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ABEMA KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase326 RYO   シュウ・ヒラタ ハンセン玲雄 ロッキー川村2 中村倫也 中田大貴 亀井晨佑 内村洋次郎 内藤由良 名田英平 小川徹 尾崎龍紀 岩本達彦 松本光史 猿飛流 葛西和希 藤野恵実 透暉鷹 遠藤来生 高島俊哉 鹿志村仁之介

【Pancrase326】既に米国行きも視野に。本気になった鹿志村仁之介─02─「タップは早めにお願いします」

【写真】 (C)PANCRASE

本日21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326の第1部でハンセン玲雄と対戦鹿志村仁之介インタビュー後編。

柔道&柔術、そしてグラップリングからMMAへ。生きていくためにMMAに賭ける選択をした鹿志村──注目すべきは極め力だ。

<鹿志村仁之介インタビューPart.01はコチラから>


──食う手段がない……IGLOOの斉藤オーナーは逸鉄という東京スカイツリーや私鉄の駅などに関する工事、金属加工を請け負う企業のオーナーでもあり随時、社員を募集しているではないですか。採用条件が柔術家か格闘家、「経験よりも柔術家か格闘家であること」と明言し。

「あぁ、あれ良いですよね(笑)。いつも募集していますよね……でも、僕は格闘技に賭けてみようか思って」

──とはいえMMAを戦うのであれば、柔術アカデミーでなくMMAジムが存在しています。MMAの練習はどのような環境でやっているのですか。

「僕、水戸に自分のジムスペースを持っていて地元の知り合いで打撃の強い選手がいるので、その人と打撃の練習をし、1週間に3日ほど都内で練習しています。グラント・ボグダノフ選手のALMA FIGHT GYM LIFE、IGLOOでイゴール(タナベ)と住村(竜市朗)さんのMMA練習、それと横山武司さんとS/wells柔術ジムでやっています。横山さんもNEXUSでMMAデビューしたばかりで、意見を出し合って練習しています。ただ変わった練習といえば変わって練習ですね」

──聞く限り、都内の練習仲間で打撃を修得しているのは住村選手だけのように感じます。組み主体の練習なのでしょうか。

「そうなんです(笑)。住村さん、イゴール、グラントは体が僕より大きいですけど、体の動かし方とか凄く学ぶモノがあります。あとグラントのところでは吉野(光)君とも練習しています」

──吉野選手は大内刈りの強さが際立っている印象があります。

「あぁ、大内刈り……上手いッス」

──倒されることもありますか。

「テイクダウンは負けないッスよ(微笑)。テイクダウンは絶対に負けないです。でも吉野君とは激しくやっています」

──IGLOO所属でも青木選手や岩本選手たちの水曜昼のMMAグラップリングの練習への参加は?

「出たいんですけどね……。実は僕、中学2年生から3年生の時まで土曜日の朝のTRIBEの柔術クラスで青木さんに教わっていたんです。高校に入ってから部活が忙しくて通えなくなっていたのですが、IGLOOに入った理由の一つに青木さんが練習と指導をしているということもありました」

──おおっ!!

「今は水曜日の練習は参加していないのですが、青木さんの一般クラス……グラップリングクラスには出させてもらうようになっています。凄く丁寧で、普通の人たちが青木さんの技術を学ぶ、凄いクラスです」

──青木選手からプロ練習に誘われることは?

「ないですね。ただ青木さんは中学の時に習っていたことも覚えていてくれたし、きっと僕から言えば参加させてもらえるとは思います。この試合が終わったら、ガツガツ話させてもらおうと思っています。また東京に出て来たいですし、あとシュウ・ヒラタさんと契約したので夏頃には米国で練習しようと思っています」

──おおっ、展開が早いです。

「ハイッ!! もうNYに行くことしか頭にないです(笑)。やっぱりMMAを本気でやりたいので」

──今や格闘DEREMERSの熱さに負けない気持ちだと?

「絶対に負けないです。そこは大丈夫です。それだけ気持ちが入っています。強さでも負けないつもりです。それに番組には参加しなかったですけど、俺、髙谷さんが好きなんです。凄く熱くて、一本気で」

──ならEXFIGHTで変則的な凱旋試合もあり得ますか。

「戦う場所に関しては、全く拘りはありません。どこででも戦っていきたいと思っています。米国でも試合に出たいと思っていますし。向うには3カ月は行くことになりますし、最後の1カ月で向うでも戦いたい。あと、次の試合が終わっても米国に行くまでに日本で試合をしたいです」

──そんななかグラップリングとはいえ、2月16日にFINISHで上久保選手に横三角で一本勝ちしたのは大きな自信になっていないですか。

「大きかったです。ケージですし。ケージのなかで上久保さんに勝ったという結果が、大切です。ルールは何でも構わないので。壁に押し込まれてから、左足を抜いて横三角を取ろうと。あれだけを狙っていたので、狙い通りです。アレも柔道の寝技ですね」

──それだけの想いを持つようになったMMA、ハンセン玲雄戦では何を見せたいですか。

「MMAは総合的な選手じゃないと勝てないですよね。寝技に特化して強いのも勿論なんですけど、ちゃんと総合格闘技に取り組んでいる自分を見てほしいです」

──では米国行きを見据えて、今後戦っていきたい選手などいますか。

「ぶっちゃけの話、中村倫也選手ですかね……僕、けっこう体がしょぼいのでバンタム級に落とそうと思っているんです。でも中村選手は次も決まっているし、現実味がある試合としては、狩野君に借りを返したいです。フェザー級でやったら、どうなんだって。経験も知識もない中で彼に負けた。キャリアの序盤に黒星が付いているのは、自分としても取り戻したいです」

──了解しました。必ず書かせていただきます。では最後にMMAPLANETの読者の皆さんに対して、ハンセン戦に向けてアピールお願いします。

「かなり見てほしいところはあります。なかでもテイクダウンをしてからの極めに行くまでの速さと極め力に注目してほしいです。キープするより極め力、そこですね。ハンセン選手、僕は段階を踏んで極めるようにしていますがタップは早めにお願いします」

■視聴方法(予定)
3月21日
午後2時30分~ TIGET LIVE
午後4時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ Pancrase326計量結果

<フライ級KOPC/5分5R>
[王者] 小川徹:56.7キロ
[挑戦者] 猿飛流:56.5キロ

<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] 藤野恵実:52.15キロ
[挑戦者] KAREN:51.9キロ

<ミドル級王座決定戦/5分5R>
内藤由良:83.55キロ
ロッキー川村2:83.65キロ

<フェザー級挑戦者決定T/5分3R>
中田大貴:65.85キロ
亀井晨佑:65.85キロ

<フェザー級挑戦者決定T/5分3R>
岩本達彦:66.0キロ
Ryo:66.2キロ

<ライト級/5分3R>
葛西和希:70.55キロ
松本光史:70.3キロ

<フライ級/5分3R>
田代悠生:56.9キロ
前田浩平:56.85キロ

<フェザー級挑戦者決定T補欠戦/5分3R>
透暉鷹:66.2キロ
名田英平:66.2キロ

<フェザー級/5分3R>
遠藤来生:65.7キロ
内村洋次郎:65.75キロ

<ストロー級/5分3R>
高島俊哉:52.5キロ
尾崎龍紀:52.55キロ

<ライト級/5分3R>
渡部拓馬:70.4キロ
DARANI:70.05キロ

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太:76.75キロ
髙橋攻誠:76.0キロ

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄:65.75キロ
鹿志村仁之介:65.35キロ

<ストロー級/5分3R>
大城正也:52.15キロ
植松洋貴:51.75キロ

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【Pancrase326】計量終了 第2部はタイトル直結ファイト。第1部は序列の再編成の兆候が……

【写真】 タイトル戦が軸、そんなパンクラスの2022年となるのか(C)PANCRASE

明日21日(月・祝)に東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPancrase326の計量が20日(日)、新宿サンエービル地下1階会議室で行われた。

1部と2部、2部構成になっている山の手のパンクラスは2部に王座決定戦を含めタイトル戦が3試合、さらにフェザー級挑戦者決定トーナメントが2試合(※第1部で補欠戦)と、タイトル直結のカードが組まれている。


冠はついていないが葛西と松本の勝者が、久米鷹介の持つライト級王座に近づくことも間違いない。

また1部でも前述のようにフェザー級挑戦者決定T補欠戦=透暉鷹×名田英平の中京×関西対決をはじめ、北海道から遠藤来生、九州からは中村勇太が参戦し、それぞれベテラン=内村洋次郎&デビュー戦=髙橋攻誠と戦う試合、さらに渡辺拓馬と尾崎龍紀と地方在住ファイターの試合も目立つ。

さらにはMMAに本気になった大器?!=鹿志村仁之介と戦うハンセンレオも神戸のreliable所属だ。TRIGGERの出現により、にわかに地盤の変化が全国的にみられるJ-MMA界──ちょっとした再編成が感じられる──ポスト・ディファ時代のパンクラス初イベント、その第1部だ。

■視聴方法(予定)
3月21日
午後2時30分~ TIGET LIVE
午後4時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ Pancrase326計量結果

<フライ級KOPC/5分5R>
[王者] 小川徹:56.7キロ
[挑戦者] 猿飛流:56.5キロ

<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] 藤野恵実:52.15キロ
[挑戦者] KAREN:51.9キロ

<ミドル級王座決定戦/5分5R>
内藤由良:83.55キロ
ロッキー川村2:83.65キロ

<フェザー級挑戦者決定T/5分3R>
中田大貴:65.85キロ
亀井晨佑:65.85キロ

<フェザー級挑戦者決定T/5分3R>
岩本達彦:66.0キロ
Ryo:66.2キロ

<ライト級/5分3R>
葛西和希:70.55キロ
松本光史:70.3キロ

<フライ級/5分3R>
田代悠生:56.9キロ
前田浩平:56.85キロ

<フェザー級挑戦者決定T補欠戦/5分3R>
透暉鷹:66.2キロ
名田英平:66.2キロ

<フェザー級/5分3R>
遠藤来生:65.7キロ
内村洋次郎:65.75キロ

<ストロー級/5分3R>
高島俊哉:52.5キロ
尾崎龍紀:52.55キロ

<ライト級/5分3R>
渡部拓馬:70.4キロ
DARANI:70.05キロ

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太:76.75キロ
髙橋攻誠:76.0キロ

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄:65.75キロ
鹿志村仁之介:65.35キロ

<ストロー級/5分3R>
大城正也:52.15キロ
植松洋貴:51.75キロ

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【Pancrase326】「頂点の試合として」年齢差、経験の差、過去最大。KARENの挑戦を受ける藤野恵実―02―

【写真】MMAファイターとしてグラップリングの試合、しかもアマチュアの試合まで出ている藤野にはMMA王者のプライドがある (C)MMAPLANET

21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、ランキング1位のKARENを相手にストロー級クイーン・オブ・パンクラスの防衛戦を行う、藤野恵実インタビュー後編。

対戦相手のKARENは現在18歳、2019年にパンクラスでプロデビューして以降、4戦無敗だ。藤野にとっては年齢でもキャリアでも大きな開きのある選手との試合となる。しかし、その年齢もキャリアも関係ない、と藤野は言う。決して相手を舐めているわけではない。そこに、格闘技と共に生きる藤野恵実のMMAがある。

<藤野恵美インタビューPart.01はコチラから>


――藤野選手にとってMMAの試合は、昨年9月の浜崎朱加戦(RIZINで判定負け)以来となります。今回の試合オファーは、いつ頃届いていたのでしょうか。

「今年に入った時点で来ていたとは思います。その前から試合のお話はあって、実際に試合はなくても、試合のことは意識していました。ただ、試合がないからって練習しないっていうわけではないし、普段から取り組む意識も変わらないです」

――練習仲間でもある黒部三奈選手も、以前のインタビューで同じことを言っていました。

「アハハハ、そういうところは似てくるんでしょうね。2人の共通点として、他に楽しいことがないんですよ(笑)。ただ楽しいから格闘技をやっているだけで、キツいと感じてはいないからじゃないですか。他に楽しいことがあれば、他のことをやっていると思います」

――端貴代選手も昨年パンクラスの女子フライ級王者となりました。この年齢とキャリアで、まだ強くあり続ける。本当に凄いことだと思います。

「今も貴代ちゃんと練習しているんですけど、彼女もずっと練習しています。貴代ちゃんの練習、知っていますよね?」

――ここ数年の練習は分かりませんが、以前に拝見したことがあります。常に追い込んで、追い込まれて……とにかくハードな練習でした。

「今も変わらないですよ。試合がない期間の練習でも、試合と同じような檄を飛ばされて。だから、ずっと強いんだと思います」

――なるほど。端選手は昨年10月、20歳の年齢差があるNØRI選手を下しての戴冠でした。今回、藤野選手と対戦するKAREN選手はまだ10代です。

「相手の年齢やキャリアについては、もうあまり意識していないですね。あくまで一人の対戦相手として考えるだけ。誰であろうと挑戦権を得たら、その選手が対戦相手になるので」

――では対戦相手としてのKAREN選手の印象を教えてください。

「もともとサークリングを多用する選手が多いチームですけど、その中でも彼女はまだ打ち合おうという気が見えますよね」

――確かに、以前はサークリング&サイドキックというパターンが多かったチームですが、KAREN選手には距離が近くなれば強烈なヒジ打ちがあります。

「彼女もヒジ打ちを出すまでは、だいぶ動き回りますけどね(苦笑)」

――ただ、そこでヒジ打ちが出るのはファイターとしての成長かと思います。サークリング&サイドキックというパターンだけでは、それが判定で優位になるためのパターンなのか分かりませんでしたが……。

「ポイントを取るためにやっているなら、それはそれで良いと思うんです。でも私たちがやっているのは格闘技なんですよ。格闘技で勝つためのパターンでなければ、その戦い方はどうなのかと……。でも彼女は打ち合うし、そこで結果を出してきていますからね」

――そんなKAREN選手を相手に、どのように戦いますか。

「相手がやってくるのは、蹴って離して、距離が近くなればヒジ――ということですよね。でも彼女が一本を取ることはできないと思います。もちろん格闘技の試合に100パーセントはないけど、グラップリングのほうがキャリアや経験の差が出てしまうので。

今、彼女はそこまでグラップリングをやっていないんじゃないですか? だから理にはかなっているんですけどね。グラップリングをやっていないから、蹴りで突き放してからヒジというパターンは」

――KAREN選手もNØRI選手も、グラウンド状態になった瞬間、優位なポジションでいれば攻め込んできます。しかし下になった時の足の利かせ方からは、できるだけ寝技を避けたい……というイメージは感じられます。

「私がやっているのは、あくまでMMAですから。しかもこれはタイトルマッチなので。頂点の試合としてやらせてもらうからには最低限、全てのことができないといけないと思っています。グラップリングが得意ではないからグラップリングは避けたい、というのは違いますよね。そんな試合だと、他のチャンピオンたちに申し訳ないです」

――これまで藤野選手が戦ってきたチャンピオンに対して申し訳ない、ということですか。

「それもありますけど、同日のパンクラスでタイトルマッチをやる選手たちに対してです。たとえば、メインの小川徹選手と猿飛流選手、どちらも何かをやりませんっていう選手ではないですよね。あの2人も、MMAの中で持てる全てを出すはずです。そういう中で私とKAREN選手との試合はどうなるんだろうな、っていう気持ちはあります」

――そこで藤野選手がMMAというものを見せつける試合にしたいですか?

「そう思います。試合はやってみないと分からないところがあるし、彼女も決して弱い相手じゃないです。ここまでヒジという武器で、結果を残してきているから。それはそれで凄いことですよ。でもMMAってそれだけじゃないよ、と思うところはありますね」

――楽しみにしています。最後に、MMAPLANETの読者の皆さんへ、試合への意気込みをお願します。

「試合は相手あってのものだから、どうなるかは分からないです。でも毎試合、前回よりも強くなっている姿を見せたいと思っています。そのために練習をしているので。それを見てほしいです。私がクイーン・オブ・パンクラシストだっていうところを見せたいですね」

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【Pancrase326】KARENの挑戦を受けるストロー級QOP藤野恵実―01―「全然――伸びしろがある」

【写真】そう思えるのが、素晴らしい(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、ストロー級クイーン・オブ・パンクラスの藤野恵実が、ランキング1位のKARENを挑戦者に迎えて、ベルトの初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

2018年8月、藤野はストロー級QOP決定戦でヴィヴィアニ・アロージョに敗れた。そのヴィヴィアニがUFCと契約したことで、2019年9月から暫定王者決定トーナメントがスタート。1回戦でエジナ・トラキスをTKOで下した藤野は、続く12月8日の決勝でチャン・ヒョンジにRNCを極め、念願のベストを腰に巻いている。

王座戴冠から2年3カ月――RIZIN出場やグラップリングマッチを経て、再びデカゴンに立つ藤野に現在の心境を訊いた。


――2019年12月に獲得したベルトの防衛戦が12日後に行われます(※取材は3月9日に行われた)。現在のコンディションはいかがですか。

「コンディションは変わらず、ですね。いつもどおり……今は練習もコンディションも変わらないし、変えないようにしています。常に同じ状態でいるように努めていますね」

――常に同じ状態にしているというのは、いつ頃からでしょうか。

「いつからだろう……だいぶ記憶力が無くなってきていますね(笑)。でも、ここ数年はずっと同じですよ。試合前だからって特別な追い込みをすることもなく、試合がないからって練習しないわけじゃないですし」

――2019年12月にパンクラスでベルトを巻いて以降、MMAの試合は昨年9月にRIZINで浜崎朱加選手と対戦(判定負け)しているのみです。その間、海外のプロモーションと交渉していたというお話ですが……。

「それは私のことを気にかけてくれていた方が、いろいろと紹介してくださっていたんです。私もいつまで戦えるかは分からないけど、最後まで強い選手と対戦したい。同時に、パンクラスでは戦う相手がいない。そんな想いと状況を汲んでくださったと思うんですね」

―-パンクラス王者となってから、藤野選手の目標はどこにあったのでしょうか。

「もともと2つの目標があったんです。ひとつはベルトを獲ること。もうひとつは、ずっとUFCに行きたいと思っていました。でもUFCは年齢やキャリアのこともあって行けなかった。そこでパンクラスのベルトを獲って、次はどうするかとなった時に……もちろんパンクラスで防衛戦を行いたいと思っていたんですけど、やっぱり相手がいないのは大きくて」

――……。

「そうなると、パンクラスが認めてくれるなら、いろんなところで戦いたいと思って。できるだけ強い選手と戦っていきたい、という気持ちが一番強かったです」

――しかし、海外プロモーションとの契約は成りませんでした。MMAの試合間隔が空いたのは、そうした交渉が理由だったのですか。

「いえ、そういうわけではないんです。パンクラスからも外国人選手との試合のお話をもらっていて、あとは発表待ちの状態だったんですけど、コロナ禍で入国規制が掛かり……」

――そうだったのですか。2019年は3試合を戦っている藤野選手にとって、これだけブランクが空いた影響はあるのでしょうか。

「基本的には、1年に3試合はしたいと思っています。でも、試合がないからモチベーションが下がるということはなくて。練習は日常としてやっていることだし、それが最初に言った『変えないようにしている』ということなんです」

――なるほど。

「ただ、RIZINに出た時に、試合勘がないことを実感したんですよ。3R目になってようやく試合の感覚が戻ってきて」

――試合勘がなくなっている……それは、どういった状態なのでしょうか。

「行くべきところで行けない、ココっていう時に見てしまう、とかですね。たとえば、スパーだと危ない状態になったら止めるじゃないですか。そこから追撃しなかったり。でもそれって、試合なら行くべきところですよね。その部分が切り替えられなかったのは大きいです」

――藤野選手にとっては、これだけブランクがあるのは初めてですか。

「デビューしたての頃に交通事故があって、ブランクをつくったことはありました。でもそれはデビューしたての頃なので、参考にならないですよね。それ以外だとないです。MMAの試合がなかったらキックボクシングとか、何でも出ていたので」

――確かに過去、藤野選手はキックボクシングやシュートボクシング、さらにレスリングのマスターズ大会にも出場していました。それらと同じように、UNRIBVALEDに出場したのですね(山田海南江に1-6で敗れる)。

「そうですね。あとはクインテッドとか。ただ、MMAPLANETのインタビューでも言ったんですけど、アマチュア大会に参加費を払って出るのに、あんなに大きく書かれちゃって……」

――アマチュア大会でも藤野選手が出場するとなれば、間違いなく大きく扱われます(笑)。

「アハハハ。私としては、今の自分の力を試したいというぐらいの感覚だったんですけどね」

――では反対に、ブランクが空いたことによるメリットはありますか。

「しっかり練習できました。以前よりも基礎をやろうという感じで練習できたことは良かったです。試合が次々決まっていると、どうしても捨てなきゃいけないものが出て来るんですよ」

――捨てなければいけないもの、ですか。

「たとえばMMAの試合が決まっているなかで、柔術だけの練習をやるかといえば、そうはいかないじゃないですか。それよりはMMAの練習をしようと思ってしまう。試合がない間は、そうやってシフトできていたのかなって」

――その結果、自身のなかで掴めたものはありますか。

「まだ伸びしろがあるな、って。まだまだ全然――伸びしろがあるなって思いました」

<この項、続く>

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【Pancrase326】藤野恵実、KARENと23歳年の差──選手権試合で、2年3カ月振りのパンクラス参戦

【写真】藤野は戦い続ける(C)MMAPLANET

18日(火)、パンクラスが3月21日(木・祝)に東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPancrase326のカード第二弾としてストロー級QOPC=藤野恵実×KAREN戦を発表した。

女王・藤野にとって2019年12月にチャン・ヒョンジを破り同級王座に就いて以来のデカゴン、2年3カ月振りのパンクラス参戦となる。


王座奪取時点から国内外、他のプロモーションでの試合が容認されていた藤野だが、ONEなどアプローチをかけたプロモーションと契約はならず。UNRIVALEDやQUITETでの組み技戦を経て、昨年9月に盟友・浜崎朱加とRIZINで戦い──判定負けを喫した。

半年ぶりの実戦復帰を前に41歳を迎えた藤野に対しKARENは18歳、キャリア5戦目で王座挑戦となる。KARENが生まれた翌年にMMAデビューを果たした藤野は、23歳の年の差タイトルマッチが38戦目となる。

KARENは4勝中3試合がフィニッシュ勝利だが、対戦相手の経験値は藤野とは比較にならない。藤野としては自身の歩んできた道に傷をつけないために、女子版の中島太一×井村塁戦にするしかないパンクラス復帰戦だ。

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