちも強いのだと思います……。

「浜崎さんとの試合を見ていても、最後までやり切っているし。その部分は自分と違いがあるなって思います」

──今、名前が挙がった3選手も含め、トーナメントの間に戦ってみたい選手は誰になりますか。

「えぇ……モン・ボーさん、ハムさん、スタンプ……皆になってしまいますね。皆、強い。結構、ヤバいメンバーだと思います。ONEに出ている選手しか、彼女達と戦えないわけだし」

──ヤバいと思っている時の方が、欲をかくことなく勝利に邁進できるかもしれないですね。正直、先日の中村選手との試合では平田選手の表情が弱気に見えたことがありました。あれは戸惑いだったのか、それとも怖いと感じたのでしょうか。

「怖いというか、打撃をしたいけど上手くできるか分からないという迷い。でも、組んで投げると絶対的にいけるけど、それをやっちゃいけないだろうっていう迷い……ですかね」

──いける自信があるのに、やってはいけない……。それ、今も思っていますか。

「そうなんですよね……。GPの相手だったら、コレで勝てるなら絶対に仕掛けます。やっちゃいけないなんて思わないですよね。そこが相手を見て、そういう風になってしまった自分のダメなところが出たと思います」

──もう2月22日を良い方向に活かせそうですね。無理はしていないですよね?

「ハイ、次の日は落ち込んでいましたけど」

──結局、試合後に行きたいと言っていたマクドナルドには?

「次の日に行ったんですけど、そんな気持ちだし……あまり美味しくなかったです。でも今はシンガポールで戦えることが凄く楽しみです。あのデカい会場で戦うの、初めてなんです」

──意外と、そうなのですね。

「大会を見に行ったことはあるんですけど……。それに去年の2月には無観客になって、シンガポールにいるのにまさかのホテルでTV観戦になってしまったんですけど」

──アハハハハ。今回も恐らくは上限のある、キャパに対して本当に少ないお客さんの前で戦うことになるかと。

「お客がたくさんいる方が良いけど、そこは期待しないようにします。でもONEの本拠地ですし、シンガポールで戦えることが楽しみです。それと早く対戦相手を発表してほしいです」

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE04 ブログ 平田樹

【ONE】After 2/22平田樹─02─「チンタラやっている友達はいらない」&「女子高生っぽいのは面倒くさい」

【写真】ミーシャ立ちの平田。まだまだぁ (C)MMAPLANET

2月22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されたRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、中村未来にTKO勝ちした平田樹インタビューPart.02。

5月28日に開幕するONE女子アトム級GP出場もアナウンスされたことで、また違った逆風が吹いた平田は、これからの練習環境をどのように感じているのだろうか。

自分と同じような世代での練習環境、他の競技との交流──試行錯誤が続く。

<平田樹インタビューPart.01はコチラから>


──試合後の落ち込み具合とは、もう正反対の精神面ですね。

「試合後はマジで、一生見せられないぐらいの最悪の自分でした(笑)。でも、もう一周回った感じですね」

──とはいえ山口選手の練習仲間の反応を見ていると……浜崎選手にしてもGP出場メンバーに関して『ほとんど知らない選手』という書き込みがあったり、ああいう言葉を見るともう一緒に練習はできないだろうなと。今後、練習環境はどうしていくのかという危惧はあります。

「難しいですね。良く思われていない自分と……世代の差、対決でないですけど、そういう部分は出ているように感じます」

──若い選手も上の世代と練習しているし、平田選手と交流しづらい空気が完全にできたと感じました。

「そうですね……逆に、そういう存在になったという風に捉えて、同世代だけの練習環境を創りたいと凄く思います。技術も今から創っていく、フィジカル的には自分たちに合った動きもあると思うので。

そこは対抗するわけじゃないですけど、違うところを見せないといけないです。だからMMAだけじゃ狭いし、戦っているところが違うということで気まずさがあるなら、MMA以外まで練習仲間を広げていって勉強したいと思います」

──と同時に、彼女達は女子MMAを続けるうえで練習仲間とも試合をし、顔面を殴り合い──でも信頼関係を築いている。そういう彼女たちの歴史があって、今に通じているとは思います。

「そういう女子MMAが大変だった時期があったからこその今ということに関しては、その世代の方への尊敬心は持ち続けています。それでも、自分ぐらいの世代の女子選手は少ないので、自分たちの練習環境を創っていきたいという気持ちでいます。

ただチンタラやっている友達はマジでいらないです。女の子、女の子してMMAを戦っている人じゃなくて、練習で殴り合って、終わったらご飯を食べに行く。そういう関係で、ダメなところも指摘しあえるような存在の人達とやっていきたいです。なかなか難しいわけですけど」

──世間を動かすのではなく、自分の周囲の反応を大切にする。そこは今のJ-MMA界の男女に共通している部分だと思います。でも、女子選手間の人間関係の難しさって……自分は正直、このご時世で言うと問題なのかもしれないですけど、男の選手より感じます。仲良く笑顔でいて、どこか刺し合っているような。

「アハハハハ。女の子の性格は……。う~ん、グループになって女子高生っぽいことは、本当に面倒くさいので。自分が絡んでいる人って、どちらかというと女の子離れしている性格なんです。その方が一緒にいて楽で。女の子、女の子して格闘技をするのは、一番面倒くさいです」

──これは個人的な話になってしまうのですが、自分は若い頃に好みの女性のタイプっていうのがないと周囲から言われていました。遊び相手なら正直、誰でも良かったというのもあるのですが(笑)。ただし、付き合ったり、結婚した家内に関しては女性だからではなくて、人間として尊敬できた。だから女子云々でなく、人間関係だと思っているんです。

「あぁ、間違いないですね。人間ですよね」

──女を武器にしないというか……。そういうて、先ほどZoomでインタビューしたミーシャ・テイトに初めて取材した時の後ろ手で組んだ立ち方とか、凄くドキドキしたとかスタッフと話していたのですが(笑)。

「アハハハハ。あぁ、こういう立ち方ですよね(とミーシャと同じポーズをとる)」

──あぁあ、ミーシャと全然違いますねぇ(笑)。平田樹は体育会系だ。

「それは……負けましたね(笑)。でも、そういう練習環境は本当に創りたいんです。それが女の子って……しかも自分ぐらいの世代って、そういう女の子同士にありがちが感情が凄く残っていて……。ずっとあるのかもしれないですけど、それが激しいというか」

──「BBAなめるな」世代、20代前半や10代後半世代、その間にいる世代、それぞれの立ち位置もあるのでしょうが。実はこの間の世代──三浦彩佳選手たちの世代の踏ん張りに期待したいというのもあります。ところで首投げから袈裟の先輩として、三浦選手も自分自身、周囲の評価と戦ってきました。

「三浦さんが去年の2月にティファニー・テオに完全に対策されて、バックに回られてパウンドされた。あの試合を見て、色々と考えることはありました。そこからの展開を作らないといけないと。

投げ切れると良いのですが、それができないと自分も同じようになるなって」

──平田選手が最後にあの形で勝ったのは大内刈り、ダブルレッグでテイクダウンをしたときにコントロールできなかったから。対して、袈裟だと一番安定感があった。

「寝技だけの練習だとできることが、MMAになると考えることが増えて頭の中がグチャグチャになってしまうんです。そうなると、試合中の動きも雑になってしまって。試合を意識して練習するといっても、やっぱり練習は練習なので。そこが凄く難しいです。

でも、やっぱりどんどん練習していけば試合に生かせる。それは絶対です。GPまで時間はあまりないですけど、とにかく練習することだと思っています」

──平田樹という選手が置かれている状況は、他の選手にはないモノです。何も考えずに、ノビノビと経験を積めるモノではなくて。技術的にも練習して、自身でMMAに落とし込む感じかと。

「大沢さんがアドバイスしてくれることもあるのですが、やっぱりずっと一緒にいるわけではないので。でも、自分がやりたいことを自分で決めることができるのも強味だと思っています。

誰かに言われて、その練習をするのではなくて。自分でやりたいからやる。それが自分で考える力になっていますし」

<この項、続く>

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Interview ONE Road to ONE04 ブログ 平田樹

【ONE】After 2/22平田樹─01─「もっと友達は欲しいとは思っているんですけど」&「ONEの女子はイツキ」

【写真】3月5日発売のKAMINOGEで、初カバーを飾った平田樹(C)MMAPLANET

2月22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されたRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、中村未来にTKO勝ちした平田樹。

試合後には不貞腐れ、また涙も見せた。キャリア4戦目、初めての挫折といっても良い経験をした平田だが、その2日後には5月28日に開幕するONE女子アトム級GP出場もアナウンスされた。

良くも悪くも、既にJ-MMA界の顔となった21歳の女子ファイター──唯一無二のキャリアを歩む、平田樹の今の想いとは。5日(金)にChateau AmebaでGP出場に向け、各メディアとリモート会見を行った直後の平田に話を訊いた。


──中村戦から10日ほどが過ぎました。この間、何をしていましたか。

「試合の2日後ぐらいから、体を動かし始めました。試合の写真とか皆が送ってくれるのですが、それを見ると……もう溜息で……。なんであんな試合しちゃったんだろうって、どうしても考えてしまって。

でも、すぐにGP出場が決まったので『トーナメントがあるから』って気持ちを切り替える。で、また考えるという風なことを繰り返していました」

──すぐに次の試合を考えるということは、体と心をリラックスさせることはなかったということですね。

「特には……あっ、でもワンちゃんを飼いました。そこが一番のリラックスかなぁって。オスのワンちゃんでめっちゃ可愛いですよ」

(同日同所でリモート取材のあった)青木真也 お前、太ったなぁ。太っただろう(笑)。

「アハハハ。太ってないですよ」

──少し肌も荒れ気味なので、ちゃんと遊んでリラックスできたのかと思いました(笑)。

「これは……犬に噛まれたり、舐められるとこうなっちゃったんです(笑)。青木さんはすぐに『太った』って言ってきて……。

う~ん、リラックスとは違うかもしれないですけど、試合後に同い年の名古屋の友達に電話をして……この時期だから、どこかに遊びに行くことはできないですけど。去年は12月に名古屋の友達の家に行って1日ゴロゴロしただけで、東京に戻ってきたんです(笑)。別に何をするのでもなく、そうやって一緒にいるのが一番良くて」

──おお、良かったです。同世代、同性の友人とそういう時間を過ごせて。

「2人いますね(笑)。もう1人は地元の足立区の子なんですけど、看護の仕事をしているから凄く忙しくて。何かあった時、とりあえずは彼女達に相談しようって。そこから親と話すように順番は変わりましたね。

今回も名古屋の子にすぐに電話をして『最悪だったよ』とか話していました。そうしたら『自分が一番分かっているから、それで良いでしょ』って言ってくれて。彼女も柔道をやっていて、少し格闘技をしていた時期もあるけど、家庭の事情とかもあって続けられなくて。

『私の分まで頑張って』という風に言われたこともありますし。看護の仕事をしている友達は、本当にめっちゃ大変そうで。遊ぶ時間がないどころか、休む暇がない。家でもずっと提出物を書いていたりして。彼女と比べると、自分は半日ぐらいの練習で、自由な時間もありますし。そうやって考えると、恵まれているなって感じました」

──しかし、良かったです。私は自分の娘に彼氏や旦那というモノは突然のフィーリングでいつでもできる。だから同世代、同性の友人を大切にしないさいと言っているんです。そういう存在が平田樹からはあまり伝わってこず、ペットまで飼いだしたらどうなるんだと感じていたので、ホッとしました。

「ずっと寮に入っていて東京にいなかったから、もっと友達は欲しいとは思っているんですけど……」

──人数ではないと思います。中村戦後に連絡できる友達がいるのだから。

「格闘技界に入って、格闘技仲間じゃないですけど……同じ競技の選手より違う競技の選手と仲が良くなりたいというのは大きいです。でも、どうしても女子選手は少ないですしね」

──他にないキャリアの積み方という表現を良くしてきましたが、だからこそ得られるモノと失うモノはあるということですね。常に大人に囲まれ、強面のお父さんもいますしね(爆)。

「アハハハ。そういう中にあって、アニキ……お兄ちゃんの存在には助けられています。やっぱり親との関係は違うので。お兄ちゃんは自分のいうこと、技のこととかもまずは肯定してくれて、そこから色々な意見を言ってくれます。格闘技のこと、私生活のことも。そこは親とは違うところで。一番頼ってしまうので、すぐに連絡しちゃいます」

──ところで試合後に、エゴサーチはしましたか。

「しました!! 試合が終わって、車に乗ってから速攻でしました。でも自分的には8割ポジティブで。ここまで期待されているんだからっていうことは、良い風に捉えることができましたね。『回りが求めているモノが高いから、それが平田樹だ』っていう風に結構言ってくれて。

ONEの人達もそうだし、それだけ多くの人が視てくれたんだ──と思って、ネガティブな意見よりもそっちの方に目が行きました」

──ポジティブシンキング、良いです(笑)。

「アハハハ」

──しんどい時に自分を攻撃してくる文字を追うのはキツイですしね。

「そうですね。また言われているわって……。でも、今回はそんなになかったと思います」

──そんなRoad to ONE04から2日後にONE女子アトム級出場選手が発表されました。

「ハイ」

──結果、直接名指しのバッシングではないですが、山口芽生選手の怒りはともかく、そこを支持する声は平田樹批判と捉えることができました。

「ハイ、いっぱい見ました。代理戦争に勝った時に、また戻ったなって。まぁ良くは言われないですよね。でも、ああいう風に言われて、何か自分にマイナスになることはあるのかなって考えるようになりました。

で、ならないなって。私はここで勝っても、また何か言われ続けるだろうし。それが現実だと思います」

──ぶっちゃけてファンではなく上の世代の選手達の反応には、どのように感じましたか。

「えぇ……別に……。シュンってなるより、周囲ももう違う、自分の方が強いという……ONEの女子はイツキという印象が多かったので、そこは胸を張って日本代表として行こうと。そういう自信とは違うけど、『もう違う』というのはあります」

<この項、続く>

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Bu et Sports de combat Interview ブログ 中村未来 岩﨑達也 平田樹

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。平田樹✖中村未来「やり取り&暴力の打撃」

【写真】練習通りの動きが出せなったと振り返っていた平田だが、練習通りできないのが試合である (C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──Road to ONE04における平田樹✖中村未来とは?!


──キャリア4戦目にして、初めてのメイン。そして、思い通りの試合ができなく試合後に涙を見せた平田選手でした。

「一流選手あるあるかと思いました。強いのは圧倒的に強い、可能性も持っている。でも、上手く戦えなかった。その要因を試合にだけ求めてはいけないです。普段の自分、普段の練習を今一度、見つめ直す。

ああいう試合になったのは、中村選手の立ち上がりが何よりも良かったからです。パンチからロー、ローからパンチ、あの攻撃をもっとやりきれば倒しきれないまでも、文句なしの判定勝ちできるぐらいの試合を中村選手はできていたかもしれないです。

ただし、それが出来なかったのも事実です。組んで倒された。そして、ここから中村選手がまた柔術を使って粘ることができた。平田選手は自分のリズムで戦えない状況が増えていきました。私は寝技のことは理解が乏しいですが、一度倒したときにもう立たせないという動きが身についていないと、仮に倒してから抑える技術があったとしても、すぐに立つような攻防が体に入ってしまうような気がします。

最近、男子のMMAでもいわゆるスクランブルという展開になると、疲れるのを嫌がってか上を取った選手もしっかりと抑えない。立って、寝てという試合になることが多いですが、それは練習でも意識レベルがそこになっているのだろうと思いました。抑えようとした結果、立つのではなく。立つモノとして稽古をしていると、試合もそうなる。

私も松嶋こよみと大塚隆史のレスリングのスパーを見ていて、なぜそこで粘れないのか──ということがあって、次は絶対に取らせないで動けというと──動けるんです。でも、疲れますよ。ただし、稽古というのはそういうことで。できないことをできるまでやる。できないから、次の展開というのはトレーニングということになります」

──そこが平田選手も見られたと。では、懸命に取り組んできた打撃が出せなかったことに関しては、どのように見られましたか。

「その一生懸命やってきたことで、MMAとしての攻撃のバランスが崩れた。そういう時期でもあるのでしょうが、彼女の中でまだ整理ができていない。ボクシングのパンチというのは、やり取りのパンチです。自分が打つ、相手が打つ。かわす、ガードする。かわされる、ガードされる。そういう繰り返し、やり取りの打撃です。そこに突き詰めた技術がありますが、同時に暴力の打撃ではない」

──暴力の打撃、ですか。

「ハイ。対して、平田選手は去年の2月のインドネシアの大会で、自分より打撃だけなら上の選手に組みと荒いけど暴力の打撃で間を制し、質力の高い攻撃を仕掛けることができていました。MMAは暴力の打撃だけでどうにもならないので、やり取りの打撃が必要になってきます。ただ、そこに寄り過ぎていると、やり取りで中村選手が先手を取られ、その経験に乏しい平田選手はやり取りができなく、また暴力の打撃もだせなくなったように感じました。

組技ベースの選手の打撃に、打撃の選手が打撃でやられるということは、これまでもMMAではいくらでもありました。それはやり取りの打撃が暴力の打撃にやられるということです。チャド・メンデスだとか、ユライア・フェイバーだとか。あれは暴力の打撃ですよ。昔でいえばヴァンダレイ・シウバが、ミルコ・クロコップにパンチをあれだけ入れた。

平田選手は暴力の打撃という良さが、この間の試合では出せなくなった。それも成長過程にあるということでしょうね。そこを整理できるための指導力が、今の彼女には必要で。あの選手に何もかも負荷がかかるのは、大変ですよ。

中村選手は大健闘しました。ただし、結果的には良さが出せなかった平田選手が、自分が採りたくなかった手段でTKO勝ちした──というのが事実です。それだけの力の持ち主、ホントにONEじゃなくてUFCだろうっていう可能性を持っている選手が、これだけ興行という面にも関係しているのは、もう大変なことですよ。だけど、それを乗り越えていってほしいですね。

なんというのか、小麦なのか、米なのか、とうもろこしなのか。その素材の良さを生かした調理方法があるように、彼女の素材の良さは何なのか、それを考えた指導と育成が重要です。ジムを変わったという記事を読みましたが、大沢ケンジさんも大役を仰せつかって大変ですけど、そこを築いていってほしいです。彼ならケツを叩いて、追い込む指導を平田選手にできると思います。

それと平田選手のメンタル面として、今回の試合に関しては──必要なのは反省でなく、研究です。素材、才能は疲弊します。だから、しっかりと自分を磨き続けてほしいです」

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE04  アドリアーノ・モライシュ ブログ 中村未来 平田樹

【Road to ONE04】「気持ちが今はどうにも整理できないです」試合後、会見前。控室で平田樹が語ったこと

【写真】終始うつむいていた平田に、カメラ目線を要求。21歳、大人のビジネスに組み込まれたスポーツ競技で過去に例のないキャリアを積んでいる彼女への要求は高く、風当たりも強い。だからこそ、勝って落ち込む(C)MMAPLANET

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されたRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、中村未来にTKO勝ちした平田樹だが、自らのパフォーマンスに納得ができず──リング上で笑顔はなく、控室では涙に暮れた。

プロとして気持ちを幾分整理させ共同記者会見に臨んだ平田が、その直前に控室で見せた──整理をつけようとする過程の言葉をお伝えしたい。


──どうですか、試合を終えて30分ほど経ちましたが。

「最悪の最悪です。『えっ?  試合した』ぐらいの気持ちです。疲れていないし、やることもやっていないし──って言う感じですね」

──勝って反省できるのだし、こういう経験があって良いのではないでしょうか。

「いやぁ……せっかく、これだけ時間があって……練習もしたのに……。ジムも変わって、でも試合をすれば『結局、これか』みたいのがめっちゃ大きいから……」

──首投げ、柔道に頼った。それで今の自分が見えた試合になった。簡単じゃないということが、実戦で勝って分かった。良しとしようというのは、年寄りの考えかもしれないですけどね。

「もっと……やりたいことがあったのに……でも、出せないってことは何かが違うんだろうし。もっと練習します」

──プロ4戦目です。誰にもないキャリアの積み方をし、逆風も強い。でも、それは平田樹が乗り越えるしかない。

「4戦しかしていない……う~~~~~~ん、ダメですね。はい……。せっかくメインでやらせてもらったのに、ダメだった……。試合をしたのに、試合をしていないような。この気持ちが、今はどうにも整理できないです。

この経験をGPで生かせば良いって、皆が言ってくれました。でも……やっぱり納得できないし。練習してきたことが出せれば、打撃だってあんなんじゃないし。

寝技にいくにしても、違う入り方をしたかったです。全然、ダメですね。初めてです──試合が終わって、ダメだったという想いがここまで強いのは……いう感じです」

──ともあれ試合は終わりました。次に向けての日々が始まります。

「練習はしていたけど、なぜ試合で出せなかったのか。もっとやられることを覚えるじゃないですけど、ここまでやられてこなかった怖さというか、『ここで負けちゃいけない』という気持ちがここまで大きかったんだって気付きました。

う~ん、練習だけでなくメンタル……。気持ちでは、負けていないつもりだったけど、何かが欠けていることが分かりました。行けない、出ていない……。でも勝つ自信はあるから。そこのバランスが取れていないことが今日の試合で分かったんで」

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News ONE アリス・アンダーソン アリョーナ・ラソヒーナ スタンプ・フェアテックス チャトリ・シットヨートン デニス・ザンボアンガ ブログ モン・ボー リトゥ・フォーガット 平田樹

【ONE】女子アトム級GPが5月28日に開幕。ハム・ソヒ、スタンプ、サンボアンガ、平田樹ら8名が出場決定

【写真】JEWELS、ROAD FC、RIZINと頂点に立ったハム・ソヒのGP出場がついにチャトリCEOが認めた(C)ROAD FC

24日(水・現地時間)、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO&会長がSNSで女子アトム級GPに関して5月28日(金・同)にスタートすることを発表した。

出場選手はアリス・アンダーソン、平田樹、デニス・ザンボアンガ、アリョーナ・ラソヒーナ、リトゥ・フォーガット、ハム・ソヒ、スタンプ・フェアテックス、モン・ボーの8選手だ。


月曜日に中村未来を2Rでパウンドアウトしながら、自信のパフォーマンスが許せないで涙した平田が日本人唯一の出場となり、8名の出場選手は米国、日本、中国、韓国、タイ、フィリピン、インド、ウクライナと全て国籍が違うこともあり、山口VV芽生、アトム級転向を視野に入れている三浦彩佳は選外となり、また噂に上がっていたストロー級王者シィォン・ヂィンナンの出場もなかった。

スタンプは直近の試合でラソヒーナに敗れながら、共に当確となり、ONEが力を入れて市場を開拓しているインドからは、平田と並びプロキャリア4勝0敗と最も少ないフォーガットの参戦が決まっている。

そして公然の秘密とされていた、ハム・ソヒのエントリーがようやくオフィシャルでリリースされたことになる。

意外な人選は米国のアンダーソンだ。キャリア5勝1敗のアンダーソンはInvicta FCで2勝1敗と勝ち越しているもののパラエストラ八王子に在籍していた紫乃バンフーズにスプリット判定負けを喫している。

優勝者は11月に現アトム級王者アンジェラ・リーに挑戦することも明らかとされており、トーナメントを制するには5カ月強で3試合、タイトル戦を含めると半年で4試合を戦うハードスケジュールとなりそうだ。

ズバリ本命はハム・ソヒ、対抗はモン・ボー、穴はスタンプ・フェアテックス、大穴がデニス・サンボアンガといったところか。また負傷者が出ることも考慮するのであれば補欠戦も行われることも考えられる。仮に補欠戦が組まれるのであれば少ないとも1人は日本選手にチャンスを与えてほしいものだ。

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J-CAGE ONE Report Road to ONE04 ブログ 中村未来 平田樹 未分類

【Road to ONE04】初の女子メイン、試合内容に不満も・・・平田樹が得意の形で中村未来をパウンドアウト

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
Def.2R2分34秒 by TKO
中村未来(日本)

サウスポーの中村が左ストレートを放ったところに、平田は右ロー。さらに組み付いて中村をケージに押し込む。中村は右ヒザを打ち、左に動いて離れる。距離ができるとパンチをヒットさせる中村。平田も右を振りながら中村にケージを背負わせる。四つから投げを打とうとした平田、これを防がれると、シングルに切り替えてテイクダウンを狙う。中村は平田のクラッチを外してディフェンス。しかし平田はテイクダウンを奪う。中村は下から足関節を狙うが、平田はすぐに防いでサイドへ。中村がブリッジすると首を取る。

両者立ち上がり、平田はギロチンから投げを打つが、中村は倒されずバックを狙う。ともに離れてケージ中央へ。打撃を放ちながら組み付いた平田は、またもケージ際へ。残り30秒、平田がダブルでトップを奪う。ハーフガードの中村の顔面にパンチを落としていった。

2R、距離を詰める平田に、中村は左ストレートのダブル。平田はダブルレッグでテイクダウンに成功する。相手をケージに押し込めて、パンチを落とす平田。しかし中村も平田を蹴り離して立ち上がる。平田はすぐさま中村をケージに押し込み、ダブルからシングルに切り替え、テイクダウンを狙うが、中村も倒れない。肩パンチを打ち合う両者、ここで平田が首投げでグランドに持ち込む。そして袈裟固めで抑え込みながらパンチを連打し、レフェリーストップを呼び込んだ。


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【Road to ONE04】「皆でひっくり返してやろうぜって。5年もいらない。『すぐ』だから」──平田樹

【写真】大会4日前、PCR検査後に余裕の笑顔を浮かべる平田樹(C)MMAPLANET

今日22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE04「Young Guns」のメイン=中村未来戦が控える平田樹

5年後の日本の格闘技界を考えた大会のメインを任された平田は、自然と敢えてなのか。あくまでも中村は眼中にないという発言に終始した。それが、これからのJ-MMAを創っていく人間の役目であるように。


(自らマスクを外して)「自分、痩せました?」

──そう堂々と切り出すということは、順調に体重が落とせているってことですね(笑)。

「アハハハ。あと900グラムです。もう体形はバッチリです」

──体形ですか(笑)。ではMMAの仕上がりの方は?

「もう1週間前から調整だけです。それまでの練習でもビー・ニューウェン対策から続いているサウスポー相手の動きをしてきたので、去年の秋から継続して良い練習ができています」

──クレイジービーではパク・シウ選手とも練習をしていますね。

「強いですね。打撃が強いです。多分、寝技より打撃が強い」

──多分ではないような……。ところで今回はメインイベントです。

「何だろう……凄いこと、メインって一番注目されるし。初めての体験だから。でも、いつも通りの試合をすれば、メインに相応しい試合はできると思います。久しぶり、1年振りの試合なんで楽しみです」

──実は緊張している、とかないですか。

「いえ、日本で戦えて嬉しい気持ちが大きいです。終われば家に帰ることもできるし。気持ち的に楽です」

──これまでONEでの3試合。「平田樹はどうなんだろうか?」、3試合目は「あの打撃には危ないんじゃないか」という空気のなかでの試合でしたが、今回は来るべきアトム級GPへ向け、勝利がデフォルトという状況です。空気的には勝って然りというものです。

「それだけ圧勝できると期待してもらっていることは良いことだし、思われている以上の試合をします」

──自分より名前のある選手、自分よりも格上の選手に挑戦していきたいというのが選手の本音だと思います。そのなかで4戦目にして、受けて立つ試合になりました。

「圧勝は当然なんで、内容でも今までよりMMAをして勝ちたいと思います。アトム級GPが正式発表されないという状況で、自分にとってはGPが一番大きな目的なので。GPまで勝ち続けることが、GPで勝つことに通じると思うので。

これまでは8割柔道みたいな試合をしてきたので打撃、レスリングを織り交ぜて試す試合──ではないですけど、練習してきたことを出せれば良いなと思います」

──この間に内山高志さんにボクシングの指導を受けるようになりました。

「ボクシングを初めて練習して、本当に色々と勉強できました。ただ内山さんにはボクシングに拘るなと言われています。『練習通りやっていれば大丈夫だ』とも言ってもらって。でも打撃で倒したいというのは、変わらず持っています。できれば良いなって」

──打撃戦になると、ファイターズ・ハイのような状態になりそうですね。

「そうですね、打撃の方が自分的にも楽しいです。見てくれる人も打撃の方が楽しい人が多いだろうし。打撃戦ができれば良いですね」

──中村選手も打撃戦を望むのではないでしょうか。

「相手のことより、自分の試合だから。自分がやりたいようにやれればと思っています(笑)。ONE本戦でも自分がやってきたことを試したいし、今の自分がどれだけできるのか試す試合がしたいです。だから『もう終わっちゃったの?』ってお客さんに思われるような試合で全然良いです。

ONEの本戦じゃないし、サッと終わって晩御飯を食べに行きたいです」

──中村選手は捨て身の覚悟で来ると思います。

「う~ん、特に何とも思わないです。どれだけ大差があるかを見せつけたいです」

──差ではなくて、大差なのですね。

「何もできない──ぐらいの試合にしたいです。この試合、チャトリさんとか視ていると思うので、『この期間、何をしていたんだ』とも思われたくないし。大会も試合もなくなったからこそ、めっちゃ練習できたので。

しっかりと練習してきて、それを試合で出したんだよというのをONEの人達に見せたいです。ホント、ここじゃなくて次の向けての試合にしたいので」

──それがアトム級GPだと思いますが、先日スタンプ・フェアテックスがアリョーナ・ラソヒーナに終了7秒前にギロチンで一本負けという試合がありました。

「スタンプ選手は打撃が強いから、打撃でやれば良かったのに。下手に試そうじゃないけど、MMAができるところをアピールしにいって。ああいうことはしないほうが良いんじゃないかなって思いました」

──……。あのう、それって……。

「アハハハハ。自分が今、言っていたことですよね(笑)。だからぁ、スタンプ選手のことを話していて、アレって自分で言っていたことじゃんって(笑)。やっぱり拘り過ぎない方が良いですよね。

スタンプ選手も絶対に打撃で倒せるのに……。極まっているか分からないギロチンでタップして。やろうとしているけど、寝技は経験不足でした。だから自分も打撃で行きすぎたら、一発でやられることもあり得ます。

それでも拘り過ぎなければ。いつも通りリラックスして試合ができるように心がけたいです。ボクシングをやっていても、前傾姿勢になるわけじゃないですし。ステップを踏んで、出入りをしての打撃をしたいです」

──今回の大会は5年後の日本の格闘技界のためというテーマがあり、若い選手が集まっています。

「私たち若い人間が、上の人をグイグイ追い抜いていかないといけない時なんで。皆でひっくり返してやろうぜっていう気持ちです。でも5年もいらないでしょ。『すぐ』だから」

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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【Road to ONE04】平田樹戦へ、中村未来─02─「人生を賭けて真面目に取り組んできたことってない」

【写真】色々なモノを持っていても、格闘家として欠けている選手は存在する。中村は色々なモノはまだ持てていないかもしれないが、格闘家として大切なモノは確実に持っている(C)TSP

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、平田樹と戦う中村未来インタビュー後編。

幼少期から柔道、高校卒業にMMAに転じ、まさに天職といえるファイター稼業で生きる平田に対し、中村はダイエット目的でマルス・ジムに入門、格闘技歴3年というファイターだ。

そんな中村をABEMA TVにTHE WONDERが追った。ここではMMAファイター中村未来の生い立ちと、平田戦に賭ける気持ちを尋ねた。

「会社も腕を折って、ギブスしていて普通」とサラリといってしまう──その身の内にちょっとした狂気を抱えた格闘家・中村未来が今夜、その狂気と勇気を武器に平田樹と相対する。

<中村未来インタビューPart.01はコチラから>


──そもそも中村選手がMMAを始めた理由は何だったのですか。

「今、所属しているマルス・ジムに3年ぐらい前に入門しました。ボクササイズをダイエット感覚でするために」

──それがなぜ、パウンド有りを戦うまでになってしまったのですか。

「そんなつもりはなかったんですけど、1度乗せられて柔術の試合に出てしまって。そうしたら──もう楽しくて、楽しくて」

──既にエクササイズから本格的な練習をするように変わっていたのですね。

「ジムに入って半年ぐらい経ってから、すこしずつプロの練習に混ざるようになり、その頃に柔術の試合に出ました」

──健康維持、ダイエット目的から実際に試合が出たいという人はマルス・ジムでは多いのでしょうか。

「多いかもしれないですね(笑)」

マルス・ジム平大門代表 みんな、嫌がっているよ(笑)。さっき言っていた前に出るというのも、彼女──阿呆なんです。行くなと言っても直らない(笑)。でも、そういう所も大切かと思っています。

──アハハハ。仰る通りですね。エクササイズのクラスの横で、試合志向の選手が追い込みをしていると引かれるという光景は目にしたことがあります。

「私の場合は選手の人達の練習を見て、対人練習がしてみたいと思ったんです。ミットだけでなく、人とやりたいという気持ちになりプロ練に混ざり始めたんです」

──おぉ。それまでに格闘技歴は何かあったのですか。そう思わせるようなモノが。

「一切ないです。スポーツは小学生の時に剣道をやっていて、中学生のときにちょこっとバスケットをやったぐらいです」

──なるほど、では初めて人と練習し、顔を殴ったり、腕を極めたり、首を絞める経験をしたわけですね。

「そうですね(笑)。本当に初めてですね。全く日常になくて、夢中でやっていました。少しでも早くジムにいって、新しいコトを習いたくて。寝技も考えずにポンポン動けるようになりたい、打撃を当てるようになりたいと思っていました」

──それまでMMAをTVで視聴したりしたことはあったのですか。

「一切なかったです。でも練習をすると楽しかったです。最初のころはケガをしたりすると、周囲には止められましたけど、私は平気でした。生活自体が凄く充実していると思います。会社も腕を折って、ギブスしていて普通みたいな感じになっていって(笑)。

ケガをした翌日から休まずに働いていたので、心配はされました。だからといって怒られるようなことはなかったです」

──私は大昔に目尻を切り、指を骨折したり、靭帯を切って会社へ行くと営業部長から「何をやっているんだ」と渋い顔をされたことはあります(笑)。中村選手はネイルという接客業ですが、問題はなかったですか。

「お客さんも長い付き合いの方が多いので、最初のうちに『DVとかでなくて、格闘技なんです』って説明していて──」

──アハハハハ。

「そう説明したうえやっていたので、逆に心配されました」

──指のケガなど仕事に差し支えることは?

「意外と腕を骨折しても、ネイルの施術をできる角度というのがあるんです。『割と行けるな』って(笑)」

──初めて話をさせていただいたのですが、中村選手──かなりイっていますね。

「性格的に格闘技に向いていると思います(笑)」

──緊張は当然するとは思うのですが、戦うこと恐怖を感じることは?

「恐怖はないです。緊張はしますけど。昂っている感じですね」

──対して平田樹選手は子供の頃から柔道で人と競い合い、今や打撃を上達させてパンチを当てることが楽しみでしょうがないという様子です。そして代理戦争から、ONEで海外デビューという他にないキャリアの積み方をしてきました。そんな相手に中村未来選手の3年間をどうぶつけたいですか。

「経験とか小さい時から積み上げてきたモノというのは私にはないですし、実力は全然彼女の方が上だと思います。ケージの中に入った時に、勝つには実力以上のモノを出すしかないです。

気持ちじゃないですけど、気合で普段の持っているモノ以上を出してやっつけたいと思います。気持ちで負けたら勝てるところがなくなってしまうので。

格闘技歴は全然短いですけど、こんなに人生を賭けて真面目に取り組んできたことってないんです。なんで自分がやりたいと思ったことを後悔ないようにぶつけます」

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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