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【HEAT50】イゴールに試練&石井慧がスポーンと対戦。PROGRESSで竹浦×椿、コンバットJJ=生田×江木も

【写真】PFL、Bellator、コンテンダーシリーズ・ベテランのスポーンとの対戦が決まった石井(C)MMAPLANET

12日(火)、東京都品川区のホテル・プレインスガーデン1Fフォーシーズンにおいて、5月7日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT50の記者会見が行われた。

2005年2月6日の第1回大会から17年、節目の50回大会で行われたMMAマッチは既にHEATライト級選手権試合=チャンピオン草MAX×チャレンジャー岡野裕城、ミドル級の櫻井隆多×イゴール・タナベなどが発表され、その4選手に加えて引退試合を行う春日井たけし、石井慧というMMAファイター、皇治らキック出場選手が会見に出席した。


会見は4部で行われ、まず志村道場勢がテーブルに。引退試合に挑む春日井は「HEAT50回記念大会で引退試合という場を与えてくれ、志村館長には本当に感謝しています」と話し、質疑応答で「次世代の選手。自分はUFCに出たいという夢を実現できなかったので、そういう若い選手とやたいたいです」と対戦相手について要望を話した。

MMA2戦目で桜井隆多と戦うイゴール・タナベは、今回の試合が終わると米国に渡り6月のムンジアルに向けて2つのトーナメントでポイントを加算する必要がある。そのタフな状況に「ケガをしないことが一番。すぐに勝ちます」と断言した。対して桜井は「そうはならないよう戦うだけです」とらしく話した。

驚くべきは出場リストにはあったが、先のK-1無差別級Tで1回戦終了後にワキ腹を痛めてドクターストップ→準決勝棄権となった石井の参戦だ。SNSで「8番目の肋軟骨が折れている」ことを明らかとした石井が、わずか34日間のインターバルで試合に出ることが可能なのか──また、どのような調整が行われるのか。

「良い相手で、本物のカードというか……その良い相手にしっかり勝って、成長した強くなった姿を見せる」と挨拶を行った石井。負傷について質疑応答で「肋軟骨のケガは柔道時代から癖みたいにあっていて、その痛みには慣れている。良い医者も知っていて、その力もあって100パーセントの体調で行けると思います。鉄は熱いうちに打てではないですけど、今はやるべきだと思っています」と話した。

その石井と対戦するダニエル・スポーンは石井が2019年に出場していたPFLの常連で、コンテンダーシリーズでも勝利を挙げている。サウスポー、打撃も組み攻守ともにアベレージ以上にある。カウンターで迎え撃つ際にガードが落ちるきらいもあり、石井はパンチを振るって前に出る際に、そのまま組んで倒すという勢いをつけると、打と組み共にリードできるかと思われるが──全ては負傷の状況次第だ。

また今大会では長谷川賢率いるPROGRESSからグラップリングマッチが提供されることも会見で発表があった。今回、決定したカードはフォークスタイル・グラップリング=プログレス・ルール71キロ契約で竹浦正起✖椿飛鳥、そしてコンバット柔術ルール66キロ契約が採用された生田誠✖江木伸成だ。

カルペディウム三田所属の竹浦は、もともと愛知県岩倉市出身でNEX所属時代には柔術やグラップリングだけでなく、アマ修斗やアマDEEP、JMLでも戦ってきた。

上を取る、そしてポイント有りルールのノーギマッチで、どのようなパフォーマスを発揮できるか、ひたすら楽しみな竹浦の凱旋マッチだ。

対する椿は格闘代理戦争に注目を浴びたが故に、苦難のMMAロードを歩んできたが3日のプロ修斗公式戦で、2年半ぶりの勝利を手にした。ケージの使い方では、負けない。そんな気持ちが伝わってくる椿の――竹浦とのグラップリングマッチ出場だ。スクランブルにバッククラブとサブミッションが加わったケージ・グラップリングで持ち味を発揮するのはどちらか。

掌底有り&ノーポイントには、これも愛知県瀬戸市でトラスト柔術アカデミーを主宰する生田が参戦する。

昨年8月にIREのコンバット柔術で長野将太の掌底攻撃に大苦戦、それでもデラヒーバガードを取ろうとした44歳の永遠のチャレンジャーが、再びケージに足を踏み入れる。対戦相手の江木は森戸新士率いるLEOS柔術アカデミー所属、紫帯で全日本優勝、茶帯ではアジア3位という戦績を残している。

道着競技柔術家の2人が、掌底有りルールをケージで戦う――。日本のMMA社会と柔術社会の接点ともなるプログレス提供グラップリングマッチは、もう1試合組まれる予定だ。

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HEAT48 Interview J-CAGE ブログ 志村民雄 春日井たけし 石井慧

【HEAT48】1年9カ月ぶりの本拠地。志村民雄代表に訊く─01─「HEATのMMAは日本人選手ありきでない」

【写真】2019年7月以来の名古屋でのイベント開催。ジェロム・レバンバ、現UAE Warriors出場中のキム・ギョンピョ、そしてパク・ジョンウンという顔ぶれ。これがHEATらしさだ (C)MMAPLANET

25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48。昨年は1月と9月に東京で大会を開催したが、地元・名古屋ではコロナの影響で2019年7月以来、実に1年10カ月振りのイベントとなる。

MMAとキックをケージで行うという独自性を持ち、同時にブラジル、韓国と実力者を招聘してきたHEATを率いる志村民雄代表に地元・名古屋大会への意気込み、これからを尋ねた。


──ようやく名古屋でHEATを開催できます。

「久しぶりに名古屋で大会があるということで、皆さん喜んでくれていますね。チケットも完売で、非常に嬉しいです。

MMAPLANETさんには申し訳ないですけど、MMAの試合が非常に少なくなってしまいました。マックス・ホロウェイのジムで強い選手を見つけたので、ずっと呼びたいと思っていたのが、今回もコロナの影響でビザが下りなかったです。

こればかりはどうしようもなかったです。HEATのMMAは日本人選手ありきでなくやってきたことで元ライト級王者のオク・レユンが今度、ONEでエディ・アルバレスと戦いますし、ライトヘビー級王者だったチョン・ダウン、ヘビー級王者アラン・ボドウはUFCで戦っています」

──ミシェウ・ペレイラも今やUFCで確固たる地位を築きつつありますしね。HEATからメジャー進出、それは国籍に問わずして志村館長が実力者を招聘してきたという事実があります。あまり届かないというジレンマもありますが……(苦笑)。

「それでも、僕は海外の選手だろうが強い人間同士の試合が見たいんです。MMAはそういうつもりでやってきました。それとヘビー級ですね。

春日井なんか王座防衛戦を予定していたのが、挑戦者が来日できなくて。ホント、強い選手だったんですよ。でも、そこでRIZINから声が掛かって、アイツがああいう舞台で戦えるということは良かったかと思っています。

アイツも運がなくて……、それでも才能でなくて努力でやってきた。扇久保選手と再戦できますけど、春日井自身が変わろうとしていますよね。何とか変わろうとしています。元々気が小さいところがあり、もの凄く緊張しぃです。

まぁ勝ちにこだわるのは悪いことではないのですが、あまりにも相手を叩きのめそうという気概がないときは私もどやしつけたりしたんです。負けたくないという気持ちも分かるのですがね。

そういう部分でも、色々と乗り越えるために人としてどうかという言動をしたり、そうやって戦ってきたのが……今は、落ち着いてきました。でも、勝手ながら扇久保選手との試合は勝ちに拘れと言っています(笑)」

──アハハハハ。その春日井選手とともに出場予定だった石井慧選手の試合もギリギリのタイミングでなくなってしまいました。

「石井選手に関しては試合を成立させるためなら、体重差があったり、実力差がある試合なら組めたかもしれないです。でも、それはHEATではやりたくはないという気持ちがありました。

ハワイの選手がこられなくなって、色々と対戦相手を探したのですが、今回は組めなくなりました。お客さんはチケットを買ってくれて、スポンサーさんもずっと応援してくれていて、見る目は肥えていますからね。だから、今回は試合を組まない方向になりました。石井選手に見合う相手を見つけることができなかった。そういうことです」

──そのなかでMMAでは志村道場から倉本拓也選手とユン・テスン選手が出場し、それぞれZOMER所属の三宅輝砂選手と橋上壮馬選手と対戦します。祖根寿麻選手の教え子がHEATに出場というのは個人的に嬉しいです。

「名古屋の選手を出してあげたいです。今、日本の格闘技界は那須川天心✖武尊という対決に向けて動いていますが、ホントにこの2人以外にスーパースターがいない。ここがこけたら未来はどうなるという状況だと僕は思っているんです。

だからHEATとしても若い選手を育てないといけない。そういう意味でも、名古屋の選手にチャンスを与えたいと思っています。アビラル(ヒマラヤンチーター)とか伸びてきていますけど、もっともっと強くしないといけない。

やはりブラジル人選手や韓国人選手はUFCやONEに行っているのに、日本人も世界に送り出さないといけない。そういう部分で次回大会からはキックもMMAグローブでやろうと思います。

ONEがウチと同じようにキックとMMAをケージでやっていますが、やはりケージキックの特徴を生かすにはMMAグローブ着用かと。嫌がる選手もいますが、ここはやっていこうと思います。

それと今回はイゴール・タナベとアンディ・コングというグラップリングの試合を組むことになりました。ケージでグラップリング、決着がつかないと米国で多いオーバータイム方針を採用します。ここも今回の見所だと思っています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月25日(日)
午後2時30分~TIGET

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HEAT48 Interview J-CAGE JJ Globo アンディ・コング イゴール・タナベ ブログ 石井慧

【HEAT48】金網サブオンリーに挑むイゴール・タナベ─02─「ラペラだけじゃなく(笑)、立ち技もできる」

【写真】石井慧がイゴール・タナベを壁に押し込む。なんという空間だ!!(C)MMAPLANET

月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48で、サブオンリー・グラプリング戦でアンディ・コングと対戦するイゴール・タナベ・インタビュー後編。

石井慧の欠場でMMAは2試合となってしまった同大会だが、イゴールがケージで戦うグラップリングは要注目だ。立ちから倒して極めるというイゴールは、壁を使った攻撃をすることも断言した。

コロナ禍でMMAファイターよりも、実戦の機会が激減した柔術家やグラップラーたち、そのなかでイゴール・タナベは今、何を想い金網に足を踏み入れるのか。

<イゴール・タナベ・インタビューPart.01はコチラから>


──立ち技ですか!!

「ちょうど今は石井さんとか、住村さんと練習をしていますし、ロータスにも行かせてもらって、立ち技から倒して極めるという流れを磨いている最中なんです」

──ケージという要素は意識しますか。

「この試合が決まる前から青木さんやイワモッティ(岩本健汰)と練習していて、壁の意識はありました。青木さんには全く敵わないんですけど……」

──青木選手が相手といっても、さすがに敵わないというのは無いのでは?

「壁レスは無理です(笑)。敵いません。ケージは柔術で1度やったことがあるのですが、柔術だとケージに詰まると中に戻されるので、壁を生かす試合は初めてです。倒す流れ、そこから極めに行く。壁にいくなら、練習仲間とやってきたことを出したいです。

イゴールはラペラだけじゃなくて(笑)、立ち技もできるハイブリットなんだって見せたいです」

──試合ができない間に、穴埋めができているという感じでしょうか。

「色々な方と練習できていて、そこは恵まれていると思います。大きくてテクニシャンの石井さんから、小さくて速い米倉大貴まで幅広いタイプの選手と練習できているので、誰とやっても勝てると思っています」

──ただしサブオンリーだからこその落とし穴で、守りに徹して取らせないという状況に陥ることもあり得ます。

「今回の試合も、そういうことがあると理解して準備してきたので、極める自信はあります」

──HEATという場で試合をすることで、今後もMMAの大会で試合を組んで欲しいという気持ちはありますか。

「ありますね。いつの日か、RIZINでもグラップリングをやらせてくれたらなっていう想いはあります。この試合のあとも、予定は立っていないですし。試合があればあるだけ出たいと思っているのですが、国内では予定が立たないので──9月にパン柔術がフロリダで行われるのですが、そこは視野に入っています。

ずっとギを着ていなかったのですけど、バンの2カ月前──7月からはどっちもやろうと思っています。帰国してから隔離措置が必要だと斎藤(穂高IGLOO)社長に迷惑を掛けてしまうのですが、ここは米国で試合に出たい……と思っています」

──それでもポジティブにやっていこうと心掛けているように見受けられます。

「家族もいるし、くよくよ悩んでいられないですよね。そういうもんじゃないですか。僕はコロナの状況を変えることはできないし、すぐに終わることもない。なら、自分のできることをやるだけですからね。

また柔術界が以前のように戻った時に、しっかりと戦えるようになっておかないと。去年はちょっと現状にショックを受けて、だらけてしまったことがあったんです。あんな風にならないようにします。

何よりコロナになったから、ノーギに取り組み足関節の練習をするようになったというのはあります。自分はZSTグラップリングに出るまではグラップリングを否定していたんです。ヒールが怖くてやりたいくなって。でも、それはヒールを仕掛けられて勝てないことから逃げていたんです。

柔術では勝てるのに、なんで似たことをやって負けないといけないんだって……。グラップリングを受け入れることができない自分がいました。でも試合に出るなら、グラップリングしかないという状況になったので練習をして、好きになることができました。今はグラップリングも柔術と同じぐらい得意と言えます」

──素晴らしいですね。ではこれまで目標にしていなかったADCCも目標になったような感じでしょうか。

「そうですね、出たいですね。モッティと一緒に出たいですね」

──そのADCCも1年開催が延期されましたね。予選もまだどうなるのか。

「それ以前に僕はまだブラジル国籍なので、アジア・オセアニア予選に出ることができないんです。永住権は持っているから、なんかそのあたりの規定が変われば良いのですが……。もう日本に17年も住んでいるし。帰化も考えています。ただし、これから自分が何をしていくのか、まだ確定していない。海外に行くのか、日本にいるのか。日本に住み続けるのであれば帰化することが一番の選択肢です」

──その将来を想い描くなかで、2年も競技者生活がストップに近い状況というのはしんどいですね。

「ありえないです」

──一緒に練習しているMMAの選手は、試合があるわけですしね。

寝技の攻防も迫力満点だった

「それを見ていて、自分もMMAをしたくなることがあります。MMAの人と一緒にいることが多くて、ロータス世田谷とかでも、皆がなんか格好良いですよね。柔術と試合前の準備も違いますし、楽しそうです。MMAをやるなら、まず殴られることの恐怖を取り除かないといけないですけどね」

──そんな日が訪れることを楽しみにしつつ、まずはHEATでのアンディ・コング戦です。最後に意気込みのほどをお願いします。

「必ず極めます。それだけです。試合に向けての練習は最高だったので、自分を持って戦えます。今の一番の心配、髪型をどうするのか……です(笑)」

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JJ Globo Report SUG21 アンディ・ヴェレラ ブログ 石井慧

【SUG21】石井慧、腕十字を極め切れず。アンディ・ヴェレラにOTで敗れ、3度目の正直ならず

<5分1R>
アンディ・ヴェレラ(米国)
Def.OT by escaping time
石井慧(クロアチア)

体格差は明白な両者、大きな石井は立ちレスの攻防が続くと頭を取り合い、ケージに詰めていく。ヴェレラはギロチンへ。背中をつけつつ頭を抜きに掛かった石井に対し、ヴェレラがもう一度ギロチンをセットする。そのまま背中をつけた石井のサイドを取るヴェレラは、頭が抜かれるもマウント狙いから、バックに転じて両足をフックする。

ヴェレラの四の字ロックに、手首を掴んで防御する石井は、アゴの上からのフェイスロックを懸命に防いでいく。残り90秒、石井はバックを取られた状態が続き、腰をずらしてスクランブル、立ち上がることに成功する。

スタンドでキムラを取りにいった石井に対し、引き込んだヴェレラがサイドを取られる。残り10秒の合図を試合終了と勘違いした石井は体を離してしまうが、そのまま延長ラウンドへ。

まずヴェレラがシートベルトを選択する。ワンアームで左腕を喉下にいれるヴェレラ。石井は絞めを防ぐなかで、腰をずらした1分07秒でエスケープした。後攻の石井も、珍しくバックを選択も、自ら足のフックを解いて首を極めに行くが9秒で逃げられた。

OT2R、ヴェレラはここもバックを選び、石井は26秒で防いだ。石井は今回はスパイダーウェブを選択、頭を抜いたヴェレラが21秒で腕も抜き、延長最終回へ。

63秒のリードを持つヴェレラは、当然のようにシートベルトをチョイス。石井は30秒で逃れ、逆転を掛けてスパイダーウェブへ。足をすくい、クラッチを切った石井が右腕を伸ばしたが、ヴェレラが後方回転しエスケープを図る。足の付け根にヒジを置いて伸ばしに掛かった石井だが、ルーズになりヴェレラがエスケープに成功。これで石井はSUG3連敗となった。


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JJ Globo News SUG19 アマンダ・ローウェン イリマレイ・マクファーレン ジェシカ・アイ ブログ メイソン・ファウラー リッキー・シモン リッチー・ブギーマン・マルチネス ロクサン・モダフェリ 石井慧

【SUG21】ロクサンが女子王座に挑戦。UFC✖Bellator対決、石井慧は3大会連続出場&タッグマッチも!!

【写真】UFCの合間にSUG、素晴らしいファイター人生を送るロクサンだ(C)Zuffa/UFC
Zuffa/UFC

28日(日・現地時間)に開催予定のチェール・ソネン率いるSubmission Underground=ケージ使用のノーポイント&サブオンリー大会、21度目のイベントのカードが出揃った。

SUGでは男子アブソリュート級と女子王座を認定しているが、ポートランド州オレゴンで開催されるSUG21ではアブソリュート級チャンピオンのメイソン・ファウラーと、女子王者アマンダ・ローウェンの両者が防衛戦に挑む。


(C)SUG

昨年7月にクレイグ・ジョーンズをOTで破り王座を獲得したファウラーは、ダイレクトリマッチもOTで勝利し初防衛に成功。

すると12月には連戦で石井慧、ライアン・ベイダーを破っている。今回が早くも4度目の王座防衛戦となるが、チャレンジャーは10thPlanetサンディエゴの雄リッチー・ブギーマン・マルチネスだ。

(C)SUG

ブギーマンは昨年、SUGで5試合をこなし4勝1敗。

オースチン・ヴァンダーフォードのOTで敗れた以外は、ジェイク・シールズ、C.Bダラウェイに一本勝ち、ベン・アグリとケヴィン・ケイシーにはOTで勝利している。

ファウラーはOTキングのような本戦では勝負に行かないスタイルを徹底していたが、石井とベイダーというMMAファイターを相手にすると一転、攻め=積極的なサブミッション狙いの戦いをし、スコアリングと一本のどちらでも勝てる実力&試合巧者ぶりを見せている。

そのファウラーがブギーマンのエディ・ブラボー流柔術に対して、どのような姿勢で臨むのか興味深い。またファウラーはこの試合から僅か5日後にテキサスで開かれるThird Coast Grapplingでインヴァーテッドもスクランブルも強いウィリアム・タケットとのマッチアップも決まっている。

(C)SUG

一方、SUG19でUFCファイターのフェリシア・スペンサーに腕十字を極めてチャンピオンになったローウェンの初防衛戦の相手は、ハッピーウォリアーことロクサン・モダフェリに決まった。

UFCで確固たる地位を築いているロクサンだが、日本でも慧舟會流の寝技と柔術を身につけ、根幹には組みがあるMMAファイターだ。

MMAではアマしか経験していないローウェンだが、柔術家としての評価は当然ロクサンより高い。そんなローウェンは引き込み上等の選手だけに、パンチ有りで下にならないMMAのグラップリング能力を高めてきたロクサンが、逆に引き込むという展開も見てみたいものだ。

そのロクサンは、昨年10月にもHunter Proでグラップリング戦を戦っており、積極的に試合をこなしてきた。1月にヴィヴィアニ・アロージョに敗れ、5月にはタイラ・サントス戦が決まっているなかでのロクサンのタイトル挑戦は、チェール・ソネンのプロモート力を発揮したカードといえる。

そんなソネンの影響力の高さという点においては、グラップリングながらUFC✖Bellatorというマッチアップが実現し、UFC Fight Passで配信されることほど如実に表していることはないだろう。

それがジェシカ・アイ✖イリマレイ・マクファーレンのマッチアップだ。UFCでは連敗中とはいえフライ級のタイトルコンテンダーだったアイと、12月に王座陥落した元ベラトール女子フライ級王者マクファーレンの一戦は、夢の顔合わせといっても過言でない。

アイはSUGでは4年前にミーシャ・テイト、昨年6月にはローウェンに敗れており、MMA柔術の強さは定評があるが、今回の試合は劣性が予想される。というのも最近こそ打撃とトップを取るMMAを展開してきたマクファーレンだが、その実ブギーマンの愛弟子で10thPlanetムーブを理解し抜いているグラップラーだ。

(C)BELLATOR

さらにいえば掌底有りのコンバット柔術で果敢にハーフガードからの攻めや足関節を仕掛け、最後はOTで勝利し初代女子フライ級王者に輝いている。

腕十字から見事な三角絞めのスイッチなど、打撃のないなかでマクファーレンがどのような柔術を見せることができるのか、非常に興味深い。

(C)SUG

また今回も石井慧の出場が決まっており、石井はSUGに3大会連続で戦うこととなった。

これまでファウラーとクレイグ・ジョーンズに敗れているが、SUGのアンダーカードで戦績を積んできたアンディ・ヴェレラを相手に初白星を挙げることができるか注目だ。

(C)Zuffa/UFC

さらにSUG7と11で実現したことがあったタッグマッチ・グラップリングが復活。

UFCファイターのリッキーと兄ジョン・シモンが組み、ウィリー・オードフリー&マイク・カーリアーと戦うことも決まっている。

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HEAT48 J-CAGE News シャイデン・レイアロハ ブログ 春日井たけし 石井慧

【HEAT48】名古屋で1年9カ月振りのHEAT開催。春日井がハワイの猛者と防衛戦、石井慧も出場

【写真】一昨年7月に手にしたHEATバンタム級の王座初防衛に挑むことが決まった春日井たけし。昨年10月のパンクラス以来の試合となる(C)MMAPLANET

8日(月)、HEATより4月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場でHEAT48が開催されることが発表された。

新型コロナウィルス感染拡大前の昨年1月にニューピアホールでリング大会、9月は東京タワー下のスターライスタワーでケージ大会を開いたHEATが、お膝元の名古屋で2019年7月以来、実に1年9カ月振りの大会を開く。


HEATらしくMMAとキックの混合大会となり、現状ではHEATバンタム級チャンピオンの春日井たけしが、王座防衛戦でハワイのグレイシー・テクニックスからシャイデン・レイアロハの挑戦を受ける一戦が決定。さらにMMAで石井慧、キックでは鈴木万李弥の出場が確定している。

レイアロハは1994年3月生まれ、キャリア7勝2敗のファイターだ。地元ハワイのX-1、Bellatorホノルル大会、そして2017年にはコンテンダーシリーズにも出場している。日本人では修斗の関口祐冬との対戦経験があり、判定勝ちを収めている。

マックス・ホロウェイのチームメイトは、グレイシー・テクニックス所属らしく、下になってもしっかりとスイープでトップを取り返し、パスからポジション奪取、スクランブルでバックを制してフィニッシュという柔術的な動きを習得している。

加えてハワイアン・ファイター特有の気の強さと打撃の威力もあり、長身&リーチの長さを考えると春日井にとってはタフな初防衛戦の相手となることが予想される。

石井も国際戦が予定されているが、HEATが強い韓国ルートからの来日も含め、この辺りはコロナ禍のビザ取得および、隔離措置など1カ月以上先の状況は読めないのが現状だ。名古屋でHEATが通常規模の大会を限定有観客によって開くのは、地域格闘技によって嬉しい限りだが、二の矢、三の矢まで準備する必要があるかもしれない。

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Interview JJ Globo Special SUG19 ブログ メイソン・ファウラー 石井慧 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:12月─その参─メイソン・ファウラー✖石井慧「試し割り」

【写真】石井慧のSUG挑戦第一弾はOTでメイソン・ファウラーに敗れ、ベルト奪取とはならなかった (C)SUG

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2020年12月の一番、第三弾は20日に行われたSUG19からメイソン・ファウラー✖石井慧について語らおう。


──青木真也が選ぶ2020年12月の一番、3試合目をお願いします。

「SUGの石井慧選手とメイソン・ファウラーの試合ですね」

──SUG20の石井選手✖クレイグ・ジョーンズではなくて。

「ハイ、まぁクレイグ・ジョーンズとの試合はそうなるよなってことですし。SUGといえば5分でオーバータイム。ならメイソン・ファウラーの方かと。

石井選手とファウラーだったら、絶対に5分で決着しないですよね」

──ただ本戦5分で、ファウラーが戦っていたのが驚きました。これまで寝技に付き合わないでいた彼が積極的に動いて。石井選手のパス狙いをオモプラッタで切り返して攻めたりして。

「アイツ、これまでは攻めていないですよね。なんか異種格闘技っぽくて良かったです。今回の試合は。ただ練習を見ていてもイゴール(タナベ)とかだったら、石井選手を攻めることができるけど、俺たちだったら無理ですからね」

──体格差はあるとしても、ファウラーも力があるのだと……。

「だから逆に日本人で100キロを超えていると、練習するのも大変だと思いました。そしてあれだけ体躯が合って、組み技の心得があるとクレイグ・ジョーンズぐらいでないと取れないわけですよね。

それが発見でしたね。あと、何と言ってもファウラーはSUGルールに強い。その証拠にSUGではオーバータイムで2度クレイグ・ジョーンズに勝っているけど、ADCCでは逆にギロチンで一本負けしていますしね」

──それでもADCC北米トライアルで優勝し、世界大会でも1回戦は勝っています。

「そういう選手でも5分では、石井選手を取ることができない。そしてオーバータイムに強い。ちょっとね、不思議ですね。で、究極をいえばSUGに勝つには汗っかきが良い(笑)」

──アハハハハ。ファウラーが滑るという情報も伝わってきました。

「まぁ汗もあると思います」

──いずれにせよ、オーバータイムになって最初からシートベルトでなくスパイダーウェブを選択する石選手は、非常に珍しいタイプだと思いました。

「僕ならバックですね」

──そうだと思います。結果的にスパイダーウェブを選択し3回連続で同じように逃げられました。やはり、そういうモノなのでしょうか。

「う~ん、そこはちょっと分からないです。でも十字は取るのも逃げるのも難しいと思います。だって僕らは普段、ああいう風にならないことを重視して練習しているわけじゃないですか。あんな形になったら、もうその試合でどれだけ追い込まれているんだってことですから」

──確かにその通りです。

「あそこまで取られるのは、弱いってことですからね。バックとは違って」

──オーバータイムのセオリーではバックで絞めを極められた選手が、逆転を賭けてスパイダーウェブを選択するという風です。

「一発逆転を賭けて。でも石井選手は最初から一発逆転を選んでいた。あの逃げ方ができるのもファウラーがSUGの専門家だからです。逆に僕らはあのルールで勝つことを一番とすることはないじゃないですか(笑)」

──ハイ、そうだと思います(笑)。

「結局、SUGにしてもEBIにしても、コンバット柔術もそうですね。時間切れだからって、なんであんな決着方法なんだろう。釈然としないです」

──言ってみればパターゴルフですよね(笑)。

「ホントに。試し割ですよね。そこまでのプロセスはどこに行ったんだって(笑)。スッ飛ばして、あれで負けたとしても、負けた気がするんでしょうかね。

今回、それと気づいたことがあって──クレイグ・ジョーンズはEBIでは勝っているけど、ADCCは準優勝なんですよね。ゲイリー・トノンもADCCでは勝っていない。かといってIBJJFの道着でも勝っていない。つまりADCCやIBJJFのタイトルとは関係ないところで、ステータスを確立してやっていける世界があるということなんですよね」

──う~ん、ただしADCCで柔術界の強豪を倒したり、追い込んで名前を挙げたというのはあると思います。

「なるほど。で、そういう選手がPolarisとかEBI、SUGでも活躍して、セミナーや指導で食っていける。ネットの指導とかで。だから確立しているんですよね、そういう世界が。やはりそこは凄いと思います」

──私がSUG19で思ったのは、MMAファイターがMMAファイターとグラップリングで戦うと溌剌と攻めるということだったんです。

「ドスアンジョスとセラーニですね。まぁ、海賊ビデオですよ(笑)、スパーリングを流す。試合では蹴りを出さない選手が実はムエタイの練習をしていたり、テイクダウン&コントロールの選手が足関節を使っている。そういう海賊版ですよね。

北岡悟がQuintetのことを練習試合って言ったんです。グラップリングのことを。それと同じですよね。で、そこでビジネスも成り立っている。名前があるから可能なんでしょうけど、誰も損していないですからね。選手もファンも楽しめて。まぁドスアンジョスもセラーニもあれだけ組みができるから、思い切り打撃で思い切り攻めることができるんですよね。

ドスアンジョスは打・倒・極、全てを鍛えている。トライアスロンMMAファイターですよ。だからこそ、ファイターのなかで評価が高いと思います」

──では石井選手については、どのように思われていますか。

「石井慧のゴーイング・マイウェイ振りも素晴らしいです。一周回って、何でも見えている。ファイターとしての選択は他にもあるんじゃないかと思うことはありますけど、そこも含めてゴーイング・マイウェイです。

試合展開と同じで、もっとズル賢さがあっても良いのに常に真っ向勝負しています。ちょっと他にいないと思います」

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JJ Globo Report SUG20 クレイグ・ジョーンズ ブログ 石井慧

【SUG20】背中を取り続けられた石井慧、クレイグ・ジョーンズのRNCに下る

<5分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def.2分08秒by RNC
石井慧(クロアチア)

10日前のSUG19でメイソン・ファウラーに敗れた石井が、同大会でブレント・プリマスを破ったクレイグ・ジョーンズと対戦。座ったジョーンズに、パスを仕掛けた石井だが頭が下がり即バックを取られてしまう。4の字フック&シートベルトか、アゴごとRNCに入るジョーンズだが、石井がクラッチを剥がしにいく。

RNCクラッチ、パームトゥパームとクラッチを変えるジョーンズに対し、石井は手首を掴んで強固に守る。ジョーンズはマウントに移行し、腕十字狙いと見せかけて再びバックマウントへ。上を向けない石井は、片ヒザをついた亀で首を守る。背中をマットにつけたジョーンズの右腕がアゴの下に通り、石井は咳き込んでタップした。


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【SUG19】OT3Rで要したエスケープタイムは計07秒。メイソン・ファウラーが石井慧を下し、王座防衛

<SUGアブソリュート別級選手権試合/5分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
Def.OT3R0分11秒by 腕十字
石井慧(クロアチア)

予想通り座ったファウラーがハーフガードを取る。頭を押し付けて背中をつけさせたい石井に対し、ファウラーはクローズドガードからラバーに。オモプラッタに移行したファウラー、石井は足首を掴んで防御していくがキムラにスイッチされる。

完全に寝技勝負に出てきたファウラーだが、石井はパスガードでコレを防ぐ。すぐにラバーを取り直したファウラーが再びオモプラッタを狙うが、石井は足を組ませずパスの圧力を強める。ケージに詰まったファウラーはラバーガード、ハイガードから三角絞めへ。腰を持ち上げて潰した石井、立ち上がったファウラーに小内刈りを決めたところで5分が終わった。

OT1R、石井はスパイダーウェブを選ぶ。ファウラーはなんと3秒でエスケープして後攻めのシートベルトに。右腕を掴んで絞めを防ぐ石井だが、ポジションを変えることはできない。さらに右腕で石井の左方を掴んで絞めも続けるファウラーが2分間ポジションをキープし続けた。

OT2R、石井はここもスパイダーウェブ──も、ファウラーは2秒で逃れる。5秒で2度、十字を逃げられた石井は、後攻ファウラーのシートベルトに対し、亀から仰向けに。一度は足が開くと胸を合わせに行った石井に対し、ファウラーが腕十字に移行する。すぐに腕を抜いた石井だったが、ここもエスケープまで1分40秒を要した。

とにかく一本が必要な石井にとって最後のOT、ここもファウラーは2秒でエスケープし石井敗退は極まり──最後はスパイダーウェブを選択したファウラーが11秒でタップを奪った。結果的にOTキングは本戦での強さ、そしてOTでのさらなる強さを見せつけ石井に完勝といって良い勝ち方で王座防衛に成功した。


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【SUG19】ファウラーの持つ無差別級王座奪取へ、石井慧「5分で決めたい」&「バック防御は百発百中」

【写真】J-MMA、J-Grapplingに石井慧が馴染んでいるのは嬉しい限りだ (C)MMAPLANET

20日(日・現地時間)にチェール・ソネン率いるノーポイント&サブオンリーinケージ大会=SUG19が開催される。

ドナルド・セラーニ✖ハファエル・ドスアンジョス、ライアン・ベイダー✖アンソニー・ジョンソンなど豪華カードが揃った今大会のメインで石井慧がメイソン・ファウラーの持つSUGアブソリュート級王座に挑戦する。

この試合を前に日本に滞在し、グラップリングのトレーニングを行っていた石井をIGLOOでの練習後にインタビューした。


──SUG19出場前に日本に滞在している石井選手ですが、この時期になぜ日本へ。

「一つは格闘技と違う仕事が日本にあったことと、またヨーロッパ全域がロックダウン状態になったからですね。クロコップ・ジムはプライベートジムなのでジムの人間同士は練習できるのですが、他の柔術ジムの選手が来ることができないので、なら日本に早めに入って練習をしようと」

──日本で練習するのはいつ以来でしょうか。

「結構やっていなかったですね。でも以前と違って、IGLOOやGENスポーツアカデミーという良い空気のなかで練習ができています。

MMAと柔術ではパスガードも違っていて。IGLOOでしっかりと教えてもらいました。MMAだと立たせないようにタイトに行きますが、座ってくる相手にはスペースがありますし。その辺りのことを教えてもらっています。パスガードのバリエーションは増えましたね。

アームバーもイチから見つめなおしました。足関節のディフェンスもしっかりと教えてもらっていますし。GENでも山田(崇太郎)さんや岡見さんにグラップリングとケージレスリングを教わってきました。

高阪さんとも練習させてもらったのですが、日本では細かいディティールを教えてもらえますね。外国人に尋ねても、その細かいことがなくてもいけるので、僕がソコを知りたいということが理解してもらえなくて」

──また日本に拠点を置きたくなりませんか。

「いえ(苦笑)。クロアチアの方が日常生活が楽で。日本はやっぱり皆が忙しそうです。クロアチアでは練習以外はゆったりできていますからね。

ただ日本での仕事も継続的に続きますし、来日するとしっかりと練習できる環境ができたかと思います」

──SUGに出るのはいつ頃に決まったのですか。

「9月にドイツのEMCで試合をする前からですね。もともとチーム・クエストのマネージャーだった人間から連絡を貰って。SUGはそれまでに見ていたので、出ようと思いました」

──メイソン・ファウラーは本戦は時間を稼ぐのみ、オーバータイムで勝つことに集中しているような選手という印象があります。

「その通りですね。ヴィニー・マガリャエスとは本戦で1度もグラウンドへ行かず、疲れないように延長での勝ちを狙っていました。その前のクレイグ・ジョーンズの時も、本戦で勝負を賭けるということはなかったですよね」

──そこがSUGを見ていて、痛感するところです。本戦の5分は何なんだと。

「僕はMMAファイターなので、5分間ガンガンに攻めようと思います。ただし逃げようとしている相手に5分というのは短いですね。だから毎日のようにオーバータイムの練習をやっています。

イゴール(タナベ)や岩本(健汰)さんと作戦を練りながらやっています。シートベルトは一つ、良い逃げ方を岩本さんに授けてもらって。これは100発100中です」

──おぉ。それは楽しみです。対して、石井選手が攻めの時はシートベルトかスパイダーウェブ、どちらを?

「アームバーです。バックは下手くそなので(笑)堅くいこうと思います。ただ、その前の5分で勝負を決めたいですね。本来はテイクダウンを狙いたいですけど、ファウラーは座ってくるでしょね」

──体重を浴びせた投げが見たかったです。

「スタンドはやってこないと思うんです。だから座ったところをパスで圧力を掛けようかと練習しています。組まずに座れるルールなので。パスでサイドから抑えて、最初の5分でどうにかしたいですね。

5分は逃げてオーバータイムに賭けてくる人間だからこそ、僕は動きのある面白い試合にしたいです。その結果、相手を削ることができると思いますし」

──今回のSUGは高名なMMAファイターが多く出場します。

「凄いですよね。モチベーションが上がります。カウボーイやクレイグ・ジョーンズまで出てきます。ただコロナの影響で大会が急になくなったり、今は開催地のポートランドは隔離措置を行っていないですけど、急に自主でもなく強制になることもあり得るので、そこは怖いですね」

──この大会に出ることで、2021年の活動を見据えている部分はありますか。

「いえ、良い大会なのでここに一点集中しています。この試合はこの試合ですし、来年もMMAを中心に戦っていくつもりです」

──今年はHEATとEMCに出て、後者では不可解な判定負けを喫しました。来年はどこを舞台に戦っていく予定ですか。

「あの判定はプロモーターもいっちょ噛んでいたんじゃないかと思って、距離を取っています。来年に関しては、まずはHEATで戦おうと思っています」

──そういえばHEATの9月大会は当初の予定ではリングで行うと聞いていたのでカバーできなかったのですが、結局はケージで行われていたことを知って驚きました。

「そうなんですよね。僕もリングだと聞いていました。で、写真を見たらケージだったんです(笑)。だから、次はケージだと思います。日本は自主隔離があるんで、2週間前に来日すると思います」

──自主隔離といえば石井選手は陽性になったことを公表していましたね。

「ハイ。熱は出なくて、悪寒が3日ほど味覚障害が1週間ぐらいありました」

──味覚障害ですか……。日本の格闘技界は現状、名前の公表などはありません。ここIGLOOはジムで感染したことを発表していましたが。

「まぁ日本だからしょうがないですね。吊し上げを食らいますからね。犯人捜しみたいになりますからね。それに、子供がいじめられたりするみたいですし。まぁ公表するのもしないのも個人の自由で良いかと思います。

僕の場合はジムの皆が罹患していたので。医者からはまた感染する可能性もあるけど、6カ月ほどはないだろうと言われています。ただ疾患がある人やお年寄りのこともありますからね。一応は日本に来る時には、PCR検査も受けて陰性でした」

──そのなかで9月にMMA、12月にグラップリングの試合があったということですね。

「充実していると思います。毎日、2部練習ができているので」

──まずHEATで戦うということですが、その後の予定としては?

「ACAから話を貰っているので、ロシアで戦うことになるかと思います」

──石井選手、修羅の道を行っていますね……。

「なんか好きなんですよね(笑)。ACAのヘビー級でやっていきたいと思います」

──その前にSUGでのベルト奪取、期待しています。

「凄く良い機会なので5分間、動きのある面白い試合をして一本を取ろうと思います。UFCファイトパスで応援してください」

■SUG19視聴方法(予定)
12月21日(月・日本時間)
午前8時00分~UFC Fight Pass

■SUG19対戦カード

<SUGアブソリュート別級選手権試合/5分1R>
[王者]メイソン・ファウラー(米国)
[挑戦者]石井慧(クロアチア)

<SUG女子王座決定戦/5分1R>
アマンダ・ローウェン(米国)
フェリシア・スペンサー(カナダ)

<5分1R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
ドナルド・セラーニ(米国)

<5分1R>
ブレント・プリマス(米国)
クレイグ・ジョーンズ(豪州)

<5分1R>
ライアン・ベイダー(米国)
アンソニー・ジョンソン(米国)

<5分1R>
ガブリエル・チェコ(ブラジル)
ケビン・ケイシー(米国)

<5分1R>
クリス・レンシオーニ(米国)
アンドリュー・アレキサンダー(米国)

<5分1R>
フィリップ・シュワルツ(米国)
アレックス・ラーミー(米国)

<5分1R>
ガブリエル・チェコ(ブラジル)
ケビン・ケイシー(米国)

<5分1R>
チャールズ・グリピン(米国)
ポール・カウフマン(米国)

<5分1R>
デヴィッド・ガルモ(米国)
デニー・プロコポス(米国)

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