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【Shooto2022#03】石井逸人の挑戦を受ける環太平洋バンタム級王者 小野島恒太「自分にはないセンスが」

【写真】前回の試合と違い3R、両者揃ってこの間の成長が問われる試合となる (C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#03のメインで、修斗環太平洋バンタム級王者の小野島恒太が、石井逸人を挑戦者に迎えて初防衛戦を行う。
Text by Shojrio Kameike

今年1月に藤井伸樹を判定で下して環太平洋のベルトを巻いた小野島と、石井は2020年8月にインフィニティリーグで対戦し、ドローに終わっている。前戦から約2年――その間に修斗世界バンタム級の王座は、岡田遼から安藤達也に移った。大きく動き始めた修斗バンタム級で、小野島が目指すものとは何か。


――環太平洋のベルトを獲得してから約4カ月が経ちました。小野島選手の気持ちや生活の面で、何か変化はありましたか。

「自分は試合前から、何も変わらないだろうなぁと思っていたんですよ。8年前にベルトを獲れなかった悔しさからMMAを続けていたところがあるので、そういう意味ではホッとしたというか。毎日飲むコーヒーの味のレベルが上がったと思います(笑)」

――朝起きて飲むコーヒーが美味しい。それは一番幸せな時間の一つではないですか。

「そうなんですよね。他の人からの評価に興味がないわけではないです。でも、そういった評価を意識してMMAを続けてきたわけではないので。自分の中で、一つ目標を達成した。それ以外では特に変化もないです。逆にベルトを獲ったことでMMAへのモチベーションが下がることもなく、今も淡々とMMAをやっていますね」

――ベルトを獲得したことで「もうこれでいいかな」という気持ちは起きなかったのですね。

「全然そういう気持ちはないです。むしろ修斗の環太平洋のベルトを獲ったからといって――こう言っては何ですけど、世界のベルトではないですからね。今の目標の一つが、世界のベルトを巻くことです。僕は自分のMMAの完成度を高めるために続けているので、一つひとつその完成度を、ベルトという形として証明していきたいです」

――自分のMMAの完成度について考えた場合に、何をもってゴールとするかは難しくはないですか。

「ゴールはないようなものですからね……。正直、自分も年齢が年齢なので、いつ最後の試合になってもおかしくないと思っています。それは体の怪我なのか、それとも心が『これ以上はキツい』と思うのか。今もキツいことはキツいですよ。楽しいけど、シンドイこともありますし、生活を犠牲にするところもあるので。いつ現役生活が終わっても……という気持ちは持っています」

――……。

「もう今からUFCに行ってどうこう、と口にできる年齢でもないですし。でも、そういう若い選手が抱く夢とは別に、まだ自分に伸びる余地があるなかで、自分自身のMMAの完成度を高めていくことが楽しいんです」

――なるほど。すると前回の試合は、自分にとってはMMAとしての完成度が高まった試合だったと思いますか。

「そうですね。高まるように頑張って……頑張ったけれども、自分はまだまだだなって思わされた試合でした(苦笑)」

――どのような点が、まだまだと感じられたのでしょうか。

「自分はKOや一本でフィニッシュするタイプではないと思います。実際、フィニッシュしている数も少ないですよね。まず勝つことを目指して、どうやったら勝てるかということを考えています。そのうえで前回の試合は、自分の完成度が低くて相手をコントロールしきれていなかったり、相手にバックを取られてしまう場面もありました」

――試合では相手に何もさせずに勝つことが理想なのですか。

「それが理想ではあります。チャンピオンクラスやランカークラスに、そういう試合ができるのは理想です。なかなか難しいですけど」

――対照的な内容として、3月の世界チャンピオンシップはKO決着となりました。修斗の世界王座を目指すのであれば、あの試合はどのように見ましたか。

「やっぱり安藤選手の武器――切れ味鋭い打撃が生きて、まさに持っている選手なんでしょうね。もちろん本人の努力もあるでしょうし、すべて含めて持っている選手だということですよね。特に安藤選手は、自分にない武器を持っている選手だと思います。反対に――分かりづらいところなんですけど――僕は安藤選手が持っていない武器を持っていると思っています。今回対戦する石井選手もそうですよね」

――というと。

「石井選手は僕と比べると、鋭い武器を持っています。しかも能力が高い武器を持っていて」

――その石井選手とは一度、2020年8月に対戦しています。インフィニティリーグということで2R制、結果はドローでした。

「あの試合に関しては、自分の悪いところが出ました。試合中に自分の中で勝手にポイントを計算していたんです。それで今ポイントを取っているなと判断して……その点は反省しています。あの試合を通じて、もっと自分の完成度を高めていこうと思いました。具体的に言えば、テイクダウンしたあとも展開を作っていこうと考えた試合でしたね。

あの試合で評価されずドローになったからこそ、そういう部分を鍛えようと思うことができたんです。おかげで以降の試合では、勝つために自分がもっと決定的な場面を作るように努力し始めました。その意味で、自分にとっては大きなキッカケになった試合でした」

――ポイントを取ったと思ったことで、自分の動きを抑えてしまったのでしょうか。

「抑える部分というよりは、もう一歩踏み込まないというか。相手も強い選手なので、踏み込みすぎると危ないと思っていました。それはグラウンドでも、スタンドでも。そこで自分としては、リスクを冒さない戦い方に寄っていたと思います」

――インフィニティリーグでは、続く野尻定由戦がドローでした。以降の小野島選手は、組んでも寝かせても手を止めない、よりノンストップファイターになったと思いますが、それは石井選手との初戦の判定結果があったからなのですね。

「石井戦と野尻戦がドローという結果になり、その結果が一番生かされたのはRoad to ONEの試合だったと思います。ダメージ優先というONEの判定基準もあったので、よりダメージを与えていく戦い方に繋がっていきました」

――結果、MMAゾンビと呼ばれる藤井選手を相手にノンストップで攻めることができていました。約2年前の初戦から、そのように小野島選手が成長してきたなかで、対戦相手の石井選手はどう変化したと思いますか。

「石井選手については、田丸戦から注目して見ていました。すごく動きのある良い選手だなと思っていて。試合前だから、あまり相手のことは褒めたくないんですけど(笑)」

――アハハハ。しかし、褒めざるを得ない選手であると。

「自分にはないセンスがありますよね。極める力や、投げる力に関して切れ味鋭い部分がある選手です。若いからか、フィジカル面も充実してきて。あとTRIBEでトップ選手たちと練習している部分も強いのかなと思います。そういう良い環境で揉まれて、強くなっている印象があります」

――では現在、小野島選手はどのような環境で練習しているのでしょうか。

「練習会やプロ練習のようなものに参加するというよりは、スパーリングパートナーに来てもらって、マンツーマンで練習することがメインになっています。

今のスパーリングパートナーは、パンクラス王者の中島太一選手です。お互いチャンピオンになる前から一緒に練習していて、中島さんもチャンピオンになったので嬉しいです。他にも元ONE世界王者の猿田(洋祐)さんとか。猿田さんもONEのチャンピオンになる前から一緒に練習していました」

――練習会やプロ練習など集団で練習するよりも、マンツーマンでの練習することのメリットは何なのでしょうか。

「集団で練習することも大事だと思います。自分も、もともとは出稽古させていただいたりしていましたから。でもマンツーマンでより深く技術を研究し、お互いにアドバイスして、お互いに感じたことを伝え合う。次にまた同じ人とスパーリングをして……という練習で突き詰めていくなかで、どんどん完成度が高まっていくのかなと思っています。

初めての方とのスパーリング、慣れていない方とのスパーリングだと、どうしても遠慮が出でしまったりすることがあるんですよね。対してマンツーマンのほうが運動強度というか、練習の質が上がってくるのかなっていうメリットはあります」

――なるほど。それとベルトを巻いた直後に、次に対戦したい相手として手塚基伸選手と中村倫也選手の名前を挙げていました。いずれも試合が実現しなかったことについては、どのように考えていますか。

「1月16日の時点で誰と戦いたいかと言われたら、手塚選手と中村選手ではあったんです。あの時点で3月や5月の試合が決定すれば、ですよ。でも3月に石井選手が石橋(佳大)選手に一本勝ちしましたよね。石橋選手は、ああいう負け方をしたことがなかったと思うんです。だから石井選手が石橋選手に勝った時点で、次は石井選手とやるべきじゃないかと思いました。石井選手の挑戦を受けないと、チャンピオンじゃないでしょって」

――そうだったのですね。今回は再戦となりますが、前戦とはまったく違うものになると思いますか。

「意外と全然違う展開になるんじゃないでしょうか。お互い狙っているもの、やることっていうのは、あまり変わっていないと思います。石井選手は打撃でペースを握って、グラウンドに持ち込んで自分のペースで試合を握りたいでしょうし、それは自分も同じです。ただ、自分のペースに持ち込めなかった時に、スタンドかレスリングの展開になるのか、グラウンドになるのかはフタを開けてみないと分かりません。でも、どんな展開になっても自分は大丈夫です」

――そのように冷静に分析できるということは、自身の中で試合に向けて出来上がっているということなのでしょうか。

「はい。試合はフタを開けてみないと分からない、神のみぞ知る部分が多いですよね。でも、どうなっても大丈夫なように対策はできています。今は自分も世界ランキング1位ですし、この試合に勝ったら次は世界チャンピオンシップだと思っています」

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【Shooto2022#01】新環太平洋バンタム級小野島恒太「手塚選手の名前を出さないと漢じゃない」

【写真】 小野島はかつてFight &Lifeでアルバイトとして働いていた(C)MMAPLANET

16日(日)、東京都文京区後楽園ホールで開催されたShooto2022#01のメインで藤井伸樹に判定勝ちし、修斗環太平洋バンタム級のベルトを小野島恒太が巻いた。

修斗デビューから、あと2カ月で12年になる小野島は多くのケガ、ここ一番での敗北を乗り越え──スタイルチェンジも含め、自分を貫いてきた。そんな彼がマイクで手塚基伸と中村倫也の名前を出した。この2人に触れること自体が、彼の修斗道、小野島恒太道を貫く姿勢の表れだった。

試合後の会見から、MMAPLANETの質問への返答に特化した小野島の言葉をお届けしたい(※抜粋)。


──おめでとうございます。

「ありがとうございましたっ!!」

──個人的にはあのバイト君がチャンピオンになったかと思うと感慨深いです。本当に紆余曲折を経て修斗のベルトを巻きました。

「前十字を切ってブランクを創った時は終わったかと思いました。8年前に根津選手と環太平洋王座を争った時の悔いも、いくつか残っていました。負けた言い訳になるので、言いたくないのですが……2カ月前に足の甲を折ったりミスがあったので。今日は万全の体調で試合に臨むということ、ベルトを取るということ。この2つの悔いを晴らせて凄く良かったです」

──今の小野島選手のスタイルだと、対戦相手は消化不良になることが多いと思います。ただし藤井選手はあのスタイルで全力でやりあえる相手だったのではないでしょうか。

「似た者同士だとは思っていました。とはいえ、自分も自信がある方なのでディフェンスが緩い選手だと考えていました。それが結構体も強くて、ちょっとビックリしましたね」

──藤井選手は攻められている時でも、バックを取りに行くという動きが絶妙で初回から見られました。

「相手の攻撃を受けているなかで、自分のなかで余裕があると思えるようになったことが大きかったです。トレーニングパートナーが攻撃力のある選手が多いので、そこらへんで試合でも余裕が持てたかと思います。自分のなかでは初回はほとんど消耗しなかったです」

──来させて迎えうつ。組ませて切る。藤井選手相手にはなかなか度胸のいる選択だったかと。

「最後にバックを取られた時もセコンドはヒヤヒヤしたみたいですけど、自分のなかで余裕がありました。あそこから逃げることも練習してきたので、いつ体を入れ替えようかと思っていました」

──何があっても自分を貫く。それはインフィティの最終戦で判定勝ちだと優勝はないのにケージに詰めて組んでいった時に感じました。

「インフィニティに関しては、今でもドローの試合も勝ったと思っています。正直、全員に勝てる……ただ、全員に判定で勝つというのが戦略でした。だからインフィニティの主旨とは違っていましたね(笑)。

スタイルをストライカーから組みへチェンジして、また極めるに至っていないんです。打撃でKOしようと戦っていた人間が、組みに変えて技量がまだ足りていない。そこを完成させるうえで、今日言った手塚選手や中村倫也選手とやるのは良いチャレンジだと思います。

自分はチャンピオンですが、その試合はチャレンジだと思っています」

──Grachanバンタム級王座に挑戦しますか?

「(笑)。手塚選手は他団体のチャンピオンだから、正直難しいと思っています。ただ、あそこで手塚選手の名前を出さないと漢じゃないです。『俺はコロナの影響で修斗で試合をしていないけど、アイツに勝っているから。俺のこと無視できるのか』って思われたくないです。ダサくなりたくないので……やっぱり、負けているって嫌なんです。でも、ちょっと難しいですかね……手塚選手は」

──そこはプロモーター間の話し合いで、業界を盛り上げてもらいましょう。もちろん、手塚選手の同意が必要になって来るかと思いますが。

「ハイ……。手塚選手は自分がテイクダウンをしたから、どうなんだというスタイルなので相性が悪いんです。だから、ここから練習して手塚選手のような選手に勝てるようになれると自分は本物だと思えます。打投極の極の部分を鍛えられる相手なので。自分の修斗の完成のためには避けられない相手です。

それとスーパールーキーの中村倫也選手は無視できない相手です。去年、自分は勝ったと思っていますがドローだった野尻選手に、あの勝ち方をしているのに名前を出さないとダサいです(笑)。ここはいつでもやってやるという気持ちです」

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【Shooto2022#02】バンタム級ケジメの世界戦=岡田遼×安藤達也。石井×石橋、後藤×ライトイヤーも

【写真】前回の対戦後の両者の表情。決着を見なければキャリア、そして人生で先に進めないだろう (C)MMAPLANET

16(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2022#01中に3月21日(月・祝)の後楽園ホール大会=Shooto2022#02の対戦カード3試合がアナウンスされた。

修斗世界ライト級王者の西川大和がウェルター級で山田崇太郎と戦う一戦に続き、世界戦を含むバンタム級3試合が明らかとなった。


まず修斗世界バンタム級チャンピオンの岡田遼が、1年振りの修斗公式戦出場で安藤達也の挑戦を受ける。この両者、2019年9月に当時は環太平洋王者だった岡田に安藤がチャレンジするという形で拳を交えており、痛み分けに終わっている。

岡田は昨年3月に大塚隆史を下して同タイトルの初防衛に成功するとRIZINバンタム級GPに参戦し、元谷友貴に敗れて以来の試合となる。一方、安藤は昨年9月に石井逸人を下し環太平洋王座を防衛、川原波輝に影響を受けてアルファメールでついに覚醒した感がある。

岡田は現在ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーで4週間の出稽古に入ったばかりだ。ゴールを見て戦っている感もある岡田が、前回の安藤戦のように全てをぶつけ──修斗愛を貫けるのか。そして安藤は底の見えないポテンシャルをさらに掘り起こしているのか──。2022年3月の両者の現実が浮き彫りになる戦いとなるだろう。

タイトル戦以外では石井逸人と石橋佳大、後藤丈治×ダイキライトイヤー戦が発表されている。激闘否定の激闘王=石橋は昨年9月に石井のチームメイト後藤との──やっぱり激闘を制しており、ダイキライトイヤーは11月のRIZIN TRIGGERで釜谷真に引導を渡した。

一方、TIRIBEの朋友コンビ=石井と後藤は上記にあるように安藤、石橋戦で共に勝機を掴みながら敗れ再起戦となる。混戦修斗バンタム級で突き抜けることを期待されてきたが、石井は前述したように安藤に敗れ、インフィティリーグでも野尻定由&小野島とドロー。後藤は石橋だけでなく藤井伸樹に遅れを取っている。

両者が目指すのは世界。ならば、もう足踏みは許されない3月の石橋、ライトイヤー戦──5日後にONE世界フライ級王者アドリアーノ・モライシュに挑戦する若松佑弥にバトンをつなぐ勝利が絶対だ。

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【Shooto2022#01】藤井のTDを防ぎ切った小野島が環太平洋王者に。手塚基伸と中村倫也との対戦を希望!

【写真】小野島が約8年ぶり、2度目のチャレンジでベルトを腰に巻いた(C)MMAPLANET

<修斗環太平洋バンタム級王座決定戦/5分3R>
小野島恒太(日本)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28.
藤井伸樹(日本)

開始早々、距離を詰めた小野島。様子をうかがう藤井に対し、左ミドルハイを見せる。しかし藤井もプレッシャーをかけ、小野島を下がらせる。ガードを下げたりスイッチしながら、相手が前に出てくるとバックステップを使う小野島へ、藤井は右のスイングを繰り出した。小野島は前に出てくる藤井に右のカーフキック。藤井のプレッシャーをかわしながら、パンチとローで牽制する。サウスポーにスイッチした小野島に、藤井は左のアウトロー。さらに左ジャブを伸ばしてからテイクダウンを狙う。

これをカットした小野島が右腕を差し込み、藤井をケージに押し込む。藤井も右腕を差し上げ、左のオーバーフックでテイクダウンを防ぐ。小野島は左足へのシングルに切り替え、上下に揺さぶるもグラウンドに持ち込むことはできない。ケージ際で体勢を入れ替え合う中でレフェリーがブレイク。再開後、残り25秒で藤井がテイクダウンを狙うも、切った小野島が右腕を差し上げて投げを打つも、藤井は倒れずに1Rを終えた。

2R、藤井がサウスポーに構える小野島に左ジャブから右ストレート。しかしダブルレッグはスプロールされ、小野島が右腕を差し上げて藤井をケージに押し込む。藤井も小野島のボディロックを外して体勢を入れ替えるも、小野島も切り返す。藤井はダブルレッグを仕掛けたが、スプロールした小野島が逆にダブルレッグで藤井に尻もちを着かせた。立ち上がり、小野島をケージに押し込む藤井。しかしケージ際でも小野島が藤井をケージに押し込む場面が多い。

しっかりと右腕を差し上げている小野島。藤井がケージ際から離れるも、小野島がパンチで藤井にケージを背負わせる。前に出てくる小野島に、右のカウンターを合わせた藤井が、続いて右を当てる。小野島も返してパンチの打ち合いに。ここで藤井が小野島の右足へシングルレッグを仕掛けて、そのまま相手をケージに押し込んだ。小野島はガブるも、藤井は左足へのクラッチに切り替えた。これも防いだ小野島は、右腕を差し上げて体勢を入れ替える。下がって離れた藤井。ケージ中央で左ジャブを放ちながら前に出るも、小野島の右フックがヒットする。残り10秒で藤井がテイクダウンを狙うも、小野島がスプロールした。

最終回、前に出る藤井に対して右フックから左ミドルハイを見せた小野島。藤井は組み付くも、小野島が切り返す。パンチ中心の藤井に対し、ロー、ミドルハイ、そして右クロスを見せる小野島。藤井はダブルレッグを狙うも、距離が遠い。ここで藤井の左ローを掴んだ小野島が尻もちを着かせるも、藤井もすぐに立ち上がる。ケージ際で鋭い左ジャブを当てる藤井。小野島が右フックからパンチを返していく。藤井のダブルレッグをスプロールした小野島が、パンチの連打で藤井をケージに追い込んだ。

離れた藤井がダブルレッグへ。しかしここも倒すことはできない。さらにダブルレッグをカットした小野島が、左右のフックを振って藤井を中に入れさせない。藤井の左ジャブに右クロスを合わせ、さらにダブルレッグを切る小野島。ここで藤井が、小野島のパンチをかわしながらシングルレッグでグラウンドに持ち込み、すぐにバックへ回り込んでRNCを仕掛けた。これを凌いだ小野島が藤井を前に振り落としてから立ち上がり、ケージに押し込んでバックへ。ラスト10秒は両者パンチで打ち合ったところで試合終了となった。

ジャッジ1人がフルマーク、残り2人が1ポイント差をつける裁定で、環太平洋バンタム級のベルトを巻いた小野島。試合後、ケージの中で戦いたい相手として手塚基伸と、この日KO勝ちを収めた中村倫也を挙げ、3月21日後楽園ホール大会での実現を希望した。


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【修斗】速報中!PROFESSIONAL SHOOTO 2022 開幕戦

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さてさて今日は修斗の戦い初め。後楽園ホールでPROFESSIONAL SHOOTO 2022 開幕戦が開催されます。メインは修斗環太平洋バンタム級チャンピオン決定戦。小野島恒太と藤井伸樹が激突します。さらに修斗を席巻し始めたEXFIGHT/LDH martial artsから中村倫也と宇佐美正パトリックが参戦。2022年の台風の目になる可能性十分で目が離せません。さらに女子の試合も多数配置されて見どころ十分。今宵も後楽園ホールから電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。

なお、出場予定だった内田タケル、森田興希は新型コロナウィルス陽性と診断されたため今大会を欠場、予定しておりました試合は中止となりました。
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【Shooto2022#01】中村倫也戦へ、野尻定由「凡人がバケモノを倒す。それがMMA」

【写真】えげつないマッチメイクは、野尻にとってチャンスでもある(C)MMAPLANET

16日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#01で、野尻定由が中村倫也と対戦する。

ザ・エリート、生まれながらMMAの王道を歩んできた中村に対し、野尻は地元で有名な料理屋の息子として育ちながら、ビーバッブハイスクールのモデルとなった高校の芸能科に歌を歌って入学し、追い込み練習の後にブルーハーツの曲で体力をつけてきたという変わり種だ。

MMAファイターとしては雑草中の雑草は自らを凡人と評する一方で、中村が口にした「UFCでチャンピオンになると断言している人間と、ソレを口にすることができない人間の差は出るとは思っています」にはカチンときていた。15歳からMMAに賭けてきた凡人が、その胸中を吐露した。


――日曜日の中村倫也選手との試合が迫ってきました(※取材は1月12日に行われた)。率直にこのオファーがあった時は、どのように思いましたか。

「そうっスね。ピンチであり、チャンスである試合だと思いました。一応、修斗での位置的には自分の方が上なんですけど、中村選手は凄く強い選手なので……。まぁ、下から追い上げられているなと」

──この試合が決まった時、えげつないカードだなって思いました。アマ修斗、九州から育ってきた若い野尻選手を中村選手のステップアップの材料にするんだと。もちろん、勝負ですから、誰と戦っても勝つしかないのがファイターの生き残る術なのですが……。

「ジム全体で『この野郎』という空気にはなっていました(苦笑)。舐めんなよっていうのもあるし、自分にとっては正念場でもあります。最近、余り勝てていないですし」

──とはいえ小野島恒太選手と石井逸人選手、キャリアが4倍ぐらいあるタイトルに絡んだ選手とドローです。Road to ONEでプロMMA初黒星を喫した山本空良選手は実質、1階級上の選手でした。

「圧力で負けていましたけど、当日計量で同じ体重でやっているので、そこは言い訳にできません。NEXUSのチャンピオンに負けて、修斗の皆さんや応援してくれた人たちの期待に応えられなくて悔しい試合になりました」

──初めての敗北から学べたことはありましたか。

「わざわざ相手の得意な寝技に付き合ってしまったことは反省しています。自分はオールラウンダーなので自信はあったのですが、そういうことをする必要はなかったです。打撃でも勝負できていたはずなので」

──では今回の中村選手との対戦、そのウェルラウンダーという部分でどのような戦いをしたいと考えていますか。

「自分はMMAのキャリアでは中村選手より長いので……でも中村選手はレスラー上がりだけど、偏っていないMMAファイターですよね……。そうッスね、今回は……今回も……う~ん……でも、経験の差を見せようかと思います。

やっぱり食われてなるモノかっていう意地はあります。あっちも格闘技とかレスリングに賭けてきたんだろうけど、こっちだって15歳から賭けてやってきたんで。上手くいったり、いかなかったりあるけどUFCを目指してやってきたんで……」

──その言葉はMMAPLANETのインタビューで、中村倫也選手が『UFCでチャンピオンになると断言している人間と、ソレを口にすることができない人間の差は出るとは思っています』と言っていたことに対するリアクションでしょうか。

「まぁ、そうッスね。あのインタビューを見て、『俺だってそのためにやっている』とは思いました。中村選手は強いと思います。身体能力が凄く高いバケモノみたいな選手だろうけど……そういう奴を倒せるのが、MMAの面白いところなので。

MMAは身体能力の差を埋めることがでる競技だと思っているので。バケモノを倒したいですね」

──そのバケモノと戦うために、何か特別な練習はしてきましたか。

「出稽古はやっていないです。赤崎道場でずっとやってきました。この試合が決まる前から、前回の試合でフィジカルや圧力で負けてしまっていたので、フィジカルとスタミナは鍛え直してきました。

ホント……相手はレスリングのU23の世界チャンピオンで、ずっとエリートなんですけど……。自分はMMAを始める前は凡人以下で、勉強もスポーツも何もできなかったです。でも、ずっとMMAに賭けてやってきたので……凡人がバケモノを倒す姿を皆に見てほしいです。それがMMAなので」

■視聴方法(予定)
1月16日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2022#01対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級王座決定戦/5分3R>
小野島恒太(日本)
藤井伸樹(日本)

<バンタム級/5分3R>
野尻定由(日本)
中村倫也(日本)

<ライト級/5分3R>
菅原和政(日本)
宇佐美正パトリック(日本)

<ストロー級/5分3R>
新井丈(日本)
木内“SKINNYZOMBIE”崇雅(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
内田タケル(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
黒部三奈(日本)
宝珠山桃花(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
久遠(日本)
加藤春菜(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
小生由紀(日本)

<52キロ契約/5分2R>
杉本恵(日本)
ソルト(日本)

<フェザー級/5分2R>
木下タケアキ(日本)
工藤圭一郎(日本)

<ストロー級/5分3R>
阿部マサトシ(日本)
牧ヶ谷篤(日本)

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【Shooto2022#01】環太平洋バンタム級王座決定戦=小野島恒太戦へ。藤井伸樹─02─「自分の試合を貫く」

【写真】フィジカル強化で、小野島のケージ・スクランブルMMAに如何に対していくのか──非常に楽しみな藤井だ(C)MMAPLANET

16日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#01で、小野島恒太と空位の環太平洋バンタム級王座を争う、藤井伸樹のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

昨年1月の加藤ケンジ戦でアゴを骨折していた藤井。全治6カ月――その間も自分にできることをやってきた。自身の試合を見つめ直し、改善してきた。全ては、強くなるために。
ベルトやランキングは、自分自身が強くなるためのステップのだろう。だから勝ちたい。そんな藤井のキャリアにとって重要になるチャンピオンシップ、小野島戦について語ってもらった。

<藤井伸樹インタビューPart.01はコチラから>


――現在の修斗バンタム級ランキングを見ると、藤井選手が前回試合をした1年前より過酷な状況になっていると思われますか。

「はい。特にランキング上位には、いろんなタイプのファイターが集まっています。そういう意味では、もうランキングは参考にならないと思っています。チャンピオンやランキングっていうものはあるけど、その中で誰が上に行っても、いつどのようにランキングが入れ替わっても、おかしくない状況ですよね」

――確かにそうですね。

「ランカーはどんどん強くなっているし、これからランキングに入ってくる選手もいますし……すごいですよね。自分も負けないように頑張ります」

――今回の環太平洋チャンピオンシップも含め、これから世界王座へ到達するためには、そんな様々なタイプの選手と戦っていく必要があるでしょう。毎試合、違うタイプの相手と対戦するなかで、いかに自分のスタイルを貫くことができるか。

「そうですね。誰と戦うことになっても、自分のスタイルは変わらないと思います。誰が相手でも、いかに自分の試合をやり切るか。そこはジムの代表である高阪剛さんが、いつも試合前に対策を練ってくれるので、それぞれの相手に向けた練習もするしかないですね」

――所属ジムのアライアンスといえば、昨年11月に堀江圭功選手がRIZIN TRIGGERで中田大貴選手に勝利しました。その時に堀江選手は左拳を負傷したようですが、「試合前から拳が使えなくなったら掌底で行こうと考えていた」とのことで……。

「あの試合は、当日はセコンドについていました。試合中に本人は『折れた』とは言っていなかったんです。『痛い』と言っていたので、じゃあ組みで展開を変えようと言いました」

――藤井選手が試合中にアゴを骨折したあと戦術を変えた時と同じように、すごい精神力だなと思いました。ジムとして、そういった心の強さがあるのでしょうか。

「心の強さですか? ジム全体では分からないですけど(苦笑)、自分がそういう状況になったらどうするか、ということは常に考えたり練習しているとは思いますね」

――なるほど。藤井選手は治療中にご自身の試合を見直していたとのことですが、ほかに気づいたことや取り組んでいたことはありますか。

「アゴの治療中で練習できない間は、フィジカルを強化しました」

――フィジカルですか! 相手とコンタクトがあるスパーリングができない時期だからこそ、ですね。その成果は練習の中で感じられていますか。

「動きの面では分からないんですけど……ちょっと変わってきたかな、とは思います。練習の中で、感覚的な部分では」

――治療と練習再開を経て、再び試合ができる状態になったのは、いつ頃なのでしょうか。

「昨年末あたりですね。僕から、この時期ぐらいに試合をしたいということは伝えていました。以前もオファーは頂いていたんですけど、怪我が治って練習を再開したばかりの頃だったんです。今は万全の状態になって、試合をしたかったので」

――その1年ぶりの試合が、ベルトを賭けた試合になったことについては……。

「正直なところ、あまりベルトは意識していないです。この試合、この相手に勝つっていう気持ちのほうが強いですね。……いや、その気持ちしかないです」

――では、対戦相手の小野島恒太選手の印象を教えてください。

「すごく組みが強い選手ですよね。何試合か映像を見たんですが、ケージ際での強さや、トップキープする強さがあります。それをどう崩していくか、ですね。もちろん力強さを生かした打撃も気を付けないと、一発もらったら展開を変えられてしまうので」

――この試合は、藤井選手のキャリアの中で、どのような意味を持っているでしょうか。

「ここで勝つと負けるのでは、大きく違ってくると思います。勝つことによって、次のことが大きく見えてくるのかなって。だから負けたくないし、何が何でも勝ちたいです」

――環太平洋のベルトを獲得すれば、その先にある世界王座挑戦も見えてくるかと思います。

「世界王座については、考えていないわけではないです。もちろん一番上を目指して戦っているので。ベルトやランキングというのは、自分より上の選手に勝つこと。自分が強くなる、ということですね」

――では最後にファンの方、読者の方へ試合に向けたメッセージをお願いします。

「相手も最後まで自分の試合を貫こうとしてくると思いますし、自分もそれに負けないようにしないといけないですね。技術だけじゃなく、気持ちの部分も含めて。この1年間試合ができなかった分の想いだったり、1年の間にやってきたことを、思いっきり出したいと思います」

■視聴方法(予定)
1月16日(金・日本時間)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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【Shooto2022#01】環太平洋王座決定戦へ。アゴの骨折から復活、ジャパニーズゾンビ藤井伸樹─01─

【写真】加藤戦で勝ち名乗り受ける藤井。アゴの骨が折れて、戦い抜き大差の判定勝ちを収めていた……恐るべき精神力だ(C)MMAPLANET

16日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#01で、藤井伸樹が空位の環太平洋バンタム級王座を賭け、小野島恒太と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

藤井は昨年1月31日に加藤ケンジを判定で下してから今回の小野島戦まで、1年のブランクを作っている。藤井が試合に出場していない1年の間、修斗バンタム級には数々の動きが見られた。世界王者・岡田遼のRIZIN出場、大塚隆史の参戦、前環太平洋王者である安藤達也の復帰、そしてインフィニティリーグの開催――
藤井にそんな修斗バンタム級と、自身の現状について訊いた。


――2021年1月、加藤ケンジ選手に勝利して以来1年ぶりの試合を迎えます。まず1年間も試合間隔が空いた理由から教えていただけますでしょうか。

「はい。実は前回の試合でアゴを骨折してしまったんです。試合直後に病院でレントゲンを撮ってもらい、全治6カ月と診断されました。そのためアゴの治療をして、練習を再開してから試合できる状態になったのが、昨年末ぐらいでした」

――えっ、加藤戦でアゴを骨折したのは何ラウンドのことだったのですか。

「2Rですね。相手の攻撃を食らってから、ラウンド終了間際にテイクダウンした時、何か変だなっていう感覚がありました。これは折れているなっていう感じはありました」

――そうだったのですか……試合を見ている側からは分かりませんでした。

「幸いだったのは、出血がひどくはなかったので。そこで血が止まらないような状態だと、ドクターストップになっていたと思います」

――アゴの負傷を感じた時、どのように思いましたか。

「まず打撃戦は選択できないですよね。あとはレフェリーにチェックされたら終わりです。だから最終ラウンドは、まず相手に気づかれないように戦いました。打撃戦をせず、テイクダウンから上をキープして……」

――加藤戦の最終ラウンドは、マウントを奪ってから怒涛のパウンドとヒジ打ちを繰り出していました。その裏には、アゴの負傷も関係していたのですね。

「レフェリーに触られて気づかれることがないように、抑えているところでアクションを指示されたら手を出して、止められないようにしていました」

――なるほど。ただ、全治6カ月というのは長く感じられたのではないですか。

「……長かったですね。試合後に1週間ほど入院して、その後も通院しながら1カ月後にミット打ちを始めました。でもスパーリングのような激しい運動はできなくて、いつもどおりの練習を再開できたのが、治りきってからでした」

――あの時点で藤井選手は、後藤丈治選手と加藤選手に勝利してランキングも上がり、ベルト挑戦も見えていたと思います。

「見えていただけに、つらかったしモヤモヤしていました。自分自身に腹が立って、情けなかったです」

――情けなかった、とは?

「試合には勝ったけど、アゴが折れちゃって試合できない。相手の攻撃を食らわなければ、そんなことにはならなかったわけですよね。ということは、まだまだ自分の技術が足りていなかったんです」

――……。

「試合で何が起こるかは、誰にも分かりません。だからこそ試合の中では、自分自身でコントロールしていかないといけないので。なのにアゴが折れるような攻撃をもらってしまったというのは、まだまだ自分が努力していかないといけないということだと思います」

――練習できない期間は、その自分自身を見直すタイミングになったんではないですか。

「そうですね。ざっくりとしか言えないんですけど、全体的に見直しました。怪我のためにできないこともあったんですけど、逆にその時だからできることを一生懸命やろうと考えたんです。あの期間に自分のスタイルを、もう一度見直すキッカケにもなりました」

――自分自身を見つめ直した結果、藤井選手のファイトスタイルが大幅に変わってしまうことはあるのでしょうか。藤井選手といえば激闘男であり、特に逆転劇からMMAPLANETでもジャパニーズゾンビと呼ばせていただき、そのファイトスタイルが藤井選手の魅力でもあったと思います。

「大幅に変わるということはないんですけど、試合の中で良くない点などを見直しました。治療中に動けないので、自分の試合映像を見ながら」

――3~4カ月に一度ぐらいのペースで試合をしていると、相手の研究もあって、なかなか自分の試合をじっくり見直す機会も少ないでしょうね。

「そうなんです(笑)。だから動けない時期に、かなり自分の試合映像を見て、改善点や反省点を挙げていました。ファイトスタイルについては、自分が動き続けるというか、どんどん展開を作っていく感じだから、結果そうなっているのかなって思います」

――藤井選手と対戦経験もあり、同じく激闘王と呼ばれる石橋佳大選手はインタビューで、「激闘王と呼ばれるのは嬉しいけど、本当は激闘をしてはいけない。激闘とは自分もやられている場面があるということだから」と仰っていました。

「あぁ、それはすごく分かります。僕も石橋選手と考え方は一緒です。やっぱり試合では、最初から最後まで自分の展開に持っていかなきゃいけないし、それができる選手が強いと思うので。石橋選手も後藤選手との試合(石橋が後藤丈治に判定勝ち)では、しっかり勝ち切りましたよね」

――もう1つ、この1年の間に修斗バンタム級も大きく動きました。そんな修斗バンタム級の動きを、客観的に見ることもできたのではないでしょうか。

「今のランキングを見ても、いろんなタイプのファイターたちがいるなぁ、って思います。しかも全員タイプが違うので、過酷ですよね。1年前より過酷になっていると思います」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
1月16日(金・日本時間)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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J-CAGE Report Shooto2021#01 ブログ 加藤ケンジ 藤井伸樹

【Shooto2021#01】ノンストップ・テイクダウン! 藤井伸樹が加藤ケンジに4ポイント差の判定勝利

<65.8キロ契約/5分3R>
藤井伸樹(日本)
Def.3-0:30-26.30-26.30-26
加藤ケンジ(日本)

距離を詰めようとする加藤に、左ジャブを繰り出す藤井がクラウチングスタイルで中に入ろうとする。加藤はスイッチしながらフェイントをかけ、左ストレートをヒット。藤井の右足へのシングルもカットする。しかし藤井は構わず前に出て、左ジャブを当ててから組み付き、加藤をケージに押し込みテイクダウンに成功。相手の足を畳みながら、しっかりと背中をつかせた藤井。ハーフガードの相手の右腕を取り、アームロックを狙う。体を起こし、腕を抜いた加藤はガードに戻す。腰を上げた藤井に対してハイガードからパンチを放つ加藤。藤井は再びヒザをつき、パスを狙う。ボディと顔面へパンチを打ち分ける藤井が、足を一本越える。ハーフでディフェンスする加藤。藤井はそのまましっかりと抑え込みつつマウントへ。ここで加藤がリバーサルに成功し、立ち上がってスタンドに戻したところで1Rを終えた。

2R、左ジャブで先制する藤井。加藤も右ストレートを当てる。藤井は左ジャブを出しながら距離を詰め、組み付いて加藤をケージに押し込む。そこから相手の右足に手を伸ばし、シングルで尻もちをつかせた藤井。しかり加藤もすぐに立ち上がり、反対に藤井に尻もちをつかせるなど、スクランブルの展開が続く。スタンドに戻り、再びテイクダウンを奪った藤井。加藤はハーフガードをとる。藤井はパスを防がれながらも、トップをキープしてパンチを落とす。そして残り1分30分のところでマウントを奪取。パンチを落とすが、ここで加藤は体を抜いて立ち上がる。藤井はすぐさま組み付きシングル、そしてダブルへ切り替えてテイクダウンを狙う。これを凌いだ加藤は相手から離れ、追いかけてくる藤井にパンチをヒットさせる。藤井は顔面に数発パンチをもらいながら、最後はグラウンドに持ち込んで第2R終了のホーンを聞いた。

最終R、開始直後、距離をつめたのは藤井。お互いに左ジャブを突きながら、藤井はテイクダウンを狙う。打撃戦を挑む加藤だったが、藤井の右アッパーがヒット。加藤はグラつき、そのままテイクダウンされてしまう。ハーフガードをとる加藤の左腕を畳んでいく藤井。そのまま左ヒジを加藤の顔面へ3発落としていく。残り2分15秒でマウントを奪った藤井は、ピッタリと体をつけ顔面、ボディへパンチを散らす。さらに体を起こして強い右ヒジを叩き込む藤井。加藤はブリッジから右腕を伸ばしてしまうが、藤井はその腕を取らずに抑え込んでトップをキープ。体を回転させた加藤に対し、バックマウントに移行しRNCを狙ったが、加藤もこれを凌いで試合は終了した。

判定は、ジャッジ3者とも4ポイント差をつけてのフルマークで、藤井が加藤を下した。

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J-CAGE News Shooto2021#01 よしずみ ブログ 加藤ケンジ 小野島恒太 石井逸人 藤井伸樹 西川大和 野尻定由

【Shooto2021#01】1月31日、ニューピアで北から西川大和、南から野尻定由出場。千尋の谷ファイト

【写真】西川大和、野尻定由──崖から突き落とされないで頂きを目指すことができるか (C)MMAPLANET

28日(月)、Sustainより来年1月31日(日)に東京都港区のニューピア・ホールにて2021年初イベントを開催、ラインアップが数試合発表された。

終わりの見えない新型コロナウィルス感染状況において、同一会場入れ替え制が定着しつつあるなか、修斗の2021年スタートも昼夜2部制となった。


コロナ禍の修斗公式戦はタイトル戦以外は当日計量で1階級上のクラスで戦うことが通例化されているが、今大会よりプレスリリースでは1階級重いクラス名を用いず、1階級上階級のリミットに等しい契約体重戦としてアナウンスされている。

またインフィニティリーグにおいてはバンタム級(65.8キロ)、つまり北米ユニファイドでのフェザー級いう表記の仕方と採られている。

そんななか今回明らかとなったのは6試合。65.8キロでバンタム級の藤井伸樹と加藤ケンジが対戦する。ジャパニーズゾンビこと藤井伸樹は、9月に後藤丈治との激闘を制したが、ここで1年2カ月振りの修斗凱旋──2020年はRIZINで1勝1敗だった加藤を迎え撃つこととなった。

また2020年は修斗で3連勝したスーパー18歳の西川大和が、なんと76.5キロとほぼほぼウェルター級でマックス・ザ・ボディと戦う。修斗に関係するところではマックス・ザ・ボディはグラチャンで飯田建夫に敗れ、グラジエイターでウエタ・ユウに勝利している。修斗公式戦では9月の渋谷O-East大会で大尊伸光にKO負けしているが、一発の強さとフィジカルは西川が経験したことがない相手ともいえる。

とはいえ、北海道時代は無差別級のような状況でも戦ってきた西川だけに、全局面で相手の弱点をつくファイトができるようなら──この試合を経て、ライト級でランカーとの対戦も見えてくる一戦となりそうだ。

さらにここもコロナの影響でリーグ戦の消化が年を跨ぐようになったインフィニティリーグ2020では、現在勝ち点トップのよしずみ✖石井逸人、小野島恒太✖野尻定由の2試合が組まれている。

野尻は昨年のバンタム級新人王で、インフィニティリーグに抜擢されていたが、九州組ということでなかなか試合が組まれなかった。結果、1年1カ月のブランクが空き──環太平洋王座挑戦経験があり、藤井と対戦する加藤に勝利しているベテランと対戦することとなった。

若い才能を崖から突き落とすマッチメイクも、もはや修斗の伝統だ。救いの論理のない、無慈悲な生き残り合戦──若い力も、ベテランも勝つしかない。

この他、70.3キロで木下タケアキ✖大瀬良康平、女子54キロ契約で野尻の同門=宝珠山桃花✖柳仙香の対戦が決まっているが、昼夜どちらの大会に振り分けられるかはこれからの発表となる。

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