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Interview MMA Special UFC シャーウス・オリヴェイラ ボクシング マイケル・チャンドラー 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:5月─その弐─オリヴェイラ✖チャンドラー「遠回りをして最後に」

【写真】UFC在籍11年目、ライト級で世界の頂点に立ったシャーウス・オリヴェイラ (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年5月の一番、第ニ弾は15日に行われたUFC世界ライト級選手権試合=シャーウス・オリヴェイラ✖マイケル・チャンドラー戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年5月の一番、2試合目をお願いします。

「オリヴェイラ✖チャンドラーです。この試合、オリヴェイラがパンチでチャンドラーに勝ったことは当然のように注目されますが、そのオリヴェイラの強味は下……ガードで守れることにあったと思います。初回のピンチをガードで凌げたことが大きかった」

──初回に右を効かされ、最初は亀になって足に組もうとしたところでパウンドを受けて、ガードを取ったところですね。

「ハイ。オリヴェイラがガードを取ると、上に居てもサブミッションを警戒してチャンドラーも勢いを持続することができなかったです。あそこをガードで凌げたことが、勝負の分かれ目でした。

ただし、ガードを取ることが誰しもに有効ではなくて。それはオリヴェイラの技量があるからで。チャンドラーと5分✖5Rと戦う。25分の試合ですけど、チャンドラーは割と短距離走の選手です。その試合で最初のピンチをガードで凌げたのはさすがです」

(C)Zuffa/UFC

──その序盤、思った以上に身長差があってチャンドラーはボディ打ちしか見せていなかった。これは近寄れないのかという風にも見えました。

「相打ちになりそうな感じで。だから、結果的にああいうフィニッシュはあると思っていました」

──オリヴェイラが効かされてガードを取ったのとは対照的には、チャンドラーは効かされたあと組みにいかなかったです。

「MMAに於いて打撃の人、一点突破型になっていますね」

──青木選手はチャンドラーのUFC初戦後、まだオリヴェイラ戦が決まる前にチャンドラーはオリヴェイラに分が悪いと言っていましたしね。

「オリヴェイラ推しでしたよね。それはウィル・ブルックスなんです」

──ウィル・ブルックス?

「ハイ。もともと2人ともウィル・ブルックスと戦ってます。で、チャンドラーはブルックスにやられていて、オリヴェイラは完勝しています。そこを見て、両者の間に力の差はあるんじゃないかと僕は見ていましたけど、やはりUFCなんだということを再認識させられますね。それもウィル・ブルックスが勝てなかったわけで……そこは、ちょっと感じましたね」

──UFCが抜けていると。

「でも、皆が分かっていると思いますよ。だってねぇ、レベルが違うじゃないですか。そんな場所で11年、オリヴェイラは興味深いキャリアを積んでいます。結果的に全部を埋めてきた」

(C)DAVE MANDERL

──実はオリヴェイラのUFC初戦が、たまたま五味選手、岡見選手が出場した大会で(※UFC on Verus02。五味がタイソン・グリフィンにKO勝ち岡見がマーク・ムニョスに判定勝ち)、全く知らない選手だったのですが、見事に腰を切った腕十字をダレン・エルキンスに極めて、その当時からUFCで下から極める選手がいるんだって驚いたことが思い出されます。

「でも最初は言えば、下だけの選手だった。なんか派手なサブミッションはあるけど、穴もある。そうだったのが次に打撃ができるようになった。でもスクランブルで逆に取られもした……、そうするとレスリングに関しても穴を埋めた。それもウィル・ブルックス戦なのですが、テイクダウンをしましたからね。

これは異常な進化……です」

──異常ですか。

「もともと寝技の人間が、遠回りをして最後にカチっと合わせることができた。ここまでの進化は、ほぼほぼ例がないですよね」

──現代MMAでいえばボクシング&レスリングでいくと、ここまでのガードワークを身につける時間はないかもしれないですね。

「背中をつける練習をしている人間は、米国でも少ないかもしれないですけど……だからといってオリヴェイラが柔術やグラップリング競技で結果を残せるのかといえば、また違う話で。でも、本当にスペシャルな存在です」

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Interview MMAPLANET Special 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番、番外編─大坂なおみ問題─「仕事だから。互いのプライドがルール」

thumbnail image【写真】クレイ・グィダ戦後の日沖発、ドミニク・クルーズ戦後の…

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【SSBU crazy】ヨッシーのたまご産みKO集3【スマブラSP VIP】

スマブラSPでは最近、ヨッシーが大会などでも大活躍していますね♪今回は主にVIP部屋から選りすぐりのペロン《たまご産み》を凝縮!かなり特殊なクレイジーKOを図鑑形式にて紹介します。
これからヨッシーを練習したい人やヨッシーの対策をしたい人の参考になれば幸いです。

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前作「たまご産みKO集2」

初代「たまご産みKO集1」

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今回はタマゴカウンターは廃止しました。あまりにも数が増えすぎたためです 笑
約20種類のぺろんの中でおそらく100回以上たまご産みをしたと思います!一風変わったプレイをお楽しみください。

今回は初心者でも出来るかどうか、VIPでも有効かどうかに焦点を当て、難易度・実用性の表示も付けました。参考になれば幸いです。

<自己紹介>
深夜~早朝にスマブラVIPマッチに出没する水色ヨッシー使い、KOP-YTubeとして日々オンリーワンなプレイを目指し、現在VIP街道にて活動しています。もしオンラインで出会った際は対戦よろしくお願いします。

# Smash Bros Special
# Yoshi #SSBU
# Yoshi’s Crazy Eggs

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2021年5月クラスVlog!

Special thanks to 会員の皆様 and Daisuke Yasuda(撮影協力)
#埼玉県越谷市 #越谷 #越谷柔術 #大人の習い事
#親子で #護身術 #グレイシー柔術
#BeatMake #ビートメイク #Maschine
#MaschineMK3 #運動不足解消

動画編集:Hiroki Fukasawa
Beat Make:Hiroki Fukasawa
音楽機材:Maschine MK3

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Interview K-1 MMA ONE Special YouTube

K1 kickboxing champion Kubo and beautiful woman Sarah learn Aikido self-defense techniques PART2

The video has English subtitles.
Please use the subtitle function of YouTube.

◆K-1 kickboxing champion Kubo and beautiful woman Sarah learn Aikido self-defense techniques
PART01 https://youtu.be/DfFGYPKR1TI

◆Click here for the Aikido video of the collaboration “Sara Kubo Channel” ↓
[Part 1] https://youtu.be/1MHb9W86b5o
[Part 2] https://youtu.be/Uc5SFaSURDw

Shirakawa Ryuji shihan – aikikai 6th dan
◆Instagram:https://www.instagram.com/ryujishirakawa/
◆Facebook :https://www.facebook.com/aikido.shirakawa

◇Amazing Aikido

◇Aikido×MMA

◇Amazing Aikido self-defense

◇Amazing! Training – RYUJI SHIRAKAWA

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★Teaching/supervision: Ryuji Shirakawa, 6th dan Aikikai
As part of Japan’s delegation in the 2013 World Combat Games, he demonstrated his amazing techniques to numerous fans of aikido. Currently, in addition to being the head of a dojo in Japan’s Tohoku area, he is traveling extensively abroad: about twenty-five percent of his time is spent in over 10 countries from which he receives invitations to teach.

◇Shirakawa Ryuji sensei biography
https://note.com/budo05/n/n78eeca134314
https://michaelma09.wixsite.com/sensei/about-shirakawa-sensei
https://senseiaikido.com/ryuji-shirakawa/
https://budojapan.com/video/20190910/
https://simonechierchini.com/2020/05/07/interview-with-ryuji-shirakawa-shihan/

◆Interview with Aikido Ryuji Shirakawa (English)

◇Popular videos
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Fantastic Aikido! Shirakawa Ryuji shihan

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Aikido Sutemi Waza – Effective Throwing Techniques

About Aikido Shinburenseijuku

◆Aikido Shinburenseijuku official website(Japanese)
http://www.shinburenseijuku.com

DVD Volume 1
https://www.budovideos.com/products/beautiful-amazing-aikido-dvd-by-ryuji-shirakawa

DVD Volume 2
https://www.budovideos.com/products/beautiful-amazing-aikido-vol-2-dvd-by-ryuji-shirakawa

◆Aikido shinburenseijuku
※Shirakawa Ryui shihan’s Dojo in Japan
http://www.shinburenseijuku.com

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Bu et Sports de combat Special ブログ 岩本健汰 岩﨑達也 松嶋こよみ 青木真也

【Bu et Sports de combat SPECIAL】青木真也 meets 武術空手。武の原理原則をMMAに落とし込むには──

【写真】格闘技に正解も不正解もない。勝てば正解、負ければ不正解。ただし、取り組み方には正解、不正解はあり、とことんやりこむ青木の「技術信仰は一つの宗教。そこを信じるかどうかというのは」という言葉は説得力に溢れている(C)MMAPLANET

青木真也から東京都世田谷区のロータス世田谷で剛毅會空手の手ほどきを受けるという連絡を貰い、5月24日(月)──見学させてもらうことにした。

青木は以前より岩﨑達也氏の打撃や武術論よりも、モノの見方に興味を持っており、プライベートで会いたいということを言っていた。コロナ禍ということもあり、会食云々でなく取材として4月23日発売のFight&Life誌で対談という形で意見交換を両者にしてもらった。

そこから彼らの親交が進み、今日の技術交流が実現した。まずは青木が興味を抱いた「置く、突き」に関して、パンチの打ち方、当て方という部分で両者のやりとりは始まった。

置く、突きの理論を知るために青木のパンチの打ち方や体の使い方をまず探り、ここから突きだけでなく左ミドル、前蹴り、三日月とミット打ちや組手で確認作業が進んだ。

組手では当然のように相手が必要で、そこは武術空手の原理原則をMMAに誰よりも落とし込めている松嶋こよみが務めた。

松嶋の存在が、より青木の理解を深める速度を上げ、岩﨑氏の説明を迅速にした。

打撃のための打撃の構えと、組みも交えた時の打撃の構えでは、青木の歩幅や角度が変わり、動きをコントロールする足も前足と後ろ足で変化が見られた。

移動で創るエネルギー、養成したエネルギーを移動させる違い──ここをより理解するために、ロータスのグラップリング・スパーリングに参加して、この模様を眺めていた岩本健汰も加わった。

非常に興味深いもので、組み有りの組手になると、打撃だけの時よりも青木のパンチが良いタイミングで松嶋を捉えるようになった。

パウンド、グラウンドでのエルボーはそもそもボクシングにも、ムエタイにもない技術だ。ここに青木が「置く、突き」に着眼し、その原理原則を採り入れられるかを試みた。

武術とは本来、攻防を生まない。戦いでいえば失点しないのが原則だ。しかし、MMAは加点しなければならない。そのために武術をMMAに落とし込む必要がある。

それには武術的に正しい姿勢、体の使い方を体得するのが近道だ。そして、自分の体の使い方、姿勢が乱れていないのか、自身にサインを身の内から送ることができるのが型稽古だ。

青木は何かアドバイスを受けるたびに、体を動かすのを一旦止めて頭を働かせていた。疑問を感じると、すぐに質問し納得しようとしていた。青木真也という組み技、ムエタイをやり込み、MMAに落とし込んできた格闘家だからこそ、武術空手の動きを自らが持ちうる技術の上積みにするのではなく、原理原則の自身が培ってきた技術の細部に生かすことができる。

そんな風に思えた約2時間半の稽古で見られた、究め方は違っても、強くなることを考え続ける両者、そして松嶋&岩本を含めた4人の濃密なやり取り。改めて取材という形で深堀りできれば。さぞかし楽しいだろう。


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Interview Special クリス・ワイドマン ブログ ユライア・ホール 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:4月─その参─ホール✖ワイドマン「カーフ」からの「パウンド」

【写真】なぜ、このような凄惨なシーンが生まれたのか…… (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年4月の一番、第三弾は24日に行われたUFC261からユライア・ホール✖クリス・ワイドマン戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年4月の一番、最後の試合をお願いします。

「ユライア・ホール×クリス・ワイドマンですね」

──目を背けてしまうフィニッシュになりました。

「まぁワイドマンですけど、あの蹴り方をよくするなって思います。あれってサッカーボールキックみたいに直線的に下から蹴り上げていて。やっぱり、あの蹴り方はまぁせんよねって。

日本でもする人がいますけど、摺り上げるように蹴るという……。あれは危ないです。危ない。基本を無視した蹴りです」

──チェックというか、カーフに対してホールも若干踏み込んだ。そこでスネとスネが当たり、蹴った方のワイドマンが骨折した。結果的にスネ受けをしたような形になりました。

「あの蹴り方は、もう運任せで。ホールが少し踏み込んでいないと、脹脛を蹴ることができて、効かしていたということなんでしょうけど。そんな危ない蹴り方をよくするなって思います」

──あの試合の後も、蹴り下ろすのは当然として、青木選手のいうところのサッカーボールキックのようなカーフローを蹴る選手は続いています。

「続いていますか……。外側を叩き蹴るってことなんでしょうけど、下からふわっと蹴ってあの受け方をされると折れますよ。それと相手のスタンスを見て、蹴り方を考えないと。ホールのように立ち気味だったら、チェックもされますしね」

──蹴りが飛んでくる方にスネを向ければ良いわけですしね。

「ハイ。その通りです。僕もアップライトで構えますけど、チェックできるし。そういう選手にはあの蹴りは出せなくなるはずです」

──ここまでMMAが進化して、28年の歴史にあってなお蹴りは言ってみると基本的な技術が伝わっていなかったということでしょうか。

「まぁ米国は、ムエタイ文化がある国じゃないですしね」

──もうこれは1970、1980年代からキックも空手もロー、下段なしルールが多かった歴史もあります。

「だからコリー・サンドヘーゲンとかは、キックボクシング文化で育っているから、ああいう蹴りは使わないです。スネなんか蹴らない」

──コロラド州デンバーはムエタイとキックが他より盛んで、サバキチャレンジという大会がメジャーで、二宮城光氏の円心会館空手も根づいています。

「サンドヘーゲンもそうだし、カーロス・コンディットも蹴らなかった。もちろんケニー・フロリアンも蹴らなかったじゃいないですか」

──ケンフロはボストンにあるシットヨートン・ジムでムエタイを学んでいましたね。

「彼らのように蹴りを習ってない──蹴りの文化がなかったからこそ、ワイドマンのような蹴りを使うのでしょうね。ATTにしてもモハメド・オワリがいた時なら、カーフを蹴らせていなかったかもしれないです」

──なるほどぉ、そうですね。

「堀口選手も蹴っていましたけど、あれはもうカーフ以前にカーフを蹴ることができる要因がありますからね。立ち位置として外を取れているので、結果的にカーフなだけで。構え、立ち位置、距離、間……です。

堀口選手はディスタンスとアングルに長けているので、あそこまで外して蹴ることができる。別に殴ることだってできますからね。その状態で、足を蹴っただけで。効いたから続けた。堀口選手のカーフはそういうことだと思います」

──堀口選手は1月にインタビューをさせていただいた時に、彼自身がカーフを蹴られても、スネ受けすれば良いだけだと言っていました。

「その通りです。なんで、アレを貰うんだよって思います。アレは良くわからないです。K-1とかキックだと、構えが前足重心で、爪先もボクシング的に内側を向いているから皆が使っているけど」

──言ってみれば、脹脛を最初から晒しているわけですね。

「そうです。だから今のK-1やキックは、カーフを蹴っているけど、MMAは色々な構えがあるわけで。そういう基本的なことを知っておかないといけないです。

距離とアングル、基本的なことを考えないとダメです。基本を知って、技のメリット、デメリットを知る。食材の良さと悪さを知らないと、料理ができないのと一緒ですよ」

──そうですね、毒を持つ生物はいるわけですし。何でもかんでも見様見真似で、美味しいぞって焼いて食べるわけにはいかないです。

「パンチだってどこを当てるか、どこで打つのか。そうやって殴っているわけだし。朝倉海✖堀口恭司でいえば、朝倉選手がボクシングに傾倒して、そういう構えになっていましたしね。よくあるパターンです。

それにボクシングに傾倒すると、僕はパウンドも弱くなると思います」

──というのは?

「これは松嶋(こよみ)選手と話していたんですけど、ボクシングのパンチはパウンドに応用できないよねって。ボクシングは普通に考えて、体を使って、コンビネーションがあってのパンチなので」

──移動で出すパワーですね。対して、パウンドはその場で出る力です。

「ハイ、そうだと思っています。だからこそ、実はグラウンドのパンチは空手の突きなんじゃないかと。近い距離でインパクトがある。Fight&Lifeの対談で岩﨑達也さんが言われていた、置くという話に通じているんだと思います」

──エルボーをそうじゃないですか。ムエタイのヒジ打ちとは違います、グラウンドでのヒジは。

「ハイ。ムエタイのエルボーって、点で当ててスッと抜けていく。それをグラウンドのヒジでやると、回ってしまいそうで」

──頭より向うにヒジを持っていくことはできないし、バランスを崩すということですね。

「だからヒジも置く感じですよね。僕も勉強した結果、前腕のヒジよりの部分で当てるだけで良いって思うようになったんです。それって置くだけなんですよね。

パンチに関して言うと、グラウンドでのパンチはバックコントロールから殴る時以外は、ボクシング的な体の使い方はない──そう思います」

──振ったら、姿勢が乱れて返される恐れがでますし、頭を動かして殴るというのは、グレイシー柔術がマウントパンチを世に出した時には、なかった打ち方ですね。よく手打ちとか言われていましたが……。カーフ論から、パウンド論、ボクシングを接点に両者の非常に興味深い話を聞かせてもらえました。

「試し割りとか、寸勁とかそういうことかもしれないですね。力の伝え方で。その瞬間、ストンと置いている。その場で力を出す、そういうことなんじゃないかって松嶋選手と話していました」

──その場の力が出るということですね。青木選手の組み力と、空手の論理が融合すると──またMMAは進化しそうで楽しみです。

「そこは松嶋選手の方が進んでいますよ。彼に話を聞いてみてください。きっとそういうことだと思うんです。ただし……練習で本気で打つことができない……。試合だと実感がないから分からない──けど、多分そうだと思うという話を2人でしていたんです」

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Interview Special  グラチアン・サジンスキ クリスチャン・リー ティモフィ・ナシューヒン ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:4月─その弐─クリスチャン・リー✖ナシューヒン「嗅覚」「ケージ」

【写真】青木がONEで頭抜けていると評したクリスチャン (C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年4月の一番、第ニ弾は8日に行われたONE世界ライト級選手権試合=クリスチャン・リー✖ティモフィ・ナシューヒン戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年4月の一番、2試合目をお願いします。

「クリスチャン・リー✖ティモフィ・ナシューヒンです。クリスチャンは試合時間の短さもそうですけど、何よりも嗅覚が良いですね。あのフィニッシュどころの」

──畳みかける攻撃ですね。

「一番大切なところです。練習して見につくモノではない。

それを嗅ぎ分けていて。そこの有無が上に行くか、行けないのかの差だと思います。この嗅覚がないと深追いしてしまいます。それをしっかりとクリスチャンはフィニッシュに結びつけている。そこは頭抜けています」

──自らが攻勢の時だけでなく、青木選手との試合では寝技で攻め込まれたときに防御力の高さを見せ、ダギ・アルサナリエフとの試合ではドロドロの勝負で勝ち切る強さがありました。

「だから生物的に強い。喧嘩が強いのでしょうね。根性があって、耐える力もある。厄介な存在だと改めて思いました」

──喧嘩の強さって、ハングリーさとは関係ないのでしょうか。クリスチャンは裕福な家庭で育ち、生活苦のようなことは人生で1度として経験していないと思います。

「お金のためにどこまでハングリーになれるのかっていえば、限界があると思うんです。裕福になるために戦うのには限界があって、彼はそういうことがなくて戦えているので。

日本は最低限の暮らしができる国だと思います。だから、困窮さで養われるハングリー精神なんてない。それでも頑張る人がいる。それは格闘技だけでなくて、どの分野でも経済的なハングリーさでないモノが根底にあるはずです。好きだとか、生まれながらの持ちえた感覚が。あとは育ってきた環境ですよね」

──お父さんのケンさんがマーシャルアーツや護身に通じていて、自らのスタイルをクリスチャンやアンジェラの幼少期から教え込んでいたということが大きいということですね。

「そこに持って生まれたのか、養われたのか嗅覚がある。2年前に『この子は強くなる』って、言ってみれば引っ張ったわけじゃないですか。その目は間違っていなかったと思います(笑)。強くなり続けています」

──また悪い癖ですが、UFCをスケールにするとクリスチャンの実力をどのように評価していますか。

「僕の感覚でいえば、凄く期待されている契約をして、真ん中ぐらいから創られていくと、もしかするともしかするぐらいの力があると思います。まだ22歳ですしね。フェザー級でやるより、ライト級で戦うことを選択して体調も良いみたいで、そこも正解だった。

ちゃんと大きくなっているので、これで水抜き有りのライト級で戦っても、相当にいけるでしょうね。KO負けもまだ1度、それも5年前とか。効かされてギロチンっていう負けだし、ダメージも蓄積していなくて、なんせ10代の時からこれまでキャリアを積んでいますからね。

MMAが強い……僕らの思うMMAの一つ上を行っているというか、全てが融合されたMMAを体現しています。そして喧嘩が強くて、フィニッシュ能力がある。本当に強いと思います」

──自らの階級ですか、ONEライト級戦線で抜けている感はありますか。

「戦績的にも、力としても抜けていますよね」

──フォラヤン戦当日のインタビューで、結果を残していけば「またある」という主旨の発言を青木選手はしていました。

「ハイ。それまでいますかね。なんか、そんな気はします」

──そこまで強いと、やはりUFCに行きたくなるというものですよね。

「そうだと思います。ONEでは抜けていますから。ホントは……たらればになりますけど、そこを考えるとエディ・アルバレスがオク・レユンに勝って、クリスチャン・リー✖エディ・アルバレスは画として見たかったですね」

──その画として見たいということが、市場の関係しているわけですしね。

「ハイ、査定になります。それはチョット見たかったです」

──私も悪い癖でUFC以外で結果を残している選手に、すぐに『UFCで戦いたくないか』と尋ねてしまうのですよね。でも、まぁプロモーションを代表している選手は、競合プロモーションのことですから、話しづらいでしょうね。

「クリスチャンも、もうONEを代表する選手になっているし、そこは聞きづらいし、彼も答えづらいはず。でも、クリスチャンはUFCで勝ち抜ける力があると思います。絶対的に強いダギに勝ち、ラピクスもナシューヒンも短時間でフィニッシュした。それに、徳留(一樹)を普通に1Rでやっつけている。そんな選手がどれだけいるのかっていうことですよね。それはUFCでやっても……まぁ、まぁ、まぁと思いますよ」

──そこまでクリスチャンのことを買っているのであれば、これは打撃でゆっくり戦えて、自分の戦いをさらに正常進化させた青木真也との再戦が見てみたくなってきます。1回目の組みで勝つにしろ、一度逃れられて仕切り直しの局面でも同じように立ち技を続けることができれば──青木真也の勝利もあると期待してしまうのですが。

「クリスチャンは……これ、まだ言ったことないのですが、ケージで戦いたいという気持ちがあります。ぶっちゃけ、ロープ掴みがないから。あの時の試合に関して、悔いがあるとすれば『ロープ、掴むなよ』というのは凄くあったので……テイクダウンの時に。

だから、ケージでやらせて欲しい──という気持ちは正直あります」

──その言葉を聞けて嬉しいです。

「なんで、ですか?(笑)」

──あの敗北に対して悔しさを持っているということが分かって、嬉しいです。

「でもリングだから負けたとは言えないですよ。それを言うと、ホントにこっちの負け。絶対に言ったらいけないことです。リングだから負けた──というのは。だから、ケージでやりたいよね、とは思いますけどね」

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Interview Special アドリアーノ・モライシュ デメトリウス・ジョンソン ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:4月─その壱─ミキーニョ✖DJ「ルールの違いで言うと……」

【写真】ミキーニョとDJの一戦から、脱線した話が非常に面白いです (C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年4月の一番、第一弾は4月8日に行われたONE TNT01 からONE世界フライ級選手権試合=アドリアーノ・ミキーニョ・モライシュ✖デメトリウス・ジョンソン戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年4月の一番、最初の試合をお願いします。

「アドリアーノ・モライシュ✖デメトリウス・ジョンソンですね。DJは僕の見立てだと年齢が35歳になるし、消耗が激しいんじゃないかとは思っていました」

──それはやはり軽い階級だからというのはありますか。彼は実際、この試合までKO負けもなかったわけですが。

「そうですね。ONEにやってきたのが32歳とかのタイミングで、いつ負けるのかっていうのはあったかと思います。金属疲労みたいな話で、ダメージはなくても運動量や反応という部分で長い間戦い続けてきて、疲れているという印象は受けました。特にあのスタイルですしね」

──UFCではヘンリー・セフードに王座を明け渡してからのONEとの契約ですが、実際にはその前には話がもうできていた。そしてセフードにはリベンジを許しました。

「フライという階級でのスプリットというのは、もうジャッジ次第という部分はあるかと思いますけど。競り合いは多い選手だったとしても、僕的には和田(竜光)選手にバックを取られたのを見ても、もういつ負けるのかという風に捉えるようになっていましたね」

──一昨年の8月に堀口恭司選手にインタビューを行った時に、『弱くなっている』と断言していました。

「そうなると思います。こういうと失礼な言い方になってしまいますけど、若松佑弥、和田竜光、ダニー・キンガドというのは、彼のキャリアにおいて評価の対象になる相手ではなかったはずです」

──つまりはあのままUFCに残っていると、DJはどうなっていたのかと。

「ハイ、もたなかったと思います。だからこそ、ONEに来て良いキャリアを過ごせたように感じます」

──試合前の予想というのは、どうしても過去の実績重視という部分もありますし、DJ有利という声が圧倒的でした。

「ハイ、勿論です。僕も何だかんだと言ってもDJが有利だと思っていました。それはアドリアーノが、そこまでだという風に評価していなかった部分があるので。やはりDJと比較するとジェヘ・ユースタキオやカイラット・アクメトフとイーブンで戦ってきたわけじゃないですか。

だから、2年の間に強くはなっていたかとは思います。あんな風に大きな何かが試合で起こるという風にも見ていなかったですけど、だからといってDJの負けはビックリすることでもなかったです」

──なんとなく分かります。勝利者予想を一つだけしろと言われるとDJの判定勝ちになるのですが、その裏では負けることも、ままあるという予想になるような。

「そうです。DJが勝つだろう──でも、アドリアーノが持っていくことも十分にありうる勝負で。ONEに来てからは、誰に負けるのかという部分であったので。

アドリアーノにしても試合の間隔がこれだけ開いていて強くなっているとすれば、取り組み方が凄かったことになりますね。そことATTの充実振り、勢いというのは関係しているような気がします。そうですね、彼の成長はATTという部分が大きいような気がします」

──ONEとしてグラウンドのヒザという北米のプロモーションでは反則になる技でミキーニョが勝ったことは、他とプロモーションとの差別化を図ることができたのではないでしょうか。

「う~ん、まず試合はヒザではなくても、その前のアッパーで決まっていたと思います。致命傷は最後のヒザではなく、アッパー。サッカーボールキックと同じで、あのヒザもその前にダメージがあるから、当たったようなモノで。

それとグラウンドのヒザ蹴りで、他とONEは違うって言う風に米国のファンが見て『凄い』と思うようなら、格闘技はRIZINルールとか、ミャンマー・ラウェイの方が激しいし、そういうモノの人気が高くなるかと思います。

米国のファンがONEとUFCを見て、別物と思えるほど目が肥えているとは思えないんですよね。そもそも、そこをターゲットにしていないだろうし」

──う~む、ONEの番組の創りもそこを強調してはいなかったですね。グラウンドのヒザ蹴り、直角エルボーが許されているんだという説明VやGGがあったわけでもないですし。

「ルールの違いで言うと、話がズレてしまうのですが……」

──大歓迎です(笑)。

「今日も練習していて松嶋(こよみ)選手と、僕の試合でのエルボーの話になったんです。で、RIZINはリング使用でヒジは互いがOKなら使えるというルールですよね。それはもう別物だよなって」

──合意制なのですね。クロン・グレイシーの試合はヒジがなかったですよね。

「ホベルト・サトシがヒジに認めないとかも。昔、PRIDEで体重差があるとグラウンドのヒザは選択できたのと同じです。で、ヒジでいえばグラウンドでエルボーがないって、もう僕らは考えられないなっていう話になったんです。

レスリングやグラップリング軸になると、拳で殴るのはバックコントロールからだけで、マウントとかハーフでトップだとその距離を創ることはできないから」

──ハイ、そのスペースがあると立たれてしまいます。

「だからエルボーを打ち、下もヒジに反応することなる。そうなればRIZINのルールって、別物だよなっていう話をしていたんです」

──PFLもヒジなしで、ハーフで潜るとなかなか有利なんですよね。

「もうヒジがないと別競技です。でも、お客はそうは見ない。MMAだ、同じだっていう見方かと思います。だってUFCとRIZIN、ONEを別物としては見ていないですよね」

──あぁ、なるほど……そうですよね。立ち技なら、もうムエタイとK-1で統一ランキングなどできないわけで。でも、MMAはヒジの有無、グラウンドでのヒザの有無、サッカーボールキックの有無で別物という風にはならないと。

「だと思いませんか? そこまでお客さんの目が肥えていると凄いですよね」

──米国だとリングなら別物という風に捉えられるかもしれないですね。

「それでもグラウンドでパウンドがあれば、MMAっぽくは捉えられるかもしれないし。ただ、まぁリングでMMAはやりたいくねぇって思っちゃいます(笑)。今はONEもずっとケージでできているんで──ヒジ無しになったり、ケージでないというのは考えたくなくなりますね」

──ONEのムエタイをMMAグローブのケージでやることが定着したのだから、それを逆に立ち技系での特色としてMMAファイターのためにもケージを続けてほしいですね。そして、最後にモライシュについて尋ねたいのですが、これから若松佑弥選手がその座を目指すことになるのと思うのですが、そこに関してどのように青木選手は見ていますか。

「ハッキリ言ってしまえば、あまり興味はないです」

──……。

「なぜ、それを言っちゃえるかというと明確な理由があります」

──ハイ。

「若松佑弥がアドリアーノ・モライシュに挑戦することで世界に繋がっているのか……という風に疑ってしまっているからです」

──若松選手は繋がっていると思っているはずです。

「彼がそう思っているのであれば、本当にしっかりと現状を見て自分のキャリアを考えるべきだし、周囲もそう言ってあげるべきだと思います。この戦いが世界に繋がっているのか──DJが負けたことで、難しくなっちゃいましたね」

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【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その参─ビブラトフ✖オリヴェイラ~「日本の現状とこれから」

【写真】岩﨑大河のようにミドル級以上のこれからのファイターは、どのようにキャリアを積んでいくべきなのか。J-MMA界の構造論に青木の話は発展した (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年3月の一番、第三弾のACAバンタム級選手権試合=マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラ戦からの──日本の現状について語らおう。

<青木真也が語るマゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラPart.01はコチラから>


──ロシアで2階級を取ってしまうブラジル人。そのブラジル人からベルトを取り返すロシア人……。

「なかなかできることではない。それだけ強い2人をぶつけてきましたね」

──何度も見返すことはない試合かもしれないですが、ライブで視て、本当に手に汗握る試合内容でした。

「僕は2回、見直すことができます(笑)。ずっと動いているし。アンダーでもフェザー級でイスラム・オマノフっていう10連勝した選手がいるんですけど、彼も同じようなスタイルなんですよね。オマノフも良い試合をしていましたね。凄く面白かった。彼のようなレコードが良い者同士をぶつけさせるのもACAの特徴ですよね」

──旧ソ連国家というべき、ベラルーシやアゼルバイジャンの選手の発掘、サバイバル戦も組んでいます。

「アゼルバイジャンとか、もう国境があるだけで民族はチェチェンとか、ダゲスタンで同じような気がします。ジムもアクマット・ファイトクラブ所属の選手が多いですしね」

──そこはBRAVE CFやUAE Warriorsにも当てはまりますね。

「中東とのパイプは強いですね。コロナ次第ですけど、1回、アクマット・ファイトクラブとかグロズヌイやマハチカラのジムに行ってみたいですね。どういう練習をしているのかって」

──そうなりますか(苦笑)。自分はコーカサスは避けたいです。言葉も通じないし、生き物として別物というか。

「ロシアは難しいというのは、正直ありますね」

──正直、怖いです。

「分かります(笑)」

──ダゲスタン人とか欧州人ファイターもいるKHKジムとかどうですか。

「バーレーンの?」

──ハイ、安全ですし言葉も通じます。BRAVE CFと同じKNKスポーツが所有&運営するジムです。イスラムですが、西側社会の習慣が通じそうですし。

「あのスーパーファイト級のチャンピオンが指導とかしているんですよね。エルダル・エルダロフだ。あれ、強いですよ」

──コナー・マクレガーの師匠のジョン・カバナウの先生も指導をしているようです。

「そうなんですねぇ。いやぁ、頭になかったです。でもダゲスタンとかチェチェンの選手がいるのは興味深いです。給料をもらって練習しているようですしね」

──ハイ、アマチュアのIMMAFで目立った選手をスカウトして、育てている。

「あぁ、これまでと根本が違うことをしていますね。世界大会でバーレーンの王族に拾われる子がいるなら、IMMAFは大切になってきますね。それは興味深い──行って見たくなっちゃいますね。

でも、めっちゃ練習させられそうですね。僕のようなスタイルは、あんまりいないし」

──それで金の延べ棒がもらえると最高じゃないですか(笑)。

「そこも十分にあり得るのが、違いますね。それにスーパーライト級っていう階級を作っているのも面白いですしね。そこはBRAVE CFで興味を持っているところです」

──実は北米MMAのレギュレーションでも階級は小分けにされています。ただし、王座を設けているプロモーションは存在しない。

「それって、どう思いますか。途中の階級ができることは? 日本だとそこまで人材がいないし、一つの王座を争うという部分で、もっと薄味になります」

──その通りですね。と同時に、王座はともかくスーパー階級ができて計量失敗が出ないようになれば良いなと思います。健康面もそうですし。日本の大会は計量の失敗は、全て選手に責があり、手売りのチケットの代金回収までそれが及んでいるという話をきくこともありますし。

「減量失敗をなくす。それも1つの方向性ですね。で、ベルトを狙う時とか、海外に行くときはスーパーじゃない上か下を選ぶ。女子レスリングのオリンピックと同じですね。

これから日本がどうなっていくのか。そこでいえば、重たい階級の選手……岩﨑大河選手とか、どうやってキャリアを積んでいけば良いと思いますか」

──コロナ終息後といいますか、海外との行き来が頻繁にできるようになり、隔離措置なしで試合にでられるようになれば、彼のキャリアにあったマッチメイクを組んでくれるところで経験を積むこと……ではないでしょうか。

「そうですよね? いや、良かった。僕もそう思っています。韓国とか、そういうところからですよね。日本でやっていても仕方ない。強くなれない」

──ハイ。今では日本のファンは素晴らしい、MMAへの理解があると外国人選手が言ってくれています。そういう良い部分を誇りにして、嫌な現実も見る必要があると取材をしていても痛感します。

「もう過去の栄光を首からぶら下げても食っていけない……。日本で食っていける基盤がなければ、海外に行く。他のスポーツでも普通にやっていることだし。MMAの重量級もそうだし、グラップリングもそういうことですよね」

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