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Interview J-CAGE Shooto2021#06 ブログ 安藤達也 石井逸人

【Shooto2021#06】石井逸人と防衛戦、安藤達也─02─「山ってホントそうなんです。準備8割、実行2割」

【写真】かつての師からSNSで「今そて……」という反応をされてしまったが、確かに気付いたからといって直後にケージのなかで成果が表れるものではない。それでも、気付いたことを大切にしてMMAファイター人生を過ごして欲しい(C)KEISUKE TAKAZAWA

9月20日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#06で、石井逸人を相手に修斗環太平洋バンタム級王座の防衛線を行う、安藤達也のインタビュー後編。
TEXT by Shojro Kameike

7月末から約1カ月、安藤は米国サクラメントのチーム・アルファメールで、どのような練習を行ってきたのか。大塚隆史に負けたことで気づき、サクラメントで改めさせられた自身の格闘技観――。かつて練習を共にしていた石井との試合で、安藤は新しい自分を見せつけようとしている。

<安藤達也インタビューPart.01はコチラから>


――アルファメールでは、どのような練習を行ってきたのですか。

「多いときは1日2~3回ぐらい練習がありました。午前9時30分からプロ練習、それが終わるとフィジカルトレーニングがあって、夜は寝技のクラスに出るというスケジュールが週2日ぐらいありましたね。1週間の中で、水曜日がヤマなんですよ」

――ヤマ、というと?

「水曜日は1日1コマだけ、ガチスパーをやるんです。1週間やってきたことをスパーで試す。そんな感じで、週6日練習して1日だけ休むというスケジュールですね。アルファメールの練習がない日は、他のジムの練習に参加したりしていたので、サクラメントにいる間に休んだのは2日だけでしたけど……」

――練習漬けの毎日で気づくことはありましたか。

「はい。自分ができないこと、これはヤバいなと思ったこともあったんですよ。水曜日のスパーの前に、トレーニングの一環で(石原)夜叉坊や川原選手と水泳に行ったら、みんな、ガンガン――無酸素で25メートルの潜水ができたり、無酸素でクロールもこなしていて。僕は最初、みんなと比べて半分の距離しかできずに、『これはヤバいな』と思いました」

――それまで水泳や無酸素の運動には自信があったのですか。

「僕、子供の頃は毎日、市民プールで泳いでいたんですよ。プールの人に顔を覚えられるぐらい(笑)。大学の授業でも3時間の遠泳があったので、ガンガン泳いでいました。なのに、夜叉坊や川原選手についていくことができなくて。そういうところから考えを変えさせられましたね」

――それだけハードな練習をこなしてきたとのことですが、大塚戦で負傷した足の具合は良くなっているのでしょうか。

「だいぶ良くなりました。大塚戦後は3カ月ぐらい何もせず、だいぶ良くなってきてから山登りもできるようになりましたし」

――山登り……?

「そうなんですよ。最近はトレーニングで山を登ったり、走ったりしています。東京だと奥多摩の山とかですね。東京以外でも、朝4時に出発して、6時に現地へ着いて登り始めたりするんです」

――山の話から、嬉しそうに声のトーンが上がりましたね(笑)。

「楽しいですよ(笑)。『準備8割、実行2割』っていう言葉があるじゃないですか」

――仕事が成功するかどうかは80パーセント、準備の段階で決まるという意味の言葉ですね。

「山ってホントそうなんですよ。水の量や荷物の量を事前に全部計算して準備する。準備できていなくても、あるいは余計な荷物があっても登る時にキツくなりますから」

――それは全てにおいて当てはまることですよね。もちろん、格闘技でも。

「……ずっと勝っていたから、自分では分からなかったんですよ。オレの練習スタイルはこんな感じって、自分で勝手に決めていた。でもそんなのは幻想で、負けた瞬間に崩れ去りました。勝利すること、勝利に向けて頑張るところに生き様が出ますよね。格闘技って、自分の生き様がモロに出るから。次の試合では、その生き様を見せたいと思います」

――次の試合……環太平洋チャンピオンシップで、石井逸人選手を迎え撃ちます。

「以前、石井選手とは練習していたんですよ。その時から『そのうち安藤選手と試合するかもしれないけど、今は一緒に練習させていただきます』と言ってきて、良いヤツだなと思いました(笑)。それでインフィニティ・リーグで優勝したとき、僕と試合がしたいと言っていたので、改めて対戦相手として考えた感じですね」

――なるほど。では、対戦相手としての印象を教えてください。

「インフィニティでは優勝したけど、引き分けが2試合あったじゃないですか。引き分けはダメですよ。『これはどうかな?』と思うような判定もあったし。試合はハッキリ件着をつけることは必須ですから」

――安藤選手自身、岡田遼選手との世界チャンピオンシップ(2019年9月)がドローで終わった時にSNSで、「結果を他人に託した時点で俺の負け」とコメントしていました。

「そうなんです。僕も岡田戦で、そう感じました。あの試合は自分が1Rと2Rを取ったと思うし、3Rも良かったんじゃないかと。それに最後は自分のほうが印象も良かったと、正直そう思っています。でも、それも言い訳でしかないので、次はハッキリと勝ちますよ」

――そう思えるような練習を、アルファメールで積んできたのですね。

「間違いなく石井選手より、チャド・メンデスのほうが強いじゃないですか」

――……どういうことですか。

「そういう選手と練習してきて、自分が負ける気はしないんです。もし負けるとしたら、それは自分自身に負けた時。調整に失敗した時とか。試合までもう少し日にちがあるので、最後まで――ゴングが鳴るまで、気を抜かないように。今回は3Rフルで戦う気持ちでいます」

――今回は環太平洋王座の防衛戦です。ベルトを守った後のことは考えていますか。

「僕としては、岡田選手にリベンジしたいです。借りを返してから、ONEかUFC――海外で戦いたいですね」

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ABEMA DEEP MMA ONE Shooto2021#06 修斗 安藤達也 川原波輝 石井逸人

【Shooto2021#06】石井逸人の挑戦受ける、安藤達也─01─「つもり…ずっと取り組み方が中途半端だった」

【写真】ユライアが見守る中でスパーリング。アルファメールでの練習以前に、川原波輝の言葉が眠れる大器の目を覚ませたか(C)MICHINORI TANAKA

9月20日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#06で、環太平洋バンタム級王者の安藤達也が石井逸人を挑戦者に迎え、タイトルの初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

昨年11月、元DEEP王者で修斗初参戦の大塚隆史と対戦し、1Rに右足を痛めTKO負けを喫した安藤にとっては、この試合が復帰戦となる。

防衛戦を控えて米国で練習を行っていたという安藤に、帰国直後にインタビューしたところ、彼の口から発せられたのは大きな意識改革だった。


――環太平洋王座の防衛戦を控え、今回はアルファメールで練習していたそうですね。どれくらいの期間、どこに行っていたのでしょうか。

「7月27日に日本を出発して、8月24日まで練習していました。アルファメール所属の川原(波輝、DEEPストロー級王者)選手から、『米国で一緒に練習しよう』と誘われたんですよ。

以前、川原選手が日本に帰ってきている時、KRAZY BEEで練習したことがあって。そこから川原選手と一緒に練習したいと思うようになったんです」

――そのように思ったのは?

「川原選手と僕ではスタイルが違っていて、お互いに無いものを交換できるんです。フリーになってから、一緒に練習する仲間はいるけど、『誰かが見てくれる練習』というのは少なかったんですよね。

僕も4年前にアルファメールで練習したことがあったし、今回誘われてアルファメールに行こうと決めました。自分の中では、去年11月の敗戦も大きくて……」

――大塚隆史戦で、1Rに足を傷めてTKO負けとなった試合ですね。

「はい。あの試合は、自分でも一番納得していない負け方でした。『今のままじゃダメだ』ってことが、身に染みて分かりましたね。お灸を据えられたというか。今まで自分のやり方でやってきたけど、あの負けが反省するキッカケをくれました。MMAには、いろんな攻め方がある。もっと高い水準で練習していかないとダメだと思ったんです」

――カーフを効かされたのか、アクシデントだったのか。その敗北でアクシデントとはとらえなかったということですね。

「アクシデントも含めて、負けは負け。それが格闘技じゃないですか。僕たちが求めているものは結果であり、勝利でしかなくて」

――確かに、そのとおりです。

「周りの人からも、『あれはアクシデントだったよね』と声をかけられることもありました。でも、そう言われると逆に――自分の中では、アクシデントというだけで終わらせることができなかったんです。

何よりも、完全燃焼できなかったことが、一番悔しかったです。何も出せずに、1Rにあんな形で試合が終わってしまったので。あの試合に向けて、それまでのキャリアの中で一番練習していたし、調子も良かったんですよ。それで何も出すことができずに終わって……3カ月ぐらい気持ちも引きずっていました」

――その状態を、どうやって克服したのですか。

「そんな時に、KRAZY BEEで川原選手と一緒に練習したんです。川原選手が、僕の気持ちを変えるキッカケを作ってくれました。川原選手は僕より1歳上だけど、MMAのキャリアは僕より短いんですよね」

――プロデビューは、安藤選手のほうが1年早いですね。

「でも遅く始めている分、意識が高い。そんなキャリアの差を乗り越えて、DEEPのチャンピオンになっているし、ONEにも出場しているじゃないですか。何て言うんだろう……言っていることと、やっていることが伴っているというか。ファイターとしての意識を背中で教えてくれるし、直接言ってくれることもあるので」

――川原選手からは、どのようなことを言われたのですか。

「格闘技は千日修行だと思え、と」

――千日修行……比叡山をはじめとして、天台宗の「千日歩いて悟りに近づく」ための千日回峰という修行のことですね。

「引退するまでファイターとして何ができるか毎日考えろ、と言われました。引退したら何でもできる。でもファイターとしての時間は今しかない、と。そうやって僕の意識をリマインドしてくれたんです」

――引退するまで……今、ファイターとして引退のことを考えたりすることはありますか。

「僕も、もう31歳になりました。プロデビューから8年経っているんですよ。正直、どれだけ選手を続けられるのかは分からないです。今はMMAも選手の年齢が上がっているし、頑張っている先輩方もたくさんいます。

でも、大塚さんとの試合でケガをして負けた時、『今回これぐらいで終わってよかったけど、後遺症が残るケガだったら引退だったな』と思いました。そこでファイターとしての最後を意識したんです。残りの格闘技人生、終わりを意識しながら、今できることを精一杯やらないといけないなって」

――なるほど。

「ずっと格闘技への取り組み方が中途半端だったんだと思います。もちろん自分の中では、その時にできることを全力で頑張ってきたつもりですよ。でも今思うと、それは『つもり』でしかなかったんだなって。ノラリクラリやっていたんじゃないかと思いました」

――その気持ちは、アルファメールでの練習でどう変わったのでしょうか。

「大塚さんとの試合前は、『それまでのキャリアの中で一番練習していた』って言いましたけど、そんなもんじゃないです。高いレベルで、ガッチリ練習することができました」

<この項、続く>

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ABEMA ARAMI MMA Report SARAMI SASUKE   キック 中村倫也 中村未来 仲山貴志 修斗 安藤達也 工藤諒司 石井逸人 結城大樹 西川大和 論田愛空隆 野瀬翔平

『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5』試合結果/9.20『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.6』で川名TENCHO雄生と西川大和が対戦

修斗 7.25 後楽園ホール:中村倫也、プロデビュー戦は2R左ハイでKO勝ち「俺のオリンピックが始まる」。SASUKE、世界フェザー級王者となるも強気アピール封印。SARAMI、黒部三奈との3度目の対戦へ(バウトレビュー)
第8試合 メインイベント 修斗世界フェザー級チャンピオン決定戦 5分5R
○SASUKE(マスタージャパン東京/世界1位、環太平洋王者)
×工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA/世界7位、環太平洋2位)
判定2-0 (片岡48-47/田澤47-47/福田48-47)
※SASUKEが王者に

第7試合 セミファイナル 修斗女子世界スーパーアトム級(50kg)次期挑戦者決定戦 5分3R
○SARAMI(パンクラスイズム横浜/世界2位)
×中村未来(マルスジム/世界4位)
2R 2’48” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第6試合 バンタム級 5分2R
×論田愛空隆[ろんだ あくり](心技館)
○中村倫也[りんや](EX FIGHT)
2R 0’20” KO (左ハイキック)

第5試合 ライト級 5分2R
×エドモンド金子(BRAVE)
○岡澤弘太(佐山道場)
判定0-3 (田澤18-20/長瀬18-20/豊永18-20)

第4試合 フェザー級 5分2R
△仲山貴志(総合格闘技津田沼道場/世界2位、環太平洋4位、元環太平洋王者)
△結城大樹(マスタージャパン福岡)
判定0-1 (片岡18-20/長瀬19-19/田澤19-19)

第3試合 バンタム級 5分2R
×齋藤 翼(総合格闘技津田沼道場/FIGHT FARM)
○野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
判定0-3 (田澤18-20/片岡18-20/長瀬17-20)

第2試合 フライ級 5分2R
○山内 渉(FIGHT FARM)
×植木“令和”新(シューティング宇留野道場)※植木新 改め。総合格闘技宇留野道場から所属先名称変更
2R 4’35” 三角絞め

第1試合 トライアウト フェザー級 3分2R
○村山大介(マスタージャパン東京)
×スソン(KRAZY BEE)
判定3-0 (長瀬20-18/豊永20-17/福田20-17)

 遅ればせながら7月25日に後楽園ホールで開催された『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5』の試合結果。メインイベントは斎藤裕が返上した修斗世界フェザー級王座の決定戦が行われ、SASUKEが工藤諒司に判定勝ちし新チャンピオンに。セミファイナルの女子世界スーパーアトム級次期挑戦者決定戦はSARAMIが中村未来に2R KO勝ちし黒部三奈への挑戦権を獲得。


 レスリング全日本選手権16~17年2連覇、17年U-23世界選手権優勝の中村倫也のプロデビュー戦は論田愛空隆に2R 0分20秒、左ハイキックでKO勝ちです。現在無料で視聴できます。


 9月20日に後楽園ホールで開催する『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.6』で川名TENCHO雄生 vs. 西川大和の世界ライト級チャンピオンシップ、安藤達也 vs. 石井逸人の環太平洋バンタム級チャンピオンシップが発表されています。続きを読む・・・
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ABEMA MMA RIZIN Shooto2021#05 Shooto2021#06 キャプテン☆アフリカ 修斗 安藤達也 石井逸人 西川大和

【Shooto2021#06】若きMMA熟練工=西川大和が川名雄に挑戦。努力する無法者・石井逸人は安藤達也と

【写真】18歳9か月でプロ修斗の頂点に挑戦する西川大和 (C)MMAPLANET

25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2021#05中にアナウンスされた9月20日(月・祝)に同所で開かれるShooto2021#06の決定カードが、改めて26日(月)にSustainよりプレスリリースで発表されている。

決定試合は2つのタイトルマッチ、修斗世界ライト級選手権試合=チャンピオン川名TENCHO雄生✖西川大和と、修斗環太平洋バンタム級選手権試合=チャンピオン安藤達也✖石井逸人だ。


(C)SUSUMU NAGAO/SUSTAIN

昨年7月にキャプテン☆アフリカを破り修斗ライト級の頂点に立った川名だが、その後はRIZINで突き抜けたキャラを発揮しつつも武田光司、矢地祐介に連敗と結果を残せていない。

対する西川は昨年5月の修斗デビュー以来、5連勝&4つのフィッシュでタイトルコンテンダーに名乗りを挙げた。18歳、北の若きMMA熟練工は、独特の才覚を持ってガードポジションを厭わず、相手の嫌な部分をつくスタイルの持ち主だ。

このスタイルのままで川名越えを狙うのか、テイクダウン&スクランブルゲームでも渡り合えるのか。西川のこれからが見えてくるリトマス試験紙的な世界戦といえる。

(C)KEISUKE TAKAZAWA

他方、環太平洋王座に挑戦する石井はキャリアの仕切り直しとなったインフィニティリーグで優勝、その側面ばかりに目がいくが、ドローを挟み5戦負け無しと結果を残してきた。

対してチャンピオンの安藤は、昨年11月に大塚隆史に敗れて以来の再起戦となる。センスでいえば安藤、しかしセンスがある故かポテンシャルの全てを出す出し切ることがないまま、最近は試合を重ねている。

対して、試行錯誤ながら積んできたモノをケージのなかで見せている石井。ポテンシャル+センス✖エンデヴァー&ローレスの対戦は、効果と蓄積の激突ともいえる。

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Interview J-CAGE Shooto2021#03  グラチアン・サジンスキ ブログ 石井逸人 野尻定由

【Shooto2021#03】インフィニティ優勝、石井逸人「道草食い過ぎてきたので、ベルトを獲りに行きます」

【写真】日本のメイヘム?!──石井逸人(C)MMAPLANET

16日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2021#03で、石井逸人が野尻定由とドローながら、総得点でその野尻、小野島恒太を退けインフィティリーグ2020バンタム級で優勝を果たした。

新型コロナウィルス感染問題により、試合スケジュールが大幅にリセットされるなか、石井は緊急事態宣言下でも試合を欲し、リーグ戦以外も戦ってきた。

しかしながら1月に一本勝ちをしながら、不道徳行為と十分な反省が見られなかったということで厳重注意処分を修斗狂気協会から受けるなど、やらかしてしまっていた。

とにかく結果を残すしかないMMAにあって、ひたすら結果を残すしかないなかでインフィティリーグを制した石井に大会終了直後に話を訊いた。


──色々あったインフィニティ・リーグ、優勝で終えることができました。おめでとうございます。

「これまで特にベルトが欲しいとかなかったのですが、TRIBEで練習するようになったタイトルが欲しいと思うようになりました。それにはインフィニティを取ることが近道になる。だから仕切り直しのつもりで出ました。なので、優勝できたことで一安心はしています。

途中であんなことをしてしまって、また色々な人が不快に思う事をしてしまって申し訳ないと思っています。出場した全選手に改めて『スミマセン』と言いたいです」

──本当に……必要ないことをしてしまいました。ところでインフィティリーグはポイント制で、純粋なワンマッチとは違う戦略が必要になってきます。その辺りは何か頭に入れて戦っていたのでしょうか。

「ホント、何も考えずに……そういうことを考えられないからこそ、ノープランで戦いました。こういうことをしようというはなくて、やってきたことを出すことができれば結果につながると思っていました。練習してきたこと、自分が出したかったことは出せたかと思います。

ただカーフを蹴られていたのが、マイナスになってドローになってしまったのかな……と」

──初回はあれだけ圧倒しましたが、2Rはイーブンになり微差で野尻選手が取ったという感じでした。

「イーブンでしたね。自分もそう思いました。初回を取ったらマインド的に行けると思って。

初回に当たったパンチが効いていたのも分かったのですが、それで『打ちたい』、『打ちたい』という気が強くなって、逆に打ち込むためにタイミングを測り過ぎて待つような感じになってしまいました。

それでも終わった時は勝ったかと思いましたが、ドローでしたね」

──今年26歳、若い若いと言われていましたが、すぐに30歳が見えてきます。階級は違いますが、平良達郎、宇田悠斗という年下の世代がタイトルに絡んでこようかとしています。

「他人は他人、自分は自分です。年下、年上とか関係なく僕は自分がやるべきこと、結果を残していくだけです。年齢が若いから上がって来るんじゃなくて、良い選手だから上がってくるので。ベテランでも良い選手はいるし、そのなかで自分が戦っているだけで、年下が出てくるから刺激を受けるとかないです」

──では仕切り直しで臨んだインフィティリーグで、優勝という絶対の結果は手に今後は? マイクで──環太平洋王者の安藤達也選手へ挑戦をアピールしました。

「世界チャンピオンが今、修斗にいませんからね。安藤選手は防衛期限が近づいていて、ノンタイトル戦で負けている。上の方はRIZINに行っているなら、もう自分しかしないでしょ。そろそろベルトが欲しいかなって。

修斗の歴史でも、こんなにタイトル戦に挑戦できていない人間っていないと思うんです。タイトルに届く人間なら自分が一番遠回りしているかと。22試合、戦っていて一度もタイトルマッチを経験していないですからね(笑)。

今日も2Rにああいう戦いになってしまった。そこをまた練習して修正していきます。このままノープランではないですけど、TRIBE流に自分のやりたいことを重ね合わせていけば、チャンピオンにはなれると思っています。

さすがに道草食い過ぎてきたので、ここはベルトを獲りに行きます」

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J-CAGE Report Shooto2021#03 ブログ 石井逸人 野尻定由

【Shooto2021#03】距離感を生かした石井逸人が野尻定由の猛攻を振り切り、ドローでインフィニティ優勝

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人(日本)
Def.3-0:19-19.19-19.19-19.
野尻定由(日本)

前に出る石井に対して、野尻はカーフキックを連打。石井はプレッシャーをかけながら右ストレート。野尻はシングルを仕掛け、カットされるもそのまま石井をケージに押し込む。石井は半身でディフェンスしながら体勢を入れ替え、再び返して投げでグラウンドに持ち込んだ。パンチを放ちながらバックに回った石井は、野尻が立ち上がるもバックをキープ。野尻は振り落とそうとしたが、石井は相手の上半身を抱えたまま。

野尻がテイクダウンを狙うも、カットした石井がバックマウントへ。4の字フックで体勢をキープする。野尻は反転して逃れようとするが、石井は4の字を離さず、半身になった野尻をネルソンで固めつつ、バックに戻る。石井がパンチを浴びせながら、バックマウントをキープして1Rを終えた。

最終R、石井がプレッシャーをかける。対する野尻は右のカーフキック。野尻が右ボディから左フックで中に入ると、石井はバックステップでかわしながら、パンチを打ち下ろす。石井が左ジャブで距離を取りつつ、右ストレートをヒット。野尻もカーフキック、左ボディから、右ヒザを突き上げる。すると石井も左ジャブを放ちながらプレッシャーをかけていく。

石井の左ジャブが連続でヒット。体勢を低くする野尻に右ストレートを打ち下ろす。野尻が右フックを振ったところで、組み付いた石井がテイクダウンを奪い、野尻の背中をケージに着かせる。野尻の足をたたんだ石井は、半身になる野尻に対してボディロックに切り替える。野尻は立ち上がるも、そのままバックに回る石井。ここでトップをキープした野尻は、そのまま石井を抑え込むが、石井も下から足を利かせてディフェンス。石井が試合終了直前に腕十字を仕掛けて終わった。

判定はジャッジ3者とも19-19をつけてドロー。インフィニティリーグは石井が勝ち点8で優勝となった。


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J-CAGE News Shooto2021#03 ブログ 内藤太尊 大尊伸光 宇田悠斗 宇野薫 小野島恒太 清水清隆 石井逸人 西川大和 野尻定由

【Shooto2021#03】計量終了 14カ月振りに全試合で正式階級&前日計量が実施され──全選手パス

【写真】セレモニアルでもなく、当日の1階級上でもない引き締まった空気感のある前日計量(C) THE 1

明日16日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03 の計量が、本日15日(土)に品川区の修斗ジム東京で行われた。

昨年3月のFight & Mosh以来、初めて全試合が従来の階級&前日計量が──非公開ながら実施された。トライアルルール戦も含め、全11試合。一人も体重オーバーはなく、明日の試合に臨むことになった。

全選手の計量結果は以下の通りだ。

<ライト級/5分3R>
大尊伸光:70.3キロ
西川大和:69.7キロ

<フェザー級/5分3R>
内藤太尊:65.8キロ
宇野薫:65.7キロ

<フライ級/5分3R>
清水清隆:56.7キロ
宇田悠斗:56.7キロ

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ:61.2キロ
坂巻魁斗:60.8キロ

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人:61.2キロ
野尻定由:61.1キロ

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太:61.1キロ
一條貴洋:61.2キロ

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
村山大介:65.5キロ
平沼ヤマト:65.7キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵:49.9キロ
檜山美樹子:50.0キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来:49.9キロ
北野きゅう:49.9キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀:50.0キロ
澤田千優:49.3キロ

<女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花:51.8キロ
柳仙香:51.9キロ

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Interview Special ブログ 石井逸人 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編─石井逸人✖よしずみの試合後「アホなことするな」

【写真】お茶目なトンパチだったら、良いのだが。境界線を理解することも必要だ (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2021年1月の一番──だが、先月に続き本来のピックアップされた3試合からではなく、いきなりの番外編として1月31日に行われたShooto2021#01第1部で行われた石井逸人✖よしずみ戦について語らおう。


──いきなりの番外編ということで、青木選手に石井逸人選手の勝利後の……についてお尋ねしたいと思います。

「そこ来ますか(笑)。あれ、話題になっていないし……ただ嫌やヤツになっていますよね。あんなことしても、損するだけだと思います」

──損得勘定でなく、戦った相手に勝負がついた後にあのような行為をする必要があるのかということをお伺いしたいです。

「そういう部分では、彼がアレをやる意味が分からなかったです」

──それをあなたの口からどう言えるのか……という部分で、今の青木選手にお伺いしたいです。

「やってはいけないことです。やってはいけないけど……何と言ったら良いのか、石井逸人は何を考えているのか分からない。僕のことに関しては、一つの表現としてアレがあったから今の僕があるというのは間違いなくあると思うんです。今となっては経験として、肥やしにはなっています。

でも、あの当時は色々なことの狭間に自分があって、しっかりと世間からも叩かれました。だから良い経験になった──良い経験にしたということに落ち着いてしまいますけどね」

──それは青木真也が異質であり、他にない路を進むことができているという点でそうかもしれないです。ただし、今も昔も試合が終わって、中指を立てた云々でなく対戦相手を侮辱する行為は許されるモノではないです。

「それはその通りなんです。世の中に対して、そんなモノを見せる必要もないですし」

──実際、ギリギリで戦った試合でもジェイムス・ナカシマの尊厳を無視するような行為は当然行っていません。

「ハイ、死者に鞭打つ行為はできないです。やってはいけないことだし、やる意味がないことです。中指でなくても、バカヤローって言うのも同じようなモノで。マテウス・ガムロがノーマン・パークに試合後にマイクで謝罪を求めるとか……それはしなくて良いです」

──ガムロ✖パークは虚実入り乱れるというか、試合を盛り上げるための行為とそこで戦う人間の感情が入り混じった感がありました。それは青木真也✖廣田瑞人戦も然りで。

「あれは……加藤さんとかに追い詰められ過ぎて……。毎晩のように『俺たちが行くんだ』みたいなノリで電話がかかってきて。団体間というか、色々な作用があって。あの時は終わった後とか、本当にしんどかったし。

当時の心境でいえばDREAMは絶対に戦極に負けちゃいけなかった。負けることは許されていなかったんです。僕の周囲の空気として。そういう想いが、廣田という個人でなく戦極というものに出た。そして悪いのは青木真也になった。

まぁ、やってはいけないことなんですけど、あの時は正直『悪いのは俺であって、DREAMではないんだな』っていう気持ちもありましたよ」

──悪くないわけではないです。

「そうですね。悪くないわけはないけど……だったら、ちゃんと着地させてくれよっていうのはありました」

──今となっては、あの行為が青木真也という人間の一面であっても全てではなかった。当時は、全面のように見えていましたが。

「だから本音をいえば石井逸人は怖くて触れられない。何ていうのか、ただ戦った相手ですよ。そこに勝って、唐突にあんなことをしてしまうのは……う~ん、意味が分からないです。対戦相手に何か感情的なモノがあったようにも見えなかったし。試合後とかどうでしたか?」

──「興奮しちゃいました」と反省しきりでした。長南さんにも注意されたようで。

「反省するんですよね。でも、やっちゃうから。そこなんですよね、問題は。彼には例の件があるじゃないですか。あの時に彼が言っていたことも、こういうことを繰り返すとお前の言っていたことはどうなの?ってなりますよね。

それが僕の正直な想いです。あの時は逸人が言っていたことを皆が耳に傾けていたけど、今の彼だったらあそこまで皆が真剣に意見を聞かなかったと思いますよ。

だからチョット危ないっていうのか……でもね、試合を見るとあの運動能力とか素晴らしいモノが見られて。練習でも、強いというか運動能力がある。そりゃあ、ああいう素材が地方にいると抜群に惚れ込むと思います。だから、彼に対しては皆がちゃんと言ってあげたほうが良いです。早い段階で。俺もあの後、凄く怒られましたからね」

──怒られることは必要かと思います。

「あの時は複雑で……石井逸人と違って、状況も状況で謝ることができなかった。だって僕が謝ると、DREAM勢が謝ることになるから、『謝らせるな』ということがあった。だから叱られるだけっていうのを経験して……それをさっきもいったように肥やしにできましたけどね。

だから石井逸人も選手として、あれだけの能力を持っているのだから、皆が早めに注意をして、導いてやるべきだと思います。

そんな感じかなぁ。良い素材だから、伸ばさないと。そう思っています。石井逸人と野尻定由とか楽しみだし、そこで勝った人間が田丸匠とやるとか。そんな風に国内で強くなる試合が組まれればと思います。

まぁアホなことするなというか、若さの発露なんだろうけど……反省して、また頑張ってほしいですね」

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J-CAGE Report Shooto2021#01 よしずみ ブログ 石井逸人

【Shooto2021#01】100点満点のフィニッシュ。マイナス100点の試合後の態度。石井逸人、零点

【写真】アグレッシブかつ、失敗を恐れない見事な腕十字だったが……(C)MMAPLANET

<インフィニティリーグ2020バンタム級(65.8キロ契約)/5分2R>
石井逸人(日本)
Def.1R4分20秒by 腕十字
よしずみ(日本)

左ジャブを伸ばす石井は、ジャブの差し合いから右カーフを蹴る。よしずみも左ローを返す。ジャブをよしずみが当て、右ストレートへ。

やや遠めでパンチを強振する石井は、よしずみワンツーにやや踏み込み辛いか。それでもジャブをトリプルで見せて、前に出る石井はカーフを蹴る。よしずみがワンツーを返し、残り半分に。

ジャブの間隙をぬってジャブを放った石井は、オーバーハンドの後に左フックを被弾する。と同時にカーフを蹴った石井が、この蹴りを続ける。右を被弾した石井は前に出てきたよしずみにシングルレッグを決め、即パスへ。

キムラクラッチに来たよしずみの動きを利して、一気に頭を越えた石井が腕十字を狙う。左腕が逆側に回ったよしずみがタップ。

と、見事な一本勝ちをした石井がよしずみに中指を立てる。このマナーの悪さは全くもって閉口ものだが、石井は4Pを獲得──通算ポイントを7Pとしてリーグをリードすることなった。


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J-CAGE News Shooto2021#01 よしずみ ブログ 加藤ケンジ 小野島恒太 石井逸人 藤井伸樹 西川大和 野尻定由

【Shooto2021#01】1月31日、ニューピアで北から西川大和、南から野尻定由出場。千尋の谷ファイト

【写真】西川大和、野尻定由──崖から突き落とされないで頂きを目指すことができるか (C)MMAPLANET

28日(月)、Sustainより来年1月31日(日)に東京都港区のニューピア・ホールにて2021年初イベントを開催、ラインアップが数試合発表された。

終わりの見えない新型コロナウィルス感染状況において、同一会場入れ替え制が定着しつつあるなか、修斗の2021年スタートも昼夜2部制となった。


コロナ禍の修斗公式戦はタイトル戦以外は当日計量で1階級上のクラスで戦うことが通例化されているが、今大会よりプレスリリースでは1階級重いクラス名を用いず、1階級上階級のリミットに等しい契約体重戦としてアナウンスされている。

またインフィニティリーグにおいてはバンタム級(65.8キロ)、つまり北米ユニファイドでのフェザー級いう表記の仕方と採られている。

そんななか今回明らかとなったのは6試合。65.8キロでバンタム級の藤井伸樹と加藤ケンジが対戦する。ジャパニーズゾンビこと藤井伸樹は、9月に後藤丈治との激闘を制したが、ここで1年2カ月振りの修斗凱旋──2020年はRIZINで1勝1敗だった加藤を迎え撃つこととなった。

また2020年は修斗で3連勝したスーパー18歳の西川大和が、なんと76.5キロとほぼほぼウェルター級でマックス・ザ・ボディと戦う。修斗に関係するところではマックス・ザ・ボディはグラチャンで飯田建夫に敗れ、グラジエイターでウエタ・ユウに勝利している。修斗公式戦では9月の渋谷O-East大会で大尊伸光にKO負けしているが、一発の強さとフィジカルは西川が経験したことがない相手ともいえる。

とはいえ、北海道時代は無差別級のような状況でも戦ってきた西川だけに、全局面で相手の弱点をつくファイトができるようなら──この試合を経て、ライト級でランカーとの対戦も見えてくる一戦となりそうだ。

さらにここもコロナの影響でリーグ戦の消化が年を跨ぐようになったインフィニティリーグ2020では、現在勝ち点トップのよしずみ✖石井逸人、小野島恒太✖野尻定由の2試合が組まれている。

野尻は昨年のバンタム級新人王で、インフィニティリーグに抜擢されていたが、九州組ということでなかなか試合が組まれなかった。結果、1年1カ月のブランクが空き──環太平洋王座挑戦経験があり、藤井と対戦する加藤に勝利しているベテランと対戦することとなった。

若い才能を崖から突き落とすマッチメイクも、もはや修斗の伝統だ。救いの論理のない、無慈悲な生き残り合戦──若い力も、ベテランも勝つしかない。

この他、70.3キロで木下タケアキ✖大瀬良康平、女子54キロ契約で野尻の同門=宝珠山桃花✖柳仙香の対戦が決まっているが、昼夜どちらの大会に振り分けられるかはこれからの発表となる。

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