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『Naiza FC 55: Erengaipov vs. Fukuda』試合結果/ディアス・エレンガイポフ vs. 福田龍彌 他フルファイト動画

カザフスタンを知るための60章


メインイベント Naiza FCフライ級チャンピオンシップ 5分5R
○ディアス・エレンガイポフ[Dias Erengaipov](カザフスタン/王者)
×福田龍彌[りゅうや](MIBURO/挑戦者、DEEPフライ級暫定王者、元修斗世界同級王者)
判定3-0 (50-45/50-45/50-45)
※エレンガイポフが初防衛

コーメインイベント フライ級 5分3R
○ジャルガス・ジュマグロフ[Zhalgas Zhumagulovv](カザフスタン)
×マサト・ナカムラ(レンジャージム)
1R 1’43” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

 12月6日にカザフスタン・アスタナのバリスアリーナで開催された『Naiza FC 55: Erengaipov vs. Fukuda』の試合結果。メインイベントのフライ級チャンピオンシップは福田龍彌がディアス・エレンガイポフに判定負け。コーメインイベントはマサト・ナカムラが元UFCファイターのザルガス・ズマグロフに1R TKO負けしています。



 大会フルファイト動画。続きを読む・・・
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DEEP DEEP JEWELS DEEP117 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o キム・ウジェ 中村真人 佑勢乃花 修斗 川原波輝 本田良介 筋トレ 越智晴雄

【DEEP117】佑勢乃花とのストロー級暫定王者決定戦、越智晴雄─01─「愛媛から東京での試合は初めて」

【写真】故郷でジムを開き、生徒に背中を見せるタイトル戦となる越智(C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP117で、越智晴雄が佑勢乃花とのストロー級暫定王者決定戦に臨む。
Text by Shojiro Kameike

越智は2017年9月にDEEPストロー級王座を獲得し、2度の防衛に成功した。しかし2020年8月、川原波輝に敗れてベルトを失い、以降はフライ級で戦っていた。フライ級GP以降はストロー級復帰を視野に入れ、キャッチウェイト戦で2連勝し、今回の暫定王座決定戦に挑むこととなった。今年7月には地元の愛媛県でジムをオープンした越智に、愛媛での練習環境について訊いた。


――MMAPLANETで前回インタビューさせていただいたのは、DEEPフライ級GPの本田良介戦の時でした。やはりストロー級に落とすと、目に見えて絞り具合も違いますね。

「あぁ、痩せていますか。フライ級の時よりも3~4キロ違いますからね」

――フライ級で試合をする時と今回では、練習時の体重も違いますか。

「試合直前になると体重も違いますが、普段の練習時はそんなに変わらないと思います。ただ、僕もストロー級で戦っていたのが3~4年前なので、記憶も定かではなくて(笑)。もともと試合当日の体重は、ストロー級でもフライ級でも同じぐらいでした。今回はちょっと怖いので、早めに減量しているんですよ。だから今回は、試合当日もそこまで体重は戻っていないかもしれませんね」

――「今回はちょっと怖い」というのは?

「単純に計量失敗が怖いです(苦笑)。去年12月の中村真人戦は55キロ契約で、今年5月のキム・ウジェ戦も56キロ契約でしたから、フライ級と変わらない体重だったんですよ。完全にストロー級まで落とすのは、川原波輝選手に負けて(2020年8月)以来で」

――フライ級で試合をする時は、それほど減量もなかったのですね。

「体重については試合直前に微調整するぐらいで、減量とは呼べない程度のものでした。でも今回、減量はあってもコンディションは良いですね」

――なるほど。越智選手は現在、地元の愛媛県でご自身のジム「Little Giant Gym(リトル・ジャイアント・ジム)」を運営されています。まずはジムについて教えてください。

「今年7月1日、愛媛県松山市にジムをオープンしました。3月中旬に愛媛県に戻って、5月末に試合をしてからまた愛媛でジムのオープン準備があり――という感じで。前回は、試合前の1カ月間は東京で練習していたんですよ。だから愛媛から行って東京で試合をするというのは、今回が初めてになりますね」

――東京と愛媛では、練習環境も大きく変わりましたか。

「やっぱり大きく変わりますね。ジムを始めたばかりで、プロ選手もいないですし。今はパラエストラ愛媛所属の矢野武蔵君という修斗に出ている選手や、愛媛で柔術をやっている友人と一緒に練習させてもらっています。あとは自分自身でコンディションを落とさないように、走ったり筋トレしたり。昼間は自分のトレーニング、夕方からジムの指導というスケジュールを過ごしています」

――……ひとつ気づいたことを言っていいですか。

「はい。何でしょう?」

――本田戦の前にインタビューさせていただいた時より、表情が柔らかくなっていますね。

「えっ、そうですか。アハハハ」

――フライ級GPの時は、それだけ気持ちも張り詰めていたのか。あるいは地元に戻ったことが、それだけ精神的な面で大きく影響しているのでしょうか。

「どうなんでしょうね……。地元に戻った一番大きな理由は、家族や子育て、自分の両親のことでした。MMAを続けていく環境としては、やっぱり東京が一番だと思うんです。でも家族のことを考えると――たとえば実家の近くに住んでいると、僕の両親もすぐ孫と会うことができますし。そこで両親が喜んでくれているのを見ると、地元に戻ってきて良かったなぁとは思いますね」

――フライ級GPの前から愛媛県でジムを開くことはお聞きしていました。そのなかで、フライ級GPに出る最大の理由が「ベルトが欲しい。現役チャンピオンとしてジムを開きたい」ということで。しかし、その夢は叶いませんでした。

「もともとフライ級GPが始まる前に、ストロー級に戻すことを考えていて。でもフライ級GPのオファーを頂いて、僕としてもベルトが欲しい気持ちも強くてGPに出ることを決めました。GP後にストロー級で戦うことを決めたのも、やっぱりベルトが欲しいからです。

チャンピオンになると、自分以上の周りのみんなが喜んでくれる。ベルトを巻くというのが一番分かりやすくて。最近、ウチのジムも若い子——しかも『プロのファイターになりたいです!』という子の入会が増えていて。ジムにベルトを持って帰ってくることで、そういう若い人たちも『愛媛にいてチャンピオンになれるんだ!』と思ってほしいんです。……僕の場合は10年以上も東京にいたので、ちょっと違うかもしれないですけど(笑)」

――アハハハ。それでも現役王者が指導してくれる、というのは地元の若い選手にとっても大きな力になるでしょう。

「そうですね。あとは、やっぱり東京と愛媛ではMMAの認知度も全然違います。でもベルトがあれば、愛媛県で格闘技を見たことがない人たちにも、MMAのことを知ってもらえるんじゃないかと。そういう形で貢献していきたいです」

――今後の愛媛県での活動にも期待しています。試合の話に戻すと、中村戦とキム・ウジェ戦はフライ級時代よりも動きのキレが良いように感じました。契約体重がフライ級リミットとそれほど変わらなかったとはいえ、何か影響があったのでしょうか。

「実は本田さんとの試合から、感覚的な面で変わったんですよ。試合は負けたけど、これまでの試合の中で一番疲れなかったというか。いつもは試合が終わると死にそうな状態になっているのに(苦笑)。

今まで試合になると『殺してやろう』という気持ちになっていました。でも本田さんとの試合では冷静に戦うことができたんです。力みすぎることがなく、おかげで動きも変わってきましたね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
12月10日(日)
午後5時10分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、Samurai TV

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AB ABEMA DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o ONE UFC YouTube   オンラ・ンサン キム・ジェヨン 修斗 岡見勇信

【Deep Emotion】自分に克つ──岡見勇信

【写真】この時の岡見は無心だったのか、あるいはこれだけ必死なかに「自分に克つ」という意識を持ち続けていたのだろうか (C)MMAPLANET

「こんな試合が見たいんじゃないぞ!」。12月2日、プロ修斗公式戦「FIGHT&MOSH」のコメイン、岡見勇信✖キム・ジェヨン戦の──確か2Rの途中、岡見が必死にキム・ジェヨンをケージに押し込んでいる時に聞こえた、野次だ。

恐らくは、打撃でガンガンやり合えという意味で野次を飛ばしたのだろう。その声の主とはまるで違った想いではあるものの、岡見勇信であるならばキム・ジェヨンを最初のテイクダウンからコントロールし続け、削る。2Rに入っても同じ展開を続け、あわよくばキム・ジェヨンが気力と体力を切らしてパウンドアウトする。そんな試合が見たかったのも事実だ。

とはいえ15年も16年も昔にオクタゴンのなかで見せたような試合が、この日に岡見ができるとも思っていなかった。


練習仲間の後輩が何と言おうがケージの中でのパフォーマンスは落ちている。加えていえば、今のMMAのテイクダウン防御力と倒されて立つスクランブルの技術の進化を考えると、岡見が当時のようにテイクダウンからコントロールして完封する試合が実現するなどいう楽観論など持てるわけもなかった。

逆に彼が無残な負け方をした時、自分自身の平穏を保つために「フック一発で、心が折れて動きが止まる。そのままTKO負けする」ような試合になると心の準備をし、実際に口にもしていた。何があっても岡見勇信がMMA界に残してきた功績は傷つかない。今、彼がどのような姿を見せようが──あの頃の岡見を知らない連中に、何も言わせてたまるものかという想いと共に。

キム・ジェヨンは、やはり岡見の思い通りになるような戦いはさせなかった。決して輝かしいスポットライトを浴びたとはいえないが、20年に渡りK-MMA界の屋台骨を支えてきたベテランファイターは、岡見戦の前に渡米をしてATTワシントンでファイトキャンプを行っている。NCAAで結果を残したファイターや、ムンジアルで活躍した柔術家と、徹底的に岡見対策をしての来日だった。

極真空手家からウェルラウンダーとなるべきトレーニングを続けてきたキム・ジェヨンにとっても、この試合は自らの総決算として良い。その意地とプライドが岡見のテイクダウンを切り、バックを許しても前方に落としてパウンドを打ちつけるファイトに表れていた。これは危ない。いつ、岡見の動きが止まってもおかしくない。そんなシーンが初回から幾度も見られた。

その度に岡見はキム・ジェヨンと正対して組みつき、あるいは向き合って拳を振るい、両手で圧し払う様な動きを3度も見せた。

「前に出る」ファイト。金網のなかで戦うようになった20年近くも前から岡見が自らに課すことは変わらない。キム・ジェヨン戦前の取材で、岡見はオンラ・ンサン戦の自らのファイトを悔やみ、「自分に克つ」と何度も口にしていた。そうはならない……そう、できない自分になることを誰よりも承知し、恐れているにも関わらず。

ンサン戦は手っ取り早い例えでしかない。前に出る。自分に勝つ。MMAを戦うようになってから、常に思い続けてきた永遠の課題だ。弱い自分に勝つために、UFC世界ミドル級王座に挑戦し、WSOFやONEで戦い続けてきた。それなのに──ンサン戦では、過去最悪といって良いほど自分の弱さを露呈した。

ンサン戦は、完全に自分に負けた。このままでは終われない。ただし、繰り返すと終焉の時を迎えることになる。キム・ジェヨンでなく、自分に負ければ──次はない。日本人MMAファイターの誰もができない戦いしてきた。その思い出とともに、もうケージを下りるのみ。そんな状況下で岡見は時より弱気の顔を覗かせながら、すぐに自らを奮い立たせ、拳を振るい、組みついていった。

岡見のMMAフィロソフィーに打撃戦はあっても殴り合いはない。それでも、殴り合った。

パンチを打たれて間合いを外すのではなく、前に出た。下がっていたらキム・ジェヨンの右ハイでアゴを射抜かれていただろう。

前に出て戦ったから、蹴りをガードできた。ただし、パンチは被弾した。

そして、15分を戦い切り、キャンバスの上で大の字になり、しばらく起き上ることすらできなかった。まさに精魂尽き果てた姿が見られた。

組みへの評価が異様に低くなっている昨今のMMAを象徴しているかのように、ジャッジ……いやサブレフェリーの裁定は割れたが、岡見はスプリットで判定をモノにできた。

MMAは勝敗が全て。勝利以上に大切なモノはない。この軸が崩れると、MMAは殴って、蹴って、行って来いショーに成り下がってしまう。

それは百も承知で、人生は勝ち負けが全てではないと書き記したい。この夜、岡見勇信は自分に克った。彼の周囲には、ここまで思いつめなくても、ビビらなくても、あのような戦いができる人間がいくらでもいる。

でも、岡見勇信は違う。人一倍、恐怖を感じてケージに上がり、そして勝利を手にしてきた。ある意味、自分に勝てなくても試合に勝てるファイトもあった。

以前のように試合で勝てなくなったのは、彼の人生が試合に勝つよりも、本当の意味で勝利が必要なターンに入ったからだろう。それこそが、自分に克つことだった。岡見にとってキム・ジェヨン戦は、試合に負けたとしても、これから生きていくうえで欠かせない大切なモノを手にした戦いとなったはずだ。そのうえで、判定勝ちも手にできた──。この2つの勝利を得て、彼が今後にどのような決断、判断をするのかは分からないけど、最強ではないが最高の岡見勇信を見ることができた──と思う。

「こんな試合が見たいんじゃないぞ!」だって? あんたが見たいモノ以上の戦いを拝めることができたことを──感謝してください。


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AB Black Combat DEEP GFC Gladiator Gladiator024 K-MMA MMA MMAPLANET NavE o RIZIN ROAD FC Road to UFC Special UFC YouTube キム・ミンス キ・ウォンビン チェ・ドンフン チョ・ソンビン ボクシング 久保健太 海外

【Special】K-MMA、2023年・秋。グラジで久保健太戦、チェ・ドンフン「ニャムジャルガルにも勝てる」

【写真】1999年1月2日、ソウル生まれ。ポハンには軍人として赴いた(C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。遅まきながら第三弾は12月9日(土)に豊中市の176BOXで開催されるGladiator024で久保健太と対戦するチェ・ドンフンの声をお届けしたい。

3月大会でフライ級王座挑戦が決まっていたが負傷欠場、9カ月後に仕切り直しを前にキャリア3戦目でDouble GFCフライ級王者となった24歳のK-MMAファイターはどのような想いで日本で戦う。


――3月のGladiatorでNavE選手に挑戦予定でしたが、足の骨折で出場不能となりました。その後、回復具合はいかがだったのでしょうか(※取材は10月26日に行われた)。

「骨折は足の甲でした。自分自身、凄く試合はしたかったのですが、手術が必要で戦うことができなかったです。今もピンが入っているままですが、ドクターから試合に出ても大丈夫だという言葉を貰っています。鋼鉄が足に入っているので、蹴りでKOできるのではないでしょうか。アハハハハハ」

――……。欠場したタイトル戦でチェ・ドンフン選手の代役で出場したニャムジャルガル・トウメンデムベレルがKO勝ちをしてベルトを巻くと、そのままRoad to UFCのワンマッチ契約を勝ち取りました。ケガをしなければ自分が……という悔しい想いはないですか。

「悔しいと思わないといえば嘘になります。でもケガで試合ができないことはしょうがないです。とにかくリハビリに集中して、さらに強くなろうという気持ちでいました。同時に代わりに出る選手なので、どのような戦いをするのかは気になっていました。モンゴルのチャンピオンということで楽しみでもあったのですが、ニャムジャルガルの最近の試合を見ても自分なら勝てますね」

――凄い自信ですね。今回、久保健太選手が対戦相手候補ということですが(※その後、正式決定)、まず日本で戦うことが再び決まったことについてはどのように思っていますか。

「再びチャンスをくれたGladiatorに感謝しています。今回がタイトル戦でなくても、Gladiatorでの試合に集中しています。Gladiatorモードです」

――そんなチェ・ドンフン選手ですが、MMAを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「自分は軍人で、所属基地がポハンにありました。徴兵期間後も下士官として、軍に残っていました」

――ネトフリでD.Pというチョン・へインが主人公を演じる脱走兵追跡のドラマを視ましたが、体罰やいじめなど本当にあれ程えげつないのですか。

「アハハハハ。アレは陸軍の話で、自分は海軍にいましたので。海軍は陸軍よりも××××(※以下自粛)ですよ(笑)。そのまま軍人として生きていくのかと考えた時に、自分が強くになるにはMMAしかない……男としてMMAのスーパースターになりたいと思ったんです。MMAファイターとして生きていくことを決めました。実際、チームMADポハンに所属し人生が変わりました」

――軍に入る前に格闘技の経験はあったのですか。

「中学時代に柔道をやっていました。ただ初めてMMAを見た時に、これは喧嘩だと思ったので打撃を学ぼうと思い、ジムに入ったんです。で、初めてスパーリングをした時の相手がキム・ミンス館長でした。どれだけ殴られても、最後は殺してやろうという気持ちで挑みましたが、全く近づくことはできずにボコボコにされました(笑)。もう血だるま状態で。『これはしっかりと学ぶ必要がある』と思い知り、そこから気合を入れ直しました。

とにかく夕方にジムに行くとボコボコにされて(笑)、血みどろで家に戻るんです。そんな毎日が続くと、『俺は選手とやっていけるのか。本当に正しい判断をしたのか』と疑問を持つようになったこともあります。でも黙々と練習をしていると1日、1日と成長する自分を感じることができて、試合で結果も残せるようになりました」

――キャリア3戦目でDouble GFCのチャンピオンになり、今は4勝0敗です。正直、経験値としては十分でないという見方もされるかと思います。

「自分のレベルアップのため、そしてプレッシャーを与えるためにGladiatorで戦おうと思ったんです。これからは国内だけでなく、海外でも戦っていきたいので。この世界で成功を修めるには海外で連続して戦っていかなければならない。なのでギアを上げることにしました。これから世界のトップ舞台で戦うために、Gladiatorは良いステッピングボードになると思っています」

――MMAファイターとしての強みはどこだと思っていますか。

「自分はフライ級のなかでも大きい方ではないです。過去4試合とも、相手の方が背が高かったです。日本で戦うかもしれない久保選手はリーチが長いそうですが、ステップを使って久保選手の距離で戦わないようにしようと思います。そうですね、インアウト――出入りが自分の強みです。

足を負傷していたので、ボクシングの練習に集中していた期間がありました。そこで身につけた出入りですが、戦いに幅がなかったのも事実です。今後はグラップリングも交えて、圧力を掛ける試合をしたいです」

――キ・ウォンビン、チョ・ソンビン、パク・ジェヒョクとGladiatorでは韓国人王者が生まれていますす。同じ韓国人選手として続きたいという気持ちは?

「そういう歴史を紡ぐよりも、自分のために頑張りたいと思います。Gladiatorフライ級のタイトルを取ります。期待してください」

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AB ABEMA DEEP DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE ONE FF43 チャンネル デヴィッド・バンギギ ルンピニー 本田良介 海外

【ONE FF43】バンギギ戦へ、タイガームエタイ所属=本田良介「取ろうとしているのは分かると思います」

【写真】タイガームエタイ、そしてプーケットの空気に溶け込んでいる本田(C)MMAPLANET

12月1日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FF43で本田良介がデヴィッド・バンギギと戦う。

日本を離れ、タイガームエタイ所属となった本田にとっての初戦。その心境をプーケットのタイガームエタイで尋ねた。


──今週金曜日のONE FFでのバンギギ戦、この試合が決まったのはいつごろでしょうか。

「1カ月ぐらい前ですね」

――ONE FFで戦う。本田選手自身は、どのように捉えていますか。

「まぁ、試合をするということですよね(笑)。どうなんですかね……(笑)。ONEという大きな団体のなかの一つの舞台で戦えること。それとルンピニーという舞台で戦えること。僕もルンピニーで試合を観戦したことがあるのですが、あの闘技場っていう感じがする場所でできるということは本当に良い意味でモチベーションになっています。あそこで試合をするんだっていう部分で」

――タイガームエタイの所属なった時、ONE FF――いずれはONEで戦うということを目指していたのですか。

「それは、たまたまです。タイミング的に5月にDEEPフライ級GPの決勝が終わって、タイガームエタイのトライアウトが6月。ちょっと空いたなった感じですけど、単にオファーが来て戦うということです」

――このところ北米階級のフライ級で戦っていた本田選手ですが、今回はONE階級でのストロー級で戦います。多くの選手が北米階級でフライ級の場合、ONEでは61.2キロのフライ級の水抜き減量なしで臨みます。対して本田選手は原則ドライアウト禁止で56.7 キロのままで戦うことになります。

「日本でもストロー級でも戦っていましたし……まぁ、やってみようと。ストロー級は試合の機会が少なくて、タイトルマッチとかも戦っていないですけど、こっちでちゃんと試合ができれば良いのなかなっていう感じで。できそうだからやってみようと思って――でも、調子も良いんですよ(笑)」

――本田選手は正直、減量が厳しそうだった印象があります。

「コロナの時にストロー級で、水抜き減量なしの56.7キロを経験しました。タイに来てからは通常体重が落ちているので、ストロー級で戦えるかなっていうのはありました。言われた体重で戦ってきたので、フライ級で減量が厳しいのかといえば、それは水抜きをして良いから、あの方法で落としていたわけで。そういう体創りをして良いから減量の期間も、練習の仕方も違っていました。だから、今回も水抜き減量なしの56.7キロになっても何も問題ないです」

――プーケットからバンコクに移動しての試合となりますが、その辺りというのは?

「プーケットからバンコクは、福岡から東京と変わりないです。だから、特に変わりはないです」

――日本の時は計量前日に東京に来られることが多かったかと。

「そうですね。1日余分にある形ですけど、どっちもきついから東京への移動もそんなにネガティブな方で考えていなかったです。ONEは水抜きはダメでも、ホテルで試合の準備ができるのでリラックスできる。それで代謝が上がることもあるし、そこはもう人それぞれですよね」

――では対戦相手バンギギの印象を教えてください。

「タフな選手です。どんどんしっかりと組んできて、最後までそうやって勝ち切っている。レコードも9勝2敗で……でも、そういう選手と戦うつもりでタイに来ているので」

――タイガームエタイに移籍して初戦、それだけ注目もされるかと思います。まだ短期間ですが、変化を見せることが期待されます。

「やっぱりフィニッシュ、一本……を取るつもりだし、取ろうとしているのは分かると思います。そこを意識して練習してきました。殴ることができるポジショニングを意識してきたので体の動かし方、ポジションを取る時の優先順位が以前と変わっている。そういうところが終わらせようとしていることにつながると思います」

――では最後に改めて日本のファンに決意のほどをお願いします。

「所属も変わって海外での初めての試合、本当にフレッシュになった僕を応援してください」

■放送予定
12月1日(金・日本時間)
午後9時30分~ABEMA格闘チャンネル

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【TOPBRIGHTS】松嶋こよみ カルシャガ・ダウトベックと対戦!

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2024年1月21日に群馬県のオープンハウスアリーナ太田で開催されるTOPBRIGHTS.1の追加対戦カードとして松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)×カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン/タイガームエタイ)のフェザー級ワンマッチが発表されました。

松嶋はONEを主戦場にした後にROAD TO UFCにも出場した実力者。その後もUFC出場を見据えて今年はDEEPに参戦していました。それがまさかTOPBRIGHTSに参戦するとは。。。意外な気もしますが、UFC出場を目指す上で単発で参戦出来る大会は貴重だったのかもしれません。

しかも、試合はUFCにアピールする上でモノを言いそうな国際戦。ダウトベックはボクシングをベースにしたストライカー。2018年にRIZIN朝倉未来に判定負けを喫しましたが、今年はカザフスタンでのAlash Prideを主戦場に3試合連続1R KO勝ちと波に乗っています。

9月にはUFCに出場経験のあるディエゴ・ブランダオンをハイキックからフックでダウンを奪ってパウンドアウトした試合は印象的。同じく打撃がキレる松嶋との対戦はヒリヒリした緊張感のあるものになりそう。松嶋はアピールする上で負けられない一戦を迎えます。

その他にもグレイソン・チバウ(ブラジル/アメリカン・トップチーム)×キム・ハンスル(韓国/コリアンゾンビMMA)のMMAマッチが決定。堀口恭司プロデュースたる所以かだいぶ国際色豊かな大会になってきました。

後は大会を観戦しに行くべきか。良いカードもある反面、大半はキッズや育成枠の試合。そして群馬という開催地。チケットも決して安くはないしな。。。配信を激しく希望します。
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【FIGHT&MOSH】岡見勇信、修斗での戦いへ─01─「この決断は決して簡単ではなかった」

【写真】「自分から逃げずに、相手から逃げない。それが前に進むということ」。その言葉一つ一つに岡見の想いが詰まっている(C)TAKUMI NAKAMURA

12月2日(土)東京都江東区にある豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」にて、岡見勇信がキム・ジェヨンと対戦する。
text by Takumi Nakamura

ONEでのオンラ・ンサン戦から約1年、岡見が戦いの場に選んだのは日本、そして修斗の舞台だった。この決断と選択に至るまで、岡見の中でどんな葛藤や想いがあったのか。復帰戦に向けた…では収まらない、岡見勇信というファイターの現在を伝えるインタビューを前・後編に分けてお届けしたい。


――昨年11月ONEでのオンラ・ンサン戦以来、約1年ぶりの試合が決まりました。

「前回のンサン戦が終わって、地道にトレーニングを続けて徐々にコンディションを作っていました。そこで身体の状態が上がって、試合ができるところまで来たからこそ、試合をすることを決めたので、コンディションや仕上がりはここ4年間のなかで一番いいぐらいの状態ですね」

――ONEと修斗ではハイドレーションの有無もあり、減量や体重調整はいかがでしょうか。

「前回の試合はハイドレーションテストがある93kg契約だったので、減量そのものは楽と言えば楽なんですよ。でも今回のように83.9kgとなるとそうはいかないので、久々にちゃんと減量している感覚ですね。それこそONEに参戦する前、UFCで戦っていた時期以来なので、約4年ぶりの減量で、普段は食事制限してチートデイを入れたりだとか、そういう準備も新鮮ですね」

――12月を目途に試合を考えるというよりも、試合ができるコンディションを作る上で、12月に試合が決まったという流れのようですね。

「はい。夏くらいに自分の状態が上がっている感覚や手応えがあって、年内に1試合やって、自分がやってきたことを形にしたいという気持ちになっていました。ちょうどその時期に修斗の坂本(一弘)さんとお話しする機会があって…という流れですね。本当に色んなタイミングがあって実現した試合です」

――確認ですがONEとの契約は終わっているのですか。

「そうですね。ONEとは直接コンタクトをとって、なかなか試合が組まれない状況ではあるけれど、年齢的なことを考えても年内に試合をしたいということは伝えていて。ONEもこちらの想いを理解してくれて、一度ここで契約を終わりにしようという結論になりました。僕自身ONEには凄く感謝しているし、ONEからは『これからも頑張ってほしい』と声をかけてもらいましたね」

――YouTube「SHOOTO OFFICIAL」チャンネルの動画内でもコメントしていますが、なぜ復帰戦の場として修斗を選んだのですか。

「なかなかONEで試合が組まれない中で、日本で試合をして形を作りたいと思っていて。坂本さんとはEXFIGHTを通じて選手を(修斗に)出場させてもらったり、友好な関係を築かせてもらっていて、修斗のミドル級が機能しているところを見ていました。それで坂本さんに『僕が修斗で試合するのはどうですか?』と話をしたら、トントントン!と話が進んで実現に至りました。あとは僕も国内の主要団体でパンクラスとDEEPには何度も出ているのですが、修斗には出たことがなくて、それが自分のなかで引っかかっていたんですよね。動画でも話した通り、慧舟會時代の先輩たちはみんな修斗で戦っていたので、そういったことも修斗を選んだ理由ですね」

――岡見選手はデビュー当初パンクラスでも試合をしていましたが、修斗は70kg以下の軽量級の選手が多いイメージでした。

「確かにそんな印象がありましたよね。だから修斗の会場にはよく行ってたんですけど、セコンドと応援がほとんどで、自分が試合をする場所として見ることはなかったですね。ただ修斗には脳裏に焼きつく試合や場面が多くて、このタイミングで試合に出ることは光栄ですし、うれしいです」

――ファイター以外の部分で修斗に触れて、他のプロモーションとの違いや修斗の特徴をどう感じていますか。

「みなさんがおっしゃるように“歴史”ですよね。修斗には日本のMMAの歴史が詰まっているというか。坂本さん、中井(祐樹)さん、(佐藤)ルミナさん、(桜井)マッハ(速人)さん、宇野(薫)さん、五味(隆典)さん…修斗は僕らが憧れていた人たちが活躍していた舞台でしたよね」

――僕も岡見選手の同世代ですが、ファン時代はMMAグローブをつけているのが修斗というイメージで、MMAとして修斗から受けた影響は大きいです。

「慧舟會に入る前から修斗やバーリトゥードジャパンの試合を見て『すごい世界があるんだな』と思っていましたし、憧れも持っていたので、だからこそ修斗で試合をしていないことが引っかかっていたし、チャンスがあれば修斗で戦いたいと思っていました」

――岡見選手のキャリアや実績があれば、日本で試合をする場合、修斗以外にも色んな選択肢があったと思います。例えば興行の規模的にRIZINで復帰戦をやりたいという考えはなかったですか。

「なんだろうな…RIZINは素晴らしいイベントだし、今の選手や若い子たちが活躍して勢いをつけている舞台だと思うんですよね。でもそれと自分が戦う場所は別物というか。自分が見て学ぶ舞台と自分が戦う舞台は別で、自分が戦う舞台としては見ていなかったんですよね。だからRIZINで試合をするということは頭にはなかったです。それは他の団体も同じで、今の自分にとって選択肢になかったというか。自分が試合できる時期、大会のスケジュール…そういったものが上手く重なっていたのが修斗で、どこで復帰戦をやるかというよりも、自分が年内に試合をするということが第一で、そのなかで色々なタイミングが重なったのが修斗でした」

――YouTube「SHOOTO OFFICIAL」チャンネルでは「岩﨑大河選手がミドル級を引っ張っていて、こういう若い選手と戦うことに意義があるのかなと思った」というコメントもありました。こちらの発言についても聞かせてください。

「変な話、おじさん同士で戦っても、今の自分の実力は分からないじゃないですか。若い選手やこれからの選手と戦うことで、今の自分の実力がはっきり分かる。そこを明確にするために、岩﨑くんとかそういう選手たちと勝負したいと思いました。見ている人も同じだと思うんですよ、『若い選手と42歳の岡見勇信が戦ったらどうなるんだろう?』や『今の岡見勇信の実力はどうなんだ?』って。そうやってみなさんに興味を持ってもらえる試合をするという意味でも自分の進むべき道が見えました」

――これは個人的な考えです。僕はもう岡見選手は自分の実力がはっきり分かる試合をやらなくてもいい、そうやって格闘技人生を終えてもいい、それだけのことをやってきた選手だと思います。実際にそういった道を望む選手もいると思うのですが、岡見選手は自分がチャレンジする試合をやりたいという想いが勝ったのでしょうか。

「そうですね………この決断は決して簡単ではなかったんですよ。そういう戦いに挑むことは怖い部分もあるし、このまま守りに入ってキャリアを終えて新しい道に進むことも考えました。キャリアの終わりを汚す必要はないんじゃないのかなって何度も思いました。でもGSAで練習していて、同世代の水野竜也やストラッサー(起一)さんが前を向いて戦っている姿を見て、もちろん勝ったり負けたりはありますけど、みんなが前に進んでいるパワーを感じると刺激になります。それと同時に内藤由良とか三上ヘンリー大智とか若い選手たちと練習して、彼らからも刺激や力をもらって、まだまだ勝負できると思いました。そうやってまだ戦える・勝負できる状態なのに、それをやらないのは、自分としては『ない』と思いましたね」

――なるほど。「今の岡見勇信の実力はどうなんだ?」という戦いに挑み、それをファンに見せる。それは岡見選手の格闘技人生のテーマのような気がしました。キャリアの初期から海外に挑戦し、UFCでキャリアを積み、ONEにも参戦して……その時々で目の前にある壁から逃げずに立ち向かっていったのが岡見選手だと思います。

「それは……僕も逃げたくなることありましたよ。でもそこと向き合っている時が一番充実しているんですよね。僕もたくさん負けて悔しい想いをしてきたんですけど、何かしらの光を見つけることができたし、だからこそここまで続けてこれたと思うし。おかげさまで大きな怪我をすることもなく、キャリアを積むことができて、何とか気持ちも続いています。自分から逃げずに、相手から逃げない。憂鬱になるような相手と戦うこともありますけど、それが前に進むということだと思います」

<この項、続く>

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【Special 】K-MMA、2023年・秋。修斗で岡見勇信戦、キム・ジェヨン「衰えたという声に負けない」

【写真】この試合に向けて取材後に米国で練習をしてきたという話も伝わってくる――キム・ジェヨンだ(C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。遅まきながら第二弾は12月2日(土)に東京都江東区の豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦=FIGHT&MOSHで岡見勇信と戦うキム・ジェヨンの声をお届けしたい。

MMAデビューは2004年2月――キャリア19年、K-MMA界の生き字引といえるキム・ジェヨンにとっての岡見勇信戦とは。


――12月2日に修斗で岡見選手と戦うことが決まりました。今の気持ちを教えてください(※取材は10月25日に行われた)。

「岡見選手のようなメジャーなファイターと戦うことは、自分の格闘技人生のなかで、一番のチャンスが来たという感じです。岡見選手と戦える日が来るとは、全く期待をしていなかったので。これが2年振りの試合になるのですが、この間にケガもあり潮時かと考えることもありました。でもまだ辞められないと1年前に思い直し、トレーニングに戻りました。そのような過程があったので、今回のオファーは本当に嬉しかったです」

――2004年にソウルで行われたGladiatorの旗揚げ戦を取材した際、初めて韓国のMMAジムを訪れさせてもらったのですが、チーム・タックルに既にキム・ジェヨン選手が在籍しており極真空手出身だと聞かされたことが思い出されます。いわば韓国MMA界のパイオニアです。

「あの頃は情熱と根性だけでMMAをやっていました(笑)。その情熱は自分だけでなく、大韓民国のMMA関係者が持っていたのでキム・ドンヒョンやジョン・チャンソン、チェ・ドゥホら有名な選手が生まれたと思います。自分の韓国のMMAの発展に役立とうと頑張ってきました」

――今、名前が挙がった選手たちはUFCファイターになれました。一方でキム・ジェヨン選手はあの場で戦うことがなくても、ここまでキャリアを積んできました。

「UFCが30歳になった選手と契約したがらないのは、その後の伸びしろを考えても理解できます。同時に30代の壁を感じ取る人が多いことは知っています。ただしMMAは五輪競技ではないので、精神力や技術力で乗りこえるモノがあります。自分自身、UFCがMMAを続ける上での唯一の目標ではなかったです。そして30歳を過ぎても、強くなれる方法は存在しています」

――なるほどぉ。UFCだけが目標でなかった。では、キム・ジェヨン選手はなぜMMAを始めようと思ったのですか。

「もう大昔の話ですね(笑)。自分が極真空手を始めたのは、強くなりたいと思ったからです。そしてMMAを見た時、ここで勝つことが強さに通じると思って始めました」

――当時の韓国のMMAはイベントができても、継続して活動できるところがSprit MC以外はほとんどなかったです。当時、MMAが韓国に根付くという希望を持っていましたか。

「何度も『もう少しだけ耐えてみよう』という繰り返しでしたね。Sprit MC以外でも自分が競技生活を続けることができたのは、応援してくれる方の支えがあったからです。まぁ韓国国内だけでなくMMAにはUFCやPRIDEがあったので、ジムの指導をしてスポンサーの協力を得られてことで、生活はできました。ただABCを始め海外で戦うことで、国内の選手よりも待遇は良くなり、その時に『やっていける』と思うようになりました。若い頃はガムシャラに突っ走って、やるだけやろうという風でした(笑)」

――韓国のMMAは活動開始同時は打撃が強く、組みに課題があるという時代もありました。その後の技術の変革を常に向き合ってきたかと思います。

「MMAデビュー直後は自分も極真空手出身のアグレッシブなストライカーでした。今も指導をしてくれているパク・ヒョンウク監督に出会ってから、MMAに合う打撃、MMAに合うクリンチ・レスリング、MMAのための寝技を教えてもらいウェルラウンダーに成長することができました」

――技術力が進歩してくると、最終的には気持ちの強さが欠かせないのもMMAだと思います。そのなかで極真でガンガンとやりあってきた経験というのは生きてくるものでしょうか。

「自分の考えでは、極真空手はMMAにあまり役立たないです。自分は極真の癖を直すために苦労をした口です(苦笑)。やはり極真がガンガンとやりあえるのは、顔面を守る必要がないからで。あの距離をMMAで戦うには、それだけの防御と攻撃が必要になってきますが、極真はそこを省いてあの攻防があるわけなので」

――精神的な支柱にもならないですか。

「MMAと極真は別物です。自分はミドル級としては背も低く、リーチも短いので精神論を武器に戦うことはできない」

――押忍、忌憚のないご意見をありがとうございます。ではキム・ジェヨン選手が40歳になるまでMMAを続けることができたモチベーションとはどこにあったのでしょうか。

「プロMMAファイターを続けることができたモチベーションは、チームの存在です。このチームで皆で練習を続けることが、MMAを戦う目的であり、どこそこで戦いということが目標ではなかったので。このチームで活動し、皆と刺激しあい成長することが自分のモチベーションですね。

引退するまで、世界中の強者と可能な限り戦いたいと思っています。過去のキャリアを振り返ると、拘り過ぎることがあり過ぎたり――反省することが多いです。もっとできることもあったと思います。後悔することも多かったですが、そういう時にもチームの皆が支えてくれました」

――さすがACBで戦った選手の言葉は説得力があります。

「ACBはUFCで戦う力がある選手だらけだと聞いて、戦ってみたいと思いました。当時は米国のサイトでアジアのミドル級で1位だったので、やってやろうと気持ちになったんです。だからこそ、今回は岡見選手のような強い選手と戦えて嬉しいです」

――最近の岡見選手のパフォーマンスを見て、どのような印象を持っていますか。

「最近の岡見選手は、以前より衰えたという風に見られていますが、だからこそ強くなれる。自分もそのような声……衰えたという声に負けないように努力して、強くなっています。だから、岡見選手を相手に全く気を緩めることはないです。岡見選手はクリンチが強く、プレッシャーも凄いです。そこに負けないように対策し、岡見選手だけでなく30年間、格闘技をやってきたキム・ジェヨンを倒せる試合をしたいです」

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#03 MMA MMAPLANET o Report ブログ 三村亘 古根川充

【DEEP Osaka Impact2023#03】開始早々のラッシュから、三村の左が古根川のアゴを貫き秒殺KO勝利

【写真】メインイベントで速攻即決(C)SHOJIRO KAMEIKE

<フェザー級/5分3R>
三村亘(日本)
Def.1R0分23秒 by KO
古根川充(日本)

開始早々、三村が突進。右跳びヒザを見せたあと、下がる古根川に右フックを浴びせる。パンチの交錯から組みついた三村は、古根川をケージに押し込んで右の拳を叩き込む。古根川のセコンドから「後頭部! 後頭部!!」のアピールがあるなか、レフェリーは試合続行を伝える。再開後、三村が左右フックを振ると、アッパー気味の左フックが古根川のアゴを貫きKO勝利を収めた。


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DEEP DEEP Osaka Impact2023#03 MG眞介 MMA MMAPLANET o キック 山﨑鼓大

【DEEP Osaka Impact2023#03】山﨑の打撃を受けるも、MGが気迫のテイクダウンからRNC葬

【写真】やや山﨑が優勢の展開で、MGが気迫のフィニッシュ(C)SHOJIRO KAMEIKE

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
Def.2R3分34秒 by RNC
山﨑鼓大(日本)

サウスポーの山﨑が右腕を伸ばしてから左ミドルハイを放つ。MGも左で距離を測り、右ハイへ。山﨑は右サイドキックを繰り出すと、左のガードを固めて右手を伸ばす。MGは左関節蹴り、左サイドキックを見せながら距離を詰めていくも、山﨑が左ミドルと左ストレートでMGを下がらせた。ケージ中央に戻り、山﨑が左ハイ、左ロー、左ハイと蹴りを散らす。しかし残り2分でMGが右ストレートで山﨑の動きを止めると、右ハイ、右ストレート、左フックと追撃する。

山﨑はダブルレッグで組みつき、崩されるがボディロックでドライブしながらテイクダウンを奪ったハーフガードのMGに対し、左ヒジを連打する山﨑。MGはケージまで下がり、立ち上がる。ここで左腕を差し上げたMGが押し返すも、山﨑は差し返してケージに押し込む。残り30秒でMGが離れると、終盤に山﨑がパンチから左ひざを突き上げた。

最終回、山﨑の左ローにMGが右ストレートを合わせる。距離を取って前蹴りとローを打ち込む山崎が、さらに二段蹴りを繰り出した。MGが左右のパンチで山﨑にケージを背負わせると、山﨑が組みにいくがスクランブルから引き込んだ。セコンドの指示通り、すぐに立ち上がる山﨑。MGは右ストレートで山﨑のアゴを跳ね上げる。

MGが左右ローとミドルを散らし、山﨑の左をかわしてシングルレッグで組みついた。ケージ際からボディロックでグラウンドに持ち込んだMGは、パスしてサイドへ。アメリカーナを狙うも極められずマウント、さらにバックマウントを奪取する。パンチを連打し、左腕を山﨑の首に回したMGがRNCを極めた。


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