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【UFC251】計量終了 終始笑顔のアマンダ・ヒーバス。マスヴィダルもミステリアス・スマイル!?

【写真】マスクをせずに計量に臨んだマスヴィダル、この笑顔が意味するところは (C)Zuffa/UFC

10日(金・現地時間)、11日(土・同)にUAEはアブダビのヤス島=ファイトアイランドで開催されるUFC251「Usman vs Masvidal」の計量及びフェイスオフが行われた。

3階級の世界戦に出場する選手は全員が問題なくパス。ジョゼ・アルドとバンタム級王座決定戦を戦うピョートル・ヤンはスケールに乗る前に服と一緒にマスクを外し、つけるように指示を受ける。

一方でマック・ホロウェイの挑戦を受ける世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーと、メインで世界ウェルター級王者カマル・ウスマンに挑戦するホルヘ・マスヴィダルはマスク無しで体重を測った。

そのマスヴィダルは下着を脱いで計量に臨み、指を組み腕を合わせるや満面の笑みを浮かべる。フェイスオフではマスクをつけたマスヴィダルだが、離れるとすぐに外し──ウスマンに何やら呟くようなシーンも見られた。


メインカード出場選手では会見などで、いつも明るさ満点のアマンダ・ヒーバスが大きなマスク着用でも体重計の上で思い切り笑顔を見せていることが分かった。そのヒーバス、ペイジ・ヴァンザントと相対すると鋭い目つきになるものの直後に背筋をピンと伸ばして、周囲にお辞儀するなど、どこまでも好人物ぶりを披露している。

なお女子バンタム級でカロル・ホサと対戦予定だったするヴァネッサ・メーロが 141ポンドと6ポンドのオーバー──30パーセントのファイトマネーのカットで、キャッチウェイト戦へ。またフライ級でジャルガス・ジャマグロフと戦うパウリアン・パイヴァは拝むような仕草をスケールの上で見せたが、3ポンド・オーバーで掌を合わせ周囲に詫び20パーセントの減給となり契約体重戦に臨むこととなった。

■UFC251計量結果

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]カマル・ウスマン: 170ポンド(77.11キロ)
[挑戦者]ホルヘ・マスヴィダル: 170ポンド(77.11キロ)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー: 145ポンド(65.77キロ)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ: 145ポンド(65.77キロ)

<UFC世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
ピョートル・ヤン: 135ポンド(61.24キロ)
ジョゼ・アルド: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ: 115ポンド(52.16キロ)
ローズ・ナマジュナス: 116ポンド(52.62キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ペイジ・ヴァンザント: 126ポンド(57.15キロ)
アマンダ・ヒーバス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オデズミア: 205.5ポンド(93.21キロ)
イリー・プロハースカ: 205ポンド(92.99キロ)

<ウェルター級/5分3R>
エリゼウ・カポエイラ: 171ポンド(77.56キロ)
ムスリム・サリコフ: 171ポンド(77.56キロ)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ: 146ポンド(66.22キロ)
ダニー・ヘンリー: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
レオナルド・サントス: 156ポンド(70.76キロ)
ロマン・ボガトフ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ: 252ポンド(114.3キロ))
マクシム・グリシン: 223ポンド(101.15キロ)

<フライ級/5分3R>
パウリアン・パイヴァ: 129ポンド(58.51キロ)
ジャルガス・ジャマグロフ: 126ポンド(57.15キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ヴァネッサ・メーロ: 141ポンド(63.95キロ) 136ポンド(61.69キロ)
カロル・ホサ: 141ポンド136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
マーチン・デイ: 136ポンド(61.69キロ)
デイヴィー・グラント: 136ポンド(61.69キロ)

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Preview UFC UFC251 カマル・ウスマン ブログ ホルヘ・マスヴィダル

【UFC251】ホルヘ・マスヴィダル「メンタルとスキルは上」✖カマル・ウスマン「王者に相手は関係ない」

【写真】バーチャルメディアデーでの両者。非常に落ち着いて見えた (C)Zuffa/UFC

いよいよ計量とファイトを控えるばかりとなったUFC251「Usman vs Masvidal」。11日(土・現地時間)にUAEはアブダビのヤス島=ファイトアイランドで開催される同大会の出場選手は、全員がMMAの歴史に名を残すといっても過言でない。

そんなUFC251のメインは本来の挑戦者ジルベウト・ドリーニョ・バーンズが新型コロナウィルスの検査で陽性となり欠場し、ご存知のようにホルヘ・マスヴィダルが6日前にオファーを了承──UFC世界ウェルター級王者カマル・ウスマンに挑戦することとなった。


昨年7月にベン・アスクレンを5秒でKO、4カ月後にはネイト・ディアスを破りBMFのベルトを巻いたマスヴィダル。ベルトを頂点としたUFCウェルター級のヒエラルキーに収まらないポジションにあるファイターとなった。

アスクレンを跳びヒザで破り、ネイトには打撃と組みで勝つ。ウスマンがレスリングにガッツリと打撃と叩きこんだのとはまた一味違うマスヴィダルのスタイルだ。MMAのエレメントの一つ一つが個として極度に完成度が高まる前──いわばMMAの打撃、MMAのレスリングという言い方がなされていた時代を感じさせる、高レベルのウェルラウンダーといえよう。

ウスマンは得意分野で相手を遮断することができ、マスヴィダルはどの局面でも真っ向から応じることができる。そんな両者のマッチアップは、ウスマン✖ドゥリーニョに負けず劣らずケージのなかだけでも非常に興味深い戦いだ──本来であれば。

しかし6日間のショートノーティス出場では、当然のように準備は十分ではない。何よりもパンデミックでジムが閉鎖され、社会が膠着していた時期を試合という目的がない状況でマスヴィダルは過ごしてきた。

対してウスマンは世界王座を防衛するためにトレーニングをしてきた。この差はパンデミック以前のショートノーティス出場とはまるで違う。このことは5月から再開されたUFCの試合を見ていれば、誰もが分かることだろう。

そんなかマスヴィダルはバーチャルメディアデーで「ファイトアイランド大会のメインを戦うこと? ただの試合だ。それよりも朝の8時から試合をすることの方が特別だろう。隔離政策期間も泳いだり、ウェイトをしたりコンディションは整えてきた。調整の仕方がいつもと違っているだけだ。そりゃあ、このやり方では100パーセントとはいえないだろう。でもマインドやスキルは100パーセントだ。カマル・ウスマンより上だよ」と話している。

そのウスマンは「向うは6日前に試合が決まったかもしれないけど、こっちはそれまで全く別のファイターと戦うつもりだった。ノーと言わなかった理由? ファイトはファイトだ。特にチャンピオンは、相手は関係なく戦う」と断言している。

一発のあるマスヴィダル故、どのような不利な状況を跳ね返すことはあるだろう。と同時に、その勝機に大きく関係している名セコンドのマイク・ブラウンもコロナ陽性で欠くこととなった。ブラウン不在に関してマスヴィダルは「マイク・ブラウンの声は、身の内に聞こえてくる」と力強くバーチャル会見で口にしていた……。

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Interview UFC UFC251 ジョゼ・アルド ピョートル・ヤン ブログ

【UFC251】アルドとバンタム級王座決定戦、ピョートル・ヤン「彼が成長しているようには見えない」

【写真】ヤンという名前は祖父が中国からロシアに移り住み、中国由来であることを会見で話したピョートル・ヤン(C)Zuffa/UFC

8日(水・現地時間)、11日(土・同)にUAEはアブダビのUFCファイトアイランドで開催されるUFC251「USMAN vs Masvidal」のバーチャル・メディアデー2日目が行われた。

ここではジョゼ・アルドとUFC世界バンタム級王座を賭けて戦うピョートル・ヤンの
受け答えを抜粋してお届けしたい(※要約)。


──パンデミック下で、試合に向けてどのようなトレーニングキャンプを行えたのだろうか。

「今はトレーニングについて振り返る時じゃないけど、全て上手くいったよ。トレーニングが十分でなかったとしても、僕のモチベーションは勝利を手にするのに十分だった。キャンプが良かっただけにチャンピオンになるチャンスは大きくなった。

世界中のファイターがパンデミックの影響を受けている。受けていない選手は1人としていない。状況に合わせて、誰もが家でしっかりと体を動かしてきたはずだ。皆が同じ条件だった。そして今、ここで戦う。問題ないよ」

──タイガームエタイの練習で得られたことは?

「初めてタイガームエタイを訪れたのは2014年だった。当時、まだプロで1試合しか戦ったことがなかった。食べ物、マッサージ、気候、凄く雰囲気が気に入って、キャンプに集中できたんだ。またキャンプをタイガームエタイで行いと思うし、新しい環境で練習するのも必要だと思っている」

──UFCタイトルに初挑戦するということで、普段と違う面は?

「ナーバスになり過ぎることはないし、心配もしていない。ただ試合に集中してきたし、それ以外の部分に関しては考えないようにしてきた。他のことは試合が終わってから考える。今は試合のことしか、頭にない」

──この試合はジョゼ・アルドが王座決定戦に出てくるに値しないという声があるけど、アルドのことだけを想定して練習してきたのか。それともアルジャメイン・ステーリングになることもあるという考えはあった?

「対戦相手を決めるのは僕の仕事じゃない。ただ、空位のベルトを賭けて誰とでも戦うつもりだった。マッチメイカーがアルドを選んだ。ならアルドと戦う。彼は偉大な選手だし、レジェンドだよ」

─そのアルドと、どのような戦いをしたい?

「試合展開によるよ。倒せそうならKOを狙う。判定になりそうなら、判定勝ちをする。僕のゴールは勝利で、勝ち方にはこだわらない」

──以前、ノヴァウニオンでトレーニングした経験があるけど、ジョゼ・アルドとの練習がアドバンテージになると思っているかい。

「スパーやグラップリングをジョゼ・アルドとしたことは、素晴らしい経験になっている。でも4年以上も前の話だ。僕はあの時より強くなっている一方で、彼が当時より成長しているようには見えない。

あの練習がアドバンテージになるとは考えていないよ。アルドはボクシングとローでプレッシャーをかける。ずっとその戦い方だった。練習をしたことで僕がアルドを少し理解した。アルドも僕のことが少し分かった。それだけでアドバンテージはないし、何も変わらない。

試合を盛り上げるにはプロモーションが必要だけど、僕らは互いに尊敬しあっている。互いを知っていることが試合に影響を及ぼすこともない。彼のゴールはチャンピオンになることで、僕のゴールも同じ。だから良い試合になるよ」

■UFC251対戦カード

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]カマル・ウスマン(ナイジェリア)
[挑戦者]ホルヘ・マスヴィダル(米国)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ(米国)

<UFC世界バンタム級王座決定戦/5分5R>>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ジョゼ・アルド(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)
ローズ・ナマジュナス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ペイジ・ヴァンザント(米国)
アマンダ・ヒーバス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オデズミア(スイス)
イリー・プロハースカ(チェコ)

<ウェルター級/5分3R>
エリゼウ・カポエイラ(ブラジル)
ムスリム・サリコフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ(フィンランド)
ダニー・ヘンリー(英国)

<ライト級/5分3R>
レオナルド・サントス(ブラジル)
ロマン・ボガトフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
マクシム・グリシン(ロシア)

<フライ級/5分3R>
ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)
ハウリアン・パイヴァ(ブラジル)

<女子バンタム級/5分3R>
ヴァネッサ・メーロ(ブラジル)
カロル・ホサ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マーチン・デイ(米国)
デイヴィー・グラント(英国)

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Interview UFC UFC251 アレックス・ヴォルカノフスキー ブログ マックス・ホロウェイ

【UFC251】ヴォルカノフスキーに挑戦、マックス・ホロウェイ「ファイトアイランドがオアフなら(笑)」

【写真】Bless yourselfというマスクをつけていたホロウェイ。「皆に感謝、いつも思ってることで僕からメッセージだ」とその意味を語った (C)Zuffa/UFC

7日(火・現地時間)、11日(土・同)にUAEはアブダビのUFCファイトアイランドで開催されるUFC251「USMAN vs Masvidal」でUFC世界フェザー級王座の防衛戦をマックス・ホロウェイと行うアレックス・ヴォルカノフスキーのバーチャル・メディアデーが開かれた。

ここでは30分以上、記者の質問を受けたホロウェイの受け答えを抜粋してお届けしたい(※要約)。


──どういう練習をしてきたのだろうか。

「ジムはパンデミックになり閉められた。だからZOOMを使って練習してきた。コーチとミーティングをして、ワークアウトをする。コーチはクラスをZOOMでやってきた。ジムを閉めないといけないのだから、オンラインでやるしかないだろう。しっかりとチェックして、やりきったよ。

ハワイのロックダウンはホントにシリアスだった。本当に深刻に捉えていたんだ。それに俺は12カ月で4度も世界戦を戦ったことがある。十分に経験を積んできた。スパーリングは16歳の時からやっている。そして今、28歳だ。どれだけスパーリングをやってきたか。今、スパーリングがなくても大丈夫。良いリセットができた」

──ここに入ってからスパーリングを再開したのでしょうか。それともZOOMでの練習だけで試合に臨むつもりなのかい?

「全ての練習は終わっている。試合の数日前に何かをする理由がない。ここからは体重を落とすことに集中することになる」

──今後ZOOMトレーニングはMMAに根付くと思っている?

「ここから踏みだしたい。パンデミックが終わってね。パンデミック状態が続くなら、ここから何かを得たい。そして、何かをしようとする人の助けになればと思う。とにかくパンデミックが終息し、そんな風にやっていけることがベストシナリオだ。

なんて言われようが……成功を収めたことがあるからって、ファイトゲームの全てが分かるわけじゃないだろう。ヤツだって自分のところしか分からないだろう。ちょっと違うことをしてきただけだ。俺は言葉を使って戦わないし、ちゃんと戦うよ。楽しむ。勝負はジャッジに委ねない。ジャッジはジャッジ、でも俺はフィニッシュを狙う。良い試合になるだろう」

──ファイトアイランドの計画を初めて耳にしたとき、どう思った?

「アイランドがハワイのオアフ島になれば良いのにって思ったよ(笑)。ここには日曜日の朝に着て、48時間隔離されていた。クレイジーだよ。でも、UFCがすべきことは理解している。ここに来てからはずっとホテルの中にいるけど、別にいつものファイトウィークと変わりない」

──歴史の証人になるね。

「凄いことだ。巨大な大会だし、今を表しているイベントで戦える。歴史だよ。誰も俺から奪いとることはできない。俺のことをヤツは殺れるだろう。俺の家にはベルトが5本ある。全てクローゼットにしまってあるんだ。俺はアイツを倒す。最後に、前の試合とは違うことを分からせる。

これまでも言ってきたように、俺はUFCで3勝3敗からチャンピオンになった。俺たちはその時にしか戦えないファイトをしている。最終的にまたベルトを獲れたら、最高だ。俺に違うベルトを渡した方がUFCのためになる。今週末には、ベルトを獲って家に帰る。負けてから勝つってのを繰り返すとベルトが増える(笑)。新しいベルトだ」

──ヴォルカノフスキーはチャレンジャーだと言っていたけど、どういう意味なの?

「皆、アイツにインタビューしたの? どんな話をしていた? チャンピオンらしい話をしていたか? アイツがアタックしてきた。指名してきたんだ。それってチャレンジャーのやることだろう? 言いたがらないけど、アイツが喧嘩を売ってきた。何かを証明しようとしてんだろう。アイツはチャンピオンだ。いったい何を証明したいんだろうな。チャンピオンだと信じているなら、何かを示す必要なんてないはずだ。俺はチャンピオンだった。皆も俺が何をやってきたか分かっているだろう」

──ハワイで寄付をしているそうだけど。

「マイ・ブラザーのカビブとダスティンが、ここで去年の9月にやってのけたことは凄くモチベーションになった。特にパンデミックや諸々のことに対してね。今は俺とチームは95パーセントの力をチャリティの手助けとチャリティに費やしてきた。これまで試合の試合道具をオークションに出展し、1セントも余すことなくフードバンク・オブ・ハワイに寄付してきた。

ハワイの失業率は40パーセントで過去最悪だ。俺はテーブルに食事を用意することができる。なら、ハワイの皆のテーブルに食事を届けることができればって考えたんだ。それが俺たちのやらないといけないことじゃないかと思って。

ダスティン・ポイエーがファイト以外でやってきたことに凄く影響を受けた。俺たちはアスリートなだけでなく……このスポーツより大きなことにトライしている。そのなかの一つが自分を助けることであり、皆を助けることなんだ。当たり前のことだろう」

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Interview UFC UFC251 アレックス・ヴォルカノフスキー ブログ マックス・ホロウェイ

【UFC251】ホロウェイとダイレクトリマッチ=フェザー級王者ヴォルカノフスキー「拳を折っても勝てた」

【写真】トップコンテンダーとの戦いに拘り、フラットにフェザー級を見ているチャンピオン=ヴォルカノフスキー (C)Zuffa/UFC

7日(火・現地時間)、11日(土・同)にUAEはアブダビのUFCライトアイランドで開催されるUFC251「USMAN vs Masvidal」でUFC世界フェザー級王座の防衛戦をマックス・ホロウェイと行うアレックス・ヴォルカノフスキーのバーチャル・メディアデーが開かれた。

ここでは30分に渡り記者の質問を受けたヴォルカノフスキーの受け答えを抜粋してお届けしたい(※要約)。


──マックス・ホロウェイとリマッチになったけど、ナンバーワン・チャレンジャーと戦うのに普通のプロセスだったと思うかい? 

「UFCはマックス・ホロウェイ以外の名前を僕に言ってこなかった。僕は公平にしたいと思っているけど、明らかなナンバーワン・コンテンダーは見当たらなかったしね。そして、この階級で一番のビッグファイトになる相手がマックスだったんだ。現状から、その通りだし。前の試合で文句なしに勝っていたから、再戦の必要はないとチームでは思っていた。でも……さっきも言ったけどクリアーにナンバーワン・コンテンダーがいなかったから、ビッゲスト・ファイトを戦うんだ」

──チャンピオンとして戦うのは、何か違う感じがする?

「何も違わないよ。同じだ。同じことをするだけ。家族の下にベルトを持って帰りたい。勝利を、お金を、成功をベルトと共に家に持って帰りたいんだ。チームに、豪州に持って帰りたい。ベルトを守ることは僕の最大の目的でも、モチベーションでもないんだ。この試合は、他の試合と同じように一つの試合でしかない。これからも、どんどん戦っていく。勝って、試合をして、また勝つ。毎試合、勝ちたい。それが僕のモチベーションだから」

──ヘンリー・セフードと戦うという選択は?

「僕は自分の階級を見ている。ナンバーワン・コンテンダーを相手にベルトを守りたい。強い選手が揃っている階級で、皆が潰し合っている。コリアンゾンビ、ブライアン・オルテガ、ジャイー・ロドリゲス、ダン・イゲらのなかで最も良い試合をした勝者がナンバーワン・コンテンダーになるんだ。そこにヘンリー・セフードが順番抜かしをして、横入りをしてきても、僕は戦いたいとは思わない。金銭が絡んでもね。この階級の戦いに飛び込み、ナンバーワン・コンテンダーの座を掴むべきだ。順番に並ばず、誰かを押しのけようとするのは違うと思う」

──ではライト級で戦うことは?

「できるだけ今の体重で戦いたい。体が大きくなって、ライト級に上げないといけないという限りでないとね。そうなればライト級で戦う。でも今は自分の階級の選手たちとやりあっていたいと思っている」

──マックス・ホロウェイは家にいてZOOMでコーチの指導を受けていたけど、どう思う?

「コンタクト・トレーニングは必要だ。僕は6週間、コンタクト・トレーニングを行ってきた。それ以前はできなかったんだ。でもチームは政府の要請を免除させることができた。なぜか、コンタクト・トレーニングがそれだけ大切だからだよ。フィジカルやストレングスが十分でも、それがファイトにフィットしているのか? そんな練習でタイトル戦を戦う準備ができるのか……そんなのバカげているよ。

そんなことじゃタイトルを取り戻すことはできない。マックスはタイトルを取り返したいけど、キャンプをトレーニングパートナーなしで行った。意味がないよ。そんなことをするなんて、ベルトを取り戻すつもりはないんだ。ただ金が欲しくて戦うだけで。もう、この階級のことなんでどうでも良いんだよ。なんだろうね……彼はやるべきことをやって、ここに来ているわけじゃない。

彼もフルキャンプをして、万全の体調で戦ってほしかった。尊重していないんじゃなくて、事実だから。マックスはこの戦い向けて、ちゃんと調整していない。

前回の試合で終盤は彼が持ち直したと言われているけど、それでも僕が取った。言い訳はしたくないけど、拳を骨折していても負けなかったんだ。こんなことは男として言いたくないけど、皆がそれでマックスの方が後半は良かったなんていうなら、僕は骨折していてもラウンドを取っていると言わせてもらう。僕はフェザー級で世界最強だと12月に証明した。今週末も同じだ」

■ UFC251対戦カード

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]カマル・ウスマン(ナイジェリア)
[挑戦者]ホルヘ・マスヴィダル(米国)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ(米国)

<UFC世界バンタム級王座決定戦/5分5R>>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ジョゼ・アルド(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)
ローズ・ナマジュナス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ペイジ・ヴァンザント(米国)
アマンダ・ヒーバス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オデズミア(スイス)
イリー・プロハースカ(チェコ)

<ウェルター級/5分3R>
エリゼウ・カポエイラ(ブラジル)
ムスリム・サリコフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ(フィンランド)
ダニー・ヘンリー(英国)

<ライト級/5分3R>
レオナルド・サントス(ブラジル)
ロマン・ボガトフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
マクシム・グリシン(ロシア)

<フライ級/5分3R>
ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)
ハウリアン・パイヴァ(ブラジル)

<女子バンタム級/5分3R>
ヴァネッサ・メーロ(ブラジル)
カロル・ホサ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マーチン・デイ(米国)
デイヴィー・グラント(英国)

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News UFC UFC251 アマンダ・ヒーバス アレックス・ヴォルカノフスキー イリー・プロハースカ カマル・ウスマン ジェシカ・アンドレジ ジョゼ・アルド ピョートル・ヤン ブログ ペイジ・ヴァンザント ホルヘ・マスヴィダル マックス・ホロウェイ レオナルド・サントス ロマン・ボガトフ ローズ・ナマジュナス ヴォルカン・オズテミア

【UFC251】対戦カード プレリミでタイトルコンテンダー=オズテミア✖元RIZIN王者プロハースカ

【写真】スイスからオズテミアがヒストリック・イベントに。西欧からオズテミア以外に3選手、旧ソ連圏以外の東欧からは対戦相手のプロハースカとポーランドのティブラの2選手が出場する。またメインのウスマン✖マスヴィダルもオフィシャルで発表された(C)MMAPLANET

2020年7月11日(土・現地時間)
UFC251
UAE アブダビ
UFC Fight Island

■視聴方法(予定)
6月12日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前11時~WOWOW ライブ

■対戦カード

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]カマル・ウスマン(ナイジェリア)
[挑戦者]ホルヘ・マスヴィダル(米国)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ(米国)

<UFC世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ジョゼ・アルド(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)
ローズ・ナマジュナス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ペイジ・ヴァンザント(米国)
アマンダ・ヒーバス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズテミア(スイス)
イリー・プロハースカ(チェコ)

<ウェルター級/5分3R>
エリゼウ・カポエイラ(ブラジル)
ムスリム・サリコフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ(フィンランド)
ダニー・ヘンリー(英国)

<ライト級/5分3R>
レオナルド・サントス(ブラジル)
ロマン・ボガトフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
マクシム・グリシン(ロシア)

<フライ級/5分3R>
ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)
ハウリアン・パイヴァ(ブラジル)

<女子バンタム級/5分3R>
ヴァネッサ・メーロ(ブラジル)
カロル・ホサ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マーチン・デイ(米国)
デイヴィー・グラント(英国)

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News UFC UFC251 カマル・ウスマン ジルベウト・ドゥリーニョ ブログ ホルヘ・マスヴィダル

【UFC251】ドゥリーニョに代わり、UFCウェルター級王者ウスマンにBM王者ホルヘ・マスヴィダルが挑戦?!

【写真】現状としてウスマン✖マスヴィダル、もしくはウェルター級タイトル戦はなし──ということになる (C)Zuffa/UFC

5日(日・現地時間)、米国のESPNが11日(土・同)にUAEはアブダビのヤス島=ファイトアイランドで開催されるUFC251でUFC世界ウェルター級選手権試合=王者カマル・ウスマン✖挑戦者ホルヘ・マスヴィダルが行われると伝えている。

UFCの公式発表ではないとしながらも、UFCの情報発信源としてはオフィシャルと変わりない立場のESPNが報じているだけに、この試合が決定されたことはデフォルトに違いない。

挑戦者ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズがCOVID19の検査で陽性になったというショッキングなニュースから2日で、BMF(Baddest Mother Fucker)チャンピオンの挑戦が決まった。昨年7月にベン・アスクレンを5秒でKOし、一気に存在感を増したマスヴィダルはその4カ月後にネイト・ディアスを破りBMFのベルトを巻いていた。以来、8カ月振りの試合が6日前に了承した世界戦となる。

ちなみにマスヴィダルは現在ウェルター級ランキングでは3位、欠場となったドゥリーニョが1位で、2位にはコルビー・コビントンがランクされている。コビントンも話題に事欠かないファイターであるがウスマンには昨年12月に敗れたばかり、現状として話題的にはワールドベストの新挑戦者が出現したといえる。

とはいえマスヴィダルもドゥリーニョと同様に、1日に1万人以上の感染者を出しているフロリダ(※検査を受けた人数は8万人以上とされる)から出場となるだけに、不安はぬぐえない。現状UFCでは米国在住の選手は一旦はラスベガスを訪れ検査を受けてから現地に向かうことになっており、現地入り当日から試合前日まで、複数回の検査が控えている。

これは何もマスヴィダルだけでなく、王者ウスマンや他のファイターにもいえることだ。しかも、セコンドが感染している場合も試合に出ることができない──それがニューノーマルのMMA、大会当日までUFC世界ウェルター級選手権試合だけでなく、全試合が実現するかは確定しない時代となっている。


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Interview JJ Globo UFC UFC251 ブログ レオ・サントス ロマン・ボガトフ

【UFC251】ロシアの猛者ボガトフと対戦するレオ・サントス─02─「マイ・ワールド、柔術に──」

【写真】気が付けば11連勝、そして大きな舞台が与えられていないレオ・サントス。自らの柔術への信頼は絶対だ (C)Zuffa/UFC

7月11日(土・現地時間)、UAEはアブダビのヤス島に建設されたファイトアイランドで開催されるUFC251で、無敗のロシアン=ロマン・ボガトフと対戦するレオ・サントス・インタビュー後編。

気が付けば40歳、レオ・サントスは国難──いや惑星難といえる状況下で、金網に入ることが楽しみでしょうがないと言い切った。

<レオ・サントス インタビューPart.01はコチラから>


──ダナがファイトアイランドの計画を口にしたとき、『何をありえない、その場しのぎのことを言っているんだ』と正直なところ思っていました。

「ホント、ソレをやり遂げてしまって(笑)。僕もファイトアイランドの話を聞いたときはクレイジーだと思っていたよ。マナブ、フ〇ッ〇ン・ガイが、ファ〇キ〇・クレイジーなことをしちゃったんだ。アハハハハハ。で、今の気持ちはただダナ・ホワイトに感謝しているよ」

──とはいえ、対戦相手のロマン・ボガトフはキャリア10連勝で無敗、ロシアのM-1チャンピオン。どう考えても、相当な力の持ち主かと。

「確かにタフな相手だよ。無敗のサンボ・レスラー(※実際はレスリング・ベースのMMAファイターで、ロシアのアマMMAで結果を残しプロに転向した)だ。そして、僕との試合で彼は初めて黒星を経験するんだ。そんな機会を得ることができて、凄く嬉しいよ。アハハハ。とにかく僕がオクタゴンの中ですべきことは変わらない。初めて敗北を辛さを味わってもらうよ(笑)」

──ボガトフはウェルラウンダーですが、テイクダウンからパウンド、そしてサブミッションで勝ち星を積み上げてきました。

「今や誰もがウェルラウンダーだよ。それでも彼は僕をテイクダウンしたくはないだろう。グラウンドは僕のホームだ。その部分では、少なからずとも彼に対して自信がある。僕がやるべきことは変わらないよ。マイ・ワールド、柔術に彼を引き入れることだ。そしてハイレベル柔術を身をもって知ってもらう。もちろんファイトだから、何が起こるかは分からない。でも自信はあるよ」

──しかし、ホイラー・グレイシーをムンジアル決勝で追い込んだティーン・エイジャーも、気が付けば40歳になりました。

「いいかい? 僕の2020年はずっと家にいて少しもアクティブじゃなかった。何も起きないままだから、まだ39歳のままなんだよ。アハハハ」

──最高ですね、その考え方は(笑)。

「でもホイラーと戦ってから21年か……思えば、本当に長い間、最高の旅を続けてきたよね」

──シャオリン・ヒベイロ、レオ・ヴィエイラ、そしてマーシオ・フェイトーザ。レオと共に私に競技ブラジリアン柔術の凄さを見せてくれたメンバーは、皆一戦から身を引いて何年も経ちます。もちろん年齢が一番下だったことはありますが、レオ・サントスは未だに金網のなかで戦っている。何がレオをそうさせているのでしょうか。

「なぜだろうね……。凄く難しい質問だよ。正直、多くの人が僕に引退について尋ねてくるよ。でも、僕には答えようがない。だって自分でもただ楽しくて、好きで戦い続けてきているから。

きっと、そこは年齢じゃないんだよ。気の持ち方だ。練習に向かう時から、僕はしっかりと心の準備をしてきた。ノヴァウニオンには若くてハングリーな選手が揃っている。そういう若い連中は練習で、本気になって僕を仕留めに掛ってくるんだ。アイツらは容赦がないよ。アハハハハ。

僕はノヴァウニオンの若いファイターたちと同じレベルでスパーリングに臨まないといけない。自分の試合の前に、彼らに簡単に追い越されないように努めている。その方が僕にとっては大切になってきているんだ。

彼らにパンチを貰い続け、柔術で仕留められるようになったら──それこそ僕が身を引く時だろう。でも、まだそんなことない。皆との練習も試合も楽しんでいるよ。

シャオリンやレオ・ヴィエイラ、マーシンには彼らの人生があって、選択がある。だから彼らが早々に一線から身を引いた理由は分からない。彼らと僕を比べる必要もないし。今でも僕は自分のアカデミーも持っていない。ただ練習しているだけでね(笑)」

──レオ・サントスがアカデミーを開ければ、指導を受けたい人間はいくらでもいるはずです。

「実は米国でアカデミーを開く話もあるんだ。でも、COVID19でこれからどうなるかは分からない。確かなことは、僕は自分のキャリアを楽しんでいたいんだ。来年になると、試合に向けての練習や減量に耐えられなくなるかもしれない。そうなれば引退だよ。

でも今、世の中がこんな風になって、僕らの国は特に酷い状況になっているなかで、僕自身も感染することに恐怖を感じつつ……試合に向けて練習すること、ファイトアイランドで戦うことが楽しみでしょうがないんだ。

『レオ・サントスはもう年寄だ』とか、『絶対にチャンピオンになれない』という声も聞こえてくるよ。でも、気にならないんだ。そんな声なんてケージのなかで戦うことの楽しみと比較すれば何でもないから。戦って、金を受け取って、家に戻る。アハハハハ。凄く楽しいよ」

──そして、実際に現状で11連勝中でMMAファイターとしても17勝3敗という素晴らしいレコードを残しています。

「僕のMMAファイターのキャリアは、修斗でのタカノリ・ゴミ戦から始まった。デビュー戦がリアル・サムライとの試合だった。実はUFCには何度も、タカノリ・ゴミと戦いたいとリクエストしていたけど実現しなかった」

──今でも覚えていますが、あのデビュー戦後にレオもデデも判定に不満そうでしたね。

「今では納得しているよ。あの試合は僕の負けだ。だから、強くなった僕がタカノイ・ゴミともう一度戦いたかったんだ。戦極ではチャンスがあったのにね……」

──それは敢えて聞きますが、納得できない負けがあったということですか(笑)。

「アハハハ。カズノリ・ヨコタ戦だね。あの試合は負けていない。それは今でも思っている。でも、もう気にしていないけどね(笑)」

──ドローのジャッジがマストを選ぶと、プロモーターの顔色が窺うのだろうと私も思いましたね。1票がレオ、2票がイーブンのマストで横田選手に。なら格闘技の強さを測るうえで、イーブン&マストより1票の方に重きを置くべきだと。

「もう10年以上も昔の試合だよ。それをそんな風に言ってくれて、ありがとう」

──あの試合を落としていなければレオの連勝は17で驚異的ですからね。

「アハハハハ。本当だ!! 次の試合でも勝てるようにベストを尽くすよ。そして、また日本に行きたい。僕の声を日本の皆に届けてくれて、ありがとう」

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【UFC251】ロシアの猛者ボガトフと対戦するレオ・サントス─01─「家でUFCを眺めている方がハード」

【写真】ブラジルは感染者数が145万を超え、死者も6万人以上。UFCファイターの陽性も続々と確認されているなかで、レオ・サントスがロシアの新鋭と戦う(C)Zuffa/UFC

7月11日(土・現地時間)、UAEはアブダビのヤス島に建設されたファイトアイランドで開催されるUFC251。メインでUFC世界ウェルター級王者カマル・ウスマンに挑戦予定だったジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズが新型コロナウィルスの検査で陽性となり、メインが流れるという衝撃的なニュースが伝わるなか、同大会ではレオナルド・サントスがロマン・ボガトフと対戦する。

ロシア=M-1ライト級王者で10勝0敗のボガトフ戦のオファーは1カ月前、ブラジルの新型コロナウィルス感染は深刻さを増すばかりの状況でレオ・サントスは準備をしてきた。

19歳でホイラー・グレイシーを追い込んだ天才柔術家、同門ヴィトー・シャオリン、レオ・ヴィエイラ、マーシオ・フェイトーザらとライト級四天王時代を経て、MMAデビューは修斗での五味隆典だった。

TUF BRからUFC入り後の戦績は6勝0敗──通算11連勝中のレオ・サントスに、ブラジルの現状とファイトアイランドにおけるロシアの猛者との一戦について話を訊いた。


──ブラジルは大変なことになっていますが、そんななかでファイトアイランドでの試合が決まりました。その前に今、リオデジャネイロはCOVID19の影響で大変なことになっていると思います。レオは変わりないですか。

「神に感謝しているよ。僕のファミリーはここまで問題なく過ごせてきた。ブラジルに関しては、新型コロナウィルスに問題を発しているけど、これは政治の問題なんだ。政治家のゲームが、人々をより混乱させ恐怖に陥れている。ブラジルの持つ問題がCOVID19と相まって、ちょっと狂ってしまった。政治がしっかりしていれば、こんなことになっていなかった。それがコロナウィルスよりも問題だ」

──大好きなブラジルから、バッドニュースばかりが届く状況に我々も胸を痛めるばかりです。大統領の発言も首を傾げるようなモノばかりですしね。

「彼の発言こそ、一番の問題だよ。ちょっとね、どうしてしまったんだっていうような意味不明なことを言って、皆がそこに反論し社会が混乱してしまっている。今、国民がブラジルを良い場所だと思えなくなっている。皆が大統領や政府に納得できていないから、自分の住んでいる国はダメだと感じている。良くないね、この状況は」

──柔術、MMAはブラジルから世界に広まり、たくさんの柔術家、MMAファイターが我々の人生を彩ってくれました。だから何とも言い難い状況ですね。皆が心配です。

「そういってもらえると有難くて、同時に心が痛むよ」

──でも、レオのファミリーが問題ないということだけでもホッとできます。

「ありがとう」

──そして、そのような状況でレオはどれだけ試合の準備ができるのでしょうか。

「僕は普段はリオデジャネイロでなく、リオの北東に150キロほど離れたカンポスに住んでいて、家族と一緒にステイホーム状態だった。そして試合まで1カ月というときにオファーがあったんだ。

デデ(アンドレ・ペデネイラス)から『どうする? 受けるか?』って聞かれて、すぐにチャレンジしたいと思った。調整の時間は十分にない。練習だって普段通りにできるわけがない。だからこそ、この現実を跳ね返し、チャレンジしてやろうって思ったよ。それい自分の都合の良い時に試合ができるなんて悠長に構えていられるほど、僕には時間は残されていないからね。

一緒に練習してくれる4人の友人に連絡をして、リオに向かったんだ。リオにいる間、練習とアパートでの生活とずっと一緒に行動をして、外出も一切できない。簡単ではないけど、皆が僕をサポートしてくれたよ」

──リオに行っても、ノヴァウニオン本部は閉まっていたのではないですか。

「デデは僕とジョゼ・アルドのためにだめにジムを開けてくれた。僕らは練習が終わると、しっかりと全てを消毒してジムを出る。そして入れ替わりでジョゼ・アルドとトレーニング・パートナーがジムを使う。練習後、彼らもしっかりと消毒して家に戻る。つまり、そういう状態で練習していたに過ぎない。正直に言えば、少しビクついていたよ(笑)。

でも1カ月、ちゃんと練習できた。フィジカル・コンディション的にも、問題ないはずだ」

──通常のファイトと比べると、どれぐらいの仕上がりでしょうか。

「う~ん、70パーセントから80パーセントかな……。100パーセントと言いたいけど、それは無理だ。とにかく、この状況で動ける体を創ってきた。簡単なことじゃなかったけど、家にいてテレビでUFCの試合を眺めている方が、もっと厳しい。僕はファイターだからね」

──過去3年で2試合ほどしかレオは戦っていなかったですしね。

「UFCが組んでいた試合で、僕もそうだし対戦相手もケガをしてキャンセルされることが3、4度あったんだ。そんなことが続くと、試合が組まれなくなった……。対戦相手のケガで試合がなくなった時でさえ、僕はすぐにでも戦えたけど声が掛らなかった。いつもケガをしたのが僕ように言われているような気がしていたよ。僕だけでなく、相手だってケガをしていたこともあったのに。

だからこそ、ファイトアイランドで戦えること、このイベントに参加できることにエキサイトしているし、試合が組まれたことが凄くハッピーなんだ。だって、これは歴史的な大会だよ。UFCとダナ・ホワイトは、とんでもないことをやり遂げようとしている。誰だって、このショーに参加したいと思うはずだよ」

<この項、続く>

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【UFC251】ウスマンに挑戦予定のドゥリーニョがCOVID19で陽性に!「僕はこのバトルに勝つ」と綴る

【写真】なんとも残念だが、ツイートできる状況ということなので、重症ではないはず。回復後の挑戦を待ちたい(C)MMAPLANET

3日(金・現地時間)、“devastating news, not feeling well but I’m going to win this battle! Stay safe out there! Much love”──「酷い知らせだ。たまらないけど、でも僕はこのバトルに勝つ。安全に脱して見せる。たくさんの愛を」とジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズが、謝罪のハートブレイクのスタンプをつけてツイッターで呟いた。

米国の複数のメディアが報じているのを受けて、本人がCOVID19のテストで陽性だったことを明かした形だ。このツイートで7月11日(土・同)にUAE・アブダビのヤス島に建設されたファイトアイランドで開催されるUFC251のメインで、サンフォードMMAの同門UFC世界ウェルター級王者カマル・ウスマンとドゥリーニョの世界戦は行われていないことが確定したといって良いだろう。

サンフォードMMA所属の選手では、ONE 世界ミドル級&ライトヘビー級王者オンラ・ンサンがSNS上でCOVID19のテストを受け陽性だったことを発表したばかりだった。上記にあるようにUFCのオフィシャルアナウンスはまだなく、ダナ・ホワイトも言及していないが、歴史に残るファイトアイランド大会の第一弾は、UFC世界フェザー級選手権試合=王者アレックス・ヴォルカノフスキー✖挑戦者マックス・ホロウェイ戦がメイン昇格の公算が高い。