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【ONE Battle Ground02】草原の法の番人=モンゴル特殊警察官オトゴンバートル・ネルグイ、出陣

【写真】とにかく豪快なファイターが多いモンゴルから、また注目の選手がONE本戦出場を果たす。ライト級のファイターは要注意だ(C)MMAPLANET

ONE Championshipが9月3日(金・現地時間)に5月に予定されていたオンリー女子大会=ONE Empowerの開催と今月13日(金・同)に録画中継されるONE Battle Gound02の対戦カードが発表している。

7月30日にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録された同大会、メインとセミでは既報の通りジャン・リーポン✖エドゥアルド・フォラヤン、アレックス・シウバ✖ミャオ・リータオが組まれており、今回は他3試合のMMAマッチが明らかとなっている。


ヘビー級のトーマス・ナルモ✖アラン・ンガラニ、フライ級のエコ・ロニ・サプトラ✖リュウ・パンシュアイ、そしてライト級のオトゴンバートル・ネルグイ✖ラフル・ラジュの3試合、ONE初出場のトーマス・ナルモは周囲がワクチン接種を済ませておらず、単独でシンガポール入りを果たしたという情報も伝わっている。

そんな3試合のなかで注目はモンゴルのオトゴンバートル・ネルグイだ。ONE本戦は初出場のネルグイだが、2019年10月に東京で開催されたONE Warriro Seriesに来日しており、長田拓也を相手に強烈なパンチからギロチンチョークで下している。

ネルグイにとって、その長田戦以来の実戦となる。本来、ネルグイは長田戦の3カ月後──2020年2月1日に母国モンゴルのウランバートルにおけるMongol FCで韓国在住の同朋でRoad FCなどで活躍してきたムングントスズ・ナンディンエルデンと対戦予定だった。しかし、モンゴル政府は中国の武漢からアジアに広まりつつあった新型コロナウィルス感染拡大にいち早く対応を見せ、感染者が出る以前に1カ月間の教育機関の休校と催し物の開催を中止させる決定をした。

3月14日に同大会の延期も決まっていたが、ご存知のようにCOVID19はその後の1カ月半で瞬く間に世界中に広まり、ネルグイの本職は特殊部隊に属する警察官で、部隊内での感染を防ぐためにMMAのトレーニングからも離れる必要があった。デルタ株で感染者が増加傾向にあるモンゴルだが、7月5日から練習許可が下りたことで1年半ぶりにトレーニングに戻り、今回の試合を迎えることになったという。

職業柄ネルグイのフィジカル=強度が落ちることはい。とはいえMMAを戦うには特殊警察の任務とは違うスタミナは不可欠だ。以前に極端はガス欠を試合中に起こしたこともあるネルグイだけに、今回の試合の一番の不安材料は対戦相手のラフル・ラジュではなく、自らのコンディションとなりそうだ。

■視聴方法(予定)※録画中継
8月13日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ ONE Battle Ground対戦予定カード

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジャン・リーポン(中国)
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)

<ストロー級(※61.2キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
ミャオ・リータオ(中国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
トーマス・ナルモ(ノルウェー)
アラン・ンガラニ(香港)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
リュウ・パンシュアイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
オトゴンバートル・ネルグイ(モンゴル)
ラフル・ラジュ(シンガポール)

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【ONE Battle Ground】活動再開=7月30日LIVE&収録大会は「中国✖ワールド」?! ジャン・リーポン出場

【写真】Battle Ground02でONEデビューが決まったジャン・リーポンはUFCで2勝2敗、通算MMA戦績は30勝11敗2分──ドゥアルド・フォラヤンは厳しい試合が続く (C)MMAPLANET

19日(月・現地時間)、ONE Championshipが30日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE「Battle Ground」の開催と対戦カードの発表を行っている。

5月28日のプロモーション史上初となる予定だったオンリー女子イベントが、COVID19対策でシンガポール政府がロックダウン政策を採ったため延期を余儀なくされたONEだが、再開まで2カ月──そして女子大会ではなく、通常のイベントが開かれる。


とはいえシンガポールで最近、夜の街や生鮮市場でクラスターが発生し、7月12日に外食の人数が5人に引き上げたばかりだというのに、19日から2人に再び規制が強化された(例外としてファイザーかモデルナ制のワクチンを接種し、2週間が経過している者と感染から回復し270日以内の者、24時間以内に陰性が確認された者)。

基本は在宅勤務で、MMA練習環境も5人から2人(ワクチンを接種者は5名まで)に数制限が入っているという。そのようなかで、今大会は無観客、隔離措置が実施されパンデミック後のONEのニューノーマルとなっているライブ&ダークシリーズ収録が30日に行われる。

ライブ大会はONEムエタイ世界ストロー級選手権試合=王者サムエー・ガイヤーンハーダオ✖プランチャイ・PKセンチャイムエタイジムをメインに、MMAが4試合、キック1試合と計6試合が確定している。

シンガポールのロックダウン後、ONEでは市場開放と予防対策の狭間になるマーケットを睨み、米国、東南アジア、東アジアでのイベントを開催も模索していたという話も聞かれる。そんななか8月13日放送分= ONE「Battle Ground02」ではライト級=ジャン・リーポン✖エドゥアルド・フォラヤン、ストロー級=アレックス・シウバ✖ミャオ・リータオ。27日放送分=ONE「Battle Ground03」はムエタイ・バンタム級のセーマーペッチ・フェアテックス✖タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム、ストロー級=デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク✖バンマードォーチーと、ダークシリーズとして放送2大会の上2カードが一足先に明らかとなっている。。

元TUFチャイナ優勝でRoad FCでも活躍したジャン・リーポンがONEデビューを果たし、同じくWLFやKLFで13勝1敗の戦績を残すバンマードォーチーもサークルケイジ初陣と、録画大会は4試合発表されたなかで中国人選手が3名、30日のライブ大会にも中国から3人が出場する。今回のBattle Ground Sereisは中国大会開催と「中国✖ワールド」というコンセプトの名残り──というのは考え過ぎだろうか。

■視聴方法(予定)
7月30日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE Battle Ground対戦カード

<ONEムエタイ世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] プランチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<ミドル級/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
レアンドロ・アタイジ(ブラジル)

<キックボクシング・フェザー級/5分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
タイフン・オズカン(トルコ)

<女子アトム級/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
リン・ホーチン(中国)

<バンタム級/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
ジェレミー・ピカティウ(フィリピン)

<女子アトム級/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ワン・ルーピン(中国)

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Interview ONE ONE TNT04 ONE119  グラチアン・サジンスキ エドゥアルド・フォラヤン ブログ 秋山成勲 青木真也

【ONE TNT04】フォラヤン戦から13時間後の青木真也─03─「多分、秋山さんがやらない。逆にいえば……」

【写真】青木真也の創る物語が、再びONEというプロモーションのなかでも点から線になりつつある (C)ONE

29日に開催されたONE119:ONE TNT04で、エドゥアルド・フォラヤンを1R4分20秒、腕十字で下した青木真也インタビュー最終回。

勝利から13時間後に訊いた青木の心境──最終回はフォラヤンへの想いから一転、人が変わったような口調で行った秋山成勲へのアピールの真意と、青木真也のこれからのストーリー創りについて尋ねた。

<青木真也インタビューPart.02はコチラから>


──パス回しですか(笑)。色々なところに布石を打っているなぁと感心しました。

「コレもいつでもデキるんでっていうのは、示しておきました(笑)。でも、もうちょっとフレッシュ感のある試合がしたいですね。時間がないから、そういう風に思います」

──あの発言により、『なら青木✖秋山だ』という流れが生まれることも考えられます。

「多分、秋山さんがやらない。僕はそう思います。逆にいえば、ちゃんとそう見ている上でのマイクです。秋山さんからすると、僕と戦っても何も得がないから」

──青木選手の方が組まれた場合、スピンオフのような物語を創ることができると思いますが、逆に秋山選手の方がそこ一本みたいになるとやり辛いというはあるかもしれないですね。

「いや、そうだと思いますよ。それが明確に分かっているから、特にあそこからやりとりもないですし。僕も……なんだろうな、今のONEのなかで誰とやりたいかって聞かれて、誰かの名前が明確に出るってあんまりないですよね。

まぁ秋山さんがやらないってことは、皆分かっていると思います。秋山さんは韓国を何とかしたいと思っていて、僕とやる必要がない。それをいうとエディ・アルバレスだって、別にやりたいわけじゃないと思っていますし……そういうことをやりたいわけじゃないので」

──今日のエディ・アルバレスの敗北を受けて、青木✖アルバレスIIIが組まれたらレジェンドマッチになってしまうようになりました。

「見ていて、心配になりました。もう打撃で攻めることができなくて、クリンチで攻めていた。以前は打撃のためのクリンチがだったのが、クリンチのための打撃になっていましたからね。打撃があるからこそのテイクダウンだったのに……今回、負けたことでエディ・アルバレスも難しくなっちゃいましたね。階級を落とすとかしないと、物語が創れないですね」

──ONEもあれだけアルバレス推しが凄まじかっただけに、厳しいですね。

「あの1Rのダウンで終わったと思いましたよ。止めかけているのに、止めない(笑)。面白かったです」

──あれはレフェリーが忖度したような感じでした。結果的にアルバレスがあそこから戦えたので不問というか、正当なレフェリングにならなかったかもしれないですけど。それにオンラ・ンサンが返り討ちにあい、二冠揃って失うなど色々とあったイベントでした。

「あのンサンに勝ったオランダの柔術家は面白いですね。強い弱いでなくて、あのスタイルは珍しい。ンサンの相性が激悪でした」

──重い階級も物語を創作するのが難しい展開になってきていますが、青木選手もカードが決まってから動き出すという受け身の展開ですね。

「そういう意味でも、今回は相手も代わってやり抜いた。それが嫌だということじゃなくて、色々とあってもやり通せたので、次はフレッシュな相手とやらせてねっていう感情はありますけどね」

──そこに北米色があればなおさら、で。

「またUFC系、北米の選手が入ってくると思います。アルバレスがこうなってしまって、TNTの数字がそこそこ良かったというのを聞いて──そこはあるかなって期待しています」

──セイジ・ノースカット戦の決定から、いろいろとあってフォラヤンと戦い完勝。そして彼への心温まる気配りがあった今大会での戦い、青木選手自身は物語として満足感はどれぐらいありますか。

「なんか……しんどいッスよ、正直いって。色々な人に協力をしてもらって、責任を背負うことで踏み出すみたいなことこをやっているから。これはこれで楽なモノじゃない」

──このところは、プロモーションサイドと手を取り合って物語を創るという手法を用いなくなっています。

「もう業界を変えようというテンションは全くないです。自分の好きなことを頑張ってやりましょうっていう考え方で。でも、そこを協力し応援してくれる人がいるので、なんだかんだとプレッシャーはあります。それがあるから頑張ることができているんですけどね」

──以前と比べて、純粋に応援したいという関係者が増えていないですか。

「きっと格闘技を真面目にやることで、そこを応援したり、伝えたいという人が回りにいてくれるようになったかと。真面目にやってきたことを理解して、評価してくれる人たちですね」

──そんななかいきなりですが、次はいつ頃と考えていますか。

「どうなんですかね(笑)。5月の終わりは女子大会、そこから録画放送がある。そうなると8、9月ですかね。まぁ年内にもう1試合はあるかなって。ONEも人手不足だから、勝っていると組まれるという感覚はあります」

──勝ち続けることで、世界戦に繋がるのであれば。またその道も見てみたいものです。

「それには……理屈が合うよう、説得力が持てるようにしたいです」

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Interview ONE ONE TNT04 ONE119  グラチアン・サジンスキ エドゥアルド・フォラヤン クリスチャン・リー セイジ・ノースカット ブログ 秋山成勲 青木真也

【ONE TNT04】フォラヤン戦から13時間後の青木真也─02─「川尻さん、北岡さん、宇野さんに通じる」

【写真】戦った者同士というよりもジャンル、興行を背負ってきた者同士だから青木はフォラヤンに感じ入るモノがあった (C)ONE

29日に開催されたONE119:ONE TNT04で、エドゥアルド・フォラヤンを1R4分20秒、腕十字で下した青木真也インタビューPart.02。

勝利から13時間後に訊いた青木の心境──第2弾は勝利者インタビューで話したフォラヤンへの感謝の言葉、そして次の試合に関して挙げた2人の選手についてお届けしたい。

<青木真也インタビューPart.01はコチラから>


──マウント&ヒジ打ちの連続で、フォラヤンの気持ちは「もう楽になりたい」という風に。

「ハイ。肩固めは絶対に嫌だっただろうし、背中も向けたくない。だからマウントを取った形で、ずっとヒジを落とすことができました。気持ちが折れているということまでは言わないですけど、かなり参っているという感じは伝わってきていました」

──もうヒジで勝負がついていたということですね。

「肩固めができて、背中を向けることを嫌がる相手にはエルボーは有効な攻撃ですね。そこからは肩固めとバックチョークを警戒しているから、もう腕しかないですよね。最後はバーバルタップだったので、腕が入っていてタップできなかったというのもありますけど、割と観念した感はありました。だから、もうきつくはしなかったです」

──支点を作って、バチっと可動範囲が大きいケガをする腕十字ではなく、じわりとしぼるような。

「そうですね。痛くなる前に諦めているし、ケガもなかったと思います」

──試合後のエドゥアルドへの発言は、お互いが相手も代わって同じ境遇で仕事を全うしたことに関して、労いの言葉だったのでしょうか。

「それもありますし、僕は2016年に彼に負けて。フォラヤンはそこでチーム・ラカイも一緒に上がった。彼はそこから先頭を走ってきたから。あのポジションの厳しさも分かりますし。フィリピン大会は必ず出場するわけで。どう考えても、消耗しているじゃないですか」

──そうですね。

「フォラヤンには献身という部分があると思っていて。僕もそういう立場にあって──この5年間、お互い良い時と悪い時があったし、『まぁ、大変ッスよね』みたいな気持ちになっていました。同じ階級で、同じような立ち位置で。フォラヤンがやってきたことは大変だと思います。

マーチン・ウェンに負けて、アミールに勝った。そのあと、僕とやってくれた。そこからもタフな試合が続いている。結構、しんどいはずです。だからケージの中でも『もう1回』って言って、向うも指さして笑っていて。そうやって別れたんですけど……。

それは言葉通りの『もう1度戦おう』ということではなくて、これからも格闘技を頑張って続けていると、またどこかで会えるよね──という感じなのかと思います」

──好きなことを続けていると、また巡り合う。つまり『お前、辞めるなよ』というメッセージですね。良い話だ。

「なんだろう……川尻さんとか、北岡さんとか、宇野さんに感じるモノに通じていますね」

──もう、エドゥアルド・フォラヤンも戦友なわけですね。ところで、ここ2試合の勝ちっぷりを見て、国際実況陣からは『クリスチャン・リーと』という発言も聞かれます。きっと勝利者インタビューでも、ベルトに挑戦という言葉が欲しくて『次は?』という問いがあり、そこでの返答がまずセイジ・ノースカットでした。

「セイジは一応決まっていたことだから、やれればねということで。そこまで強く思ってのことではないです。でも、若くてUFCにいた選手とは戦ってみたいですね」

──クリスチャン・リーという名前が出ないのは、もうタイトルとは違うところで戦っていきたいという気持ちの表れなのでしょうか。

「クリスチャンとは、一度白黒ついてしまっているから。そこらへんは弁えているつもりです。僕が26歳ぐらいだったら、この4連勝でクリスチャンとやりたいと言っても筋が通ると思いますけど……年を喰っているので。もう一度、クリスチャンとやるには、それこそセイジやダギ、オク・レユンなんかに勝つ必要があるかと。今の立ち位置でそれを言っても説得力がないです」

──では、若くて台頭してきた選手に勝てばクリスチャンとの再戦もあるということですか。

「あると思います。オク・レユンやダギ、セイジに勝って『クリスチャンとはやりません』というと、もうストーリーラインがおかしくなって、なら『お前はONEでなくて他でやっていろ』ってなりますよね」

──クリスチャンとやる、やらないも青木真也としてのそこで戦う理屈が必要ということですね。

「勝ち続けているうえでタイトルがあるのは、理屈に合うので。ただし次にタイトルとかっていうのは全くないです。別に是が非でもということではないから。自分で言っていることだから、他の人がどう考えるのか分からないですけど、理屈は合っていると思います」

──ONEのことだから、『次!』って言うこともあり得るかと。

「でも僕より優先順位が先の人がいますよね。それは素直に想います。僕、この試合の前に4年前にやってもらったインタビューを読み返していて。マラット・ガフロフとグラップリングマッチを戦う前のインタビューで、『ONEにおけるグラップリングはレジェンド同士になりがちだから、レジェンドマッチになってしまうのか』ということが書かれていて。そこに抗いたいという話をしているんです」

──いやぁ、抗い続けてきたということですね。

「そうなんですよ。4年前も同じことを言ってるわって(笑)。それをシンガポールに来る前に読んでいて、抗い続けることができるなら、もうちょっと抗いたいなって」

──青木選手は減量や階級、好きなこと続けるという精神衛生上の良さもあって、同じ世代の選手よりも心身ともにフレッシュですよね。

「エディ・アルバレスとか見ちゃうと、そう思いますね」

──それでもシンガポールに渡る前日の練習を見せてもらうと、非常に厳しい表情で。好きなことを続けていても、雰囲気が違うんだと感じました。

「試合前は粛々とやるようになります。試合がないときは冒険して足関節とか、スクランブルで逃がすとかできるんですけど、試合前になるとそれがなくなります。足関節でも、ここで極めるっていう入り方で。だから、試合があると練習は面白くないです。格闘技をフレッシュに楽しむということでいえば、試合が終わった直後が一番面白い。

ファイトするってなると勝つことを考えるので。リスク背負えないから、面白くないです」

──それが試合前の素なのですね。ところで勝利者インタビューもセイジ・ノースカットまで純粋に青木真也だったのが、秋山成勲選手の名を出すやいなや、雰囲気が変わり青木選手は演者になりました。

「アハハハ。それは秋山さんが解説するって知っていたから、そっちにもパスを回さないとなって」

<この項、続く>

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【ONE TNT04】フォラヤン戦完勝から13時間後の青木真也─01─「時間を掛けてきたものは、真似できない」

【写真】この試合後の表情からも青木自身にとっても、会心の勝利だったのではないだろうか (C)ONE

29日に開催されたONE119:ONE TNT04で、エドゥアルド・フォラヤンを1R4分20秒、腕十字で下した青木真也。

鮮やか、そして完成度の上がったファイトでの勝利から13時間後に現地で隔離措置中、最後のPCR検査を終えたばかりの青木に話を訊いた。

打撃の組み立て、テイクダウンの引き出し、そして腕十字という流れとこれからについて、共同会見とは少し違った青木の声をお届けしたい。


──フォラヤン戦の勝利から13時間ほど経過しました。

「昼間の試合ってやっぱり難しいですね。初めてだったし。コロナ禍でもあって、試合が終わって宿に戻ってきたのが朝の10時で(笑)。どう1日を過ごせば良いのか……生活リズムが狂っちゃいますよね。

試合に向けての調整も難しくて、これはどうしたものか。興味深いところでもありました。朝の調整も興味深いです」

──今の雰囲気も、試合当日とは思えない落ち着きようです。

「テンションも解放感も夜の試合の時と違いますね。なんか別競技かっていう感じで。夜に試合をがした時は朝まで寝られないタイプなんですが、そこは変わらなずここまでは寝ていないです。でも、普通に夜中になって眠ることになると思います」

──現地でリードカードは8時半の開始で、青木選手も9時半ごろには試合をしていた。そもそも会場入りは何時だったのですか。

「6時45分で、起きるのは5時半でした。エディ・アルバレスはインタビューで、米国にいるときと時間を変えないと言っていましたけど、彼の場合はそのままで良くて」

──ハイ、なんせ米国時間に合わせてイベントがあるわけですから。

「でも、僕はシンガポールと1時間の時差の日本で普通に生活していて、こっちに来てから早く寝るようにしたり調整が必要になってきて」

──時差はないけど、生活リズムを現地で変える必要がある。アジアの利点がなかったわけですね。

「ほんと、これどっちが良いんだろうってありましたね。調整にしても、日本にいる時には朝の8時から練習に来てほしいって言えないですからね。

それに栄養の接種の仕方とかも変わってきます。僕は最近では胃の中を空っぽにして試合がしたくて。そうなると、朝の試合だと朝食を殆ど取れなくて」

──夜の試合だとしっかりと朝食が摂れるので、当日のエネルギー補給で問題がでますね。

「ハイ。エネルギーを蓄えようと思うと、朝の3時とか4時に起きないといけなくなって。そうなると普段と生活リズムが違い、バイオリズムも違ってきますね」

──いやぁ、なかなか大変です。でも、そういう変化があったとは思えないほど、試合は完璧でした。

「どこまでいっても試合は恐怖を感じるし、怖いモノだと再確認できましたけどね」

──スタンドで非常に落ち着いていました。

「そこは開き直りというか、もう自分が信じた戦い方でやる──この宗教でやるんだって。MMAPLANETの岩﨑さんの武術で見るってヤツを読ませてもらいましたけど、腹が据わるということなんですかね。

岩﨑さんの理屈は、僕も分かっている理屈で。あのパンチを出させないというのは……相手にパンチを出させたのは、僕のミス。僕がプレッシャーをかけて、岩﨑さんのいう質量で上回って気圧せていたら、相手は出せないはずなんで。でも岩﨑さんの理屈でいうと完全に下がらせないといけないから、ケージのなかで実践できるかというのは別の話です。理屈としては凄く分かります。

僕も出させてしまったことは悪いけど、相手を褒めてほしい(笑)。

あの状態でよく出したな……みたいなところはあります。なんだかんだでフォラヤンはガッツがあると思いました」

──組みにいくまでがガムシャラ感がないです、今の青木選手は。

「ハイ、そこはゆっくり創って見えているというか。古い言い方ですけど、打・投(倒)・極というところには近づけている気はします。でも20年やって、ですからね(苦笑)」

──それはそこまで積んできた結果で、成果が出たのだから良いではないですか。ここまで続けてきたから、できるようになってきたという見方ができると思います。

「それは凄く良い見方をしてもらっています(笑)。もうチョット早い段階で、これができていたら身の振り方も変わっていたと思います。やっぱり蹴りや距離、時間が掛かることを選択してしまったので、そこは仕方ない部分ですかね」

──時間を掛けて身につけたものは、直ぐに失わないです。

「そうなんです。時間をかけてやってきたものは、相手が研究し辛いし、真似できないですよね。パッとできるものって、真似しやすいじゃないですか。だからなかなか真似をしづらいモノではあると思います」

──今回の試合、組む前よりも、組んだ後で離れられることが一番怖かったです。

「分かります。僕も嫌です。だからこそ、そうなることを想定して覚悟もしていて。そのために、いくつかの引き出しも用意していましたしね」

──あそこで飛びついてガード、フォラヤンが寝技に行きたくないから踏ん張る。その刹那、着地して小外という流れは、用意されていたものなのですね。

「もうジャンピンガードでもないですよね。2005年にマッハさんと戦ったときに、飛びつきガードしてポスチャーされると投げるとかやっているんです」

──修斗での桜井マッハ速人戦ですね。

「グラウンドに行きたく相手、ポスチャーに対してああいう動きは壁レスで練習中にもしていて。しっかり抱き着いてしまうと、相手の重心も真ん中にあるので着地しても簡単に倒せない。だから、引き込むようにする。そうすると、相手はポスチャーして重心が後ろになるから、着地して倒すことができます。

グラップリングがあるからこそなんですが、レスリングでもなく柔術でもない──MMAでしかない攻防だと思います」

──青木真也のMMAですよね。寝技に持ち込まれたなくない相手、テイクダウンの対処をしてきた相手にアレができるのは。それと最後の腕十字、こういうと申し訳ないのですが青木選手らしくないフィニッシュでした。マウントから腕十字は。

「アレはもうエルボーですね。腕十字は外されると下になるからリスキーなんですけど、フォラヤンにそれだけの戦意は残っていなかったです。

ヒジで削っていたので。もう取ってくださいいう精神状況だったと思います」

<この項、続く>

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Bu et Sports de combat Interview エドゥアルド・フォラヤン ブログ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手 青木真也

【Bu et Sports de combat】MMAを武術的な観点で見る。青木真也✖エドゥアルド・フォラヤン「頭の位置」

【写真】唯一といって良い、危険だった場面はなぜ生まれたのか──と武術的に検証する (C)ONE

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──ONE TNT04における青木真也✖エドゥアルド・フォラヤンとは?!


──青木選手がフォラヤンに腕十字で一本勝ちをしました。そしてスタンドでは左ミドル、左ハイという攻撃を見せて組みつくという流れでした。

「腹が据わっていました。剛毅會の道場訓はマナーやスローガンではありません。そんなモノは生きていく上で何の役にも立ちません。その一つに『肚を据え浩然の気を養うこと』とあります。ある意味、武道とは腹が据わるために稽古をしているといって過言でないです。

体の調子がおかしい、癌の検査にいかないといけない。怖いですよ。怖気づきます。でも、もう腹が据わるしかないでしょ」

──そうですね。現状を把握することが、家族と生きていくことですから。

「そこです。そこなんです。それって若い人間には出ないエネルギーなんです。背負っているモノがないと出ない。それが浩然の気なんです。我が身可愛いではなくて、我が身よりも大切なモノがあるというエネルギーは凄まじいものあります。その浩然の気が、青木選手は出ていました。

そうすると時間だったり、空間が変わってきます。だから立ち合った瞬間に、空気が変わりました。間は完全に青木選手で、フォラヤンは殴れない。空気がそうさせないんです。恐れ入りました。質量が圧倒的に高かったです」

──そこまでだったのですね。青木選手からも実は試合後に『少し上手くなってきています。これは実感あります』と連絡があったんです。

「あぁ、なるほど……だからですね。いや、腹が据わることが良いんです。ただし、それも余裕がありすぎるとまた危ない。青木選手が恐怖感をいつものように持っていないのが、実は逆に怖かったというのもあります。不安のなかで戦うから、緻密にグラップリングに持ち込むことできるのも、青木選手の良さでもあるので」

──いやぁ難しいものですね。でもフォラヤンの左フックをほぼよけていましたし、全般的に凄く良い戦いに見えました。

「そこに関しては、今日の青木選手はPFLのバッハ・ジェンキンスと同じでした」

──う~ん、どういうことでしょうか。

「また道場訓の話になりますが、『姿に勢いを持ち至誠真鋭の道を歩むこと』というのもあります。姿に勢い、姿勢とは形のことではないです。そこにある種のエネルギーがあって、初めて姿勢になります。相手がぶん殴ってくることができる姿勢は、姿勢じゃありません。型でそこを創っていきます。

今日の青木選手はジェンキンスと同じで、質量は高いけど、姿勢は悪かったです」

──青木選手が、ですか?

「ハイ。質量が低いのにフォラヤンはあの勢いのある左フックを振るうことが出来ました。もちろん試合だから、殴られることもあるでしょうが、あのパンチは出させない方が良いに決まっています。あのパンチは本当に危ない一発でした」

──それは青木選手の姿勢が悪いからだと。

「ハイ、あくまでも武術的な見方ですが。青木選手の姿勢が悪くて、間がフォラヤンになりかけた瞬間がありました。完全にはならなかったのですが、フォラヤンがあの左フックを出せる原因を青木選手が創ってしまったんです。

青木選手は左ミドルを蹴りたい。ミドルを蹴ることは良いのですが、その前の姿勢で頭の位置が良くなくて、フォラヤンが殴れる状況を創っていました。

具体的にいえば、ミドルを蹴る前の姿勢で、頭の位置が後ろ過ぎたんです。青木選手が飯村(健一)さんとのミットをしているとき、頭の位置はあそこじゃないですよね」

──もう少し前かと……。

「ムエタイのミットは空手のミットのように踏み込んでガンガン蹴るのではなくて、頭の位置と前足の位置関係が一直線につながっています。後ろ足の上に頭がある構えは、ムエタイの型を創るようなミット打ちでは見られないです。逆にフルコン系では顔面殴打がないから、頭が後ろになって蹴っている人がいて、そういう人がグローブをつけた試合に出ると殴られてしまう。そこは嫌というほど見てきました。

青木選手もその状態で左ミドルを蹴るから、あの姿勢は危なかったです。結果論として当たらなかったけど、当たっているとどうなったか。だから、あのパンチを出させない頭の位置の方が良いということになります。間がまだ青木選手だったので、パンチは当たらなかったですが、非常に危ないと感じました。

ただし、フォラヤンが試合後に『テイクダウン対策はしてきたんだけど』というようなことを言っていましたが、もうその時点で青木選手に先を取られていたということですね。あの後の動きも、技を極めようとか──そういうのではなく、探っているように見えました。何か宝探しをしているような」

──宝探しですか……。

「普通はできないですよ、ああいう試合は。それに今日の青木選手の試合後の笑顔は……あれは子供の頃、ああいう顔をして笑っていたんだろうなって想えました。凄く素敵でした。秋山選手の名前を出すまで、完全に素の良さが出ていて。でも、あそこからちゃんと仕事を始めて、そこも踏まえてさすがです(爆)。

格闘技を格闘技で終わらせない。もう青木道ですね。それは彼にしかできないことです。先日Fight & Lifeで対談をさせていただいたときに、青木選手が尊敬と感謝ということに非常に関心を持たれていて。

尊敬と感謝って、自分を信じていない奴にはできないことなんです。自分を信じられていない奴の尊敬と感謝って、『謙虚で良い人だな』って思われるかもしれないけど、それは違う。自分という軸がなくて、人様に尊敬も感謝もできない。そういう人の感謝、敬意を払う言葉は『だから、何とかしてください』っていう代償を求める言葉でしかないんです」

──あぁ……分かります。〇〇〇さんだ(笑)。

「アハハハハ。自信が持てるから相手に敬意を払えるし、尊重できるんです。そこで感じた敬意はホンモノなんです。自分に自信が持てれば、相手を尊重できます。他尊自信ですね。これも剛毅會の道場訓に『他を尊び自己を信じること』とあるんです。この言葉の意味は相手を尊重しなさいと言っているのではないんです。自分を信じることができる人間が相手を尊重できると言う意味なんです。尊敬と感謝されるには、尊敬と感謝をしていないといけない。

その点において、青木選手のこのところの言動を見ていると、自分を信じていることができるようになっていて、尊敬し感謝しているように感じられます。最初にいった腹が据わるというのと、尊敬と感謝は繋がっているんです。自分のことを信じられる人間は尊敬と感謝ができて、腹が据わってくる。次の世代の人間にとって道標になる人間とは、次の世代への責任が果たせる人。青木選手はそういう存在になっていますね」

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ONE ONE TNT04 ONE119 Report エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】これはもう青木というプロ格闘技。フォラヤンを腕十字で破り、秋山成勲に喧嘩売る

【写真】最後は横綱相撲、秀逸だったのは一瞬のジャンピンガードか(C)ONE

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
Def.1R4分20秒by 腕十字
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)

両手でしっかりと握手した両者、サウスポーでゆっくり動き右を伸ばす青木はフォラヤンの踏み込んでの左フックをかわす。青木は左ミドルを蹴り、時間を置いて左ハイへ。フォラヤンがローを蹴り、青木は左右に動くフォラヤンに組みつく。

体を入れ替えたフォラヤンに対し、青木は離れられないように一瞬のジャンピンガードから着地して、小外掛けを決める。両足を四の字フックで束ねて抑える青木は、足を解いてマウントへ移行する。青木は座ってエルボーを落とし、ヒジ打ちを続け足を戻させない。バックに移行できるようにエルボーを続ける青木に対し、フォラヤンは力で暴れる。

と、青木は腕十字に移行してタップを奪う。横綱相撲、これはもう青木という格闘技だった。

「MMAは何でも起こる。テイクダウンの対処は練習してきたけど……。彼のグラウンドは蛇のようにタイトだった。どうなるか、休んで決める。コーチと練習仲間に感謝している。やってきたことは出せなかったけど……シンヤにおめでとうと言いたい」とフォラヤン。

青木は「あのう試合の相手が代わって、エドゥアルド・フォラヤンありがとう。同じぐらいの歳で──もう1回チャンスがあればやりましょう。あなたに5年前に負けて色々と苦しいことがあったけど、皆のおかげで僕もここまでやってきました。エドゥアルド、また一緒に頑張りましょう」と話し、次の対戦相手を問われると「2人います。1人はセージ・ノースカット、必ずやりましょう。1人は今、日本の解説席に座っている、秋山。秋山、おいお前、適当なことやってんじゃねぇよ。試合に穴空けたこと、分かってんのか。えぇ、こら。次はお前だ。よーし、首洗って待っておけ」とまるで人が変わったかのような秋山戦をアピールし、最後に「もう一言、ありとう。それだけです」と言いケージをあとにした。


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Interview ONE ONE TNT04 ONE118 エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】青木真也と対戦、エドゥアルド・フォラヤン「生き永らえるだけでなく、夢を掴もうと……」

【写真】現在2連敗中のフォラヤン。10月30日とはコンディションが違うことを期待したい (C)ONE

29日(木・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE119:ONE TNT04で、青木真也と対戦するエドゥアルド・フォラヤン。

当初の予定ではライト級初陣となる秋山成勲との対戦が決まっていたが、秋山とセイジ・ノースカットの欠場により対戦カードがシャッフルされ、青木との3度目の対戦が決まった。チーム・ラカイは厳格なコロナ予防対策をこうじるフィリピン政府の方針で、昨年10月大会に出場した時点ではコンディション不良が目立った。そして今、チームはコロナの影響を受け続け、一度は決まった試合が実現しない選手も少なくない。そんな逆境にあり、自身も連敗中で過去5試合の戦績が1勝4敗というONEの歴史を創った漢は、どのような想いで青木戦を迎えているのか──23日(金・同)に行ったフォラヤン・インタビューをお届けしたい。


──40日ほど前にエドゥアルドにZoomインタビューをさせていただいた時は秋山成勲選手との試合について、でした。今日は青木真也選手との試合に関してのインタビューになります。

「そうだね。アジャストすることは、簡単ではなかったよ。アキヤマとシンヤはまるで特徴が違うファイターだからね。シンヤは僕と違い、前回の試合で素晴らしい勝ち方をしている……、いつだってシンヤと戦えることは光栄だよ」

──では対戦相手の変更で試合を断るということは考えなかったですか。

「僕はウォリアーのつもりでいるからね。何があろうが、戦う準備はしているよ。それにこのコロナ禍では、いつ次の試合ができるのかも分からない。特にフィリピンの状況は悪化している。巡ってきた試合の機会を大切にしたいんだ。

何よりチームはどんな困難な時もしっかりとした練習環境を与えてくれるから。練習に関しては、前回の試合よりも確実によくなっている。レッツゴー、それだけさ(笑)」

──新型コロナウィルスに感染に関しては4月8日の大会にリト・アディワン、スティーブ・ローマンの両者が出場できず、チームも影響を受けているかと思います。

「そこはね……、どれだけ準備ができていてもテストで陽性になれば試合はできない。僕も何度もテストをして、陰性という結果を得ている(苦笑)。とにかく、このまま無事に試合ができるよう願っているよ。

全てが人生の一部。強くなるしかない。コロナは終わらないし、また問題が大きくなることも十分にある。だから、人間として強くないといけないし、チャンスを逃しちゃダメなんだ」

──現状はチーム・ラカイで練習できているのですか。以前は自宅のあるバギオからジムのあるラトリニダードに行くだけで、診断書の提出が必要だったと言われていましたよね。

「今はそこまで厳格ではなくなったよ。ああいうことを続けていると、皆が疲れ果ててしまうからね。今は診断書の提出などなくて隣町に移動できるよ。

とはいえ、従来と同じ練習ができるということじゃない。今はジムと家でしかトレーニングは許されていないからね。他の施設を使うことができないので、調整はどうしても必要になってくるよ。

練習に関しても人数制限があって、従来の30パーセントしか人が一か所に集まってはいけないんだ。チーム・ラカイもプロメンバー全員が集まって一緒に練習することはできない」

──それは正直、青木選手の置かれている状況とは相当に違いがありますね。

「でもね、こんな状況だからこそチームは一体化しているし、精神的にもタフになれている。凄くハングリーになっているよ(笑)。こんな状態で試合ができるんだ……勝利を目指して一直線だよ。

僕には家族がいる。子供は僕の背中を見て育つ。ただコロナが収束に向かうまで指を咥えて立ち止まっているなんてできない。ここで父親として強さを見せないと、何がダディなんだって。ただ生きながらえるだけじゃない、夢を掴もうとし続けないとね。

幸せになるためには、ちょっとした自己犠牲が必要になるってことも子供たちは学ぶだろう。だからこそ、人々は協力しあわないといけないと知るはずだ。それを子供たちだけではなくて、僕らも学んでいるんだよ」

──そんな気持ちを持って戦う青木選手との3度目の試合ですが、TNTライブ中継でなくリードファイトになりました。ONEの歴史を創ってきた2人のトリロジーが、アンダーカードとはどういうことだという気持ちはないですか。

「シンヤはメインカードで戦うべき選手だ。ジェイムス・ナカシマ戦で、あれだけの試合をしてのけた。きっと、ここ最近の僕の戦績のせいだろう……(苦笑)。それでもフィリピンではアンダーカードでも、十分に注目されている。試合順がどうなろうが、ベストを尽くして戦うことが一番だよ」

──午前中の試合になります。

「そこも踏まえて調整しているよ。きっと朝の9時半ぐらいに戦うんだ。とにかくベストを尽くす。それしかない。僕はまだライト級戦線のトップでやっていけることを証明したいしね。それをシンヤに勝つことで、証明してみせるよ」

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ライニア・デリダー(オランダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

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Interview ONE ONE TNT04 ONE119  グラチアン・サジンスキ エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】フォラヤン戦へ、離日前日の青木真也─03─「戦う選手は火事場泥棒にならないといけない」

【写真】スパーリングの合間に目を閉じて、何やら思案中の青木。イメージトレーニングか、前のスパーを回想しているのか (C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)に開催されるONE119:ONE TNT04でエドゥアルド・フォラヤンと対戦する青木真也インタビュー最終回。

『ノー』と言わない青木は、このカードがプレリミに等しいリードカードになったことをどのように捉えているのか。そして、改めてコロナ禍のファイトに対する考えを訊いた。

<青木真也インタビューPart.02はコチラから>


──そして自分の価値観を持ち続けたいということですよね。

「勿論です」

──そういうなかでセイジ・ノースカット戦の方が、フォラヤン戦より期待の声も高かったです。

「どうなるのかっていう興味も、その方が高かったですよね」

──それでもノースカット戦もフォラヤン戦も同じ意識で、がっかりすることもないと?

「ハイ。特に変わらず、です。この間のFight & Lifeで岩﨑達也さんとやらせてもらった対談での話と同じです。内に向いています」

──先日、Fight & Lifeで剛毅會空手の岩﨑達也氏と対談をしていただいたのですが、かなり武術空手の原理原則に食いついていました。

「アレは、マジです。ここ何年かのなかで秀逸なインタビューです。掛け値なし。Fight & Lifeを読んで、『また下に入ったんでしょ』とかって言う人間もいたけど、違う。『アレはお前、面白いんだよ』って。あれはホント。理屈がちゃんとあります。言われていることも間違っていないし。本当に面白かったです。

ちゃんと理がある。抜群。もっと岩﨑さんは格闘技を語る論客としてフォーカスされた方が良いかと思います。それは岩﨑さんのためにってことじゃなくて、業界のために」

──あそこまで話せるのは、青木選手の打撃に理屈が出来てきたからではないかと。

「何を言っているのか……というのはなかったです。組みも打撃も踏まえて、手の置いている位置の話とか。でも理屈は分かっても、俺には怖いからそれができないとかあって──楽しかったですね」

──なるほど。その打撃の理、戦いの理を持って挑めるフォラヤン戦ですが……、フォラヤンはONE第1回大会のヘッドライナーで、青木選手とはライト級王座を争ってきた間柄です。つまりONEの歴史でもある。その試合が本戦から外れたことに関して、どういうことなんだという想いは?

「ありますよ。あぁ、外れるんだって言う気持ちはあります。ただ、そこに文句を言っても変わるモノじゃないですし。『あっ、そういうことね』ってことで納得しちゃっています。文脈とか物語とか、分かる文化の人たちじゃないから。

出汁がある文化の人じゃない。そこは期待してもしょうがないと思っているのかもしれないです」

──TNTの米国中継用の大会というのもありますし。

「ヘビー級を投入して、なりふり構っていられない。それも分かっていますし。そうすべきだと思います。僕もフォラヤンもこれからメインストリームに入っていく選手じゃないし。上で組まれないことが悔しいとか、それは全然ないです。納得はしているんですけど、『おう、こう来たか。そういう風ね』と(笑)。

僕は労働者ですから。だから、そういうことも含めて自分のメッセージとして伝えることができればなと思います」

──木曜日の試合で、出発が土曜日。隔離期間も短くなったということですね。

「これは本当に助かりました。セコンドをお願いするのに現地で11日とかになると、気を使っちゃいます。それが1週間なら、まだお願いしやすいです。今回は宇野さんが修斗での試合が予定されているので、北岡さんにお願いしました。

北岡さんは付き合いも長いし、そこは阿吽の呼吸です。それでも10日間も付き合わせるのは、申し訳ないです。これまでも僕だけ先に入って、あとから来てもらったりしていたので。それがコロナでできなくて、束縛時間が長くなってしまって。滞在4日ぐらいで終わらせることができていたのが、7日、そして10日になると申し訳ないです。本当に」

──それにしても練習と試合の日だけなのですね、直接顔を合わせるのは。

「一切ないですね。宇野さんは毎日、トレッドミルで走っていましたね(笑)。まぁ、身の回りのことは全て自分でやっていますからね。僕は柔道文化の上下関係が苦手だったんです。だから、荷物を持たせるとか絶対にないですし。小間使いとセコンドと違いますからね。北岡さんも宇野さんにも、セコンドをお願いしているので。そうでないと、逆にしんどくなってしまいます」

──ONEは録画で試合を流し、試合カードも代わりまくっても発表がシレっと対戦カードが組み変わっているだけで、報じ方の時系列もメチャクチャになっています。それでも、現地で何が起こっているのかを考えると、本当によくこの規模の国際大会を開けているなと、ふと思うことがあります。

「回っている。北米とロシア、そして中東とONEしかできていないことをしていますからね。大陸間を越えた選手の行き来を、ここまで感染対策が厳しい国でやっているのは実はすごいことで。

でもコロナ禍の試合は参考試合だと思っています。今、大阪の高校は部活動が中止になっていて。じゃあ、高校総体をやったときにイコールじゃないじゃないですか?」

──東京は都立はダメで、私立はOKです。

「もう、まるで同じ条件ではない。大会ができても、出場している選手の条件が圧倒的に違う。対戦相手もどんどん代わる。これはやっぱりコロナ前とは違う。取り替えず、組めることをする。だから、参考試合──残念ながら、そういうことです。

言い方は悪いけど、火事場泥棒感はあります。そう思っているので、戦う選手は火事場泥棒にならないといけないです。そういうなかで一生懸命やれているので、楽しみです」

──零点に抑える投手戦を?

「ハイ。堅く、堅く。当然、試合なのでやられる怖さもあるけど、しっかりと立ち位置を取ってやりたいと思います」

──ナカシマとフォラヤンは全くタイプが違いますが、青木選手が勝つには組んで、極めること。打撃を貰わず、入る。そこに関して成長しているという感覚はありますか。

「それはあります。試合で戦っていても感じます。あっ、こういうことかっていうのが、理屈が分かってきたというか」

──先ほどの対談の件もそうですが、打撃について話す内容が以前と少し違ってきたような気がします。知識より、感覚が増えているというか。

「そうですね。自分のことが掴めてきて、距離感が違うというのが分かります。だから打撃を被弾しなかったんだというも、少しずつ分かってきています。だからこそ、そこが本当に分かっているのか不安です」

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ライニア・デリダー(オランダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

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Interview ONE ONE TNT03 ONE119  グラチアン・サジンスキ エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】フォラヤン戦へ、離日前日の青木真也─02─「ダウンは嫌だという教育は受けていない」

【写真】ロータス世田谷でのグラップリング練習が、試合前と試合後もさほど変わりがない。それが青木のMMAファイター人生でもある(C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)に開催されるONE119:ONE TNT04でエドゥアルド・フォラヤンと対戦する青木真也インタビュー第2弾。

青木真也はなぜ、『ノー』と言わないのか。この価値観が生まれた背景を青木が語った。

<青木真也インタビューPart.01はコチラから>


──イベントを成立させるため、仕事として。

「ハイ。独特な興行文化で、そこは日本的な感覚だと思います」

──そんななか青木選手はファンが『エドゥアルド・フォラヤンよりもエディ・アルバレスとの試合が見たかった』という意見を持ったとしても、気にならないということですか。

「そのような声があり、気にならないことはないです。でも、そことは違う魅せ方や世界観を創れるぐらいの自信があります。相手が立たなくても自分を曝け出して創る方法や、相手で創っていく方法もあります。リベンジ戦、因縁の決着戦という創り方もある。

そこは色々な意見を言ってもらえるけど、多様性を持って創造していきます。それがベストを尽くすということなので」

──そこに付随する勝敗については、どのように捉えているのですか。

「試合だからアップダウンは絶対に存在します。そこでアップにならないからやりたくないっていうのは、色々なところで見てきたけど……それは嫌な気持ちになってしまうんです。

平田樹がGPに出ることになって、色んな反応があったじゃないですか。あれってもうアップダウンで、アップすることだけを見て、ダウンするのを恐れているから出る反応で」

──興行という全体利益のなかで、勝負という個人の利益が存在する。致し方ないことですけど、それを個人でなく集団の反応があったことはなんか怖かったですね、個人的にも。

「ダウンを嫌がると、成り立たないですよ。ダウンは存在するし、アップだけじゃないと嫌だってなると、ジェイムス・ナカシマ戦なんて受けていないですよ」

──今やセイジ・ノースカット戦にしても、青木選手の実績を若い選手が奪いに来るマッチメイクで。それはプロモーションとしては、ごくごく正常な流れかと思います。

「そういう仕事ですからね。役割です。ダウンは嫌だっていうのは、僕が教わってきたことにはないです。それが僕の受けてきた教育なんです。PRIDEからDREAMで、あの役割で教育されたこと……断ることはできなかったです。『この試合は嫌だ』なんていうことは許されていなかった。

ケガをして、眼窩底骨折しても試合をするのが普通。だから、ケガをしないようにしようという務めることが当たり前になって」

──それが正しいとは思えないですが……。

「ハイ。良いか悪いかではなく、そういう風に教育されたんです」

──以前は対戦相手を問わず、誰とでも戦う。それが普通という時代もありました。そういう時代を経たからこそ、自分の下の世代にそうはさせたくない。『ノー』といえる環境を創りたいという風に思った人々もいるかと思います。

「それができるようになった人は……多分、俺ぐらい詰められていないッスよ。マジで。俺ぐらい詰められていない。絶対、それは言えます。

シャオリンとやりたくないって言ったら、赤坂プリンスに呼ばれてずっと帰してもらえなかった。そういうことをされていない」

──……、……。

「あの時はマッハに負けた次の試合で。やられた後にシャオリンでって……『約束、違うじゃん!! ダウンを飲んだら、アップをくれるって言ったじゃん!!』みたいな(笑)。この仕事で落ちたら、つぎはアップ下さいねって言う話をしていましたからね。『それ、なくないですか!!』って。

そうやって詰められたから、もう嫌で……呼び出されても行かなかった。そうしたら練習が終わった時に、ジムまで来ていた──とか。そういうことされていないから、断れるようになるんです」

──それはもう監禁で、今や出るところに出ることができる話ですね。

「JZとの2回目の時は、赤坂プリンスに半日いましたから」

──つまり青木選手は、当時は「ノー」ということがあったということですね。

「言っていました。『この状況で、1カ月後になんて試合できないです』って言っても『いや、やれ』、『やらなきゃダメ』、『ダメだよ、何言っているの?』って延々と続きます。だから、最後は折れるしかない(笑)。それは実は何度もありました。

今は亡き赤坂プリンスに詰められるなんてことを、誰もしていないから。教育されていないから、断ることができるんですよ」

──それは都合の良い教えであり、教え子にとっての学びではないですね。

「もう白虎隊みたいなもんですよ。ならぬことはならぬものです──みたいな。そういうのがない他の人とは、感覚が違うと思います」

──その経験、今からするとあって良かったということなのですね。

「ハイ、あって良かった。絶対にあって良かった。それがなかったら、強くはなれなかった。あれがあったから、シャオリンと戦って、また強くなれたし自分の中のMMAが進化しました。

DREAMの最初のころは『嫌だ』といっても詰められて、結局はやることになる……どうせなるから、もう諦めて『誰がどうなっても絶対にやる』という風に変わりました」

──『ノー』が通ったことは、なかったですか。

「ない。1度もない。立ち位置的に僕はないんです。ノーが通った人は逆に中心でなかったと思います。対戦カードが興行の都合で変わるなんて多々あったんで。

長嶋☆自演乙戦だって、最初にフィックスされていたのは青木✖川尻だったし。『ハイ、やりま~す』って言っていたら、『へっ? そうなの?』なんてことがあるので。そんなことは毎年ありましたから」

──ノーと言える方が良いのですが、ノーと言えない状況は人間を強くするなと思い返すことはできます。

「フリーライターって、ノーって言っちゃうと次が来ないってことですよね」

──そこは本当にそうで。20代の頃にそれを経験していると、45歳になってもノーとは言えなかったです。

「断れるっていうのは──甘えか、裕福か。この2つですよね」

──もう、その通りだと思っていましたね、実際に私も。ただ今では断りますし、何のためにやるのか──自分の役割は、自分のためになるのか、そこを考えてノーというようになりました。同時に次の世代にはノーといえる環境で仕事をしてもらおうとは思っています。

「そこができるキャリア、ノーと言える自信がついたということでしょうね。それと信頼感、信頼感があるとノーもいえます。でも、僕は『ファイターたるもの逃げちゃだめだ』とかっていう漢気でなくて、仕事だから断らない。

タクシーの運転手をしたら、近くだから下りてくださいなんて言わないし。藤田和之さんや石澤(常光)さんが『穴を空けちゃいけない』とよく言われていて。そこも教えてとして、感じてきたというのはあります」

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ライニア・デリダー(オランダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

The post 【ONE TNT04】フォラヤン戦へ、離日前日の青木真也─02─「ダウンは嫌だという教育は受けていない」 first appeared on MMAPLANET.