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【Shooto2023#04】22歳差対決=田上こゆる✖ザ・タイガー石井。10年振りに加マーク納がプロ修斗参戦

【写真】なんだか、おとぎ話のようなマッチアップだ (C)MMAPLANET & SHOJIRO KAMEIKE

5月31日(水)、半期に一度のプロ修斗大阪大会の開催とカード発表がSustainよりあった。18日(日)に大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04は、キックの8人トーナメントが、従来の大阪大会と同じく組まれている。

修斗公式戦で目を引くのは、4月の沖縄大会で12年振りの修斗出場でストロー級ランカーの旭那拳を破ったザ・タイガー石井の参戦。対戦相手は──負けられないだけでなく、MMAとしての成長を見せ続ける必要がある田上こゆるだ。


1979年7月生まれ、43歳の石井が初めて修斗のリングに上がったのは2003年5月のこと。田上が1歳4カ月の時に、石井はキックからMMAに転向を果たした。年の差実に22歳というマッチアップは、田上にとって対戦相手がひたすら組んでテイクダウン&コントロールを狙ってこない初めての試合になるかもしれない。

田上にとっては、昨年の夏のミルウォーキー、ルーファスポート修行で感じた組み技の成長を確信に変える試合が組まれたといっても過ではない。とはいっても、石井はムエタイをMMAに落とし込んだ、組み技を持つ。仮に田上がMMAに拘り過ぎれば、打撃と組みが一体化した石井の一発にヒジやヒザの餌食、さらに崩しを食らうことも十分にあり得る。

田上がMMAをするには、打の圧で石井を上回ること。そうすれば田上のMMAは回り始める。今後、組み力のアップデートが必要な田上だが、それは彼の持つ打撃の強さを生かすため。

正直、修斗関係者は誰も石井が旭那を破るとは思っていなかったはず。それ故に広がるザ・タイガー石井幻想。MMAで勝つために打撃の圧が絶対に必要な田上と、そんな若さをザ・タイガーが老獪さでいなすことができるのか。興味深い交わりといえよう。

ザ・タイガーのプロ修斗カムバックロードの裏で、34歳=加マーク納の修斗10年振りの参戦もコア層には気になるところだ。

加マーク納は2013年にその後の修斗世界王者、そして今は京葉間で事業家としての成功を目指す岡田遼とプロデビュー戦を戦い、RNCで一本負け。以来、Wardog、GRANDSLAM、HEAT、GLADIATOR、パンクラス、DEEP、ZST、さらにGrachanでキャリアを積んできた。

グラジとZSTではフライ級王座に絡んだが、ベルト奪取ならず。現時点で直近の試合となったグラチャンでは王座決定T及びフライ級タイトル戦線に当然のように顔を出すと思われていたが、継続参戦はなかった。

前回の長野将大戦では跳びヒザKOというキャリアハイの勝ち方をしており、井口翔太と続けて「しょうた」を相対する加マーク納──流れ流れて原点回帰にも注目したい。

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【The Okinawa Shooto08】ザ・タイガー石井、旭那拳から3度ダウンを奪い──12年振りの修斗で激勝

<54キロ契約/5分3R>
ザ・タイガー石井(日本)
Def.2-0:30-27.29-27.28-28
旭那拳(日本)

前蹴りを顔に入れた石井が、直後に右でダウンを奪う。直ぐに立ち上がった旭那は左から右を打ち、スイッチを織り交ぜる。クリンチから離れ、ローを蹴り合った両者。左を伸ばした旭那に対し、石井が組む。残り3分で間合いを取り直すと、石井が右ロー。パンチを出すと組むという展開のなかで、打撃の間合いになって旭那が左を当てる。石井は右を返し、クリンチへ。右を打った旭那は離れて、ショートのコンビを打っていった。

石井は右ローを連続し、左ハイへ。ブロックした旭那が右から左、首相撲でヒザを顔に突き上げる。ボディロックで押し込んだ石井もヒザを見せ、初回が終わった。

2R、右前蹴りを入れた旭那に対し、石井が右ロー。すぐにクリンチの展開となり、石井がケージに押し込む。ヒザを入れて離れた旭那は蹴りを掴んでパンチも、石井も近い距離での打撃戦に応じる。間合いを取り直した旭那に右ローを蹴る石井は、ヒザを受けながらテイクダウンを決めると、立ち上がった旭那に右を当ててダウンを取る。

ここもすぐに立った旭那だが、いきなりの奥手のパンチが石井の距離になってしまい、またも右を被弾して腰から崩れる。パウンドでなくアームロック狙いの石井は、ここでリバーサルを許しバックを許す。頭を抱える石井に対し、旭那は袈裟固めに捕えられると足をフックして頭を抜く。バックグラブで襷も旭那は、石井の後方へのパンチに苦しそうな表情を浮かべる。上を選択し、マウントを取った旭那が右の鉄槌を落として挽回もポイント的には追い込まれた。

最終回、旭那はインローからワンツー、組んでケージへ押し込む。石井は体を入れ替えて離れ、左フックにクリンチして崩す。蹴りを踏み止まった石井は、立ち上がった旭那をクリンチに捕えてケージに押し込む。回って離れた旭那が右を当て首相撲へ。石井はダブルレッグから、自ら後方に倒れ込み上を取りに行く。

すぐにスタンドに戻った両者、旭那が右をヒットさせる。残り2分を切り、ケージに押し込まれた石が頭を抱えてヒザを見せる。間合いを取り直しパンチを纏める旭那がヒザ蹴りを決める。下がった石井に続けてヒザを入れるが、石井はダブルを仕掛ける。疲れた石井が、絶妙のクリンチワークで時間の経過を待つ。

首を取って崩し、左エルボーを入れた石井はタイムアップと同時に両手を大きく広げガッツポーズを続けた。結果、28-28をつけたジャッジもいたが2-0で石井が勝利。

「ザ・タイガー石井、12年振りに修斗に帰って来たぜ。先月もタイルマッチ5分5Rをやって、ベルトを獲られてしまって。ホントはベルトを持って来たかったんだけど。今日は先月の5分5Rのダメージもあってきつい中、旭那選手、2位の強い選手に勝ててね。良かったです。僕はどこの団体も来るものは拒みません。また機会あれば修斗、沖縄に来たいので。また呼んでくれたら、嬉しいです。沖縄の人、アウェイだからヒール的な扱いかと思ったら意外と温かくて嬉しかったです。ザ・タイガー石井、忘れないでください」とマイクで話した。


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【The Shooto Okinawa#08】旭那拳戦へ、ザ・タイガー石井─02─「僕にとって修斗は生まれ故郷です」

【写真】5分5Rの激闘から1カ月と3日というインターバルでの試合。「修斗だから」の言葉は泣かされる(C)PFC

16日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA#08のメインで、旭那拳と対戦するザ・タイガー石井のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ザ・タイガー石井のMMA20年目は、アウェイでの戦いで幕を開けた。3月に北海道PFC、そして今回は沖縄で地元のホープ旭那と対戦する。試合間隔は1カ月——今年44歳になる石井にとっては、厳しい試合間隔かもしれない。それでも石井がオファーを受けたのは、それが修斗だからだ。12年ぶりのホーム、ベテランのいぶし銀ファイトやいかに。

<ザ・タイガー石井インタビューPart.01はコチラから>


――就職して仕事の割合のほうが高くなったのは、いつ頃のことですか。

「30歳ぐらいです。それこそプロの選手でなくても、柔術とかを趣味で続けられたらいいかなとも考えていたんですよ。でも趣味で柔術をやっている人たちの練習レベルが凄くて。皆さんが当たり前のように、昼はバリバリ仕事をして夜はガチガチに柔術を練習して――そういう人たちの偉大さを知りました。たぶん僕も本当の意味で、格闘技を辞めようと思うことってないんじゃないですかね。プロでなくても趣味や指導としてやったりとか」

――石井選手は2014年からファイティング・ネクサスに参戦し、その後はレギュラー出場して「ネクサスフライ級のエース」という扱いでした。当時、石井選手の中でも意識の面で変化は起こりましたか。

「当時はパンクラスの試合で首を負傷してしまって、それこそ引退も考えないといけない状態でした。それでもネクサスの山田峻平代表からオファーを頂いて、1試合はできるかなと思って出たんです。この試合で最後かな……と思いつつ。もうメチャクチャ首が痛くて(苦笑)。それがネクサスの1回目の大会で、その後も出させていただくことになりました。でも僕も34か35歳ぐらいだったし、もう若い選手がどんどん出てきていたので、『若い選手たちを前に出してください』と山田代表に伝えたんです。『僕は前座で渋い試合しますから』って。昭和の新日本プロレスでいえば、木戸修みたいなポジションですね」

――……それがどのようなポジションなのか分かりませんが、とにかく「いぶし銀」ファイトで大会の中盤を盛り上げると。今も同じスタンスでMMAを戦っているのですか。

「アハハハ、そうです。目指すのは木戸修か藤原喜朗ですね」

――そうなると、若手の相手に選ばれるベテランというポジションにはなってしまいます。

「それは仕方ないですよ。僕よりベテランって、もう少ないですからね。近い階級だと大石真丈さんぐらいじゃないですか。それと金内サイダー雄哉さんですね。サイダーさんは僕の2歳上で、あの人がやっている間は自分もやれるなと思っていますよ(笑)」

――もう一つ、リングネームがタイガー石井からザ・タイガー石井に変わったのは……。

「2019年4月にネクサスのフライ級トーナメントがあって、駒杵嵩大選手と対戦した時に『負けたら引退する』という流れになったんですよ。結果はスプリットで負けてしまったんですけど、その年の7月に青森のGFGに、ザ・タイガー石井の名前で出場して。『タイガー石井は引退しました。ザ・タイガー石井は別人です』と(笑)」

――アハハハ。

「それでも別に何も言われなくて。次にネクサスに出る時、山田代表に『表記もザ・タイガー石井にしてほしい』とお願いしたのに、ネクサスでは頑なにタイガー石井のままでした。何か難しい面があったらしいんですけどね。ともかく、次はスーパータイガー石井で、10年後にはタイガーキング石井でやっていると思います(笑)」

――試合の話に移ります(笑)。現在の石井選手のスタンスは、ベテランとして若手を食って上に行こうとするのか。あるいは違うスタンスなのか。前回のPFCはベルトが懸かっていました。次の修斗沖縄大会では――PFCと同様アウェイですが、ノンタイトル戦で修斗世界ストロー級2位の旭那拳選手と対戦します。

「今回は話が別で、修斗だからです。修斗に戻る。それが自分の中のテーマです。たまに修斗の試合を見ながら、『最後にこの舞台で戻るのも良いかなぁ……』と考えたりはしていました。でも『良いかなぁ』ぐらいの感覚で、まさか本当にオファーがあるとは思いませんでした。しかも自分が他のところに出始めたあとに生まれた沖縄大会で。不思議な感覚ですね」

――石井選手が最後に修斗で戦ったのは2011年4月、もう12年前になります。

「東日本大震災の直後の試合ですね。あれ以降、自分がまた修斗で試合をすることなんて考えていなかったし、オファーが来た時は衝撃でした。信じられないというか。これはプロモーター側には関係ないけど――なぜPFCの1カ月後なのか(苦笑)。もっと期間が空いていればダメージを抜くこともできたのに……と思いながら、こういうのはタイミングですからね。

1カ月後でダメージも心配だからと断っていたら、もう修斗で試合をするチャンスは巡ってこなかったかもしれない。僕にとって修斗は生まれ故郷です。修斗だから出ようと考えました」

――沖縄で試合をするのは今回が初めてですか。

「試合どころか、今まで沖縄に行ったことがないですね。でもこの顔立ちだからか、よく沖縄出身だという前提で話かけられることがあって。『僕は沖縄の××出身で、石井さんはどこですか?』と、沖縄県内の出身地を訊かれます。東京出身なんですけど(笑)」

――修斗は生まれ故郷であっても、沖縄は生まれ故郷ではないわけですね(笑)。ともあれ今回、旭那選手に勝てばランキング入りし、ベルトを狙える位置に来るかもしれません。

「今回は契約体重(54キロ契約)なので、ランキングとかは関係ないかもしれないけど……、とにかく頑張りたいです。さすがに修斗のベルトは雲の上の存在ですし、若い選手がたくさんいて、もう自分がどこまで戦えるかは分かりません。

ただ、決められた試合は全力でやりますし、今回は旭那選手に勝つ。それだけです。試合映像を視ると、とても強い相手です。厳しい試合になることは間違いないけど、そのなかでも全力で、自分の良いところを出していきたいですね」

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【The Shooto Okinawa#08】12年振りの修斗公式戦、ザ・タイガー石井─01─「何か燻っているものがある」

【写真】渋い。大人なザ・タイガー(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA#08のメインで、ザ・タイガー石井が旭那拳と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在43歳の石井が修斗でプロデビューしたのが2003年、そのMMAキャリアは20年に及ぶ。リングネームも「タイガー石井」から「ザ・タイガー石井」と変わり、様々な舞台を渡り歩いてきた末に、12年ぶりに修斗参戦を果たす。「MMAを辞めようと考える時もあった」という石井だが、それでもなお戦い続ける理由とは。


――プロ修斗沖縄大会を控えているタイガー石井選手です。修斗でプロデビューしたのが2003年、Zoomの画面越しでも貫禄が伝わってきます。

「アハハハ、今年もう44歳になりますからね。MMAデビューから20年経っていて、その前にキックボクシングで1998年にデビューしているから、もう同世代の選手も少なくなってきています。それでも今までの試合は、一つひとつ覚えているんですよ」

――えっ、デビュー当初の試合も明確に記憶しているのですか。

「デビュー当初だけじゃなく、他の試合も事細かく覚えていますね。いつ何処で誰と対戦して、どんな試合内容だったか。格闘技サイトに僕の戦績が載っているじゃないですか。あれって抜けているのもあるんです。それが分かるぐらい自分自身で覚えています」

――それは凄いです。ただ、それだけ同世代の選手が引退していくなかで、石井選手がMMAを続けている理由は何なのでしょうか。

「続けられるかどうかというのは考えています。前の試合(※3月12日のPFCで、亀松寛都に5R判定負けでベルトを失う)もそうだったんですけど、前はできていたことが今はできなっているというのも多くて」

――それでも亀松戦は5Rフルで動き続けて、敗れましたが大接戦でした。

「前回の試合は頑張りました(笑)。やはりPFCのベルトには思い入れがあったし、大事なものだったので。何より自分が負けると想定していなかったので、心のダメージも大きいです。確かに5Rは長かったんですけど、2Rが終わった時点で『疲れた』とかっていう感覚もなくなっていました。この先どう戦うか、そういうことしか考えていなかったです」

――もともと石井選手はキックボクシングがベースにあり、修斗でプロデビューした当初は打撃主体のスタイルでした。しかし亀松戦では、どちらかといえばテイクダウンとグラウンド勝負の展開が多かったです。石井選手のファイトスタイルは、キャリア20年の中で、どのあたりで変わっていったのでしょうか。

「前回も打撃の展開になると思っていました。だから打撃の練習が中心になっていたのに、なぜか体が動いたのはテイクダウンと寝技の展開だったんですよ。自分でも意外で(苦笑)。試合の中で、『テイクダウンするほうが良いな』と自然に動いたんですね。

相手のほうが初戦(※2020年3月、石井が腕十字で一本勝ち)より強くなっていたのは確かでしたが、やはり負けてベルトを失ってしまったのはショックでした。PFCの試合の前に修斗沖縄大会に出る話は進んでいましたし、北海道のベルトを持って沖縄の大会に参戦するつもりだったので」

――まさに日本MMAの縦断ですね。石井選手の所属は「とらの子レスリングクラブ」となっていますが、現在はどのような練習環境にあるのでしょうか。

「基本的にはフリーランスで、主にトイカツ道場でMMAの練習をさせてもらっています。あとは出稽古に行かせてもらったりとか。所属名は――フリーランスよりは何か名称があるほうが良いと思って。『とら』はタイガーで、いつか子供たちに格闘技を教えられたら良いなと思って、子供に分かりやすいように平仮名にしました。ということで、そこまで所属名に深い意味はないです(笑)」

――石井選手といえば修斗でデビューして以降、ケージフォースやパンクラス、ファイティング・ネクサスからPFCまで、様々な舞台で戦ってきました。もちろん勝つ時もあれば負ける時もあり、起伏の大きい20年間を過ごしてきたと思います。そのMMAキャリアのなかで、何を追い求めて戦ってきたのでしょうか。そして今後も、何を求めて戦っていくのか。

「まぁ、良い時もあれば良くない時もありましたよね。同世代の選手も引退してジムを始めたり。そのなかで自分が選手を続けるのは――辞めるっていう選択肢がなかったですね。もし格闘技を続けられないぐらいの大怪我をしたりしたら、その時は考えます。あるいは試合でコテンパンにされて、『自分はもうここまでなんだ』と考えたら、それは辞める時だと思います。でも、まだ自分の中に何か燻っているものがあるんでしょうね」

――くすぶっているもの……それは何なのでしょうか。

「怒り――かもしれないですね。業界に対しての怒りだったり、自分に対する怒りだったりとか。もう最近はなくなりましたけど、『いつか見返してやる』という気持ちは強かったです。昔はよく『お前なんか、もうダメだよ』とか言われることもありました。そう言われると、自分でも『もうダメなのかな……』と考えたりすることもあって。でも言われるたびに『いつか見返してやる』という気持ちが湧いてききたんです。それが僕の原動力だった時代もありましたね。特に勝てなかった時期は」

――2007年から2009年にかけて、修斗では連敗を経験する時期もありました。

「あぁ、全然勝てなかったですね。当時の修斗は、後のトップ選手が多くて。今の選手って技術的なレベルは、すごく高いと思うんです。でも当時の修斗は、技術的な面だけでは測れない強さがあったというか。あれって何だったんですかね? なかなか口では説明しづらいですけど」

――当時の修斗――特に北沢タウンホールで行われているクラスBの試合には、狭き門を潜り抜けるために、ただただ強くなるためだけに戦っていた熱があったと思います。今は違うとは言いませんが、やはり時代の違いはあるでしょう。

「そう、そうなんですよ。MMAの修行僧みたいな感じで。正直、MMAをやっていて金を稼げるのは一部の選手だけだし、プロスポーツとしては当たり前だと思います。自分も一時期、就職して仕事のほうが割合も高くなったことがありました。でも仕事しながら練習していると、やっぱり難しい。『自分はもっと強くなりたいんだ』と思ったんですよね」

<この項、続く>

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【Gladiator020】フライ級王座を見越した久保健太戦へ、宮城友一─02─「自分はこのままじゃいけないと」

【写真】伊藤裕樹、関口祐冬、安谷屋智弘、NavE、宇田悠斗、駒杵嵩大──勝っても負けても、錚々たるメンバーと宮城は試合を続けてきた。久保の好戦績に向き合った時、そこに自負はあるだろう(C)MMAPLANET

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、久保健太と対戦する宮城友一のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

1年4カ月ぶりのグラジエイター出場で、宮城も対戦する久保もアラフォーだ。お互いの年齢とキャリアを考えれば、ここで負けるとタイトル挑戦への道は厳しくなるだろう。そんな共通点を持つ久保の印象を訊くとともに、宮城にあの言葉の意味を尋ねた。

<宮地友一インタビューPart.01はコチラから>


――宮城選手はかつてグラジエイターでライトフライ級のベルトを巻いていました。現在は修斗のベルトを目指しているとのことですが、もう一度グラジエイターのチャンピオンになりたいという気持ちはありますか。

「もちろん、あります。自分が目標にしているのは、修斗とグラジエイターのベルトです。その2つをモチベーションに、日々練習しています。今回の試合で勝つことで、またグラジエイターのベルトに近づくことができれば良いなぁと思っています」

――対戦相手の久保健太選手はRoad FCでのプロデビュー戦で星を落とし、その後4連勝。2021年には鶴屋怜選手に敗れるも、以降は3連勝しています。3連勝のうち2勝はグラジエイターでのもの――つまり、グラジエイター・フライ級のベルト戦線に関わってくるマッチメイクかと思います。

「僕もそういう意味合いを持っている試合だと感じています。自分としてはNavE選手に負けているので(2021年9月、フライ級タイトルマッチで判定負け)、すぐ再戦させてほしいとは言えません。ただ、今回勝てば再戦に近づくことはできるだろうと考えています」

――では、久保選手の印象を教えてください。

「まず戦績が良いですよね(MMA戦績7勝2敗)。勝つ選手は、絶対に強い。砂辺さんとも『絶対に強い選手だから勝ちに徹する。確実に勝ちに行こう』という話をしました」

――久保選手も強い打撃を持っている一方で、手堅い攻めができる選手ですよね。

「はい、しっかり勝つ選手だなって印象があります。だから反対に、試合の展開についてはいろいろ想像してしまって……。もう試合も近いので、そこは迷わずに、砂辺さんと作戦をしっかり固めています。この作戦を遂行すれば大丈夫だろう、というところまで来ました」

――宮城選手は1983年生まれで現在39歳、久保選手は1982年生まれの40歳です。お互いキャリアは違うものの年齢も近く、久保選手もまた宮城選手と同様、グラジエイターでキャリアが変わった選手ではないでしょうか。

「プロモーターも、そういうところを狙ったマッチメイクなのでしょうね(笑)。このグラジエイターという新しい舞台で、もうひと輝きしたいと思っているのは僕も彼も同じです。ただ、僕は僕で積み重ねて来たものがあるつもりだし、そこは負けてないと自信を持っています。試合内容としては、圧倒して勝ちたいです」

――なるほど。宮城選手にとっては、これからがラストチャンスと考えているのでしょうか。修斗沖縄大会でKO勝ちしたあと、「あと少し、死ぬ気で頑張って上を目指したい」と仰っていました。

「……何て言うんでしょうね。周りの人から『もうそろそろ辞めたほうが良いんじゃないか』と言われることはないです。みんなが応援してくれています。でも自分の中で勝手に、『周りの人たちに迷惑をかけているんだろうなぁ』という気持ちが強くなっているんですよね。ジムもあるし、家族がいて――家族から辞めてほしいと言われることはないですが、それでも考えてしまうことがあって。

ジムで一緒に働いてくれているスタッフさんも『先生、僕たちにジムは任せて試合を頑張ってください』と言ってくれるけれども、そういう言葉に対して自分で勝手にプレッシャーを感じるようになってきました。だから今は毎試合、『あと少しやらせてください』という言葉が出てしまいますね」

――もう一つ気になる発言がありました。「選手として死ぬ気で頑張るということを、長らくやっていなかった気がします」と仰っていましたが、現場で「そんなわけがない」と思いました。ここまでMMAを続けてきた宮城選手が、死ぬ気で頑張っていないはずがない。

「もちろん自分としては、一生懸命やってきたつもりです。でもジムの仕事や人間関係などとのバランスを取りながら、選手生活を続けてきました。それでも強い選手を見ていたり、沖縄で若い選手たちと練習していると――彼らは一つのことに懸けているわけです」

――……。

「若い選手たちは練習でヘトヘトになり、また次の日も……という日々を過ごしています。僕もそういう日々を過ごしたかったけど、ジムもあり家族もいて、同じようなMMAとの向き合い方ができなかった。ジムを立ち上げる前は会社員をやっていて、最初から生活ありきで考えていました。

会社員であったり自分のジムを持っていたら当たり前かもしれないけど、どうしても仕事のほうに心と体が引っ張られてしまうことがあったんです。でも若い選手たちと練習していて、自分はこのままじゃいけないと思いました」

――今、沖縄から若いMMA選手が多く出てきていますね。

「そうですね。昼にパラエストラ沖縄の練習に参加すると、25人ぐらい集まっていますよ。そして、みんな強いです。平良達郎君はもちろん、南風原吉良斗君や旭那拳君たちは本当に一生懸命やっています。砂辺さんのクロスラインからも、当真佳直君が修斗沖縄大会のメインを務めたりとか。僕はあと何年、MMAを続けられるか分かりません。だからこそ――彼らと同じように一生懸命やってみようと思ったんです」

――なるほど。

「実は修斗で関口祐冬選手と対戦した時(2022年3月に判定負け)も思っていて。修斗の入場式で、みんな並んだ時に『この中で自分だけ何かが足りないんじゃないか』って。でも、一生懸命やろうと考えてから、気持ちも吹っ切れました。おかげで、今は試合へのモチベーションは高いです。

練習ではヘトヘトになるし、かといってジムの指導を休んでいいわけではない。それでも毎日が充実していて、自信にもなっているし、自分の中で納得できる取り組み方ができています。これからも1試合1試合、絶対に後悔することがないように」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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MMA MMAPLANET o ONE Shooto The Shooto OKINAWA06 南風原吉良斗 川北晏生 当真佳直 旭那拳 田上こゆる

【The Shooto OKINAWA06】計量終了。田上こゆる「ランカーとしての差を見せつける」

【写真】コンディション調整はうまく行ったと思われる田上。敵地で連敗脱出なるか(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Ookinawa06の前日計量が16日(土)、那覇市内で行われた。

出場選手のうち、工藤圭一郎と南風原吉良斗は1回目の計量で契約体重をオーバーしていたが、再計量でクリア。メインに出場する田上こゆるは、航空便の都合で他選手の計量後に会場へ到着し、しっかりと計量をクリアした。今回の当真佳直戦に向けて「自分はランカー、相手はランカーではないので、その差を見せつける」と意気込みを語った。

■視聴方法(予定)
4月17日(日)
午後3時~ Twit Casting LIVE

■The Shooto OKINAWA06計量結果

<ストロー級/5分3R>
田上こゆる:51.74キロ
当真佳直:52.00キロ

<ストロー級/5分2R>
旭那拳:52.20キロ
竜己:52.06キロ

<女子アトム級/5分2R>
小生由紀:47.18キロ
加藤春菜:47.50キロ

<フェザー級/5分2R>
平澤克明:65.36キロ
工藤圭一郎:65.88キロ→65.76キロ

<バンタム級/5分2R>
南風原吉良斗:61.22キロ→61.18キロ
川北晏生:61.12キロ

<ストロー級/5分2R>
わっしょい内田:52.04キロ
畠山隆称:52.14キロ

<ストロー級/5分2R>
大城匡史:52.04キロ
大城正也:51.98キロ

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【The Shooto OKINAWA06 & TORAO27】沖縄で田上×当真、福岡でソーキ×田村ヒビキなどカード発表

【写真】ソーキとしては、絶対的に意地を見せて関西、首都圏の修斗公式戦に進出を図りたいところだろう(C)MMAPLANET

1日(火)、4月17日(日)に沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto OKINAWA06と、5月15日(日)に福岡市中央区のよしもと福岡大和証券/CONNECT劇場で行われるTORAO27及びTORAO GIG04の対戦カードの一部発表されている。

Theパラエストラ沖縄主催のプロ修斗沖縄大会は恒例の4月、11月というルーティンで開かれ、TNSにとって念願の福岡市内のケージ修斗はGIGと2部制が実施される。


まず沖縄大会ではストロー級の2回戦で旭那拳×竜己、同じくストロー級の3回戦では当真佳直が、田上こゆると戦う一戦、加えてバンタム級の南風原吉良斗×川北晏生、インフィニティリーグ2022女子アトム級=小生由紀×加藤春菜が組まれた。

また闘裸男27では環太平洋ウェルター級選手権試合=王者ソーキ×チャレンジャー田村ヒビキ戦を始め、当日計量のフェザー級契約3回戦で野尻定由×奇天烈、同ミドル級契約の2回戦で加藤正憲×墨吉涼太、そして野瀬翔平、結城大樹、宝珠山桃花の出場もアナウンスされた。

GIG04ではフライ級とライト級の新人王T戦として、それぞれ打威致×KJ Tyler、スモーキー×深見弦汰、当日計量バンタム級契約で若山達也×若宮龍斗が決まっている。

旭那と対戦する竜己は修斗初参戦、昨年2月にTheパラエストラの姉妹ジム=パラエストラ千葉ネットの鶴屋怜のデビュー戦の相手でTKO負けをしており、旭那としては意地でも負けられない一戦だ。

2019年修斗ストロー級新人王の当真は、Road to ONEと地元大阪大会で躓いき、再起を図る田上とのサバイバルが合戦となった。再起といえば、Road to ONEで須藤拓真の足関節に下り11月の地元大会で再起した南風原が、TRIBEの川北晏生と戦う一戦も注目だ。

川北はパンクラスを主戦場してきたが2月にNEXUSで安永有希を下し、39歳の工夫の人に引退を決意させたばかり。2カ月で20違いの選手を相手にする──この試合を含め、他プロモーションから戦場を移す選手が目立ってきている。

そんななか福岡では2019年6月の北九大会での再戦がメインとなった。前回は王座決定戦で戦ったソーキはダイレクトリマッチで田村の挑戦を受ける。田村のために用意されたメインといえる。

さらに中村倫也に瞬殺を喰らった野尻が、同じ福岡勢の野瀬に敗れたTORAOで一本負けを喫している奇天烈とのマッチアップも、紛れもなくサバイバル戦だ。

公式戦が行われてない中部地区からの参戦となるソーキと加藤春菜というナセルドソル勢が、沖縄&福岡勢よりハングリーな状況であることを示す場でもある。地方在住シューターと、ニューカマーの対戦は今の修斗、J-MMAの映す鏡といえる2大会だ。

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MMA MMAPLANET o Shooto The Shooto OKINAWA06 Torao TORAO27 UFC 修斗 安芸柊斗 平良達郎 旭那拳 松根良太 野尻定由 野瀬翔平

【The Shooto OKINAWA06 & TORAO27】This is Shooto。4月に沖縄、5月の福岡大会開催

【写真】沖縄大会と闘裸男が、修斗だ(C)TAKEAKI TOYOSATO & MMAPLANET

沖縄と九州からプロ修斗公式戦開催の方が伝わっている。まず平良達郎のUFCデビューも決まり、追い風の沖縄では4月17日(日)に沖縄市のミュージックタウン音市場で、Theパラエストラ沖縄主催のThe Shooto OKINAWA06が行われ、福岡では5月15日(日)にTorao Nation Stateが福岡市中央区のよしもと福岡大和証券/CONNECT劇場におけるTORAO27の開催を発表している。

沖縄は11月6日のThe Shooto OKINAWA07も明らかになっており、会場もミュージックタウン音市場と安定の本拠地大会となる。一方、闘裸男はよしもと福岡大和証券/CONNECT劇場と初進出を果たしToaro GIG04と二部制がとなる。


闘裸男は2020年11月1日、昨年6月13日と2年連続でアクロス福岡大会がコロナ感染により中止を経験してきた。それでも高松、広島とイベントを継続してきた闘裸男にとって、3度目の正直とばかりに──福岡市内でのケージ使用の修斗公式戦へ向け、コロナ感染状況と睨めっこ状態が続く。

現状、平良が飛びぬけた特別な存在ではあるが、旭那拳、野瀬翔平、野尻定由、宇田悠斗、安芸柊斗ら若い力が沖縄、九州、中国&四国が台頭してきたのはTheパラエストラ沖縄興行と、闘裸男があってこそ。対戦カードの発表を待ちたいところだ。

なお沖縄大会を開く松根良太氏は平良のUFC初陣を2週間後に控えたイベント開催で「重ならなくて良かった」と胸をなでおろしているが、特別にハードが1カ月になることは間違いない。

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MMA Shooto The Shooto Okinawa05 旭那拳

【The Shooto Okinawa05】ギロチンと小手&打撃の旭那がTD&トップの木内に判定勝ち…もブレイクが早い

<ストロー級/5分3R>
旭那拳(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
木内SKINNY ZOMBIE崇雅(日本)

サウスポーの木内が左を振りながら前進し組みつく。ケージに押し込み、ボディロックテイクダウンを狙った木内に対し、旭那が小手を決めて投げテイクダウンに成功する。ハーフから潜る木内にワキを譲らない旭那だが、レッスルアップからダブルに取られる。ここでギロチンをセットし、引き込んだ旭那だが頭を抜いた木内が足関節狙いから、起き上って倒しリバーサルを完成させる。

両足を束ねて、旭那をケージに押し込む木内は頭を胸につけて殴る。旭那も細かい左を打っていくが、背中をつけさせる。旭那がハーフを取り、レフェリーがブレイクを告げて試合はスタンドに。距離を取った木内が左を振って前に出るが、旭那もヒザをヒットさせる。そのまま10秒以上、両者の動きが交錯することなく初回が終わった。

2R、すぐに組んだ木内がダブルレッグを決める。首狙いの旭那はケージを背負うも、両足をコントロールされて立つことができない。ヒザ裏を持ちあげて立たせない木内に対し、旭那は小手を取って立ち上がり、またも投げでテイクダウンを決める。ハーフで右を差した木内が、立ち上がった旭那にシングルを仕掛けるかと思いきや引き込む。

ここから潜ろうとする木内にエルボーを連打した旭那が、潜らせないよう鉄槌をいれる。木内はヒザ十字に入るが、体を起こして捻ろうとしたところで、バックでボディロック&ヒザのフックを続ける。ヒザが外側に圧力を受けていた旭那だが、正対して期せずもZハーフガードを取る。そこを潰し、エビができないよう抑えた木内が、トップのままでラウンドを終えた。

最終回、組みを切りたい旭那が右ジャブを伸ばす。遠いレンジの木内は、真っすぐ飛び込んでダブルレッグで尻もちをつかせ、すぐに足を束ねていく。同じ展開に取られる旭那は立ち上がり、ボディロックにジャンピングギロチンへ。すぐにケージがあり、窮屈な状態で首を絞めることができないでいると、レフェリーがブレイクを命じる。

スタンドではすぐに組みついた木内に対し、旭那がマルセロチンへ。前転するように体重をかける木内は、ケージに詰まった状態で左のパンチをコツコツと入れる。絞めを解いた旭那も不十分な状態でパンチを入れるが、ここもブレイクが掛った。

飛び込んでシングルに出た木内が、ケージまでドライブしてアンクルピック。尻もち状態の旭那はケージを背に座った状態で時間を迎えた。テイクダウンを許した旭那、ギロチンがどのように判断されるか──結果はフルマークで旭那に。2R以降、木内のテイクダウンという能動的な攻撃と、半受動的なギロチン&下からの打撃が上回ったという形か。

とはいえ裁定云々でなく、気になったのはブレイクの早さだ。この試合以外でもハーフ&トップでもブレイクがあり、この試合も上下はハッキリしている状態でもブレイクが見られた。この早いブレイクは選手の局面を創る力を奪いかねない──再考を検討してほしい。


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The Shooto Okinawa05 ブログ 旭那拳 木内“SKINNY ZONBIE”崇雅

【The Shooto Okinawa05】旭那拳戦へ。木内SKINNY ZOMBIE崇雅─02─「WKイズムで戦います」

【写真】宇野薫、佐々木ULKA──ある意味WKスペシャル裸絞めで当真佳直に勝利した昨年11月以来の試合であることが、アドバンテージだと木内はいう (C)TAKEAKI TOYOSATO

14日(日)、沖縄県沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA05で、旭那拳との再戦に臨む木内SKINNY ZOMBIE崇雅のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

6日に暫定王者が誕生した修斗ストロー級において、木内×旭那の勝者は今後タイトル戦に絡んでくることになるだろう。アウェイで再戦、そしてタイトル戦線を占う試合に、木内はいかに挑むのか。沖縄の地で蘇る、WKイズム──。

<木内SKINNY ZOMBIE崇雅インタビューPart.01はコチラから>


――佐々木憂流迦選手とは高校生の頃から一緒に練習していたのですか。

「佑太君は高校の時からレスリングに国体に出ていて、その頃から駿河道場でも練習していましたから。高校卒業後、正式に駿河道場に入門してからも一緒に練習していたので、体型やファイトスタイル、一本を狙う部分は似ているかなって思います。彼の活躍は、仲間としても嬉しいし、自分も頑張らないといけないという励みや活力にはつながっていますね」

――その後、和術慧舟會GODS所属になったのは……。

「就職活動をしていたのですが、氷河期と被っていて(苦笑)。格闘技を続けるか、就職して格闘技を諦めるか――そんな選択に迫られていた時に、芸人を目指していた友人から『一緒に上京しないか?』と誘われたんです。それで僕も、新天地で就職して格闘技も頑張ろうと思い、上京して同じ慧舟會のGODSに移りました」

――なるほど。

「だから僕のファイトスタイルには、GODS代表の中原太陽さんのテイストも入っていると思うんです。太陽さんは特別、上のポジションに固執するわけではないし、寝技ではすごく柔らかい動きがあって」

――すると、もう格闘技キャリアは長いのですね。

「はい、格闘技歴は15年ぐらいになります」

――ここまでのプロキャリアは、決して平坦なものではなかったと思います。

「そうですね……パンクラスでプロデビューして、連敗した時は辞めようかとも思いました。そのあとZSTに出るようになってから、修斗の闘裸男からストロー級の選手を探しているというお話を頂いて。それまではフライ級で試合していて、ストロー級は減量も大変な部分はありますけど、フライ級よりはトップを取れる階級かなと思いました」

――その経緯があって、2016年6月の広島大会から修斗に出場するようになったのですね。

「心機一転、ですね」

――その修斗ストロー級は、11月6日に猿丸ジュンジ選手が暫定王座を獲得し、新たな動きを見せようとしています。

「修斗もストロー級は、そこまで活発に動いている印象はありませんでした。でも暫定王座が出来たことは、すごくポジティブに捉えています。正規王者の箕輪ひろば選手もONEとの契約があるなかで、暫定王座でこの階級が回っていけるのであれば良いですよね」

――木内選手は現在、世界ストロー級8位です。次の対戦相手、旭那拳選手は世界10位。勝者は世界戦に向けてグッと近づくことになります。

「ベルトは欲しいですね。自己証明というか。30歳を越えて選手を続けるうえで、いろんなものを犠牲にしてきました。同年代の人と比べると、時間や仕事、プライベートなど……。そんな自分を肯定する証明が、ベルトなのかなって思います」

――ベルトに向けて落とせない次の試合ですが、旭那拳選手とは2018年4月に一度対戦し、木内選手が2RにRNCで勝利していますね。

「あの試合もシーソーゲームでした(笑)。いつか再戦するだろうな、とは思っていたんです。試合では僕が勝ちましたが、周囲からは『相手の選手、強かったね!』という声が多かったので。そのあとも旭那選手の試合は見ていて、いずれトップに絡んでくるだろうなと」

――3年前の対戦から、旭那選手はどのような点が変わっているのでしょうか。

「試合の作戦にも絡むので、あまり具体的には言えないですけど……前の試合の時よりも、自分自身の長所と短所を意識しているのかなって思います。あと、試合の中で行き過ぎないように気を付けているようには感じます。でも本質的な部分、根本的な部分――ファイトスタイル自体は変わっていないですよね」

――対して、木内選手自身はいかがですか。

「まず前回の試合から1年の間隔が空いているのは、自分にとってはメリットだと思っています。コロナ禍の前は年3回ぐらいのペースで試合をやっていたのですが、そうなると技術的にもフィジカル的にもアップデートする時間がありませんでした。1つ試合が終わったら、すぐ次の試合の対策へ――という感じで。

今の時代、試合映像もインターネットですぐ見られるじゃないですか。そうなると、アップデートし続けなければ自分の戦い方がバレてしまいますから。今回は1年空いたおかげで、自分のファイトスタイルも変わってきています。前回とは違う木内がいるので、期待してください」

――再び敵地での試合、そして相手はリベンジを懸けて挑んできます。なかなかキツい環境ではないでしょうか。

「僕、もともとアウェイのほうが好きですから(笑)。東京で仲間がたくさんいるなかで試合するよりは、相手の舞台で戦うほうが好きですね。相手の舞台を潰すという、アンチヒーローみたいな感じで。ネイト・ディアスとか、アンダードッグになったほうが強い選手とかいるじゃないですか」

――そう考えると、木内選手のアップダウンが激しい試合内容も、劣勢になってからのほうが燃えるタイプなのかもしれませんね。

「アハハハ、気持ち的にはソッチ側の選手なのかもしれないですね。何くそ、って食らいついていくような(笑)。全方向に噛みついていく、それが慧舟會なのかなとも思いますけど」

――……かつて修斗オフィシャルジムではない和術慧舟會は、修斗の中でも外様のような存在でした。それが当時のピリピリ感を生んでいたようにも思います。

「僕はアマチュアの頃、東京の合宿に参加したことがあるんです。先輩方と比べたら、ホントにちょっとだけなんですけど……」

――週末にプロ選手が集まって1日3部~4部連を行う、あの合宿ですか。

「そこで当時の東京本部の方々にも指導していただきました。あの合宿に参加していた選手も、数少なくなってきていると思うんですよね。でも、今もまだいるんです。僕は、あの場所で教わったWKイズムで戦います」

■視聴方法(予定)
11月14日(日)
午後3時00分~ Twit Casting LIVE

■The Shooto OKINAWA#05対戦カード

<ストロー級/5分3R>
木内SKINNY ZOMBIE崇雅(日本)
旭那拳(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
工藤圭一郎(日本)

<ストロー級/5分2R>
当真佳直(日本)
金内サイダー雄哉(日本)

<2020年新人王決定Tバンタム級1回戦/5分2R>
南風原吉良斗(日本)
持田哲兵(日本)

<ストロー級/5分2R>
大城匡史(日本)
泰斗(日本)

<フライ級/5分2R>
若山達也(日本)
KJ・タイラー(日本)

<フライ級/5分2R>
梅木勇徳(日本)
新垣健司(日本)

<柔術茶帯ライトフェザー級/8分1R>
小生隆弘(日本)
清水慎也(日本)

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