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【UFN215】フィアーリョと対戦、散打王ムスリム・サリコフ─02─「散打ファイターではダメなんだ」

【写真】非常にゆったりした感のあるサリコフ。殺気を全く纏わない強者 (C)Zuffa/UFC

19日(土・現地時間)はネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN215:UFN on ESPN+73「Lewis vs Spivak」が開催され、アンドレ・フィアーリョと対戦するムスリム・サリコフ・インタビュー後編。

リー・ジンリャン戦の敗北からの再起戦となるサリコフだが、そのジンリャン戦での準備不足の厳禁はロシア人ファイターあるあるというべきビザ取得に起因していた。ロシア・ダゲスタンの歴史に名を残す散打ファイターは、38歳になってなお純粋に強さを求めるウォリアーだった。

<ムスリム・サリコフ・インタビューPart.01はコチラから>


──ではムスリムはなぜMMAに転向したのでしょうか。ヴォルク・アターエフやザビット・マゴメドシャリポフと比べても、圧倒的に散打の世界で成功を収めており、その実績だけで散打界で大御所としてやっていけたのではないですか。

「ただ僕がウォリアーだからだよ。ベストファイターと戦いたい。僕はいつだって引退できる。でも毎日のようにスクールに行って、コーチと会って、皆と練習する日々を送りたい。まだハングリーなままなんだよ。だからMMAに転向したんだ。グセインはちょっと年を取ったけど、今もスクールに来てアドバイスをくれるよ。動きよりも、言葉で僕をサポートしてくれている。

もう僕も十分に経験を積んできたから、トレーニングに関しては自分のやり方が確立しているしね。そして試合前になるとATTに行って、ファイトキャンプを行っている。ATTはベストのMMAジムだよ」

──過去5年間負け無しだったのですが7月にリー・ジンリャンに敗れ、今回の試合は仕切り直しの一戦にになります。

「とても大切な試合になる。この試合で勝てば、UFCでの未来が広がる。ただし負けても……何も失うモノはない。UFCがチャンスをくれれば、また戦う。僕はウォリアーのままだから。ただし、今回の試合は前回とは違ってベストシェイプだ。リー・ジンリャン戦は、満足いく調整ができなかった。

ビザが取れず、試合の10日前になってようやく手にすることができたんだ。大切な調整の時期にビザを取るために色んなところに足を運びまくった。最終的にアルメニアまで行ってようやくビザを取得できたんだ」

──アルメニア……。それは大変でした。つまりATTでファイトキャンプを張ることもできなかったわけですね。

「今、ロシア人がビザを取るのはちょっと大変だからね。それでも最後のパンチを被弾するまで、僕の方が試合は優勢だった。あの状態で戦っても、最初の2Rを取ることができた。でも一発で逆転負けした。それがMMA。一発で勝負が決まる。アレがラッキーパンチとは言わない。彼が僕をKOしたんだ。そして今回はずっと体調が良い。もっと良い戦いができる」

──フィアーリョの印象を教えてください。

「フィアーリョは良い選手だ。若くて、常にフィニッシュを目指している。好きなタイプなファイターだよ。彼も僕もフィニッシュを狙うから、激しい試合になる。大歓迎だ」

──フィアーリョはリー・ジンリャンと同じキルクリフCFで練習している選手です。ムスリムのデータを共有しているのではないでしょうか。

「全く問題ない。あの体調の悪さで2Rまで僕が勝っていた相手から情報を得ていても、今回の僕の調子はまるで違うからね。フィアーリョがリー・ジンリャンのチームメイトということは全く気にならないよ。

ベストチームであるATTで、10週間も最高のチームメイトとしっかりと練習できた。何も恐れるものはない」

──ムスリムはパンチと蹴りが連動しており、抜群の距離とタイミングの取り方ができます。今回のフィアーリョ戦、キーポイントはどこになると考えていますか。

「全てだよ。これはMMAだからね。コンプリートファイターにならなければいけない。散打ファイターではダメなんだ。レスリングも柔術も理解して、戦う必要がある。コンプリートファイターになるためにレスリングと柔術に力を入れてきた。しかも、素晴らしいコーチに恵まれているから、メキメキと力をつけている。MMAで勝つには、コンプリートファイターでなければいけない」

──ムスリム、今日は試合前にもかかわらず、貴重な話を聞かせて頂きありがとうございました。

「日本のファンに散打とコーチの歴史、我々のスクールの話をすることができて良かった。グセインはソビエト共産党政府の目を逃れて空手の稽古をしていた。彼がソ連政府に目をつけられながら、諦めずに稽古を続けたからこそ、今のスクール、今の僕がある。それを皆に分かってもらいたい。僕も日本を尊敬している。グセインが侍、日本人、空手についていつも話をしてくれた。そんな日本のファンに僕の試合を楽しんでもらいたい」

■視聴方法(予定)
11月20日(日・日本時間)
午前3時00分~UFC FIGHT PASS

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)

<ライトヘビー級/5分3R>
イオン・クテレバ(モルドバ)
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
チェイス・シャーマン(米国)
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)

<ウェルター級/5分3R>
ムスリム・サリコフ(ロシア)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ダニー・ロバーツ(英国)

<フライ級/5分3R>
ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)
チャールズ・ジョンソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジェニファー・マイア(ブラジル)
マリナ・モロズ(ウクライナ)

<バンタム級/5分3R>
マイルズ・ジョンズ(米国)
ヴィンス・モラレス(米国)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
ケヴィン・ナタヴィダッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリア・オリヴェイラ(ブラジル)
ヴァネッサ・デモポウロス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ファルニ・ガルシア(メキシコ)
ブレディ・ヒースタンド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ナタリア・シウバ(ブラジル)
テレザ・ブレダー(チェコ)

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UFC on ESPN+73:オッズ/予想と展望

デリック・ルイス 2.65
セルゲイ・スピバック 1.51
ケネディ・エンジーチュクー 1.57
イオン・クテラバ 2.50
チェイス・シャーマン 2.80
ワルド・コルテス・アコスタ 1.48
アンドレ・フィアリョ 1.95
ムスリム・サリコフ 1.87
ジャック・デラ・マダレナ 1.18
ダニー・ロバーツ 5.30
チャールズ・ジョンソン 1.61
ジャルガス・ジュマグロフ 2.40
ジェニファー・マイア 2.60
マリナ・モロズ 1.53
ヴィンス・モラレス 2.40
マイルズ・ジョーンズ 1.61
リッキー・トゥルシオ1.65
ケビン・ナティブダド 2.35
バネッサ・デモポロス 1.91
マリア・オリベイラ 1.91
ブレイディ・ヒースタンド 1.59
ファーニー・ガルシア 2.45
ナタリア・シウバ 1.61
テレザ・ブレダ 2.40

今年のUFCも残り4回。今月ラスト(来週は開催なし)のメインはヘビー級。

3連勝でコーミエのタイトルに挑戦、その後4連勝でシリル・ガーンとの暫定王座決定戦に出場したルイスだが、いずれも敗れて王座獲得ならず。直近2戦はいずれもKO負け。タイ・ツイバサには打撃でリードしていたが、2Rに肘をもらってKO負け。前戦のセルゲイ・パブロビッチ戦では、序盤にパンチを効かされて秒殺KO負けしてしまった。パワーで勝負する殴り屋だが、やはりちゃんとしたストライカー相手には分が悪い。

相手のスピバックは今回が初メイン。8月の前戦にランカーのアウグスト・サカイに勝利して再ランキング入り。ヘビー級では最年少の27歳。UFC6勝3敗で、テイクダウンからのパウンドが武器。こちらはルイスと逆に、2試合連続でのKO勝ち中。

ランキングは下位だが、オッズはスピバックがフェイバリット。しかしルイスはああ見えて結構テイクダウンされた後のリカバリーが上手く、テイクダウン&パウンダーのスピバックがどれだけ押さえ込めるかが鍵になる。

期待も込めてルイスKO勝ち。

今大会一番のフェイバリットはUFC3戦目となるジャック・デラ・マダレナ。UFCデビュー戦は代役でキャリアも浅い相手に秒殺KO勝ちしたものの、差がありすぎて実力が良くわからない。前戦はUFC5勝2敗・ロシア・ダゲスタン共和国出身のラマザン・エメエフと対戦し、ケージにつめてのボディでダウンを奪い、パウンドでKOした。相手のダニー・ロバーツはUFC7勝5敗のベテラン。ランキングには入れないが、UFCで勝ち越している中堅の実力者だけに、このレベルを1RKOできるなら本物かもしれない。

第1試合開始はいつもより3時間早い、20日の午前3時。前日は朝8時からBellator、10時からONE Prime Video4があり、夜7時からはABEMAでPPV中継されるONE163。メインカードが6試合で9時半開始なので、全部終わる頃には日付が変わってそう。

速報します。

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【UFC272】見事なコントロール、モロズがアガポヴァを肩固めで破り「国を想うと泣きたくなる」とコメント

<女子フライ級/5分3R>
マリナ・モロズ(ウクライナ)
Def.2R3分27秒by 肩固め
マリヤ・アガポヴァ(カザフスタン)

ウクライナ国旗を掲げて無表情で入場したモロズ。サウスポーのアガポヴァの左ローをかわすモロズが前に出て組み、ケージに押し込む。右腕を差し、前方に崩しに掛かるモロズはシングルに切り替え、さらにダブルとケージレスリングを続ける。背中にエルボーを落とすアガポヴァからついにテイクダウンを奪ったモロズが左足をフックし、右足も差し入れる。左腕を喉下に回している状態で、前転にも背中につきRNクラッチへ。

アガポヴァが手首を掴み胸を合わせに行ったが、パームトゥパームに切り替えたモロズが、力をこめる。下に落とされそうになったモロズは腕十字に移行、腕を抜いたアガポヴァが逆にバックに回る。モロズが立ち上がり、胸を合わせて押し込んだ状態で時間となった。

2R、ワンツーから3発目を振るって組んだモロズがケージへ。ヒザをボディに入れ、体を入れ替えながらボディロックテイクダウンを狙う。初回と同じように前方に崩し、まずは左足をワンフックし後方から殴ると、背中を伸ばして右のパンチを打っていく。肩固め狙いからマウントに入れ替えエルボーを落としたモロズは、背中を見せたアガポヴァを後方から殴り続ける。両足をフックし、絞めを狙いつつパンチを落とすモロズ。背中を着けさせると同時に肩固めに入ったモロズがタップを奪った。

満面の笑みを浮かべ、勝利の雄叫びを挙げたモロズは「スポンサー、対戦相手に感謝している。皆、楽しんでくれたかな。そしてチーム、練習仲間に感謝している。皆、知っていると思うけど……私の国、ウクライナが大変なことになっていて、家族も残っているし心配で涙が出るわ。皆の声に支えられたわ、ありがとう。国のことを想うと、泣きたくなるの。皆、ありがとう。今回の試合はケガもあり、コロナにも感染して入国するにも困難が伴って。でもATTに戻りファイトができて、本当に嬉しい。皆、ありがとう」と涙で語った。


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