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【GLADIATOR017】久保健太と対戦、中西テツオ─02─「好きだからMMAをやっている、それだけなんです」

【写真】1月の前回大会では 坪内一将を71秒RNCで下している中西(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR016で、久保健太と対戦する中西テツオのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

2014年にGLANDSRAMでプロデビューを果たした中西は、MMAで3連勝を収めたものの、2016年から2年近くもの間、勝利から遠ざかることに。そんな中西のキャリアを変えたキッカケが、2017年から始まる中国での戦いだったという。現在は3連続一本勝ちの中西は、新天地グラジエーターでどんな試合を見せるのか。インタビュー後編では、中国で体験したまさかの出来事と、自身の変化について訊いた。

<中西テツオ・インタビューPart.01はコチラから>


――中西選手は2017年10月からWLF(武林風)とGlory of Herosなど、中国で試合をしていますよね。

「中国では5試合しました。当時はみんながUFCに出たい、ONEに出たい、海外で試合をしたいと言っている時期で。単純に僕もそれに憧れて、海外で試合があるよと言われて『いいなぁ』と思いました(笑)。本当に何も深くは考えていなかったです。

僕の中では、中国で試合をしたことは楽しかったです。現地での移動時間が長かったり、いろいろトラブルがあったりして。でも、すごく良い経験ができました」

――トラブルとは?

「初めて行った時は、試合会場がチベット(馬爾康市…バルカム、四川省にあるアバ・チベット族チャン族自治州)だったんです。まず上海に着いてから飛行機を乗り継ぎ、さらに空港から会場まで車で10時間半ほどかかりました(苦笑)。山の中にある町なので、空気が薄くて。着いた瞬間に『アレッ?』と分かるぐらいでしたね。しかも、到着した日に地震が発生して大会も中止になったんです」

■九寨溝(シルツァデグ)地震
2017年8月8日21時19分(現地時間)、中国四川省のアバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県で、マグニチュード7.0の巨大地震が発生した。大会開催が予定されていた馬爾康市は九寨溝県の南西に位置し、現地では8日と9日の2日間にかけて『武林龍中対.17』の開催が予定されていた。

「僕たちがいた地域では、それほど地震の影響はなかったんですよ。でも四川省から大会中止の指示があったようで……。直接の被害はなくても、そのままでは帰れなくなるかもしれないということで。初日はアマチュア大会で、2日目が僕たちの出場するプロ大会でした。アマチュア大会が行われた後に地震が発生して、翌日のプロ大会は中止になりました。あの時は、いろいろ辛かったです」

――なるほど……。その後も中国でMMAを戦った感想はいかがですか。

「僕としては、中国人選手はやりやすかったです。当時はまだMMAが、それほど確立されていなくて。キックボクサーがグラップリングを練習してMMAをやる──そういう印象がありました。だから日本人選手よりは戦いやすかったですね。

自分の中では1回目の試合(2017年10月、ニ・ゲダンに判定負け)が大きかったです。高地で、僕だけ5分3R戦ったんですよ。それで1Rに汗が全く出なくなって、チアノーゼになってしまいました」

――……それでも残り2Rを戦い抜いたのですか。

「はい。あの試合を経験したことで、自分の気持ちも変化したのかなと思いますね」

――その中国遠征を経て、2019年から再び国内で戦うことになります。その初戦として、2019年12月のグラチャン×グラジエーターの合同興行で、宮城友一選手に判定負けを喫しました。あの試合はストライカーの宮城選手を相手に組むことなく、打撃戦を選択した理由は何だったのでしょうか。

「宮城さんの試合映像を見て、打撃でもいけるなと思ったんです。宮城さんを倒して、国内でもアピールしてやろうと思って打撃戦を選びました。いま考えると――僕の中では良かったかなと考えています。あれだけ打撃戦ができたのは良かったです。打撃もやれるんだぞ、というのを見せることができたので」

――そして宮城戦以降は、打撃戦ではなく3試合連続一本勝ち、と。

「アハハハ、そうですね。いろいろ考えると、KOしたいという理想もあるんですけど、やっぱり勝ちたいっていう気持ちが一番なんです。相手の苦手なところを攻めようと考えると、組みに行くという結論になりますよね」

久保健太は昨年10月に鶴屋怜に敗れるまで、DEEPとパンクラスで4連勝中だった

――そして今回は久保健太選手との愛知県勢対決を迎えます。

「対戦相手を聞いて、ちょっとビックリしました。試合映像を見ると、打撃も組みもできるバランスの良い選手ですよね。試合では競り勝てる地力もありますし。実は7年ぐらい前に、一緒に練習したことがあるんですよ。当時の久保選手は、それほど強いイメージはなかったです。まだプロデビューもしていなかったですし。あれから7年経って、印象も変わっています」

――これが合同興行も含めると、グラジエーターでは3戦目となります。現在、中西選手がMMAを戦ううえでの目標を教えてください。

「本当に好きだからMMAをやっている、それだけなんですよね。2016年から2017年にかけて4連敗したことがあって、その時はMMAを辞めようかとも考えました。でも、やっぱり練習していると楽しくて。そこから中国で勝つことができ、これは辞められないなと思いました。そこからずっと、MMAは楽しもうと考えています」

――では最後に、MMAPLANETの読者の皆さんへ意気込みのほどをお願いします。

「自分のジムを立ち上げて、新しいキャリアを良い形でスタートさせることができました。選手としてもバリバリ上を目指していきますし、グラジエーターで勝ってベルトを巻きたいと思っています。今後もよろしくお願いいたします!」

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ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase327 パンクラス ボクシング 小川徹 秋葉太樹 鶴屋怜

【Pancrase327】鶴屋怜と対戦、秋葉太樹─01─「毎日を頑張れる。それが僕にとっての格闘技やった」

【写真】柔道出身だが、パンチの破壊力は誰もが認めるところ(C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(金・祝)、東京都の立川ステージガーデンにて開催されるPancrase327にて、パンクラス初参戦の鶴屋怜を、フライ級3位の秋葉太樹が迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

これまでパンクラスのフライ級で安永有希、荻窪祐輔、神酒龍一といったトップランカーを下し、ランキングを上げてきた秋葉。しかし前回の試合では同級暫定王者決定トーナメント1回戦で小川徹に敗れ、ベルトを巻くことはできなかった。そんななか、復帰戦で新鋭の鶴屋怜と対戦することが決まった心境は――。

インタビュー前編では、秋葉にこれまでのキャリアと現在の練習環境について語ってもらった。


――秋葉選手は現在、もともと所属していた総合格闘技道場reliableから離れてフリーになっているのですね。

「はい、安谷屋選手との試合(2020年11月、判定勝ち)の後からですね。僕もジム以外でのスパーリングが多くなって、ジムの代表(田中淳reliable代表)からも『ジムの肩書がないほうが動きやすいんじゃないか?』と言われたんです。いろんなところへ学びに行って、強くなる環境を自分で見つけていくほうが合ってるんちゃうか、と。だからreliableを卒業してやっていくほうがいいよと言ってくだって」

――その時点では、どこで練習していたのですか。

「カルペディエム芦屋と稲垣組、それとボクシングジムに通っています。あとは手塚(基伸)さんにマンツーマンで練習してもらうこともあったりとか。そうやって、いろんなところのプロ練に参加させてもらっていましたね」

――最近は関西のMMAファイターにインタビューすると、カルペディエム芦屋でのプロ練が話題に挙がることが多いです。

「本当に良い環境で練習させてもらっています。もともとはカルペディエム芦屋がオープンする前に、何度か岩崎さんとお会いしたことがあって。その時に『ジムを開くから、良かったらおいでよ』と声をかけてもらっていたので、カルペディエム芦屋が出来た時からお世話になっています」

――カルペディエム芦屋ではプロ練だけではなく、道着の練習もしているのでしょうか。

「グラップリングの練習のあと、柔術の初級クラスにも出ています。初級クラスから参加させてもらって、ホンマにありがたいですね。クラスで学んでいくうちに『あぁ、こういうことやったんや』って。基礎知識から勉強させてもらっています」

――カルペディエム芦屋で学んだことで、何か概念を変えられたようなことを挙げていただけますか。

「いや、もう……細かいことが多すぎて、コレっていうのが思い浮かばないですね(苦笑)。ポジションの意味合いから教わっています。このポジションには、こういう意味があると。僕はずっと違う考え方を持っていたので、そういう技術以前の知識から勉強させてもらっているんです」

――なるほど。秋葉選手は、もともと柔道をやっていたのですよね。

「小学校から大学まで柔道をやっていました。中・高・大と部のキャプテンも務めていて。柔道以外にすることがなくて(苦笑)」

――柔道からMMAに転向したキッカケは何だったのでしょうか。

「大学2年の時に1回、地下格闘技に出たのがキッカケです」

――えっ、地下格闘技の経験があるのですか。

「その前から、MMAをやりたいとは思っていたんです。高校の進路選択の時、大学へ進学できなかったらMMAをやろう、って考えていたぐらいでした。それで大学に進んでから(地下格闘技に)出てみぃへんか、という誘いがあって。自分もMMAをやりたかったし、実際にやってみたら面白くて、柔道を引退したら、すぐMMAを始めようと思いました」

――大学卒業後、正式にMMAのジムに入ったのでしょうか。

「高校の柔道部の先輩から声をかけてもらって、東淀川に修武館という道場に入りました。その時代にデモリッション・ウエストのセミプロ戦に出場しています。その後すぐ、柔専館へ行かせてもらった時に、reliableの田中淳代表と知り合って。当時、修武館では週2回しか練習がなかったんですね。田中代表からreliableは僕の家からも近いし、毎日練習できるから、いつでも遊びにおいでと言われていたんですよ。それで修武館の代表に相談したら、『そのほうが良い。離れても家族であることは変わらないから』と言ってもらえて、reliableへ移籍することになりました」

――素敵な方々ばかりですね。デモリッション・ウエストのセミプロ戦でデビューしてから、2013年は2敗1分という成績でした。そこで勝てなかった要因は何だったと思いますか。

「何でしょうね……。当時は解体の仕事が終わってから、大阪から夜8時ぐらいに戻ってきて、練習してから朝早くに現場へ行くという毎日を繰り返していました。睡眠時間も1日1~2時間ぐらいで。だからか当時のことを、あんまりよく覚えていないんです(苦笑)」

――……。

「MMAをやるのが楽しくて、ただ道場へ行っていただけだったかもしれないです。だから『結果が伴っていない』という認識もなくて」

――その認識が変わったのは、いつ頃なのでしょうか。

「2014年に解体業を辞めて、工場の仕事に入るようになったんです。そうしたらライフスタイルも一気に変わって。それが3連勝した時期ですね」

――ただ、その後も勝敗に関しては苦しい時期が続きました。当時MMAを戦ううえで、どのような目標を持っていましたか。

「当時はMMAについて、そんなに追及していなかったです。格闘技が好きだから練習して、オファーがあったから試合して――その繰り返しでしたね。その試合のために頑張る、この試合で勝った先どうするとか、そういうことは考えていなくて。試合について簡単に考えていたのかもしれません。でも僕にとっては、格闘技の練習と試合があるから毎日を頑張れる。それが僕にとっての格闘技やったんです」

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MMA MMAPLANET o ONE PANCRASE Pancrase323 Pancrase327 Ring Girl Special パンクラス 秋葉太樹 鶴屋怜

【Monday Ring Girl】Pancrase323

毎週月曜日にラウンドガールをご紹介する「MONDAY RING GIRL」。第406弾は2021年9月12日(日)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase323のリングガールです。

<関連レポート>
【Pancrase327】鶴屋怜のパンクラス初戦の相手は秋葉太樹。立ち技で間を取るのは、どちらだ

(C)MMAPLANET

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ARAMI MMA o ONE PANCRASE RIZIN SARAMI YouTube   パンクラス 中島太一 伊澤星花 北方大地 牛久絢太郎

RIZIN.35 感想[RODIO]

☆総合格闘技団体 PANCRASE(パンクラス) 現ストロー級王者 北方大地によるラジオでの配信

[ RIZIN.35について ]

12:43→第10試合 ライト級タイトルマッチ/ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ジョニー・ケース

9:56→第9試合 フェザー級タイトルマッチ/牛久絢太郎 vs. 斎藤裕

7:45→第8試合 女子スーパーアトム級タイトルマッチ/浜崎朱加 vs. 伊澤星花

6:52→第6試合 /浅倉カンナ vs. SARAMI

4:30→第5試合 /武田光司 vs. スパイク・カーライル

3:03→第3試合 /元谷友貴 vs. アラン“ヒロ”ヤマニハ

1:37→第2試合 /ヴガール・ケラモフ vs. 中島太一

0:46→第1試合 /芦田崇宏 vs. カイル・アグォン

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・パーソナルトレーニングジム VADY
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→ http://pancrase-osaka.com/

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北方大地 SNS

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【ONE131】Must Watch !! ボカンと対戦、ジャレッド・ブルックス「グランビーロールからスクランブル」

【写真】終盤部分など、インタビュー中に涙がこぼれそうになってしまった…。好漢としか表現ができないようになったジャレッド・ブルックス (C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE131「Reloaded」でジャレッド・ブルックスがボカン・マスンヤネと対戦する。

ストロー級王者ジョシュア・パシオへの挑戦権を賭けた戦うストロー級トップ対決だが、ブルックスはマスンヤネの運動神経の良さを認めても、MMAで自分と渡り合えることはないと絶対の自信を持っている。

その自信の源は彼のベースが、フォークスタイルレスリングであることだった。


──ボカン・マスンヤネ戦が決まったジャレッドですが、その前に前回の箕輪ひろば戦を振り返ってもらえますか(※取材は4月6日に行われた)。

「とにかくミノワにとって、厳しい状態を強いること。そういう状況に置き続けようと戦った。ミノワは3Rを戦い抜くファイターだ。僕も3Rはハードにフィニッシュしようとしたけど、ならなかったし勉強になったよ。ミノワとの試合は、ボカン戦に役立つだろう」

──階級、ルールセットと北米MMAよりONEはジャレッドに適している。そう確信できた2試合目でした。

「絶対的に、ね。僕は通常体重が120ポンド程度で減量なしに戦っている。だから、破壊力のある戦いができる。そうしたらすぐに『ステロイドパワーだ』なんて揶揄されるんだ。僕はジューサーじゃない、ただ減量の必要がないだけなんだ。

6歳からレスリングをやってきた。その力が十分に出し切れる階級で戦っている。グリップが特別強いんだよね。父もそうだし、ファミリーの特徴でもあるんだ。レスリングで養ったグリップの強さは、グラップリングに生きてくる。それがMMAにおける僕の強さになっているんだ」

──北米MMAとONEでは実質的に1階級上のクラスですし、もう同じ階級でない。ルールも違う。厳密にいえば違う競技です、既に。

「でもね、ONEだけでなく北米もジューサーだらけだよ。僕は自分がクリーンであることに誇りを持っている。でも、ジョシュア・パシオも僕がステロイドを使っているって言っていたんだよ」

──えぇ、ジョシュアがですか!!

「インスタグラムで、注射器の写真をアップしやがった(笑)」

──OMG!! ジョシュアが、そんなことをしたのですか。そんなことをすると、カウンターアタックが待っていますよ……。

「彼がどうだか僕は知らないけど、そういうことを言うならお前らはどうなんだって、言われるのがオチだよ──このスポーツは。誰だって疑われるんだから。だってジョシュは、125ポンドで戦うのに普段は何キロなんだよってね(笑)。どうせ、140ポンドぐらいから落としてきてんだろ(笑)。例えハイドレーションがあったってね。僕は今、体重計に乗って122ポンドだった。血もサラサラしているよ(笑)。

でもジョシュア・パシオが僕と戦うなら、ステロイドを使うべきだ。そうでないと相手にならないよ(笑)」

──……。とにかく、次の対戦相手はボカンです。この試合は世界タイトル戦ではないですが、ストロー級最強決定戦という声もあります。

「そうは思わないよ。ボカンはそう言われるだけのことをやり遂げていない。彼のキャリアをけなしているんじゃないよ。信じられないぐらい運動神経もが良いし。でも、ボカンが勝って来た相手は誰なんだって話だよ。サワダに勝って、次はレネ・カタラン。43歳とかだよね。その年齢まで戦っていることは素晴らしいよ。でも、彼に勝ったことで最強云々と言われるのは早い。

運動神経だけで勝ってきたのは凄いことだけど、個人的にONEストロー級のトップ3は僕、パシオ、そしてセンゾー・イケダ、もしくはジャレミー・ミアドだと思う。ボカンのレスリング力は認めるけど、最高にハードでエンターテイメントな試合をするのは僕ら4人さ」

──ただし、強さは認めているということですね。では両者がファイトの軸となるレスリング能力でボカンが上回ると、ジャレットはいつものように打撃と柔術を使えない可能性があるかと。

「ボカンはね、グッドなフリースタイルレスラーでありグレコローマンレスラーだよ。僕は中西部のカーニバルレスリング、フォークスタイルレスリングを続けてきた。フォークスタイルは柔術とスクランブリングに強く関係している。きっとボカンは僕を他の選手に決めたように投げることはできない。組みついてきた時、どれだけ僕がパワフルなのか気付くよ。

彼ができることはバックをとること。そして、そのままキープすることだけだよ。でもグランビーロールを続けて、スクランブルに持ち込む。その攻防でボカンは疲れる。そうだね、約束するよ──仮に1Rで僕がKO勝ちできなくても、ボカンは2Rと3Rにはもうテイクダウンを仕掛けてくることはできない。エルボー、ニーの餌食になる。ホント、もうボカン対策は出来上がっているんだ」

──ボカンにバックは譲っても、パンチもサブミッションもないと?

「さっきも言ったけど、グランビーロールや普通にスイッチして、ボカンはバックコントロールを続けることができない。組むにしても、僕のほうがリーチが長くてテイクダウンの前の攻防の際に打撃でリードできるしね。良い試合がしたいけど、そういうことで彼にはハードな試合になるだろう」

──自信満々ですね。

「めちゃくちゃ自信はあるよ。もう2カ月、練習してきた。ジャスティン・スコッギンスと練習してきて、打撃も精度が上がっているんだ。ボカンは打撃で僕より劣る。レスリングも僕の方が上だ。彼が僕を上回っている点は……スピードかな。そこだけだよ。ただ僕が遅いわけじゃい。まぁ、どんな試合になるのか見てのお楽しみだよ」

──ジャレッド、今日も楽しい話をありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「僕は日本の皆を愛してやまない。WSOF GCで初めて日本に行った時から、一度として日本の皆から変な扱いを受けたことがないんだ。全てが良い思い出になっている。僕がパンクラスに行った時なんて、逆に酷い態度をとっていたよ。それでも日本のファンの皆は、僕を好意的に見てくれた。まだ尻の青いガキだったんだ。それなのに皆は僕に優しい目を向けてくれて、RIZINで日本に戻った時も声援を送ってくれた。日本で初めてインタビューをしてもらった。日本での全ての出来事に感謝している」

──ジャレッド、日本のファンも「あの悪ガキがそんな風に言ってくれるようになったか」と嬉しくて仕方ないはずですよ。

「そう言ってもらえると、本当に嬉しいよ。ところでケント・カンベはどうしているんだ? 試合をしている様子がないんだけど」

──神部選手は2015年の12月以来、負傷してから復帰を目指して練習を再開するとまた負傷するという状態が続き試合に出ていないです。ただ、今も戦うことを視野に入れて練習を続けています。

「そうなのか……カンベがそんな、状況だったとは知らなかった。もし、良かったらこのインタビューを通して彼にメッセージを伝えてくれないか」

──もちろんです。

「ケント・カンベ、ジャレッド・ブルックスだよ。たくさんケガをしても、まだ諦めないで前向きでいると聞いたよ。また……その戦いを克服して、ケージに戻れるから。そう、ケージで少しでも早く会おうじゃないか。個人的にもお前とはケージで再開したい。いいかい? 俺たちのパンクラスでの因縁はまだ終わっていないぜ。とにかくケージで会おう。そうならなくても、ブラザー──君がハッピーでヘルシーであることを願っている」

■放送予定
4月22日(金・日本時間)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時~ONE Supper App

■ONE131対戦カード

<ONEキックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] アリアン・サディコビッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)

<ONEムエタイ世界女子ストロー級王座決定戦/3分5R>
スミラ・サンデル(スウェーデン)
ジャッキー・ブンタン(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リアム・ハリソン(英国)
ムアンタイ・PK・センチャイ(豪州)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
川原波輝(日本)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
猿田洋祐(日本)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<キック・ライトヘビー級/3分3R>
アンドレイ・ストイカ(ルーマニア)
ヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

<ムエタイ・女子ストロー級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
マリー・ルーメット(エストニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ウインジソン・ハモス(ブラジル)
ウ・ソンフン(韓国)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
ダヤニ・ソウザ(ブラジル)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アブラォン・アモリン(ブラジル)
パク・デソン(韓国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
アギラン・タニ(マレーシア)
ジン・テホ(韓国)

<グラップリング・143ポンド(64.86キロ)契約/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
今成正和(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ケアヌ・スッバ(マレーシア)
ジェームス・ヤン(米国)

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HEAT50 K-1 MMA MMAPLANET o イゴール・タナベ キック パンクラス ボクシング 岡野裕城 林源平 石井慧 草MAX

【HEAT50】岡野裕城を相手にHEATライト級王座防衛戦、草MAX「もともとマイナススタートだった」

【写真】皇治、石井慧、イゴール・タナベが出場する大会。注目度が高いだけに、草MAXもキャリアアップのアピールの場としたい(C)SHOJIRO KAMEIKE

5月7日(土)、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT50で、草MAXが岡野裕城を相手に、保持するライト級王座の防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

2020年9月に阿部右京をKOした草MAXにとって、これが初防衛戦となる。今年で41歳を迎える草MAXだが、「もともと自分はマイナススタートなので、年齢は関係ない」という。果たしてマイナススタートとは何なのか。そこには意外なほど、一般の学生からMMAのチャンピオンになるまでの、ドタバタなストーリーがあった。本当に人生とは、何があるか分からない――。


――5月7日、1年半ぶりの試合を迎えます。

「そうですね。最初は去年の12月ぐらいに試合を……というオファーがあったんですけど、コロナ禍の影響もあって、ここまで伸びた形です。でも、その空き缶にしっかり準備することができました」

――草MAX選手は2020年からHEATに参戦し、前回の試合で阿部右京選手をKOしてライト級王座を獲得しました。どのような経緯でHEATに参戦することになったのでしょうか。

「もともとパンクラスさんでお世話になっていたんですけど、間に入ってくださっている方から『HEATでやってみないか?』と言ってくださって。私もいろいろな刺激を入れてみたタイミングだったので、ちょうど良かったと思います」

――それまでHEATという大会に対しては、どのような印象を持っていましたか。

「個人的には今までHEATさんには縁がなかったんですよ。でも同じチームでやっていた新村優貴や辰巳豪人さんがHEATに出場して、その時にセコンドとして行っていたんです。だからチャンスがあれば、自分もHEATに出場してみたいと思っていました」

――もともとチームとしてはHEATに縁があったのですね。そのHEAT初戦、パーキーとの試合は判定負けを喫しました。

「あの時はタイトルマッチで5R制だったんですけど、自分の作戦としては4Rまで削って、最終ラウンドでKOしようと考えていました。それで4ラウンドまで削ることに成功したんですよね。でも、最終ラウンドでテイクダウンされてしまって。

相手の試合映像を見ていて、打ち合いに来ると思っていたんです。だからテイクダウンに来ることを予想していませんでした。今考えると、当たり前なんですけどね。MMAだし、相手も勝つために――ベルトを巻くために来ているですから 」

――……。

「今でも覚えています。4ラウンド目に三日月蹴りを入れたら、明らかに相手が嫌な顔をして。これは5ラウンドにKOできると思っていたら、テイクダウンされてしまい……。さらにパウンドを打ってくるのではなく固めに来たので、自分のほうが焦ってしまいました。

自分の次の試合から切り替えて、まず削りに行くんですけど、行ける時は行こうと。それで前回の試合は良い結果になったと思っています」

――そうしてHEATで復活を果たした草MAX選手ですが、HEATに参戦する前……2016年あたりから試合数が減っていたのは、何か理由があったのでしょうか。

「いろいろ大きなケガが続いていたので、試合間隔が空いてしまったところはあります。ただ、年齢的な要因は感じていないんです。というのも、僕は若い頃からやっていたわけではなく、大学を卒業してから格闘技を始めたので。ケガの治りが遅いのは年齢も関係しているとは思いますけど、技術や体力についてはプラスしかないですね。もともとマイナススタートだったので」

――マイナススタートとは?

「これは恥ずかしい話なんですけど……大学生の頃は毎日お酒を飲むような生活をしていたんです。それで就職の内定を頂いた企業で健康診断を受けたら、ガンマGTPの数値が高すぎると言われて(苦笑)。医者からも『命に関わるぞ』と言われました」

――えっ!? ガンマGTPの数値が高いということは、それだけお酒の飲みすぎで肝臓の状態が悪くなっていたのですか。

「はい。そこから運動するために、ゴールドジムに入っていたTARGETさんに週2回通いだしたのが、格闘技を始めたキッカケです」

――確かにマイナススタートですね。健康的な観点ですが……。

「アハハハ。でも体力的にも、一般的な基準には程遠かったですから。本当にダメな学生でしたね(苦笑)」

――ということは、最初はMMAではなく、健康のためにキックボクシングを始めたのですか。

「はい。当時はまだRISEも始まったばかりで、アマチュア大会も同じ階級では参加者も少なく、出たら運良く勝てたんです。そうしたら伊藤(隆RISE代表)さんから『せっかくだからプロでやってみないか?』と誘われて、RISEでプロ江ビューしました。
しかも当時はFEG体制下のK-1全盛期で、K-1を見ていて自分も大きな選手と試合したいなと思っていたんですよ。だから何も考えず、ヘビー級を目指して体重を上げていました。でもデビュー戦がキックボクシングのミドル級……72.5キロまで急激に落としたんです(苦笑)」

――なかなか紆余曲折な格闘技人生ですね……。

「それだけ当時は何も知りませんでした。しかも僕は免疫力が弱くて、減量していると体調を崩してしまうことがあっったんです。そんな時に、中尾KISS芳広さんがTARGETに練習に来られていて、MMAなら77キロの階級があるよと教えてもらったんです。僕も77キロなら無理なく落とせるかなと思い、そこからMMAにチャレンジすることになりました。MMAが何かもよく分かっていないのに(笑)」

――77キロ、つまりMMAのウェルター級で試合をしてきた草MAX選手がライト級へ落とした理由は何だったのでしょうか。

「初めてライト級に落としたのは林源平戦(2016年6月、判定負け)だったと思うので、かなり前のことですね。あの時は体重が全然落ちなくて焦りました(苦笑)。もともとキックボクシングの72.5キロやっていた時は、格闘技について何も分かっていなかったんです。MMAを始めて77キロで試合をするうちに……力負けすることはなくて。でもウェルター級やミドル級の練習仲間のなかで、僕は体が大きいほうではなかったので、自分はウェルター級ではないなと思い始めたんですよ」

――ウェルター級やミドル級の練習仲間というと……。

「特にGENスポーツパレスで岡見(勇信)さんと練習していて、岡見さんがウェルター級なら自分は絶対にウェルター級じゃないなと思いました(笑)」

――なるほど。

「でも、GENでは良い練習をさせてもらっています。中尾さんのチームタックラーが解散してからGENへ行かせてもらうようになりました。今はいろんな階級の選手が集まっていますけど、当時はウェルター以上の選手ばかりで。だからこそ良い練習になっていましたね」

――それまでの練習と、GENでの練習は何か違うものはありましたか。

「自分がMMAについて、どこかのジムで学んだわけではないんです。中尾さんと一緒に練習していた頃は、ほぼスパーリング中心でした。そういう練習をしていると、頑張ってディフェンスは強くなるんですけど、自分が攻める方法が分からなくなってくるんですよ。
GENに集まるのも練習会なので、スパーリング中心です。でもトップ選手が集まって技術交流をするのは、すごく大きいですね。トップ選手が教えてくれる技術や、スパーリングの動きに対して指摘してくれたり……そういう練習会があるのは嬉しいです」

――そうしたキャリアを経て、ベルトを獲得したのはHEATライト級王座が初となります。

「そうですね。やってきたことが形になって嬉しかったです。そもそもがマイナススタートでしたからね。まず自分がプロ選手として試合をするということが考えられなかったので。高校や大学の友達は、格闘技をやっていると言っても信じてくれませんでした(苦笑)」

<この項、続く

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ABEMA MMA MMAPLANET o Poundstorm01 エフェヴィガ雄志 スソン パンクラス 三上ヘンリー大智 中村京一郎 中村倫也 大尊伸光 宇佐美正パトリック 山本健斗デリカット 岡見勇信 岩﨑大河 河名マスト 海飛 狩野優 鈴木崇矢 風間敏臣 高木オーディン祥多 髙谷裕之 齋藤奨司

【POUNDSTORM01】全対戦カード決定。一触即発、狩野優×中村京一郎。中村倫也「ただ自分の試合に集中」

【写真】カエタノ以外の出場選手19名と髙谷裕之、岡見勇信が壇上に勢揃い。これから何が始まるか── (C)MMAPLANET

17日(日)、東京港区のベルサール六本木で1週間後、24日(日)、墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01の記者会見が行われた。

中村倫也×アリアンドロ・カエタノ、大尊伸光選手✖宇佐美正パトリック、グンター・カルンダ×エフェヴィガ雄志、風間敏臣✖齋藤奨司、山本健斗デリカット選手✖河名マスト戦の5試合と、FIGHTER BATTLE AUDITION最終選考の外敵としてマックス・ザボディ、岩﨑大河、狩野優、スソン、海飛と出場が発表されていた今大会。

昨夜の格闘DREAMERS 2ndシーズンの放送最終回をもって、最終選考マッチ=POUNDSTORM出場選手が決まり、上記の5人の外敵と対戦するのは──上の出場選手紹介順に対戦相手を列記すると──オーディン(※高木オーディン祥多)、三上ヘンリー大智、中村京一郎、宇佐美秀メイソン、鈴木崇矢の5名に。

スポーツ、競技性を重視するLDH Martial Artsの格闘技プロジェクトだが、そこは髙谷裕之総監督のいざという時の喧嘩の強さを重視する姿勢が伝播したか、フェイスオフで一触即発の場面も見られた。

第3試合のフェザー級で対戦する狩野と中村が、頭をぶつける勢いでにらみ合い、髙谷に離されても中村がまた距離を詰めていく。

この両者、それぞれマイクで抱負を語る段階でも狩野が「イライラしていうコトないッスね。両国でできることが一つのステイタスなんで。まぁ自分の試合を視てください」と言えば、中村は「僕はプロデビュー戦なんですけど、こんな強い(パンクラス)ランカーの狩野選手と試合を組んでくれてありがとうございます。イライラして言葉ないって言っているんですけど、普通にビビっちゃって何も言うことないと思うので。そうでしょ狩野君」と挑発する。

憮然とした表情で聞き流した狩野に対し、中村は「確かに狩野君、強くて良い選手なんですけど、試合内容は全然面白くないので1試合ぐらい、僕とバチバチやりあって。狩野君の名前上げてあげようかと」とさらに言葉を重ねた。

それそれが意気込みを語った後、質疑応答へ。MMAPLANETが着眼したのは外敵側──世界を目指す同世代で、キャリアを築いてきた狩野と岩﨑だ。デビュー戦の選手を相手にリスクの高いファイトを受けた両者、負ければこれまでの積み上げてきた実績が水泡と化す。そんな2人に「勝てば、プロモーター髙谷裕之にどのような見返りを求めたいか」と問うと、以下のような返答があった。

狩野優
「POUNDSTROMが継続されるんだったら、何回も何回も呼んでもらいたいッスね」

岩﨑大河
「押忍。自分は──この階級は本当に相手がいないので、世界で戦えるように準備していただければなと思います」

この言葉を受け、司会者が髙谷総監督に一言を求めると以下のような返答が聞かれた。

髙谷裕之
「もちろん対戦を受けてくれた皆、あまりメリットのない試合かもしれないです。それを漢気で受けてくれたというのは凄く感じているので。これからもPOUNDSTROMに参戦してもらって、恩を返していきたいと思います」

またデビューから1年も経ず、メインとコ・メインを任された中村とパトリックは、「去年の自分たちと同じ立場で戦う後輩たちに対し──彼らの試合後のファイトとなるが、どのような戦いを見せたいか」という問いへの返答は以下の通りだった。

宇佐美正パトリック
「自分は見本になれるような圧倒的な試合ができたらなと思います。ハイ、以上です」

中村倫也
「特に前の5人については考えていなくて。もう自分がただ試合をすることに集中しているんで。終わった後、リラックスしながら背中を見てもらえればなと思います」

世界に向けた人材育成と世界に負けない格闘技熱の再興を目標に掲げるLDHのプロジェクト、そのなかでDREAMERSでもEXFIGHTでもない──注目株のサバイバルマッチ──という位置づけで齋藤と対戦する風間について──。

「圧倒してフィニッシュします。終わりで~す」という言葉を発した時の彼の雰囲気が、この場に染まらないという殺気に満ちていたことを最後に付け加えたい。

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BELLATOR MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03   キック クレベル・コイケ チャンネル パンクラス ルイス・グスタボ 中務修良 佐藤天 修斗 八隅孝平 川名雄生 征矢貴 摩嶋一整 江藤公洋 海外 渡部修斗 田村一聖 矢地祐介 筋トレ 貴賢神 金原正徳 関根シュレック秀樹 雑賀ヤン坊達也 須藤拓真

【RIZIN TRIGGER03】計量終了 メインでグスタボと再戦、矢地祐介「雑にならないことを一番に考えて」

【写真】「海外勢と戦ってしっかりと勝ち切る。そしてベルトに絡んでいきたい」という矢地。インタビュー後の雑談のなかで、ヤッチくんチャンネルの達人シリーズで摔跤との交流に興味を持っていた(C)MMAPLANET

明日16日(土)に東京都調布市にある武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03のメインイベントで矢地祐介がルイス・グスタボと戦う。

本日15日(金)には目黒区のウェスティンホテル東京で行われた計量ではグスタボが70.75キロ、矢地が70.95キロでクリアしている。

3年8カ月前にKO負けを喫した相手にリベンジの時──。矢地は古巣を離れ、組み技と打撃を基本から取り組みなおし、MMAを創り上げてきた。ロータス世田谷の八隅孝平代表、旧友・宮川峻との再会が矢地を深みのあるMMAファイターとして育成中にあるなかで、競技としてMMAの戦いを吸収することが楽しいと矢地は言い切る。

強烈な打撃のプレッシャーを持つグスタボ戦に関しても「俺が何も変わっていないのか。あるいは冷静に戦えるのか、そこは自分でも楽しみです」と楽しむ姿勢を持ち続けていた。


──MMAPLANETでの矢地選手のインタビューは6年振りになります(※取材は4月6日に行われた)。

「えぇ、マジですか!!」

──パンクラスのクレベル・コイケ戦前、以来になります。

「ヤバい、久しぶりッスね(笑)」

──試合レポートは2019年12月のBellator日本大会の上迫博仁戦以来になるかと思います。ただ矢地選手に関しては勝ち負けがあっても、RIZINでのびのびと戦っている。良い戦場ができたと思って眺めさせていただいていました。

「あぁ、ありがとうございます」

──ある意味、PXCでアレックス・ヴォルカノフスキーと戦い、世界を知った。そして違う目標を持ってMMAを戦っている。その矢地選手が、ロータス世田谷で練習をするようになり、なんというのか雰囲気がまた違って来たのではないかと。

「今もRIZINに出て試合自体を楽しんでいます。ただ、もっとMMAを競技として捉えるようになりました。八隅さんに指導してもらうようになってから」

──そもそも、なぜ八隅さんに教えを請うようになったのでしょうか。

「それはKRAZYBEEを離れた後、同じメンバーで集まって練習したいねということになり、場所がなくてどこかを間借りしてやろうということになって。いくつか候補があったなかで、ロータスは寝技の練習に参加させてもらったことがあって、八隅さんは面識もあったから使わせてもらおうと。だから場所を借りるということで、ロータス世田谷を使用させてもらっていたんです」

──あくまでも自主練習をしていたと。

「ハイ。あとKRAZYBEEを抜けたメンバーと、出稽古に来ていた選手で練習していて……どのタイミングだったか……借りるようになってすぐ、去年の始めだったと思います。八隅さんが『ちょっと練習見ていて良い?』って言う感じで僕らの練習を最初から最後まで見てくれたんです。で、僕らは練習が終わると円になってその日の練習の感想を話すようにしていたんです。

その日も一通り参加選手が意見を出し終わった時に、八隅さんが『ちょっと俺からも一言良い?』と」

──へぇ、珍しい印象です。必要とされると応えてくれる八隅さんですが、自らそういう風に言い出すというのは。

「もう、見ていられなかったのかもしれないです。『こんなの練習じゃないよ。ただの筋トレだよ』っていうところから全体練習のダメだしがあり、それから個々のダメだしがあって。俺の場合は『矢地君、何がしたいの。どうやって勝ちたいの? 何がしたいのか全く分からない』ってハッキリ言われました。そんな風に1人ずつダメなところを指摘してくれたんです」

──いやぁ、ますます意外です。

「そのダメだしが、もう図星だったんです。そこで皆がハッとさせられてしまって」

──腹は立たなかったですか。

「腹は立ちました。腹は立ったし、悔しかったです。帰り道で、ちょっと涙ぐんじゃったぐらいで」

──えぇ、本当ですか!!!

「それぐらい今までやってきたことをほぼ完全否定されました。そりゃあ悔しかったです。でも、何か気付かされることもあって。皆が僕と同じような想いでいて。その日の夜か、次の日ぐらいに自然発生的に『八隅さんに練習みてもらおう』となったんです」

──いやぁ、素晴らしい話ではないですか。

「まさに──『ですよね』ってことを言われて、皆に刺さっちゃって」

──なんどか参加選手の取材でロータスでの練習を見させてもらっていて、矢地選手が率先して八隅さんに意見を求めて練習している印象が強かったです。

「八隅さんはどのような状態でも、質問すると答えがあります。手札を持っているんです。そこで教えてもらって、また試して。それがうまく行く。その繰り返しで技術が身についていくのが面白くて。だから毎回『この時は?』、『この場合はどうすれば良いですか』って尋ねてしまうんです。

今は格闘技を始めた頃のように凄く楽しいです。どんどん戦闘アイテムをゲットしていく感覚で。能力が上がって、デキなかったことがデキるようになる感覚にハマっています」

──矢地選手はセンスのファイターで、自己流でも打撃は相当な風に見えました。ただし、自分のペースを失うと崩れる。また組み技は天性のモノで補えない。指導者がいないという欠点が、試合に表れていた。そこに八隅さんが表れたということですね。

「だから今と以前ではMMAの楽しさが違います。昔は生物としての強さというか、筋トレをガンガンやって、スパーリングで場数を踏む。それで良いと思っていました。でも試合では自分がうまくいかなかった時に……まぁ何もない。でも今は局面、局面で技術を出せる。ウェイトも一切やらなくなりました。その時間があるなら、技術を身につけたい。もう体はデキているから、技術を増やしたい。そこがモノを言うなって。これまでのことが無駄だとは思っていないですけど、今はMMAをそういう風に捉えています」

──ロータス以外に練習はどこで?

「打撃をリバーサルジム東京スタンドアウトで、トレーナーと週に2回、多い時は3回パーソナルでやっています。MMAの打撃ですね。マスとかはやりますけど、スパーリングはロータスの火曜と木曜日だけです。それと水曜日に青木さんとIGLOOのMMAグラップリングの練習をしている感じです」

──打撃はどなたと練習しているのですか。

「宮川峻と言って、高校時代の同級生なんですよ。佐藤天と俺と宮川──宮川もスタンドアウトの所属で修斗とTTFC、パンクラスで試合をしていたんです。でも全然結果が出なくて、ちょっと体のこともあって選手を続けることができなくなって。それでスタンドアウトでトレーナーになったんです。

で、フリーになったから友達だし打撃の練習がしたくて連絡をして。それも去年の初めからですね。取りあえずミットを持ってもらうことにしたら、宮川の指導が良くて(笑)。自分ができなくなったけど、MMAが大好きだから凄く色々と考えていて」

──なんだか、今日は良い話が聞かれますね。

「アハハハ。ただの同級生でなくて、仲が良かった。アイツも俺の試合を見て、色々と思うところはあったみたいで。でもジムも違うから、口出しはしていなかった。それがミットを持ってもらう関係になったから、親身になって色々と教えてくれて。『そもそも基礎、基本がなっていない』って(笑)」

──そこもダメだしがあったのですね。

「そうなんですよ(笑)。構え、ジャブの打ち方、足の使い方、全部です」

──自分はセンスがあると思っていたのですが、そのようなアドバイスがあったことを知ると、それまでの試合でよくパンチが相手に当たっていたなとなりますね(笑)。

「ホント、そうなんですよ。宮川は練習の映像を撮ってくれているんですけど、初回のミットとかシャドーとか今見ると、震えるぐらい下手くそで。本当にポテンシャルだけで戦っていたんだと思い知らされました。

だから宮川との打撃練習も凄く自分に合っていますし、八隅さんの組み技の練習と同じで、感覚ではなくて状況を理解して、必要な動きをするようになりました。

一つ一つの場面で、すべきことを決めて。その動きができるように練習しています。もちろん、すぐに何でもできるようにはならないですけど、デキることを増やしている状態ですね。それでも打撃も向上しているって感じています。で、試合が決まればどういう風に戦っていくのかを練って、そこを繰り返すような感じで」

──八隅さんと宮川さんの指導を受けて川名雄生戦、そして武田光司戦は手応えがありましたか。

「やってきたことは、それなりに出せていますから手応えを感じることはできました。2人の言っていることを守って練習していれば大丈夫だと。全てが良いタイミングだったと思います。ほら、いつだったかIGLOOで会った時に『道路案内で大原って書いているのを見ると、胸が痛くならないか』って冗談で言われたじゃないですか」

──あぁ、ありました(苦笑)。酷い言いぐさで、田村一聖選手からアイコンタクトで止めてくれと……。

「あれ、本当に厳しい時で。俺は負けないと学習できないタイプで、負けて色々と学んできたけど、大原(樹理)戦の負けで、本当にお先真っ暗になっていて」

──そんなときに……失礼なことを言ってしまって……。

「いえ良いんですよ。あのとき、逆にスプリットで勝っていたら八隅さんや宮川と練習していなかったかもしれないので。でも今でもIGLOOに行くときとか、ロータスに行くときでも『大原』っていう字が道路案内にあるんですよ。

その度に思い出します。それぐらい悔しい負けで。いつか清算しないといけない相手です。ただし、あの負けがあったから他のトレーナーに教えを請いに行くという決断ができたと思っています」

──そんな矢地選手のロータスでの練習を見ていると、ケージでの試合が見たくなっていました。だから個人的には願ったり適ったりのTRIGGER出場なのですが、RIZIN本戦はリングでTRIGGERは一つ下の舞台という位置づけです。そのTRIGGERで戦うことをどのように捉えていますか。

「ケージの方が練習とギャップがないので、全く心配はないです。ただ翌日にナンバーシリーズがあって、TRIGGERって聞かされた時は『マジで?』と思いました。でも自分の立場も状況も分かっています。RIZINに今、何が必要かも長い間主戦場にしてきたから理解しているつもりです。そのうえでTRIGGERでもメインで、念願だった相手と戦うことができる。なら構わない──かなと」

──今回のTRIGGERはカードが充実しています。

「そこも納得している理由の一つです。それにケージだし、最初に感じたことは一切ないです」

──3年8カ月前、6連勝と調子が良かった矢地選手にストップをかけたグスタボとの再戦です。あの敗北から厳しい状況がスタートした因縁の相手でもあります。

「まぁ、あの時に調子が良かったというのも、いつかボロが出る戦い方で。マインドもそうだし、技術的にもそのレベルでしかなかったです。組み技、寝技、打撃、全てがもう一度繰り返すことができない……感覚でやっていましたから。それである程度のところまで何とかなっていた。だから、連敗とか厳しい期間があって今がある。それで良かったんだと思っています」

──だからこそ勝負です。個人的に大晦日のサトシ選手との試合の負けは、もうしょうがない。あそこは矢地選手のこの間の練習の成果を確認する俎上に挙がらないと考えています。試合が決定した成り立ちを考えると。

「俺もそう思っています。もちろん、勝てるチャンスがあると思って受けた試合で。試合を受けたんだから、何も言い訳はできないですけど飛び級過ぎて。もっともっと順序立てて対戦したかったです。

それで今回、グスタボと戦える。あの頃の俺は何もできていなかった。今から映像を見返すと『いつまで、そういうことをしているの?』、『何がしたいの?』としか思わないでしょうね。相手のことを見ていないし、見えないし」

──思い切り振っているけど、怖がっているようにも見えました。

「ビビりもありました。何よりプレッシャーをかけてくる相手の対処方法を全く知らなかった。何も考えないで戦っていましたからね」

──個人的にグスタボが粗いまま。変に上手くなっておらず、あのままで戦って欲しいという気持ちも実はあります。

「俺がどう変わったか、一番分かりますよね。でもMMAで来てくれた方が、俺は戦いやすいです。粗いといってもあの攻撃力、突進力は威力があるので。今だったら、それを逆手にとって有利に戦う自信もありますけど……試合で、あの突進力は嫌でしょうがないですからね」

──そういう意味では宮川さんと身につけつつある打撃、八隅さんとやってきた組みがあれば、そこにテイクダウンという展開も前回のように蹴られながら足を掴むのではない形で見られるのではないかと。矢地選手自身はどのような試合をしたいと考えていますか。

「もちろん、今までやってきたことを全部見せたいという気持ちもあるんですけど、雑にならないこと。そこを一番に考えています。あんまり言いたくないけど、プランはあります。テーマはMMAで勝つということです。あれだけ粗い相手に冷静に立ち回ることができるのか──そこは試合にならないと分からないので。

俺が何も変わっていないのか。あるいは冷静に戦えるのか、そこは自分でも楽しみです。その楽しみ、期待感は大きいです。今やっていることをしっかりと出せば、勝てると思っているので。2年間、試合をしていないからグスタボがどうなっているのか分からないですけど、そこに関して俺も強くなっている自信はあるので」

■視聴方法(予定)
4月16日(土)
午後2時~Exciting RIZIN
午後2時~LINE LIVE-VIEWING
午後2時~Fnstream/StreamPass
午後2時~スカパー!
午後2時~U-NEXT
午後2時~Streaming+
午後2時~SPOOX
午後2時~dTV

■ RIZIN TRIGGER03計量結果

<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ:70.75キロ
矢地祐介:70.95キロ

<無差別級/5分3R>
関根シュレック秀樹:115.05キロ
貴賢神:133.45キロ

<フェザー級/5分3R>
金原正徳:65.8キロ
摩嶋一整:65.9キロ

<フライ級/5分3R>
征矢貴:57.0キロ
中務修良:56.4キロ

<バンタム級/3分3R>
渡部修斗:60.95キロ
須藤拓真:60.9キロ

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.9キロ
江藤公洋:70.75キロ

<ライト級(※72キロ契約)/5分3R>
グラント・ボグダノフ:71.95キロ
泉武志:72.0キロ

<キック63.5キロ契約/3分3R>
大谷翔司:63.5キロ
力也:63.4キロ

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DEEP MG眞介 o   キック パンクラス ボクシング 上田祐起 中村晃司 修斗 前田吉朗 北方大地 山﨑鼓大 木戸脇広樹 林RICE陽太 潤鎮魂歌 藤原大地

『前田吉朗引退興行』試合結果


メインイベント 前田吉朗引退エキシビションマッチ 2分3R
前田吉朗(パンクラス大阪稲垣組/ENCOUNTER/修斗フライ級世界3位、第3代DEEPバンタム級王者、初代パンクラス・フェザー級王者)
vs.
1R キックボクシングルール 砂辺光久(reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE/元パンクラス・ストロー級・フライ級・スーパーフライ級王者)
2R グラップリングルール 北方大地(パンクラス大阪稲垣組/パンクラス・ストロー級王者)
3R パンクラス旗揚げルール 稲垣克臣(パンクラス大阪稲垣組)

第7試合 セミファイナル DEEP ストロー級 5分3R
○潤鎮魂歌(HARVEST) 
×木戸脇広樹(GSB MACS)
判定3-0 (30-27/29-28/30-27)

第6試合 パンクラス ライト級 5分3R
○木村俊也(BLOWS)
×林RICE陽太(パラエストラ森ノ宮)
判定2-1 (29-28/29-28/28-29)

第5試合 DEEP バンタム級 5分2R
×藤原大地(UBF) 
○MG眞介(パラエストラ東大阪)
1R 2’03” KO (顔面への蹴り)

第4試合 パンクラス フェザー級 3分3R
×中村晃司(パンクラス大阪稲垣組)
○堂園 悠(修和館)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)

第3試合 パンクラス バンタム級 3分3R
○山﨑鼓大(BLOWS)
×上田祐起(Reliable)
判定2-1 (30-27/29-28/28-29)

第2試合 DEEP バンタム級 5分2R
×延命そら(TEAM FAUST)
○フェルナンド(Pitbull Brothers)
1R 2’30” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第1試合 DEEP フライ級(肘無し) 5分2R
○亮我(ゴンズジム)
×梅永海世(パンクラス大阪)
2R 4’03” 裸絞め

 遅ればせながら4月10日に大阪府・梅田ステラホールで開催された『前田吉朗引退興行』試合結果。メインイベントは前田が砂辺光久、北方大地、稲垣克臣とエキシビションマッチをしています。続きを読む・・・
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DEEP MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03   キック ゲイリー・トノン タン・リー パンクラス ボクシング 修斗 河村泰博 渡部修斗 須藤拓真

【RIZIN TRIGGER03】「柔術はMMAより面白い」ことを証明するための一歩。須藤拓真、渡部修斗戦へ

【写真】言いたいことを口にするが、決して無礼ではない。そこは断言します(C)MMAPLANET

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03に須藤拓真が出場し、渡部修斗と対戦する。

昨年9月の全日本ノーギ・エキスパート・フェザー級優勝、紫帯で黒帯を撃破したことで一躍注目されるようになった須藤はMMAも戦う三足の草鞋を履く──グラップラーだ。いや、本人は柔術家がグラップリングとMMAを戦っているという自論を持つ。

そしてMMA、柔術、グラップリングは別モノだとも断言しつつ、自らの柔術でその全てで結果を残してきた。本来、2月にMMAで主戦場とするNEXUSバンタム級のベルトに挑戦予定だったが、王者の欠場で延期に。そして決まったRIZIN TRIGGERでは彼が目指すベルトを返上した渡部との対戦が決まった。

自身の気持ちをオブラートに包むことなく、言葉にする須藤。「柔術はMMAより面白い」という発言に信ぴょう性を持たせるためにケージに足を踏み入れる。TRIGGERという舞台で、どのような須藤拓真柔術を見せることができるか。渡部戦とこれから、を尋ねた。


──2月13日にNEXUSバンタム級チャンピオン河村泰博選手に挑戦予定が、王者のコロナ陽性で延期に。年明けに録った須藤選手インタビューがお蔵入りとなってしまいました。

「本当に、そうですよね。ただタイトル挑戦はやる予定です。本当は5月8日大会でオファーを一度は貰ったのですが、4月30日の全日本ノーギに出場するつもりでいて。ケガをするリスクがあるから、5月は回避されることになりました。まぁ僕が全日本ノーギを優先するって言ったからなんですけど」

──アハハハ。それは山田代表も厳しいですね。ただ本来は2月に挑戦予定で、延期は須藤選手の責任ではないですしね。もちろん、コロナは致しかたないことで。

「まぁ、そういう気持ちは自分のなかで多少ありました。オミクロンで流れるのはしょうがないとしても、僕自身は減量もしていたし……でもしょうがないですよね。練習中のケガとは違いますしね。怒りのぶつけどころがなかったです。僕も練習しているから、次は僕が罹患するかもしれないですし」

──では現状、全日本ノーギの方は?

「出ます。TRIGGERの2週間後なので大丈夫です」

──あははは、最高です。とはいえTRIGGERでの対戦相手はNEXUSで目指す王座を返上した渡部修斗選手です。ちょっと、この辺りも気持ちとしては微妙ではないでしょうか。

「奇妙でしょうがないです。そうですね……ネクサス同士で、ネクサスがそれでOKなのかと思いました(笑)」

──パンクラス、修斗、DEEPの選手と戦いたかったと?

「どうせなら違う団体の人と戦いたいというのは正直、ありましたね。でも、そこまで相手に拘りはなかったです。ここで勝つと、この選手が返上したベルトに挑戦するというのはやはり奇妙な感覚ですけど(笑)」

──では渡部修斗という選手に対して、どれだけ価値がある相手だと捉えていますか。

「正直、別にどうとも思っていないです。RIZINでめっちゃ勝っているわけでもないし、何の印象もないです」

──渡部修斗選手に限らず、RIZINで試合をすることが、RIZINで強い選手に勝つことより優先されているように感じる選手は少なくないです。

「あぁ、RIZINに出たいという感じが凄く出ていますよね。僕は強い選手と戦いたい気持ちが大きいです。だから、この試合は落とせないです」

──そんななか渡部選手の印象を教えてください。

「印象……グラップリングは強いと思います。ただ、怖さはないのかなとは……思っています(笑)」

──MMAPLANETで非常に良くしてもらっている柏木さんの試合予想で、総合力で渡部選手というような記述がありました。握手をしながら刺すわけではないですが、アレは自分とは見方は違います。

「自分の方が打撃は強いんじゃないかと思っています。渡部選手の打撃は見たことがないですし」

──キックボクシング歴4年ですから。12月に柏木さんの目の前で森山(壱政)選手の一発でダウンをしたことが、そういう印象を与えたのではないかと。

「あぁ、余り大きな口を叩くことはできないですね(笑)」

──そして足関節✖マジカルチョーク。ただ須藤選手が✖✖✖✖✖してしまえば。その展開は潰せるかと。

「そうなんです。そうすれば、別に平気です。その攻防にはならないです。そこから渡部選手が仕掛けてくれば、僕にとっては戦いやすくなります。ただし、そこも渡部選手は対策をこうじてくると思います。そのための練習もしているだろうし。そうなったら、打撃の勝負で良いかと。

仮に向うの得意な展開になっても、そこからパウンドを打ってくるのかなって。まぁ、打ってくれればその方が自分は戦いやすいです」

──ハーフガードから足関節の創りがあればそれは盛り上がります。が、タン・リーとゲイリー・トノンの例もあります。

「う~ん、米倉選手のプライベートを受けているようですけど、対処してくる相手を極められないと……足関節は極まらないですから。そこは大丈夫です。変に直前に練習してきたら、自信をもって付き合ってくれないかとも期待しています。やっていないと、逃げることに徹すると思うので。やり返せるっていう気持ちが、芽生えていて欲しいですね。

と同時に米国では足関節で勝っていた選手もスタイルチェンジしていますし。僕もここから変化していく必要があります。ただ僕は時代に即して足関節をしたんじゃなくて、好きだから練習してきただけなので。足関節だけでなく、柔術で勝負しても全然問題ないと思っています。

まぁ、ここを踏み台にしてというと失礼かもしれないですけど、勝って他の強い選手と戦いたいです。ただし、自分の力を過信せずにチョット謙虚に戦おうと思います(笑)」

──いや、笑っていますし。ところでX-TREME EBINAの柳澤哲裕代表は須藤選手のRIZIN TRIGGER出場で盛り上がっているのではないですか。

(C)お調子者?の師匠だが、須藤がダウンを喫した時の懸命な指示は──まるで別人だった

「喜んでいます。入場の時にアレやれ、これやれって。試合のことより、そこばかりです(笑)。でも道場の皆も盛り上がってくれて嬉しいですね」

──大舞台で緊張するということは? そこは渡部選手は経験済みです。

「毎試合、毎回のように緊張しているんで(苦笑)。ネクサスの会場でもメッチャ緊張していますし、観客のいない柔術のトーナメントでも緊張しています。どうしても緊張してしまうので、試合だっていう風にあまり気持ちをあげないようにしています。

試合直前まで道着を着た練習で女子選手の受け手になっています。いつも変わらず、このスタンスは一生変わらないと思います。それに会場でも試合前に気合を入れて大声出している選手とかいますけど、ああいうのを見ていると緊張してしまいます。この前の試合も実は試合の3分ぐらい前まで、柳澤さんと下らないしりとりをしていました(笑)」

──下らない話なら良いのですが……、しりとりって何ですか(笑)。

「アハハハ。しりとりをするのも、僕の緊張を解くとかではなく柳澤さんはただお茶らけているんだと思います(笑)」

──アハハハ。らしいです。ところで須藤選手は常々、柔術家としてMMAを戦うと言ってきましたが、RIZIN TRIGGERという大きな舞台で戦っても、その気持ちのままでしょうか。格闘家としての将来像に変化があって然りかと思いますが。

「MMAで上に行けるなら、上に行きたいです。柔術を見せるために。ただ柔術もノーギも出続けますし、MMAと柔術、グラップリングは別競技だけど自分がやっているのは同じことという考えは変わらないです。柔術をMMAで見せたいです。だから、今後はストライカーと戦いたいですね」

──須藤選手の試合を見て、柔術を始めた子が『ヒールはないのか』って思う。そんなケースが増えることを願っています。

「ありがとうございます。ホント、僕と同じようなところから柔術道場に通うようになり、柔術を楽しんでくれる人が増えれば嬉しいです。絶対に柔術はMMAより、面白いと思うので。柔術もMMAと同じような規模にしたいので、少しで柔術に興味を持ってもらえる面白いことができれば良いな──と思っています。でも打撃も練習しているから、満遍なく見せることができればと……。毎試合『打撃を見せる』と言って、そうなっていないですけど(笑)。倒されても行ける、そういう想いはあるので。殴り合って、最悪、寝転がります(笑)」

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