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DEEP DEEP113 MMA MMAPLANET o キック 上迫博仁 大原樹理

【DEEP113】1Rにサッカーボールキック連打。上迫のTDを振り切って大原がスプリットで王座を守る

【写真】防衛に成功した王者、今年入籍した奥様と(C)MMAPLANET

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
Def.3-2:29-27.28-28.28-28.28-29.28-29.
上迫博仁(日本)

※ドローのジャッジ2名はマスト判定で大原

ケージ中央で大原が左ジャブを伸ばす。上迫が踏み込むと、バックステップで距離を取る大原。上迫の左ジャブに左ジャブを合わせ、左ハイで追撃する。上迫も右クロスをヒット、さらに左ジャブを大原のボディに突き刺す。上迫はサークリングしながら右カーフキックを繰り出した。上迫の左インローに大原が右ストレートを合わせる。

上迫は右カーフキックを当てる。大原は上迫にケージを背負わせ、右ストレートでダウンを奪う。さらに大原が倒れた上迫に右サッカーボールキックを浴びせる。立ち上がる上迫に、なおもサッカーボールキックを叩き込む大原だったが、ケージ際から離れた上迫のパンチをもらってしまう。上迫にケージを背負わせて、大原が追い立てる。左ハイ、左ミドルと蹴りを散らす。鼻から出血が見られる上迫も距離が近くなるとパンチを振るうが、なかなか大原には届かない。

2R、上迫が左のガードを下げ、前後のステップを使いながら右カーフキックを当てる。右カーフキックを連打する大原、少しカーフキックを食らった左足の動きが鈍ってきたか。大原が距離を詰めて右ストレートを狙う。さらに左ハイを伸ばすが、上迫が前に出て来る。大原の右ストレートをスウェーでかわした上迫も、サークリング+右クロスを狙う。上迫が大原の左足をキャッチし、ケージまで押し込むが倒すことができない。

ケージ中央では蹴りを散らす大原。上迫はパンチをフェイントにニータップで組みつくも、テイクダウンを奪うことはできず。しかし残り30秒で大原をダブルレッグでこかした上迫が、サッカーボールキックを放ちながらトップへ。大原も下から上迫の右足を抱えつつパンチを打ち返した。

最終回、大原の頭部から出血が見られる。距離を詰めて来る上迫に対し、テンカオを突き上げる大原。上迫の左ジャブを前手で押さえ、さらに左ハイと前蹴りで追い詰めていく。中に入った上迫の頭が大原の顔に直撃して大原が下がる。上迫は右カーフキックで攻め立てる。大原が左ハイからワンツーを伸ばしたところに、上迫がダブルレッグで組みついた。

大原に背中を着かせた上迫がパウンドを連打する。立ち上がる大原、上迫は大原の右ハイをキャッチしてグラウンドに持ち込んだ。大原の三角絞めに対し、担いでからバックに回った上迫は、スタンドに戻ってもシングルレッグでドライブする。上迫がハイクロッチに切り替えると腰を落とした大原だったが、そのまま足を刈られて背中を着いてしまう。上迫がトップからパウンドを落として試合を終えた。

僅差のジャッジ、ドローのジャッジ2者がマスト判定で大原を選んだのは、やはりダウンを奪いサッカーボールキックで攻め立てた1Rの印象か。スプリットで大原が2度目の防衛に成功した。


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CORO DEEP DEEP113 MMA MMAPLANET o YouTube   チャンネル 上迫博仁 中村大介 力也 北岡悟 大原樹理 大山釼呑助 安谷屋智弘 本田良介 村元友太郎 福田龍彌 誠悟 青井人 高野優樹

【DEEP113】計量終了 明日、戦う――フライ級GP出場者たちの優勝者予想。「福田」、「福田」、「福田」

【写真】結果、福田龍彌が本命、本田はアンダードッグのままで決勝前日まで来た(C)MMAPLANET

7日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP 113 Impactの計量が中野区中野サンプラザ11階で行われた。

メインでフライ級GP決勝=福田龍彌×本田良介、コメインでDEEPライト級選手権試合=チャンピオン大原樹理×チャレンジャー上迫博仁が組まれた今大会。

ここでは計量結果とGP決勝に向け、GP出場3選手の勝利者予想&その理由をお届けしたい。


<58キロ契約/5分3R>
安谷屋智弘:58.0キロ
ヒロヤ:57.85キロ


安谷屋智弘
勝者:福田
「自分といい勝負をしたからです」

<フライ級/5分2R>
村元友太郎:57.2キロ
ビョン・ジェウン:57.1キロ


村元友太郎
勝者:福田
「本田選手も頑張るんですけど、福田選手をテイクダウンしきれずに削られる。徐々にダメージを与える福田選手もフィニッシュできないけど、判定で勝かちます。でも、こんなことを尋ねられるのは侮辱なので、明日しっかりと勝ちます」

ビョン・ジェウン
勝者:福田
「本田選手に勝ってほしいけど、福田選手が上手くするかなと思います」

■視聴方法(予定)
5月7日(日)
午後5時20分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP113計量結果

<フライ級GP決勝/5分3R>
福田龍彌:56.65キロ
本田良介:56.06キロ

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理:70.25キロ
[挑戦者] 上迫博仁:70.2キロ

<バンタム級/5分3R>
CORO:61.7キロ
力也:61.45キロ

<ライト級/5分3R>
北岡悟:70.8キロ
大山釼呑助:70.6キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:65.75キロ
青井人:66.15キロ

<58キロ契約/5分3R>
安谷屋智弘:58.0キロ
ヒロヤ:57.85キロ

<フライ級/5分2R>
村元友太郎:57.2キロ
ビョン・ジェウン:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
高野優樹:66.3キロ→
西谷大成:66.3キロ→

<メガトン級/5分2R>
誠悟:117.55キロ
江畑秀範:―キロ

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ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase333 RIZIN ROAD FC アキラ パンクラス 久米鷹介 大原樹理 松本光史 鈴木琢仁 阿部大治 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase333】久米鷹介と王座統一戦、アキラ─02─「お互いゴリラチック」&「最高の試合ができる」

【写真】プロセスの違うパンチを打てるようになってきたアキラ。35歳にして引き出しが増え続けている(C)SUSUMU NAGAO

30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333で、フェザー級正規KOPとの王座統一戦に臨む、暫定王者アキラのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

石渡伸太郎の指導を経て、アキラの試合内容は大きく変化し、そして進化してきた。試合の組み立てからフィニッシュに至るまで、まるで別人のように――。RIZINで1敗を喫したものの、その後に掴んだチャンスをものにして暫定ながらベルトを巻いたアキラ。では正規王者の久米に対してどんな印象を抱いているのかと訊いたところ、久米と通じるものがあるという。そんな両者の対戦や、いかに。

<アキラ・インタビューPart.01はコチラから>


――アキラ選手のファイトが大きく変わったのは、2021年5月に行われた松本光史選手との2戦目だったと思います。あの試合では序盤から松本選手が左ジャブで試合を制しているように見えながら、フィニッシュシーンから考えるとアキラ選手が最初から誘っていたのでしょうか。

「そうなんですよね。僕が前に出て大きなパンチを当てていたからか、ジャッジは1Rと2Rを僕につけていて。でも後からテレビの映像を視ると、実況と解説の方はずっと松本さん寄りで……(笑)。

3RでKO勝ちしたことは同じでも、田村戦と松本戦は試合プランが全く違っていました。田村戦は1Rが終わってコーナーに戻ったら、石渡さんから『今はこのパンチしか当たらないから、このパンチしか狙わなくていい』と言われたんです。最後は相手のパンチをもらった時、僕自身はそれほど効いてはいなかったのですが、田村さんは効いたと思ったのか安易に仕留めにきて。そこに石渡さんから狙うように言われていたパンチが当たりました。

松本さんとの2度目の試合は、逆に僕がポイントを取って、松本さんがKOか一本を狙って前に出て来るしかない状況に追い込んでいきました。そこに狙いどおりにパンチが当たったという流れですね」

――なるほど。2022年2月の鈴木琢仁戦は意外といいますか、柔術ベースの鈴木選手に対してアキラ選手からグラウンド勝負を挑んだように見えました。これまでのアキラ選手の試合でもテイクダウン&トップキープはありましたが、ガードポジションとパスガードを見ることは少なかったと思います。

「アハハハ、確かに珍しいですよね。特に意識していたわけではないのですが、寝技でも勝負できるという自信があったから、そういう試合になったんだと思います。テイクダウンしてからフィニッシュに持ち込む形が出来たのは大きいです。

それはRIZINで阿部大治選手に極めたノースサウス・チョークとか。ああいう形は、昔はなくて。石渡さんに教わって必死に練習しました。あの形が出来たからこそ、鈴木選手のように足が利く選手でも自分が立つことなく、そのまま寝技で勝負できるようになったんです」

――ただ、松本選手との3度目の対決でベルトを獲得する前に、RIZINでDEEP王者の大原樹理選手に敗れています。当時はパンクラスとRIZINで4連勝し、もうベルトも見えていたのではないでしょうか。

「選手をやっている以上、やっぱりベルトという形として残したいです。一方で、大きな舞台で戦いたいという気持ちもあります。実は大原戦の前まで、このままRIZINで戦って、もうパンクラスに戻ることはないかもしれないと考えていました。

でも大原戦で負けてしまって……あの試合は本当に悔しかったです。負けた原因は、結局は自分の根性のなさで。1Rと2Rは悪くなかったのに、最後に少し疲れたところで相手にまくられてしまったと思います。ここで負けるとRIZINで次の試合はあるのかどうか、そう思っていたところにパンクラスから暫定王者決定戦のオファーを頂いて、本当に嬉しかったです」

――プロデビューから12年で、ようやく辿り着いたタイトルマッチでした。

「やっと――という感じでしたね。ずっと一生懸命やってきました。でも一生懸命やっていただけで、やり方の工夫はできていませんでした。そんな自分を石渡さんが変えてくれて、辿り着いたタイトルマッチだったと思います。

ただ……何て言うんですかね、……何とも言えない気持ちでした。もちろん嬉しい気持ちは大きいです。でもまだ暫定のベルトで、これで正規王者に挑戦できる権利を得たという感じです。僕の中では、あの試合は挑戦者決定戦のような気持ちでしたね」

――そして今回、正規王者の久米鷹介選手と王座統一戦を行うことが決まりました。お互い長いキャリアの中で、同じ階級で同じ相手と対戦していることも多かったのですが、これが初対決となります。

「久米さんとは被っている時期がないですからね。僕がパンクラスに出始めた頃は、久米さんはROAD FCに行っていて。久米さんが勝ち続けている時に、僕は負けてしまっていたので……。だから以前は対戦するという意識はなくて、石渡さんの引退興行にいらっしゃっていた時、一緒に写真を撮ってもらいました(笑)。メチャクチャ良い人ですし、お互い通じるものがあって」

――通じるものとは?

「年齢も近いし、……お互いゴリラチックで」

――アハハハ、そこはYesともNoとも言えません(笑)。

「対戦が決まってからは、その時の写真を見ながら気持ちを高めています。……というのは冗談ですけど(笑)。久米さんは本当に偉大な選手です。打撃も強いし組んでも強くて、何より攻撃力が高い。でも、そのなかで自分が勝負できるところがあり、今はその部分を石渡さんと磨いているところです」

――どんなところを磨いているのでしょうか。

「それは試合前なので言えません(笑)。改めて前回の試合(※2021年12月、雑賀ヤン坊達也に一本勝ち)を視ても、本当に凄い内容でした。ああいう試合を視ると、自分も燃え上がります。久米さんとなら最高の試合ができるし、パンクラス史上に残るようなタイトルマッチにしたいですね。この試合で、自分がパンクラスのライト級でナンバーワンのファイターだと証明して、さらに上の世界に行きたいです」

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CORO DEEP DEEPフライ級GP DJ.taiki MMA News o RIZIN パンクラス 上迫博仁 五明宏人 伊澤星花 修斗 力也 北岡悟 大原樹理 本田良介 渡部修斗 石司晃一 福田龍彌 青井人

【DEEP】連勝中の力也がバンタム級元暫定王者COROと対戦!

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5月7日に後楽園ホールで開催されるDEEP 113 IMPACT。既に福田龍彌 ×本田良介のDEEPフライ級GP決勝戦が発表されていますが、新たに豪華な追加対戦カードが発表されました。

大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ)×上迫博仁(NICE BAD GYM)のライト級タイトルマッチの他、北岡悟(パンクラスイズム横浜)×大山釼呑助(INFIGHT JAPAN)、青井人(BLOWS)×五明宏人(トライフォース赤坂)など好カードが並ぶ中、個人的に大注目なのはCORO(K-Clann)×力也(KING OF LIBERTY)のバンタム級ワンマッチです。

COROは石司晃一に敗れて正規王座戴冠はならなかったものの、しぶとい試合運びでDJ.taikiに判定で競り勝って暫定王者に就いたいぶし銀。負けが続いた時期もありましたが、最近では寝技での一本勝ちも増えて本格化してきました。伊澤星花との入籍の話題が先行していますが、王座獲りに向けて再出発なるか。注目です。

そして対戦相手の力也は2023年ネクストブレイクの気配満載。レスリング全日本学生選手権で2度優勝し、2014年のレスリング世界大学選手権グレコローマン59kg級で5位に入賞した逸材。MMAに転向後は寝技もさることながら、血気盛んに打撃を振るって前に出るアグレッシブな試合運びが目に付きます。

COROと同じK-Clannに所属するKENTAにはパンチの猛攻で秒殺すると、2月のDEEPではRIZINバンタム級GPファイターの渡部修斗を打撃で圧倒。開始直後からプレスをかけて左右の連打を浴びせるとダウンを奪ってパウンドアウトする衝撃的な攻撃力を見せつけました。

もしCOROにも圧勝するようだと、いよいよバンタム級タイトルショットも視界に入ってくるでしょう。勝ち方次第ではRIZINからオファーが舞い込むなんて事も。力也が連勝で一気にブレイクするか。COROが熟練の試合運びで光を消すか。楽しみな一戦が組まれました。
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Black Combat DEEP DEEP112 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o RIZIN UFC キック ボクシング 伊藤裕樹 修斗 大原樹理 宇田悠斗 島袋チカラ 本田良介 村元友太郎 石塚雄馬 福田龍彌

【DEEP112】フライ級T準決=福田龍彌戦に向けて。宇田悠斗「大会的にはDEEP育ちの伊藤選手優勝が綺麗」

【写真】基本ZOOM取材の時はスクショをトップ写真に使用するのですが、やはりこのインパクトには勝てず。改めて一張羅姿でいかせていだきます (C)MMAPLANET

11日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112では、フライ級GP準決勝戦が行われる。1月13日に抽選の結果、宇田悠斗が福田龍彌と対戦することが決まった。
Text by Shojiro Kameike

修斗世界ランカーとしてGPに参加した宇田は、1回戦で島袋チカラを超高速ヒジ連打でKO。続く2回戦は村元友太郎をサッカーボールキックで退けている。こうした結果から、GPを通じて最も評価を高めているのは宇田かもしれない。そんな宇田が語る連続KO劇と、冷静な各ファイターの分析――その裏に、知られていない熱さが見えた。


こちらがZoomのスクショです。格好良いに──

――昨年12月にDEEPフライ級GP2回戦で村元選手をKO。今年に入って準決勝の組み合わせ抽選会が行われ、次の対戦相手は福田龍彌選手に決定しています。まず村元戦についてですが、サッカーボールキックによる衝撃のKO劇でした。あの試合内容は、点数をつけるとすれば何点ですか。

「あの試合は……60点ですね」

――えっ、マイナス40点の理由は何なのでしょうか。

「まずしっかりフィニッシュできたことと、練習でやっていたことが試合で出せたことが60点です。マイナス40点は、もう少し早い段階でフィニッシュできたかなというところですね。ファーストコンタクトで、相手が自分の攻撃に対して反応できていないことは分かりました。そこですぐにワンツーを打っておけば、当たったと思うんですよ。でも自分が警戒して、時間を使いすぎてしまいました」

――村元選手の動きに対して、どのような点を警戒したのですか。

「やっぱりスピードのある選手なので、カウンターを合わせてくると思って警戒しすぎてしまいましたね。1Rの1分を過ぎたあたりで、セコンドの石渡(伸太郎)さんから『相手は反応できていないから行け。勝負しろ』という指示があったんですよ。実際そこで自分の打撃も当たっていたし――もっと自分のことを信じて勝負していれば、もっと早くフィニッシュできていたと思います」

――ただ、そこでセコンドの指示も聞こえて、かつ少しでも自分から行くことができたということは、それだけ冷静だったということですね。

「すごく冷静に試合を進めることができていました。それこそアップの時から調子が良くて。周りの声も聞こえていたし、パフォーマンスはメチャクチャ良かったです」

――それでも自己採点が60点というのは、ご自身の中でその点数は高いほうですか。それとも低い点数なのでしょうか。

「いや、割と高いですね。自分の中では、今までで一番出来が良かった試合です」

――一番出来が良くて60点ということは、自分自身に対して厳しいということですね。ちなみに村元戦の作戦とは、得意の右ストレートを当てるというものだったのですか。

「最初はジャブで相手の位置取りをして、相手が飛び込んでくる時にカウンターを当てる。もっとグチャグチャした展開になると思っていたんですよ。村元選手はもっと足を使って、出入りを多くしてくると考えていました。

だけどファーストコンタクトでジャブを当てた時、村元選手はベタ足でドシッと構えていたので、何も怖くなくて……。スピードは自分のほうが速いし、圧力もない。反対に右ストレートか何かをもらった時、『この人のパンチでは倒れない』という自信が生まれて」

――その作戦や試合の中で掴んだ感覚に、間違いなくサッカーボールキックは入っていなさそうですね(笑)。

「アハハハ、全く頭になかったです。その場のノリというか(苦笑)」

――韓国Black Combatとの対抗戦を控えている大原樹理選手にも、サッカーボールキックについてお聞きしました。大原選手は昨年7月に石塚雄馬選手をサッカーボールキックでKOしています。なぜ寝ている相手の顔面を躊躇なく蹴り上げることができるのかと……。

「あぁ、大原選手もすごいKOでしたね。何て言っていました?」

――辿り着いた結論は、『むしろ考えていたら蹴ることはできない。普段から染み込ませているから、咄嗟に出るものだ』ということですね。

「なるほど、そうですね。普段からサッカーボールキックの練習はできないけど、常に仕留めることを考えて練習しています。相手の構えに少し隙ができたところに一発入れるということは、練習でも言われているので」

――その一つが、前回のインタビューで言われていた『離れ際の打撃は暴力として出せ』という石渡さんの指示ですか。

「そういうことです。常に意識を張って、仕留めるための暴力を出す練習をしています」

――これも大原選手にも聞いたのですが、相手が倒れている状態で抑え込むという意識はないのでしょうか。

「左フックが当たって相手が倒れた時、まだ目が死んでいなかったんです。『これは立ってくる』と思ったので、実は跳びヒザを出そうと思ったんです。でもまだ倒れている状態だったから、そこで顔面にヒザを当てると反則じゃないですか。すぐにサッカーボールキックへシフトチェンジしました」

――その状態で急ブレーキを踏めるのですね!

「相手の頭が良い位置にあったからです。ヒザを出そうとして、そのまま足を伸ばせば蹴りが当たる位置に頭があったので。最初から蹴ろうとしていたら、それほどちゃんとした場所には当たっていなかったと思います」

――なるほど。宇田選手が衝撃的なKO勝利を続けるなかで、他の選手の試合はどのように見ていたのでしょうか。自身の対抗馬として考えている選手はいますか。

「伊藤裕樹選手じゃないですかね。何というか……。大会的には、DEEPで育ってきた伊藤選手が優勝するのが綺麗な形なのかなって。その伊藤選手と、修斗からの刺客みたいな感じの自分が決勝で対戦するのが一番面白いんじゃないですか」

――今もそうですし、準決勝の組み合わせ抽選会では、マネージメントが同じの本田良介選手が負けることを期待するような発言がありました。

「いやいや、そんなことはないですって(苦笑)。誤解、誤解です」

――もう一つ、抽選会で着ていた一張羅のスーツが印象的でした。

「アハハハ、ありがとうございます」

――正直に言うと、宇田選手の顔に刃物による傷のようなものが見えた時、ヤンチャな時代があったのだろうと思いました。そして抽選会で着ていたスーツを見て、その推測は確信に変わっています(笑)。

「うーん、少しは……ハイ(苦笑)。もともとMMAを始めたのも、喧嘩に強くなりたかったからでした。それがいざジムに行った時、40歳ぐらいのオッチャンとボクシングのスパーリングをして、ボコボコにされたんですよ。『街でこの人と喧嘩になったら負けるんや』と思って(笑)。俺って弱いんだ、強くなりたいってメチャクチャ練習し始めました。

でも最初は試合に出るつもりはなく、ただ強くなりたいっていうだけだったんです。それが初めてアマチュア修斗に出た時にKO負けして……。あのKO負けから自分の中で火がついて、毎日ずっとジムで練習するようになりました。あの頃は仕事しながらプラプラ遊んでいましたけど、もう遊びにも飽きていて」

――そんな遊びよりも、MMAは楽しかったですか。

「楽しかったです。ずっと毎日が同じ感じで、自分の人生ってしょうもないなと思っていました。でもMMを始めてからは――遊んでいる時のようにお金が減っていくことはないし、強くなれる。何よりMMA自体が楽しいスポーツで。こんなに楽しいものはないですよ」

――当時一緒に遊んでいた友達は、現在の宇田選手を見てどう言っているのでしょうか。

「別次元の人として喋りかけてきます。『普通の人間に同じことはできない。お前だからできるんだ』って特別視されています。そんなことはないですけどね。

東京って格闘技ジムが多いし、通う人もたくさんいる。テレビでRIZINを見ている人も多いじゃないですか。だから自分が『格闘技を始めてRIZINに出たい』と言っても、誰も笑わないと思います。それだけ現実味がある場所だから。

でも愛媛県の宇和島というところは、特に何もない場所で。自分がMMAを始めてUFCに出たいと言っても、『コイツは何を言っているんだ!?』って思うんです。現実味がなさすぎて、『そんなことをする暇があったら仕事しろよ』とかボロクソ言われていました」

――……。

「そこから自分は頑張って、東京にも出てきて勝つことができている。そんな僕がベルトを巻いて、世界で活躍できるようになれば、きっと地元の人たちも変わると思います。やる気さえあれば誰でもどうにでもなるって証明したいです」

――なるほど。試合の話に戻りますが、抽選会でも言っていたとおり準決勝では伊藤選手と対戦したかったですか。

「それはトーナメントを勝ち抜いていくための戦術として考えていたんですよ。伊藤選手は打撃が強くて、自分が勝ってもダメージを負ってしまうと思います。でもトーナメントは、たとえダメージを負っても勝たないといけない。だったら勝つ確率が高いほうを選びますよね。伊藤選手と本田さんでは、伊藤選手のほうが勝つ確率は高いと思いました。どっちが強いというより、相性の問題で」

――本田選手が対戦相手になっていた場合は……。

「本田さんは一緒に練習したこともあって、強さが分かっています。……キツいタイプじゃないですか(苦笑)」

<この項、続く

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Black Combat Black Combat05 DEEP MMA MMAPLANET o YouTube キム・ジョンフン キム・ミンウ チェ・ウォンジュン ブラック ホン・イェリン ユン・ダウォン 中村大介 大原樹理 大島沙緒里 山本聖悟 赤沢幸典

【Black Combat05】ブラックコンバット✖DEEPの対抗戦は──3勝2敗でブラックコンバットに凱歌…厳しい

【写真】この陣容で敗れるのは、厳しい(C)PARK JONG HYUK

4日(土・現地時間)、韓国はスウォンのスウォン・コンベンションセンターで開催されたBlack Combat05「Song of the Sword」。
Text by Choi Woo Suk

同大会で実現したBlack Combat vs DEEP対抗戦は3勝2敗でブラックコンバットに凱歌が挙がった。しかも、日本勢の2連勝から3連勝で逆転勝ち。DEEPにとってはある意味、0勝5敗よりもしてやられた結果となった。

<無座別級/5分3R>
チェ・ウォンジュン(韓国)
Def.3R1分49秒by TKO
赤沢幸典(日本)

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
Def.3R4分39秒by RNC
中村大介(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ジョンフン(韓国)
Def.2R0分30秒by TKO
山本聖悟(日本)

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
Def.1R4分39秒by KO
ユン・ダウォン(韓国)

<女子アトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
Def.3R0分59秒by 腕十字
ホン・イェリン(韓国)


※同大会のレポートはYouTubeの公開を待ってアップします


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【Black Combat05】ホン・イェリン戦前、大島沙緒里─02─「実は私も打撃が好きなんですよ」

【写真】DEEPミクロ級王者&DEEP JEWELSアトム級王者として、韓国に初上陸 (C)BLACK COMBAT

4日(土・現地時間)、韓国はスウォンのスウォン・コンベンションセンターで開催されるBlack Combat05では、Black CombatとDEEPの対抗戦が行われる。その女子アトム級でホン・イェリンと対戦する大島沙緒里のインタビュー後編。
Text by Kameike Shojiro

大島にとっては、今回のBlack Combat出場がMMAでは初の海外試合となる。韓国女子MMAの新鋭、ホン・イェリンを相手に日本2冠王者として、いかに戦うのか。そんななかで気になる大島の得意技――キムラ・スイープにまつわる秘話が語られた。

<大島沙緒里インタビューPart.01はコチラから>


――もともとBlack Combatについては認識していましたか。

「YouTubeを中心に進めていくスタイルは面白いですよね。それによって大会の知名度が上がっているのでしょうし、アリだとは思います。そういえば大晦日、Black Combatに行ったんですよね。どうでしたか?」

――個人的な感想を言えば、YouTube向けのイベントかと思っていましたがMMAとしてのレベルは高かったです。出場選手の多くは数戦しかしていないので、測りきれないところはありますが……。

「女子の試合はなかったんですよね? でも、それだけのレベルがあって嬉しいです(インタビューはBlack Combatの出場者決定戦の動画配信前に行われた)。私は韓国人といえばパク・シウ選手としか試合していないので、どうなるか全く分かりませんでした。でもここで試合をしないと、私自身のモチベーションも落ちてしまうし、誰が相手でも出たいと思っていました」

――柔道時代も含めて、今回が初の海外試合なのでしょうか。

「いえ、柔道では10年以上前ですけど、ロシアやハンガリーで試合をしたことがあります。冬で寒かったですね。韓国も寒いみたいですし、現地へ行っても試合まで外に出ません(笑)」

――その韓国で対戦するホン・イェリンについて印象を教えてください。

「若いですよね(※現在20歳)。MMAの試合は全て見ました。キックボクシングの試合にも出ているので、そちらの映像も見ています。若さとガッツあふれるストライカーだなと思います。ガンガン前に出てくる選手で、その勢いに飲まれないようにしたいですね」

――今の大島選手にとってストライカーに対する怖さ、やりにくさはありますか。

「それはあります。でも、実は私も打撃が好きなんですよ。今も打撃はAACC以外にも、ずっとムエタイやボクシングジムにも週1ぐらい通っていて。ボクシングジムに行き始めたのは最近で、ムエタイジムはパク・シウに負けた後ぐらいからずっと行っています」

――大島選手のムエタイテクニックは、ぜひ試合で見たいです。

「古瀬戦ではその打撃を見せたかったんですけどね(笑)。次の試合は47.6キロ契約で、ミクロ級よりは重い体重になりますけど、やっぱり打撃は見せたいです」

――ホン・イェリンのMMAの試合を見ると、キャリアは浅いものの成長していることは窺えます。ただし、キックボクシングがベースでテイクダウンのディフェンスは少し難がある。その点は大島選手にとって優位となりますか。

「組めばどうにかなるということはないと思います。柔道時代から韓国人選手はフィジカルトレーニングをやっているイメージで、MMAの世界でも変わらないですよね。もちろんホン・イェリン選手も対策はやってきているでしょうから」

――一方で、敵地での試合ということについては、いかがですか。

「いつもと違う場所で戦うというのは、コンディション面で気をつけないといけないことは多いですよね。でもケージに入ったら周りも見えず、相手と向き合うだけ。それはRIZIN沖縄大会でもそうでしたし、韓国であっても同じだと思っています」

――なるほど。大島選手に、どうしてもお聞きしたことがあります。いつも試合で見せているキムラからのスイープですが、なぜあれほどまでに決まるのでしょうか。

「あぁ、あの引き込み返しですね」

──ハイ。形は引き込み返し、もしくは帯取返しで帯でなく腕絡みで返していくというものです。

「あれは……柔道もMMAも、下になるのは大きなリスクがあるじゃないですか。そのなかで、あの技は本当に何度も何度も練習しないと身につかないんですよ。それこそ高校時代に何百回も失敗しながら、1年半ぐらいかけて身につけました」

――1年半ですか!

「ずっと失敗し続けて、ようやく1回成功して……。だから『ココをこうする』と説明しても、みんながすぐに実践できるようなものじゃないんです」

――相手にしてみれば一度食らったとしても、次の試合でそう簡単に防御できるものではないということですね。

「はい。得意な技って、掛け方が一つじゃないんです。こう防御されたら、こうする――枝葉のように分かれていくので、多少防御されたからといって掛からなくなるものではないですね」

――それだけの期間と練習回数を要しても、あの技を身につけたかった理由は何だったのでしょうか。

「そもそも私が通っていた高校の柔道部で受け継がれている技だったんです。あの引き込み返しともう一つを、ずっと練習する学校でした」

――柔道部で受け継がれている技! 浪漫を感じます。

「だから、何回失敗しても身につけないといけなくて(苦笑)。柔道の試合で抑え込まれても、その2つの技を貫き通します。同じ柔道部の子だったら、MMAでも同じ技ができると思いますよ。あの技を見るだけで、その学校の柔道部だと分かるような技です」

――さらに……あの引き込み返しだけでなく、もう一つ伝統の技があるのですか。

「どちらかというと、私はもう一つの技のほうが得意でした。その技はまだMMAで使っていないので、どんな技か今は言えないんですけど……。柔道と違ってMMAは帯や道着を掴むことがないので、少し難しいかもしれないです。でも、何か方法はあるかなと思っています。

柔道時代にその2つを練習してきたおかげで、MMAでも下になっても返すことができるんですよ。だからテイクダウンに行って下になっても大丈夫だし、下になっても大丈夫だからテイクダウンを狙われるのも怖くない。その気持ちをつくってくれたのが、引き込み返しともう一つの技を教えてくれた、あの柔道部の練習なんです」

■ Black Combat05対戦カード

<無差別級/5分3R>
チェ・ウォンジュン(韓国)
赤沢幸典(日本)

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
中村大介(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ジョンフン(韓国)
山本聖悟(日本)

<ライト級/5分3R>
ユン・ダウォン(韓国)
大原樹理(日本)

<女子アトム級/5分3R>
ホン・イェリン(韓国)
大島沙緒里(日本)

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【Black Combat05】対抗戦でユン・ダウォンと対戦、大原樹理─02─「今の僕があるのはDEEPのおかげ」

【写真】DEEPの王者として勝利し、もう一つベルトを狙うことはあるのか。そのストーリーラインをブラックさんは受け止めることができるのか (C)BLACK COMBAT

4日(土・現地時間)、韓国はスウォンのスウォン・コンベンションセンターで開催されるBlack Combat05「Song of the Sword」で、いよいよ実現するBlack CombatとDEEPとの対抗戦。団体の威信が相当に掛かっている対抗戦、その次鋒戦に出場する大原樹理インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

DEEPへの想いは誰にも負けない大原の対抗戦出場、しかも大原にとっては今回が初の海外遠征となる。インタビュー後編では対戦相手のユン・ダウォンについて、さらに対抗戦の勝敗予想も語ってくれた。

<大原樹理インタビューPart.01はコチラから>


――今回の対抗戦の話が出る前から、Black Combatの存在はご存じでしたか。

「いえ、全く知らなかったです。試合が決まってから過去の動画を視たぐらいですね。大晦日のライト級王座決定戦も視ました」

――イ・ソンハがキム・ジュンギュンを判定で下した試合ですね。イ・スンハの体型や試合スタイルは、大原選手に近いのではないですか。

Black Combatライト級王者イ・ソンハ

「あぁ、そうかもしれないですね。

であれば次の対抗戦で勝って、現チャンピオンに喧嘩を売ったほうが良いですか? タイトルを賭けて試合しようよって(笑)」

――実際、試合直後に次の対戦相手と煽り合う場面は多いです。

「ああいうふうにYouTubeが中心で、煽り合っていくスタイルも良いんじゃないですか。あれはあれでアリだと思いますよ。対抗戦のメンバーが決まっていくのをドキュメンタリー風に見せていて、面白いです。ただし文化の違いもあるので、DEEPは今のままで良いんじゃないですかね」

――今の格闘技界は、YouTube以外にもSNSを活用することが求められる風潮があります。その点については、どのように思いますか。

「僕があまりSNSを活用していませんからね(苦笑)。それは選手によりけりで。自分としては試合が決まったことだけをSNSで伝えて、あとはゴチャゴチャ書かずに試合を見てっていうほうがカッコ良いんじゃないかと思います。古いタイプなんですかね? SNSで言い合うよりは、煽り映像を撮ってくれたほうが嬉しいです」

――今回のBlack Combatとの対抗戦出場が、大原選手にとっては初の海外での試合になります。

「今の僕があるのはDEEPのおかげなので、DEEPから出てほしいと言われれば出る。常に会長とも、そう話をしています。特に今回はDEEPの代表として敵陣に乗り込むわけで、良かったと思います」

――初の対抗戦に、現役王者である大原選手が出場すると知って驚きました。佐伯さんは最初から対抗戦に勝利する気マンマンなのだと。

「そうですよね。ユン・ダウォンはMMA戦績が5勝3敗1分で、しかも最近は勝ったり負けたりという結果じゃないですか。もちろん韓国人選手は戦績だけで判断できないです。でも直近の試合(昨年11月、ショフルフ・ニヤズマトフにRNCで勝利)を見たんですよ。それで『あぁ、なるほど……』と思いました」

――含みを持たせた言い方ですね。

「アハハハ。ユン・ダウォンって、2017年12月にDEEPで横田(一則)さんと対戦して、キムラで一本負けしているじゃないですか。その試合も見たうえで、『あれから何が成長しているんだろう』と思ったんですよ」

――横田戦は完全に組みの展開で進めていたのに、ここ最近は打撃戦を主軸にして寝技でフィニッシュを狙うという展開が多いです。

「だから結局は組みの選手だと思うんです。組みやすくするために打撃を散らしている印象があります。でもちゃんと組めているかといえば……」

――今の韓国人選手は、再び組みより打撃のほうが多くなる傾向にあります。

「そう考えると、あれは自分の得意なスタイルではないかもしれないですよね。僕との試合ではどう出て来るか分からないですが、やっぱり打撃をやりながらテイクダウンを狙いに来るのでは――という感じです。

でもあの打撃で来てくれるなら、僕はやりやすいですよ。すぐテイクダウンに来るなら来るで、別に構いません。僕は寝技に付き合うつもりは一切ないですし」

――ここ最近、ユン・ダウォンはライト級からフェザー級に落として試合をしていました。その分スピードも落ちていたように思いますが、それがライト級に戻して戦うことで何か影響はあるのでしょうか。

「いや、条件は変わらないと思いますよ。僕も一時期はフェザー級で試合をしていて、今も――試合で動けるかどうかはともかく――フェザー級に落とそうと思えば、落とせます。単にフェザー級が自分に合っていなかったというだけで。まぁ階級を戻しただけで勝てるなら、苦労しないッスよ(笑)」

――そうですね、失礼いたしました(笑)。大原選手と韓国人選手の試合といえば、2015年7月のRoad FC日本大会で、イ・グァンヒに敗れたことを思い出します。

「ありましたねぇ。僕にとっては、あの大会が初めてのビッグイベント出場で。相手の映像を見ても、『これはKOするかKOされるかの試合になる』と思いました。結果は、僕のほうがKOされてしまいましたね。韓国人選手との試合といえば、2016年4月にフェザー級でジン・テホに判定勝ちしたぐらいです。

当時と比べて、自分は打撃の質が向上しました。打撃の破壊力が増して、さらに組みから全て底上げされています。アウェイでの試合はちょっとでも分かりにくい内容だったら、判定は相手のものになると思っているんですよ。だから今回は最初からガツガツ行きますね」

――試合を楽しみにしています。最後に今回の対抗戦は、どのような結果になると思いますか。

「自分の対戦相手以外だと、まだ無差別級の出場者決定戦しか見ていないですけど……DEEPとは歴史が違いますからね。今回の対抗戦に出るのは、そのDEEPで鎬を削ってきた選手です。それこそ全勝して、DEEPは強いっていうところを韓国のファンにも見せて帰国したいですね」

■ Black Combat05対戦カード

<無差別級/5分3R>
チェ・ウォンジュン(韓国)
赤沢幸典(日本)

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
中村大介(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ジョンフン(韓国)
山本聖悟(日本)

<ライト級/5分3R>
ユン・ダウォン(韓国)
大原樹理(日本)

<女子アトム級/5分3R>
ホン・イェリン(韓国)
大島沙緒里(日本)

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【Black Combat05】DEEPと対抗戦、ブラック代表─02─「野球選手に負けない収入を得られるよう」

【写真】黒魔術以上に腹芸が際立っていた(笑)──対抗戦の会見(C)BLACK COMBAT

4日(土・現地時間)、韓国はスウォンのスウォン・コンベンションセンターで開催されるBlack Combat05「Song of the Sword」=Black Combat vs DEEP対抗戦。

YouTubeでブラックコンバット勢の選抜戦の動画のアップが終わり、5つの試合が決定すると同時に現地では記者会見やフェイスオフを行われている。ここでは昨年末に行った謎が謎を呼ぶ、ブラック代表インタビューの後編をお届けしたい。

DEEPとの対抗戦からのブラックコンバットの進むべき道、それはブラック代表が異様に強度の高いMMAファンであること理解できる目標=夢であった。

<ブラック代表インタビューPart.01はコチラから>


──と同時にやはりスポーツはLIVE中継が欠かせない。ディレイ中継だと余りにもコンテンツという見方が大きいようにも感じます。

「もちろん、その点についても考えています。ライブで視聴したい人も多くいるでしょう。ただし日本と韓国は違います。韓国はMMAがメジャーではないです。お金を払って、会場で試合を見る人がまだまだ少ないのが実情です。そのなかでライブ配信を行うと、会場で試合を見る人がさらに少なくなってしまいます。だから、あえてライブ配信はしていません。

ブラックコンバットの試合を生で見たいなら、チケットを買って会場に足を運んでほしい。結果的に、チケットはソールドアウトになっています。会場で試合を見れば、MMAの素晴らしさを体感できます。そうすると、次の試合も見たいと思ってくれるはずです」

──とはいえDEEPとの対抗戦は、日本のファンの多くは航空券を買って韓国に足を運ぶことはできません。

「そこは日本ではPPVでライブ視聴できるようなアプリを作成しようと思います……将来的には。日本のファンは、携帯でブラックコンバットを視聴してもらえるようになります。韓国では映画館、パブリックシアター形式でライブ観戦も可能にしていこうと思っています」

──キャラが立っている選手は、キャリアに関係なく知名度が上がる。選手も張り切る側面があるなかで、やはり実力者の試合が見たい。そういう声も挙がるかと思います。その辺りはどのように考えていますか。

「キャリアの少ない選手にキャラ付けをして、注目されたのは確かです。同時にDEEPとの対抗戦で選抜された5選手は、本当に強い選手です。まずヘビー級はチェ・ウォンジュン、ヤン・ヘジュンには敗れてヘビー級王者になれなかったですが、現Road FC王者を5秒でKOしたことがあります。ライト級はユン・ダウォン、Double GFCでもトップで彼はブラックコンバットではランク2位です。フェザー級はもう説明の必要もないですね、キム・ミンウが出場します」

──おおっ!!

「そしてバンタム級にはキム・ミンウの兄キム・ジョンフン。女子アトム級はホン・イェリン、日本ではパンクラスでも試合をしたことがあります。その時は負けているのですが、急なオファーを受けての結果なので『日本人には絶対に負けない』と燃えていますよ(笑)。
彼らの実力には自信を持っています。強い選手にブラックコンバットで戦ってもらう。その気持ちでいました。だからこそ対抗戦出場選手もそうですし、今後も強い選手に出場してもらうつもりでやっています」

──対抗戦ですが、日本で既に出場選手が誰になるかを聞いています(※取材は昨年12月30日に行われた)。女子アトム級が大島沙緒里選手、バンタム級が山本聖悟選手、フェザー級は中村大介選手、ライト級は大原樹理選手、そしてヘビー級は赤沢幸典選手という5名。山本選手以外はチャンピオン、タイトルコンテンダーです。佐伯代表は完全に勝ちに来ていると思います。

「その5選手の名前を聞いて。20年以上続けているプライドを感じました。ただし、韓国で開く大会です。こちらの方が絶対に負けらないです。ここで勝って、年末に対抗戦第2弾をやるつもりでいます。その時はRIZINで活躍している選手にも出てきてもらって、大きな会場で開催したいですね」

──DEEP以外にも他の国のプロモーションと対抗戦を開くことは考えていますか。

「実は他の国からコラボの話はありました。ただ順番があります。韓日戦は一番盛り上がります。2023年は日本、そこからは世界中の団体と対抗戦をやっていきたいです」

──日本もそうですが、韓国も国内の選手の多くがMMAを戦うだけでは生活ができないです。この辺り、ブラックさんはどのように考えていますか。

「もちろん、そうなることを考えています。ブラックコンバットを発足させたときの記者会見でも、所信表明をさせてもらいました。ブラックコンバットを大きくし、少しでも多くのファイトマネーを支払いたいですし、サポートできるようにしていきたいです。いつかは野球選手に負けない収入をMMA選手が得られるように、自分は頑張ります。

そのなかでMMA界では世界初で、ブラックコンバットのオフィシャルジムでチャンピオンズリーグという大会をやっています。ジム対抗戦ですね。試合数も増えていますし、選手の育成にも通じています。そして優勝したジムの優勝賞金も増やしていきたいです。

やはりチーム戦と個人戦は違います。5✖5のチーム戦には、一つ一つのチームにスポンサーもついています。そうやっていくなかで、チーム戦もMMAの魅力を伝える一つの手段になると思います。ただし、それらはあくまでも手段なんです。格闘技の本質は強さです。いくらキャラが立っていて、人気があっても負けると人気は下がります。戦って一番上に立つ者が、一番の人気者になります。それが格闘技です」

──押忍。ありがとうございました。では最後にDEEPとの対抗戦への自信の程を聞かせてください。

「DEEPが素晴らしい団体だということは百も承知です。ただし、戦う限り勝ちに行きます。世界に行くために、DEEPを踏み台にします。振り返るとPRIDEがあった時代は、UFCでなくPRIDEが世界のトップでした。トップの座をアジアに取り戻したい。しかし、それは日本ではなくて韓国になりますっ!!」

■ Black Combat05対戦カード

<女子アトム級/5分3R>
ホン・イェリン(韓国)
大島沙緒里(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ジョンフン(韓国)
山本聖悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
中村大介(日本)

<ライト級/5分3R>
ユン・ダウォン(韓国)
大原樹理(日本)

<ヘビー級/5分3R>
チェ・ウォンジュン(韓国)
赤沢幸典(日本)

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【Black Combat05】DEEP✖Black Combat対抗戦へ大原樹理─01─「グラウンドの蹴りも練習しています」

【写真】チャンピオンの風格? ブラックコンバットとの対抗戦に余裕が感じられた大原(C)SHOJIRO KAMEIKE

2月 4日(土・現地時間)、韓国はスウォンのスウォン・コンベンションセンターで開催されるBlack Combat05ではBack CombatとDEEPとの対抗戦が行われる。5階級で争われる対抗戦のライト級にはDEEP同級王者の大原樹理が出場し、ユン・ダウォンと対戦することが決まった。
Text by Shojiro Kameike

いきなり王者を投入、佐伯繁DEEP代表の意気込みがうかがえる大原の対抗戦出場。大原は2021年7月にベルトを獲得し、その1年後の昨年7月に石塚雄馬をサッカーボールキックでKOし、防衛に成功した。まだ対抗戦のルールは正式発表されていないが、大原は韓国でも相手の顔面を蹴り上げる準備ができている。


――Black Combatとの対抗戦を控えている大原選手です。MMAPLANETでは2023年初めてのインタビューとなりますが、大原選手にとって2022年とは、どのような1年だったでしょうか。

「去年は3試合しかやっていないんですよね。だから、試合していないなぁという感じでした」

――MMAでは年間3試合も多いほうかもしれませんが、それでも少ないと感じますか。

「そうなんです。ずっと年間4試合以上はやっていましたから。佐伯(繁DEEP代表)さんに『試合を組んでほしい』とお願いしても、うまく組めなかったこともあって。特に9月のRIZINで負けたのは痛かったです(ルイス・グスタボに1R KO負け)。あの負けで、今のままじゃダメだなっていう再確認ができました。やっぱり海外の選手は、爆発力も耐久力も――日本人とは全て違いますよね」

――これまで大原選手は、負けてもすぐに試合を組んでほしいと佐伯代表にお願いしていました。ですので、昨年末もグスタボ戦の後すぐにDEEPで試合があるのかと考えていたのですが……。

「確かに佐伯さんから『DEEPで試合を組もうか?』お話は頂きました。ただ、自分としては大晦日に出たかったのと、大晦日がなければ休んでもいいのかなと思ったんですよね。ちょっと様子を見ながら、大晦日出場の少ない可能性に懸けていたっていう感じです」

――なるほど。昨年3試合はRIZINで2試合、そしてDEEPでライト級王座の防衛戦を行いました。改めて昨年7月、石塚雄馬選手を相手にサッカーボールキックでKO勝ちし、ベルトを守った試合から振り返っていただけますか。

あの試合は、すごく緊張しましたね。やっぱりベルトを賭けるっていう――自分にとっては初防衛戦だったので。まずそれが一番の緊張です。もちろん相手に対する緊張もありました。石塚選手は前の試合で、TENCHO(川名TENCHO雄生)選手をKOしていて。しかも一発で相手の意識を断っていましたから。あの一発のことを考えたら、すごく嫌なプレッシャーがありました」

――その緊張感やプレッシャーは、試合前には解消できたのでしょうか。

「いえ、試合直前もすごく緊張しました。入場する前に『もう覚悟を決めるしかないな』と思って。いつも試合前は、結構そんな感じなんです。でも試合になれば覚悟を決めるしかないし。あとはとりあえず、勝った負けたは置いておこうと考えていますね。

もちろん勝つに越したことはないけど、まずは練習してきたことを全力で出し切る。『出し切れば自ずと価値が見えてくるんじゃないか』という考えなんですよ。それが前回の防衛戦では、良い結果に繋がったのかなと思っています」

――DEEPにとっては2022年最大のビッグイベントであり、そのメインをKOで締めました。ミスターDEEPを目指す者としての面目躍如ですね。

「あれは良かったですよ! 言い方は悪いかもしれないけど、あの日は結構テクニカルな内容の試合が多かったじゃないですか。その中で自分の試合が、一番お客さんの印象に残っていると思いましたね。会場の盛り上がりも凄かったですし。『DEEPに大原樹理あり!』というところを見せられたんじゃないかな、と思います」

――大原選手は2020年以降、蹴り上げやフットスタンプ、そしてサッカーボールキックからのKO勝ちという試合が多いです。

「サッカーボールキックは、最近ではなかなか珍しい勝ち方になっていますよね。DEEPルールだと、みんなが警戒しちゃっているから、それほど決まらなくて。石塚戦のサッカーボールキックは、考えて出したものではなかったです。気がついたらサッカーボールキックを打っていたんですよ」

――気づいたらサッカーボールキック! フットスタンプやサッカーボールキックを見ていると、あれは考えて出せるものではないなと思います。寝ている相手の顔を踏んだり蹴り上げたり……というのは、普通なら躊躇しませんか。

「アハハハ、そうですね」

――だからこそ大原選手のフットスタンプやサッカーボールキックは、普段の練習から染みついているものではないかと思っていました。

「やっぱり試合ではフィニッシュしたい気持ちが大きいですし、そのためにフットスタンプもサッカーボールキックも普段から染みつかせています。実はジムで、フットスタンプやサッカーボールキックの練習もしているんですよ」

――えっ!? それはどのような練習なのでしょうか。

「それは教えられません(笑)。普通なら危ないですけど、ウチの会長(ランボー松風KIBAマーシャルアーツ会長)のおかげです。会長なくして、僕のKO勝ちはないです」

――ユニファイドルールはサッカーボールキックやフットスタンプが禁止なので、相手がダウンするとパウンドを打つか抑え込みに行きます。DEEPルールでは、その選択肢は頭の中にないですか。

「あぁ、そうですよね。あるいは起き上がる相手を、アッパー気味のパンチで殴りに行くか。そこで抑え込むという考えは、自分の中にはないです。RIZINもそうですし、今回のBlack Combatも垂直ヒジがないだけと聞いています。サッカーボールキックやフットスタンプがあるだけで、だいぶ試合展開が変わるじゃないですか。だから次の試合に向けて、グラウンドの蹴り技も練習しています」

――やはりリングかケージか、ヒジの有無、そしてグラウンド状態で顔面への蹴りが許されているかどうかで、同じMMAでも大きく変わりますよね。

「はい。ただ、何かがダメならダメで、試合の組み立ても変えますからね。DEEPルールを軸に考えたら、どのルールもそれなりに行けると思いますよ」

<この項、続く>

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