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『DEEP 106 IMPACT』試合結果


第6試合 メインイベント 小見川道大引退試合 フェザー級 5分3R
○中村大介(夕月堂本舗/元DEEPライト級王者)
×小見川道大(NEO JUDO ACADEMY)
3R 0’51” 腕ひしぎ十字固め

第5試合 セミファイナル フライ級 5分3R
×伊藤裕樹(ネックスイチムエ)
○福田龍彌[りゅうや](MIBURO/元修斗世界フライ級王者)
2R 0’35” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第4試合 ライト級 5分3R
×川名TENCHO雄生(Y&K MMA ACADEMY/北海しゃぶしゃぶ湘南藤沢店/修斗ライト級世界3位・元王者)
○石塚雄馬(AACC)
2R 2’19” TKO (レフェリーストップ:右ストレートでダウン後)

第3試合 フライ級 5分3R
×越智晴雄(パラエストラ愛媛/元DEEPストロー級王者)
○関原 翔(K-PLACE)
判定0-3 (柴田28-29/福田28-29/松宮28-29)

第2試合 フェザー級 5分3R
○青井 人(BLOWS/修斗フェザー級世界10位)
×木下尚祐[しょうすけ](和術慧舟會GODS)
2R 1’36” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)

第1試合 フライ級 5分2R
×ヒロヤ(トライフォース赤坂)
○風我(フリー)
判定0-3 (豊永19-19○/松宮19-19○/福田18-19)

オープニングファイト バンタム級 5分2R
×岩見 凌(KIBAマーシャルクラブ)
○山本有人(リバーサルジム東京スタンドアウト)
判定0-3 (松宮16-20/豊永17-20/福田17-20)

 2月26日に後楽園ホールで開催された『DEEP 106 IMPACT』の試合結果。当初予定されていた神龍誠 vs. 藤田大和のフライ級王座統一戦が神龍の新型コロナウイルス感染により延期されましたが、それでも好カードの揃った大会でした。

 メインイベントの小見川道大引退試合は中村大介が小見川道大に3Rアームバーで勝利。

 小見川は「最初は負けが続きましたが、いろんな舞台に上がらせてもらい 最高の経験をさせていただきました。格闘技最高。こうして死なずに格闘技ができたのも長年やった柔道のおかげです。これからは色んな人を柔道で幸せにしたいです。柔道最高、格闘技最高でした。本当に今までありがとうございました」と話し、10カウントゴングを聞いた。

 勝った中村はバックステージでのインタビューで「小見川選手、最後まで気を抜けなかったです。強かったです」と話し「3Rの戦い方が20年やってようやくわかってきました」と、3Rでのフィニッシュを振り返った。今後については「フェザー級の面白い選手がたくさんいるのでその辺と絡みたい。変な色物枠じゃなく」「1回勝っている牛久選手がRIZINのトップに立っているので自信になります。(再戦も)負けてないと思うので」と話し、同じグラップラータイプのクレベル・コイケに関しても「やってみたいですね。同門のサトシ選手と(QUINTETで)やった時はそこ(=フィニッシュ)まで行けなかったですけど、MMAは違うんで」と対応に自信を示した。

 セミファイナルは福田龍彌が伊藤裕樹に2R TKO勝ち。石塚雄馬は川名TENCHO雄生に2R TKO勝ちしています。続きを読む・・・
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DEEP DEEP106 MMA MMAPLANET o ONE 中村大介 小見川道大

【DEEP106】前に出続けたラストマッチーー小見川道大が中村大介のアームロック→腕十字でタップアウト

【写真】小見川のテイクダウンに対し、中村が得意のアームロックから腕十字の切り替えで勝利した(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
Def.3R by 腕十字
小見川道大(日本)

ガードを固める小見川に、ローから攻める中村。小見川が前に出ると下がり、そこから距離を詰めて左右フックを顔面に当てる。中村が左ジャブを突く。中村の右ローに対して、左右フックを振った小見川が前に出る。中村の右ローに対し、パンチで攻め込む小見川。中村は両腕を下げて右ローを当てた。中村の左ジャブで中に入れない小見川、距離を詰めたところで中村が左ヒザを突き上げる。しかし小見川は前に出続けて、相手にケージを背負わせてダブルレッグを仕掛けた。これをカットした中村にケージへ押し込まれた小見川が、払い腰で投げるも中村が切り返してトップを奪う。

抑え込む中村に対し、小見川はハーフガードに。中村は小見川の右腕を取りに行く。そして足を抜いた中村が腕十字を狙うも、小見川がそれを潰す。すると中村が下からアームロックに切り替えたが、立ち上がる小見川。その瞬間、中村は腕十字を狙うも、小見川は前転からクラッチをゆるめ、ラウンド終了まで耐えきった。

2R、中村が左ジャブから右ロー。小見川はそれを受けながら前に出て、パンチのラッシュから中村をケージに追い込む。中村もケージを背にしながら打ち返すも、小見川のダブルレッグで尻もちを着かされた。中村の足を畳み、ケージに背中を着けさせる小見川。中村もヒザを着いてから立ち上がろうとする。ここで動きが止まり、レフェリーがブレイクをかけた。

再開後、中村がノーガードでプレッシャーをかける。その中村を見つめ、目で「来い」とアピールする小見川。中村が下がると再び前に出る小見川だが、中村も相手のパンチをかわしながらケージ中央に戻した。中村の左ジャブが小見川の顔面を捉える。小見川も前に出るが、中村が首相撲でヒザを当てた。いったん離れて再びパンチで前に出る小見川だが、中村をケージまで詰めながら逃げられてしまう。再び中村をケージに押し込む小見川、ダブルレッグに来た相手の右腕を取り、回転してアームロックを狙う中村。小見川は中村の足を自分の足で挟み、アームロックを極めさせなかった。

小見川にとって最後のラウンド、中村の右フックをかわした小見川は相手のボディを狙う。打ち合いのなか、ダブルレッグを狙った小見川の右腕を取った中村がアームロックへ。耐える小見川に対し、中村は腕十字に切り替えてタップを奪った。


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【DEEP106】福田龍彌と対戦。伊藤裕樹「言葉で表すのが下手くそなんで。試合で見せるのが手っ取り早い」

【写真】計量直後感の頬のこけよう──だが、結局が良かった伊藤。肌の具合から、調子は良さそうに感じられるが果たして……(C)MMAPLANET

26日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106で、元修斗世界フライ級王者の福田龍彌と対戦する伊藤裕樹。

その天才肌とも思える当て勘、勝負度胸を持つ。そんな伊藤と漢気感満載の福田の一戦は、どのような展開になろうとも──ライト層からコアファンまで見る者を納得させる戦いになること間違いない。気持ちが拳に乗り移るファイトが信条の両者、そんな対戦を前にして計量直後の伊藤に心境を尋ねた。


――計量を終えたばかりの伊藤選手です。今の心境を教えてください。

「今日、体重オーバーが続いたのですが……、僕は無事パスできたのでホッとしています」

──福田選手はマイクでも声が枯れていました。

「減量は苦労したんだろうなって思って見ていました。でも明日……、しっかりと動いてくれれば僕は満足なんで。これからしっかりとリカバリーは頑張ってほしいですね」

──メインでターゲットとなるべきタイトル統一戦が延期されました。今回の福田選手との試合、どのような位置づけにあると考えていますか。

「福田選手も元修斗フライ級王者で……、そういう看板を持っている選手なので、ここで倒せば自分のランクも1つ上がると思っているので落とせない試合です」

──伊藤選手の藤田戦、福田選手の神龍戦。見る人によっては、勝者は逆という見方もある接戦でした。

「接戦でも負けは負けで。負けた者同士なので……、白黒ハッキリさせる試合をしたいです」

──福田選手はインタビューで、ギリギリの駆け引きができる。誰よりも僕が一番、この試合を楽しみにしていると言っていました。

「まぁギリギリの戦いというか……、僕が圧倒的に叩き切るつもりでやるんで。結構、左に対する対策が上手くて。そこにカウンターなり、合わせることはこっちもやってきたんで……そこを試せる試合になるかと思います」

──試合の男前振りと違い、言葉には余り切れがないのが伊藤選手ですね(笑)。

「試合とインタビューは比例しないってやつですかね(笑)」

──自信が真っすぐ言葉に表れないです(笑)。

「言葉で表すのが下手くそなんで。試合で見せるのが手っ取り早いです」

──ライト層にも、コアファンも楽しめる伊藤選手の戦い、楽しみにしています。

「ハイ、期待してください。頑張ります」

■視聴方法(予定)
2月26日(土)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ DEEP106計量結果

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.0キロ
小見川道大:66.85キロ

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹:57.0キロ
福田龍彌:57.2キロ

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生:70.85キロ→70.8キロ
石塚雄馬:70.65キロ

<フライ級/5分3R>
越智晴雄:57.1キロ
関原翔:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
青井人:66.15キロ
木下尚祐:66.45キロ

<フライ級/5分2R>
ヒロヤ:57.1キロ
風我:57.0キロ

<バンタム級/5分2R>
岩見凌:61.5キロ
山本有人:61.65キロ

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【DEEP106】計量終了 小見川「フェザー級最強決定戦楽しみましょう」✖中村「最強の敵だと思って」

【写真】セレモニアル計量ならいざ知らず、カラカラの状態で計量を待つ選手もいることが十分にありえるなか、マイクでの挨拶の数倍の時間をかけて、笑いを取る必要があるのか──再考を願いたい川名陣営だ (C)MMAPLANET

25日(金)、明日26日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106 IMPACTの計量が中野区の中野サンプラザで行われた。

DEEPの計量はメインから行われるのが常だが、小見川道大と戦う中村大介が開始時間になっても体重を落としており、会場に姿がなく──まずは小見川が66.0キロでパスした。


その後も今回は下着を脱いで計量に挑む選手が続出し、3選手が再計量が必要となった。

計量直後のコメントは以下の通りだ。

福田龍彌
「大変な時代のなかで試合をさせてもらえて、凄い感謝しています。エェ選手なんで、明日は精いっぱいしばきまくろうと思っています」
伊藤裕樹
「今回、2022年一発目の試合もド派手でいくので皆さん、応援宜しくお願いします」

石塚雄馬
「川名選手とは横須賀で結構練習していて。自分が東京に来て暫らく練習していないんですけど、その間に彼は強くなったと。自分、格闘技をやったりやらなかったりしていましたけど、研究はしてきたので昔とは違うぞというのを見せたいと思います」
川名TENCHO雄生
「先に50グラム、ちょっとオーバーしてしまったことを前提として」(と言ったところで、マイクを山城裕之代表に渡し、代表が代わりに)「ここから最計量に向けて、そこに集中するために言葉を控えさせてもらい、ゼスチャーでいきます」と話す。そして川名が文字を書いたスケッチブックにめくり、代表がマイクでそれに合わせて「おい石塚、コノヤロー」、「練習じゃ、ボコボコにされたけどな」、「俺が絶対に勝ってやるからな。コノヤロー」、「覚悟しとけ。コノヤロー」、「井上直樹選手の許可いただいております。ヨロシク」

関原翔
「自分が格闘技を始めた時から越智選手はDEEPのチャンピオンでした。そんな選手と明日戦えることを楽しみにしています。ここで勝ってDEEPフライ級のタイトルマッチをやりたいと思っています」
越智晴雄
「明日はぶっ飛ばして、次に繋げたいと思います」

木下尚祐
「前回大会、どれぐらい早くKOするかタイムアタックみたいな雑な試合をしてしまったんですけど、今回は綺麗な試合をする準備をしっかり2カ月間してきました」
青井人
「今回DEEP初出場で4連勝中の選手とできるので、今までやってきたことをしっかり楽しみながら試していこうかなぁと。まぁ楽しみたいと思います」

風我
「大きなチャンスを頂いた形になっていますけど、ここに全てをぶつけるために今までやってきたことがないような練習をやってきたので。明日は全てをぶつけようと思います」
ヒロヤ
「明日は叩き潰します」

山本有人
「オープニングをやらしていただくということで、しっかりと会場を盛り上げようと思って明日はバチバチ勝ちます」
岩見凌
「明日は気合を入れて戦います」

小見川道大
「今まで色んな人に支えられて、ここまで来ました。最後の試合、中村選手出てくれてありがとうございます。今まで以上に最高に仕上げてきたんで、明日のフェザー級最強決定戦楽しみましょう」
中村大介
「まず小見川選手の大事な引退試合で、計量に戸惑ってしまって。必ず落としますので。申し訳ございません、必ず落とします。で明日は必ずリカバリーして、今の自分の全てを出してフェザー級トップの……小見川選手は未だに絶対にトップだと思っていますんで。最強の敵だと思って思い切りぶつかります」

■視聴方法(予定)
2月26日(土)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ DEEP106計量結果

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.0キロ
小見川道大:66.85キロ→66.2キロ

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹:57.0キロ
福田龍彌:57.2キロ

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生:70.85キロ→70.8キロ
石塚雄馬:70.65キロ

<フライ級/5分3R>
越智晴雄:57.1キロ
関原翔:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
青井人:66.15キロ
木下尚祐:66.45キロ→66.3キロ

<フライ級/5分2R>
ヒロヤ:57.1キロ
風我:57.0キロ

<バンタム級/5分2R>
岩見凌:61.5キロ
山本有人:61.65キロ

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DEEP DEEP106 DJ.taiki INVICTA LFA MMA MMAPLANET o PRIDE RIZIN ROAD FC UFC ジョン・チャンソン 中村大介 伊藤裕樹 小見川道大 川名TENCHO雄生 石塚雄馬 福田龍彌 越智晴雄 青井人

【DEEP106】最後の試合へ、小見川道大「1日、1日当たり前だったことが、当たり前でなくなる」

【写真】どうしても感傷的になりがちなインタビュー、それでもパイセンはビンビン、ギンギンだった(C)MMAPLANET

26日(土)、26日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106で小見川道大が中村大介と現役最後の試合を戦う。

2005年5月、柔道の実績を買われ、吉田道場からPRIDE武士道でプロデビューというMMAファイター人生をスタートさせた小見川が最後のケージインを迎える。他競技の実績はMMAの強さとイコールでないという常識すらなかった時代に、キャリアの序盤からアーロン・ライリー、JZ・カバウカンチ、横田一則という猛者との対戦で黒星を重ね、キャリア4勝4敗でUFCへ。マット・ワイマン、チアゴ・タヴァレスに敗れリリースになるも、過酷な実戦とそのために練習でMMAファイターとして力を確実につけた。

戦極フェザー級GP準優勝、戦極×DREAMの対抗戦となったDynamite!!で高谷裕之にTKO勝ち、DREAMから再度UFCに挑みチャド・メンデスら世界のトップと戦いを重ねた。

英国Cage Rage、ハワイのIcon Sport、韓国のRoad FCと世界中で──、そして国内でもDEEP、GLADIATOR、GRANDSLAMWSOF-GCと無骨なまでに精神と肉体の強さを武器に戦った彼のMMAファイターキャリアは、実際は柔道家しての歩みだった。最後の試合に向けて、小見川道大の心境を尋ねた。


──小見川選手、いよいよ引退試合が土曜日に迫ってきました(※取材は21日に行われた)。今の心境を教えてください。

「そうですねぇ……えぇと、ビンビンです!!」

──無理くりじゃないですか(笑)。

「そんなことないですよ(笑)。体重も自然に落ちて、さっきもグランドスラムでの練習を終えて周ちゃん(勝村周一朗)とココイチのカレーをいつも通り400グラム食べましたからね」

──ギンギンですね!!

「アハハハハ。もう体重も全然大丈夫です。まぁ正直、1カ月ぐらい前からちょっとカウントダウンをするようになってきて、1日、1日当たり前だったことが、当たり前でなくなる。だから1日、1日を大切にしている感じです。今まで練習してきた仲間だったり、友人が会場で最後の試合を見たいって400人ぐらい集まってくれます。本当に感謝しかないです」

──パイセンらしいですけど。そんなに感傷的になって大丈夫ですか。

「それはそれで切り替えます。引退する人間と戦う中村選手の方が、プレッシャーがありますしね。それに僕自身、この試合をやり切らないと次に進めないです。中途半端で、終わりたくない。やり切って終わるために、この試合で勝って終わりにしたいんです。そのなかでフェザー級で一番強い、本物だという選手と戦いたいということで、中村選手を指名させてもらったので」

──直近の試合が2019年10月の毛利昭彦選手との試合でした。その後、いつ頃から引退を明確に考えるようになったのでしょうか。

「2020年の5月にDJ.taiki戦が流れて、そこから色々と考えるようになりました。柔道場の指導もあり、子供たちも試合があります。結果、選手として十分な練習ができていないのに試合はデキていた。そんな中途半端な状態で試合を続けて良いのかという気持ちになったんです。僕は道場が好きです。子供たちが好きです。子供たちに柔道を教えて、自分が学ぶことも多いです。

そうやって子供たちと接しているのに、どっちつかずの状態で競技に出て良いのかと考えるようになって……実際にMMAを続けていて目指すモノがないんです。

昔だったらUFCに出たい、ここでチャンピオンになりたいというのがありました。でも気が付いたら、そういう目標が全くない状態になっていたんです。そんな中途半端な状態で、僕はMMAをやりたくない。そう思うようになりました──このへんでケジメをつけようと、だらだらやりたくないので」

──奥様の反応は?

「結構前から、『まだ、やるの?』みたいな感じではありました(笑)。でもPRIDEでデビューして、UFCで戦い、SBやグラップリングの試合もした。そういうなかでDEEPはRIZIN、UFCに選手を送り出してきた。ジョン・チャンソンだってDEEP育ちだと思っています。そういう日本一の興行のDEEPで最後に戦いたいと……」

──引退を決めた選手は、勝負に淡泊になるというシーンも過去に見ていました。

「それは絶対にないです。最後だからこそ、僕は絶対に勝ちたい。試合が決まってから、今日までしっかりと調整してきました。それにこの間もタバタ(ヒッチ)や(ユリア)ストレアレンコが米国で頑張っていて……」

──SEI☆ZAで小見川選手が指導していたヒッチはLFAからUFCへ進み、ストレアレンコはInvictaでチャンピオンになってオクタゴンにステップアップしました。

「SEI☆ZA組は本当に凄いですよ。彼女たちの頑張りを見ていると、本当に勇気を貰いました。勝ち負けはありますけど、諦めない。タバタは階級が違うところでチャンスを得て、その試合は負けたけど、次は勝ちましたしね。本当に元気を貰いました。それとロクサン(モダフェリ)ですね。

最後まで気持ちで戦って。スプリットっていうのはチョット驚いたけど(苦笑)、あれは凄くロクサンらしい試合で、めちゃくちゃ感動しました。前に出続ける、ロクサンの試合からも元気をもらって。僕も負けないようにしっかりと締めたいと思います」

──小見川道大が最後にケージで見せるものとは?

「僕はテクニックとかは何もないので、気持ちです。柔道で培ってきた強さをMMAで見せたいと思ってやってきました。最初は負けていたけど、馴染んできて戦い続けることができました。柔道とMMAを組みあわせて……色々なルールの試合にでてきましたけど、自分のなかでは柔道で戦ってきたという気持ちです。打撃といわず当身と呼んで、柔道で戦ってきました。僕の柔道に対する姿勢と気持ちの強さを見てもらいたいと思っています。そんな僕の姿を道場の子供たちに見てもらい、人生を生きる上での活力してもらいたいです」

■視聴方法(予定)
2月26日(土)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ DEEP106対戦カード

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
小見川道大(日本)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
福田龍彌(日本)

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生(日本)
石塚雄馬(日本)

<フライ級/5分3R>
越智晴雄(日本)
関原翔(日本)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
ヒロヤ(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
山本有人(日本)

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【DEEP106】伊藤裕樹戦へ、福田龍彌─02─「誰よりも僕が一番、この試合を楽しみにしているから」

【写真】響く発言が多すぎて、タイトルにどの言葉を持って来るのか悩む──そんなインタビューです(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106で、伊藤裕樹と対戦する福田龍彌のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

神龍誠×藤田大和のフライ級王座統一戦は延期となってしまったが、今大会ではDEEPフライ級トップ選手の試合が多くマッチアップされていた。なかでも、福田は伊藤との対戦を心から喜んでいる。その理由に、福田の格闘技観が表れていた。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――今大会は福田選手が伊藤選手と対戦するほかに、神龍誠×藤田大和、越智晴雄×関原翔というDEEPフライ級トップ選手の試合が組まれました。神龍×藤田の王座統一戦は延期となってしまいましたが、前回のインタビューで福田選手が希望していたトーナメント1回戦の様相を呈しています。

「良いっすね。トーナメントは無かったけど、このまま総当たり戦でやってほしいです。全員と対戦できる、総当たり戦が最高じゃないですか」

――トーナメントよりも総当たり戦ですか。

「タイトルマッチで次に勝ったほうと戦いたい、とかは思っていないので。できれば藤田君と試合したいですね。対戦したことないから、そのほうが楽しいです」

――では神龍選手に勝利して正規王者となった藤田選手と対戦したい、ということではないのでしょうか。

「……だから、複雑なんですよ」

――……複雑、とは?

「タイトルマッチとか大々的に、かしこまった形で試合をするのは、あんまり求めていないんです。藤田君が負けてくれたほうが、ノンタイトルマッチで気楽に戦えます。でも選手に対して負けることを望むなんて、ありえないから複雑なんですよ」

――それは複雑すぎます(笑)。

「アハハハ。あと、神龍君は僕との試合のあと『練習環境が変わって、練習不足だった』とコメントしていたらしいんですよね。それなら練習環境が整ってから、万全の状態になった神龍君と戦いたいです。……神龍君が藤田君に勝っても、ノンタイトルマッチで(笑)」

――次の対戦相手である伊藤選手は、前回の暫定王座決定戦で藤田選手と戦っています。いわばトップコンテンダーで、福田選手との試合は次期挑戦者決定戦かもしれませんが……。

「まぁ次がタイトルマッチかどうかは置いておいて、DEEP初戦で負けちゃったから、次はもっと下の選手を当てられるんちゃうかな、と思っていたんですよ。それが伊藤戦って、前回負けちゃったのに良いんですか? という感じで。今は幸せに溢れています。一番やりたかった相手ですね」

――DEEPフライ級の中では、伊藤選手が最も噛み合う対戦相手ではないかと思います。

「やっぱりそう思いますか? 僕も、もうたまらなくて(笑)。すごく良い選手、彼の戦い方が好きなんですよ。試合が決まってから、ずっとワクワクしています。誰よりも僕が一番、この試合を楽しみにしているから」

――伊藤選手の戦い方で、どのようなところが好きなのですか。

「自分というものを持っているじゃないですか。試合でギリギリの駆け引きができる。危ない位置から狙ってくることができる選手で。そういう選手と試合は、ピリピリした感じがあって好きですね。もしかしたら自分が怪我するかも……そんな雰囲気があると、僕のほうも気持ちが引き締まるので」

――なるほど。伊藤選手はピンチになっても、ハッキリと気持ちを整えて切り替えることができる、そんな気持ちの強さが試合にも現れています。福田選手と同じく、これまで多くの修羅場を潜ってきたのだろうなと。

「格闘技って、戦い方に選手の生き方が出ますよね。ファイトスタイルって自己表現の一つやから」

――福田選手は、どのようなファイトスタイルを目指しているのでしょうか。

「僕、UFCのラファエル・フィジエフが好きなんですよ。もともとムエタイの選手で、強い。ちゃんと格闘技が強い。ムエタイだけでなくボクシングをやっても、レスリングをやっても強いから」

――福田選手のベースは、やはりムエタイにあるのでしょうか。

「技術的なベースがあるかどうかは分からないですけど、何ていうか……僕がタイで見ていたのは、戦うことを生業にしている人だったんですよ。すごい田舎から出てきたような子が、試合でKO勝ちして、直後にプロモーターから『来週試合できるか?』と聞かれて。日本だと来週って言われたら悩む人が多いと思います。でもタイの選手は『いいんですか? できます』と答える。それがファイターという生業なんやな、って思いました」

――もし神龍戦の直後、佐伯代表から『1、2週間後に藤田か伊藤と……』というオファーがあったら受けていましたか。

「ダウンしてへんかったら、受けていたと思います。普段のオフモードで言われるのと、試合直後のまだオンモードにある状態で言われるのでは、違ってくるんですよね。オンモードの時に言われて、もし神龍戦でノーダメージやったら、オファーに飛びついていますよ」

――そう聞いて、福田選手の格闘技観が理解できてきました。

「それが戦うことを生業にしている、ということやと思うんですよ。僕は別に、タレントになりたいわけじゃない。名声が欲しいわけでもない。ただ純粋に競技が好きというか。飲食店なら、僕の店に行列はできなくていいです。食べログやミシュランで有名な店ではなく、その地域の人たちから愛されている店でいたい」

――伊藤戦は、まさにそういう試合だと思います。

「伊藤君との試合は、ギリギリの駆け引きを楽しみたいです。お互い危ないことをしながら、やりたいことをやって……最後は伊藤君に焦ってほしいな(笑)」

■視聴方法(予定)
2月26日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
小見川道大(日本)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
福田龍彌(日本)

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生(日本)
石塚雄馬(日本)

<フライ級/5分3R>
越智晴雄(日本)
関原翔(日本)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
ヒロヤ(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
山本有人(日本)

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【DEEP】神龍誠コロナ感染 藤田大和とのフライ級王座統一戦は延期!

2月26日に後楽園ホールで開催されるDEEP 106 IMPACTで行われる予定だった神龍誠(神龍ワールドジム)×藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)のDEEPフライ級王座統一戦。神龍が新型コロナウイルス感染による体調不良で欠場する事が発表されました。これにより王座統一戦は5月のDEEP 107 IMPACTに延期する事も決定しています。

猛威を振るうオミクロン株。感染者数増加のピークアウトの兆しが見えない状況は格闘技界も同じ。ここ最近でもパク・シウ、猿田洋祐、ジョン・リネカー、そしてショートボクシングやRISEでも出場選手が陽性となって試合が中止や延期になっています。第5波までは出場選手が感染して試合が流れたケースはほとんど記憶になく、改めてオミクロン株の感染力の強さを思い知らされました。

これにより、DEEP 106 IMPACTは全6試合(+オープニングファイト1試合)というこじんまりしたラインナップに。全対戦カードも合わせて発表されています。
220226deep-order
それでも小見川道大の引退試合の相手も中村大介が務め、伊藤裕樹×福田龍彌という次期フライ級王座挑戦者決定戦と言っても過言でない試合が並ぶなど見どころ十分。観戦マストでいきましょう。
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【DEEP106】中村大介─02─「凄い試合をしたいですね。小見川さんが引退する――最後の試合だからこそ」

【写真】コツコツと無骨に、そして楽しく。漢が惚れる格闘家──中村大介と、無骨に荒ぶりつつ心優しい──パイセンの対戦を思い切りファンも楽しんで欲しい (C)MMAPLANET

26日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106で、小見川道大と対戦する中村大介のインタビュー後編。

この試合をもって現役を退く小見川に対して、生涯現役を目指す中村は「もったいない」と言う。その理由を聞いてみると、答えはいたってシンプルだった。
「好きな選手だから――」そんな中村が語る、小見川道大との試合とは。

<中村大介インタビューPart.01はコチラから>


――なぜ小見川選手が引退するのか……引退については各々の理由があるでしょうし、何とも言えません。ただ一つ、小見川選手は自分が強いと思っている間に身を引きたかったのではないかと。

「そうですよね。そんななかで辞めるという決断をするというのは、凄いことだと思います。自分はまだ現役としてやり残したことがたくさんあって……。小見川さん、絶対に強いんですよ。今もバリバリだと思うので」

――小見川選手はMMAにおいて、2014年から試合間隔は空きながらも6連勝中です。

「えっ、バリバリじゃないですか(苦笑)。まだ細かく戦績までチェックしていませんでした……。それで辞めちゃうのは、もったいないですよ」

――対戦相手として考える前に、小見川選手に辞めてほしくなさそうですね(笑)。

「小見川さんのほうが年齢は5歳ぐらい上なんですけど(現在、小見川が46歳で中村は41歳)、同じ時代に戦っていたファイターで、好きな選手の一人なんです。今回は引退試合の相手として、小見川さんからのご指名だと聞いたんですけど、すごく嬉しくて」

――なるほど。

「でも今回は引退する選手ではなく、1人の強いファイターとして戦わないといけないですね」

――その小見川選手を相手に、スタートから一本かKOを狙い続ける中村選手のスタイルは変わるのでしょうか。

「最初に言ったとおり、3R戦うプランとかも、いろいろ考えています。巧みな技で捌いて勝つ、っていう展開もあると思いますよ。もともと秒殺勝利が理想っていうわけではないんですよね。どちらかといえば、シーソーゲームの末に極めて勝つことが好きで」

――中村選手のシーソーゲームといえば、印象深い試合があります。2004年10月の中尾受太郎戦です。中村選手が敗れた試合で申し訳ないのですが……。

「いえいえ、DEEPのウェルター級トーナメント決勝ですよね」

――記者席の正面にコーナーがあり、そのコーナー際で中尾選手が腕十字を仕掛けた時です。そこで両者が回転しながらコーナーを越えると、中村選手が腕十字を仕掛けている側に変わっていました。体勢が変わる瞬間がコーナーに隠れて見えなかったので、会場で取材していた時は衝撃的でした。

「あぁ~、ありましたね。あれは師匠の技なんです」

――師匠というのは、田村潔司さんですね。

「はい。腕十字へのカウンターで腕十字を取るというのは、田村さんから教わった技なんですよ。なかなか試合では極まらないけど、練習ではよくやっています。そう考えると、やっぱり自分も師匠から教わった技の流れがあるんでしょうね。今もそれをやり続けています。

師匠のもとを離れて10年以上経って、独立して自分のジムを持って8年……今でも、当時教わった技を磨き続けているんですよね。あの腕十字の入り方って、特別なものではないと思うんです。技だけじゃなく……また気持ちの話になってしまいますけど、念というか、殺気を磨き続けたくて」

――なるほど。試合の話に戻りますが、中村選手は長くライト級を主戦場としていましたが、当時からフェザー級で戦っていた小見川選手とは、MMAでの接点がなかったのでしょうか。

「MMAでは接点がないですね。一度だけグラップリングで試合をしているんですよ。クインテッドのトーナメントで」

――20218年4月に行われた、クインテットの団体戦トーナメント1回戦ですね。

「あの時は先鋒戦で小見川選手と当たって、時間切れ引き分けでした。あの時も気持ちが浮ついちゃったんです(苦笑)」

――意外と気持ちが浮つくことが多いですね(笑)。

「クインテットの旗揚げ戦で、その第1試合でした。しかも対戦相手が小見川さんですし。そこで自分が、クインテットとはこういうものだというのを見せようとして、空回りしました……。あの時は、僕が腕十字を仕掛けて、クラッチが切れたところでタイムアップになったんですよね。競技は違うけど、今回の試合はクインテットで対戦した時の続きという感じもあります」

――では、グラップリングで組んだ小見川選手の印象を教えてください。

「強いですよ、ブン投げられましたから。柔道なら完全に一本勝ちの投げで。加えてMMAではパンチも強いので、試合するのが本当に楽しみです」

――格闘技について話をしている笑顔を見ていると、本当に楽しみなのだろうなと思います。試合の前に浮つくことが多いのもそうですし。

「アハハハ、それは僕が未熟だからです(笑)。でも本当に、格闘技をやっているのは楽しいですよ。今は自分のジムを持っていますけど、自分が指導者だとは考えていなくて。会員さんと一緒に練習しているというか。それが楽しくて、自分は体がもつ限り続けたいです。小見川さん……、なぜ辞めちゃうでしょう?」

――そこがどうしても引っかかっているのですね(笑)。

「僕は引退する気がないので、そういう人間と引退する人間の試合になりますね。やっぱり気持ちの試合になるというか……いや、小見川さんも間違いなく格闘技が大好きですよね」

――間違いなく、大好きでしょう。

「僕も格闘技をやっていて楽しいし、大好きです。その気持ちが噛み合った、凄い試合をしたいですね。小見川さんが引退する――最後の試合だからこそ」

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【DEEP106】小見川道大のラストマッチへ。中村大介─01─「小見川さん、なぜ引退するのでしょうか」

【写真】背景にある写真──田村潔司と、なぜ清原? (C)MMAPLANET

26日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106で、小見川道大の引退試合が行われる。その対戦相手には、元DEEPライト級王者の中村大介が選ばれた。

中村は今年41歳――もう大ベテランといえる存在となった。そんななか昨年2月に現役DEEPフェザー級の牛久絢太郎をノンタイトル戦でKOしたが、再戦となったタイトルマッチは判定で敗れ、再びベルトを腰に巻くことはできなかった。

牛久との再戦前には、MMAは生涯武道であり現役を貫く意志を見せていた中村に訊く敗戦、そして現役と引退について――


――まず小見川戦のお話の前に、昨年7月の牛久選手とのタイトルマッチについて聞かせてください。試合から半年が経った今、あの敗戦をどう捉えているのか。

「あの~……最後は動けなくなってしまったので、納得はしています。自分の中でも負けたかな、というのはあったので」

――動けなくなったというのは、体力的な面ですか。それとも精神的な面でしょうか。

「体力的な面です。僕は毎試合、1Rからガンガン一本やKOを狙いに行くんですよ。でも前回の試合は、最終的に相手のほうが体力もあって、コントロールもされていましたから。……確かに動けなくなったのは体力的な面ですが、最後は気持ちで負けたんですね」

――試合中にどこかで、そう感じたところがあったのでしょうか。

「3Rですかね。自分が判定で負ける時の悪いクセというか、悪いパターンなんですよ。全部使ってしまって、攻め疲れるというか。20年も格闘技をやっているのに、そのへんは変わっていないんです(苦笑)。体力的な面で落ちているのに、練習も試合もやり方を変えずにやっているから……。ただ、前回の試合を経て自分の中では、いろいろ変えてきています。次は3Rの試合なので、それが出せるかどうか楽しみです」

――先ほど「納得している」という言葉がありましたが、それは自分自身の試合内容ではなく判定に対しては納得しているということですか。

「そうです、判定についてですね。微妙な判定だったという意見も聞きますけど、自分の中では納得しています」

――確かに微妙な判定ではあったと思います。ラウンドマストで4-1とハッキリと数字には出ていました。

「だからこそ3Rを取りに行かないといけなかったんですよね、DEEPルールでは。ただ判定に関しては――僕は一本やKOを狙いに行くスタイルなんです。これは競技者としては良くないかもしれないけど、判定になると勝っても負けても嬉しくないところがあって」

――……。

「やっぱり一本勝ちかKO勝ちしたい。かといって一本負けやKO負けのほうが良いってわけじゃなくて、決着しないとスッキリしないんですよ。一本やKOを狙い続けて判定勝ちになるのは良いんです。でも判定で勝つためのゲームプランとかは、今まであまり考えたことがなくて……」

――なるほど。プロレスが好きで、かつ武道的な側面を追求している中村選手の意見として、とても分かります。一方、競技者として……という言葉がありましたが、競技者としてタイトルマッチでベルトを獲得できなかったことについては、どう考えていますか。

「そうですよね……。もちろんベルトは欲しかったです。だから試合前、これに勝てばチャンピオンなんだぁ……と気持ちが浮ついてしまったところがありまして(苦笑)」

――えっ、そうなのですか。

「その時点で気持ちが崩れてしまったというか。最初に牛久選手と対戦した時って、現役バリバリのチャンピオンに自分の全てをぶつけることが目標だったんですね。それは勝敗に関わらず。そして、自分の全てが出せれば勝てるとも思っていたので」

――結果、右ヒザのカウンターでKO勝ちしました。

「それでタイトルマッチとなった時、邪念みたいなものが出てきて……気持ちの問題なんですよね。僕は格闘技って気持ちが全てだと思っています。心技体って、心が最初にあるじゃないですか。まず心が一番大事で、技も体も、心がないと付いてこない。だからベテランって言われるようになっても、僕は未熟なんですよ(苦笑)」

――ただし、ベテランになった今は、敗戦を冷静に振り返ることができます。もし10年前、20年前であれば、どう思っていたのか……。

「若い時だったら、もっと落ち込んでいたでしょうね(笑)。今でも連敗したらヘコみますけど、それも勉強だったんだよなって、あとから考えられるようにはなっています。うん、今もずっと成長したいんですよ。どの試合もまだ成長過程であって。試合をしながら、できていることを確認して、できていないことを反省する。そういう気持ちのほうが大きいです」

――正直なところ他の選手であれば、ベルトを獲得できなかったことで引退の2文字が頭をよぎることもあるかと思います。

「それが無いんですよ(笑)。頑張っていれば、またチャンスは来るかなって。この間のタイトルマッチは、試合前に邪念が入ってしまった。相手のほうがベルトに懸ける想い、ベルトを守るっていう気持ちが強かったんだと思います。……ベルトを獲りたいと思ったら、逆にダメなのかなぁ(苦笑)」

――勝敗を気にしていなければ勝てる、ベルトを獲りたいと思ったら獲れないのだとすれば、難しいところですね。

「アハハハ、そうですね。これからもベルトは目指していきたいです。でも今はベルトが最終目標ではなく、自分の中の最強を目指していきたい。その過程で結果も出て、チャンピオンになるチャンスも出てくると思います」

--なるほど。現役と引退について、そのような考えを持つ中村選手が、小見川選手の引退試合の相手を務めるというのも不思議な縁です。

「そうですね(笑)。小見川さん、なぜ引退するんでしょうか。絶対に今でも強いのに……」

<この項、続く>

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DEEP Special The Fight Must Go On ブログ 佐伯繁 小見川道大 毛利昭彦

【The Fight Must Go On】Must Watch !! 佐伯繁のおススメ、DEEPケージファイト思い出の5番勝負─04─

【写真】テイクダウンコントロールから一転、激しい殴り合いに (C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

全国的に緊急事態宣言が解除され、格闘技ジムの活動再開も伝わってくるなか──それでもMMA大会は中止及び延期が続いています。それでもUFCの活動再開や、国内でも無観客大会が開かれつつあるなか、引き続きThe Fight Must Go Onということで、第40弾はMust Watch!! このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。

佐伯繁代表がDEEPオフィシャルYouTubeチャンネルにアップされているケージマッチから、「今、まだアップしきれていないけど」思い出の5試合を振り返る──企画の第四弾。

※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれていません。


佐伯代表が選んだ「今、まだアップしきれていないけど、アップしているなかから思い出の5番」、4試合目は2019年10月22日に行われた小見川道大✖毛利昭彦 のベテラン対決だ。

この3カ月前にオーロラ☆ユーキを破り、3年5カ月振りのMMAマッチを勝利で飾った小見川に対し、山口県周南市でMMAの普及に努める毛利。43歳と44歳の対決に後楽園ホールが揺れた。

佐伯繁のMust Watch 04、小見川✖毛利の選択理由は以下の通りだ。

佐伯繁
「正直言って、オジサン対決なんですよ。今の時代とも逆境している戦いでした。でも40歳になったオジサンが……毛利君も血まみれになって戦った。決してフェザー級のナンバーワンを決めている戦いじゃないです。でもベテランの2人が、終った時の清涼感も良くて。あの瞬間、皆に伝わるモノがあったんじゃないかと思います。

若い子にアレをやってくれと言っているわけじゃなくて、でも若い子に何か伝わったはず。この2人、オジサンだからこそ味があった。凄く噛み合ったし、心に残る戦いをしてくれました」