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【DEEP103】藤田大和に挑戦、伊藤裕樹─01─「良いヤツですよね。もう1回勉強してもらえれば良いかな」

【写真】言葉は丁寧、淡々と受け答えしつつ、言いたいことはズバッという伊藤。ここもファイトスタイルに似通っているか(C)MMAPLANET

23日(木・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP103で、DEEP暫定フライ級チャンピン藤田大和に伊藤裕樹が挑戦する。

2年前、2019年9月8日に藤田をRNCで破っている伊藤だが、その後はプロ初黒星を喫すると1年間の引き籠り生活に。この間、藤田は敗北を糧に全局面で進化し、今年2月に同王座を獲得している。

伊藤は3月のRIZINを経て、6月にDEEPで安谷屋智弘を破り挑戦権を手にした。先の藤田戦、安谷屋戦もRNCを極め切り、Road FCからキャリア6勝のうち、5つの勝利は相手と仕留めている。

一発はある。と同時に、流れのなかで極め切る力を優勢、劣性のなかで持っている。この終わらせる感覚はどこから生まれているのか。伊藤に尋ねた。


──Zoomの画面でも左目の周囲が青くなっていることが確認できるのですが……。

「あっ、これは練習中にヒザ蹴りを貰ったもんですね。でも、全然大丈夫です」

──6月に安谷屋選手とのタフファイトをRNCで勝ち切り、タイトル挑戦の権利を手に入れました。

「あの試合はめっちゃしんどかったです。タイトルに関しては、あそこで勝てば佐伯代表から『勝てばタイトルマッチに、かなり近づくから』という風には言ってもらっていたので。そこを意識して戦っていました」

──佐伯さんはその時、神龍誠選手のDEEPカムバックはないと見ていたのかもしれないですね。

「いや、突然試合が発表されてビックリしました。『まだ、やっとんだぁ』って」

──正規王者に復帰については、また後程伺うとして。「しんどかった」と振り返った安谷屋戦、何が「しんどかった」のでしょうか。

「やっぱり組みの展開が多くて……試合前に組みの展開になると厳しくなるとは予想していました。捌きながらチャンスを伺っていたのですが、フィジカル的にもちょっとえらかったです。でも、チャンスに極め切れて良かったです」

──あそでRNCがハマらなかった時は、どうなるのか。それは少し思いました。伊藤選手は終わらせる力を持っている選手ですが、終わらせに行って凌がれるとどうなるのか。

「結構、腕がパンパンでしたしね。3Rまでもつれ込んでいたら……それでも動くことができる体力は残っていました。それに安谷屋選手もミドルとかで削れていることも分かっていたし、3Rになっても何とか勝てたかと。それがあったから、あそこもガムシャラに極めに行くことができたんだと思います」

──試合を終わらせにいくのは、凌がれると相手も気持ちが盛り返すことがありますし、何より自身の体力を消耗します。それでもあのように行けるのは、行けるという感覚があってのことなのでしょうか。

「う~ん、それよりも守りに入るより、常にKOか一本を狙っていきたいという気持ちだと思います。そこで取れなくて形勢逆転されても、一か八かのスリルがめっちゃ好きです」

──そこで行ける伊藤選手なので、愚問かもしれないですが、行ける・行けないの差はどこだと思いますか。

「どうなんですかね。やっぱり気持ち……性格じゃないですか。そこで行かんかったら、僕はあとで後悔すると思います。『あそこで行っておけば』と思うのは嫌いなんです。逝くことができるチャンス、相手に隙があるならガンガン狙って行っちゃいます」

──大したものです。なかなか思い切れないかと思います。

「取りあえず行ったら、なんとかなる。仮に倒すことができなくても、攻めているのはこっちだし次の展開を創れます。だから、思いっきりいきます」

──なるほど、次が頭にあっての思い切りの良さなのですね。

「負ける覚悟をもって、常に勝ちにいくことを意識しています。勝ちに行き、倒しに行くということを。二の矢、三の矢はあるので、またトライすれば良いことです」

──伊藤選手はずば抜けたフィジカルの持ち主でもないし、かといって超スタミナ派でもない。そこは自分でスタミナ配分を考えて戦っているのでしょうか。

「いや、結構すぐにスタミナは切れます(笑)」

──ですよね(笑)。でも、粘る。

「上手く誤魔化して、少し回復させて攻める……みたいな感じですかね。最後まで切らさないというのは、あります」

──少し、伊藤選手が理解できたような気がします。そしてチャンピオン、藤田大和選手です。このところの充実振りは目を見張るものがあると思うのですが、どのような印象を持っていますか。

「2年前に戦った時とは別人になった。そう言って良いぐらい化けています。前はボクシング主体で試合を創っていたのが、今はもう組みも蹴りも使えて『MMAとして格段にレベルが上がっとるな』と思います」

──MMAPLANETのインタビューで、それは伊藤選手に負けたからだと。「ありがとう」という言葉までありました。

「あぁ、読みました。良いヤツですよね(笑)」

──とはいえ、あの言葉は自信の表れかと思います。

「ハイ、まぁもう1回倒して、また勉強してもらえば良いかなって(笑)」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月23日(木・祝)
午後5時50分~PPV SPWN

■DEEP103対戦カード

<DEEP暫定フライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 藤田大和(日本)
[挑戦者] 伊藤裕樹(日本)

<ライト級/5分3R>
大原樹里(日本)
小金翔(日本)

<フェザー級/5分3R>
DJ.taiki(日本)
関鉄矢(日本)

<フライ級/5分3R>
越智晴雄(日本)
渋谷カズキ(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
SAINT(米国)

<バンタム級/5分2R>
CORO(日本)
橋本優大(日本)

<フライ級/5分2R>
駒杵嵩大(日本)
杉山廣平(日本)

<フライ級/5分2R>
鮎田直人(日本)
関原翔(日本)

<フライ級/5分2R>
力也(日本)
関原翔(日本)

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【DEEP103】DEEP初出場、DJ.taikiと対戦──ZST王者・関鉄矢─02─「面倒くさい試合になるでしょうね」

【写真】面倒くさい試合=しんどい試合、楽しみだ(C)TETSUYA SEKI

9月23日(木・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP103で、DJ.taikiと対戦する関鉄矢インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

海外での試合を経て、関の意識は変わった。その結果、ZSTのベルトも巻いている。しかし、そんな関に訪れた挫折ーーRIZINで、堀江圭功にKO負けを喫してしまった。山あり谷あり、そんなMMA人生のなかで関は、一つのことに気づいたという。初参戦となるDEEPで、DJ.taikiを相手に新しい関鉄矢を見せることができるか。

<関鉄矢インタビューPart.01はコチラから>


──2017年4月には2度目の海外遠征を経験しています。中国で開催されたAustralian FCで、アイコス・トレプカに3R TKO勝ちしました。

「あれは嬉しかったですね。前に中国で負けて、ずっとリベンジしたいと思っていて。海外遠征で勝つことができたのは、本当に大きかったです」

──関選手の試合は、スタンドでの打ち合いが多いですよね。今も打撃戦のほうが好きなのですか。

「好きというのもあるんですけどーー根性を見せたくなっちゃうんですよね」

──根性、ですか!?

「試合前はいろいろ作戦とか考えるんですけど、リングに上がるとスイッチが入ってしまうんです。それで試合はプランどおりにできなくて……」

──その点に関して、ジム代表の安田けんさんは、どのように言っていますか。

「試合中にセコンドから注意を受けたりします(苦笑)」

──関選手はリーチも長く、ZSTの試合でもキレイに三角絞めの形に入ったりしています。別にサブミッションができないわけではなく……。

「そうなんですよね。自分では寝技ができないとも思っていません。練習でも極めようと狙ったりもします。でも試合になると、それを出すことができなくて」

──根性を見せるという意味では、RIZINでの神田コウヤ戦(2000年8月、2RにKO勝ち)は根性勝ちのようにも見えました。最後は相手がバテたところをパンチで仕留めています。

「あの試合は、KO勝ちできたことはよかったけど、試合内容は納得いっていないです。ずっと動きが堅かったですよね。大舞台というのを意識しすぎちゃっていました。会場も大きかったですし」

──この頃、関選手はMMAを戦ううえで、目標などは生まれていたのでしょうか。

「いえ、コレという目標はなかったですね。何を目指して戦えばいいのか分からなかった、というのが正直な気持ちです。まずは、自分が出ているプロモーションで一番になりたい。そう考えていました」

──話は前後しますが、ZSTでは2017年5月に橘川尋貴選手とのフェザー級王座決定戦を判定で制して、ベルトを巻いています。

「あの試合も内容が……相手が場外に落ちた結果の判定決着でしたからね。当時、自分のことをチャンピオンだと言っていいのか、分かりませんでした。ちゃんとタイトルマッチで勝ってベルトを巻かないと、自分はチャンピオンだと言えないなと思って。でもそのあとはZSTで連勝して敵がいなくなったと思うので、今は僕がZSTのチャンピオンだと、胸を張っていえます」

──そこで2020年に入り、RIZINからオファーがあった時は、どう感じましたか。

「RIZINからオファーがあったのは、ビックリしました。出たいなぁ、とも思っていたので」

──しかし、そのRIZIN2戦目で、UFC参戦経験もある堀江圭功選手に敗れてしまいました。

「悔しかったです。それまで連勝していて、久々の敗戦でした。完全に実力で負けた。今のスタイルでの限界が見えましたね。打ち合いに固執しているわけではないんですけど、試合前に立てたプランを遂行することができませんでした。……自分の中で、頑固になりすぎている部分があると思うんですよね。とにかく次の試合で結果を出すしかないです」

──堀江戦から半年を経て、次のDJ.taiki戦を迎えます。この期間に、どれだけ変わることができたのかが大きなポイントになるかと思います。

「今までと練習内容を変えました。具体的には言えないですけど、MMAではこういうことができる、ああいうこともやれるーーそういう視野も広がってきたと思います。MMAに夢中になってきたというか」

──夢中になってきた……というと?

「今考えると、野球をやっていた頃って努力していなかったんですよ。家で素振りをしたりとか、そういうこともなかった。特に努力をしなくても、何となくこなせてしまうので」

──しかしMMAは、そうはいかなかったのですね。

「MMAって、本当の個人競技じゃないですか。試合では1対1、勝っても負けても結果は自分自身で受け止めないといけない。野球とか集団競技は、自分がミスしても他の誰かがカバーしてくれる。それはそれで良いことなんですけど、僕はそこに甘えていたと思うんです」

──……。

「MMAは果たし合い、そういう緊張感があります。ようやく分かったんですよね。MMAっていう良いスポーツに出会うことができました。今まで、これほど真剣に取り組んだスポーツは、他になかったので」

──なるほど。次のDEEP初戦は、その気持ちで迎える仕切り直しの一戦ともいえます。

「初めて出場するので、アウェイ感はあると思います。でも、それは意識しません。同じMMAなので」

──対戦相手のDJ.taiki選手の印象を教えてください。

「試合の映像は見ました。面倒くさい試合になるでしょうね」

──面倒くさい試合、というのは?

「相手はタフだし、打撃戦も上等な感じがあるじゃないですか。変則的な動きをすることもあるし。でも、もう誰にも負けない。その自信があります。DEEPでも、RIZINや海外の大会でも──どこで戦おうと、僕はトップになります」

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DEEP DEEP103 DJ.taiki Interview J-CAGE ブログ 関鉄矢

【DEEP103】DEEP初出場、DJ.taikiと対戦──関鉄矢─01─「最初は格闘技を舐めていました」

【写真】サークルに近いケージで、DJ.taikiを相手にどのような動きを見せるか──楽しみな関(C)TETSUYA SEKI

9月23日(木・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP103に、ZSTフェザー級王者の関鉄矢が初参戦する。

キャリア序盤は黒星も多かったが、2016年末から勝ち星を重ねて、翌年にはZSTのベルトを獲得。その後、RIZIN出場を経て、DEEP初戦でベテランのDJ.taikiと対戦することとなった。

ZSTのリングでは打ち合い上等――そんなスタイルで戦ってきた関が、新しい舞台で何を見せるのか。まずは、これまでのキャリアについて訊いた。


――DEEP初参戦でDJ.taiki選手と対戦する関鉄矢選手です。格闘技を始める前は、ずっと野球をやっていたのですよね。

「小学校の時、友達に誘われて野球を始めました。小さい頃から身体を動かすことが好きだったので」

――ということは、甲子園やプロ野球を目指していたのでしょうか。

「いえ、そういうわけでもないんですよ。特に目標もなく、ただ野球をやっていたような感じでした」

――野球で憧れの選手などは……。

「特にいなかったです。誰かの試合を見るよりは、何でも自分でやることが好きでした。野球以外にもサッカー、テニスとか他のスポーツもやりましたけど、それぞれプロの試合を見ることもなかったですね」

――では、なぜ野球を辞めて格闘技を始めたのでしょうか。

「高校の時に野球部の監督と合わなくて、野球部を辞めたあと、学校も退学しちゃったんですよ。それで仕事をしながら、何か運動したいなと思って、近所にあったボクシングジムに通い始めました」

――プロボクサーを目指すのではなく運動として、ですか。

「はい。ボクシングジムに通ったといっても、月に1回ぐらいですかね。そんな生活が1年ぐらい続いたあと、友人から格闘技のジムに誘われたんです」

――関選手は1994年生まれ、10代の頃だとK-1やPRIDEなど日本の格闘技が盛り上がっていた時期ですね。

「でも、そういうのをテレビで見たこともなかったんです(苦笑)」

――えっ……同世代のファイターは、K-1やPRIDEなどを見て格闘技を始めた選手が多くないですか。

「そうですね。みんなよくPRIDEとかの話をしているけど、僕は選手のことを全く知らなくて(笑)。今のジム、SONIC SQUADに入ったのも、キックボクシングをやりたかったからで。試合に出ることも考えていなかったです」

――最初はMMAではなく、キックボクシングから入ったのですね。

「ボクシングもそうですけど、打撃競技をやりたかったんですよ。打撃のほうが、やっていても何かハッキリしているじゃないですか。SONIC SQUADではキックボクシングのクラスもあると聞いて、入会しました」

――一般会員としての入会ですね。

「本当にパンチの基本から、ジャブから教わって……。ジムに入って最初は組み技や寝技に興味がなく、打撃の時間だけ来ていました。ちゃんと寝技を練習し始めたのは、ジムに入って2~3年後ぐらいですね。入って1年ぐらいは打撃が中心でした」

――その状況から、試合に出るようになるキッカケは何だったのでしょうか。

「安田(けん、SONIC SQUAD代表)さんから『試合に出てみる?』みたいな感じで聞かれて、せっかく格闘技をやっているなら試合に出てみようか、という感じでした」

――MMA初戦は2013年10月、ZSTのSWAT!でドンキーコングNOBU選手にギロチンで勝利しています。そこで打撃ではなく、一本勝ちしているのは……。

「コーナーに押し付けられて、そのまま首に腕を回すことができたんですよ。自分が練習でやられたことを、見様見真似やってみたら極まりました(笑)」

――お話を聞いていると、どんなスポーツでもこなせてしまうタイプなのだろうな、と思います。

「そうなんです。それで最初にできちゃったら、『こんなものでいいかな』と思ってしまう。実際、最初の頃は格闘技をナメていました」

――2015年からZSTと、中国で行われたWLFでの試合まで3連敗しています。その時点で気持ちに変化はなかったのでしょうか。

「ZSTで負けた時は、負けたけど全く通用しなかったわけでもなくて。『次はいけるかな』っていう感じで考えていました。でも中国で負けて、気持ちが変わりましたね」

――2016年5月に中国で行われたWLFで、ムス・ヌエルティビエクに1R KO負け。それまでの敗戦と何が違っていたのでしょうか。

「あの試合は、本当に何もできずにKO負けして、『このままじゃ勝てない』と思いました。何回やっても勝てないなって、本当に悔しかったです。あとVTJで負けたことも大きかったですね」

――同年9月、山本哲也選手に判定負けした試合ですね。

「塩漬けされて、何も出せずに負けました。そこから、寝技をイチから勉強しようと思ったんです」

<この項、続く>

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