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【Shooto2022#06】西川大和─02─「できることは勝ち続けること。勝ち続けながら、その時を待ちます」

【写真】忖度無し? 言いたいことは口に出す西川大和(C)MATSUNAO KOKUBO

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、前HEAT同級王者の草MAXとウェルター級契約で対戦する、修斗世界ライト級王者・西川大和のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ONE出場を目指す西川、ではONEとの交渉はどのように進んでいるのか。RIZIN出場も噂として挙がるなか、修斗で草MAXとノンタイトル戦を行う意味とは――。西川が現状を語ってくれた。

<西川大和インタビューPart.01はコチラから>


――そのONEですが、交渉や契約に関して何か進展はありましたか。一時は日本大会の開催も噂されていましたが……。

「進展ですか――特にないのですが、ONEのほうも若い選手のほうが良いという話があります。あとは今後の進め方次第ですね。海外との行き来についても、徐々にワクチンを接種していなくても大丈夫なケースが増えているので、契約の仕方も変わってくるのかなと思っています。そういう時期を目途にしてければな、と」

――ということは、具体的なオファーがあったということですか。

「いや、うん……やっぱり若くて有望な選手と契約したいということでした」

――言葉を濁すということは、何か動いているとして今後の進展に期待します(笑)。

「戦績や知名度よりも若い選手を使いたい、それがONEなんだなという印象を受けました。そこはRIZINと違いますよね。僕はRIZINの選手をアスリートとして見ていないので」

――……。一転、ハッキリすぎる発言で。そういうことを言ってしまって良いのですか……。正直、こちらがドキドキします。

「全員がそうというわけではないですが、ONEやUFCと契約できないからRIZINで──という選手はいますよね。そういった人は自分の名前を世に出したいわけで、僕とは違います。僕は強い選手と戦いたい。それ以外のことは興味ないです。仮にもし興味があったら、もっとSNSの更新が多いと思います(笑)」

――そこでSNSアピール問題を出しますか(笑)。

「アハハハ。僕って、嫌なことを言う選手ですか」

――自分の気持ちに嘘をつきながらMMA人生を歩んでいくよりは良いのではないでしょうか。

「そうですよね……。『日本で無双しているからUFCへ行く』という選手がいるじゃないですか。でもUFCに出たら全く通用しない、日本で無双していていようが、輝きが見られなくなることもあって。

それで言うと、僕が獲ったベルトは日本チャンピオンなんです。ボクシングでいえば次は東洋太平洋であったり世界であったり……僕にとって、それがONEでありUFCなんです」

――前回のインタビューでは「Road to UFCには興味がなかった」ということでした。その後、木下憂朔がDWCSでKO勝ちし、UFCとの契約を勝ち取っています。西川選手はDWCSも興味はなかったのでしょうか。

「正直、何が何なのか分からないんですよね(苦笑)。なぜコンテンダーシリーズがあるのにRoad to UFCをやっているのか――とか。僕自身が他の選手に興味がないっていうのが一番なんですけどね。アハハハ。

でも木下選手が勝ったのは嬉しかったです。僕が目指しているアスリートの世界というのは木下選手や中村倫也選手のような、ずっと格闘技をやっていた人がバリバリ活躍するものなので」

――では次の試合についてお聞きします。現在の西川選手が草MAX選手とウェルター級契約のノンタイトルマッチで戦うことは、どのような意味を持つのでしょうか。

「このままONEを目指して日本ではウェルター級で戦っていくと、もうライト級王座の防衛戦はないかもしれないです。ベルトを返上することもあるかもしれません。もちろん修斗のベルトを巻いたことに関しては、すごく嬉しかったです。でも、やっぱり次の段階を考えていかないといけないですよね。

ただ、チャンピオンになってからの3試合は全て防衛戦のつもりで戦ってきました。たとえノンタイトルマッチであっても。さらに草選手はベテランで経験値も高い。その意味では自分がチャレンジャーであるとも思っています」

――草選手……。

「何より試合ができることが、ありがたいです。対戦を受けてくれた草選手には感謝しています。相手は僕のことを何て言うか分かりません。『この若造が』って思うかもしれないけど、僕は草選手のことを昔から見ていたので、そのベテラン選手の胸を借りて精一杯やるだけです。だから、草選手って言い方も嫌なんですよ。相手に失礼で」

――そもそも草MAX選手という呼び方なら分かりますが、草選手と呼ぶのは違和感があります(笑)。

「あぁ、そうですね(苦笑)。本名って草柳さんでしたよね」

――はい、草柳茂明さんです。

「では草柳選手って呼びます! 草柳選手はこれまで修羅場をくぐってきていて、尊敬しています。その草柳選手と対戦することができて嬉しいです」

――ただ、ONE側は「若くて有望な……」と言っている。対して西川選手は今年20歳になりますが、当然のことながら年齢を重ねていきます。ご自身の中で、できるだけ若い時に早い段階で契約したいという焦りはないのですか。

「焦りはないです。それは全然……まずプロとして、どういったキャリアを過ごしていくかということのほうが大切だと思います。いずれONEに出て勝つためにも、今は目の前の試合を一つひとつこなしていくことが重要ですから。

なぜかというと、たとえば僕が年齢を重ねていった時、僕よりも若くてイキの良い選手が出て来ますよね。ONEは若くて有望な選手が欲しい。僕がその年齢差をひっくり返すためには、試合の成績が必要で。『年齢は○○より上だけど、ニシカワは勝ち続けている』と考えてもらえるように今の自分にできることは、まず勝ち続けることなんです。勝ち続けながら、その時を待ちます」

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【Shooto2022#06】草MAXと対戦、西川大和─01─「簡単に手に入ったら嬉しいと思わないタイプで」

【写真】リモート取材にONEのキャップを被って受けた西川。7月のインタビューで話していた、ONEへの想いが結実したのか──はインタビュー後編で (C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、修斗世界ライト級王者の西川大和が、前HEAT同級王者の草MAXとウェルター級契約で対戦する。
Text by Shojiro Kameike

西川にとって、今回の草MAX戦は修斗のベルトを巻いてから4試合目となる。いまだ西川は明言していた海外プロモーションとの契約に至っていない。今後の西川の往く道を尋ねる前に、彼の日常生活を尋ねた。


――今日はよろしくお願いいたします。

「よろしくお願いします」

――いつもより声のトーンが低めですが、試合1週間前ということで疲労もピークなのでしょうか。

「そうですね……今回対戦する草MAX選手だけでなく、どんどん選手が出てきますよね。であれば強い弱いは関係なく、これからも様々なタイプの選手と当たると思います。それを考えて日々、いろんなことに挑戦しながら練習しています。だから練習量は多いほうだと思うんです」

――それは今の期間に、草MAX選手とは全く違うタイプと対戦することも想定した練習をするということですか。

「はい。ひとつの試合に向けて作戦を立てるというのは、もともと自分に穴がある証拠なんですよ。練習したり試合をすれば、その度に自分の穴が見つかるわけですね。そういう穴を埋めていく練習をしていくという意味です。何よりも自分自身が強くなりたいっていう気持ちで格闘技をやっているので」

――前回のインタビューも今回も取材依頼をさせていただくと、日曜日でというお返事がありました。それは、生活リズムや練習パターンが関係しているのでしょうか。

「基本的に日曜日はプライベートで遊んだり、家族と何処かへ行ったりする時間を大切にする。それもファイターとして重要なことだと思っています。そうやって普段の練習で会う人たちとは違う人に会うと、また別のエネルギーをもらえるし、今後の自分にとって役立つことじゃないかなと思っていて」

――取材でインタビューする側がエネルギーを与えられるかどうかは分かりませんが、その時間を割いていただいて、ありがとうございます。月曜日から土曜日までは練習予定でビッシリ埋まっていますか。

「練習以外のことはしていないですね。練習が終わって外食することもないですし、誘われても全て断ります。でも、そんな自分を理解してくださっている人が多いので。僕ぐらいの年齢になると、色気づく人もいるじゃないですか。大学に入ると、それまで以上に異性と話をするようになったり、お酒を覚えて飲み友達を作ったり」

――西川選手は2002年生まれ、同級生が大学に進学したり就職していることが多いでしょう。そのぶん、誘惑も多くなりますよね。

「でも、たとえばプロ野球を目指している友人がいて、すごくカッコイイなと思うことがあるんです。同じ世代でもプロ野球とかサッカー選手って、アスリートとして追及していますよね。試合だけじゃなく、そういうアスリートの私生活も参考にしていて。

僕、何でもそうですけど、簡単に手に入ったら嬉しいと思わないタイプで。反対に大変な思いをして手に入れたものは、自分の中で永遠に消えないと思っているんですよ」

――……。

「この年になると、いろんなお誘いがあります。それを断っていると、アイツ何だよって思われることもありますよ。でもソコに行って、その場だけでキャーキャー言われることに興味がないです。結果、練習バカになっています(苦笑)。

何より子供の頃から格闘技をやっていて、本当にいろんな方に支えてもらってきました。もちろん両親にも支えてもらい、その中で迷惑もかけてきました。なのに、ここで自分が誘惑に負けてしまうと、自分が周りの人たちに嘘をついているようで嫌なんですよね。
支えてもらったというのは、お金や生活面だけじゃないです。練習で支えてくれた人もいるわけで。時間を犠牲にして僕の練習に付き合ってくれた人がいる。

選手って、誰かを犠牲にして上がっていくものじゃないですか。ここで誘惑に負けたり、それこそ格闘技を辞めたら、そういう人たちに失礼だと思っているので。僕のために何かを犠牲にしてくれた人たちの想いを無駄にせず上に行きたいです」

――試合もそうですよね。勝敗をつけるスポーツなので、西川選手が勝てば、もちろん相手は負けている。その戦績の上に現在の西川選手がいるわけで。

「そうですよね。だから簡単には辞められないし、西川大和ってそんな人だったの!? と思われるようなことはしたくないです。どれだけ周りの人に地味だと思われても」

――となると、格闘技に関わる時間以外は何を?

「格闘技以外ですか……1日のルーティンが全て練習で、あとは食事して、ストレッチをして寝る。これで1日が終わるので、格闘技以外のことをするとなると、どちらかになると思うんですよね。遊ぶにしても1人で何かをするのか、誰かと一緒に遊ぶのかによっても違っていて。こういう言い方は失礼かもしれないけど、皆で集まってワーワー騒ぐのは、自分と似た仲間同士で集まっているようにしか見えないんですよ」

――アハハハ、ハッキリ言いますね(笑)。

「たとえば自分が間違ったことをしたとしても、それを否定せずに良いことだけを言う人と話す場へ行っても、たぶん居心地悪いんですよね。自分が格闘技で上に行きたいという気持ちを失くさないかぎり。そうすると一人で過ごしたり、先のことを見据えている人と一緒にいることを選んでいると思います。さっき言った、プロ野球を目指している友人や、他の競技で頑張っている人一緒にいたりとか」

――自分が格闘技で上に行きたいという気持ちを失くさないかぎり……、ご自身が格闘技を辞めたり、格闘技が無くなった人生を考えることはできますか。

「それは考えられますよ。格闘技が無かったら無いで、何か他のことをしているでしょう。食べていくための何かをして、楽しめるプライベートを過ごす。そこはしっかり線が引ける人間になると思います。歯止めがきかないようなことをするのではなく。

別にそれは格闘技が無くなったらということではなくて、今の生活の先も考えます。何か他の仕事をして成功したら、頑張っている選手を応援する側に回りますね。そうなった場合、自分は昔やっていたからって口を出す人もいるじゃないですか。でも僕は口を出さずに背中を押す。それこそ何の競技であれ、たとえプロになれなくても、何かしらのステージへ行けるようにサポートしたいです」

――西川選手自身が子供の頃からそうやって支えられてきたからこそ、ですか。

「はい。子供の頃から格闘技をやってきたことは大きいと思います。他の競技は若くてバリバリやっている選手ばかりじゃないですか。僕も15歳でプロデビューしていて、そうした他競技のアスリートの基準でいうと、結果を出して30歳ぐらいまでじゃないかな、と考えています」

――現役生活も30歳ごろまで、と。

「だから調子に乗っている余裕もありません。この年齢でベルトを巻くと、調子に乗る人も多いですよね。インタビューを読むと、オレ様気質を出したていたり。僕は出せないです。MMAの現状を考えれば、ONEなりUFCなり海外の名だたるプロモーションでベルトを獲って初めて、ようやくアスリートって言えるんじゃないですかね。他競技の選手から見て『西川大和って本物のプロスポーツ選手だよね』と言ってくれるようになってこそ、ようやく本物になれるんだと思います」

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【NEXUS28】プログレス・ルールで濱岸正幸戦、山田崇太郎―01―「見どころが分かりやすい」

【写真】3月の西川大和戦の(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS28で、プログレスのフォークスタイル・グラップリングマッチに山田崇太郎が出場し、濱岸正幸と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

グラップリング大会で数々の実績を持つ山田が遂にプログレスへ――その山田は、実は練習環境の縁からプログレス設立前、ルールがつくられる過程から知っていたという。プログレスをゼロから知る男が自身の試合の前に、プログレスの印象とルールの見どころを語ってくれた。


――山田選手がグラップリングマッチに出場するのは、昨年7月のクインテッド後楽園ホール大会(団体戦で出花崇太郎――キャプテン☆アフリカと時間切れ引き分け)以来となるのですか。

「そうですね。ただ、今回の話を頂いたのが10日~2週間前ぐらいで、それほどグラップリングの試合をやることを想定はしていなかったです」

――前回のMMAPLANETのインタビューでもMMAを軸にしていきたい、というお話がありました。今もファイターとしての活動の主軸はMMAにあるのでしょうか。

「はい。でもMMAとグラップリング、どちらが上でどちらが下かということはないです。要は練習環境として中心がGENスポーツパレスであり、そこでは礒野元さんにMMAの指導を受けているので、必然的にMMAが主体になりますよね。

世羅智茂君にGENへ来てもらってグラップリングの練習もしていますけど、それも頻度は週1ぐらいです」

――では、グラップリングの試合を目的としたグラップリングの練習には、それほど重点を置いていないということですね。

「グラップリングも好きなので、練習はしたいんですけどね。練習環境のせいではないです。環境は自分でつくるものなので。ただ、最近はその環境がなかったことは確かです。
以前は青木(真也)君たちとも練習していて、最近また青木君から『一緒に練習しようよ』と連絡が来たんですよ。今、青木君と僕で練習するのにちょうど良い場所を探しています」

――山田選手は現在、ご自身のトレーニングジム(PANDA GYM、東京都中央区人形町)を運営されています。昨年8月にジムをオープンしてから、いろいろと環境も変わったのでしょうか。

「いや、そうでもないですよ。ジムも雇われではなく、自分に裁量がありますし。僕たちのプロ練って昼に行われるじゃないですか。ジムでいえば日中はお客さんが来ない時間で、夜に戻ってからジムの指導もできますし、午前中も対応できますから。それを自分の裁量でできるので、良い環境だと思います」

――なるほど。では今回のオファーを受けるにあたり、以前からプログレスのルールや試合などはご覧になっていましたか。

「プログレスって長谷川(賢)さんがやっているじゃないですか。実はルールをつくっていく過程で、長谷川さんから相談されていたりしたんです。長谷川さんはGENの練習仲間ですから」

――おぉっ! プログレス設立をゼロからご存じなのですね。

「日本人選手がMMAで勝つための環境づくり、というコンセプトからスタートしましたよね。日本人選手が海外で勝つためには、どうすればいいか。どうやって育成していけばいいのか、というコンセプトは把握していました。でも自分自身が出ることは、念頭に置いてはいなかったです。だから今回も、オファーを受けてから改めてルールを勉強しました(笑)」

――では、その山田選手に改めてプログレスルールの印象をお聞きしたいです。

「要はMMAで殴られないためにテイクダウンやトップゲームが必要で、トップコントロールやグラウンドコントロールをしたほうがいい。ガードになったら殴られるからマイナスポイントで。上下が入れ替わったら、柔術でいうスイープでなくてもポイントが与えられる。とにかくMMAを想定したグラップリングですよね。このグラップリングで勝つことが、MMAで勝つことにつながるという。

柔術とグラップリングは今、競技性が専門化してきて、MMAとは離れた部分もありますよね。フットロックの攻防もそうですし、試合の中で立ち上がりにくいとか。そこでMMAに寄せたグラップリングのルールだと解釈しています。

そのルールの中で柔術家とMMAファイターも競い合えるという認識でつくっていると思います。やっぱりMMAより柔術のほうが、競技人口は多いですからね。MMAファイターの組み技の技術力を上げるために、柔術家の人たちに勉強させてもらう。そういうイメージを、自分で勝手に持っています(笑)」

――なるほど。そこまでのイメージを持っている山田選手に対して、以前から出場オファーはなかったのでしょうか。

「もしかしたら、あったのかもしれないですけど……。もともと僕は引っ込み思案なので、これまで自分から何かに出たいと言ったことは、そんなにないんですよね。グラップリングだとクインテッドぐらいで。それほど積極性がないんです(笑)。練習していて、お話をもらったら出るという感じです。

ただ、プログレスのルールは面白いですよ。同じグラップリングという枠の中であっても、強い選手というのは変わってくるんじゃないですか。まず青木君は強いよねって思います。青木君とも、このルールについて話をしたんです。結局はトップゲームになってきますよね。だからガードゲームが強い選手を相手に、たとえ寝技の力に差があったとしても、テイクダウンやトップコントロールで勝つことができます」

――確かに、そうですね。

「たとえば今はグラップリングで、ガードゲームに引き込まれてからパスできなかったとします。対して相手からアタックされていると、ポイントは入っていないけど負けることがありますよね。プログレスの場合は、その攻防に対して明確なポイントがある。トップコントロールにポイントが与えられるので、それこそレスラーが柔術家に勝てます。

一方で柔術家がトップを取られても下からサブミッションを取ったり、スイープしてトップから勝つこともできる。そういった見どころが分かりやすいですよね。この見どころが明確になってくると、もっと面白くなると思います」

<この項、続く>

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Grachan56 MMA MMAPLANET o UFC パンクラス 修斗 宮田和幸 山北渓人 岩﨑ヒロユキ 平大門 手塚基伸 獅庵 西川大和

【Grachan56】岩﨑ヒロユキ代表に訊く-02-「僕は今、自分が死んでも続くものを残したい」

【写真】後世にMMAを残す鍵が、アマチュアということなのだろうか(C)GRACHAN

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan56では、プロ大会終了後にアマチュア戦=GRACHANチャレンジが開催される。
Text by Shojiro Kameike

プロ興行と同様に、GRACHANチャレンジも開催数が増えている。そこで岩﨑ヒロユキ代表が、アマチュア大会を拡大していく理由を語ってくれた。

<岩﨑ヒロユキ・インタビューPart.01はコチラから>


――現状のワンマッチとは別にトーナメントを開催したいとのことですが、トーナメント制でも全てパウンドとエルボーは有りですか。

「そうです。だって、MMAですから。世界を目指すなら、やっぱりパウンドとエルボーには慣れておかないと。最近マルスジムの平大門代表と、西川大和は小さいころから様々な経験をしていたから今があるっていう話をしていたんですよ。彼の存在によって、それに気づかされました。

世界で活躍する選手を輩出したい、皆そう思っているなかで我々はどうするべきなのか。考えているうちに、自然とこのルールに落ち着いてきましたよね」

――そのGRACHANチャレンジを広めていくための仕組みも、頭の中にあるのでしょうか。

「アマチュアを広めていくためには、もう回数を重ねていくしかないですよね。ただ、予想以上に開催回数も参加人数も増えてきています。ルールは違いますけど、いずれアマチュア修斗さんと対抗できる形になっていくと思っています。

なぜかといえば、各ジム代表が以前よりも柔軟だからです。昔は、このジムならこの大会へ――という型にハマっていたじゃないですか。今はそうではなくなっている。あとは僕たちが大会を運営している背中を見せて、各ジムの代表さんに信用してもらう。口じゃなくて行動で見てもらうのが一番だな、ということが15年やってきて分かりました。

何より一番強いのは、たとえば大阪だとGRACHANに出てくれている手塚基伸や獅庵たちが自分のジムを持つようになってきたことです。彼らから話を聞いて、もっとアマチュア大会を開催してほしい、年2回はやってほしいという声もあります。これからもっと時代は変わりますよ」

――では、今後GRACHANチャレンジの大会が増えていくなかで、それらを全てケージで開催するのですか。

「そう考えています。たとえケージが小さくても」

――そうなると会場選びやケージ運搬の問題も出て来るかと思います。

「それは今、九州でGRACHANチャレンジを開催したいと思っているのですが、地元でケージを設置しているジムさんと相談しています。そういった場所を借りてジムファイトからスタートしたいと思っています。それで選手が増えてきたら、いずれGRACHANチャレンジと一緒にプロ大会も開催したいと考えていますね。

そこは段階的にやっていきます。アマチュア大会が認知されていくと、その場所で選手もお客さんも生まれてきますから。将来的にプロ大会の開催も夢ではないです。だから今後数年はアマチュア大会が重要になってくると思います」

――なるほど。プロ、アマに限らず大会数が増えていくと、必ずマンパワーの問題に陥ります。現在GRACHANチャレンジのほうは、どなたが管轄しているのでしょうか。

「アマチュアのマッチメイクも全部、僕ですよ。もうちょっと先が見えてきたら、人を雇うかもしれません(苦笑)。ただ、誰もやりたがらないんですよね。選手を集めるのは、宮田和幸君も手伝ってくれているから、楽になってきたんですけど……。北海道はマルスジムが新たにケージを設置する予定で、宮田君とは『仙台大会もやりたいね』と話をしています」

――そこまでアマチュア大会の全国展開を考えるキッカケは何だったのでしょうか。

「前に宮田君と一緒にインタビューしていただいた時にも言いましたけど、たとえ少しでも僕が関わっているところからUFC王者が出てほしい。それだけなんです。日本人選手がUFCのベルトを巻いている姿を見ながら、昔この選手はGRACHANチャレンジに出てくれていたんだよなぁ、とか」

――お酒を飲みながら、しみじみと。

「アハハハ。そうです、そうです。たとえば先日パンクラスのベルトを巻いた山北渓人選手って、昔GRACHANチャレンジのBクラスに出てくれたことがあるんです。もちろん彼は他のアマチュア大会も経験していますけど、ちょっとは自分も貢献できたのかなぁ、なんて自己満足ですよ(笑)。

今大会ではないですが、フェザー級トーナメントにエントリーしている和田健太郎は、純粋なGRACHANチャレンジ出身選手です。彼がトーナメントで優勝したら、それこそ初のGRACHANチャレンジ出身のGRACHAN王者が誕生します。

やっぱり強い選手を出すためには、とにかく経験が必要ですよね。GRACHANも昔はセミプロの選手もプロ扱いでバンバン出していましたが、GRACHANを広げていくための手段でした。それは間違いだったと、今は分かっています」

――それは平大門マルスジム代表もインタビューで仰っていましたね。最初は認知度を上げるために地下格闘技を謳っていましたが、大会を続けていくうちに選手のレベル差が大きくなって、仕組みを考えていくようになったと。

「やっていくうちに、気づいたということですよね。GRACHANも叩かれながら上がってきましたから。でも、だから今があるわけで。……僕は今、自分が死んでも続くものを残したいんですよ」

――……えっ!?

「GRACHANのプロ大会は、僕が死んだら無くなるかもしれません。でもアマチュアはそうならないように。僕がいなくても形として残る。出ていた選手がプロで勝ち上がることで、しっかり続いていく――そういうアマチュア大会をやっていきたいです」

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【Shooto→?】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(12)西川大和─02─「記憶に残る人間になりたい」

【写真】媚びない、忖度なしの西川大和(C)MMAPLANET

昨年9月に18歳9カ月で修斗世界ライト級のベルトを巻いた西川大和が今、これからの戦いについてどうのように思っているのか――を赤裸々に語ったインタビュー後編。

2022年、夏~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第12弾は、戦いもステップアップの仕方も──そして生き方も独特な西川大和に話を訊いた。

<西川大和インタビューPart.01はコチラから>


――現状と将来、どちらも現実的に見ているということですね。

「そうですね。ONEに関しては、ワクチン接種の義務付けがないのであれば試合をしたい。そこが一番です。本当に」

――可能かどうか分からないのですが、仮にONE日本大会があれば国内ですし接種云々は関係なく試合ができたり、PCRの陰性証明だけで入国できる国の試合のみ出場するという風に、互いの妥協点を見出せると良いですね。

「それはもう……例え1試合だけでも戦えるなら、ONEに出たいです。西川大和が『日本大会があるなら、1試合でも出たい』と言っていると書いてください」

――ハイ。そこまでONEを希望しているのは意外でした。

「ONEのライト級は77キロで、水抜きなしです。そういう点でも戦ってみたいんですよね。それとチャトリさんからは日本の精神、侍の部分が好きなように感じます。そういう純粋な想いで、過去にも日本大会を開いてくれていたんじゃないかと。

そうですね。ONEに出られるなら……それは僕の願いです。僕はMMAをやって有名になりたいとか、これで格好をつけたいとか、そういうことのためにやっているんじゃなくて。この世界でライト級、ウェルター級のなかで『西川大和はヤバかったね』って外国人が言うようなMMAファイターになりたいだけなんです。

そのためにも、自分よりデカくて強い選手と戦いたい。それこそ自分が乗り越えないといけない壁なんです。こんなこと言ったらアレですけど、ブラジル、ロシア、米国人ファイターがしっかりといる階級で、あの侍は自分よりデカいヤツらを倒してきたんだよ――という風に、海外の人のcんです。

だから日本で有名になるとか、そういうことは望んでいないです。とにかく格闘技をやっている人間のなかで、ヤバかったと思われる選手になることを願っています。SNSに力を入れているわけでもなく、スポンサーさんとの付き合いをいの一番にしているわけでもない。その時間があれば練習をしたいと思う人間なので」

――その気持ちのある西川選手がオク・レユン、クリスチャン・リー、ジャン・リーポン、ダギ・アサラナリエフらと交わる日がくればと素直に思います。

「彼らは強いです。ONEのライト級のトップは強い。じゃあ日本人で、誰が彼らに勝てるんだって。今、日本人選手がエンターテイメント路線のMMAを戦ってマネーが動いたとしても、身分不相応な試合を組むと勝てないですよ。

やってみないと分からないですけど、×××××選手とか強いです。×××××選手は上手い。ただ強いか、上手いか。クリスチャン・リーは強くて、上手い。そういう2つとも持っている選手とやって、日本人が勝てるのかって。

だから、僕はONEに出たいんです。父も『日本で騒がれていても、向こうに行けばボコられる』と言っています。レスリング、柔術、ボクシングでエリートだった選手集まっているのが海外のMMAです。そこにノリで一旗揚げるとかいって乗り込んでもボコられるのは普通の話です。日本から乗り込んでいって、ウェルカムで戦えるような甘いものじゃない。敵ですよ。だからタイで練習できるようになったら、まずジムでボコります。そこでまずヤバいやつだという印象を植え付ける。

『ヤマト・ニシカワです。お願いします』なんて気持ちで練習するつもりは一切ないです。だって、向こうの連中だってそういうつもりでやってきますからね。そういう気持ちが足らないです。練習という名の試合なのに。海外で戦うとか口にしている人が多いですよね。だから、仕掛けてもボコられる。それは当たり前のことだと思っています。

朝昼晩と練習している選手に対して、最低限同じだけの練習をして挑まないと勝負にならないです。だからこそ、勝てると思っていることが間違いないなだけで」

――見る者を喜ばせ、同時に戸惑わせて結果を残していた西川選手。ここまでも自分を貫いてきたので、今日の発言のように好き勝手に暴れてほしいと思っています。

「日本には五輪レスリングで金メダリストがいて、ボクシングでも世界王者がいます。それなのにMMAはどうして、差をつけられてしまったのか。テクニックの差が段違いだからです。そこを世界と口にする選手はわきまえるべきなんじゃないかと思います」

――う~ん、そこまで口にしてしまって大丈夫なのか……と心配になります。

「あのう……日本人選手って国内にいると、試合でも知っている者同士の戦いが多いです。出稽古といっても、知り合いとやっています。だけど僕は北海道にいたこともあって、そういう日本のMMA界に染まっていない。だから、このままやらせてもらいます」

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【Shooto→?】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(12)西川大和─01─「Road to UFCは興味無かった」

【写真】J-MMA界の天上天下唯我独尊……的な存在になっていくのか(C)MMAPLANET

昨年9月に18歳9カ月で修斗世界ライト級のベルトを巻いた西川大和は、早くから最終目標はUFC、その前にONEで実力をつけるという発言をしていた。

そのうえでRIZINで戦うことも視野に入れていることを3月と6月の試合後に明言もした。修斗ではウェルター級で戦い、ストラッサー起一との対決もマイクでアピールした。そんな若い修斗チャンピオンは、今、何を考えているのか。

2022年、夏~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第12弾は、戦いもステップアップの仕方も──そして生き方も独特な西川大和に話を訊いた。


──修斗世界ライト級チャンピオンになり10カ月、その後はVTJと修斗公式戦ではウェルター級で2試合を戦ってきました。現状、ライト級王者として活動──防衛戦を行っていないですが、西川選手は修斗のベルトを持つことをどのように考えていますか。

「海外で名のある大会で試合をするなら、国内でチャンピオンになっていることが最低条件だと思います。でも、それだけを頼りにしても海外で戦うことはできない。だからこそ自分より大きな選手と試合をして、これまでやってきたことがどこまで通用するのかを確認しています。結果を残すことができれば、自分のやってきた練習に自信を持てるようになりますし。

国内の大会のベルトは通過点という言われ方をします。確かに通過点です。UFCやONEで試合をしている人たちは、その通過点のベルトを手にして戦っています。つまり、そのベルトを認定している団体がなければ海外で戦うことはできなかったかもしれない。そういう意味で、僕は修斗に感謝しながら通過点という見方をしています。それ以前に今、マネージメントをしてくださっている方との出会いがあります」

──そこの感謝の気持ちもあって6月5日には修斗・札幌大会に出場したのですか。

「地元で試合をすると、応援してくれる人も多いし、家から会場に向かうというリラックス感を一度感じてみたかったです。ホテルから戦いに臨むと、もう緊張してしまって(笑)。どれだけ寝技ができても、試合はどうなるか分からないです。打撃が良いと言ってもらえても、一発貰うことはあります。そういうことを考えると、本当に怖くて。でも、家から会場に向かうと気持ちが楽でした。

札幌での試合は実は2度目なんです。地元で支えてくれる方への恩返しと、本気で世界を目指している本物の選手がどういうモノなのか、札幌で活動している選手たちに見せたいという気持ちもありました。生で試合を見てもらえると、受ける印象が違うと思います。

ホントのことを言っちゃうと、他の試合と僕の試合は枠が違う。レベルが違いました。回りの選手の試合、全部で12、13試合あったなかでキックと僕の試合だけ他とレベルが違いました。それは東京で本当に強い選手と戦ってきたのと、地元でずっとやってきた選手との違いでもあるので。僕の試合を見てもらうことで、『俺も東京にいって戦うんだ』と思ってもらえると嬉しいです」

──そのような想いがあった西川選手が札幌で試合をしていてから、4日後や5日後にシンガポールでRoad to UFCが開催されました。目標であるUFCとの契約を賭けた戦いが繰り広げられたことに関してどのような想いでいましたか。

「Road to UFCに関しては全く興味なかったです。早く行くのか、遅く行くのかの違い。僕がすぐにUFCではなくて、なぜ今はONEで戦いたいのか。やはり順序というモノがあると思います。15歳からプロでやってきて、そこで培ってきた技術にしても、段階を踏んで使い分けて行かないと、飛び級では通用しなくなります。

だからRoad to UFCへのオファーが来ても、断っていたと思います。もちろん、もうUFCで勝てる技量があるなら構いません。でも現状、日本では国際戦の経験が積めない。そういうなかで米国、ロシア、ブラジルの選手と戦う前に東南アジア、アジアの選手とONEで競い合う必要があると思っています。ボクシングだったら、それ普通です。僕はそういう風に段階を踏まずに、レベルに不相応な試合を組まれても、その先に繋がらなかったり、それこそケガをしたり、心を折られたりするだけだと思っています。

出る分には『凄いなぁ』とは皆のことは思っていました。それこそ修斗で戦っていた中村倫也君も出ていましたし。凄いなとは……僕は嫉妬とかしない人なので」

──是非ではなく、SNSのご家族の発言などでワクチンを接種しないことはファンも理解していると思います。ところがONEにしても、両想いでありながらシンガポールに入国するのに予防接種証明書が必要で、戦えない現実が今はあります。

「これはチャンスだと思っています。北海道でやっていて、しっかりと身になっていないテクニックや心構えがあったので、そこをしっかりと創れる良い機会になりました。北海道で試合をしたことで、スポンサーの方の目にも止まったという話も伝わってきています。そうなると、現状も変って来る期間だと思います。

それにタイは陰性証明書で入国できるようになったと聞いています。強さと人間の成長って正比例するモノなので──この僕の心構えを理解してくれるのは、海外の人だと思っています。そういう意味では日本の人たちと離れて、向うで練習するつもりです。試合がデキなくても、日本人が向うに行って練習をするのってプレッシャー的には試合をするようなもので。そういう意味で試合の代わりになるはずです」

──ところで修斗の3月大会、そして6月の札幌大会でRIZIN出場、特に札幌ではストラッサー起一選手との対戦を名指しでアピールしました。

「オファーを頂ければ、出たいと思って発言しました。ただし、若いなりに考えて──生意気を言うようですけど、日本の格闘技自体に間違っている部分があると思っているし、言いたいこともあります」

──もし、良ければ言ってしまってください。

「MMAもPRIDEの全盛期に連盟や協会を創るべきでした。現状はただ単にプロモーションのビジネスのために、選手は使われている面があると僕は思っています。本当にMMAとして確立させたいとか、世に出したいというのであればPRIDEやHERO’Sの時点で協会を創っておけば良かったんじゃないかなって。

皆、ブームが去って格闘技人気が下がるとか、試合を視なくなる人が増えるとか想像できなかったのでしょうね。RIZINについても、2度、3度と続けばPRIDEのようになると思っていた人もいるでしょうし。ただ世の中はそんなに甘くないですよ。そこの辺りをちゃんとしないといけないと思っちゃいますよね、正直。

ストラッサー起一選手の名前を出させてもらったのは、ONEで戦うことが決まらないから。なら、現状で自分にとって必要な試合は国内のウェルター級トップ選手と戦うことだと思っているからです」

<この項、続く>

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DEEP HEAT50 IMMAF MMA MMAPLANET NEXUS28 o Progress RIZIN パンクラス ファビオ・ハラダ レアンドロ草野 修斗 山田崇太郎 森戸新士 椿飛鳥 横山武司 河村泰博 濱岸正幸 竹浦正起 西川大和 関原翔 須藤拓真

【NEXUS28】ネクサスでもプログレス組み技マッチ=竹浦正起✖関原翔、濱岸正幸✖山田崇太郎──実現!!

【写真】柔術家がMMAファイターに攻められる展開が、活動初年度のプログレスではほぼほぼ見られていない。果たして、この一戦は?!(C)MMAPLANET

25日(月)、Progressが8月7日(日)に東京都新宿区GNEスポーツパレスで開催されるNexus28内で2試合のプログレス(フォークスタイルグラップリング)マッチを提供することを発表した。

同大会ではNEXUSバンタム級選手権試合=チャンピオン河村泰博✖チャレンジャー須藤拓真を始め、ライト級でコクエイマックスに敗れたジェイソン・ウィルキンスの再起戦=マーシーグローブTV戦、横山武司✖ファビオ・ハラダのフェザー級戦とタイトル戦線に影響を及ぼす注目のカードが組まれている。

そんな同大会にポイント制ケージグラップリングのプログレス・ルールで濱岸正幸✖山田崇太郎、竹浦正起✖関原翔の2試合が実施される。


共に当日計量で濱岸✖山田は86キロ契約、竹浦✖関原は68キロ契約で行われる。

濱岸は5月のHEAT50でレアンドロ草野と対戦し、柔術ベースのスクランブル&ポジションの草野に9-6で敗れたもの上下の入れ替わりでポイントが加算される同ルールの見所が詰まった戦いをやってのけた。

(C)MATSUNAO KOKUBO

対して山田は日本を代表するグラップラー。3月にプロ修斗で西川大和に腕十字で敗れたが、打撃のないなかでの組み技力はMMAにおける組技とは別モノだ。

そのMMAでは2015年10月にZSTで両者は肌を合わせており、濱岸がスプリット判定勝ちを収めている。レスラーがケージに押し込んでテイクダウン、そこからスクランブルという流れでないグラップリング、スイープやリバーサルを交えたサブミッション重視の試合になることが予想される両者の再戦、どのような組み技の攻防が見られるか楽しみだ。

竹浦✖関原は、まず関原の参戦に驚かされた。格闘代理戦争からIMMAF世界大会を経て、パンクラスでMMAデビューを果たした竹原は、ネクサスには2020年12月大会に1度参戦経験がある。

その試合後からDEEPを主戦場とし、昨年11月にはRIZIN出場も果たした関原は、NEXUS以降の戦績は7勝1敗──DEEPフライ級GPに現時点で名前がないのが不思議な国内フライ級の有望株だ。

とはいえ、このルールにおけるMMAファイターは攻撃力の前に防御力という部分で柔術家との力の差を過去7カ月で見せつけられてきた。実際、竹浦も5月のHEATで椿飛鳥と対戦した際には、シングルレッグに対して前転してビクトル投げの要領から50/50&内ヒールで一本勝ちしている。

上を取ることが有利なポイント制グラップリングであっても、引き込んで極める強さを森戸新士と竹浦は既にプログレス・ルールで示してきた。MMAファイター同士でない、異種格闘技プログレスの場合、関原がまずすべきことは引き込みに付き合わないこと。

ただし、そこは竹浦もジャンピンガードなどで工夫を凝らしてくるだろう。それ故にもう一段上を目指すと、これは濱岸にも当てはまるが、ガードワークに来られても頑強に抑えることができるかどうか。

パンチがなくても、足を絡まれようが竹浦と山田を胸をつけて抑える──いわゆる塩漬けにできれば、その組み技防御力こそMMAに役立つ。殴って逃げられる展開で、殴らなくて逃げられる術がある方がMMAファイターとして強い。

そう戦えるMMAファイターが出てくることで、柔術家も強化できる。何よりもMMAファイターだけでなく、柔術家やグラップラーも真剣勝負の場で自分を試すことができる──それこそが現時点でのプログレスの醍醐味だ。

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ABEMA MMA MMAPLANET o Road to UFC Shooto Shooto2022#05 UFC チャンネル パンクラス ボクシング 修斗 西川大和 風間敏臣 高岡宏気 齋藤奨司

【Shooto2022#05】POUNDSTROMで飛翔、高岡宏気と対戦──齋藤奨司「跳びヒザを躊躇なく出せた」

【写真】POUNDSTROMは齋藤の自信をより確かなモノにした。そんな風に感じられる彼の口調だった(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#05で、齋藤奨司が高岡宏気と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

齋藤は3月の後楽園ホール大会でLyo’oに判定勝ちを収めた1カ月後、POUNDSTORMに出場して風間敏臣を跳びヒザで沈めた。修斗ノーランカーの齋藤に対し、風間はパンクラスのバンタム級1位であったこと。そしてPOUNDSTORM後に風間がRoad to UFCで勝利を収めていることを考えると、結果論だがPOUNDSTORMで最大のアップセットだったかもしれない。格闘DREMAERSを経てプロデビュー戦を落とした齋藤が、この2試合で見せた急激な変化とは? 高岡戦を控える齋藤に訊いた。


――前回のインタビュー後、2カ月連続で試合に臨み、連勝しています。まずこの2連勝については、どのように感じていますか。

「デビュー戦はもったいないことしたなぁ、という感じですね(笑)。3戦目で名前のある選手に勝つことができて……でも、まだまだ試合したいです」

――3月21日に修斗でLyo’o選手に勝利し、翌4月24日にPOUNDSTORMで風間敏臣選手と戦うことになった時、試合間隔が1カ月というのは短くはなかったですか。

「Lyo’o選手に勝った後に次の試合の話を頂いて、やりますって即答しました。相手も強い選手でしたし、やっぱり髙谷(裕之LDHマーシャルアーツ代表)さんの大会でしたから。髙谷さんが初めて開催するビッグイベントで試合ができる、こんなチャンスは二度と来ないだろうなと思って。POUNDSTORMまで1カ月を切っていましたけど、全く迷いはなかったです。まだMMA3戦目のペーペーで、ここでチャンスを掴んでやろうと思いました」

――その2連戦について、まずLyo’o戦について振り返っていただけますでしょうか。Lyo’o戦では、それまでの試合とは異なるファイトスタイルを見せていました。

「自分としては守りに入ってしまって、攻め切ることができなかったなとは思っています。でも相手のテイクダウンを切って、打撃で試合を作ることができました」

――最も印象的だったのは、受けが強くなった部分でした。齋藤選手は自分から攻めることもできますが、あの試合では相手の攻撃をかわしてから、自分が攻撃するといいますか。

「確かに攻めるのが得意なので、今までは自分から先に行く試合が多かったです。ただ、あのスタイルは試合前からやろうと思っていたことではなくて。試合で相手と対峙した時に、自分の距離を作れるなと感じたんですよ。相手のパンチも大振りで、これは受けながらでも戦えるなと」

――終始、手と足、そしてヒザを織り交ぜたフェイントで相手を誘いこんだり、プレッシャーをかけていました。あの動きは普段から練習しているのでしょうか。

「あれは練習しています。やっぱり相手に組ませないように戦うこと、組んできても削っていく。そう考えて練習していて、Lyo’o戦でもテイクダウンは奪われなかったですし。相手は組み際が嫌だったと思います。ケージに押し込まれた時もヒジとヒザで削って、相手が嫌がっているのも分かりました。それも普段の練習の成果が出ましたね」

――あの至近距離の攻防は、Lyo’o戦の対策だったのでしょうか。

「以前から練習していたものです。だんだんと自分のスタイルが分かってきて、こういうふうに戦ったら楽しいなと理解できるようになったんですよね。そこにコーチが僕に合っているものを当てはめてくれました。そうやって今までの練習で築き上げてきたものなんです。誰が相手でも、自分の好きなスタイルをやっているっていう感じですよね」

――齋藤選手が学生時代に経験したアマチュアボクシングはもちろん、プロボクシングでもインサイドワークが得意なメキシカン以外、あれだけ至近距離で相手を削る攻防は見られません。

「MMAを始めて最初は、その距離感に手こずりました。でも今は自分の距離も分かってきたし、ああやって削ることができると楽に戦えますよね。西川大和君とか、ああいう削り方が巧くて」

――一方で、あの試合展開はKOを目指したものだったのか。それともポイントアウトしようと考えたのか、どちらだったのでしょうか。

「フィニッシュしたかったんですけど、自分が勝っているだろうなとも思ったので。あの試合に負けていたら次はない。結果的に、あの試合で勝ったからPOUNDSTORMに出ることができたので、良かったと思っています。ただ……面白くない試合をしちゃいましたよね。勝てたから良かったけど、不完全燃焼みたいな感じで(苦笑)」

――そこは難しいところですよね。以前から齋藤選手の試合を見ていると、Lyo’o戦の変化や進化を面白いと思うかもしれません。しかし試合を単発で見ると印象も違ってきます。

「アハハハ、そうかもしれないですね。僕は4試合やってきて、たぶん全て変化してきていると思うので。そのぶん1戦1戦、成長できている実感はあります」

――さらに成長を見せたのが、POUNDSTORMの風間敏臣戦だったと思います。

「試合が決まった時点では、風間選手がRoad to UFCに出ることは知らなくて。途中で風間選手が出場リストに入っているような話を聞いたんです。それは、僕との試合を消化して、良い感じでRoad to UFCに出ようって感じじゃないですか。ナメんなよ、って思いました」

――風間選手に責任はないとしても、齋藤選手の立場からすれば面白くはないですよね。試合前、ファイターとしてはどのような印象を持っていましたか。

「試合映像を見ると、すぐに組んでテイクダウンして極める。その得意なパターンにハメている試合が多かったので、寝技が強い選手だなと思っていました。もちろんパンクラスのランキング1位なので、強いことは最初から分かっていたので」

――その相手に対して、1カ月で対策を作り上げることができたのですか。

「Lyo’o戦のあとも休むことなく練習を再開して、ずっと対策を練習していました。おかげで、その1カ月間はすごく濃密な期間でしたね。僕がやることは変わらないんですけど、しつこく組んでくる相手をどう対処するか。特に相手が入ってきた時の対応ですね」

――相手が入ってきた時の対応……それがフィニッシュの跳びヒザだったのですね。

「はい。1Rは自分が思っていたより早くテイクダウンされてしまって(笑)。組み技に圧倒的な自信を持っているというか、力がるというより巧さ、テクニックがありました。でもグラウンドは極められなかったので自信を持つことができましたね。それで2Rが始まる前に、セコンドから『今度はお前の番だぞ!』と」

――ただ、1Rも開始早々に跳びヒザを狙って外されていました。一度失敗して、次のラウンドで再挑戦するのは怖くなかったですか。

「アハハハ、もう僕の中で何かが振り切っていたんでしょうね(笑)。

1Rも一度だけじゃなく、何度も狙っていたのに外されていて。でも試合前からイメージしていたし、外したら外したで、次の展開も考えていましたから。……うん、そうですね。やっぱり自分のスタイルが分かってきたから、あの跳びヒザを躊躇なく出せたんだと思います。それは大きいです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月17日(土)
午後1時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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MMA o ONE RIZIN Shooto UFC ストラッサー起一 パンクラス 修斗 平良達郎 木下憂朔 西川大和

【修斗】北海道大会 西川大和パウンドアウトでTKO勝利!

6月5日にサッポロ・イーワン・スタジアムで開催されたプロフェッショナル修斗公式戦 北海道大会。メインでは今だ無敗を続ける19歳の修斗世界ライト級王者・西川大和(西川道場)が登場。韓国の新鋭チェ・ジウン(ROAD GYM WONJU MMA)と対戦しました。

試合は西川がテイクダウンを奪うと上からパウンドと肘を乱射。動かないジウンを見て1R終了直前にレフェリーが試合を止めました。西川の無敗記録は止まらず。地元北海道での凱旋試合を勝利で飾っています。勝った西川はマイクを握り、RIZINストラッサー起一との対戦をアピールしました。

平良達郎と並んで修斗Z世代代表格の西川。ここで止まるはずもなくしっかり勝利しましたか。もはや修斗内で見合う相手を探すのは難しいだけに、このタイミングでのRIZIN参戦は必然と言ってもいいでしょう。

対戦を要求したストラッサ―との試合は見たいですが、もし今後もウェルター級が視界に入っているのであれば、パンクラスを席巻している令和のワンダーボーイ木下憂朔(パンクラス大阪稲垣組)との試合が個人的にめちゃくちゃ見たい。

木下も21歳のZ世代。若い才能の潰し合いは見たくないけど、激しく見たい。複雑な心境が入り混じるマッチアップです。互いに無敗。立っても寝ても試合を決める事が出来るフィニッシャー同士。想像しただけで心拍数が上ってきます。せっかくRIZINに出場するのであればヒリつくような刺激を。。。ご検討のほど、よろしくお願いします。
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MMA MMAPLANET o RIZIN Shooto Shooto Hokkaido ストラッサー起一 西川大和

【Shooto Hokkaido】5分ジャストTKO勝ち。西川大和「RIZINでストラッサー起一選手、僕とやりましょう」

<ウェルター級/5分3R>
西川大和(日本)
Def.1R5分00秒by TKO
チェ・ジウン(韓国)

身長で上回るチェ・ジウンが右ミドルを蹴る。ワンツーから右の蹴りを繰り出した西川がダブルレッグで、一気にテイクダウンを決める。ハイガード&エルボーのチェ・ジウンに対し、西川が左右のパンチを打っていく。チェ・ジウンはヒジを続け、腰を挙げた西川の顔面を蹴り上げる。担いでパスを決めた西川は、サイドで抑えて右エルボーを顔面に、左ヒザをワキ腹に入れる。腕十字から体を跳ね上げてスタンドに戻ったチェ・ジウンだが、蹴りを掴まれニータップのように肩を押されて倒される。

西川は蹴り上げにも、一気にパスを極めてボディにエルボーを落としアームロックを狙う。左腕を差してきたチェ・ジウンに対し、上四方から逆に回って抑えた西川がマウントを取る。左右のパンチを連打する西川。回転数が上がり、ガードをこじ開けてヒジ打ち。ガードを固めるチェ・ジウンに鉄槌やパンチを入れ、腕関節の仕掛けてガードをあけ、エルボーを落とす。さらにパンチ、エルボーから右を連打すると──ついにレフェリーが試合を止めた。

「皆さん、どうでしたか。これが本物の格闘技なんだよ。日本のチャンピオン舐めているじゃねぇよ。俺を倒したかったらなぁ、韓国のチャンピオンでも連れて来いよ。いいか、俺はこうやって何もないところから這い上がってきて、実力だけで本当に這い上がってきました。でもここまでたくさんの方に何不自由なく育てて頂いたことに心より感謝申し上げます。皆さん、ありがとうございます。こんなところで名前を出すのもなんですけど、次、RIZINでストラッサー起一選手、僕とやりましょう。やってください、僕と。僕はまだまだ強くないです。僕はお金だったり、チームメイトのために格闘技をやってんじゃないんですよ。この世界で一番強い男になりたくてやっているんですよ。だから何でもやります。ホント、皆さん宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました」とマイクで話した。


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