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【UAEW50】UFCベテランのアンドレ・フィアーリョ、ジュマエフの左にKO負け。キルクリフ勢、連敗

<ウェルター級/5分3R>
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)
Def.1R2分23秒by KO
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

サウスポーのフィアーリョが、左ミドルから右ローを蹴る。フィアーリョは右カーフを続けるが、ジュマエフがステップインして右をヒットさせる。後方に倒れたフィアーリョに対し、ジュマエフはガードの中に収まり、すぐに立ち上がる。続いてスタンドに戻ろうとしたフィアーリョを殴ったジュマエフだが立ち上がって待ち受ける。

ワンツーを当てたフィアーリョが圧を高めて前に出た刹那、ジュマエフが左フックを打ち抜いてダウンを奪い、KO勝ち。キルクリフFC勢はソルディに続き、フィアーリョも初回でフィニッシュされてしまった……。


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【UAEW50】藤田大和の挑戦以外も、見所タップリ。フィアーリョが再登場、アギラン・タニが初陣

【写真】ソルディとアギランが、砂漠のMMAに挑戦 (C)UAEW

藤田大和がイアゴ・ヒベイロとフライ級王座決定戦を戦うUAE Warriors50が、19日(土・現地時間)にアラブ首長国連邦 アブダビ首長国、ADNECマリーナ・ホールで開催される。
Text by Manabu Takashima

PFL MENAという中東&マグレブのイスラム社会に特化したMMA大会がスタートし、バーレーンのBRAVE CFは独自のグローバル展開を続けるなか、UAEWは中東の独特な風土と経済力を背景にしつつ、UFCを頂点としたMMAヒエラルキーにあって重要なフィーダーショーかつ、インターナショナル・イベントを展開している。


今大会はまさにUAEWの特徴と魅力が詰まったイベントといえる。藤田が戦うフライ級タイトル戦以外にフェザー級とウェルター級の2階級でもベルトが懸かった試合がマッチアップされた。

メインのUAEWフェザー級選手権試合は、ヨルダン人王者アリ・アルカイシにスウェーデンのサムエル・バークが挑むというもの。UFCベテランでDESERT FORCE、BRAVE CFと砂漠のMMAをリードしてきたアルカイシは、UAEWではアラビアと二つのベルトを巻く。

チャレンジャーのバークはCage WarriorsとOKTAGONという欧州内ビッグショーで戦ってきたキャリア9勝2敗のストライカーで、スウェーデンの国内キック王者でもあった。いわばメインはご当地ファイターがイベントを締めるという形になっている。

コメインのUAEWウェルター級王座決定戦はロシアのシェフバン・アルハソフとアゼルバイジャンのタフィル・アブデュラエフが激突する。アブダビといえばヌルマゴとの強いパイプがあるのは周知の事実、アルハソフはそのフルマゴ軍団のエース候補のダゲスタン・ファイターだ。対するアブデュラエフはこれが2度目のタイトル挑戦となる。

アルハソフは8勝0敗、アブデュラエフは16勝2敗で共にコンバットサンボがベースとなっているガチンコ対決だ。

タイトル戦以外にもアンドレ・フィアーリョ、エミリアーノ・ソルディ、アギラン・タニらの出場にも注目が集まる。UAEWからUFCにステップアップをしたフィアーリョは最高峰で2勝5敗と結果を残せず、再生の場にUAEWを選んだ。とはいえ対戦相手のジェコンギル・ジュマエフは戦績10勝4敗のウズベキスタン人ファイターで、ライト級王座挑戦に失敗し階級を上げての再起戦となる。フィアーリョにとって、生易しいファイトとはならない。

カザフのディヤール・ニュルゴウスキと戦うエミリアーノ・ソルディはフィアーリョとキルクリフCFのチームメイトで、PFL2019ライトヘビー級を制したミリオンダラー・ファイター。対するニュルゴウスキは2年振りのファイトとなるが、両者揃って計量に失敗しており、特に後者は4.7ポンドのオーバーとなっている。

キャリア12勝7敗のマレーシア人柔術黒帯のタニは、ONE日本大会で岡見勇信と対戦し、かつてはベン・アスクレンの持つONE世界ウェルター級王座に挑戦したこともあり、ある意味日本で馴染のある選手といえる。

これがONE以外での初めてのファイトとなるタニは、当初はヨルダン人選手のイマンシャピ・ムクタロフとの試合が決まっていたが、欠場により代役のアリベク・スレイマノフと戦うことに。

このスレイマノフはプロMMAは4勝0敗ながらアマチュアで24勝1敗のレコードを持つ実力者だ。アマからプロへと過去5年間負け知らず──15連勝中のスレイマノフとのファイト、アギラン・タニの苦戦は必至か。

この他、プレリミでもフィリピン=アリエル・オリヴェロス×ブラジル=ルーカス・ペレイラのバンタム級戦。女子124ポンド契約体重戦のスウェーデン=エリン・オウバリ×キルギス=アネリア・タクタゴノワなど、国際色豊かなカードが揃っている。

実にスウェーデン、ポルトガル、ロシア、ウクライナ、ジョージア、アゼルバイジャン、ヨルダン、レバノン、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、マレーシア、フィリピン、日本、アルゼンチン、ブラジル──16カ国から22人のファイターが集結する砂漠のMMAの祭典といえるUAEW50、開幕まであと2時間だ。

■視聴方法(予定)
5月18日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■UAEW50対戦カード

<UAEWフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アリ・アルカイシ(ヨルダン)
[挑戦者] サムエル・バーク(スウェーデン)

<UAEWウェルター級王座決定戦/5分5R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
タフィル・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)

<UAEWフライ級王座決定戦/5分5R>
藤田大和(日本)
イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ライトヘビー級/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
ディヤール・ニュルゴウスキ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
アリベク・スレイマノフ(ロシア)
アギラン・タニ(マレーシア)

<163ポンド契約/5分3R>
ニカ・クプラヴィシヴィリ(ジョージア)
ウラジスラフ・ルドネフ(ウクライナ)

<194ポンド契約/5分3R>
モハメド・オシイリ(レバノン)
マムルジョン・ハミドフ(ウズベキスタン)

<ライト級/5分3R>
ズバイル・ズバイロフ(ロシア)
アブダラ・ホツハエフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
アリエル・オリヴェロス(フィリピン)
ルーカス・ペレイラ(ブラジル)

<124ポンド契約/5分3R>
エリン・オウバリ(スウェーデン)
アネリア・タクタゴノワ(キルギス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ウユビイ・アミスハノフ(ロシア)
シミク・マフメドフ(キルギス)

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45 DWCS MMA MMAPLANET o Road to UFC UAEW UAEW50 UFC   アギラン・タニ アリ・アルカイシ アンドレ・フィアーリョ イアゴ・ヒベイロ サンスハル・アディロフ ジェコンギル・ジュマエフ タフィル・アブデュラエフ 海外 藤田大 藤田大和 食事

【UAEW50】フライ級王座を賭けてヒベイロと対戦。藤田大和「今はこのベルトに集中しています」

【写真】記者会見場にてベルトをバックに(C)TAKESHI YAMAZAKI

17日(金・同)にUAEはアブダビのADNECマリーナ・ホールで開催されるUAE Warriors50で、新設のフライ級王座を賭けて藤田大和がイアゴ・ヒベイロと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月10月にいずれもギロチンを決めてUAEW2連勝を飾った藤田が、3戦目で砂漠のベルトに挑む。対戦相手するブラジルのヒベイロはMMA戦績12勝3敗で、過去の試合では組んで押し込んでくることが中心のファイターだ。果敢に削ってくるであろうヒベイロを相手に、どのような試合を見せるのか。現地到着後の藤田に意気込みを訊いた。今回も藤田に帯同している山﨑剛Me,We代表から届いた、豊富な現地写真とともにお届けする。


――UAEW出場時は毎回、現地到着後にインタビューをお願いしていますが(※取材は5月15日に行われた)、本日もよろしくお願いします。

「はい、よろしくお願いします!」

――おぉ、過去2戦の時よりもテンションが高いですね。もう現地には慣れましたか。

MMAPLANETのリモートインタビューを受けているところ(C)TAKESHI YAMAZAKI

「アハハハ、そうですね。もう3回目なので場所にも慣れていますし」

――リモート画面の背景を見ると、ホテルも毎回同じだと思われます。まず飛行機での移動と、空港からホテルまでの道のりも慣れたのではないですか。

「それが……前回の試合が去年10月で、7カ月の間に空港のターミナルが新しくなっていたんですよ。増築したのか何なのか。だから空港に着いても『ここはどこなんだろう?』と思いました(笑)」

――アハハハ、アブダビの空港の変化に気づく日本人MMAファイターも藤田選手だけでしょう。

「確かに(笑)。ホテルは同じですし、……初戦のエティハド・アリーナは遠かったんですよね。でも前回と今回は、別会場であってもホテルから近いので良かったです」

――アブダビの街にも慣れましたか。

「いえ。外を歩くことは、ほとんど無いんですよ。メチャクチャ暑いですから。昼間は40℃を超えていますし、夜も30℃より上だとは思います」

ホテルに用意された場所で体を動かす藤田。このスペースにも慣れている(C)TAKESHI YAMAZAKI

――それだけ移動にも現地にも慣れて来ると、初戦よりも減量の不安は軽減されたのではないですか。飛行機で長距離移動したあと、知らない場所で最後の減量を行うとなると、現地の状況が分からず不安を感じる選手もいます。

「まずホテルがどういう状態か分かっているので、安心感はあります。食事は外に行かず日本から持ってきたものを食べたりしていますね。とにかく外には出ません(笑)」

――初戦、2戦目とギロチンで勝利した末に3戦目でベルトを賭けて戦うこととなりました。UAEW内でご自身の評価が上がっていることは実感しますか。

「それは感じますね。もともと前回の対戦相手(サンスハル・アディロフ)が評価の高いファイターだったんですよ。その相手に勝ったあとは、現地の人たちにも評価してもらっているなと感じていました」

――アディロフは藤田選手と対戦時の戦績が11勝1敗1分で、いわば藤田選手のほうが当て馬だったかもしれません。

「あぁ、そう思います。初戦も2戦目も同じように感じました。でも今回は結構早く出場のオファーが来て、そこから対戦相手が決定するまでに少し時間が掛かりましたね。試合の準備は早くから始めることができていて、相手が決まったのは試合の3週間ぐらい前でした」

――ということは、藤田選手の相手を探していた……つまり今回は藤田選手がAサイドということでしょう。

「いやぁ、それはどうなんですかね(苦笑)」

――アディロフに勝利したあとフライ級王座の話をしていて、実際に設置されたのですから、そう考えてもおかしくはないかと。

「アディロフ戦のあとに主催者サイドと、『UAEWで勝ってUFCに繋げていきたい』という話をしていたんですよね。そうしたら新しくフライ級王座をつくるか――みたいな話も出て、今回のタイトルマッチに至ったんだと思います」

砂漠の街にたなびくUAE Warriorsの旗(C)TAKESHI YAMAZAKI

――国内から飛び出し、砂漠の国でベルトを巻く。藤田選手がUAEW王者としてオクタゴンに上がったら、それはそれで素晴らしい浪漫だと思います。

「なるほど(笑)。僕にとっては、ありがたい話です」

――同日には中国でRoad to UFCも開催されます。またDWCSや国内の興行からUFCを目指す選手もいるでしょう。そんななかで現在、海外のフィーダーショーからオクタゴンを目指すケースも少なくなりました。

「まぁ他の選手とは違うことをやっているんだなぁ、とは思いますね。アハハハ。もうUAEW出場も3回目なので、現地のスタッフさんとも顔見知りになっていますし」

――今回はブラジルのイアゴ・ヒベイロとベルトを賭けて対戦します。

「最初アブダビに来て、ブラジル選手と対戦するとは思わなかったですね。でもUAEWにはブラジル人もそうですし、いろんな国から選手が来ていて。自分としては相手が誰でも、どの国の選手でも変わらないです」

――ヒベイロの印象はいかがですか。

記者会見でヒベイロとフェイスオフ(C)TAKESHI YAMAZAKI

「以前と最新の試合映像を見比べると、最新の試合では結構丁寧に戦っていますよね。ジャブ、ローから低くテイクダウンに入ってきて。そのままサイドバックをキープしているので、力はあるんだろうなと思います。昔の試合は振り回している場面もあったので、爆発力もあるんでしょうね。ただ、打撃よりも組みのスタミナのほうが上という印象です。

一番怖いのは振り回してくるパンチを食らうことで。組んでしまえば時間を掛けて考えることもできますけど、打撃の攻防は一瞬で決まりますから。そこは警戒しています」

――そんななか2試合連続でギロチンを極めていると、今回も……と期待されませんか。

「期待はされます(笑)。周りから言われることもありますし」

――ヒベイロもギロチンを取れそうなスタイルでもあります。先ほど言われたとおり今回のタイトルマッチがUFCに至る道の一つであれば、本人としてもUFCへ繋げるためにと意識しますか。

「全然意識していない――と言ったら嘘になりますよね。でも試合が決まれば、今は『このベルトを獲る!』というだけに集中しています。結果としてUAEWのチャンピオンとしてUFCに辿り着いたら嬉しいですけど」

――ベルトを巻いたら、すぐにUFCと契約したいと考えているのでしょうか。

現地時間の朝8時に前日計量が行われた。1度目は100グラムオーバーだったが、20分後に57.15キロ(王座戦だが1ポンドオーバーOK)パスしている(C)TAKESHI YAMAZAKI

「もちろんUFCに行けるなら……年齢を考えたら、早く行けるに越したことはないです。もう今年32歳になるので。でも焦っているわけでもなく、あまり先を考えても良いことはないので、まずは今回の相手に集中します」

――今回はどのような試合になると思いますか。

「自分としては、いつもどおり打撃から組み立てて、あとは相手の反応次第です。組みの展開になると思うので、そこから自分の得意なところに持ち込みたいですね。勝ってチャンピオンになります!」

2024年5月18日(金・現地時間)
アラブ首長国連邦 アブダビ首長国
ADNECマリーナ・ホール
UAE Warriors50

■視聴方法(予定)
5月18日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■対戦カード

<UAEWフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アリ・アルカイシ(ヨルダン)
[挑戦者] サムエル・バーク(スウェーデン)

<UAEWウェルター級王座決定戦/5分5R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
タフィル・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)

<UAEWフライ級王座決定戦/5分5R>
藤田大和(日本)
イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ライトヘビー級/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
ディヤール・ニュルゴウスキ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
イマンシャピ・ムクタロフ(ヨルダン)
アギラン・タニ(マレーシア)

<163ポンド契約/5分3R>
ニカ・クプラヴィシヴィリ(ジョージア)
ウラジスラフ・ルドネフ(ウクライナ)

<194ポンド契約/5分3R>
モハメド・オシイリ(レバノン)
マムルジョン・ハミドフ(ウズベキスタン)

<ライト級/5分3R>
ズバイル・ズバイロフ(ロシア)
アブダラ・ホツハエフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
アリエル・オリヴェロス(フィリピン)
ルーカス・ペレイラ(ブラジル)

<124ポンド契約/5分3R>
エリン・オウバリ(スウェーデン)
アネリア・タクタゴノワ(キルギス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ウユビイ・アミスハノフ(ロシア)
シミク・マフメドフ(キルギス)

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AJ・フレッチャー MMA MMAPLANET o ROAD FC UFC UFN UFN228   アンドレ・フィアーリョ キック クレベル・コイケ ゲイリー・トノン シャルル・ジョーダン ジェイリン・ターナー ジャスティン・ゲイジー ダニエル・アルゲータ ダン・イゲ ティム・ミーンズ ハナ・ゴールディ ブライアン・バトル ブライス・ミッチェル ベニール・ダリューシュ ボクシング マテウス・ガムロ マンスール・ベルナウイ ミッシェレ・ウォーターソン モハメド・ウスマン ライカ ラファエル・フィジエフ ルンピニー 魅津希

【UFN228】展望──世界最高峰の異種格闘技戦。打=ラファエル・フィジエフ✖組=マテウス・ガムロ

【写真】UFCで戦うストライカー、そしてグラップラーがどういうストライカーであり、グラップラーなのか堪能して震えたい (C) Zuffa/UFC

23日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC ApexにてUFN228:UFN on ESPN+86「Fiziev vs Gamrot」が行われる。
Text by Isamu Horiuchi

その名称の通り、本大会のメインはライト級6位のラファエル・フィジエフと7位のマテウス・ガムロによるサバイバル戦だ。


フィジエフはカザフスタン生まれで、育ちはキルギス。現在は父親の地であるアゼルバイジャン国籍を有すストライカーだ。そのキルギスで11歳の頃からはじめたムエタイで国際的な活躍を見せ、2017年にはバンコクのムエタイエクストリーム大会にて、当時ルンピニースタジアムスーパーウェルター級王座を返上したばかりのヨドパヤック・シッソンピーノンからKO勝利を収めるなどの実績を挙げている。

同時に韓国のRoad FCなどMMAでも活躍し、プロ5戦全勝の戦績をもって2019年からUFC参戦。初戦は敗れたもののその後連勝を重ね、昨年9月には元ライト級王者のハファエル・ドス・アンジョスと5R戦で対決、最終Rに左フックをスマッシュヒットさせてKO勝利を挙げた。

続いて今年3月には当時ランキング3位のジャスティン・ゲイジーと3R戦で激突。事前の期待を裏切らないMMA最高レベルの打撃戦にて序盤は互角以上に渡り合ったものの、最終Rに失速してジャブやアッパーを被弾、0-2で惜敗している。

対するガムロはポーランド出身のグラップラー。10歳の頃に始めたレスリングではポーランドのジュニアナショナルチームの一員として国際的に活躍し、2012年にMMAデビュー。2016年5月にはフランスの寝技師マンスール・ベルナウイを倒してプロ11戦無敗のままKSWライト級王座に就いた。

(C)KSW

2018年12月にはクレベル・コイケとのフェザー級王座決定戦に臨み、クレベルの下からの仕掛けを完封して判定勝利して二冠王に輝いている。

ちなみにグラップリングにおいてもADCCヨーロッパ大会では複数回優勝を果たし、2019年にはADCC世界大会にも出場するも、初戦で3位入賞したゲイリー・トノンにチョークで敗れている。

KSWでノーマン・パークとの因縁に蹴りをつけ、コロナ禍の2020年10月からUFCに参戦開始。フィジエフと初戦は惜敗したもののその後連勝を重ねてランキング入りし、昨年10月の6位のベニール・ダリューシュ戦に臨んだ。1Rはポジションが目まぐるしく入れ替わるハイレベルグラップリング戦にて優位に立ったガムロだが、2Rから戦法を変えたダリーシュにテイクダウンを切られ、3Rに左ストレートでダウンを奪われ判定0-3で敗れた。

ガムロはその後、今年3月には僅か10日前のオファーを受けてランキング10位のジェイリン・ターナー戦に望んだ。ライト級屈指の長身ストライカーの繰り出す打撃を捌いてテイクダウンを何度も決め、2-1と判定は割れはしたもの実質完勝した。

現在ちょうど似たような立場にある──ともにランキングを上げてきたところで、上位勢の壁に跳ね返されてからの復活を狙う──両者の対決のきっかけは、実はSNS上で生まれている。5月末にフィジエフがツイッター(現X)上にて「8月に俺のダンスパートナーになるやつはいないか?」と英語で投稿したところ、それに真っ先に反応して「9月に5Rでやろう」と書いたのがガムロだったのだ。

フィジエフも早速応じて「9月でもいいぞ、兄弟よ。でも俺は3Rで疲れてしまうんだ。なぜ5Rを望む? 俺たちは友人だろ?」とユーモアある返答を返す。そこでガムロは「俺たち2人はメインイベント(=5R制)に出る資格があるし、ファンも25分間テクニカルヴァイオレンスを楽しむ資格があるじゃないか」と返し、熱心なファンたちが喜ぶ中で両者の対戦の機運が盛り上がり、実現に至ったのだ。

中央アジアと東欧出身の両者が、SNSで互いに母国語ではない英語を用いて対戦の契機を作ってしまうところに、21世紀のMMAの現実がある。ちなみにフィジエフの投稿に対して、実は以前フィジエフに敗れたヘナート・モイカノも「ぜひリマッチをやりたい」と反応をしたのだが、フィジエフがこちらに興味を示すことはなかった……。

そんな両者の対決は、誰もが考えるように典型的な「ストライカー対グラップラー」の構図となるのか。つまり、重心が低く腰の重いストライカー、フィジエフの強烈な打撃をガムロがいかにかいくぐってテイクダウンに入るか、逆に強力なレスリング系グラップラー、ガムロの多彩かつ執拗なテイクダウンをフィジエフがいかに凌いでスタンド戦に持ち込むかが鍵となる。

実際フィジエフも「この試合で、ガムロのようなエリートレスラーのテイクダウンを自分が止められるのかどうか、ぜひ知りたいと思う。今回のキャンプの焦点もそこに置いたよ。さらに、もし100回倒されても、101回立ち上がることをテーマとしてやってきたよ」と、──よく考えると立ち上がる回数は1回余計に多いのだが──力強いコメントをしている。

その際特に注目したいのは、フィジエフの蹴りの使い方だ。卓越したスピードを活かし左右からの強力な打撃を繰り出すフィジエフだが、特にオーソドックスからの右足の蹴りはミドル、ハイ、前蹴りとどれも抜群のキレを誇り予測が困難だ。これを警戒してガードが下がり気味となった相手に放つ左フックの威力は凄まじく、モイカノやドス・アンジョスを1発で沈めている。

前回のターナー戦では蹴りのタイミングを見切ってのテイクダウンを見事に決めたガムロ。パンチからテイクダウンにつなげる動きも得意としており、「フィジエフとの打撃の交換も恐れない」と自信をのぞかせている。

グラップリングMMAから、KSW後期にはジャブを多用するタッチキックボクシング的なMMAにスタイルチェンジをし、UFCでは原点回帰といえるグラップル勝負に戻ったガムロは、組むと見せて間合いを外す術も有している。とはいえ、フィジエフの蹴りはこれまで戦ってきたどの相手によりもはるかに速く鋭く強烈だ。そんなフィジエフの蹴りにいかに対処するのか、着目したい。

もう一つのポイントは、上述のSNSでのやりとりでも触れられていた通りフィジエフのスタミナだ。瞬発系ストライカーのフィジエフは、はじめての5R戦となったドス・アンジョス戦では4Rに動きが落ち、それまでは許さなかったテイクダウンを取られる場面があった。

5R早々に凄まじい爆発力を発揮して圧巻のKO勝利を収めたものの、もし最終R中盤まで試合がもつれ込んだ時、同じ動きができたかは分からない。そして前戦でのゲイジー戦でも、フィジエフは最終3Rに失速。それまでもらわなかったパンチを被弾し、最後は焦って前に出て強引に振った左フックをゲイジーに見切られてテイクダウンを許したことで、──実際にはきわめて接戦だったものの──「完敗」という印象を大きくしてしまった。

対するガムロはスタミナに絶対の自信を持ち、そのテイクダウン力は試合後半においても簡単には落ちないと見ていいだろう。切られても執拗に手を変え、品を変えテイクダウンを試み、組み伏せるのがその真骨頂だ。試合が長引いてフィジエフのスピードが落ちてくれば、それだけガムロが自分の得意なフィールド=グラウンドに試合を持ち込むチャンスは大きくなる。

また、フィジエフが蹴りを警戒させてのパンチを得意とするように、ガムロもテイクダウンを警戒させての強烈な右の一撃を持っている。

もっともフィジエフもそのへんは百も承知のはず。「前回のゲイジー戦では、自分の感情をコントロールすることを学んだよ。あの試合では、ファンをもっと沸かせたいという気持ちに任せて戦ってしまった」と語るフィジエフは、より冷静かつ計算づくに、そしてスタミナにも留意してガムロを攻略しにかかることだろう。

極上のストライカーとグラップラーの両者によるMMAならではの──最高峰のせめぎ合いを堪能したい。

■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN228対戦カード

<ライト級/5分3R>
ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
ダン・イゲ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリナ・ロドリゲス(ブラジル)
ミッシェレ・ウォーターソン・ゴメス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・バトル(米国)
AJ・フレッチャー(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ヒカルド・ラモス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マイルス・ジョンズ(米国)
ダニエル・アルゲータ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ティム・ミーンズ(米国)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ミドル級/5分3R>
ジェイコブ・マルクーン(豪州)
コディ・ブランデージ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジェイク・コレアー(米国)
モハメド・ウスマン(ナイジェリア)

<女子ストロー級/5分3R>
井上魅津希(日本)
ハナ・ゴールディ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
モンセラート・レンドン(メキシコ)
タミレス・ヴィダウ(ブラジル)

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【UFN228】37カ月振りの実戦=ゴールディと対戦、魅津希「Me,WeでMMAの楽しさを教わることができた」

【写真】この笑顔、何としてもオクタゴンのなかで見たい(C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC Apexで開催されるUFN228:UFN on ESPN+86「Fiziev vs Gamrot」で魅津希が、2020年8月以来となる実戦に復帰する。
Text by Manabu Takashima

前十字靭帯の手術からリカバリー、長期離脱となった魅津希は欠場期間中に20代最後の年に突入した。決して短くないブランク、UFCでは1勝1敗、パフォーマンスで周囲を納得させるファイトが不可欠な彼女は、過去にないほど恐れと緊張を感じていた。

その裏で思わぬ長期滞在となった里帰りで、東京での練習を経験しかけがえのない仲間を得た。そんな魅津希のUFCカムバック戦前の心境とは。


──定期的に試合をしていた時と、3年振りとなった今回で何か気持ちの部分で違いはありますか。

「昔は……若い頃は怖さがなかったのですが、大人になるとそこが違いますね」

──魅津希選手が「若い頃」と振り返っていることを、違和感なく聞くことができるようになってきました。

「そうなんですよ。そうなると1戦、1戦の重みが理解できる年になってきたというか。3年振りで勝たないといけないのですが……まぁ勝つんですけど、楽しみという気持ちより緊張と怖さの方が多いです。緊張しています」

──それは年齢なのか、ブランクが要因になっているのか。どちらだと考えていますか。

「3年は長いですね。そこまで自分で意識をしていなかったのですが、試合が決まった時に『もう3年も経ったんだ』と実感しました。でも、こうやって試合のことを考えると緊張してきますね(苦笑)」

──実は過去一で表情が堅いと感じていました。

「年ですね(苦笑)。年を取りました」

──それは違うかと(笑)。ただ27歳から29歳という期間でブランクができたのは事実です。

「そうですね、リカバリーに1年掛って。そこからまだケガをすることが怖くて、練習という練習が思うようにできなくて」

──昨年、タイに行く前にインタビューをさせていただいた際には、もう少し早く復帰戦を戦いたいという希望を持っていました。

「そこは体調よりも、試合が組まれなかったからです」

──UFCもなかなか日本人選手の試合を組まないという時期が長かったです。社会人、いわばファイターは個人事業主で、自分が必要とされていないと感じると非常につらいモノがあります。そんな風に関じることはなかったですか。

「だから契約はあっても、UFCがどう思うのかは自分が出す成果次第ですよね」

──試合がないなら、他で戦いたいという気持ちは?

「それはないです。結果、この試合が決まったわけですし。決まる前から、ある程度は準備をしてきました。でもいざ決まると、対策練習もそうだし課題の強化にもより力が入りましたね」

──この間、タイ以外では日本で練習しており、以前と比べて強化できたところはありますか。

「組みの部分は、ちょっと力を入れようかと思っていて。Me,WeとCUTEで上田将勝さんとも練習させていただいていて。上田さんはグラップリングが強くて、大まかなことではなくて細かいところを修正して強化できたと思います」

──この間、村田夏南子選手と行動をともにしてきました。

「NYで初めて会って、タイにも2人に行って一緒に過ごすことが多くなりました。それだけ練習も積んで来て、言ってみれば絆が深まりました。

本当は夏南子ちゃんと一緒にベガスに行って最後の調整をしたいのですが、まだビザが取れていないので自分の方が先に行くかもしれないです。ただ、本当は夏南子ちゃんと一緒に行きたいです(※取材は6日に行われた)。夏南子ちゃんが2週間後に試合なので、そのまま私も残ります。夏南子ちゃんのビザが間に合えば、セコンドに就いてほしいですし、私も彼女のセコンドに就きます」

──そのまま米国に拠点を戻す予定ですか。

「PIがあるので試合後は、ベガスでケアをゆっくりとしようと思います。それから試合がすぐに決まるようならベガスに残ります。そこに時間が掛るようだと、時期は決めていないですけどフラッと日本に戻ってくる予定です」

──ではNYではなく、日本ベースで?

「う~ん、セラ・ロンゴは女子選手がいなくて。男子もバンタムから上が多いから、行っても体格差があるので。そうなるとNYに戻ってもどうなのかっていうのはあります。なので他のジムを見るのも良いかと考えています。でも米国で練習したいとは思っています」

──そんななか対戦相手のハンナ・ゴールディにはどのような印象を持っていますか。

「ガタイが大きいですよね。グラップリングの試合にも出て、一本勝ちもしています。そこも含めて対策練習と、自分のスキルアップをしてきました」

──彼女はUFCでは1勝2敗ですが、この3年間で女子MMAのレベルアップは半端ないように感じます。

「前々からUFCで活躍している選手が年を重ねて、敗北が増えています。対照的に新しい選手がスキルもついていて、レベルアップしている中に入っていくので、ちょっと出遅れている感はしています(笑)。

でも、その中にせっかく入っていくので、やりたいことをやりたいという感じです。とにかく対戦相手はフィジカルが凄いですね。組みが強いパワー系で。でもパンチに関しては、そのパワーを伝えきれていない。凄い体をしていますが……。組みの方は得意技もあるでしょうし、ハマらないように気を付けないといけないです。相手が好きなことをしてきたら遮断して、自分の好きなことができるように実行する。そういう風に持って行かないといけないです」

──どの局面でも付き合うことは、もうない?

「遮断したいのですが、付き合っちゃうと思います(笑)。付き合わないように指摘されてきて、自分では付き合っていないつもりでも傍から見ると付き合っているように見えるようで。だから頭ではつき合わないで、自分の好きなことをやろうとはしていても、そうなっているということだし。そうならないように戦います」

──ブランクを経て、UFCファイターとして目標はどこに置いているのでしょうか。

「ブランクがあろうがなかろうが、相手は気を使ってくれないので。そこがあるからどうこうでなくて、今の自分がどれだけ通用するか。そういう想いは最初から持っていました。どこまで自分が行けるのか。契約更新ができたら成功だし、できなかったら自分がやってきたことが間違っていたことになります。今はやるべきことをやっているので、次の試合で出したいですね」

──ところで昨年の夏にインタビューをさせてもらった際に、ケガ前の自分には戻れないと言われていた一言が心に残っています。

「言っていましたっけ? ケガ前と比較すると……それまで東京のジムで練習をしたこともなかったのですが、Me,Weでは山﨑(剛代表)さんを初め色々な人にお世話になってきました。そのおかげで最近までなかった……MMAの楽しさを教わることができた気がします。以前は傍から見て近寄りがたい雰囲気があったようで」

練習仲間のファイトギアを懸命に消毒する魅津希

──豊橋時代は、絶対にそうだったと思います(笑)。

「私自身はそんなオーラを出しているつもりはなかったです。でも、近寄りがたい、接し辛いというのはあったみたいです。今では、ここで皆が仲良くしてくれて。私のことを分かってくれました(笑)。初めて東京の人達と交流が持てた、この1年でした。そして夏南子ちゃんの試合が2週間後にあるので、しっかりと勝って繋げたいです。もちろん3年振りの復帰戦でインパクトは残したいのですが、そこは判定でも良いので──お世話になっている人の期待に応えたい。まずは1勝を挙げたいです」

■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN228対戦カード

<ライト級/5分3R>
ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
ダン・イゲ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリナ・ロドリゲス(ブラジル)
ミッシェレ・ウォーターソン・ゴメス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・バトル(米国)
AJ・フレッチャー(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ヒカルド・ラモス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マイルス・ジョンズ(米国)
ダニエル・アルゲータ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ティム・ミーンズ(米国)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ミドル級/5分3R>
ジェイコブ・マルクーン(豪州)
コディ・ブランデージ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジェイク・コレアー(米国)
モハメド・ウスマン(ナイジェリア)

<女子ストロー級/5分3R>
井上魅津希(日本)
ハナ・ゴールディ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
モンセラート・レンドン(メキシコ)
タミレス・ヴィダウ(ブラジル)

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MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN223 アンドレ・フィアーリョ キック ジョアキン・バックリー

【UFN223】ウェルター級で再出発のバックリーがフィアーリョを左ハイで沈めて連敗脱出

<ウェルター級/5分3R>
ジョアキン・バックリー(米国)
Def.2R4分15秒 by TKO
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

サウスポーのバックリーがサークリングしながら右ジャブを上下に散らす。フェイントを見せるフィアーリョに左ハイを繰り出したバックリーは、徐々にプレッシャーを強める。ワンツーから左ハイを伸ばしたバックリーに対し、フィアーリョが左ジャブから右ミドルに繋げた。ここでバックリーが飛び込むも、フィアーリョがサイドにかわして逆にバックリーにケージを背負わせる。

ケージ中央に押し戻したバックリーが右スピニングバックキックを放った。さらにフィアーリョを下がらせると、左ハイを見せた。フィアーリョの右ストレートをかわしたバックリーがワンツーを返す。フィアーリョも蹴りを返すが、手数が少ない。バックリーがテイクダウン狙いか頭を下げたところに、フィアーリョの右ミドルがかすめた。飛び込んできたバックリーに左フックを合わせるフィアーリョ。バックリーがダブルレッグで飛び込むも、フィアーリョはすぐに立ち上がった。

フィアーリョはカウンター作戦に。しかし残り30秒でバックリーがダブルレッグで飛び込み、フィアーリョに尻もちを着かせた。立ち上がるフィアーリョをケージに押し込むバックリーは、再びグラウンドに持ち込もうとしたが、ここはフィアーリョが耐えてラウンドが終了した。

2R、フィアーリョがプレッシャーをかけて左フックから右ミドルへ。この蹴りが下腹部を捉えたとバックリーがアピールして、試合は一時中断。再開後、フィアーリョが積極的にワンツーで攻め立てる。対するバックリーも右ジャブ、右ローを繰り出すが、フィアーリョの右ストレートがクリーンヒットする。跳びヒザから距離を詰めるバックリーをかわすフィアーリョ、しかしバックリーのパンチを顔面に受けてしまう。蹴りを上下に散らすバックリーが、再び飛び込んで左ストレートを当てた。

ケージ中央で右関節蹴りを当てたバックリーは、中に入って左のダブルを上下に散らしていく。手数が多いバックリーに対し、残り2分となったところでフィアーリョが右ストレートを中心にバックリーをケージに追い詰める。しかしフィアーリョが攻撃が続かず、バックリーに反撃を許してしまう。バックリーがサークリングから飛び込むと、バッティングが発生。試合は一時中断となり、再開直後にバックリーが左ハイを放った。フィアーリョは左フックを返そうとしたが、顔面に左ハイを食らって背中からダウンした。

レフェリーが割って入ろうとしたところに放った右パウンドは微妙だが、ともあれバックリーがUFCウェルター級転向初戦をKO勝利で飾った。


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MMA MMAPLANET o UFC UFN215 アンドレ・フィアーリョ イオン・クテレバ ザルガス・ズマグロフ ジェニファー・マイア ジャック・デラ・マダレナ セルゲイ・スピヴァク チャールズ・ジョンソン テレザ・ブレダー デリック・ルイス ブレディ・ヒースタンド マイルズ・ジョンズ マリア・オリヴェイラ マリナ・モロズ ムスリム・サリコフ リッキー・トゥルシオス リー・ジンリャン ワルド・コルテスアコスタ ヴィンス・モラレス

【UFN215】フィアーリョと対戦、散打王ムスリム・サリコフ─02─「散打ファイターではダメなんだ」

【写真】非常にゆったりした感のあるサリコフ。殺気を全く纏わない強者 (C)Zuffa/UFC

19日(土・現地時間)はネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN215:UFN on ESPN+73「Lewis vs Spivak」が開催され、アンドレ・フィアーリョと対戦するムスリム・サリコフ・インタビュー後編。

リー・ジンリャン戦の敗北からの再起戦となるサリコフだが、そのジンリャン戦での準備不足の厳禁はロシア人ファイターあるあるというべきビザ取得に起因していた。ロシア・ダゲスタンの歴史に名を残す散打ファイターは、38歳になってなお純粋に強さを求めるウォリアーだった。

<ムスリム・サリコフ・インタビューPart.01はコチラから>


──ではムスリムはなぜMMAに転向したのでしょうか。ヴォルク・アターエフやザビット・マゴメドシャリポフと比べても、圧倒的に散打の世界で成功を収めており、その実績だけで散打界で大御所としてやっていけたのではないですか。

「ただ僕がウォリアーだからだよ。ベストファイターと戦いたい。僕はいつだって引退できる。でも毎日のようにスクールに行って、コーチと会って、皆と練習する日々を送りたい。まだハングリーなままなんだよ。だからMMAに転向したんだ。グセインはちょっと年を取ったけど、今もスクールに来てアドバイスをくれるよ。動きよりも、言葉で僕をサポートしてくれている。

もう僕も十分に経験を積んできたから、トレーニングに関しては自分のやり方が確立しているしね。そして試合前になるとATTに行って、ファイトキャンプを行っている。ATTはベストのMMAジムだよ」

──過去5年間負け無しだったのですが7月にリー・ジンリャンに敗れ、今回の試合は仕切り直しの一戦にになります。

「とても大切な試合になる。この試合で勝てば、UFCでの未来が広がる。ただし負けても……何も失うモノはない。UFCがチャンスをくれれば、また戦う。僕はウォリアーのままだから。ただし、今回の試合は前回とは違ってベストシェイプだ。リー・ジンリャン戦は、満足いく調整ができなかった。

ビザが取れず、試合の10日前になってようやく手にすることができたんだ。大切な調整の時期にビザを取るために色んなところに足を運びまくった。最終的にアルメニアまで行ってようやくビザを取得できたんだ」

──アルメニア……。それは大変でした。つまりATTでファイトキャンプを張ることもできなかったわけですね。

「今、ロシア人がビザを取るのはちょっと大変だからね。それでも最後のパンチを被弾するまで、僕の方が試合は優勢だった。あの状態で戦っても、最初の2Rを取ることができた。でも一発で逆転負けした。それがMMA。一発で勝負が決まる。アレがラッキーパンチとは言わない。彼が僕をKOしたんだ。そして今回はずっと体調が良い。もっと良い戦いができる」

──フィアーリョの印象を教えてください。

「フィアーリョは良い選手だ。若くて、常にフィニッシュを目指している。好きなタイプなファイターだよ。彼も僕もフィニッシュを狙うから、激しい試合になる。大歓迎だ」

──フィアーリョはリー・ジンリャンと同じキルクリフCFで練習している選手です。ムスリムのデータを共有しているのではないでしょうか。

「全く問題ない。あの体調の悪さで2Rまで僕が勝っていた相手から情報を得ていても、今回の僕の調子はまるで違うからね。フィアーリョがリー・ジンリャンのチームメイトということは全く気にならないよ。

ベストチームであるATTで、10週間も最高のチームメイトとしっかりと練習できた。何も恐れるものはない」

──ムスリムはパンチと蹴りが連動しており、抜群の距離とタイミングの取り方ができます。今回のフィアーリョ戦、キーポイントはどこになると考えていますか。

「全てだよ。これはMMAだからね。コンプリートファイターにならなければいけない。散打ファイターではダメなんだ。レスリングも柔術も理解して、戦う必要がある。コンプリートファイターになるためにレスリングと柔術に力を入れてきた。しかも、素晴らしいコーチに恵まれているから、メキメキと力をつけている。MMAで勝つには、コンプリートファイターでなければいけない」

──ムスリム、今日は試合前にもかかわらず、貴重な話を聞かせて頂きありがとうございました。

「日本のファンに散打とコーチの歴史、我々のスクールの話をすることができて良かった。グセインはソビエト共産党政府の目を逃れて空手の稽古をしていた。彼がソ連政府に目をつけられながら、諦めずに稽古を続けたからこそ、今のスクール、今の僕がある。それを皆に分かってもらいたい。僕も日本を尊敬している。グセインが侍、日本人、空手についていつも話をしてくれた。そんな日本のファンに僕の試合を楽しんでもらいたい」

■視聴方法(予定)
11月20日(日・日本時間)
午前3時00分~UFC FIGHT PASS

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)

<ライトヘビー級/5分3R>
イオン・クテレバ(モルドバ)
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
チェイス・シャーマン(米国)
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)

<ウェルター級/5分3R>
ムスリム・サリコフ(ロシア)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ダニー・ロバーツ(英国)

<フライ級/5分3R>
ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)
チャールズ・ジョンソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジェニファー・マイア(ブラジル)
マリナ・モロズ(ウクライナ)

<バンタム級/5分3R>
マイルズ・ジョンズ(米国)
ヴィンス・モラレス(米国)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
ケヴィン・ナタヴィダッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリア・オリヴェイラ(ブラジル)
ヴァネッサ・デモポウロス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ファルニ・ガルシア(メキシコ)
ブレディ・ヒースタンド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ナタリア・シウバ(ブラジル)
テレザ・ブレダー(チェコ)

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MMA MMAPLANET o UFC UFN215 アンドレ・フィアーリョ ボクシング マゴメド・マゴメドフ ムスリム・サリコフ リー・ジンリャン

【UFN215】MMAふしぎ発見! フィアーリョと対戦、ムスリム・サリコフが語る─01─「散打の歴史 in ロシア」

【写真】初めて聞く話ばかり。試合前でなければ、もっと色々と教えて欲しかった (C)MMAPLANET

19日(土・現地時間)はネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN215:UFN on ESPN+73「Lewis vs Spivak」が開催され、メインカードのウェルター級でムスリム・サリコフがアンドレ・フィアーリョと対戦する。

リー・ジンリャンに敗れ再起戦となるサリコフは、キング・オブ・カンフーの異名を取る散打出身のストライカーだ。北京五輪と同時開会された北京武術(ウーシュウ)トーナメントの85キロ級金メダリストのサリコフは世界大会で5つの金メダルと1つの銀メダルを獲得しており、散打の歴史で非中国人として最も成功を収めたことで知られている。

そのサリコフにインタビューを試みると彼が指導を受けたマーシャルアーツスクールの存在から、ロシア及びダゲスタンにおける散打の発展理由が語られた。

なぜロシア人ファイターは散打をバックボーンにしているファイターが多いのか──そしてサリコフだけでなく、ヴォルク・アターエフやサビッド・マゴメドシャリポフのような散打ファイターがダゲスタンで生まれた秘密が明らかとなった。


──キング・オブ・カンフーのインタビューができてとても嬉しく思っています。

「ノープロブレム。僕も日本のファンと触れ合える機会がなかったので、インタビューをしてもらってとても嬉しく思っている。スパシーバ。日本という国は僕にとって、とても大切な国だからね」

──ダゲスタン生まれ散打で数々の栄光を手にして来たムスリムですが、日本が大切というのはどういうことでしょうか。そもそも散打がなぜロシアで盛んなのかの分かっていないのですが……。

「ロシアではなくて、ダゲスタンで盛んなんだ。散打はダゲスタンでもっと盛んなアマチュアスポーツの1つだよ。多くの人々が散打のトレーニングをしている。空手もそうだよ。ダゲスタンの人間はボクシング、レスリング、そしてマーシャルアーツが好きなんだ。今では柔術も人気があるよ」

──ムスリムと散打の出会いはいつ頃だったのですか。

「僕は7歳の時にダゲスタンの首都マカチハラから父の故郷であるブイナスクの近くにあるハリムベガウルという小さな村に引っ越したんだ。その時、近所の子供達がマーシャルアーツ・スクールに通っていているのを見た。それがピャーチ・スタロン・スィウェタ(ファイブ・ダイレクションス・オブ・ザ・ワールド)という世界一の規模を誇る武道学校だったんだ。先生のグセイン・マガマエフは若い頃から空手の稽古を積んでいた人物で(双子の兄弟と重量挙げの経験があり、叔父からコンバットサンボの指導を受けた時期もあった)」

──ソビエト連邦時代、空手の練習は禁じられていたと聞いたことがあります。

「その通りだ。彼は空手の稽古をしてチャンピオンにもなった。でも、共産党は空手のトレーニングを突如禁じ、誰もが表立っては空手ができなくなった。でも彼は地下に潜って空手の稽古を続けた。

と同時にグセインは中国に渡り、武術散打を学んだ。中国は知っての通り共産党の国だから空手は禁じられても、ソビエト連邦の共産党政府は中国の格闘技である散打を学ぶことは認めていたんだよ。共産党政府は取締りの目を光らせ、空手の稽古をしていないか監視した。だからグセインも表立っては散打の練習と指導はきなかった。そして監視役が立ち去ると、リアルマーシャルアーツ……ファイトのトレーニングをしていたんだ(笑)」

──なるほどぉ、共産党繋がりで散打はソ連で認められていたと。なのでソ連崩壊後もロシアのMMMAファイターには散打の経験者が多いということなのですね。いやぁ、全然知らなかったです。

「当時グセインはモスクワに居を構えていたけど、1982年にマーシャルアーツを禁じるという取り締まりを受けたのをきっかけに1984年にダゲスタンに戻り、ブイナスクに小さなスタジオで散打の指導を始めたんだよ。僕がブイナスクに住むようになったのが1991年でまさにソビエト社会主義共和国連邦が崩壊する年だった。

僕は父に『皆、何をしているの?』と尋ねた。すると父は『あの子たちはファイトしに行っているんだ。ブルース・リーみたいなマーシャルアーツだよ』と答えてね(笑)。僕はブルース・リーの大ファンで、映画を何本も視ていたから『僕も通いたい』って哀願してね。父は僕を連れてグセインのマーシャルアーツ・スクールに連れて行って話をしてくれた。回りは僕よりも年上の生徒が多かったけど、その日から散打を練習をするようになった。風邪をひいたり、体調が悪くなった日以外は毎日のようにスクールに通った。

僕の先生は散打を指導してくれたけど、彼のベースには空手がある。だから日本は僕にとって大切な国なんだ」

──グセインさんは政府や連盟などのサポートがあって、それだけの大きなマーシャルアーツ・スクールを運営できていたのでしょうか。

「もともと小さなスタジオから始まって、徐々にジムを拡張していった。彼は自分の力でスクールを今の規模まで大きくしたんだ。ただ建物に関しては政府が、提供しているはずだよ。そしてダゲスタン共和国の教育科学省の認可を受け、マーシャルアーツの寄宿学校にまで成長している」

──いやぁ、想像の範疇を越えていますね。

「今では散打だけでなくテコンドー、空手のクラスもある。ヴォルク・アターエフ、ザビッド・マゴメドシャリポフ、マゴメド・マゴメドフらもグセインの教え子だよ。今ではグセインの教え子が他の街にスクールを創っているので、ダゲスタン中にグセインのマーシャルアーツ・スクールが存在しているんだ。ダゲスタンがコンバット・スポーツで強いのは、グセインの教え子たちが全土で打撃を指導しているからだよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月6日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

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MMA MMAPLANET o UFC UFC275 アンドレ・フィアーリョ キック ジェイク・マシューズ

【UFC275】パンチャーのフィアーリョを、ジェイク・マシューズが左フックから右ストレートでKO

【写真】マシューズはパンチの鋭さと詰めの強さが凄まじかった(C)MMAPLANET

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
Def.2R2分24秒 by KO
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

前に出るのはフィアーリョ。マシューズは会場の大声援を受けながら、右ローを連続で繰り出す。フィアーリョは左ジャブから相手にケージを背負わせた。ケージから離れたマシューズは右カーフキック。フィアーリョも右カーフを当てる。ケージを背負いながらスイッチするマシューズの右フックがヒット。ケージ中央に押し戻し、左ハイを繰り出した。フィアーリョは変わらずプレッシャーをかけていく。マシューズはフィアーリョの動きに合わせて右クロスを狙う。フィアーリョは前に出るも手数が少ない。マシューズがサウスポースタンスから右フックを振りながら飛び込む。

再びケージを背負ったマシューズのパンチがクリーンヒットする。フィアーリョもマシューズの左フックに右ストレートを被せる。残り1分20秒で互いの手数が増えるなか、フィアーリョの左ジャブとマシューズの右が当たった。マシューズの左三日月蹴りが突き刺さると、フィアーリョも右カーフキックを返す。マシューズはフィアーリョの右カーフに右ストレートを合わせた。フィアーリョがケージ際でパンチの連打、しかしマシューズが左フックをアゴに叩きつけて押し戻す。最後はフィアーリョが盛り返し、下がったマシューズがマットに背中を着いた。

2R、ここでもフィアーリョが距離を詰める。マシューズはサークリングしながら左ジャブを繰り出す。サウスポーになったマシューズに対し、一気に距離を詰めたフィアーリョ。しかしマシューズの右ストレート、左フックが連続でフィアーリョの顔面を捉える。何度もグラつくフィアーリョを、マシューズが追い詰めていく。マシューズの左ハイをブロックしたフィアーリョ。しかし自身のパンチはマシューズに届かない。マシューズは右クロスを当てた。そしてケージにフィアーリョを追い詰めて左フックでグラつかせたあと、パンチ連打から右ストレートのカウンターを食らったフィアーリョがダウン。そのまま試合が止められた。


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BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL UAEW UFC UFC275 アンドレ・フィアーリョ イリー・プロハースカ カン・ギョンホ グローバー・テイシェイラ ジェイク・マシューズ ジャック・デラ・マダレナ ジャン・ウェイリ タイラ・サントス チェ・スンウ バットゲレル・ダナー ペドロ・カルバーリョ マァフゥシャトゥ マネル・ケイプ ミシェウ・ペレイラ ラモーナ・パスカル ヴァレンチーナ・シェフチェンコ 佐藤天

【UFC275】3カ月連続で試合出場、アンドレ・フィアーリョ「実戦ほど成長させてくれる機会はない」

【写真】優しい笑みと、Bellator以降の10勝で8つのKO勝ちを生んでいる拳。フィアーリョこそポルトガルの二面性を顕著に表している人物かもしれない(C)MMAPLANET

12日(日・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC 275「Teixeira vs Prochazka」でジェイク・マシューズと戦うアンドレ・フィアーリョ――は、今もグローバルステージは数少ないポルトガル人ファイターだ。

UFCに到達するまでBellatorやPFLでの挫折を経験している。最終的にはミドルイースト経由でUFCとの契約を勝ち取った。そして今年1月のオクタゴン初陣でミシェウ・ペレイラに判定負けを喫したものの4月と5月に連勝、今回のマシューズ戦は3カ月連続でのファイトとなる。

世界最高峰の場で1カ月に1試合のペースで戦うフィアーリョに初インタビューを敢行した。


――4月から3カ月連続、今年に入って既に4試合目となります。

「普段からヘルシーに過ごせるように、心がけているんだ。ジムで練習し、体が動ける状態を保っている。今ではスマートに練習できるようになったので、この間隔でも問題なく戦うことができるよ。

砂糖の入ったモノは口にしない。ソーダも飲まない。だから15ポンド程度落とすだけで済むし、試合の体重に落とすこともイージーなんだ」

――とはいえ試合前は緊張するでしょうし、試合後には心身ともにリラックスする時間も必要かと思います。

「自分にそういう休息は必要ないと思っている。戦いたい意欲が凄くて。そのモチベーションがあるほうが、自分を律することができる。何より実戦ほど自分を成長させてくれる絶好の機会はないからね。だから、ケガがない限り試合には出られるだけ出たいと思っているんだ」

――この間隔で戦うことに周囲の反応は?

「コーチは休息をとって、そんなに試合を受けるなと言っているよ。でも、自分ことは自分が一番分かっている。ケガもなく戦える状態にあるなら、僕は戦う」

――それは決してトップファイターになるために、急いでいるということではないのですね。

「ノー、そんなことはないよ。一歩ずつステップしている。そういう感情があったのは、他の大会に出ているときに僕に勝った相手にリベンジをしたいと思っていた時だけだよ。UFCに行くためにリベンジしたかった。でも、今はさっきも言ったようにステップ・バイ・ステップ、着実に経験を積んでいこうと思っている」

――ポルトガルという今もMMAファイターが決して多くない国出身のアンドレですが、サンフォードMMAに所属してどれぐらいになるのでしょうか。

「もう4年かな……フロリダに住むようになって。その前は2年間、ベイエリアに拠点を置いてAKAで練習していたんだ」

――アンドレとBellatorで戦うペドロ・カルバーリョが、ポルトガルを代表するファイターという認識でいるのですが、国内のMMAシーンは現在、どのような状況なのでしょうか。

「マネル・ケイプもアンゴラとポルトガルのダブルパスポートを持っていて、ポルトガルのMMAをリードしている1人だよ。ポルトガル北部でずっとキャリアを築いてきたからね。ポルトガルのMMAは成長はしているけど、広まっているとは言えない。その過程にあるよ。ブラジルから多くの選手がポルトガルにやってきて、MMAの指導をするようになった。ただし、選手たちの経済状況はさほど良くなくて、そういう投資もまだ十分じゃない。

もともとジムや選手のレベルがそれほど高くなかったから、僕はポルトガルを離れた。だからこそポルトガルのMMAの発展に寄与したい。僕のような苦労をすることなく、若い選手たちがMMAをやっていける道ができるようサポートして、ポルトガルのMMAの成長の助けになりたいんだ。若い選手を支えられるようなりたいと思っている」

――それにしても、私はポルトガルとMMA、ファイトスポーツが結びつかないです。今もポルトガルほど素朴で、親切な人が多い国はないと思っているので。

「ポルトガルの国民性って、2つの顔があるんだよ(笑)。多くの人がしっかりと教育を受けていて、謙虚で親切だ。それはその通りだよ。でもファイトも愛している。夜の街、渋滞中の道路なんかじゃ、どこでもストリートファイトが見られるよ(笑)。僕はそういうポルトガル人らしさが好きなんだ」

――なるほどぉ。ところでアンドレはBellator、PFLで戦っていた時期があり、UFCと戦う前はUAE Warriorsで3試合を経験しています。中東で戦ったのは、なぜでしょうか。

「マネージャーから『UFCファイターと契約したいなら、俺のいうことを聞いてくれ。絶対にUFCに届かせるから』と言われたんだ。『分かった。どうしたら良い?』と尋ねると、『UAE Warriorsで試合をしよう』というのが、彼の答えだった。

そして1試合戦い、勝って戻ってきた。彼はもう1試合だ、と。また勝った。そうしたら『もう1度だ』と言われ、3度目も勝った。本音を言えば、アブダビではコロナ・プロトコルで色々な制約があり苦痛だった。そうじゃないと試合ができないというのは分かっていたけど、バブルが創られてホテルから出ることもできない。本当に息が詰まりそうだったから、あれ以上戦いたいとは思っていなかったよ。

でも、UFCに行くためだというマネージャーの言葉を信じた。結果4試合目を戦おうとしていた時にUFCからコールがあったんだ。UAEWで戦って良かったと思っている。UFCと比較すると小さなイベントだよ。でも大会の質も高いし、出場選手も強かった。UFC Fight Passで配信もされている。それにファイトマネーも良かったし、キャッシュで支払われるんだ。僕の力を示すためには、本当に良い大会だったよ」

――チームメイトの佐藤天選手から、アンドレもUFCファイターになるために強い意思を持ち続けていたと聞いたことがあります。

「I LOVE SATO(笑)。その意思を強くもって、自分の進みたい道を進み、手を伸ばすと届くチャンスは全て掴んできたつもりだよ」

――素晴らしいです。では改めて対戦相手、ジェイク・マシューズの印象を教えてください。

「ウェルター級の中で、特に力強い選手だと思う。7、8年もUFCに在籍していて経験豊かなファイターで、凄くウェルラウンドだ。でも僕のスピードは、彼とは明白に違う。僕の方が速く動ける。

彼はUFCで名を残しているけど、何も心配することはない。それよりも、自分自身が力を発揮できるかどうかの方が大切になってくる」

――ランキング外の相手ですが、ランク入りするためには恰好の相手かもしれないです。

「ランキングのことは気にしないよ。トップ15、トップ10が目標じゃない。僕の目標はチャンピオンになることだ。だから全ての対戦相手を眠らせる。世界のトップと戦うために、自分がどう戦うかに集中している。ジェイクは素晴らしいファイターで、それこそ自分を試すという点でも最高の相手だよ。彼を相手に自分の力を試したい。けれども、注意するのは彼ではなく、自分がどう戦うかだよ。

ジェイク・マシューズとの試合で、僕は誰でも倒せる力を持っていることを証明する。この惑星で最高のウェルター級ファイターの1人だと、ね」

■視聴方法(予定)
6月12日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC275計量結果

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]グローバー・テイシェイラ: 205ポンド(92.99キロ)
[挑戦者] イリー・プロハースカ: 205ポンド(92.99キロ)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ: 124.5ポンド(56.47キロ)
[挑戦者]タイラ・サントス: 125ポンド(56.7キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヨアナ・イェンジェチック: 116ポンド(52.62キロ)
ジャン・ウェイリ: 116ポンド(52.62キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ: 170.5ポンド(77.34キロ)
アンドレ・フィアーリョ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ラマザン・エミエフ: 171ポンド(77.56キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・スンウ: 146ポンド(66.22キロ)
ジョシュア・クリバオ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ: 155.5ポンド(70.53キロ)
スティーブ・ガルシア: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン: 186ポンド(84.37キロ)
ジェイコブ・マルクーン: 186ポンド(84.37キロ)

<バンタム級/5分3R>
カン・ギョンホ: 136ポンド(61.69キロ)
バットゲレル・ダナー: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
シルヴァナ・ゴメス・フアレス: 116ポンド(52.62キロ)
リャン・ナ: 116ポンド(52.62キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ホセリン・エドワルツ: 145ポンド(65.77キロ)
ラモーナ・パスカル: 145ポ

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