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【DEEP109】元チームメイトとの対決直前、越智晴雄ー02ー「本田さんが強いことは分かっているからこそ」

【写真】越智との対戦に本田も苦笑いを浮かべた抽選会。しかしお互いに気持ちは切り替わっている(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109で、DEEPフライ級GP1回戦として本田良介と対戦する越智晴雄インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

かつて同じジムで練習し、同じストロー級で戦っていた盟友、本田との対戦を控える越智。旧知の相手だからこそ分かる強さ――そんなGP1回戦への意気込みを訊いた。

<越智晴雄インタビューPart.01はコチラから>


――やはりトーナメントの1回戦で、かつてのチームメイトは選ばないですか。

「はい。もし自分で相手を選べる状態だったら、絶対に本田さんは選ばなかったですね(笑)。あとは原(虎徹)さんも同じCAVEで練習しているので、選ばないです」

――本田選手の出場は事前に知っていたのでしょうか。

「それは聞いていました。かといって2人で何か話をしていたわけではなかったんですけど、抽選会へ行くときに最寄り駅で偶然、本田さんと会って。2人で抽選会場へ向かった時は、まさか対戦することになるとは思わなかったですね……」

―今回は対戦相手となった本田選手と、一緒に練習していた時期などを教えていただけますか。

「たぶん2、3年前だと思うんですけど、本田さんが福岡に戻るまでCAVEにいて。当時は本田さんもストロー級で試合をしていたので、ずっと2人で練習していたし、本田さんのセコンドに就いたりもしていました」

――その本田選手との対戦が決定した時は……。

「まさかな……、そう思いました。でも決まったからには、やるしかないので。気持ちは切り替えました。本田さんとも、しょうがないよねと言って。その瞬間から、ちょっと距離ができる感じで(笑)」

―ずっと一緒に練習して、セコンドに就いた相手と試合をするのはメリットもデメリットもあると思います。自分は相手のことをよく分かっているのに対し、相手も自分のことをよく分かっているわけで。

「そうですね。初めて対戦する相手との試合とは、まったく違ってきますよ。練習していたからこそ、本田さんが強いっていうことは自分も分かっているので。強敵です。その強敵に勝つために練習しないといけない、っていう感じです」

――対して、一緒に練習していた頃の本田選手と、現在の本田選手では印象は変わってきていますか。

「昔よりも組みがメインになってきたのかな、っていう印象はあります。最近の試合を見ていて、以前とは動きが違ってきているように思いますね」

――前回の杉山戦では、スクランブルの展開も多かったです。越智選手と練習している頃は、そこまで組みをやっていなかったのでしょうか。

「もちろん組みはやるんですけど、もうちょっと打撃の割合が多かったと思うんですよ。それが昔よりも、自分から組みに行く展開が多いのかなっていう印象です」

――なるほど。一方で越智選手は、当時からどのように変わってきましたか。

「本田さんと一緒に練習していた頃から、ですか? 何が変わったんですかね……。巧くはなっていると思うんですよ。技術的な部分で。昔のように打撃だけで攻めるのではなくて」

――CAVEの方たちは、今回の対戦についてどう仰っているのでしょうか。

「昔からの会員さんは『え、本田さんと試合するんだ!?』って驚いていましたけど、最近入ってきた方たちは、あんまり知らないですよね。本田さんが福岡に戻って、もう何年も経つので。

CAVEで一緒に練習している選手も、あぁ本田かっていうぐらいでした。今はただ対戦相手としてしか考えていないし、その本田さんに勝つための練習に入っています」

――抽選会が7月16日に行われ、8月21日の試合まで約1カ月しかありませんでした。その期間は越智選手にとって短かったですか。

「それは大丈夫です。もともと試合をやるつもりで準備しながら、抽選会を迎えましたから。あとは相手が決まって、対策を考えながら練習しています。そういう意味では、ちょうど良い期間だったと思いますね」

――では8月21日、フライ級GP1回戦でどのような試合をしたいと考えていますか。

「勝ちに行きますよ。今は勝利が一番欲しいので勝ちに徹します。そのうえで、観ている人の気持ちを動かすような試合をしたいと思います」

――観ている人の気持ちを動かす試合、ですか。今回のGPは決勝まで4試合を戦わなければいけません。1回戦で激闘の末、もし大きな負傷があれば2回戦以降にも影響するでしょう。特に本田選手も激闘ファイターですし……。

「いや、もう先のことは考えられないですよ。これだけ強いメンバーが集まっていて、1試合1試合全力で戦っていかないと勝てない。勝たないと次に繋げられないし、全て勝ちに行くだけです」

――なるほど。では先のお話は抜きにして、GP出場メンバーの中で他に気になっている選手はいますか。

「伊藤裕樹選手ですね。華があって強い選手だし、SNSでも何回か絡まれているので(苦笑)。それで伊藤選手と戦いたい、とは言ってきました」

――伊藤選手は越智選手がYouTubeで公開していたという「伊藤裕樹の倒し方」に怒っていました。倒せるもんなら倒してみろよ、と。

「アハハハ、そうですか。だったら倒します。あんまりナメられるのは好きじゃないので。自分のことをナメている相手は全員倒します」

――1回戦も注目のカードが揃いましたし、今後どんな展開になっても興味深いDEEPフライ級GPですね。

「厳しいトーナメントですけど、優勝することが一番の目標です。まずは死に物狂いで勝ちに行って、初戦を突破します!」

■視聴方法
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

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【DEEP109】越智晴雄とのフライ級GP1回戦に臨む本田良介ー01ー「なりふり構っていられない」

【写真】口ベタな一面はあるものの、そのぶん自分の意志がしっかりと伝わってくる本田だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109で、DEEPフライ級GP1回戦として本田良介が越智晴雄と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

7月10日の杉山廣平戦で判定負けを喫した直後、佐伯繁DEEP代表から、敗れた本田もGP出場が確定というコメントがあった。それを受けて6日後の抽選会に参加した本田は最後に残った形で、かつてチームメイトであった越智との対戦が決定している。そんな本田に、杉山戦とGP抽選会について聞いた。


――本田選手は7月16日のDEEPフライ級GP1回戦抽選会の直前、10日に杉山選手と対戦しています。その段階でフライ級GPの話は聞いていたのでしょうか。

「はい、試合の前に聞いていました。GPに出そうかなぁ、ぐらいのレベルで。16日に抽選会があると言われたのは、試合直後だと思います。だから試合が終わって一度、福岡に帰ってから、その週にもう一度東京に行きました」

――なるほど。それ以前からDEEPフライ級GPに関しては、開催のお話が出ていました。杉山戦の前から、GPには出場したいと思っていましたか。

「オファーがあれば、なりふり構っていられない、というのが正直な気持ちですね。GPに限らず、呼ばれるのであれば出るという意識でいます」

――抽選会に呼ばれた時点では、他のGP出場メンバーについて知らされていなかったのでしょうか。

「そうですね。というか、僕自身があまり考えていなかったんですけど(苦笑)。DEEPに出ている選手はGPに出る、それ以外のプロモーションからも出るよ、っていうぐらいは聞いていました。RIZINやDEEPに出ているフライ級ファイター、あとチャンピオンやタイトルマッチ経験者が出るだろう、とか」

――では出場が確定したメンバーを知ったのは、抽選会の時だったのですね。他の選手も同じようですが。

「みんな予想はしていたと思うんですけど、抽選会場に着いてから出場メンバーを見て、『おぉ~』と思いました(笑)。反対に、僕が出るのを知って『なぜ?』と思った人もいるかもしれないですけど」

――その気持ちは、直前の試合で杉山選手に敗れていることも関係していますか。

「それもありますし、僕はタイトルマッチも経験していなくて、トップ選手に勝っているわけでもないので……」

――杉山戦が組まれた時点で、この試合がGP出場者決定戦のような意識はありましたか。

「そういう意識はなかったですね。前の試合で負けたあとにGPのオファーが来ても、GPというより試合のオファーが来たのか、と。自分の中では、そんなに深く考えていなかったです。すみません(苦笑)」

――いえいえ、我々としては試合が組まれた意味を一つひとつ考える職業なので、その深読みがファイターの意識と異なっているのも面白いです。

「一戦一戦に集中する、もともと僕がそういうタイプなんだろうなと思います。どんな試合であれ、勝たないと次はない。だから勝つしかない。そういう気持ちで杉山戦に挑んでいました」

――すると敗戦直後は……。

「まず悔しかったです。次のこととか考えずに、とにかく悔しい。次がどうなるか分からないけど、練習するしかない。真っ先に浮かんだ感情は、それでした」

――……。

「杉山戦に関してポイントほどの差はなかった、ってよく言われるんですよ。でもそれはポイントが出た結果論であって、100パーセント僕の勝ちはなかったです。どれだけ競った試合をしても、どれだけ良い試合をしても、勝敗が全てですから。ポイントほど……って言われるのは嬉しいですけど、試合をした本人からすれば勝たないと意味はないので」

――では、敗因はどこにあると思っていますか。

「ちょっと見すぎましたね。相手に付き合いすぎました。もともとガンガン行くタイプだと自分では思っているんですけど、あの試合では少し離れて淡々と、巧くやろうかなと思ってしまったというか。

杉山選手はバランスが良い、オールラウンダーです。自分がミスをしたら、そこで押し込まれるだろうなと思っていました。一番大きいのは、一発もらってしまって、僕がその印象を上回ることができなかったことですね」

――一発もらったというのは、1Rに右ショートでダウンを喫したことですね。

「はい。ダウンしてからバックを奪われた流れは、大きかったです」

――その杉山戦直後、抽選会場に着いて出場メンバーを見た時の印象を教えてください。

「……こんにちは、っていう(笑)」

――えぇっ!?

「いやいや、まだ誰と対戦するかも決まっていなかったじゃないですか(苦笑)。国内のトップ選手が集まると聞いていたので、緊張していました。やっぱり小川選手を見た時は、パンクラスの元チャンピオンも出るのかぁ、って驚きましたね」

――そこで誰と戦いたいか、抽選で誰を選ぶかということは考えたのでしょうか。

「そこは……前回の試合のことを引きづっているわけじゃないけど、負けている自分が相手を選ぶことは考えていなかったです。そこで誰とやりたいとか考えて『こうなれ、こうなれ』と思って見ているほうが疲れるじゃないですか。しかも、自分が思ったとおりにはならないし(笑)」

――アハハハ、確かにそうですね。

「だったら、誰とでも戦うっていう気持ちでいたほうが良いです。格闘技をやっていても思うのは、みんな強い。誰と対戦したいというよりも、目の前にいる相手を倒す。そういうイメージで格闘技をやらせてもらっています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

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DEEP DEEP109 DEEPフライ級GP Interview MMA MMAPLANET o RIZIN YUKI コナー・マクレガー ボクシング 五明宏人 今成正和 伊藤裕樹 住村竜市朗 原虎徹 安谷屋智弘 宮城友一 小川徹 山本歩夢 山本聖悟 本田良介 渋谷カズキ 石司晃一 福田龍彌 藤田大和 誠悟 越智晴雄 関原翔

【DEEP109】フライ級GP1回戦で原虎徹と激突、伊藤裕樹「体のポテンシャルを極限まで使いこなす」

【写真】7月16日のGP1回戦抽選会にサングラス着用で臨んだ伊藤。インタビューでは意外な一面も発覚した。(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109から、DEEPフライ級GPがスタートする。そのGP1回戦で、伊藤裕樹と原虎徹の対戦が決定した。
Text by Shojiro Kameike

昨年9月、藤田大和に敗れて暫定フライ級王座を獲得できなかった伊藤。その後、RIZINではKO勝ちを収めるも、DEEPでは福田龍彌に敗れている。以降は2連勝を収めている伊藤の中で起こった大きな変化とは? さらにGPとDEEPへの想いを語ってくれた。


――2022年に入り、ハードスケジュールで試合に出場していますね。次の原虎徹戦が今年4戦目となります。

「今年は2月(福田龍彌にTKO負け)、5月(関原翔に判定勝ち)、7月(宮城友一にTKO勝ち)に試合しています。それと去年も4試合やっていますね」

――2年連続で年4試合というのは、MMAだと珍しい試合ペースかと思います。怪我など体に負担はないですか。

「ところどころ痛い箇所はありますけど、それは試合に向けた調整の中で何とかして、試合に出ていますね。今まで大きな怪我の経験はないです。拳を骨折したこともなくて」

――それは骨が丈夫なのか、あるいは打ち方や動きに気をつけているのか……。

「両方だと思いますよ(笑)。丈夫だし、練習でも気をつけています。よく試合に向けてガチスパーをやったりするじゃないですか。僕はなるべくガチスパーをやらないようにしているんですよ。怪我が怖いので」

――すると打撃は、基本的なフォームの練習やミットなどのほうが多いのでしょうか。

「そうですね。僕の場合は、ガチスパーをやって良いことってないんです。ダメージが溜まるし、次の日に頭が痛くなるのも嫌で。試合の時にガチになればいいかなって、アハハハ」

――試合の中でも緩急、オンとオフの使い分けが巧いですよね。試合運び自体もそうですし、打撃も長いストレートと短いパンチの緩急が印象深いです。

「常に冷静に試合をしようと意識しています。すると、試合の中で無意識に体が動いてくれることもあって。ガンガン行くばかりじゃなく、その緩急があるから相手もやりにくくなるじゃないですか。そこは自分の強みでもあると思いますね。

僕は昔からボクシングをやっているんですけど、中学校からはBOXMANの福澤朗さんというトレーナーに教わっていて。そのトレーナーさんから、僕は近い距離で打ち合うよりも遠い距離で当てて、また動いて――っていうアウトボクシングスタイルが合うと言われたんですよ。それ以来、ずっとボクシングは福澤さんに教わっています」

――パンチはインパクトの瞬間だけ強く当てる形ですか。

「そうです、そうです。タイミングがすごく大事なので。コナー・マクレガーのように、タイミングで当てて、インパクトの時だけ強く。だから拳にも負担はかからず、怪我もしにくいんだと思いますね」

――7月の宮城戦はRIZINでしたが、この試合はDEEPフライ級GPに出場することが決まっているうえでの出場だったのでしょうか。

「RIZINに出る時には、もうDEEPフライ級GPの話は聞いていました。もともとフライ級GPはRIZINでやるっていう話もありましたからね。それが7月のRIZINが近くなった頃に、DEEPでやることが確定して。佐伯さんからもRIZINで勝ったらDEEPフライ級GPに出てほしいと言われました」

――正直なところ、7月にRIZINで試合をして、8月か9月にGP1回戦に出るのはキツくないですか。

「もちろん簡単なことじゃないですよ。国内でいえば、やっぱりRIZINが一番大きなプロモーションじゃないですか。だからRIZINに出たいっていう気持ちが強かったです。でも僕はDEEPに育ててもらったので、育ててもらったところに恩を仇で返すようなことはしたくなくて。もうRIZINにしか出ない、DEEPのフライ級GPに出たくないっていうのは、筋が違うと思いました。

それに、せっかく自分の階級で大きなトーナメントが開催されるなら、そこで優勝したほうが自分に箔が付きますし。あとは……たくさん試合をすれば、それだけ稼げるので(笑)。僕は試合が決まれば、ドンドン出たいです」

――それがRIZINであれDEEPであれ、フライ級GPの話を最初に訊いたのは、いつ頃のことでしょうか。

「5月の試合前ですかね。関原翔選手との試合で、勝ったほうがトーナメントに出られますよ、みたいなことを言われて。おっ、マジすか!? みたいな感じでしたね(笑)。自分としては、出ます出ます、って」

――同じフライ級GPでも、RIZINで開催されるのとDEEPで行われるのでは、何か変わってきますか。

「リングとケージで大きく変わってきますよね。全く別モノじゃないですか。僕はケージのほうが好きです。壁際の攻防ができるので。ただ……RIZINのほうが勝率は良いんですよ(苦笑)」

――確かに過去の敗戦は全てDEEPで、しかもケージの試合でした。

「その理由は自分でも分からないんですよ。たぶん打撃主体の選手は、リングのほうがやりやすいと思います。テイクダウンに来てもスプロールするのに、リングから外へ足を出しちゃえば、相手もそこから押し続けることができないし。でもケージは、壁に押し込まれたところから、また別の展開が始まるので。僕は、どちらかといえばケージ際の攻防のほうが好きなんです。だから――なぜでしょうね(苦笑)」

――直近の2敗……昨年9月の藤田大和戦、そして今年2月の福田戦については、どのように捉えていますか。

「やっぱり負けたのは悔しいけど、3年前に初めて負けた試合があるんですよね」

――2019年12月、鮎田誠戦で判定負けを喫しています。

「昔は格闘家として、負けることが本当に嫌でした。あの頃は、もう負けたから格闘技はやりたくない、そんな気持ちもあったんですよ。

でも――確かに勝敗は大事だけど、一度負けたからって格闘家としての人生が終わるわけじゃなくて。負けたとしても自分の中で心の整理ができていれば、プラスになっていくんじゃないかと思っています。

負けたからこそ自分の弱点も分かるし、直さなイカンところも出てきたので。それも全て経験ですよね。それに、もうこれ以上は負けないと思うので。あれは貴重な2敗ですよ」

――その2敗を経て、何か新しく取り組んでいることはありますか。

「福田戦のあとから、体の使い方を見直そうと思って新しいトレーニングを取り入れました。そのおかげで、しなやかさは上がってきたなと思います。技術というよりも、自分の体のポテンシャルを極限まで使いこなすことができるトレーニングをやって、自分でも成果は実感していますね」

――そうでしたか。先ほど壁際の攻防が好きだと言われていましたが、それは組んで押し込まれてからの攻防かと思います。一方、関原戦では足運びなどによって、組まれる前に対処できていたように見えました。

「あぁ~、そうですね。ありがとうございます(笑)。このトレーニングを取り入れてから、試合をするのも楽になってきましたね。もちろん試合自体はエライけど、体の可動域が増えることによって、試合運びもやりやすくなったんですよ」

――その分、さらに怪我をするケースも減るでしょう。

「そう思います。やっぱり練習でも試合でも怪我をしないことが、連戦できる秘訣なので」

――なるほど。DEEPフライ級GPの話に戻りますが、まず出場メンバーを見た時の印象から教えていただけますか。

「凡そのメンバーは聞いていましたけど、抽選会場に行くまでは誰が出るか、確かなことは分からなくて。誰がおるんだろう、ってワクワクしながら会場に行きました。実際、国内のフライ級では本当に良い選手が集まりましたよね。ただ、僕って結構ビビりなので、みんな強く見えるんですよ(苦笑)」

――えっ、それは意外です。

「アハハハ。よく他の選手の試合を見るんですけど、みんな強いなぁってビビッちゃいます。なかには対戦したくない選手もいますよ(笑)。とりあえず今回のGPは、福田選手が出てくれたので良かったです。もう他の選手のことは一旦置いて、トーナメント決勝で福田選手を倒してやろうと思いました」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

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【DEEP109】フライ級GP1回戦は本田良介との盟友対決、越智晴雄ー01ー「誰とやっても勝つ」

【写真】越智のプロデビューは2008年、GP出場者の中で安谷屋智弘と並び最もキャリアは長い(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109で、DEEPフライ級GPがスタート。越智晴雄と本田良介が1回戦で対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

7月16日に行われた抽選会で、かつてCAVEで練習を共にしていた2人の対戦が決まった時、会場には重い空気が流れている。そんな盟友対決を前に越智は、意外な事実を明かしてくれた。今年2月、関原翔に判定負けを喫してから考えていたこと。そしてDEEPフライ級GPへの想いを訊く。


――DEEPフライ級GPの具体的なお話を、最初に聞いたのはいつ頃でしょうか。

「6月ぐらいだったと思います。その頃にDEEPでフライ級のトーナメントをやるということを聞きましたけど、まだ具体的な話や正式なオファーはなかったですね。実は、僕はストロー級に戻すことも考えていたんですよ」

――いきなり意外なお話ですね。

「自分としてはストロー級でもいいし、フライ級GPのオファーがあれば出る、という感じだったんです。そこにフライ級GPのオファーが来たので、受けることにしました」

――なぜ一旦はストロー級に戻そうと考えたのですか。

「ベルトが欲しいからです。もともと、いずれ地元の愛媛県に戻ろうと考えていて。チャンピオンになって地元でジムを開きたい。そう思った場合に、ストロー級のほうがチャンスはあるのかなと」

――現役選手として地元でジムを開くということでしょうか。それとも……。

「あぁ、引退とかではないです。最初は引退してから愛媛に帰るつもりでした。それは上京した時から。ただ、いろんな方からアドバイスを頂きまして。現役のチャンピオンとしてジムを開くほうが宣伝しやすいし、みんなも応援してくれるんじゃないかということで、そういう計画を立てることにしました」

――現役チャンピオンが指導するジム、というキャッチコピーは大きいですよね。ただ、東京……特に現在所属しているCAVEと比べた場合、練習環境として不安はないですか。

「環境に関しては全然違いますけど、そこは仕方ないですね。地元でお世話になっていたパラエストラ愛媛の若い選手たちと練習しながら、自分も指導しつつ現役として続けていきたいと思います」

――今年2月、関原翔選手に判定で敗れています。この内容と結果で、DEEPやRIZINのフライ級王座は遠のいたと感じますか。

「そうですね。フライ級でベルトを獲るためには、また何試合も勝ち上がらないといけないと思いました」

――もともと越智選手はストロー級で戦っていました。それが2020年にDEEPストロー級のベルトを失ってから、2021年からフライ級に転向しています。

「やっぱり自分のナチュラルな体重を考えたら、適正階級は間違いなくストロー級ですよね。でも、もちろん組み力もストロー級の選手とフライ級の選手では違いますし。それは練習でも試合でも分かっていました。

ただ、RIZINでもDEEPでもフライ級が盛んでしたから。特にRIZINでストロー級は難しいようだったので、自分もフライ級で試合をしていたという経緯はあります」

――現在はストロー級の主要選手がONEに出ているため、国内プロモーションの動きが活発ではありませんでした。

「はい。そのストロー級よりはフライ級のほうが選手も多いですし。でも何戦か経験してフライ級の選手は、ストロー級の時と比べてテイクダウンするのが難しい場合もありましたね」

――関原戦では2Rに得意のギロチンを仕掛けたものの、極めることはできませんでした。あのギロチンも、いつものような攻めではなく守りであったように見えました。

「ギロチンは階級が上の選手でも極まるんですけど、まぁ……そうですよね。どちらかといえば、ギロチンに行っちゃったという感じでした」

――その関原戦を経て、フライ級GP参戦が決まりました。GPの出場メンバーを聞いたのは、いつ頃のことでしょうか。

「メンバーを聞いたのは、最後の最後ですね。抽選会の時に、誰が出るかを知りました。メンバー全員が、そうだったと思いますよ。それまでは予想ぐらいしかしていなかったです。

抽選会に行ったら、予想とは違う選手もいました。もっとDEEPの若手が出て来ると思っていたんですけど、松場さんや小川さんとか、他のプロモーションに出ていた選手もいて」

――そういった出場メンバーを見て、もう一度ベルトを獲るために……と考えた場合、ご自身はどれぐらいのポジションにいると思いましたか。

「うーん……、どうなんでしょうね。ただ、試合に出るかぎりは勝つ気しかないし、トーナメントに出場するうえでは優勝することしか考えていないです。

強いメンバーばかりが集まったと思います。弱い選手は一人も出ていない。誰と当たっても厳しい試合になることは間違いないですよ。でも、誰とやっても勝つつもりでいないと、最初からトーナメントに出ていないので」

――なるほど。今回のフライ級GPの面白さの一つに、これまで対戦経験のない選手が多いという点が挙げられます。

「そうなんですよね。今まで対戦したことがあるのは、渋谷さんと島袋さん、あと村元さんぐらいです。初対戦になる選手も多いことに対しては特に何も思っていなくて。でも、どちらかといえば再戦はやりたくないので、良かったです。まさか本田さんと対戦することになるとは思っていなかったですけど(苦笑)」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

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石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

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山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
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<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

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KENTA(日本)
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【Gladiator018】竹本啓哉戦へ笹晋久─02─「大阪が好きなので、大阪で試合ができるのは嬉しいです」

【写真】考えなしと考えすぎ、笹に限らずこの融合がMMAの課題でもある(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator018で、元バンタム級王者の竹本啓哉と対戦する笹晋久のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

2018年にTRIBE TOKYO M.M.Aを離れた笹は、2020年からパラエストラCNW(千葉ネットワークの略称)に所属を移し、DEEPのケージで復帰する。以降のMMAキャリアも、決して平坦ではなかった。石司晃一戦での敗北、春日井たけし戦のドローを経て、グラジエイターという新しい舞台で何を見せるのか。朴訥とした喋りの中で、時おり見せる微笑と決意に、笹の決意が見えた。

<笹晋久インタビューPart.01はコチラから>


――2018年7月の加藤戦後から2020年3月のハシャーン・フヒト戦で復帰するまでは、約2年の空白期間があります。その間は格闘技から離れていたということですか。

「実際に格闘技を離れたのは1年ぐらいでした。パラエストラ松戸の佐久間健太さんや征矢貴君と仲が良かったんですけど、佐久間さんから『最近どうしているの?』という連絡が来まして。MMAがしたいのですが……と伝えたら、良かったらウチに来なよと声をかけてもらって。それをキッカケに、一度練習に行ってからパラエストラCNW(千葉ネットワークの略称)に入ることになりました」

――そこから戦いの場をDEEPに移し、3連勝しました。ここまでのキャリアを通じて、一本かKOというフィニッシュ率も高かったですよね。

「そうですね。倒したいっていう気持ちの現れだったと思います。面白い試合にしたい、っていう考えよりは、倒して勝ちたいっていう気持ちがあります」

――DEEPで3連勝後、2021年12月の石司晃一戦で一本負けを喫しました。あの試合で勝っていれば、そのままDEEPタイトル戦線に浮上していたかと思います。ご自身の中で、あの敗戦はどのように捉えていますか。

「石司選手が強かったのと、僕がもっと考えて戦っていれば良かったです。倒すために1Rからフルパワーで攻めていたので。殴り合っているうちにアイポークやバッティングがあって、集中力も切れてしまったし、そのままスタミナも切れてしまいました」

――石司戦の前は、2020年8月の高野優樹戦では開始42秒でギロチンを極め、続く2021年7月の赤尾セイジ戦も1RでKO勝ちしています。これらの試合は集中力も高く保つことができていたのでしょうか。

「僕、あまり試合では緊張しなくて。興奮もしているんですけど集中もできているほうだと思います。試合前の追い込みも頑張るし、自分はここまでやったんだと気持ちを強く持つことができる。その気持ちを対戦相手に全てぶつける、という気持ちでやっています」

――では石司戦のあとにHEATで、春日井たけし選手と対戦した時はどうだったのでしょうか。終始冷静に戦っていたかと思いますが、結果はドローでした。

「石司戦の負けがあったので、スタミナに気をつけて戦いました。春日井選手がすごくスタミナがある、粘り強い選手でしたから。それで今回は冷静に戦おうと思って臨みました。ただ……逆に考えすぎてしまいました(苦笑)。1Rから様子を見すぎて、自分の持ち味を出せていなかったです」

――石司戦と春日井戦を経て、どのようなところが成長してきたと思いますか。

「いろんなタイプの選手と試合をさせていただいたので、試合運びを考えながら戦っていきたいと思います」

――なるほど。そして今回の試合ですが、笹選手と大阪といえば、赤尾戦でKO勝ちしたあとの涙がとても印象深いです。

「試合後にも言ったんですが、僕は他の人にチケットを買って観に来てほしいと言えないんですよね。チケット代も安くはないじゃないですか。それに大阪となると交通費もかかるので。ただ、あの試合はジムの人たちが大阪まで応援に来てくれて。当日、ジムからは僕ひとりしか出ていないのに……。

だから絶対に勝たなきゃいけないと思ったし、相手の赤尾選手も強い選手でしたから、そこでKO勝ちしての嬉し泣きといいますか。僕も大阪が好きなので、大阪で試合ができるのは嬉しいです」

――そのグラジ初戦、対戦相手の竹本選手の印象を教えてください。

「強いですよね。僕がTRIBE主催のTTFでアマチュアの試合に出ていた時、プロで試合をしていた方なんですよね。そこで土居選手と試合をされていました(2016年9月、土居“聖帝”潤に判定負け)。寝技が粘り強くて、そのあとグラジエイターのチャンピオンになったし、僕の中ではグラジエイターのバンタム級で一番強いんじゃないかと思います。だからオファーを頂いた時、相手を選べるなら竹本選手と対戦したいと答えました」

――えっ、笹選手から竹本選手との対戦を希望したのですか!?

「はい、そうです。誰と対戦したいかと聞かれて、竹本選手と答えました」

――笹選手がストライカーであるのに対し、竹本選手はゴリゴリのグラップラーです。その相手を指名するとは、とても興味深いです。

「アハハハ、そうですか(微笑)。これまでもグラップラーと試合をしたことは何度もありますが、おそらく竹本選手ほどのグラップラーと対戦したことはないです。だからこそ戦ってみたいという気持ちがありました」

――ご自身のグラップリング力はいかがですか。扇久保博正選手のスパーリングパートナーを務めているとのことですが……。

「普段からグラップリングの練習はしています。パラエストラCNWはグラップリングやレスリングが強いので、そこで練習していると自然に力はついてきます。確かに自分は打撃のほうが得意ではあるんですが、グラップリングができないわけではないです。それに、同じ階級で扇久保さんよりグラップリングが強い人はいないと思うし、そういう人と練習してきていますから」

――なるほど。では、次の試合に向けて意気込みをお願いします。

「グラジエイターのベルトを獲りたいです。そのベルトに近づけるように勝ち……倒します」

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【Gladiator018】竹本啓哉戦でグラジ初陣=笹晋久─01─「分かっていないのに、筋トレだけで自信が」

【写真】5月のHEATから今度はグラジエイターで、バンタム級のベルトを巻いた選手と戦うこととなった笹(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator018で、初参戦の笹晋久が元バンタム級王者の竹本啓哉と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2017年には修斗バンタム級で新人王を獲得し、2020年からDEEPへ活動の場を移している笹。高野優樹と赤尾セイジを連覇したあと、石司晃一に敗れ、さらにHEATで春日井たけしと対戦してドローに終わったが、内容的にはその実力者ぶりが際立っていた。インタビュー前編では、そんな笹にこれまでの歩みを訊いた。


――今回の竹本啓哉戦は、他のカードはすでに決定しているなか、追加カードとして6月に入り発表されました。

「はい。試合の話を聞いたのは、大会1カ月前ぐらいでした」

――緊急オファーだったかと思いますが、そのオファーを受けた理由は何だったのでしょうか。

「受けた理由、うーん……」

――こういった緊急オファーを断ることはありますか。

「ありますね。その試合をすることで、メリットがあるかどうかは考えます」

――では笹選手の中で、今回試合をするメリットとは何ですか。

「すごく名前がある選手で、名前だけじゃなくて実力もある、すごく強い選手だからです。ここで勝てばベルトに近づけますから。チャンピオンになりたいのと、その先を考えて、今回グラジエイターに出たいと思いました」

――なるほど。笹選手は現在32歳で、25歳の時に格闘技を始めたそうですが、その前のスポーツ経験などはあったのでしょうか。

「MMAの前は特に……。格闘技はもちろん、スポーツ経験もコレといって言えるものはないですね。もともと格闘技を見るのは好きで、やっぱり強い男はカッコイイと思っていたんです。それでグローブ空手をやっていた友人に教えてもらって、近所にあったキックボクシングジムへ行ったんですよ。当時は素人ながら自信もあって……喧嘩の強さに(苦笑)」

――アハハハ。それがキックボクシングのジムに行ってみたら、思っていたものとは違ったわけですか。

「やってやろうじゃん、みたいな本当に軽い気持ちで行ったんですよ。そうしたらジムにプロの方がいて。元NKBミドル級王者の田村聖さんっていう方なんですけど、僕が生意気な面もあったのか、いきなりスパーリングさせられて」

――えっ、ジムへ行った初日にスパーリングですか。

「初日です。でも、僕にもナメたところがあったんですよ。ド素人で、格闘技がどんなモンかも分かっていないのに、根拠のない――よく分からない自信がありました。何でしょうね? 当時から筋トレとかはしていたんですが、なぜか筋トレだけで自信があって(笑)」

――それがスパーリングの結果は……。

「ボコボコにされました。『ここまでやる?』っていうぐらいボコボコにされましたね(笑)。それが本当に悔しくて、自分はこんなに弱いんだ、強くなりたいって思いました。ただ、そこはキックボクシングのジムで。一番強いのはMMAだろうと思っていたので、近くにあったピロクテテス新潟に入ることになりました」

――喧嘩の強さに自信があったということは、それまで喧嘩をすることも多かったのですか。

「喧嘩ですか。えーっと……していたといえば、していましたね」

――ということは、結構やっていたのですね(笑)。

「イキがっていました(苦笑)。当時、チーマーみたいなのが流行っていたんですよ。そういうところに入って、そういうことをしていた時期がありました」

――そういうところで、そういうことを(笑)。

「でもキックボクシングジムでボコボコにされたことで、本当に強くなりたいと思ったんです。自分が口だけなのが嫌で。真面目に格闘技をやって、本当に強くなろうと」

――現在のファイトスタイルが打撃中心なのは、ピロクテテス新潟に入ったことも影響しているのですか。

「代表の風田陣さんがキックボクシング出身で修斗をやっていた方で、自分も最初は首相撲ばかりやっていました。そういう意味では、打撃の練習がベースになっていました」

――そこから上京して、TRIBE TOKYO M.M.Aからプロになっています。

「新潟にいた頃からアマチュア修斗に出ていたんですが、ある程度のところまでは勝てていたんです。でも全日本アマ修斗では勝てなくて。自分としてはプロになりたいっていう気持ちがありました。最初はそうでもなかったんです。でも、やっぱりMMAを始めたら楽しくて。特に夢もなかった自分が、この世界でやっていきたいと思うようになっていました」

――……。

「それで2015年に修斗のトライアルマッチで負けて、東京に出ようと思いました。本気でやるなら東京だろう、と田舎モンの考えがあって(苦笑)。そこで元キックボクサーの安川賢さんに、東京のジムならどこが良いのか紹介していただいたんです。僕のキックボクシングの師匠は、安川賢さんなんですよ(安川賢は東京で活動していたが、当時は地元の新潟へ戻り、ピロクテテス新潟で指導をしていた)。安川さんから教えていただいたTRIBE TOKYO M.M.Aへ行くことになりました」

――上京後に全日本アマ修斗からプロ昇格し、修斗で新人王を獲得しました。しかし2018年7月の加藤賢治戦で初の敗戦を経験したあと、「姿を消した」と言われているのは……。

「はい、姿を消していました。そのTRIBEへは工藤諒司君と同じくらいに入って、お互い家も近かったし、お互いお金もない時代から一緒に頑張っていました。長南さんも、そんな工藤君と僕をかわいがっていてくれていたと思います。TRIBEの練習はキツかったです。それでも何とか食らいついていました。TRIBEへ行ってプロになり、プロになったら今度は『チャンピオンになりたい』と夢が膨らんでいて。でも諸事情でTRIBEを辞めることになり、そこからどこのジムへ行こうかと悩みながら姿を消していました」

<この項、続く>

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DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2022 01 DEEP100 MMA MMAPLANET o ONE Ring Girl Special 三村亘 石司晃一

【Monday Ring Girl】DEEP100

毎週月曜日にラウンドガールをご紹介する「MONDAY RING GIRL」。第411弾は2021年2月21日(日)に東京都文京区のTDCホールで開催されたDEEP100のリングガールです。

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DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2022 01 MMA MMAPLANET o RYO 三村亘 海飛 石司晃一

【DEEP Tokyo Impact2022 01】三村亘戦へ、石司晃一「試行錯誤していたことは無駄ではなかった」

【写真】体の内側に問題があったことを明かしてくれた石司。連勝中だった時の輝きを取り戻すことができるか (C)MATSUNAO KOKUBO

12日(土)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2022 01のメインイベントで、石司晃一が三村亘と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

石司は2019年10月の米沢千隼戦でKO負けを喫してから1年8カ月もの間、ケージから遠ざかっていたが、昨年6月に復帰。現在2連勝で、今回の試合を迎える。石司によれば、試合のブランクにコロナ禍の影響はなかったという。計量直後の石司が語る、これまでの敗因と、現在の連勝の要因とは?


――先ほど計量が終わったところですが……。

「遅刻してしまいました(苦笑)。別に減量で苦しんでいたわけではなくて、ちょっと道が混んでいて……」

――確かに、計量に遅刻したと聞けば、減量苦をイメージしています。ただ、計量を見るかぎり笑顔で、肌ツヤも良いように見えました。

「そうですね。もう今は水を飲んでリカバリーしていて、コンディションも問題はないです」

――石司選手は国内のバンタム級でも体格が大きいほうだと思いますが、これまで減量で苦しんだことはないのでしょうか。

「それが、ないんです。僕は代謝が良くて、2週間ぐらいで体重がしっかり落ちるんですよ」

――水抜きも行わないのでしょうか。

「いえ、水抜きもやります。でも汗で5キロぐらい落ちるし、他の選手のようにギリギリの状態でやっているわけではないので。多少余裕を残した状態で水抜きに入るので、そこまでゲッソリするようなことはないです」

――なるほど。石司選手はもともと東京でMMAをはじめ、一時期ALIVEに所属したあと、東京に戻ってきていますよね。現在はどのような環境で練習しているのでしょうか。

「トイカツ道場の各店舗のプロ練習に参加したり、柔術はカルペディウム青山で練習して、あとはアライアンスへ出稽古で行かせてもらっているのがメインです」

――以前のようにどこかのジムへ所属せず、様々な場所で練習することについて、ご自身の中で不都合は生まれてこないですか。

「いえ、米国みたいに一つのジムで全ての練習ができれば楽なんですけど、日本だと難しいじゃないですか。そうなると、いろんなところで強い人と練習したほうが良いなと思っています。僕はプロになってからの成績でいうと、タイトルマッチまでは連勝していて、そのタイトルマッチではスプリットで負けてしまったじゃないですか」

――2012年3月にプロデビュー後は、一つの引き分けを挟み10戦無敗。しかし2017年5月、大塚隆史選手の持つDEEPバンタム級王座に挑み、判定で敗れています。

「そこで負けはしましたけど、また頑張ろうと思っていたところ……調子が悪くなっていったんです。どんどん体が動かなくなっていく感覚があって」

――どういうことでしょうか。

「最初は何が原因か分からなかったんです。でも試合では動きが悪くなっていき、2019年は1勝3敗という結果で……。当時はもう、練習も思うようにできない状態でした。実は内臓の調子が悪くなっていたんですよ」

――えっ!?

「去年6月に復帰するまで、1年8カ月も試合をしていなかったのは、コロナなどの影響ではなかったんです。病院に行って、薬を飲みながら治療をして……。体の調子が良くなってから復帰して、そこからまた勝てるようになりました」

――そう聞いて、疑問の一つが晴れました。プロデビュー以降、連勝している石司選手に対する業界内の評価はとても高いものでした。

「えっ、そうだったんですか」

――しかしタイトルマッチ以降は敗戦も増え、何か壁にブチ当たっているのか、伸び悩んでいるのか……そんな印象が強かったです。

「はい。実際、『石司は弱くなった』という声も聞いていました。自分では技術的な問題かと考えて、自分の戦い方について試行錯誤していたんですけど、それが自分のファイトスタイルにも影響を及ぼしていたんだと思います。でも、それ以上に影響があったのは体の内側もそうですし、同じ頃にケガもあって」

――なるほど。

「でも当時、試行錯誤していたことは無駄ではなかったと思います。体調が良くなってきて、今ようやく、試していたことが繋がってきていると感じているんです。これから試合では、当時とは違うものが見せられると思っています」

――では、今回の対戦相手である三村亘選手の印象を教えてください。

「これは……すみません、今回の試合が決まるまで試合を見たことがなくて、あまりよく分かっていないんです(苦笑)」

――試合映像は見ていないのでしょうか。

「いえ、見たんですけどグラウンドの展開が多くて、打撃や他の展開はどうなのか分からなかったんです。そこは試合をやりながら見ていくしかないですね。僕はもともと、試合も誰とやりたいという話はしなくて、とにかく試合がしたいので相手を見つけてください、とお願いする感じで」

――今は復帰してから調子も良いとのことですし、とにかく試合をしたいということですか。

「はい。前の試合から間が空きそうだったので、DEEPに試合を組んでほしいとお願いしたんです。プロモーター側も東京にいる選手へ声をかけてくれたと思うんですけど、なかなか見つからなかったようで……。でも大阪から来てもらって嬉しいです」

――その三村選手を相手に、どのような試合を見せたいですか。

「判定まで行かないように、しっかりKOや一本で勝って、ビシッと力の差を見せつけて勝ちたいです」

――分かりました。最後に、復帰して以降の目標を教えてください。

「やっぱりDEEPのチャンピオンにならないと始まらないかな、と思います。まず自分が戦っているところで一番になり、そこで相手がいなくなったら、もっと上の舞台で強い選手と戦っていきたいです」

■ DEEP Tokyo Impact2022 01計量結果

<バンタム級/5分3R>
石司晃一:61.45キロ
三村亘:61.55キロ

<バンタム級/5分2R>
海飛:61.6キロ
牧野滉風:61.65キロ

<フェザー級/5分2R>
鬼山斑猫:66.25キロ
星野豊:66.05キロ

<フェザー級/5分2R>
西谷大成:66.25キロ
鷹辰:65.95キロ

<ストロー級/5分2R>
中村真人:52.7キロ
キンタ・ジ・エンド:52.6キロ

<ウェルター級/5分2R>
小林裕:77.3キロ
チョウ・テギ:75.5キロ

<フライ級/5分2R>
日比野“エビ中”純也:57.15キロ
RYOGA:57.1キロ

<フェザー級/5分2R>
キヨタロウ:65.5キロ
夏目涼佑:64.75キロ

<フライ級/5分2R>
松丸息吹:56.95キロ
武利侑都:56.55キロ

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DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP103 MMA MMAPLANET o ONE Ring Girl Special 三村亘 石司晃一

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CORO DEEP DEEP JEWELS36 DEEP Tokyo Impact KOMA MMA MMAPLANET RIZIN UFC サイモン・オリヴェイラ レバナ・エゼキエル 三村亘 佐藤洋一郎 修斗 平田丈二 獅庵 石司晃一 神田T800周一 笹晋久

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【写真】互いに自分のペースで戦ることができれば得意であり、そうだければ不得手な相手。MMAらしい複雑な綾が見られる試合となるか (C)MATSUNAO KOKUBO & FREEKS

3日(木)、DEEPより3月12日(土)と13日(日)に東京都港区のニューピアホールでDEEP TOKYO IMPACT 2022 1st round及び、2nd roundの開催と対戦カードが発表された。

Tokyo Impact 2022 01は午後12時半スタートで、02は午後6時スタートとなっている。12日の午後6から同所でDEEP JEWELS36、13日は午前中から女子アマチュア選手権及びフィーチャーキングトーナメントが行われ、プロアマ・男女MMAてんこ盛りの週末となる。


Tokyo Impact2022 01のメインは石司晃一×三村亘のバンタム級3回戦。2019年に白川Dark陸斗、米山千隼に連敗を喫した石司は、コロナ・パンデミックが始まった2020年は試合がなく、昨年はCOROと笹晋久から勝利を挙げ復調の兆しを見せている。

一方、パンクラス稲垣組所属の三村にとって、東京でのDEEPは初出場となり、東京での試合は今やUFCファイターとなったサイモン・オリヴェイラとパンクラスで戦って以来、2年3カ月ぶりだ。

パンクラスとDEEPの大阪大会でコンスタントに試合に出場し続け、過去10試合の戦績は7勝2敗1分という三村。オリヴェイラ以外で黒星を喫したのは平田丈二、瀧口脩生と痛み分けだった。神田T800周一&土肥“聖帝”潤、獅庵という修斗、グラジエイター、グラチャン、RIZINで戦う相手から勝利を手にしてきた。

(C)FREEKS

神田、土肥というタイプの違う組技のグラップラーを相手に、打撃ばかりか組みという部分で遅れを取らない三村。

全ての局面で強度の高いウェルラウンダーの石司を相手に、どのような攻めを見せることができるか。

個々の局面での強さがあってもMMAとして融合という部分で、ズレが生じていた石司だけに、三村としてはその際を埋めるファイトでペースを掴みたいところだ。

一方の石司は、打撃で突き放すファイトも組んでも十分に勝負ができる。ただ近年は見過ぎて受けに回って下がることでリズムを狂わせ、相手が攻めやすい間で戦ってきた。とはいえ兆候も、前回の笹戦の2Rからは頭から突っ込んでくる相手に、頭突きで倒されようが自ら前に出ることで打ち勝ち、結果的に、テイクダウンを潰して組み勝ち──ポジションも取ることができた。

(C)MATSUNAO KOMATSU

最後はバックからは落とされたが、下になっても三角絞めを極めるなどウェルラウンディット・ファイターらしさを取り戻した一本勝ちを得ている。

ポテンシャルは疑うところがない石司と、気持ちのラッシュが持ち味の三村の一戦は3回戦=メインに相応しいマッチアップだ。

またDEEP Tokyo Impact 2022 02のメインは佐藤洋一郎×レバナ・エゼキエルのウェルター級マッチに決まっている。佐藤とエゼキエルは揃って3連敗中、エゼキエルはラウェイで勝利があるが、佐藤はグラップリングでも黒星を喫しており崖っぷち対決といえる──ヘッドライナーだ。

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