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【ONE Winter Warriors02】中国の五味隆典=リー・カイウェンと対戦、アンドラジ「とても無駄が多い」

【写真】この選手は絶対に強い。確かに強い (C)ONE

17日(金・現地時間)、3日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録されたONE「Winter Warriors02」が放送される。

今大会はこれまでのダークシリーズと違い、9試合が放送されボリューミーになっている。平たくいえば3つの中継に分配できる試合数とならなかったわけだが、それだけ厚みの増したカードにファブリシオ・アンドラジの名前を見ることができる。

今年1月(※中継は2月)に佐藤将光に判定勝ちし、ムエタイのみならずグラップリングの強さも見せたタイガームエタイ所属のブラジリアンファイターが、中国の五味隆典ことリー・カイウェンと対戦する。

ONEバンタム級戦線は王者ビビアーノ・フェルナンデスにジョン・リネケルが挑戦することが決まっており、ブラジル勢が支配している。ランキング的にはユーサップ・サーデュラエフとケビン・ベリンゴンがアンドラジの上に位置しているが、勢いでは間違いなくアンドラジだ。ONEバンタム級戦線、第3のブラジリアン・パワー──ブラジルに帰国し、リー・カイウェン戦に備え名門ノヴァウニオンでトレーニングを積むファブリシオ・アンドラジに行っていたインタビューをここで掲載したい。


──約2週間後にリー・カイウェンと戦うファブリシオです(※取材は11月17日に行われた)。

「ゴメン、練習が長引いてインタビューの時間を遅らせてしまったね」

──全くも問題ないです。たかが10分程度。実は今日、UFCでハニ・ヤヒーラとローマ・ルックンブンミーのインタビューをしたのですが、ブラジルの同朋ハニ、タイガームエタイのチームメイトであるローマは揃って1時間の遅刻でした(笑)。

「アハハハハ。そうか、ローマのインタビューをしたんだ」

──ハイ。リー・カイウェン戦に向けて、今の調子はいかがですか。

「良い試合になるだろうね。彼も打撃が強いし、打ち合いが好きなファンには特に喜んでもらえるファイトになるよ」

──ところで1月に佐藤将光選手を破ってから、11時カ月のインターバルが空きました。

「サトーは僕が予想してより、ずっと強かったよ。打撃も良いし、グラウンドも強い。2Rまでにイーブンだったから、3Rは何か違う戦いをしないといけないって思ったんだ」

──佐藤選手の引き出しの多さとともに、ファブリシオがただのムエタイファイターでないことを世に示す試合になりましたね。

「サトーと戦うまで多くの人が僕のことを知らなかったはずだ。でも、僕は寝技の展開になることを恐れていない。グラップリングだって平気だ。自分の力は分かっているし、寝技でサトーを封じ込める自信もあったよ。確かに彼はカニばさみからヒールフックというような動きで僕を混乱させようとしたけど、焦ることなく対処できた。

ただサトーのスタンドでの動きには驚かされた。同様に彼も僕のグラウンドには驚いたに違いない。もし再戦の機会があるなら、立ち技をアジャストしてグラウンドゲーム同様に彼をリードできるよう戦いたい」

──ONEバンタム級で3連勝中だった佐藤選手を破り、頭角を現したファブリシオですが次の試合まで、ここまで時間を要することになると思っていましたか。

「どうだろうね。実はあの試合のあと、プーケットからブラジルに戻ったんだ」

──そうだったのですか!!

「コロナの影響でプーケットのタイガームエタイでは練習仲間の多くがいなくなり、サトーに勝った後も問題は解決しなかった。いよいよ練習相手がいなくなってしまったんだ」

──そして母国に戻ったと。

「そうなんだよ。今はノヴァウニオンで練習しているよ」

──何と!! 名門中の名門ではないですか。

「5月にブラジルに帰国し、ノヴァウニオンで練習を始めたのは7月からだよ。ONEの方もCOVID19の影響を受けて大会がキャンセルされたりして、僕もなかなか声が掛からなかった。ただ今回の試合に向けてノヴァウニオンでフルキャンプを行ってきた。

ノヴァウニオンは最高だよ。皆がポルトガル語を話すしね(笑)。色々なタイプのファイターが揃っていて、特にグラップリングの能力が高い。ジョゼ・アルドとも練習してきたし、本当に良いキャンプだった。過去最高といって間違いないよ」

──しかし、タイにいる時と比べてシンガポールへの長旅は苦痛ですね。

「これまでタイとブラジルの行き来で経験済みだから。それよりもノヴァウニオンという素晴らしい環境で練習できる方が、メリットがあるよ。何よりONEのバンタム級は65.8キロだから、減量の心配もない。飛行機のなかでも食事を摂ることができるはずだ。だからロングフライトの影響はそれほどないだろうし、凄く試合が楽しみだよ。

ONEの計量方法だと最後の週までしっかりとスパーリングをして準備ができる。体も精神もストレスがないから、より良いパフォーマンスを試合で見せることができると期待しているんだ。以前は1カ月前から減量に入り、体重管理に意識がいっていた。対して今はリラックスして、どう戦うかというマインドでいられるからね」

──なるほどぉ。ではリー・カイウェンの印象を教えてください。

「ノックアウト・アーチストだよ。パンチ力があって、常に少しでも早く対戦相手をKOしようとしている。ただ僕から言わせると、とても無駄が多い。力を使い過ぎているし、相手を倒してからのグラップリングの技術に見るべきものはない。僕の圧力を前にああいうファイトができるとは思わないよ。

仮にあんな風に攻めてきたら、すぐに出鼻をくじいてやる。リー・カイウェンにどんなバックグラウンドがあるのか知らないけど、過去数試合の映像を見るとラッシュし過ぎだ。あとフェザー級でタイガームエタイのチームメイトだったエミリオ・ウルティアをKOしているけど、そのエミリオが僕に色々とアドバイスしてくれた。エミリオとはイーブンの試合内容だったから、リー・カイウェンが何をしようとしているのか、彼の実像がよく分かるファイトだったよ」

──ところでONEバンタム級はブラジリアン・ドミネーションという状況です。延期されたビビアーノ・フェルナンデス✖ジョン・リネケルの一戦の行方を占ってもられないでしょうか。

「いやぁ、難しいよ。ビビアーノの柔術の世界王者で、素晴らしいグラップラーだ。だけどリネケルをテイクダウンできるとは思わない。どちらかをピックするとすれば、ジョン・リネケルだね」

──つまりファブリシオの次のターゲットはリネケルになるわけですね。

「そうだね。実はサトーと戦う前にリネケルには戦おうと呼びかけたんだ。リアクションはなかったけど(笑)」

──世界への挑戦権を得るためにリー・カイウェン戦では、どのような試合をしないといけないと思っていますか。

「KOして、レベルの違いを見せること──かな」

──ファブリシオ、今日はありがとうございました。最後に一足早く、ファブリシオの潜在能力の高さに気付いている日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンが僕のことを応援してくれるようになると、こんな喜びはないよ。サトーとの試合では、皆が僕をサポートすることはできなかったはずだし。でもリー・カイウェン戦では、僕を応援してほしい」

■視聴方法(予定)
12月17日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)

<バンタム級 (※65.8キロ)/3分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
クォン・ウォンイル(韓国)

<95キロ契約/5分3R>
ヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)
ファン・ロン(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
ジャンロ・サンジャオ(フィリピン)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

<キック・ライト級/3分3R>
ムスタファ・ハイダ(イタリア)
アリアン・サディコビッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
リー・カイウェン(中国)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
ジョセフ・ラシリ(イタリア)
朝陽PKセンチャイムエタイジム(日本)

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Interview Special  グラチアン・サジンスキ ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:2月─その壱─アンドラジ✖佐藤将光「ダーティボクシングと首相撲」

【写真】 離れてダイナミックなパンチや蹴り。そして、ゼロ距離でのエルボーヒジとアンドラジが佐藤を相手に強さを見せた(C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年2 月の一番、第一弾は1月22日に行われ、2月5日に中継されたONE116 Unbreakable03 からファブリシオ・アンドラジ✖佐藤将光戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年2月の一番、最初の試合をお願いします。

「アンドラジと佐藤将光の試合は1月に行われたのですが、大丈夫でしょうか」

──ハイ、初見が2月になってしまうのでどうしようもないですしね。ただし、アンオフィシャルでも私どもは試合結果は中継日でなく、実際に試合が行われた日時で整理したいとは思っています。それはともかく、アンドラジと佐藤選手の試合は青木選手がジェイムス・ナカシマに勝ったのと同じ日に同じ会場で行われ、同じファイトウィークをシンガポールで過ごしていたことになります。

「ハイ。帰国する便は同じだったんですけど、1週間シンガポールに滞在していて佐藤選手の顔を見たのはPCR検査と計量の時だけでしたね。試合当日は会うこともないし、結果も知らないという感じで。

だから今のONEのイベントは誰が試合をしているのか、全体を選手は知る由がないので。スタンプが自分と同じ日に試合をしていたとか、知らなかったです」

──コロナ禍とはいえ、歪さは感じます。録画中継でもやはり〇月〇日に行われた試合というのを知らせるのが、我々の慣例だったので。

「まぁ、でも戦う当人としてソコは気にならないですよ。あまり感じないです。通常の大会でも形式上、誰がいて、誰と戦って、結果がどうなったのかということが目や耳に入ってくるから知っているだけで。それを知らなくても、困らないですしね」

──なるほど。選手としてはそういうモノかもしれないですね。そういうなか、なぜアンドラジ✖佐藤将光が今月の一番に選ばれたのでしょうか。

「佐藤選手は──実はONEで鎬を削った試合ってハファエル・シウバ戦だけだった。だから、ビビアーノに挑戦できなかったとか話題になっても、相手はマーク・アベラルドとクォン・ウォンイルなんだから、そりゃあ勝つだろうっていう相手です。この3勝でチャンピオンシップってそんなに甘いのって、正直思っていたんです」

──とはいえ与えられた相手に3連続フィニッシュ、1つはハファエル・シウバです。そしてビビアーノ✖ベリンゴン時代が続いたバンタム級戦線で、次期チャレンジャーに目されるのは普通のことではないでしょうか。

「そこで世界挑戦っていうテンションなのかって、周囲も含めて。リネケル、ベリンゴンに勝ったわけじゃない。そこに勝つと説得力が違ってきますよね」

──ONEはランキング1位が世界挑戦という風ではなく、タイミングで組んでいく風ではあるかと思います。

「だからチャンスがあれば──というのはあるとは思います。ビビアーノがやるなら、世界戦だったでしょうし。そこでアンドラジが相手になった。結果論として、どうせ負けるならリネケルとかの方が良いですよね。

でも試合前は佐藤選手のイージーファイトになると思っていました。アンドラジは中国で負けているし、レコードもそれほど良くない。ONEで勝った相手もアベラルドですからね。そういう風な気持ちは正直ありました」

──未知の部分が多く、不気味な相手。ただしMMAだから佐藤選手が勝つという想いでした。

「それがワンサイドでしたね、実質は。良いところを消された感じで。3Rを佐藤選手が盛り返せたのも、アンドラジがセーフティリードを築いて戦ったからだというのもありますし」

──アンドラジの良さはどこでしたか。

「間が良かったです。反応も良かった。クリンチのエルボーも上手だし、ONEのルールに適していましたね。クリンチで打撃を入れることができて、アクションが大きい打撃も持っていました。ジャブにしても、攻撃している感のある攻撃です。踏み込みとかアクションが大きくて、あの戦い方はONE向きです」

──クリンチの攻防なのですが、佐藤選手は組みと打撃の融合という部分で本当に考えて、練習でも実践してきた。ただし、タイ・クリンチに勝てなかった。

「だってダーティーボクシングとタイ・クリンチじゃ歴史というか、積み重ねてきた年月が違いますよね。いくらダーティーボクシングって言っても、ここ何年かの話じゃないですか。でもムエタイの首相撲は歴史が有効性を証明している。だから、僕はダーティーボクシングっていうモノは、どこまで有効かという風には感じちゃっています」

──ただ高度な首相撲は、未だに足に組んで良いMMAでそれほど見られるモノではないです。

「う~ん、僕は凄く基本的な技術として、MMAにおいて首相撲は大切になってくると思ってきました。ジャブやダブルレッグのように。ただし、首相撲もグラウンドも──いってみれば即効性が少ないから、それほど日本では流行らないと思います。パンチ&ローとテイクダウンディフェンスというスタイルが主流のままで。

そういうなかでMMAでは名前が知られていなかったアンドラジは、首相撲をしっかりとやってきていた選手だった。引き出しを持っていましたね。とはいってもリネケルとやるとリネケルだし。それはラカイからやってくるスティーブン・ローマンにしても、良い選手かもしれないけどBRAVE CFで誰と戦ってきたのかっていうことになりますよね」

──……。4月29日に組まれるローマンのONE初陣ですが、荷が重いと?

「そもそもリネケルの実績と比較すると、失礼だろうと思います。2枚……いや3枚は落ちます。それはアンドラジも対しても、同じことが言えて。格が違うと思います。リネケルに対して、アンドラジやローマンでは。スミマセン、盛り上げるようなことがいえなくて──本当の気持ちを話してしまって……」

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ONE ONE Unbreakable III ONE116 03 Report ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】高度な真っ向勝負──MMA。佐藤将光が、ファブリシオ・アンドラジに惜敗

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
Def.3-0
佐藤将光(日本)

サウスポーからグローブタッチでオーソに構えたアンドラジが、右ローを蹴る。佐藤も右ローを蹴り返し、左ボディからローのコンビを見せる。右を伸ばしたアンドラジは、ワンツー。下がりたくない佐藤は、外を取りシングルレッグへ。切ったアンドラジがエルボー、ケージに押し込まれても即入れ替えて左エルボーを打っていく。

ここで佐藤はカニバサミから足関節を狙ったが、アンドラジはすぐに足を抜き、巴十字にも反応してスタンドへ戻る。序盤の仕掛けを防いだアンドラジは、ローに左を合わせていく。さらにテイクダウン狙いをすかしてエルボーと高度な動きを見せるアンドラジに、佐藤のテイクダウン狙いは通じない。

それでも前に出る佐藤はテンカオを受け、ケージに詰められる。ここでパンチをかわして右を打ち込んだ佐藤、アンドラジはMMAグローブでのパンチの交換に応じて、互いに間合を図る。佐藤は左からロー、ここで組むがアンドラジは左エルボー、右ヒザを繰り出す。佐藤も右を返して、真っ向勝負の打ち合いで引かず初回が終わった。

2R、前に出た佐藤を受け止めて細かい左エルボーを連打するアンドラジが、左フックを振るう。さらに右から左と、鋭いパンチを伸ばすアンドラジは組んではヒザ、そしてエルボーで、佐藤のダーティーボクシングを上回る。カカトを腿に入れる佐藤に対し、アンドラジは左エルボーを続け、佐藤の飛びつき系の動きは察知して離れる。

アンドラジは蹴りを交えてプレッシャーを掛け、スイッチして左ミドルを入れる。佐藤がワンツー&ローも、アンドラジのローで体が回る。佐藤が右アッパーを打ち込むと、アンドラジが下がる。しかし、これも誘いでカウンター狙いのアンドラジは、自ら前に出てクリンチへ。

離れた佐藤はロー、左右に動き前に出ると頭がアンドラジに直撃する。同時にヒザを急所にもらった佐藤は、インターバルが必要に。アゴをカットしたアンドラジとともに試合再開に応じた佐藤はダブルレッグへ。ケージに詰めるも、テイクダウンを奪えずアンドラジが受けの強さを見せ、ボディにヒザを突き刺す。急所の後のこの一発は厳しいように見えたが、佐藤はスピニングバックエルボーを入れて距離を取り直し、非常に見ごたえのある5分が終了──試合は最終回へ。

3R、サウスポーのアンドラジが左ミドル、続いて右を伸ばす。佐藤も右フックを返し、左ミドルには右ローと真っ向勝負が続く。しかし、佐藤の前進に下がりながらパンチを合わせ、ワンツーで踏み込むなどアンドラジが試合をリードする。佐藤も首相撲に右フックを当てて離れ、左ストレートを決める。左構えが続くアンドラジに一瞬のボディロックテイクダウンを決めた佐藤は、スクランブルでバックに飛び乗るが前方に振り落とされる。

確かな防御力を見せるは、ゼロ距離で細かいエルボーを繰り出し、佐藤はカーフを連続で入れる。エルボーで左目尻をカットした佐藤が、テイクダウンを決めるとアンドラジはヒールへ。体を捻り、殴りながらバックを制した佐藤に対し、ここもアンドラジが巧みに前方に落とす。

残り30秒、試合がスタンドに戻ると佐藤の回転ヒジをブロックしたアンドラジがワンツーからスリー、前に出た佐藤に左フックを打ち込む。佐藤も左を返し、タイムアップに。

高度なMMAを繰り広げた両者、ジャッジは3人ともアンドラジを支持した。佐藤は拍手をして、アンドラジとハグ。際の打撃で佐藤のダーティーボクシングをムエタイで上回ったアンドラジは「佐藤は本当にタフだった。タフなことは分かっていたけど、それ以上だった。誰がマッチメイカーか知らないけど、ランク2位の選手と試合を組んでくれて感謝している。次はタイトルだよ。皆が僕の力を疑っていたと思うけど、自分を信じて力を見せることができた。準備はできている」と話した。


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Interview ONE ONE Unbreakable III ONE116 03  ソン・ソンウォン ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】佐藤将光戦へ。超・未知強アンドラジ─02─「格闘技を諦めることだけはなかった」

【写真】話を訊けば、訊くほどに昨年7月のマーク・アベラルド戦は決してフロックでないことが分かってきた──ファブリシオ・アンドラジ(C)ONE

本日5日(金・現地時間)に中継されるONE116 03「Unbreakable 03」。同放送で佐藤将光と戦うファブリシオ・アンドラジ・インタビュー後編。

昨年7月のマーク・アベラルド戦では見事な一本勝ちを収めているが、アンドレジはまだまだ未知な部分は多い。とはいえ、ブラジルのフォルタレーザから中国は四川省の成都、さらに香港からタイのプーケット島と流浪のファイター人生を送ってきた彼の格闘技に対する想いは、並外れていることは確かだ。

「格闘技を続けることだけは諦めることがなかった」と振り返ることができる23歳──実力は未知数ながら、相当な手練れ感は十分に伝わってくる。

<ファブリシオ・アンドラジ・インタビューPart.01はコチラから>


──タイガームエタイを所属先に選んだのは? プーケットには他にも選択肢があったかと思います。

「タイガーで練習している知り合いが何人かいて、彼らも僕にコンタクトしてきてくれた。そして、トレーニング費用が掛からず練習できるということだったんだ」

──ブラジルの同朋であるブルーノ・ミランダもタイガームエタイ所属ですね。

「その通りだ。タイでブラジル人のチームメイトがいるっていうのは最高だよ」

──その時はMMAではなくて、キックやムエタイにフォーカスしていたのでしょうか。

「WLFでは毎月のように試合が用意されていたから、MMAを戦う時間がなかったんだ。試合をして、勝って、ずっとその繰り返しだったよ」

──WLFはK-1ルールに近いキックボクシング大会ですよね。ただし、ファブリシオは首相撲もMMAで使いこなしていました。

「ムエタイのトレーニングはずっと続けていたから。WLFでキックを戦ったのは、僕はルールを選ばないから。キックで試合の機会があれば、キックを戦うよ」

──WLFで日本人と対戦したことはありましたか。

「なかったよ。ただ1度、RIZINで試合をする可能性があったんだ。レン……なんとかっていう選手と戦わないかっていう話があったんだ」

──平本蓮選手ですか?

「そうそう。そうだよ。僕は戦うつもりでいたけど、実現しなかったんだよ」

──そんな話があったのですね。RIZINで平本選手と話があったとすれば一昨年の年末でしょうし、それから7カ月後にONEで戦うようになりました。COVID19のパンデミックがもたらした契約ともいえます。

「実のところ最初のオファーは僕にではなくて、チームメイトのエミリオ・ウルティアに来ていたんだ。でも彼がケガをして、僕に出番が回ってきた。本当に素晴らしい機会を手にできたよ。

もっと僕の試合を色々な人に見てほしいと思っていたんだ。中国で戦っていても、世界の人々は僕のことを知らないままだったからね。中国は他の国のSNSをブロックして、独自のSNSが普及しているだけで、僕がどれだけ試合をしても、世界の人は誰も知らないままだった。だからONEのようなイベントで戦いたいと思っていたんだ。

ONEで試合をするチャンスを得たということは、僕の試合を世界の人に見てもらうチャンスも得ることができたんだよ」

──そして7月の1試合で、多くの人がファブリシオのことを知ることになりました。

「正直言えばオファーをもらった時、ピンと来ていなかったんだ。試合が始まるまで、いや始まってからも集中していたとは言えないね。ただ、自分がやってきたことを繰り返しただけで」

──それでいてムエタイで圧倒するだけでなく、最後はRNCで一本勝ちでした。

「立ち技でも倒せたし、組み技への対処もしっかりとできた。スタンドだろうが、グラウンドだろうが僕はフィニッシュを狙っている。どちらの局面だろうが、自信は持っているよ」

──あの試合で世界と戦う扉を開けることになりました。

「そうだね。凄く嬉しかったよ。本当に嬉しかった」

──あれから5カ月、佐藤将光選手と明後日に戦います。佐藤選手は修斗の世界チャンピオンでONEでも3連勝中で3つのフィニッシュ勝利を挙げています。

「本音を言えばね、サトーと戦うことになって凄く驚いた。サトーはタイトルに挑戦するに相応しいファイターだからね。

でもONEが僕と彼の試合を求めた。そして、サトーはこの試合を受けた。それができるサトーを尊敬しているよ。アベラルドとの試合が決まった時、研究するためにサトーとの試合を何度も繰り返し見ていたんだ。

サトーはコンプリートファイターだ。立っても寝ても戦うことができる。エクセレントだし、トリッキーでもある。そしてタフだ。僕は傲慢な人間じゃない。でも、自分が彼より強いことを知っている。これまで……本当に色々なことがあった。でも格闘技を続けることだけは、諦めることがなかったんだ。

ずっとハードな練習だけは続けてきた。僕がどこで何をしていたのか、誰も知らない。でも、僕は知っている。自分に自信を持っている。打撃はサトーより上だ。グラップリングに関しても、普通のレベルでできるよ」

──グラップリングでも佐藤選手とやり合える自信はありますか。

「僕が言えるのは、彼とグラップリングをすることが楽しみだってことだよ(笑)」

──現状、プーケットでは普通に練習をすることは可能だったのですか。

「今、タイガームエタイは以前のように多くの国のファイターがいるわけじゃない。練習する人数も通常よりも少ない。でも、既にタイに生活拠点を移している選手も少なくないし、十分な準備ができるだけのファイターは残っている。

クリスマスもニューイヤーシーズンも、誰かが必ず僕をサポートし、サトーと戦うための練習に付き合ってくれた。最高のキャンプだったよ。

去年の7月の試合だけじゃ、多くの人が僕の実力に関して懐疑的なのは分かっている。でも、サトーとの試合で僕が次の挑戦者になれるだけの力があることを証明するよ。

ONEバンタム級戦線はチャンピオンがビビアーノ・フェルナンデス、次期挑戦者がジョン・リネケル、そしてその次のチャレンジャーが僕になる。3人のブラジル人ファイターが上位を占めるなんて、素晴らしいことだよ。僕としては、次の試合はリネケルと戦いたいと思っていたんで。でもビビアーノでも良いよ。佐藤戦が終われば、本当にワクワクすることが起こりそうだよ」

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

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Interview ONE ONE Unbreakable III ONE116 03 ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】アンドラジ戦へ、佐藤将光─02─「やっぱり喧嘩ができないと格闘技はできない」

【写真】プランB、そのさらに先まで話してくれた佐藤。明日の中継前に、ぜひとも熟読してほしい (C)MMAPLAET

5日(金・現地時間)にONE116 03「Unbreakable 03」が中継され、同放送でファブリシオ・アンドラジと戦う佐藤将光インタビュー後編。

ABEMA TVのTHE WONDERがシンガポールへ行く直前の佐藤の練習を追い、MMAPLANETでは練習を見たうえでアンドラジ戦について話を訊いた。

<佐藤将光インタビューPart.01はコチラから>


──その嫌な強さというのは、どこになりますか。

「ムエタイなのでクリンチができる。和田(竜光)さんがヨッカイカー(フェアテックス)と試合をした時に、倒すのに結構苦労していたじゃないですか。ただ押し込むだけじゃ、なかなか倒れない。組んでも倒せないと、打撃で殴られる機会が増える。

そういう嫌なイメージを持ってしまいます。あとバックステップが上手いので、詰め切れるのか。半端なテイクダウンを狙うと切られて殴られる。行くなら思い切りドンっといかないと危ないでしょうね」

──思い切り行った時に下がって打ってくる点、そして首相撲でクリンチを切り返すことで佐藤選手の合間を埋める攻撃を遮断する。この2点が現実になれば、本当に嫌な相手です。そのような相手にどう戦っていこうと考えていますか。

「まずは倒しに行こうと思っています。ただし慌てていかないこと。慌ててしまうと、向うが淡々とできるようになりますからね。打撃の交換をしながら探って、フェイクを見せてテイクダウンが決まれば、トップから攻めてフィニッシュを狙おうとは思っています。

それとシングルやダブルのフェイントからの打撃ですね。相手を浮かして……重心を浮かせたいです。そうするとパンチが入りやすくなりますし、向うのパンチは効かなくなるので。

あとはミドルをキャッチして、テイクダウンというのはあります。キャッチできなくても、そのままカウンターでテイクダウンを狙いたいですね」

──練習を見させてもらって、ボディロックや相四つでも自ら下になるシーンがありました。カニバサミから足関節、あるいはガードをとってすぐにリバーサル、それと背中をつけて三角絞めなど、ケージレスリング&スクランブルMMAの主流ではない流れも。

「三角は最近、得意なんでよく狙っています。あとカニバサミはテイクを取れない時のBプランです。下になっても良いということで、押し込んで相手がワキを差してきたらカニバサミからサドルに入ってヒールとか。

そういう技は多分、対応できないだろうなって思っています。あとはギロチン(齊藤曜)との試合で僕がやられたことですが、テイクダウンを狙って切られると一度背中をつけて、直ぐに起き上りながらもう一度入るとか。そういうことも考えています」

──アンドラジはやはりテイクダウンを切ることを徹底してきそうですし、そこを考えての戦法ですか。

「そこは狙えるなと思っています。スクランブルになれば行けるだろうと。テイクダウンを潰させて、バックに回ってこさせてからでも行けると思っています。

バックを取らせながら……基本は左側に回ってくるので、左手をいれて取らせないようにして、足を入れてくる前に寝転がってスクランブルに持ち込めば、こっちが上を取れるかと」

──練習中に見せていた流れですね。

「ハイ。あの動きは得意なので、そこはいけるかなとは思っています」

──もちろん一つの試合ですが、負けらないと気持ちのなかに世界戦を組まなかったONEを見返してやろうという気持ちは含まれていますか。

「う~ん、世間ですね。見返すのは。日本の格闘技が世界に通用しないという風潮があることを感じているし、実際にそうなってきてしまっています。そこをひっくり返したいとは思っています」

──それだけアンドラジを強敵だと捉えているということでしょうか。

「この相手ということではなくて1試合、1試合の積み重ねで、今年1年を掛けて見せて行かなければならない。そういうところですかね。この試合もその1部です」

──リネケルにはUFCファイターという肩書もあり、ベリンゴンにも圧勝しました。そんなリネケルと挑戦権を争うなか、今回の試合で何を見せないといけないでしょうか。

「単純にフィニッシュですね。でも、もう僕が試合をする頃にはリネケルとビビアーノは決っている。それぐらいで思っています」

──きっと私が記者として、最近、日本人が軽視されているなという想いをONEに対していだいているので、余計に見返してほしいと思ってしまうのかもしれないですね。

「まぁ最近のマッチメイクは結構潰しに来ているし、美味しくないのは多いですよね。日本大会がコロナでなくなったのもありますけど、日本に対して力の入れようは最初と比べて落ちてきているなと感じます」

──これだけ日本人選手が多いとマーケットの開拓具合も考慮し、切るために潰しに掛かるマッチメイクがあるのも理解できます。そうなれば強い人間が残る。だからこそ、日本人選手もこの逆風を跳ね返す必要があります。

「勝たなきゃリリースされちゃうし、勝たないと続けられないというのはあります。そういう世界だから、勝たないといけないです。結果が全てです」

──そういう時こそ……いつもそうだといけないのですが、最後に真っ向勝負ができるという佐藤選手への期待が高まります。韓国でギリギリの根性勝負をは殴り合いで見せていた佐藤選手だからこそ、そういう強味があるのではないかと。

「あぁROAD FCの時ですね(笑)。そうですね……あると思います。やっぱり喧嘩ができないと格闘技はできないので。どこか気持ちの弱さが出てきてしまいますからね。1発貰って小さくなってしまったら、もうそこで差が出てきてしまいます。1発殴られても『この野郎』って打ち返せないと。

それは別に打ち合わなくても構わないんです。でも、やり合う。どこかでやり返すという気持ちがないと……弱気が出た瞬間に負けちゃうので。そういう気持ちは大切だと思います」

──あのドロドロの殴り合いを演じていた若者が、MMAファイターとして成長を遂げた。そのうえで、なお気持ちの勝負も重視していると。

「試合っていうか、練習からですよね。練習でやりあっているから、試合でもやりあえると思っています」

──そういう意味では、アンドラジはまだまだ未知数でどこまでできるか分からないです。そして綺麗にムエタイが戦える選手は、MMAも綺麗にやってくるのかという気もします。ならドロドロの喧嘩で佐藤将光が引けねぇだろうと。

「やってみないと分からないですが、簡単に行くかもしれないというのはあります。スクランブルを創ると、直ぐに折れるかもって。でも、そこを期待していて違っていると、こっちがガックリきてしまうので、ある程度できるというイメージで創っています。

コロッと行くことがあっても、逆にメチャクチャ乗ってくることもあるだろうし。ただし、やり合う気持ちで……リネケルと戦った時のベリンゴンのようにはならない。最悪の事態も想定して、どこかでやり返すつもりでいます。

やはり打撃で1発も食らうこともあるだろうし、予想以上にデキるかもしれない。色々とイメージしておくことで、本番では驚かないで済むので──やりあう覚悟は持っています」

──どれぐらい自信を持って戦えますか。

「どれくらいというのは難しいですけど(苦笑)。準備の段階では自信を持つことはないです、いつも。試合の時にやってきたことを出し切れれば良いという気持ちです。これだけ出しても勝てなかったらしょうがない。自分の方が弱かったと諦めるしかないです。

なので、試合ではやってきたことを出し尽くすつもりでただやるだけです。そうですね、あまり試合前に自信があるということはないです。自信はない……いや、自信はないということではなくて、負けるかもしれないということはどこかで思っています」

──自信を持たないようにしているということは?

「あぁ、自信を持たないようにしているかもしれないですね。だから試合の時だけ、ケージの中だけは躊躇しないように自信を持って戦う──というのはあります」

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

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Interview ONE ONE Unbreakable III ONE116 03  ソン・ソンウォン ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】佐藤将光と対戦。誰も知らない、ファブリシオ・アンドラジの事実─01─

【写真】1997年10月10日、ブラジルのフォルタレーザ出身。2018年からアジアに拠点を移している (C)ONE

5日(金・現地時間)にONE116 03「Unbreakable 03」が中継され、同放送でファブリシオ・アンドラジが佐藤将光と戦う。

7月のONE バンコク大会で、コロナ禍契約といっても良い状況でONE出場を決めたアンドラジは、ムエタイと柔術が融合したスタイルでアベラルドを圧倒し、最後はRNCで一本勝ちを収めた。

強烈な印象を残したアンドラジが、ONE2戦目にして佐藤と戦うこととなった。試合の2日前(※1月20日)に、Zoomインタビューでファブシリオ・アンドラジとは何者か──に迫った。

そして──波乱万丈な人生を振り返ってもらう過程で、彼のグラップリングが決して付け焼刃ではないことが分かった。


──世界中のMMAファンが、去年の7月のONEタイ大会でのマーク・アベラルド戦で驚かされたと思います。ただし、日本のMMAファンはまだファブリシオのことをほとんど知りません。最初の格闘技経験は何だったのかを教えてもらえますか。

「13歳の時にムエタイを始めたんだ。子供の頃は当然のようにサッカー選手になりたかった。でも、そんなに上手くなくて。何かスポーツは続けたくて水泳をしたりしていた時、友人の1人がムエタイをやっていて一緒にやらないかと誘ってくれたんだ。練習を見学して凄く面白そうだったから、すぐにジムに通うようになった。

そして1カ月後には試合に出ていたんだ。自分にはこれが向いていると思ったよ」

──ブラジルは柔術やMMAは盛んで、それほど立ち技の人気が高いという印象はなかったです。

「以前はそうだったかもしれないけど、今はなかなか人気があるよ。それに僕が生まれ育ったフォルタレーザでは以前から定期的にムエタイの大会は行われていた。ただし、柔術と比較すると競技人口が少ないのは確かだったよ。柔術には長い歴史があるからね。

そして柔術をやっている者がムエタイを学び、ムエタイを練習している人間が柔術のトレーニングを始めることも少なくなかった。MMAを戦うためにね」

──ムエタイ時代は誰か憧れの選手はいましたか。

「ムエタイを始めた頃、ラモン・デッカーのファンだった。彼のスタイルは最高だったよ」

──どれぐらいムエタイの試合に出ていたのでしょうか。

「28勝1敗、それが僕のムエタイ・レコードさ。13歳でブラジル王者になり、14歳で南米王者になったよ。ユースのアマ・ムエタイでね。体重は50キロから52キロだったかな。16歳でプロになって、それからのレコードが28勝1敗でほとんどは中国で戦ったものだよ。

中国に行く前にブラジルで1度、MMAを戦っているよ。ブラジルにいた頃からムエタイ、柔術、MMAと全ての練習をしていた。

フォルタレーザではONEのようにMMAとキックボクシングの合同大会が開かれていたからね。どっちでも戦えるように準備していたんだ。ただ、本当のところはMMAに専念したかった」

──MMAでもヒーローはいましたか。

「そうだね、アンデウソン・シウバやヴィトー・ベウフォートかな。ジョゼ・アルドも好きだった。でも、フォルタレーザに住んでいては、MMAだけでは生活できない。キックでも十分に戦えるから、キックの試合に出ていたんだ」

──中国へ移ったのは?

「お金を稼ぐためだよ。中国では毎月のように試合に出ることができる。そこでファイトマネーを得ることができるからって誘われたね。そしてジムで寝起きをすれば、家賃も掛からないって。19歳の時だよ、四川(スーチュワン)省の成都(チェンドゥ)へ向かった。

成都の都江堰(ドゥージャンイェン)のジムに住んで練習をして、試合の声が掛かるのを待っていた。でも、そこのマネージャーと折り合いがつかず、もう成都にいるのが嫌になった。お金もなかったけど、とにかくあの街とジムにいるのは耐えきれなかった。

香港在住のブラジリアン、カポラルは2016年のアジアチコで優勝。MMAでもREALに来日するなど、15勝8敗の戦績を残している(MMAPLANET)

中国について半年後、香港でエスパーダ(剣)・ジムをやっているホドリゴ・カポラルが救いの手を差し伸べてくれた。

僕は香港へ向かい、2カ月間ジムにマットを敷いて生活をして、ホドリゴは食事も用意してくれた。

僕は彼に柔術とMMAを習い、ムエタイを指導した。1年間の香港でのトレーニングのおかげで、僕のグラップリングは凄く成長したよ。本当にホドリゴには感謝している。食べて、寝て、練習する。そんな時間を香港では過ごしていたんだ。ただし問題が一つあって……」

──それは何だったのでしょうか。

「香港にいると、試合の機会が全く巡って来なかった。結果、お金を稼ぐことのもハードだった。だからファイターとしてキャリアを積んでいくには、ずっと香港にいるわけにはいかなった。

キックだろうが、ムエタイだろうが、MMAでも誰とでも戦うつもりでいたけど、試合はできなかった。そうこうしている間に中国人のエージェントが、WLF(武林風)でキックの試合ができるようにしてくれたんだ。

WLFで2試合戦ってからプーケットに移った。カポラルのところは柔術アカデミーだったから、キックの練習相手がいなかった。それにタイは生活費が香港よりずっと安く済む。もっと立ち技を磨きたかったから、タイに拠点を置くことに決めたんだ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

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Interview ONE ONE Unbreakable III ONE116 03 ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】アンドラジ戦へ、佐藤将光「ランキングに入っていなくて、あの強さ。嫌な強さ」

【写真】MMA将光メソッド、非常に興味深いモノだった (C)MMAPLAET

5日(金・現地時間)にONE116 03「Unbreakable 03」が中継され、同放送でファブリシオ・アンドラジと戦う佐藤将光。彼がシンガポールに渡る週の練習をABEMA TVのTHE WONDERが追っていた。

MMAPLANETではABEMAのカメラが捉えた佐藤独特の細かい打撃が織り交ぜられたスパーリング、そして今回の試合について尋ねた。そこで聞かれた──独特な戦いの感性、同時に一歩も引かない打撃ができる佐藤のMMA観に触れると、MMAとは創意工夫と実践だと改めて気づかされた。


──太腿へのヒザを始め、組みのなかのちょっとした打撃をこれほど多用するスパーリングは見たことがなかったです。スパー相手の太腿にカカトが入り、悶絶して動けなくなるシーンもありました。

「よくやるんですけど、僕は四つがあまり強くないから差し合いだと勝てないんです。

だからわざと押し込ませて、凌ぎながら削るということを心掛けています。カカトで太腿や脹脛を狙って。で、打てる時にアッパーやヒジを入れる感じで。これでテイクダウンできないと、相手の方が疲れてくれるので」

──かなりゴツゴツ入れているように見えました。

「カカトは皆が凄く嫌がるので、最近は少し抜くようになっています。ただ僕のなかでローとボディはOKなので、打ち抜いてきたのが……それもダメージが溜まるので『止めて』という声が多発したので、やはり抜くことが増えています(笑)。この練習をしていると、打撲とかは絶えずあるとは思います」

──このゴツゴツとしたスパーリングは、ずっと行ってきたことなのでしょうか

「ここ3年ぐらいですね。でも基本的に坂口道場が狛江にあった時、土曜日のスパーリングはガチでした。互いが熱くなってくると、結構ダウンしていることとかありましたし」

──ガチスパーは行っていることろはあるかと思いますが、このガツガツと細かい打撃を出すスパーは出稽古に行った時は、できないですよね。

「気持ち控えますけど、やっているので驚かれます」

──怒ってくる選手はいないですか(笑)。

「それはないです。ただ嫌そうにはしていますけど」

──この練習があるからこそ、佐藤選手のMMAは組みと打の融合が進んだのだと思えました。

「やっていないと、やっぱり試合で使えないですからね。試合でも相手は嫌そうにしていますし。それが僕の武器なので。思い切り力があるとか、寝技がめちゃくちゃ強い選手ではないので、ああいうところで戦っていかないと勝てない。小技はたくさん使っています(笑)」

──小技というか、発想力が豊かだと。

「これイケるんじゃないかなって思ったことは、全部練習で試しています。それでハマったモノを使うようにして。普通は下から殴るって合理的じゃないですけど、それをすることでイライラしてくる選手がいます。

そうこうこともあるので、やっぱり練習で試す必要がありますね。モモカンとか、クォン・ウォンイルも嫌がっていて。意識がそっちに行った時が、次の攻め時になる。効いてくると、対応が雑になるので」

──ホントに興味深いスパーリングが見ることが出来ました。ところで、秋ごろに小耳にはさんだことなのですが、11月にONEの試合が一度決まった。そうでなかったら、修斗で岡田遼選手と修斗で統一戦を戦っていたかもしれないと。

「う~ん、そこまでは明確な話は進んでいなかったです。9月ぐらいに、11月にビビアーノとの話が進んでいるということがあって、それがないなら修斗に出ると伝えていました。

結局、そこからずっとONEから返答はなくて。ギリギリまで修斗の後楽園ホール大会まで引っ張って、最後は去年の間にビビアーノ戦がないなら、キックでも良いから試合をしたいとお願いしました。

そういうことがあったので、11月の修斗でグラップリングマッチが決まりかかっていたんです。相手の名前もちゃんとあって。そういうギリギリの状況だったので、修斗で統一戦をできるような状態ではなかったですね」

──結局、グラップリング戦も組まれなかったですね。

「大会の1週間前ぐらいにONEから12月に組むから、ここで試合をするのは控えてくれという連絡がきたんです」

──その時、自分たちもビビアーノに挑戦できると思っていました。結果的にビビアーノではなくて、ファブリシオ・アンドラジになり、時期も12月ではなく1月までずれ込みました。

「まだですか、まだですかって聞いていて。試合まで40日を切ってからアンドラジで来ました。でも試合が1月か2月になりそうだと聞かされた時点で、相手は誰でも良いから組んでくださいとお願いしていたんです。

だからビビアーノでなくても、試合が組まれて良かったというのが一番でした。1年も試合をしていなくて、ビビアーノを持っていたらいつになるか分からない。僕が先に引退することになってしまいます(笑)」

──その過程においてジョン・リネケルとケビン・ベリンゴンの試合が決まった時、どのように感じましたか。

「実は……ならビビアーノが来るんじゃないかと期待したんです。でも、リネケルが勝って暫らく試合がないとなると、これはビビアーノとリネケルを組むなって」

─ベリンゴンの敗北は、どのように捉えましたか。

「トータルでできる選手ではないので、打撃で負けると引き出しがないですよね。だから、そんなにショックを受けたというのはなかったです。でも、もう少しできると思っていたのでやっぱりリネケルは強いんだなって。ベリンゴンは最後、気持ちが逃げていましたよね。ああなっちゃうと、リネケルのような選手は強いですね」

──ONEで世界王者になったベリンゴンのあの負けは、悔しくはなかったですか。

「ちょっとレベルの差を見せつけられましたね。仮にも元チャンピオンで、ずっとビビアーノとやってきた選手なので。まぁリネケルは強いとは思っていたのですが……強いですね。あの距離感とか、どうやって戦えば良いのかって考えましたね」

─そして、先ほど話していただいたようにアンドラジ戦が決まりました。彼の名を聞いた時は、どのように感じましたか。

「ぼんやりと……アイツかなって。マーク・アベラルドとやっていた、アイツかと」

──タイのドメスティック大会で、MMAを成立させるためにブラジル人ムエタイ選手を担ぎ出したと思っていたら、いやコイツは怖いぞと、正直なところ驚かされました。そしてこのタイミングで佐藤選手に当ててくるのかと。

「そうっすね。ランキングに入っているなら良いですけど、ランキングに入っていないであの選手なのは、嫌な強さがありますよね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

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News ONE ONE Unbreakable II ONE Unbreakable III ONE116 スタンプ・フェアテックス ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable II & III】2月5日中継ファイトで、佐藤将光が超難敵ファブリシオ・アンドラジと対戦

【写真】ここにきて、この相手かという……厳しい一戦を迎える佐藤(C)MMAPLANET

12日(火・現地時間)、ONE Championshipより22日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」の中継枠=Dark Seriesのカードが発表された。

1月29日(金・同)の中継分ではヘビー級の2試合、マウロ・チリリ✖アブドゥルバシール・ヴァガボフ、そしてアラン・ンガラニ✖ウマウ・ケニ戦の2試合が明らかとなり、前者がメインになるとのこと。

また2月5日(金・同)の放送分では佐藤将光が登場しファブリシオ・アンドラジと相対するバンタム級戦と、スタンプ・フェアテックスが半年振りにMMAを戦うアリョーナ・ラソヒーナ戦が明らかとなった。


タイトル挑戦が見えてきたはずの佐藤にとって、厄介な相手が用意された。アンドラジは昨年の7月に行われたONE No Surrender=タイ・ドメスティックショーで、マーク・アベラルドを相手に圧倒的なムエタイの強さを見せ、最後はテイクダウンを切ってバックを制するとRNCで一本勝ちという衝撃のONEデビューを果たしている。

ムエタイで頂点を目指しブラジルのフォルタレーザからタイはプーケットのタイガームエタイの所属となったアンドラジ。立ち技の戦績は29戦28勝で11KO勝ち、MMAは4勝2敗ながらアベラルドを破った試合を見る限り、相当な猛者であることは間違いない。

オーソ基調のスイッチヒッター、怖いのは下がってパンチを打つことができる点だ。またテンカオだけでなく、首相撲からヒザ蹴りにも長けている。つまりアンドラジは佐藤の前進力、そしてゼロ距離でのMMAらしい打撃と組み技の融合という最大の長所を封じ込める力を持っている可能性がある。

5日放送分のヘッドライナーはスタンプとONE初陣のラソヒーナ戦で、佐藤はコ・メインでの出場となる。

ジョン・リネケルがケビン・ベリンゴンをKOし、ONEでは2戦目の手強いアンドラジを当てられるなど、ビビアーノ・フェルナンデスの持つONE世界バンタム級王座挑戦に関して相当な向かい風が吹くようになった佐藤だが、ここはスキージャンプのようにアゲインストの風を浮力とするしかない。

この正念場を前に佐藤は昨日11日(月)に行われたZOOM公開練習の際の囲み取材で「いくらムエタイが強くて、テイクダウンを切ってRNCには入れても、総合格闘技はそんな簡単なモノじゃない」と力強い言葉を言い放っている。

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<キックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] ムスタファ・ハイダ(イタリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
クォン・ウォンイル(韓国)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

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Interview ONE ファブリシオ・アンドラジ ブログ マーク・アベラルド 大沢ケンジ

【ONE】7&8月度・大沢ケンジの気になるONE MMAアスリート─3人目─アンドラジ「上久保戦が見たい」

【写真】もはやバンタム級トップ5の力がある? ファブリシオ・アンドラジ(C) ONE

ONE Championship非公認・大沢ケンジ監修非公式ランキングと勝手に月間・三賞から、新しく生まれた連載=「大沢ケンジの気になるONE MMAファイター」!!

7月&8月度の3人目は、No Surrenderでマーク・アベラルドを打撃で圧倒し、最後は組み勝ってRNCで一本勝ちしたファブリシオ・アンドラジだ!!


──No Surrenderの3大会とA New Breedの1大会から大沢さんが気になった選手、3人目──最後の1人をお願いします。

「ファブリシオ・アンドラジです。マーク・アベラルドが相手でしたけど、ONE Warriorから連勝で本戦に昇格した選手を完膚なきまでに倒しましたね。この時期にたまたまタイにいて、それで出場チャンスが回ってきた噛ませ犬かと思っていたのですが、強かったです。

あらかじめ映像を見ていたので、打撃ができることは分かっていました。でも組みがどんなもんだろうって思って視ていると、組み負けることがなかったですね。ちゃんとMMAをやってきたんだなって。

最初はテイクダウンをされたけど、すぐに立ち上がってカーフを蹴り、そこからもうテイクダウンをされることなくジャブで突き放すと、アベラルドの距離はどんどん遠くなりましたよね。

首相撲で転がした時に、コイツはできると思いました。実況中に長南が『これ、誰だよ!!』って書き込んで来て(笑)。でも、それまでのMMA戦績は4勝2敗だったから、ここまでの強さを持っているとは本当に予想できなかったです。ただのキックボクサーが、タイガームエタイで練習してMMAも強くなったという感じかもしれないですね」

──フィニッシュも素晴らしかったです。

「テイクダウン狙いを崩して、バックに回って即RNCを極めました。かなりアップライトなのに、組みに対応できているのが怖いですし、楽しみですね。このタイミングで、こういうヤツが出てくるのかって」

──アベラルドと67キロで戦い、この勝ち方。もうバンタム級ランカーの力はあるのではないでしょうか。日本人選手との対戦も楽しみです。

「トップ5でいえば、竹中大地、上久保周哉、佐藤将光、ケビン・ベリンゴン、そしてチャンピオンがビビアーノ・フェルナンデス。他にジョン・リネケルもいますしね。トップ5は強いですよ。

日本人だと……竹中君はキックボクシングでは厳しいでしょうが、どう組んでいけるのか。そうなると、組みでずば抜けている上久保が見たいですね。この試合はまず上久保が、試合を受けるかどうか。受けて実現するなら、アンドラジが上久保のテイクダウンを切って打撃を入れることができるのかが見ものです。

もし、それができるからアンドラジはとんでもない選手ですよ。僕は上久保が組み技で完封できそうな気がします……。いや、分からないですけどね。ただし上久保の組み技から逃れることができれば、アンドラジはもう世界王座付近です」

──ONEの活動が本格的になれば、またバンタム級に注目ですね。

「ベリンゴンとも見てみたいですね。ベリンゴンはずっとビビアーノとの試合しか見てこなかったので、アンドラジ✖上久保、アンドラジ✖ベリンゴンが見たいですね」

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ONE Result ONE110 No Surrender I スタンプ・フェアテックス ファブリシオ・アンドラジ ブログ

【ONE110 No Surrender I】試合結果 スタンプは力不足のスニサは完勝。掘り出し物=アンドラジが一本勝ち

【写真】とてもキャリア3勝2敗の動きには見えなかったアンドラジ(C)ONE

7月31日(金)にONE110「No Surrender I」がタイはバンコクのインパクトアリーナで行われた。

ONEグローバル部隊にとって活動再開となる運営がリモートワークだった今大会、ムエタイの2階級の世界戦は王者が防衛に成功。スーパーボン・バンチャメークとシッティチャイ・シッソンピーノンはキックルールで組まれ、前者が判定勝ち。

2試合組まれたMMAではタイガームエタイ所属のファブリシオ・アンドラジがマーク・アベラルドを相手、ムエタイとグラップリングの融合体的な強さを見せRNCでタップを奪っている。

スタンプ・フェアテックスはパウンドアウトしTKO勝ちも、対戦相手との力量さがありすぎた。

ONE110「No Surrender I」
<ONE Super Seriesムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
○ロッタン・シットムアンノン(タイ)5R
判定
×ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
<ONE Super Seriesムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
○ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)5R
判定
×ヨーセングライ・フェアテックス(タイ)
<キックボクシング・フェザー級/3分3R>
○スーパーボン・バンチャメーク(タイ)3R
判定
×シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
○スタンプ・フェアテックス(タイ)1R3分57秒
TKO
詳細はコチラ
×スニサ・スリサン(タイ)
<67キロ契約/5分3R>
○ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)2R1分11秒
RNC
詳細はコチラ
×マーク・アベラルド(ニュージーランド)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
○スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)3R
判定
×パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)