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【Shooto2022#01】野尻定由戦へ、中村倫也―02―「貫けば正義だと僕は思っています」

【写真】スピード、瞬発力は既に国内トップクラスかと思われる中村。求めているのは緩急だ (C)MMAPLANET

16日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#01で、野尻定由と対戦する中村倫也インタビュー後編。

プロ2戦目を前にして「型に囚われないMMAがしたい」と話す中村だが、その型に囚われない戦いの選択肢には、意外な勝ち方が含まれていた。全ては世界の最高峰でトップに立つため――そのための優先順位は徹底して強さを追求することだった。

<中村倫也インタビューPart.01はコチラから>


――ハイキックでKOというデビュー戦があり、それ以上のインパクトを求められていることにプレッシャーはないですか。

「いえ、ただ楽しみなだけです。デビュー戦と単に比較することは難しいですけど、一つ一つのパーツで完成度が上がっていると思います。打撃の軸ですとか、寝技の隙間を埋める動きだとか。

前はまだスペースを与えて、動かれるということがあったのですが、漬ける技術をしっかりと学んできたので。そうですね、MMAに転向したてのころは『極めたい』という気持ちが大きすぎて相手にスペースを与えてしまっていました。結果、動いた相手を極めることができるということもありましたけど、その隙間を与えないで戦えるようにしたいです」

――オーディションの最終選考試合前のアマチュア選でも、腕十字を狙い続けるという展開がありましたね。

「あの時は腕十字にこだわっていましたねぇ(笑)。今は無駄なこだわりはなく、フレキシブルになっています」

――インパクトのある勝利は力があるから狙えることですが、やはりリスキーでもあります。それでもハイキックに続き、ド派手な勝利を目指したい?

「KO勝ちをしたら、その感覚に囚われてしまうKO病があるとも聞いています。そうなってしまう気持ちも分かりますが、僕は漬けて勝ちたいので」

――えっ? 抑えてコントールして勝ちたいということですか。

「ハイ。それが許されない風潮が、このMMAにはありますよね。でも、それって簡単なことじゃないんですよ」

――力が拮抗しているときは、本当に大変なことをしていると思います。例えば川尻達也選手のジョシュ・トムソン戦やルイス・ブルカペ戦、あの試合を米国やブラジルのトップファイターにできるなら、それは最大の賛辞を受けるべきかと。

「それっ、分かるっス」

――川尻選手はそういう自分の評価は、世間に伝わらないことを意味しており喜ばしいことではなかったようですけど(笑)。

「アハハハハ。でも、それも貫けば正義だと僕は思っています。ベストを尽くして、最高の試合をしたわけですからね。相手がいるものですし。足を使って、回り続けるわけでなく攻めているので。あの足を使って、コンタクトしない試合はきついっス。誘い込むわけでもなく、ただ距離を取って回る。攻めることができないわけですからね。

そうですね……僕は、1度は漬けて勝ちたい。そういう試合をしてみたいです」

――初戦だけでなく練習を見ていても躍動感だらけですし、逆にジッと構える試合は倫也選手には難しいのではないですか。

「正直、苦手なんです。待たないで、自分から動くので。ただ、相手の様子を見て戦うことは打撃ではできつつあります。相手がテイクダウンのプレッシャーを感じると、色々と見やすくなってきますね。結果、ケージに詰めた相手が動くんじゃなくて、動かせる。そこに自分の攻撃を合わせることは、できてきたかと思います」

――まさにレスリングが得意なMMAファイターであって、レスラーがMMAをするということではないですね。

「ありがとうございます!!」

――まぁ、練習とはいえ引き込み十字、跳びつき十字にヒールフックを果敢に使っているのを目の当たりにしたので(笑)。

「練習ではいっぱい失敗したいです。そこで試さないで、試合で試すのかって話ですからね」

――今日も色々と試して、そこからリカバリーが必要になるというスパーリングをしていました。そこも踏まえて1月16日の野尻定由戦、どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。改めてお願いします。

「そうですね、漬ける試合を見せたいです(笑)」

――素晴らしいです(笑)。

「ですかね?(笑)」

――ただし、最近の修斗はコントロールだとブレイクが掛かる傾向が強いです。

「ハイ、早くなってきましたね。ハーフでトップを取っていてもブレイクが掛かった試合もありましたし。尻餅をつかされた選手が、ケージを背負って両足を束ねられた時とかもブレイクが早いと感じます」

――北米より、明らかに早いと感じますね。もちろん、レフェリーの個人差もあるかと思いますが。ルールを利してスタンドに戻ることが横行すると、自分で立ち上がる手段を磨かなくなるという危惧を感じます。

「結果、殴るのが正義みたいな空気がある。僕もあれは疑問に思うことがあります。髙谷さんはビビアーノ・フェルナンデスとの試合とか、あれだけ組みの強い相手のテイクダウンを切って殴っていたわけですからね。それがMMAの打撃だと思っています。

なので僕はコントロールの技術力……関節技とか打撃では僕より巧い人はいくらでもいますが、動きのあるなかで相手をコントロールする試合を見せたいです。米国で勝つために必要な技術を――次の試合で見せたいと思います」

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MMA ONE UFC キック ビビアーノ・フェルナンデス

ONE Winter Warriors02:セミファイナル・ケビン・ベリンゴン vs. クォン・ウォンイル

バンタム級。ベリンゴン2位。

フィリピン・チーム・ラカイのベリンゴンはビビアーノ・フェルナンデスから微妙な判定でタイトルを獲得したが、4ヶ月後の日本大会での再戦で敗れる。さらに10月の日本大会でビビアーノと3連戦目を行ったが、2Rチョークで完敗。昨年11月には元UFCのジョン・リネカーと対戦し、2Rパンチで心を折られてのKO負け。

ウォンイルはONE5勝3敗、MMAで10勝3敗だが、うち6戦が日本人との対戦。ONE以外の試合では3勝だが、ONEでは今成・松嶋・佐藤将光に敗れている。

長身のウォンイルが蹴りでプレスしていく。下がりながらサークリングするベリンゴン。カーフキック。ウォンイルのろーをキャッチして組み付いたベリンゴン。ボディロックしバックに回る。ケージで正対したウォンイル。離れるベリンゴン。どんどん出るウォンイル。ミドル。キャッチしてテイクダウンしたベリンゴン。グラウンドで頭部に膝。押さえ込まず殴っていく。立って離れたウォンイル。すぐにプレスするウォンイル。パンチを撃たれて下がるベリンゴン。明らかに嫌がっている。シングルレッグに入ったが切られた。打撃に頭を下げるベリンゴンだが、そこにアッパー・膝を合わせるウォンイル。飛び膝が顔面にヒット。距離を取るベリンゴンだが効いてきている。残り1分。ベリンゴンカーフキックで打ち返すが、ウォンイルかまわず出る。プレスされ続けて疲れが見えるベリンゴン。ゴング。

2R。すぐ詰めるウォンイル。ベリンゴンもパンチのコンビネーションで出るが、打ち終わるとすぐ詰めていくウォンイル。しかし1Rよりは手を出しているベリンゴン。左ボディアッパー。明らかに効いた様子を見せたベリンゴン、自らしゃがみ込み嫌倒れ。KO!

ベリンゴン、これで4連敗。しかも2試合続けて嫌倒れしてのKO負け。

ウォンイルはランカー相手に勝利し号泣。

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【ONE Winter Warriors02】中国の五味隆典=リー・カイウェンと対戦、アンドラジ「とても無駄が多い」

【写真】この選手は絶対に強い。確かに強い (C)ONE

17日(金・現地時間)、3日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録されたONE「Winter Warriors02」が放送される。

今大会はこれまでのダークシリーズと違い、9試合が放送されボリューミーになっている。平たくいえば3つの中継に分配できる試合数とならなかったわけだが、それだけ厚みの増したカードにファブリシオ・アンドラジの名前を見ることができる。

今年1月(※中継は2月)に佐藤将光に判定勝ちし、ムエタイのみならずグラップリングの強さも見せたタイガームエタイ所属のブラジリアンファイターが、中国の五味隆典ことリー・カイウェンと対戦する。

ONEバンタム級戦線は王者ビビアーノ・フェルナンデスにジョン・リネケルが挑戦することが決まっており、ブラジル勢が支配している。ランキング的にはユーサップ・サーデュラエフとケビン・ベリンゴンがアンドラジの上に位置しているが、勢いでは間違いなくアンドラジだ。ONEバンタム級戦線、第3のブラジリアン・パワー──ブラジルに帰国し、リー・カイウェン戦に備え名門ノヴァウニオンでトレーニングを積むファブリシオ・アンドラジに行っていたインタビューをここで掲載したい。


──約2週間後にリー・カイウェンと戦うファブリシオです(※取材は11月17日に行われた)。

「ゴメン、練習が長引いてインタビューの時間を遅らせてしまったね」

──全くも問題ないです。たかが10分程度。実は今日、UFCでハニ・ヤヒーラとローマ・ルックンブンミーのインタビューをしたのですが、ブラジルの同朋ハニ、タイガームエタイのチームメイトであるローマは揃って1時間の遅刻でした(笑)。

「アハハハハ。そうか、ローマのインタビューをしたんだ」

──ハイ。リー・カイウェン戦に向けて、今の調子はいかがですか。

「良い試合になるだろうね。彼も打撃が強いし、打ち合いが好きなファンには特に喜んでもらえるファイトになるよ」

──ところで1月に佐藤将光選手を破ってから、11時カ月のインターバルが空きました。

「サトーは僕が予想してより、ずっと強かったよ。打撃も良いし、グラウンドも強い。2Rまでにイーブンだったから、3Rは何か違う戦いをしないといけないって思ったんだ」

──佐藤選手の引き出しの多さとともに、ファブリシオがただのムエタイファイターでないことを世に示す試合になりましたね。

「サトーと戦うまで多くの人が僕のことを知らなかったはずだ。でも、僕は寝技の展開になることを恐れていない。グラップリングだって平気だ。自分の力は分かっているし、寝技でサトーを封じ込める自信もあったよ。確かに彼はカニばさみからヒールフックというような動きで僕を混乱させようとしたけど、焦ることなく対処できた。

ただサトーのスタンドでの動きには驚かされた。同様に彼も僕のグラウンドには驚いたに違いない。もし再戦の機会があるなら、立ち技をアジャストしてグラウンドゲーム同様に彼をリードできるよう戦いたい」

──ONEバンタム級で3連勝中だった佐藤選手を破り、頭角を現したファブリシオですが次の試合まで、ここまで時間を要することになると思っていましたか。

「どうだろうね。実はあの試合のあと、プーケットからブラジルに戻ったんだ」

──そうだったのですか!!

「コロナの影響でプーケットのタイガームエタイでは練習仲間の多くがいなくなり、サトーに勝った後も問題は解決しなかった。いよいよ練習相手がいなくなってしまったんだ」

──そして母国に戻ったと。

「そうなんだよ。今はノヴァウニオンで練習しているよ」

──何と!! 名門中の名門ではないですか。

「5月にブラジルに帰国し、ノヴァウニオンで練習を始めたのは7月からだよ。ONEの方もCOVID19の影響を受けて大会がキャンセルされたりして、僕もなかなか声が掛からなかった。ただ今回の試合に向けてノヴァウニオンでフルキャンプを行ってきた。

ノヴァウニオンは最高だよ。皆がポルトガル語を話すしね(笑)。色々なタイプのファイターが揃っていて、特にグラップリングの能力が高い。ジョゼ・アルドとも練習してきたし、本当に良いキャンプだった。過去最高といって間違いないよ」

──しかし、タイにいる時と比べてシンガポールへの長旅は苦痛ですね。

「これまでタイとブラジルの行き来で経験済みだから。それよりもノヴァウニオンという素晴らしい環境で練習できる方が、メリットがあるよ。何よりONEのバンタム級は65.8キロだから、減量の心配もない。飛行機のなかでも食事を摂ることができるはずだ。だからロングフライトの影響はそれほどないだろうし、凄く試合が楽しみだよ。

ONEの計量方法だと最後の週までしっかりとスパーリングをして準備ができる。体も精神もストレスがないから、より良いパフォーマンスを試合で見せることができると期待しているんだ。以前は1カ月前から減量に入り、体重管理に意識がいっていた。対して今はリラックスして、どう戦うかというマインドでいられるからね」

──なるほどぉ。ではリー・カイウェンの印象を教えてください。

「ノックアウト・アーチストだよ。パンチ力があって、常に少しでも早く対戦相手をKOしようとしている。ただ僕から言わせると、とても無駄が多い。力を使い過ぎているし、相手を倒してからのグラップリングの技術に見るべきものはない。僕の圧力を前にああいうファイトができるとは思わないよ。

仮にあんな風に攻めてきたら、すぐに出鼻をくじいてやる。リー・カイウェンにどんなバックグラウンドがあるのか知らないけど、過去数試合の映像を見るとラッシュし過ぎだ。あとフェザー級でタイガームエタイのチームメイトだったエミリオ・ウルティアをKOしているけど、そのエミリオが僕に色々とアドバイスしてくれた。エミリオとはイーブンの試合内容だったから、リー・カイウェンが何をしようとしているのか、彼の実像がよく分かるファイトだったよ」

──ところでONEバンタム級はブラジリアン・ドミネーションという状況です。延期されたビビアーノ・フェルナンデス✖ジョン・リネケルの一戦の行方を占ってもられないでしょうか。

「いやぁ、難しいよ。ビビアーノの柔術の世界王者で、素晴らしいグラップラーだ。だけどリネケルをテイクダウンできるとは思わない。どちらかをピックするとすれば、ジョン・リネケルだね」

──つまりファブリシオの次のターゲットはリネケルになるわけですね。

「そうだね。実はサトーと戦う前にリネケルには戦おうと呼びかけたんだ。リアクションはなかったけど(笑)」

──世界への挑戦権を得るためにリー・カイウェン戦では、どのような試合をしないといけないと思っていますか。

「KOして、レベルの違いを見せること──かな」

──ファブリシオ、今日はありがとうございました。最後に一足早く、ファブリシオの潜在能力の高さに気付いている日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンが僕のことを応援してくれるようになると、こんな喜びはないよ。サトーとの試合では、皆が僕をサポートすることはできなかったはずだし。でもリー・カイウェン戦では、僕を応援してほしい」

■視聴方法(予定)
12月17日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)

<バンタム級 (※65.8キロ)/3分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
クォン・ウォンイル(韓国)

<95キロ契約/5分3R>
ヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)
ファン・ロン(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
ジャンロ・サンジャオ(フィリピン)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

<キック・ライト級/3分3R>
ムスタファ・ハイダ(イタリア)
アリアン・サディコビッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
リー・カイウェン(中国)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
ジョセフ・ラシリ(イタリア)
朝陽PKセンチャイムエタイジム(日本)

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【ONE Winter Warriors02】チームラカイ・ナイト。キンガド、ベリンゴン、ローマン、ジャンロが揃い踏み!!

【写真】タイトル挑戦へ最後の一里塚=アクメトフ戦を迎えるキンガド(C)MMAPLANET

12月3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催され、17日(金・同)にディレイ中継されるONE「Winter Warriors 02」の対戦カードが発表された。

同大会では6試合全てがMMAで、うちチームラカイ勢が4試合に出場する。そのラカイの新世代をONE世界ストロー級王者ジョシュア・パシオと共にリードするダニー・キンガドが、メインでカイラット・アクメトフと対戦、さらに元BRAVE CFバンタム級王者スティーブン・ローマンの仕切り直しのサークルケージ初陣も決まった。


2019年に行われたフライ級ワールドGP準優勝のキンガドは、仙三、和田竜光、若松佑弥という日本の代表するフライ級ファイターに三立てを食らわしたこともある実力者だ。微妙な判定をモノにするONEに特化する試合をするかと思いきや、自らテイクダウンやグラウンド戦も展開するウェルラウンダーのキンガドだが、テイクダウン&グラップラーとの試合は、北米裁定であれば判定負けという試合展開も珍しくない。

それが和田戦であり、リース・マクラーレン戦であった。元同級世界王者のアクメトフはそのマクラーレンとの渋い試合で勝ち切り、現王者のアドリアーノ・モライシュとも1勝1敗と互角の星を残している。

今やMMAのニューパワーハウスとして注目を集めるカザフスタン、そのMMAを10年に渡りリードしてきたアクメトフも、フライ級の頂点に返り咲くための大舞台、徹底して組んで倒しにいきそうだ。

(C)ONE

スタイル的にも市場的にもキンガドはONEが求めるタイトルコンテンダーに、アクメトフといタイトル挑戦権獲得に向け、最終問題が用意されたガチ・マッチメイクだ。

また王者ビビアーノ・フェルナンデス、次期挑戦者ジョン・リネケル、佐藤将光を破ったファブリシオ・アンドラジと、ブラジル勢の支配下にあるONEバンタム級戦線で復活を賭す元バンタム級世界王者ケビン・ベリンゴンが、韓国のクォン・ウォンイルとの対戦も組まれた。

王座陥落後、ジョン・リネケルとの一戦で過去に見せたことがなかった脆さを露呈したベリンゴンにとって、ONEバンタム級戦線のBTSを相手に3年1カ月振りの勝利はトップ戦線に踏みとどまるための必須課題。そんな一戦となろう。

(C)BRAVE CF

そして今大会では、ついにローマンがONE初出場を果たす。

本来は4月にリネケル戦が決まっていたローマンは、コロナ陽性で試合出場ならず、8カ月遅れでユーサップ・サーデュラエフに相手を代えてONE初戦を迎える。2012年のMMAデビュー、既に29歳のローマンはラカイ主催興行、URCCからPXCへ進み、その後はBRAVE CFに参戦し14勝2敗というレコードの持ち主だ。

戦ってきた舞台がONEでないため、日本国内の知名度は圧倒的に低いローマンだが、チームラカイで1・2を争う力の持ち主、そしてパシオ、キンガドを上回るウェルタウンだーだ。

ラカイ新世代のパシオとキンガドは上に記したようにテイクダウンを自ら仕掛けて戦うことができるが、倒されても下からの打撃、そして立ち上がればチャラ、もしくは優位に立てるONEの裁定基準に則して実戦を繰り返してきた。

対してローマンはテイクダウンを許すと、ポイントを失うルールセットのなかでキャリアを積み、倒されないという点でのシビアさは、他の2人とは違う感覚を持っている。故に自らのテイクダウンをボーナスポイントではなく、勝利の方程式において欠かせない手段として、戦いに組み込んできた。

そのうえでローマンはラカイ特有のラッシュ&レンジのコントロールという打撃を身に着けている。結果として、ドミネイト力は現ONEファイターのグルダ―ジャン・マンガットを破って手にしたBRAVE CFバンタム級王座を4度に渡り防衛してきた中で十分に示してきた。

とはいえ対戦相手のサーデュラエフはフェザー級でも戦えるフィジカルの持ち主で、テイクダウンと特にコントロールにかけてはONE随一のファイターといっても過言でない。

ローマンとしてはテイクダウンで結実する打撃ではなく、テイクダウンを切って倒す打撃という戦い方が必要になってくる──実力査定試合だ。

16歳の時のジャンロ・サンジャオ

さらに今大会ではチームラカイのマーク・サンジャオ総帥の実の息子ジャンロがキャリア4戦目でONEデビュー戦を戦う。

2002年7月生まれ、19歳のジャンロはアンジェラ、クリスチャン&ヴィクトリアの3人のリーと同様に、ONEが純粋培養する将来のエース候補といえるだろう。下がって蹴ることができ、その動きからテイクダウンに繋げるなど既に非凡な動きを見せているジャンロが、どのようにONEの舞台で強くなっていくのか、その一歩が示される。

かつてONEのベルトを4本所有していたチームラカイの栄光=ベリンゴン、北米ルールで育ったラカイの裏アカウント=ローマン、ラカイの将来=ジャンロ、そしてタイトル挑戦を現実の目標として掲げるラカイの今=キンガド──4者4様の静かなる山の戦闘種族の戦いを見逃すことはできない、ONE Winter Warriors02=チームラカイ・ナイトだ。

■ONE「NEXTGEN03」視聴方法(予定)
11月26日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE「NEXTGEN03」対戦カード

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
ポンシリP.K.センチャイムエタイジム(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
レネ・カタラン(フィリピン)

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ピーター・バウシュト(オランダ)
ラスラン・エミルベク(キルギス

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ロドレックP.K.センチャイムエタイジム(タイ)

■ONE「Winter Warriors」視聴方法(予定)
12月3日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE「Winter Warriors」対戦カード

<キック世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者]イスラム・ムルタザエフ(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP決勝/5分5R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
リトゥ・フォーガット(インド)

<キック・フェザー級/3分3R>
チョウ・チェンリャン(中国)
レネ・カタラン(フィリピン)

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)

<ヘビー級/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
フー・ヨン(中国)
若松佑弥(日本)

■ONE「Winter Warriors 02」視聴方法(予定)
12月17日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE「Winter Warriors 02」対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)

<バンタム級 (※65.8キロ)/3分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
クォン・ウォンイル(韓国)

<95キロ契約/5分3R>
ヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)
ファン・ロン(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R 5分3R>
ジャンロ・サンジャオ(フィリピン)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

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【VTJ2021】川村泰博戦前の佐藤将光「選手は試合をしたいもの」&「やりたいよう、やり切りたい」

【写真】ZOOM取材でスクショに失敗すると、佐藤が自撮り写真を丁寧に同じ構図で送って来てくれた (C)SHOKO SATO

6日(土)、東京都江東区のスタジオ・コーストで行われるVTJ2021で佐藤将光が出場し、河村泰博と対戦する。

2019年5月、佐藤はONEでのキャリアをスタートさせると3連続フィニッシュ勝利を果たす。ビビアーノ・フェルナンデスの持つONEバンタム級王座挑戦の機運が高まっていたが、コロナパンデミックが起こり、その機会は巡って来ず今年の1月にファブリシオ・アンドラジとの激闘で惜敗を喫した。

以来、試合が組まれてなかった佐藤は今回のVTJへの出場を凱旋マッチでも、消化マッチでもないと言い切る。歯に衣着せぬ言動も、人間の権利=自由の行使の一環だ。試合機会を求めるのは、実戦に向かう日々で自身が成長に繋がっていたから。

ONE日本大会以来、2年振りの国内での試合前に佐藤の心境を尋ねた。


──ファブリシオ・アンドラジとの試合から、10カ月近く経ちVTJで河村泰博選手との試合が決まりました。ようやく試合ができることに対し、どのような気持ちですか。

「率直に嬉しいです。ずっと試合がしたかったので。僕は試合を重ねている方がコンディションが創りやすいですし、試合に向けて対策練習をして技術力を上げるタイプで。そうすることで成長できるから、試合が決まって嬉しいです」

──ONEが5月から8月までシンガポールのロックダウンもあり大会がキャンセルになっていましたが、9月の再開からも声が掛からなかったということですね。

「契約満了期間がこの間にあって、その後の更新に向けての話は続けている状態です。まぁONEも致し方ない状況ですし、僕が文句を言ってもしょうがないことです。ただし、選手は試合がしたい。この状況を何とかしたいということは、知ってもらう必要があります。ダメならダメで、日本で戦わせて欲しいという僕の要望を今回はONEが飲んでくれて試合ができます。

このインタビューを読んでくれる人たちは、簡単に試合を組んでもらえるモノだと思うかもしれないけど、色々と難しいことがあります。

一番はONEでベルトを目指したいです。中途半端で終わりたくないですから。ただコロナってすぐには収束しないと思いますし、そうなったら今回のようにただただ試合期間が空いてしまうことは……勝手な意見かもしれないですが、僕は辛いので。どのような理由があっても一定の期間、試合が組まれないなら日本で試合ができるというような条項を契約に盛り込んでもらえるなら、これからも当然ONEで戦い続けたいです」

──ONEの契約も当然のようにコロナ禍を想定していないモノだったでしょうし、コロナ禍においてはフレキシブルに対応してほしいというのが正直なところですね。

「まぁ、そういう障害というモノがあったのですが、色々な人に動いてもらって今回VTJで試合ができることになり、そこは感謝していますし試合ができて良かったです。ONEで試合が組まれないで、このタイミングでVTJに出られる。そこの許可は貰えたのでオファーがあれば修斗の公式戦でも試合をしたい。僕としてはどこでも試合ができるなら、やりたいということです。

色々な煽り方があるので、ファンの人に向けて分かりやすいストーリーラインがあるのは構わないです。ただし、心情としては凱旋マッチでもないし、消化試合でもない。ただただ僕のパフォーマンスを見せる機会ということです」

──佐藤将光が佐藤将光であるための試合。そういう風に捉えています。

「もう勝手なんで、自分がやりたいように生きています」

──将光選手はパンクラスから修斗、修斗からONEとずっと成長しています。敗れたとはいえアンドラジ戦の内容も良かった。それだけに、本当にやっと試合を見ることができます。そして対戦相手がNEXUSのバンタム級王者である河村選手になりました。どのような印象を持っていますか。

「相手の選手に対しては、特に……。テーマとしては、如何に自分のパフォーマンスを見せるのかということなので。いつもと同じで決まった相手の映像を見て、研究する。そこに自分の技術をはめて戦う。特別なことがないのは、他の試合とも同じです。リマッチだったり、昔視ていた選手との試合では特別な想いを持つこともありますが、そうでない試合は『あぁ、こういうタイプね』という感じだけです」

──VTJとONEではルールが違います。その辺りは気になりますか。

「ルールは緩い方が好きなので、ONEルールの方が戦いやすいと思います。けど、グラウンドでのヒザがないだけですからね」

──戦いは危険になりますが、規制が緩くなるという風に捉えているのですね。興味深いです。

「まぁ自分が使いたいので。使いたい方からすると緩いという捉え方になりますね。グラウンドのヒザにしても、攻撃を受けることでなく攻撃することしか考えていないです。練習中でも、今回はここでヒザを蹴ることができないんだなとか考えることはありましたしね」

──なるほどぉ。この試合が、どのように今後のキャリアに関係してくるのか。

「今は今後のことについては、言えないですね……」

──ビビアーノ・フェルナンデスが戻ってきて、ジョン・リネケルと戦うことが一度は決まりました。その10周年記念大会は延期が決定しましたが、ONEバンタム級選手権試合についてはどのようになると予想していましたか。

「リネケルが普通に勝つと思っています。そういう選手と戦っていきたい気持ちは勿論持っています。試合ができるのであれば、最初に言ったように中途半端に戻って来るんじゃなくて、ONEでやって行きたいという気持ちでいました。ただし海外で外国の強豪と戦いたいという想いよりも、試合ができないことが嫌だという気持ちの方が大きいです」

──将光選手の要望とONEの望みが合致し、WIN WINになれることを望みます。そして今回の河村戦、将光選手のどのようなパフォーマンスをファンに見せたいと考えていますか。

「前の試合で負けているので、期待を持ってもらえる試合を──佐藤将光って強いなと思ってもらえる試合がしたいです。ちゃんと倒しにいくスタイルを見せたいですね。あとは思うように自由にやりたい。もちろん試合は見てもらうモノで、見てほしいのですが、一番は自分のやりたいことを見てもらうという感覚です。やりたいように、思い切りやりたいです」

──アンドラジ戦で佐藤将光の力を疑うような人は、まずいないと思います。同時にアンドラジもあそこから試合が組まれていないので、もっと見たい。その強さを他の選手相手にも見せてほしい選手です。

「僕はバンタム級だから、バンタム級の選手の試合がもっと見たいです。DJ✖ロッタンとか、僕は絶対に乗れなくて。だったらDJはMMAのトップ選手と、ロッタンはムエタイの強い選手とやって欲しい。ああいう試合があると、ONEが何を目指しているのか見えなくなるので、どう乗れば良いのか分からないというのはあります。

まぁ期待してもらえるような試合をしたいです。されなくても、続けちゃうんですけど(笑)。皆に見たいと思ってもらう試合を熱気を帯びた会場でやることが一番気持ち良いので、色々背負っている方が辛いけど楽しいです。辛いことの方が楽しいような気がします」

■VTJ2021視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■VTJ2021対戦カード

<58.5キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
アルフレド・ムアイアド(チリ)

<フェザー級/5分3R>
宇野薫(日本)
原口央(日本)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
菅原和政(日本)

<63キロ契約/5分3R>
佐藤将光(日本)
河村泰博(日本)

<ライト級/5分3R>
原口伸(日本)
岡澤弘太(日本)

<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
野村駿太(日本)

■Shooto2021#07視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後1時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#07対戦カード
             
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
[王者] 黒部三奈(日本)
[挑戦者] SARAMI(日本)

<修斗暫定世界ストロー級王座決定戦/5分5R>
猿丸ジュンジ(日本)
黒澤亮平(日本)

<フェザー級/5分2R>
結城大樹(日本)
岩本健汰(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
澤田千優(日本

<フライ級/5分2R>
高橋SUBMISSION雄己(日本)
山内渉(日本)

<ミドル級/5分2R>
岩崎大河(日本)
清水洸志(日本)

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MMA ONE ONE Championship ONE NEXTGEN ONE X ゲイリー・トノン ジョン・リネケル タン・リー チャトリ・シットヨートン デメトリウス・ジョンソン ビビアーノ・フェルナンデス

【ONE X】コロナ感染者数が上げどまりのシンガポール。チャトリが10周年記念大会の延期を発表

【写真】いつまでコロナに影響を受ける日々がONEでは続くのだろうか (C)MMAPLANET

27日(水・現地時間)、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンが12月5日(日・現地時間)に予定されていた10周年記念大会=『ONE X』をシンガポールの新型コロナ感染の状況悪化により、2022年早々に延期するとSNSで発表した。

ONE世界バンタム級選手権試合=ビビアーノ・フェルナンデス✖ジョン・リネケル、ONE世界フェザー級選手権試合=タン・リー✖ゲイリー・トノン、デメトリウス・ジョンソン✖ロッタン・ジットムアンノンのミックスルールファイトが発表され、さらに2つの世界戦や女子アトム級ワールドGP決勝らが組まれる予定だった10周年記念大会がリスジュールを強いられることとなった。

9月中旬よりコロナ陽性者数が増加し始め、国民の80パーセント以上がワクチン接種を済ませ、2022年からはワクチン接種者以外はオフィスなどの出社も禁じるという国策を政府が採ったシンガポールだが、10月になっても1日の感染者数は上げ止まり状態が続く。現状も人口570万人弱と、東京都の半分に満たない総人口のシンガポールで、1日の感染者は平均3500人に及ぶ。

チャトリはSNSで新しい日程などについては、後日発表するとしている。なお今週の金曜日に行われる予定のONE NEXTGENに関して、現状は変更なく実施される方向だ。


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MMA ONE ONE Championship ONE X Special   ゲイリー・トノン タン・リー チャトリ・シットヨートン ビビアーノ・フェルナンデス 松嶋こよみ

12.5 ONE 10周年記念大会でデメトリアス・ジョンソンとロッタンがMIXルールで対戦/ビビアーノ vs. リネカー、タン・リー vs. トノンの2大タイトルマッチも決定


 チャトリ・シットヨートンCEOが12月5日に開催するONE Championship10周年記念大会『ONE X』でデメトリアス・ジョンソン vs. ロッタン・ジットムアンノンを行うことを発表。4オンスのMMAグローブ着用で1,3ラウンドがムエタイ、2,4ラウンドがMMA(いずれも3分間)というミックスルールで行われます。

 ジョンソンは4月の『ONE on TNT 1』でアドリアーノ・モラエスのフライ級王座に挑戦し2R KO負けして以来の試合。ジョンソンはこれがプロ初のKO負けでした。ロッタンも最近『ONE on TNT 1』でダニエル・ウィリアムスに判定勝ちしていますが、10月15日の大会でもダニエル・ピュータス戦が予定されています。

 また、ビビアーノ・フェルナンデス vs. ジョン・リネカーのバンタム級タイトルマッチとタン・リー vs. ゲイリー・トノンのフェザー級タイトルマッチも行われるとのこと。

 フェルナンデスは2019年10月に両国国技館で開催された『ONE Championship: Century Part 2』でケビン・ベリンゴンとの4度目の対戦で2Rリアネイキッドチョークで勝利して以来2年2ヶ月ぶりの試合で今回が2度目の防衛戦。リネカーは4月の『ONE on TNT 3』でトロイ・ワーゼンに1R KO勝ちして以来の試合で現在3連勝中。

 リーは昨年10月の『One Championship: Inside the Matrix』でマーティン・ウェンに3R TKO勝ちし王座戴冠して以来の試合で今回が初防衛戦。トノンは昨年12月の『ONE Championship: Big Bang』で松嶋こよみに判定勝ちして以来の試合でMMAデビュー以来6連勝中。続きを読む・・・
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【ONE X】12月5日に10周年記念大会、2つの世界戦に加え──ロッタン✖DJの混合マッチが決定!!

【写真】最高の食材が揃ったゲテモノ料理となるのか、新たなメインディッシュとなるのか(C)ONE

16日(木)、ONE Championshipが12月5日(日・現地時間)に10周年記念大会=『ONE X』を開催すること2つの世界戦、そしてムエタイとMMAの混合ルールでロッタン・シットムアンノンとデメトリウス・ジョンソンが対戦することが発表された。

グラップリングではなくプロ修斗公式戦、つまり岩本がMMAデビューを迎えることとなった。2011年9月3日の第1回大会から10年が過ぎ、世界のMMA界においてアジアを代表する存在となったONEが、10周年記念大会である意味、ONEらしいマッチアップを発表した。


ONEムエタイ世界フライ級王者でキックでも同級ランク1位のロッタンは2018年のONE初出場以来、MMAグローブでの立ち技戦で圧倒的な強さを見せ、10連勝中だ。

一方のDJはフライ級ワールドGPを制したものの今年の4月にアドリアーノ・モライシュの持つONE世界フライ級王座に挑戦し、人生初のKO負けを喫した。

立ち技では世界最高のロースターを誇るONEを代表する若き鉄人ロッタンと、MMAに至宝といえる全ての局面を融合させたDJの戦い。10周年記念大会のお祭り的な意味もあり、ONEの発表自体にone-of-a-kind battle(唯一無二のバトル)という表記も見られるが、最高の役者の顔合わせで格闘技的にも興味深い局面はいくつも考えられる。とはいっても、勝負の鍵を握るのはルール設定──以前にムエタイとMMAのどちらを先に持って来るのかという点に尽きる。

MMAグローブ着用で行われるようだが、ラウンド数や1Rが何分になるなどは明らかになっていない。重ねてルール設定がまず鍵となる一戦だけに正式発表を待ちたい。

またONE世界バンタム級選手権試合=王者ビビアーノ・フェルナンデス✖ジョン・リネケル、そしてONE世界フェザー級選手権試合=王者タン・リー✖ゲイリー・トノンという2試合もアナウンスされた。

前者は柔術✖ボクシングのブラジリアン同朋対決、後者はテコンドー系トータルファイターと至宝のグラップラーのマッチアップ、異種格闘技の香りがするMMA世界戦も要注目だ。

なおONE Xはさらに複数の世界が予定され、ONE10年の歴史を彩ったファイター、これからの10年を創っていく選手が勢揃いするという話も伝わってくる。そうなれば、「試合のオファーがあった」とSNSで発したあの人の参戦も十分に有り得る。出場メンバー、対戦カードの続報が気になる10周年記念興行だ。

■ONE「Revolution」視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
トーマス・ナルモ(ノルウェー)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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Interview ONE ビビアーノ・フェルナンデス ブログ

【ONE】活動再開、ONEアスリートの今─02─ビビアーノ・フェルナンデス「40歳は40歳!!」

【写真】人生は限りがあるというのは、外から自分を見た場合。自分自身が生きている間を全てと捉えると、ビビアーノのように人生は無限と考えることができるのだろうか(C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にタイのバンコクで活動を再開するONEチャンピオンシップ。5カ月振りのイベント再開を前に、世界各地で非常事態を経験してきたONEアスリートたちは何を想い、どう過ごしてきたのかを尋ねるシリーズ。ONEアスリートの今、今回はビビアーノ・フェルナンデス・インタビュー後編をお届けしたい。

2度のONE世界バンタム級王座獲得で、通算8度の防衛を果たしたビビアーノは、そのONEの再開にあたりモチベーションが左右することはないと断言した。達観した感させあるビビアーノは今、どのように考えて生きているのか。

<ビビアーノ・フェルナンデス インタビューPart.01はコチラから>


──ところでONEチャンピオンシップも7月31日のバンコクから活動を再開させます。この知らせを聞いて、新たなモチベーションを得ることができたのではないでしょうか。

「僕は常にモチベーションを持って生きてきた。大会が再開されることは良いニュースだけど、それによってモチベーションを左右されるほど、モチベーションを持たない人生は送って来なかったよ。

自分の試合が決まれば、その日に戦う。そのことに対してモチベーションは必要ない。その時が来れば戦うだけで、それが幸せなことなんだ」

──キャリアの終盤にきて、自ら王者に君臨するプロモーションの活動がストップなどビビアーノにも予想もできなかったと思いますが、再開のニュースを聞いても特に勢いづくことはないのですね。

「僕はONEチャンピオンシップのチャンピオンだ。MMAの世界王者なんだ。どれだけの間、チャンピオンだったと思う? ずっとベルトを守る立場にいる。9度もタイトルを防衛した。今もチャレンジャーが出てくるのを待つだけだ。イベントが開かれ、防衛戦が決まるのを待つ身なんだよ。大会がないことで焦りなんてないし、再開されるからといって勢いづくこともない。

キャリアの終盤……そう40歳だ。だからって、何もできない。年齢は重ねるだけで、減らすことはできないからね。ファイトはファイト、そして40歳は40歳。人生は長い、ファイトも人生のなかででは一時のモノ。試合を軸に2、3カ月後を考えても、どうなるってモノじゃないんだ。試合だけじゃない、人間は何があっても生き続けるのだから。僕が生きている期間、それは僕にとって永遠なんだ。

ビビアーノという人間が存在する時間は、本人にとって無限だ。ライフはインフィニティなんだよ。来月、試合があるなら戦う。来週でも、戦う。でも、そんな状況じゃないから、機会が巡ってくるのを待つだけだよ。バンクーバーから飛行機に乗って、海外へ行くことができない。だから待たないといけない。誰もCOVID19の行方は分からないんだから」

──確かにその通りですね。

「今、確実に分かっていることは……誰もこの先のことは分からないということだけなんだ。この先、UFCで誰も命を落とす人が出なくて、死者の数が減っていくことを望む。それが、人類の前進を意味することになる。

ONEがイベントを開くことも前進だ。ただし、タイで大会が開かれるならタイ人、タイに住んでいる選手だけの大会になる。仮に日本で大会が開かれるのなら、日本人だけのイベントになる。フィリピンなら、フィリピン人だけ。カナダなら、カナダに住んでいるファイターだけが戦うイベントになる。それが現状に則した、ベストな大会運営だと僕は思っている」

──ところでカナダ在住のブラジル人として、母国の状況をどのように感じていますか。

「ブラジルは色々なことが起こっている。生きていくということは学びの連続で、その姿勢を持たなければならない。ブラジルは大変な状況だけど、そのなかで手洗い、うがいをして、やたらとスキンシップをしない──その現状を皆が学ぶ必要がある。

ブラジルの皆は気持ちの良い人間ばかりだけど、現状においても無頓着がところがあるからね。もっとね、秩序を持たないといけないんだ、今は。皆が謙虚に、これからの世代のことを考えなければならないと思う。それには今、自分自身、ストトリートをもっとクリーンにするという意識は欠かせない。

僕はずっと良い人間になり続けたいと思っている。ここで終わりというのはないんだ。人としてずっと、成長し続けたい」

──ビビアーノ、今日はありがとうございました。再会できる日が訪れるまで、ビビアーノが言ってくれたことを胸に刻むようにします。

「ホント、日本の皆も気を付けて生きてほしい。いつも言っているけど、日本の皆を知ることで、僕は精神的に成長できた。ONEが掲げている謙虚さ、尊敬心、思いやり、自分を律することというのを僕は日本で学ぶことができた。また日本で皆に会いたいと思っている。ありがとう」

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Interview ONE ビビアーノ・フェルナンデス ブログ

【ONE】活動再開、ONEアスリートの今─02─ビビアーノ・フェルナンデス「僕はルールに従う」

【写真】信仰深いことで有名なビビアーノ、想像も絶する厳しい幼少期を経て、柔術とMMAで成功を収めた彼は誰よりも家族を愛する (C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にタイのバンコクで活動を再開するONEチャンピオンシップ。5カ月振りのイベント再開を前に、世界各地で非常事態を経験してきたONEアスリートたちは何を想い、どう過ごしてきたのかを尋ねるシリーズ。ONEアスリートの今、第2回は日本での成功から、ONEバンタム級で長期政権を築いたビビアーノ・フェルナンデスの登場だ。

カナダ、ブリティッシュコロンビア州に生活拠点を置くブラジリアン。米国との国境を封鎖するなど、断固たる感染拡大対策を取り、事態の沈静化に向かっている一方で、経済活動のストップで──あのシルクドソレイユが倒産するという事態を生んだカナダにおけるファイターとして営みを尋ねた。


──ビビアーノ、大変な状況だと思いますが変わりなくやっていますか。

「もちろんだよ。ところで日本の様子はどうなんだい?」

──これまで日本ではPCR検査の数がごくごく限られていたのですが、ようやく少しずつ増えてきて。経済活動の復活と そのタイミングが重なったことで、感染者の数も増えています。特に東京では。個々でしっかりと予防し、経済を回すような感じですね。

「日本の人達は、その辺りは僕の母国であるブラジルとは違っているんだろうね」

──でも終息が見えたなんてことは全くないですよ。

「それは世界中でいえることだよ」

──ブリティッシュコロンビアの方が東京より、沈静化していると思います。

「確かにここは良くなっているね。先月からレストランもオープンし、映画館も開いている。今は学校も再開したけど、小学校は閉鎖されたままで、ホームスクールが続いているよ。今年中にどうにかなるのか、僕には分からない。

僕の子供たちも月曜日から金曜日は朝の9時から午後1時までコンピューターの前に座っている。リモートクラスだね。子供たちは全く問題ないよ」

──それにしても、半年前に世界がこのようなことになるなど誰も想っていなかったはずです。

「いいかい、マナブ。僕は神を信じている。カミサマ(※日本語)をね。それが一番だよ。2番目はルールを守ること。社会のルールに対し、謙虚な姿勢で従わなければならない。3番目に大切なことは、ビビアーノ・フェルナンデスであること。ビビアーノとして、僕は生きなければならない。

生を受けて、今、ここにいるなかでCOVID19のパンデミックが起こった。でも、パニックになることはない。今言った3つのことを肝に銘じ、ずっと生きてきたからね」

──ビビアーノがビビアーノたる……父であり、夫であり、指導者でもある。と同時に、ビビアーノは柔術家でありファイターです。そのためのトレーニングは?

「練習はしているよ。極々少数の知り合いとだけで。ボクシング、ムエタイ、柔術をしてきた。ただし、社会情勢に対してやり過ぎということはないようにしてきたよ。今はカナダ政府の決めた取り決めに従っている。つまり、ジムで3人から5人のトレーニングを行うことは問題ないということだよ。

5月にロックダウンが緩和されるまでは、家で練習を続けていた。ロックダウン中はジムも何もかも閉められていたからね。それでも時々、コーチに家にきてもらって指導も受けていた。まぁ、通常のトレーニングを続けることは無理だったよ。ジムで練習しようものなら、ポリスがやって来るからね。

それに柔術クラスや柔術ジムは、まだ活動再開はできていないんだ。僕もムエタイのジムでトレーニングをしている状態だよ。ジム内も動線が引かれて、練習している人間の距離を取ることが決められている。もちろん、スパーリングは許されていないよ。とにかく慎重にトレーニングすることが必要なんだ。

100パーセントの練習ができないのは、今も変わりない。でも僕はルールに従う。そして、感染予防に気を使って、人々に迷惑をかけないように練習しなければならない。そうやって毎日を過ごしている。社会の一員として、多くの人達が嫌がるようなことはしたくない。だから……練習はしている。でも、ファイトのためじゃない。ボディメンテ、フィジカルのメンテナンスのためだね」

──日本では法的行使力はなく、自粛要請という形で4月から5月にかけて多くの道場やジムは閉められていました。と同時にプロフェッショナル・ファイターは練習を続けて批判されたこともありました。

「法に触れていないのだから、練習をすれば良い。ただし、法に触れようが、触れまいが、しっかりと用心して練習すること。トレーニングする人間は、そこを忘れてはいけないというのがビビアーノの考えだよ。

トレーニングが問題じゃない。コロナ禍のもと、トレーニングに向き合う姿勢が大切になってくる。僕には幼い子供たちが家で待っている。無茶をして、感染するわけには絶対にいかない。でもトレーニングはしていた。現状に則して、コンディションをキープするためにね」

──経済が止まると、その子供たちの生活も危ういものとなってしまいます。そのなかでMMAワールドでは、UFCがどのスポーツよりも早くメジャーイベントを再開させました。

「ちょうど、今日も他の人とそういう話になったんだけど……僕の望みはただ一つ、UFCの大会に関わったファイター、コーチ、運営、放送スタッフからただ1人の死者がでないこと。誰もコロナウィルスが原因で死んで欲しくない。それだけだよ。

UFCが大会を行うことは構わない。でも、死者がでないこと。誰も失いたくない。このままそういう事態に陥らないように大会が続いて欲しいと思っている」

<この項、続く>