カテゴリー
DEEP DEEP JEWELS KINGレイナ MMA MMAPLANET o PFL PFL2023#02 ケイラ・ハリソン パンクラス マリーナ・モフナトキナ 東よう子 海外

【PFL2023#02】モフナトキナとPFL初戦、東よう子─02─「相手は私と似ている。最後は気持ちの勝負に」

【写真】目指せ100万ドル!(C)MMAPLANET

7日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルで開催されるPFL2023#02で、マリーナ・モフナトキナと対戦する東よう子のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

DEEP JEWELSフェザー級王者の東よう子が日本人女子選手として初めてPFLと契約し、元サンボ世界王者モフナトキナとの初戦に臨む。ジャブ、ワンツー、そしてテイクダウンが中心と、両者のスタイルには共通点がある。柔道出身ながらMMAのテイクダウンを強化して挑む東が語る、モフナトキナ対策とは。


――東選手は柔道時代を含めて、海外での試合経験はあるのでしょうか。

「柔道時代、高校生の時にフランス・ジュニア大会に出たぐらいです。だから海外の試合は、もう20年ぶりですね(笑)」

――PFLはフェザー級リーグ戦に出場します。DEEP JEWELSのフェザー級王座を獲得したあと、前回のダイヤモンドローズ戦はバンタム級契約で試合をしました。これはバンタム級での契約を考えていたのですか。

「マネージャーからは『女子でもバンタム級以上の契約は難しい』と言われていて、正直PFLと契約できるならライト級でもOKだと伝えていました。たまたまフェザー級が始まることになって良かったです。もともとパンクラスではバンタム級で試合をしていましたし、バンタムとフェザーのどちらでも良くて」

――そこまで体重調整は問題ないのでしょうか。

「そもそも海外の環境がよく分かっていなかったんですよね。今までの試合だと、バンタム級で試合をする時は10キロぐらい落としていました。フェザー級だと――現時点でリミットまで1キロを切っているぐらいなので、減量もキツくない。体力を消耗することなく渡米できるので、フェザー級で良かったと思っています。相手はフェザー級からリカバリーして、試合当日はデカくなっているのでしょうけど(苦笑)」

――PFL初戦の相手、マリーナ・モフナトキナは前回PFLに出場したのはライト級でした。もともとはフェザー級の選手ですが、ライト級でも戦えるフレームを持っています。

「そうなんですよね……。試合映像では、実際どこまで大きいかは想像できなくて。とにかく骨格は太そうです。選手としては、KINGレイナ選手に近いタイプなのかなって思います。割と何でもできて、大振りのパンチにサンボの組み技が加わっている。でも、特にビビるようなところはないですかね」

――モフナトキナはKING選手と近いですか。どちらかというと、東選手ご自身に近いと思っていました。

「アハハハ、そうですね。自分にも似ているところがあると思います。周りの人とも『東さんと似ているよね』と言われていました。ストレート系のパンチが強くて、四つで組み、テイクダウンする――」

――そしてレスリングのように足を触るテイクダウンもあり、サンボ式の朽木倒しも繰り出していました。

「テイクダウンの種類は豊富ですよね。投げはもちろん、ダブルレッグもシングルレッグも全部やってくる。ほぼ全ての試合映像を見て、今まで出していたテイクダウンの方法はチェックしてきました。もちろんそのテイクダウン対策もしてきて、試合の作戦の中にも入っています」

――ライト級の試合とフェザー級の試合では、動きも違うかと思います。

「PFLのライト級でやった試合は、明らかに体が重そうでした。一番最近の試合はフェザー級でやっていて、スピードもキレも全然違うんですよ。『おぉ、動けている!』って(苦笑)。ただ、それもどちらが良いのかは分からないですよね。もしかしたらフェザー級ではパンチが軽くなってしまうかもしれないし……。パンチについてはライト級のほうが重そうでした。こればっかりは、実際にやってみないと分からないです」

――一方、モフナキナもライト級のファイターと打ち合えるタフさを見せていました。

「今ロシアや中央アジアの選手って、メチャクチャ強いじゃないですか。気持ちも強いでしょうし――最後は気持ちの勝負になりますかね。ライト級で戦っていたということは、そこで打ち合っても折れない気持ちを持っている選手だと思います。ケイラ・ハリソンを相手に打たれても、打たれても前に出ていて」

――PFL初戦、当日は同じく女子フェザー級の選手たちが集まっています。そのなかで、どのような試合を見せたいですか。

「一発、印象に残るような試合をしたいですね。海外って勝てば次に繋がるし、負けたらそこで終わり――というイメージがあるじゃないですか。リーグ戦だから今回で終わりっていうことはないでしょうけど、次も期待してもらえるような勝ち方をしたいです。ここで認められれば、ずっとその先にも繋がっていくでしょうし。

私自身、今までは『引き分けでも生き延びる』という試合が、なかったわけじゃないです。米国ではインパクトのある勝ち方をしていければいいですね。女子フェザー級だけじゃなく、当日は男子ヘビー級にも負けないぐらいに(笑)」

――アハハハ、当日は女子フェザー級と併せて男子ヘビー級の試合も行われますからね。

「海外の試合って、殴り合っているシーンも多いじゃないですか。私としても、その要素を入れつつ、やっぱり寝技の展開も多くなると思います。いずれにしても、私も相手も、いろんなことを経て辿り着いた試合です。だから次は意地と意地のぶつかり合いになりますよ」

――PFLのリーグ戦は優勝賞金が100万ドルです。今から使い道は考えていますか。

「まだ1試合もしていないのに、そんなの考えられませんよ(笑)。100万ドルって、金額として想像もつかないですよね……キャンピングカーを買って、息子と旅行しますかね。とにかく今は、この試合に勝つことに集中していますから。そして今シーズンしっかり戦い抜くので、宜しくお願いします!」

The post 【PFL2023#02】モフナトキナとPFL初戦、東よう子─02─「相手は私と似ている。最後は気持ちの勝負に」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
BELLATOR Bellator295 DEEP DEEP JEWELS KINGレイナ MMA MMAPLANET o PANCRASE PFL PFL2023#02 RIZIN イリマレイ・マクファーレン ベラトール 村田夏南子 東よう子 海外 渡辺華奈 魅津希

【PFL2023#02】日本人初PFLと契約、東よう子─01─「華奈、夏南子ちゃんや魅津希ちゃんに追いつきたい」

【写真】Pancraseのシャツ。この辺りが東よう子という選手の信頼感に通じます(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルで開催されるPFL2023#02で、DEEP JEWELSフェザー級王者の東よう子がマリーナ・モフナキナと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

KINGレイナとの2連戦を制してベルトを巻いた東のPFL出場が、今年2月末に発表された。女子フェザー級リーグ戦に出場し、1年をかけて優勝賞金100万ドルを目指すこととなる。初戦の相手は元サンボ世界王者で、すでにPFL出場経験もあるモフナキナだ。東はこのビッグチャンスを掴み取ることができるか。渡米直前の東に意気込みを訊いた。


――明日、ラスベガスに向けて出発されるそうですね(※取材は4月1日に行われた)。

「はい! サンフランシスコ経由でラスベガスに入ります」

――PFLに関するお話の前に、少し昨年の試合についてお聞きします。昨年5月、KINGレイナ選手とのDEEP JEWELSフェザー級王座決定戦を制し、その腰にベルトを巻くことができました。

「ずっと『海外で試合をしたい』と思っていたので、ベルトに対するこだわりはなかったんですよ。でも、ありがたいことにタイトルマッチを組んでいただいて、ベルトを獲ったら周りの人たちの反応が良かったです。今まで応援してくれた人たちに一つ、形になるものが報告できました。それと、ちょっと私のことを知ってくれた人も多くて」

――「ちょっと知ってくれた」というのは、どういうことですか。

「私はRIZINに出ているわけでもないし、知名度は低いじゃないですか。それこそ私のことを知っていても、『KINGレイナと対戦した東よう子』みたいな(苦笑)。たぶん初戦(2021年6月、ノンタイトル戦で東が判定勝ち)の時は、『東が勝った』ではなく『KINGが負けた』という感じでしたよね。でも再戦で勝ったことで『東が勝ってベルトを巻いた』と、私のことを知ってくれた人も多かったと思うんですよ。……分かります?」

――もちろん分かります。勝ったことで人生が変わる。東選手の場合はベルトを獲得してPFLとの契約に至るなど、MMAを戦う醍醐味でもありますね。

「確かに知名度も大切だと思います。でも、実力のほうが認められるような世界になってほしいです。強さを求めて戦っているファイターも多いから、今は海外を目指す選手が増えているのでしょうし。知名度が優先されると、キャラづくりが上手い人のほうが有利になってしまいますからね」

――キャラと言えるかどうか分かりませんが、東選手も「ママさんファイター」として知られているのではないですか。今回の渡米は、お子さんは同行されるのでしょうか。

「いえ、今回は友達が預かってくれることになりました。連れて行こうかと思っていたんですけど、小学校の始業式に出ないといけないので」

――ちょうど学校が始まるシーズンですからね。以前のインタビューで、現在はベラトールを主戦場としている渡辺華奈選手との交流についてお聞きしました。「華奈を見て、もっと私も頑張らないといけないと思います」と仰っていた結果、東選手はPFLとの契約に至っています。このことについて渡辺選手とはお話をされたのでしょうか。

「華奈とは今、パラエストラTBで何回か練習することがあって。華奈も22日に試合があるので(Bellator295、イリマレイ・マクファーレン戦)、お互いに頑張ろうねって話をしました。華奈もそうですし、Me,Weでも村田夏南子ちゃんや魅津希ちゃんっていう海外の試合を経験している人から意見をもらえるのが、すごく大きいです。早く私も彼女たちに追いつきたい、肩を並べたいと思っています。特にPFLと契約した日本人の女子選手は私が初めてなので、頑張っていかないといけないですね」

――今年の2月末、そのPFLとの契約が発表されました。まずPFL出場が決まった時の気持ちから教えてください。

「プロデビューした頃からずっと『海外で試合をしたい』と言っていて、ようやく夢が叶いました。ただ、ベルトを獲った時もPFLとの契約が決まった時もホッとしたと同時に、また頑張らないといけないって気合いが入りましたね。今年に入ってからPFLとの話が急に進んで、2月末に正式に決まったんです。私は2月25日が誕生日で、最高の誕生日プレゼントでした」

――昨年11月、ダイヤモンドローズ戦のあとに英語で海外挑戦をアピールしていましたが、あれは試合前から考えていたのですか。

「誰かに『海外で試合をしたいなら、英語でアピールするのも一つの手だね』って言われたんですよ。それで調子に乗っちゃいました。試合前からカンペを用意していて(笑)」

――アハハハ。KING戦は左ジャブを中心とした試合運びであったのに対し、ダイヤモンドローズ戦はテイクダウンとトップコントロールを軸としていました。その試合内容も海外進出を想定したものだったのでしょうか。

「いえ、最初は打撃で行こうと考えていました。相手が柔術をやっている選手で、もっと寝技で勝負してくるかと思っていて。でも意外と打撃のほうが強かったんですよ(苦笑)。私が左ジャブを突いた時、相手もジャブを返してきて。そのあと連打を受けてしまったから即、私も組みついてグラウンドに持ち込みました(笑)」

――なるほど、そうだったのですね。あの試合では、これまで苦手だったというダブルレッグやニータップによるテイクダウンを見せていました。

「柔道って立ちで組みつく競技だから、足を触りに行って倒す経験がなかったんですよ。でもここ最近は、まずKING戦でダブルレッグでもテイクダウンを奪いました。ダイヤモンドローズ戦でも、ダブルレッグで入ってからケージレスリングの展開を見せることもできました。今はもうテイクダウンの攻防が楽しいです。さらに足を触りに行けば顔面へのパンチも当たるし、パンチが当たればテイクダウンも取りやすくなりますからね。今回のPFLに向けて、テイクダウンの面はさらに練習してきました」

<この項、続く>

The post 【PFL2023#02】日本人初PFLと契約、東よう子─01─「華奈、夏南子ちゃんや魅津希ちゃんに追いつきたい」 first appeared on MMAPLANET.