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【DEEP108】石塚雄馬の挑戦受けるライト級正規王者─大原樹理「DEEPのベルトは誰にも渡す気はない」

【写真】言葉の端々の自信が感じられる──ミスターDEEP直前の大原樹理(C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108のメインイベントで、DEEPライト級王者の大原樹理が、石塚雄馬を挑戦者に迎えて初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

昨年7月に暫定王座を獲得した大原は、今年3月に正規王者の武田光司がベルトを返上したため、大原が正規王者に認定された。これまで勝利と敗北を繰り返してきた大原は現在、DEEPとRIZINで7連勝中。大原の中で、どのような変化があったのだろうか。そしてホームであるDEEPのベルト防衛戦で、大原が王者として目指すものとは。


――次の試合に関するお話を聞く前に……お名前の表記が「樹里」から「樹理」になっていますが、改名されたのでしょうか。

「いえ、実はもともと本名は樹里ではなく樹理なんです。たぶん『じゅり』と打ち込んだら最初に変換されるのが里のほうなので、みんなそっちを使っていたと思うんですよね。表彰状とかは樹理で書いてもらっていました。まぁ、どっちでもいいかなぁと思いながら(笑)」

――DEEPからのリリースも今回から「樹理」となっていますので、MMAPLANETでも今後は大原樹理と表記します。その大原選手が保持しているDEEPライト級王座は、今年3月に正規王者の武田光司選手がベルトを返上し、暫定王者であった大原選手が正規王者に認定されました。

「できることなら統一戦で正規王者になりたかったです。でも、こうなった以上は仕方ないので……。まずは欲しかった正規王者の肩書を取ることはできたので、これから正規王者として頑張っていきたいです」

――武田選手にリベンジしたいという気持ちは、今でも持っていますか。

「何て言うんでしょうね……。これは当事者同士しか分からない気持ちかもしれないです。リベンジしたい気持ちはありますけど、今後もう交わることはないだろうなと思っています。それでも正直なところ、今はオレのほうが上だと思っていますから。もし今、試合することがあれば――3回負けても4回目に勝てば、それが勝ちですからね」

――2019年12月の武田戦で敗れて以降は7連勝しています。この期間に大原選手の中で、何か大きな変化などはあったのでしょうか。

「前チャンピオンに負けて、よりベルトへの執着心が強くなったことが一つあります。あとはお世話になっている接骨院で毎朝、体幹トレーニングを見てもらっていて。その影響がすごく大きいなと思っています」

――体幹トレーニングですか。ここ最近の試合で大原選手のスタンスが変化してきていて、オーソドックスでもサウスポーでもなく、正面立ちに近いスタンスでナックルを当てきるパンチが増えているように思っていました。

「あぁ、そうですね。ここ2年ぐらい体幹トレーニングをやっていて、その効果が少しずつ出てきています。おかげで以前よりも強いパンチを打ち込むことができていると思いますね。あとはパンチと蹴り、蹴りとパンチの繋ぎも良くなりました。どんな体勢からでも強く殴ることができています。

完全な体幹トレーニングなので、外の筋肉ではなくインナーマッスルを鍛えているんですよ。身体の大きさはそんなに変わらないんですけど、組まれた時に倒されにくくなりましたし、倒されても立ちやすくなったりとか。そういったところが、だいぶ変わりました」

――それは大原選手にとって、大きな自信に繋がっているのでしょうか。

「はい。RIZINの2試合は、その成果が大きく出ていたと思います。毎朝毎朝、キツいトレーニングで……。トレーニングは1日30分ぐらいなんですけど、その30分はエグいぐらい追い込まれています」

――体幹トレーニングを始める前は、そういった体づくりは取り組んでいなかったのですか。

「……筋トレが嫌いなんですよね(苦笑)。それで先生に1日15分から30分ぐらいならできるだろうと言われて、短い時間でキツいメニューをやることになりました」

――その結果7連勝を飾っていますが、ご自身の中では過去のインタビューで発言している、ミスターDEEPに近づいていると思いますか。それともすでに……。

「まだ近づいている段階かなぁと思います。どうなったらミスターDEEPなのかと言われたら、DEEPと聞いたら誰の名前を連想するのか、ということだと思うんですよ。その点でいうと、まだDEEPと聞いたらいろんな名前が出て来るじゃないですか。皆が皆、DEEP=大原樹理だと思ってくれたら、ミスターDEEPになれるのかなと」

――今回はDEEPのビッグマッチでメインを務める。それもミスターDEEPへの階段を一歩ずつ上っているのではないかと思います。

「DEEP100回目の大会で自分はセミに出たんですけど(2021年2月のDEEP100で北岡悟にKO勝ち)、あれから5戦やってビッグイベントのメインを任せてもらえるようになった。そこは少しだけ成長できたのかなって思います」

――今回の試合にあたり、DEEP佐伯代表からは、どのように声をかけられたのでしょうか。

「それが試合順を聞いたのは、煽りVを撮っている時だったんですよ(笑)。しかもプレッシャーをかけられました。興行が成功するか失敗するかはメインにかかっているから、って。『頑張りまーす』と答えましたけど(苦笑)」

――現在の大原選手にとっての目標は、DEEPのベルトを防衛することなのでしょうか。それとも他の舞台で勝つことですか。

「RIZINで勝つことは、素直に嬉しいですよ。見ている人の数が違うし、勝てば反響も大きいので。でもDEEPで勝ってもRIZINで勝っても、応援に来てくれる人や親、彼女はみんな喜んでくれる。それが一番だし、やっぱり自分の中ではDEEPのベルトを防衛することが大切なんです。10年以上このベルトを追いかけてきて、やっと獲ったものですから。たとえRIZINに出続けることになっても、DEEPのベルトは誰にも渡す気はないです」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP108対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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【DEEP108】本田良介戦へ、杉山廣平─02─「負けたとしても胸を張れるような試合、そのために頑張ろう」

【写真】上の言葉は勝敗を度外視しているわけでは決してない。勝つために覚悟を決めた言葉だ(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108で、本田良介と対戦する杉山廣平のインタビュー後編。

これまでの杉山のキャリアは、決して平坦なものではなかった。連勝のあとに連敗を喫すること3回――本人が言うとおり、他のトップ選手と比べてれば出遅れているのかもしれない。しかし、その差を埋めようと千葉へ移り、DEEP初戦で勝利を収めている。そこで杉山に心境の変化と本田戦について、そして今後の目標を訊いた。

<杉山廣平インタビューPart.01はコチラから>


――これまで杉山選手は3回、2連敗を喫しています。ご自身の中で1敗だけでなく2連敗となる要因は何かあったのでしょうか。

「ありますね。2連敗した理由というより、3連敗って結構キツいじゃないですか。だから3連敗は絶対に避けたい、っていうプレッシャーがありました。それと負けるたびに、何か得られるものや変わるものがありますよね」

――負けて得られるもの……それが2021年3月の伊藤戦でKO負けしたあと、千葉へ練習環境を移したことだったのですね。また、それまでパンクラスを主戦場としていて、昨年9月の駒杵戦からDEEPで戦うこととなりました。DEEPについては、どのような印象を抱いていましたか。

「当時はまだDEEPのフライ級が、それほど盛り上がってはいなかったですよね。だから印象というのは特になかったです。でも駒杵戦の日のメインが暫定フライ級タイトルマッチで、自分がRIZINで負けていた伊藤にも借りを返したいっていう気持ちがありました」

――そのDEEP初戦で駒杵選手に勝利したことは、ご自身にとっては大きな自信になったでしょうか。

「はい。正直、駒杵選手のことはよく知らなかったんです。でも噂では、結構強いぞって聞いていました。Fighting Nexusでチャンピオンになっていて、僕との試合がDEEP初戦で。僕もDEEPで試合するのは初めてだったし、強いという噂を聞いていたので、プレッシャーはありました。そのなかで勝ち切ることができたのは、すごい自信になりましたね」

――2連敗後のDEEP初戦、そして相手が他プロモーションの王者ということで、プレッシャーは大きかったのですか。

「そうですね……プレッシャーというか、格闘技って自分との戦いだと思うんですよね。試合の日に、いかに自分を出すことができるか――そこが勝負だと考えていて。あの日は自分に勝つことができたんじゃないか、という感じです」

――それまでの敗戦は、つまり自分に負ける時があったのですね。

「負けたらどうしよう、とか試合前に思うことがありました。試合で負けて泣くことも多かったですし」

――えっ、それは意外です。

「でもUFCとかを見ていると、負けた選手も胸を張っていて。最後は自分に勝った選手と握手をしているじゃないですか。最近は負けて引退する選手も多いけど、みんな胸を張ってケージを降りていますよね。自分もそうなりたいと思ったんです。そのためには、試合でしっかりと自分のパフォーマンスを出すことが大事なんじゃないのかな、って。だから、負けたとしても胸を張れるような試合をしよう、そのために頑張ろうと思いました」

――現在の練習環境であるパラエストラ千葉ネットワークには、軽量級の強豪が揃っています。そういった強豪との練習のなかで、自分に負けることもないですか。

「いや、もうね……自信を失くしますよ(笑)。アハハハ、でもその中でも自分との勝負だと思っているので。自分を磨くことができるように練習しています」

――なるほど。試合のお話に戻ると、初戦が駒杵戦で次が本田戦というのは、噂されるDEEPフライ級GPへの出場者決定マッチの様相を呈しており、かつ杉山選手への期待もうかがえます。そこで大事な一戦となる次の試合、本田選手の印象を教えてください。

「諦めない、すごく気持ちが強い選手だと思います。毎回激闘になって、そのなかで絶対に気持ちが折れない。たとえ怪我をしても勝ち切っている選手ですよね」

――本田選手も前の試合で駒杵選手に勝利しています。その内容は、まさに気持ちが折れずに逆転のKO勝ちを収めていました。お互いに同じ相手と試合をしているということで、見えてくるものはありますか。

「参考にするとしたら……今言われたように、前回は途中まで駒杵選手が勝っていた試合だったじゃないですか。最後、駒杵選手にミスがあってKOされたという感じで。僕は駒杵選手にフルマークで勝っていますよね。だから自分と本田選手では、レベルの差があるんじゃないかと思っています」

――では本田戦に向けて、意気込みをお願いします。

「相手は気持ちの強い選手です。また自分との戦いになると思います。ここでしっかり勝って、このフライ級でトーナメントが行われるなら、その火付け役になっていきたいです」

――本田戦、そしてDEEPフライ級での戦いを経て、その先の目標はありますか。

「今はDEEPのチャンピオンになることだけです。他は考えていないですね。DEEPのベルトを獲ったら、もうあんまりやりたくないですね(苦笑)」

――もうやりたくないとは?

「何て言うか、DEEPのチャンピオンになって、防衛し続けてチャンピオンのまま辞めたいっていう気持ちがあるんですよ。千葉に来て、それだけDEEPのチャンピオンになることに懸けていますから」

■パラエストラ千葉ネットワーク 鶴屋浩代表の杉山廣平評
「ウチに来て太田忍、怜や扇久保博正と組んで練習していて、今もどんどん強くなっています。楽しみにしてほしいですね。次もすごく良い試合になると思います」

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP108対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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【DEEP108】教えて、佐伯さん─02─「なぜ本田✖杉山が2回戦?」「ユータ&ロック✖漢・中村大介の背景」

【写真】両者の対戦が決まった経緯を聞くと、さらに注目度が高まる中村大介✖ユータ&ロックだ(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールでDEEP108を主宰する佐伯繁代表インタビューPart.02。

潰し合い上等の勝負論だらけのマッチメイクが目立つ今大会において、力もあって上に行く可能性の高い選手の潰し合いがなぜ生じるのか。また、ある程度の実績残している実力者の顔合わせが、どうして2回戦なのかを尋ね──、ユータ&ロック✖中村大介という注目カードが決まった背景を話してもらった。

<佐伯繁インタビューPart.01はコチラから>


──そういう厳しいカード、典型的なのか雅駿介選手と海飛選手の顔合わせです。良い試合です。

「そうですねぇ(笑)。正直を言えば、海飛選手に関してはPOUNDSTORMでの試合が結構厳しいと思っていたんです。相手の鈴木崇矢選手が高校生で評判の良い選手で、当て感があった。でも終わってみれば完勝、KO勝ちできました。海飛選手もFKTで優勝したけど、プロになってからは2敗して順風満帆ではなかったです」

──ポテンシャルはあっても。

「ハイ。だから、簡単じゃないって自分でも分かっていると思います。雅選手もデビュー戦に勝ったけど、その後に負けが続いた。大阪でやっと勝てて。本当に厳しい戦いを続けていますよね」

──トントントンと行けそうな選手たちが、潰し合っている。

「ニューピアの大会だと、育てるマッチメイクもまだできます。でも後楽園ホールに出る選手は、どうしてもきついマッチメイクになりますよ。今回のTDCもそうですし、後楽園ホールの大会に選ばれて出場するというのはそういうことになります」

──厳しさついで言うと、本田選手と杉山選手のフライ級が2回戦でこの位置で行われる。この試合が3回戦でないのは勿体なさすぎます。

「アハハハハ。それねぇ、今、こうやってカードが揃うと3回戦にしたかったですよ。でもね、ぶっちゃけていうとマッチメイクが先に確定してしまって……。それから上の方で組もうと思っていた試合が2、3枚あったんですよ。だから2回戦にした。結果、その用意していた札が切れなくなったけど、もう何ともならない。新宿FACEだったらメインです。でもTDCホールで戦いたい気持ちもあるだろうし」

──その通りですね。それでも勿体ない(笑)。

「だって5分3R制の試合が15試合も並ぶと、見ている方も集中力を保てないですよ。お目当ての選手の試合が終わると、お客さんも帰ってしまいます。現実的に考えても、3回戦で組みたい試合も後楽園では時間も限られているし、何ともならない部分があるんです。でも今、思えば……3回戦でっていう風に考えちゃいますね(笑)。

と同時にですね、そこを指摘してくれるのは有難いですよ。選手にとっても、そういう評価があるんだってことですし。そういう通が好む試合をGPをきっかけにして、広く知ってもらいたい。そういう想いではいます。

だいたい僕はね、フライ級GPは去年からやりたいと思ってきたんですよ。でも、RIZINがやるみたいなことを言った時期があったので様子を見る必要が出てきた。RIZINでフライ級のトーナメントをやるのか。それともフェザー級なのか、あるいは女子なのか。正式決定まで時間が掛かる状態になっていたので……どうしてもTDCホールでフライ級GPの開幕戦を組むことができなかった。

それに本田選手と杉山選手に関しては、GPまでの流れをつくるうえでもっと前に組んでいて良かったかもしれないけど、両者の体調の問題もあって今回のTDCホールにタイミングが合ったんですよ。現状では両者の上に福田龍彌選手、伊藤裕樹選手たちがいます──序列的には。そういうなかで上がってくためには、試合をしていかないと。DEEPのフライ級は層が厚いですからね」

──待っていては上にはいけないということですね。フライ級GPに関しては、そろそろ正式発表があると踏んで……ここからは上の3試合についてお伺いしたいです。

「ユータ&ロック選手ですね、まずは(笑)。強さは誰もが認めていると思います。同時に地味でエンターテイメント性が少ない。一本勝ちもなかなかない。加えて『強いけど、あまり試合をしないね』という評判もある。そういう面も含めて、魅力的なんですよ。ただし、誰が対戦を受けてくれるかなというのはありました」

──幻の日本最強は皆に嫌がれると。

「ハイ。スタイル的にも抑え込まれて終わってしまう可能性がありますし」

──そこで中村大介選手だったのですね。

「ハイ、TDCでユータ&ロック選手が戦うとなった時に、すぐに中村選手の名前と顔が頭に浮かびました。正直言って、ユータ&ロック選手に対して何か仕掛けられる選手が、他に思い浮かばなかったです。それにユータ&ロック選手にとってオイシイ試合にもなります。だって、この試合に勝つと誰もが注目せざるを得ない状態になりますからね」

──中村選手に勝てば、これはもうタイトルンコンテンダーとして一目置かれます。

「そこはですね……ウチのチャンピオンがRIZINのチャンピオンなんで(苦笑)。まぁ、どういう風になっていくのか。そこでいえば、ユータ&ロック選手もRIZINフェザー級のなかに入り込む可能性も大きくなるでしょうしね。勝ち進めば、RIZINだってエイターテイメント性とか言えなくなってきますし」

──佐伯イズムじゃないですか。どれだけ注文をつけようが、結果を残した選手にはチャンスを与える。

「アハハハ。ただねぇ、今回に関しては中村選手もあまりユータ&ロック選手のことを知らなくて。で、オファーをした時に調べたようで。ちょっとヤバいと思ったんじゃないですかね、いつも二つ返事の中村選手が了承するまで少し時間がありました」

──いやぁ、興味深い!!

「それでも中村大介は受けるんです。ここから『前に進むためには』と」

──漢です。

「本当に戦い辛い相手だと思います。ただ試合に出ていないことでユータ&ロック幻想が大きくなりました。しかし、僕自身は前回の試合から期間があいているからどうなんだろうと疑ってはいたんです。そうしたら金原徳正選手から『摩嶋(一整)戦前に対策練習で、ユータ&ロック選手と練習していた』と聞いて……。準備もできてるじゃん。

こりゃあ、本当だと(笑)。できる選手じゃんってなったわけですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
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<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
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<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
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<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
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【DEEP108】シューター✖パンクラシスト?! 本田良介戦へ、杉山廣平─01─「試験観察の条件が……」

【写真】爽やかな笑顔、スタイルは組み技中心──でも、試合中に見せる気の強さ。そのバックボーンが今回のインタビューで明らかになった(C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108で、これがDEEP2戦目となる杉山廣平が本田良介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスを主戦場としてきた杉山は、RIZI参戦を経て昨年9月にDEEP初戦で駒杵嵩大に判定勝ちを収めた。前戦から約9カ月、今回の本田戦は噂されるDEEPフライ級GPへの出場権を賭けた戦いとなってくるに違いない。

その杉山は駒杵戦後、愛知県岡崎市から千葉へ活動拠点を移しパラエストラ千葉ネットワークで練習を続けている。本田戦を控えた杉山に、これまでのキャリアと、千葉に移った理由を訊いた。


――本田良介戦を控えている杉山廣平選手です。もともと愛知県岡崎市を拠点に活動していた杉田選手ですが、現在は千葉で練習しているのですか。

「はい。去年の11月から千葉に移って、パラエストラ千葉ネットワーク(以下、パラエストラCNW)で練習させてもらっています」

――どのような経緯で岡崎を離れ、千葉に移り住んだのでしょうか。

「去年の夏ぐらいに名古屋の知人と千葉へ遊びに来て、ついでにパラエストラ柏で練習させてもらったんです。そこからの繋がりですね。

もともと愛知県でも田舎のほうで、練習仲間も多くないなかで練習していました。そんななかでもタイへ3回ぐらい行かせてもらっていましたけど、前から東京に行ってみたいなとも思っていたんですよ。それで去年の夏に柏で練習させてもらい、すごく刺激をもらって、すぐに決めました。(千葉へ)来るなら、このタイミングだなって」

――昨年の夏ということは、9月の駒杵嵩大戦の前ですか。

「そうです。8月と9月、駒杵戦に向けたファイトキャンプとして来させてもらって、この試合が終わったら引っ越して来ようと思いました。それで11月に千葉へ」

――では前回の試合で、千葉で練習した成果は何か出ていましたか。

「成果は大きかったですね。取り組み方もそうですし、ここで練習したことで強くなることもできたし、気持ちの面でも変わった部分がありました」

――杉山選手といえば、組みの面では柔術ベースの印象を持っていました。しかし駒杵戦ではケージレスリングの展開のなか、バックコントロールで駒杵選手を組み伏せています。杉山選手のなかで、どのような変化があったのかと思っていました。

「そうなんです。レスリング力の強化は、大きく違いますね。パラエストラCNWにはレスリングが強い選手が多くて、それだけ強い人たちと組んでいたら、自分もレスリングが強くなれるんだなって思います。

ただ千葉に来てから負傷があって休んでいたので、なかなか試合ができなかったんですよ。だからこれだけ期間が空いてしまって。千葉に来てからガンガン試合したかったんですけど……」

――その間にDEEPフライ級が大きな盛り上がりを見せています。特に前回の駒杵戦が行われたDEEP103のメインはDEEPフライ級暫定王座決定戦で、藤田大和選手と伊藤裕樹選手の激闘を目の当たりにしていると思います。そのような現在のDEEPフライ級について印象を持っていますか。

「良いですよねぇ。盛り上がってきていて、トーナメントもあると言われていますし。自分はトップ戦線に食い込むのが遅れているので、早く上がっていきたいです」

――なるほど。では、これまでのキャリアについてお聞きしたいのですが、まずMMAを始めたキッカケから教えてください。

「18歳の時に、小さいジムから始めました。これは記事にできるかどうか分からないんですけど……10代の頃は結構悪さをしていて」

――両肩のタトゥーを見ると、何となく想像はできます……。

「アハハハ、そうですよね。ぶっちゃけていうと成人でいうと執行猶予のような試験観察下にありました。試験観察が認められる条件が、健全な趣味に取り組むというようなものだったんですね。それで格闘技のジムに行ったのがキッカケです」

――健全な趣味ということは、どのようなスポーツでも良かったかもしれません。その中で格闘技を選んだ理由は何だったのですか。

「やっぱり悪い……ヤンチャな時代だったので、アウトサイダーとか地下格闘技を見ていたんですよ。ちょうどアウトサイダーが人気の頃で、自分も出たいと思っていました」

――結果、アウトサイダーには出場したのでしょうか。

「いえ、出ていないです。アウトサイダーに出たいと思って格闘技を始めたんですけど(笑)。最初のジムにいた頃はアマチュアで2試合ぐらいして、そのあとスプラッシュに移ってプロデビューしています」

――そういったキャリアからすると、打撃中心のファイトになる選手が多いかと思います。しかし杉山選手の場合は、柔術的な動きが特徴的でした。

「今でも、組み技ができることにビックリされることがありますね(笑)」

――アハハハ、失礼ながら見た目のイメージとは違うかもしれません。

「プロデビューして最初の2試合はKOで勝ったんです。でもスプラッシュの木部(亮)代表は柔術の黒帯を持っている方なので、自分も自然とそういうスタイルになっていったのかな、と思います。

何ていうのか……当時から、打撃より組み技のほうが強いんじゃないかと思っていました。もともとキン肉マンの影響でプロレスも好きでしたし、何でもありなら掴んで倒して、上になってボコボコにするほうが良いんじゃないの、って」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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DEEP MMA o PRIDE RIZIN Road to UFC UFC キック パンクラス 上迫博仁 北岡悟 宇佐美正パトリック 泉武志 石塚雄馬 野村駿太

【DEEP】7.10 泉武志×野村駿太 ライト級新鋭対決決定!

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7月10日にTOKYO DOME CITY HALLで開催されるDEEP 108 IMPACT。既に大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ)×石塚雄馬(AACC)のライト級タイトルマッチ、北岡悟(パンクラスイズム横浜)×上迫博仁(NICE BAD GYM)など注目のカードが発表されていますが、新たにマニアが喜びそうな対戦カードが追加されました。

イチオシは泉武志(FIGHTER’S FLOW)×野村駿太(BRAVE)のライト級ワンマッチ。泉はレスリング全日本選手権グレコローマンで2度の優勝したレスリングエリート。2017年にアジア選手権で優勝して世界選手権にも出場した輝かしい経歴を持っています。

その実績を引っ提げてRIZINでMMAデビューしましたが、柔術黒帯のグラント・ボグダノフの寝技の前に敢えなく3RでTKO負け。それでもボグダノフのしつこい仕掛けを凌いで粘りを見せた試合運びはデビュー戦としては上出来かなと。

しかもキレの良いパンチとカーフキックをヒットさせるなど見せ場も作ってきれました。MMA2戦目で上積みもあるはず。レスリングエリートがポテンシャルの高さを一気に開花させる可能性は十分にあり得ます。

そして対戦相手の野村もまたポテンシャル高し。伝統派空手をバックボーンに持ち、MMA戦績2勝1敗。敗れた試合も後にROAD TO UFCに出場する事になる宇佐美正パトリックと一歩も引かない打撃戦を見せているから悲観する必要はないでしょう。

テイクダウンを狙う泉とスタンドの時間を増やして打撃勝負を仕掛けたい野村。ストロングポイントが明確になっている者同士だけに、メリハリの効いた見応えのある試合になると見ました。RIZINの先行きが不透明な今、PRIDEの時と同じくDEEPの果たす役割はますます大きくなりそうです。
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DEEP DEEP108 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN パンクラス 上迫博仁 中島太一 中村大介 修斗 北岡悟 大原樹里 山本空良 川名雄生 本田良介 杉山廣平 松本光史 海飛 渡部修斗 牛久絢太郎 石塚雄馬 赤沢幸典 酒井リョウ 雅駿介

【DEEP108】1年5カ月振りのTDC大会で大原✖石塚、北岡✖上迫。そして影の実力者ユータ&ロック参戦!!

【写真】3年の沈黙を破り、ユータ&ロックがフェザー級戦線に戻って来る(C)MMAPLANET

20日(金)、DEEPより7月10日(日)に東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108 IMPACTのカード第一弾の発表があった。

昨年2月の20周年大会=DEEP100以来のTDCホール大会らしく強度高めのカードが明らかとなった。


まず大原樹里が、川名雄生を破った石塚雄馬の挑戦を受けDEEPライト級王座の防衛戦を行う。

そのライト級で現在2連敗中の北岡悟が、2020年10月にパンクラスで松本光史に敗れてから沈黙を守っていた上迫博仁と戦う。上迫にとってDEEP出場はフェザー級王座を失った2017年12月の芦田崇宏戦以来、実に4年8カ月振りとなる。

またパンクラス時代に現RIZINとDEEPフェザー級二冠王=牛久絢太郎、現バンタム級KOP中島太一、ONEファイターの中原由貴──修斗ではデビュー間もない頃に斎藤裕を破るなど、陰のフェザー級J-MMA最強の異名をとるユータ&ロックのDEEP初参戦も決まった。

対するはRIZINで山本空良に黒星を喫し、再起を図る中村大介だ。ユータ&ロックの力強いグライディングはいわば幹を制するMMA。対する中村の腕十字は枝をへし折るMMAだ。幹か枝か、注目度ナンバーワンのマッチアップといえる。

さらにメガトンでGPSの遺伝子を持つ赤沢幸典と酒井リョウ戦がくまれるなか、渡部修斗のキャリアのリスタート戦が組まれた2回戦ではフライ級で本田良介×杉山廣平が実現する。

2回戦で潰し合いをさせるのは、もはや理解不能と表現したくなる本田と杉山戦。このカードをサバイバル戦にするのであれば、佐伯代表が口にしていたようにDEEP内でフライ級GPの実現を望みたくなる。組んで削る本田と、一発の殺傷能力を持つ杉山の勝者はベルトに挑む権利を有してよいほどの一戦といえる。

またバンタム級で、後者が雅駿介×海飛も決まった。4月の大阪大会で連敗を脱出した雅と、同じく4月にPOUNDSTORMで勝利し戦績を3勝2敗と勝ち越した海飛の一戦はムエタイベースの雅に対し、極真ベースの海飛が近距離で攻勢に出られるかにかかっている。雅が中段回し蹴りをいかに受け、捌くかも非常に興味深い一戦となる。

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Interview J-CAGE Pancrase319 ブログ 上迫博仁 松本光史

【Pancrase319】上迫博仁から判定勝ちで、スタートライン?! 松本光史「戻って来られたなと……」

【写真】激闘振りが伺える試合後の松本(C)MMAPLANET

25日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで行われたPancrase319のメインで、松本光史が上迫博仁から判定勝ちを収めた。

度重なる延期と大会直前の中止を経験した松本は、パンクラス初戦を戦い終えることができ、上迫とのタフファイトで勝ち切った。それでも反省しきりの松本だが、安堵感があるもの事実。メインカード終了直後に控室で松本の話を訊いた。


──松本選手としては、試合の出来に関しては?

「最初にペースを取られて、こんなもんかと思いました……」

──ペースを取られたというのは?

「作戦だったと思います。最初から飛び込んでくるというのは、これまでになかったので。あんなのは貰わないと思っていたら……1Rを取られてしまいましたね」

──上迫選手のセコンドの大沢ケンジさんが『頭の位置が下がる』ということを盛んに指示しており、戦い辛くなかったですか。

「そうですね、『何をっ!!』と思いながらやっていましたけど──『当ててみろ』って。上迫選手も冷静に狙ってきたのですが、そこに関しては見えていました。でもチームとして創っているんだと感じました」

──1Rや2Rはテイクダウンを取っても、寝技に移行する気配がなかったです。

「殴って、○してやろうと思っていたので(苦笑)。テイクダウン狙いには、凄く素早く反応して寝技に行きたがっていなかったので、そんな逃げるなら別に良いよって。まぁ、そこで深追いすれば違う展開になったかもしれないですが、打ち勝たないといけないと思っていたので……。そうですね、KO勝ちが多いストライカーという風に見られている選手に、打ち勝たないといけないと思っていましたね」

──左ジャブが途中から入るようになりました。

「そこは尾下塾の尾下(正伸)先生にミットでガンガンと当てられていたところなので。先生に比べると、パンチは全然見えていたのですが、上迫選手のリズムが独特で。見えるけど、貰うという不思議が感覚だったんです。でも、修正して前に出て、深く入るようにしたら僕のパンチが当たるようになり、逆に被弾しないようになった感じでした」

──上迫選手は打って離れる。距離を取ることが巧みでした。前に出てくるところを打つのではなく、そういう選手と戦って距離を詰めることができていました。

「……めちゃめちゃ嬉しいです(笑)。本当に1年間、そこも一部なんですけど、自分はライト級で小さいので詰めるという部分は課題の一つとして常に頭の片隅にあって練習してきたので。そこの部分に関しては出せたんじゃないかと思います。これまでに無い試合展開だったし」

──最終回は組みは拘り、そこを上迫選手が受けていた。攻めと受けでジャッジの印象も松本選手だったのかと。

「それは僕の執念が上回ったのだと思います。あとがないんで、修斗のベルトを僕は捨ててきたんで。でも、そういうものじゃないかもしれないですけど……。それでも負けられないという気持ちで、僕は戦っていました」

──松本選手の執念が見えたので、上迫選手の最終回が淡白に感じたのかもしれないです。パンクラス初陣で勝利を手にできたことに関して、改めてどのように思っていますか。

「勝って……言うのは、相手に失礼かもしれないですけど、終わった直後は吐きそうなぐらい悔しかったです。でも、勝ってそう思えたということは、ここからまだ強くなれるはずです」

──今後に関しては?

「パンクラスに来て、上の選手は誰でも初めて当たるわけですし、タイトルマッチに繋がるマッチメイクであれば誰とでも戦っていきます」

──新天地で戦うこと決断をして良かったと思えますか。

「思います。なんかこう……停滞している気持ちがあったので。修斗では結果を残せたと思います。でも、KO勝ちしても心の底から喜ぶことができないというのがあったので。チャンピオンってそういうモノかもしれないですけど、パンクラスに来て下から上がる……まぁ、下とも思っていないですけど、新鮮な気持ちで戦えます。

パンクラスのライト級って、結構バラつきのある選手がいるので、そういう選手と戦うのも楽しみです」

山本真由美マネージャー スタートラインに立ったという感じですね。

──ハァ? 選手に話を聞いている最中ですよ。横から口を挟まないでください!!

「アハハハハハ。なんで、いきなり(笑)」

──早く終われってことですか?

山本 違いますっ!! 

──では気を取り直して(笑)。延期、延期で2020年最初の試合がようやく終わりました。直ぐにでも次に戦いたい感じでしょうか。

「久しぶりに顔がこんなに腫れたので、ダメージがどうなのか……。でも練習ができれば、すぐにでも戦いたいです。今年、1試合だけですからね。フリーターみたいなもんだから……でも、本当に試合ができて良かったです。

なんか……8月のことがあったので、直前になっても『もしかしたら』とか考えてしまって、自分の弱さが見えました。でもメインで戦わせてもらって……嬉しかったというか、戻って来られたなと感じました」

──スタートラインに立ったということですね(笑)。

「違います。それは違います。アハハハ」

──違いますよね(笑)。

「アハハハ。でも、そうですね──ここからですね」

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J-CAGE Pancrase319 Report ブログ 上迫博仁 松本光史

【Pancrase319】しんどくないよう、しんどいことをした松本光史が上迫博仁から3-0の判定勝ち

【写真】終盤、上迫は前には出るが淡泊だったか……(C)KEISUKE TAKAZAWA

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
松本光史(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
上迫博仁(日本)

いきなり飛び込んだ上迫は、続いて右を当てる。間合いを取り直した松本が右オーバーハンドから組みに行くが、上迫はしっかりと見切っている。上迫が右カーフ、右アッパーにダブルレッグを合わせた松本は、抑えにはいかずスタンドに戻る。飛び込みつつ左をヒットさせた上迫のワンツーに、松本が右クロスを狙う。

かわした上迫に対し、松本が右ミドルを蹴る。さらに右フックを当てた松本が右ロー、上迫は右オーバーハンドをかわしてローや前蹴りを見せる。松本は左、そして右ローを蹴り、上迫も右カーフを返す。まさに一進一退の攻防だった初回は上迫が3-0とした。

2R、左ジャブから右を打ち込んだ上迫が、もう一度右を当てて離れる。走るようにワンツーを繰り出す上迫に対し、松本はボディストレートから右オーバーハンドを打っていく。左ハイを蹴られながらキャッチしてテイクダウンした松本は、ここも寝技に移行する素振りもなくスタンドで上迫が立ち上がるのを待った。

再び打撃の間合いとなり上迫は右カーフで松本の足を流させるも、左ジャブを被弾するようになる。松本もローを効かせ、ダブルレッグからクリンチでケージに押し込み、最後に右フックを振るいイーブンに戻した。

勝負の最終回、素早く前に出て蹴りも織り交ぜる上迫が右を伸ばし、そのまま大きく距離を取る。左ジャブ、左ハイの上迫に対し、右オーバーハンドを松本が入れる。飛び込んでショート、そしてヒザという動きの上迫は右をヒットさせる。松本もジャブから右を狙い、飛び込んで右、さらに左から右と松本のパンチの精度が上がる。右の打ち合いでは、打ち勝った感のある上迫だが、鼻血を流し松本にリードを許している。ここからケージに上迫を押しこんだ松本は、胸を合わせて小外の機会を伺う。

許さない上迫だったが、松本はダブルレッグからハイクロッチへ。耐えた上迫が離れ、最後の接近戦は右を振るい、松本がエルボーを狙うというなかでタイムアップに。一歩も引かず戦った両者だが、最終回は松本が攻勢だったか──ジャッジの裁定は3者とも29-28で松本がパンクラス初戦のタフファイトを制した。

「修斗のベルトを捨てて、キングの首を狩りに来ました。よろしくどうぞ。待ってろ……それだけです」とらしいマイクを見せた。


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Interview J-CAGE Pancrase319 ブログ 上迫博仁 松本光史

【Pancrase319】デカゴン初戦&上迫博仁戦、松本光史「パンクラスで一番強いヤツに勝たないと意味がない」

【写真】松本のパンクラス出場会見から、実に8カ月と1週間でようやくデカゴンに上がることとなった(C)MMAPLANET

25日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されるPancrase319。同大会のメインで松本光史がパンクラス初陣で、上迫博仁と戦う。

昨年10月のONE日本大会で修斗世界ライト級王者として、ライト級KOP久米鷹介と王者対決を行い敗れた松本は、同王座を返上しパンクラスに新天地を求めた。

しかし、新型コロナウィルスのパンデミックが起こり、松岡嵩志戦が3度流れた。一方パンクラス・ライト級トップファイターとしてRIZINで戦ってきた上迫のデカゴン復帰戦も対戦相手の粕谷優介の欠場で流れ、この両者が戦うこととなった。

松本がパンクラス参戦を決めて半年以上が過ぎ、ライト級戦線も王者の立ち位置も変わり、暫定王者・雑賀ヤン坊達也も誕生している。

ようやく迎えたパンクラス初戦を前に松本の心境を尋ねた。


──今日(※10月23日)も指導があると伺いました。

「ハイ。週に一度、金曜日にだけ指導をしていて前日計量ではないですし、今回はやろうかなと」

──水抜き無し、当日計量で77キロでの試合です。昨年10月に前日と前々日計量で、この体重は経験したかと思いますが、また当日計量だと違ってくるものでしょうか。

「前日計量の70.3キロで戦う時と体重自体は同じぐらいにしています。でも、当日計量で77キロで戦ったことはないので、正直なところ分からないです」

──水抜きがないのは気持ち的に楽だという声が圧倒的ですが。

「もちろん水抜きはやりたくないです(笑)。でも大切なのは当日のパフォーマンスなので、水抜きがなくてラッキーとは僕は思えないです。ホント、戦ってみないと分からないので」

──それはONEの日本大会では、思ったように動けなかったということでしょうか。

「う~ん、あの時は数字にとらわれてしまった部分があって……負けたから、そう思うということはあるのでしょうが、あまり良くなかったかなというのはあります。77キロだとやはり体は小さいですし、初めての計量方法だったので……ちょっとできなかったかなというのはあります」

──8月23日の当日の中止以前に、4月12日に松岡嵩志選手と戦う予定が4月から5月、そして8月と試合がなくなるという事態が続きました。この間の気持ちはどうでしたか。

「そうですねぇ、最後に試合をしたのが去年の10月で、それから4月に決まり……まぁ、しょうがないことですけどね。8月は直前過ぎて、感情の整理ができないまま会場を離れました。落ち込む前に色々な人から連絡がきて、『まぁ、こんな経験なかなかできないな』って思って。このこともポジティブに考えようという風にしていました。だから4月よりも、落ち込まなかったです」

──結果的に今大会での試合が決まり、対戦相手も上迫選手に代わりました。

「8月の大会が中止になった時に、すぐ9月に試合をしたいと思っていました。ただ、そこでは対戦相手が見つからなくて……上迫選手も粕谷選手との試合がなくなっていたので、そこに僕を当ててほしいと伝えたら、10月に戦うことになりました」

──5カ月ほど松岡選手と戦うために練習をしてきましたが、最終的には上迫選手と戦う。精神的に揺れることはなかったでしょうか。

「そこは大丈夫です。試合の時も自分の底上げになる練習をしてきたので。それをケージで出したいと思っていたので、相手が変わることはそれほど気にしなかったです」

──この間、松岡選手の所属するパンクラスイズムの北岡選手や松嶋選手が参加しているロータス世田谷のグラップリング・スパーに参加していませんでした。

「そうですね、ずっと組み技のスパーはロータスでやっていました。だから、この間はグラップリングの強度の高いスパーリングはしていなかったです。ただ久米選手との試合前にMMAの練習が少なかったので、そっちに重点を置いていたというのもあります」

──では、そのMMAスパーはどこで行ってきたのですか。

「KRAZYBEEですね。ただ、松岡選手との試合がなくなった直後にロータスには戻っています。僕にはあの練習が必要なんだと思いました。これをやっていかないとなって、改めて感じました。そうそう、こないだロータスで松岡選手もやってきて『こんにちは』って(笑)」

──パンクラスに戦場を移した最大の理由であった久米選手との再戦ですが、その久米選手がRIZINで戦うようになりました。同じ日に雑賀ヤン坊達也選手が暫定王者になっています。2月に思い描いていたパンクラスでのキャリアアップの方法とは違ってきたのではないでしょうか。

「久米選手と戦いたいからパンクラスに来たのですが、それはパンクラスで一番強いヤツに勝たないと意味がないということで。そこが変わらない限りで、ブレることはないです」

──そうなると、日曜日の試合をクリアすると暫定王者のヤン坊選手と戦うことも考えていますか。

「暫定王者って言ってみれば、次期挑戦者ですよね。だからヤン坊選手が久米選手に挑戦するモノだと僕は思っています。今回、メインで組んでもらっているんですけど、僕も上迫選手もノーランカーなんですよ(笑)。上迫選手に勝てば、グンとランクアップすると考えていたんですが、まさかのノーランカーでした」

──そこは落とし穴でした(笑)。では上迫選手の印象は?

「大きな舞台でも戦っているし、武器もあります。パンチを振り切っているで、そこが強味なんだと思います」

──対して松本選手は、どのような戦いをしないといけないでしょうか。

「上迫選手は僕より一回り大きいので、しっかりと自分の距離で戦うことですね」

──では、この一戦へ意気込みを最後にお願いします。

「何カ月間とお預けを食らっていたので……でも、延期が続いても、自分を見失うことなくコツコツと積み上げてきたと思っているので、まだ当日じゃないので分からないですけど……そこを発揮できる場があれば、全部出そうと想いってます。

大会がなくなってもすぐに次の試合を組んでくれたことは、パンクラスさんに凄く感謝しています。そのおかげでずっと積むことができたので、そうしてきたものを全て出したいです」

■視聴方法(予定)
10月25日(日)
午後2時30分~TIGET LIVE

■Pancrase319対戦カード

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
上迫博仁(日本)
松本光史(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
春日井たけし(日本)
TSUNE(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
田村一聖(日本)
アキラ(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
田中半蔵(日本)
透暉鷹(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
滝田J太郎(日本)
Ryo(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
平岡将英(日本)
関原翔(日本)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
近藤有己(日本)
小林裕(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
宮澤雄大(日本)
井島裕彰(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
神田T800周一(日本)
ジェイク・ムラタ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
河村泰博(日本)
RYUKI(日本)

<ネオブラッドTバンタム級(※65.8キロ)準決勝/5分3R>
MG眞介(日本)
井村塁(日本)

<ネオブラッドTフライ級(※61.2キロ)準決勝/5分3R>
山中憲次(日本)
前田浩平(日本)

<ネオブラッドTフライ級(※61.2キロ)準決勝/5分3R>
聡-S DATE(日本)
梅川毒一郎(日本)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
岩﨑大河(日本)
川和真(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
赤崎清志朗(日本)
橋本薫汰(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
大塚智貴(日本)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
華蓮DATE(日本)
青木文菜(日本)

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【Pancrase319】10月25日大会より、パンクラスがPay Per View配信を開始

【写真】パンクラスも10月からPPV配信を開始する (C)MMAPLANET

6日(火)、パンクラスより10月25日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されるPancrase319でPPV配信を行うことを発表した。

同大会では上迫博仁✖松本光史、春日井“寒天”たけし✖TSUNE、田村一聖✖アキラ、田中半蔵✖透暉鷹、神田T800 周一✖ジェイク・ムラタ、近藤有己✖小林裕、滝田J太郎✖Ryo、宮澤雄大✖井島裕彰などがメインカードで、プレリミでは岩﨑大河✖川和真を筆頭に3試合、このほかネオブラッドTが組まれている。


PPV視聴に関しては、視聴料金は税及びシステム使用料抜きで4000円。本日・6日からイベント終了時まで購入可能となっている。

またライブ配信は途中から視聴した場合はその時点からの配信となり、ライブ中の再生はできず、配信終了後にチケット購入者はアーカイブ配信を視聴できる。アーカイブ視聴はイベント終了後1週間となっている。

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