カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o RENA RIZIN RIZIN LANDMARK05 V.V mei   アリ・アブドゥルカリコフ クレア・ロペス スダリオ剛 ルイス・グスタボ 倉本一真 太田忍 山本空良 平本蓮 斎藤裕 朝倉未来 武田光司 浅倉カンナ 牛久絢太郎 金原正徳 雑賀ヤン坊達也

【RIZIN LANDMARK05】計量終了 バスローブで登壇の平本蓮は、そのままバスローブ姿で会場を去る

【写真】とにかく、明日 (C)MMAPLANET

明日29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05のセレモニアル計量がメディア及びファンクラブ当選者限定/会場非公開で行われている。

9試合、18出場選手は全て計量をクリアしており、メインとコメインに出場する4選手がステージ上でマイクで意気込みを話した。

なお公開計量のスタートが遅れた原因となった平本蓮はグリーンのバスローブでセレモニアル計量に姿を現し、出場選手全員の撮影終了後はそのままの姿でエレベーター乗り、計量会場を後にしている。

4選手のコメントは以下の通りだ。


牛久絢太郎
「お互いコンディション、バッチリなので明日、最高の試合期待してください」

朝倉未来
「明日は俺の試合楽しんでください。PPVを購入していない方は購入して。必ずKOします」

斎藤裕
「試合──1年振り凄く良い練習というか準備ができて、自分でも凄く良いと思っているので。明日は期待してもらって良いかなと。会場に来れない方はPPVお願いします」

平本蓮
「明日から僕の時代です」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

■RIZINLANDMARK05計量結果
※赤字の選手はクリックすると、事前インタビューに跳びます

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎:65.8キロ
朝倉未来:65.85キロ

<フェザー級/5分3R>
斎藤裕:65.85キロ
平本蓮:65.75キロ

<バンタム級/5分3R>
倉本一真:60.8キロ
太田忍:60.9キロ

<ライト級/5分3R>
武田光司:キ70.85ロ
ルイス・グスタボ:71.0キロ

<女子アトム級/5分3R>
浅倉カンナ:48.8キロ
V.V Mei:48.8キロ

<51キロ契約/5分3R>
RENA:50.9キロ
クレア・ロペス:50.75キロ

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛:117.2キロ
ロッキー・マルチネス:115.2キロ

<フェザー級/5分3R>
金原正徳:65.85キロ
山本空良:65.75キロ

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.8キロ
アリ・アブドゥルカリコフ:70.9キロ

The post 【RIZIN LANDMARK05】計量終了 バスローブで登壇の平本蓮は、そのままバスローブ姿で会場を去る first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA BELLATOR Combate Global KAREN MMA MMAPLANET o RENA RIZIN RIZIN LANDMARK05 UFC V.V mei   アリ・アブドゥルカリコフ キック クレア・ロペス スダリオ剛 ボクシング ルイス・グスタボ 倉本一真 太田忍 山本空良 平本蓮 斎藤裕 朝倉未来 武田光司 浅倉カンナ 牛久絢太郎 猿田洋祐 猿飛流 金原正徳 雑賀ヤン坊達也

【RIZIN LANDMARK05】RENAと対戦、知性と野生の融合クレア・ロペス「最後は私がRENAをKOしている」

【写真】キャリア7勝4敗、34歳で9歳の息子がいるというクレア・ロペスの話を聞いている間中、脳内でシルヴィ・バルタンのIrrésistiblement が流れまくっていました……(C)MMAPLANET

明日29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05に、クレア・ロペスがRENAと対戦する。

フランスで幼少期から器械体操を続け、南米は仏領ギアナでは指導者に。同時にムエタイを始めると、出産を経て柔術を嗜むようになる。「人生に次のレベルに行くことが必要」というロペスは、フランスに戻りMMAファイターとなる。

その後、英国に移り住みロンドンでブラッド・ピケット門下のMMAファイターとして、アグレッシブな打撃の展開が世界一多いといっても過言でないコンバテ・グローバルで活躍すると、適正体重階級のあるRIZINで戦うことを実現させた。

器械体操を続けてきた選手のコーディネーションとアジリティに関しては、GSPが真っ先に認め、このスポーツ経験者では猿田洋祐や猿飛流などが、国内外MMAシーズンで結果を残してきた。

完璧な動きを求める姿勢と、自在に肉体を操る能力が空いての動きを察知し、抜群のタイミングを生み出す。それでいて喧嘩ファイト上等──人生を謳歌するロペスはRENAとの体格差を越えてKO勝ちする気満々だ。


RENAが50.9キロ、クレア・ロペスが50.75キロで計量を終えている

──RIZINのクレアのプロフィールを見て、とてもユニークだと感じました。器械体操をやっていて、ムエタイからMMAに転向。しかも仏領ギアナに10年も住んでいてブラジルでMMAを見たのがきっかけとか。

「私はニースで生まれて、今もフランスの南部に家はあるけどMMAの練習のためにロンドンに住んで3年になるの。ずっと器械体操をやっていて17歳で競技活動をやめ、両親をはじめ一族の多くが住んでいる仏領ギアナに私も移り、器械体操のジムを創って指導を始めた。その2年後にムエタイの練習をするようになったわ」

──フランスではなくて仏領ギアナで?

「そうよ」

──欧州ではオランダが一番のキック王国ではありますが、ムエタイでいえばフランスという風に1990年代の終わり頃に思っていました。

「デニー・ビル、シャルル・スカボロスキーっていう素晴らしい選手が90年代のフランスにはいたし。私のコーチはパリから仏領ギアナに移り住んだ人で、ムエタイをフランスから持ち込んだ人だった。だから、しっかりとフレンチ・ムエタイを教わることができたわ。

アマチュアだったけど仏領ギアナ、ブラジルやスリナム、フランス領のマルティニークやグアドループというカリブの島々、パリでも試合をして。タイに行ってアマ世界大会にも出場したわ。でも、息子ができて試合に出ることは控えるようになって──」

──お子さんがいるのですか。

「えぇ、もう9歳よ(笑)。ムエタイは辞めたけど、すぐに柔術を習うようになったわ。ムエタイ、そして柔術をやっていると──もうMMAをするしかないじゃない?」

──そうとも限らないかと思いますが(笑)。クレアの場合はそうだったのですね。

「ブラジルのマカパやベレンでバーリトゥードを見て本当に凄かった。私はムエタイの試合をしたんだけど、もう会場の雰囲気も凄くて。そこでバーリトゥードが始まって。大興奮したわ。『クレイジー!! 血まみれじゃない』って。

目力が強い

でも、『やってみたい』って思った。

なぜ、そういう風に思ったのか自分でも分からないけど、またムエタイのようにファイトしたくなったの。本当にあの日々は楽しくて充実していたから。そんな私にとって柔術は十分じゃなかったみたいで。柔術ではアドレナリンが分泌されなかったわ(笑)」

──アハハハハ。クレアは殴る女だと。

「ファイターでいたかったのかも。バーリトゥードを見た時、見た目は残酷で怖そうだったけど、私にとってはそれだけではなかった。何より、生きるうえで次のレベルに進みたいし(笑)。

10年間、仏領ギアナで生活をしていて、新しいことがしたくなった。それが一番ね。24歳で子供ができ、3歳の時にMMAを始めようと思った。でも、仏領ギアナではMMAの練習は十分にできないから5年前にフランスに戻って」

──その時のファミリーの反応は?

「ムエタイや柔術の時は、そうでもなかったけどMMAに関しては母を怖いと思っていたけど、私がやろうと思ったことに反対はしなかった。母は私の性格が分かっているから。とても協力的で、練習をする私に代わって息子の面倒を見てくれるようになって。でもフランスでも思ったようにMMAのトレーニングをすることは無理だと分かり、ロンドンに拠点を置くようにしたの」

──フランスは長い間、パウンドが認められていなかったですが、強い選手も輩出されています。それでもクレアは十分だと思えなかったのですね。

「それとフルMMAルールの試合も許されてなかったから、試合は他の国で戦わないといけない。やっぱりフランスのMMAは米国や日本ほど発展していないわ。空手やムエタイのようにトップの国と同じような規模にはなっていない。私は今、34歳でもう若くない。だから自分のキャリアを考えて、3年前にフランスを離れることにしたの。

MMAって打撃とレスリング、柔術をそれぞれやれば良いってものじゃないから。その繋ぎが大切で。ケージっていう要素も忘れてはいけないし。そこがフランスの練習では欠けていると感じて……。だからロンドンに行き、ブラッド・ピケットの下でMMAのトレーニングをするようになった。ブラッドはMMAとして、全てを融合している。ムエタイと柔術、レスリングじゃない、全てが混ざったファイトを習うことができた」

──別々で考えると、戦い方も別々になりますね。ただ組みと打撃では、基本的に体の使い方が違う。全てを混ぜて戦うということが頭で分かっても、体に馴染ませることはまた別だと思うのですが、その辺りに苦労はなかったでしょうか。

「そこは器械体操の経験が生きた部分ね。器械体操で敏捷性がついていて、頭で思ったことはスムーズに体を動かせることができたの。それに寝技になっても、自分の位置、相手との距離を体で察知すること可能で。それにレスリングに関しては、器械体操の動きと類似点があってすんなり動けるという利点もあったわ。

加えて器械体操をやってきたことで、フィジカル的にMMAを戦うことで対して体を創る必要がなかったの。器械体操の経験があったおかげで、MMAを始めるスタート時点で随分と恩恵を受けることになったのは間違いないわ」

──クレアのMMAの試合を見て、ハッとさせられたことがありました。それはパンチを打つ姿勢と、ダブルレッグを仕掛ける姿勢が同じだったことです。打撃から組みにタイムラグがない。

「それも器械体操のおかげよ。器械体操では全く妥協が許されず、パーフェクトな動きが求められる。MMAを技術的に理解したうえで、パーフェクトな動きをするには距離、タイミング、角度を考慮した動きが必要で。ブレの無い動きをするために、そこを見極めることが自然とできたみたい。もちろん、そのための練習は必要だけどね」

──ムエタイ、レスリング、柔術は全てリズムが違いますからね。

「そう、MMAで一番重要なのはタイミング。全てはタイミングに掛かっていて、そのために同じリズムを刻むのが一番。そこに関しては、とにかく練習するしかなくて。ただ、器械体操で創られた体は、しっかりとフィットできたわ。結果的に私と戦う相手は、私が何をするのか読めなくて、混乱する。色々と余計なことを考えないといけなくなる。結果、防御のことばかりに頭がいって、向うから私が攻撃する機会を与えてくれるようになるの」

──すでにMMA IQの高さが伺えます。

「ありがとう(笑)」

──そんなクレアですが、正直、器械体操がベースなのだから体が大きいわけがない。これまでコンバテ・グローバルではストロー級で戦っていましたが、体格のことがあって──今回は51キロとはいえ49キロのアトム級が盛んなことでRIZINをターゲットにしたということはありますか。

「RIZINはアトム級、スーパーアトム級で良い選手がいるから常に頭にあったわ。私がMMAファイターになろうと思ったのは、人生を謳歌したいから。それにはファイトだけで生活できないといけない。なるべく長く、この生活がしたい。だからストロー級までのUFCや、フライ級までのBellatorで活躍することは私のゴールにはなりえない。

RIZINって、仕掛けも凄くてファイト以外でも楽しめるし。あの環境はより、ファイターの気持ちを盛り上げてくれると思う。だから……できればRIZINで戦い続けたい。そうなれば、最高ね。日本で戦い、息子と生きていけるようになりたいと思っている。

まだ昨日の夕方に東京に着いたばかりで(※取材は27日に行われた)、日本がどういう感じか分かっていないけど……とにかくホテルにいて、RIZINの人々とメディアデーを過ごすことで、皆がどれだけ礼儀正しくて誠実かが伝わって来たわ」

(C)COMBATE GLOBAL

──そんなRIZINで戦う以前の主戦場コンバテは、その対極にあるファイトが全てのようなイベントでした。

打撃も組み技も、とにかく荒々しい。あのなかでは喧嘩に強くないと、勝ち残れないという空気があります。テクニック重視、ファイトIQの高さを誇るクレアは、コンバテの戦いは何をもたらしましたか。

「コンバテではトーナメント、一晩で3試合戦ったこともあった。そういう戦いのなかで、3人を相手にすることはMMAを戦う上でパズルの組み立てがとても困難で。しかも、対戦相手が誰になるのか分からないなかで戦うわけだし。

そういうなかで落ち着いて、自分の試合をやり切る。あの経験は私を本当に強くしてくれた。でもコンバテでは52キロで戦っていたの。48キロのアトム級では対戦相手が見つからなかった。だからノーマルウェイトに近いストロー級で戦うしかなかった。そこも含めて、コンバテの経験で私は強くなった」

──今回は51キロということは、通常体重に近いわけですね。

「そうね、私は普段は53キロぐらいで契約体重まで、もう1キロぐらい落とせば良いだけ。だから明日の計量までしっかりと創って、ファイトに向かいたい。サウナに入る必要もないから」

──ではRENA選手の印象を教えてください。

「実はRENAとは3年……コロナ前に一度、戦う話があったけど実現しなかったの。だから、ずっと彼女とは戦いたいと思っていた。今回、こうやって戦う機会が巡って来て凄く嬉しい。彼女はRIZINのスーパースターだし、良いファイターだわ。ただ、私の方がウェルラウンディットで穴がない。だから彼女がシュートボクシングのチャンピンだったとしても、打撃でも私の方が思い切りアグレッシブに戦える。

きっとRENAは私のようなパワフルで何でもできるファイターと戦った経験がないはず。彼女を驚かせる準備はできているわ。例え51キロでもね。私はフィニッシュする。彼女が戦う気持ちを持ち続ける限り、攻撃を止めない。そして心を折るわ。

(C)COMBATE GLOBAL

寝技になっても私がコントロールする。

ただのグラップリングじゃない。どの位置からパウンドを落とせば一番効かせることができるのか……そういうことが理解できているから。それにRIZINは寝技でのヒザ蹴り、それにサッカーボールキックが認められているでしょ。これまで未体験だけど、だからこそしっかりと練習してきたわ」

──人の頭を寝技で蹴ってきたわけですね。

「もちろん、パートナーの頭を蹴ったり、踏みつけることはできないけど(笑)。そういうことがデキるよう準備してきた。このルールは最高、私の戦いを完璧なモノにするわ。ノックダウンを奪ってバックを制してチョークも良いけど、倒れた相手の顔面を蹴り上げることができるって最高!! もちろん、私もそうされる可能性はあるわけだけど、MMAは危険なスポーツ。勝つために相手がケガをするかもしれないアタックをしないといけない。

だからこそ、チャレンジのしがいがあるわけで。RENAが私の顔を踏みつけてきても平気、そうするのがMMAだから。だから、私も彼女の顔にサッカーボールキックできる場面が訪れることを楽しみにしているわ」

──そんな戦いを前にしてエキサイト気味ですが、同時に凄くリラックスしていますね。

「戦いの前はいつもリラックスできる。ドクターにも『本当にいつも通りだ。落ち着いているね』って言われるの(笑)。だって、こんなに楽しいことができるのに。ナーバスになるわけがないし」

──母は強し、です。

「その通りね。きっと負けることを恐れていないからだと思う。負けても、私のMMAが終わるわけじゃない。今、RIZINで戦うために日本に来ていることが楽しいし。土曜日にケージの中に入ることを想像すると、楽しくてしょうがないわ。好きでやっていることだし、とにかくエンジョイしたいの」

──押忍。では試合では、ファンに何を見せたいですか。

「良い試合をしたい。退屈な試合は絶対にしたくない。判定まで行かない、動きの多い楽しい戦いをしたい。そして、私が戦っている時の気持ちをファンの皆に伝えたいの。そのためにベストを尽くす。そして、最後は私がRENAをKOしているわ」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

■RIZINLANDMARK05対戦カード

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎:65.8キロ
朝倉未来:65.85キロ

<フェザー級/5分3R>
斎藤裕:65.85キロ
平本蓮:65.75キロ

<バンタム級/5分3R>
倉本一真:60.8キロ
太田忍:60.9キロ

<ライト級/5分3R>
武田光司:キ70.85ロ
ルイス・グスタボ:71.0キロ

<女子アトム級/5分3R>
浅倉カンナ:48.8キロ
V.V Mei:48.8キロ

<51キロ契約/5分3R>
RENA:50.9キロ
クレア・ロペス:50.75キロ

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛:117.2キロ
ロッキー・マルチネス:115.2キロ

<フェザー級/5分3R>
金原正徳:65.85キロ
山本空良:65.75キロ

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.8キロ
アリ・アブドゥルカリコフ:70.9キロ

The post 【RIZIN LANDMARK05】RENAと対戦、知性と野生の融合クレア・ロペス「最後は私がRENAをKOしている」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK05 RIZIN TRIGGER03 Road to UFC UFC アキラ アリ・アブドゥルカリコフ シュウジ・ヤマウチ ジョニー・ケース パンクラス 海外 雑賀ヤン坊達也

【RIZIN LANDMARK05】RIZINへのリベンジ=アブドゥルカリコフ戦。雑賀ヤン坊達也「過去最高にビビッて」

【写真】怖い、ビビっていると連呼しながらの笑顔(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05に、雑賀ヤン坊達也が昨年4月16日のRIZIN TRIGGER03以来、1年振りのRIZIN出場でアリ・アブドゥルカリコフと対戦する。

RIZIN出場を目標に掲げ、その目標を叶えた大切な試合でキャリア最悪のパフォーマンス、ヤン坊らしさを見せることができなった。あれから1年、世界で戦うことを目標に持つようなったヤン坊が、ホーム=パンクラスのビッグショー前日に代々木で戦う。ロシア人ファイターとの対戦に、いつも通り「怖い」と連呼するJ-MMAライト級最強のKOパンチャーに話を訊いた。


──ジョニー・ケースの代役として、アリ・アブドゥルカリコフと対戦が決まりました。今の気持ちは……あっ、この質問はやめておきましょうか(苦笑)。

「いや、大丈夫ですよ。今、めっちゃくちゃビビっています(笑)。いや……もう恐ろしいですね。オファーを貰った日も、練習でたまたま突き指したからって『ちょっと突き指したので、1日待ってください』って返答して。即答できなかったです(笑)。オファーに即答できなかったのは、初めてですね」

──ところで、昨年12月のパンクラスで、シュウジ・ヤマウチを初回終了間際にTKO勝ち。素晴らしい勝ち方ができました。あの試合後は、次はRIZINという考えでいたのでしょうか。

「僕自身は海外で戦う方向で話を進めてもらっているなかで、試合間隔が空き過ぎでしまうのが嫌で。パンクラスの方には4月30日の大会には出たくないと伝えていました。そういうなかでRIZINから話をもらったのが、ロシア人相手の試合でした(笑)」

──パンクラスの立川大会に出たくなかった?

「僕、タイトルマッチを待っている状態で、タイトル統一戦と同じ日に試合をするのが嫌だったんです。今後に関して色々な話をしているなかで、RIZINさんから話もあった。そこで、RIZINという場に対してリベンジを一発したいという気持ちになりました」

──Road to UFCを考えることは?

「その話も出ていました。本当に色々と話があって。一つ一つをしっかりと考えている中で、RIZINでロシア人と戦うのも対世界ですし。目の前にあるチャンスをまず掴みにいこうと思いました。相手はメチャクチャ強いですけど……(苦笑)。RIZINで川尻(達也)さんと戦った時は、まだ未完成でした。あの試合の時点でも、打撃も結構当てていたし。あの後の試合を見ると……ここ3試合とか組みの選手にもしっかり勝っています。

散打ベースらしく回転系の蹴りとパンチ、何より打撃が速い。恐ろしくスピードがあって、組みもしっかりとできる。強いですね……強いです(苦笑)。だからビビりまくっています。過去、最高にビビッていて……試合を受けてから、何日かはまともに眠れなかったです」

──そうはいっても試合になるとビビったことがないです。

「試合が始まると、世界に入り込んでいるんで。練習では行けないところも、試合だと行けちゃいます」

──それだけ練習はやってきていると。

「そうですね、練習はいつも通り……ではないですね。ソニックスクワッドの安田(けん)さんが、出稽古だけでなく僕が所属するDOBUITAにも来てくださって。サーキットで追い込んでもらっています。あと(佐々木)憂流迦君が5月6日に試合があって(※RIZIN42、ボイド・アレン戦)、相手がちょっと僕っぽいのでいっぱい練習させてもらって。それと関鉄(矢)君には色々と根性磨いてもらっています」

──それは、やられているということですか(笑)。

「ハイ、そうッスね(笑)。かなりやられています。憂流迦君には『もっと自信持ちなよ』って言ってもらえるのですが……練習をしていて、どうしても自分が強いと思えないんです(苦笑)。いつになったら、自分のこと強いと思えるようになるんだろうって常に思っていて……。ただ、この練習が試合のどこかで自分を助けてくれると思っています。それ以上に、アリにはサクッと倒れて欲しいのですが(笑)。

ただ試合映像を視る限り、相当に打たれ強いです。打たれても、打ち返す。気持ちが強い選手。打撃で当てる部分、それと組みがどれだけ強いのか分からないですけど、組み勝っていかないといけないです」

──繰り返しになりますが、試合前は弱気なのに試合になると一切そんな風ではないです。

「試合になれば15分間、痛いのを我慢してやり切ろうって思えるんです。でも、RIZINでしか僕の試合を見ていないファンの人は、去年の江藤(公洋)選手との試合の印象しかないですよね。ホントにパンクラスのベルトの価値を下げてしまって、悔しくてしょうがなかったです。久米(鷹介)さんとの試合は、負けたけど『歴史に残る試合』という評価をしてもらえたのに……。応援してくれる人にも申し訳なくて。

あの日はダメでした。何か上手く行かなくて。あんな風には2度となりたくないです。ただ、ひょっとすると調子に乗っていたのかなって思うようになったんです。自分はそんなに調子に乗るような感じではないのですが、心のどこかに自分も結構戦えるようになったという気持ちがあって。それが甘えや油断になっていた……かもしれないです。

同時にあの負けをきっかけに、それまでも手を抜いていたわけではなかったのですが、もっと頑張らないといけないと練習に向き合ってきました。練習で、もっと苦しいことをしないといけないなって」

──その成果はヤマウチ戦で出ていたのではないですか。テイクダウンされても、焦らずに対処していました。

「四つが凄く強かったです。『ヤバい』と思ったのですが、体が動いて。下からずっとアゴを叩いて削っていたんです。無理から立ちに行くことなく、あの位置では大丈夫だと試合中も冷静でいることができました。2連敗があったから、成長できたとは思いました。だから次の試合で、去年の不良債権を回収しようと。今回の試合でRIZINにリベンジをしたいのですが……まぁ、強い相手が来ましたね(笑)」

──すぐに対戦相手のことに話題が戻りますね(笑)。

「アハハハ。もう頭のなかは、アリ、アリ、アリ、アリ。アリ一辺倒です。ただ、やるからにはやるしかないので。それにここで勝てば、自分の評価ももっと上がると思っています。なので、本当に今回の試合はチャンスだと思っています。もちろん勝つつもりで戦いますし、勝ったら色々と景色が変わるんじゃないかと」

──ところで、アブドゥルカリコフ戦翌日のパンクラス・ライト級王座統一戦ですが、ヤン坊選手の見立ては?

「いやぁ……、それ結構難しいです。タイプが同じで。アキラさんの右が当たれば……KOならアキラさんで、判定だと流れはどんどん久米さんにいって軍配が挙がるかと思います」

──タイトルを狙う上で、どちらが勝者になった方が都合が良いですか。

「ストーリー的には久米さんですね。次はダウンを奪っても、寝技にはいかないです(笑)。そうですね……久米さんに勝ってベルトを巻く。それが僕にとってはドラマですね。だからこそ、ここで勝たないと。負けて、パンクラスのベルト云々ではないですからね」

──パンクラス、RIZINライト級、海外。色々とターゲットがあります。

「最終的には世界に挑みたいです。ただ、待っていられないんです。年も年なんで。そんなに長くはできないので、焦りもあります。なので今は目の前の試合で勝って、最終的に目標に結びつけることができれば──あの時、この試合を受けて良かったと思えるようになるんじゃないかと。もう1年経験を積んで、来年にはガツンと行っちゃいましょう、と。そういうプランでいます。

でも、こうやって話しているとやれる気がしてきましたね。燃えてきました(笑)。そうなんです、僕は今年やらないといけない。アブドゥルカリコフとはどっちかが当たる試合。見ている人にヒリヒリしてもらえると思います。そして最後は立って、失神しているアリを見下ろすことができる試合にします」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

The post 【RIZIN LANDMARK05】RIZINへのリベンジ=アブドゥルカリコフ戦。雑賀ヤン坊達也「過去最高にビビッて」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK05 RIZIN TRIGGER03   キック クレベル・コイケ 山本空良 金原正徳

【RIZIN LANDMARK05】不規則リズム=山本空良戦へ、金原正徳「僕にしかないできないMMAがある」

【写真】1日1日が楽しいMMAファイター人生──。とはいえダブルメインの前に組まれるなど、裏番長の実力は誰もが認めているはずだ(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で金原正徳が山本空良と対戦する。

牛久絢太郎✖朝倉未来、斎藤裕✖平本蓮、そしてクレベル・コイケ✖鈴木千裕──さらにヴガール・ケラモフというフェザー級のRIZINトップ戦線で、誰もが認める実力を持ちながら、彼らとの対戦が実現しない。

今回の対戦相手となった山本の力を認めつつも、意中の相手ではないと言い切った金原だが、彼にはどのような疑問も凌駕するMMA愛が存在している。


──金原選手のインタビューはMMAPLANETでは、4年5カ月振りです。実は昨年4月のRIZIN TRIGGER03前に取材させていただいているとばかり思っていました。

「あの時、ケージの試合だったのに摩嶋(一整)選手の方をやって、俺にはなかったから怒ったんですよ。で試合が終わったら『やっぱ、強いよ』みたいな感じで言ってきて。『この野郎、コイツも掌返ししやがって』って(笑)」

──アハハハハ。ということで、今日は貴重な話をありがとうございました。また試合後に話をきかせてもらいます。

「いやいやいや、冗談っスよ(笑)」

──まぁ、それでFIGHT&LIFEで2月に話を聞かさせてもらった時に4月29日に試合がある。ただし、目当ての相手と戦うことは難しそうだということでした。あの直後に山本空良選手との試合が決まったのですが……。

「インタビューの時点で『かもね』ということは聞かされていて、『まぁ、しょうがないか』という気持ちではいました。あと、何試合できるか分からないから自分のなかでは、自分が強いと思っている選手と戦いたいというのがあって。『1年待って、こうか』というのが正直な感想ッスよね。

RIZINのなかで戦いたい選手はいます。でも、自分とかは煙たがれる存在ですしね。フェザー級でこれだけの試合が組まれているのだから、まぁしょうがないですよ。ただ日々、自分の想うところも変って来て。クレベル(コイケ)と戦いたい、上の選手と戦いという気持ちもありますけど、消化していくしかねぇっていうのが今の気持ちです。

そりゃあ強いヤツ、名前のあるヤツと戦いたいです。でも、一周してくるとMMAができりゃ良いやっていうことになってくるんですよね。誰と戦おうが、どこで戦おうが自分がMMAに携われる期間って凄く大切だと思うし。この1日、1日が楽しいから。そういう意味では満足していますしね」

──金原選手とは練習場所で顔を合わせる機会がありますが、どこにいても楽しそうです。

「それは詰まるところ、格闘技がバカみたいに好きなんだって。そう改めて思うし。今、『寝技が詰まらない』とか『MMAは格闘技じゃない』とか、色々と言われる時代ですけど──そんなのに反論するのが、馬鹿馬鹿しくなるくらいMMAが好きだなって自分で思っちゃいます。

MMAって究極の格闘技、究極のスポーツだと思うし。でもキックだって、ムエタイだって、柔術だって、何だって皆が一生懸命にやっていることで。だからMMAや寝技に関して、誰が何を言おうが何とも思わない」

──まぁ何でも話題になりゃ良いのと、そうではないけどその世の中にいるという感じになりますか。そんななか意中の対戦相手か否かという部分で、強い選手と戦いたいという意志を持ち続けているからこそ、年齢を重ねると上だけでなく、下から突き上げてくる選手も強くはなってくるのでその範疇に入って来ることがあるかと。

「今、自分に求められているのはこういうことで。時代に合わせてやっていかないといけないから。今もトップを目指してやっているつもりではいますけど、今更スターになりたいとかっていう気持ちはないから。自分が楽しめて、周りが笑ってくれる。ホント、それだけッスね。他のモノは求めていない」

──では山本空良選手のことは、MMAファイターとしてどのように評価していますか。

「山本空良選手のこと、決して凄く弱いなんて思っていないし。空良君はカイル・アグオンに勝っていますし、強くなっています。かといって自分が求める相手かといえば、それは違う相手だけど……。実は今日、初めて対戦相手として試合映像を視ました」

──そうなのですか!! 試合が決まって2カ月以上経っているかと思うのですが。

「彼との試合が決まった時に八隅(孝平)さんとミットを持ってもらっているトレーナーに映像を視てもらって、その時にこうやって創っていこうというアドバイスがありました。それを1カ月半ぐらいかけて創って来て──今日、最後のスパーリング(※取材は20日に行われた)だったので映像を視て、今まで創り上げてきたモノの確認作業をしました。ここまでやってきたことは、間違っていなかったです」

──山本選手、もちろんMMAを戦っているのですが、金原選手とは明らかに違うリズムというか。相手の攻撃を見る。付き合うというのか、それでいて自分の攻撃になっている。自分のエゴをぶつけるMMAとは明らかに違う、異文化MMAに感じます。そして、あの間が実はガチガチのMMAファイターである金原選手にとって、何か嫌なリズムになるのではないかと。

「不規則なリズムだなとは思いました。自分はリズムを大切にして戦うタイプなので、空良君との試合では自分のリズムが狂ってしまうことを一番警戒していました」

──個々の局面では金原選手、MMAとして全てを合わせても金原選手。ただし、あのリズムや間で、金原選手の動きを狂わせる可能性があるのではないかと。

「それは自分も思っていて、一番気を付けるべき点です。自分がこれまでやっていないタイプの選手が、空良君なのかなって。『アレ、やりにくいな』と思うこともあるだろうし、気付いた時にはやられてしまっていることもあるかもしれない。そこだけは気を付けていきたいと思っています。あっ、あと──怖さがない」

──あっ、それですね。まさに、それです。だから、妙な間というか。

「八隅さんが言うには、だからこそ『暴力に屈しない』と。もしかすると、俺のプレッシャーにも屈しない可能性がある。良くも悪くも敏感ではない。だから空良君は誰と戦っても良い試合になります。ヴガール・ケラモフと戦っても、ネクサスで若い子と戦っても判定になってしまう。突出して何かが強い相手よりも、やりにくさはあります。何よりフィニッシュされていないのが、彼の強味だと思います。だからこそこの試合、自分は完全に制したいです。制圧、フィニッシュしたい。

それに何だかんだと言って、自分がやってきたベースを空良君が崩すのは難しいことだと思いますよ。しっかりとベースを創りながら、打撃にしてもレスリングにしても、柔術にしても向うに付き合わずに戦う。そこだけは創っていきたいです」

──金原正徳が創り上げてきたMMAは、ファンも堪能できるモノかと思います。金原選手は自身で「マニアック」と卑下するところがありますが。

「そこは……僕がやってきたMMA、僕にしかないできないモノがあるので。今更トラッシュトークとかして試合を盛り上げようとは思わないですし、自分がやってきたMMAを否定するようなことはしない。自分がこれまでやってきたことを一つの作品として、皆さんに見てもらう。これが今まで僕が真剣にやってきたMMAですよ──というのを見てもらいたいです。

それを見て納得してもらえないなら、自分はそれまでの選手です。時代に合わせて選手生活は送るけど、時代に合わせて自分のMMAのスタイルを変えることはない。もちろんルール、ジャッジの裁定基準に適応して戦いますけど、無理から派手な試合をしようとか、目立とうとか、そういうことはないです。自分にしか出せない緊張感、MMAという作品を皆さんに見てもらいたい。そういう気持ちはあります」

充実という一言が、その表情に表れている

──その結果、意中の選手との対戦に結び付けたい?

「なかなか、そこを正当化するのは難しいです。それはRIZIN側が決めることだし、お客さんが決めることです。今年でデビュー20年、今も皆とこうやっていられるのが楽しいですし、注目された舞台で試合ができることも幸せで。他に何を望むのっていうことになっちゃいますね」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

The post 【RIZIN LANDMARK05】不規則リズム=山本空良戦へ、金原正徳「僕にしかないできないMMAがある」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA DEEP DEEP JEWELS MMA MMAPLANET o ONE RIZIN RIZIN LANDMARK05 V.V mei アンジェラ・リー パク・シウ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ 万智 伊澤星花 浅倉カンナ 海外

【RIZIN LANDMARK05】V.V Mei戦へ、浅倉カンナ─02─「この試合だけは絶対に勝つ」

【写真】何があっても練習だけをしてきた。逆に試合がない状態での練習により、技量が上がっているという見方は十分にできる(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、V.V Meiと対戦する浅倉カンナ・インタビュー後編。

突き抜けられない現状との戦いに、自信を失う場面もあった浅倉だが、ヴァレンチーナ・シェフチェンコとの出会いと、V.V Meiという対戦相手を得たことで──再び戦いの場に戻る。

これがキャリアの剣が峰、乗り越えることで大きなステップとなる一戦へ、その覚悟と不安と自信の程とは。

<浅倉カンナ・インタビューPart.01はコチラから>


──それはかけがえのない経験となりましたね。

「プレイベートはジムのパーティで一緒したぐらいなんですけど、練習中の行い、雰囲気から本当に人として尊敬できて。全く偉ぶったことがないし」

──カンナ選手に関しては、RIZINで活躍をしてきたのですが、海外に行きたいという気持ちがないのかと疑問に感じていました。世界を目指す人がジムに多いですし。ヴァレンチーナと触れ合って、海外で戦うということを再考するきっかけにはならなかったですか。

「う~ん、本当の本当、正直に言って良いですか」

──もちろんです。

「こんなに強い人が世の中にいるのかって思いました。世界って広くて、厳しいと。練習を見てもらったので分かると思いますが、本当に何もできずぶっ飛ばされていたじゃないですか(苦笑)」

──まぁ2階級違いますし。

「それはそうなのですが……気持ち良いぐらい吹っ飛ばされたので、世界の厳しさを感じて……。目指そうっていうよりも、『こんなに強い人がいっぱいいるんだ』という感覚になって。同じ場所に行きたいという想いにはならなかったです。本当に今、自分は自信がなくて。試合までに自信をつけないといけないんです」

──RIZINにもパク・シウ、伊澤星花という選手がいます。強いです。

「強いですね。ただMei選手と試合をするということは、そこまでいくという覚悟をして決めたことなので。後のことは分からないですけど、この試合だけは絶対に勝つ。この試合の結果で、自分の今後が変わる気がします。周りもそうなんですけど、自分の気持ちがそうなると思います。

また『無理なのか』って思うことになるのと、勝って上を目指すことができるのでは大分違ってくると思うので。それぐらいの覚悟をして、臨みたいです」

──対戦相手としてMei選手のことを、どのように捉えていますか。

「Meiさんは打撃も寝技もできるし、経験が凄い。国内のトップファイターで、海外でもタイトル戦まで行った。なので簡単な相手ではないです」

──とはいえ2度に渡るアンジェラ・リー戦の頃と、ONEの終盤ではパフォーマンスは違う……下がったという印象は拭えないです。

「そうですかねぇ……MeiさんがMMAを余り戦えていないのが、関係しているのか。ただ、自分はアンジェラ・リー戦の印象が強いです。絶対に諦めないし、『Meiさん、凄い』って思っていました。自分より前に女子格闘技を盛り上げてくれていた選手と戦うことが、凄く嬉しいです。

もちろん、若くて力をつけてきた選手との戦いも自分にとって良い経験になるのですが、嬉しさでいうとMeiさんと戦える方が大きいです。実際、練習もしたことがあるし、やっぱりそういう過去とも関係してきます。戦わせてもらえるなら上の世代の選手とも戦っていきたいです」

──今日は対戦相手のMei選手と顔を合わせて、いかがでしたか。

「ちょっと気まずかったです(笑)。試合が決まってからは、当然練習をすることもないですし、連絡とかも取り合わないですけど。Meiさんを目の当たりにすると気まずさもありつつ、やっぱり気合いも入ります。もうやるしかないので、自分は会見があるとよりスイッチが入ります」

──自分のなかで、ここは譲りたくないという部分はありますか。

「試合が決まっていない時の練習って楽しいです。自由に色々と試すことができて。そういう期間が長かったので、何かその自分をケージのなかで出すことができれば、結構良い動きができるという気持ちでいます。そういう部分には自信があって──どうなんですかね、一本取れると思っています」

──これだけ自信がないと連呼して、結果的に自信はあると(笑)。カンナ選手、食えないですね(笑)。ところで今回は世代が上のトップ選手と戦いますが、今、DEEP JEWELSを見ていると過去2年ぐらいでデビューした選手が、キャリア10戦以上の選手を越えていく勢いを見せています。この現状はどのように見ていますか。

「刺激になります。凄く勢いがあります。そこに怖いモノしらずっていう部分もあるので。まだ何か怖くなる壁に当たっていない。だから本当に勢いがあります。万智ちゃんが柏に練習に来てくれていて、めちゃくちゃ強いです。万智ちゃんとスパーリングをしていると、負けたくないっていう想いになりますし、そこが良い刺激になっていますね。

何か昔の自分を思い出します。『こういう時、自分も凄く楽しかったな』って(笑)。そういう感覚で見つつも、自分はもうその場所にいない。違うところで、前に進んでいくしかないので」

──リングでなくケージです。ケージの方がカンナ選手は自分に粘りがあるし、相手の嫌なことも数多く仕掛けることができるように感じます。

「ハイ(笑)。あると思います。自分の中ではリングもケージも変わらないと思っているのですが、ケージで戦うとやりやすさは感じます。ケージ際の攻防は、リングと全然違うのでそこは強味になってきます」

──では、最後にファンにどのような自分を見て欲しいですか。

「負けて……この葛藤って人には伝わらない部分があると思います。悩みではないのですが、この感情が皆に伝わっていないだろうし、いい加減ファンの人たちには呆れられていると思っています。なので、ケージでしっかりと良い勝ち方をして──自分のなかで、今いる状況、立ち位置を全て変えていきたい。ケージの中で暴れている自分の試合を楽しんでほしいです」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

The post 【RIZIN LANDMARK05】V.V Mei戦へ、浅倉カンナ─02─「この試合だけは絶対に勝つ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK05   キック クレベル・コイケ サンチン ボクシング ライカ 中村倫也 剛毅會 岩﨑達也 平本蓮 弥益ドミネーター聡志 斎藤裕 朝倉未来 武術空手 鈴木千裕

【RIZIN LANDMARK05】斎藤裕戦、1週間前の平本蓮「何を警戒すれば良いのか。そこに不安を感じる」

【写真】自信も不安もある。信じるモノ、自分への信頼の根拠を欲する。普通にMMAファイター(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05。同大会のコメインで平本蓮が、斎藤裕と対戦する。                                                                                                    

MMA戦績2勝2敗、4戦目で見せた天性のストライカーが見せるMMA打撃の変化。その後も岩﨑達也に師事し、剛毅會空手=武術の叡智をMMAに生かす稽古を続けてきた。とはいえ生涯をかけて追及する武術と、期間の決まったなかで結果を残すために練習する格闘競技は別モノだ。それでも武術空手を生かした戦闘術を、MMAに落とし込む作業を斎藤裕という対戦相手のある戦いのフィールドで積み重ねてきた。

習得しなければならない技術が多いが故、効率が求められるMMAにあって平本は、試合で発揮しない方が良い局面の強化と、勝つために必要な局面の強化に努め、ケージの中での選択に自身のMMAファイターとしてのセンスが問われるという。

自信の程は口にしても、大口は叩かない──そんな平本蓮の言葉をお届けしたい。


──試合まで1週間(※取材は22日に行われた)、まず11月の弥益ドミネーター聡志戦の時と比較すると、肌の感じが良くて、空気感として自信のほどが違って見えます。

「アハハハ。前回の試合ってMMAの経験も……言うて、次で5戦目ですけど4戦目と5戦目ってまた違いますね。前の試合でドミネーターをしっかりとコントロールできたことの自信が、練習で一気に出るので。もう自分もテイクダウンされたらマズいキックボクサーではなくて、MMAファイターなんだなって。そういう意識が前の試合が終わってからできるようになりました。

そこの意識が変わったことにプラス空手も、あの時は基礎が体に沁みついていなかったですけど、今はしっかりと沁みついています。加えてやりたいこととして大塚(隆史)さんから、テイクダウンに関して本当にベーシックなことを学んでいます。

ベーシックなことだけど、それぞれの引き出しを持つ色々な相手に対処できるようになるために。ホントに基礎しかやっていないですけど、4カ月前に試合が決まって、ずっと準備できることってなかなかないので、基礎をやっているとソレが身に付いてきて。そういう意味で、もの凄く良い準備期間になりました。

まぁ、でもそれは相手もそうだし、あの時点で試合が発表された4人とも同じことなんですけどね」

──そうですね。斎藤選手にも同じだけの時間がありました。

「それでも『自分が一番伸びたでしょ?』っていうのはあります(笑)。じゃあ劣っていた技術的な部分が成長したのかといえば、そうじゃないです。グラップリングに関しては、経験値は斎藤選手の方が遥かに高い。同時にグラップリングでも、僕には勝負できるところがあるわけじゃないですか。ただ逃げるわけじゃなくて。

自分には伸びる幅が残っているので、想っている以上に身に付いていることが体感できています」

──斎藤選手の組みにも対処できると?

「斎藤選手って何かに秀でたファイターじゃないです。だからこそ、気を付けないと。想像以上に自分が苦しい想いをしながらも、その展開に持っていく。そこが怖いです。尖っている部分が何も分からない。何を警戒すべきか、全体的なことは分かるけど、突発的な部分で何を警戒すれば良いのか分からない。そこに向き合う時、不安を感じるかと思います。

だから、何がきても大丈夫なように力量を上げてきました。それでも今回の試合は過去のどの試合と比較しても、一番警戒しないといけない試合だなって。MMAファイターとして尖っているクレベル・コイケや朝倉未来とかとやるよりも、斎藤裕とやることの方が自分にとっては試練だという感じがしています」

──つまりは斎藤選手がウェルラウンディットのMMAファイターだからですか。

「ザMMA。アメリカンスタイルではないのですが、ザMMA日本のスタイルというか。でもこれまでのMMAの概念になかった日本のスタイル──これは俺だけのスタイルではあるけど、俺のスタイルを通じて剛毅會の戦い方……世界に通じる日本のストライカーのスタイルを確立できる自信があって。

岩﨑先生との稽古でボクシング、K-1でやってきたことが形になってきたんで。だから、同じ志を持つ若い選手に、希望を与えるような強さを見せたいですよね」

──形という言い方も岩﨑さんの武術用語ですよね。型は一つ、形は人それぞれという。翻って弥益選手との試合で平本選手が見せた構えや戦い方は、あの時点での平本選手の形であった。武術空手の叡智は使っていても、空手というわけではない。斎藤選手と戦う時は、また違った平本蓮の戦いの形が見られそうですか。

「その通りですね。もちろんK-1時代の経験が、そこに生きている部分もあります。だから剛毅會空手といえば腕を下げれば良いのか。自分から行かずに、とにかく来たところに当てれば良いのか。そういうことじゃなくて。それが岩﨑先生も言っている丈が陥ってしまったところですよね。

僕だってガードを上げるし。ケガをしていないと、ステップだって踏む。でも何て言うのか……やっていることはMMAっていう競技なんです。そのなかで自分のスタイルは、空手を通じてのMMAがある。空手のサンチンとか型とか、見ているだけじゃ意味は分からない。でも、構えた時もサンチンの意識があると全然違うんです。怖いと相手が感じる。別に行かなくても、回転数がある」

──回転数があると、質量が高くなる。

「それです。キックの時の映像も視てもらって、岩﨑先生が言うには調子が良い時は回転数が出ていると。それがMMAに転向して、自分のなかで少しMMAが上手くなったからこそ、その回転数が弱まるということがありました。

あと試合になると力み過ぎで、回転数が上がらない。ペース配分もできないで、やっていました。だから、その回転数を使わないと勿体ないというのが岩﨑先生の理屈で。その理屈は理解できます。ならMMAをやらなくて良いのか、空手を選択して戦うのか。それは二者択一じゃないんですよ。どっちかじゃない」

──いわばどっちもMMAであり、どっちもあるのがMMA?

「そこはもう、どうチョイスするかで。MMAで自分は、その回転数をどう生かせば良いのか。キックの時の獰猛さを出すのか。組まれて、倒されても良いからそれを出すことを覚えようと何カ月もやってきました。だから、真っ向からやってやるぞという線でやってきたので。組まれたとしても、決して逃げないです」

──組みがあるから、どうこうという考えだと居着くことになると。

「ハイ。そうです。逃げて戦うとそうなるので、組んできたモノをねじ伏せて逃がしてやるよっていう。ちょっと説明するのは難しいけど、今の俺はそれができる。それに打撃が当たるから行けるって思うと、貰ってしまう。そこがMMAの深さで。当たるから、テイクダウンに行ける。それがMMA。選択のチョイスは、練習で身に付くものではなくて。そのチョイスに生まれ持ったMMAセンスが出るのかと思います。

身体能力が凄くても、それがないとやられます。だから中村倫也選手は勝負の選択力に長けている。『レスリングは得意でも打撃は苦手』とか聞くんですけど、試合になった時の勝負の選択肢がある。それがセンスなのかなって思います。僕が斎藤選手と戦う時も、そのセンスが出る。どっちが先に逃がしてしまうのか。どっちが先にこぼしてしまうのか。どっちが先に選択ミスをしたのか。どっちが正しい方向に流れも持って行けたのか。その選択のセンスが、モロに試合に影響を与える。そのセンスを全力で発揮するために、日頃のトレーニングがあります。

だから試合が始まっても、俺は信じている自分がいるんで。その選択肢のセンスを信じています。このセンスって才能とかっていうより、直感みたいな。でも『直感でやっている』って言ったら、『ラッキーパンチですか』とか言われて(笑)。もう話にならないですよ。そういうことじゃないんだって(笑)。持ってきた武器のどれを使うのかが、その直感によるだけで。『うわぁ』って藪から棒に出すわけじゃない(笑)。

しっかり持っている武器から『今、これが使える』、『これを使うと寝かせられる』っていうチョイスであって。そういう部分のセンスをMMAにアジャストしてきた自分がいるんで、『うおぉ』って驚かせる自信はあります。それでも、今回の試合はさっきも言ったように警戒が必要で、楽な試合にはならない。苦しい展開になる。結果論として1RKOがあるかもしれないけど、それは苦しい試合を3Rやり抜こうとして起こることなので。

そういう試合になることは覚悟しているけど、判定になった時も必ず自分が勝ったという風にさせる自信はあります」

──話せる範囲で、どのようなことを心掛けて戦おうと思っていますか。

「殴られないことです。テイクダウンはされても、しょうがない。打撃のスペシャリストの僕でも、ダメージのある攻撃は受けないようにしないと。僕だけでなく、全ての人に当てはまる弱点をなくしてきたので」

──前回の試合から岩﨑さんの指導を受けることで、後ろを使うことを意識されていたと思います。今回、弥益戦よりも後ろを使えるようになっているのでしょうか。

「そこですか(笑)。それは見てのお楽しみということです。まぁ下がる&誘い込むのと、後ろを使うのは違うっていうことですが、そこは試合で見てください。先を取ります」

──ところで斎藤戦以外の部分になるのですが、単刀直入に平本蓮のなかでRIZINフェザー級戦線における最強ファイターは誰なのでしょうか。

「そりゃあ、尖った能力と圧倒的なフィニッシュ能力でクレベル。だからチャンピオンなんだし……でも、なんか勝てる気がしているんです(笑)。で、何だかんだ強いのは鈴木千裕じゃないですか。意外にも。

レスリング力はあるし、ノーモーションのMMA向きのパンチがあります。次やったら勝ちますけど、朝倉未来よりも鈴木の方が強いという感じはします」

──また、そこは何かの機会、どこかの媒体で深くメスを入れさせてください。では、最後に斎藤選手との試合では何を見せたいですか。

「強さを存分に見せたいです。強さを見せたい」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

The post 【RIZIN LANDMARK05】斎藤裕戦、1週間前の平本蓮「何を警戒すれば良いのか。そこに不安を感じる」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE RIZIN RIZIN LANDMARK05 V.V mei パク・シウ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ 浅倉カンナ

【RIZIN LANDMARK05】V.V Mei戦、覚悟を持った再出発。浅倉カンナ─01─「もうやるしかないんだから」

【写真】ここは上を目指す選手が、必ず通る道(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、V.V Meiと対戦する浅倉カンナ。

昨年7月にパク・シウに敗れスーパーアトム級GP初戦敗退に終わった浅倉は3月3日に行われた会見で、この敗北を受けて自身のキャリアに対してネガティブになっていたという発言をした。

2014年のデビューから早くも8年の月日が過ぎ、RIZINで戦うようになってから6年半が経過した。積み重ねた試合数は26試合、そして感じるトップとの差。キャリア最長の試合間隔を経て、再び覚悟を持って戦う相手は日本の女子MMAを引っ張ってきたV.V Meiだ。最後に輝く舞台として、ONEからRIZINに戦場を移してきた先人との対戦、自らのキャリアの再構築に関して浅倉カンナは何を話したのか。そして世界最強女子MMAファイターの邂逅が彼女に何をもたらしたのか。


──会見で話していた「ネガティブになっていた」という部分、もう少し詳しく話してもらえますか(※取材は3月3日に行われた)。

「トーナメントのベルトは獲りましたけど、階級のベルトは獲れていなくて。RIZINに出させてもらってそこをずっと目指していたんですけど、あの1回戦で負けるということは相当に遠いし、もう無理。目指せないかなって負けた直後は思っていました。でも、少し休んでジムに練習に行くと、先輩や後輩が毎週のように試合があって。皆の姿を見ていると、格闘家としてもうちょい挑戦しようかなっていう想いになってきて。それから、大分時間は空いてしまったのですが、このオファーを貰って『もう1回やるかぁ』という感じですね」

──この先が見えていなくても、道場には足が向かうのですね。

「ハイ。毎日のように練習には行っていました。なんですかね……強くなろうとかっていう気持ちも負けた直後にはなくなっていました。でも、ジムで練習することは楽しいです。皆、頑張っているし」

──パラエストラ柏、今やカンナ選手より若い選手が増えていないですか。

「めちゃくちゃ増えました。後輩ばっかりで。自分が入った時とは、雰囲気が違いますね。『ここで生き残ると強くなっている』という空気がジムの中に凄くあって。結構、皆頑張って続いているんですよ。

自分の後の世代ってなかなかプロに行き着く人がいなかったのが、今の子たちは負けてもアマチュアの試合に出続けて、プロになっています。もちろん全員じゃないですけど、そこまで頑張る子が増えています。だからジムの雰囲気も凄く良いと思います」

──だからこそ、常に勝利だけでなく、敗北も周囲にあるということですね。

「(鶴屋)怜君は突っ走っていますけどね(笑)。頑張っていても、大切な試合で負ける選手もいます。それでも、辞めないで頑張っている。そこに関しては下の子たちよりも、上の先輩たちを見てそう思いました。やっぱり扇久保(博正)さん、岡田(遼)さん──」

──いやっ、岡田選手は違うはずです(笑)。ジムの選手の取材があると知れば練習に駆けつけて、第二の人生のために練習をしています。そこには扇久保選手のような純粋さはない(笑)。

「アハハハハハ。岡田さんのこと、めっちゃ否定しますよね(笑)」

──年を重ねると、笑顔の裏にある本当の顔が見えてくるんです(笑)。

「自分にとっては偉大な先輩なんで(笑)。ホントに(内藤)頌貴さんもそうだし、黒澤(亮平)君もそう。私はRIZINに昔から出させてもらって目立っては来ましたが、格闘家としては皆が大先輩なんです。そういう人たちをずっと見ていると、自分の経験なんて全然まだ足りていないっていう気になります。先輩と比べるわけじゃないけど、やっぱり想うことが多かったです」

──また強くなろうと思えるようになったのは?

「正直、オファーを貰っても『試合するのかな?』という感じで、『よし、やろう』とはならなかったです。『うわぁ、オファーが来たぁ。どうしようかな、Meiさんかぁ……強いなぁ』っていう感じで。同時に練習をしていても、『ちんたらやっていてもしょうがないな』という気持ちもあったので、3カ月あれば準備もデキると思って戦うことを決めました。

ただケージに上がる時よりも、この3カ月という期間が怖かったです。また、あれだけの練習をして、自信を持って戦うことができるのかなって。実は返事をするまで、3日ぐらい悩みました。

Meiさんは他の団体で戦ってきた人だから、『ここで負けたら、どうしよう』とも考えましたし。勝って嬉しいという気持ちよりも、負けたらどうしようっていう怖さが勝ってしまって。そういう風な情けない自分も嫌で……」

──そのような時は、誰かに相談に乗ってもらったりするのですか。

「いえ。自分は相談とかは余りしないです。戦うのは結局、自分なんで。よし、やるかって。また一から並び直すことになったけど、上を目指そうという覚悟ができて試合を受けました」

──カンナ選手の奥底にあったものは、続ける。戦うということだったと思います。あとはスイッチがいつ入るか。辞める人は、悩むことなくもう辞めています。そういうなかで人に相談するのは、自分の考えに納得するための理由が欲しいから。答はもう出ているんですよね。

「あぁ、確かに。絶対にやりたくないという感覚ではなくて、本当に負けるのが怖かった。試合まで自分を追い込んで、自信を持って立てるのかということだったので。だからやると決めれば、もうやるしかないんだからって気持ちはスパッと切り替わりました」

──そのなかで2月にヴァレンチーナ・シェフチェンコが3週間、パラエストラ柏に滞在したことは刺激になりましたか。

「そこはメチャクチャでかくて。巡り合わせじゃないですけど、このタイミングでヴァレンチーナが練習に来てくれて、あの練習をさせてもらった。気持ちが変わらないわけがないですよね。この時期に来てくれたことが、本当に有難くて感謝しています。同じ空間で一緒にいて、直接手を合わせていない時でも、目で追うことだけでも勉強になりました。

自分、英語が全く話せないので会話ができたわけじゃないんですけど、練習に対する姿勢、トレーニングメニューとかからでも勉強になることだらけでした。向き合って肌で感じられたことは、メチャクチャデカかったです。まるで敵わなかったけど、自信になりました」

──やられて自信というのは?

「彼女があそこまで強くなれたのは、練習をしてきたから。練習をすれば強くなれると本当に思えるようになりました。コーチも柏の選手の名前を覚えて、適切なアドバイスをくれるんです。スパーリングを一緒になってやっていても、その顔合わせによってやることが違うんですよね。ヴァレンチーナだけでなく、皆のためになる練習をしてくれました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

The post 【RIZIN LANDMARK05】V.V Mei戦、覚悟を持った再出発。浅倉カンナ─01─「もうやるしかないんだから」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase333 RIZIN RIZIN LANDMARK05 アリ・アブドゥルカリコフ カルリ・ギブレイン ジョニー・ケース パンクラス 上田幹雄 雑賀ヤン坊達也

【RIZIN LANDMARK05】「パンクラスの前日、2度と情けない姿は見せられない」ケース欠場、代役=ヤン坊

【写真】雑賀ヤン坊達也。RIZINの舞台で雄々しい姿を今回こそは見せられるか (C)MMAPLANET

13日(木)に行われたRIZIN42の対戦カード発表記者会見において、29日(土)に東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05に出場予定だったジョニー・ケースとカルリ・ギブレインの欠場が明らかとなった。

ギブレインは出国手続き不備で来日が不可能となり、対戦するはずだった上田幹雄は6月24日の札幌大会で戦うことになるとのこと。

またケースは右ヒザの半月板損傷、前十字靱帯断裂、外側側副靱帯断裂、内側側副靱帯断裂、脛骨亀裂骨折という今後が心配になる負傷で欠場し、雑賀ヤン坊達也が代役出場しアリ・アブドゥルカリコフと戦うことが決まった。

MMAPLANETではスクランブル出場が決まった雑賀に、今大会出場の意気込みを尋ねた。


雑賀ヤン坊達也
「対世界。今まで以上に燃えています。しかも相手はロシア人ファイター。ロシア人ファイターを相手に、自分がどこまでできるのか。いつも通り凄くビビっていますが、やるしかないので魂燃やして勝ちにいきます。

ちょうど1年前、RIZINに初出場した時は自分の日にできなかったので、今回こそは自分の日にして『俺がヤン坊だ!!』と叫んでやります。

Pancrase333の前日、しかもライト級王座決定戦とランカーが勢ぞろいする大会の前の日に、パンクラス代表としてRIZINに出場する限り、もう2度と情けない姿は見せられないです。もちろんチームの皆、応援してくれる皆様、サポートしていただいている皆様に対しても──です。

ここで勝つことで、人生が大きく変わると思っています。自分を信じて勝利を掴み取ります! 応援よろしくお願いします!!」

The post 【RIZIN LANDMARK05】「パンクラスの前日、2度と情けない姿は見せられない」ケース欠場、代役=ヤン坊 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK05 修斗 倉本一真 太田忍 岡田遼

【RIZIN LANDMARK05】太田忍と対戦、倉本一真─02─「岡田選手に負けてから、MMAを向き合えるように」

【写真】昨年11月とは違う倉本が見られるはず、彼にはその素養と環境がある(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、太田忍と対戦する倉本一真のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

両者の対戦が決まって以降、何やらインターネット上で騒ぎが起きていた。レスリング時代に対戦経験のある2人に対して、煽り煽られのコメントが寄せられる。太田忍が倉本について語る動画がアップされたり、SNSでやり取りが行われたり――といった流れに対し、倉本自身は「因縁の対決」であることを否定する。レスリングはレスリング、そしてMMAはMMAだからだ、と。では、MMAファイターとして彼は太田戦で何を見せるつもりなのかを尋ねた。

<倉本一真インタビューPart.01はコチラから>


――ファイト・レディーで練習することになった経緯のなかで、「元谷選手に負けた直後に行きたい気持ちが強くなった」とありました。それは、元谷戦の試合内容が影響していたのでしょうか。

「それはあります。前回の試合は、勝てるっていう気持ちしかなかったです。でも負けて、自分の弱いところが分かって……。負けた日にマネージャーから『米国で練習しましょう』と言われて、僕もすぐ『お願いします』って答えました」

――自分の弱かったところ、敗因は何だったと思いますか。

「打撃をもらいすぎですね。今まで負けた試合は、全部ガードが低くなっていました。相手のパンチが速いとか、そういうことよりも僕のガードが緩くなることが多すぎて。それは今までもずっと言われていることなんです」

――相手のパンチが効いているからガードが上がらないのか、スタミナの問題なのか、それとも癖なのか……。

「ガードを上げすぎると、自分のスタイルが変わっちゃうところがあるんです。動きづらくなる、テイクダウンに行きづらくなってしまいますよね。もちろんレスリングでガードを上げることはないし、空手も伝統派だったのでガードは低いじゃないですか。それで試合中も『ガードを上げろ! ガードを上げろ!!』と言われても、気がついたら下がってしまっていて」

――だからこそ米国で、レスリングを生かしながら打撃でも勝つMMAを再確認する必要があったのですね。

「はい。そこはガッチリ修正しています。細かいことは言えないですけど、とにかくガードは大切に(笑)」

――なるほど。時系列が分からなかったので、太田忍戦に向けて米国でレスリング特訓をしているのかと思っていました。

「対策とか、そういうことではないですね。本当にもうイチから、自分のMMAを見直しています」

――ではその太田戦について……SNS上では太田忍選手との間で煽ったり煽られたりという話があり、因縁の対決とも言われています。

「別に煽ったりしたことはないですよ。いろいろ言われているみたいですけど、僕はトラッシュトークに興味がなくて……。彼も会えば挨拶して、普通に話かけてきますしね。僕の嫁さん(リオ五輪女子48キロ級金メダリストの登坂絵莉)は、彼と同級生ですし」

――レスリング時代の対戦成績は、倉本選手の2勝1敗です。2013年と2014年の全日本選手権で倉本選手が勝利し、翌年の国体では太田選手が勝っています。

「うーん……、それもレスリング時代の戦績だから、今は関係ないですよ。過去に僕がレスリングで勝っているからどうというのはないです。今回はMMAの試合なので」

――ではMMAの話をすると、太田忍選手がRIZINでMMAデビューした時はどのように感じましたか。

「もともと彼がMMAをやりたいというのは知っていて、実際デビューして『いずれ対戦することもあるかな』とは思っていました。過去にレスリングで対戦しているので、プロモート側も煽りやすいでしょうし。でも、こんなに早く対戦することになるとは考えていなかったです」

――ではMMAファイターとしての太田忍選手の印象を教えてください。

「……まだこれからじゃんじゃないえすか。なんか彼の気持ちも分かる気がするんです」

――というと?

「彼はすごく運動神経が良いんです。レスリングという競技は、瞬発力やセンスも大事な部分で。レスリング時代も、そういうセンスの良さがありました。今はMMAでもそのレスリング力とセンスで戦っているところがあると思います。それは僕も、人のことは言えないんですよ。自分自身がそうだったので」

――以前、自衛隊体育学校のレスリング部を取材させていただいた時、オリンピック級の選手の身体能力に驚かされました。MMAでもデビュー当初は、その身体能力だけで勝ててしまうのではないかと……。

「ある程度勝てると思います。僕自身も修斗でデビューした頃は、そんな状態で勝てていました。岡田選手に負けて(※2020年5月、岡田遼にKO負け)ようやく、MMAの基礎をちゃんとしっかり学び始めました。テイクダウンしてグラウンドに持ち込んでから、どう進めるのか。ギロチンを取られたり、バックマウントを奪われたらどうするか。力や運動能力だけでは、どうしようもない。本当に一つひとつ細かい技術が必要になって」

――……。

「それって当たり前のことなんですよ。当たり前のことだけど、そうやってMMAと向き合えるようになったのが、岡田選手に負けてからで。それでも、今も試合中にガードが下がってしまい、負けることがある。だから米国へ行って練習する。そうやってきたんです。……何だろう? あんまり人のことを、とやかくは言いたくはないんですけど」

――インタビューでは冷静に語ってくれてきた倉本選手の語気が、いつもより強くなっていることに少し驚いています。

「うん、そうですね……、彼はいきなりRIZINという大舞台でデビューして、MMAではまだそういう経験をしていない。自分自身が通ってきた道なので。『レスリングの対戦成績は関係ない』と言ったのは、そういう意味です。これはMMA。だからこそ僕も『ここで負けたら終わり』という気持ちでいますし、絶対に勝ちます」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

The post 【RIZIN LANDMARK05】太田忍と対戦、倉本一真─02─「岡田選手に負けてから、MMAを向き合えるように」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK05 UFC アルジャメイン・ステーリング ジャン・ウェイリ ジョン・ジョーンズ デイヴィソン・フィゲイレド デメトリウス・ジョンソン バットゲレル・ダナー パウロ・コスタ ブルーノ・シウバ ベラトール ボクシング ライカ 倉本一真 太田忍

【RIZIN LANDMARK05】倉本一真 inアリゾナ─01─「ヘンリー・セフードのファイトキャンプが始まった」

【写真】倉本は凄まじい勢いで、色々なモノを吸収しているように感じる(C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、倉本一真が太田忍と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

レスリング時代に対戦経験のある両者の激突が発表されたのは、3月3日に行われた記者会見だった。しかし倉本は会見を欠席、そのとき彼は米国アリゾナ州フェニックスのファイト・レディーで、元UFC世界フライ&バンタム級王者のヘンリー・セフードと練習していたのだ。なぜ彼は米国に渡っていたのか。その理由と現地の練習について訊いた。


――現在、米国アリゾナ州のファイト・レディーで練習されているそうですね。

「はい。以前からヘンリー・セフードがいるファイト・レディーで練習したいと思っていたんですよ。もともとヤマニハ選手に負けた(2021年6月、アラン・ヤマニハに判定負け)あとに、マネージャーから『米国で練習してみるのも良いですよ』と言われていて」

――なぜファイト・レディーに興味を持ったのでしょうか。

「やっぱり組みのファイターが、組みを生かしつつ打撃をやって結果を残している。そういうファイターが育っているジムで練習したいと思ったんです。それでファイト・レディー側も受け入れてくれることになったんですけど、当初は去年の末に来るつもりでいたものの、ジムの受け入れ態勢の確認とかもあって。

僕は元谷選手に負けた直後に行きたい気持ちが強くなっていたけど、コーチやヘンリー・セフードのスケジュールとか、そういったことを確認して、ようやく2月15日に日本を発つことが決まりました。ちょうどその頃に次の試合も決まったという流れです」

――2月15日に日本を発ったということは、2カ月ファイト・レディーで練習しているわけですね。

「そうです。4月13日にこちらを出発するので、ちょうど2カ月ですね。もともと『米国で練習するなら3カ月』と言われていました。1カ月でこちらの環境に慣れて、2カ月でさらに練習にも慣れていき、3カ月でもっと良くなっていく。そういう感じで話をしていたんですが、出発日も伸びて、僕の試合が決まったこともあって――それでも丸2カ月はいることができると思って、アリゾナに来ました。ただ、すぐ2カ月経ってしまいましたね。時間が経つのは早いです」

――ファイト・レディーでは、どのような練習を行っているのでしょうか。

「最初の1カ月はヘッドコーチのエリック・アルバラシンさんが、マンツーマンで指導してくれました。ちょうど僕がファイト・レディーに来る頃に、セフードの次の試合(5月6日、アルジャメイン・ステーリングとのUFC世界バンタム級タイトルマッチ)が決まって、ここにセフードのファイトキャンプのメンバーが集まっていたんですね。それで僕もファイトキャンプに参加させてもらい、すごく勉強になっています」

――セフードのファイトキャンプも始まるとは、絶好のタイミングですね。では1日の練習スケジュールを教えてください。

「ジムは朝10時から練習開始で、セフードのファイトキャンプとファイト・レディーの練習は完全に分かれているんですよ。僕はオモニファイトキャンプのほうに参加して、朝10時からの練習は12時から12時30分ぐらいに終わります。そこから各自のトレーニングに入り、また午後6時30分ぐらいからファイトキャンプのメンバーと練習が再開されます。MMAのスパーリングはファイトキャンプというよりジム全体で、火曜日と金曜日に行われていますね。MMAの練習はセフードのお兄さん(アンヘル・セフード)が、レスリング中心のMMAを教えてくれたり。他にも打撃のコーチやグラップリングのコーチが、入れ替わりながら練習を見てくれるという感じです」

――そこにデメトリウス・ジョンソンをはじめ、多くのトップファイターが集まっていたのですよね。

「DJがいたのは何日かだけだったと思うんですけど、すごいですよね。試合前の大事な時期はDJもファイト・レディーに来ているらしいです。他にもデイヴィソン・フィゲイレド、ジャン・ウェイリ、ジョン・ジョーンズが来ていて。パウロ・コスタやブルーノ・シウバはファイト・レディー所属で、他にもUFCファイターやベラトールの選手がたくさん練習しています。でもそのメンバーでジムに常駐しているのはセフードぐらいで、他はファイトキャンプや何かある時に来るという感じです」

――常駐はしていなくても、それだけのファイターが練習に訪れるということは、皆が求める練習環境がファイト・レディーにあるということですね。

「そうだと思います。ヘッドコーチのエリックをはじめ、打撃コーチのエディ・チャーさん、グラップリング中心のコーチでサンティノ・デフランコさん、そしてセフードのお兄さんが主なコーチで、他にも選手兼コーチという人たちもいます。そうしたコーチ陣が的確な意見をくれるし、コーチ同士で意見を言い合うことができる良い雰囲気なんですよ」

――トップファイターたちが集まる中で、いわゆるガチスパーは行われるのですか。

「こっちは結構ガチでやりますね。火曜日と金曜日は大きめのMMAグローブとシンガード、ヘッドギアは着けてガチスパーをやります。他の大きなジムについて訊いたら、大きいボクシンググローブを着けてスパーするところが多いらしくて。でもボクシンググローブだと、たとえ8オンスでもスタイルが変わってしまうじゃないですか。まず組むことができないですからね。でもファイト・レディーではMMAグローブを着けてガチスパーをやるので、良かったです。さすがにセフードとはスパーしていないですけど……。彼はもうファイトキャンプに入っていて、完全にアルジャメインを研究したメニューをやっていました」

――そのなかで、「コイツは強い」という選手はいましたか。

「いやぁ、みんな強いですよ。何回もスパーしているのは、モンゴルのバットゲレル・ダナーですね。身長も高いし、前に出て来るストライカーで強い。僕も勉強になっています」

――ではファイト・レディーでの練習を通じて、一番得たものは何なのでしょうか。

「次の試合にも関わってくるので、細かいことは言えないんですが……いろいろと変わってきました。教わったことを全部できるようになったかといったら、それは難しいですけど。2カ月の練習だけで全部できるようになったら、僕もUFCチャンピオンになれると思いますし。アハハハ。でも次の試合で、変わった自分を見せることはできると思います」

<この項、続く>

The post 【RIZIN LANDMARK05】倉本一真 inアリゾナ─01─「ヘンリー・セフードのファイトキャンプが始まった」 first appeared on MMAPLANET.