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【Bu et Sports de combat】武術的観点で見るMMA。イ・ジュンヒョン✖山本聖悟「競技。暴力。武術」

【写真】イ・ジュンヨンが山本聖悟戦で見せた──見えている状態で、移動でなく質量をそのまま置く打撃とは (C)ROAD FC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たイ・ジュンヒョン✖山本聖悟とは?!


──イ・ジュンヒョンと山本選手、フッという感じのパンチで前者が後者を失神KOに追い込みました。

「このイ・ジュンヒョン選手、強いです。素晴らしいです。韓国人選手の打撃は、根底はボクシングやキックを使って攻めるという部分で似ているのですが、彼の打撃は全く違います。この選手は武術的です。見える、見られるでいうと彼は見えています。山本選手は見られていました」

──というのは?

「両者の距離が1メートルだったとしても、山本選手が普段感じる1メートルより遠く感じたと思います。対してイ・ジュンヒョン選手は、見えているので自分で距離を測ることができていました。

ただし、そこまでは比較的簡単で。言うと誰でもできます。見えるというところまでは誰もができます。見えるからといって、どう攻めるのか。これが剛毅會空手、剛毅會MMAの大難題でした。見えるのは比較的、誰でも見えるようになる。だから怖くない……ここは1度の稽古でそういう風になれます」

──そこから見えているモノに対し、どう攻めるのかと。

「その通りです。どう勝つのか。剛毅會で武術空手を指導すると、初回、最初のやりとりで相手のパンチでのばされるということは通常ないです。まずは見えるよう稽古をしているので。一例をとりますと、松嶋こよみとキム・ジェウンが戦った際、キム・ジェウンの凄まじいKO勝ちを見てから対策を立てました。その際、『こんな風に攻めてくることはまずない』という確信がありました。

相手の選手が鈍感過ぎなければ、猛ラッシュを掛けることができる空気と、掛けられない空気というのは感じ取れるはずです。それが勝負なので。そういうなかで武術の最初の目的は相手を倒すことではなく、相手の戦力を下げることです。猛ラッシュを掛けられないようにした時点で、下げることはできた。なら、次の問題は攻め方です。キム・ジェウン戦で松嶋こよみは、上手く攻めることができました。そういう点においてイ・ジュンヒョン選手は、見え方に加えて詰め方が良かったです」

──詰め方……ですか。

「山本選手は拳(ケン)にも足にも凄く質量があります。彼の打撃をもらうと、相当に痛いことは見てすぐに分かりました。だけど、山本選手の打撃は移動して力を出すよう動いています。武術空手的にはあれだけ質量があるなら、あの打撃は置くだけで十分に痛い。その置くだけで十分に痛い打撃をイ・ジュンヒョン選手は使えていました」

──あぁ……。だからフッという感じに見えたのでしょうか。こん畜生と振りかぶって、勢いをつけて殴っているパンチではなかったので。

「ハイ。だから、あの打撃をシャドーで見ても迫力のあるパンチではないと思います。でも、相手は倒れてしまう。なぜか? イ・ジュンヒョン選手の質量がそのままパンチにあるからです。思い切り腰を捻り、肩を回すようの打つと彼の持つ質量は拳先に伝わらなくなります。イ・ジュンヒョン選手がどうやってあの打ち方を身に着けたのか……。

いわゆる韓国人選手の強い打撃ではない──イ・ジュンヒョン選手はまず姿勢、構えが良く、何より呼吸で入っていました」

──息をする呼吸ではなく、阿吽の呼吸の呼吸ですね。

「これは私が武術空手の先生に習った……モノと同じです。ときおり感覚でそれができる選手がいます。相手が打ってこようとする呼吸に、入り込んで打つ。そういう風に呼吸で打たれると──ブロックで受けました、ステップで避けました、返しましたという概念自体が存在しなくなるんです。

だから高島さんは『フッと』という表現を使いましたが、私の感覚では『すぅっと』という感じです。平行移動して、そのままポンポンと殴った。振り抜くとかいうのではなくて、フルスイングはしておらず置くだけの攻撃で。打つのは2、3回です。

振り抜くと、その前段階の動きが生まれます。結果、相手も分かることが多い。その手のパンチなら、山本選手も察知できたに違いないと思います。そういう動作は相手に伝わります。

だけとすぅっと触る感じだと、山本選手からすれば『まさか』ということだったかと。闇雲だから見えないとかではなく、あの動きは見えない。距離や角度でなく、動作が見える打撃のやり取りをしていると、イ・ジュンヒョン選手のあのパンチは見えなかったはずです。

と同時にMMAグローブでMMAを戦うから、イ・ジュンヒョン選手のパンチは有効で。あの動きをボクシンググローブで打撃だけの試合で使っても、どこまで通用するのか分からないです。イ・ジュンヒョン選手に、サッと構えられると大抵の場合は初動で間違いが生じる。動作を眼で追う打撃だと、そこを感じ取ることは難しいと言わざるを得ないです」

──イ・ジュンヒョンは自分の資質に気付いているのでしょうか。

「それは本人に尋ねてください(笑)。分かっているとすれば、どういう稽古をしてきたのか非常に興味深いです。彼がある種の型によって、あの打撃が使えているのであれば、数ミリ狂った時に戻すことは容易です。そのある種の型がなく、感覚のみでたまたまできているのであれば、再現できることはないかもしれないし、何かの拍子に出るかもしれない。そういうモノですね」

──山本選手にたまたま、そういうことがデキたのかもしれないというわけですね。

「ハイ。対して山本選手はパンチも蹴りも強いです。ただし上と下が繋がっていなかった。パンチも強い、蹴りも強い。けどバラバラでした。蹴りとパンチが繋がってくると、また違うでしょうね。

相手の動作を見て、カウンターを当てる。そういう打撃の凄さ、上手な人は山本選手も含めて多いです。そこは競技的な打撃の強さであり、武術空手の打撃の上手さ、強さとは一線を画しています。

山本選手は素材としてパンチと蹴りの威力はあります。基本、根本を見なおしていけばまだまだ伸びると思います。ただし、インタビューなど読むと……フライ級は辞めた方が良いです。そんな過酷な減量をしていると、試合の準備でなく体重を落とすことが試合前に一番大切なことになるので。

彼の背景も少し知りました。その過去の生き方が、彼の手足の質量に関係しているのだと思います。殴ったり、蹴ったりをルールのないところで使っていた。いわば暴力です。暴力に直結する──普通は躊躇があります。松嶋こよみのように、あの薄いMMAグローブでいきなり人の顔面を殴り飛ばすことができるのは、どうにかしちゃっているんです(笑)。山本選手もその部類でしょう(笑)。ただし、この間の試合ではその部分が見えなかったです」

──あぁ……それはMMAを戦おうという彼の成長の部分が、動きを制限したとも考えられますね。

「MMAは何でも必要で、何もかも知らないと戦えない。その一方で、知っているからと言って……練習したからといって使う必要もない。つまり、あの試合の山本選手は今あることを生かせていなかった。暴力に関して否定的になっている部分があるかもしれないですけど、山本選手の暴力はMMAで生きる武器になるとはお伝えしたいです。

そういうなかでイ・ジュンヒョン選手のKOは偶発的、たまたまの産物かもしれないですが、彼は見えていた。そんな気はします。見えているから、あの最後のパンチがあった。見えている理屈は分かっていないけど、見えている。彼が法則性を持ち、あの動きができれば末恐ろしいです」

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【Road FC60】山本聖悟を初回KO。19歳、イ・ジュンヒョン「日本のフライ級選手、覚悟しておいて下さい」

【写真】2002年9月12日生まれ、19歳。韓国的には20歳のイ・ジュンヒョン。高校生のようなあどけなさが残る(C)MMAPLANET

14 日(土・現地時間)、韓国テグのテグ体育館でRoad FC60が開催され、K-MMA界のホープ=イ・ジュンヒョンが山本聖悟を初回KOした。

コロナ禍のK-MMA界でモディファイドMMAルールのARCでデビューし、今回の山本戦を含みRoad FCでも2勝──2年間で7勝0敗4KOというレコードを残している。Road to UFCのオファーを蹴り、RIZIN出場をアピールするイ・ジュンヒョンに初インタビューを試みた。


(C)ROAD FC

──山本聖悟選手に初回KO勝ち、改めてどのような気持ちですか。

「良い選手ということを聞いていたので、試合前は厳しい試合になると思って緊張していました。それが失礼な言い方になってしまいますが、意外に楽に勝てて良かったです。とにかくキム・ソンオ(山本の韓国名)選手を乗り越えたので、一段階成長できた試合になりました」

──パンデミック後、Road FCはAngel’s FCやDouble GFCと比べるとイベント開催数が少なく、Afreeca TV との共催でARCという3分✖3Rで寝技30秒というモディファイドMMAを行ってきました。ここで名前を挙げたイ・ジュンヒョン選手のことを日本のファンはほとんど知りません。過去を振り返り、イ・ジュンヒョン選手のことをもっと知りたいと思いインタビューをお願いしました。

「ありがとうございます。コロナの時期にプロデビューをしたので、知名度がないことは理解しています。ただしアマチュアからMMAをやってきましたし、ARCとRoad FCで7連勝しています。今はまだ無名ですが、これからは日本でもRIZINで戦って有名な選手を狩りにいくので楽しみに待っていてください」

──おお活きの良い言葉が聞かれました。そんなイ・ジュンヒョン選手ですが、MMAを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「MMAを本格的に始めたのは中学1年生の時でした。Road FCの中継を見て、これが僕の進むべき道だと思ってSSABI MMAで練習を始めました。プロ5戦目から米国のように色々なジムで練習をしようと思いジムを離れ、今はフリーで活動しています。今回の試合前はイ・ユンジュンさんのジム、ジョン・チャンソン選手のジムで練習してきました」

──フリーで活動するメリットはどこにあると考えていますか。

「一つのチームに所属すると、練習相手のスタイルが固定してしまいます。それがフリーで出稽古をしていると、色々な相手と練習できる利点があると思います。それとチームのスケジュールでなく自分の体調に合わせてトレーニングできることが一番大きなメリットです」

──正直なところ、コロナの少し前からRoad FCは興行的に以前のような派手さがなくなってきていました。それでもイ・ジュンヒョン選手がRoad FCに拘って、コロナ禍もARCで戦ってきたのは、どのような理由があったのですか。

「Road FCには恩があります。実際、Road to UFCからオファーがありました。でも、Road FCとの契約を全うしようと断りました。ここから経験を積んで、いつかはUFCのような大きなステージを目指したいです」

──ではUFCに行く前にRIZINで戦いたいということですか。

「韓国国内のMMA人気は落ち気味なのが本当のところです。でもRoad FCと共に韓国MMAに活気を与えたいと思ってやっています。そして日本の大舞台で活躍できれば、それこそ活気を与えることができると考えています。将来はRIZINで結果を残して、オファーがあればUFCにステップアップしたいです」

──RIZIN以前にRoad FCとの繋がりのあるDEEPで、フライ級GP開催の機運が高まっています。

「日本のどの大会でも結果を残せる自信があります。RIZINの名前を出したのは、Road FCとRIZINが協力関係にあるからというのと、大きな舞台で戦いたいからです」

──では日本のフライ級選手で戦いたいファイターはいますか。

「日本人選手の名前は、あまり覚えられないです。スミマセン。ただ那須川天心選手と戦いたいという気持ちは今もあります。自分が格闘技を始めてから、ずっと天心選手がアイドルでした。天心選手がもうキックを引退して、ボクシングに転向することも知っています。でも、今なら天心選手に勝てるという自信があります。

僕はキックで4勝0敗ですが、できればMMAで天心選手と戦いたいです。それが難しければ、フライ級のトップ選手なら誰でも戦いたいです」

──……。そんなイ・ジュンヒョン選手ですが、ARCで戦ってきたこともあるなか打撃に対して、レスリングや寝技はどのように考えているのでしょうか。

「打撃のイメージが強いことは分かっています。でも中一からMMAをやってきたのでレスリングもグラップリングも柔術もできます。全てが含まれているMMAが僕のベースなので……打撃が100点だとしたら、グラップリングでも70~80点ぐらいはあります。柔術は青帯ですが、『日本人選手が僕を組み技で倒せるというのであれば、倒してみろ』と言いたいです」

──おお、楽しみな言葉です。では日本のファンにアピールをお願いします。

「僕も韓国では天才と呼ばれています。だから天心選手には、いつか戦って欲しいです。それと日本のフライ級トップ選手を仕留めていこうと思うので、覚悟しておいて下さい。何より日本のファンの人達には、満足してもらえる試合を魅せる自信まるので、僕が日本で戦う日を楽しみに待っていて欲しいです」

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MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC60 イ・ジュンヒョン 山本聖悟

【Road FC60】山本聖悟、今の自分を出せずイ・ジュンヒョンのワンツーを被弾してKO負け

【写真】リーチを生かした距離が、ケージを背負うと取れていなかった山本だった(C)ROAD FC

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヒョン(韓国)
Def.1R3分12秒by KO
山本聖悟(日本)

互いにサウスポースタンス、山本がオーソにチェンジしすぐにサウスポーに戻す。左ローを蹴った山本が蹴り終わりでオーソに構えると、イ・ジュンヒョンが強烈な勢いで右カーフを蹴る。スネを叩いて笑顔を浮かべた山本の左カーフは、イ・ジュンヒョンにチェックされる。右ハイをブロックして前に出た山本に対し、即座にイ・ジュンヒョンがスピニングバックフィスト放つ。これをかわした山本が左ストレートを伸ばす。

左ハイをブロックしたイ・ジュンヒョン、山本は左ミドルを蹴り込む。じりじりと距離を詰めるイ・ジュンヒョンが、ローに右オーバーハンドを合わせようとする。イ・ジュンヒョンが左リードフック、山本のミドルをブロックしカーフを続ける。これをかわした山本だが、右から左のワンツーを被弾する。

距離を詰めるイ・ジュンヒョン、山本がケージ前をサークリングで間合いを外す。ジャブとヒザのフェイクで前に出た山本だが、イ・ジュンヒョンも構えを変えつつしっかりと間合いをはかって左ジャブを当てる。

ハイから左ストレートで山本が前に出るが、空を切りイ・ジュンヒョンが詰める。

と、左に右を合わせたイ・ジュンヒョンは、直後に左から右のワンツーを打ち込む。

この右が全く見えていなかった山本は、真後ろに倒れKO負けに。

必勝の態勢でMMAファイターとして韓国に渡った山本だが、今の自分を出せず結果を残すことはできなかった。


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【Road FC60】韓国に戻った山本聖悟。イ・ジュンヒョン戦へ「過去の自分を新しくなった自分が倒す」

【写真】インチョンからテグまで移動する社内で今回のインタビューは行われた。まるでインプラントのような真っ白な歯は「日焼けして真っ白く見えるだけ」とのこと (C)MMAPLANET

14 日(土)、韓国テグのテグ体育館でRoad FC60が開催れて、現地ではキム・ソンオ名──山本聖悟がコロナ以降、初めて母の母国のケージに足を踏み入れる。

完全打撃は、バチバチの殴り合いを求めRoad FCと契約、2019年11月の初陣ではパク・ソクハンを2分45秒でKOした。しかし、コロナパンデミックを機に拠点を移していたプサンから帰国、RIZIN、DEEP、Road to ONEと3連敗を喫した。

その山本が再びRoad FCで戦う。対戦相手は6勝0敗のホープ=イ・ジュンヒョンだ。殴り合い上等の地に再び赴いた山本はこの2年間の日本での戦いでMMAファイターとしてMMAの見方、取り組み方が変化していた。

計量前日、お隣の国とは思えないハードな移動と、待ち受ける水抜きを目前に控えた山本に話を訊いた。


──空港を出てテグへ向かう最中にインタビューを受けていただきありがとうございます。

「いえ、4時間以上かかるので全然大丈夫です」

──えっ、4時間以上もかかるのですか!! プサンのキメ国際空港からだと2時間も掛からなかった記憶があります。いや、それ以前にLCCで成田~テグの直行便があったかと。

「それがコロナの影響で、国際便はインチョン国際空港しか発着していないんですよ」

──ではコロナ以前に拠点を置いていたプサンで試合の準備をするという考えはなかったですか。

「考えました。ただ仕事を休むことになるのと、減量もきつくて。塩抜きの食事を摂るのも日本の方が成分表示なんかも信用できるんです。それに症状がなくても、コロナの陽性者数が韓国がもの凄く多くて。それで試合ができなくなるのは避けたかったです。日本でフライトの48時間以内にPCR検査をして、陰性で現地に向かう方がリスクは低いと思いました。

隔離の免除も申請が必要で、それと観光客は受け入れていないので入国にはビザが必要です。僕の場合は興行ビザを取得して韓国にやってきました。日本に戻る時も陰性証明がいりますし、正直ワクチンは反対派だったんですけど海外で戦う、韓国で戦う選択をしたのでワクチン接種も済ませました」

──コロナとの共生時代に入っても、以前と比較すると全くもって不便なままですね。

「ハイ。日本は6月から規制が緩くなるとも聞いていますし、韓国もそこに追従して楽になって欲しいです。本当は日本で勝ち星を得ることが大切だと分かっているんです。でも、こうやってこのタイミングで韓国で戦えるのは僕にしかできないことなので、この選択をしてしまいました。

今、日本とK-MMAを誰がつなげるのかとなったら、韓国にルーツがある僕にしかできないことなので。それが僕の役割で、Road FCが呼んでくれましたし役割を全うします」

──それだけ面倒なことクリアしての渡韓ですし、覚悟のほどがうかがえます。それと今、ZOOMの画面で見る限り相当に頬がこけており、計量前日の現地入りだと相当に絞り込んで韓国に入ったということでしょうか。

「そうですね、日本で落として創ってきました。あと水抜きで4キロですね」

──えぇ、まだ水抜きで4キロも落とさないといけないのですか!!

「今回73キロから落としてきたので」

──73キロ!! 確認しますが、フライ級マッチですよね?!

「そうです。16キロ減量する必要がありました。このところ、秋山さんとのフィジカルトレーニングが成果があって筋量が増えてきたんです。正直、フライ級に落とすのは本当にしんどいとは思っていました。でも、その秋山さんが青木さんとの試合であそこまで落とし切ったので、さすがに僕がノーだとか計量失敗はできないです。だからメチャクチャ怖いです。今もビビっています……(苦笑)。今日の夜が一番怖いです。

藤田選手と戦ったときも水抜き5キロで本当に厳しくて。アレを思い出してしまいます……。ホントはフライ級だとコンディションはバンタム級より悪いです。でも、未練があるというか──フライ級でやるべきことをやっていないので」

──そこに行き着くまでに、まずは減量という大勝負が待っているわけですね。そして現状、3連敗中です。日本で勝ち星が挙げることができず、勝負のファイトになります。対戦相手のイ・ジュンヒョン選手の印象を教えてください。コロナ禍でRoad FCとAfreecaTVの共催イベント=ARCで5勝、Road FCでは1勝と無敗の選手です。ただ、個人的にARCは3分✖3Rで寝技は30秒という限定でMMAであって、本当のMMAではないと思っています。

「僕もそう思っています。あのルールなら、僕もレコードを稼ぐことができます。だからこそ僕は今回の相手にしっかりとMMAを3Rやりきることがテーマです。KOしたいとか、打撃で勝つということじゃないんです。イ・ジュンヒョンもそうだし、打撃ばかりやっている韓国の若い選手達って昔の自分を見ているみたいなんです。

打撃ばっかりだと試合をしていても楽しいです。でも、それじゃ勝てない。MMAなので。今回はMMAをやりに韓国に来ました。僕は日本で3連敗しましたけど、小野島選手と試合ができて本当に良い経験になりました。あの試合もオファーが2週間前で、しかも秋山さんからだったから断れなくて受けました」

──ケガもあって本調子でなかったとも、オフレコで試合前に話してくれました。

「そういう状況で戦って、小野島選手にテイクダウンを奪われても立つことができた。凄くしんどい試合で負けもしましたが、しんどいことを最後まで投げずにできたので自分のなかで成長も感じることができたんです」

──では今回の試合前は組みという部分も重視してきたと。

「試合前だけでなく、小野島選手との試合前からそうです。この試合に向けてもグラント・ボクダノフ選手のALFA FIGHT GYM LIFEで練習してきて。セコンドに就いてくれる吉野(光)選手も『倒せない。立たれる。ブリッジ返しもできない』って言ってくれて。その成果を試合で見せたいですね。

母親の祖国で試合をすることは、いつも楽しみで。それに3連敗してもRoad FCがオファーをくれた。だから彼らの期待を裏切る試合展開になり、もう声が掛からないようになるかもしれないですけど、僕はテイクダウンをして判定勝ちしたいと思っています。それが僕にとって成長になるので。そこを試したうえで打撃を使う試合をしたいです」

──正直、凄く変わりましたね。

「ROAD FCは自分が大好きな大会です。でも鎖国してしまっている状態です。日本に帰国して試合をして、自分が井の中の蛙だったと気づかされました。さっきも言いましたが、今回の相手や韓国の若い選手を見ていると昔の自分を見ているみたいなので。MMAはテイクダウンを織り交ぜた方が、勝つ確率が1パーセントでも上がります。

現状、向うは6連勝の選手で僕は3連敗中。ここで勝たないと終わりだというぐらいの気持ちです。だからこそ今回は自分との戦いだと思っています。過去の自分を新しくなった自分が倒すつもりです」

──ここで勝てばタイトル戦が見てくる試合だと、韓国から伝わっています。

「ハイ。なのでここで勝って、もう1試合フライ級で戦ってベルトを巻いてバンタムに上げます。そして日本に戻って試合をしたいと思います。小野島選手まで辿り着きたいです。僕と戦った次の試合で、小野島選手がチャンピオンになったのは嬉しかったです。次は石井逸人選手と防衛戦ですけど、前の試合は小野島選手が勝ったと僕は思っています。僕自身、石井逸人選手レベルまで上がっていかないといけないです。

そこまであと2段階ぐらい。手を伸ばせて届くところまで来ていると思うので、そこまでしっかりと行きたいと思います」

■ ROAD FC60対戦カード

<Road FCフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・ヘジン(韓国)
[挑戦者]キム・スーチョル(韓国)

<85キロ契約ボクシング戦/3分3R>
クォン・アソル(韓国)
ナム・ウィチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヒョン(韓国)
山本聖悟(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ヒョンウ(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<73キロ契約/5分3R>
ムングントスウ・ナンディンエルデン(モンゴル)
ヨ・ジェウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
イム・ドンフアン(韓国)
ユン・テヨン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ジャン・ギョンビン(韓国)
ヤン・ジファン(韓国)

<51キロ契約/5分2R>
ゴ・ナヨン(韓国)
パク・ソヨン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
イ・シンウ(韓国)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分2R>
ジョン・セボック(韓国)
キム・ミョンハン(韓国)

<フライ級/5分2R>
パク・ジンウ(韓国)
キム・ジュンソク(韓国)

<バンタム級/5分2R>
キム・ジングク(韓国)
ジョ・ミンギュ(韓国

<ライト級/5分2R>
キム・ミンヒョン(韓国)
ウィ・ジョンウォン(韓国)

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【Road FC60】キム・スーチョル✖パク・ヘジン=タイトル戦&リベンジ。山本誠悟も6勝0敗のホープと対戦

【写真】序盤は攻勢だったスーチョルは、初回の一本負けに呆然としていた(C)ROAD FC

韓国のROAD FCが4日(月・現地時間)、5月14日(土・同にテグ広域市のテグ体育館でRoad FC60の開催と対戦カードの発表を行っている。

昨年9月以来、実に8カ月振りのイベントでは前回大会の再戦、Road FCフェザー級選手権試合=王者パク・ヘジン✖キム・スーチョルが組まれた。前回、両者は王座決定戦で戦い左フックでダウンを喫したキム・スーチョルが、パク・ヘジンのギロチンに下っている。


このフェザー級以外にバンタム級もタイトル戦=王座決定戦が組まれた。韓国MMA界の未来といっても過言でなかった完成度の高さを誇るキム・ミンウは、パンデミック発生前の2019年11月を最後に防衛戦を行っておらず、契約満了を迎えて王座返上に。

「長かった」とSNSに投降したキム・ミンウの今後が気になる一方で、彼の返上したベルトを賭けて5月大会ではムン・ジェフンとジャン・イクファンが戦うことになった。

ともにキム・ミンウに敗れている元タイトル・コンテンダーで、新鮮味は欠けるが現有勢力のなかで実績重視でタイトル戦に抜擢されたという見方もできる。

さらに山本聖悟がキム・ソンオの名でイ・ジョンヒョンと戦うフライ級マッチも明らかとなっている。

山本もコロナ禍でプサンから帰国し、DEEPとRIZINへの出場がROAD FCから認められているなかで兄と慕う秋山成勲プレゼンツのRoad to ONEにも出場──も、村元友太郎、藤田大和、小野島恒太に敗れ3連敗中だ。

対戦相手のイ・ジョンヒョンは、コロナ禍でRoad FCがAfreeca TVと共催してきた寝技限定のモディファイドMMAルールで経験を積み、Road FC59でのKO勝ちと合わせて現在6勝0敗のホープだ。とはいえ、その対戦相手は無名の選手ばかりだったので現地ではイ・ジョンヒョンにとって初試練到来という風にも捉えられている。

山本として、実戦だけでなく練習で経験してきた殴り合い上等でないMMAを消化し、いかに打撃の強さを見せるか。この2年間を確認する試合といえる。

また今大会ではボクシング戦が組まれ、クォン・アソルがソル・ヨンホと拳を交える。ご存知、元Road FCライト級王者のクォン・アソルに対するソル・ヨンホは──これもAfreecaとRoadが手を組んで展開したネット配信によるリアリティTV=ファイトクラブの優勝者で、もとは釣りを題材としたYoutuberとのこと。

この試合を組むことに、現地のメディアも賛否両論となっており、真っ向から批判している専門媒体もあるようだ。

1月のRoad to BRAVE後、急激なコロナ拡大が影響したか、音無しの構えだったK-MMA界。しかし4月はBRAVE CF58の前日にAngel’s FC、5月にはこのRoad FC60 以外もDouble GFCのイベントも控えており、ようやく賑やかさが戻って来そうだ。

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【Road to ONE05】右フックからグラウンドでコントロールした小野島恒太が山本聖悟に3-0の完封勝利

【写真】(C)MMAPLANET

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
Def.3-0
山本聖悟(日本)

ガードを下げた小野島が右ミドルハイ、山本は距離を保ちながらプレッシャーをかける。左の蹴りのフェイントからスイッチした山本は、強烈な左ロー。小野島にケージを背負わせて左右のフックを振るう。小野島もスイッチしながら距離を測る。小野島が前に出て切ると、山本は右クロスで迎え撃つが、そのまま小野島が組み付いた。左腕を差し上げ、山本をケージに押し込む小野島。しかし山本は体勢を入れ替えて小野島から離れる。

スイッチを繰り返して距離を測る山本に対し、小野島の左右フックがクリーンヒット。ダウンに近い形でケージ際に倒れ込んだ山本に小野島がパウンドを浴びせる。アンダーフックから立ち上がった山本を、小野島はそのままケージに押し込む。山本がケージから離れて、ケージ中央に戻るが、またも小野島の右スイングフックがヒットする。小野島は山本の左ストレートをかわし、またも右スイングフックでダウンを奪った。

ケージ際で相手の足を畳み、トップをキープする小野島。立ち上がる山本のバックに回り、このラウンドを終えた。

2R、サウスポーにスイッチする山本に対し、右フックを狙う小野島。パンチのプレッシャーに対して下がった山本を、またもケージに押し込む。右のアンダーフックから、小外刈りでテイクダウンした小野島が、サイドから鉄槌とヒザを当てる。亀になって立ち上がる山本だが、小野島もバックに回って離れない。ケージに押し込まれた山本も、すぐに離れる。小野島がプレッシャーをかけ、山本にケージを背負わせてから右フックを放ち、山本をケージに押し込んでいく。

右腕を差し上げながら、山本の顔面に左のパンチを当てる小野島が、ボディロックからテイクダウンを狙う。倒し切れないが、相手の足を畳みケージに押し込んでいく小野島。尻もちを着いた山本が、そのまま引き込むように背中を着いて2Rが終了した。

最終回、小野島が左ハイを繰り出す。山本には少し疲れが見られる。前に出てくる山本の顔面を、小野島の左フックがかすめた。プレッシャーをかけながら左の蹴りを上下に散らし、さらに右フックを放ちながら組み付いた小野島。バックに回り、山本に尻もちを着かせる。山本は立ち上がって小野島から離れたが、小野島が再度プレッシャーをかけ、右フックから組み付いて山本をグラウンドに引きづりこむ。

ダブルアンダーフックやボディロックで食らいついていく小野島が、ダブルレッグに切り替えて山本に尻もちを着かせた。山本はスタミナが切れたか、引き込むように背中を着けてしまう。上半身を起こす山本を、足を畳んでケージに押し込む小野島が、そのまま山本を立ち上がらせず試合終了のホーンを聞いた。


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ABEMA Interview J-CAGE ONE Road to ONE05 ブログ 小野島恒太 山本聖悟

【Road to ONE05】秋山成勲エディション、山本聖悟─02─「チェ・スンウのような試合がしたい」

【写真】しっかりと自分を持っている。言葉にもできる。あとはケージで結果を(C)MMAPLANET

本日5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE 05「Sexyama Edition」で、小野島恒太と対戦する山本聖悟インタビュー後編。

フリーから秋山成勲率いるチーム・クラウド所属となった山本の秋山への想い。そして、漢気と我慢のファイト、理想のファイトスタイルについて引き続き話を訊いた。

<山本聖悟インタビューPart.01はコチラから>


──ところで、さきほどワンマッチ契約ということを言われていましたが、今後に関しては?

「そうですね。ここでチャンスをモノにしたとして、次のRoad to ONEの出場がクリアになるかは僕にも分かりません。自分としても一番はRoad FCでコンスタントに経験を積んでいくことだと考えています。ただし、今回のRoad to ONE出場は僕にとってもチャンスです。小野島選手と戦えることも。修斗を主戦場にしていれば、戦績を積んでから試合ができる相手だと思っています」

──では、今後に繋げるためにどのような試合をしたいと思っていますか。

(C)Chong Sung Ouk

チェ・スンウのような試合がしたいです」

──UFCで2連敗後、現在は3連勝中の元TOP FCフェザー級チャンピオンですね。でも、ほとんどのファンがどんな試合だってなってしいますよ(笑)。

「そうですよね(笑)。チェ・スンウは相手の組みを対処して、打撃を当てて勝つ。判定でも勝てる選手です」

──韓国人選手のイメージとは違う、距離を取る方の選手ですね。

「長いレンジで、近づくと首相撲という戦い方をします。韓国人選手は入って来る相手にカウンターを当てるのが上手い。ただし、近い距離ではUFCで戦うような選手に勝てるのかというと……チェ・ドゥホが答を出していると思います」

──激闘はできても、勝てていないと。

「だから一発KOではなくて、チェ・スンウのようにテイクダウンを徹底して切って首相撲からヒザ、長い距離でパンチ、ローを打っていく。判定勝ちできる戦いのなかで、弱らせてKOするという試合を小野島選手を相手にしたいと思っています。

(C)DOUBLE GFC

そういう試合ができるのか。それが今回の試合のテーマです。

ガチャガチャだと、もうダメです。6月にDouble GFCでUAE Warriorsでも活躍しているAngels FCフェザー級チャンピオンのムン・ギボムがDouble GFCフェザー級王者ホン・ジュンヨンとの王座統一戦で負けたじゃないですか?

あの試合がガチャガチャの試合になって、ムン・ギボムは判定負けをしました。冷静に戦っていれば、スキル的に上のムン・ギボムが勝てた試合です。ホン・ジュンヨンなんて無名の相手に、やってはいけない試合をして負けました。ひと昔前の韓国のMMAのような試合で」

──聖悟選手は、そういう試合はしないと。ただ世界共通ともいえますが、韓国でも多くのプロモーターは乱打戦のような試合を求めています。漢と漢の勝負だ──的な。ところでルーツは韓国でも日本で育った聖悟選手には分かってもらえると思うのですが、韓国人選手って……いや選手だけでなくプロモーターやコーチも、ですね。インタビューでよく「漢として」とか、「漢は」という発言をします。ただ具体的に、どう漢らしいのかが聞かれないんです(笑)。

「アハハハ。その説明はないですよね。それは分かります(笑)。プサンもそんな感じの人が多いです(笑)。ホントにペ・ミョンホ選手とか日本語で『オトコ』、『オトコ』って言っていますからね(笑)」

──ニコニコ笑いながら、言っていそうです(笑)。

「そうなんですよ(笑)。僕は母親が韓国人で、日本人の父とは2歳の時に離婚しているので、母に育てられたこともあって韓国への想いが強いです。だけど文化は日本なんです。だから、男らしさの説明はできます(笑)」

──では、「僕が漢気をまず見せる」と言われていた聖悟選手。その漢とは、どういう漢なのでしょうか。

「僕は秋山さんのようになりたいんです。日本では桜庭選手との試合の印象がずっと残っているかもしれないですけど、柔道時代から日本と韓国の間で苦労されてきたことに、やはり僕は大きな影響を受けています。五輪に出るためにプサンに移った。でも、在日だから韓国内の力関係で実現しなかった……」

──在日韓国人の方が日本国内だけでなく、韓国でも『自分たちとは違う』という風に捉えられている向きがあることを私は現地を頻繁に訪れるまで、理解していなかったです。

「それでも秋山さんは夢を諦めず、韓国に移って1人で住んで五輪を目指すという行動に出ました。それが実現しないと、ご両親の反対を押し切って国籍を日本にした。そういう秋山さんの夢を諦めない生き方を尊敬しています。

結果、MMAファイターとして韓国であれだけ認められる選手になって、韓国の若いファイターのために……今回の僕も含めて支えてくれています。その原点にあるのは行動力で、その行動力……動けるのか、動けないのか。そこが人間の真価が問われるときだと思っています。

だから僕もプサンに移って、Road FCのアマチュアからキャリアをやり直しました。その間に色々なことがありました。妨害もされたし……それでも夢、目標があったので。そこで動くことができるのが、僕のなかでの漢です」

──漢として受けた試合、改めて意気込みをお願いします。

「今回の試合は我慢のファイトになり、ガチャガチャしたファイトにはならないです。耐えて、耐えて、耐えて小野島選手に勝ちます」

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル
THEONE TVでは同大会の第2試合目以降の選手控え室の舞台裏映像を生配信

■ROAD TO ONE05対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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ABEMA MMA ONE Road to ONE05 キック キャプテン☆アフリカ チャンネル ボクシング 修斗 南風原吉良斗 和田竜光 小野島恒太 山本空良 山本聖悟 新関猛起 河名マスト 竹中大地 野尻定由 青木真也 須藤拓真

【Road to ONE05】須藤拓真と対戦、18歳プロシューター南風原吉良斗「打・投・極、MMAで勝ちたい」

【写真】プロ修斗では沖縄大会で2度戦い、どちらもパウンドアウトで勝利している南風原。Zoom取材でまさかの「平良」と呼び捨てにするトンパチ振りを発揮(笑)(C)MMAPLANET

明日5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE 05「Sexyama Edition」で、Theパラエストラ沖縄から南風原吉良斗が出場し、須藤拓真と対戦する。

14歳の時から松根良太の下で修斗を学ぶ、18歳の超新世代はジュニア時代から修斗で戦ってきた自負を持ってRoad to ONEのケージに足を踏み入れる。


──Road to ONE05で須藤選手と戦う、南風原選手です。キャリア3戦目で初の東京での試合になりますね。

「最初、ドッキリかと思いました。松根さんが浅倉カンナ杯からオファーだとか冗談を言っていて(笑)。そうしたらRoad to ONEだと聞いて『えっ?』となりました。で、すぐに噛ませ犬で呼ばれるのかと思ったのですが、相手の戦績を見てルーキー同士の対戦だと分かりました。

東京とか県外で戦いたい気持ちは凄くあったので、怖いというより、ワクワクする気持ちが優っています。平良が出た大阪の大会で試合がしたかったのですが叶わなかったので、これはチャンスだと思って、すぐに出場を決めました。ABEMAで中継される大会だし楽しみです」

──ONEルールで戦うことに関しては、どのように感じていますか。

「相手が寝技の選手なので、グラウンドのヒザとかはないと思っています。それより足関節に重点をおいてやってきました。試合の映像を見ても足関節が本当に好きなんだろうなって。それをさせないように上を取って殴りたいです。

ノーギの映像も見ましたけど、僕自身は足関節のエスケープには自信があります。松根さんもヒザ十字、トーホールドが得意だし、サドルとかのディフェンスも『俺は今成選手から練習でも取られない』って凄い自慢げに話していました(笑)」

──アハハハハ。

「じゃぁ、大丈夫かなぁって気持ちです(笑)。対処した上で殴ります。僕は上から殴るのが好きなので、それで行きたいです」

──いやぁ、松根さんに対して『自慢げに』とか言ってしまうところが、彼が教えてくれた「やんちゃ」な一面が見えた気がします。

「いや……松根さんには叱られてばかりで怖いです(笑)」

──その松根さんの下で南風原選手が修斗を始めたのは、いつ頃からなのでしょうか。

「14歳の時です。父親がボクサーだったのもあって、何か格闘技をやりたくて……キックをしようと思ったんです。だから本当はキックボクシング目的にジムに入ったのですが、修斗のジムだったんです。でも松根さんが『結構、楽しいからちょっとやってみな』と言ってくれて。で、ちょっとやってみたら、その魅力の虜になりました。

こんな技を覚えたいとか凄く探求心が芽生えてきて、毎日に練習するようになり、今ではそれが当たり前になっています。あと試合ですかね。始めて7カ月後ぐらいに試合で勝って、そこから本当にはまりました中3の時にジュニア修斗に出て、15歳からアマチュア修斗に出ています」

──自然とプロになることを決めていた感じですか。

「そうですね。あと仲宗根武蔵さんが試合のために追い込み練習としかしているのを見て、凄く格好良くて。僕もプロになろうと決めました」

──Theパラエストラ沖縄は、プロも増えていて盛り上がっているのではないですか。

「今、13人プロ選手がいます。僕らは松根さんが地元でプロ大会を開いてくれていて、試合ができているので本当に恵まれていると思っています」

──ジム内部にも、互いにライバル意識もあるのでは?

「そうですね。年齢は一番下ですけど、フライ級とかストロー級の選手も多いですし、年齢になくガンガンやっています」

──それこそ、松根さんが南風原選手は平良選手に食らいついて頑張っていると教えてくれました。

「あぁ、そんな風に言ってくれているんですね……。そうですね……平良は年齢も近いし、越えたいというのはありますね」

──しっかりとライバル視をしているのですね。

「まだボコボコにされてはいるんですけど、必死に食らいつくという気持ちはあります。平良はなんか……」

──あの、スミマセン。最初、電波が悪いのか、風の音で聞こえないのかと思ったのですが、先ほどから平良選手のことを平良と呼び捨てにしていませんか?!

「アハハハハ。いや、インタビューなので平良の方が良いのかと思って」

──いやいやいや。そこは普通でお願いします。

「本当は達郎先輩とか、達郎って呼んでいます」

──達郎……呼び捨てじゃないですか(苦笑)。

「アハハハハ。じゃあ達郎先輩でいきます。達郎先輩の凄いところは全部できるんですよね。僕は得意技とそうでない技の精度に差があります。でも、あの先輩は全部同じレベルでできるんです。

達郎先輩が凄いのはもちろん分かっています。置いて行かれています。だから、まずは追いつきたいです。僕はこの試合のあとに修斗の新人王トーナメントにエントリーしているのですが、Road to ONEで圧倒的に勝って他の選手とは違うというのを見せつけたいです」

──須藤選手は修斗でなくNEXUSで戦っていることは意識しますか。

「NEXUSというか、この人は寝技をMMAで試したいだけで本気でやっているとは思えないです。試合を見ていても寝技しかしていないので、打撃も寝技もあるMMAで勝ちたいです。打・投・極を見せたいと思っています。

それと僕の試合は前の方なので、KO勝ちして大会に火を点けたいです。沖縄の代表、その気落ちを込めて戦います」

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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【Road to ONE05】南風原吉良斗と対戦、全日本ノーギ優勝の須藤琢磨─01─「対策練習は全くしない」

【写真】所属するExtreme EBINAのロゴの前で。まったくMMAの香りがしない柔術クラスのワキでインタビューした(C)MMAPLANET

5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE 05「Sexyama Edition」で、9月4日に行われたBJJF全日本ノーギのエキスパート、フェザー級で優勝したばかりの須藤拓真が南風原吉良斗と戦う。

MMAデビュー以来Nexusで3試合戦い、全てを足関節で勝っている柔術家・須藤がMMAを戦う理由。そして今回の南風原戦に向けての意気込みを尋ねると──21歳とは思えない、堂々かつ飄々とした格闘家像が浮き彫りとなった


──Road to ONE05で南風原吉良斗選手と対戦する須藤選手ですが、試合まで1週間。まだ正式発表がない状況です(※取材は9月29日に行われた)。どれぐらいの人が、須藤選手が試合をすることを知っているのでしょうか。

「ホント、公には言えない感じが続いています。身内、道場内だけですね」

──オファーがあったのはいつでしたか。

「9月の最初、全日本ノーギ柔術のあとでした。正直、えっという感じでした。柔術、グラップリングを本業でやっていてMMAの試合に出ていたので、Road to ONEから声が掛かるとは思ってもみなかったです。

あくまでも柔術、グラップリングでキャリアを積んでいくなかでMMAも戦っていかないといけないなというつもりでやってきたぐらいなので。だからRoad to ONEのような注目される大会からオファーがあったのは、正直嬉しかったです。『戦う』と即答させてもらいました」

──対戦相手の南風原選手に関しては、名前を認識していましたか。

「最初は出場できるかどうかの確認で、それからすぐに対戦相手の名前を聞かされ、調べました(笑)。相手はそれほど気にしていなかったので、ずっとキャリアのある選手と戦うことになっても『取れたら美味しいな』ぐらいの気でいました。

それに対戦相手どうこうでなく、いつも通りの練習をするだけですし。対戦相手の動画は見ますが、対策練習は全くしないので」

──とりあえず動画をチェックしての印象は?

「ザ・オールラウンダー、総合っていう感じの戦い方ですね。自分とは真逆のタイプです」

──そんな須藤選手がブラジリアン柔術を始めたのは、いつからだったのですか。

「4年前ですかね。高校の途中からですね。もともと格闘技を見るのは好きで、ずっとやっていた野球を辞めた時に何か体を動かそうとか思って、帰宅途中にあるExtreme EBINAに入会しました。

動画で格闘技を見ているなかで、今成さんの試合が得に好きで。他の選手が殴って、蹴ってとやっているなかで今成さんがクルクル回っているのを見て、『コレ、やりたい』って思ったんです。それでブラジリアン柔術をやろうと思ったのが最初のきっかけですね」

──今成選手の技は、道着を着た柔術では禁止だと知った時はどう思いましたか(笑)。

「ヒールがあると思って入会しました。そうしたら『それ、ダメだから』って(笑)。ただ入口は今成さんでしたけど、柔術の練習を始めると凄く面白かったです。もう普通に柔術で黒帯になりたいと思いました」

──2020年2月にNEXUSでMMAデビュー戦を戦っていますが、柔術家の須藤選手が打撃有りのMMAを戦おうと思った理由は?

「実は柔術を始めて半年後ぐらいから、ここの道場が開くのが午後8時からで、学校が終わってから4時感ぐらいあるので近くのキックのジムでキックボクシングも練習するようになっていて。打撃も組み技もやっているし、MMAもやってみようかなという気持ちはありました。

そうしていると、ここで指導している松本(大輔)さんがZSTで活躍していて、松本さん経由でネクサスの話を頂き、それをきっかけに始めた感じです。アマチュアを1試合して、プロルールで戦うようになりました」

──キックボクシングの試合経験もあるのですか。

「アマチュアで何試合か……10戦ちょっとして、2回ぐらい負けています。でもMMAでは打撃は全然使っていないですね(笑)。今も週に1、2度通っているので、打撃に苦手意識はないんですけど」

──柔術では何といっても先の全日本ノーギのエキスパート・フェザー級優勝で一躍注目されるようになりましたが、あれだけ足関節を駆使できたことに、本当に驚かされました。

「ここは普通の柔術道場だし、足関節をやる環境がそれほど整っているわけではないです。それでも足関節が好きで始めた柔術なので、動画とかで勉強してきた感じです」

──他の道場やジムで足関節を習うことは?

「特にないです。ここでは週に1度、グラップリングのクラスがあるので松本さんや論田(愛空隆)選手と練習させてもらっています」

──MMAの練習は、週にどれくらいしているのしょうか。

「普段の練習が終わってから、少し相手をしてもらうぐらいでほぼMMAの練習はしていないです」

<この項、続く>、

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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ABEMA Interview J-CAGE ONE Road to ONE05 ブログ 小野島恒太 山本聖悟

【Road to ONE05】小野島恒太と対戦、山本聖悟─01─「秋山さんを信じて戦うだけ。僕が漢気をまず見せる」

【写真】KRAZYBEE、自らがトレーナーを務めるジムで集まる選手練習などが現在の山本のルーチンだ(C)MMAPLANET

5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE 05「Sexyama Edition」で、その秋山成勲からの申し出を受けた山本聖悟が小野島恒太と対戦する。

愛知からプサンに移り住み、Road FCとの契約を勝ち取った在日コリアン・ファイターの山本は、DEEPとRoad FCというラインでキャリアを積んでいる状況で、オポジションといえるRoad to ONEで戦う。

偏に秋山からの要請だったから──今回の試合を受けたという山本に試合前の心境を尋ねた。


──山本聖悟がRoad to ONEに出場。国内ではDEEP、そして韓国ではRoad FCを主戦場としている選手が、これは驚きです。

「本来なら、あり得ない話ですよね。秋山さんから声を掛けてもらった、そこに尽きます。僕が小さなころから、在日のヒーローなので。プサンに住んでRoadで戦うようになり、秋山2世とか向うの記事で書かれるようになって。僕も秋山さんのようになりたいと思ってやってきたので」

──リトル・セクシーヤマですね。

「ハイ(笑)。正直、ケガもあり体調が万全とはいえないですし、藤田(大和)選手との試合で負けて、自分を見つめ直すためにも年内は試合をしないで、見直していこうと思っていました。階級変更も含めて、自分を作り直す。そんな期間にしようと……やっぱりRoad to ONEへオファーがあるなんて、想像もできていなかったですから。

だから体重が増えていたこともあって、体重を落とせるのかということもあって、最初はお断りさせてもらったんです──実は。対戦相手が練習相手だったこともあって。まぁ、でも対戦相手のことがクリアになれば……秋山さんからの申し出だし、やるしかないです(笑)。

4年前にRoad FCの石家庄(シーチャーチュワン)大会で、セコンドで現地に向かっていた桑原(清)選手が、その移動中のバスの中でマ・アンディン戦を受けたのと同じです。恩を受けた人の期待に応えたいです」

──コロナの時代、ショートノーティス出場に応じることができるか。理不尽かもしれないですが、チャンスを掴むか否かの大きな要因になっています。ただし、その後の保障は欲しいところです。

「秋山さんは漢気の人なので……。今大会に出場できる韓国にルーツがある選手って、僕ぐらいしかいなかったんだと思います。なら、僕は秋山さんを信じて戦うだけです。『Sexyama Edition』だし、僕が漢気をまず見せるところです。

それでも僕はRoadと契約しているので、RoadとONEの関係性を考えてもクリアしないといけないことがあったし。そこはRoad に確認して、ワンマッチ契約でOKが出ました」

──にしても、対戦相手は小野島選手。全くもってアップの試合でない厳しい試合になります。

「韓国から戻ってきて、村本選手と藤田選手に負けた状態で……小野島選手は階級が1つ上でフィジカルが強いですからね。僕自身としては、今回の試合は体を動かしている時の通常体重とほぼ変わらない状態ですね」

──組みのあるなかでのMMAストライカー、聖悟選手の真価が問われる試合です。コロナ前に本拠地を韓国に移したのですが、その韓国のMMAが以前よりガチャガチャの打撃戦に戻りつつあるようにも感じます。

「チームMADの練習とか、基本的に壁レスが主流なんですけどね。5分を10本とか、ずっと繰り返してやっているので、僕も倒されてもすぐに立つことができるようにはなっています。村本選手との試合でもヒザにテイクダウンを合わせられても、スクランブルでスタンドに戻れましたし。

それに小野島選手は倒す力はあっても、抑え込む能力には欠けているかと思っています。上久保選手のようなコントロールすることはできない。ただし、テイクダウン&スクランブルを繰り返して削ることに長けています。立って寝かせて──という徹底ぶりは、僕としては嫌な選手です。

打撃の駆け引きができずに、組んでくる選手は苦手で。だからこそ、要所で攻撃できる試合にしたいです。それに北米ユニファイドではなくて、ONEルールです。和田選手の負けとか、MMAとしておかしな裁定基準ですが、僕には有利な裁定基準だと思っています。押し込まれようが、テイクダウンを許そうがダメージを与えると勝てるので」

──思考のチャンネルを普段とは変える必要がありますね。

「でも高島さんも2019年の年末にプサンでお会いした時に、『RoadよりONEルールの方が向いている』と言ってくれたじゃないですか?」

──あぁ、ありました。サムキョプサル、食べながら。そんな夜もありましたねぇ(笑)。

「そのONEルールなので(笑)。だから嫌な相手だけど、怖くないです。どれだけ尻もちをつかされようが、立って殴って、ヒザを入れれば僕の勝ちです」

──それでも小野島選手の組みに賭ける精神力は怖いと思っています。インフィニティリーグで優勝するには、判定勝ちではなくフィニッシュが必要という状況でも、残り時間がなくなって選択したのが押し込みでした。そこまで自分のスタイルを徹底する。相当な気持ちでいるはずです。

「普通は優勝して環太平洋王座に挑戦できるなら、打撃で倒しに行きますよね……。ただ逆をいえば、それしかできないんじゃないですか?」

──できないかもしれないです。なら、デキない選手が後がないから打撃で来るより、自分の戦いを貫いてくる方が怖いかと。

「確かに……そうですよね、打撃で来てくれた方が僕も楽ですね。そうなると、僕自身も自分との勝負になってくる面もあるかと思います」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Road to ONE05対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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