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【ONE FN10】MMA王者デリダー組み技戦、タイ・ルオトロ─02─「コンバット柔術ルール? 悪くない」

【写真】ナチュラルでも、こうなれる (C)ONE

既にイベントが開始されているONE FN10「Johnson vs Moraes 3」でONE世界ミドル級王者ライニア・デリターと対戦するタイ・ルオトロ・インタビュー後編。

若年層にも蔓延しつつあるステロイド使用に警鐘を鳴らしたタイ&ケイドのルオトロ兄弟がアグレッシブなグラップリングに関して熱弁を振るった。

<タイ・ルオトロ・インタビューPart.01はコチラから>


──と同時に参加型のグラップリングや柔術ですら、勝利を手にするために禁止薬物に手を染めるなか、タイやケイドたちはグラップリングがプロスポーツとしてよりメジャーになり、競技生活によって得るモノを増やそうと努力をしている。そして、そのような世界が実現するとより禁止薬物を使用する選手が増えることも容易に想像できます。

「だから、僕らのようなナチュラルな選手がジューサーを破ることで、子供達の手本になりたい。僕らが子供のとき、いつだって好きな選手はディアス兄弟だった。彼らは爆発力がもっともある選手じゃなかった。でも、ストロイドを打っている選手を相手に最高のパフォーマンスを見せていたから」

ケイド 今の柔術界はジュベニウでもステロイドを使用しているティーンがいる。僕らはステロイドを使わず、自分の力でもやれることを彼らに見せたいと思っている。

──ところで柔術家同士の対戦は両者が防御力に優れ、重厚な攻防になる一方で取られないことを第一に考える選手が多い。そのためにONEでは柔術家とMMAファイターやサンビストとの対戦を増やしているようにも見受けられます。柔術家同士の対戦が、一般受けするようなエキサイティングな試合になることは難しいでしょうか。

セレモニアル・フェイスオフでシングルレッグを仕掛けて、大笑いしたタイ。楽しんでいる

「柔術は退屈な試合にいくらでもある。

それは今言ったように守り重視だからだ。対してMMAファイターはより攻めてくる。今回の試合でもライニアは絶対に攻めてくるだろう。だから僕は彼をコールアウトしたんだ。観客の皆にとって、良い試合ができる相手だから。彼の攻めのプレッシャーのなかで、僕はベストを尽くして戦う」

──ケイド、6月にはトミー・ランガカーを相手にライト級王座の防衛戦が控えています。ランガカーもサンビストやMMAファイターと戦う時はアグレッシブに攻めるかと思います。その一方で、ケイドを相手になるとそのリスクを背負ってくるのか。

ケイド 僕らはいつだってフィニッシュして、エキサイティングな試合をしたいと心掛けている。だから、そこがいつも問題になってくるんだ。トミーは柔軟で強いガードファイターだ。マテウス・ガブリエル戦と似てくることも十分にある。でも、僕が一本勝ちを狙うことは間違いないよ。

──高い防御力を生かして攻める。それが一番の理想かと思いますが、前回のタミー・ムスメシとビア・バシリオ戦ではレフェリーが一瞬のスクートにブレイクを掛けるシーンが続きました。あれはあれでレフェリーが試合に介入し過ぎで、見ていて気持ちの良いモノではなかったです。

「座っている選手を立たせるのは、悪いことじゃないと思っている。僕らはアルティメット・スク―ティング・チャンピオンシップを戦っているわけじゃないから(笑)」

──アハハハ。

ケイド そうでしょ?(笑)。座って、何も起こらないモノを見たがる人はいない。

「確かにガードワークからは素晴らしい技が繰り出される。そこからアタックする場合はね。そういう美しい動きが見られるのは楽しいよ。でも、何をしないのならレフェリーが立たせることは問題ないと思う。なぜ、皆がガードを取るか。それはパスガードが難しいから。安全に戦いたいんだ」

ケイド だからガードって呼ばれているんだよ。

「多くの選手がガードを駆使し、時間とにらめっこという退屈極まりない試合をしようとする。テイクダウンでなく、座った選手を立たせるのは悪くない。ただし、そこに至るまでにレフェリーももう少し展開を見ても良いんじゃないかと思う」

──ハーフを取って足に触れているのに、ブレイクを命じたこともありました。そうやって立たされ続けるということは注意が入っているのと同じで。でも勝ったのはタミーだった。これはもう見ている人が戸惑うばかりです。なぜ、評価された動きをしているのにブレイクが入るのかと。

「それはそうだね。ガードから攻撃も柔術の醍醐味だから」

ケイド 攻めようとガードを一方が取り、また上の選手も攻めようとすることで攻防が生まれる。そうでない展開なら、ブレイクを命じるべきだよね。攻める気がないなら、立たせれば良い。

──ADCCでは逆にスクートした選手から、上の選手が3歩以上離れるとペナルティが与えられています。

「そうペナルティだ。MMAだと下になった選手が、ただ柔軟性を生かして防御に徹するなら──上の選手はパンチを落とせるよね。柔術はそれが許されない。だからさ、コンバット柔術のように下の選手が何もしないなら、掌底をバンバン入れてやれば良いんだよ(笑)。そうすれば、上の選手はもっと攻めやすくなる。僕らはエキサイティングな試合がしたいから、防御に徹せられるとイライラすることは確かだからね」

──ルオトロ兄弟はコンバット柔術の実現をチャトリに提言しますか(笑)。

「それは悪いアイデアじゃないよ(笑)」

ケイド ライニア・デリダーとコンバット柔術で戦えば良いんだよ(笑)。

──タイ、ケイド、いつもありがとうございます。最後に日本のファンに一言お願いします。

「モシモシ。アリガト。いつも、応援ありがとう」

ケイド アリガト。サヨナラ!!

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN10対戦カード

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者] アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] エドガル・タバレス(メキシコ)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] オサマ・アルマルワイ(イエメン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アリス・アンダーソン(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)

<<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ファン・ロン(中国)

<サブミッショングラップリング・ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/10分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
タイ・ルオトロ(米国)

<ムエタイ131ポンド契約/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ディアンドラ・マーティン(豪州)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ローウェン・タイナネス(米国)
オク・レユン(韓国)

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【ONE FN10】米国デビュー、アジアの顔スタンプ・フェアテックス「しっかり踊って、打撃も見せる」

【写真】アジアン・グッドシェイプなスタンプに対し、アンダーソンのバキバキさがアメリカン (C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)、コロラド州ブルームフィールドの1stバンク・センターで開催されるONE FN10「Johnson vs Moraes 3」でスタンプ・フェアテックスが、アリス・アンダーソンと対戦する。

アジア在住アジア人MMAファイターとして、今大会唯一のメインカード出場となるスタンプ。いわば米国路線で、アジアの顔として活躍するスタンプは米国デビューに向け、相当にダンスに力を入れていることが伺えた。


今回はいつにも増して「マイペンライ」さが目立っていたスタンプ

──アリス・アンダーソンと今週土曜日に対戦します。今の気持ちを教えてください(※取材は1日に行われた)。

「ONE初の米国大会で戦うこと、米国で初めて試合をすることが凄く嬉しいわ」

──アジアの時間帯から、時差の大きな米国での試合に向けてコンディションの方はいかがですか。

「標高の高いデンバーに慣れるために、4月9日にやってきて。試合まで1カ月をデンバーで過ごしてきたけど、最初の1週間は時差ボケが大変だった。一晩中眠ることができなかったり。それに息もすぐに切れて、練習に慣れるのが大変だった。そこも2週目から徐々に大丈夫になってきて、今では普段と変わりなく練習できるようになったわ」

──試合前、最後の調整をデンバーで行ってきたということですが、どのジムで練習してきたのでしょうか。

「イーストン・ハイ・アルティトゥードMMAで練習させてもらって。UFCファイターも多くいて、私に必要な技術なんかを指導してもらった。スパーの相手が、私に何が必要かも指導してくれた。レスリングに関してテイクダウンはできないけど、私も懸命にやれば倒されなくなったし。レスリングに対応できるという自信がついた」

──食事の方はどうですか。体重を落とすには、米国は糖質が多い食事が溢れていますが。

「スーパーマーケットで買い物をして、自炊していたから問題なかったわ。この1カ月はトレーニングとスーパー、ダンスの練習、そして料理の連続で1日が終わった感じだった(笑)」

──アハハハ。ところで前回の試合はミックスファイトで戦う予定から、スーパーガールとキックボクシング戦に急遽変わりました。2年5カ月振りの立ち技のみの試合を戦ってみて、どのような想いでいましたか。

「私はアトム級で、彼女はストロー級だから違いはあったけど、練習でずっとムエタイを続けているから問題はなかった。ただ急にルールも相手も変って、少しナーバスにはなっていたけど。ムエタイのトレーナーもいないなかで勝てたので、私にとっては凄く意味のある試合になったわ」

──ところでタイではローマ・ルックンブンミー、ジヒン・ラズワンと一緒の写真をSNSにアップしていましたね。両者とタイを出るまでは練習していたということでしょうか。

「今回の試合のため、2人はフェアテックスに来て私をサポートしてくれた。ローマは10日間、ジヒンとは1カ月一緒に練習をし、練習以外の時間でも彼女たちのトレーナーも交えて色々と話すことができて凄く良かった」

──UFCのローマとONEのスタンプの合体は、タイMMA界のドリームタッグです。

「ローマは経験豊かだし、学ぶべき点も多かった。指導者が違うから別のテクニックを持っていて。私の方が少し小さいけど、本当に良い練習ができたわ」

──米国で戦うことでもアドバイスがありましたか。

「米国で戦うことに関してアドバイスはしてもらっていないけど、戦い方についてはフットワークをもっと使った方が良い、動きを止めないでというアドバイスをしてもらった。あっ、それと米国は税金が高いから大変だって教えてくれた(笑)」

──アハハハハ。ではアリス・アンダーソンの印象を教えてください。

「身長が高くて、リーチも長い。グラウンドでも戦えて腕十字が得意ね」

──スタンプは、どこにアドバンテージがあると考えていますか。

「ダンスよ。私の方がずっと上手く踊れるから(笑)」

──……(苦笑)。

「それは冗談で。背が高く、リーチも長い彼女と戦うには打撃に代わる攻撃も考えているわ。スタンプ・フェアテックスとは何者なのか。米国のファンに覚えてもらえるよう、しっかりとダンスを踊って(笑)、打撃のスキルを見てもらう。米国だけでなく、タイのファンも絶対にガッカリさせたくないので。ダンスの練習もしっかりとやってきたから」」

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN10対戦カード

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者] アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] エドガル・タバレス(メキシコ)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] オサマ・アルマルワイ(イエメン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アリス・アンダーソン(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)

<<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ファン・ロン(中国)

<サブミッショングラップリング・ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/10分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
タイ・ルオトロ(米国)

<ムエタイ131ポンド契約/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ディアンドラ・マーティン(豪州)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ローウェン・タイナネス(米国)
オク・レユン(韓国)

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【ONE FN10】DJに挑戦、アドリアーノ・モライシュ「3種の世界戦。フライ級がショーを乗っとる!!」

【写真】既にセレモニアル計量&フェイスオフも済ませている。イベント開始まで8時間半だ (C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)、コロラド州ブルームフィールドの1stバンク・センターで開催されるONE FN10「Johnson vs Moraes 3」のメインでONE世界フライ級王者デメトリウス・ジョンソンにアドリアーノ・モライシュが挑戦する。

カイラット・アクメトフ、ジェヘ・ユースタキオとのライバル関係から、世界を代表するDJとのトリロジーと自らの戦いを昇華させてきたミキーニョこと、モライシュはこの試合の先にも大いなる野望を持ち、最高にハングリーな状態でメインの舞台に立つ。


──DJと3度目、そして決着戦を米国で戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は5月1日に行われた)。

「とにかく、この試合を戦えることを光栄に思っている。これまでのトリロジーを経験してきたけど、今回の試合は最高の一戦になる。最高の気分だよ。だいたいDJとケージをシェアできるなんて、以前は思いもしなかった。だから、3度のダンスを存分に楽しみたいと思っている」

──長旅の必要も時差ボケもないなかでファイトウィークを迎えて、どのような気持ちですか。

「正直、そこに関してはそれほど思うところはないんだ。僕はプロだ。どこだろうと、決まったところで戦うから。MMAアスリートなら、どこで誰とでも戦えるようになっていないといけない。同時に米国で戦うことは夢だった。ONEで戦うようになって10年、フロリダに移り住んで7年が過ぎ、この機会を得ることができた。心身ともに準備はできている。

時差ボケがないのは、助かる。とはいえ、ONEにとって初めての米国大会はコロラド州デンバーで行われる。ここの高度は特別だから、現地入りを早めて調整する必要があった。4月17日にデンバーにやってきて、試合まで3週間を過ごす。最初の1週間は、やっぱり息苦しいこともあった。でも今は問題ない。ホームにいるようなものだ。それにしてもデンバーの天候は本当にクレイジーだよ。晴れていたと思ったら、雪が降ったりする。その現実を受け入れることで、よりシェイプできるんだ」

──今回が3度のDJ戦ですが、初戦でTKO負けを喫したDJがモチベーションもパフォーマンスも落ちることなく、2度目の対戦に臨んだことは驚きでした。DJほど実績のあるベテラン選手は、初戦の負けで気持ちが続かなくなることも十分にあると思っていたので。

「DJは本当に良い試合をしたよ。最初に右を当てて行けると思ったけど、初戦のミスから色々と学んでしっかりと創り上げていた。そして、今回は僕が前回のミスから多く学んで試合に臨む。最近、僕は少し落ち着いてしまっていたようだ。ファイターは上へ上へという気持ちでいないといけない。もう誰も僕を止めることも、負かすこともできないよ。このスポーツを長くやっていると、そうならないこともある。でも、僕は戦って家族と生きていかなければならない。もっと上を目指すことを前回の敗北が、思い出させてくれた。フィジカルもメンタルも、全てを創りなおしてきたよ」

──3度目の対戦となると、相手の手の内が分かりミスを犯さないことを優先するファイトにならないでしょうか。

「この試合で、DJの首を刈ることを心の底から楽しみにしている。ケージの外では、DJほど尊敬できる選手はいない。でも、戦っている間は別だ。僕のビジネス、そして僕がベストだと証明する試合だからね」

──ムエタイ世界戦、サブミッショングラップリングの世界戦と同様にMMAの世界戦が組まれています。このイベントに対して、米国のファンはどのような反応を見せるでしょうか。

「その話はショーが終ってからする方が良いよ(笑)。それぞれが違う過程を経て、辿りついた3つの世界戦をファンに見てもらえる。僕はMMAのフライ級王座に挑み、ロッタンはムエタイのフライ級王座を防衛する。マイキー・ムスメシはグラップリングのフライ級王座の防衛戦だ。

フライ級が一つのビッグショーを乗っとる……僕らの夜になるよ。ムエタイ、MMA、グラップリングのファンが1つの大会を見るんだ。このイベント後、世界は変化を見せるだろう。それこそがマーシャルアーツの殿堂、ONEチャンピオンシップだと皆が思うようになるだろう」

──3つの競技の世界フライ級選手権試合が組まれる。そこは着目できていなかったです。確かに、その通りですね。今も重量級重視の米国コンバットスポーツ界にあって、画期的だと言えます。

「ホント、フライ級がショーを乗っとるんだよ(笑)。僕らはそれぞれが違った取り組みをして戦っているけど、見ている先は同じなんだ。きっと、僕らはONE特有のミックスファイトルールで手を合わせる時が来る。

僕はムスメシとグラップリングで戦えるし、ロッタンとムエタイを戦うことができる。スーパーファイトでグラップリング、ムエタイ、MMAのどれが一番強いか決めようじゃないか」

──おおっ!! そこまでミキーニョは考えているのですね。

「Amazon Prime Videoでライブ配信が始まり、ファンの考え方も変わったと思う。他の大会と見比べて、違う競技の最高レベルの試合を楽しめるだろう。米国のヒーローがたくさん集まっているし、絶対に成功するよ。大会後、どれぐらいの人が大会を視聴しているのか──それを知るのが凄く楽しみなんだ」

──この話を訊いていると、ミキーニョからハングリーさを感じます。それだけベルトを欲しているということですね。

「過去最高にハングリーだよ。10年間、ONEで戦っていたけど、今もハングリーだ。ベルトだけじゃない。ONEの世界王者に返り咲き、僕がここでどのような物語を皆に見せることができるのか。それが凄く楽しみなんだ。人生って目標が必要だし、ベルトは凄く分かりやすいターゲットになる。5月6日、ケージのなかにある栄光を総取りするよ」

──押忍。では、最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「ヘイ!! 日本の皆、今回も僕は最強の日本の友人──キヨジ・ホリグシ(※ママ)に助けてもらって、この試合の準備をしてきた。キヨジのおかげで、僕は日本が大好きになった。キヨジのファンが、僕のこともフォローしてくれるしね。皆に楽しんでもらえる戦いをして、ベルトを取り戻す。そして世界王者として、また日本に行きたい。そうなるようベストを尽くすよ。アリガトウゴザイマスッ!!」

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

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【ONE FN10】モライシュと決着戦。デメトリウス・ジョンソン「試合が終れば、直に日が沈む時を迎える」

【写真】今回の試合が最後になる空気を漂わせていたDJは 「Covid19のおかげで、ONEが日本大会から遠ざかってしまった。日本はいつだって最高に訪れたい、そして戦いたい国。ファンの皆もそうだし、スシ、うどんヌードル、ヤキニク、何もかも恋しい。日本をまた訪れたい。この試合が終われば、今後のことを決める。ただ、ONEが日本大会を開くなら日本に行って新宿を楽しみたい」と言っていた (C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)、コロラド州ブルームフィールドの1stバンク・センターで開催されるONE FN10「Johnson vs Moraes 3」。同大会のメインでONE世界フライ級王者デメトリウス・ジョンソンが、アドリアーノ・モライシュと3度目の世界戦を戦う。

2021年4月の第1戦はモライシュがTKO勝ち。昨年8月の再戦はDJがヒザでリベンジした。決着戦はONE米国初大会のメインで組まれた。計量方法、階級、ルールと北米MMAとは一線を画すONEの上陸が、どのような影響を与えるのか──をDJにモライシュとの3度目の試合、今や練習仲間のヘンリー・セフード✖アルジャメイン・ステーリング戦の行方とともに語ってもらった。


──ONEにとって初の米国大会でヘッドライナーを務めます。試合まで約3週間、今の気持ちは?(※取材は4月14日に行われた)。

「最高だよ。体調も体重もバッチリだ。あと4日、ワシントン州にいてコロラドに向かう。コロラドの標高に体を合わせる必要があるからね。またフィニッシュするために。

WECのときにニック・ペースとデンバーで戦ったことがあるんだけど(※2010年9月30日)、あの時は違和感はなかった。でも今回は2週間前に入ることにしたんだ。36歳になり、18年間戦ってきて……今も最高のレベルで戦うのだから、それぐらいの準備期間を設けようと思った」

──ONEの米国デビューに、母国のファンの期待が高まっている空気を感じますか。

「期待しているかどうか分からないけど、エキサイトしている様子は伝わってくる。でも米国にはUFC、PFL、Bellatorがあるし、LFAやCFFCや僕が覚えていないショーもたくさんある。そんな状況でONEがUSデビューを飾るわけだからファンも喜んではいても、期待をしているというのとは違うかと思う」

──開催地のブルームフィールドは、UFCが第1回大会を開いたデンバーの郊外。何か運命的なモノを感じないですか。

「ノー。そんなこと考えたこともなかった。コロラドで試合だと言われ、ただ了解しただけだから」

──ではONEのMMAルールセットや計量システムは、北米の他のショーに影響を与えることになるでしょうか。

「ノー。計量方法ってカルチャーなんだよ。米国ではMMAだけでなくボクシング、レスリング、キックボクシング、ムエタイ、柔術が行われており、このONEの素晴らしい計量方法を取り入れているところは一つもない。そして何級で戦うかは、選手が決めることだ。誰かの指図を受けて、その階級で戦っているわけじゃない。

対して計量方法は選手が選ぶものでなく、団体がチョイスしている。僕はONEのやり方が気にいっているし、ハイドレーションがあるなかで適した階級で戦っていく。でも米国は米国の減量文化があるから、このシステムが広まることはないだろう」

──なるほど、です。ではルールの方はどうでしょうか? ヒザ蹴りがグラウンドで認められているのは危険にも感じますが、フェアでもあるように思います。そしてファンはデンジャラスな攻撃を好むのではないでしょうか。

「そこに関して……僕はアドリアーノとの初戦で受けたヒザ蹴りで反則勝ちにならないのかという説明を、何度も米国でしないといけなかった。皆、UFCやBellatorで北米ユニファイドのルールの試合を見慣れているからね。う~ん、どうだろうね。ファンはこれまでもPRIDEやDREAM、今はRIZINでサッカーボールキックも見ている。でも米国のプロモーションは、どこもこのルールを採用していない。まぁ、将来的にどうなるのかは様子を見る必要があるだろうね。とにかく僕に必要なのは、このルールに合わせた戦いをすることだけだから」

──ONEとしては特色としてアピールはできるかと。

「う~ん、そこも思わないなぁ。僕はただ合わせて戦うことしか考えていないから。僕らは米国で拳銃の出回っているなかで生活をしている。そこに関して目の前のある状況に合わせているだけで。それと同じことなんだよ。寝技でヒザ蹴りを認めた州は本当にわずかだ。コロラドとジョージアだけじゃないかな。だから米国のファンは、その攻撃を見ると『なんだ? 反則だろ?』ってなるだけで。

だから、そういう攻撃が認められているということは伝えても、そこをPRがプッシュすることはないはずだ。彼らがやるべきはMMAだけでなくキックボクシング、ムエタイ、サブミッショングラップリングというマーシャルアーツが一同に会しているのがONEという大会をアピールすることだから。

グラップリングより柔術が好きだという人もいるし、昨夜、実際に『試合を見るなら柔術やグラップリングよりもムエタイの方が好きだ』という人がいた。僕は『じゃあMMAのなかで組み技を見るのは?』って彼に尋ねたんだ。すると『パンチやキックがあるなら良いよ』って言うんだよ。『そこで使われる技術は、MMAもサブミッショングラップリンも変わりはないよ』と説明したよ。そして、ONEなら全てを一度に見ることができるからってね」

──それがONEのエンターテイメント性でしょうか。

「う~ん、エンターテイメント性というよりも、スポーツ性が強調されていると思う。もし、そのエンターテイメント性がWWEのような方向性にあるなら、僕はエンターテイナーじゃない。それは2人の人間が、人々を煽って一つの完成された世界観を提供するショーだから。僕はONEだけでなく他の団体の試合もスポーツとして見ている。そう、エンターテイメントよりスポーツだ。NFLやNBAを見ている時もそうだ。僕個人としては、そういう風に見ているよ」

──キック、ムエタイ、グラップリング、そしてMMAが一つのパッケージになっていることでONEのエンターテイメント性は上がっているのかと思った次第です。球技ならバレーボール、バスケットボール、テニスや卓球の試合を1枚のチケットで観戦できるのは。

「なるほど、そういう観点なら立派なエンターテイメントだ。ショーのパート、パートで楽しむ人もいるだろう。ただ僕に関しては、サブミッショングラップリングが好きな人、立ち技が好きな人にも楽しんでもらえるフルパッケージのMMAを皆に見てもらう。それこそが、ONEが僕に望んでいるマーシャルアーツだと思っている。パーティーのメニューなら、誰もが食べられる食事でありたい。それが僕の役目だからね」

──では3度目の対戦となるアドリアーノ・モライシュのことをMMAファイターとして、どのように評価していますか。

「ONE、アジアで戦ってきたから米国のファンには知られていないけど、本当に良い選手だよ。レンジ、背の高さはこの階級で頭抜けている」

──前回の対戦から、DJはどのあたりが成長していると感じていますか。

「2度戦い、僕が良い動きをした時、彼は不完全で。彼が良い動きをした時は、僕が不完全だった。試合に勝って、ファミリーと時間を過ごし、また試合が決まるとアリゾナに行ってヘンリー・セフードと話し、練習をしてきた。互いの知識を交換し、クリンチゲームでは僕の知識がヘンリーのアルジャメイン・ステーリング戦に役立てば良い。そして僕のレスリングゲームは、ヘンリーのアドバイスが絶対的に生きてくる。

それからワシントン州に戻り、道着を着たブラジリアン柔術をマスターとやり、マット(ヒューム)と練習を続けてきた。当然、成長している。前回の試合から7カ月、この期間で目に見えて成長するということはちょっと困難だ。でも、この7カ月間が僕にとって戦略を実行するうえでの一部となっている。だから……う~ん、ここではそれほど話せない部分だし……試合で見せたいと思う。僕が強くなっていることを」

──DJには大切な試合が控えているなかで、このような質問をすることを許してください。セフード✖アルジャメイン戦は、どのような結末を予測していますか。

「とにかく楽しみにしている。最初はアルジャメイン・ステーリングが、どういうアプローチでヘンリーと相対するのかを楽しみにしていた。ただ一緒に練習し、ヘンリーのケツを叩いてきた。だからベストバージョンのヘンリー・セフードが見られることを楽しみにするようになった。本当にヘンリー・セフードは知性的なファイターなんだ。

ヘンリーがフィニッシュできると思っているけど、絶対にハードな時間も過ごすことになるだろう。きっと、それだけの練習をアルジャメイン・ステーリングもやってきたはずだ。うん、どうなるのか──そこは試合を見てみないと分からないね」

──DJ✖ミキーニョ、セフード✖アルジャメインと連夜で視られるファンは、エキサイティングかつファイトIQの高いファイトが堪能できますね。

「そうなってくれれば嬉しいよ(笑)。でも、MMAファンならエキサイトしてほしい。僕とアドリアーノ、ヘンリー・セフードとアルジャメインの試合が続くことに。僕もヘンリーも年を重ね、36歳になった。家庭もある。僕らはこの試合が終れば、直に日が沈む時を迎える。そうだね、金曜日に自分の試合が終わると、土曜日は僕もしっかりとヘンリー・セフードの試合を見たいと思っている。ファンの皆もそうしてほしいね」

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

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【RIZIN LANDMARK05】倉本一真 inアリゾナ─01─「ヘンリー・セフードのファイトキャンプが始まった」

【写真】倉本は凄まじい勢いで、色々なモノを吸収しているように感じる(C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、倉本一真が太田忍と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

レスリング時代に対戦経験のある両者の激突が発表されたのは、3月3日に行われた記者会見だった。しかし倉本は会見を欠席、そのとき彼は米国アリゾナ州フェニックスのファイト・レディーで、元UFC世界フライ&バンタム級王者のヘンリー・セフードと練習していたのだ。なぜ彼は米国に渡っていたのか。その理由と現地の練習について訊いた。


――現在、米国アリゾナ州のファイト・レディーで練習されているそうですね。

「はい。以前からヘンリー・セフードがいるファイト・レディーで練習したいと思っていたんですよ。もともとヤマニハ選手に負けた(2021年6月、アラン・ヤマニハに判定負け)あとに、マネージャーから『米国で練習してみるのも良いですよ』と言われていて」

――なぜファイト・レディーに興味を持ったのでしょうか。

「やっぱり組みのファイターが、組みを生かしつつ打撃をやって結果を残している。そういうファイターが育っているジムで練習したいと思ったんです。それでファイト・レディー側も受け入れてくれることになったんですけど、当初は去年の末に来るつもりでいたものの、ジムの受け入れ態勢の確認とかもあって。

僕は元谷選手に負けた直後に行きたい気持ちが強くなっていたけど、コーチやヘンリー・セフードのスケジュールとか、そういったことを確認して、ようやく2月15日に日本を発つことが決まりました。ちょうどその頃に次の試合も決まったという流れです」

――2月15日に日本を発ったということは、2カ月ファイト・レディーで練習しているわけですね。

「そうです。4月13日にこちらを出発するので、ちょうど2カ月ですね。もともと『米国で練習するなら3カ月』と言われていました。1カ月でこちらの環境に慣れて、2カ月でさらに練習にも慣れていき、3カ月でもっと良くなっていく。そういう感じで話をしていたんですが、出発日も伸びて、僕の試合が決まったこともあって――それでも丸2カ月はいることができると思って、アリゾナに来ました。ただ、すぐ2カ月経ってしまいましたね。時間が経つのは早いです」

――ファイト・レディーでは、どのような練習を行っているのでしょうか。

「最初の1カ月はヘッドコーチのエリック・アルバラシンさんが、マンツーマンで指導してくれました。ちょうど僕がファイト・レディーに来る頃に、セフードの次の試合(5月6日、アルジャメイン・ステーリングとのUFC世界バンタム級タイトルマッチ)が決まって、ここにセフードのファイトキャンプのメンバーが集まっていたんですね。それで僕もファイトキャンプに参加させてもらい、すごく勉強になっています」

――セフードのファイトキャンプも始まるとは、絶好のタイミングですね。では1日の練習スケジュールを教えてください。

「ジムは朝10時から練習開始で、セフードのファイトキャンプとファイト・レディーの練習は完全に分かれているんですよ。僕はオモニファイトキャンプのほうに参加して、朝10時からの練習は12時から12時30分ぐらいに終わります。そこから各自のトレーニングに入り、また午後6時30分ぐらいからファイトキャンプのメンバーと練習が再開されます。MMAのスパーリングはファイトキャンプというよりジム全体で、火曜日と金曜日に行われていますね。MMAの練習はセフードのお兄さん(アンヘル・セフード)が、レスリング中心のMMAを教えてくれたり。他にも打撃のコーチやグラップリングのコーチが、入れ替わりながら練習を見てくれるという感じです」

――そこにデメトリウス・ジョンソンをはじめ、多くのトップファイターが集まっていたのですよね。

「DJがいたのは何日かだけだったと思うんですけど、すごいですよね。試合前の大事な時期はDJもファイト・レディーに来ているらしいです。他にもデイヴィソン・フィゲイレド、ジャン・ウェイリ、ジョン・ジョーンズが来ていて。パウロ・コスタやブルーノ・シウバはファイト・レディー所属で、他にもUFCファイターやベラトールの選手がたくさん練習しています。でもそのメンバーでジムに常駐しているのはセフードぐらいで、他はファイトキャンプや何かある時に来るという感じです」

――常駐はしていなくても、それだけのファイターが練習に訪れるということは、皆が求める練習環境がファイト・レディーにあるということですね。

「そうだと思います。ヘッドコーチのエリックをはじめ、打撃コーチのエディ・チャーさん、グラップリング中心のコーチでサンティノ・デフランコさん、そしてセフードのお兄さんが主なコーチで、他にも選手兼コーチという人たちもいます。そうしたコーチ陣が的確な意見をくれるし、コーチ同士で意見を言い合うことができる良い雰囲気なんですよ」

――トップファイターたちが集まる中で、いわゆるガチスパーは行われるのですか。

「こっちは結構ガチでやりますね。火曜日と金曜日は大きめのMMAグローブとシンガード、ヘッドギアは着けてガチスパーをやります。他の大きなジムについて訊いたら、大きいボクシンググローブを着けてスパーするところが多いらしくて。でもボクシンググローブだと、たとえ8オンスでもスタイルが変わってしまうじゃないですか。まず組むことができないですからね。でもファイト・レディーではMMAグローブを着けてガチスパーをやるので、良かったです。さすがにセフードとはスパーしていないですけど……。彼はもうファイトキャンプに入っていて、完全にアルジャメインを研究したメニューをやっていました」

――そのなかで、「コイツは強い」という選手はいましたか。

「いやぁ、みんな強いですよ。何回もスパーしているのは、モンゴルのバットゲレル・ダナーですね。身長も高いし、前に出て来るストライカーで強い。僕も勉強になっています」

――ではファイト・レディーでの練習を通じて、一番得たものは何なのでしょうか。

「次の試合にも関わってくるので、細かいことは言えないんですが……いろいろと変わってきました。教わったことを全部できるようになったかといったら、それは難しいですけど。2カ月の練習だけで全部できるようになったら、僕もUFCチャンピオンになれると思いますし。アハハハ。でも次の試合で、変わった自分を見せることはできると思います」

<この項、続く>

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ABEMA MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2023#02 UFC   カマル・ウスマン コナー・マクレガー サンチン ジョン・ジョーンズ デメトリウス・ジョンソン トレヴィン・ジョーンズ ドミニク・クルーズ ハファエル・アスンソン ブランドン・モレノ ボクシング レオン・エドワーズ 上久保周哉 修斗 和田竜光 堀口恭司 宮城友一 平良達郎 新井丈 関口祐冬

【Shooto2023#02】ここにもいた、格闘ジャンキー=関口祐冬─01─「サンチンで、ヒザの上にコップを」

【写真】宇宙の背景は意味がないという関口だが、話を訊いていると何か通じているような気がしてくる……(C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるSHOOTO2023#02で、修斗世界フライ級1位の関口祐冬が、フライ級契約で世界ストロー級王者の新井丈を迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

2020年から5連勝でランキング1位まで昇りつめた関口だが、現在この階級のベルトはUFC参戦中の平良達郎が保持している。そこで関口が他のランカーと暫定王座決定戦を行うのか――と予想されたなかで、1階級下の新井がフライ級に進出してきた。新井の挑戦状を受け取った形の関口祐冬とは、いかなるファイターなのか。インタビューを試みると、MMAマニアっぷりが発揮された。


――関口選手が所属する修斗GYM東京のプロフィールには、格闘技を始めたきっかけが少林寺で、好きな選手はコナー・マクレガーとありました。現在のファイトスタイルは、その少林寺とコナー・マクレガーの影響が大きいのでしょうか。

「あぁ、ジムのホームページに載っているプロフィールですよね。細かく言うと、まずお父さんが空手と少林拳をやっていました。もともと自分の中では、決まったスタイルがないのが僕のスタイルだと思っています」

――決まったスタイルがない! どういうことでしょうか。

「次に対戦する新井君や、分かりやすいところだと堀口恭司選手って、コレっていうスタイルがあるじゃないですか。僕はマクレガーの距離の取り方や堀口選手のステップワークも好きだし、コーディ・ガーブランドのスタイルも好きなんですよ。そういう選手の良いところを、ちょっとずつ取り入れているような感じですね」

――そうだったのですね。以前、試合前に体勢を低くして相手を見つめていたところも、マクレガーを意識していたのかと思っていました。

「あれはジョン・ジョーンズです(笑)。ジョン・ジョーンズって四つ這いで相手を見て、動物的な動きで相手に近づいていくじゃないですか。あのスタイルが好きで」

――色々と取り入れていますね。ガーブランドは、どのようなところが好きなのでしょうか。

ガーブランドがドミニク・クルーズからベルトを獲った試合(2016年12月に判定勝ち)が、一番分かりやすいですよね。頭を振って、相手のパンチをかいくぐりながら、パンチとレスリングを織り交ぜて戦う。そういうスタイルがカッコいいなと思っています。ハファエル・アスンソンを2Rラウンド終了間際にKOした試合(2020年6月)もシビれましたし。

ああいう動きを見て、使ってみようかなって練習してみるんです。多くの人は、そうやって練習しても実戦で使うことは少ないと思います。それが僕は試合でも使ってみたくなるタイプですね」

――ガーブランドは先日のトレヴィン・ジョーンズ戦も、相手との実力差はあったとはいえ、ステップとの距離の取り方が抜群でした。

「すごく良かったです。相変わらずボクシングとレスリングを巧く組み合わせていて。新井君はガーブランドから、ステップワークと頭の振りを抜いたタイプだと思っています。ただ、KIDさんもそうでしたけど、体格で劣る選手が相手の中に入っていく姿は、見ていて興奮しますし憧れますよね。純粋に、カッコいいです」

――ただ、関口選手はフライ級の中で体格が小さいわけではないですよね。公式プロフィールでは、身長が180センチとなっています。

「そうですね。フライ級の平均より少し大きいぐらいだと思います。僕の理想は、全部できるようになることです。たとえば相手の体格によってスタイルを変えることができる――何か一つのスタイルをゴリ押ししていくようなことは、僕にはできないですから。それが可能なのって、何か一つが突出している選手なんですよ。

でも僕には、他の競技を経験して何か突出したものがあるわけじゃないので。MMAを始める前も、ちゃんと格闘技と向き合っていたわけではないので、一つひとつのレベルは高くない。どちらかといえば相手のスタイルや体格に合わせることのほうが多いです。

宮城選手との試合(2022年3月、宮城友一に判定勝ち)は、宮城選手のほうが身長は高かったので、僕がガーブランドのように頭を振って中に入っていきました。でも梶川選手の場合(2019年3月、梶川卓に判定負け)は僕が体格で上回っていて、マクレガーのように前手で距離を取りながらパンチを合わせるスタイルを選択したんですよね」

――それだけ普段からMMAの試合を観ているということですね。

「最近は新井君との試合を想定して、ガーブランドとディラショーの試合を観ています。一方はリーチが短くて、一方は体格が大きいっていう試合で。ディラショーとガーブランドは、ディラショーが2連続KO勝ちしていますけど、ガーブランドのパンチが当たっているシーンもありましたから。そこは参考にしたいです。

国内だと今は、和田竜光さんや上久保周哉選手の試合を観ていますね。結局、フライ級ってパンチが当たっても相手は立ち上がってくることが普通じゃないですか。となるとデメトリウス・ジョンソンもそうだし、和田さんや上久保選手のように相手を組み伏せる力がないと、シーソーゲームになっちゃうので。UFCのフライ級でも、ブランドン・モレノとフィゲイレドが、そういうシーソーゲームになっていて。

僕も昔は一発頼りだったんですよ。一発で倒す試合って、憧れるじゃないですか(笑)。それがヘビー級だと一発で終わるのに、フライ級だと倒れない。だから、パンチで倒したあとに組み伏せられる力を身につけないといけない――ここ最近は練習でも、それを痛感しています」

――なるほど。

「やっぱりMMAは観ていて楽しいですよ。僕の試合がある日に、UFCでレオン・エドワーズとカマル・ウスマンが対戦しますよね。3度目の対戦(過去1勝1敗)で、どうなるのかなって。さすがに試合当日の朝だから、僕も体を休めていると思いますけど……でも観ちゃうかな(笑)」

――アハハハ、それだけMMAが好きということですね。それだけ現在はMMAが好きであるにも関わらず、MMAを始める前は格闘技にちゃんと向き合っていなかったというのは……。

「子供の頃は、本当に格闘技が大っ嫌いでしたね。お父さんは最初に空手をやっていて――流派が何だったかも聞いたことはないです。そのお父さんに、無理やり空手をやらされていました。思春期で友達と遊びたくても、家に帰って厳しい練習が待っていて。さらにお父さんが少林寺を習い始めて、空手とミックスしたものを始めたんです。それも日本で広まっている少林寺拳法ではなく、中国で行われているやつなんですよ」

――えっ!? 嵩山少林寺の方だったのですか!!

「だから対人で行われる大会はなくて。あるのは型の大会で、それも映画で見るようなものでした。ジャッキー・チェンの酔拳みたいなものや、三節棍を使った型がありましたね。僕も映画でジャッキー・チェンがやっていた練習を、実際にやっていましたよ。サンチン立ちのような形で、ヒザの上にコップを置かれ、水がこぼれないように1時間その体勢のままでいるとか」

――幻想が膨らむお話です。とはいえ、お聞きしているだけで、幼少期にその練習はキツかっただろうと思います。

「もうね、『この家から早く出たい』と思っていました。格闘技はやりたくない、格闘技とは縁のない会社員か公務員になりたい――と考えていましたけど、今こうしてMMAをやっていますね(笑)」

<この項、続く>

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN10 UFC アドリアーノ・モライシュ アルジャメイン・ステーリング キック クリスチャン・リー ジャスティン・スコッギンス ジャレッド・ブルックス ダナ・ホワイト デメトリウス・ジョンソン ピョートル・ヤン ボクシング

【ONE】ONE世界ストロー級王者、ジャレッド・ブルックス―02―「僕がデンバー大会に出るのが筋」

【写真】ONEのMMAにはブルックス、DJ、クリスチャン・リーと3人の米国人世界チャンピオンが存在している(C)MMAPLANET

2023年に向けて『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしたインタビュー──ジャレッド・ブルックス編Part.02。

ONE世界ストロー級王座に就いたブルックスは、米国でのデメトリウス・ジョンソン戦を熱望する。とはいえ5月のデンバー大会=ONE FN10では既にDJ×アドリアーノ・モライシュIIIが発表されている。米国人チャンピオンとして、米国におけるキックオフ大会への出場は筋が通っていると断言するブルックスに、フライ級とストロー級の兼ね合いとONEが米国で受け入れられるか否かを尋ねた。

<ジャレッド・ブルックス・インタビューPart.01はコチラから>


――5月でなくとも、DJとは戦いたいということですね。

「DJとの試合は夢といっても良い。ただし、ただ戦いたいんじゃない。勝ちたいんだ。もし実現するなら、文字通り夢が現実になる。DJは間違いなくリアルディール、本物だよ。僕がリアルにマーシャルアーツの道を進むうえで避けて通れない相手だと認識している」

――ONEフライ級チャンピオンと戦うということは、他のフライ級ファイターとも戦って二階級制覇を目指すのか。ストロー級王座を防衛しつつチャンプ・チャンプを目指すのか。どちらを考えていますか。

「100パーセント、フライ級とストロー級で戦っていくよ。もちろん、誰が僕の対戦相手になるのかっていうことは関係してくるけどね。そうそうジャスティン・スコッギンスのことは知っているよね」

ブルックスのベルト奪取に満面の笑みを浮かべていたスコッギンス。ONEフライ級で戦うことはあるのか

――もちろんです。

ジャレッドのトレーニングパートナーで、スイッチスタンスの打撃をいつも絶賛していますね。

「ジャスティンとはずっと一緒に練習してきた。ジャスティンがONEのフライ級戦線に参入すれば、輝かしい結果を残すことは間違いない。ブラザーのようなジャスティンがONEのフライ級を制覇し、僕と2人でストロー級とフライ級を支配する。これこそ僕らにとってパーフェクト・ワールドだよ。ただし、さっきも言ったように僕も絶対にフライ級でも戦うことになる」

――世界戦でなくランカーたちともジャレッドは戦っていくつもりなのでしょうか。

「フライ級でも僕をチャンピオンとして、扱ってくれるのであればね。それだけのファイトマネーは要求したい。チャンプ・チャンプ対決が望むべき最上位にある。それは絶対だ。でも、そうではなくランクで下の選手と戦えという要望があるなら、全くもって構わない。フライ級のトップファイターと1,2試合戦うことは問題ないよ。それからDJと戦えば良いんだ。もしくはアドリアーノ・モライシュとね」

――ところで5月のデンバー大会ですが、まだDJ×ミキーニョの世界フライ級選手権以外、カードは発表されていません。米国人世界王者として、母国でのファイトをどれだけ熱望していますか。

「5月にデンバーで試合をするとすれば100パーセント、ストロー級世界王者としてその舞台に立つ。僕は米国人チャンピオンだ。米国大会のカードに名前が並ぶべきだと思っている。それが筋ってもんだろう。大会開催のアナウンスから1カ月、まだ声は掛かっていない。でも、そうなるものだと思っていつも通り練習しているよ」

――ユニファイド・ルールに見慣れた米国のMMAファンが、ONEルールにどのような反応をすると考えていますか。

「まぁ、ONEルールならアルジャメイン・ステーリングとピョートル・ヤンの試合は、あんなことにはなっていなかったからね。米国のファンって残酷なシーンが大好きだよ。スポーツファンでなく、ファイティングファンの受けは良くなるに違いない。ただし、そういう戦いばかりをONEはファンに届けているわけじゃない。

サブミッショングラップリングの試合で柔術が見られる。ムエタイやキックというMMAと違った戦いを同時に見せることで、ONEは米国のマーケットに風穴を空けようとしている。それがONEの素晴らしいところだよ」

――そのONEの米国進出の地が、UFCが30年前に第1回大会を開いたコロラド州デンバーの近郊ブルームフィールドになったのも運命的なモノを感じます。

「UFCが生まれた街で、ONEがスタートを切る。最高にクールな話だ。UFCとダナ・ホワイトはボクシング界の横っ面を引っ叩いてきたんだ。僕はUFCには何もいうことはない。素晴らしい団体だから。他のあらゆる団体を踏みつぶしてきたとしてもね(笑)。

だけどONEはUFCや他のMMAプロモーションとは違った特色を武器に、米国市場を開拓しようとしている。土台が違う、そういう大きな話だよ」

――ジャレッド、今日もインタビューを受けてくれてありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。

「コンニチワ、マイ・ジャパニーズ・ファン。初めて日本に行った時以来、皆のことが大好きだ。僕のキャリアをずっと見守ってくれてありがとう。まだ始まったばかり、僕はこれからもっとデカいことをやっていくから、変わらずサポートをしてほしい。いつも感謝しているよ」

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【ONE FN06】「丁寧だけど大胆に戦う」。キム・ジェウン戦へ、佐藤将光──スクランブル発進!!

【写真】常にクール、存在感を示すために落とせないスクランブル発進だ (C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、バンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06で佐藤将光がキム・ジェウンと150ポンド契約マッチで戦う。

昨年3月以来の実戦は、暮れも押し迫った12月30日のオファー、試合まで16日というものだった。それでも試合に飢えていた佐藤に『No』という選択がはなかった。全てを飲み込む強さ、そこはケージで絶対に諦めない戦いを続ける佐藤将光という人間の芯の強さに通じている。

即決の裏で、勝って次に繋げるという決意が存在する佐藤に、話を訊いた。


──1月3日に発表されたキム・ジェウン戦、オファーはいつ頃だったのですか。

「12月30日の朝でした。キム・ジェウンも同じタイミングだったはずです」

──なるほど。実は12月29日にキム・ジェウンが所属するエクストリーム・コンバットで彼を取材した時に、この試合の話題にならなかったので……かん口令が敷かれていたのかと思ったりもしたのですが、本当に2週間のショートノーティスだったのですね。佐藤選手は試合ができるコンディションにはあったのでしょうか。

「練習は変わらずずっとやっていたので。気持ちのスイッチとかは入るのですが、試合が決まっても練習のスケジュールはそれほど変わりないです。だから、オファーがあれば試合はできます」

──ただ、このタイミングでオファーがあるとは思いもしなかったのではないですか。

「思ってなかったです。1月、2月はない、3月だと考えていたので急なオファーに少し動揺しました(笑)。ただ、これで断るとまた試合ができなくなるから、5分ぐらい考えて受けることにしました」

──昨年3月のONE X以来の試合となりますが、これまでオファーはなかったということですか。

「そうですね。試合がしたいとはONEサイドには伝えていましたけど。高橋(遼伍)さんのセコンドとか、11月大会の現地レポーターの仕事を貰った時にもマッチメイカーに直接話もして。で、『いつが良い?』と聞かれて『いつでも良い。早く試合がしたい』と答えて。『今、話せてよかった。1月、2月、3月でオファーが行くと思う』みたいな反応でした」

──なるほどぉ……。昨年3月の試合内容が評価されなかったとしても、それ以前の佐藤選手の試合は負けた試合を含めて、ジェネラルのファンが見てもエキサイティングな内容だったと思います。色々な事情があるのでしょうが、それでオファーがこれだけないというのは解せなかったです。

「そう言ってもらえると有難いですけど、やっぱり今はSNSとかで数字を持っている人が優先的にオファーがあるのかと思います。数字があって、かつ試合が面白い。それって今や格闘技に関わらず、そういうモノだと思います。

ABEMAさんも現地レポーターとして採用してくれたり、露出を考えてくれていたと思います。ただ現地にいて日本向けの大会で皆が試合をしているのに……自分は仕事を頂けて感謝していますけど、やっぱり試合がしたかったです。だから勝っていくしかないです。負けると、試合期間も空いてしまう。選手として勝ち続けないと、先は見えないので」

──その通りなのかもしれないですね。ところで12月30日のオファー。元旦や三が日の練習相手を確保するのも大変ではなかったですか。

「その日のうちに練習仲間に連絡しました。キム・ジェウンがもともとフェザー級だったし、自分より大きなオーソのストライカーの人に絞ってお願いをして。高橋さんとルイス選手が正月も付き合ってくれました」

──スクランブルでも佐藤選手はバンタム級のリミットに落とせそうな気もするのですが、オファーはもともとキャッチウェイトだったのですか。

「オファーが来た時に150ポンドのキャッチでした。僕はバンタムでやりたいとは伝えましたけど、もう150ポンドだったので──『あぁ、そうなんですね』って」

──150だとフィジカル的には不利になってしまうけど、まぁ承諾するしかないですよねぇ(苦笑)。

「とにかく試合がしたいので。細かいこと言って、これを蹴るといつオファーが来るのか分からないから」

──これはもう、絶対的に私の言葉だと明言して書かせていただきますけど、自分のようなフリーランスの下請けが経験する『遣り甲斐搾取』という言葉がチラついてしまいます(笑)。

「まぁ、しょうがないです(苦笑)。デメトリウス・ジョンソンとかトップの選手は、こういうオファーは来ないでしょうし。でも、僕はそういう役割を担う立ち位置なんです。だからこそ、ここで勝たないと。絶対に勝って、次に繋げます」

──ではキム・ジェウンの印象を教えてください。

「オファーを貰った段階で、ただ打ち合うというイメージの選手でしたけど、映像をチェックすると意外と細かいところが上手いと感じました。想像以上に厄介だと思います。でも、対策も含め短時間の割には創ることができました」

──対して、佐藤選手は何をしないといけないと考えていますか。

「それは試合前なので、あまり言いたくないです」

──了解しました。1点、気になっていることがあります。前回の試合で、イエローカードを連発されました。あの影響はありますか。

「メチャクチャ意識しています。アクション、アクションって言われ始めたら『うるせぇな』って思いながら、前に出ると思います。練習仲間は『行かなく良い。打ち合ったらダメだ』と言ってくれますけど、あそこは後悔が残っているところなので。スティーブン・ローマンとの試合はイエローカードだけでなく、勝負どころを創ることができませんでした。

ポイントゲームをし過ぎたと自分の中で思っていて。警戒し過ぎて行けなかったので、今回の試合はどんどん削って、フィニッシュまで持って行くつもりです」

──佐藤選手のキャリアの序盤、あの打ち合い上等なファイトが怖くてしょうがなかったです。

「韓国で試合後に飯を食っていて、『こんな試合をしていたら、体が壊れてしまう』と言ってもらえたこと覚えています」

──ただし、ここぞという時にアレがデキる強みが絶対にあると思います。

「特に今回は相手がめっちゃ打ち気なので、引いてしまうと強くなってくるタイプなので。要所要所でやり返さないと。で、キム・ジェウンの疲れた顔を見たいなって思っています。一発当たってしまったら終わりなので、なるべく貰わないように戦いますけど──やっぱり勝負する時は勝負しないと。丁寧だけど、大胆に戦う。そういう試合を心掛けます」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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ABEMA LFA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN06 UFC アドリアーノ・モライシュ アナトリ―・マレキン オンラ・ンサン ガントゥルム・バヤンドォーレン キック キム・ジェウン ゲイリー・トノン ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ スタンプ・フェアテックス チャンネル デメトリウス・ジョンソン ボクシング マイキー・ムスメシ ロッタン・シットムアンノン 佐藤将光 修斗

【ONE】2022年中に話が訊きたかったファイター。3人目、ジャレッド・ブルックス―01―「第2弾でDJと」

【写真】練習後のドライブ中にインタビューを受けてくれたブルックスは、話に夢中で道を間違えることが何度かあった(笑)。気を付けて運転してください (C)MMAPLANET

2023年が始まり、MMAワールドでは6日(金・現地時間)に米国でLFAが開催され、アジアではONEのタイ大会=14日(土・同)のFIGHT NIGHT06からスタートを切る。日本の戦い初めは15日(日)、後楽園ホールの修斗公式戦だ。

そんな2023年のMMAに向け、『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビューを行った。第3弾は昨年12月にジョシュア・パシオを破り、ONE世界ストロー級の頂点に立ったジャレッド・ブルックスに話を訊いた。

実質、米国には存在しないストロー級という階級で世界の頂点に立ったブルックスが、5月に予定されるONEの米国進出をどのように考えているのか。


──ジャレッド、ONE世界ストロー級王者として迎えたクリスマス・ホリデーはいかがでしたか。

「最高だったよ。何人かの本当の親友たちと一緒に時間を過ごした。ただ残念なことに天候が凄く悪くて、僕のフライトがなくなったから家族に会いに行けなくなったんだ。それでも電話で話せたし、良いホリデーを送ることができたよ」

──MMAワールドには数多くの世界チャンピオンが存在しています。個人的には女子ストロー級からフェザー級、男子ではフライ級からヘビー級までUFCのチャンピオンが世界の頂点という理解でいます。そして男子ストロー級ではONE、つまりジャレッドだと。

「ありがとう。実際、ONEは今凄い勢いで米国でも認知されている。米国市場でも確かな存在になっている。ONEのような成長著しい団体のチャンピオンになれたことをとても光栄に思うよ。家族や友人たちが、僕がONEの世界チャンピオンになった時の喜びようは言葉で言い表すことができるもんじゃなかったしね」

──米国ではONEの注目度は依然としてコアファン中心だと思っていたのですが、米国のMMA関係者によるとAmazon Primeの反響は予想以上のようですね。某フィーダーショーのトップが「アナトリ―・マレキンがあんなに話題になるなんて。UFC Fight Pass以外にも伝え方があることを頭に入れないといけない」と言っていました。

「米国ではMMAはすっかり定着している。そのMMAだけでないONEに米国のファンも関心を持っているようだ。僕自身はONEが特に他のMMAプロモーションと違うところがあるとは思っていないよ。

ただし、ハイドレーション・テストがあることや、ルールの違いを映像で流してより理解を深めようとしている。あとメディア用にセレモニアル・フェイスオフを派手にやったりね。その辺りは従来のプロモーションと差別化を図ろうとはしているようだ」

──ジョシュア・パシオに挑戦した試合ですが、判定勝ちは文句のないモノでした。ただし、パシオもまた強さを見せた。決して、一方的な試合ではなかったです。

「ジョシュアのテイクダウン防御は本当に素晴らしかったね。ずっと僕との試合を想定し、試合に関しても組み立てができていたように感じた。ジョシュアは良い試合をしたよ。僕自身、彼のサークリングから繰り出されるスピニングバック系の攻撃を受けないことを第一に考えていたから、手数も6発ぐらい殴れるところが3発程度に抑えられてしまった。

でも、次があるなら違った試合展開になる。僕は手数を増やし、テイクダウンにより良い形で繋げることができるようになるだろう。前回の試合ではできなかったことを、次があれば実戦する。結果、僕は彼をフィニッシュできるだろう。

ただ僕自身は何事も忘れやすい気質の人間で(笑)。勝っても負けても、次のことを考える性分なんだ。確かにONE世界ストロー級王座に就いたことは、とても達成感のあることだよ。でも、もう過ぎたことだ。こうやって祝ってくれる言葉は有難いけど、僕自身はこれからのことに集中しているよ」

──現状ジョシュア・パシオとの再戦を頭に置いているということでしょうか。それとも新たなチャレンジャーの出現を考えていますか。

「対戦相手は誰でも良いよ。そこは問題じゃない。チャンピオンは僕だ。この場所に立ち続け、ベルトを守り続ける。誰だろうが、チャレンジャーが現れれば戦うよ。どの国でも戦うし、そこには必ず意味がある。

ただし、ONEの米国進出が決まった。米国にジョシュアがやってきて、僕と戦うとなればイベントは盛り上がるよね。僕の試合はどの階級の選手と比較しても、ファンが楽しめるに違いない。だから、誰が僕の前に立ち塞がろうともただ殴り倒すだけだよ。そして、最高のショーにしてみせる。ONEの世界チャンピオンとしてね」

──ジャレッドはもう誰かと戦うことをアピールする必要もない?

「誰だろうが、僕の後ろについてくるヤツらが前に出ようとするなら戦うよ」

──タイトル奪取直後にはデメトリウス・ジョンソンとの対戦をアピールしていました。米国人ファイター同士のチャンプ・チャンプ・ファイトは凄く興味深いです。しかし、そのDJはアドリアーノ・モライシュとのトリロジーマッチを5月の米国進出第一弾で戦うことが発表されています。DJと戦うのであれば、さらにそこから時間を要します。

「DJが僕にとって最高の相手だということは変わりない。だから僕がONEの米国進出第1弾で勝ち、彼も勝利すれば……ONEの米国大会第2弾でDJと戦えるように、僕は彼を対戦相手に指名する」

<この項、続く>

■ ONE FN06放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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【ONE】ONE、米国進出は近代MMA発祥の地コロラドから。そしてMMA多様性の時代へ?!

【写真】ミキーニョ×DJ、コロラドで決着戦――からの北米MMAの展開が気になる (C)ONE

6日(火・現地時間)、ONE Championshipが初の米国大会を2023年5月5日(金・同)に開催することを発表し、メインでONE世界フライ級デメトリウス・ジョンソンがアドリアーノ・モライシュの挑戦を受ける――トリロジー戦が組まれることが明らかとなった。

2011年9月の旗揚げから11年8カ月、アジア最大の格闘技プロモーションが北米進出を果たす。開催地のコロラド州ブルームフィールドは、奇しくもUFCが1993年11月に第1回大会を開いたデンバーの北に10数キロにある街で、ONEの米国ライブイベントの第一歩が現代MMAが生まれたコロラドで記すこととなった。


「5月5日、ONEが米国の地に下り立つ記念すべき日となる。我々はステートアスレチックコミッションの素晴らしいサポートを受け、米国の熱狂的なファンの目前で大会を開き、世界中の人達に見てもらう」とチャトリ・シットヨートンは今回のアナウンスに際して、コメントをしている。

そのチャトリが10月に来日した際に公言したように、ONEのフォーマットをそのままコミッションが認めたのであれば、ハイドレーションを含めた計量、グラウンド3点ヒザが認められたレギュレーション&ルールが初めてアジア圏外で実施されることとなる。

競技名でいえばMMA。しかし計量、ルール面で北米ユニファイドルールとの開きは明白……ONEのグローバル・ルールセットが米国に適用されるとなると、大晦日大会出場のBellator勢が目を輝かすRIZIN=PRIDEルールも交渉次第でサンクションされる可能性もある。ONEコロラド大会をきっかけに今後MMAという名の競技は一気に多様性の時代を迎えるかもしれない。

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