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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 シィォン・ヂィンナン ティファニー・テオ ブログ 三浦彩佳

【ONE113】三浦彩佳が予想するONE世界女子ストロー級選手権試合──勝者:パンダ=シィオン・ヂィンナン

【写真】三浦はテオの強さを列挙したうえで、ヂィンナンの勝ちと予想した(C)ONE & MMAPLANET

いよいよ本日、 30日(金・現地時間)にイベント開催となるONE113「Inside the Matrix」。

4大タイトルが組まれた今大会、同階級で戦う選手に世界戦を予想してもらう──シリーズ第5回目は、三浦彩佳がONE世界女子ストロー級選手権試合、王者シィオン・ヂィンナン✖挑戦者ティファニー・テオの勝利者予想とその理由を語った。


三浦彩佳の予想
勝者:シィオン・ヂィンナン
理由
「4Rか5Rでパンダ選手がKOするかと思います。テオもスタミナがあると思うんですけど、シィオン・ヂィンナンの方が打撃も重いだろうし。前と同じように……、ヂィンナンがコツコツ打って、ティファニー・テオが根負けしたみたいな形になるかと。

ただ実際に戦ってみて……ティファニー・テオって上手くないし打撃も効かない、マイラ・マザールの方が強いと思っていました。でもリーチが長くて、追いかけっこになってしまって自分の距離を作ることができなかったです。

フィジカルも想っていた以上に強くて。それまでの試合では、そんな風に見えなかったのに、まるで男の人と戦っているみたいでした。ローもジャブも痛くないと思っていたら、試合中に『アレレ?』って感じで。ニコリニに競り勝てた理由が組み合って分かった感じです。

それにメンタルも強くて。試合前にエレベーターで鉢合わせした時も、がっつりとシカトされましたし(笑)。同時に頭も良いと思います。

ティファニー・テオはそれだけ強い選手で、パンダ選手も戦い辛い相手に違いないです。でも、やっぱりパンダ選手はパンチの回転数とか凄くて。結果的に、あの回転数にテオはやられちゃうんじゃないでしょうか。とにかく、どっちが勝とうが、私は彼女たちと戦えるように準備していきます」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 タン・リー ブログ マーチン・ウェン 松嶋こよみ

【ONE113】松嶋こよみが予想するONE世界フェザー級選手権試合──勝者:マーチン・ウェン

【写真】松嶋もウェン勝利で、これまでの4人全員がチャンピオンの防衛と予想したことになる (C)ONE & MMAPLANET

いよいよ本日、 30日(金・現地時間)にイベント開催となるONE113「Inside the Matrix」。

4大タイトルが組まれた今大会、同階級で戦う選手に世界戦を予想してもらう──シリーズ第4回目は、松嶋こよみがONE世界フェザー級選手権試合、王者マーチン・ウェン✖挑戦者タン・リーの勝利者予想とその理由を語った。


松嶋こよみの予想
勝者:マーチン・ウェン
理由
「ウェンだと思います。中間距離はウェンの方が強いです。対して遠い距離はタン・リーだと思います。でも5Rを戦ううえでウェンの中間距離でのプレッシャーを最後までかけ続けられると、タン・リーも足が止まるかと思います。

5Rの長丁場で、あの距離は保てない。それとタン・リーはKOが目立っていますが、単発の攻撃が多くて。対してウェンは幅広く餌を撒いてパンチを当てることができます。そういう部分でも5Rの勝負ではウェンが有利だと思います。

高橋選手とタン・リーの試合では、高橋選手が蹴らせて取るという良い創りをしていました。コンテンダーシリーズでも、タン・リーは蹴っても相手が下がらないで距離を詰められていました。結果はハイで勝ちましたけど、プレッシャーを掛けられて苦戦を強いられていたんです。

プレッシャーを掛けることができない選手は、タン・リーに蹴られてしまいます。そこからの追い突きも怖いですけど、あの距離でウェンは蹴りを貰わない。蹴りも警戒しているので、あの距離にならないと思います。

自分も戦ったことがあるうえで、タン・リーという暫定LFA王者と戦うことでマーチンのレベルが分かるのも楽しみです。下手した方と僕がやる可能性も十二分にありますし。本音をいえばタン・リーが勝ってくれた方が僕は面白くなるのですが……全体的に見ると、ウェンが距離の取り方もあってKOはなくても、最後まで頑張れると思います。

クリスチャン・リーとの試合をみても、ウェンは劣性を挽回できますし、逆にタン・リーは早めに勝負を賭ける選手で長いラウンドは未知数で。でも、一瞬たりとも目が離せない試合になるのは絶対です」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 タン・リー ブログ マーチン・ウェン 高橋遼伍

【ONE113】高橋遼伍が予想するONE世界フェザー級選手権試合──勝者:マーチン・ウェン

【写真】高橋の予想も王者ウェン、これでウェンが3票、タン・リーは0票だ(C)ONE & MMAPLANET

いよいよ本日、 30日(金・現地時間)にイベント開催となるONE113「Inside the Matrix」。

4大タイトルが組まれた今大会、同階級で戦う選手に世界戦を予想してもらう──シリーズ第3回目は、高橋遼伍がONE世界フェザー級選手権試合、王者マーチン・ウェン✖挑戦者タン・リーの勝利者予想とその理由を語った。


高橋遼伍の予想
勝者:マーチン・ウェン
理由
「マーチン・ウェン君が勝つと思っています。サンフォードMMAでマイケル・チャンドラーとかレスリングが強いヤツと多分やっていると思うので。

タン・リーって試合だと打撃しかやっていないんですよね。寝かされたら柔術っぽい寝技になって。マーチン・ウェンの方がレスリングという武器が一つ多い。

過去の試合を見ても、マラット・ガフロフにテイクダウンをされてもしっかりと立ち上がっています。体つきを見ていると、そんなに力が強そうには見えないですけど、エスケープが上手いですよね。力は相当に強いと思います。

それでもタン・リーのサウスポーの距離に合わせるのは、少し時間が掛かると思います。タン・リーが勝てば、『チャンピンになった男に負けたから仕方ない』と僕も思われるかもしれないです。でもチョット冷静に考えて、マーチン・ウェンの方が練習で鎬を削っている相手がワンランク上やと思いますね」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 タン・リー ブログ マーチン・ウェン 中原由貴

【ONE113】中原由貴が予想するONE世界フェザー級選手権試合──勝者:マーチン・ウェン

【写真】チャンミンに続き、中原の予想も王者ウェンだった (C)MMAPLANET

いよいよ本日、 30日(金・現地時間)にイベント開催となるONE113「Inside the Matrix」。

4大タイトルが組まれた今大会、同階級で戦う選手に世界戦を予想してもらう──シリーズ第2回目は、中原由貴がONE世界フェザー級選手権試合、王者マーチン・ウェン✖挑戦者タン・リーの勝利者予想とその理由を語った。


中原由貴の予想
勝者:マーチン・ウェン
理由
「僕はマーチン・ウェンが勝つと思います。まだアイツは、引き出しを出し切っていない感じがありますし。タン・リーはONEの初戦だったユーサップ・サーデュラエフ戦で、テイクダウンされてポジションを許されたまま初回が終わってしまったじゃないですか。

対してウェンは松嶋君にテイクダウンをされても、立つところで立って、自分の打撃で戦っていました。あと何と言っても右のカウンターの感性ですね。

カーフもあるのでタン・リーは高橋選手とやった時のようにサウスポーで構えると思います。そこで蹴ってきたところでパンチが入る。乱打戦になったとしても、ウェンの引き出しがあるなら有利になるんじゃないかと思います。

タン・リーの蹴ってからのパンチは、蹴りを受けるとアレで殴られてしまうのですが、フォラヤンのスピニングバックキックに右を合わせることができた選手ですからね。蹴りにもカウンターを合わせることができます。

タン・リーがサウスポーから左ミドルを蹴って、そのまま前に着地してオーソに変えてからの左フックという流れにも、右をドンと合わせるんじゃないでしょうか。

それかお互いに打撃を警戒して見合う展開になるかもしれないですが。総合力でも打撃でも……打ち合わない限り、ウェンが勝つと思います」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 タン・リー ブログ マーチン・ウェン ユン・チャンミン

【ONE113】ユン・チャンミンが予想するONE世界フェザー級選手権試合──勝者:マーチン・ウェン

【写真】ユン・チャンミンの勝利者予想はマーチン・ウェン (C)MMAPLANET

いよいよ本日、 30日(金・現地時間)にイベント開催となるONE113「Inside the Matrix」。

4大タイトルが組まれた今大会、同階級で戦う選手に世界戦を予想してもらう──シリーズ第1回は、ユン・チャンミンがONE世界フェザー級選手権試合、王者マーチン・ウェン✖挑戦者タン・リーの勝利者予想とその理由を語った。


ユン・チャンミンの予想
勝者:マーチン・ウェン
理由
「スタイルとして、タン・リーは長身でスイッチしても戦える。リーチでも優っているから、マーチンは間違いなく厳しい試合になる。でも、勝つのはマーチンだ。それは僕がONEでデビューしてからのゴールは一つだけ、マーチン・ウェンに勝ってチャンピオンになることだから。僕はマーチンとベルトを賭けて戦いたい。タン・リーではなくてね。だから勝つのはマーチンだけど、とてつもなくハードな戦いになるだろう」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 シィォン・ヂィンナン ティファニー・テオ ブログ

【ONE113】パンダにリベンジ&女子ストロー級王座挑戦、ティファニー・テオ「私のMMAは変わった」

【写真】彼女が2年10カ月前と違うのはミッシェル・ニコリニ、三浦彩佳を破った試合でも明らかだ(C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」。同大会に唯一のシンガポール人ファイターとして、ディファニー・テオが出場しシィオン・ヂィンナンの持つONE世界女子ストロー級王座に挑戦する。

今もグラップリングのスパーが許されていない。エンターテイメントも再開していない母国で、世界タイトルに挑むテオは、試合に勝ちに来た海外勢とは違う気持ちをもって今回の試合に臨む。

そして、2018年1月に完敗を喫した相手に、別人になった自分をぶつける。


──シィオン・ヂィンナンとの再戦、2度目の世界戦へ向け、どのような気持ちですか。

「良い感じね。もう最後のトレーニングセッションも終わったし、しっかりと準備することができたわ。アヤカ・ミウラと戦った後、パンデミックの影響で自宅から出られなかった期間も含め、この時が来るまでトレーニングは続けてきたから」

──シンガポールではグラップリングの対人トレーニングが禁じられていると聞いています。

「そうね、その通りよ。打撃でもスパーリングが禁じられている期間が長く続いていたし、私も実際問題としてグラップリングのスパーリングはしないままファイトウィークを迎えたから。政府がまだジムでのグラップリング・スパーは禁じたままだから」

──それで試合というのは、やはりニュー・ノーマルは普通ではないですね。

「グラップリングはMMAで大きなパートを占めているのに。でも私が戦う相手もシンガポールにいて、同じ状況だから別に気にしてもしょうがないことだから。

それでも試合ができることは凄くハッピーよ。Covid19という世界中の誰もが経験したことがない状況になっているなかで、世界タイトルに挑戦できる。ONEからの連絡で、このことを知った時はスーパーハッピーだったわ。

政府のガイドラインに則して、選手、スタッフ、皆が予防対策をすることでこの大会は現実のモノになったの。だから私もホテルの部屋に1人で籠っているわ。試合まで、この状態が続くことは仕方がないわね」

──ジムでグラップリングのスパーリングができないのにMMAの試合は組まれるわけですしね。

「ONEチャンピオンシップにとっても、シンガポールにとっても凄く大切なイベントになるから、どういうルールにも従ってファイトウィークを過ごすわ。大会が無事に行われるために。

コンバット・スポーツの大会が行われるということは、ジムで皆が自由に練習できるようになる一歩だし。本当にここから、このイベントでシンガポールにコンバット・スポーツが本格的に戻って来られるよう願っている。

それに250人とはいえ、ファンが会場で試合を見ることができるって素晴らしいこと。音楽、演劇だって、ここから再始動を切ることになるでしょうし。それが可能になるガイドラインが創られる──そういう意味でも本当に、重要な大会だと思っているわ」

──海外からの出場選手以上に、ティファニーのこの大会を想う気持ちが伝わってきます。それがプレッシャーになることはないですか。

「試合になると、ファイトに集中するから。何もストレスを感じることないわ。そして250人のファンは、しっかりとソーシャルディスタンスをとって応援してほしい」

──2年10カ月振りの再戦です。自信の程を聞かせてください。

「3年前とは違う試合になることは間違いないわ。この間、私は体を見つめ直して、負傷箇所を直し、目の手術もしたの。半年間、練習ができない時期があり、その時に本当に私はこれを続けたいのかって自らに問いかけて。そして、頭がクリアーになったことで、より一層トレーニングに励むようになれたわ。

強くなるために色々な人と話し、コーチに相談し、弱点を洗い直したことで、自分の能力が鮮明に理解できるようになったの。この3年で、私はMMAファイターとして世界タイトルマッチで勝てる力を身につけてきたのよ」

──特に成長した部分はどこでしょうか。

「MMAに必要な全ての部分よ。パンチ力がつけば、私のMMAは変わる。柔術が強くなれば、私のMMAは変わる。MMAへの向き合い方が変わり、私のMMAは変わったわ──オールラウンダーとしてね」

──では金曜日の試合、期待しています。

「私が前にシィオン・ヂィンナンの戦った時とは別人になったことを証明するわ。この3年間、毎日、少しずつでも進化してきた自分を見せたいと思っている」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 オンラ・ンサン ブログ ライニア・デリダー 未分類

【ONE113】オンラ・ンサンに挑戦、オランダの組技師=ライニア・デリダー「キックの街に住んでいる」

【写真】柔道ベースのデリダー。ONEのピーター・バウシュト、修斗のデュアン・ファンヘルフォート、アギー・サルダリ──オランダのグラスルーツからステップアップを果たしてきたファイターの強さは既に折り紙付きだ (C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」のメインでオンラ・ンサンの持つONEミドル級王座に挑戦するライニア・デリダー。

キックだけでない、もう一つのオランダ格闘技界の顔──柔道から柔術を経て、デリダーはMMAファイターとなった。と同時に彼はキックの街=ブレダで育ち、ンサンと打撃戦を戦うことにすら自信を持っている。


──オンラ・ンサンへの挑戦が近づいてきました。今の調子はどうですか。

「凄く良いよ。体もシェイプされているし、精神的にも充実している。シンガポールでは隔離措置で退屈しているけど問題ないよ」

──オランダでは感染者が再び増えているようですが、試合に向けての調整に支障はなかったですか。

「ジムではこの試合用に少人数のセッションを設けて練習してきた。コンタクトしてのトレーニングは禁じられているけど、これは僕の仕事だからね。プロとして、必要なトレーニングを積んできたよ。

また国境封鎖があるんじゃないかと思っているけど、その前に今回の試合機会を得られて凄く良かった」

──2月にレオナルド・アタイジを破ったライニアですが、負傷で挑戦権をヴィタリー・ビクダッシュに譲りました。しかしパンデミックが起こり、大会が中止されてタイトルショットの機会が回ってきた形です。

「大したケガじゃなかったけど、7週間後の試合だとリカバリーが間に合わなかった。でも代役が1年以上試合をしていなくて、過去3年で1勝しか挙げてない選手だったのはフェアじゃないなって思っていたよ。

そんなヤツが挑戦できて、なんで僕じゃないんだってね。でも、4月に挑戦しないと決めたのは僕だから。あそこで無理をしなかったことは、正解だったよ。COVID19により、挑戦権は僕の下に戻ってきたしね」

──世界戦のオファーを受けた時は、どのような練習状況だったのでしょうか。

「7週間前かな、オファーがあったのは。それが……息子が生まれて1週間後ぐらいだった(笑)」

──おお、そのようなタイミングで二重の喜びだったのでは。

「すぐに冷静になり、戦える状態にあると判断したよ。試合はなくても、練習は続けていたからね。そして7週間、十分に準備してきたんだ」

──ライニアはオランダ人選手では、珍しいグラップラーですね。もともとのバックグラウンドは?

「5歳から柔道をやっていた」

──オランダはキック王国だけでなく、人口比でいえば柔道の普及率は日本の倍だと聞いたことがあります。では柔道家からMMAに転向したのですね。

「いや、そうじゃないよ。僕が住むブレダはラモン・デッカーのホームで、Golden Gloryの本拠地だったキックの街だ。僕もMMAに必要なキックのトレーニングは当然のようにしきたし、ブラジリアン柔術で黒帯も持っている。

もちろん僕のベースは柔道だけど、柔術トーナメントにも出場していた。IBJJFのヨーロピアン・オープンでは3年連続で準優勝だったんだ。でも、あの柔術の一つアドバンテージを取ると、もう攻めないっていうスタイルに嫌気がさした。負けるとすれば僅かなポイント差、アドバンテージ、もしくはレフェリー判定でフラストレーションが溜まってしまってね(苦笑)」

──それにしても柔道と柔術のベースがあり、打撃に関しては最高のトレーニングができるので、オランダでの練習環境はベストですね。

「MMAファイターとして必要なトレーニングを十分に積むことができている。ゲガール・ムサシを代表としたグラップリングに優れたトーニング・パートナーもいるからね」

──もうオランダのMMAファイター=ストライカーという印象を持つこと自体が時代に即していないのかもしれないですね。

「ストライカーに負けじと、優れたグラップラーがオランダにはいるからね」

──なるほど、です。ところでオランダではONEチャンピオンシップは認知されている格闘技イベントなのでしょうか。

「まだ、そこまで大きな存在じゃない。でもオランダ人キックボクサーが活躍しているし、知名度は上がっている。僕がONEと契約した決め手は、他にない計量方法があったからなんだ。過度な減量は選手にとって良くない。それでいて、あれだけの大きなステージで試合ができるのだから、ONEに来て凄く良かったと思っている」

──そのステージで、いよいよ世界王座に挑戦します。オンラの印象は?

「偉大なファイターだよ。レガシーだ。ただし、僕が彼を止める。正しいゲームプランを実行して、ベルトを巻く。ほぼ彼の動きをコピーできるトレーニング・パートナーがジムにいて、しっかりとスパーをしてきた。

オンラと打撃で戦うことを恐れていない。彼の拳が届く距離は、僕のパンチが届く距離だし。そこからステップインして、テイクダウンもできる」

──オンラのコーチはオランダ人のヘンリー・フーフトというのが、また興味深いです。

「アハハハ。だからセコンドとは、ヘンリーに僕らの作戦が分かってしまうから、オランダ語で話すのは止めようって言っていたんだ(笑)」

──英語でも分かってしまうので、日本語で話しますか(笑)。

「アハハハハ。本当だね。とにかく、100パーセントの自信をもってケージに上がるよ。逆に100パーセントの自信がなければ、僕は試合場に向かわない。自分の能力を信じているし、待望の時がすぐにやってくるはずだ」

──金曜日の夜は何を見せたいですか。

「一つだけ。新チャンピオンが誕生するシーンを皆にお見せするよ」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

The post 【ONE113】オンラ・ンサンに挑戦、オランダの組技師=ライニア・デリダー「キックの街に住んでいる」 first appeared on MMAPLANET.

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 オンラ・ンサン ブログ ライニア・デリダー

【ONE113】ライニア・デリダーの挑戦受けるオンラ・ンサン「同じ星に住む、人類という一つの人種」

【写真】人間が出来ているとしか思えないオンラの発言だ (C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」。ONEにとって半年振りのビッグショーの再開、そのメインでミドル級&ライトヘビー級の二冠王オンラ・ンサンが、ライニア・デリダーとミドル級王座防衛戦を行う。

6月の終わりに自らが陽性になったことをSNSで発表したンサンが、コロナ禍での成長や今回の世界戦について話してくれた。


──ようやくケージに戻ることができます。

「本当だね。前回の試合から1年も経ってしまったよ。凄くエキサイトしている。本当にしっかりと準備してきたよ」

──パンデミック後、世界は変わってしまいました。今回の大会はONEの歴史でも最も大切なショーになります。そんな大会でヘッドライナーを任されたことをについて、どのように考えていますか。

「この大会は僕だけでなく、ONEチャンピオンシップに関係している全ての人間にとって重要なモノになる。コロナウィルス後、渡航制限の関係でONEは従来の規模の大会を開くことができなくなっていた。そのなかで、ONEやチャトリの努力、シンガポール政府の理解があって今回のようなビッグショーを開くことができるようになった。

ファンにとっても決して忘れられない……そして、当日を凄く楽しめる大会にしなければならない。ファンのために僕も全力を尽くすよ」

──UFC、BELLATORらは活動を再開し、チームメイトは試合の機会を先に得ていました。サンフォードMMAにいて、練習仲間は試合が決まるなか、なかなかONEが活動再開されない時に焦りはなかったですか。

「全く問題なかったよ。僕は忍耐力の強い人間だ。この間、自分を成長させることを考えてきた。そして皆との練習で僕は強くなり、成長できた。より優れたミックスト・マーシャルアーチストになれたよ。タカシ(佐藤天)のような素晴らしいチームメイトのおかげでね。

タカシは本当にハードワーカーだ。凄く厳しい練習に取り込んでいる。タカシはUFCで試合があり、徹底的に自分を追い込んでいた。そんな彼と一緒に毎日練習することで、僕も成長できるんだ」

──人としてコロナ禍で成長できたと思えますか。

「同じ星に住んでいて、僕らは凄く近い距離で繋がっている。世界中がコネクトしている。このことを改めて理解できた。僕らは小さな世界で生きているだってね。中国で起こったことが、世界中に広まったんだ。米国、ミャンマー、アフリカ、ヨーロッパ、南アフリカ、世界中で起こっている。

人間は凄く近い位置で生きている。ホントにONEのキャッチフレーズみたいだけど『WE ARE ONE』なんだって分かったよ。人類という一つの人種なんだよ」

──確かにその通りですね。ところでオンラが6月に陽性反応が出たと発表したときは、まだファイターの感染例もそれほど確認されていない時期だったので、かなりショッキングでした。

「そうだね、僕は健康だったし重症化することもないと思っていたから、それほど自分自身に関しては重く受け止めていなかったんだ。でも僕自身のことよりも、やはり娘のことが心配でならなかった。自分の体の状態は分かっていたし、高熱が出たわけでもない。でも家族のことは心配だったよ。

5カ月の娘も感染し、70歳の母も感染した。でも重症化せずに済んだ。だから、大丈夫といえば大丈夫だった。幸運にも回復も早かったしね。

でも、そうじゃない人がいることも分かっている。亡くなった人もいるから、自分たちは軽症で済んだかもしれないけど、『COVID19は大した問題じゃない』なんて絶対に言えない。僕らの家族も2週間、自主隔離した。他の人に感染するリスクは絶対におかせなかった」

──感染予防をしていても、感染する可能性はあるわけですし。

「誰にも分からないことだからね。コロナ禍で世界が変わったよ。と同時に僕ら家族は抗体ができた。それによって、少し気持ち的には開放された感は少なからずあったかな」

──抗体ができて練習相手に感染させることがないという状況は、気持ちが落ち着くかと思います。ワクチンが変質すればまた話は違ってきますが、現状のコロナウィルスには感染しない可能性が高いわけですし。

「そうだね。ドクターからも、感染することも感染させることもないと言われている。練習仲間に迷惑をかけることはなく練習できるのは、やはり気持ち違うからね。MMAはソーシャルディスタンスがとれない競技だし」

──抗体があれば思い切ってキャンプ中も追い込めたのではないでしょうか。

「素晴らしいキャンプだったよ。動きはシャープで、体調は最高だ」

──それでも試合に向けてPCRチェックがあり、ホテルの部屋にこもる必要があるのですか。

「その通りだ。出場選手、セコンドが検査を受け、試合の8日前にシンガポールに入り。空港でまたチェックし、ホテルで隔離だ。僕は感染しないし、感染させることもないけど、他の人達は違う。皆が同じ状況にないといけないから、そこは従うよ。まぁ、退屈だけどね(笑)。

色々なルールがあって、皆が同じ条件でいるのに僕だけ気ままにやることは許されないよ」

「デリダーは素晴らしいストライカーがいるなかで、自分の勝ち方を見つけてきた。侮れない」

──そんなファイトウィークを過ごして戦う、挑戦者ライニア・デリダーの印象を教えてください。

「良いファイターだよ。12勝0敗、挑戦者として不足ない。でも僕の方が経験があり、彼より技術的にも上回っている」

──デリダーのフィジカルをどう思いますか。

「背が高いけど、彼より背の高いトレーニングパートナーもいるからね」

──グラップリングとムエタイ・クリンチを融合させたスタイルについては?

「長い手足を使って、良いグラップリングをしている。打撃に関しては上手いとは言えない。でも、打撃に関して、彼には優れたトレーニングパートナーがいるはずだ。だから攻撃面ではグッドストライカーではないかもしれないけど、ディフェンス面に関してはしっかりとしているに違いない。

そこであのグラップリングを磨き上げてきたのだから、彼の力を軽く見積もるつもりはないよ。どれだけ素晴らしいストライカーがオランダにはいるのか。それは僕も理解しているつもりだ。そういうなかかで自分の勝ち方、戦い方を見つけて実践してきた。その力を侮ることはできないよ」

──オンラとしては、グラップリングに持ち込ませない戦いが必要なのでしょうか。

「まぁステップや間合に関しては、ちゃんと調整してきたよ。簡単に組ませるつもりはない。それに……例え組まれても、その局面でも僕は負けないけどね」

──おぉ!! どのような試合になるのか、期待が高まります。

「そうだね。僕がMMAワールドでベストのミドル級チャンピオンだということを世界に示すよ」

──オンラ、陽性になった時ことなど言葉にしてくれて、ありがとうございます。

「こちらこそ、ありがとう。とにかくベストを尽くすよ。そして、また会える日が早く来ることを願っているよ。アリガト!」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】「K-1もMMAも同じ」&「青木は70キロで戦うべき」クリスチャンに挑戦ユーリ・ラピクス─02─

【写真】一本と叫びたくなる払い腰をマラット・ガフロフに決めたラピクス (C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でクリスチャン・リーが持つONE世界ライト級王座に挑戦するユーリ・ラピクス・インタビュー後編。

ジョルジオとアルメンのペトロシアン兄弟とジムと同じ建物で生活し、両者に心酔しているラピクスだが、ペトロシアンは世界最高のストライカーとはいえ、それはキックボクシングでの話だ。

MMAを戦うラピクスが、なぜMMAを始め、どうしてペトロシアンと合流したのか。そしてペトロシアンとの練習がどのようにアドバンテージにあるのかを尋ねた。そして陽気なイタリアンとは完全に一線を画した、東欧&旧ソ連マインドがソビエト崩壊後に生まれた彼からも、ヒシヒシと伝わってきた。

<ユーリ・ラピクス・インタビューPart.01はコチラから>


──最初にMMAを始めたのはどういうジムだったのですか。

「僕がMMAを始めたパラエストラは凄く小さくて、MMAの経験がない人間が多くいたところだよ。ミラノにあったパラエストラだけど、名前も覚えていないなぁ。でも、1年ぐらいでペトロシアンのパラエストラに移ったんだ」

──あのう……そのパラエストラというのは?

「あぁ、イタリアではジムのことはパレストラと呼んでいるんだ」

──えぇ、そうなのですか!! ギリシャ語で勇者(パリカリ)を養成する場所がパラエストラと言うことは日本にも伝わっていたのですが、イタリアでも同じなのですね。ところでペトロシアンのジムはMMAのクラスもあったのですか。

「なかったよ。僕は柔道をやっていたから寝技には自信があった。でもMMAファイターとして打撃の修得が必要だと思ったんだ。だからペトロシアンのところで練習を始めたんだ。

MMAが普及して、結果的にペトロシアンのジムでも、MMAを採り入れることになった。ジムに大人の柔術クラスはないけど、MMAファイターのジュリアーノ・パデッサがキッズには柔術の指導を始めたんだ。今ではジムに根づいているよ」

──ペトロシアンと打撃の練習をすることは、MMAファイターとしてどれだけアドバンテージがあるのでしょうか。

「ジョルジオと練習できることを、今でも凄く光栄に思っている。ベストストライカーと練習できるなんて、他のMMAファイターにはない環境だからね。

ただし彼は世界最高のキックボクサーだ。彼と同じことができるわけがない。でもジョルジオと練習することで、メンタル面が鍛えあげられる。そのおかげで僕のゲームは変わったんだ」

──ペトロシアンの距離感、カウンター、キックボクシングおいて世界最高の芸術品だと思います。ただし、MMAとキックは距離もタイミングも違います。ペトロシアンから学んだことをユーリは自身でMMA用にアジャストしているのですか。

「タイミングも距離も、MMAもK-1も同じだよ」

──えっ?

「もちろん、テイクダウンがあるから距離は違うともいえるよ。ただし、拳が当たる距離やタイミングはMMAもK-1も同じだよ。パンチもキックも変わらないようにね」

──その打撃はクリスチャン・リーに挑戦するうえで最大の武器になるのでしょうか。

「勿論だよ。体も僕の方が大きいし、パワーは絶対的にこっちが上だ。パワーと打撃の違いで、僕はチャンピオンになる」

──ではクリスチャンのどこを最も警戒しないといけないですか。

「特に気を付けることはない。確かにクリスチャン・リーはウェルラウンダーだ。でも、何も気にする必要はない。この試合で僕が証明することは何もない。ただ全力で戦い、ベルトを巻く。それだけさ」

──なるほど。では、ファンにどのような試合を届けたいと思っていますか。

「ベルトを巻く以外に、何かをしようとは思わない。誰かに何かを示したいなんて、まるで考えていない」

──……。ところでONEライト級には青木真也という日本人ファイターがいます。いずれ、拳をかわすことがあると考えていますか。

「凄く良い選手だ。ただしシンヤ・アオキは77キロでなく70キロで戦うべきだろう。この階級では細すぎる」

──でも前世界王者ですよ。

「だから、僕は彼が悪いファイターだとは言っていないよ。でも、彼は70キロで戦った方が77キロより適していると言ったんだ」

──……押忍。今日はありがとうございました。

「こちらこそインタビューの時間を取ってくれて、ありがとう」

──いえ、それはこちらの言葉です。

「そんなことはない。感謝しているよ。そして日本のファンに喜んでもらう試合をすることを約束する」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】ライト級王座に挑戦ユーリ・ラピクス─01─「ペトロシアン兄弟とジムの上に住んでいる」

【写真】言葉の端々からジョルジオ・ペトロシャンを崇拝していることが伝わってくるラピクス(C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でクリスチャン・リーが持つONE世界ライト級王座にイタリア在住のモルドバ人選手=ユーリ・ラピクスが挑戦する。

ONEでの戦績は2戦2勝、2月の元フェザー級王者マラット・ガフロフを払い腰で投げ、RNCでアッという間に破った。とはいえ、彼の実力はまだまだ未知数。モルドバ人で、ジョルジオ・ペトロシアンと練習していながら、MMAファイターとして14勝0敗というラピクスとは、どのような人間なのか。

コロナ禍の気の持ちようからも、我々とはかなり違うメンタルをラピクスは有しているようだ。


──イタリアは欧州で最初にCOVID19の感染が大きく広まった国です。また寒い季節を迎えフランスやチェコなどと同様に感染者数が多くなっています。まず、3月の段階でユーリにはどのような影響があったでしょうか。

「正直なことを言えば、僕自身は新型コロナウィルスの影響はあまり受けていない。君の言ったようにイタリアでは大きな問題になっていたけど、僕はジョルジオとアルメンのペトロシアン兄弟とジムの上に住んでいるから──言ってみれば、凄く長いトレーニング・キャンプをしてきたようなものだよ。

唯一の問題は5月から延期されていた世界戦がいつ組まれるのかということだけだった。トレーニングに関しては、普段よりもずっと練習できていたからね」

──ロックダウンでジムなどは封鎖にならなかったのですか。

「自由気ままに外出することはできなかったけど、さすがに自宅のある建物内の移動は自由だろう?」

──4月には新型コロナウィルスの実情が今ほど掴めておらず、また医療崩壊が現実化していました。感染を恐れることなく練習を続けていたのですか。

「もちろん心配はしていたよ。特に母が感染しないようにね。パンデミック後、母の下を訪れることはしなくなった。ジョルジオとアルメンとは共同生活をしているから、感染予防を考えながら練習を続けたんだ。外出を控え、他の人と接触はしないようにしてね。ただ、それも自分が感染する心配よりも、母のことを考えての行動だったといえるかな」

──最近になるまで感染がある程度コントロールできていた感もありますが、この間に世界戦が正式に決まりました。それからの調整に新型コロナウィルス感染の影響はなかったですか。

「もちろん、いつも通りにはいかない部分はあったよ。特にスパーリング・パートナーを見つけるという部分で。でも、何とかなったし、何よりもジョルジオとアルメンとは5カ月に渡り練習を続けてきたからね。だから、スパーリング相手は限定されていたけど、大きな問題ではなかった。

今では心身ともに100パーセント仕上がっているよ。いつでも戦える状態さ」

──ところで日本のMMAファンはユーリ・ラピクスのことをまだ余り知らないのが本当のところです。皆が知っているのはモルドバ人で、イタリアのペトロシアンのジムに所属しているということ。ユーリはイタリアではなく、モルドバで生まれ育ったのでしょうか。

「そうだよ。15歳までモルドバに住んでいた。ただ母がより良い仕事を求めてイタリアに働きに出ていて、数年経ってから僕を迎えに来たんだ。僕も一緒にイタリアで新しい人生を歩もうって。

モルドバは知っての通り貧しい国だ。仕事環境も生活環境もイタリアの方が良いから、母は僕をイタリアに呼んでイタリアで生きる選択をしたんだよ」

──もともと格闘技との出会いは?

「7歳から柔道をやっていた。子供だったしナショナル選手権に出るとかそういうことはなかったけど、地域の大会では優勝しているよ。イタリアに来て、MMAを始めてからは僕にはこっちの方が才能があるって気付いたんだ。

モルドバにいるときからMMAに興味はあったんだけど、家の近くで練習できる場所がなかった。そういう現実問題があったけど、イタリアではジムを見つけることができたんだ」

──ユーリが15歳の時だと、今から10年前ですがイタリアではジムが普通に見つかるほどMMAは定着していたのが驚きです。イタリアはキック人気の高い国というイメージだったので。

「確かに2010年頃、イタリアでのMMA人気はそれほど大したものじゃなかったよ。だから、練習場所が見つけられたのは運が良かったのかもしれない。ただし、その後MMA人気はあがり、今では練習場所は簡単に見つかる状態だよ。

とはいっても、キック人気と比較できる状態ではまだないけどね。なんぜジョルジオ・ペトロシアンがキックボクシングには存在しているのから。でもMMA人気は凄くあがっているよ」

<この項、続く

■ONE113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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