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【Special】J-MMA2023─2024、大原樹理─02─「この体のおかげで2カ月に1回試合ができます」

【写真】韓国での激闘が、大原を強くさせないわけがないっ!! (C)BLACK COMBAT

J-MMA 2023-2024、第二弾・大原樹理インタビューの後編。
Text by Shojiro Kameike

ここでは大激闘となったイ・ファンソン戦の試合内容について振り返る。大原は開始直後のアクシデントを如何に乗り越え、逆転KO勝ちを収めたのか。さらにブラックコンバット出場についても、今後の展望を語ってくれた。

<大原樹理インタビューPart.01はコチラから>


――試合映像では大原選手が入場してくると、会場も大いに盛り上がっているように見えました。現地の認知度などはいかがですか。

「それが――日本とは違って、意外と韓国では大原樹理が人気なんですよ(笑)」

――日本と違って(笑)。

「アハハハ。佐伯さんからも『せっかく韓国で人気が出ているのだから、しばらくブラックコンバットで試合をしてみても良いんじゃないか』と言われていて。試合当日も会場の外に出たら現地の方が『一緒に写真を撮ってほしい』とか、日本語で『頑張ってください!』と声をかけてきてくれました。大会自体は今年2月の試合の時も盛り上がっていましたけど、11月の大会のほうが盛り上がっていたようには感じましたね」

――試合が始まると、イ・ファンソンのパンチを受けて右目を負傷してしまいました。

「開始1分で相手の左フックを受けて、全く右目が見えない状態になってしまい……。見えなくなった瞬間は、とりあえず組んで時間を潰し、回復を待とうと思って。でも拭ったら出血しているし、視界も回復しないので『これは折れたな』と。そのせいで距離感は掴めず『どうしようかな……』と考えていました」

――要因は異なりますがイ・ソンハ戦と同様に距離感が掴めず、「どうしよおうかな」と考える試合展開に……。

「はい、同じようにシンドイ試合ではありました。でも今回は気持ちも違ったんですよ。『いいや。殴り合おう』って。殴り合いの打撃なら絶対に負けない。血まみれになろうと、どうなろうと――とにかく殴り合おうと思いましたね。

距離感が掴めないから、1Rはいくら手数を出しても当たらなくて。当たっても、いつもどおりの感覚がなかったです。2Rになるとイ・ファンソン選手も出て来たので、とにかく右目だけはガードで守りながら、相手のパンチはパーリングしながらジャブを突くことだけ考えました。そのジャブが当たることで、少しだけ距離感を修正することができたんです」

――片目が見えなくても、自分の打撃で相手の位置を探ってから左ヒジを当てたのですか。

「そうです。自分の打撃だけではなく相手のパンチを食らっていたら、それだけ近い距離なわけじゃないですか。『これは踏み込めば当たる』と左の横ヒジを出したんですよ。

当たった瞬間は感触があったし、相手の額が切れているのも分かりました。でもイ・ファンソン選手の動きは止まらず、それまで自分の打撃も当たっていないから『もう一回、他のどこかを切ることはできないかな』と考えていました」

――結果として右カーフから右ハイが当たり、フィニッシュは右ストレートに続く右前蹴りでした。なかでも前蹴りを繰り出したのは、あの瞬間が初めてです。

「だから相手は、あの前蹴りが見えていなかったと思います。その直前に相手のセコンドが顔面への攻撃を警戒して、イ・ファンスン選手にガードを上げさせたんですよ。すると僕のセコンドから『前蹴り!』という声が聞こえて、前蹴りを出したら当たりました。つまり僕たちはセコンド、チームとして試合に勝ったんです」

――なるほど。ボディへの前蹴りでダウンしたあと、サッカーボールキックのダメ押しもありました。

「ブラックコンバットのルールって結構過激で、サッカーボールキックも有りなんですよ。あの試合は散々やられてしまっていたので、『前蹴りだけで終わらせたくねぇ』と思って樹理キックでトドメを刺しました」

――あのサッカーボールキックを「樹理キック」と呼んでいるのですか。

「今、咄嗟に名付けました(笑)。どうですか?」

――今後は「樹理キック」でいきましょう! この勝利でイ・ソンハ戦の敗北は払拭できたと思いますか。

「自分の中では払拭できました。やっぱり『追う立場』と『追われる立場』というか――DEEPのベルトを獲ったあと、イ・ソンハ戦の時も自分はどこかで『追われる立場』の意識を持っていたと思うんです。でも、そのベルトを失って自分は『追う立場』に戻りました。追う立場の人間が、ちょっとやそっとの怪我でウダウダ言っていられない。そういう逆境も当然だと思って、韓国に乗り込みましたから。気持ちで勝った試合、ということですね」

――大逆転KO勝ちの興奮もあったのか、次の対戦相手候補としてキム・ジョンギュンがケージインしてきた時は本気でイラッとしていましたね。

「イラッとしましたよ! そもそも『ジムのオープンがあるから』って自分との試合を断っておいて、ここで出てくるなんて面倒くさいと思いました。しかも『準備期間が必要だと思って今回のオファーは断ったけど、こんな試合内容なら準備期間はいらなかった』とか言いやがって。だったらオファー受けろよ(苦笑)。ケージの中でも言ったとおり、僕は彼にチャンスを与える気はないです」

――大原選手としては次に誰と対戦したいですか。

「ランキング2位のパク・ジョンホンです。キム・ジョンギュンは今、ライト級3位で。チャンピオンのイ・ソンハと対戦するためには、1位の僕が2位のパク・ジョンホンを倒すほうが手っ取り早いじゃないですか。3位のキム・ジョンギュンを倒したとしても、またケージの中でパク・ジョンホンと長いやり取りがあって、さらにパク・ジョンホンに勝ったあとイ・ソンハと長いやり取りをして……というのは、どうなのかと」

――ブラックコンバット特有といえる、試合後のトークアワー問題ですか(笑)。

「そういうわけじゃないですけど――トーク時間は長いです(苦笑)。とにかくワンクッションを挟むのが面倒くさくて。だったら先にパク・ジョンホンを潰しておけば、僕がイ・ソンハと対戦することについて誰も文句を言えなくなりますよね」

――そういったブラックコンバット側の選手との試合は、日本で行いたいですか。それとも韓国で実現させたいですか。

「やっぱり僕が単身韓国に乗り込んで、ベルトを獲り返すほうがカッコ良いですよね。そこでDEEPのベルトを獲り返し、ブラックコンバットのベルトも巻きたいです」

――ちなみに試合後、右目の腫れはどうなったのでしょうか。

「1~2日は腫れが酷かったのですが、1週間もしないうちに元通りになりました。試合後に診てもらっても『これは折れていない』と言われ、すぐに帰国できましたし。格闘技の才能はないけど、怪我をしない才能はあるんじゃないかと」

――あれだけ腫れ上がって……怪我はしていますよね(笑)。

「いやいや、あんなの怪我のうちに入りませんから。帰国して病院で診察してもらっても、目の中は全く傷ついていませんでした。この体のおかげで2カ月に1回試合ができますから、2024年もどんどん試合をしていきたいです。宜しくお願いします!」


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【Special】J-MMA2023─2024、福田龍彌「ユーザー(ジューサー)というものの凄さを改めて知りました」

【写真】負けじ魂が、福田をどこまで成長させるか (C)SHOJIRO KAMEIKE

2023年も残り僅か、2024年という新たな1年を迎えるには当たり、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過行く1年を振り返り、これから始まる1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第四弾は12月6日(現地時間)にカザフスタンの首都アスタナで開催されたNAIZA FC55で、ジアス・エレンガイポフに敗れた福田龍彌に話を訊いた。DEEPフライ級GPで優勝し同級暫定王座も獲得、続いてRIZINで山本アーセンを下した2023年最後の試合で喫した敗北について、福田は何を想うのか。

■2023年福田龍彌戦績

2月11日 DEEP112
〇3-0 宇田悠斗(日本)

5月7日 DEEP113
〇3-0 本田良介(日本)

9月24日 RIZIN44
〇3R1分37秒 by TKO 山本アーセン(日本)

12月6日 NAIZA FC55
●0-3 ジアス・エレンガイポフ(カザフスタン)


――カザフスタンでの試合後、風邪をひいていたそうですが、それは帰国後ですか。

「試合の日の夜から前兆はありましたね。とにかく無事に帰国することが一つのミッションやったので、それは達成できました(笑)。今回はまずカザフスタンのアスタナという街まで行くのがメッチャ大変だったんですよ。

まず朝10時ぐらいの飛行機で日本を経ち、2回乗り換えて、現地に着いたのは夜中の2時ぐらいでしたから。それは現地時間なので、日本でいうたら朝5時ぐらいですか」

――大会前にはライブ中継に関して、当初は有料だったメインカードも無料視聴できるようになったなか、ひと悶着あったそうですね。

「もともと『オンラインで中継する』とは聞いていて。僕の周りでも視たいと言ってくれている人たちも多かったから、現地で視聴方法を確認したんですよ。でもNAIZA FCのYouTubeチャンネルは日本で登録しているクレジットカードでは決済できない、と。そうなると日本では誰も視られへんから、マネージャーさんがプロモーターと交渉してくれて、メインカードも無料で視られるようになったという流れです。

僕は『みんなに視てほしいから試合をしている』というわけではないんです。でも応援してくれている人には試合を視てもらいたくて。そういう意味では、無料中継を勝ち取ったのが今回唯一の功績じゃないですか(笑)」

――唯一……(苦笑)。現地に着いてからコンディション調整はいかがでしたか。

「それがまたホテルも凄くて。半身浴をしようと思ってバスタブにお湯を溜めたら、なぜか僕の部屋はどこからか漏水して、居住空間のカーペットまで水浸しになるという。ただ、部屋はずっと暖房がガンガン効いていて乾燥しているんですよ。だから部屋のカーペットがビチャビチャになったのが、ちょうど良いぐらいで」

――アハハハ。しかし、その状態だと現地での減量はうまく行うことができたのでしょうか。

「日本で体重を落とすよりもシンドイ状況でした。ホテルのサウナも使えるけど、日本のサウナとは違う感じで――結局、必死でエアロバイクをこいで落としましたね」

――試合結果はフルランドを戦い、判定負けを喫しました。まず率直な感想から聞かせてください。

「う~ん、なんか現実を感じてしまいましたね。まず1R、相手の馬力にビックリしたんですよ。今まで感じたことのない馬力で。テイクダウンに入られた時、原チャリで突撃されたんかと思いました。でも『こんなに強いヤツがおるんか』と僕のテンションは上がって」

――テイクダウンを奪われたあと、立ち上がらずボトムから三角絞めを狙いました。あの展開は、スクランブルでスタミナを消耗しないようにという作戦だったのですか。

「あの時は相手をバテさそうと思っていました。ジアスにとっては『行けそうで行けへん』という状態にして、スタミナだけ使わせてやろうと。現に1Rが終わったら口を開けて、メッチャ肩で息をしながらコーナーに帰っていくから『あぁ、良かった』と思ったんですよね。5Rあるし、次のラウンドでスタミナを使い切らせて3~5Rで倒そうと考えました。でも1分のインターバルで全回復してきよるんです」

――えっ!?

「2Rに入っても全く出力が落ちなくて。だから3Rには相手のことが機械のように感じられましたよ。壁に押し込まれている時のプレッシャーも落ちない。今までの試合を視てもらったら分かると思うけど、僕もスタミナが切れるほうじゃないから。でもそれを凌駕するものを感じたというか――ユーザーというものの凄さを改めて知りました。負けた自分が、そんなことを口にするのも情けないけど」

――ユーザー、ですか。

「たとえば僕たちは5キロを走ることを考えて、ペース配分をするんですよ。でもジアスは100メートル走のペースで1キロ走っている。ペース配分して走っている僕に追いつく前に全回復して、また1キロ全力疾走していく。ジアスの力の使い方が、30秒一発勝負のシチュエーションスパーみたいなペースで。その力で25分間、攻めてくるんですから」

――福田選手がケージに押し込まれた際、しっかり腕を差し上げてバランスを取っていたにも関わらずテイクダウンされたことには驚きました。

「さらにジアスは巧さも持っているから大変なんですよ。技術的な面でも、レスリング力には差があったとは思います。でも抑え込まれても立つことはできたし、『今の自分がやっていることは通用するんやな』とは感じました。

ジアス戦では僕のほうが戦い方を変えていたら、もっと他のこともできたかもしれないです。ただ、それでは自分のほうが3~5Rもたへん。対してジアスは5Rまで同じペースで戦える。そういう状態で、どうやったら勝てたのか。一発カウンターを合わせるしかないけど、こちらの打撃にテイクダウンを合わせてくる巧さは持っていて。さらにインターバル中に全回復してくるから、徐々に崩して削っていくこともできませんでした」

――するとジアス戦に関しては悔しさというより、ユーザーに対して……。

「いや、メッチャ悔しいですよ。何年振りやろう? 平良達郎戦でも神龍誠戦でも、こんなに悔しくはなかったです。今回は言葉にするのが難しいぐらい悔しくて。試合はひたすら投げられて、立つけど投げられての繰り返しやったから、もう二度とそんな情けない姿は見せたくない。

僕はデビュー当初、負ける場合は漬けられることが多かったんですよ。それが悔しくて、どうやって漬けられんようになるかって考えながら、12年間やってきました。だからテイクダウンディフェンスには自信を持っていたし、倒されても立ち上がることに関しては血眼になって取り組んでいきた自信がある。実際に試合でも結果を出してきたと思います。

でも今回は自分がやってきたことを突破され、完膚なきまでに叩きのめされた。それがホンマに悔しいんです。今も毎晩のように思い出して、悔しくてジッとしてられへんぐらい――自分に対して悔しい」

――……。

「そういう意味では、今のモチベーションは過去イチ高いです。もっともっと強くなる。そのためにも、今後の取り組みも含めて考え直していきますよ。来年にはもう32歳で、きっと40歳まで現役を続けることはないと思います。だからこそ、こういう悔しい経験は今回で最後にしたい。自分の中では答えが出ているので、いろいろ修正しながら2024年はまた暴れようかなと思っています」

――2024年はどのような1年にしたいですか。

「早ければ2月には試合したいですね。個人的にはバンタム級でやりたいとは思っています。このままフライ級にこだわっていても――たとえばRIZINやと扇久保博正さんとは戦ってみたいです。でも扇久保戦に行くまで、あと何試合やらないかんのやろうと考えると……今すぐオファーが来たら戦いますけど(笑)。DEEPフライ級では、神龍君が統一戦をやってくれるなら試合したいです。それがDEEPフライ級で唯一やり残したことやから。

どうせ福田が勝つやろ、と思われるようなマッチメイクやと面白くない。僕自身も燃えへん。それやったらフライ級より、バンタム級のほうが新鮮で燃えるカードが組まれるんじゃないかと思っています」


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AB DEEP DJ.taiki MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Special アレックス・ヴォルカノフスキー イスラム・マカチェフ パンクラス 井村塁 修斗 南友之輔 原口伸 原口央 木村柊也 海外 田嶋椋 藤井伸樹

【Special】J-MMA2023─2024、原口央─02─「いろんな若いのがいて世代交代されないように必死」

【写真】この痺れる舞台へ、再び (C)MMAPLANET

J-MMA 2023-2024、第一弾・原口伸、後編。
Text by Manabu Takashima

2024年もRoad FCのトーナメントが出ることが確定という原口だが、その前に国内でも1試合を挟みたいという。そこで挙げられた各プロモーションのバンタム級ファイターの名前は原口が如何に自分の現在の位置を理解し、さらなる高みを目指そうとしているのかがしっかりと伝わってくる選手たちだった。

<原口央インタビューPart.01はコチラから>


――ところで原口選手って、SNSでファンに何言われると反応していますよね。結構、挑発的に。

「ハハハハ。楽しんでいます。僕、普通に言っちゃうんです。思ったことが、すぐに出てしまって(笑)。相手にすればするほど、回りも反応するので面白くて。武田(光司)がインスタLIVEをやっていて、そこに僕が入って。武田が僕を弄ると色んな奴が反応してきて。そいつら一人一人に返信します。『うるせぇ』とか『直接、言いに来い』とか」

――アハハハ。そんなことしてもしょうがないじゃないですか。

「めっちゃ、楽しんでいます(笑)」

――凄く意外な気がします。

「アンチとかも全く気にならないので」

――SNSのやりとりも、打ち合いもほどほどにお願いします(笑)。ところでトーナメント決勝直後、その後のキャリアップに関してはどのように考えていましたか。

「Road FCのトーナメントは、2024年もジョン(ムンホン)代表から直接『また出てほしい』と言ってもらえたので。僕自身、また出たい――負けた直後から来年のトーナメントに出たいと思っていました。本当に色々と経験ができました。日本とは全く違うので。僕もそうですし、(原口)伸も対戦相手が急遽代わったり、そういうことが当たり前にある。そういうときの適応能力が、海外でやっていくには必要になってくる。

伸なんて準決勝は相手が代わって、決勝は大会自体がなくなりましたからね(苦笑)。世界のトップでやるには、そういうことにも対応できないと。本当はなるべく公平な状況で、ここまで練習してきたことをぶつけ合いたい。そう思っています。あのアレックス・ヴォルカノフスキーもイスラム・マカチェフとの2度の対戦は、全然動きが違っていました。準備って大切です。

でもショートノーティスで試合を受けることも凄いですし、そういうことを当然だと思えないといけない。僕も中原(由貴)選手との試合で経験しているので。1週間前のオファーを受けて戦ったことで、準備の大切さは身に染みて分かりました。それを経験したことで分かって。やはり経験して良かったです」

――そのような覚悟で挑むRoad FCのトーナメントですが、63キロをバンタム級として、王座決定トーナメントをライト級とともに初夏から開くという情報も入ってきます。

「フェザー級の選手が下げてくる……世界各国から、強い選手が集まってきそうです。その来年のトーナメントで頑張らないといけない」

――開幕まで半年ほど時間が空くと、考えられます。

「なので、その前に一戦を国内で挟んでも良いかなと」

――それはどの大会で?

「どこでもオファーをくれれば……どこでも良いです。RIZINが九州・佐賀でLANDMARKを開くので――地元の鹿児島に近いし、出たいですね。九州だし、盛り上がるだろうなと。でも強い選手と戦いたいです。LANDMARKならケージで、僕の土俵だと思っているので。

まぁRIZINもそうだし、DEEP、修斗、パンクラス――どこでも良いので、強い選手とやりたいです……。そうですね、これ書いてもらって良いですか」

――ハイ、なんでも。

「修斗なら藤井伸樹選手、僕も藤井選手もスタミナがドロドロの試合ができるので、ゾンビ系のファイトがしたいです。あとDEEPならDJ.taiki選手」

――人選が渋くて、またしっかりと実力者を指名していますね。

「DJ選手に勝てれば、上の選手と戦って良いということだと思うんです。それとパンクラスなら田嶋椋選手か井村塁選手、やっぱり強い選手がいるんで。僕、ZSTで河村(泰博)選手に負けているから……何も言えないですけど(苦笑)」

――今の原口選手なら、今名前を挙げた各プロモーションの選手なら誰でも戦える権利があると思います。ところでBRAVEでは空手の南友之輔選手、日本拳法の木村柊也選手という勢いのある新人がデビューしました。

「南が同じ階級で、木村はフェザー級ですけどプロ練習にもいつも来ますし、一緒に練習をしています。打撃に関しては凄いです。打撃だけならメチャクチャやられます、ボッコボコに。まだプロ2戦と1戦なんですけど、学ぶことしかないですね。それに南、木村、伸以外にも強いのが集まってきています。コンバットサンボ全日本王者の熊崎夏暉とか、いろんな若いのがいて世代交代されないように必死です(苦笑)」

――気が早いですね(笑)。そんな原口選手ですが、2024年の飛躍に向け意気込みの方をお願いします。

「2024年もRoad FCのトーナメントに出るので、今度はしっかりと優勝します」


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AB Black Combat DEEP DEEP JEWELS K-MMA MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Special UFC YouTube   キック パク・シユン パク・テヒョン ブログ 大島沙緒里

【Special】K-MMA、2023年・秋。大島沙緒里に快勝、パク・シユン「この試合は勝てる。気持ちも楽に」

【写真】二つのベルトを持つことが、恥ずかしそうでもあったパク・シユン (C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。最終回は大島沙緒里にまさかの判定勝ちを収め、DEEP JEWELSアトム級王座を韓国に持ち帰った──Black Combat女子アトム級チャンピオンのパク・シユンに話を訊いた。

シャイなパク・シユンは言葉少なく、指導者のパク・テヒョン館長が代弁することが多くなったが、それだけにあの大番狂わせは、実は番狂わせでなかったことが理解できる言葉を聞くことができた。


──大島沙緒里戦の勝利後の涙が、凄く印象に残っているパク・シユン選手です。

「勝利した時は、試合に勝ったという実感は余りわいていなかったんです」

──というと、あの涙は?

「2019年2月に亡くなったアッパ(韓国語でお父さん。成人するとアボジやインタビューなどではより堅めなアボニムという言葉を使うこともあるが、この時パク・シユンは家庭で父を呼ぶようにアッパという表現をした)は、私が連敗をしている時しか試合を見ていなかったんです。大島選手に勝ってアッパのことを想うと、涙が止まらなくなりました」

──自分は娘が3人いるので、もうその言葉だけでダメですね……。

パク・テヒョク(コーチ) 厳格だったお父さんなんですが、彼女がMMAをすることを許してくれたんです。でも、そのお父さんに勝つ姿を見せることができなくて、彼女は見送ることになってしまった。凄く無念だったはずです。

──そういう涙だったのですね。お父さんが亡くられた年の12月にDEEP JEWELSで赤林檎選手に敗れた印象が強い日本のファンにとって、パク・シユン選手の勝利は相当にショッキングなモノでした。今回の対抗戦、大島選手だけは負けることがない。そういう風に予想されていたので。

「……」

パク・テヒョク 以前のジムに所属している時に、本当に試合機会に恵まれていなくて。その間にレスリングに活躍の舞台を移そうと、実業団クラブで練習をするようになりました。その時にMMAに必要なレスリングの技術を身に着けたんですよ(笑)。そしてMMAに戻ってきたんです。

──それにしても、組んでテイクダウンをしても大島選手の庭といえる寝技に移行することになるかと思うのですが。

パク・テヒョク その通りですね。大島選手にとって寝技が一番力を発揮できる展開です。だからこそ、下にならないようにクリンチを重要視していました。防御としてレスリングは十分に有効だったと思います。

──実際、そのように感じましたか。

「大島選手が首を抱えて投げを狙って来た時など、100パーセントとはいえないですけど99パーセントは効果的に防げたと思います。凄く良い作戦でした」

──そうなると大島選手は引き込んで足関節を狙ってきましたが、2度に渡りしっかりと対処できました。

「キャッチも許さなかったですし、危なくなかったです」

パク・テヒョク 大島選手はキムラ、そして足関節をよく狙うのでしっかりと対策練習もしていました。その前後の展開やコンビネーションも踏まえて。

「だから、足関節は怖くなかったです。話している内容は勿論分からないのですが、大島選手のセコンドの人の声もしっかりと聞こえるぐらい余裕はありました。だから『ハイキック』と言っているのは分かって、準備できましたね(笑)」

パク・テヒョク 同時にサウスポーだったのをオーソに変えたんです。大島選手はサウスポー対策をしてきたと思います。だからこそ大島選手を惑わせることが、肝でした。そこがハマり、打撃戦で結果的に勝つことができたと思います。

──2Rまで劣勢だった大島選手ですが、最終回も戦い方を変えませんでした。

「それは私も思いました。何かやることを変えてくるかもと。でも、あの戦い方が最善だと思って選んだのであれば、もうこの試合は勝てるという風に気持ちも楽になりました」

パク・テヒョク 大島選手が同じことをやってくるなら、やられることはない。そう思うと同時にアウェイですし、判定は絶対ではない。なので同じように対応するか、もっと攻めるのか。どうすべきかを考えました。ただ彼女にも足首にケガがあり、蹴りは使えない。ならば、最終回はパンチの数を増やすように指示をしました。

彼女はスイッチができます。ワンツーを当てて、カーフや蹴りを使って戦わせようと思っていたんです。でも蹴りが使えなくなった。それでもスイッチをすると、大島選手は打撃の距離が掴めなくなったので良かったです。パンチを被弾した結果、力んで大きな振りのパンチを多用するようになったので戦いやすくなりましたね。

「8割ぐらい、作戦は実行できたと思います。まま、やれました」

パク・テヒョン 8割……そうですね、7割から8割はできていたと思います。

<この項、続く>


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【Special】J-MMA2023─2024、大原樹理─01─「相手のベルトも獲らないと気が済まない」

【写真】悔しさを笑顔に変えて、新たな年を迎えることができる (C)SHOJIRO KAMEIKE

2023年も残り僅か、2024年という新たな1年を迎えるには当たり、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過行く1年を振り返り、これから始まる1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA 2023-2024、第二弾は11月18日に韓国Black Combatでイ・ファンスンにKO勝ちを収めた大原樹理に話を訊いた。DEEPのベルトを失ったブラックコンバットとの対抗戦を経て、11月の試合では敵地で激闘の末にKO勝利。このままでは終われない――2024年、大原はベルト奪回を目指す。

■2023年大原樹理戦績

2月4日 Black Combat05
〇1R4分39秒 by KO ユン・ダウォン(韓国)

5月7日 DEEP113
〇3-0 上迫博仁(日本)

9月18日 DEEP118
●2R2分37秒 by スロエフストレッチ イ・ソンハ(韓国)

11月18日 Black Combat09
〇2R1分40秒 by KO イ・ファンスン(韓国)


――9月にDEEP×Black combatの対抗戦でイ・ソンハに敗れたあと、2カ月という短いスパンで再び韓国のケージで戦った経緯を教えていただけますか。

「もともと9月の試合の結果に関わらず、また韓国で試合に出てほしいと言われていたんです。自分としては『試合後の怪我次第だけど、出られるなら出たい』と答えていました」

――ということは、イ・ソンハ戦で怪我もなく11月の試合を迎えられたと。

「いえ、それが足を痛めていて……」

――2Rにスロエフストレッチを極められた時、左足を負傷していたのですか。

「はい。でも良い先生がついてくれて、針治療とかいろいろしてくれたので、すぐ良い状態に戻すことができたんですよ」

――良い先生というのは、韓国にも帯同してくれた中和医療専門学校の方々のことでしょうか。

「そうです、そうです。おかげで試合ができる状態になりました。自分も負けて悔しかったので、すぐ『11月、出ます!』と返事をして(笑)」

――昨年の大晦日、イ・ソンハがブラックコンバットのベルトを巻いた試合を現地で取材した時、DEEPとの対抗戦では大原選手とイ・ソンハの試合が見たいと思いました。互いにリーチもコンパスも長く、打撃が強いタイプで。ただ、あの決着は予想していなかったです。

「う~ん……正直、試合直後は何も考えられなかったです。ベルトを獲られたことと、自分が対抗戦の負け越しを決めてしまったじゃないですか。その両方が一気に入ってきて、頭の中もグチャグチャになっていました。

イ・ソンハと向かい合った時、まず『デカいな』って思いました。体格的には同じタイプであっても、自分より身長も高く、リーチも長かったです。今まで自分の武器であったものが、全て相手の武器になってしまった。だから試合の時は戸惑いました。相手との距離が遠くて、自分の攻撃は届く気がしない。そんな自分が『どうしようかな……』と思っているうちに、あれよあれよと攻められてしまい――」

――自分自身が武器としていたもので攻められると、精神的な疲労は倍増したのではないでしょうか。

「もうホントに、それが一番大きかったですね。技術的な面どうこうの前に、メンタル面の影響で普段の実力の半分も出せなかったと思います」

――公式プロフィールでは大原選手が180センチで、イ・ソンハが185センチとなっています。わずか5センチの差でも、それだけ大きく感じてしまったのですか。

「イ・ソンハは絶対に185センチより大きいです(苦笑)。さらにリーチが、とんでもなく長くて。フェザー級時代に対戦したジン・テホ(2016年4月に大原が判定勝ち)も僕より身長は高かったのですが、イ・ソンハほど身長差やリーチ差も感じることはなかったですね」

――1Rにスロエフストレッチを防いでいながら、なぜ2Rに同じ形で極められてしまったのか。あの時点で大原選手は集中力と体力が切れていたのではないか……と感じていました。

「あぁ、なるほど。先ほど言ったとおり、『どうしようかな……』という気持ちでいっぱいだったと思います。パニックとまではいかないけど、自分のメンタル面が要因ですよね。その状況で試合中に自分がどう立て直していくのか――それが大事で。もしかしたら対抗戦でダブルタイトルマッチが決まるまでのドタバタも、メンタルの面で影響していたかもしれないです。でも総じて言えば、あの日の自分が弱かった。それだけなんですよ」

――対抗戦で敗れたあと、DEEPチームの雰囲気はいかがでしたか。

「ズーン……としていましたよね(苦笑)。その一方で、自分は負けてホッとしたところもあるんです。肩の荷が下りた、っていうわけじゃないけど。でもベルトを失って気持ちはヘコんでいました。

ただヘコんでいたのは3時間ぐらいで、すぐ『このまま終わることはできない。やり返さないと気が済まない』と思ったんですよ。とりあえず自分がブラックコンバットに行って、荒すだけ荒してきてやろうと」

――その気持ちもあって、11月の試合のオファーに応えたのですね。

「今後どうなろうと、何より自分はもう一度DEEPのベルトを巻きたい。そのベルトをブラックコンバットに持って行かれてしまったじゃないですか。だからDEEPのベルトを獲り返すだけでなく、相手のベルトも獲らないと気が済まないと思ったんですよ」

――なるほど。ただ、11月の試合は対戦相手が決まるまで二転三転したようですね。

「そうなんです。ブラックコンバットのライト級は、僕が今ランキング1位で。11月は上位ランカーと試合がしたかったけど、みんな『怪我をしている』、『ジムを立ち上げるから今は試合ができない』とか言われちゃったんですよ。結果、ランキング下位のイ・スンファン選手まで話が行き、試合を受けてくれました」

(C)Black Combat

――そして迎えた11月のイ・ファンスン戦ですが、まず驚いたのは大原選手が髪を丸刈りにしていたことです。

「アハハハ。対抗戦で不甲斐ない試合をして、ベルトも獲られてしまいましたから。それで相手のケージに乗り込むために、気合いを入れようと丸刈りにしました」

<この項、続く>


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AB DEEP K-1 MMA o RIZIN UFC キック クレベル・コイケ シン・ジョンミン ジョニー・ケース ジョン・ドッドソン スダリオ剛 パンクラス ヒロヤ ヴィンス・モラレス 三浦孝太 上田幹雄 伊澤星花 修斗 元谷友貴 堀口恭司 太田忍 安保瑠輝也 安西信昌 山本美憂 平本丈 平本蓮 弥益ドミネーター聡志 扇久保博正 斎藤 斎藤裕 新井丈 新居すぐる 朝倉海 皇治 芦澤竜誠 金太郎

RIZIN.45:オッズ/展望

MMAルールの試合のみ(キックルールは1試合のみだが)。

YUSHI 1.56
平本丈 2.50

YUSHIはRIZIN3勝1敗とはいえ、4戦のうち前戦(昨年の大晦日)の中澤がプロで1試合経験があるのみ。あとはプロデビュー戦で、アマチュアでも特に実績のない相手で、実質アマチュアマッチばかり。今回の平本弟もアマ戦績0勝1敗で、プロで試合をする実績はない。

那須川龍心 -
シン・ジョンミン -

急に決まった天心弟のMMAデビュー戦だが、両者デビュー戦のためオッズなし。兄はキックを盛り上げるためにRIZINMMAデビューしたが、弟はMMAの前にキックでの実績もない。前の試合の平本弟と同じ、弟枠での出場。

弥益ドミネーター聡志 1.71
新居すぐる 2.10

昨年11月の平本戦以来1年2ヶ月ぶりの試合となるドミネーター。その間、新居はRIZINパンクラスで3連勝し、パンクラスフェザー級王者に。グラップリングマッチでは小見川にもセンタク挟みで一本勝ちしている。その前は3連敗していたが、武器のキムラ・センタク挟みへの自信が深まり、勝ち星が着いてきた。

新居一本勝ち。

久保優太 2.00
安保瑠輝也 1.77

ブックメーカーによっては久保フェイバリットのオッズもある。

安保は全くMMAのトレーニングをしていなかったのか、後にMMAに転向する準備をしていて早まっただけなのか。この短いインターバルで試合を受けるということは、後者の気がするが。実質体重ハンデマッチだし、武器の打撃で上を行かれているのは久保にとって厳しい。

安保KO勝ち。

新井丈 1.38
ヒロヤ 3.00

11月に激闘の末修斗2階級同時王者となった新井が急遽RIZINデビュー。相手のヒロヤはここ2戦、RIZINでスプリット判定負けで、内容は善戦しているとはいえ、DEEPでも中堅クラスの選手。前戦のダメージからの回復が気になるところではあるが、王者として勝ちはマスト、フィニッシュすることで過去ヒロヤに勝った伊藤や中村との差も明確にして、次はRIZINフライ級トップ陣との対戦が期待されるようにしたいところ。

新井KO勝ち。

イゴール・タナベ 1.17
安西信昌 5.25

初のウェルター級での試合となるタナベ。まずこの階級でどこまで動けるのか。ここまでは全試合1Rフィニッシュだが、RIZINデビュー戦の阿部戦ではパンチを効かされていて、MMAのファイターとしての完成度はまだまだ。一方の安西は38歳で、5月に3年半ぶりに復帰したが、良いところ無く打撃をもらってKO負け。タナベのテイクダウンをしのぎ続ける事ができれば勝機もありそうだが、引き込みからでもグラウンドに持ち込まれると、あっさりと極められそう。

タナベ1R一本勝ち。

三浦孝太 1.49
皇治 2.65

三浦の5月の前戦は、今回同様キックからのMMAデビュー戦となるYA-MANにテイクダウンしても立たれ、タックルを切られる展開でパウンドアウトされてのKO負け。未だにプロレベルの実力があるのかどうかわからない。皇治は真面目にトレーニングしているとしても、34歳で若くもなく、MMAのへの適正があるかどうかも疑問。

良くわからないもの同士だが、皇治のフィニッシュ勝利はないと思うので、テイクダウンを奪う三浦の判定勝ちと予想。

太田忍 1.11
芦澤竜誠 7.50

太田はデビュー2戦目がMMAデビューとなる久保との対戦で、太田がテイクダウンから固めての判定勝ち。その当時よりMMAファイターとしての完成度は断然上。もうMMAデビュー戦で戦うレベルの相手ではない。

太田パウンドでKO勝ち。

元谷友貴 1.71
ヴィンス・モラレス 2.10

UFCファイターとはいえ、ジョニー・ケースのように伸びしろがあるのにリリースされたわけではなかったモラレス。RIZINトップファイターの一角ならきっちりと勝たなければいけない相手。

元谷判定勝ち。

扇久保博正 3.10
ジョン・ドッドソン 1.37

扇久保は昨年末のフライ級復帰初戦が堀口戦で完敗。7月には急遽バンタム級王座決定戦でアーチュレッタと対戦したが、フィジカル差もあり見せ場も作れず。ドッドソンは39歳でピークは過ぎているが、身体能力は落ちていない。ただ、今さらメジャーイベントでしのぎを削るような野望もないように見えるので、扇久保がドロドロの苦しい試合に持ち込むことができれば、案外簡単に気持ちが切れてしまうかもしれない。

ドッドソンKO勝ち。

スダリオ剛 1.33
上田幹雄 3.40

デビュー戦でKOされた元極真上田だが、その後K-1にも出場し、顔面への打撃のディフェンス能力は上がったか。スダリオは打撃勝負を避けるなら、テイクダウンを取れるかどうか。寝かされたら上田は立ち上がるのは厳しいか。

スダリオKO勝ち。

伊澤星花 1.10
山本美憂 8.00

山本は得意のテイクダウンしたとしても、ガードの伊澤に対して攻め手があるとは思えない。どこで勝負をして勝ちを狙うのかが気になる。

伊澤判定勝ち。

平本蓮 1.63
YA-MAN 2.30

MMAのキャリアでは平本が上だが、オープンフィンガーグローブで相手をKOしてきた数ではYA-MANが上。距離を詰めて近距離での打撃戦に持ち込めればYA-MANにもチャンスはあるかもしれないが、MMAでは平本に組まれる展開になって力を出しきれないか。

平本判定勝ち。

クレベル・コイケ 1.25
斎藤裕 4.00

金原はクレベル相手に自らグラウンドに持ち込んで勝負できたが、斎藤にはそこまでの寝技の強さはない。組みを避ける展開になるようだとクレベルペースになる。

クレベル三角で一本勝ち。

フアン・アーチュレッタ 1.87
朝倉海 1.87

ブックメーカーによってはアーチュレッタがフェイバリットのところもある。RIZINではレスリングで勝ってきたアーチュレッタだが、RIZINルールなら朝倉が3R中に一度でも効かせる打撃を入れることができれば、それだけで判定を持ってくることができる。アーチュレッタに序盤タックルでテイクダウンを奪われても、消耗せずに逃れることができれば、終盤に強い打撃を入れるチャンスが回ってくる。

朝倉判定勝ち。

堀口恭司 1.29
神龍3.75

堀口は膝の靭帯断裂もあり、金太郎相手にダウンを喫するなど、実力は下り坂に入りつつあるように見える。だとしても、世界レベルの相手との対戦経験はない神龍相手には負けるとは思えない。

堀口判定勝ち。

31日14時イベント開始で終了は21時~22時予定とのこと。速報します。

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AB DEEP MMA MMAPLANET o ROAD FC Special キム・スーチョル ブログ

【Special】J-MMA2023─2024、原口央─01─「デビューして4年目だったのですが、一皮剥けた……」

【写真】実弟の伸と2人で日本と国内で結果を残した (C)MMAPLANET

2023年も残り僅か、2024年という新たな1年を迎えるには当たり、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過行く1年を振り返り、これから始める1年について話してもらった。
Text by Manabu Takashima

J-MMA 2023-2024、第一弾はRoad FCグローバル63キロ級トーナメントで準優勝となった原口央に話を訊いた。バンタム級転向初年、Road FCでの2戦を終えて原口は何を感じ、これから目指すモノは何なのか。


――2023年も残りわずかとなってきました(※取材は26日に行われた)。原口選手にとって、どのような1年でしたか。

「去年までフェザー級で戦ってきて、今年はバンタム級に転向してDEEPとRoad FCの63キロ級トーナメントで出させてもらいました。デビューして4年目だったのですが、一皮剥けた……殻を破ることができたかと思います。成長できたかなって。

バンタム級はスピードもフィジカルもフェザー級とは違っていて、まずDEEPで戦った時に『これが自分の適正体重だ。これからバンタムで戦っていこう』と思いました」

──そしてRoad FCのグローバルTに出場し、初戦はムン・ジェフンをコントロールして判定勝ち。準決勝のラザバリ・シェイドゥラエフ戦が相手の計量失敗で不戦勝。決勝はキム・スーチョルと真っ向勝負の上、TKO負けとなりました。敗れたスーチョル戦、まさに殻を破った試合に感じました。

「去年の大晦日にキム・スーチョル選手とフアン・アルチュレタの試合をスーパーアリーナで見ていたんです。僕はスーチョル選手が勝ったと思った試合でした。正真正銘の世界のトップクラスで雲の上の存在だったので、まさか自分が戦うことになると思っていなかったです。それがこのトーナメントに出場して、決勝で戦うことで雲の上の存在から、メチャクチャ差があるとは思えない。戦える自分がいたので、負けはしましたが終わってから凄い自信になりました」

──テイクダウンして、コントロールし続けて勝てれば最高でした。ただし、スーチョルは組みも強く、組みと打撃の融合ができているストライカーです。なのでテイクダウン狙いを切られて、殴られるとバッタリと動きを止めてパウンドを被弾するという試合展開も予想していました。それが殴られても、殴り返すという試合を原口選手はやりましたね。

「本当に打撃は絶対にやらないという作戦でした。スーチョル選手は寝技が強いことを分かっていても、やっぱりレスリングで攻めようと。ただファーストコンタクトでレスリングも通用しないと思わされました(苦笑)。反応がメチャクチャ早かったです。テイクダウンを狙っても、ギロチンのセットもメチャクチャ早かったですし」

──あのシーンは危ないように見えました。

「それは皆に言われました。でもギロチンのディフェンスには自信があって、相当タイトには入っていたのですが全然大丈夫でした。あそこでスーチョル選手が力を使っているのも分かっていたので、もう少し力を使わせようと考えることができるぐらい余裕がありました。あそこから試合が打撃の間合いに戻ると、あれだけステップを踏むスーチョル選手がベタ足になっていたんです。

きっとステップを踏むと、テイクダウンへの反応が遅れると感じたんじゃないでしょうか。あのベタ足の構えを見ると、『これ、打撃が入るんじゃないか?』って思えました」

──その言葉通り、原口選手のパンチも当たりました。

「特に離れ際とか、ですよね」

──ただし、足を止めたスーチョル。覚悟を持っての殴り合いも強いです。そこに応じた時、原口選手に恐怖感というものは?

「メチャクチャ怖かったです。普段、やっていないことなのでメチャクチャありました。でも、こっちも腹を括るしかないので。なんか、行けましたね。ヒザ蹴りで腹を抉られても効いたのは一瞬だけだったし、あのヒザも大丈夫でした。

ただ最後は……見えていないんですよね、きっと。来るなとは思っていたんです。でもガードが疎かになっていて、もう体に力も入っていなかった。打撃を見極めるとかできないので、やられる覚悟で行きました」

──本当は良くないのかもしれないです。見ることができないのに、闇雲に行くことは。ただし、それができたことも大きいと思います。特にキム・スーチョルを相手にして、自信を得ることができたということですし。

「打撃で行けたのもそうですが、スーチョル選手は打撃が強いだけでなく、寝技も強い。でも防御も含めて自分のグラップリングも通用したし、持ち上げてテイクダウンもできた。レスリング力も負けていないから、全局面で自信になりました。

スーチョル戦だけでなく、1回戦のムン・ジェフン戦でも打撃の強い相手に最後まで自分のスタイルを貫いて戦うことができて──Road FCで戦うことで、自分のMMAがレベルアップしたのかなとは思います」

──決勝は負けても評価が高くなったかと思います。

「評価されることは素直に嬉しいです。でも欲を言えば、勝って評価されたいというのはあるので……何とも言えないです。頑張ったと評価されるのは、前評判が悪かったからで」

──勝って評価されるために、キム・スーチョルの域に達するためには何が必要だと感じましたか。

「う~ん、何だろう……。何なんですかね……難しいです。感じたのは、まだバンタム級のスピードについていけなかったこと。打撃のスピードがメチャクチャ速くて」

──そこを埋めるために、新たに練習で採り入れたモノはありますか。

「今採り入れているということではないですが、JTTに行かせてもってヴィンス・モラレス選手と練習して……海外で練習したいと思いました。これまで日本の選手としか練習してこなかったですけど、モラレスは打撃もレスリングも柔術も全て強くて経験豊富です。一緒に練習させてもらって、自分の小ささが分かりました。ホントに世界は広いなぁと思うようになりました。だから機会があれば米国で練習したいですね。

スピードに関してはJTTで練習している時も朝倉海選手だとか、階級が下のヒロヤ選手の打撃がメチャクチャ速いです。あのスピードになれないといけない。パワーとかレスリングは勝っているので、スピードが大切になってくると思います」

──JTTでの練習の良さというのは?

「レスリングでビリー・ビグロー、打撃ではエリー・ケーティッシュという専属のコーチがいることですね。ビリーからはレスリングでも、これまで全然知らなかった技術とか教えてもらっています」

<この項、続く>


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AB Black Combat DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Road to UFC Special UFC イ・チャンホ キム・スーチョル シャオ・ロン 上久保周哉 原口央

【Special】K-MMA、2023年・秋。RTUバンタム級決勝進出、イ・チャンホ「上久保選手の仇を取る」

【写真】試合の時の印象とは違い、常に優し気な表情でシャイな受け答えだったイ・チャンホ (C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第六弾はRoad to UFCバンタム級決勝戦でシャオ・ロンと対戦するイ・チャンホに話を訊いた。

準決勝のダールミス・チャウパスウゥイ戦では初回と2Rは劣勢だったが、勝負を諦めることなく粘ってポジションを挽回。最終回に逆転のTKO勝ちを収めたイ・チャンホは──上久保周哉に勝利したシャオ・ロン戦に絶対の自信を持っていた。


──チームメイトの応援に駆け付けた大会後に、取材を受けていただきありがとうございます。

「いえ、こちらこそインタビューをして頂きありがとうございます」

──同じバンタム級でK-MMAをリードしてきたキム・スーチョル選手が、日本の原口央選手から衝撃的なKO勝ちを収めグローバル63キロ級トーナメントで優勝したばかりです。あの試合を見て、どのような印象を持ちましたか。

イ・チャンホと入れ替わりにやってきたキム・スーチョルと

「今日の試合を見ていると、キム・スーチョル選手がアジア圏のバンタム級ではナンバーワンでないかと思います。

体力もあって力強い、動きも本当に良かったです。凄く感銘を受けました」

──UFCを目指すイ・チャンホ選手にとって、キム・スーチョルとはどのような存在なのでしょうか。

「キム・スーチョル選手は憧れです。同時に越えなければならない、目標です。何よりキム・スーチョル選手の試合での動きを見ると、凄く勉強になります。原口選手のあのレスリングでのプレッシャーを受けると、普通の選手だとスタミナをロスして厳しい戦いになるはずです。でも、キム・スーチョル選手はその面でも強かったです。原口選手も頑張っていましたが──」

──その原口選手の頑張りに負けない、いやそれ以上の頑張りをイ・チャンホ選手も8月のダールミス・チャウパスウゥイ戦で見せていました。2Rまでの劣勢を跳ね返し、最終回に逆転TKO勝ち。Road to UFCバンタム級決勝戦進出を果たしました。

「ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。もともと最終回に勝負を懸けようというのが作戦でした。なので1Rと2Rはどれだけテイクダウンを奪われても構わないという風に考えていました。攻められているように見えたかと思いますが、自分としてはずっと冷静に戦うことができていたんです。いえば最初の2Rは向うに動かせて疲れさせようというぐらいの気持ちで。スクランブルに関しては、一番自身のある部分なので問題ありませんでした」

──12月9日に予定されている決勝戦(※その後、2月4日に変更された)で戦うシャオ・ロンは、組み技の強さで定評のある上久保周哉選手を準決勝で破りました。彼の印象を教えてください。

「シャオ・ロンに関して、特に印象の残る選手ではないです。一応、何でもこなすウェルラウンダーですね。でも、スタミナ、スクナブル、柔術的なポジショニングと自分が彼を上回るところはいくらでもあります。試合がどのような状況になろうが、気にすることないですね。トーナメントに参加する選手は全員がそう思っているはずですが、絶対に優勝するつもりでRoad to UFCに出たので、優勝するのは絶対に自分です」

──昨年は韓国と日本勢の争いになると思われるなかでフライ級は韓国人対決、バンタム級は日本人対決。フェザー級は中韓決戦。そしてライト級はまさかのインド✖インドネシアという決勝戦でした。それが今年は決勝戦8試合中、日中対決が2試合。中国人対決が1試合、そしてシャオ・ロンとイ・チャンホ選手の中国✖韓国が1試合。実に決勝進出8選手中5人が中国人ファイターになりました。

「5月の準々決勝では上海にあるUFC PIの施設で練習や試合をしたのですが、MMAに必要な設備が全て揃っていました。練習システムにしても同じで、体のケアまで含め至れり尽くせりでMMAに没頭できます。あの環境がある中国人選手は、これからもっともっと強くなると思います。PIの決して大きくない会場に集まった中国人ファンの声援も凄かったです」

──今回はメルセデスベンツ・アリーナ、あの10倍以上の中国人サポーターが駆けつけるはずで、全ては中国人選手が勝てるよう舵取りがされている感がプンプンします。

「ただ自分の1人だけ生き残った韓国人MMAファイターとして、中国人サポーターが言葉を失う試合をします。十分にその自信を持っています。任せてください。自分は決勝では上久保選手と、思い切りやりあえると思っていました。残念ながら、自分のなかでも一番期待していた試合は戦えなくなりましたが、決勝戦では上久保選手の仇を打つので日本のファンの皆さんも期待してください」

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ARAMI DEEP DEEP JEWELS IMMAF MMA NEXUS o ONE PANCRASE RYO SARAMI V.V mei   キム・サンウォン ジェニー・ファン パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 亀井晨佑 伊藤盛一郎 住村竜市朗 佐藤生虎 修斗 川中孝浩 平田直樹 有川直毅 松井斗輝 林源平 栁川唯人 沙弥子 河村泰博 粕谷優介 近藤有己 透暉鷹 高橋遼伍

『PANCRASE 340 ~PANCRASE 30周年記念大会 Vol.2~』試合結果

まんがでわかる 30歳から伸びる人、30歳で止まる人



第14試合 メインイベント パンクラス・ウェルター級チャンピオンシップ 5分5R
×林 源平(和術慧舟會IggyHandsGym/王者)※初防衛戦
○住村竜市朗(TEAM ONE/2位、元DEEP王者)
5R 2’09” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※住村が王者に

第13試合 コーメイン パンクラス・フライ級暫定チャンピオンシップ(王者決定戦) 5分5R
○伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/1位、元ZSTフライ級王者)
×有川直毅(K-PLACE/3位)
2R 3’05” 裸絞め
※伊藤が暫定王者に

第12試合 パンクラス第5代バンタム級チャンピオンシップ(王者決定戦) 5分5R
×河村泰博(和術慧舟會AKZA/1位、Fighting NEXUS王者)
○透暉鷹[ときたか](ISHITSUNA MMA/2位、元パンクラス・フェザー級王者)
1R 4’45” 肩固め
※透暉鷹が王者に

第11試合 パンクラス・ライト級王者挑戦者決定戦 5分3R
×粕谷優介(CROWN/1位)
○雑賀 ヤン坊 達也(DOBUITA/4位)
判定0-3 (出口27-30/荒牧27-30/松井27-30)

第10試合 パンクラス初代女子アトム級(47.6kg)王者決定トーナメント一回戦 5分3R
○沙弥子(リバーサルジム横浜グランドスラム/2位)
×V.V Mei[ヴィーヴィーメイ](フリー/元DEEP JEWELSアトム級王者、元VALKYRIEフェザー級(52kg)王者)
判定2-1 (大藪28-29/山崎29-28/梅木28-29)

第9試合 パンクラス初代女子アトム級(47.6kg)王者決定トーナメント一回戦 5分3R
×ジェニー・ファン(台湾/AACC/1位)
○SARAMI(パンクラスイズム横浜/修斗女子スーパーアトム級(50kg)世界4位・元王者)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

第8試合 フェザー級 5分3R
×亀井晨佑[しんすけ](パラエストラ八王子/2位、ネオブラッドトーナメント2018同級優勝)
○平田直樹(トライフォース柔術アカデミー/5位)※フリーから所属変更
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

第7試合 フェザー級 5分3R
△高橋遼伍(KRAZY BEE/元修斗環太平洋王者)
△キム・サンウォン(韓国/コリアントップチーム/8位、元Double G王者)
3R 負傷判定1-1 (梅木28-30/荒牧30-28/出口29-29)

第6試合 フェザー級 5分3R
○Ryo(グランドスラム/RINGS/6位、元THE OUTSIDER 70-75kg級王者)
×栁川唯人(K-PLACE/11位、ネオブラッドトーナメント2023同級優勝)
3R 0’33” 腕ひしぎ十字固め

第5試合 フライ級 5分3R
○ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン/カトランジム/5位、IMMAF 2022 世界選手権フライ級優勝)
×松井斗輝(パラエストラ柏/8位)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)

第4試合 71.5kg契約 5分3R
×近藤有己(パンクラスイズム横浜/元ミドル級・ライトヘビー級・無差別級王者)
○美木 航(NATURAL9)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

第3試合 バンタム級 5分3R
○田嶋 椋(OOTA DOJO/5位・元暫定王者、ネオブラッド・トーナメント2022同級優勝&MVP)
×笹 晋久(パラエストラ柏/6位、修斗2017同級新人王)
判定3-0 (山崎29-28/出口29-28/大藪29-28)

第2試合 ウェルター級 5分3R
×川中孝浩(BRAVE/元GRAND王者)
○佐藤生虎[しょうご](UNITED GYM TOKYO)
1R 1’21” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第1試合 プレリミナリーファイト フライ級 5分3R
○眞藤源太(KINGCRAFT)
×梅原規祥[みさき](リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
1R 1’51” 裸絞め

 遅ればせながら12月24日に横浜武道館で開催された『PANCRASE 340 ~PANCRASE 30周年記念大会 Vol.2~』の試合結果。メインイベントのウェルター級チャンピオンシップは住村竜市朗が林源平に5R TKO勝ちし新王者に。セミファイナルのフライ級暫定王座決定戦は伊藤盛一郎が有川直毅に2R裸絞めで勝利。第12試合のバンタム級王座決定戦は透暉鷹が河村泰博に1R肩固めで勝利しています。続きを読む・・・
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Black Combat DEEP MMA MMAPLANET NAIZA FC56 o ダスタン・アマンゲルジ ユ・スヨン

【NAIZA FC56】あのユ・スヨンが、圧負け。アマンゲルジ、恐怖の反応力と冷静さでバンタム級王座奪取

速報で追い切れなかった試合をお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。

ここでは12月21日(木・現地時間)にカザフスタンのアルマトイはアルマトイ・アリーナで開催されたNAIZA FC56からNAIZA FCバンタム級選手権試合の模様をお届けしたい。

<NAIZA FCバンタム級選手権試合/5分5R>
ダスタン・アマンゲルジ(カザフスタン)
Def.3R4分56秒by TKO
ユ・スヨン(韓国)

DEEP、Black Combat、そしてNAIZA FCのバンタム級三冠王者ユ・スヨンにとって昨年9月の王座奪取以来1年4カ月振りのカザフスタンの試合で、王座初防衛戦となった一戦。挑戦者のアマンゲルジはキャリア6勝1敗、全ての試合をNAIZAで戦ってきた生え抜きファイターだ。

オーソ同士、ジャブで様子見の両者。ユ・スヨンがスイッチし、すぐに戻す。そのユ・スヨンは左ハイから右ロー、右カーフを蹴られた直後に左フックを決める。両手をキャンバスについたアマンゲルジは、すぐに臨戦態勢に戻るとユ・スヨンがテイクダウンを狙う。

ダブルレッグを切り返しに掛かったアマンゲルジは、すかされてもバックを許さず打撃の間合いに戻す。アマンゲルジは右から左を決め、さらに細かいパンチを纏める。そのアマンゲルジの左を避けて、パンチを返すユ・スヨンだがパンチで圧をかけられた状態が続く。左リードフックの打ち合いでも、確実にヒットさせたアマンゲルジがダブルレッグへ。切ったユ・スヨンにヒザ蹴りを狙う。ユ・スヨンはパンチを被弾しても攻めの姿勢を崩さず、スイッチしたアマンゲルジにスイッチで対抗し右ハイを狙う。右ストレートを伸ばしたアマンゲルジが、直後にダブルレッグからバックへ。ユ・スヨンがキムラロックから後方に引き込んだところで初回が終わった。

2R、右を当てたユ・スヨン。続く左を打つときに、アマンゲルジはステップで間合いを外している。右から左を被弾し動きが一瞬止まったユ・スヨンに対し、アマンゲルジがラッシュをかけることなく間合いを取り直す。圧負けするユ・スヨンは、ここで左ローを急所に受けて悶絶。再開後、ケージを背負って回るシーンが増えたユ・スヨンが左を被弾して姿勢を乱す。

ユ・スヨンはローに右を合わせにいき、組みも交えて反撃を試みるがアマンゲルジは右を当てて距離を詰める。ここから強力な右カーフを蹴ったアマンゲルジだが、ユ・スヨンの右を被弾し再びマットに手をつく。それでもすぐに起き上り、カーフから拳で圧をかけるアマンゲルジが右ストレートをヒット。ユ・スヨンも右を当て右ミドル、キャッチしたアマンゲルジがリリースして打撃戦のなかで前蹴りを駆使して、自分の距離を創っていく。ワンツーをかわしたユ・スヨンだがカーフで姿勢が乱れ、押されながらも引かないファイトでパンチを当てるという展開で序盤の2Rを戦い終えた。

3R、カーフから構えを変えて拳を伸ばすアマンゲルジに対し、ユ・スヨンは見る時間が長くダブルレッグを失敗し、腕を取られそうになる。立ち上がってもアマンゲルジの圧に懸かったままのユ・スヨン──左右に動くが攻撃に転じることはできない。アマンゲルジは右ボディストレートを当てると、右を振ってシングルレッグへ。ウィザーのユ・スヨンに左のパンチを当てるアマンゲルジは、跳びつき十字からのガードも落ち着いて対処してトップを取る。力強いパウンドを落としたアマンゲルジが腕十字には、腕を抜いて防御。ユ・スヨンは、アマンゲルジの重心が後ろになったところで立ち上がる。

アマンゲルジは素晴らしい反応を見せ、右をヒットさせるとユ・スヨンは背中を見せて、後方から殴られる。ヒザを腿に入れるアマンゲルジは左蹴りから、右フック。さらに左ボディフックを2発決める。このボディで動きが完全に止まったユ・スヨンだが、アマンゲルジはここも慎重に圧をかけてカーフを蹴る。

ユ・スヨンは左右にケージの前を回るが、ボディを2発受け三日月も蹴られる。それでも右フックから右ミドルを返したユ・スヨンだったが、ボディ、ロー左フック、左ミドルと適格な攻撃を受ける。力のこもったボディフック、右フックを打ち込んだアマンゲルジは、ユ・スヨンの右をしっかりと外して右ボディ、左、右エルボーを打ち込む。続く左ボディで倒れたユ・スヨンは背中を向け、パウンドを連打されTKO負けでベルトを失った。

日韓で飛びぬけた強さを見せつけたユ・スヨンの完敗──組みの打撃のラグがなく、仕留めに掛かる時も冷静に攻撃を被弾しないアマンゲルジによるカザフスタン、中央アジアの強さを見せつける王座奪取劇だった。


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