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MMA ONE UFC   ケビン・リー

UFCが禁止薬物の陽性反応で出場停止処分を受けたケビン・リーをリリース

ケビン・リーに禁止薬物の陽性反応、リーはADHD治療薬の使用免除を申請していなかったと釈明(2021年10月23日)

 こちらの続報。8月28日にラスベガスのUFC APEXで開催された『UFC on ESPN 30: Barboza vs. Chikadze』でダニエル・ロドリゲスに判定負けしたケビン・リーが試合後の薬物検査でアンフェタミンの陽性反応が出たことから、ネバダ州アスレチックコミッションから処分内容が確定するまで一時出場停止されていましたが、


Kevin Lee suspended 6 months for failed drug test, required to pay over $16,000 in fines(MMAFighting)

 その後、半年間の出場停止と1万6000ドルの罰金処分が確定しています。


 そして、UFCはケビン・リーをリリースしたことをMMAFightingが確認したとのこと。

Kevin Lee(Sherdog)

 ケビン・リーはMMA戦績18勝7敗(UFC戦績11勝7敗)。UFCデビュー戦は2014年2月の『UFC 169: Barao vs. Faber 2』のアル・アイアキンタ戦で判定負けしていますが、その後は好成績を収め2017年10月の『UFC 216: Ferguson vs. Lee』ではトニー・ファーガソンとライト級暫定王座決定戦をしています。しかし、この試合で3R三角絞めで敗れて以降の戦績は2勝5敗と振るいませんでした。2勝5敗の間には計量ミスも2度あり、ウェルター級でも2試合するなど迷走していました。続きを読む・・・
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MMA SUG28 クリス・レンチオーニ ケビン・リー

【SUG28】ケージレスリングにはならず。グラップリングで戦ったレンチオーニがOTでケビン・リーに勝利

【写真】してやったり感のあったレンチオーニ。この勝利でMMAでの活躍の幅を広げることはできるのだろうか??(C)SUG

<5分1R>
クリス・レンチオーニ(米国)
Def.OT
ケビン・リー(米国)

ケージレスリングになると思いきや、レンチオーニがすぐに引き込む。上から右腕をアンダーフックしたリーは、パスのプレッシャーを強めていく。レンチオーニはクローズドガードを取り、腰を上げたリーが一旦ヒザをつく。レンチオーニがハイガードから腰を切ると、リーは離れて間合いを取り直した。

パス狙いで飛び込んだリーに対し、レンチオーニはキムラクラッチから腕十字へ。ここも察知して腕を抜いたリーは足首を掴んで捌きに掛かるも、レンチオーニが右足にからみつく。足関狙いから体を捻って逃げようとしたリーに対し、起き上ってバックを取りに行ったレンチオーニが腹固めへ。フィジカルの強さを見せ、腕を抜いて胸を合わせたリーがサイドで抑える。

レンチオーニは足を戻し、腕十字から足を狙う。ここも察知して離れたリーは一気にパスを決める。リバーストライアングルをスラムしたリーだが、レンチオーニはそのままクラッチを続け、残り10秒で技を解き──この試合もOTに突入した。

先攻のレンチオーニはシートベルト、上体を起こしていったリーはRNCクラッチに入られるも、リストを取って胸を合わせに行く。下になったレンチオーニが腕を狙い──リーが抜いたところでエスケープが認められ、1分11秒を要した。リーもシートベルトを選び、動きのなかで肩固めに移行してマウントへ。

本来は首が抜けたところでエスケープとなるが、レフェリーが流しアームロックを仕掛ける。ここを防いだところでレフェリーがエスケープと認める中途半端さで、レンチオーニが50秒で逃げたことになり21秒のリードを奪った。

OT2R、バックのレンチオーニは、前方に落とされ三角も許さなかったリーが1分5秒でエスケープを決めた。後攻リーのシートベルトは、レンチオーニが34秒で腰をずらしエスケープ。最終OT、レンチオーニのシートベルトは1分10秒を過ぎたところで、リーが立ち上がり前方回転でスラム。そのまま起き上がりつつ、レンチオーニを前方に落とし1分16秒かけてバックから逃れた。

タップを奪うしかないリーはスパイダーウェブを選択。ゆっくり時間を使い、1分9秒で腕を抜いたレンチオーニがOT判定勝ちを収めた。スクランブル発進のケビン・リー、全く傷つかないタイブレークでの敗退となった。


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BELLATOR INVICTA MMA ONE SUG27 SUG28 UFC WNO Championships   アンディ・ヴェレラ カイル・チェンバース カイル・ベーム クリス・レンチオーニ ケビン・リー ジュリアナ・ミラー タラ・ラロサ ハイサム・リダ ビア・メスキータ メイソン・ファウラー リッチー・ブギーマン・マルチネス

【SUG28】ハイサム・リダがメイン登場!! ケビン・リー✖レンチオーニ&タラ・ラロサも

【写真】いよいよハイサムが全米級の活躍をするようになってきた!!(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING

31日(日)、ポートランド州コーネリアスのコーチ・サーチ・シニでSUG28が開催され、ハイサム・リダが初出場でヘッドライナーの大役を担う。

ノーギワールズでメダルの獲得すらならなかったが、WNO Championshipsヘビー級3位という結果がUFCファイトパスでライブ配信されるケージグラップリング大会のメイン抜擢につながった。


ハイサムの相手アンディ・ヴェレラは今年の3月に石井慧を破り、4月にメイソン・ファウラーの持つSUGアブソリュート級王座挑戦経験もあるグラップラーだ。元MMAファイターでコンバット柔術や、グラップリングでも3CGやF2Wでも戦ってきた。

そのうえでSUG27度の歴史で10試合の出場経験があり、通算戦績は6勝4敗とケージグラップリング&OTの経験値は群を抜いている。とはいえ純粋に一本を取る技量ではハイサムがヴェレラに遅れを取ることはない。事前の掛け率でもハイサムは-415でヴェレラは+305と圧倒している。

ハイサムとしては5分という短時間、金網、何よりもOTという終着点があることを考慮し、この初チャレンジに挑まなければならない。そして、初物尽くしチャレンジを成功裏に終えると、見えてくるのはファウラーの持つベルトだ。

(C)Zuffa/UFC

また今大会ではUFCファイターのケビン・リーの出場も急遽決まった。

元Bellatorファイターで、AJ・アガザームに勝利しながら、その後ファイトの機会が与えられていないクリス・レンチオーニと対戦予定だったジョーダン・ホリーの欠場を受け、3日前のスクランブル発進にUFCライト級インターリムコンテンダーが同意した。

リーのベースはレスリング。ミシガン州のグランドバレー州立大時代の2年生の時にはレスリングクラブで37連勝を記録したが、MMAに専念するために大学を中退した過去を持つ。MMAではキャリア18勝のうち一本勝ちが8試合、うち7つの勝利がRNCというリー。

(C)BELLATOR

対するレンチオーニはSUGで3勝1敗、コンバット柔術でも勝利している。

パウンド有りとはいえアガザームのバックグラブを逃れ、Zハーフガードを潰すと、キムラの仕掛けにバックから3/4マウントを奪うなどグラップリングは1枚上手を行くか。あるいはレスリングでリーが試合を支配してしまうのか。両者の戦いでは、ケージを効果的に使ったサブミッション・レスリングおよびスクランブルというこれまでのグラップリングシーンでは見られなかった戦いが見られるかもしれない。

また10thPlanetのカイル・チェンバースとタナー・ウェイスグラムのマッチアップも決まっている。

ウェイスグラムはホベルト・ヒメネス、カイル・ベームに連敗中だけに、チェンバースはSUGの一線級であることを示す結果が必要だ。

(C)INVICTA FC

隆盛を究めつつあるグラップリング界にあって、独自路線をいくSUGらしいカード、ある意味、今大会のサプライズがテラ・ラロサの実戦復帰だ。

2002年にMMAデビュー、女子MMAのパイオニアは22勝5敗という戦績を誇りながら、UFCで戦うことなく2015年5月を最後に表舞台から離れていた。43歳になったラロサの相手はリッチー・ブギーマン・マルチネスがキラーの愛称で呼ぶジュリアナ・ミラーだ。

ミラーは10月の女子版コンバット柔術&EBI=メドゥーサのコンバット柔術女子バンタム級GP初戦であのビア・メスキータをOTのエスケープタイムながら破り、大番狂わせを起こした注目の選手だ。トーナメント自体は準決勝で、準優勝のニッキ・サリバンに敗れたが、OTの強さは立証済みといえる。

そんなミラーを相手に、ラロサは往年の重厚感あるサブミッション・グラップリングを披露できるか──非常に楽しみ一戦だ。

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Interview Special ケビン・リー シャーウス・オリヴェイラ ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その弐─オリヴェイラ✖リー「ドミネイトの価値を崩す価値観」

Oliveira【写真】削るMMAという軸から外れたフィニッシャーだと青木はシャーウス・オリヴェイラを称した (C) Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年3月の一番、第2 弾は14日に開催されたUFN170からシャーウス・オリヴェイラ✖ケビン・リーの一戦を語らおう。


──3月の青木真也が選ぶ、この一番。2試合目は?

「シャーウス・オリヴェイラ✖ケビン・リーです」

──UFC初の無観客大会のメイン、世界的に見てMMAワールド活動休止前最後の1試合となります。

「シャーウス・オリヴェイラは……もう何ですかね……僕、昨日1日中ジョルジュ・サンピエールの試合を視ていたんです」

──おぉっ、1日中GSPを!!

(C)DAVE MANDEL

(C)DAVE MANDEL

「で、やっぱり今見ても凄いんですよ。

テイクダウンして、襷でなく基本ボディロックでバックを取って、レスリングが上手で。凄く洗練されていて色褪せない。ハーフでワキ差しパスが綺麗で」

──枕でプレッシャーをかける印象が凄く残っています。

「ハイ、ハーフで僕なんかは腰を畳むんですが、GSPは畳まずグイグイ押してクラシックなパスガードをしています。GSPが2010年ぐらいにMMAに削るという概念を持ち込んだと思います」

──青木選手はそう見ますか。グラインダーはジョン・フィッチだと思っていました。

「あぁ、フィッチもそうですね。フィッチとかGSPを見て、日本人選手も戦略的に削るという戦いを取り入れるようになりました。そのグライディングやドミネイトするという価値観がUFCの戦い方だったと思うんです。僕もその価値観は今も好きですけど、そこを覆す価値観をオリヴェイラは持っています。綺麗な打撃と下からのサブミッションという。

(C)Zuffa/UFC

(C)Zuffa/UFC

彼自身、ドミネイトするスタイルに苦戦して勝ちが続かない時期があったんですけど、打撃の成長があって綺麗なストライキング&サブミッションというスタイルが確立してきたと思います」

──もともと極め力は非常に強かったです。そこで打撃の精度や威力が上がり、極めという部分がさらに際立つようになったかと。

「めっちゃ凄いと思います。UFCで7試合連続フィニッシュって、本当に凄いです。どれだけのフィニッシャーなんだって(笑)」

──ダメージを与えてから、極めるというファイトになってからそこが際立っていますね。

「以前はヒールとか、三角とか瞬間、瞬間で極める感じでしたよね。それだと防がれて殴られていた。しかも、取り合いでジム・ミラーにヒザ十字とか極めらたり。

Oliveira guillotineでも、今はダメージを与えてフィニッシュに誘い込んでいる。この試合でケビン・リーに極めたギロチンもそうですし、2015年にニック・レンツに勝った時からそういう兆しもあったんですけど、最近は際立っていますね。

ブライアン・オルテガもそういうタイプです。打撃で削って、嫌がって組ませたところでギロチンとか三角で仕留める。オルテガもオリヴェイラもギロチンを途中で、作り直すんですよね。一旦、抱えておいてから組み直す」

──確かにアジャストして、極めています。

「アレは器量が相当ある証拠です。無理から絞めても凌がれるなと思ったら、作り直すことができる。アレは相当です。実は僕、試合ではギロチンで勝ったことないんです」

──青木選手はそれこそ凌がれると、下になる仕掛けは試合でないですね。組み伏せてのフィニッシュが特に最近は多いです。

「そうですね、バックチョークとか肩固め。昔はやっていたから腕十字、三角、足関節はあるんです。でもギロチンはない。練習では作って極めなおすことはできるけど、試合でそれができるかといえば、自分に疑問を持っています。

打撃でいえば仕留めに掛っている時でも、相手の動きを見て完全に外して殴ることができる。そういう極めをオリヴェイラは持っているんです。それぐらい綺麗な技量があって、抜け出ていますね。

それでいて足関節もするんですよね。アウトサイドのヒールを取って。カーフスライサーみたいなのも仕掛けるし。サブミッションはほぼ網羅している」

──ライト級王座を考えると、王者カビブ・ヌルマゴドフの対戦相手として、UFCのビッグファイト路線にオリヴェイラが介入することができるのか。

「グッドファイターで僕は大好きだけど、UFCは組まないような気がしますね。でもUFCのブラジル大会ってMMAが好きな人には面白い大会になっていましたよね」

──TUF BRの頃は北米MMAにかなり近づいていたのが、また柔術を見直した原点回帰的な部分も見られて、個性的な選手が増えてきました。

「そうですね、アルドとかはブラジルっぽくなかったですしね。ブラジル大会はUFCクオリティで、片方の選手は全てブラジルで固めることができる。その層の厚さ、アジアでは韓国と中国はやりかけているけど、ブラジルほどではないですからね。ヤヒーラ、デミアン・マイア、そしてオリヴェイラとか、ブラジル大会──好きですね」